説明

障害復旧支援システム、障害復旧支援装置、管理装置および障害復旧支援方法

【課題】 情報機器に障害が発生した場合に、その障害への対応を迅速かつ効率的に行うことを可能にする。
【解決手段】 管理装置200には、画像形成装置100(障害復旧支援装置110)がネットワーク300を介して接続されている。画像形成装置100は複数のプログラムを記憶しており、それぞれのプログラムに応じた処理を行う。画像形成装置100にエラーが発生した場合に、障害復旧支援装置110はエラー情報を管理装置200に送信する。管理装置200は、それぞれのエラー情報の内容に応じたエラー対応情報を記憶しており、これを障害復旧支援装置110へと送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コピー機やスキャナ等の情報機器に障害が発生した場合に、その障害からの復旧を支援するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
企業のオフィス等においては、インターネット等のネットワークに接続されたコピー機やスキャナ、プリンタおよびこれらの機能を兼ね備えた複合機等の情報機器が用いられている。このような情報機器は、継続的・反復的に使用されることで障害が発生することがある。
【0003】
障害の発生する原因の一つに、ソフトウェアやファームウェア等のプログラムに含まれる、いわゆるバグ等のエラー(不具合)がある。例えば、情報機器においてはタッチパネル式の液晶ディスプレイ等によってユーザが入力を行うのが一般的であるが、ユーザ(利用者)が誤って液晶ディスプレイ上の複数箇所を同時に押してしまったり、液晶ディスプレイ上に何らかの物体が置かれた状態でユーザがボタンを押したりといった、本来想定されていない入力を行ってしまうと、情報機器がこの入力を正しく解釈できずに予期せぬ挙動を示すことがある。これがバグによる不具合の一例である。
【0004】
情報機器メーカーにおいては、その機器の出荷前にさまざまなテストを行い、いわゆる「バグ出し」と呼ばれるようなエラーチェックも行っている。しかし、想定されていない入力はほぼ無数に存在するため、出荷前にすべてのエラーを抽出してその対応を行っておくことは事実上不可能である。そのため、情報機器メーカーは機器の出荷後もエラーに関する情報を収集し続け、その発生頻度や重要度に応じてエラーを生じさせるプログラムに修正を行い、これを修正プログラム(あるいはパッチプログラム)といった形態でユーザに提供している。
【0005】
また、情報機器メーカーは、情報機器にエラーが発生した場合に、ユーザの求めに応じてサービスマンを派遣するサービスを行っている。サービスマンは情報機器の状態をチェックしたりすることによってエラーの内容を特定し、それが既知のエラーであれば、プログラムを修正プログラムによって更新したりすることで対応を行う。また、エラーが未知のものである場合には、情報機器メーカー側では新たな修正プログラムの開発を行う。
【0006】
このような業務の効率化を図るため、情報機器メーカーはネットワーク接続を利用し、複数の情報機器からエラーに関する情報(エラー情報)をネットワーク経由で収集し、これを管理する管理センタでエラーの内容やエラー情報の送信元の特定を行っている(例えば、特許文献1,2参照)。このようにすることで、サービスマンはエラーの内容をあらかじめ把握し、送信元である派遣先で迅速な対応を行うことができる。また、エラーが既知のものである場合には、修正プログラムをネットワーク経由でユーザの情報機器に提供し、プログラムを自動更新させることも可能である。このようにすれば、サービスマンを派遣することなく、極めて迅速にエラーへの対応を行うことができる。
【0007】
しかし、このようにエラーの対応を行う場合には、以下のような問題が生じる可能性があった。
近年、オフィス等においては、同一メーカー・同一機種の情報機器が複数設置されていることは珍しくなく、1つのオフィスに数台〜数十台の情報機器が設置されていることも往々にしてある。このような場合には、たとえ管理センタにエラー情報が送信され、サービスマンが派遣されたとしても、サービスマンがいずれの情報機器においてエラーが発生しているのかを特定することが困難であった。そのため、問題となっている情報機器の特定に時間を要し、迅速な対応の妨げとなることがあった。
【0008】
また、修正プログラムの適用により解消できる既知のエラーに対しては、従来よりエラーを生じさせるプログラムを自動的に更新するなどの対応が行われていたのだが、修正プログラムが存在しないプログラムに起因するエラーに対しては、ユーザはその対応状況を知ることができなかった。そのため、そのプログラムに関連する機能がいつから利用可能になるのかといった情報が得られず、ユーザに不都合を生じさせていた。また、エラーの対応状況を知るためにユーザが管理センタに直接問い合わせることも考えられるが、このような場合には、ユーザと管理センタの双方に労力とコストを生じさせる不都合があった。
【0009】
【特許文献1】特開平10−207304号公報
【特許文献2】特開2001−34122号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、情報機器に障害が発生した場合に、その障害への対応を迅速かつ効率的に行うことを可能にする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の目的を達成するために、本発明は、プログラムを実行する情報機器に内蔵あるいは接続された障害復旧支援装置と、前記障害復旧支援装置とネットワークを介して接続された管理装置とを備え、前記障害復旧支援装置は、前記情報機器においてプログラム実行中に発生したエラーの内容を示すエラー情報を取得するエラー情報取得手段と、前記エラー情報取得手段が取得したエラー情報を前記ネットワーク経由で前記管理装置に送信するエラー情報送信手段と、前記エラー情報が表すエラーに対して用意されている対応を示すエラー対応情報を前記ネットワーク経由で前記管理装置から受信し、受信したエラー対応情報を出力する対応情報出力手段とを備え、前記管理装置は、前記エラー対応情報をエラーの内容別に記憶する記憶手段と、前記障害復旧支援装置から送信されてくる前記エラー情報を受信するエラー情報受信手段と、受信した前記エラー情報が表すエラーに対応する前記エラー対応情報を前記記憶手段から特定して読み出し、読み出したエラー対応情報を前記ネットワーク経由で前記障害復旧支援装置に送信する対応情報送信手段とを備える障害復旧支援システムを提供する。
