説明

防犯システム

【課題】 住居建物内の電化製品等の機器(製品)の使われ方を自動的に情報として収集し、それを自動制御にて再現させ在宅感を演出する。
【解決手段】 住居建物内の電化製品と、マルチメディアと称される製品と、可動製品とからなる製品群と、温度および湿度や人の侵入を検知するための各種検知器120と、住居建物内の機器と通信網を繋ぐための通信回線と、製品群、各種検知器および通信回線を集中管理および制御する主制御装置103と、主制御装置が制御する際に用いる情報を記憶する記憶装置101と、主制御装置に指示を入力する入力装置102とを備えた防犯システムであって、製品群のそれぞれの使われ方と各種検知器からの情報を学習する学習手段と、学習手段からの情報を記憶装置に記録する記録手段とを有するパターン学習装置104を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住居建物において使用される、在宅感を演出し賊等の侵入を防ぐ為の防犯システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図3は、従来の防犯システムに関する構成図を示すものである。同図において、399は住居建物である。
【0003】
301は記憶装置、302は入力装置、303は主制御装置、300は記憶装置301と、入力装置302と、主制御装置303から構成されるホームコントローラである。
【0004】
311はインターネット等の通信網、310は通信網311とホームコントローラ300を繋ぐ通信回線で電話回線/光ファイバー/LANに代表されるインターネット等により構成され、312は放送局からの映像を受信する為のアンテナ、320は温度や湿度や人の存在等を検知するセンサーである。
【0005】
330は照明機器、331は調理機器、332はエアコン、333は風呂場、335は住戸に設置されている扉、336は住戸に設置されている窓、334は扉335と窓336の窓/扉開閉器であり、337は一般家庭向け電力線で、照明機器330や調理機器331やエアコン332や風呂場333や窓/扉開閉器334と言った機器(製品)への電力供給を行なう。更に電力線337は機器(製品)への電力供給のみならずこれらの機器(製品)同士又はこれらの機器(製品)とホームコントローラ300との間を規定のプロトコルに従って通信を行なうための設備でもある。
【0006】
340はパソコン等のコンピュータ、341はテレビゲーム機、342はカメラ、343は通信を行なうための高速有線ケーブルで、これらは電力線337から電力供給を受けて作動するが、これらの機器(製品)同士又はこれらの製品(機器)とホームコントローラ300との間の通信は、高速有線ケーブル343を用い規定のプロトコルに従って行なう。
【0007】
351はテレビ、352はビデオデッキ、350は無線局でアンテナ312からの映像やテレビゲーム機341等からの映像を規定のプロトコルに従って高速な無線伝送によりテレビ351やビデオデッキ352へ送る。テレビ351とビデオデッキ352は無線局350との間で無線伝送ができる機能を有している。又これらの機器(製品)は電力線337から電力供給を受け作動する。
【0008】
住居建物399内で人が生活を営む時は、目的に応じて機器(製品)を選び使う。例えば、食事を準備するために調理機器331を使い料理を行ない、部屋の明るさに応じて照明機器330により住居内の明るさを調整し、テレビ放送を見るときにはアンテナ312で受像した番組をテレビ351に映し出し楽しみ、テレビ番組を保存するときにはビデオデッキ352にて番組を録画し、保存した番組を見るときにはビデオデッキ352にて録画した番組を再生しテレビ351に映し出して楽しむ、ゲームをするときにはテレビゲーム機341とテレビ351によりゲームを楽しむ。
【0009】
しかしながら、住居建物399にはいつも人が生活しているわけではなく、買い物等のちょっとした不在や旅行と言った外出もある。時間の長短に関わらず、この不在期間を狙って賊等が住居建物399内に侵入し、住居建物399内の金品等が盗まれる犯罪が近年増加している。
【0010】
このような犯罪に対して、不在の場合においても、あたかも人が居るかのように見せかける在宅感の演出を行ない賊等の侵入を防ぐ方法がある。これは入力装置302を用いて「いつ、どの機器(製品)を、作動させるか」、「どのような条件になったら、どの機器(製品)を作動させるか」と言った、住居建物399内の機器(製品)作動パターンを予め入力しそれを記憶装置301に記憶させ、不在の間主制御装置303が記憶装置301に記憶されている機器(製品)作動パターンを読み出し、それに従い電力線337や高速有線ケーブル343や無線での通信にて住居建物399内の機器(製品)を自動制御し在宅感を演出する。
