説明

配線基板、液晶表示パネル、配線基板の製造方法、及び、液晶表示パネルの製造方法

【課題】製造工程が煩雑ではなく、また、材料コストの抑制が容易な配線基板を実現する。
【解決手段】電子部品50は、配線70を構成する材料と同じ材料のみを介して、主基板20に固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品が備えられた配線基板、及び、それらの製造方法等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば主基板に電子部品が実装されている配線基板が広く使われている。
【0003】
ここで、配線基板とは、例えばガラス基板などの絶縁性を有する主基板において、その少なくとも一方の表面に配線が形成されている基板を意味する。
【0004】
また、前記電子部品とは、例えばコンデンサや抵抗などのチップ部品に代表される回路部品や、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)などの光源部品となる部品等、前記主基板に実装される部品を意味する。
【0005】
以下、従来の配線基板の例について説明する。
【0006】
(特許文献1)
例えば下記特許文献1には、図11に示すように、電子部品214のリード線と、主基板220としての絶縁性を有する基板のランドとを接着して固定した後に、導電(性)ペーストを用いて、配線パターン(配線225)を形成した基板(配線基板210)について記載されている。
【特許文献1】特開2006−261303号公報(公開日:2006(平成18)年9月28日)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来の配線基板は、その製造工程が煩雑であり、また、材料コストが高くなりやすいなどの問題点を有している。以下、順に説明する。
【0008】
前記特許文献1に記載された構成では、電子部品214が実装され、かつ、配線225が設けられた配線板210を製造するためには、電子部品214を、接着剤などを用いて主基板220に固定する工程と、導電ペーストを用いて、主基板220に配線225を形成する工程とが必要となる。すなわち、前記配線板210を製造するためには、主基板220に対して接着剤などを塗布する工程と、導電ペーストなどを塗布する工程との、合計2回の塗布工程が必要である。
【0009】
また、前記の構成では、電子部品214を主基板220に固定した後に、例えば固定された前記電子部品214のリード線間を接続するように、主基板220に導電ペーストを塗布する。そのため、導電ペーストを塗布する際に、前記電子部品214が確実に固定されるまで時間をおく必要が生じる場合がある。
【0010】
また、前記の構成では、配線板210を製造するために、接着剤と導電ペーストとの、少なくとも2種類の材料が必要である。
【0011】
以上のように、従来の配線基板では、2回の塗布工程が必要であったり、接着剤が固まるのを待つ必要があったりするため、製造工程が煩雑になりやすい。
【0012】
また、接着剤及び導電ペーストの複数種の材料を用いる必要があるため、材料コストが高くなりやすい。
【0013】
そこで、本発明は、前記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造工程が煩雑ではなく、また、材料コストの抑制が容易な配線基板、配線基板の製造方法、及び、液晶表示パネルの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の配線基板は、前記課題を解決するために、
絶縁性を有する主基板を備え、
前記主基板には、配線が形成されているとともに、電子部品が配置されている配線基板であって、
前記電子部品は、前記配線を構成する材料と同じ材料のみを介して、前記主基板に固定されていることを特徴とする。
【0015】
前記の構成によれば、配線を形成するための材料と、電子部品を主基板に固定するための材料が同じである。したがって、製造工程の簡素化及び材料コストの低減を図ることができる。
【0016】
また、本発明の配線基板は、
前記配線を構成する材料と、前記電子部品を固定する材料とが、同じ工程で主基板に配されたものであることを特徴とする。
【0017】
前記の構成によれば、配線を構成する材料と、前記電子部品を固定する材料とが、同じ工程で主基板に配されている。したがって、製造工程をより簡素化することができる。
【0018】
また、本発明の配線基板は、
前記主基板に配されている前記配線を構成する材料の上に、前記電子部品が固定されていることを特徴とする。
【0019】
前記の構成によれば、配線を構成する材料の上に、前記電子部品が固定されている。したがって、容易に、電子部品を、前記配線を構成する材料と同じ材料のみを介して、前記主基板に固定することができる。
【0020】
また、本発明の配線基板は、
前記配線を構成する材料が導電ペーストであることを特徴とする。
【0021】
前記の構成によれば、配線を構成する材料が導電ペーストである。したがって、容易に所望の形態の配線を形成することができる。言い換えると、任意の配線回路を形成しやすくなる。
【0022】
また、本発明の液晶表示パネルは、
前記配線基板が、液晶を挟持する2枚の基板のうちの少なくとも一方の基板として用いられていることを特徴とする。
【0023】
前記の構成によれば、液晶表示パネルにおける液晶を挟持する基板に、配線を構成する材料を介して電子部品が固定されている。
【0024】
そのため、液晶表示パネルに電子部品を設ける場合、例えばフレキシブルプリント配線基板やリジット配線基板などを介して設ける必要がない。すなわち、例えば、あらかじめ電子部品が配置されたフレキシブルプリント配線基板を用意し、そのフレキシブルプリント配線基板を基板に接続したりする必要がない。
【0025】
そのため、フレキシブルプリント配線基板など、電子部品を設けるための部材を配置するスペースを省くことができる。したがって、液晶表示パネルの狭額縁化が容易になる。
【0026】
また、例えば、フレキシブルプリント配線基板など、電子部品を設けるための部材を別途用いる必要がない。したがって、液晶表示パネルの低コスト化が可能である。
【0027】
また、基板上に電子部品を直接配置することが可能である。したがって、電子部品の位置精度を向上させることが容易になる。
【0028】
また、配線の構成する材料の上に電子部品が配置されている。したがって、配線の引き回し長を短くすることができる。
【0029】
また、本発明の液晶表示パネルは、
前記電子部品が光源部品であることを特徴とする。
【0030】