この障害復旧支援システムによれば、エラーの発生した障害復旧支援装置は、管理装置からエラー対応情報を受信する。これにより、発生したエラーに対する対応状況を詳細に知ることができる。
【0012】
また、本発明の障害復旧支援システムは、より好適な態様として、前記エラー情報は、エラーが発生したプログラムを特定する識別情報と、当該プログラムの新旧を示すバージョン情報とを含み、前記管理装置は、プログラムと、当該プログラムの新旧を示すバージョン情報とを対応付けて記憶するプログラム記憶手段と、前記エラー情報受信手段によって受信されたエラー情報に含まれるバージョン情報と、当該エラー情報に含まれる識別情報に対応付けて前記プログラム記憶手段に記憶されているバージョン情報とを比較する比較手段と、前記比較手段による比較の結果、前記プログラム記憶手段に記憶されているプログラムが前記情報機器においてエラーが発生したプログラムよりも新しいと判断される場合には、当該プログラム記憶手段に記憶されているプログラムを前記障害復旧支援装置に送信するプログラム送信手段とを備え、前記障害復旧支援装置は、前記情報機器においてエラーが発生したプログラムを、前記管理装置の前記プログラム送信手段により送信されてくるプログラムに書き換える書換手段を備える。
このようにすれば、情報機器においてエラーの発生したプログラムよりも新しいプログラムがあれば、これに書き換えて更新することが可能となる。
【0013】
また、本発明の障害復旧支援システムは、より好適な態様として、前記エラー情報は、発生したエラーが前記情報機器に与える影響の度合いを示す重要度情報を含み、前記管理装置は、前記エラー情報受信手段が受信した前記エラー情報を蓄積し、前記エラー情報の内容別の頻度を記憶する頻度記憶手段と、前記頻度記憶手段に蓄積された複数のエラー情報に対して、当該エラー情報の重要度情報および同じ内容のエラー情報の記憶された頻度の少なくとも一方に基づいて順位付けを行うエラー情報序列手段とを備える。
このようにすれば、管理装置では発生したエラーが情報機器に与える影響やエラーの発生頻度に関する情報が得られ、この情報に基づいてエラーへの対応を行うことができる。そのため、より重要度の高いエラーに対して迅速に対応を開始したりすることが可能となる。
【0014】
また、本発明は、プログラムを実行する情報機器に内蔵あるいは接続された障害復旧支援装置であって、前記情報機器においてプログラム実行中に発生したエラーの内容を示すエラー情報を取得するエラー情報取得手段と、前記エラー情報取得手段により取得された前記エラー情報を出力する出力手段とを備える障害復旧支援装置として提供されることも可能である。
ここにおいて、前記出力手段が、前記エラー情報を表示させる表示手段である。
あるいは、前記出力手段が、前記エラー情報を記録材上に形成する画像形成手段である。
この障害復旧支援装置によれば、情報機器から取得されたエラー情報をユーザが参照することが可能となる。
【0015】
また、本発明の障害復旧支援装置は、より好適な態様として、前記出力手段が、前記エラー情報をネットワークを介して送信する送信手段である。
このとき、前記送信手段は、前記出力手段により出力された前記エラー情報を電子メールにて送信することも可能である。
このようにすれば、障害復旧支援装置はエラー情報を外部の管理装置等に通知することができる。
【0016】
また、本発明の障害復旧支援装置は、より好適な態様として、前記エラー情報が表すエラーに対して用意されている対応を示すエラー対応情報を前記ネットワーク経由で受信する受信手段を備える。
このようにすれば、エラーの発生した障害復旧支援装置は、管理装置からエラー対応情報を受信する。これにより、発生したエラーに対する対応状況を詳細に知ることができる。
【0017】
また、本発明の障害復旧支援装置は、より好適な態様として、前記エラー情報が、発生したエラーが前記情報機器に与える影響の度合いを示す重要度情報を含み、前記情報機器において前記プログラム実行中にエラーが発生する毎に、前記エラー情報を頻度記憶手段に書き込むエラー情報書込手段を備え、前記出力手段が、前記頻度記憶手段に書き込まれた複数のエラー情報を、当該エラー情報の重要度情報および同じ内容のエラー情報の記憶された頻度の少なくとも一方と共に送信する。
このようにすれば、管理装置では発生したエラーが情報機器に与える影響やエラーの発生頻度に関する情報が得られ、この情報に基づいてエラーへの対応を行うことができる。そのため、より重要度の高いエラーに対して迅速に対応を開始したりすることが可能となる。
【0018】
また、本発明は、障害復旧支援装置とネットワークを介して接続され、前記エラー対応情報をエラーの内容別に記憶する記憶手段と、前記障害復旧支援装置から送信されてくる前記エラー情報を受信するエラー情報受信手段と、受信した前記エラー情報が表すエラーに対応する前記エラー対応情報を前記記憶手段から読み出し、読み出したエラー対応情報を前記ネットワーク経由で前記障害復旧支援装置に送信する対応情報送信手段とを備える管理装置として提供されることも可能である。
この管理装置によれば、エラーの発生した障害復旧支援装置に対して、そのエラーに対する対応状況を詳細に通知することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(1)構成