【0011】
尚、機器(製品)作動パターンは複数、記憶装置301に記録することができ、様々な在宅演出を行なうことができる。
【0012】
例えば、入力装置302より「7時〜10時までテレビをつける」、「18時になったら照明機器を灯す」、「部屋が暗くなったら照明機器を灯す」と言ったような作動パターンを入力すると、主制御装置303は設定時刻になったらテレビをつけ、センサー320によって住居建物399内が暗くなったと判断したら照明機器をつけるという自動制御を行なう。在宅演出が不必要な時は、入力装置302より機器(製品)作動パターンを停止させる。
【0013】
又、この機器(製品)作動パターン入力/変更/削除/実施/停止等は、公衆電話や携帯電話などから通信網311を経由して行なうこともできる。
【0014】
この構成に対し、在宅感を演出するシステムとしては、特許文献1のようなものがある。
【特許文献1】特開平11−134569号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら上記のような構成では長期間の不在の場合、機器(製品)作動パターンの入力数が少ないと同じ機器(製品)作動パターンを繰り返すことになり、賊に不在であることを見抜かれやすくなる。これに対しては機器(製品)作動パターンの更新頻度を上げるか作動パターン数を多くする手段があるが、複数入力には手間が掛かり、様々な作動パターンを考えるのも煩わしく使い勝手が良いとは言えない。
【0016】
したがって、本発明の目的は、上記問題点を解決するもので、一般家庭向けの賊等からの住居侵入等を未然に防ぐための防犯システムにおいて、在宅感を演出するための機器(製品)作動パターンの思考と入力処理/更新処理を自動的に行ない、自動的に入力/更新された機器(製品)作動パターンに従い住居建物内の機器(製品)を電力線/高速有線ケーブル/無線通信等を用いた家庭内ネットワークを介して制御することで従来よりも実生活に近い在宅感を演出し、賊等に対する防犯性を向上させる防犯システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するために本発明の請求項1記載の防犯システムは、住居建物内の照明機器、調理機器およびAV機器を含む電化製品と、パーソナルコンピュータおよびテレビゲームを含むマルチメディアと称される製品と、前記住居建物の窓、扉を含む可動製品とからなる製品群と、温度および湿度や人の侵入を検知するための各種検知器と、前記住居建物内の機器と通信網を繋ぐための通信回線と、前記製品群、前記各種検知器および前記通信回線を集中管理および制御する主制御装置と、前記主制御装置が制御する際に用いる情報を記憶する記憶装置と、前記主制御装置に指示を入力する入力装置とを備えた防犯システムであって、前記製品群のそれぞれの使われ方と前記各種検知器からの情報を学習する学習手段と、前記学習手段からの情報を前記記憶装置に記録する記録手段とを有するパターン学習装置を設けた。
【0018】
請求項2記載の防犯システムは、請求項1記載の防犯システムにおいて、前記パターン学習装置は、前記学習手段の作動時間を、任意の時間に設定することができる学習時間設定手段を有する。
【0019】
請求項3記載の防犯システムは、請求項1記載の防犯システムにおいて、前記住居建物内に集音装置と拡声装置を設け、前記パターン学習装置は、前記住居建物内で発せられる人の声や足音を含む任意の音情報を前記集音装置を用いて集音し、前記音情報を前記記憶装置に保存し、前記記憶装置に保存された任意の前記音情報を読み出して前記拡声装置から吹鳴する録音再生手段を有する。
【0020】
請求項4記載の防犯システムは、請求項1記載の防犯システムにおいて、前記住居建物内外に敷設されている郵便受けへの投函物を、定期的に回収する郵便物回収手段を有する。
【0021】
