説明

酸化チタンナノロッド及びその製造方法

【課題】 多量の酸化チタンナノロッドを既存の方法より容易に製造する方法を提供し、ナノロッドを直接電気素子の電極上に安定に形成する方法を提供し、さらに、均一で大きな表面積を有し、染料感応型太陽電池、センサ、光触媒などに利用できる酸化チタンナノロッドを提供する。
【解決手段】 酸化チタンナノロッドは、高分子と酸化チタン前駆体の超極細繊維及び相分離現象を利用した単結晶酸化チタンナノロッドを製造する。具体的には、酸化チタンナノロッド製造方法は、酸化チタン前駆体、前駆体と相溶性の高分子材料、及び溶媒を含む混合溶液を準備し、混合溶液を紡糸して酸化チタン前駆体と高分子材料との間の相分離により内部に微細な繊維素が含まれた酸化チタン高分子複合繊維を形成し、複合繊維を熱圧搾し、複合繊維から高分子材料を除去して酸化チタンナノロッドを得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異方性を有する酸化チタンナノロッド及びその製造方法に関し、特に、高分子と酸化チタン前駆体との超極細複合繊維、及び相分離現象を利用した単結晶酸化チタンナノロッドの効率的な製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
酸化チタン(TiO)は、多様な分野で長い間利用されてきた材料である。応用分野は、触媒、光触媒、染料感応型太陽電池、顔料、気体センサ、化粧品などと非常に多様である。特に、高屈折率、可視光線領域での透明性、及び高い電子親和性などの特性により、水や有機物の光分解のための光触媒として応用されている。また、酸化チタンナノ粒子の広い表面積及びn型半導体の特性は、染料感応型太陽電池の電極材料としても期待されている。このような酸化チタンナノ粒子の特性は、結晶形態、粒子サイズ、及び粒子構造などの影響を受ける。また、酸化チタンは、ナノ粒子型、薄膜型、多孔性粒子型などの多様な形態で開発されており、最近は、ナノチューブ型及びナノロッド型の酸化チタンが多くの関心を集めている。このナノチューブ型及びナノロッド型の酸化チタンの製造法としては、球形ナノ粒子を強アルカリで処理してナノチューブに成長させる方法、界面活性剤のミセル内部でナノロッドに成長させる方法などの湿式法が知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前述した方法は、使用する強アルカリや界面活性剤などを除去して高純度の酸化チタンナノ粒子を得るために、数回の洗浄及びろ過工程が必要であり、ナノサイズの粒子を分離して洗浄及び乾燥する過程が非常に複雑である。実際に、酸化チタンナノ粒子を素子として応用するためには、多量の純粋な粒子を得る必要があるが、既存の方法は実用的でないという問題があった。
【0004】
従って、酸化チタン異方性ナノロッドを簡便に製造できる新しい方法が必要になった。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するために提案されたもので、本発明の目的は、多量の酸化チタンナノロッドを、既存の方法よりも容易に製造することができる方法を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、ナノロッドを直接電気素子の電極上に安定して形成する方法を提供することにある。
【0007】
また、本発明のさらに他の目的は、均一で大きな表面積を有し、染料感応型太陽電池、センサ、光触媒などに利用できる酸化チタンナノロッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、本発明に係る酸化チタンナノロッドの製造方法は、高分子と酸化チタン前駆体とを超極細繊維状にした後、後処理により酸化チタンナノロッドを製造することを特徴とする。
【0009】
具体的には、本発明に係る酸化チタンナノロッド製造方法は、酸化チタン前駆体、前駆体と相溶性の高分子材料、及び溶媒を含む混合溶液を準備し、混合溶液を紡糸して酸化チタン前駆体と高分子材料との間の相分離により内部に微細な繊維素が含まれた酸化チタン高分子複合繊維を形成し、複合繊維を熱圧搾し、複合繊維から高分子材料を除去して酸化チタンナノロッドを得ることを特徴とする。
【0010】
