説明

電動車両の充電システム

【課題】電動車両ユーザに対して外部充電のインセンティブを与えることが可能な充電システムを構築する。
【解決手段】電動車両200の蓄電装置216は、蓄電設備300によって外部充電可能に構成される。管理サーバ410は、充電設備300による外部充電の際に、広告提供者420からの広告情報を再生可能な機構を備えた電動車両200に対して、充電対象となる電動車両200の内部に記憶されている情報および/または外部充電を行なう充電設備300に関する情報に基づいて広告情報を選択するとともに、選択した広告情報を送信する。そして、管理サーバ410は、広告情報の送信と引換えに、充電電力料金の少なくとも一部を広告提供者420側に負担させることによって電動車両ユーザの負担額を割引くように課金する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電動車両の充電システムに関し、より特定的には、外部の充電設備によって充電可能に構成された電動車両の充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境に優しい車両として、二次電池に代表される蓄電装置を搭載し、駆動装置として当該蓄電装置からの電力によって駆動力を発生可能に構成されたモータを搭載した電気自動車、ハイブリッド自動車および燃料電池自動車などの電動車両が注目を浴びている。
【0003】
特に、電動車両では車両外部の電源(以下、「外部電源」とも称する)によって駐車中に蓄電装置を充電可能に構成することにより、とりわけ深夜電力を用いて外部電源による充電を行なうことによって、トータル走行コストの抑制や、温室効果ガス(特にCO2)排出削減への寄与が期待されている。なお、以下では、外部電源による蓄電装置の充電を、単に「外部充電」とも称する。
【0004】
一般的に、外部充電は、電動車両に搭載された蓄電装置と上記外部電源との間を、専用の充電ケーブル等を介して電気的に接続することにより実行される。たとえば、特開2000−250190号公報(特許文献1)には、車両に充電器等のコネクタが接続されたとき、すなわち外部充電の際に、車両およびユーザに適した製品やサービスに関する情報を、情報管理センターに設けられた情報処理装置から取得して、車両に設けられた情報処理装置に提示する構成が記載されている。
【0005】
また、本発明に関連する先行技術として、特開2003−18255号公報(特許文献2)には、携帯電話の電池の充電する際の課金方法であって、電池を充電して貰う見返りとしてサービス会社および/または充電スタンドの宣伝広告情報である待ち受け画面データや着メロデータ等を携帯電話内の記憶装置に送信して、これらのデータを表示や着メロとして一定期間使用することによって、充電に伴う費用を無料または割引にすることを特徴とするものが記載されている。
【特許文献1】特開2000−250190号公報
【特許文献2】特開2003−18255号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
京都議定書の採択を始めとする、近年の環境問題に対する社会的関心の高まりを考慮すると、温室効果ガス排出の削減効果が高い電動車両の使用拡大、特に外部充電の使用拡大は、高い社会的意義を有する。
【0007】
したがって、電車車両のユーザに対して、外部充電のメリットを高めることにより、その使用拡大を動機付けるような充電システムの実現が望まれる。この点について、特許文献1の構成では、外部充電のメリットとしては、車両およびユーザに適した製品やサービスに関する情報を入手できることに止まっており、外部充電の使用拡大を図る上で訴求効果が不十分であることが懸念される。
【0008】
この発明はこのような問題点を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、電動車両のユーザに対して外部充電のインセンティブを与えることが可能な電動車両の充電システムを構築することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明による電動車両の充電システムは、車両外部の充電設備によって充電可能に構成された電動車両の充電システムであって、記憶手段と、第1および第2の情報出力手段と、判定手段と、選択手段と、広告出力手段と、課金手段とを備える。記憶手段は、複数の広告情報ならびに各広告情報と当該広告情報の提供者との対応関係を予め記憶する。第1の情報出力手段は、充電設備によって電動車両を充電する外部充電の際に、当該電動車両が各広告情報を再生可能な所定の再生機構を有しているか否かを示す情報を出力する。第2の情報出力手段は、外部充電の際に、当該電動車両の内部に記憶されている充電車情報および当該充電設備に関する設備情報の少なくとも一方を出力する。判定手段は、第1の情報出力手段から出力された情報に基づいて、再生機構を有する電動車両への外部充電であるか否かを判定する。選択手段は、再生機構を有する電動車両への外部充電であるときに、第2の情報出力手段から出力された情報に基づいて複数の記憶手段のうちの少なくとも1つを選択する。広告出力手段は、選択手段によって選択された広告情報を記憶手段から読出して外部充電中の電動車両へ出力する。課金手段は、外部充電による電力料金の少なくとも一部が選択手段によって選択された広告情報に対応する提供者により負担されるように、提供者および電動車両に対して課金する。