請求項5記載の防犯システムは、請求項1記載の防犯システムにおいて、前記住居建物内外に自家発電機と蓄電池を敷設し、前記自家発電機で作られた電力を前記蓄電池に蓄える充電手段と、前記自家発電機と前記蓄電池のどちらからでも前記住居建物内の各機器に電力供給を行える電力供給手段とを有する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の請求項1記載の防犯システムによれば、製品群のそれぞれの使われ方と各種検知器からの情報を学習する学習手段と、学習手段からの情報を記憶装置に記録する記録手段とを有するパターン学習装置を設けたので、日常生活における製品群の使われ方を、機器(製品)作動パターン情報として自動的に記憶装置へそのまま記憶できる。このため、入力作業の煩わしさと、複雑な機器(製品)作動パターンの思案作業から解放される。また、記憶させた作動パターンをそのまま再現することが可能なので、従来に比べ高い在宅感を演出することができ、賊等に対する防犯性が向上する。
【0023】
請求項2では、パターン学習装置は、学習手段の作動時間を、任意の時間に設定することができる学習時間設定手段を有するので、予め作動パターン学習時間を設定できる。
【0024】
請求項3では、住居建物内に集音装置と拡声装置を設け、パターン学習装置は、住居建物内で発せられる人の声や足音を含む任意の音情報を集音装置を用いて集音し、音情報を記憶装置に保存し、記憶装置に保存された任意の音情報を読み出して拡声装置から吹鳴する録音再生手段を有するので、住居建物内での発生音又は、住居人の声を集音及び記録し、それを任意の設定で吹鳴させることにより、住居人が実際に生活しているような在宅感を演出できるので、更に防犯性が向上する。
【0025】
請求項4では、住居建物内外に敷設されている郵便受けへの投函物を、定期的に回収する郵便物回収手段を有するので、郵便受けと住居建物を管等でつなぎ、投函された郵便物を定期的に取り込むようにすることで郵便物等の溜まりを防ぐことができ、住居人が実際に生活しているような在宅感を演出できるので、更に防犯性が向上する。
【0026】
請求項5では、住居建物内外に自家発電機と蓄電池を敷設し、自家発電機で作られた電力を蓄電池に蓄える充電手段と、自家発電機と蓄電池のどちらからでも住居建物内の各機器に電力供給を行える電力供給手段とを有するので、使用状況にあわせて経済的な電力源を使うことができる。更に、停電時においても自家発電機又は蓄電池の併用により、住居建物内の機器(製品)の使用と本防犯システムを使用継続が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の第1の実施形態を図1および図2に基づいて説明する。
【0028】
図1は本発明の第1の実施形態の防犯システムを示す構成図である。同図において、199は住居建物である。
【0029】
101は記憶装置、102は入力装置、103は主制御装置、104は機器(製品)作動パターン学習装置(以下、パターン学習装置と称す)、100は記憶装置101と、入力装置102と、主制御装置103と、パターン学習装置104から構成されるホームコントローラである。
【0030】
111はインターネット等の通信網、110は通信回線で通信網111とホームコントローラ100を繋ぐ物で電話回線/光ファイバー/LANに代表されるインターネット等により構成され、112はアンテナで放送局からの映像を受信し、113は自家発電機で一般家庭向けの太陽電池などで構成され、114は蓄電池で自家発電機113から供給される電力を充電したり住居建物199内の機器(製品)への電力供給を行ない、115は郵便受け、120は温度や湿度や人の存在等を検知するセンサーである。
【0031】
電化製品として、130は照明機器、131は調理機器、132はエアコン、133は風呂場で、可動製品として、135は住戸に設置されている扉、136は住戸に設置されている窓、134は扉135と窓136の開閉器であり、137は一般家庭向け電力線で、照明機器130や調理機器131やエアコン132や風呂場133や窓/扉開閉器134と言った機器(製品)への電力供給を行なう。更に電力線137は機器(製品)への電力供給のみならずこれらの機器(製品)同士又はこれらの機器(製品)とホームコントローラ100との間を規定のプロトコルに従って通信を行なうための設備でもある。
【0032】
マルチメディアと称される製品として、140はパソコン等のコンピュータ、141はテレビゲーム機、142はカメラで、143はマイク等の集音装置、144はスピーカー、145は通信が可能な高速有線ケーブルで、これらは電力線137から電力供給を受けて作動するが、これらの機器(製品)同士又はこれらの製品(機器)とホームコントローラ100との間の通信は、高速有線ケーブル145を用い規定のプロトコルに従って行なう。カメラ142は住居建物199内の様子をとらえることが可能で、とらえた映像は高速有線ケーブル145を介して記憶装置101へ記録することができる。