製造された酸化チタンナノロッドは単結晶構造であり、それ自体を光触媒として利用することもでき、酸化チタンナノロッド集合体が形成された金属板、ITOあるいはFTOがコーティングされた透明導電性ガラス基板又はプラスチック基板を利用して染料感応型太陽電池、光センサ、ガスセンサなどに応用することもできる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る酸化チタンナノロッドは、応用しようとする電極基板上に直接形成することができ、また、ナノロッドに分離して異方性粒子として利用することもできるという効果がある。基板上に形成したナノロッドは、大きな表面積を有するので、染料感応型太陽電池、電気的信号を利用した光センサ、ガスセンサなどの基板として直接利用できる。また、前記ナノロッドを光触媒として利用することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係る酸化チタン超極細繊維から製造されたナノロッド及びその製造方法を説明する。
【0013】
本発明の一実施態様では、超極細繊維を得るために電界紡糸法(electro spinning)を用いた。電界紡糸のために、無機酸化物のゾル−ゲル前駆体と適当な高分子溶液とを混合して使用する。ここで、高分子材料の役割は、溶液の粘度を増加させて紡糸時に繊維状を形成し、また、無機酸化物前駆体との相溶性により、紡糸された繊維の構造を制御することである。
【0014】
電界紡糸により得られる無機酸化物と高分子との複合繊維は、複雑な形成過程を経る。図1に示す電界紡糸装置において、高電圧発生器により帯電された紡糸ノズルから紡糸溶液が噴射されて、接地された導電性基板まで電場により延伸する。ここで、紡糸ノズルから接地された基板に紡糸溶液のジェット流が生成されるが、これはコーン状を有し、テイラーコーン(Taylor cone)と呼ばれる。電界紡糸装置の紡糸ノズルで形成される、多くの陽電荷を有するテイラーコーンから紡糸が開始すると、まず空気中の水分と反応して無機酸化物前駆体がゾル状からゲル状へと変換する。このようなゾル−ゲル変換と共に速い速度で紡糸されて繊維の直径が細くなり、従って、表面積が増加して溶媒が揮発する。この過程では、前記化学反応と共に溶液の濃度が急激に変化する。また、溶媒の揮発により繊維表面の温度が低下し、このとき、空気中の水分が凝縮してゾル−ゲル変換反応の程度が変わる。特に、無機酸化物−高分子混合溶液からの電界紡糸は、水分により反応が進むので、紡糸装置周囲の温度及び湿度が重要なプロセス変数として作用する。
【0015】
電界紡糸時、紡糸ノズルから吐出された紡糸溶液に含まれる酸化チタン前駆体のゾル−ゲル反応は水分により起こる。紡糸溶液の準備過程で、一部の前駆体は既に酸触媒により加水分解反応が起こって酸化チタンゾル状となって溶液に混合されており、紡糸が開始すると、より早くゲル化反応が進む。ゲル化反応の進行と共に吐出された紡糸溶液の太さが短時間で細くなり、このとき、繊維の表面積が非常に増加して溶媒の揮発が起こる。熱力学的に相溶性状態であった金属酸化物前駆体及び高分子溶液は、濃度の急激な変化及びゲル化反応により相分離が始まる。この過程で、使用された高分子材料と酸化チタン前駆体との相溶性が、電界紡糸された繊維の構造に大きな影響を及ぼす。
【0016】
前駆体との相溶性がよくないため相平衡の維持が難しい高分子材料、例えば、ポリスチレン(PS)をマトリックスとして使用した場合、酸化チタンドメインが急激に固体化するため、電界紡糸された繊維内部の酸化チタンは図8のような粒子形態となる。従って、本発明で製造しようとするナノロッドの生成には適さない。
【0017】
それに対して、相溶性に優れた高分子材料、例えば、ポリビニールアセテート(PVAc)の場合は、相分離が徐々に進行して酸化チタンドメインとポリビニールアセテートドメインが流動性を有して共存する。ここで、急激な溶媒の揮発による繊維表面の温度低下は周囲に存在する水分を凝縮させるため、繊維内部と表面とのゲル化反応が異なる。また、各ドメインが流動性を有する場合、紡糸過程でドメインが延伸されて、図2Bのように繊維内部に繊維軸方向に配向された繊維素構造のドメインが形成される。各繊維素の太さは、約15nmとなる。
【0018】
本発明は、相分離現象により微細な酸化チタン繊維素構造を製造し、前記酸化チタン繊維素を熱圧搾処理して各繊維素をナノロッドに変形させる方法を特徴とする。120℃程度の温度で熱圧搾する過程で、電界紡糸により紡糸された繊維に含まれる一部のポリビニールアセテートが可塑化して図3のような被膜を形成し、このとき、繊維素が分離されてナノロッドの集合体となる。このナノロッド集合体を450℃程度の温度で熱処理してポリビニールアセテートを熱分解により除去すると、酸化チタンナノロッドのみが残る。このナノロッドの走査電子顕微鏡写真を図4A(倍率20,000倍)及び図4B(倍率100,000倍)に示す。