【0010】
上記電動車両の充電システムによれば、外部充電時には、当該電動車両の内部に記憶されている充電車情報および当該充電設備に関する設備情報の少なくとも一方に基づいて選択された広告情報を受け取ることによって、充電電力の料金の少なくとも一部を広告提供者に負担させることが可能となる。この結果、電動車両のユーザに対して経済的なメリットを与えることにより、外部充電へのインセンティブを高めることができ。また、広告提供者側も、充電車情報および/または設備情報に基づいて、宣伝効果が期待できる電動車両を適切に選択して広告情報を送付できるので、広告提供者の確保を容易にすることができる。さらに、広告料収入によるビジネスが可能となるため充電設備の設置に対する動機付けを与えることができ、インフラストラクチャーの充実化による電動車両の普及拡大への寄与も期待することができる。
【0011】
好ましくは、電動車両は、広告出力手段からの広告情報をナビゲーションシステムの表示画面上に表示する機構を、再生機構として含む。
【0012】
さらに好ましくは、広告情報は位置情報を含み、かつ、表示画面の当該位置情報に対応する位置に表示される。または、充電車情報は、ナビゲーションシステムにおける過去の走行経路情報および目的地情報の少なくとも一方を含む。あるいは、ナビゲーションシステムは、入力された検索条件に従って当該検索条件に合致した施設を列挙した検索結果リストを表示する探索手段を有する。そして、広告情報は、対応する施設について検索結果リストでの表示順を上位に押し上げるための情報を含む。または、設備情報は、充電設備の設置場所、設置者、所有者および設置場所の所有者のうちの少なくとも1つを含む。
【0013】
このようにすると、ナビゲーションシステムと連動させて、広告情報を効率的かつ宣伝効果を高める態様で再生できる。
【0014】
また好ましくは、再生機構は、広告出力手段により電動車両に出力された広告情報を、電動車両が電力を用いて走行する期間中に再生する。
【0015】
あるいは好ましくは、課金手段は、選択された広告情報に対応する提供者に対して広告料金を課金するとともに、電力料金よりも広告料金が低いときに、電力料金から広告料金を差し引いた額を電動車両に課金する。
【0016】
好ましくは、電動車両は、広告出力手段から広告情報を受ける頻度に関する情報を記憶する記憶部をさらに備える。そして、精算手段は、記憶部に記憶された情報に基づいて、広告情報を受ける頻度が相対的に高い電動車両に対して、提供者に課金される電力料金によって充電される電力量を相対的に増大させる。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、電動車両のユーザに対して外部充電のインセンティブを与えることが可能となる電動車両の充電システムを構築することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は原則的に繰返さないものとする。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態による電動車両の充電システムの構成例を示す概略ブロック図である。
【0020】
図1を参照して、本発明の実施の形態による充電システム100は、電動車両200と、充電設備300と、有線あるいは無線により構成される通信ネットワーク400と、管理サーバ410と、通信ネットワーク400にアクセス可能な装置を有する広告提供者420とを含む。
【0021】
電動車両200は、蓄電装置216を含む。蓄電装置216は、充電ケーブル303を介して、車外に設けられた充電設備300と電気的に接続されることにより、外部充電されるように構成される。外部充電の際には、電力線通信あるいは充電ケーブル303と一体化された通信ケーブル等を介した通信によって、電動車両200と充電設備300との間で双方向に情報を授受できる。
【0022】
充電設備300は、電力会社の系統電源301からの系統電力あるいは、太陽光、風力等のいわゆるクリーンエネルギによる発電設備302からの電力を用いて、外部充電の際の充電電力とする。外部充電の際には、充電対象となる電動車両200を正確に認識するための認証処理が実行され、認証処理が正常に完了すると、充電設備300から電動車両200へ充電装置を充電するための充電電力が供給される。
【0023】
さらに、充電設備300は、通信ネットワーク400を介して、管理サーバ410との間で双方向に情報を授受可能に構成される。また、電動車両200と通信ネットワーク400との間はG−BOOK(登録商標)等の車両通信機能によっても通信可能である。また、電動車両の所有者の携帯電話等によっても通信ネットワーク400に対してアクセス可能である。すなわち、通信ネットワーク400の態様は、以下に説明する所望の通信を実行可能である限り、特に限定されるものではない点について確認的に記載する。