前記の構成によれば、電子部品が光源である。したがって、液晶表示パネルに用いられるバックライトユニットの構成を簡素化することが容易になる。
【0031】
また、本発明の液晶表示パネルは、
前記配線基板には貫通孔が形成されており、
前記貫通孔の内には、導電性材料が配置されており、
前記配線基板の両面が前記導電性材料を介して電気的に導通されており、
前記配線基板の前記電子部品が設けられている側と相反する側には、電気接続部を有する第2電子部品が設けられており、
前記第2電子部品は、その電気接続部が、当該第2電子部品が設けられた側から露出する前記導電性材料を覆うように配置されており、
前記配線を構成する材料と、前記貫通孔の内に配置された導電性材料とが同じ材料であることを特徴とする。
【0032】
前記の構成によれば、電子部品に設けられている電気接続部で、主基板から露出した導電性材料が覆われている。
【0033】
そのため、貫通孔に配置された導電性材料と電子部品とを確実に電気的に接続することができる。よって、貫通孔の接続信頼性が高い液晶表示パネルをえることができる。
【0034】
また、前記の構成によれば、貫通孔と電子部品との接続に、配線を用いる必要がないので、接続抵抗を低減することができる。
【0035】
また、前記の構成によれば、貫通孔に配置された導電性材料と、配線を構成する材料とが同じ材料なので、製造工程を簡素化することができる。
【0036】
言い換えると、前記の構成によれば、貫通孔への導電性材料の配置(充填)と、配線の形成と、電子部品の固定とを1つの工程、1つの材料で行うことができるので、工程を簡素化することができる。
【0037】
また、前記の構成によれば、貫通孔を介して基板の異なる面の間の導通を図ることができる。したがって、基板の端面にフレキシブルプリント配線基板を等を回し込むなど、基板外部の領域を用いて基板上下の導通を図る必要がなくなる。そのため、液晶表示パネルの狭額縁化が可能となる。
【0038】
また、本発明の配線基板の製造方法は、前記課題を解決するために、
絶縁性を有する主基板を備え、
前記主基板には、配線が形成されているとともに、電子部品が配置されている配線基板の製造方法であって、
前記主基板に導電ペーストを配する工程と、
前記主基板に配された導電ペーストの上に電子部品を配置する工程と、
前記導電ペーストを硬化させることで前記配線を形成するとともに、前記電子部品を前記主基板に固定する工程とを有することを特徴とする。
【0039】
前記の方法によれば、基板に配された導電ペーストの上に電子部品を配置し、導電ペーストを硬化させることにより、配線の形成と電子部品の固定とが行われる。
【0040】
したがって、製造工程が煩雑ではなく、また、材料コストの抑制が容易な配線基板の製造方法を提供することができる。
【0041】
また、本発明の配線基板の製造方法は、
前記主基板に導電ペーストを配する工程が、ディスペンサーにより導電ペーストを前記主基板に配することにより行われることを特徴とする。
【0042】
前記の方法によれば、導電ペーストがディスペンサーにより配される。したがって、ディスペンサーへの指示内容を変更することにより、種々の形状の配線(配線による回路)を容易に描画することができる。
【0043】
また、本発明の配線基板の製造方法は、
前記導電ペーストを硬化させる工程が、主基板を加熱することにより行われることを特徴とする。
【0044】
前記の方法によれば、導電ペーストを硬化させる工程が、加熱工程である。したがって、容易に導電ペーストを乾燥・硬化させることができる。
【0045】
また、本発明の液晶表示パネルの製造方法は、前記課題を解決するために、
配線基板が、液晶を挟持する2枚の基板のうちの少なくとも一方の基板として用いられ、
前記配線基板は、絶縁性を有する主基板を備え、
前記主基板には、配線が形成されており、
前記主基板の各々の面には、それぞれ第1電子部品と第2電子部品とが配置されており、
前記主基板の両面が、前記主基板に形成された貫通孔に配置された導電ペーストを介して、電気的に導通されている液晶表示パネルの製造方法であって、
前記主基板の片側面側に、前記貫通孔の開口部を覆うように前記第2電子部品を設ける工程と、
前記第2電子部品が設けられた側と相反する側の前記貫通孔の開口部から、導電ペーストを前記貫通孔の内に配置するとともに、当該導電ペーストを前記主基板に配することで前記配線を形成する工程と、
前記主基板に配された導電ペーストの上に前記第1電子部品を配置する工程と、
前記導電ペーストを硬化させることで前記第1電子部品を前記主基板に固定する工程とを有することを特徴とする。
【0046】
前記の方法によれば、第2電子部品により、貫通孔が覆われた状態で、導電ペーストが配置されている。そのため、導電ペーストの液だれなどが生じにくく、導電ペーストが適切に貫通孔に配置されやすい。
【0047】
したがって、貫通孔に配置された導電性材料と第2電子部品との接続信頼性を向上させることができる。
【0048】
また、前記の方法によれば、貫通孔へ導電性材料を配置することと、配線を形成することと、第1電子部品を固定することとが、同じ材料で、また、一連の1つの工程で行うことができる。
【0049】
したがって、製造工程が煩雑ではなく、また、材料コストの抑制が容易な液晶表示パネルの製造方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0050】
本発明の配線基板は、以上のように、電子部品は、配線を構成する材料と同じ材料のみを介して、主基板に固定されているものである。
【0051】
また、本発明の配線基板の製造方法は、以上のように、主基板に導電ペーストを配する工程と、前記主基板に配された導電ペーストの上に電子部品を配置する工程と、前記導電ペーストを硬化させることで配線を形成するとともに、前記電子部品を前記主基板に固定する工程とを有する方法である。
【0052】
また、本発明の液晶表示パネルの製造方法は、以上のように、主基板の片側面側に、貫通孔の開口部を覆うように第2電子部品を設ける工程と、前記第2電子部品が設けられた側と相反する側の前記貫通孔の開口部から、導電ペーストを前記貫通孔の内に配置するとともに、当該導電ペーストを前記主基板に配することで前記配線を形成する工程と、前記主基板に配された導電ペーストの上に第1電子部品を配置する工程と、前記導電ペーストを硬化させることで前記第1電子部品を前記主基板に固定する工程とを有する方法である。
【0053】
