説明

部品供給装置

【課題】搬送レールを安定して振動させることができる部品供給装置の提供。
【解決手段】本発明は、ステッピングモータ4の駆動を受けて貯留部13内を揺動し、そこに貯留されたねじ40等の部品を支持してすくい上げるすくい板14を有し、このすくい板14によってすくい上げた部品を移載位置において搬送レール17に移載し、この搬送レール17を振動させることによって部品を整列搬送するものである。この搬送レール17に不正な姿勢で移載された部品は、前記すくい板14が移載位置から離れるのに連動する排除部材によって排除される。また、モータ4の停止信号が入力された時には、前記すくい板14が移載位置から離れた位置に達するのを待ってモータ4が停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯留部内に貯留された部品をすくい板によってすくい上げ、これを搬送レールに移載して整列搬送する部品供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部品供給装置としては、特許文献1及び2に記載のものが知られている。この部品供給装置は、モータ等の揺動駆動源の駆動を受けて貯留部内を上下に往復揺動する扇形のすくい板を備え、このすくい板の前方にバイブレータの振動を受けて振動する搬送レールを設けて成る。前記すくい板上面及び搬送レール上面には、それぞれ同様の断面形状を持つ溝が形成されており、この溝に部品を嵌合させて支持できるようになっている。これにより、すくい板の揺動で貯留部に多数貯留された部品を支持してすくい上げ、これを搬送レールに移載して整列搬送する。搬送レール上を搬送された部品は、搬送レール終端に配置された分離供給ユニットに送られ、ここから1個ずつ後工程の自動ねじ締め機等に分離供給される。なお、搬送レールの貯留部側上方には、すくい板の動作に連動して搬送レールに対して平行に往復移動可能な排除板が設けられている。この排除板の動作により、搬送レールに正しい姿勢で移載されなかった部品を貯留部内に排除できるようになっている。
【0003】
前記分離供給ユニットは、後工程の自動ねじ締め機等からねじ要求信号があった場合に部品を分離供給するよう作動する。よって、自動ねじ締め機等から長時間ねじ要求信号がない場合には、搬送レール上に部品が貯まっていく。これがすくい板側にまで達してしまうと、すくい板の揺動に支障を来す要因ともなるため、通常は搬送レール上の所定位置まで部品が貯まったことをセンサで検出し、このセンサの信号を受けて揺動駆動源を停止させる制御が行われている。
【0004】
【特許文献1】特開昭62−79126号公報
【特許文献2】実願昭54−133541号(実開昭56−51714号)のマイクロフィルム
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
すくい板によってすくい上げられる部品は、全てがすくい板の溝に正しく収まっている訳ではない。すくい板上に横倒しで載ったもの等も一緒にすくい上げられる。これらの部品が搬送レールに滑落した場合、不正な姿勢の部品(以下、不整列部品という)は、通常、続くすくい板の下降動作に連動する排除部材によって排除される。しかし、前述のように搬送レール上に一定の部品が並んだ場合に揺動駆動源を停止させると、すくい板が上死点付近で停止することがあり、こうなると排除部材は作動できない。作動する構造であっても、上死点で停止しているすくい板が邪魔になり、不整列部品を確実に排除することはできない。よって、搬送レール始端側には多くの不整列部品が貯まったままとなり、その重みや、これらが排除部材等に接すること等が原因となり、搬送レールの良好な振動が妨げられ、部品が搬送できなくなる等の不具合が発生している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みて創成されたものであり、搬送レールを安定して振動させ得る部品供給装置の提供を目的とする。この目的を達成するために本発明は、部品を多数貯留可能な貯留部と、この貯留部内を揺動可能に設けられ、その揺動によって貯留部に貯留された部品を支持してすくい上げるすくい板と、このすくい板を揺動動作させる揺動駆動源と、前記すくい板が部品の移載位置に揺動した時にすくい板によってすくい上げられた部品が移載される搬送レールと、この搬送レールを振動させる振動付与手段とを備えた部品供給装置であって、前記すくい板が移載位置から離れるのに連動して搬送レール上の不整列部品を排除するよう作動する排除部材と、前記すくい板が移載位置から離れたことを検知して信号を発する検知手段と、前記揺動駆動源の駆動停止の契機となる信号を発する停止信号入力手段と、この停止信号入力手段からの信号および前記検知手段からの信号が共に入力された時に前記揺動駆動源の駆動を停止する制御ユニットとを備えて成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の部品供給装置においては、光電センサ等の停止信号入力手段から揺動駆動源の駆動停止の契機となる信号が入力された場合には、すくい板が搬送レールに部品を移載する移載位置から離れた位置に揺動したことを確認して揺動駆動源を停止する。