【0024】
後ほど詳細に説明するように、充電システム100では、充電設備300による外部充電の際に、広告提供者420からの電子情報データとしての広告情報を再生可能な機構を備えた電動車両200に対して広告情報を送信する。そして、広告情報の送信と引換えに、充電電力料金の一部または全部(少なくとも一部)を広告提供者420側に負担させることによって電動車両ユーザへの課金を割引く運用を行なう。さらに、いずれの広告提供者420からの広告情報を送信するかについて、充電対象となる電動車両200の内部に記憶されている情報(車両情報)および/または外部充電を行なう充電設備300に関する情報(設備情報)に基づいて選択される。
【0025】
上記車両情報および設備情報は、外部充電の際には、電動車両200および/または充電設備300から、通信ネットワーク400に対して送信可能である。その際に、充電設備300の設置場所304の所有者に関する情報についても、設備情報に含めることができる。
【0026】
充電設備300は、代表的には、電動車両200の専用充電装置(充電スタンド)である。広告提供者420側のメリットを考慮すれば、広告情報の送信先を広く確保するために、充電設備300は、不特定多数の電動車両200により利用されることが好ましい。たとえば、充電設備300は、一時預かりや、商業施設、娯楽施設および公共施設等の駐車場に設けられる。あるいは、充電設備300は、自動販売機に併設される態様で配置されてもよい。
【0027】
電動車両200は、外部充電の際に、送信された広告情報を内部の記憶装置(図1では図示せず)に記憶し、主に走行中において、記憶された広告情報を再生する。これにより、電動車両200の乗員に対して、広告提供者420からの広告情報が伝えられる。
【0028】
以下では、図1に示したシステムの各構成要素の詳細について説明していく。まず、図2〜図4を用いて、電動車両200の構成について説明する。
【0029】
図2は、図1に示した電動車両200の構成例を説明する機能ブロック図である。なお、図2では、電動車両200がハイブリッド自動車である例を説明するが、電動車両200は、図2とは異なる構成のハイブリッド自動車や電気自動車および燃料自動車等、外部充電された電力を用いて走行可能に構成された車両を包括する概念を示すものとする。
【0030】
図2を参照して、電動車両200は、エンジン202と、動力分割機構204と、モータジェネレータ206,210と、伝達ギヤ208と、駆動軸212と、車輪214とを備える。また、電動車両200は、蓄電装置216と、電力変換器218,220と、燃料タンク222と、燃料補給口260と、充電器224と、ECU(Electronic Control Unit)250と、充電コネクタ270と、通信部280と、ナビゲーションシステム305とをさらに備える。
【0031】
動力分割機構204は、エンジン202、モータジェネレータ206および伝達ギヤ208に結合されてこれらの間で動力を分配する。たとえば、サンギヤ、プラネタリキャリヤおよびリングギヤの3つの回転軸を有する遊星歯車を動力分割機構204として用いることができ、この3つの回転軸がエンジン202、モータジェネレータ206および伝達ギヤ208の回転軸にそれぞれ接続される。
【0032】
エンジン202が発生する運動エネルギーは、動力分割機構204によってモータジェネレータ206と伝達ギヤ208とに分配される。すなわち、エンジン202は、駆動軸212に動力を伝達する伝達ギヤ208を駆動するとともに、モータジェネレータ206を駆動する動力源として電動車両200に組込まれる。モータジェネレータ206は、エンジン202によって駆動される発電機として動作し、かつ、エンジン202の始動を行ない得る電動機として動作するものとして電動車両200に組込まれる。また、モータジェネレータ210は、駆動軸212に動力を伝達する伝達ギヤ208を駆動する動力源として電動車両200に組込まれる。
【0033】
蓄電装置216は、充放電可能な直流電源であり、たとえば、ニッケル水素やリチウムイオン等の二次電池から成る。蓄電装置216は、電力変換器218,220へ電力を供給する。また、蓄電装置216は、モータジェネレータ206および/または210の発電時、電力変換器218および/または220から電力を受けて充電される。
【0034】
さらに、蓄電装置216は、充電コネクタ270が、充電ケーブル303を介して充電設備300(図1)と接続される外部充電時には、充電設備300からの電力を蓄電装置216の充電電力に変換する充電器224から電力を受けて充電される。
【0035】
なお、蓄電装置216としては、大容量のキャパシタも採用可能であり、モータジェネレータ206,210による発電電力や外部電源からの電力を一時的に蓄え、その蓄えた電力をモータジェネレータ206,210へ供給可能な電力バッファであれば如何なるものでもよい。なお、蓄電装置216の出力電圧VBおよび入出力電流IBは、図示されないセンサによって検出され、その検出値はECU250へ送出される。