それゆえ、製造工程が煩雑ではなく、また、材料コストの抑制が容易な配線基板、配線基板の製造方法、及び、液晶表示パネルの製造方法を提供することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0054】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施の形態について図に基づいて説明すると以下の通りである。なお、本願における各図面は、説明のための概略図であり、寸法等は実物を忠実に表したものではない。
【0055】
図1(a)及び図1(b)は、本実施の形態の配線基板10の概略構成を示す図である。そして、前記図1(a)は電子部品50が実装される前の状態を示し、前記図1(b)は電子部品50が実装された後の状態を示している。
【0056】
(全体構成)
前記図1(a)及び図1(b)に示すように、本実施の形態の配線基板10は、例えばガラス基板のような絶縁性を有する主基板20と、当該主基板20に設けられている導電ペースト及び電子部品50とを主な構成要素とする。そして、前記導電ペーストは、前記主基板20上で配線70を構成している。
【0057】
ここで、前記導電ペーストとは、後に詳述するが、例えば導電性を有するフィラーが含まれた樹脂を意味し、主基板20に塗布された後に乾燥することで硬化するものである。
【0058】
また、前記電子部品50とは、例えばコンデンサや抵抗などのチップ部品に代表される回路部品や、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)などの光源部品となる部品等、前記主基板20に実装される部品を意味する。
【0059】
そして、本実施の形態の配線基板10は、前記電子部品50が前記配線70を構成する材料である導電ペーストのみを介して、前記主基板20に固定されているとの特徴を有している。
【0060】
以下、前記配線基板10の構造を、その製造方法と併せて説明する。
【0061】
本実施の形態の配線基板10の製造においては、前記図1(a)に示すように、まず前記主基板20の表面に導電ペーストを配設する。
【0062】
具体的には、シリンジなどが備えられたディスペンサーを用いて塗布することなどにより、前記導電ペーストを主基板20の表面に配設する。その際、前記導電ペーストが、主基板20の表面上で、所望の形状の配線(回路)を形成するようにする。言い換えると、前記導電ペーストを用いて、所望の配線70を描画する。
【0063】
なお、前記導電ペーストを配設する方法は、前記ディスペンサーを用いる方法に限定されず、例えば、スクリーン印刷などにより行うこともできる。前記ディスペンサーを用いる方法では、ディスペンサーへの指示内容を変更することにより、例えば、丸型や三角形型や自由曲線など種々の描画をより容易に行うことができる。
【0064】
そして、前記導電ペースト上に、電子部品を実装する(図1(a)に示す矢印D1参照)。
【0065】
ここで、前記主基板20の表面上に配設された導電ペーストには、配線として設けられたエリアと、電子部品実装が実装されるエリア(図1(a)に示す電子部品実装エリアR1参照)とが含まれている。そして、前記電子部品50の実装は、前記電子部品実装エリアR1において行われる。具体的には、導電ペーストが硬化する前の状態で、前記電子部品50を、例えばチップマウンタなどを用いて、前記導電ペースト上に配置する。
【0066】
なお、前記図1(a)では、電子部品50として、コンデンサや抵抗などの回路部品56及びLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)などの光源部品58が実装された配線基板10を例示している。
【0067】
より具体的には、前記図1(b)に示すように、前記配線基板10には、配線70が設けられているとともに、前記電子部品実装エリアR1において、各々の電子部品50が2本の配線70に接続されるように、前記回路部品56及び光源部品58が設けられている。
【0068】
言い換えると、前記回路部品56及び光源部品58は、配線70の隣接する2個の配線70の端部(配線端72)を接続するように、前記配線70上に設けられている。
【0069】
そして、前記電子部品50を主基板20へ実装した後に、前記主基板20全体を高温で処理する。具体的には、例えば、100℃で60分間、オーブンなどを用いて加熱する。この加熱処理により、前記導電ペーストが乾燥・硬化され、前記配線70が所望の形状で固化されるとともに、前記電子部品50が前記配線70上で固定される。
【0070】
前記図1(b)に示した配線基板10の例では、前記の工程により、1個の閉じられ電子回路が形成されている。
【0071】
なお、前記主基板20上に設けられる配線70の形状(回路の形)や、前記電子部品50の配置の仕方は、前記の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0072】
(電子部品電極)
つぎに、図2(a)及び図2(b)に基づいて前記電子部品50の主基板20への実装、言い換えると、前記配線70上への電子部品50の搭載について、より詳しく説明する。
【0073】
ここで、前記図2(a)及び図2(b)は、いずれも本発明の実施の形態の配線基板の概略構成を示す図であり、(a)は電子部品を実装する前の状態を示し、(b)は電子部品を実装した後の状態を示している。
【0074】
前記図2(a)及び図2(b)では、電子部品50として、コンデンサなどの回路部品56を例示した。
【0075】
ここで、前記回路部品56は、およそ直方体形状を有している。そして、前記回路部品56には、2個の電子部品電極52が設けられている。この電子部品電極52は、電子部品50を配線70などの外部の導体と電気的に接続するために用いられる端子である。
【0076】
そして、前記図2(a)に示すように、前記2個の電子部品電極52の各々が、前記配線70の配線端72に接するように、電子部品50は、前記配線70上に搭載されている。
【0077】
以上より、前記図2(b)に示すように、分断されていた配線70が、前記電子部品50の搭載により、電気的に接続される。
【0078】
前記図2(a)及び図2(b)に示すように、前記の方法によれば、回路配線と電子部品との配置、及び、それらの接続とを1度に行うことができる。すなわち、配線形成のために塗布する材料と、配線及び電子部品の機械的接着構造とを改善することで、配線基板の製造工程を簡素化することができた。
【0079】
なお、前記図2(a)及び図2(b)には、電子部品50に2個の電子部品電極52が設けられている構成について説明したが、前記電子部品電極52は必ずしも設けられている必要は無い。また、設けられている場合においてもその個数は2個に限定されない。
【0080】
(導電ペースト)