よって、すくい板が移載位置から離れるのに連動する排除部材により、常に搬送レール上の不整列部品を排除することが可能になり、以て搬送レールを安定して振動させ、部品を確実に供給することが可能になる等の利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面に基づいて本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1ないし図3において、1は部品供給装置であり、ベースプレート2に固定されたフレーム3を有し、このフレーム3には揺動駆動源の一例であるステッピングモータ4(以下、単にモータ4という)が取り付けられている。このモータ4の駆動による回転は、無端ベルト5を通じてプーリ6に伝達される。プーリ6は、フレーム3に回転自在に取り付けた主軸7の一端に固定されており、この主軸7には、主軸7の回転に伴って主軸7回りに回動するガイドローラ9が連結されている。このガイドローラ9は、アーム10のガイド溝10aに係合させてある。アーム10は、フレーム3に支軸12を介して連結されており、この支軸12を支点に揺動可能である。また、アーム10の他端には、すくい板14が一体に連結されており、このすくい板14は、供給する部品の一例であるねじ40を多数貯留する貯留部13内に常時介在するよう構成されている。
【0009】
前記すくい板14は扇形状を成し、その小径円弧部14aはフレーム3の弧状面3aに沿い、大径円弧部14bは貯留部13内を仕切るように固定された仕切り板15の弧状面15aに沿う。また、このすくい板14の上面には、ねじ40の脚部を落とし込める溝14cが長手方向に延びて形成されており、ねじ40は、この溝14cに脚部を落とし込み、上面で頭部座面を支持された首つり姿勢ですくい上げられる。
【0010】
一方、前記フレーム3の前部には、振動付与手段16が設置されている。この振動付与手段16は、基本的に特開2003−221110号公報に示される構造であり、フレーム3に取り付けられた台座161に磁力発生部162を設置するとともに、板ばね163a,163bを介して被吸着部材164を設置した構造である。前記磁力発生部162は、図4に示すように、鉄心165の同軸下部に永久磁石166を設け、これら鉄心165および永久磁石166に導線を巻いてコイル167を形成し、これらを鉄製のケース168に収めて成るものである。つまり、この磁力発生部162は、永久磁石166と、コイル167に通電することによって機能する電磁石とで構成されている。この結果、振動付与手段16は図5に示すような印加電圧−磁力特性を有し、常に永久磁石166の磁力を有しているものの、この永久磁石166の磁力がある分、同じ巻き数のコイルを有する電磁石のみのタイプに比べ、大きな磁力が得られるものとなっている。
【0011】
前記振動付与手段16の被吸着部材164には、ほぼ水平に延びる搬送レール17が連結してある。この搬送レール17は、板材に前記すくい板14の溝14cと同じ断面形状の溝17aが加工されたものであり、ここに前記溝14cと同様の姿勢でねじ40を支持して整列させるよう構成されている。この搬送レール17は、前記すくい板14の揺動路上前方に連設してあり、すくい板14の揺動上死点において、溝14cが溝17aに連通するように構成されている。また、この搬送レール17前端にはエスケープメント18が設けられており、このエスケープメント18は、搬送レール17を送られてきたねじ40を後工程に分離供給するように構成されている。
【0012】
前記フレーム3にはガイドブロック19が取り付けられ、このガイドブロック19には、前記搬送レール17に対して平行に往復移動可能なスライド軸20が案内されている。このスライド軸20はばね20aにより常時貯留部13側に付勢されており、その先端には排除部材21が取り付けられている。この排除部材21の下面側には、図3にも示すように、搬送レール17に正しい姿勢に支持されたねじ40の通過のみを許容する切欠21aが形成してある。また、前記スライド軸20には、ピン22が直交して植設してあり、このピン22は、フレーム3に支軸23で揺動可能に軸支されたレバー24のU溝24aに係合させてある。このレバー24の下端部は、前記ガイドローラ9の回動軌跡外縁に沿う弧状面24bに形成してあり、ここがガイドローラ9に接している間は、スライド軸20および排除部材21は、ばね20aの付勢に逆らって搬送レール17の部品送り方向に待避するように構成されている。
【0013】