【0036】
電力変換器218は、ECU250からの信号PWM1に基づいて、モータジェネレータ206により発電された電力を直流電力に変換して蓄電装置216へ出力する。電力変換器220は、ECU250からの信号PWM2に基づいて、蓄電装置216から供給される直流電力を交流電力に変換してモータジェネレータ210へ出力する。なお、電力変換器218は、エンジン202の始動時、信号PWM1に基づいて、蓄電装置216から供給される直流電力を交流電力に変換してモータジェネレータ206へ出力する。また、電力変換器220は、車両の制動時や下り斜面での加速度低減時、信号PWM2に基づいて、モータジェネレータ210により発電された電力を直流電力に変換して蓄電装置216へ出力する。
【0037】
モータジェネレータ206,210は、交流電動機であり、たとえばロータに永久磁石が埋設された三相交流同期電動機から成る。モータジェネレータ206は、エンジン202により生成された運動エネルギーを電気エネルギーに変換して電力変換器218へ出力する。また、モータジェネレータ206は、電力変換器218から受ける三相交流電力によって駆動力を発生し、エンジン202の始動を行なう。
【0038】
モータジェネレータ210は、電力変換器220から受ける三相交流電力によって車両の駆動トルクを発生する。また、モータジェネレータ210は、車両の制動時や下り斜面での加速度低減時、運動エネルギーや位置エネルギーとして車両に蓄えられた力学的エネルギーを電気エネルギーに変換して電力変換器220へ出力する。
【0039】
エンジン202は、燃料の燃焼による熱エネルギーをピストンやロータなどの運動子の運動エネルギーに変換し、その変換された運動エネルギーを動力分割機構204へ出力する。たとえば、運動子がピストンであり、その運動が往復運動であれば、いわゆるクランク機構を介して往復運動が回転運動に変換され、ピストンの運動エネルギーが動力分割機構204に伝達される。なお、エンジン202の燃料としては、ガソリンや軽油、エタノール、液体水素、天然ガスなどの炭化水素系燃料、または、液体もしくは気体の水素燃料が好適である。
【0040】
燃料タンク222は、燃料補給口260から供給される燃料を貯蔵し、その貯蔵された燃料をエンジン202へ供給する。なお、燃料タンク222内の燃料残量FLは、図示されないセンサによって検出され、その検出値がECU250へ出力される。充電器224は、ECU250からの信号PWM3に基づいて、充電コネクタ270へ与えられる外部電源からの電力を蓄電装置216の充電電力に変換して蓄電装置216へ出力する。
【0041】
ECU250は、電力変換器218,220をそれぞれ駆動するための信号PWM1,PWM2を生成し、その生成した信号PWM1,PWM2をそれぞれ電力変換器218,220へ出力する。また、ECU250は、充電器224による蓄電装置216の充電を要求する信号REQを受けると、充電器224を駆動するための信号PWM3を生成し、その生成した信号PWM3を充電器224へ出力する。
【0042】
なお、電動車両200の外部充電のための構成は、図2の例示に限定されるものではなく、駐車中に、充電設備300からの電力を蓄電装置216の充電電力に変換可能であれば、任意の構成を適用できる。たとえば、外部充電専用の充電器224の配置を省略して、電力変換器218,220によって、充電コネクタ270へ与えられる外部電源からの電力を蓄電装置216の充電電力に変換する構成としてもよい。
【0043】
さらに、ECU250は、電動車両200の走行モードを制御する。すなわち、ECU250は、エンジン202を停止してモータジェネレータ210のみを用いて走行するか(電動機走行モード)、それともエンジン202を動作させて走行するか(ハイブリッド走行モード)の切替を制御する(以下では、電動機走行モードを「EVモード」とも称し、ハイブリッド走行モードを「HVモード」とも称する)。
【0044】
また、さらに、ECU250は、燃料タンク222の燃料残量FLならびに蓄電装置216の電圧VBおよび電流IBの各検出値に基づいて、あるいは、図示しない他の情報にさらに基づいて、電力を用いた走行に関する情報や燃費に関する情報を生成、管理して、図示しない表示部等への表示することもできる。
【0045】
通信部280は、外部充電の際に、電力線通信あるいは充電ケーブル303と一体化された通信ケーブル等を介して充電設備300との間で双方向通信を実行するための通信機や、G−BOOK(登録商標)等の車両通信機能設備に相当する。
【0046】
次に、図3により、ナビゲーションシステム305の構成例を説明する。
図3を参照して、ナビゲーションシステム305は、ナビゲーション制御部310と、表示部320と、スピーカ325と、GPSアンテナ330と、ジャイロセンサ340と、インタフェース部350と、記憶部360とを含む。
