説明

金属層を形成する方法および装置

形態が向上した金属層を基材の上に形成する方法および処理ツールが提供される。本方法は、プラズマの中で励起された化学種に基材を曝すことによって基材を前処理するステップと、金属カルボニル前駆物質を含有するプロセスガスに前処理された基材を曝すステップと、金属層を前処理された基材の上に化学蒸着法で形成するステップとを含む。金属カルボニル前駆物質は、W(CO)、Ni(CO)、Mo(CO)、Co(CO)、Rh(CO)12、Re(CO)10、Cr(CO)、またはRu(CO)12、もしくはこれらの任意の組合せを含み、金属層は、W、Ni、Mo、Co、Rh、Re、Cr、またはRu、もしくはこれらの任意の組合せをそれぞれ含み得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本PCT出願は、2004年3月31日に出願され、参照により本明細書に内容全体が組み込まれる米国非仮特許出願第10/813680号明細書に基づき、かつそれに優先権を依拠する。
【0002】
本発明は半導体の処理に関し、さらに詳細には、金属層を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
集積回路を製造するための多層金属被覆手法に銅(Cu)金属を導入するには、Cu層の付着および成長を促進するために拡散隔壁/ライナを使用し、かつ誘電材料の中へCuが拡散するのを防止するためにCuを誘電材料から化学的に隔離する必要があり得る。
【0004】
誘電材料の上に堆積される隔壁/ライナは、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、およびタンタル(Ta)など、Cuと非反応性および不混和性であり、かつ低い電気抵抗性を与え得る屈折材料を含み得る。電気抵抗性、熱安定性、拡散隔壁特性など、Wの基本的な材料特性は、W層を高度なCu系相互接続用途で使用するのに適切なものにする。Cu金属被覆および誘電材料を集積する現在の集積手法には、約400℃と約500℃との間か、またはそれを下回る基材温度におけるW隔壁/ライナの堆積処理が必要であり得る。
【0005】
W層は、熱化学蒸着(TCVD)法において水素またはシランなどの還元ガスの存在下でタングステンハロゲン前駆物質、例えば、タングステン六フッ化硫黄(WF)を熱分解することによって、基材の上に形成され得る。タングステンハロゲン前駆物質の使用に対する欠点は、W層の材料特性を損なう恐れがあるハロゲン副産物がW層の中に取り込まれることである。タングステンカルボニル前駆物質などのタングステン前駆物質を含有する非ハロゲンを使用して、タングステンハロゲン前駆物質に関連する上述の欠点を軽減することができる。しかし、タングステンカルボニル前駆物質(例えば、W(CO))の熱分解によって形成されるW層の材料特性は、熱堆積されたW層の中にCO反応副産物が取り込まれることで劣化する恐れがあり、W層の電気抵抗率の上昇および共形性不良のW層の形成をもたらす。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
基材を処理チャンバの中に設け、プラズマの中で励起された化学種に基材を曝すことによって基材を前処理し、金属カルボニル前駆物質を含有するプロセスガスに前処理された基材を曝し、さらに金属層を前処理された基材の上に化学蒸着法によって形成することによって、金属層を基材の上に形成する方法が提供される。
【0007】
本発明の一実施形態では、金属カルボニル前駆物質は、W(CO)、Ni(CO)、Mo(CO)、Co(CO)、Rh(CO)12、Re(CO)10、Cr(CO)、またはRu(CO)12、もしくはこれらの組合せを含み、金属層は、W、Ni、Mo、Co、Rh、Re、Cr、またはRu、もしくはこれらの2つ以上の組合せをそれぞれ含み得る。
【0008】
本発明の一実施形態では、基材を処理チャンバの中に設け、H、N、NH、He、Ne、Ar、Kr、またはXe、もしくはこれらの2つ以上の組合せを含有する前処理ガスから形成されるプラズマの中で励起された化学種に基材を曝すことによって基材を前処理し、W(CO)前駆物質を含有するプロセスガスに前処理された基材を曝し、さらにタングステン層を前処理された基材の上に化学蒸着法によって形成することによって、タングステン層を基材の上に形成する方法が提供される。
【0009】
金属層を形成するための処理ツールが提供される。この処理ツールは、処理ツール内部で基材を移送するように構成された移送システムと、プラズマの中で励起された化学種に基材を曝すことによって基材を前処理するように、さらに金属層を前処理された基材の上に化学蒸着法で形成するために金属カルボニル前駆物質を含有するプロセスガスに前処理された基材を曝すように構成された少なくとも1つの処理システムと、処理ツールを制御するように構成された制御装置とを具備する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、本発明にしたがって基材(基板)を処理するための処理システム100を示す。処理システム100は、基材125を支持しかつ加熱/冷却するための基材保持器120を搭載するための脚部105を有する処理チャンバ110と、この処理チャンバ110にガス115を導入するためのガス噴射システム140と、真空ポンプシステム150とを備えている。ガス115は、H、N、NH、He、Ne、Ar、Kr、またはXeもしくはこれらの2つ以上のガスの組合せを含み、基材125を前処理するためにプラズマの中で励起された化学種(例えば、ラジカルおよびイオン)を形成する前処理ガス、または前処理された基材125の上に金属層を化学蒸着法で形成するための金属カルボニル前駆物質を含有するプロセスガスを含み得る。ガス噴射システム140は、外部ガス源(図示せず)から処理チャンバ110へのガス115の供給を独立制御可能にする。ガス115はガス噴射システム140によって処理チャンバ100の中に導入可能であり、その処理圧力は調整される。例えば、制御装置155を使用して真空ポンプシステム150およびガス噴射システム140を制御することができる。