【0019】
製造されたナノロッドの微細構造を分析するために、ナノロッドを基板から分離してエタノールの中で超音波で分解し、個別ナノロッドの構造を透過電子顕微鏡で分析して図5Aに示す。この方法で製造された酸化チタンナノロッドは、15nm程度の均一の太さを有し、長さは50〜80nmである。分離されたナノロッドの微細構造を高分解能透過電子顕微鏡(HRTEM)を使用して高倍率で分析すると、図5Bの通りである。また、図5Cのように、ナノロッド軸方向に、結晶面が一定に成長していることを確認した。特に、図6の電子回折写真を見ると、各ナノロッドは酸化チタン単結晶となっており、また、結晶構造の[001]軸方向に成長するナノロッドを形成している。
【0020】
本発明をより詳細に説明すると、まず、酸化チタン前駆体として、チタン(IV)プロポキシドのゾル−ゲル反応を利用して電界紡糸溶液を製造する。具体的には、まず、酸化チタンとの親和力の強いポリビニールアセテートをジメチルホルムアミド、アセトン、テトラヒドロフラン、トルエン又はこれらの混合溶媒に溶解し、電界紡糸により繊維形成に適した粘度を形成する5〜20重量%の高分子溶液を製造する。ポリビニールアセテートは、重量平均分子量が100,000〜1,000,000g/molである高分子材料を使用する。ポリビニールアセテートの代わりに、ポリビニールピロリドン、ポリビニールアルコール、ポリエチレンオキシドなどを使用して高分子溶液を製造することもできる。次に、ポリビニールアセテート高分子溶液に対して5〜25重量%のチタンイソプロポキシドを高分子溶液に添加し、チタン(IV)プロポキシドに対して20〜60重量%の酢酸を触媒として添加した後、常温で1〜5時間反応させて、これを電界紡糸溶液として使用する。
【0021】
その後、電界紡糸装置により電界紡糸された超極細酸化チタン繊維を得る。図1のように、一般的な電界紡糸装置は、紡糸溶液を定量的に投入し得る定量ポンプに連結された紡糸ノズル、高電圧発生器、紡糸された繊維層を形成する導電性基板などから構成される。使用目的によって、接地された金属板又は透明導電性ガラス基板、具体的には、ITOあるいはFTOがコーティングされた透明導電性ガラス基板、又はプラスチック基板を陰極として使用し、単位時間当たりの吐出量が調節できるポンプが取り付けられた紡糸ノズルを陽極として使用する。電圧10〜30KVを印加して溶液吐出速度を10〜50μl/分に調節すると、繊維の厚さが50〜1000nmである超極細酸化チタン繊維を製造できる。超極細酸化チタン繊維からなる膜が5〜20μmの厚さで導電性基板上に形成されるまで電界紡糸する。
【0022】
電界紡糸された繊維が積層された基板は、120℃(前処理過程のためにポリビニールアセテートを使用した場合)又は使用された高分子材料のガラス転移温度以上で、1.5Tonの圧力でプレスにより10分間熱圧搾処理を行なう。この過程で、電界紡糸時の相分離により生成された微細な繊維素が分離される。熱圧搾処理後、空気中で450℃で30分間熱処理することで、使用された高分子材料を分解して除去すると、図4A及び図4Bのような酸化チタンナノロッドが得られる。この熱処理過程で、酸化チタンは、アナターゼ型に結晶化され、ナノロッドは、それぞれ単結晶形態で軸方向に一定に成長する。
【0023】
本発明に係る酸化チタンナノロッドが積層された金属基板、又はITOあるいはFTOがコーティングされた透明導電性ガラス基板は、太陽電池、電気的信号を利用した光センサ、ガスセンサなどの電極基板として直接利用できる。
【0024】
また、本発明により形成された酸化チタンナノロッドシートを超音波などの方法で粉砕すると、酸化チタンナノロッド粉末を得ることができる。このような酸化チタンナノロッド粉末は、光触媒として利用したり、適切なバインダーと混合してITOあるいはFTOがコーティングされた透明導電性ガラス基板又はPETのような透明プラスチックフィルムにコーティングして使用することもできる。
【0025】
本発明に係る酸化チタン前駆体から超極細繊維を製造する方法は、電界紡糸法に限定されない。酸化チタン前駆体溶液を紡糸する過程で相分離により酸化チタンナノロッドを製造し得る超極細繊維の製造方法を含む。このようなナノロッド製造用超極細繊維状の酸化チタン前駆体繊維の製造方法としては、電界紡糸法以外に、メルトブローン法(melt-blown)、フラッシュ紡糸法(flash spinning)、静電メルトブローン法(electrostatic-melt blown)などを用いることもできる。