図1は、本発明の一実施形態に係る障害復旧支援システム1の構成を示した図である。同図に示されているように、本実施形態の障害復旧支援システム1は、複数の情報機器100,100a,100bと、管理装置200と、ネットワーク300とを備える。
なお、図1には複数の情報機器を代表した情報機器100,100a,100bのみを示しているが、本実施形態の障害復旧支援システム1は、実際にはさらに多くの情報機器を含んでいる。
【0020】
また、本実施形態においては、情報機器とは、コピー機やプリンタ、あるいは複合機等の画像形成装置のことや、スキャナ等の画像読取装置のことを意味している。図1においては、100を複合機(画像形成装置)、100aをコピー機(画像形成装置)、100bをスキャナ(画像読取装置)とするが、これらのハードウェア上の違いは後述する画像形成部または画像読取部の有無のみであり、本発明においてはいずれも実質的に同等と見なせる。よって、以下では画像形成部と画像読取部の両方を備えた画像形成装置100について説明し、この説明を以て画像形成装置100a,100bの説明に代えることとする。
【0021】
図2は、画像形成装置100のハードウェア構成を示したブロック図である。同図に示されているように、本実施形態の画像形成装置100は、制御部101と、記憶部102と、画像読取部103と、画像形成部104と、画像処理部105と、通信部106と、UI(User Interface)部107とを備える。
制御部101はCPU(Central Processing Unit)等の演算装置と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の各種メモリとを備えており、記憶部102に記憶された各種プログラムを実行することにより画像形成装置100各部の動作を制御する。ここで「プログラム」とは、画像形成装置100の基本的な制御を行うファームウェアと、後述する画像処理部105における各種の画像処理や、UI部107に各種画面を表示させる処理等を実行するためのソフトウェアとを含んでいる。記憶部102は例えばHDD(Hard Disk Drive)等の主記憶装置であり、後述する障害復旧支援処理を実行するための障害復旧支援プログラムPRG1に加え、上述の各種プログラムと、これらのプログラムのそれぞれに対応するバージョン情報と識別情報とを記憶している。
【0022】
ここで、「バージョン情報」とは、それぞれのプログラムの新旧を示す情報であり、本実施形態においては「m.n」の形式で表される(ただし、mは1以上、nは0以上の整数とする)。この形式において、ピリオドの前の「m」はメジャーバージョン番号であり、ピリオドの後の「n」はマイナーバージョン番号である。バージョン情報は「1.0」を初期値とし、プログラムに大規模な改訂(メジャーバージョンアップ)が行われたときにはメジャーバージョン番号が「1」だけ増加し、プログラムに小規模な改訂(マイナーバージョンアップ)が行われたときにはマイナーバージョン番号が「1」だけ増加する。つまり、同種のプログラムを比較したとき、メジャーバージョン番号が大きいほど新しいプログラムであることを示し、メジャーバージョン番号が等しい場合には、マイナーバージョン番号が大きいほどより新しいプログラムであることを示している。
【0023】
また、「識別情報」とは、それぞれのプログラムを一意的に特定するための情報である。識別情報は、各プログラムにあらかじめ割り当てられたID番号であってもよいし、各プログラムのプログラムファイル名であってもよい。本実施形態においては、識別情報はプログラムファイル名であるとする。
【0024】
画像読取部103は、図示せぬプラテン、光源、ミラー、レンズおよび受光素子等を備えており、プラテン上に載置された原稿を光学的に読み取ることで画像信号を生成する。生成された画像信号は、画像処理部105において各種の画像処理が施されて画像データへと変換される。画像形成部104は、図示せぬ感光体、帯電装置、露光装置、現像装置および転写ベルト等を備え、この画像データに基づく画像を用紙等の記録材表面に形成する。
【0025】
画像処理部105は複数のLSI(Large Scale Integration)を備え、種々の画像処理を行う。この画像処理には、例えば画像信号から画像データを生成するためのAD変換、γ変換、シェーディング補正に加え、ユーザの指示によって行われる画像回転、濃度変換、画像形成モード変換等が含まれる。これらの画像処理にはそれぞれの処理に対応したLSIがあり、画像処理部105においては、画像処理の種類に応じたLSIに画像信号ないし画像データが供給されるようになっている。
【0026】
通信部106はネットワーク300に接続するためのインターフェースであり、ネットワーク300を介して管理装置200とデータの授受を行う。UI部107は、ユーザに各種情報を表示出力し、ユーザからの入力を受け付けるためのインターフェースであり、例えば種々のボタンやタッチパネル式の液晶ディスプレイを備えている。
【0027】
このような構成のもと、本実施形態の画像形成装置100は、UI部107に入力されたユーザからの指示に応じて、画像読取部103において読み取られた原稿に基づいて生成された画像信号に対して種々の画像処理を行い、生成された画像データに応じた画像を用紙に形成する。
また、この画像形成装置100は、制御部101が記憶部102に記憶された障害復旧支援プログラムPRG1を実行することによって、後述する障害復旧支援処理を行う機能を有する。そこで、以下においては、画像形成装置100が障害復旧支援処理を行う機能について説明を行う場合に、これを機能的に区別する便宜上「障害復旧支援装置110」という。このとき、障害復旧支援装置110は、画像形成装置100の制御部101,記憶部102,画像読取部103,画像形成部104,画像処理部105,通信部106およびUI部107の各部を代用することが可能である。そこで、上述の各部が障害復旧支援プログラムPRG1を実行することによって動作する場合には、これらを特に障害復旧支援装置110の制御部111,記憶部112,画像読取部113,画像形成部114,画像処理部115,通信部116およびUI部117と表記する。