つぎに、前記配線70を構成する材料について説明する。前記の説明においては、前記材料として導電ペーストを例示したが、前記材料は、導電ペーストに限定されるものではない。
【0081】
例えば、導電性を有するとともに、粘着・接着性を有する材料であれは、前記材料として用いることができる。
【0082】
また、前記材料としていわゆる導電ペーストを用いる場合、その種類は特には限定されないが、高強度接着用導電ペーストを用いることが好ましい。具体的には、例えば藤倉化成株式会社製のドータイト:XA−910(商品名)や、同社製のドータイト:FA−301CA(商品名)を用いることができる。
【0083】
前記XA−910は、銀をフィラーとし、樹脂には1液エポキシが用いられている。そして、導電性は、3×10−4Ω・cmである。また、前記XA−910は、100℃、60分で好適に硬化させることができる。
【0084】
他方、前記FA−301CAは、銀をフィラーとし、樹脂にはポリエステルが用いられている。そして、導電性は、2×10−4Ω・cmである。また、前記FA−301は、80℃、20分で好適に硬化させることができる。
【0085】
前記FA−301は、前記XA−910よりも低温・短時間で硬化させることができるので、加熱された後の電子部品50の信頼性をより向上させることができる。
【0086】
〔実施の形態2〕
つぎに、本発明の他の実施の形態について図3(a)〜図3(c)、及び、図4に基づいて説明する。
【0087】
ここで、図3(a)〜図3(c)は、本発明の他の実施の形態の配線基板の製造方法の概略を、順に示す図である。また、図4は、本発明の他の実施の形態の配線基板の概略構成を示す図である。
【0088】
なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0089】
本実施の形態の配線基板10は、前記実施の形態1の配線基板10と比べて、配線70に対する電子部品50の配置のされ方(位置関係)が異なっている。すなわち、前記実施の形態1の配線基板10では、電子部品50は、2個の配線端72を、自らを介して接続するように配置されていた。これに対して本実施の形態の配線基板10では、電子部品50は、略平行に延伸された2本の配線70が、その延伸方向と直交する方向において、当該電子部品50を介して、接続されるように配置されている。以下、説明する。
【0090】
まず、前記図3(a)に示すように、ガラス基板などの絶縁性を有する主基板20に、例えば、前記高強度接着用導電ペーストを塗布する。
【0091】
ここで、前記主基板20とは、具体的には、液晶表示パネルに用いられる基板において、その表面にITO(Indium Tin Oxide)電極などの回路が設けられていない面(絶縁面)を有する基板などが例示できる。
【0092】
なお、前記高強度接着用導電ペーストが塗布される主基板20の表面は、脱脂・洗浄されていることが好ましい。これにより、高強度接着用導電ペーストと主基板20との接着強度を向上させることができるからである。
【0093】
本実施の形態の配線基板10では、スクリーン印刷やディスペンサーなどを用いる方法や、手書きなどにより、高強度接着用導電ペーストが、所望の形状になるように、前記主基板20に塗布される。
【0094】
具体的には、図3(a)に示す例では、近接した2本の平行線(配線70)が形成されるように、高強度接着用導電ペーストが塗布される。
【0095】
つぎに、図3(b)及び図3(c)に示すように、配線基板10に搭載したい電子部品50を準備して、前記主基板20の電子部品実装エリアR1に実装する。
【0096】
具体的には、前記高強度接着用導電ペーストを塗布した後、加熱・乾燥させる前に、引き続いて電子部品50を、チップマウンタを用いる方法や、手挿入などの方法で、前記高強度接着用導電ペースト上に搭載する。
【0097】
図3(b)及び図3(c)に示す例では、2個の電子部品電極52が備えられた電子部品50としての回路部品56が、前記高強度接着用導電ペースト上に搭載されている。
【0098】
ここで、本実施の形態の配線基板10の概略構成を示す図である図4に表すように、本実施の形態の配線基板10では、電子部品50の2個の電子部品電極52のうちで、一方の電子部品電極52が前記2本の配線のうちの一方と接し、残る一方の電子部品電極52が前記2本の配線のうちの残る一方と接するように、前記電子部品50が主基板20に実装されている。
【0099】
なお、前記図4は、あくまで、配線の形成(導電ペーストの塗布)と電子部品の実装とを1度に行った場合のイメージ(実際の回路とは相違する)を示す図であり、本発明の配線基板10は、前記図4に示した構成に限定されるものではない。
【0100】
つぎに、上記配線基板10を、オーブンなどの高温層等を用いて加熱する。この加熱の条件は特には限定されず、用いる導電ペーストなどにより種々変更される。例えば、導電ペーストとして、藤倉化成の導電ペースト:ドータイトXA−910(商品名)を用いた場合には、100℃×60分との条件で加熱・乾燥させる。
【0101】
上記加熱により、主基板20に塗布された導電ペーストが硬化し、配線70が固まるとともに、配線70上に搭載されていた電子部品50が、上記配線70を介して、上記主基板20に固定される。
【0102】
なお、前記導電ペーストを硬化させる方法は、加熱に限定されず、例えば、用いる材料に応じて、紫外線照射など、種々の方法を用いることができる。
【0103】
〔実施の形態3〕
つぎに、本発明の他の実施の形態について図5(a)及び図5(b)に基づいて説明する。
【0104】
ここで、図5(a)及び図5(b)は、本発明の他の実施の形態の配線基板の概略を示す図である。そして、図5(a)は、光源部品58としてのLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)が点灯していない状態を示し、図5(b)は前記LEDが点灯している状態を示している。すなわち、図5(b)は、LEDに電界を印可して発光させた状態を示している。
【0105】
なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記各実施の形態と同じである。また、説明の便宜上、前記各実施の形態の図面に示した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0106】
前記図5(a)及び図5(b)に示す配線基板10は、実装されている電子部品50がコンデンサなどの回路部品56ではなく、光源部品58である点が特徴である。具体的には、前記図5(a)及び図5(b)には、光源部品58としてLEDが用いられた配線基板10が示されている。