【0047】
ナビゲーション制御部310は、乗員の操作に基づいて目的地を設定する設定処理を行ない、起点から目的地までの走行経路を設定する探索処理を行なう。具体的にはナビゲーション制御部310は、タッチディスプレイを含む表示部320から、乗員によって設定された目的地の情報を得る。また、ナビゲーション制御部310は、インタフェース部350を介して、CD,DVD等の記録媒体355に記録された道路地図データを読み込む。
【0048】
そしてナビゲーション制御部310は、GPSアンテナ330およびジャイロセンサ340を用いて電動車両200の現在位置を把握し、その現在位置を道路地図データに重ねて表示部320に表示する。さらに、ナビゲーション制御部310は、現在位置から目的地までの走行経路を探索して表示するナビゲーション動作を行なう。また、ナビゲーション制御部310は、スピーカ325から音声情報を適宜出力することも可能である。
【0049】
記憶部360は、たとえばHDDであり、電子情報データを記憶するように構成される。なお、上記道路地図データは、記憶部360に記憶されてもよい。この際には、ナビゲーション制御部310は、記憶部360に記憶された道路地図データを読み込む。
【0050】
さらに、記憶部360は、電子情報データとして送信されて来た広告情報IADを記憶する記憶領域365と、車両情報ICRを記憶する記憶領域367とを含む。なお、記憶領域365および367は、広告情報IADおよび車両情報ICRのそれぞれを別個に記憶可能な領域を示すものである。したがって、記憶領域365および367は、同一の記憶装置内に構成されてもよく、別個の記憶装置を用いて構成されてもよい。
【0051】
車両情報ICRは、たとえば、当該電動車両200がこれまでに走行した頻度が高い経路を示す情報や、指定される頻度が高い目的地を示す情報を含む。あるいは、トリップの途中での外部充電の際には、現在設定されている目的地や当該目的地までのナビゲーション経路等を示すが車両情報ICRをされてもよい。
【0052】
これらの情報は、ナビゲーション制御部310によって生成されて、記憶領域367へ書込まれる。あるいは、ナビゲーション制御部310は、外部充電の際には、ECU250からの指示に従って、車両情報ICRを記憶領域367から読出すとともに、ECU250へ送出する。
【0053】
また、充電システム100において、外部充電の際に電動車両200に対して送信された広告情報IADは、通信部280(図2)により受信されるとともに、ECU250からの指示に従って、ナビゲーション制御部310によって記憶領域365へ書込まれる。広告情報IADは、たとえば、広告提供者420の店舗の位置情報や、当該店舗に関する宣伝情報(商品情報、イベント情報等)を電動車両200で画面表示、音声等により再生するための電子情報データである。
【0054】
たとえば、図4に示されるように、ナビゲーション制御部310は、電動車両200の現在位置に対応する自車表示321と同様に、広告情報IADによって示される店舗の位置表示322および/または宣伝情報の表示323を、道路地図データに重ねて表示部320に表示する。あるいは、ナビゲーション制御部310は、広告情報IADに基づく音声情報を、スピーカ325を用いて出力してもよい。このようにすると、ナビゲーションシステム305を用いた車両走行時、広告提供者420の店舗・施設等の近傍通過時に広告情報IADが再生されて、宣伝効果を得ることができる。
【0055】
ナビゲーションシステム305は、表示部320のタッチディスプレイ機能を用いて入力される検索条件に従って、当該検索条件に合致する施設・店舗等を表示部320に表示する検索機能をさらに有する。この検索機能は、ナビゲーション制御部310が、表示部320へ入力された検索条件に従って、記憶部360に予め記憶された施設・店舗等の情報一覧を対象とする検索処理を実行し、さらに、検索条件に合致した施設・店舗等を列挙した検索リストを生成して表示部320へ表示させるという、一連の処理によって実現さきる。
【0056】
広告情報IADは、広告提供者420に関連する特定の店舗・施設等について、当該検索機能によって検索リストに挙げられた際に、その表示順序を上に押し上げる優先表示を行なうことを指示するデータであってもよい。このようにすると、ナビゲーションシステム305での検索機能使用時に広告情報IADが再生されて、広告提供者420の店舗・施設等の宣伝効果を得ることができる。
【0057】
上記のような態様で、電動車両200は、広告情報IADを再生する。また、これらの広告情報の再生は、当該広告情報に含まれる再生時刻指定データに基づいて、指定された時間帯に限定して実行されてもよい。なお、電動車両200による広告情報IADの再生は、ナビゲーションシステム305を用いた上記の例以外の態様によって実現されてもよい。
【0058】