また、搬送レール17の上方には、特許文献1にも図示されているように、搬送レール17と所定の間隔をおいて、押さえ板25が配置されている。この押さえ板25は、搬送レール17の振動によってねじ40が搬送レール17から飛び出るのを防止するために設けられている。
【0014】
一方、前記ベースプレート2上には、検知手段の一例である近接センサ26が配置されている。この近接センサ26は、すくい板14の移動路に検出面を向けて配置されており、すくい板14が下限位置付近まで揺動した段階で、すくい板14を検知してONし、すくい板14が下限位置付近から離れるとOFFになる。この近接センサ26は、前記モータ4の駆動を制御する制御ユニット27に接続されている。この制御ユニット27は、図6ではブロック形態で示しているが、実際にはベースプレート2上の空きスペースに設置されるものである。この制御ユニット27は、制御部28、記憶部29、モータ駆動部30、コイル駆動部31、入出力部32、操作部33、表示部34及び電源部35を備える。
【0015】
前記記憶部29には、駆動制御プログラム、モータ4、振動付与手段16及びエスケープメント18の各種パラメータ等、部品供給装置1を動作制御するために必要な情報が予め記憶してある。この中の各種パラメータには、振動付与手段16の駆動制御パラメータである「振動周波数」および「振動強度」、すくい板揺動速度パラメータである「すくい板通常速度」および「すくい板上限速度」、すくい板動作制御パラメータである「すくい板反転待ち時間」等が含まれる。また、前記操作部33は、各種スイッチ、キー(図示せず)等で構成され、表示部34は、液晶表示パネル又はディジタル表示器等で構成される。前記各種パラメータは、表示部34を見ながら操作部33を操作して任意に入力設定することができる。また、前記電源部35は、直流24V出力のスイッチング電源で構成されており、複数の交流電源に対応できるようになっている。
【0016】
前記モータ駆動部30は、制御部28から与えられる所定のパルス列に従ってパルス波形状の電流(以下、パルス電流という)をモータ4に印加して、モータ4を駆動制御する。このパルス電流の基準となるパルス列の周波数は、「すくい板通常速度」または「すくい板上限速度」の設定値に応じて制御部28で決定される。また、コイル駆動部31は、制御部28から与えられる所定のパルス列に従って、パルス波形状の電圧(以下、パルス電圧という)をコイル167に印加して、振動付与手段16を駆動制御する。このコイル駆動部31からコイル167に印加されるパルス電圧波形は、図7に示すようにプラス電圧とマイナス電圧とが交互に現れる形状となる。この結果、プラス電圧の印加により、永久磁石166分の磁力にコイル167への通電による電磁石の磁力分を加えた必要十分な磁力が得られ、マイナス電圧の印加により、永久磁石166の磁力を相殺して無磁力状態を創出できるようになっている。これにより、少ない電力でも必要十分な振動が得られる。この時、振動強度(振幅)は、パルス電圧の印加時間tと、パルス電圧の周期Tによって決まる周波数とによって決定される。つまり、振動強度は、図8に示すように、パルス電圧の周波数を共振周波数に一致させた時に最も大きくなり、しかも印加時間tが長いほど大きくなる。このことから、パルス電圧の周波数を共振周波数に一致させることが最も好ましいが、より安定した振動を得るためには図8に破線で示した共振周波数よりも若干高めの実用周波数帯域の周波数を採用した方がよい。
【0017】
次に、図9に示すように、すくい板14が下限位置にある状態(近接センサがONの状態)から部品供給装置1を起動した時の作用を述べる。
まず、制御ユニット27の操作部33に設けられた電源投入スイッチ(図示せず)により電源が投入されることで、制御部28にスタート指令信号が入力されると、制御部28は、記憶部29にある制御プログラム、各種動作パラメータ等を読み込む。そして、その中の「すくい板通常速度」及び「すくい板上限速度」に対応するパルス列の周波数をそれぞれ演算し、「すくい板通常速度」に対応する周波数のパルス列をモータ駆動部30に与える。これを受けてモータ駆動部30は、当該パルス列に対応するパルス電流をモータ4に印加する。同時に、制御部28は「振動周波数」および「振動強度」に基づいて、コイル駆動部31に与えるパルス列の周波数と印加時間tとを定め、これに基づくパルス列をコイル駆動部31に与える。これを受け、コイル駆動部31は、当該パルス列に対応したパルス電圧で振動付与手段16を駆動制御する。この振動付与手段16の駆動を受けて搬送レール17が振動する。
【0018】
搬送レール17は、供給する部品の形状やサイズ変更に伴って交換されることがあり、これによって固有振動数が変わり、共振周波数も変わる。この時は、前記「振動周波数」の設定値を変更することで、最適な搬送レール17の振動を得ることができる。また、「振動強度」の設定値を変更すれば、コイル駆動部31から振動付与手段16に印加されるパルス電圧の一パルス当たりの印加時間tを変更でき、振動強度の調節が可能である。