【0011】
基材125は、ロボット式基材移送システム210を使用してスロット弁(図示せず)およびチャンバ貫通部(図示せず)を介してチャンバ110の中および外に移送されるが、この移送システムでは、基材が、基材保持器120の内部に格納された基材持上げピン(図示せず)によって受け取られ、かつこの保持器の内部に格納された装置によって機械的に移転される。一旦基材125が基材移送システムから受け取られると、それは基材保持器120の上表面まで降ろされる。
【0012】
基材125は、静電固締具(図示せず)によって基材保持器120に固定され得る。さらには、基材保持器120は加熱要素130を含み、基材保持器120は、この基材保持器120から熱を受け取って、熱を熱交換器(図示せず)に伝達する再循環冷媒流を含む冷却システムをさらに具備する。さらには、基材125と基材保持器120との間のガスギャップ熱伝導係数(gas-gap thermal conductance)を向上させるためにガスが基材の裏面に供給され得る。このようなシステムは、基材の温度制御が高温および低温において必要なときに利用され得る。
【0013】
引き続いて図1を参照すると、ガス115が、ガス噴射システム140から処理領域160に導入される。ガス115は、ガス噴射プレナム(図示せず)、一連のバッフルプレート(図示せず)、および多口シャワーヘッド式ガス噴射プレート165を介して処理領域160に導入され得る。本発明の一実施形態では、ガス噴射システム140は、原子層化学蒸着(ALCVD)法のためにガスの迅速な循環を容易にするように構成可能である。処理システム100は、基材125を前処理するために励起された化学種を形成し、かつ処理チャンバ110を乾燥洗浄するために利用可能なリモートプラズマ発生器205を含む。真空ポンプシステム150は、毎秒約5000リットル(およびそれを上回る)に達する排気速度が可能なターボ分子ポンプ(TMP)と、チャンバ圧を調整するためのゲート弁と含み得る。TMPは、低い、典型的には約50mTorrを下回る処理圧力に有用である。高い圧力の(すなわち、約100mTorrを上回る)処理には、機械的な加圧ポンプおよびドライ粗引きポンプが使用可能である。
【0014】
制御装置155は、マイクロプロセッサと、メモリと、処理システム100と通信し、かつこの処理システムへの入力を励起するばかりでなく、処理システム100からの出力を監視するデジタルI/Oポートとを含む。さらには、制御装置155は、処理チャンバ110、ガス噴射システム140、リモートプラズマ発生器205、加熱要素130、基材移送システム210、および真空ポンプシステム150に結合され、かつそれらと情報を交換する。例えば、メモリに格納されたプログラムを利用して、格納された処理方法にしたがって処理システム100の前述の構成要素を制御することができる。制御装置155の一実施例は、米国テキサス州(Texas)オースティン市(Austin)のデルコーポレーション社(DELL Corporation)から入手可能なDEll PRECISION WORKSTATION(商標)である。
【0015】
図2は、本発明の実施形態にしたがって基材を処理するための処理システムを示す。図2の処理システム100は、処理チャンバ110の中でプラズマを形成しかつ維持することが可能である。図2に示した実施形態では、基材保持器120が、処理領域160内でラジオ周波数(RF)電力をプラズマに結合する電極の役目もする。例えば、基材保持器120中の金属電極(図示せず)は、RF発生器145からインピーダンス整合回路網135を介して基材保持器120までRF電力を伝達することによって、RF電圧で電気的にバイアスされ得る。RFバイアスは電子を加熱する役目を果たし、それによってプラズマを形成しかつ維持する。RFバイアスのための典型的な周波数は、約0.1MHzから約100MHzに亘り得るが、約13.6MHzであり得る。
【0016】
他の実施形態では、RF電力は多周波数で基材保持器120に印加され得る。さらには、インピーダンス整合回路網135は、反射電力を最小化することによって処理チャンバ110中のプラズマに対するRF電力の伝達を最大化する役目を果たす。整合回路網のトポロジー(例えば、L−型、π−型、T−型)および自動制御法が当業では知られている。図2では、制御装置155が処理チャンバ110、RF発生器145、インピーダンス整合回路網135、ガス噴射システム140、基材移送システム210、および真空ポンプシステム150に結合され、かつそれらと情報を交換する。
【0017】
図3は、本発明にしたがって基材を処理するための処理システムを示す。図3の処理システム100は、図2を参照して説明したそのような構成要素に加えて、潜在的にプラズマ密度を増大させかつ/またはプラズマ処理の均一性を向上させるために、機械式または電気式の回転DC磁界システム170をさらに含む。さらには、制御装置155は、回転速度および磁界強さを調整するために回転磁界システム170に結合される。