【0107】
具体的には、前記図5(a)及び前記5(b)に例示された配線基板10は、主基板20上に略ループ形状の配線70が設けられている。そして、前記配線70上に光源部品58としてのLEDが、前記配線70に対して直列状に配置されている。
【0108】
また、前記配線70には、前記主基板20の外部に設けられている、前記LEDが点灯するために必要な電源回路や制御回路や部品などに接続されている。そして、全体ととして、LED光源点灯回路が形成されている。
【0109】
なお、前記前記図5(a)及び前記5(b)に示したLED光源点灯回路は、あくまで説明のためのサンプルであり、本発明の配線基板10は、前記構成に限定されるものではない。
【0110】
以上のように、本実施の形態の配線基板10では、光源部品58が、ガラス基板などの絶縁性を有する基板に搭載されている。
【0111】
そのため、バックライトユニットが備えられる液晶表示パネルなどにおいて、その基板(例えばTFT基板)を主基板20とすることで、バックライトユニットの構造を簡素化することができる。
【0112】
〔実施の形態4〕
つぎに、本発明の他の実施の形態について図6〜図10に基づいて説明する。
【0113】
ここで、図6は、本実施の形態の液晶表示パネル110の概略構成を示す図である。
【0114】
また、図7(a)及び図7(b)は、本実施の形態の液晶表示パネルの概略構成を示す図であり、(a)は平面を示し、(b)は(a)のX−X線断面を示す図である。
【0115】
また、図8、図9(a)、及び、図9(b)は液晶表示パネルの概略構成を示す図である。
【0116】
なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記各実施の形態と同じである。また、説明の便宜上、前記各実施の形態の図面に示した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0117】
本実施の形態の液晶表示パネル110は、それを構成するTFT基板122が、前記主基板20として構成されている点が特徴である。以下、説明する。
【0118】
前記及び図7に示すように、本実施の形態の液晶表示パネル110は、ともにガラス基板からなる、カラーフィルター基板120及びTFT(薄膜トランジスタ:Thin Film Transistor)基板122と、かかる基板に挟持された液晶層150とを備えている。そして、前記TFT基板122の背後には、バックライトユニット160が設けられている。
【0119】
ここで、前記カラーフィルター基板120とTFT基板122とは、その大部分において重なっているものの、一部、前記TFT基板122が前記カラーフィルター基板120からはみ出している部分がある。そして、このはみ出している部分が回路部品や光源部品や配線部材などが実装される領域である液晶表示パネル端子部112となっている。
【0120】
ここで、本実施の形態の液晶表示パネル110では、TFT基板122が、配線基板10の主基板20として構成されている。そのため、前記液晶表示パネル端子部112におけるTFT基板122には、導電ペーストにより配線70が設けられているとともに、電子部品50が実装されている。以下、液晶表示パネル110について、より具体的に説明する。
【0121】
すなわち、本実施の形態の液晶表示パネル110は、前記カラーフィルター基板120とTFT基板122とがシール124を介して貼合されている。そして、カラーフィルター基板120及びTFT基板122の外面には、各々偏光板130が設けられている。
【0122】
また、前記TFT基板122の背後には、バックライトユニット160の構成部品としての導光板140が設けられている。
【0123】
また、前記TFT基板122と導光板140との間には、導光板140から出射した光を適切に制御するための光学フィルム142が設けられている。
【0124】
そして、本実施の形態の液晶表示パネル110では、前記TFT基板122の端部近傍領域であり、前記カラーフィルター基板120と重ならずに、カラーフィルター基板120からはみ出している領域である前記液晶表示パネル端子部112に、配線70が形成されているとともに、第1電子部品としての電子部品50が実装されている。
【0125】
すなわち、前記図7に示すように、前記TFT基板122の外面には、TFT基板外面配線126としての配線70が設けられている。そして、前記配線70の上には、電子部品50としての回路部品56が設けられている。この電子部品50は、電子部品50に設けられている電子部品電極52を介して、前記配線70を構成する導電ペーストと直接接している。
【0126】
ここで、TFT基板122における、前記カラーフィルター基板120と対向する面を内面24とし、前記内面の反対面を外面22とする。
【0127】
また、前記第1電子部品とは、配線70を構成する導電ペーストに搭載される電子部品を指す。具体的には、先に説明したとおり、例えばコンデンサや抵抗などのチップ部品に代表される回路部品や、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)などの光源部品となる部品等、前記主基板に実装される部品を意味する。
【0128】
そして、本実施の形態におけるTFT基板122の液晶表示パネル端子部112に設けられている前記配線70は、先に説明したとおり、導電ペーストで描画し、その後乾燥・硬化させることにより形成されている。
【0129】
また、前記電子部品50は、前記描画された導電ペースト上に、当該導電ペーストが乾燥・硬化前に搭載され、後に当該導電ペーストが乾燥・硬化されることで、前記TFT基板122上に前記導電ペーストを介して固定されたものである。
【0130】
(貫通孔)
また、本実施の形態の液晶表示パネル110では、前記TFT基板122の端部に、貫通孔30が設けられている。そして、前記貫通孔30には、導電性材料90が配置されている。そのため、前記貫通孔30を介して、TFT基板122の内面24と外面22とが電気的に接続可能となっている。言い換えると、前記貫通孔30は、いわゆるスルーホールとして機能できるように構成されている。
【0131】
そして、前記貫通孔30において、第2電子部品としての配線部材40が前記TFT基板122に電気的に接続されている。詳しくは、前記配線部材40は、配線部材40に設けられている電気接続部12が、貫通孔30の2個の開口部のうちで、TFT基板122の内面24の開口部である内面開口部34に接するように(開口部から露出する導電性材料90を覆うように)、前記TFT基板122に設けられている。