再び図2を参照して、本実施の形態による充電システム100において、広告情報IADを送信されることと引換えに、充電電力料金の少なくとも一部を広告提供者420側に負担させる運用を受けるためには、広告情報IADを再生するための機構(以下、「広告再生機構」とも称する)を具備していることが必要である。たとえば、上記のような、広告情報IADを再生可能なナビゲーションシステム305が広告再生機構に該当する。
【0059】
したがって、ECU250は、当該電動車両200が上記再生機構を備えているか否かを示すフラグFNVを、外部充電の際に通信部280を介して車両外部へ出力するように構成される。また、ECU250は、ナビゲーションシステム305から送出された車両情報ICRを、通信部280を介して車両外部へ出力する。この際に、電動車両200のユーザによる許可を示す操作等に基づいて、運転者の性別、年齢、住所等に基づく情報を、車両情報ICRに付加してもよい。
【0060】
さらに、ECU250は、外部充電の際には、少なくとも当該電動車両200を特定するための識別情報IDを通信部280を介して車両外部へ出力する。これにより、充電設備300による充電対象を特定するための認証処理が実行可能となる。
【0061】
また、上述のように、ECU250は、広告提供者420からの電子情報データとしての広告情報IADを通信部280を介して、車両外部から受信することができる。たとえば、受信した広告情報IADは、ナビゲーションシステム305内の記憶部350(図3)に記憶される。
【0062】
図5には、外部充電の際の充電電力料金の少なくとも一部を、広告情報の送信と引換えに広告提供者420に負担させる運用を実現するための構成を例示する機能ブロック図が示される。
【0063】
図5を参照して、情報送信部510は、外部充電時に、たとえば、充電ケーブル303の接続時に、充電対象となる電動車両200から、広告再生機構を備えているか否かを示すフラグFNVを送信する。情報送信部510の機能は、電動車両200によって、代表的には、ECU250および通信部280によって実現される。
【0064】
情報送信部520は、外部充電時に充電ケーブル303によって接続された電動車両200および充電設備300のそれぞれについての、車両情報ICRおよび設備情報IDCの少なくとも一方を広告選択部540へ送信する。すなわち、情報送信部520の機能は、電動車両200のECU250および通信部280および/または充電設備300に内蔵された電子制御ユニット(ECU)より実現される。
【0065】
車両情報ICRは、上述のように、代表的には、充電対象となる電動車両200の走行履歴に関する情報であり、場合によっては、所有者・ユーザの属性を示す情報を含む。したがって、車両情報ICRに基づいて、当該電動車両200の走行ルートや目的地といった地理的観点から、あるいは、所有者・ユーザの性別や年齢層から予測される嗜好性の観点から、利用が見込まれる店舗やサービスに関する広告情報を選択可能となる。
【0066】
設備情報IDCは、充電設備300の設置場所、所有者あるいは、設置場所304の所有者等の情報を含む。したがって、設備情報IDCに基づいて、充電設備300の設置箇所近傍、あるいは、所有者に関連する広告情報を選択可能となる。
【0067】
判定部530は、情報送信部510からのフラグFNVに基づき、充電対象の電動車両200が広告再生機構を備えているか否かを判定するとともに、判定結果JDGを広告選択部540へ出力する。
【0068】
広告選択部540は、充電対象の電動車両200が広告再生機構を備えていると判定されたときには、情報送信部520からの車両情報ICRおよび/または設備情報IDCに基づいて、電動車両200へ出力する広告情報を選択する。なお、選択される広告情報は、単一であっても複数であってもよい。
【0069】
記憶部550は、広告提供者420から提供された各広告情報と、広告提供者420の識別IDおよび属性情報とを対応付けたデータテーブル555を記憶する。属性情報は、対応の広告情報が提供されるべき地域を示す位置情報や、対象ユーザを示すユーザ情報等を含む。
【0070】
広告選択部540は、データテーブル555を参照することにより、車両情報ICRおよび/または設備情報IDCと合致した広告情報IADを選択できる。そして、選択した広告情報を識別するための情報を広告出力部560へ送信するとともに、その広告提供者420の識別IDを精算部570へ送信する。
【0071】
記憶部550は、さらにデータベース557を含む。データベース557には、各広告情報IADを電動車両200の広告再生機構によって再生するための電子情報データが記憶される。なお、データテーブル555およびデータベース557は、同一の記憶装置によって構成されてもよく、別個の記憶装置を用いて構成されてもよい。
【0072】
広告出力部560は、広告選択部540からの情報に基づいて、データベース557に記憶された、選択された広告情報IADに対応する電子情報データを読出すとともに、充電対象の電動車両200へ出力する。出力された広告情報IAD(電子情報データ)は、たとえば、図3に示した記憶部360により記憶され、ナビゲーションシステム305により電動車両200の走行中等に再生される。
【0073】