【0018】
図4は、本発明にしたがって基材を処理するための処理システムを示す。図4の処理システム100は、RF電力がRF発生器180からインピーダンス整合回路網175を介して結合される上部プレート電極としての役目も果たし得る多穴シャワーヘッド式ガス噴射プレート165を含む。RF電力を上部電極に印加するための周波数は、約10MHzから約200MHzに亘り得るが、約60MHzであり得る。さらには、電力を下部電極に印加するための周波数は、約0.1MHzから約30MHzに亘り得るが、約2MHzであり得る。さらには、制御装置155は、上部電極165に対するRF電力の印加を制御するためにRF発生器180およびインピーダンス整合回路網175に結合される。
【0019】
本発明の一実施形態では、図4の基材保持器120は電気的に接地され得る。他の実施形態では、DCバイアスが基材保持器120に印加され得る。さらに別の実施形態では、基材保持器120が処理システム100から電気的に絶縁され得る。このような設定では、プラズマがオンのとき、浮遊電位が基材保持器120上にかつ基材125上に形成され得る。
【0020】
図5Aは、本発明にしたがって基材を処理するための処理システムを示す。図2の処理システムは、RF電力が、インピーダンス整合回路網190を介してRF発生器185を経由して結合される誘導コイル195をさらに含むように変更される。RF電力は、誘導コイル195から誘電窓(図示せず)を介して処理領域160に誘導結合される。RF電力を誘導コイル180に印加するための周波数は、約0.1MHzから約100MHzに亘り得るが、約13.6MHzであり得る。同様に、電力を基材保持器120に印加するための周波数は、約0.1MHzから約100MHzに亘り得るが、約13.6MHzであり得る。さらには、スロット付きファラデー遮蔽(図示せず)を使用して、誘導コイル195とプラズマとの間の容量結合を低減することができる。さらには、制御装置155が、誘導コイル195に対する電力の印加を制御するためにRF発生器185およびインピーダンス整合回路網190に結合される。
【0021】
図5Bは、本発明の実施形態にしたがって基材を処理するための処理システムを示す。図5Aの処理システムは、ガス115を処理領域160に導入するように構成されたガス噴射リング200を含むように変更される。
【0022】
本発明の一実施形態では、図5Aおよび5Bの基材保持器120が電気的に接地され得る。他の実施形態では、DCバイアスが基材保持器120に印加され得る。さらに別の実施形態では、基材保持器120が処理システム100から電気的に絶縁され得る。この設定では、プラズマがオンのときに、浮遊電位が基材保持器120上におよび基材125上に形成され得る。
【0023】
本発明の別の実施形態では、アンテナ(図示せず)を使用して、誘電窓を介してプラズマを処理領域160に形成することができる。さらに別の実施形態では、電子サイクロトロン共鳴(ECR)を利用してプラズマが形成され得る。さらに別の実施形態では、プラズマがヘリコン波の励起(launching)から形成され得る。別の実施形態では、プラズマが、伝搬する表面波から形成され得る。
【0024】
図1〜5Bの処理システムは、例示目的のみのために示されており、特定のハードウェアおよびソフトウェアの数多くの変形を使用して、本発明を実行できる処理システムが実施可能であるので、これらの変形は当業者には直ちに明白であることが理解されるべきである。
【0025】
図6は、本発明の実施形態にしたがって金属層を基材上に形成するための処理システムの回路図である。処理システム600は、上部チャンバ区分1A、下部チャンバ区分1B、および排気チャンバ23を含む処理チャンバ1を含む。円形開口部22が、下部チャンバ区分1Bの中央に形成され、そこで下部区分1Bは排気チャンバ23に連結する。
【0026】
処理すべき基材(ウエハ)50を水平に保持するための基材保持器2が、処理チャンバ1の内部に設けられる。基材保持器2は、排気チャンバ23の中心部分から上向きに延びる円筒形支持部材3によって支持される。基材50を基材保持器2の上に位置決めするための案内リング4が基材保持器2の縁部に設けられる。さらには、基材保持器2は、電力源6によって制御され、基材50を加熱するために使用される加熱器5を内蔵する。加熱器5は抵抗式加熱器であり得る。別法として、加熱器5はランプ式加熱器でもよい。
【0027】
処置中に、加熱された基材50は、例えば、W(CO)前駆物質を熱分解することが可能であり、W層を基材50の上に化学蒸着(CVD)法で形成することを可能にする。CVD法は、例えば、熱化学蒸着(TCVD)法、原子層化学蒸着(ALCVD)法、またはプラズマ促進化学蒸着(PECVD)法であり得る。基材保持器2は、望ましいW層を基材50の上に形成するのに適切な既定の温度に加熱される。加熱器(図示せず)は、チャンバ壁を既定の温度に加熱するために処理チャンバ1の壁の中に埋設される。この加熱器は、処理チャンバ1の壁の温度を約40℃から約80℃までに維持することができる。
【0028】
シャワーヘッド10が、処理チャンバ1の上部チャンバ区分1Aの中に配置される。シャワーヘッド10の下部のシャワーヘッド式プレート10Aが、W(CO)前駆物質ガスを含むプロセスガスを基材50上方に位置する処理域60内に供給するための複数のガス供給穴10Bを含む。
【0029】