【0033】
151はテレビ、152はビデオデッキ、150は無線局でアンテナ112からの映像やテレビゲーム機141等からの映像を規定のプロトコルに従って高速な無線伝送によりテレビ151やビデオデッキ152へ送る。テレビ151とビデオデッキ152は無線局150との間で無線伝送ができる機能を有している。又これらの機器(製品)は電力線137から電力供給を受け作動する。
【0034】
主制御装置103は、上記電化製品とマルチメディアと称される製品と可動製品とからなる製品群、各種検知器および通信回線を集中管理および制御する。
【0035】
パターン学習装置104は、製品群のそれぞれの使われ方と各種検知器からの情報を学習する学習手段と、学習手段からの情報を記憶装置101に記録する記録手段とを有する。具体的には、パターン学習装置104は主制御装置103と同様に電力線137/高速有線ケーブル145による有線通信及び、無線局150による無線通信にて住居建物199内の機器(製品)と繋がっている。そして機器(製品)がどのように使用されるかを学習し、その学習結果を記憶装置101へ書き込む。入力装置102はパターン学習装置104のパターン学習機能の作動/停止の選択、パターン学習処理時間の入力、記憶装置101に記憶されている機器(製品)の作動パターン実施/停止/削除の選択が行なえる。又、従来の「いつ、どの機器(製品)を作動させるか」、「どのような条件になったら、どの機器(製品)を作動させるか」といった入力も行なうことができ、入力後その情報は記憶装置101に書き込まれ保存される。主制御装置103は記憶装置101に記録されている機器(製品)の作動パターンを読み出し、それに従って住居建物199内の機器(製品)を自動制御する。尚、住居建物199に敷設される機器(製品)は本実施形態に挙げている物だけによる構成とは限定しない。本実施形態に挙げた機器(製品)が排除されたり、他の機器(製品)が追加されている構成でもよい。
【0036】
図2は、本発明の実施形態において、住居建物199内の機器(製品)がどのように使われたかを示した任意期間の生活パターン例である。同図において、縦軸は図1中の機器(製品)名、横軸は時刻を示している。
【0037】
パターン学習装置104は住居建物199内の機器(製品)がどのように使用されているかという情報を電力線137/高速有線ケーブル145による有線通信及び、無線局150による無線通信にて機器(製品)と規定のプロトコルに従って通信を行ないながら情報を取得する(作動パターン学習処理)。
【0038】
入力装置102により「パターン学習装置104を停止」が選択されると、パターン学習装置104は住居建物199内の機器(製品)の作動パターン学習処理を行なわない。更に、記憶装置101への監視結果記録も行なわない。
【0039】
入力装置102により5時に「パターン学習装置104を作動」が選択、12時に「パターン学習装置104を停止」が選択された場合、図2によると照明機器130は5時半〜6時半に点灯、調理機器131は5時半〜7時及び11時半から使用、エアコン132は10時から稼動、窓136は8時〜10時に開放、テレビ151は6時から視聴、ビデオデッキ152は使用されていない、コンピュータ140は10時〜11時に使用、風呂場133は7時〜7時半に使用されたという作動パターン情報がパターン学習装置104に送られる。取得した作動パターン情報の保存は、入力装置102によって「パターン学習装置104を作動」が選択された時から任意の時間毎にパターン学習装置104が記憶装置101へ書き込む。この書き込むタイミングは任意の秒/分/時間単位のいずれでもよい。作動パターン学習処理が行われている最中に入力装置102から「パターン学習装置104を停止」が選択された時は、前回の記録からパターン学習装置104が停止した時点迄の作動パターン情報を記憶装置101へ書き込み、作動パターン学習処理を終了する。
【0040】