【0019】
前述のようにモータ4が駆動するのを受け、プーリ6ないしガイドローラ9が回転する。この時、ガイドローラ9は、アーム10のガイド溝10aに沿って転動するため、アーム10ないしすくい板14は上昇揺動を始める。これにより、近接センサ26の検知信号がONからOFFに切り替わり、これが入出力部32を通じて制御部28に送られる。制御部28は、これを受け、モータ駆動部30に与えるパルス列のパルス数を計数する。
【0020】
すくい板14の上昇揺動に伴ってすくい板14の溝14cには、貯留部13に貯留されたねじ40が嵌合してすくい上げられる。そして、すくい板14は上限位置まで揺動すると、ガイド溝10aの形状の作用により一定時間停留する。また、その前段に制御部28は前記パルス数の計数値からすくい板14が上限位置に近付いたことを識別し、モータ駆動部30に「すくい板上限速度」に対応する周波数のパルス列を送る。これを受け、モータ駆動部30は、当該パルス列に対応するパルス電流でモータ4を駆動制御し、モータ4の回転速度を減じる。これにより、上限位置におけるすくい板14の停留時間が十分に確保され、この間に、すくい板14によってすくい上げられたねじ40は、図10(a)に示すように搬送レール17の溝17aに確実に移行する。
【0021】
制御部28は、「すくい板上限速度」に対応するパルス列を発した後に、このパルス列のパルス数を計数する。そして、この計数値からすくい板14が上限位置から下降し始めたことを識別すると、モータ駆動部30に「すくい板通常速度」に対応するパルス列を再度送る。これにより、モータ4の回転速度が速められ、以てすくい板14の揺動速度が元の速度に戻される。このように、すくい板14が搬送レール17にねじ40を移載する移載位置付近にある時と、それ以外の位置にある時とに対応する揺動速度を設定し、これに応じてモータ4を速度制御しているため、単位時間当たりのすくい板14の揺動回数を増やしつつ、上限位置での停留時間を確保することができ、以てねじ40の供給量を増やすことができる。また、この「すくい板通常速度」および「すくい板上限速度」の各設定値を変更することにより、すくい板14の揺動速度を自由に変更できる。このように、すくい板の揺動速度を自由に、かつきめ細かく設定できるため、供給量の調整等に柔軟に対応することができる。
【0022】
また、すくい板14が下降し始めてしばらくすると、ガイドローラ9がレバー24から外れる。これにより、図10(b)に示すように、排除部材21がばね20aの力を受けて搬送レール17上を搬送レール17に対して平行に貯留部13側に移動する。この排除部材21の動作により、搬送レール17に正しい姿勢で移行しなかったねじ40は貯留部13に戻される。
【0023】
一方、搬送レール17に移行したねじ40は、搬送レール17の振動を受けて搬送レール17前方へと整列搬送され、エスケープメント18に到達する。制御部28は、後工程に設けられるねじ締めツール(図示せず)等から発せられるねじ要求信号を受けると、入出力部32に駆動指令信号を与え、これを受けて入出力部32はエスケープメント18を駆動制御する。この結果、エスケープメント18に達したねじ40が、ねじ締めツール等へ分離供給される。
【0024】
ねじ要求信号が発せられずにエスケープメント18が長時間作動しない時は、搬送レール17上に所定量のねじ40が並び、これを停止信号入力手段の一例である光電センサ36が検知する。この光電センサ36の検知信号は、入出力部32を通じて制御部28に送られる。これを受け、制御部28は近接センサ26の検知信号がONになるまで待って、すなわち、すくい板14が搬送レール17にねじ40を移載する移載位置たる上限位置から離れた下限位置付近まで揺動するのを待って、モータ駆動部30へのパルス列の付与を停止する。この結果、モータ4が駆動停止し、すくい板14は下限位置付近で停止する。こうすることで、排除部材21を作動させて、すくい板14から搬送レール17に移載された不整列ねじを排除することができ、搬送レール17を常に安定して振動させることができる。その後、エスケープメント18からねじ40が分離供給されて光電センサ36がねじ40を検知しなくなると、再度モータ4が駆動し、すくい板14の揺動が再開される。
【0025】
また制御部28では、近接スイッチ26の検知信号がON・OFF切り替わる度にタイマ(図示せず)がリセットされる。このタイマが所定時間をカウントした時点(タイムアップした時点)で、近接センサ26の検知信号がOFFである場合は、下限位置から離れた位置ですくい板14が揺動不能になっていると判定できる。この場合、制御部28はモータ駆動部30に所定時間(約5秒)だけ逆転用のパルス列を与える。モータ駆動部30は、この逆転用のパルス列に対応するパルス電流をモータ4に印加し、これによってモータ4を逆転駆動させる。この結果、すくい板14が反転動作する。すなわち、上昇過程にあった場合には一時的に下降に転じ、下降過程にあった場合には一時的に上昇に転じる。そして、所定時間が経過するか、もしくは近接センサ26がONになると、制御部28は、モータ駆動部30に再び通常のパルス列を与えてモータ4を通常駆動させる。これにより、すくい板14は元の動作に戻る。
