説明

選択的エストロゲン受容体調節物質としてのシクロヘキシル誘導体

本発明は、新規シクロヘキシル誘導体、それらを含有する製薬学的組成物、ならびにエストロゲン受容体により媒介される障害および疾患の処置におけるそれらの使用に向けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規シクロヘキシル誘導体、それらを含有する製薬学的組成物、ならびに、のぼせ、膣の乾燥、骨減少、骨粗鬆症、高脂血症、認識機能の喪失、変性性脳疾患、心血管系、脳血管系疾患、ホルモン感受性の癌および過形成(女性における乳房、子宮内膜および子宮頚部ならびに男性における前立腺を包含する組織中)、子宮内膜症、子宮線維症、変形性関節症のようなエストロゲン受容体により媒介される障害および疾患の処置若しくは予防における;ならびに単独若しくはプロゲストゲン若しくはプロゲストゲンアンタゴニストと併用のいずれかでの避妊薬としてのそれらの使用に向けられる。本発明の化合物は選択的エストロゲン受容体調節物質である。
【背景技術】
【0002】
エストロゲンは、生殖過程ならびに思春期と関連する子宮、乳房の発達および他の身体の変化に不可欠な女性ホルモンの一群である。エストロゲンは、子宮、乳房および外性器のような生殖過程に関与する女性の身体中の多様な組織のみならずしかしまた中枢神経系、骨、肝、皮膚および尿路中の組織に対しても影響を有する。卵巣は女性の身体中のエストロゲンのほとんどを産生する。
【0003】
閉経は卵巣の卵胞機能の喪失およびエストロゲン産生のほぼ停止による月経の永続的停止と定義される。閉経の中年の移行は、のぼせ、尿生殖器の萎縮、心血管系疾患の増大した危険、骨粗鬆症、認識障害およびアルツハイマー病(AD)の増大した危険を包含する認識および心理学的障害のような、血管運動、尿生殖器、心血管系、骨格および中枢神経系についての短期および長期双方の症状を惹起するエストロゲンの減少を特徴とする。
【0004】
全女性の75%が身体発汗およびのぼせのような閉経の発生と関連する血管運動症状のなんらかの発生を経験する。これらの愁訴は閉経数年前に開始することがあり、また、若干の女性では、比較的一定して若しくは定義可能な惹起する原因を伴わない即座の攻撃としてのいずれかで10年以上の間継続することがある。
【0005】
膣に関連する閉経の発生と関連する尿生殖器の症状は、萎縮、狭窄を伴う乾燥感、灼熱感、掻痒感、性交時疼痛、表層出血および分泌を包含する。尿路に関連する症状は、排尿時の灼熱感、頻繁な尿意、再発性の尿路感染症、および尿失禁を包含する。これらの症状は閉経時近くの全女性の50%までで起こることが報告され、また、閉経後数年に最も高頻度である。治療されないまま放置される場合、該問題は永続的になり得る。
【0006】
心臓発作および卒中は高齢女性の罹病率および死亡率の主要原因である。これらの疾患による女性の罹病率は閉経後急速に増大する。早発性閉経を被る女性は、同様の年齢の月経のある女性よりもより大きな冠動脈の危険にさらされている。血清エストロゲンの存在は血清脂質に対する正の効果を有する。該ホルモンは血管の拡張を促進しかつ新血管の形成を高める。従って、閉経後女性における血清エストロゲン濃度の低下は有害な心血管の影響をもたらす。加えて、血液の凝固能力の差違が閉経前後の心疾患の発生の観察される差違の原因となりうることが理論化されている。
【0007】
骨格は、骨細胞間の慎重に制御されている相互作用における骨の変性および再生の連続的過程下にある。これらの細胞はエストロゲンにより直接影響を及ぼされる。エストロゲン欠乏症は骨構造の喪失および骨強度の低下をもたらす。閉経直後の年の間の骨量の急速な喪失は、閉経後の骨粗鬆症および骨折の増大した危険を先導する。
【0008】
エストロゲン欠乏症はまた中枢神経系の変性性変化の原因のひとつでもあり、そしてアルツハイマー病および認識の低下に至るおそれがある。最近の証拠はエストロゲン、閉経および認識の間の関連を示唆している。より具体的には、女性におけるエストロゲン補充療法およびエストロゲンの使用がADの発症を予防しかつ認識機能を改善しうることが報告されている。
【0009】
ホルモン補充療法(HRT)(より具体的にはエストロゲン補充療法(ERT))は、予防的および治療的双方の様式で、閉経に伴う医学的問題を取り扱うため、ならびにまた骨粗鬆症および(冠動脈疾患のような)一次性心血管系合併症を妨げるのを助けるために一般に処方される。であるから、HRTは閉経後の女性の平均寿命を延長しかつより良好な生活の質を提供するための医学的療法とみなされている。
【0010】
ERTは更年期の症状および尿生殖器の症状を効果的に軽減しかつ閉経後の女性における心疾患の予防および処置において大きな利益を示している。臨床報告は、ERTを服用していない類似の集団に対してERTを受領した集団において、ERTが心臓発作率および死亡率を低下させたことを示した。閉経直後に開始するERTは数年間骨量を維持するのものまた助けるとみられる。対照試験は、ERTでの処置が75歳までの高齢女性においてもなお正の効果を有することを示した。
【0011】
しかしながら、患者のコンプライアンスを低下させる、ERTに伴う多数の望ましくない効果が存在する。静脈血栓塞栓症、胆嚢疾患、月経の再開、乳房痛、ならびに子宮および/若しくは乳房の癌を発症する可能な増大した危険がERTと関連する危険である。ERTを処方された女性の30%までが処方箋を調剤しておらず、また、中断率は、安全の懸念、ならびに中断の最も重要な理由である副作用(鼓腸および破綻出血)を伴い38%と70%との間である。
【0012】
選択的エストロゲン受容体調節物質すなわちSERMとして知られる新規一分類の薬理学的剤がHRTの代替として設計かつ開発された。非ステロイド性ベンゾチオファーSERM、ラロキシフェンは、エビスタ[Evista](R)の商標で骨粗鬆症の予防および処置のため米国および欧州で市販されている。ラロキシフェンは、子宮内膜および乳腺組織を有害に刺激することなく骨喪失を低下させかつ骨折を予防することが示されているが、ラロキシフェンは骨喪失に対する保護についてERTよりもいくぶんより少なく有効である。ラロキシフェンは、それが子宮内膜を刺激せずかつ乳癌を予防する潜在能力を有するために独特でありかつERTと有意に異なる。ラロキシフェンはまた、より具体的にはラロキシフェンで処置した患者における総および低密度リポタンパク質コレステロールレベルの急速かつ持続性の低下により、心血管系の危険因子に対する有益なエストロゲンアゴニスト効果も示した。加えて、ラロキシフェンはアテローム硬化症および血栓塞栓性疾患の独立した危険因子、血漿ホモシステイン濃度を低下させることが示された。
【0013】
しかしながら、ラロキシフェンは、のぼせおよび膣の乾燥のような閉経と関連する症状を悪化させることが報告されており、また、高齢患者の認識機能を改善しない。ラロキシフェンを服用している患者は、プラセボまたはERTいずれの使用者と比較してもより高率ののぼせ、およびプラセボ使用者よりもより多い脚痙攣を報告したが、ERTを服用した女性はラロキシフェン若しくはプラセボ使用者よりも膣出血および乳房不快感のより高い発生率を有した。
【0014】
これまでのところ、ラロキシフェンも他の現在利用可能なSERM化合物のいずれも、子宮内膜および乳房の癌および出血の増大した危険のような有害な副作用を引き起こすことなく閉経後症候群の制御およびADの予防のような現在利用可能なERTの全部の利益を提供する能力を有することが示されていない。従って、選択的エストロゲン受容体調節
物質でありかつ閉経に伴う全身のエストロゲンの減少と関連する血管運動、尿生殖器および認識の障害若しくは状態もまた取り扱いつつERTの利益の全部を提供する化合物に対する必要性が存在する。
【発明の開示】
【0015】
[発明の要約]
本発明は、一般式(I)
【0016】
【化1】

【0017】
[式中
【0018】
【化2】

【0019】
は単若しくは二重結合を表し、
1aは水素および低級アルキルよりなる群から選択され;
は、アルキル、ヒドロキシ置換アルキル、アルケニル、ヒドロキシ置換アルケニル、アルキニル、ヒドロキシ置換アルキニル、アルコキシアルキル、アルコキシ−カルボニル、アルキル−カルボニル、アリール−カルボニル、ヘテロアリール−カルボニル、ヘテロシクロアルキル−カルボニル、アルキル−カルボニル−アルキル、NR−カルボニルおよびNR−アルコキシ−アルキルよりなる群から選択され;
およびRは、水素およびアルキルよりなる群からそれぞれ独立に選択されるか;あるいは、RおよびRは、それらが結合されているN原子と一緒になってヘテロアリール若しくはヘテロシクロアルキル基を形成し;
は、水素、カルボキシ、アルキル、ヒドロキシ置換アルキル、アルケニル、ヒドロキシ置換アルケニル、アルキニル、ヒドロキシ置換アルキニル、アルコキシアルキル、アルコキシ−カルボニル、アルキル−カルボニル、アリール−カルボニル、ヘテロアリール−カルボニル、ヘテロシクロアルキル−カルボニル、アルキル−カルボニル−アルキル、NR−カルボニルおよびNR−アルコキシ−アルキルよりなる群から選択されるか;
あるいは、RおよびRは、それらが結合されている原子と一緒になって、式
【0020】
【化3】

【0021】
[式中、nは1から4までの整数であり;
式中、RおよびRは、水素、ヒドロキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル若しくはアルコキシから独立に選択されるか;あるいは、RおよびRはそれらが結合されている炭素原子と一緒になってオキソ基を形成する]
の5ないし8員の飽和環構造を形成するか;
なおあるいは、RおよびRは、それらが結合されている原子と一緒になって、式
【0022】
【化4】

【0023】
[式中、mは1から3までの整数である]
の1個のヘテロ原子を含有する飽和環構造を形成し;
は水素およびアルキルよりなる群から選択され;
【0024】
【化5】

【0025】
は、アリール、アラルキルおよびヘテロアリールよりなる群から選択され;該ヘテロアリール基は炭素原子により核構造に結合され;また、該アリール、アラルキル若しくはヘテロアリール基は、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルキル、アラルキルオキシ若しくはNR−アルコキシから独立に選択される1個若しくはそれ以上の置換基で場合によっては置換され;
【0026】
【化6】

【0027】
は、アリール、アラルキルおよびヘテロアリールよりなる群から選択され;該ヘテロアリール基は炭素原子により核構造に結合され;また、該アリール、アラルキル若しくはヘテロアリール基は、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルキル、アラルキルオキシ若しくはNR−アルコキシから独立に選択される1個若しくはそれ以上の置換基で場合によっては置換されるが;
但し、
【0028】
【化7】

【0029】
が二重結合であり、R1aが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、
かつ、
【0030】
【化8】

【0031】
が同一でありかつフェニル若しくは置換フェニルよりなる群から選択され、該フェニル上
の置換基がアルコキシから選択される1ないし2個である場合には、Rはヒドロキシ置換低級アルキル若しくはアルコキシカルボニル以外であり;
但し、さらに、
【0032】
【化9】

【0033】
が二重結合であり、R1aが水素若しくは低級アルキルであり、
【0034】
【化10】

【0035】
がフェニルでありかつ
【0036】
【化11】

【0037】
がフェニルである場合には、RはNR−カルボニルおよびNR−アルコキシ−アルキルよりなる群から選択され;
但し、さらに、
【0038】
【化12】

【0039】
が単結合であり、R1aが水素であり、Rが水素若しくは低級アルキルであり、Rが水素でありかつ
【0040】
【化13】

【0041】
が同一かつフェニルである場合には、Rは低級アルキル、ヒドロキシ置換低級アルキル、アルキルカルボニル若しくはアルコキシカルボニル以外であり;
但し、さらに、
【0042】
【化14】

【0043】
が単結合であり、Rが低級アルキルであり,R1aが水素であり、Rが水素であり、Rが水素でありかつ
【0044】
【化15】

【0045】
がフェニルである場合には、
【0046】
【化16】

【0047】
はベンズイミダゾリル以外であり;
但し、さらに、
【0048】
【化17】

【0049】
が単若しくは二重結合であり、R1aが低級アルキルであり、Rが水素であり、RおよびRがそれらが結合されている原子と一緒になってシクロヘキシル若しくは3−ヒドロキシフェニルを形成し、かつ、
【0050】
【化18】

【0051】
が4−ヒドロキシフェニルである場合には、
【0052】
【化19】

【0053】
は4−(NR−低級アルコキシ)−フェニル以外であり、式中RおよびRは水素若しくは低級アルキルからそれぞれ独立に選択されるか、またはRおよびRはそれらが結合されているN原子と一緒になってピペリジニルを形成し;
但し、さらに、
【0054】
【化20】

【0055】
が単若しくは二重結合であり、R1aが水素であり、Rが水素でありかつRおよびRがそれらが結合されている原子と一緒になって
【0056】
【化21】

【0057】
を形成する場合には、
【0058】
【化22】

【0059】
は同一かつフェニルでなく;
但し、さらに、
【0060】
【化23】

【0061】
が二重結合であり、R1aが低級アルキルであり、Rが水素でありかつRおよびRがそれらが結合されている原子と一緒になって式
【0062】
【化24】

【0063】
[式中、Rはヒドロキシ若しくはアルコキシから選択される]の5員の飽和環構造を形成する場合には、
【0064】
【化25】

【0065】
はフェニル若しくは置換フェニル以外であり、該フェニル上の置換基はヒドロキシ、アルコキシ、アラルキル、アラルキルオキシ若しくはNR−アルコキシから独立に選択される1個若しくはそれ以上である]
の化合物、
あるいはその製薬学的に許容できる塩に向けられる。
【0066】
本発明はさらに、式(II)
【0067】
【化26】

【0068】
[式中
XはC(O)およびCHよりなる群から選択され;
は水素および低級アルキルよりなる群から選択され;
はアルキルよりなる群から選択され;
は−(アラルキル)−Q−(アルキル)−NRよりなる群から選択され;
QはOおよびSよりなる群から選択され;
およびRは水素およびアルキルよりなる群からそれぞれ独立に選択されるか;あるいは、RおよびRはそれらが結合されているN原子と一緒になってヘテロアリール若しくはヘテロシクロアルキル基を形成し;
【0069】
【化27】

【0070】
はアリール、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキルよりなる群から選択され;該ヘテロアリール若しくはヘテロシクロアルキル基は炭素原子により核構造に結合され;また、該アリール、アラルキル、ヘテロアリール若しくはヘテロシクロアルキル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルキルオキシ若しくはNR−アルコキシから独立に選択される1個若しくはそれ以上の置換基で場合によっては置換される]
の化合物;
またはその製薬学的に許容できる塩に向けられる。
【0071】
本発明はさらに、式(III)
【0072】
【化28】