作動パターン学習処理は、入力装置102によるパターン学習装置104の作動/停止制御だけでなく、予め作動パターン学習時間を設定できるようになっている(学習時間設定手段)。入力装置102から任意の作動パターン学習時間を入力し、その後「パターン学習装置104を作動」を選択すると、パターン学習装置104は前記同様に住居建物199内の機器(製品)と電力線137/高速有線ケーブル145による有線通信及び、無線局150による無線通信にて機器(製品)と規定のプロトコルに従って通信を行ないながら作動パターン情報を取得し、それを任意の時間毎に記憶装置101へ書き込み、設定された作動パターン学習時間が経過すると自動的に作動パターン学習処理を中止し、前回の記録から作動パターン学習処理を中止した時点までの作動パターン情報を記憶装置101へ書き込む。設定された作動パターン学習時間前に、入力装置102による「パターン学習装置104を停止」が選択された場合その時点で作動パターン学習処理を中止し、前回の記録から作動パターン学習処理を中止した時点までの作動パターン情報を記憶装置101へ書き込む。これにより旅行等の長期間の不在、近所への買い物等の短時間の不在に対応できる様々な作動パターン情報を簡単に作成することができる。
【0041】
パターン学習装置104によって取得される作動パターン情報は、記憶装置101の記憶容量が許す限り、作動パターンの時間長、作動パターン数に関係なくすべてを保存できる。又、不要な作動パターン情報は入力装置102からの選択及び入力により削除することもできる。
【0042】
パターン学習装置104によって書き込まれ、記憶装置101に保存されている機器(製品)の作動パターン情報は、主制御装置103によって再現することができる。入力装置102によって「作動パターン実施」が選択されると主制御装置103は記憶装置101から任意の機器(製品)の作動パターン情報を読み出して、その内容に従い電力線137/高速有線ケーブル145/無線局150による無線通信にて接続されている住居建物199内の機器(製品)を自動制御して、住居建物199内に住人が居るかのかのような在宅感を演出する。もし読み出した作動パターン情報の機器(製品)が住居建物199内に存在しない場合は、その機器(製品)に対する自動制御は行なわない。
【0043】
記憶装置101に保存されている作動パターン情報の内、時刻に関しては標準時刻が記録されることになるが、作動パターン再現時この標準時刻通りに機器(製品)を自動制御するのは勿論、時間を相対的にずらして機器(製品)を自動制御することもできる。例えば「5時半〜6時半に照明機器130を灯す」という作動パターンが記憶装置101に保存されているとして、通常この作動パターン情報による自動制御を選択すれば5時半〜6時半に照明機器130が灯されるが、「『5時半〜6時半に照明機器130を灯す』作動パターンを1時間ずらして実行」なる操作を入力装置102によって行なうことが可能で、この入力により6時半〜7時半に照明機器130を灯す自動制御を行なうことができる。
【0044】
又、主制御装置103による住居建物199内の機器(製品)の自動制御は、上記で説明したパターン学習装置104によって書き込まれた情報によるものと、従来の手段で入力した「いつ、どの機器(製品)を作動させるか」、「どのような条件になったら、どの機器(製品)を作動させるか」と組み合わせることもできる。例えば、ある作動パターンがテレビ151のオン/オフしか記録されていない場合、「17時〜23時に照明機器130を作動させる」なる作動パターンを追加・実施することができ「明かりのついた部屋でテレビをみている」という演出が可能である。
【0045】
又、本実施形態における、機器(製品)作動パターン入力/変更/削除/実施/停止は、従来通り公衆電話や携帯電話などから通信網111を経由して行なうことができる。
【0046】
以上のように本実施形態によれば、「パターン学習装置の作動と停止」又は「パターン学習装置の学習時間設定と作動」のように少ない入力操作で住居建物内の機器(製品)の作動パターン情報を自動的に取得しそれを記憶装置へ自動的に書き込むことができ、更に記憶させた機器(製品)の作動パターン情報をそのまま再現、あるいは時間をずらして再現することが可能なので、複雑な機器(製品)制御パターンの思案作業と入力作業の煩わしさから解放され、更に従来に比べ在宅感を向上させることができる。
【0047】
以下、本発明の第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0048】
本発明の実施形態の防犯システムを示す構成図は図1と同様である。図1において、上記実施形態と同一構成要素には同じ番号を付し説明は省略する。
【0049】
住居建物内に集音装置143と拡声装置144を設け、パターン学習装置104によって住居建物199内の機器(製品)の作動パターン学習処理が行なわれるとき、機器(製品)の作動パターン情報だけを取得するのではなく、敷設されている集音装置143を用いて住居建物199内で発生する人の声や足音を含む任意の音情報を集音し、それを住居建物199内の機器(製品)の作動パターンと同じく記憶装置101へ書き込み、記憶装置101に保存された任意の音情報を読み出して拡声装置144から吹鳴する録音再生手段を有する。或いは予め集音装置143を用いて音声を集音し、それを記憶装置101へ書き込んでもよい。