プロセスガスをガス配管12からガス分配隔室10Dの中に導入するために、開口部10Cが上部チャンバ区分1Bの中に設けられる。同心冷媒流れ流路10Eが、シャワーヘッド10の温度を制御し、それによってシャワーヘッド10内部でW(CO)前駆物質が分解するのを防止するために設けられる。水などの冷媒流体は、シャワーヘッド10の温度を約20℃から100℃までに制御するために、冷媒流体源10Fから冷媒流れ流路10Eに供給され得る。
【0030】
ガス配管12は、ガス供給システム300を処理チャンバ1に連結する。前駆物質容器13が、固体W(CO)前駆物質55を収容し、さらに前駆物質加熱器13Aが、W(CO)前駆物質の望ましい蒸気圧を生成する温度にW(CO)前駆物質55を維持するように、前記物質容器13を加熱するために設けられる。W(CO)前駆物質55は、相対的に高い蒸気圧、すなわち、65℃でPvap〜1Torrを有し得る。したがって、前駆物質源13および前駆物質ガス供給配管(例えば、ガス配管12)を中程度に加熱することのみが、W(CO)前駆物質ガスを処理チャンバ1に供給するために必要である。さらには、W(CO)前駆物質は、約200℃を下回る温度では熱分解することはない。これは、加熱されたチャンバ壁との相互作用および気相反応によりW(CO)前駆物質の分解をかなり低減することができる。
【0031】
一実施形態では、W(CO)前駆物質蒸気が、担体ガスを利用することなく処理チャンバ1に供給可能であるし、または、別法として、担体ガスを使用して処理チャンバ1に対する前駆物質の供給を促進することも可能である。ガス配管14は、担体ガスをガス源15から前駆物質容器13まで供給することが可能であり、質量流量制御装置(MFC)16を使用して担体ガス流量を制御することができる。担体ガスが使用されるとき、それは、固体W(CO)前駆物質55を浸透するように前駆物質容器13の下方部分の中に導入され得る。別法として、担体ガスは前駆物質源13の中に導入されて、固体W(CO)前駆物質55の上面全体に分配され得る。前駆物質容器13からの合計ガス流量を測定するために、センサ45が設けられる。センサ45は、例えば、MFCを備えることが可能であり、処理チャンバ1に供給されるW(CO)前駆物質の量が、センサ45および質量流量制御装置16を使用して測定可能である。別法として、センサ45は、処理チャンバ1へのガス流中のW(CO)前駆物質の濃度を測定するために光吸収センサを備えることができる。
【0032】
バイパス配管41が、センサ45から下流に配置され、ガス配管12を排気配管24に連結する。バイパス配管41は、ガス配管12を排気し、かつ処理チャンバ1に対するW(CO)前駆物質の供給を安定化するために設けられる。さらには、ガス配管12の分岐から下流に配置された弁42がバイパス配管41上に設けられる。
【0033】
加熱器(図示せず)がガス配管12、14、および41を別々に加熱するために設けられ、そこでは、ガス配管の温度が制御されてガス配管中のW(CO)前駆物質の凝縮を回避することができる。ガス配管の温度は、約20℃から約100℃までに、または約25℃から約60℃までに制御可能である。
【0034】
希釈ガスが、ガス配管18を使用してガス源19からガス配管12まで供給され得る。この希釈ガスを使用して、プロセスガスを希釈したり、またはプロセスガスの1つまたは複数の分圧を調整したりすることが可能である。ガス配管18はMFC20および弁21を内蔵する。MFC16および20、ならびに弁17、21、および42は、担体ガス、W(CO)前駆物質ガス、希釈ガスの供給、遮断、および流量を制御する制御装置40によって制御される。センサ45は制御装置40にも連結され、センサ45の出力に基づいて、制御装置40は、質量流量制御装置16によって担体ガス流量を制御して、処理チャンバ1に対する望ましいW(CO)前駆物質の流量を得ることができる。還元ガスが、ガス配管64、MFC63、および弁62を使用してガス源61から処理チャンバ1に供給され得る。パージガスが、ガス配管64、MFC67、および弁66を使用してガス源65から処理チャンバ1に供給され得る。制御装置40は、還元ガスおよびパージガスの供給、遮断、および流量を制御することができる。
【0035】
排気配管24が、排気チャンバ23を真空ポンプシステム400に連結する。真空ポンプ25を使用して、処理チャンバ1を望ましい真空度に排気し、かつ処理中に処理チャンバ1から気相化学種を除去する。自動圧力調整装置(APC)59および捕集装置57が真空ポンプ25と直列で使用可能である。真空ポンプ25は、毎秒約5000リットル(およびそれを上回る)に達する排気速度が可能なターボ分子ポンプ(TMP)を含み得る。別法として、真空ポンプシステム400はドライポンプを含み得る。処理中、プロセスガスは処理チャンバ1の中に導入可能であり、チャンバ圧はAPC59によって調整可能である。APC59はバタフライ弁またはゲート弁を含み得る。捕集装置57は、処理チャンバ1から未反応の先駆物質材料および副産物を捕集することができる。
【0036】
処理チャンバ1では、3つの基材持上げピン26(2つのみを示す)が、基材50を保持し、持ち上げ、かつ降下させるために設けられる。基材持上げピン26は、プレート27に固着され、基材保持器2の上表面の下方まで下げられ得る。例えば、空気シリンダを利用する駆動機構28が、プレート27を上昇および下降させる手段を設ける。基材50は、ロボット式移送システム31によってゲート弁30およびチャンバ貫通路29を介して処理チャンバ1の中および外に移送され、かつ基材持上げピンによって受け取られ得る。一旦基材50が移送システムから受け取られると、それは基材持上げピン26を下降させることによって基材保持器2の上表面まで降ろされ得る。