【0026】
すくい板14の揺動が停止する原因としては、
(1)部材同士の隙間等に噛み込んだねじ40がすくい板14の移動路上にある。
(2)ねじ40同士の絡み合いが発生している。
の2点が最も多い。これに対し、前述のようにすくい板14が一旦反転動作した後、再び元の動作に戻ることにより、すくい板14に押されて隙間に噛み込んだねじ40が外れたり、或いはねじ40同士の絡み合いが解かれ、すくい板14が正常に揺動できるようになる。
【0027】
また、ねじ40がすくい板14の揺動移動路上のすくい板14以外の他の部材同士の隙間(例えば、貯留部13とフレーム3との隙間等)に噛み込んでしまい、すくい板14が一度反転動作しただけでは外れない場合等には、すくい板14は反転動作を繰り返す。すなわち、モータ4が一時的に逆転駆動した後、通常の駆動に戻っても、すくい板14が再度噛み込んだねじ40に当たるため、タイマがタイムアップしてもなお近接センサ26がONしない。このため、モータ4は再度一時的に逆転駆動し、以降、ねじ40が外れるまでこれを繰り返すことになる。このようにすくい板14が揺動すると、噛み込んだねじ40に断続的な刺激を与えることができ、噛み込みを解除することが可能になる。
【0028】
一方、制御部28のタイマがタイムアップした時点で近接センサ26の検知信号がONのままである場合には、すくい板14が近接センサ26の検知範囲内(下限位置付近)で揺動不能になっていると判定できる。この場合、前述同様にモータ4の駆動を一時的に逆転駆動に切り換え、すくい板14の反転動作を行ってもよい。しかし、すくい板14が下限位置付近で揺動不能となっている場合は、すくい板14が反転動作できる余裕が少ない。よって、この場合には制御部28は表示部34にエラー表示指令を送り、表示部34によるエラー表示を実行するようにするとよい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る部品供給装置の要部拡大一部切欠断面図。
【図2】本発明に係る部品供給装置の一部切欠正面図。
【図3】本発明に係る部品供給装置の要部拡大一部切欠斜視断面図。
【図4】本発明に係る部品供給装置の要部拡大一部切欠断面図。
【図5】振動付与手段の印加電圧−磁力特性を示すグラフ。
【図6】本発明に係る部品供給装置の制御ユニット系のブロック説明図。
【図7】振動付与手段に印加するパルス電圧の一例を示した電圧波形図
【図8】振動付与手段による振動の周波数特性を示すグラフ。
【図9】本発明に係る部品供給装置の動作状態を示す要部拡大一部切欠断面図。
【図10】本発明に係る部品供給装置の動作説明図。
【符号の説明】
【0030】
1 部品供給装置
2 ベースプレート
3 フレーム
4 モータ
9 ガイドローラ
10 アーム
13 貯留部
14 すくい板
16 振動付与手段
17 搬送レール
18 エスケープメント
21 排除部材
26 近接センサ
27 制御ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を多数貯留可能な貯留部と、この貯留部内を揺動可能に設けられ、その揺動によって貯留部に貯留された部品を支持してすくい上げるすくい板と、このすくい板を揺動動作させる揺動駆動源と、前記すくい板が部品の移載位置に揺動した時にすくい板によってすくい上げられた部品が移載される搬送レールと、この搬送レールを振動させる振動付与手段とを備えた部品供給装置であって、
前記すくい板が移載位置から離れるのに連動して搬送レール上の不整列部品を排除するよう作動する排除部材と、前記すくい板が移載位置から離れたことを検知して信号を発する検知手段と、前記揺動駆動源の駆動停止の契機となる信号を発する停止信号入力手段と、この停止信号入力手段からの信号および前記検知手段からの信号が共に入力された時に前記揺動駆動源の駆動を停止する制御ユニットとを備えて成ることを特徴とする部品供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−8399(P2006−8399A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−192214(P2004−192214)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(000227467)日東精工株式会社 (263)
【Fターム(参考)】