【0028】
ここで再び図1を参照し、障害復旧支援システム1における画像形成装置100以外の構成要素についての説明を行う。
ネットワーク300は、例えばインターネット等のコンピュータネットワークであり、画像形成装置100と管理装置200とを電気的に接続する。管理装置200は管理センタに備えられたコンピュータであり、複数の障害復旧支援装置110とネットワーク200を介して接続している。
【0029】
図3は、管理装置200のハードウェア構成を示したブロック図である。同図に示されているように、本実施形態の管理装置200は、制御部201と、主記憶部202と、メディアドライブ部203と、通信部204と、操作部205と、表示部206とを備える。
制御部201はCPU等の演算装置と、ROMやRAM等の各種メモリとを備え、管理装置200の各部を制御する。また、制御部201は、主記憶部202に記憶された障害復旧支援プログラムPRG2を実行することによって、後述する障害復旧支援処理を行う。主記憶部202は例えばHDD等の主記憶装置であり、上述の障害復旧支援プログラムPRG2に加え、ネットワーク経由で接続されている複数の画像形成装置100において実行される複数のプログラムに対応する最新バージョンのプログラムファイルと、このプログラムのそれぞれに対応した更新履歴情報とを記憶している。
【0030】
ここで、「更新履歴情報」とは、プログラムのバージョンアップの履歴を記述した情報であり、「バージョン情報」と「対応状況情報」とを含んでいる。対応状況情報は、さらに「エラー情報」と「エラー対応情報」とを含んでいる。
図4は、本実施形態における更新履歴情報を示した模式図である。同図においては、プログラムファイル名「PRGa」のプログラムaと、プログラムファイル名「PRGb」のプログラムbと、プログラムファイル名「PRGc」のプログラムcの更新履歴情報を示している。いま、プログラムaを例として説明すると、プログラムaの最新バージョンは「1.2」であり、バージョン「1.1」においてはバージョン「1.0」で発生した「タイプ1」のエラーの修正が行われ、バージョン「1.2」においてはバージョン「1.1」で発生した「タイプ2」および「タイプ4」のエラーの修正が行われたことを意味している。また、バージョン「1.2」には「タイプ9」のエラーが発生することが既に判明しており、このエラーの修正に向けてバージョン「1.3」の修正プログラムが現在開発中であることを意味している。
【0031】
なお、「タイプ1」、「タイプ2」といったエラー情報は、そのプログラムの実行中に発生したエラーの内容を示しており、これらは管理装置200のオペレータ(操作者)または画像形成装置100のユーザにより適宜定義されるか、もしくはあらかじめ定義されているものである。エラー情報としては、例えば「タイプ1」のエラーは「ユーザがある操作Aを行うと、バッファ(メモリ領域)がオーバーフローする」とか、「タイプ2」のエラーは「ユーザがある操作Bを行うと、処理が異常終了する」といった類の情報が定義されている。
【0032】
また、エラー対応情報は、該当するバージョンに発生するエラーに対して対応(修正)がなされているかどうかを示しており、対応が終了していれば「対応済」、対応が現在進行中であれば「対応中」といった情報が記述されている。なお、対応が現在進行中であるが、プログラム開発はほとんど完了しており、修正プログラムのリリース日が明らかとなっているような場合には、図4のプログラムbのように「対応中(9月X日リリース予定)」というように情報を付加することが可能である。「対応中」あるいは「対応中(9月X日リリース予定)」といったエラー対応情報は、その対応が終了し次第「対応済」に書き換えられる。
【0033】
さらに、後述する障害復旧支援処理において障害復旧支援装置110から未知のエラー情報が送信されてきた場合にも、更新履歴情報の書き換えが行われる。例えば、図4のプログラムcにおいて未対応の「タイプ5」というエラー情報が障害復旧支援装置110から送信されてきた場合、更新履歴情報の「プログラムc」の項目には新たにバージョン「1.2」の行が追加され、ここにエラー情報として「タイプ5」、エラー対応情報として「未対応」といった情報が書き込まれる。プログラムcにおいてタイプ5のエラーに対する修正が開始され次第、エラー対応情報は管理装置200のオペレータによって「対応中」に書き換えられる。
【0034】
ここで再び図3を参照し、管理装置200の他の構成要素について説明する。
メディアドライブ部203は、例えばCD(Compact Disk)−ROM等のリムーバブルメディアを読み取るための装置である。画像形成装置100において実行されるプログラムが修正が行われた場合には、最新バージョンのプログラム、すなわち修正プログラムやパッチプログラムを記録したリムーバブルメディアがメディアドライブ部203によって読み取られ、このデータが主記憶部202に書き込まれる。なお、メディアドライブ部203によって読み取られるリムーバブルメディアはCD−ROMに限定されず、例えばMO(Magneto Optical)ディスクやDVD(Digital Versatile Disk)−ROM、あるいはフラッシュメモリを用いたメモリカードであってもよい。
【0035】
通信部204はネットワーク200に接続するためのインターフェースであり、ネットワーク200を介して複数の画像形成装置100とデータの授受を行う。操作部205は種々のボタン等を備えており、管理装置200を操作する管理者からの指示を受け付ける。表示部206は例えば液晶ディスプレイを備え、各種画面を表示してオペレータに通知を行う。