精算部570は、広告選択部540からの広告提供者420の識別IDに加えて、外部充電終了時に、当該外部充電に関するデータを受ける。この外部充電データは、少なくとも外部充電による電力料金を算出するために必要なデータを含む。
【0074】
精算部570は、外部充電による電力料金の少なくとも一部を、広告選択部540によって選択された広告情報の提供者に負担させるように料金精算を行なう。そして、広告提供者420による負担料金、すなわち電動車両200側の割引料金を、外部充電の電力料金から差し引いた額を電動車両200に対して課金する。なお、割引料金は、電力料金の全額であってもよく、この場合には、電動車両200への課金額は0(すなわち無料)となる。そして、電動車両200への課金に対する精算が終了すると、充電設備300による外部充電が終了される。
【0075】
なお、電動車両200側の割引料金は、一定額あるいは一定割合であってもよく、あるいは、充電対象の電動車両200によって可変の額あるいは割合としてもよい。たとえば、電動車両200が、充電システム100での広告情報の受信を伴う外部充電を過去に実行した頻度を、車両情報ICRの一部として車両内部に記憶しておくことにより、高頻度で上記外部充電を行なうユーザに対しては、割引料金を相対的に高く設定するようにしてもよい。
【0076】
あるいは、広告提供者420の店舗、施設、サービス等の過去の利用状況に関する情報を記憶しておくとともに、車両情報ICRの一部として電動車両200側から送信することにより、過去の利用頻度が高いユーザに対しては、割引料金を相対的に高く設定するようにしてもよい。この場合には、電動車両ユーザの携帯電話機等によって情報送信部520の機能の一部が実現されてもよい。
【0077】
外部充電の際の、電動車両側の割引料金に対応する各広告提供者420の負担料金は、各広告提供者420に対応して設けられた料金管理部580により積算される。料金管理部580によって積算された負担料金は、各広告提供者420に対して直接請求されてもよく、あるいは、各広告提供者420が充電システム100の運用者に支払う広告料金に反映させる態様としてもよい。
【0078】
なお、充電システム100については、付随情報出力部600や付随サービス提供部610等をさらに設けることにより、上記のような広告情報の選択および送信と並行して、他の情報やサービスを提供可能に構成することも可能である。このようにすると、ユーザの利便性向上により、充電システム100の利用者拡大を図ることができる。
【0079】
付随情報出力部600は、広告情報の選択および送信と並行して、予め記憶部550に記憶された、地図データ、音楽データ、映像データ等を読出すとともに、電動車両200に対して出力する。たとえば、付随情報出力部600によるデータ出力は、電動車両200のユーザの要求に応答して、有料、無料あるいは、外部充電の利用等に応じて蓄積されるポイントとの引換えによって実行される。
【0080】
付随サービス提供部610は、記憶部550に記憶されるデータの参照に基づき、あるいは、通信ネットワーク400(図1)を介して広告提供者420との間で直接通信することにより、各広告提供者420に対して、オンラインで商品、サービスの発注や予約(飲食店や映画館等の座席予約や歯科、マッサージ等の時間予約など)を行なうことができる。これにより、電動車両200のユーザは、充電システム100の利用に際して、上記発注、予約等の付随サービスを受けることができる。
【0081】
なお、判定部530、広告選択部540、記憶部550、広告出力部560、精算部570、料金管理部580、付随情報出力部600および付随サービス提供部610の各々については、基本的には管理サーバ410での所定プログラムの実行により実現されるが、一部のブロックについて、充電設備300側に分散配置して、充電設備300に内蔵されたECUにより実現される構成としてもよい。
【0082】
図5の構成において、情報送信部510は「第1の情報出力手段」に対応し、情報送信部520は「第2の情報出力手段」に対応する。さらに、広告選択部540は「選択手段」に対応し、精算部570は「課金手段」に対応する。
【0083】
次に、本実施の形態による充電システム100における外部充電の際の一連の処理例を、図6を用いて説明する。
【0084】
図6を参照して、電動車両は、外部充電要求を送信する(ステップS100)。外部充電要求の送信は、たとえば電動車両200と充電設備300との間を充電ケーブル303によって電気的に接続することによって自動的に発生される。さらに、電動車両は、電動車両200の識別情報を送信する(ステップS110)。なお、この際に、電動車両200が、充電システム100に適応した広告再生機能を具備している場合には、上述のフラグFNVおよび車両情報ICRが併せて出力される。すなわち、ステップS110の処理は、図5の情報送信部510、または、情報送信部510,520の機能に対応する。
【0085】