【0026】
実施例1:ポリビニールアセテートを使用した超極細酸化チタン繊維の電界紡糸
ポリビニールアセテート(Mw850,000)30gをアセトン270mlとジメチルホルムアミド30mlとの混合溶媒に溶解させた高分子溶液に、チタン(IV)プロポキシド6gを常温で徐々に添加した。このとき、溶媒の水分により反応が開始されて懸濁液に変わる。次に、反応触媒として酢酸2.4gを徐々に滴下した。このとき、反応が進んで懸濁液は透明な溶液に変わる。
図1の電界紡糸装置を利用して電界紡糸を行い、FTOがコーティングされた透明導電性基板(10cm×10cmのサイズ)を陰極とし、吐出速度が調節できるポンプが取り付けられた金属ニードルを陽極として、両電極間に15KVの電圧を印加した。紡糸液の吐出速度を30μl/分に調節して、総吐出量が5,000μlとなるまで電界紡糸して、FTOがコーティングされた透明導電性基板上に超極細酸化チタン−ポリビニールアセテートの複合繊維層を形成した。本実施形態による電界紡糸により積層された超極細繊維の走査電子顕微鏡写真は図2Aの通りである。また、450℃で熱処理してポリビニールアセテートを除去した後、繊維素を形成した酸化チタン繊維の走査顕微鏡写真は図2Bの通りである。
【0027】
比較例1:ポリスチレンを使用した超極細酸化チタン繊維の製造
ポリスチレン(分子量350,000g/mol)を0.25g/mLの濃度でDMFに溶かした後、チタン(IV)プロポキシドを0.19g/mLの濃度で添加し、少量の酢酸を反応触媒として添加してチタン(IV)プロポキシドのゾル化反応を進行させた後、実施例1と同一の装置で電界紡糸した。電界紡糸後に酸化チタン−ポリスチレン複合繊維を450℃で熱処理することでマトリックスとして使用されたポリスチレンを除去した酸化チタン繊維の構造を図8に示す。本比較例では、実施例1と異なり、酸化チタン繊維素を形成せずに酸化チタン粒子から形成されるため、本発明のナノロッド製造用繊維としては適しなかった。
【0028】
実施例2:実施例1で製造された酸化チタン繊維層が形成された基板の前処理及び熱処理によるナノロッド製造
実施例1で製造された酸化チタン繊維層は、高分子材料と酸化チタンが混合されている。従って、本発明に係るナノロッドを製造するために、このような高分子−酸化チタン複合繊維が積層された基板を、140℃に加熱したプレスで1.5Tonの圧力で10分間圧搾して、電界紡糸により形成された酸化チタン繊維素を分離する。このように圧搾した後の表面の状態は、図3のように可塑化したポリビニールアセテートが一部変形して被膜を形成している。
この方法により熱圧搾処理された基板を450℃で熱処理することで、ポリビニールアセテートを熱分解により完全に除去し、また、形成された酸化チタンナノロッドを結晶化する。実施例1及び2により製造された熱処理後の酸化チタンの表面を倍率20,000倍で観察した走査電子顕微鏡写真は図4Aの通りである。これを倍率100,000倍で観察した走査顕微鏡写真は図4Bのとおりである。図4Bのように、熱処理後、酸化チタンナノロッドの集合体として適切に形成されたことが分かる。
【0029】
実施例3:酸化チタンナノロッド粉末製造
実施例2で製造された酸化チタンナノロッド集合体として電極上に形成されたシートを分離してエタノールを混合し、それに超音波を印加して個別の酸化チタンナノロッドに分離すると、ナノロッド粉末を得ることができる。ナノロッド粉末は、遠心分離機で固形分を沈殿させてから凝結乾燥法でエタノールを除去することで得ることができる。本実施例で製造された酸化チタンナノロッドの結晶形態は、高分解能透過電子顕微鏡写真(図5A〜図5C)と電子回折写真(図6)において、幅が約15nmで、長さが50〜80nmである単結晶からなることが分かる。また、図7のX線回折図において、アナターゼ結晶であることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明で利用した電界紡糸装置を概略的に示す図である。
【図2A】本発明の実施形態によりポリビニールアセテートを使用して製造した電界紡糸された超極細酸化チタン繊維層の走査電子顕微鏡写真である(電界紡糸された酸化チタン− ポリビニールアセテート複合繊維)。