【0073】
[式中
【0074】
【化29】

【0075】
は単若しくは二重結合を表し;
XはC(O)およびCHよりなる群から選択され;
は水素および低級アルキルよりなる群から選択され;
はアルキルよりなる群から選択され;
は−(アラルキル)−Q−(アルキル)−NRよりなる群から選択され;
QはOおよびSよりなる群から選択され;
およびRは水素およびアルキルよりなる群からそれぞれ独立に選択されるか;あるいは、RおよびRはそれらが結合されているN原子と一緒になってヘテロアリール若しくはヘテロシクロアルキル基を形成する]
の化合物;
またはその製薬学的に許容できる塩に向けられる。
【0076】
本発明はさらに、3−(4−ベンジルオキシ−ベンジル)−2−メチル−4−オキソ−シクロヘキシ−2−エンカルボン酸エチルエステル4−{4−ヒドロキシメチル−5−メチル−6−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−ベンジル]−シクロヘキシ−1−エニル}−フェノールよりなる群から選択される化合物およびその製薬学的に許容できる塩に向けられる。
【0077】
製薬学的に許容できる担体および上述される化合物のいずれかを含んでなる製薬学的組
成物が本発明を具体的に説明する。本発明の一具体的説明は、上述される化合物のいずれかおよび製薬学的に許容できる担体を混合することにより作成される製薬学的組成物である。上述される化合物のいずれかおよび製薬学的に許容できる担体を混合することを含んでなる、製薬学的組成物の作成方法が本発明を具体的に説明する。
【0078】
本発明を例示するものは、治療上有効な量の上述される化合物若しくは製薬学的組成物のいずれかを被験体に投与することを含んでなる、それの必要な被験体における1種若しくはそれ以上のエストロゲン受容体により媒介される障害の治療方法である。
【0079】
本発明を具体的に説明するものは、プロゲストゲン若しくはプロゲストゲンアンタゴニストを伴う治療上有効な量の式(I)の化合物を含む共治療(co−therapy)をそれの必要な被験体に投与することを含んでなる避妊方法である。
【0080】
本発明の別の例は、それの必要な被験体における:(a)のぼせ、(b)膣の乾燥、(c)骨減少、(d)骨粗鬆症、(e)高脂血症、(f)認識機能の喪失、(g)変性性脳疾患、(h)心血管系疾患、(i)脳血管系疾患、(j)乳癌、(k)子宮内膜癌、(l)子宮頚癌、(m)前立腺癌、(n)良性前立腺過形成、(o)子宮内膜症、(p)子宮線維症、(q)変形性関節症を治療するため、および(r)避妊のための医薬の製造における本明細書に記述される化合物のいずれかの使用である。
[発明の詳細な記述]
本発明は、式(I)、(II)および(III)
【0081】
【化30】

【0082】
の化合物に向けられ、
式中、
【0083】
【化31】

【0084】
本発明の化合物は、限定されるものでないがのぼせ、膣の乾燥、骨減少、骨粗鬆症、高脂血症、認識機能の喪失、変性性脳疾患、心血管系および脳血管疾患を挙げることができるエストロゲン枯渇と関連する疾患の治療および予防に);(女性における乳房、子宮内膜および子宮頚部ならびに男性における前立腺を包含する組織中の)ホルモン感受性の癌および過形成の処置に;子宮内膜症、子宮線維症および変形性関節症の処置および予防に;ならびに、単独でまたはプロゲストゲン若しくはプロゲストゲンアンタゴニストと併用のいずれかで避妊薬として有用な、エストロゲン受容体の調節物質である。
【0085】
本発明の一態様において、
【0086】
【化32】

【0087】
は単結合である。本発明の別の態様において、
【0088】
【化33】

【0089】
は二重結合である。
【0090】
本発明の一態様において、R1aは水素および低級アルキルよりなる群から選択される。好ましくは、R1aは水素およびメチルよりなる群から選択される。
【0091】
本発明の一態様において、Rは低級アルキル、ヒドロキシ置換低級アルキル、低級アルケニル、ヒドロキシ置換低級アルケニル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−カルボニル、低級アルキル−カルボニル、フェニル−カルボニル、低級アルキル−カルボニル−低級アルキル、NR−カルボニルおよびNR−低級アルコキシ−低級アルキルよりなる群から選択される。本発明の別の態様において、Rは低級アルキル、ヒドロキシ置換低級アルキル、ヒドロキシ置換低級アルケニル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−カルボニル、低級アルキル−カルボニル−低級アルキルならびにNR−低級アルコキシ−低級アルキルおよびNR−カルボニルよりなる群から選択される。好ましくは、Rはメチル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシプロピン−2−イル、1−ヒドロキシ−n−プロピル、メトキシメチル、メトキシカルボニル、メチルカルボニルメチル、ジメチルアミノ−エトキシ−メチル、モルホリニル−エトキシ−メチル、モルホリニルカルボニルおよびジエチルアミノカルボニルよりなる群から選択される。
【0092】
本発明の一態様において、RおよびRは水素および低級アルキルよりなる群からそれぞれ独立に選択されるか;あるいは、RおよびRはそれらが結合されているN原子と一緒になって5ないし6員のヘテロアリール若しくは5ないし6員のヘテロシクロアルキル基を形成する。好ましくは、RおよびRは水素およびメチルよりなる群から独立に選択されるか、若しくはそれらが結合されている窒素原子と一緒になってモルホリニルを形成する。
【0093】
本発明の一態様において、Rは水素、カルボキシ、低級アルキル、ヒドロキシ置換低級アルキル、低級アルケニル、ヒドロキシ置換低級アルケニル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−カルボニル、低級アルキル−カルボニル、フェニル−カルボニル、低級アルキル−カルボニル−低級アルキル、NR−カルボニルおよびNR−低級アルコキシ−低級アルキルよりなる群から選択される。本発明の別の態様において、Rは水素、カルボキシ、低級アルキル、ヒドロキシ置換低級アルキル、低級アルキル−カルボニル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルキル−カルボニル−低級アルキルおよびNR−低級アルコキシ−低級アルキルよりなる群から選択される。好ましくは、Rは水素、カルボキシ、メチル、ヒドロキシメチル、メトキシカルボニル、メトキシメチル、メチルカルボニルメチルおよびジメチルアミノ−エトキシ−メチルよりなる群から選択される。
【0094】
本発明の一態様において、RおよびRは、それらが結合されている原子と一緒になって、式;
【0095】
【化34】

【0096】
[式中、nは1から4までの整数である]
の飽和環構造を形成する。
【0097】
本発明の別の態様において、RおよびRは、それらが結合されている原子と一緒になって、式
【0098】
【化35】

【0099】
[式中、mは1から2までの整数である]
の1個のヘテロ原子を含有する飽和環構造を形成する。
【0100】
好ましくは、RおよびRは、それらが結合されている原子と一緒になって、3−ヒドロキシ−3−エチニル−シクロペンチル、3−ヒドロキシ−シクロペンチル、3−オキソ−シクロペンチル、3−ヒドロキシ−シクロヘキシル、3−オキソ−シクロヘキシル、3−オキソ−シクロオクチルおよびジヒドロ−フル−4−イルよりなる群から選択される環構造を形成し;該R+R環は1、2位(時計回りに番号付けする)により核構造に結合される。
【0101】
本発明の一態様において、RおよびRは水素、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルキニルおよび低級アルコキシよりなる群から独立に選択されるか;あるいは、RおよびRはそれらが結合されている炭素原子と一緒になってオキソ基を形成する。本発明の別の態様において、RおよびRは水素、ヒドロキシおよび低級アルキニルよりなる群から独立に選択されるか;あるいは、RおよびRはそれらが結合されている炭素原子と一緒になってオキソ基を形成する。
【0102】
本発明の一態様において、Rは水素および低級アルキルよりなる群から選択される。好ましくは、Rは水素およびエチルよりなる群から選択される。
【0103】
本発明の一態様において、
【0104】
【化36】

【0105】
はアリールおよびヘテロアリールよりなる群から選択され;該ヘテロアリール基は炭素原子により核構造に結合され;また、該アリール若しくはヘテロアリール基は、ヒドロキシ
、低級アルコキシ、アラルキル、アラルキルオキシ若しくはNR−低級アルコキシから独立に選択される1ないし2個の置換基で場合によっては置換される。
【0106】
本発明の別の態様において、
【0107】
【化37】

【0108】
はアリールよりなる群から選択され;該アリール基はヒドロキシ、低級アルコキシおよびアラルキルオキシから選択される置換基で場合によっては置換される。好ましくは、
【0109】
【化38】

【0110】
はフェニル、4−ヒドロキシフェニル、4−メトキシフェニルおよび4−ベンジルオキシ−フェニルよりなる群から選択される。
【0111】
本発明の別の態様において、
【0112】
【化39】

【0113】
はアリールであり;該アリール基は、ヒドロキシ若しくは低級アルコキシから選択される1置換基で場合によっては置換される。好ましくは、
【0114】
【化40】

【0115】
はフェニル、4−ヒドロキシフェニルおよび4−メトキシフェニルよりなる群から選択される。
【0116】
本発明の一態様において、
【0117】
【化41】

【0118】
はアリールおよびヘテロアリールよりなる群から選択され;該ヘテロアリール基は炭素原子により核構造に結合され;また、該アリール若しくはヘテロアリール基は、ヒドロキシ、低級アルコキシ、アラルキル、アラルキルオキシ若しくはNR−低級アルコキシから独立に選択される1ないし2個の置換基で場合によっては置換される。
【0119】
本発明の別の態様において、
【0120】
【化42】

【0121】
はアリールよりなる群から選択され;該アリール基は、ヒドロキシ、低級アルコキシ、アラルキルおよびNR−低級アルコキシから独立に選択される1ないし2個の置換基で場合によっては置換される。好ましくは、
【0122】
【化43】

【0123】
はフェニル、4−ヒドロキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−ジメチルアミノエトキシ−フェニル、4−ヒドロキシ−3−ベンジル−フェニルおよび4−(ピペリジニル−エトキシ)−フェニルよりなる群から選択される。
【0124】
本発明の別の態様において、
【0125】
【化44】

【0126】
はアリールであり;該アリールは低級アルコキシ
から選択される1置換基で場合によっては置換される。好ましくは、
【0127】
【化45】

【0128】
はフェニルおよび4−メトキシフェニルよりなる群から選択される。
【0129】
本発明の一態様において、XはC(O)およびCHよりなる群から選択される。好ましくは、XはC(O)である。
【0130】
本発明の一態様において、Rは水素および低級アルキルよりなる群から選択される。本発明の別の態様において、Rは低級アルキルよりなる群から選択される。好ましくは、Rはエチルである。
【0131】
本発明の一態様において、Rは低級アルキルよりなる群から選択される。好ましくは、Rはメチルである。
【0132】
本発明の一態様において、Rは−(ベンジル)−Q−(低級アルキル)−NRよりなる群から選択される。本発明の別の態様において、Rは−(ベンジル)−O−(低級アルキル)−NRよりなる群から選択される。好ましくは、Rは、4−(ジメチルアミノ−エトキシ)−ベンジル、4−(モルホリニル−エトキシ)−ベンジル、4−(ピペリジニル−エトキシ)−ベンジルおよび4−(ピロリジニル−エトキシ)−ベンジルよりなる群から選択される。
【0133】
本発明の一態様において、QはOおよびSよりなる群から選択される。好ましくは、QはOである。
【0134】
本発明の一態様において、RおよびRは水素および低級アルキルよりなる群からそれぞれ独立に選択されるか;あるいは、RおよびRは、それらが結合されているN原子と一緒になって、5ないし6員のヘテロアリール若しくは5ないし6員のヘテロシクロアルキル基を形成する。本発明の別の態様において、RおよびRは低級アルキルからそれぞれ独立に選択されるか;あるいは、RおよびRはそれらが結合されているN原子と一緒になって5ないし6員のヘテロアリール若しくは5ないし6員のヘテロシクロアルキル基を形成する。好ましくは、RおよびRはそれぞれメチルであるか、またはそれらが結合されているN原子と一緒になってモルホリニル、ピペリジニル若しくはピロリジニル基を形成する。
【0135】
本発明の一態様において、
【0136】
【化46】

【0137】
はアリール、アラルキルおよびヘテロアリールよりなる群から選択され;該ヘテロアリール基は炭素原子により核構造に結合され;また、該アリール、アラルキル若しくはヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルキルオキシ若しくはNR−アルコキシから独立に選択される1ないし2個の置換基で場合によっては置換される。本発明の別の態様において、
【0138】
【化47】

【0139】
はアリールおよびヘテロアリールよりなる群から選択され;該ヘテロアリール基は炭素原子により核構造に結合され;また、該アリール若しくはヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ若しくは低級アルコキシから選択される1置換基で場合によっては置換される。好ましくは、
【0140】
【化48】

【0141】
は、4−フルオロフェニル、4−ヒドロキシフェニル、4−メトキシフェニルおよび5−インドリルよりなる群から選択される。
【0142】
本発明の一態様において、1化合物は3−(4−ベンジルオキシ−ベンジル)−2−メチル−4−オキソ−シクロヘキシ−2−エンカルボン酸エチルエステルおよび4−{4−ヒドロキシメチル−5−メチル−6−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−ベンジル]−シクロヘキシ−1−エニル}−フェノールよりなる群から選択される。
【0143】
本発明のなお別の態様において、式(I)の1化合物は表1に列挙されるところの群から選択される。本発明のなお別の態様において、式(I)の1化合物は表2に列挙されるところの群から選択される。本発明のなお別の態様において、式(I)の1化合物は表3に列挙されるところの群から選択される。
【0144】
本発明の一態様において、式(II)の1化合物は表4に列挙されるところの群から選
択される。本発明の別の態様において、式(III)の1化合物は表5に列挙されるところの群から選択される。
【0145】
本発明の代表的化合物は表1、2、3、4および5に列挙されるとおりである。別の方法で示されない限り、下の表中で、記号
【0146】
【化49】