【0036】
(2)動作
以上に示されたシステム構成のもと、本実施形態の障害復旧支援装置110と管理装置200がそれぞれ障害復旧支援プログラムPRG1とPRG2を実行することにより、障害復旧支援システム1において以下の障害復旧支援処理が実現される。ここからは、本実施形態の障害復旧支援処理について、図面を参照しつつ説明する。
なお、障害復旧支援装置110は画像形成装置100に実現される機能の一つであり、ハードウェア上は一体であるが、ここでは画像形成装置100と障害復旧支援装置110とを機能によって区別し、これらを別体として表記する。
【0037】
(2−1)動作例1
図5は、本実施形態における障害復旧支援処理の第1の動作例を説明するシーケンスチャートである。同図に沿って説明すると、まず、画像形成装置100において実行中のあるプログラムにエラーが発生すると(ステップS101)、制御部101はエラー情報を生成する(ステップS102)。そして制御部101は、このエラー情報に対して記憶部102が記憶しているこのプログラムの識別情報を付加し、障害復旧支援装置110に供給する(ステップS103)。エラー情報を取得した障害復旧支援装置110は、管理装置200にこれを送信する(ステップS104)。
【0038】
エラー情報を取得した管理装置200は、このエラー情報に対応したエラー対応情報を特定するために、対応情報特定処理を行う(ステップS105)。
図6は、この対応情報特定処理を説明するフローチャートである。同図に沿って説明すると、まず、管理装置200の制御部201は、主記憶部202に記憶された更新履歴情報を参照する(ステップS1051)。次に制御部201は、この更新履歴情報にステップS104において送信されたエラー情報が含まれているか否かを判断する(ステップS1052)。ステップS104において送信されたエラー情報が更新履歴情報に含まれている場合には(ステップS1052;YES)、続いて制御部201はこのエラー情報に対応するエラー対応情報が「対応済」であるか否かを判断する(ステップS1053)。この判断が肯定的であれば、ステップS104において送信されたエラー情報に対応するエラー対応情報は「対応済」であると特定され(ステップS1054)、この判断が否定的であれば、ステップS104において送信されたエラー情報に対応するエラー対応情報は「対応中」であると特定される(ステップS1055)。
【0039】
一方、ステップS104において送信されたエラー情報が更新履歴情報に含まれていない場合には(ステップS1052;NO)、このエラー情報が未知のエラーによるものであることを意味している。そのため、制御部201は更新履歴情報に新たな項目を追加し(ステップS1056)、このエラー情報に対応するエラー対応情報を「未対応」であると特定する(ステップS1057)。
【0040】
これを、図4の更新履歴情報を例に説明すると、例えばプログラムaに「タイプ4」のエラーが発生し、このエラー情報が「プログラムa」を示す識別情報と共に送信されてきた場合には、制御部201はこのエラー情報に対応するエラー対応情報を「対応済」であると特定する。また、プログラムaに「タイプ9」のエラーが発生し、このエラー情報が「プログラムa」を示す識別情報と共に送信されてきた場合には、制御部201はこのエラー情報に対応するエラー対応情報を「対応中」であると特定する。
【0041】
このようにしてエラー対応情報が特定されたら、次に制御部201はこのエラー対応情報を障害復旧支援装置110に対して送信する(ステップS106)。障害復旧支援装置110の制御部111はエラー対応情報を受信し、出力する(ステップS107)。出力の態様は任意であるが、例えば制御部111はUI部117にエラー対応情報を表示させたり、あるいは画像形成部114によって用紙等の記録材にエラー対応情報を形成させる。
【0042】
このような処理を行うことによって、障害復旧支援装置110においては、発生したエラーに対する対応状況を知ることが可能となる。本動作例の方法によれば、発生したエラーに対して「未対応」、「対応中」、「対応済」というように具体的な対応状況が明らかとなり、さらには「9月X日リリース予定」といった付加的な情報も得ることができる。
【0043】
(2−2)動作例2
続いて、本実施形態における障害復旧支援処理の第2の動作例を説明する。本動作例が上述の動作例1と異なるのは、管理装置200に記憶されている修正プログラムが画像形成装置100に記憶されているプログラムよりも新しいバージョンのものである場合に、画像形成装置100に記憶されているプログラムを新しいバージョンのものに書き換える点にある。また、上述の対応情報特定処理(ステップS105)の処理が簡略化されている。これらの動作例はいずれか一方の動作のみに制限されるものではなく、同一プロセス内で実行されることも可能である。以下では、本動作例における処理について、図面を参照しつつ説明する。
【0044】
図7は、本実施形態における障害復旧支援処理の第2の動作例を説明するシーケンスチャートである。同図に沿って説明すると、まず、画像形成装置100において実行中のあるプログラムにエラーが発生すると(ステップS201)、制御部101はエラー情報を生成する(ステップS202)。そして制御部101は、このエラー情報に対して記憶部102が記憶しているこのプログラムの識別情報を付加し、障害復旧支援装置110に供給する(ステップS203)。エラー情報を取得した障害復旧支援装置110は、管理装置200にこれを送信する(ステップS204)。
【0045】