【0037】
処理システム制御装置500は、マイクロプロセッサと、メモリと、処理システム100の入力と通信しかつ励起するのに十分な制御電圧を生成できるばかりでなく、処理システム100からの出力を監視できるデジタルI/Oポートとを含む。さらには、処理システム制御装置500は、処理チャンバ1、制御装置40および前駆物質加熱器13Aを含むガス供給システム300、真空ポンプシステム400、電源6、ならびに冷媒流体源10Fに結合され、かつそれらと情報を交換する。真空ポンプシステム400では、処理システム制御装置500が、処理チャンバ1の内部圧を制御するための自動圧力制御装置59に結合され、かつそれと情報を交換する。メモリに格納されたプログラムを利用して、格納された処理方法にしたがって処理システム100の前述の構成要素を制御することができる。制御装置500の一実施例は、米国テキサス州(Texas)オースティン市(Austin)のデルコーポレーション社(DELL Corporation)から入手可能なDEll PRECISION WORKSTATION(商標)である。
【0038】
半導体基材、例えば、珪素ウエハに加えて、基材は、例えば、LCD基板、ガラス基板、または化合物半導体基板を含み得る。処理チャンバ1は、例えば、200mm基板、300mm基板、またはさらにそれ以上の大きさの基板など、任意のサイズの基板を処理することが可能である。
【0039】
図7は、本発明の実施形態に係る処理ツールの単純化されたブロック図を示す。この処理ツール700は、処理システム720および730、処理ツール700の内部で基材を移送するように構成された(ロボット式)移送システム710、ならびに処理ツール700を制御するように構成された制御装置740を含む。本発明の別の実施形態では、処理システム700は、単一の処理システムを含み得るか、または、別法として、3つ以上の処理システムを含み得る。図7では、処理システム720および730は、例えば、以下の処理のいずれか一方または両方が実施可能である。すなわち、(a)プラズマの中で励起された化学種に曝すことによって基材を前処理すること、または(b)金属膜を前処理された基材の上に化学蒸着法で形成するために、金属含有前駆物質に前処理された基材を曝すこと。本発明の一実施形態では、処理(a)および(b)は同じ処理システムで実施可能である。本発明の別の実施形態では、(a)および(b)は異なる処理システムで実施され得る。図1〜6の制御装置に関する場合と同様に、図7の制御装置240は、DELL PRECISION WORKSTATION(商標)として実施されてもよい。
【0040】
一般に、様々な金属層が、対応する金属カルボニル前駆物質から化学蒸着法で堆積され得る。これは、W(CO)、Ni(CO)、Mo(CO)、Co(CO)、Rh(CO)12、Re(CO)10、Cr(CO)、またはRu(CO)12前駆物質、もしくはその任意の組合せから、それぞれにW、Ni、Mo、Co、Rh、Re、Cr、またはRu、もしくはそれらの2つ以上の任意の組合せの金属層の堆積を含む。金属層は、還元ガスを使用することなく、金属カルボニル前駆物質から熱堆積され得る。別法として、還元剤、例えば、Hガスを使用して金属層の堆積を補助することもできる。
【0041】
金属カルボニル前駆物質の熱分解および金属層の形成は、主として、基材からCOを排除しかつCO副産物を脱着させることによって進展するものと考えられる。CO副産物が金属層の中に取り込まれるのは、金属カルボニル前駆物質の分解が不完全であり、金属層から吸収されたCO副産物の除去が不完全であり、かつ処理チャンバ内でCO副産物が金属層の上に再吸着することに起因し得る。CO反応副産物が金属層に取り込まれると、金属層の電気抵抗が増大し、金属層の表面上および/または金属層中のノジュール(金属粒子)の異常成長による表面形態不良につながり得る。本発明の一実施形態では、基材がプラズマ中で励起された化学種によって前処理され、金属カルボニル前駆物質を含有するプロセスガスを使用して、金属層が前処理された基材の上に化学蒸着法によって形成される。基材を前処理すると、堆積された金属層の形態の向上をもたらす。
【0042】
図8は、本発明の実施形態にしたがって基材を処理するためのフローチャートである。800で、処理が開始される。802で、プラズマ中で励起された化学種に基材を曝すことによって、基材が前処理される。基材の前処理は、例えば、図1〜5のいずれかに示したプラズマ源を利用することができる。本発明の一実施形態では、約0.1MHzと約100MHzとの間、例えば、約0.45MHzの、約500ワット(W)から約3000W、例えば、約1100WのRF電力が誘導コイル195に結合され、かつ約0.1MHzと約100MHzとの間、例えば、約13.6MHzにおける約0Wから約2000W、例えば、700WのRF電力が基材保持器12に印加されて、前処理が図5Bに模式的に示した処理システムで実施され得る。処理チャンバ内の圧力は約0.3mTorrから約3000mTorr、例えば、約0.5mTorrであり得る。基材を前処理するために、約1sccmと約1000sccmとの間、例えば、約2.5sccmのガス流量を有する前処理ガス、例えば、H、N、NH、He、Ne、Ar、Kr、またはXe、もしくはこれらの2つ以上の組合せを利用して、プラズマ中で励起された化学種が形成され得る。基材温度は約−30℃と約500℃との間であり得る。本発明の一実施形態では、基材は約5秒間と約300秒間との間、例えば、約60秒間、前処理され得る。