【0147】
が先頭にくる欄において、2の表記法は二重結合を示す一方、1の表記法は単結合を示す。
【0148】
【表1】

【0149】
【表2】

【0150】
【表3】

【0151】
【表4】

【0152】
【表5】

【0153】
【表6】

【0154】
【表7】

【0155】
【表8】

【0156】
式(I)、式(II)若しくは式(III)の化合物の製造における中間体として製造される本発明の付加的な化合物は:
【0157】
【化50】

【0158】
を包含し、化合物#74中でシクロヘキセン核上のヒドロキシメチル、メチルおよびピペリジニル−エトキシ−ベンジル置換基は全部cisコンホメーションにある。
【0159】
本明細書で使用されるところの「ハロゲン」は塩素、臭素、フッ素およびヨウ素を意味している。
【0160】
本明細書で使用されるところの「アルキル」という用語は、単独で使用されようと置換基の一部として使用されようと、直鎖および分枝状鎖、好ましくは1ないし8個の炭素原子を含有する鎖を包含する。例えば、アルキル基は、限定されるものでないがメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチルなどを挙げることができる。別の方法で示されない限り、アルキルとともに使用される場合の「低級」は1〜4個の炭素原子の炭素鎖組成を意味する。
【0161】
別の方法で示されない限り、本明細書で使用されるところの「アルケニル」という用語は、単独で使用されようと置換基の一部として使用されようと、最低1個の不飽和二重結合を含有する直鎖および分枝状鎖を包含する。例えば、ビニル、プロペニル若しくはアリル、ブテニル、ブテン−2−イル、ブテン−3−イル、2−メチル−ブテン−2−イルなど。好ましくは、2ないし8個の炭素原子を含有するアルケニル基。別の方法で示されない限り、アルケニルとともに使用される場合の「低級」は2〜4個の炭素原子の炭素鎖組成を意味している。
【0162】
別の方法で示されない限り、本明細書で使用されるところの「アルキニル」という用語は、単独で使用されようと置換基の一部として使用されようと、最低1個の不飽和三重結合を含有する直鎖および分枝状鎖を包含する。例えば、エチニル、プロピニル、ブチン−2−イルなど。好ましくは2ないし8個の炭素原子を含有するアルキニル基。別の方法で示されない限り、アルキニルとともに使用される場合の「低級」は2〜4個の炭素原子の炭素鎖組成を意味している。
【0163】
別の方法で示されない限り、本明細書で使用されるところの「アルコキシ」は、上述された直鎖若しくは分枝状鎖アルキル基の酸素エーテル基を示す。例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ヘキシルオキシなど。別の方法で示されない限り、アルコキシとともに使用される場合の「低級」は1〜4個の炭素原子を含んでなるアルコキシ基を意味している。
【0164】
別の方法で示されない限り、本明細書で使用されるところの「アリール」はフェニル、ナフチルなどのような未置換炭素環芳香族基を指す。
【0165】
別の方法で示されない限り、本明細書で使用されるところの「アラルキル」はフェニル、ナフチルなどのようなアリール基で置換されたいかなる低級アルキル基も意味している。例えば、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、ナフチルメチルなど。
【0166】
別の方法で示されない限り、本明細書で使用されるところの「アラルキルオキシ」という用語は、アラルキルが上で定義されるようでありかつ該アラルキルオキシ基がO原子により結合されているアラルキル−O−基を意味している。適する例は、限定されるものでないがベンジルオキシ、フェニル−エトキシなどを挙げることができる。
【0167】
別の方法で示されない限り、本明細書で使用されるところの「シクロアルキル」という用語は、いかなる安定な3〜8員の単環の飽和環系、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルも意味している。
【0168】
別の方法で示されない限り、本明細書で使用されるところの「ヘテロアリール」は、O
、NおよびSよりなる群から独立に選択される1ないし3個の付加的なヘテロ原子を場合によっては含有する、O、NおよびSよりなる群から選択される最低1個のヘテロ原子を含有するいかなる5若しくは6員の単環芳香族環構造;または、O、NおよびSよりなる群から独立に選択される1ないし4個の付加的なヘテロ原子を場合によっては含有する、O、NおよびSよりなる群から選択される最低1個のヘテロ原子を含有する9若しくは10員の二環芳香族環構造も示す。ヘテロアリール基は、該結果が安定な構造であるような、環のいずれのヘテロ原子若しくは炭素原子で結合されてもよい。
【0169】
適するヘテロアリール基の例は、限定されるものでないが、ピロリル、フリル、チエニル、オキサゾリル、イミダゾリル、プラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラニル、フラザニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリニル、インダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、プリニル、キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、イソチアゾリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、プテリジニルなどを挙げることができる。
【0170】
本明細書で使用されるところの「ヘテロシクロアルキル」という用語は、O、NおよびSよりなる群から独立に選択される1ないし3個の付加的なヘテロ原子を場合によっては含有する、O、NおよびSよりなる群から選択される最低1個のヘテロ原子を含有するいかなる5ないし7員の単環の飽和若しくは部分的に不飽和の環構造;または、O、NおよびSよりなる群から独立に選択される1ないし4個の付加的なヘテロ原子を場合によっては含有する、O、NおよびSよりなる群から選択される最低1個のヘテロ原子を含有する9ないし10員の飽和、部分的に不飽和若しくは部分的に芳香族の二環系も示す。ヘテロシクロアルキル基は、該結果が安定な構造であるような、環のいずれのヘテロ原子若しくは炭素原子で結合されてもよい。
【0171】
適するヘテロアリール基の例は、限定されるものでないがピロリニル、ピロリジニル、ジオキサラニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ジオキサニル、モルホリニル、ジチアニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、トリチアニル、インドリニル、クロメニル、3,4−メチレンジオキシフェニル、2,3−ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロフリルなどを挙げることができる。好ましいヘテロシクロアルキル基はジヒドロフリル、モルホリニル、ピペリジニルおよびピロリジニルを包含する。
【0172】
特定の一基が「置換される」(例えばPh、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリール)場合、その基は、置換基の一覧から独立に選択される1個若しくはそれ以上の置換基、好ましくは1から5個までの置換基、より好ましくは1から3個までの置換基、最も好ましくは1から2個までの置換基を有しうる。
【0173】
置換基に関して、「独立に」という用語は、こうした置換基の1個以上が可能である場合に、こうした置換基が相互と同一であっても異ってもよいことを意味している。
【0174】
別の方法で示されない限り、RおよびRがそれらが結合されている炭素原子と一緒になって環構造を形成する置換基を命名する場合に、前記置換基−式(Iaa)若しくは(Iab)
【0175】
【化51】

【0176】
の化合物の二環構造の最も右の環構造が、架橋炭素原子が1および2と番号付けられかつRおよび/若しくはR置換基が3と番号付けられる炭素原子で結合されるような命名される。RおよびRがそれらが結合されている炭素原子と一緒になって環構造を形成する置換基内の残りの炭素および/若しくは酸素原子は、時計回りに数える順序で番号付けることができる。
【0177】
本開示を通じて使用される標準的命名法のもとでは、指定される側鎖の末端部分を最初に、次いで結合の点に向かう隣接する官能基を記述する。従って、例えば、
「フェニルC−CアルキルアミノカルボニルC−Cアルキル」置換基は、式
【0178】
【化52】

【0179】
の基を指す。
【0180】
本明細、とりわけスキームおよび実施例で使用される略語は後に続くとおりである:
【0181】
【表9】

【0182】
【表10】

【0183】
本明細書で使用されるところの「被験体」という用語は、処置、観察若しくは実験の対象である動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを指す。
【0184】
本明細書で使用されるところの「治療上有効な量」という用語は、治療されている疾患若しくは障害の症状の緩和を包含する、研究者、獣医師、医師若しくは他の臨床家により探求されている組織系、動物若しくはヒトにおいて生物学的若しくは医学的応答を導き出す有効成分若しくは製薬学的剤の量を意味している。1種若しくはそれ以上の式(I)の化合物(1種若しくは複数)、式(II)の化合物(1種若しくは複数)および/または
式(III)の化合物(1種若しくは複数)ならびにプロゲストゲン若しくはプロゲストゲンアンタゴニストの投与を含んでなる共治療に向けられる本発明の中で、「治療上有効な量」は、組合せた効果が所望の生物学的若しくは医学的応答を導き出すように一緒に服用される剤の組合せの量を意味している。例えば、式(I)の化合物およびプロゲストゲンの投与を含んでなる共治療の治療上有効な量は、一緒に若しくは連続して服用される場合に治療上有効である組合せた効果を有する式(I)の化合物の量およびプロゲストゲンの量であることができる。さらに、上の例でのような治療上有効な量を用いる共治療の場合に、式(I)の化合物の量および/またはプロゲストゲン若しくはプロゲストゲンアンタゴニストの量は個別に治療上有効であってもなくてもよいことが当業者により認識されるであろう。
【0185】
本明細書で使用されるところの「共治療」という用語は、プロゲストゲン若しくはプロゲストゲンアンタゴニストとともに1種若しくはそれ以上の式(I)の化合物、式(II)の化合物および/若しくは式(III)の化合物を投与することによるそれの必要な患者の処置を意味しており、ここで、式(I)の化合物(1種若しくは複数)、式(II)の化合物(1種若しくは複数)または式(III)の化合物(1種若しくは複数)およびプロゲストゲン若しくはプロゲストゲンアンタゴニストは、いずれかの適する手段により、同時に、連続して、別個に若しくは単一の製薬学的製剤中で投与される。式(I)の化合物(1種若しくは複数)、式(II)の化合物(1種若しくは複数)、式(III)の化合物(1種若しくは複数)およびプロゲストゲン若しくはプロゲストゲンアンタゴニストが別個の投薬形態物で投与される場合、各化合物についての1日あたりに投与される投薬量の数は同一であっても異なってもよい。式(I)の化合物(1種若しくは複数)、式(II)の化合物(1種若しくは複数)、式(III)の化合物(1種若しくは複数)およびプロゲストゲン若しくはプロゲストゲンアンタゴニストは同一若しくは異なる投与経路を介して投与しうる。適する投与方法の例は、限定されるものでないが経口、静脈内(iv)、筋肉内(im)、皮下(sc)、経皮および直腸を挙げることができる。化合物はまた、ポンプ装置を伴う若しくは伴わない頭蓋内若しくは脊椎内の針および/若しくはカテーテルを介する送達による限定されるものでないが脳内、室内、脳室内、硬膜下腔内、槽内、脊髄内および/若しくは脊髄周囲の投与経路を挙げることができる直接神経系に投与してもよい。式Iの化合物(1種若しくは複数)、式(II)の化合物(1種若しくは複数)、式(III)の化合物(1種若しくは複数)およびプロゲストゲン若しくはプロゲストゲンアンタゴニストは、分割された若しくは単一の形態で同時に、治療の経過の間の同一若しくは異なる時間に、同時の若しくは交互のレジメンに従って投与しうる。
【0186】
本明細書で使用されるところの「組成物」という用語は、指定された量の指定された成分を含んでなる生成物、ならびに指定された量の指定された成分の組合せから直接若しくは間接的に生じるいかなる生成物も包含することを意図している。
【0187】
本明細書で使用されるところの「エストロゲン受容体により調節される疾患若しくは障害」という用語は、エストロゲンαにより媒介されるいかなる疾患若しくは障害、エストロゲンβ受容体により媒介されるいかなる疾患若しくは障害、またはエストロゲンαおよびエストロゲンβ双方の受容体により媒介されるいかなる疾患若しくは障害も意味している。例えば、のぼせ、膣の乾燥、骨減少、骨粗鬆症、高脂血症、認識機能の喪失、変性性脳疾患、心血管系疾患、脳血管疾患乳癌、子宮内膜癌、子宮頚癌、前立腺癌、良性前立腺過形成(BPH)、子宮内膜症、子宮線維症、変形性関節症および避妊。
【0188】
本明細書で使用されるところの「変性性脳疾患」という用語は、根底にある原因およびアルツハイマー病に関係なく認識障害、痴呆を包含する。
【0189】
本明細書で使用されるところの「心血管系疾患」という用語は上昇した血液脂質濃度、
冠動脈アテローム硬化症および冠動脈心疾患を包含する。
【0190】
本明細書で使用されるところの「脳血管疾患」という用語は、異常な限局的脳血流および虚血性脳損傷を包含する。
【0191】
およびRがそれらが結合されている原子と一緒になって環構造を形成せずかつR1がヒドロキシ−メチルおよびNR−アルコキシ−メチルよりなる群から選択される式(I)の化合物は、スキーム1に概説される方法に従って製造しうる。
【0192】
【化53】

【0193】
従って、式(IV)の適して置換された化合物、既知の化合物若しくは既知の方法により製造された化合物を、好ましくは約−78ないし約0℃の範囲の温度で、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリル、トルエンなどのような有機溶媒中、BF・エーテラート(etherate)、四塩化スズ、四塩化チタン、臭化マグネシウムなどのようなルイス酸の存在下に、Yが水素、(メチル、エチルのような)低級アルキル若しくは(メトキシ、エトキシのような)低級アルコキシである式(V)の適して置換された化合物、既知の化合物若しくは既知の方法により製造された化合物と反応させて、式(VI)の対応する化合物を生じる。
【0194】
式(VI)の化合物は、LAH、BH、ホウ水素化リチウム、ホウ水素化ナトリウム、DiBAL−Hなどのような適する還元剤と反応させることにより還元して式(Ia)の対応する化合物を生じる。
【0195】
式(Ia)の化合物は、場合によっては、THF、ジオキサンなどのような有機溶媒中
、NaH、LiHMDS、NaHMDS、n−ブチルリチウムなどのような強塩基の存在下に、式(VII)の適して置換された化合物、既知の化合物若しくは既知の方法により製造された化合物とさらに反応させて、式(Ib)の対応する化合物を生じる。
【0196】
がアルキル、ヒドロキシ置換アルキル、アルケニル、ヒドロキシ置換アルケニル、アルキニル、ヒドロキシ置換アルキニル、アルコキシアルキル、アルコキシ−カルボニル、アルキル−カルボニル、アリール−カルボニル、ヘテロアリール−カルボニル、ヘテロシクロアルキル−カルボニル、アルキル−カルボニル−アルキル、NRRB−カルボニル、NR−アルコキシ−アルキルよりなる群から選択される式(I)の化合物は、YがH若しくは低級アルキルである式(VI)の化合物を、適して置換された求核体、既知の化合物若しくは既知の方法により製造された化合物と、THF、ジオキサンなどのような有機溶媒中で反応させることにより、YがH若しくは低級アルキルである式(VI)の適して置換された化合物を反応させることにより製造し得うる。
【0197】
当業者は、Rがアルキルである式(I)の化合物が、式(IV)の化合物の代わりに式(IVa)
【0198】
【化54】

【0199】
の適して置換された化合物を用いることにより、上のスキーム1に記述された方法に同様に従いうることを認識するであろう。
【0200】
がアルキルである式(I)の化合物は、場合によっては、スキーム2に概説される方法に従って製造しうる。
【0201】
【化55】