エラー情報を取得した管理装置200は、主記憶部202に記憶された更新履歴情報を参照し、取得したエラー情報に付加されている識別情報(すなわちプログラムファイル名)に対応するプログラムのバージョン情報における最新のバージョン情報と、取得したエラー情報に含まれるバージョン情報とを比較し、取得したエラー情報に含まれるバージョン情報よりも新しいバージョン情報が主記憶部202に記憶されているか否かを判断する。つまりここでは、エラー情報を生成した画像形成装置100で実行されているプログラムが最新バージョンであるか否かを判断している(ステップS205)。取得したエラー情報に含まれるバージョン情報が最新バージョンでなかった場合には(ステップS205;NO)、画像形成装置100のプログラムを新しいバージョンのものに更新することができることを意味している。そこで管理装置200の制御部201は、障害復旧支援装置110に対してこのプログラムが更新可能である旨を通知する(ステップS206)。
【0046】
なお、取得したエラー情報に含まれるバージョン情報が最新バージョンであれば(ステップS205;YES)、このエラーは「未対応」あるいは「対応中」のいずれかであるから、プログラムを更新する必要がないので、本処理は終了される。しかし「未対応」のエラーである場合には、上述の図6のフローチャートで説明されたステップS1056,S1057の処理を実行してもよい。
【0047】
管理装置200からプログラムの更新が可能である旨の通知を受けると、障害復旧支援装置110の制御部111はこれをユーザに通知すべく、UI部117に例えば「更新可能なプログラムがあります。ダウンロードして更新を行いますか?」といったメッセージを表示し(ステップS207)、ユーザの選択を促す。ここで、UI部117がユーザから更新を行う旨の入力を受け付けたら(ステップS208;YES)、制御部117は管理装置200が記憶している最新バージョンのプログラムを要求する旨を送信し(ステップS209)、これを受けた制御装置200から最新バージョンのプログラムを受信する(ステップS210)。なお、UI部117がユーザから更新を行わない旨の入力を受け付けたら(ステップS208;YES)、制御部117はここで本処理を終了させる。
【0048】
制御装置200から最新バージョンのプログラムを受信した制御部111は、画像形成装置100の記憶部102に最新バージョンのプログラムを供給し(ステップS211)、エラーを発生させたプログラムをこの最新バージョンのプログラムに書き換えて更新を行う(ステップS212)。
このような処理を行うことで、ユーザに直接問い合わせるといった手間を生じさせることなく、画像形成装置100内でエラーを発生させたプログラムを最新のバージョンへと更新することが可能となる。また、本動作例の処理を動作例1の処理と共に行うことによって、ユーザは発生したエラーに対してよりきめ細かな対応を得ることが可能となる。
【0049】
(3)変形例
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その適用に際しては種々の変形が可能である。以下にその例をいくつか示す。
上述の実施形態においては、本発明の障害復旧支援装置は画像形成装置と一体となっているものとして説明された。しかし、本発明の障害復旧支援装置は画像形成装置とは異なる外部装置として提供されることももちろん可能である。このような場合は、画像形成装置の記憶部を障害復旧支援装置が読み出し、この読み出し結果を障害復旧支援装置内部に一時的に保持した上で、上述した障害復旧支援処理を行えばよい。
【0050】
また、上述の実施形態においては、バージョン情報が「m.n」という形式で表されると説明したが、もちろんこのような形式に限定されるものではない。バージョン情報は、障害復旧支援装置がプログラムの新旧を判断し、更新の必要なプログラムを特定することができるような形式であれば、いかなる値であってもよい。
なお、上述の実施形態においては、バージョン情報はそれぞれのプログラムとは別個に記憶されているように示したが、それぞれのプログラムのバイナリデータに直接埋め込まれているような態様であってもよい。
【0051】
また、本実施形態の障害復旧支援装置110は、ステップS103において画像形成装置100からエラー情報を取得した後に、このエラー情報をUI部117に表示させてもよい。あるいは、エラー情報を画像形成部114によって用紙等の記録材に形成させてもよい。このようにすれば、エラーの発生によりこの画像形成装置100の設置されている場所にサービスマンが派遣された場合に、たとえ同じ場所に複数の画像形成装置100があったとしても、エラーの発生した画像形成装置を容易に特定することができる。このとき、障害復旧支援装置110がネットワークに接続されており、電子メールを送信する手段(プログラム)を備えていれば、電子メールによって管理センタやサービスマン、あるいは画像形成装置のユーザに通知することも可能である。電子メールの宛先は、記憶部112にあらかじめ記憶させておけばよい。
【0052】
また、上述の実施形態においては、エラー対応情報は「未対応」、「対応中」あるいは「対応済」であったが、「対応中」の状況をさらに百分率(%)で表すなどしてもよい。このようにすれば、ユーザはエラーへの対応状況をさらに詳細に知ることができる。
【0053】
また、上述の動作例2においては、プログラムの更新を行うか否かをユーザに選択させていたが、このような処理(ステップS207,S208)を省略し、更新可能なプログラムがあれば自動的に更新するようにすることも可能である。
【0054】
また、上述の動作例においては、1台の障害復旧支援装置110が管理装置200に接続されている態様で説明されたが、本発明の障害復旧支援システムは複数の障害復旧支援装置を接続することが可能である。
複数の障害復旧支援装置が接続されている場合、障害復旧支援装置が管理装置に送信するエラー情報に、それぞれのエラーが画像形成装置に与える影響の度合いを示す「重要度情報」を含むことが有効である。ここで重要度情報とは、例えば3段階の重要度レベルで表される情報であり、レベル1には「機器にほとんど影響を与えない軽微なエラー」、レベル2には「特定のプログラムに重大な影響を与えるエラー」、レベル3には「機器全体に影響を与える深刻なエラー」といった類の内容が規定されているものである。