【0050】
この場合、主制御装置103により、記憶装置101から住居建物199内の機器(製品)の作動パターンが読み出され機器(製品)の自動制御が行なわれているとき、集音装置143にて集音された音声をスピーカー144からから吹鳴させる。又は、従来の制御方法により「19:00に音声『みんな、ごはんよ』を吹鳴」や「7:00に音声『起きなさい』を吹鳴」と言った作動パターンと組み合わせて在宅感を演出する。尚、集音はその住居建物199内で生活している者の音声が防犯上は好ましいが限定はしない。
【0051】
又は、予め食事の時間帯や就寝時間帯の情報を入力装置102から記憶装置101に記憶させておき、主制御装置103はその時間帯が来たときに自動的に対応する音声を吹鳴させる方法でも良い。
【0052】
以上のように本実施形態によれば、住居建物内での発生音又は、住居人の声を集音及び記録し、それを任意の設定で吹鳴させることにより、住居人が実際に生活しているような在宅感を演出できるので、更に防犯性が向上する。
【0053】
以下、本発明の第3の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0054】
本発明の実施形態の防犯システムを示す構成図は図1と同様である。図1において、上記実施形態と同一構成要素には同じ番号を付し説明は省略する。
【0055】
本発明の上記実施形態において説明したように、ホームコントローラ100により住居建物199内の機器(製品)と、音声吹鳴の自動制御により在宅感を演出するが、住居人が不在である以上、郵便物等の受け取りは対応できない。つまり不在中に受けた郵便物等は住居建物199内外に敷設されている郵便受け115から引き取られることなく溜まっていくことになる。これにより賊等から在宅感が演出であることを見抜かれるおそれがある。
【0056】
そこで郵便受け115と住居建物199内をダストシューターのような長い管等で接続し、郵便受けに投函された郵便物等をその長い管等を介して住居建物199内に取り込む装置を敷設する。住居建物199内に取り込むタイミングは入力装置102によって設定可能で、その設定した時間ごとに郵便物等を住居建物199内に取り込む。また郵便受け115に重量感知センサーを設け、そのセンサーにより郵便物等が投函されたことを検知すると住居建物199内に郵便物等を取り込むしくみでもよい。
【0057】
以上のように本実施形態によれば、郵便受けと住居建物を管等でつなぎ、投函された郵便物を定期的に取り込むようにすることで郵便物等の溜まりを防ぐことができ、住居人が実際に生活しているような在宅感を演出できるので、更に防犯性が向上する。
【0058】
以下、本発明の第4の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0059】
本発明の実施形態の防犯システムを示す構成図は図1と同様である。図1において、上記実施形態と同一構成要素には同じ番号を付し説明は省略する。
【0060】
ホームコントローラ100を含む、住居建物199内の機器(製品)は通常、住居建物199に引き込まれている一般商用電源を用いて作動及び自動制御されている。
【0061】
この構成に、自家発電機113と蓄電池114を敷設する。また、自家発電機113で作られた電力を蓄電池114に蓄える充電手段と、自家発電機113と蓄電池114のどちらからでも住居建物119内の各機器に電力供給を行える電力供給手段とを有する。一般商用電源を用いて住居建物199内の機器(製品)を使用及び、ホームコントローラ100による自動制御が行なわれているとき、主制御装置103は自家発電機113によって作られた電力を蓄電池114へ充電するように制御する。
【0062】
もし蓄電池114への充電が完了状態ならば、主制御装置103は自家発電機113から蓄電池114への充電処理を行なわないようにする。この場合入力装置102で「住居建物199内の機器(製品)は自家発電機113によって作られた電力を使って作動させる」、或いは「一般商用電源を使って作動させる」の電力源選択を行ない、その選ばれた電力源にて住居建物199内の機器(製品)を作動させる。もし一般商用電源が選ばれたとしたら、自家発電機113によって作られ余った電力は電力会社へ売ることも可能である。