【0202】
従って、式(XX)の適して置換された化合物、既知の化合物若しくは既知の方法により製造された化合物は、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのような有機溶媒中、炭素上Pdのような触媒の存在下で、水素ガスのような適する還元剤で還元されて、式(XXI)の対応する化合物を生じる。
【0203】
式(XXI)の化合物は、THF、ジオキサンなどのような有機溶媒中でLAH、DiBAL−H、ボラン若しくはボランの供給源などのような還元剤と反応させて、式(XX
II)の対応する化合物を生じる。
【0204】
当業者は、式(XX)の化合物上の二重結合、カルボニルおよびエステル基の還元を、あるいは、本明細書に記述されるもの以外の既知の方法に従って、いずれの順序および/または1個若しくはそれ以上の段階で完了して、式(XXII)の対応する化合物を生じうることを認識するであろう。
【0205】
式(XXII)の化合物は、既知の方法に従って適する保護基試薬と反応させて、PGがTBS、TIPSなどのような対応する保護基である式(XXIII)の対応する化合物を生じる。例えば、式(XXII)の化合物は、TEA、DIPEA、ピリジンなどのような塩基の存在下でTBSClと反応させて、PGがTBSである式(XXIII)の対応する化合物を生じうる。
【0206】
式(XXIII)の化合物は、既知の方法に従って酸化して、式(XXIV)の対応する化合物を生じる。例えば、式(XXIII)の化合物は、DMSO中TEAの存在下で(COCl)と反応させることによるスワーン酸化にかけて式(XXIV)の対応する化合物を生じうる。
【0207】
式(XXIV)の化合物は、WがBr若しくはClである適して置換された式(XXV)の化合物、既知の化合物若しくは既知の方法により製造された化合物をTHF、ジオキサンなどのような無水有機溶媒中で反応されて、式、(XXVI)の対応する化合物を生じる。
【0208】
式(XXVI)の化合物は、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸などのような酸と反応させることによる脱水にかけて、式(XXVII)の対応する化合物を生じる。
【0209】
式(XXVII)の化合物は、2段階の過程で、最初にTHF、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのような有機溶媒中でBH・S(CH3)、カテコールボラン(Catecol borane)、9−BBNなどのようなボラン若しくはボランの供給源と反応させ;およびその後、THF/水混合物、エタノール、メタノールなどのような有機溶媒中、NaOH、LiOH、KOHなどのような塩基の存在下に過酸化物と反応させて、式(XXVIII)の対応する化合物を生じる。
【0210】
式(XXVIII)の化合物は、既知の方法に従って酸化して式(XXIX)の対応する化合物を生じる。例えば、式(XXVIII)の化合物は、DMSO中TEAの存在下で(COCl)と反応させることによるスワーン酸化にかけて式(XXIX)の対応する化合物を生じうる。
【0211】
式(XXIX)の化合物は、WがBr若しくはClである式(XXX)の適して置換された化合物、既知の化合物若しくは既知の方法により製造された化合物と、THF、ジオキサンなどのような無水有機溶媒中で反応させて、式(XXXI)の対応する化合物を生じる。
【0212】
式(XXXI)の化合物は、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸などのような酸と反応させることによる脱水にかけて、式(XXXII)の化合物および式(Ie)の化合物の混合物を生じる。
【0213】
好ましくは、式(XXXII)の化合物および式(Ie)の化合物の混合物は、既知の方法に従って分離して、式(Ie)の化合物を単離する。
【0214】
およびRがそれらが結合されている原子と一緒になって5ないし8員の飽和環構造を形成し、該飽和環構造がO、N若しくはSから選択されるヘテロ原子を含有しない式(I)の化合物は、スキーム3に概説される方法に従って製造しうる。
【0215】
【化56】

【0216】
従って、式(IV)の適して置換された化合物、既知の化合物若しくは既知の方法により製造された化合物を、好ましくは約−78ないし約0℃の範囲の温度で、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリル、トルエンなどのような有機溶媒中、BF・エーテラート、四塩化スズ、四塩化チタン、臭化マグネシウムなどのようなルイス酸の存在下でnが1から4までの整数である式(VIII)の適して置換された化合物、既知の化合物若しくは既知の方法により製造された化合物と反応させて、式(Ic)の対応する化合物を生じる。
【0217】
当業者は、式(Ic)の化合物上のカルボニルを、適して置換された求核体と場合によってはさらに反応させうることを認識するであろう。例えば、式(Ic)の化合物は、塩化ビニルマグネシウム若しくは臭化ビニルマグネシウムと反応させて、式(Id)
【0218】
【化57】

【0219】
の対応する化合物を生じうる。
【0220】
およびRが式
【0221】
【化58】

【0222】
の基にそれらが結合されている原子と一緒になっている式(I)の化合物は、スキーム4に概説される方法に従って製造しうる。
【0223】
【化59】

【0224】
従って、式(IX)の適して置換された化合物、既知の化合物若しくは既知の方法により製造された化合物を、既知の方法に従って反応させて(若しくは式(IX)の化合物をTEA、DIPEA<ピリジンなどのような塩基の存在下に塩化メシチル若しくは塩化トシルと反応させる例)、Lがメシル、トシルなどのような適する脱離基である式(X)の対応する化合物を生じる。
【0225】
式(X)の化合物は、KCO、NaOH、NaOCHなどのような塩基と反応させることによる閉環にかけて式(XI)の対応する化合物を生じる。
【0226】
当業者は、
【0227】
【化60】

【0228】
が単結合である式(I)の化合物は、
【0229】
【化61】

【0230】
が二重結合である式(I)の対応する化合物を、適する方法により、例えば10%炭素上パラジウム、白金などのような触媒の存在下で水素ガスと反応させることにより還元することにより製造しうることを認識するであろう。ここで、水素ガスは、エタノール、酢酸エチルなどのような有機溶媒中、約5ないし約50psiの範囲、好ましくは約30psiの圧で添加する。
【0231】
が水素でありかつ
【0232】
【化62】

【0233】
が二重結合である式(III)の化合物は、スキーム5に概説される方法に従って製造しうる。
【0234】
【化63】

【0235】
従って、式(L)(式中C1−4アルキルは好ましくはエチルである)の適して置換された化合物は、式(LI)の適して置換された化合物と反応され、既知の化合物若しくは既知の方法により製造された化合物は、t−ブタノール、エタノールなどのような有機溶媒中、カリウムt−ブトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシドのような塩基の存在下に、Xがクロロ、ヨード若しくはブロモである式(V)の適して置換された化合物、既知の化合物若しくは既知の方法により製造された化合物と反応させて、式(IIIa)の対応する化合物を生じる。
【0236】
当業者は、式(IIIa)の化合物を、既知の方法により、例えば10%炭素上パラジウム、白金などのような触媒の存在下に水素ガスで場合によってはさらに還元しうることを認識するであろう。ここで、水素ガスは、エタノール、酢酸エチルなどのような有機溶媒中、約5ないし約50psiの範囲、好ましくは30psiの圧で添加されて、式(IIIb)
【0237】
【化64】

【0238】
の対応する化合物すなわち
【0239】
【化65】

【0240】
が単結合である式(III)の化合物を生じる。
【0241】
当業者は、式(IIIa)の化合物若しくは式(IIIb)の化合物を、既知の方法に従って(例えば、THF/水、エタノール/水などのような溶媒混合物中でNaOH、LiOHなどのような強塩基と)場合によってはさらに反応させて、エステル部分(すなわ
ち−C(O)−O−(C1−4アルキル)部分)を対応するカルボキシ基(すなわち−C(O)OH基)に転化しうることをさらに認識するであろう。
【0242】
式(II)の化合物はスキーム6に概説される方法に従って製造しうる。
【0243】
【化66】

【0244】
従って、Rが水素および低級アルキルよりなる群から選択される式(IIIc)の適して置換された化合物、上述された方法のいずれかにより製造された化合物を、THF、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサンなどのような非プロトン性溶媒中、LHMDS、KHMDS、LDAなどのような塩基の存在下に、無水トリフル酸、N−フェニルトリフルオロメタンスルホンアミド、N,N−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミノ−5−クロロ−ピリジンなどのような適する活性化試薬と反応させて、AG1が活性化試薬に対応する活性化基である(例えば活性化試薬が無水トリフル酸である場合、OAGはトリフラートである)式(LIII)の対応する化合物を生じる。
【0245】
式(LIII)の化合物は、1,4−ジオキサン、THF、DMF、トルエンなどのような有機溶媒中、Pd(PPh、Pd(PPhCl、Pd(dppf)Clなどのような触媒の存在下に、KPO、TEA、DIPEAなどのような塩基の存在下、適して置換されたボロン酸、式(LIV)の化合物、既知の化合物若しくは既知の方法により製造された化合物と、または適して置換されたトリアルキルスズ、式(LV)の化合物、既知の化合物若しくは既知の方法により製造された化合物と反応させて、式(II)の対応する化合物を生じる。
【0246】
以下の実施例は本発明の理解において補助するために示され、そして、その後に続く請求の範囲に示される本発明をいかなる方法でも制限すると解釈されるべきでない。
[実施例]
【実施例1】
【0247】
4−(4−ヒドロキシ−フェニル)−[4−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−ベンジル]−メチル−シクロヘキシ−3−エンカルボン酸エチルエステル化合物#38
【0248】
【化67】

【0249】
1,4−ジオキサン(2mL)中のビニルトリフラート(70mg、0.1309mmol)およびKPO(42mg、0.1946mmol)の溶液を、該溶液を通してAr(g)を16分間泡立たせることにより脱気した。脱気した溶液に、その後、4−ヒドロキシフェニルボロン酸(20mg、0.1440mmol)およびPd(PPh(4mg、3.27×10−3mmol)を添加し、そして反応混合物を80℃で16時間加熱した。反応混合物をその後濃縮しかつ溶出するのに5%MeOH/CHClを使用する調製的TLCにより精製して、表題化合物を泡状物として生じた。
MS(M+1)478.1
【実施例2】
【0250】
4−(4−ヒドロキシメチル−4−メチル−シクロヘキシ−1−エニル)−フェノール化合物#25
【0251】
【化68】

【0252】
4−ベンジルオキシヨードベンゼン(193g、0.625mol)、エチニル−トリメチル−シラン(75g、0.76mol)、CuI(2g、10.5mmol)およびPd(PPhCl(1g、1.0mmol)を0℃でジエチルアミン(880mL)に添加した。反応混合物を25℃に加温し、そしてその後6時間攪拌した。反応混合物を濃縮しかつHO/酢酸エチル(100mL/100mL)中で分配した。反応混合物を酢酸エチル(300mL×2)でさらに抽出した。合わせた有機層を水(300mL)で洗浄し、MgSOで乾燥しかつ真空中で濃縮した。粗生成物をメタノール(400mL)に溶解しかつKOH(28g、0.5mol)とともに25℃で1時間攪拌した。濃縮およびシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサン)による精製が4−ベンジルオキシフェニルアセチレンを液体として生じた。
【0253】
NaI(70g、0.46mol)および4−ベンジルオキシフェニルアセチレン(40g、0.0956mol)の懸濁した溶液にHO(26mL)を添加した。反応混合物を0℃に冷却した。TMSCl(60mL、0.475mol)を、温度を0℃で維持
するようにゆっくりと添加した。反応混合物をその後0℃で別の3時間攪拌した。飽和水性NaHCO(200mL)を添加することにより反応混合物をクエンチし、次いで酢酸エチル(600mL)で希釈した。合わせた有機層をNaHCO溶液により洗浄し、NaSOで乾燥しかつSiO(2%〜5%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、1−ベンジルオキシ−4−(1−ヨード−ビニル)−ベンゼンを生じた。
【0254】
1−ベンジルオキシ−4−(1−ヨード−ビニル)−ベンゼン(12.0g、0.035mol)、ビニルトリブチルスズ(16.0mL、0.056mol)およびPdCl(CHCN)(150mg、0.0579mmol)をDMF(300mL)に溶解した。反応混合物を25℃で16時間攪拌し、その後酢酸エチル(800mL)とHO(400mL)との間で分配した。有機層を塩水で洗浄し、濃縮しかつSiO(15%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、1−ベンジルオキシ−4−(1−メチレン−アリル)−ベンゼンを生じた。
MS(m/z):237(MH)、235(MH)。
【0255】
DCM(10mL)中の1−ベンジルオキシ−4−(1−メチレン−アリル)−ベンゼン(.40g、1.694mmol)および2−メチル−プロペナル(0.355mL)を−10℃に冷却した。BF・OCHCH(0.322mL、1.778mmol)を添加しかつ反応混合物を3時間攪拌した。混合物をその後水性飽和NaHCO溶液によりクエンチした。酢酸エチル(2×100mL)での抽出後に、反応混合物をMgSOで乾燥しかつSiOで精製して4−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−1−メチル−シクロヘキシ−3−エンカルブアルデヒドを生じた。
MS(m/z):307(MH)、305(MH)。
【0256】
THF(10.0mL)中の4−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−1−メチル−シクロヘキシ−3−エンカルブアルデヒド(0.41g、1.33mmol)の冷却した溶液にLAH(0.100g、2.70mmol)に添加しかつ反応混合物を0℃で3時間攪拌した。反応混合物をその後メタノールにより、次いで水性HCl(1N、2mL)で黒色/褐色沈殿物の全部が溶解するまでクエンチした。生じる混合物を酢酸エチル(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、MgSOで乾燥しかつSiO(50%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して[4−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−1−メチル−シクロヘキシ−3−エニル]−メタノールを液体として生じた。
MS(m/z):309(MH)、307(MH
−78℃のDCM(5.0mL)中の[4−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−1−メチル−シクロヘキシ−3−エニル]−メタノール(102mg、0.331mmol)の溶液にBCl(ヘキサン中1.0M、0.5mL)を添加した。反応混合物をその後−78℃で3時間攪拌した。混合物をその後水性飽和NaHCO(30mL)でクエンチし、酢酸エチル(60mL)で抽出し、MgSOで乾燥しかつSiO(50〜70%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、4−(4−ヒドロキシメチル−4−メチル−シクロヘキシ−1−エニル)−フェノールを液体として生じた。
MS(m/z):219(MH)、217(MH)。
【実施例3】
【0257】
および4−{2−[4−(2−ジメチルアミノ−エトキシ)−フェニル]−4−ヒドロキシメチル−4−メチル−シクロヘキシ−1−エニル}−フェノール化合物#27および#3
【0258】
【化69】