【図2B】本発明の実施形態によりポリビニールアセテートを使用して製造した電界紡糸された超極細酸化チタン繊維層の走査電子顕微鏡写真である(450℃の熱処理の後にポリビニールアセテートを除去した酸化チタン繊維素)。
【図3】本発明の実施形態により電界紡糸された超極細酸化チタン繊維層の熱圧搾後の走査電子顕微鏡写真である。
【図4A】本発明の実施形態により電界紡糸された超極細酸化チタン繊維層の熱処理後の走査電子顕微鏡写真である(倍率:20,000倍)。
【図4B】本発明の実施形態により電界紡糸された超極細酸化チタン繊維層の熱処理後の走査電子顕微鏡写真である(倍率:100,000倍)。
【図5A】本発明の実施形態により製造された酸化チタンナノロッドの透過電子顕微鏡写真である。
【図5B】本発明の実施形態により製造された酸化チタンナノロッドの微細構造を示す高分解能透過電子顕微鏡写真である。
【図5C】本発明の実施形態により製造された酸化チタンナノロッドの微細構造を示す高分解能透過電子顕微鏡写真である。
【図6】本発明の実施形態により製造された酸化チタンナノロッドの電子回折写真である。
【図7】本発明の実施形態により製造された酸化チタンナノロッドのX線回折図である。
【図8】本発明の比較例によりポリスチレンを使用して電界紡糸された酸化チタン繊維を450℃で30分間の熱処理した後の走査電子顕微鏡写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化チタン前駆体、前記前駆体と相溶性の高分子材料、及び溶媒を含む混合溶液を準備する段階と、
前記混合溶液を紡糸して、前記酸化チタン前駆体と前記高分子材料との間の相分離により内部に微細な繊維素が含まれた酸化チタン高分子複合繊維を形成する段階と、
前記複合繊維を熱圧搾する段階と、
前記複合繊維から前記高分子材料を除去して酸化チタンナノロッドを得る段階と
を含むことを特徴とする酸化チタンナノロッド製造方法。
【請求項2】
前記混合溶液を、電界紡糸により紡糸する、請求項1に記載の酸化チタンナノロッド製造方法。
【請求項3】
前記複合繊維を、接地された金属板、ITOあるいはFTOがコーティングされた透明導電性ガラス基板、又は透明プラスチック基板に積層する、請求項2に記載の酸化チタンナノロッド製造方法。
【請求項4】
前記繊維素が、前記複合繊維の繊維軸方向に配向されている、請求項1に記載の酸化チタンナノロッド製造方法。
【請求項5】
前記酸化チタンナノロッドが単結晶構造である、請求項1に記載の酸化チタンナノロッド製造方法。
【請求項6】
前記高分子が、ポリビニールアセテート、ポリビニールピロリドン、ポリビニールアルコール、ポリエチレンオキシドのうちいずれか1つ以上である、請求項1に記載の酸化チタンナノロッド製造方法。
【請求項7】
前記熱圧搾する段階を、前記高分子のガラス転移温度以上で圧力を加えて行う、請求項1に記載の酸化チタンナノロッド製造方法。
【請求項8】
前記混合溶液を、メルトブローン法(melt-blown)、フラッシュ紡糸(Flash spinning)、又は静電メルトブローン法(electrostatic-melt blown)を用いて紡糸する、請求項1に記載の酸化チタンナノロッド製造方法。
【請求項9】
請求項1記載の方法により製造された単結晶酸化チタンナノロッド。
【請求項10】
請求項1記載の方法により製造された酸化チタンナノロッド集合体が形成された金属板、ITOあるいはFTOがコーティングされた透明導電性ガラス基板、又はプラスチック基板を利用した染料感応型太陽電池。
【請求項11】
請求項1記載の方法により製造された酸化チタンナノロッド集合体が形成された金属板、ITOあるいはFTOがコーティングされた透明導電性ガラス基板又はプラスチック基板を利用したセンサ。
【請求項12】
請求項1記載の方法により製造された単結晶酸化チタンナノロッドを利用した光触媒。

【図1】
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【図7】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−9398(P2007−9398A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−165461(P2006−165461)
【出願日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(399101854)コリア インスティテュート オブ サイエンス アンド テクノロジー (68)
【Fターム(参考)】