エラー情報にこのような重要度情報を含むと、例えば管理装置においては、複数の未対応のエラーが発生した場合に、それぞれのエラーに対して順位付けを行い、より重要度の高いエラーから優先的に対応を行わせることが可能となる。
【0055】
さらに、複数の障害復旧支援装置が接続されている場合には、それぞれの障害復旧支援装置を一意的に特定する「機器識別情報」や、同じ内容のエラーが送信された頻度を更新履歴情報と共に記憶してもよい。ここで機器識別情報とは、例えば画像形成装置の機種名や製造番号を含んだ情報である。また、「同じ内容のエラー」とは、障害復旧支援装置から送信されるエラー情報において、そのエラー情報と共に識別情報(例えばプログラムファイル名)も同一であるエラー情報のことを意味している。
このようにすれば、管理装置においては、同種のエラーがどのくらいの頻度で発生しているのか、あるいは同じ画像形成装置、または同じ機種の画像形成装置においてどのようなエラーが頻発しているのかなどといった情報を得ることができる。このような情報が得られれば、それぞれの機器、あるいは機種に固有のエラーが明らかとなり、そのエラーが未対応である場合には、原因の特定を容易にし、迅速な対応を行うことが可能となる。
なお、上述の順位付けは、重要度情報だけではなく同じ内容のエラーが送信された頻度も用いて算出することが可能である。この場合、重要度情報と頻度には所定の重み付けを行った上で順位付けを行えばよい。
【0056】
また、本実施形態の障害復旧支援装置110はネットワーク300に接続されているものとして説明したが、ネットワーク接続されていない障害復旧支援装置においても本発明は一定の効果を奏し得るものである。例えば、画像形成装置がエラー情報を生成したら、障害復旧支援装置はこのエラー情報と識別情報とをUI部に表示するか、あるいは画像形成部において用紙に形成すればよい。このようにすれば、画像形成装置のユーザがエラー情報と識別情報とを容易に得ることができるので、エラーの対応を管理センタに依頼するときにこれらの情報を管理センタに事前に通知しておくことで、管理センタにおいてはエラーへの対応を迅速に行うことが可能となる。
【0057】
なお、障害復旧支援装置がネットワークに接続されていない場合には、上述の重要度情報や同じ内容のエラーが送信された頻度は、障害復旧支援装置に蓄積されてもよい。このような場合には、ユーザが障害復旧支援装置を介さずに、直接管理センタへ重要度情報や同じ内容のエラーが送信された頻度を通知すればよい。
【0058】
また、上述の実施形態においては、更新履歴情報は図4のように蓄積記憶されるものと説明したが、例えば動作例2の動作を行う場合には、必要となるのは最新のバージョン情報だけである。そこで、更新履歴情報は蓄積記憶されるものではなく、新しいバージョンが提供される毎に項目が上書きされるものであってもよい。このようにすれば、更新履歴情報のために確保される記憶領域を少なくすることができる。
しかし、更新履歴情報を蓄積しておくことにより、管理センタにおいては、ユーザからのエラーの問い合わせに対して、そのエラーが既に対応済であるかどうか、また対応済であれば、それがどのバージョンで対応されたのかといった情報を即座に得られるという効果もある。ゆえに、更新履歴情報をどのような態様で記憶するかは任意であり、必要に応じて上述のいずれの態様を採ることも可能である。
【0059】
なお、本発明における「情報機器」とは、画像形成装置等に限定されるものではない。ネットワークに接続され、プログラムを実行することにより各種処理を行っている情報機器であれば、上述の実施形態と同様の要領で本発明を適用可能である。このような情報機器の例としては、例えばパソコンやサーバ等のコンピュータ、ゲーム機、あるいはネットワーク通信機能を備えた家電製品(いわゆる情報家電)が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の一実施形態に係る障害復旧支援システムの構成を示した図である。
【図2】同実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成を示したブロック図である。
【図3】同実施形態に係る管理装置のハードウェア構成を示したブロック図である。
【図4】同実施形態における更新履歴情報を示した模式図である。
【図5】同実施形態における障害復旧支援処理の第1の動作例を説明するシーケンスチャートである。
【図6】第1の動作例における対応情報特定処理を説明するフローチャートである。
【図7】同実施形態における障害復旧支援処理の第2の動作例を説明するシーケンスチャートである。
【符号の説明】
【0061】
1…障害復旧支援システム、100,…画像形成装置、101,111…制御部、102,112…記憶部、103,113…画像読取部、104,114…画像形成部、105,115…画像処理部、106,116…通信部、107,117…操作部、108,118…通知部、110…障害復旧支援装置、200…管理装置、201…制御部、202…主記憶部、203…、通信部204…メディアドライブ部、205…操作部、206…表示部、300…ネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラムを実行する情報機器に内蔵あるいは接続された障害復旧支援装置と、
前記障害復旧支援装置とネットワークを介して接続された管理装置とを備え、
前記障害復旧支援装置は、
前記情報機器においてプログラム実行中に発生したエラーの内容を示すエラー情報を取得するエラー情報取得手段と、
前記エラー情報取得手段が取得したエラー情報を前記ネットワーク経由で前記管理装置に送信するエラー情報送信手段と、
前記エラー情報が表すエラーに対して用意されている対応を示すエラー対応情報を前記ネットワーク経由で前記管理装置から受信し、受信したエラー対応情報を出力する対応情報出力手段とを備え、