【0259】
1−ベンジルオキシ−4−エチニル−ベンゼン(70g、0.3365mol)、BuSnH(50mL、0.3365mol)およびPh(PPCl(120mg、0.1718mmol)をTHF(500mL)中25℃で16時間攪拌しかつその後1時間還流した。生じる溶液を濃縮しかつその後SiO(2%〜5%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、トリブチル−[1−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−ビニル]スタンナンを生じた。
【0260】
0℃のDMF(180mL)中のトリブチル−[1−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−ビニル]−スタンナン(26.2g、52.6mmol)の冷却した溶液にCuCl(8.6g、87.7mmol)およびCuCl(1.00g、8.13mmol)を添加し、それをその後25℃で2時間攪拌した。反応混合物をその後酢酸エチル(500mL)で希釈しかつ塩水(3×300mL)で洗浄した。反応混合物をその後MgSOで乾燥しかつSiO(20%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、2,3−ジ(4−ベンジルオキシ−フェニル)−1,3−ブタジエンを生じた。
MS(m/z):419(MH)、417(MH)。
【0261】
DCM(10.5mL)中の2,3−ジ(4−ベンジルオキシ−フェニル)−1,3−ブタジエン(1.2g、2.8mmol)および2−メチル−プロペナル(0.602g、8.4mmol)の溶液に−10℃でBF・OCHCH(0.596mL、4.2mmol)を添加した。−10℃で3時間後に反応混合物を飽和水性NaHCO(10mL)でクエンチした。反応混合物をその後酢酸エチル(2 10mL)で抽出し、MgSOで乾燥しかつSiOにより2回(15%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、1−メチル−3,4−ジ(4−ベンジルオキシ−フェニル)−シクロヘキシ−3−エンカルブアルデヒドを生じた。
MS(m/z):489(MH)、487(MH)。
【0262】
−10℃のMeOH(10.0mL)中の1−メチル−3,4−ジ(4−ベンジルオキシ−フェニル)−シクロヘキシ−3−エンカルブアルデヒド(200mg、0.409mmol)の溶液にNaBH(100mg、過剰)を添加した。反応混合物を30分攪拌し、そしてその後51%HCl溶液(5mL)でクエンチし、酢酸エチル(50mL)で
抽出しかつMgSOで乾燥した。反応混合物をその後濃縮しかつSiO(50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して(1−メチル−3,4−ジ(4−ベンジルオキシ−フェニル)−シクロヘキシ−3−エニル)−メタノールを生じた。
MS(m/z):491(MH)、489(MH
−10℃のDCM(5.0mL)中の(1−メチル−3,4−ジ(4−ベンジルオキシ−フェニル)−シクロヘキシ−3−エニル)−メタノール(150mg、0.306mmol)の溶液にTiCl(0.102mL、3.0等量)を添加し、そして反応混合物を−10℃で3時間攪拌した。反応混合物をその後酢酸エチル(20mLおよびHO(10mL)で希釈した。有機層を分離し、MgSOで乾燥しそしてSiO(50〜100%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、(1−メチル−3,4−ジ(4−ヒドロキシ−フェニル)−シクロヘキシ−3−エニル)−メタノールのより低いTLCスポットを生じた。
MS(m/z):311(MH)、309(MH)。
【0263】
DMF(1mL)中の(1−メチル−3,4−ジ(4−ヒドロキシ−フェニル)−シクロヘキシ−3−エニル)−メタノール(30mg、1等量)の溶液にNaH(10mg、1等量)を添加し、そして反応混合物をその後25℃で2時間攪拌した。反応混合物にその後(2−クロロ−エチル)−ジメチル−アミン(12mg、1等量)を添加し、そして混合物を16時間攪拌した。反応混合物をその後HO/酢酸エチル(5mL/5mL)の間で分配した。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、濃縮しかつHPLC(0.1%TFAを含む20〜80%CHCN/HO)を精製して、4−{2−[4−(2−ジメチルアミノ−エトキシ)−フェニル]−4−ヒドロキシメチル−4−メチル−シクロヘキシ−1−エニル}−フェノールを生じた。
MS(m/z):382(MH)、380(MH)。
【実施例4】
【0264】
4−[6−エチル−4−ヒドロキシメチル−2−(4−メトキシ−フェニル)−5−メチル−シクロヘキシ−1−エニル]−フェノールおよび4−[2−エチル−4−ヒドロキシメチル−6−(4−メトキシ−フェニル)−3−メチル−シクロヘキシル]−フェノール化合物#20および#4
【0265】
【化70】

【0266】
DMF(300mL)中の2−エチル−4−ヒドロキシメチル−3−メチル−シクロヘキサノール(30g、0.174mol)にTBSCl(26.01g、1.0等量)およびイミダゾール(17.7g、1.5等量)を添加した。反応混合物を25℃で2時間攪拌した。反応混合物をその後HO(300mL)とジエチルエーテル(600mL)との間で分配した。有機層を塩水(2×300mL)により洗浄し、MgSOで乾燥しかつSiO(5%〜30%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−2−エチル−3−メチル−シクロヘキサノールを生じた。
【0267】
−78℃のDCM(400mL)中の塩化オキザリルの溶液にDMSO(15.6mL、3.0等量)を添加し、そして混合物を30分間攪拌した。該混合物にその後4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−2−エチル−3−メチル−シクロヘキサノール(21.1g、73.7mmol)を添加し、そして反応混合物を−78℃で3時間攪拌した。EtN(30.7mL)を−78℃で添加しかつ混合物を2時間にわたり25℃に加温した。反応混合物をその後HO(400mL)で希釈した。有機層をMgSOで乾燥し、そしてその後濃縮して、2−エチル−3−メチル−4−トリメチルシラニルオキシメチル−シクロヘキサノンを生じた。
MS(m/z):285(MH)、283(MH)。
【0268】
1−ベンジルオキシ−4−ヨード−ベンゼン(5.70g、18.37mmol)を−10℃で無水THF(36mL)に溶解した。塩化イソプロピルマグネシウム(1.0M、18.37mL)を添加しかつ混合物を3時間攪拌した。2−エチル−3−メチル−4−トリメチルシラニルオキシメチル−シクロヘキサノンの溶液(50mL THF中12.0g)をシリンジポンプにより30分にわたってゆっくりと添加した。反応混合物を25℃で30分間攪拌し、そしてその後30分間還流した。反応混合物をその後25℃に冷却し、HCl(1.0N、80mL)をゆっくりと添加し、次いで酢酸エチル(100mL)を添加した。有機層をHO(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥しかつSiO(10〜15%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、1−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−2−エチル−4−ヒドロキシメチル−3−メチル−シクロヘキサノールを生じた。
MS(m/z):469(MH)、467(MH
1−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−2−エチル−4−ヒドロキシメチル−3−メチル−シクロヘキサノール(7.8g、0.0166mol)にDCM(100mL)中のpTSA(1.8g、1等量)を添加した。反応混合物を8時間還流した。DCM(200mL)を添加しかつ混合物を水性飽和NaHCO(3×300mL)で洗浄した。有機層を分離し、MgSOで乾燥しかつSiO(50%酢酸エチル/ヘキサン)で2回精製して、[4−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−5−エチル−6−メチル−シクロヘキシ−3−エニル]−メタノールを生じた。
MS(m/z):337(MH)、335(MH
THF(50mL)中の[4−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−5−エチル−6−メチル−シクロヘキシ−3−エニル]−メタノール(3.1g、6.8mmol)の溶液に、0℃でBH・S(CH溶液(THF中1.0M、10.3mL、1.5等量)を添加した。反応混合物を4時間還流し、そしてその後0℃に冷却した。NaOH(20%水性、30mL)およびH(HO中50%、21mL)を0℃で添加した。反応混合物をその後0〜25℃で4時間攪拌した。反応混合物をその後酢酸エチル/HO(400mL/200mL)で希釈した。有機層を分離し、MgSOで乾燥しかつSiO(50〜100%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3−エチル−5−ヒドロキシメチル−4−メチル−シクロヘキサノールを生じた。
MS(m/z):353(MH)、351(MH
DMF(20mL)中の2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3−エチル−5−ヒドロキシメチル−4−メチル−シクロヘキサノール(2.31g)の溶液にイミダゾール(1.17g、1.5等量)およびTBSCl(1.4g、1.5等量)を0℃で添加し、そして混合物を25℃で3時間攪拌した。反応混合物をその後水/エーテル(200/300mL)で希釈した。有機層を塩水(3×200)により洗浄しかつSiO(10%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−5−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−3−エチル−4−メチル−シクロヘキサノールを生じた。
MS(m/z):469(MH)、467(MH
DCM(100mL)中の2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−5−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−3−エチル−4−メチル−シクロヘキサノールの溶液にNaHCO(1.0g)を添加して懸濁液を作成した。デス−マーチン過ヨウ素酸塩(3.2g、1.0等量)を0℃で添加した。反応混合物を25℃で3時間攪拌しかつその後濾過し、そしてSiO(20%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、3−エチル−4−メチル−2−(4−フェノキシ−フェニル)−5−トリメチルシラニルオキシメチル−シクロヘキサノンを生じた。
MS(m/z):467(MH)、465(MH
−10℃のTHF(10mL)中の3−エチル−4−メチル−2−(4−フェノキシ−フェニル)−5−トリメチルシラニルオキシメチル−シクロヘキサノン(1.8g、3.8mmol)の溶液にグリニヤール試薬(1.0M、7.5mL)を添加した。反応混合物を25℃で1時間攪拌しかつその後30分間還流した。反応混合物をその後冷却しかつ水性飽和NHCl(100mL)および酢酸エチル(100mL)で希釈した。有機層を分離し、MgSOで乾燥しかつSiO(100%酢酸エチル)で精製して、粗生成物3−エチル−1−(4−メトキシ−フェニル)−4−メチル−2−(4−フェノキシ−フェニル)−5−トリメチルシラニルオキシメチル−シクロヘキサノールを生じた。NMRはS:R生成物比若しくは2:1を示した。さらなる精製は純粋な3−エチル−1−(4−メトキシ−フェニル)−4−メチル−2−(4−フェノキシ−フェニル)−5−トリメチルシラニルオキシメチル−シクロヘキサノールを提供した。
MS(m/z):575(MH)、573(MH
CHCl(8.0mL)中の3−エチル−1−(4−メトキシ−フェニル)−4−メチル−2−(4−フェノキシ−フェニル)−5−トリメチルシラニルオキシメチル−シクロヘキサノール(400mg)の溶液にpTSA(400mg)を添加し、そして反応混合物を8時間還流した。反応混合物をCHCl(50mL)で希釈しかつ水性飽和NaHCO(10mL)で洗浄した。有機層を乾燥しかつSiO(50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、4−[6−エチル−4−ヒドロキシメチル−2−(4−メトキシ−フェニル)−5−メチル−シクロヘキシ−1−エニル]−フェノールおよび4−[6−エチル−4−ヒドロキシメチル−2−(4−メトキシ−フェニル)−5−メチル−シクロヘキシ−2−エニル]−フェノールの混合物を、TLCにより決定されるところの非常に近い2スポットとして生じた。
MS(m/z):443(MH)、441(MH)。
【0269】
−10℃のDCM(10mL)中の4−[6−エチル−4−ヒドロキシメチル−2−(4−メトキシ−フェニル)−5−メチル−シクロヘキシ−1−エニル]−フェノールおよび4−[6−エチル−4−ヒドロキシメチル−2−(4−メトキシ−フェニル)−5−メチル−シクロヘキシ−2−エニル]−フェノールの上の混合物(380mg)にTiCl(0.180mL)を添加し、そして混合物を−10℃で3時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル/HO(200/100mL)で希釈した。有機層を乾燥しかつSiOで精製して、2種の生成物4−[6−エチル−4−ヒドロキシメチル−2−(4−メトキシ−フェニル)−5−メチル−シクロヘキシ−1−エニル]−フェノールおよび4−[2
−エチル−4−ヒドロキシメチル−6−(4−メトキシ−フェニル)−3−メチル−シクロヘキシル]−フェノールを生じた。
MS(m/z):353(MH)、351(NH
【実施例5】
【0270】
4−{6−エチル−4−ヒドロキシメチル−5−メチル−2−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−シクロヘキシ−1−エニル}−フェノール化合物#75
【0271】
【化71】

【0272】
−78℃のTHF(1mL)中のヨウ化物(66mg、0.2mmol)にnBuLi(ヘキサン中2.5M、0.080mL、0.2mmol)を添加しかつ反応混合物を10分間攪拌した。該反応混合物にその後、THF(1mL)中のTBS(3−エチル−4−メチル−2−(4−フェノキシ−フェニル)−5−トリメチルシラニルオキシメチル−シクロヘキサノン)を一滴ずつ添加した。反応混合物をその後、水性飽和NHCl(2mL)でクエンチしかつジエチルエーテル(5mL)で希釈した。有機層を塩水で2回洗浄し、乾燥しかつ濃縮して粗2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3−エチル−4−メチル−1−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5−トリメチルシラニルオキシメチル−シクロヘキサノールを生じ、それをさらなる精製なしに使用した。
MS(m/z):672(MH))、670(MH
DCM(1mL)中の2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3−エチル−4−メチル−1−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5−トリメチルシラニルオキシメチル−シクロヘキサノールの溶液にTiCl(0.033mL、3等量)を添加し、そして反応がなされるまで混合物を攪拌した。反応混合物を酢酸エチル(10mL)で希釈し、そして5%NaHCO水性溶液、その後塩水で洗浄した。粗生成物をHPLCで精製して、4−{6−エチル−4−ヒドロキシメチル−5−メチル−2−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−シクロヘキシ−1−エニル}−フェノールを生じた。
MS(m/z):450(MH)、448(MH)。
【実施例6】
【0273】
[6−ヒドロキシメチル−3,4−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−シクロヘキシ−
3−エニル]−メタノール化合物#26
【0274】
【化72】

【0275】
段階1:
ジエチルアミン(150mL)中の4−メトキシ−フェニル−アセチレン(10g、0.075mol)および4−ヨード−アニソール(17.65g、1.0等量)の溶液にPd(PPhCl(2.65g、0.05等量)を添加し、そして反応混合物を0℃で30分間攪拌した。該反応混合物にその後CuI(1.43g、0.1等量)を添加し、そして混合物を0〜25℃で6時間で攪拌した。反応混合物をその後濃縮しかつ酢酸エチル/HO(200/600mL)の間で分配した。有機層を分離し、乾燥しかつSiO(1〜5%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して1,2−ジ(4−メトキシ−フェニル)−アセチレンを生じた。
段階2:
水素化ナトリウム(1.53g、2.2等量)をDMSO(150mL)に添加し、そしてその後溶液が澄明になるまで75℃に加熱した。反応混合物を0℃に冷却した。1,2−ジ(4−メトキシ−フェニル)−アセチレン(7.0g、1等量)をその後添加しかつ反応混合物をその後90℃に12時間加熱した。反応混合物をその後砕氷に注ぎかつジエチルエーテル(500mL)により抽出した。有機層を塩水で洗浄し、乾燥しかつSiOで精製して、NMRにより80%純粋のところの2,3−ジ(4−メトキシフェニル)−1,3−ブタジエンを生じた。
MS(m/z):267(MH)、265(MH)。
段階3:
トルエン(30mL)中の2,3−ジ(4−メトキシフェニル)−1,3−ブタジエン(2.1g)の溶液に無水マレイン酸(3.8g、5.0等量)を添加し、そして反応混合物を6時間還流した。反応混合物をその後酢酸エチル(500mL)で希釈しかつ水(3×200mL)で洗浄した。有機層を乾燥しかつ濃縮して、5,6−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−3a,4,7,7a−テトラヒドロ−イソベンゾフラン−1,3−ジオンを生じた。
MS(m/z):365(MH)、363(MH)。
段階4:
0℃のTHF(30mL)中の5,6−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−3a,4,7,7a−テトラヒドロ−イソベンゾフラン−1,3−ジオン(2.95g)の冷却した溶液にLAH(THF中1.0M、20mL)を添加し、そして反応混合物を25℃で16攪拌した。反応混合物をその後メタノール(20mL)および水性HCl(10%、30mL)でクエンチし、そしてその後ジエチルエーテル(2×300mL)で抽出した。有機層を乾燥しかつ濃縮して、[6−ヒドロキシメチル−3,4−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−シクロヘキシ−3−エニル]−メタノールを生じた。
MS(m/z):355(MH)、353(MH
【実施例7】
【0276】
5,6−ジフェニル−2,3,3a,4,7,7a−ヘキサヒドロ−インデン−1−オン化合物#67
【0277】
【化73】