【0043】
804で、前処理された基材は金属カルボニル前駆物質ガスを含有するプロセスガスに曝され、次いで806で、金属層が前処理された基材の上に化学蒸着法によって形成される。化学蒸着法は、例えば、TCVD、ALCVD、および/またはPECVDを含み得る。所望の金属層が基材上に形成されたとき、本処理は808で終了する。
【0044】
金属層は、金属カルボニル前駆物質を含有するプロセスガスから、前処理された基材上に形成可能である。担体ガス、希釈ガス、および/またはパージガスも随意選択として含まれ得る。プロセスガスの流量は、例えば、約10sccmと約3000sccmとの間であり得る。金属カルボニルの流量は、例えば、約0.1sccmと約200sccmとの間であり得る。担体ガス、希釈ガス、および/またはパージガスは、例えば、He、Ne、Ar、Kr、またはXe、もしくはこれらの任意の組合せなどの不活性ガスを含み得る。さらには、プロセスガスはHおよび/またはNを含み得る。本発明の一実施形態では、担体ガスの流量が約1sccmと約100sccmとの間、例えば、約20sccmであり、希釈ガスの流量が約10sccmと約2000sccmとの間、例えば、約600sccmであり、さらにパージガスの流量が約10sccmと約2000sccmとの間であり得る。金属層形成中の基材温度は約250℃と約600℃の間であり得る。別法として、基材温度は、約250℃と約600℃との間であり得る。処理圧力は、例えば、約10mTorrと約5Torrとの間であり得る。
【0045】
基材の前処理と、それに続く所望の厚さを有する金属層の形成とを可能にする適切な処理条件は、直接実験法および/または実験設計(DOE)によって決定可能である。調整可能な処理パラメータは、例えば、基材温度、プラズマ出力、チャンバ圧、プロセスガス、および相対的なガス流量を含み得る。
【0046】
図9Aは、超微細構造を含む基材上に形成されたW層の断面SEM画像を示す。厚さ約140オングストローム(Å)のW層が、超微細構造を含む基材上に、W(CO)前駆物質、約20sccmのAr担体ガス、および約600sccmのAr希釈ガスから熱化学蒸着法で堆積された。基材保持器の温度は、約480℃であり、基材温度は約410℃であった。
【0047】
図9Bは、本発明の実施形態にしたがって超微細構造を含む基材上に形成されたW層の断面SEM画像を示す。基材は、図5Bに模式的に示した処理システムを使用して前処理された。この前処理には、約0.45MHzにおける約1100Wの電力を誘導コイルに印加し、約13.6MHzにおける約700Wのバイアスを基材保持器に印加し、かつ約0.5mTorrの処理チャンバ圧、約2.5sccmのArガス流量、および約60秒の前処理時間を維持することが含まれた。基材の前処理に続いて、W層は、図9Aに関して上で説明した処理条件を使用して前処理された基材の上に形成された。図9Aおよび9BのSEM画像を視覚的に比較すると、図9Bの前処理された基材の上に堆積されたW層は、前処理されなかった図9Aの基材の上に堆積されたW層よりも滑らかであり、かつ少ないノジュールを含むことが分かる。
【0048】
図10Aは、超微細構造を含む基材の上に形成されたW層の断面SEM画像を示す。図10AのW層は、図9Aで使用されたものと同じ条件を使用して堆積された。図10Bは、本発明の実施形態にしたがって超微細構造の上に形成されたW層の断面SEM画像を示す。基材は、図9Bにおける場合と同じ処理条件を使用して前処理された基材の上に堆積された。図10Aおよび10BのSEM画像を視覚的に比較すると、図10Bの前処理された基材の上に堆積されたW層は、前処理されなかった図10Aの基材の上に堆積されたW層よりも滑らかであり、かつ少ないノジュールを含むことが分かる。
【0049】
本発明の実施には様々な変更および変形が使用可能であることが理解されるべきである。したがって、添付の特許請求の範囲内で、本発明は本明細書で具体的に説明したものとは別様に実施可能であることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施形態にしたがって基材を処理するための処理システムを示す回路図である。
【図2】本発明の実施形態にしたがって基材を処理するための処理システムを示す回路図である。
【図3】本発明の実施形態にしたがって基材を処理するための処理システムを示す回路図である。
【図4】本発明の実施形態にしたがって基材を処理するための処理システムを示す回路図である。
【図5A】本発明の実施形態にしたがって基材を処理するための処理システムを示す回路図である。
【図5B】本発明の実施形態にしたがって基材を処理するための処理システムを示す回路図である。
【図6】本発明の実施形態にしたがって金属層を基材の上に形成するための処理システムを示す回路図である。
【図7】本発明の実施形態による処理ツールを単純化して示すブロック図である。
【図8】本発明の実施形態にしたがって基材を処理するためのフローチャートである。
【図9A】超微細構造を含む基材上に形成されたW層を示す走査型電子顕微鏡(SEM)断面画像である。
【図9B】本発明の実施形態にしたがって超微細構造を含む前処理された基材上に形成されたW層を示すSEM断面画像である。
【図10A】超微細構造を含む基材上に形成されたW層を示すSEM断面画像である。