【0132】
そして、先に説明した前記TFT基板外面配線126は、前記貫通孔30における、TFT基板122の外面22の開口部である外面開口部32に接するように設けられている。
【0133】
ここで、第2電子部品とは、例えばコンデンサや抵抗などのチップ部品に代表される回路部品や、フレキシブルプリント配線基板などの配線部材など、前記貫通孔30に配置される電子部品を意味する。
【0134】
つぎに、前記図7(a)及び図7(b)に基づいて、前記接続の様子をより詳しく説明する。
【0135】
前記図7(a)及び図7(b)に示すように、前記カラーフィルター基板120とTFT基板122とが貼合された状態において、前記カラーフィルター基板120とTFT基板122とには、基板端面にずれが生じている。具体的には、TFT基板122の端面がカラーフィルター基板120の端面よりも出ており、そのためTFT基板122のみとなっている部分(液晶表示パネル端子部112)がある。そして、前記液晶表示パネル端子部112に貫通孔30が設けられている。
【0136】
また、TFT基板122の前記液晶表示パネル端子部112には、その表面に配線が設けられている。具体的には、TFT基板122における前記カラーフィルター基板120と対向する面である内面24の表面には、TFT基板内面配線128が設けられている。またTFT基板122における他方の表面、すなわち前記導光板140と対向する面である外面22の表面には、TFT基板外面配線126が設けられている。
【0137】
そして、前記図7(a)及び図7(b)には、前記配線部材40として、フレキシブルプリント配線基板が、前記TFT基板内面配線128及びTFT基板外面配線126と電気的に接続されている構成を例示している。
【0138】
詳しくは、配線部材40としてのフレキシブルプリント配線基板は、配線部材基材41に複数本の配線部材電極42が設けられた概略構成を有している。そして、前記複数本の配線部材電極42のうちで、前記TFT基板外面配線126と電気的に接続される配線部材電極42は、前記貫通孔30を介して、TFT基板122の前記配線部材40とは異なる面に設けられているTFT基板外面配線126と電気的に接続されている。
【0139】
他方、配線部材40に設けられている複数本の配線部材電極42のうちで、前記TFT基板内面配線128と電気的に接続される配線部材電極42は、例えば前記貫通孔30を覆わないように設けられたACFなどを介して、TFT基板122の前記配線部材40と同じ面に設けられているTFT基板内面配線128と電気的に接続されている。
【0140】
以上のように、前記の構成においては、フレキシブルプリント配線基板に設けられた配線部材電極42の一部と、TFT基板122の外面22に設けられたTFT基板外面配線126とが、貫通孔30に配置された導電性材料90を介して電気的に接続されるとともに、前記配線部材電極42の他の一部が、TFT基板122の他の面である内面24に設けられたTFT基板内面配線128とACFなどを介して電気的に接続されている。
【0141】
また、前記貫通孔30の外面開口部32には、先述の通り、前記外面開口部32を覆うようにTFT基板外面配線126が設けられている。そして、TFT基板外面配線126の上には、前記第1電子部品として電子部品50が設けられている。具体的には、回路部品56が、電子部品50として設けられている。
【0142】
(製造方法)
そして、本実施の形態の液晶表示パネル110では、前記貫通孔30への導電性材料90の配置と、前記TFT基板122の外面22への配線70の描画が1個の工程で行われている。すなわち、導電ペーストを前記導電性材料90として前記貫通孔30に充填するとともに、合わせて、前記導電ペーストを、所望の配線70の形状になるように、TFT基板122の外面22に配する。
【0143】
それに続いて、先に説明したとおり、前記TFT基板122に配された導電ペースト上に、電子部品50を搭載する。
【0144】
そして、液晶表示パネル110全体、特には、TFT基板122に配されている導電ペーストを加熱などすることで、乾燥・硬化させる。これにより、貫通孔30内の導電ペーストや、TFT基板122上の配線を強固にすることができるとともに、電子部品50を導電ペーストを介してTFT基板122に固定することができる。
【0145】
以上の方法により、液晶表示パネル110の製造工程を簡素化することができる。また、貫通孔30の導通と配線形成と電子部品の固定とを、1種類の材料で行うことができるので、製造コストを低減させることができる。
【0146】
(開口部の覆い)
なお、前記導電性材料90を貫通孔30に配置する際、貫通孔30の2個の開口部のうちの一方の開口部、すなわち、導電性材料90を充填する方ではない方の開口部が、塞がれていることが好ましい。
【0147】
具体的には、例えば、前記図7(b)に示す例では、貫通孔30に導電性材料90が配置される前に、貫通孔30の一方の開口部である内面開口部34が、前記配線部材40に覆われることで、塞がれていることが好ましい。
【0148】
そして、前記内面開口部34が塞がれた状態で、塞がれていない他方の開口部である外面開口部32から、前記貫通孔30の内部に導電性材料90を配置する。
【0149】
以上の方法により、貫通孔30に導電性材料90を一方の開口部から充填する際に、充填された導電性材料90が、他方の開口部から漏れ出したりすることが抑制される。したがって、貫通孔30内に、適切に前記導電性材料90を配置することが容易になる。
【0150】
(テーパー形状)
また、前記図6などに示した液晶表示パネル110においては、前記貫通孔30は、いわゆるテーパーを有している。すなわち、貫通孔30の2個の開口部の面積が異なっている。
【0151】
この構成では、導電性材料90を面積の大きい方の開口部から、貫通孔30の内部に配置することで、導電性材料90の配置を容易に行うことができる。
【0152】
また、前記の構成では、面積の小さい方の開口部が設けられている基板の表面に、より多くの配線を密度高く設けることが容易になる。
【0153】
(開口部の形状)
また、前記の構成では、貫通孔30の形状、特には開口部の形状は、当該貫通孔30により電気的に接続される配線の形状と略同じ形状となっている。
【0154】
そして、そのような形状とすることで、貫通孔30と、当該貫通孔30に接続される配線とが重なる面積を多くすることが容易になる。その結果、貫通孔30、詳しくは、貫通孔30に配置されている導電性材料90と、前記配線との接続安定性を向上させることができる。
【0155】
また、前記配線部材40には光源部品58を配置することもできる。
【0156】