【0278】
2,3−ジフェニル−1,3−ブタジエン(2.772g、13.44mmol)およびシクロペント−2−エノン(1等量)の混合物をトルエン(26mL)中で48時間還流した。反応混合物をその後濃縮しかつSiO(20%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、5,6−ジフェニル−2,3,3a,4,7,7a−ヘキサヒドロ−インデン−1−オンを生じた。
MS(m/z):289(MH)、287(MH)。
【実施例8】
【0279】
5,6−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−2,3,3a,4,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−インデン−1S−オールおよび5,6−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−2,3,3a,4,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−インデン−1R−オール
化合物#61および#57
【0280】
【化74】

【0281】
−10℃のTHF(5.0mL)中の5,6−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−2,3,3a,4,7,7a−ヘキサヒドロ−インデン−1−オン(50.0mg、0.143mmol)の溶液にLAH(36mg、0.91mml)を添加し、そして反応混合物を−10℃で1時間攪拌した。反応混合物をその後、メタノール(2mL)および水性HCl(1N、2mL)でクエンチし、酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥しかつSiOで精製して、5,6−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−2,3,3a,4,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−インデン−1S−オールおよび5,6−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−2,3,3a,4,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−インデン−1R−オールの混合物を生じた。
MS(m/z):351(MH)、349(MH)。
【実施例9】
【0282】
6,7−ジフェニル−3,4,4a,5,8,8a−ヘキサヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン化合物#56
【0283】
【化75】

【0284】
2,3−ジフェニル−1,3−ブタジエン(2.772g、13.44mmol)およびシクロヘキシ−2−エノン(1等量)の混合物をトルエン(26mL)中で48時間還流した。反応混合物をその後濃縮しかつSiO(20%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、6,7−ジフェニル−3,4,4a,5,8,8a−ヘキサヒドロ−2H−ナフタレン−1−オンを生じた
MS(m/z):303(MH)、301(MH)。
【実施例10】
【0285】
6−ヒドロキシメチル−3,4−ジフェニル−シクロヘキシ−3−エニル)−メタノール化合物#34
【0286】
【化76】

【0287】
(6−ヒドロキシメチル−3,4−ジフェニル−シクロヘキシ−3−エニル)−メタノールは、2,3−ジ(4−メトキシフェニル)−1,3−ブタジエンの代わりの2,3−ジフェニル−1,3−ブタジエンの使用を伴い上の実施例6(段階3)で記述された手順に従って製造した。
MS(m/z):295(MH)、293(MH
−78℃のTHF(3.5mL)中の6−ヒドロキシメチル−3,4−ジフェニル−シクロヘキシ−3−エニル)−メタノール(100mg、0340mmol)の冷却した溶液にnBuLi(2.5M、0.136mL)を添加した。反応混合物を−10℃で10分間攪拌した。反応混合物にTsCl(77mg、1.2等量)を添加し、そして混合物を−10℃ないし25℃で3時間攪拌した。反応混合物を水性飽和NaHCO(10mL)でクエンチしかつ酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥しかつSiO(10〜50%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、6−ヒドロキシメチル
−3,4−ジフェニル−シクロヘキシ−3−エニル)−メタノールを生じた。
MS(m/z):449(MH))、447(MH
THF(10mL)中の6−ヒドロキシメチル−3,4−ジフェニル−シクロヘキシ−3−エニル)−メタノール(89mg、0.189mmol)の溶液に−10℃(氷/アセトン)でLAH(THF中1.0M、5mL)を添加し、そして反応混合物を25℃で12時間攪拌した。反応混合物をその後MeOH(10mL)によりクエンチし、そしてその後10分間攪拌した。反応混合物にその後水性HCl(10%、10mL)を添加した。反応混合物をその後ジエチルエーテル(300mL)で抽出した。有機層を塩水で洗浄し、乾燥しかつ精製して、6−ヒドロキシメチル−3,4−ジフェニル−シクロヘキシ−3−エニル)−メタノールおよび副生成物としての5,6−ジフェニル−1,3,3a,4,7,7a−ヘキサヒドロ−イソベンゾフランを生じた。
MS(m/z):277(MH)、275(MH)。
【実施例11】
【0288】
4−{4−ヒドロキシメチル−5−メチル−6−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−ベンジル]−シクロヘキサ−1,5−ジエニル}−S−フェノール化合物#74
【0289】
【化77】

【0290】
段階1:
25cCのKOtBu(tBuOH中1.0M、10.7mL)の溶液にHagemannのエステル(1.0mL、5.324mmol)を添加した。混合物を25℃で10分間攪拌し、そしてその後該混合物に1−[2−(4−クロロメチル−フェノキシ)エチル]ピペリジン塩酸塩(1.54g、5.324mmol)を添加した。混合物を3時間還流した。tBuOHを蒸留分離し、その後反応混合物を水およびジエチルエーテルで希釈した。層を分離しかつ水層をジエチルエーテルで抽出した。有機抽出物を1N HCl(100mL)で酸性化した。層を分離しかつジエチルエーテル層を廃棄した。水層をその後10%NaOH(水性)でpH 11に塩基性化し、そしてジエチルエーテルで抽出して、2−メチル−4−オキソ−3−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−ベンジル]−シクロヘキシ−2−エンカルボン酸エチルエステルを暗黄色油状物として生じた。
MS(m/z):400(MH)。
段階2:
EtOH(100mL)中の2−メチル−4−オキソ−3−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−ベンジル]−シクロヘキシ−2−エンカルボン酸エチルエステル(612.0mg、1.534mmol)の溶液を、H(g)(25psi)下25℃で10%Pd/C(25mg)と21時間反応させた。反応混合物をその後濾過しかつ濃縮して、4−エチルペルオキシメチル−3−メチル−2−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−ベンジル]−シクロキセ−2−エノンを生じた。
MS(m/z):402(MH)。
段階3:
−78℃のTHF(20mL)中のKHMDS(トルエン中0.5M)、5.9mL)の溶液に、THF(3mL)中の4−エチルペルオキシメチル−3−メチル−2−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−ベンジル]−シクロキセ−2−エノン(0.985mg、2.453mmol)を添加し、そして反応混合物を−78℃で1時間攪拌した。該反応混合物にその後THF(2mL)中の2−[N,N−ビス(トリフルオロ−メチル−スルホニル)アミノ]−5−クロロピリジンを添加し、そして混合物を−78℃で1.5時間攪拌した。反応混合物をその後水でクエンチし、EtOで抽出し、乾燥しかつシリカゲル(2%MeOH/CHCl)、次いで調製的TLC(5%MeOH/DCM)で精製して、6−メチル−5−[4−(2−ピペリジニル−1−イル−エトキシ)−ベンジル]−4−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−シクロヘキシ−3−エンカルボン酸エチルエステルを白色泡状固形物として生じた。
MS(m/z):534(MH)。
段階4:
1,4−ジオキサン(5mL)中のトリフルオロ−メタンスルホン酸4−エチルペルオキシメチル−5−メチル−6−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−ベンジル]−シクロヘキサ−1,5−ジエニルエステル(118.5mg、0.2219mmol)、Pd(PPh(6.4mg、0.025等量)およびKPO(70.7mg、1.5等量)の混合物中にNを10分間泡立たせた。該反応混合物にその後4−メトキシベンゼンボロン酸(37.1mg、0.2441mmol)を添加した。生じる混合物を8℃に16時間加熱し、シリカゲルの栓を通して濾過し、濃縮しかつ調製的TLC(10%MeOH/DCM)で精製して、4−(4−メトキシ−フェニル)−6−メチル−5−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−ベンジル]−シクロヘキシ−3−エンカルボン酸エチルエステルを淡黄色油状物として生じた。
MS(m/z):492(MH)。
【0291】
4−{4−エチルペルオキシメチル−5−メチル−6−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−ベンジル]−シクロヘキサ−1,5−ジエニル}−フェノールは、段階4での4−メトキシベンゼンボロン酸の代わりの4−ヒドロキシベンゼンボロン酸の使用を伴い上述された手順に従って同様に製造した。
MS(m/z):478(MH)。
【0292】
1−(2−{4−[3−エチルペルオキシメチル−6−(4−フルオロ−フェニル)−2−メチル−シクロヘキサ−1,5−ジエニルメチル]−フェノキシ}−エチル)−ピペリジンは、段階4での4−メトキシベンゼンボロン酸の代わりの4−フルオロベンゼンボロン酸の使用を伴い上述された手順に従って同様に製造した。
MS(m/z):480(MH)。
【0293】
5−(4−{4−エチルペルオキシメチル−5−メチル−6−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−ベンジル]−シクロヘキサ−1,5−ジエニル}−フェニル)−1H−インドールは、段階4での4−メトキシベンゼンボロン酸の代わりの5−インドリルボロン酸の使用を伴い上述された手順に従って同様に製造した。
MS(m/z):501(MH)。
段階5:
0℃のDCM(2mL)中の4−(4−ヒドロキシ−フェニル)−6−メチル−5−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−ベンジル]−シクロヘキシ−3−エンカルボン酸エチルエステル(38.4mg、0.0803mmol、1.0等量)がDIBAL(トルエン中1.5M、0.215mL)を添加され、そして0℃で10分間、その後25℃で30分間攪拌した。反応混合物を0℃で塩水でクエンチし、DCMで抽出し、MgSOで乾燥し、その後SiO(15%MeOH/DCM)で精製して、4−[4
−ヒドロキシメチル−5−メチル−6−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−ベンジル]−シクロヘキシ−3−エニル]−フェノールを帯黄色泡状物として生じた。MS(m/z):436(MH)。
【実施例12】
【0294】
エストロゲン受容体αフラッシュプレートアッセイ
本アッセイはエストロゲン受容体への放射標識エストロゲンの結合をモニターする。それはBioMek 2000(Beckman)上で実施する。プレートはシンチレーションカウンター(Packard TopCount)で読み取り、低下したカウントは受容体への化合物の結合の指標である。該アッセイはAllanら、Anal.Biochem.(1999)、275(2)、243−247により記述される手順に従って実施した。
【0295】
第1日に、5mMジチオスレイトール(DTT、Panvera)、0.5μgマウス抗エストロゲン受容体モノクローナル抗体(SRA−1010、Stressgen)および50ngの精製ヒトエストロゲン受容体α(Panvera)を含有する100μLのエストロゲンスクリーニング緩衝液(ESB、Panvera)を、ヤギ抗マウス抗体(NEN Life Sciences)で架橋した96ウェルのFlashPlate
Plusプレートの各ウェルに添加した。プレートを封止しかつ4℃で一夜インキュベートした。
【0296】
第2日に、各ウェルを200μLのPBS、pH7.2で室温で3回洗浄した。各ウェルにその後、ESBおよび5mMジチオスレイトール(DTT)で希釈した98μLの放射標識エストロゲン(0.5nM、120Ci/mmolバッチについて6nCiに等しい、Amersham)を添加した。個々のウェルにその後、30%(v/v)ジメチルスルホキシド/50mM HEPES、pH7.5で希釈した2.5μLの試験化合物を添加した。ウェルを吸引により3回混合し、プレートを封止しかつ室温で1時間インキュベートした。ウェルをその後TopCountシンチレーションカウンター(Packard)で1分間カウントした。
【実施例13】
【0297】
エストロゲン受容体β蛍光偏光アッセイ
本アッセイはエストロゲン受容体へのエストロゲンの蛍光アナログ(Fluormone ES2、Panvera)の結合をモニターする。プレートは偏光モードに設定し得る蛍光計で読み取る。ベヒクル対照に関する蛍光の減少は受容体への化合物の結合の指標である。
【0298】
本手順を通じて96ウェルプレートの各ウェル中での反応への気泡の導入を回避することが極めて重要である。(反応の表面上の気泡は光の流れを混乱させて偏光の示度に影響を及ぼす。)しかしながら、ウェルへの添加に際して反応成分を効果的に混合することもまた極めて重要である。
【0299】
氷上で、アッセイ緩衝液の2×標準混合物(Panvera)、10nM DTTおよび40nM ES2を調製した。氷上で、アッセイ緩衝液の2×反応混合物(Panvera)および20nM hER−β(Panvera)ならびに40nM ES2もまた調製した。
【0300】
試験化合物の希釈は30%(v/v)ジメチルスルホキシド/50mM HEPES、pH7.5中で調製した。この時点で希釈は最終の必要とされる濃度の40倍であった。
【0301】
50μLの標準混合物をその後各ウェルに添加した。48μLの反応混合物を全ウェルに添加した。2.5μLの化合物希釈を適切なウェルに添加した。手動ピペットを使用して反応混合物を混合し、アルミニウム箔の付着性カバーをプレートに一回巻き、そしてプレートを室温で1時間インキュベートした。
【0302】
プレート上の各ウェルをその後、265nmの励起波長および538の測定波長でLjL Analystで読み取った。
【0303】
本発明の代表的化合物を、エストロゲン受容体αおよびエストロゲン受容体βへの結合について上述された手順に従って試験し、結果は表6に列挙されるとおりであった。
【0304】
【表11】

【実施例14】
【0305】
MCF−7細胞増殖アッセイ
本アッセイは、小さな改変を伴い、Welshonsら(Breast Cancer
Res.Treat.、1987、10(2)、169−75)により記述される手順に従って実施した。
【0306】
簡潔には、MCF−7細胞(C.Jordan博士、ノースウエスタン大学から)を、
ウシインスリンおよび非必須アミノ酸(Sigma)を補充した10%FBS(Hyclone)中RPMI 1640無フェノールレッド培地(Gibco)中で維持した。細胞を最初に4−ヒドロキシタモキシフェン(10−8M)で処理しかつ37℃で24時間静置させた。タモキシフェンとのこのインキュベーション後に細胞を多様な濃度の化合物で処理した。
【0307】
アゴニスト様式で試験されるべき化合物を、変動する濃度で培地に添加した。アンタゴニスト様式で処理されるべき化合物は同様に調製し、そして10nM 17β−エストラジオールもまた培地に添加した。細胞を37℃で24時間インキュベートした。このインキュベーション後に、0.1μCiの14C−チミジン(56mCi/mmol、Amersham)を培地に添加し、そして細胞を37℃で追加の24時間インキュベートした。細胞はその後ハンクス緩衝塩溶液(HBSS)(Gibco)で2回洗浄し、そしてシンチレーションカウンターでカウントした。ベヒクル対照細胞に関しての化合物処理細胞での14C−チミジンの増大を細胞増殖の増大パーセントとして報告した。
【実施例15】
【0308】
ヒト子宮内膜Ishikawa細胞中でのアルカリホスファターゼアッセイ
本アッセイは、小さな改変を伴い、Albertら、Cancer Res、(9910)、50(11)、330−6−10により記述される手順に従って実施した。
【0309】
Ishikawa細胞(ATCCから)は10%仔ウシ血清(Hyclone)を補充したDMEM/F12(1:1)の無フェノールレッド培地(Gibco)中で維持した。試験の24時間前に、培地を、2%仔ウシ血清を含有するDMEM/F12(1:1)無フェノールレッドに変更した。
【0310】
アゴニスト様式で試験されるべき化合物は変動する濃度で培地に添加した。アンタゴニスト様式で処理されるべき化合物は同様に調製し、そして10nM 17β−エストラジオールもまた培地に添加した。細胞をその後37℃で3日間インキュベートした。第4日目に、培地を除去し、1容量の1×希釈緩衝液(Clontech)をウェルに添加し、次いで1容量のアッセイ緩衝液(Clontech)を添加した。細胞をその後室温で5分間インキュベートした。1容量の新たに調製した化学発光緩衝液(1.25mMの化学発光基質(CSPD)の最終濃度を伴う、19容量の化学発光増強物質(Chemiluminescent Enhancer)中の1容量のCSPD)を添加した。細胞を室温で10分間インキュベートし、そしてその後照度計で定量した。ベヒクル対照を上回る化学発光の増大を使用して、アルカリホスファターゼ活性の増大を計算した。
【0311】
本発明の代表的化合物を上の実施例14および15に記述される手順に従って試験し、結果は表7に列挙されるとおりであった。
【0312】
【表12】