【図10B】本発明の実施形態にしたがって超微細構造を含む前処理された基材上に形成されたW層を示すSEM断面画像である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属層を基材の上に形成する方法であって、
プラズマ中で励起された化学種に前記基材を曝すことによって前記基材を前処理するステップと、
金属カルボニル前駆物質を含有するプロセスガスに前記前処理された基材を曝すステップと、
金属層を前記前処理された基材の上に化学蒸着法で形成するステップとを含む方法。
【請求項2】
前記基材は、半導体基材、LCD基材、またはガラス基材を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記前処理するステップは、
、N、NH、He、Ne、Ar、Kr、またはXe、もしくはこれらの2つ以上の組合せを含む前処理ガスからプラズマを生成するステップと、
前記プラズマの中で励起された化学種に前記基材を曝すステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記生成するステップは、誘導コイルおよび/または基材保持器に通電するステップをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記通電するステップは、約0.1MHzと約100MHzとの間の周波数における約500Wと約3000Wとの間のRF電力を前記誘導コイルに印加し、および/または約0.1MHzと約100MHzとの間の周波数における約0Wと約2000Wとの間のRF電力を前記基材保持器に印加するステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記生成するステップは、約1sccmと約1000sccmとの間のガス流量で前記前処理ガスを流すステップをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記生成するステップは、約0.3mTorrと約3000mTorrとの間の前処理ガス圧を供給するステップをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記前処理するステップは、約−30℃と約500℃との間の基材温度を供給するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記前処理するステップは、約5秒間と約300秒間との間、プラズマの中で励起された化学種に前記基材を曝すステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記プロセスガスは、W(CO)、Ni(CO)、Mo(CO)、Co(CO)、Rh(CO)12、Re(CO)10、Cr(CO)、またはRu(CO)12、もしくはこれらの2つ以上の組合せを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記プロセスガスは、金属カルボニル前駆物質と、H、N、He、Ne、Ar、Kr、またはXe、もしくはこれらの2つ以上の組合せとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記曝すステップは、約10sccmと約3000sccmとの間のガス流量で前記プロセスガスを流すステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記曝すステップは、約0.1sccmと約200sccmとの間のガス流量で前記金属カルボニル前駆物質を流すステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記形成するステップは、W、Ni、Mo、Co、Rh、Re、Cr、またはRu、もしくはこれらの2つ以上の組合せを含有する層を形成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記形成するステップは、前記基材を約250℃と約600℃との間に加熱するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記形成するステップは、前記基材を約400℃に加熱するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記形成するステップは、約10mTorrと約5Torrとの間のプロセスガス圧を供給するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記化学蒸着法は、熱化学蒸着、原子層化学蒸着、またはプラズマ促進化学蒸着、もしくはこれらの任意の組合せを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記前処理するステップ、曝すステップ、および形成するステップは、少なくとも1つの処理システムで実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
タングステン層を基材の上に形成する方法であって、
、N、NH、He、Ne、Ar、Kr、またはXe、もしくはこれらの2つ以上の組合せを含む前処理ガスから形成されるプラズマの中で励起された化学種に前記基材を曝すことによって前記基材を前処理するステップと、
W(CO)前駆物質を含有するプロセスガスに前記前処理された基材を曝すステップと、
タングステン層を前記前処理された基材の上に熱化学蒸着法によって形成するステップとを含む方法。
【請求項21】