(リジット基板)
例えば、液晶表示パネル110の概略構成を示す前記図8に示すように、前記配線部材40が、いわゆるリッド基板であり、このリジット基板に、例えばLED(発光ダイオード:Light Emitting Diode)が光源部品58として表面実装などされている場合には、前記リジット基板を液晶表示パネル110の光源として用いることができる。
【0157】
(フレキシブル基板)
また、例えば、前記配線部材40がフレキシブルプリント配線基板であり、また当該フレキシブルプリント配線基板に光源部品58が設けられている場合には、かかるフレキシブルプリント配線基板を液晶表示パネル110の光源として用いることができる。具体的には、例えば前記フレキシブルプリント配線基板を約180度折り曲げることなどにより、前記光源部品58をバックライトユニット160の近傍に配置して、光源として利用する。
【0158】
すなわち、液晶表示パネル110の概略構成を示す前記図9(a)及び図9(b)に示すように、配線部材40がフレキシブルプリント配線基板であり、そのバックライトユニット160側の表面に、前記光源部品58として、例えばLED(発光ダイオード:Light Emitting Diode)が設けられている場合には、かかるフレキシブルプリント配線基板を折り曲げることにより、前記LEDを、バックライトユニット160の導光板(図示せず)の側面近傍に配置することができる。
【0159】
前記の構成により、より効率的にLEDからの出射光を光源として利用することができる。
【0160】
〔実施の形態5〕
つぎに、本発明の他の実施の形態について図10に基づいて説明する。
【0161】
ここで、図10は、本実施の形態の液晶表示パネル110の概略構成を示す図である。
【0162】
なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記各実施の形態と同じである。また、説明の便宜上、前記各実施の形態の図面に示した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0163】
本実施の形態の液晶表示パネル110は、光源部品58が主基板20としての前記TFT基板122に直接実装されている点が特徴である。
【0164】
すなわち、先に説明した実施の形態4の液晶表示パネル110では、図6及び図7(b)に示すように、TFT基板122の外面22に直接設けられていた電子部品50が、コンデンサなどの回路部品56である構成を例示した。
【0165】
そして、光源部品58は図8、図9(a)、及び、図9(b)に示したように、TFT基板122に接続された配線部材40に設けられていた。
【0166】
具体的には、図8には、光源部品58が、配線部材40としてのリジット基板に設けられている構成を例示した。また、図9(a)及び図9(b)には、光源部品58が、配線部材40としてフレキシブルプリント配線基板に設けられている構成を例示した。
【0167】
これに対して本実施の形態の液晶表示パネル110では、前記図10に示すように、光源部品58が、TFT基板122の外面22に直接実装されている。
【0168】
すなわち、配線基板10において、配線70の上に直接実装される電子部品50として、光源部品58が実装されている。
【0169】
そのため、先の実施の形態のように、光源部品58を設けるための配線部材40は用いられていない。
【0170】
また、前述のとおり、前記TFT基板122の外面22には、導電ペーストにより所望の配線70が形成されている。そして、この配線70は、当該配線70上に実装された光源部品58と相まって、光源発光回路を形成している。
【0171】
すなわち、本実施の形態の液晶表示パネル110では、TFT基板122の外面22に光源発光回路としてのLED発光回路が形成されている。
【0172】
また、本実施の形態の液晶表示パネル110では、前記TFT基板122の液晶表示パネル端子部112に、貫通孔30を設けることも可能である。液晶表示パネル端子部112に貫通孔30を設けることで、前記TFT基板122の外面22に設けられている前記光源発光回路から、前記TFT基板122の内面24に対しての直接の接続ルートを確保することができる。そのため、例えば、フレキシブルプリント配線回路などを用いて、前記TFT基板122の外面22と内面24とを迂回して接続する必要がなくなる。
【0173】
そのため、液晶表示パネル110を狭額縁化することができる。すなわち、例えば、上記フレキシブルプリント配線基板を用いて、前記TFT基板122の外面22と内面24と接続する場合、このフレキシブルプリント配線基板を屈曲させるための屈曲スペースが必要となる。そしてこの屈曲スペースは、例えばフレキシブルプリント配線基板をR0.5で屈曲させた場合、0.5mm必要となる。
【0174】
これに対して本実施の形態の液晶表示パネル110では、TFT基板122の一方の面に光源部品58と配線70とを含む光源発光回路が設けられており、さらに、TFT基板122の一方面と他方面とが貫通孔30を介して直接接続可能であるので、前記屈曲スペースを確保する必要がない。また、フレキシブルプリント配線基板を用いる必要がないので、材料コスト及び実装コストを削減することができる。
【0175】
本発明は前記した各実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせてえられる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0176】
例えば、前記の説明においては、導電ペーストは、一種類の導電ペーストを用いる構成及び製造方法について説明した。だだし、本発明の配線基板及びその製造方法は、これに限定されるものではなく、例えば異なる2種の導電ペースト等、複数の導電ペーストを適宜用いることもできる。
【0177】
また、前記の説明においては、電子部品が、2箇所で主基板に固定される構成について説明した。ただし、本発明の配線基板及びその製造方法は、これに限定されるものではなく、例えば、高温乾燥による電子部品の反りを押さえるために、電子部品の両端における電極固定(電子部品電極を介した固定)に加えて、例えば電子部品の中央部を主基板に接着固定することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0178】
製造工程が煩雑ではなく、製造コストが抑制されているので、モバイル機器用の液晶表示パネルなど、軽薄な機器などに好適に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0179】