【実施例16】
【0313】
経口組成物の特定の一態様として、100mgの化合物#43を十分な微粉化乳糖とともに処方して、O号硬ハードゲルカプセルを充填するための総量580ないし590mgを提供する。
【0314】
前述の明細は本発明の原理を教示し、実施例は具体的説明の目的上提供される一方、本発明の実務が、以下の請求の範囲およびそれらの同等物の範囲内にあるところの通常の変形、翻案および/若しくは改変の全部を包含することが理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中
【化2】

は単若しくは二重結合を表し、
1aは水素および低級アルキルよりなる群から選択され;
は、アルキル、ヒドロキシ置換アルキル、アルケニル、ヒドロキシ置換アルケニル、アルキニル、ヒドロキシ置換アルキニル、アルコキシアルキル、アルコキシ−カルボニル、アルキル−カルボニル、アリール−カルボニル、ヘテロアリール−カルボニル、ヘテロシクロアルキル−カルボニル、アルキル−カルボニル−アルキル、NR−カルボニルおよびNR−アルコキシ−アルキルよりなる群から選択され;
およびRは水素およびアルキルよりなる群からそれぞれ独立に選択されるか;あるいは、RおよびRは、それらが結合されているN原子と一緒になってヘテロアリール若しくはヘテロシクロアルキル基を形成し;
は、水素、カルボキシ、アルキル、ヒドロキシ置換アルキル、アルケニル、ヒドロキシ置換アルケニル、アルキニル、ヒドロキシ置換アルキニル、アルコキシアルキル、アルコキシ−カルボニル、アルキル−カルボニル、アリール−カルボニル、ヘテロアリール−カルボニル、ヘテロシクロアルキル−カルボニル、アルキル−カルボニル−アルキル、NR−カルボニルおよびNR−アルコキシ−アルキルよりなる群から選択されるか;
あるいは、RおよびRは、それらが結合されている原子と一緒になって、式
【化3】

[式中、nは1から4までの整数であり;
式中、RおよびRは、水素、ヒドロキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル若しくはアルコキシから独立に選択されるか;あるいは、RおよびRはそれらが結合されている炭素原子と一緒になってオキソ基を形成する]
の5ないし8員の飽和環構造を形成するか;
なおあるいは、RおよびRは、それらが結合されている原子と一緒になって、式
【化4】

[式中、mは1から3までの整数である]
の1個のヘテロ原子を含有する飽和環構造を形成し;
は水素およびアルキルよりなる群から選択され;
【化5】

は、アリール、アラルキルおよびヘテロアリールよりなる群から選択され;該ヘテロアリール基は炭素原子により核構造に結合され;また、該アリール、アラルキル若しくはヘテロアリール基は、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルキル、アラルキルオキシ若しくはNR−アルコキシから独立に選択される1個若しくはそれ以上の置換基で場合によっては置換され;
【化6】

は、アリール、アラルキルおよびヘテロアリールよりなる群から選択され;該ヘテロアリール基は炭素原子により核構造に結合され;また、該アリール、アラルキル若しくはヘテロアリール基は、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルキル、アラルキルオキシ若しくはNR−アルコキシから独立に選択される1個若しくはそれ以上の置換基で場合によっては置換されるが;
但し、
【化7】

が二重結合であり、R1aが水素であり、Rが水素であり、Rが水素であり、
かつ、
【化8】

が同一でありかつフェニル若しくは置換フェニルよりなる群から選択され、該フェニル上の置換基がアルコキシから選択される1ないし2個である場合には、Rはヒドロキシ置換低級アルキル若しくはアルコキシカルボニル以外であり;
但し、さらに、
【化9】

が二重結合であり、R1aが水素若しくは低級アルキルであり、
【化10】

がフェニルでありかつ
【化11】

がフェニルである場合には、RはNR−カルボニルおよびNR−アルコキシ−アルキルよりなる群から選択され;
但し、さらに、
【化12】

が単結合であり、R1aが水素であり、Rが水素若しくは低級アルキルであり、Rが水素でありかつ
【化13】

が同一かつフェニルである場合には、Rは低級アルキル、ヒドロキシ置換低級アルキル、アルキルカルボニル若しくはアルコキシカルボニル以外であり;
但し、さらに、
【化14】

が単結合であり、Rが低級アルキルであり,R1aが水素であり、Rが水素であり、Rが水素でありかつ
【化15】

がフェニルである場合には、
【化16】

はベンズイミダゾリル以外であり;
但し、さらに、
【化17】

が単若しくは二重結合であり、R1aが低級アルキルであり、Rが水素であり、RおよびRがそれらが結合されている原子と一緒になってシクロヘキシル若しくは3−ヒドロキシフェニルを形成しかつ
【化18】

が4−ヒドロキシフェニルである場合には、
【化19】

は4−(NR−低級アルコキシ)−フェニル以外であり、式中RおよびRは水素若しくは低級アルキルからそれぞれ独立に選択されるか、またはRおよびRはそれらが結合されているN原子と一緒になってピペリジニルを形成し;
但し、さらに、
【化20】

が単若しくは二重結合であり、R1aが水素であり、Rが水素でありかつRおよびRがそれらが結合されている原子と一緒になって
【化21】

を形成する場合には、
【化22】

は同一かつフェニルでなく;
但し、さらに、
【化23】

が二重結合であり、R1aが低級アルキルであり、Rが水素でありかつRおよびRがそれらが結合されている原子と一緒になって式
【化24】

[式中、Rはヒドロキシ若しくはアルコキシから選択される]の5員の飽和環構造を形成する場合には、
【化25】

はフェニル若しくは置換フェニル以外であり、該フェニル上の置換基は、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルキル、アラルキルオキシ若しくはNR−アルコキシから独立に選択される1個若しくはそれ以上である]
の化合物、
あるいはその製薬学的に許容できる塩。
【請求項2】
【化26】

が単若しくは二重結合を表し;
1aが水素および低級アルキルよりなる群から選択され;
が、低級アルキル、ヒドロキシ置換低級アルキル、低級アルケニル、ヒドロキシ置換低級アルケニル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−カルボニル、低級アルキル−カルボニル、フェニル−カルボニル、低級アルキル−カルボニル−低級アルキル、NR−カルボニルおよびNR−低級アルコキシ−低級アルキルよりなる群から選択され;
およびRが、水素および低級アルキルよりなる群からそれぞれ独立に選択されるか;あるいは、RおよびRが、それらが結合されているN原子と一緒になって5ないし6員のヘテロアリール若しくは5ないし6員のヘテロシクロアルキル基を形成し;
が、水素、カルボキシ、低級アルキル、ヒドロキシ置換低級アルキル、低級アルケニル、ヒドロキシ置換低級アルケニル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−カルボニル、低級アルキル−カルボニル、フェニル−カルボニル、低級アルキル−カルボニル−低級アルキル、NR−カルボニルおよびNR−低級アルコキシ−低級アルキルよりなる群から選択されるか;
あるいは、RおよびRがそれらが結合されている原子と一緒になって、式;
【化27】

[式中、nは1から4までの整数であり;
およびRは、水素、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルキニルおよび低級アルコキシよりなる群から独立に選択されるか;あるいは、RおよびRはそれらが結合されている炭素原子と一緒になってオキソ基を形成する]
の飽和環構造を形成するか;
なおあるいは、RおよびRが、それらが結合されている原子と一緒になって、式
【化28】

[式中、mは1から2までの整数である]
の1個のヘテロ原子を含有する飽和環構造を形成し;
が、水素および低級アルキルよりなる群から選択され;
【化29】

がアリールおよびヘテロアリールよりなる群から選択され;該ヘテロアリール基は炭素原子により核構造に結合され;また、該アリール若しくはヘテロアリール基は、ヒドロキシ、低級アルコキシ、アラルキル、アラルキルオキシ若しくはNR−低級アルコキシから独立に選択される1ないし2個の置換基で場合によっては置換され;
【化30】

がアリールおよびヘテロアリールよりなる群から選択され;該ヘテロアリール基は炭素原子により核構造に結合され;また、該アリール若しくはヘテロアリール基は、ヒドロキシ、低級アルコキシ、アラルキル、アラルキルオキシ若しくはNR−低級アルコキシから独立に選択される1ないし2個の置換基で場合によっては置換されるが;
但し、
【化31】

が二重結合であり、R1aが水素であり、Rが水素であり、Rが水素でありかつ
【化32】

が同一かつフェニル若しくは置換フェニルよりなる群から選択され、該フェニル上の置換基が低級アルコキシから選択される1ないし2個である場合には、Rはヒドロキシ置換低級アルキル若しくは低級アルコキシ−カルボニル以外であり;
但し、さらに、
【化33】

が二重結合であり、R1aが水素若しくは低級アルキルであり、
【化34】

がフェニルでありかつ
【化35】

がフェニルである場合には、RはNR−カルボニルおよびNR−低級アルコキシ−低級アルキルよりなる群から選択され;
但し、さらに、
【化36】

が単結合であり、R1aが水素であり、Rが水素若しくは低級アルキルであり、Rが水素でありかつ
【化37】

が同一かつフェニルである場合には、Rは、低級アルキル、ヒドロキシ置換低級アルキル、低級アルキル−カルボニル若しくは低級アルコキシ−カルボニル以外であり;
但し、さらに、
【化38】

が単結合であり、Rが低級アルキルであり、R1aが水素であり、
が水素であり、Rが水素でありかつ
【化39】

がフェニルである場合には、
【化40】

はベンズイミダゾリル以外であり;
但し、さらに、
【化41】

が単若しくは二重結合であり、R1aが低級アルキルであり、Rが水素であり、RおよびRがそれらが結合している原子と一緒になってシクロヘキシル若しくは3−ヒドロキシフェニルを形成しかつ
【化42】

が4−ヒドロキシフェニルである場合には、
【化43】

は4−(NR−低級アルコキシ)−フェニル以外であり、式中RおよびRは水素若しくは低級アルキルからそれぞれ独立に選択されるか、またはRおよびRはそれらが結合されているN原子と一緒になってピペリジニルを形成し;
但し、さらに、
【化44】

が単若しくは二重結合であり、R1aが水素であり、Rが水素でありかつRおよびRがそれらが結合されている原子と一緒になって
【化45】

を形成する場合には、
【化46】

は同一かつフェニルでなく;
但し、さらに、
【化47】

が二重結合であり、R1aが低級アルキルであり、Rが水素でありかつRおよびRがそれらが結合されている原子と一緒になって式
【化48】

[式中、Rはヒドロキシ若しくは低級アルコキシから選択される]の5員の飽和環構造を形成する場合には、
【化49】

は他のフェニル若しくは置換フェニルであり、該フェニル上の置換基はヒドロキシ、低級アルコキシ、アラルキル、アラルキルオキシ若しくはNR−低級アルコキシから独立に選択される1個若しくはそれ以上である、
請求項1に記載の化合物;
あるいはその製薬学的に許容できる塩。
【請求項3】
【化50】

が単若しくは二重結合を表し;
1aが水素および低級アルキルよりなる群から選択され;
が低級アルキル、ヒドロキシ置換低級アルキル、ヒドロキシ置換低級アルケニル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−カルボニル、低級アルキル−カルボニル−低級アルキルならびにNR−低級アルコキシ−低級アルキルならびにNR−カルボニルよりなる群から選択され;
式中、RおよびRは水素および低級アルキルから独立に選択されるか;あるいは、RおよびRが、それらが結合されている窒素原子と一緒になって5ないし6員のヘテロアリール若しくは5ないし6員のヘテロシクロアルキルを形成し;
が水素、カルボキシ、低級アルキル、ヒドロキシ置換低級アルキル、低級アルキル−
カルボニル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルキル−カルボニル−低級アルキルおよびNR−低級アルコキシ−低級アルキルよりなる群から選択され;
が水素および低級アルキルよりなる群から選択され;
【化51】

がアリールよりなる群から選択され;該アリール基はヒドロキシ、低級アルコキシおよびアリールアルコキシから選択される1置換基で場合によっては置換され;
【化52】

がアリールよりなる群から選択され;該アリール基はヒドロキシ、低級アルコキシ、アラルキルおよびNR−低級アルコキシから独立に選択される1ないし2個の置換基で場合によっては置換されるが;
但し、
【化53】

が二重結合であり、R1aが水素であり、Rが水素であり、Rが水素でありかつ
【化54】

が同一かつフェニル若しくは置換フェニルよりなる群から選択され、該フェニル上の置換基が低級アルコキシから選択される場合には、Rはヒドロキシ置換低級アルキル若しくは低級アルコキシ−カルボニル以外であり;
但し、さらに、
【化55】

が二重結合であり、R1aが水素若しくは低級アルキルであり、
【化56】

がフェニルでありかつ
【化57】

がフェニルである場合には、RがNR−カルボニルおよびNR−低級アルコキシ−低級アルキルよりなる群から選択され;
但し、さらに、
【化58】

が単結合であり、R1aが水素であり、Rが水素若しくは低級アルキルであり、Rが水素でありかつ
【化59】

が同一かつフェニルである場合には、Rは低級アルキル、ヒドロキシ置換低級アルキル、低級アルキル−カルボニル若しくは低級アルコキシ−カルボニルである、
請求項2に記載の化合物;
またはその製薬学的に許容できる塩。
【請求項4】
【化60】

が単若しくは二重結合を表し;
1aが水素およびメチルよりなる群から選択され、
がメチル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシ−プロピン−2−イル、1−ヒドロキシ−n−プロピル、メトキシメチル、メトキシカルボニル、メチルカルボニルメチル、ジメチルアミノ−エトキシ−メチル、モルホリニル−エトキシ−メチル、モルホリニルカルボニルおよびジエチルアミノカルボニルよりなる群から選択され;
が水素、カルボキシ、メチル、ヒドロキシメチル、メトキシカルボニル、メトキシメチル、メチルカルボニルメチルおよびジメチルアミノ−エトキシ−メチルよりなる群から選択され;
が水素およびエチルよりなる群から選択され;
【化61】

がフェニル、4−ヒドロキシフェニル、4−メトキシフェニルおよび4−ベンジルオキシ−フェニルよりなる群から選択され;
【化62】

がフェニル、4−ヒドロキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−ジメチルアミノエトキシ−フェニル、4−ヒドロキシ−3−ベンジル−フェニルおよび4−(ピペリジニル−エトキシ)−フェニルよりなる群から選択されるが;
但し、
【化63】