金属層を形成するための処理ツールであって、
前記処理ツール内部で基材を移送するように構成された移送システムと、
プラズマ中で励起された化学種に前記基材を曝すことによって前記基材を前処理するように、さらに金属層を前記前処理された基材の上に化学蒸着法で形成するために金属カルボニル前駆物質を含有するプロセスガスに前記前処理された基材を曝すように構成された少なくとも1つの処理システムと、
前記処理ツールを制御するように構成された制御装置とを具備する処理ツール。
【請求項22】
前記基材は、半導体基材、LCD基材、またはガラス基材を含む、請求項21に記載の処理ツール。
【請求項23】
前記少なくとも1つの処理システムは、H、N、NH、He、Ne、Ar、Kr、またはXe、もしくはこれらの2つ以上の組合せを含む前処理ガスから生成されたプラズマを収容し、前記基材は前記プラズマの中で励起された化学種に曝される、請求項21に記載の処理ツール。
【請求項24】
前記少なくとも1つの処理システムは、前記プラズマを生成するように構成されたプラズマ源を含む、請求項23に記載の処理ツール。
【請求項25】
前記プラズマ源は誘導コイルおよび/または基材保持器を含む、請求項24に記載の処理ツール。
【請求項26】
前記プラズマ源は、約0.1MHzと約100MHzとの間の周波数における約500Wと約3000Wとの間のRF電力を前記誘導コイルに印加し、かつ/または約0.1MHzと約100MHzとの間の周波数における約0Wと約2000Wとの間のRF電力を前記基材保持器に印加するように構成される、請求項25に記載の処理ツール。
【請求項27】
前記少なくとも1つの処置システムは、約1sccmと約1000sccmとの間のガス流量で前記前処理ガスを流すように構成されたガス供給システムを含む、請求項23に記載の処理ツール。
【請求項28】
前記少なくとも1つの処置システムは、約0.3mTorrと約3000mTorrとの間の前処理ガス圧を供給する、請求項23に記載の処理ツール。
【請求項29】
前記少なくとも1つの処理システムは、約−30℃と約500℃との間の基材前処理温度を供給する、請求項21に記載の処理ツール。
【請求項30】
前記少なくとも1つの処理システムは、約5秒間と約300秒間との間、プラズマの中で励起された化学種に前記基材を曝す、請求項21に記載の処理ツール。
【請求項31】
前記プロセスガスは、W(CO)、Ni(CO)、Mo(CO)、Co(CO)、Rh(CO)12、Re(CO)10、Cr(CO)、またはRu(CO)12、もしくはこれらの2つ以上の組合せを含む、請求項21に記載の処理ツール。
【請求項32】
前記プロセスガスは、金属カルボニル前駆物質と、H、He、Ne、Ar、Kr、またはXe、もしくはこれらの2つ以上の組合せとを含む、請求項21に記載の処理ツール。
【請求項33】
前記少なくとも1つの処置システムは、約10sccmと約3000sccmとの間のガス流量で前記プロセスガスを流動させるガス供給システムを含む、請求項21に記載の処理ツール。
【請求項34】
前記少なくとも1つの処置システムは、約0.1sccmと約200sccmとの間のガス流量で前記金属カルボニル前駆物質を流動させるガス供給システムを含む、請求項21に記載の処理ツール。
【請求項35】
前記少なくとも1つの処理システムは、W、Ni、Mo、Co、Rh、Re、Cr、またはRu、もしくはこれらの2つ以上の組合せを含有する前記金属層を形成する、請求項21に記載の処理ツール。
【請求項36】
前記少なくとも1つの処理システムは、前記金属層を形成する間に、前記基材を約250℃と約600℃との間に加熱する、請求項21に記載の処理ツール。
【請求項37】
前記少なくとも1つの処理システムは、前記金属層を形成する間に、前記基材を約400℃に加熱する、請求項21に記載の処理ツール。
【請求項38】
前記少なくとも1つの処理システムは約10mTorrと約5Torrとの間のプロセスガス圧を供給する、請求項21に記載の処理ツール。
【請求項39】
前記化学蒸着法は、熱化学蒸着、原子層化学蒸着、またはプラズマ促進化学蒸着、もしくはこれらの任意の組合せを含む、請求項21に記載の処理ツール。
【請求項40】
前記少なくとも1つの処理システムは、1つのみの処理システムを含む、請求項21に記載の処理ツール。
【請求項41】
前記少なくとも1つの処理システムは、少なくとも2つの処理システムを含む、請求項21に記載の処理ツール。
【請求項42】
前記プラズマ源は、リモートプラズマ源、誘導コイル、プレート電極、アンテナ、ECR源、ヘリコン波源、または表面波源、もしくはこれらの2つ以上の任意の組合せを含む、請求項24に記載の処理ツール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【公表番号】特表2007−530797(P2007−530797A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506156(P2007−506156)
【出願日】平成17年2月8日(2005.2.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/003669
【国際公開番号】WO2005/103323
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【出願人】(500467242)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】