前記管理装置は、
前記エラー対応情報をエラーの内容別に記憶する記憶手段と、
前記障害復旧支援装置から送信されてくる前記エラー情報を受信するエラー情報受信手段と、
受信した前記エラー情報が表すエラーに対応する前記エラー対応情報を前記記憶手段から特定して読み出し、読み出したエラー対応情報を前記ネットワーク経由で前記障害復旧支援装置に送信する対応情報送信手段とを備える
障害復旧支援システム。
【請求項2】
前記エラー情報は、エラーが発生したプログラムを特定する識別情報と、当該プログラムの新旧を示すバージョン情報とを含み、
前記管理装置は、
プログラムと、当該プログラムの新旧を示すバージョン情報とを対応付けて記憶するプログラム記憶手段と、
前記エラー情報受信手段によって受信されたエラー情報に含まれるバージョン情報と、当該エラー情報に含まれる識別情報に対応付けて前記プログラム記憶手段に記憶されているバージョン情報とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果、前記プログラム記憶手段に記憶されているプログラムが前記情報機器においてエラーが発生したプログラムよりも新しいと判断される場合には、当該プログラム記憶手段に記憶されているプログラムを前記障害復旧支援装置に送信するプログラム送信手段とを備え、
前記障害復旧支援装置は、
前記情報機器においてエラーが発生したプログラムを、前記管理装置の前記プログラム送信手段により送信されてくるプログラムに書き換える書換手段を備える
請求項1記載の障害復旧支援システム。
【請求項3】
前記エラー情報は、発生したエラーが前記情報機器に与える影響の度合いを示す重要度情報を含み、
前記管理装置は、
前記エラー情報受信手段が受信した前記エラー情報を蓄積し、前記エラー情報の内容別の頻度を記憶する頻度記憶手段と、
前記頻度記憶手段に蓄積された複数のエラー情報に対して、当該エラー情報の重要度情報および同じ内容のエラー情報の記憶された頻度の少なくとも一方に基づいて順位付けを行うエラー情報序列手段とを備える
請求項1記載の障害復旧支援システム。
【請求項4】
プログラムを実行する情報機器に内蔵あるいは接続された障害復旧支援装置であって、
前記情報機器においてプログラム実行中に発生したエラーの内容を示すエラー情報を取得するエラー情報取得手段と、
前記エラー情報取得手段により取得された前記エラー情報を出力する出力手段と
を備える障害復旧支援装置。
【請求項5】
前記出力手段が、前記エラー情報を表示させる表示手段である
請求項4記載の障害復旧支援装置。
【請求項6】
前記出力手段が、前記エラー情報を記録材上に形成する画像形成手段である
請求項4記載の障害復旧支援装置。
【請求項7】
前記出力手段が、前記エラー情報をネットワークを介して送信する送信手段である
請求項4記載の障害復旧支援装置。
【請求項8】
前記送信手段は、前記出力手段により出力された前記エラー情報を電子メールにて送信する
請求項7記載の障害復旧支援装置。
【請求項9】
前記エラー情報が表すエラーに対して用意されている対応を示すエラー対応情報を前記ネットワーク経由で受信する受信手段を備える
請求項7記載の障害復旧支援装置。
【請求項10】
前記エラー情報が、発生したエラーが前記情報機器に与える影響の度合いを示す重要度情報を含み、
前記情報機器において前記プログラム実行中にエラーが発生する毎に、前記エラー情報を頻度記憶手段に書き込むエラー情報書込手段を備え、
前記出力手段が、前記頻度記憶手段に書き込まれた複数のエラー情報を、当該エラー情報の重要度情報および同じ内容のエラー情報の記憶された頻度の少なくとも一方と共に送信する
請求項7記載の障害復旧支援装置。
【請求項11】
障害復旧支援装置とネットワークを介して接続され、
前記エラー対応情報をエラーの内容別に記憶する記憶手段と、
前記障害復旧支援装置から送信されてくる前記エラー情報を受信するエラー情報受信手段と、
受信した前記エラー情報が表すエラーに対応する前記エラー対応情報を前記記憶手段から読み出し、読み出したエラー対応情報を前記ネットワーク経由で前記障害復旧支援装置に送信する対応情報送信手段と
を備える管理装置。
【請求項12】
プログラムを実行する情報機器と、前記情報機器に内蔵あるいは接続された障害復旧支援装置と前記障害復旧支援装置とネットワークを介して接続された管理装置とを備える障害復旧支援システムにおける障害復旧支援方法であって、
前記情報機器においてプログラム実行中に発生したエラーの内容を示すエラー情報を前記障害復旧支援装置が取得する過程と、
前記取得したエラー情報を前記障害復旧支援装置が前記ネットワーク経由で前記管理装置に送信する過程と、
前記障害復旧支援装置から送信されてくる前記エラー情報を前記管理装置が受信する過程と、
前記エラー対応情報をエラーの内容別に記憶する記憶手段から、前記受信した前記エラー情報により表されるエラーに対応するエラー対応情報を特定して前記管理装置が読み出す過程と、
読み出したエラー対応情報を前記管理装置が前記ネットワーク経由で前記障害復旧支援装置に出力する過程と、
前記管理装置から出力された前記エラー対応情報を前記ネットワーク経由で前記障害復旧支援装置が受信する過程と、
受信したエラー対応情報を前記障害復旧支援装置が出力する過程と
を有する障害復旧支援システムにおける前記障害復旧支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−92192(P2006−92192A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−275891(P2004−275891)
【出願日】平成16年9月22日(2004.9.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】