が二重結合であり、R1aが水素であり、Rが水素であり、Rが水素でありかつ
【化64】

が同一かつフェニルおよび4−メトキシフェニルよりなる群から選択される場合には、Rはヒドロキシメチル、1−ヒドロキシ−n−プロピル若しくはメトキシカルボニル以外であり;
但し、さらに、
【化65】

が二重結合であり、R1aが水素若しくはメチルであり、
【化66】

がフェニルでありかつ
【化67】

がフェニルである場合には、Rはジメチルアミノ−エトキシ−メチル、モルホリニル−エトキシ−メチル、モルホリニルカルボニルおよびジエチルアミノカルボニルよりなる群から選択され;
但し、さらに、
【化68】

が単結合であり、R1aが水素であり、Rが水素若しくはメチルであり、Rが水素でありかつ
【化69】

が同一かつフェニルである場合には、Rはメチル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシ−n−プロピル若しくはメトキシカルボニル以外である、
請求項3に記載の化合物;
またはその製薬学的に許容できる塩。
【請求項5】
【化70】

が単若しくは二重結合を表し;
1aが水素および低級アルキルよりなる群から選択され;
およびRが、それらが結合されている原子と一緒になって、式
【化71】

[式中、nは1から4までの整数であり;
およびRは水素、ヒドロキシおよび低級アルキニルよりなる群から独立に選択されるか;あるいはRおよびRはそれらが結合されている炭素原子と一緒になってオキソ基を形成する]
の飽和環構造を形成するか;
あるいは、RおよびRがそれらが結合されている原子と一緒になって、式
【化72】

[式中、mは1から2までの整数である]
の1個のヘテロ原子を含有する飽和環構造を形成し;
が水素であり;
【化73】

がアリールであり;該アリール基はヒドロキシ若しくは低級アルコキシから選択される1置換基で場合によっては置換され;
【化74】

がアリールであり;該アリール基は低級アルコキシから選択される1置換基で場合によっては置換されるが;
但し、
【化75】

が単若しくは二重結合であり、R1aが水素であり、Rが水素でありかつRおよびRがそれらが結合されている原子と一緒になって
【化76】

を形成する場合には、
【化77】

は同一かつフェニルでなく;
但し、さらに、
【化78】

が二重結合であり、R1aが低級アルキルであり、Rが水素でありかつRおよびRがそれらが結合されている原子と一緒になって
【化79】

を形成する場合には、
【化80】

はフェニル若しくは置換フェニル以外であり、該置換基はヒドロキシ若しくは低級アルコキシから選択され、かつ、
【化81】

はフェニル若しくは置換フェニル以外であり、該フェニル上の置換基は低級アルコキシである、
請求項2に記載の化合物;
またはその製薬学的に許容できる塩。
【請求項6】
【化82】

が単若しくは二重結合を表し;
1aが水素およびメチルよりなる群から選択され;
およびRがそれらが結合されている原子と一緒になって、3−ヒドロキシ−3−エチニル−シクロペンチル、3−ヒドロキシ−シクロペンチル、3−オキソ−シクロペンチル、3−ヒドロキシ−シクロヘキシル、3−オキソシクロヘキシル、3−オキソ−シクロオクチルおよびジヒドロ−フル−4−イルよりなる群から選択される環構造を形成し;
が水素であり;
【化83】

がフェニル、4−ヒドロキシフェニルおよび4−メトキシフェニルよりなる群から選択され;
【化84】

がフェニルおよび4−メトキシフェニルよりよりなる群から選択されるが;
但し、
【化85】

が単若しくは二重結合であり、R1aが水素であり、Rが水素でありかつRおよびRがそれらが結合されている原子と一緒になって
【化86】

を形成する場合には、
【化87】

は同一かつフェニルでなく;
但し、さらに、
【化88】

が二重結合であり、R1aがメチルでありかつRが水素である場合には、RおよびRがそれらが結合されている原子と一緒になって
【化89】

以外の環構造を形成する、
請求項5に記載の化合物;
またはその製薬学的に許容できる塩。
【請求項7】
式(II)
【化90】

[式中
XはC(O)およびCHよりなる群から選択され;
は水素および低級アルキルよりなる群から選択され;
はアルキルよりなる群から選択され;
は−(アラルキル)−Q−(アルキル)−NRよりなる群から選択され;
QはOおよびSよりなる群から選択され;
およびRは水素およびアルキルよりなる群からそれぞれ独立に選択されるか;あるいは、RおよびRはそれらが結合されているN原子と一緒になってヘテロアリール若しくはヘテロシクロアルキル基を形成し;
【化91】

はアリール、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキルよりなる群から選択され;該ヘテロアリール若しくはヘテロシクロアルキル基は炭素原子により核構造に結合され;また、該アリール、アラルキル、ヘテロアリール若しくはヘテロシクロアルキル基は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルキルオキシ若しくはNR−アルコキシから独立に選択される1個若しくはそれ以上の置換基で場合によっては置換される]
の化合物;
またはその製薬学的に許容できる塩。
【請求項8】
XがC(O)およびCHよりなる群から選択され;
が水素および低級アルキルよりなる群から選択され;
が低級アルキルよりなる群から選択され;
が−(ベンジル)−Q−(低級アルキル)−NRよりなる群から選択され;
QがOおよびSよりなる群から選択され;
およびRが水素および低級アルキルよりなる群からそれぞれ独立に選択されるか;あるいは、RおよびRがそれらが結合されているN原子と一緒になって5ないし6員のヘテロアリール若しくは5ないし6員のヘテロシクロアルキル基を形成し;
【化92】

がアリール、アラルキルおよびヘテロアリールよりなる群から選択され;該ヘテロアリール基は炭素原子により核構造に結合され;また、該アリール、アラルキル若しくはヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アラルキルオキシ若しくはNR−アルコキシから独立に選択される1ないし2個の置換基で場合によっては置換される、
請求項7に記載の化合物;
またはその製薬学的に許容できる塩。
【請求項9】
XがC(O)であり;
が低級アルキルよりなる群から選択され;
が低級アルキルよりなる群から選択され;
が−(ベンジル)−O−(低級アルキル)−NRよりなる群から選択され;
式中RおよびRは低級アルキルからそれぞれ独立に選択されるか;あるいは、RおよびRはそれらが結合されているN原子と一緒になって、5ないし6員のヘテロアリール若しくは5ないし6員のヘテロシクロアルキル基を形成し;
【化93】

がアリールおよびヘテロアリールよりなる群から選択され;該ヘテロアリール基は炭素原子により核構造に結合され;また、該アリール若しくはヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ若しくは低級アルコキシから選択される1置換基で場合によっては置換される、
請求項8に記載の化合物;
またはその製薬学的に許容できる塩。
【請求項10】
XがC(O)であり;
【化94】

が4−フルオロフェニル、4−ヒドロキシフェニル、4−メトキシフェニルおよび5−インドリルよりなる群から選択され;
がエチルであり;
がメチルであり;
が4−(ジメチルアミノ−エトキシ)−ベンジル、4−(モルホリニル−エトキシ)−ベンジル、4−(ピペリジニル−エトキシ)−ベンジルおよび4−(ピロリジニル−エトキシ)−ベンジルよりなる群から選択される、
請求項9に記載の化合物;
若しくはその製薬学的に許容できる塩。
【請求項11】
式(III)
【化95】

[式中
【化96】

は単若しくは二重結合を表し;
XはC(O)およびCHよりなる群から選択され;
は水素および低級アルキルよりなる群から選択され;
はアルキルよりなる群から選択され;
は−(アラルキル)−Q−(アルキル)−NRよりなる群から選択され;
QはOおよびSよりなる群から選択され;
およびRは水素およびアルキルよりなる群からそれぞれ独立に選択されるか;ある
いは、RおよびRはそれらが結合されているN原子と一緒になってヘテロアリール若しくはヘテロシクロアルキル基を形成する]
の化合物;
またはその製薬学的に許容できる塩。
【請求項12】
【化97】

が単若しくは二重結合を表し;
XがC(O)およびCHよりなる群から選択され;
が水素および低級アルキルよりなる群から選択され;
が低級アルキルよりなる群から選択され;
が−(ベンジル)−Q−(低級アルキル)−NRよりなる群から選択され;
QがOおよびSよりなる群から選択され;
およびRが水素および低級アルキルよりなる群からそれぞれ独立に選択されるか;あるいは、RおよびRがそれらが結合されているN原子と一緒になって5ないし6員のヘテロアリール若しくは5ないし6員のヘテロシクロアルキル基を形成する、
請求項11に記載の化合物;
またはその製薬学的に許容できる塩。
【請求項13】
【化98】

が単若しくは二重結合を表し;
XがC(O)であり;
が低級アルキルよりなる群から選択され;
が低級アルキルよりなる群から選択され;
が−(ベンジル)−O−(低級アルキル)−NRよりなる群から選択され;
式中、RおよびRが低級アルキルからそれぞれ独立に選択されるか;あるいは、RおよびRがそれらが結合されているN原子と一緒になって5ないし6員のヘテロアリール若しくは5ないし6員のヘテロシクロアルキル基を形成する、
請求項12に記載の化合物;
またはその製薬学的に許容できる塩。
【請求項14】
【化99】

が単若しくは二重結合を表し;
XがC(O)であり;
がエチルであり;
がメチルであり;
が、4−(ジメチルアミノ−エトキシ)−ベンジル、4−(モルホリニル−エトキシ)−ベンジル、4−(ピペリジニル−エトキシ)−ベンジルおよび4−(ピロリジニル−エトキシ)−ベンジルよりなる群から選択される、
請求項13に記載の化合物;
若しくはその製薬学的に許容できる塩。
【請求項15】
3−(4−ベンジルオキシ−ベンジル)−2−メチル−4−オキソ−シクロヘキシ−2−エンカルボン酸エチルエステル;
4−{4−ヒドロキシメチル−5−メチル−6−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−ベンジル]−シクロヘキシ−1−エニル}−フェノール
よりなる群から選択される化合物;
若しくはその製薬学的に許容できる塩。
【請求項16】
製薬学的に許容できる担体および請求項1に記載の化合物を含んでなる製薬学的組成物。
【請求項17】
請求項1に記載の化合物および製薬学的に許容できる担体を混合することにより作成される製薬学的組成物。
【請求項18】
請求項1に記載の化合物および製薬学的に許容できる担体を混合することを含んでなる、製薬学的組成物の作成方法。
【請求項19】
治療上有効な量の請求項1に記載の化合物を被験体に投与することを含んでなる、それの必要な被験体におけるエストロゲン受容体により媒介される障害の治療方法。
【請求項20】
エストロゲン受容体により媒介される障害が、のぼせ、膣の乾燥、骨減少、骨粗鬆症、高脂血症、認識機能の喪失、変性性脳疾患、心血管系疾患、脳血管系疾患、乳房組織の癌、乳房組織の過形成、子宮内膜の癌、子宮内膜の過形成、子宮頚部の癌、子宮頚部の過形成、前立腺の癌、前立腺の過形成、子宮内膜症、子宮線維症、変形性関節症および避妊よりなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
エストロゲン受容体により媒介される障害が、骨粗鬆症、のぼせ、膣の乾燥、乳癌および子宮内膜症よりなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
治療上有効な量の請求項16に記載の組成物を被験体に投与することを含んでなる、それの必要な被験体におけるエストロゲン受容体により媒介される障害の治療方法。
【請求項23】
治療上有効な量の請求項1に記載の化合物およびプロゲストゲン若しくはプロゲストゲンアンタゴニストを用いる共治療を含んでなる避妊方法。
【請求項24】
製薬学的に許容できる担体および請求項7に記載の化合物を含んでなる製薬学的組成物。
【請求項25】
請求項7に記載の化合物および製薬学的に許容できる担体を混合することにより作成される製薬学的組成物。
【請求項26】
請求項7に記載の化合物および製薬学的に許容できる担体を混合することを含んでなる、製薬学的組成物の作成方法。
【請求項27】
治療上有効な量の請求項7に記載の化合物を被験体に投与することを含んでなる、それの必要な被験体におけるエストロゲン受容体により媒介される障害の治療方法。
【請求項28】
エストロゲン受容体により媒介される障害が、のぼせ、膣の乾燥、骨減少、骨粗鬆症、高脂血症、認識機能の喪失、変性性脳疾患、心血管系疾患、脳血管系疾患、乳房組織の癌、乳房組織の過形成、子宮内膜の癌、子宮内膜の過形成、子宮頚部の癌、子宮頚部の過形成、前立腺の癌、前立腺の過形成、子宮内膜症、子宮線維症、変形性関節症および避妊よりなる群から選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
エストロゲン受容体により媒介される障害が、骨粗鬆症、のぼせ、膣の乾燥、乳癌および子宮内膜症よりなる群から選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
治療上有効な量の請求項24に記載の組成物を被験体に投与することを含んでなる、そ
れの必要な被験体におけるエストロゲン受容体により媒介される障害の治療方法。
【請求項31】
治療上有効な量の請求項7に記載の化合物およびプロゲストゲン若しくはプロゲストゲンアンタゴニストを用いる共治療を含んでなる避妊方法。
【請求項32】
製薬学的に許容できる担体および請求項11に記載の化合物を含んでなる製薬学的組成物。
【請求項33】
請求項11に記載の化合物および製薬学的に許容できる担体を混合することにより作成される製薬学的組成物。
【請求項34】
請求項11に記載の化合物および製薬学的に許容できる担体を混合することを含んでなる、製薬学的組成物の作成方法。
【請求項35】
治療上有効な量の請求項11に記載の化合物を被験体に投与することを含んでなる、それの必要な被験体におけるエストロゲン受容体により媒介される障害の治療方法。
【請求項36】
エストロゲン受容体により媒介される障害が、のぼせ、膣の乾燥、骨減少、骨粗鬆症、高脂血症、認識機能の喪失、変性性脳疾患、心血管系疾患、脳血管系疾患、乳房組織の癌、乳房組織の過形成、子宮内膜の癌、子宮内膜の過形成、子宮頚部の癌、子宮頚部の過形成、前立腺の癌、前立腺の過形成、子宮内膜症、子宮線維症、変形性関節症および避妊よりなる群から選択される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
エストロゲン受容体により媒介される障害が、骨粗鬆症、のぼせ、膣の乾燥、乳癌および子宮内膜症よりなる群から選択される、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
治療上有効な量の請求項32に記載の組成物を被験体に投与することを含んでなる、それの必要な被験体におけるエストロゲン受容体により媒介される障害の治療方法。
【請求項39】
治療上有効な量の請求項11に記載の化合物およびプロゲストゲン若しくはプロゲストゲンアンタゴニストを用いる共治療を含んでなる避妊方法。

【公表番号】特表2007−503470(P2007−503470A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533549(P2006−533549)
【出願日】平成16年6月1日(2004.6.1)
【国際出願番号】PCT/US2004/017362
【国際公開番号】WO2005/000775
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】