【0063】
又、主制御装置103は一般商用電源の停電検知機能を有しており、停電を検知すると住居建物199内の機器(製品)を作動させる電力源を自家発電機113又は蓄電池114に切り換える。選択の判断基準としては、太陽光が期待できる日中であれば自家発電機113、夜間及び天候が良くないときは蓄電池114を選択する。尚、選択基準は状況に合わせて選べば良く、この限りではない。
【0064】
以上のように本実施形態によれば、自家発電機と蓄電池を敷設し住居人が自家発電機/蓄電池/一般商用電源のどれを使うか選択又は、状況に応じてホームコントローラが自動的に電力源を選択することで、使用状況にあわせて経済的な電力源を使うことができる。
更に、停電時においても自家発電機又は蓄電池の併用により、住居建物内の機器(製品)の使用と本防犯システムを使用継続が可能になる。更に、余った電力は電力会社へ売ることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明にかかる防犯システムは、一般家庭における賊等からの住居侵入等を未然に防ぐための防犯システムとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施形態の防犯システムの構成図である。
【図2】本発明の実施形態において住居建物内の機器(製品)の使用例の説明図である。
【図3】従来の防犯システムの構成図である。
【符号の説明】
【0067】
100 ホームコントローラ
101 記憶装置
102 入力装置
103 主制御装置
104 パターン学習装置
110 通信回線
111 通信網
112 アンテナ
113 自家発電機
114 蓄電池
115 郵便受け
120 センサー
130 照明機器
131 調理機器
132 エアコン
133 風呂場
134 窓/扉開閉器
135 扉
136 窓
140 コンピュータ
141 テレビゲーム
142 カメラ
143 集音装置
144 スピーカー
150 無線局
151 テレビ
152 ビデオデッキ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
住居建物内の照明機器、調理機器およびAV機器を含む電化製品と、パーソナルコンピュータおよびテレビゲームを含むマルチメディアと称される製品と、前記住居建物の窓、扉を含む可動製品とからなる製品群と、温度および湿度や人の侵入を検知するための各種検知器と、前記住居建物内の機器と通信網を繋ぐための通信回線と、前記製品群、前記各種検知器および前記通信回線を集中管理および制御する主制御装置と、前記主制御装置が制御する際に用いる情報を記憶する記憶装置と、前記主制御装置に指示を入力する入力装置とを備えた防犯システムであって、前記製品群のそれぞれの使われ方と前記各種検知器からの情報を学習する学習手段と、前記学習手段からの情報を前記記憶装置に記録する記録手段とを有するパターン学習装置を設けたことを特徴とする防犯システム。
【請求項2】
前記パターン学習装置は、前記学習手段の作動時間を、任意の時間に設定することができる学習時間設定手段を有する請求項1記載の防犯システム。
【請求項3】
前記住居建物内に集音装置と拡声装置を設け、前記パターン学習装置は、前記住居建物内で発せられる人の声や足音を含む任意の音情報を前記集音装置を用いて集音し、前記音情報を前記記憶装置に保存し、前記記憶装置に保存された任意の前記音情報を読み出して前記拡声装置から吹鳴する録音再生手段を有する請求項1記載の防犯システム。
【請求項4】
前記住居建物内外に敷設されている郵便受けへの投函物を、定期的に回収する郵便物回収手段を有する請求項1記載の防犯システム。
【請求項5】
前記住居建物内外に自家発電機と蓄電池を敷設し、前記自家発電機で作られた電力を前記蓄電池に蓄える充電手段と、前記自家発電機と前記蓄電池のどちらからでも前記住居建物内の各機器に電力供給を行える電力供給手段とを有する請求項1記載の防犯システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−235724(P2006−235724A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−45662(P2005−45662)
【出願日】平成17年2月22日(2005.2.22)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】