【図1】本発明の実施の形態の配線基板の概略構成を示す図であり、(a)は電子部品を実装する前の状態を示し、(b)は電子部品を実装した後の状態を示している。
【図2】本発明の実施の形態の配線基板の概略構成を示す図であり、(a)は電子部品を実装する前の状態を示し、(b)は電子部品を実装した後の状態を示している。
【図3】本発明の他の実施の形態の配線基板の製造方法の概略を示す図であり、(a)〜(c)は製造工程の順である。
【図4】本発明の他の実施の形態の配線基板の概略構成を示す図である。
【図5】(a)及び(b)は、本発明の他の実施の形態の配線基板の概略構成を示す図である。
【図6】本発明の他の実施の形態の液晶表示パネルの概略構成を示す断面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態の液晶表示パネルの概略構成を示す図であり、(a)は平面を示し、(b)は(a)のX−X線断面を示す図である。
【図8】本発明の他の実施の形態の液晶表示パネルの概略構成を示す図である。
【図9】(a)及び(b)は、本発明の他の実施の形態の液晶表示パネルの概略構成を示す図である。
【図10】本発明の他の実施の形態の液晶表示パネルの概略構成を示す図である。
【図11】従来技術を示すものであり、配線基板の概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0180】
10 配線基板
12 電気接続部
20 主基板
22 外面
24 内面
30 貫通孔
32 外面開口部
34 内面開口部
40 配線部材 (第2電子部品)
41 配線部材基材
42 配線部材電極
50 電子部品 (第1電子部品)
52 電子部品電極
56 回路部品
58 光源部品
70 配線
72 配線端
90 導電性材料
110 液晶表示パネル
112 液晶表示パネル端子部
120 カラーフィルター基板
122 TFT基板
124 シール
126 TFT基板外面配線
128 TFT基板内面配線
130 偏光板
140 導光板
142 光学フィルム
150 液晶層
160 バックライトユニット
210 配線基板
214 電子部品
220 主基板
225 配線
D1 部品実装
R1 電子部品実装エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性を有する主基板を備え、
前記主基板には、配線が形成されているとともに、電子部品が配置されている配線基板であって、
前記電子部品は、前記配線を構成する材料と同じ材料のみを介して、前記主基板に固定されていることを特徴とする配線基板。
【請求項2】
前記配線を構成する材料と、前記電子部品を固定する材料とが、同じ工程で主基板に配されたものであることを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
【請求項3】
前記主基板に配されている前記配線を構成する材料の上に、前記電子部品が固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の配線基板。
【請求項4】
前記配線を構成する材料が導電ペーストであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の配線基板。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載された配線基板が、液晶を挟持する2枚の基板のうちの少なくとも一方の基板として用いられていることを特徴とする液晶表示パネル。
【請求項6】
前記電子部品が光源部品であることを特徴とする請求項5に記載の液晶表示パネル。
【請求項7】
前記配線基板には貫通孔が形成されており、
前記貫通孔の内には、導電性材料が配置されており、
前記配線基板の両面が前記導電性材料を介して電気的に導通されており、
前記配線基板の前記電子部品が設けられている側と相反する側には、電気接続部を有する第2電子部品が設けられており、
前記第2電子部品は、その電気接続部が、当該第2電子部品が設けられた側から露出する前記導電性材料を覆うように配置されており、
前記配線を構成する材料と、前記貫通孔の内に配置された導電性材料とが同じ材料であることを特徴とする請求項5又は6に記載の液晶表示パネル。
【請求項8】
絶縁性を有する主基板を備え、
前記主基板には、配線が形成されているとともに、電子部品が配置されている配線基板の製造方法であって、
前記主基板に導電ペーストを配する工程と、
前記主基板に配された導電ペーストの上に電子部品を配置する工程と、
前記導電ペーストを硬化させることで前記配線を形成するとともに、前記電子部品を前記主基板に固定する工程とを有することを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項9】
前記主基板に導電ペーストを配する工程が、ディスペンサーにより導電ペーストを前記主基板に配することにより行われることを特徴とする請求項8に記載の配線基板の製造方法。
【請求項10】
前記導電ペーストを硬化させる工程が、主基板を加熱することにより行われることを特徴とする請求項8又は9に記載の配線基板の製造方法。
【請求項11】
配線基板が、液晶を挟持する2枚の基板のうちの少なくとも一方の基板として用いられ、
前記配線基板は、絶縁性を有する主基板を備え、
前記主基板には、配線が形成されており、
前記主基板の各々の面には、それぞれ第1電子部品と第2電子部品とが配置されており、
前記主基板の両面が、前記主基板に形成された貫通孔に配置された導電ペーストを介して、電気的に導通されている液晶表示パネルの製造方法であって、
前記主基板の片側面側に、前記貫通孔の開口部を覆うように前記第2電子部品を設ける工程と、
前記第2電子部品が設けられた側と相反する側の前記貫通孔の開口部から、導電ペーストを前記貫通孔の内に配置するとともに、当該導電ペーストを前記主基板に配することで前記配線を形成する工程と、
前記主基板に配された導電ペーストの上に前記第1電子部品を配置する工程と、
前記導電ペーストを硬化させることで前記第1電子部品を前記主基板に固定する工程とを有することを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−109002(P2010−109002A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−277032(P2008−277032)
【出願日】平成20年10月28日(2008.10.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】