充電設備300は、電動車両200からの外部充電要求の発生有無を継続的に判定する(ステップS200)。そして、電動車両200からの外部充電要求があった場合には(S200のYES判定時)、充電設備300では、処理がステップS210に進められ、ステップS110により電動車両200から送信された識別情報を用いて、充電設備300による電動車両200の外部充電可否についての認証を行なう。この認証は、少なくとも電動車両200を特定できることが必要である。
【0086】
充電設備300では、認証結果がOKであると(S210のYES判定時)、続いて電動車両200からのフラグFNVが確認される(ステップS220)。そして、フラグFNVがオンであり(S220のYES判定時)、充電対象の電動車両200が広告再生機能を備えている場合には、当該電動車両200の車両情報ICRおよび/または当該充電設備300の設備情報IDCが管理サーバ410に対して送信される(ステップS230)とともに、外部充電用の電力供給が開始される(ステップS240)。ステップS230の処理は、図5の情報送信部520の機能に対応する。
【0087】
これに対して、フラグFNVがオフであり(S220のNO判定時)、充電対象の電動車両200が広告再生機能を具備していない場合には、ステップS230の処理をスキップして、外部充電用の電力供給が開始される(ステップS240)。
【0088】
なお、充電対象の認証結果がNGであると(S210のNO判定時)、以降の処理が非実行とされるので、充電設備300による外部充電は実行されない。
【0089】
電動車両200では、ステップS120によりに認証結果を確認する。認証結果がOKであると(S120のYES判定時)、外部電源による蓄電装置216の充電が開始される(ステップS130)。そして、蓄電装置216の外部充電中には、蓄電装置216のSOC(State of Charge)等に基づいて、蓄電装置216の充電が完了したかどうかが判定される(ステップS140)。ステップS140によって、蓄電装置216の充電完了と判定されるまでの間(S140のNO判定時)、外部電源による蓄電装置216は、継続的に実行される。一方、認証結果がNGであると(S120のNO判定時)、以降の処理が非実行とされるので、蓄電装置216の外部充電は実行されない。
【0090】
蓄電装置216の充電が完了すると(S140のYES判定時)、電動車両200は、充電完了を充電設備300に対して通知する(ステップS150)。
【0091】
充電設備300では、外部充電用の電力供給を開始した後、電動車両200から充電完了が通知されたかどうかが判定される(ステップS250)。そして、電動車両200から充電完了が通知されるまでの間(S250のNO判定時)、外部充電用の電力供給(ステップS240)が継続的に実行される。
【0092】
電動車両200から充電完了が通知されると(S250のYES判定時)、外部充電のための電力供給が停止され、さらに、外部充電による電力料金を算出するためのデータ(充電電力量等)が、充電設備300から管理サーバ410へ送信される(ステップS260)。
【0093】
管理サーバ410では、充電対象の電動車両200が広告再生機能を具備しているか否かがフラグFNVに基づいて判定される(ステップS300)。ステップS300の処理は、図5の判定部530の機能に対応する。
【0094】
そして、電動車両200が広告再生機能を具備している場合(S300のYES判定時)には、以降のステップS310〜S360による、広告情報の選択および送信ならびに充電電力料金の精算のための処理が実行される。一方、電動車両200が広告再生機能を具備していない場合(S300のNO判定時)には、管理サーバ410によるステップS310〜S360の処理は実行されず、充電設備300および電動車両200の間のみで外部充電が実行される。
【0095】
管理サーバ410は、ステップS310により、ステップS230で送信された当該電動車両200の車両情報ICRおよび/または当該充電設備300の設備情報IDCを受信する。なお、電動車両200の車両情報ICRについては、充電設備300によって仲介されることなく、通信ネットワーク400により電動車両200から管理サーバ410へ直接送信されてもよい。さらに、管理サーバ410は、ステップS320により、受信した車両情報ICRおよび/または設備情報IDCに基づいて、図5に示したデータテーブル555の参照により、電動車両200へ送信する広告情報を選択する。ステップS320の処理は、図5の広告選択部540の機能に対応する。
【0096】
そして、管理サーバ410は、電動車両200から充電完了が通知されると(S330のYES判定時)、処理をステップS340に進めて、ステップS320で選択した広告情報を電動車両200へ送信する。ステップS340の処理は、図5の広告出力部560の機能に対応する。さらに、管理サーバ410は、ステップS350により、充電設備300からのデータ(ステップS260)に基づいて、外部充電による電力料金を算出するとともに、その少なくとも一部(全部または一部)を、電動車両200へ送信される広告情報の提供者に負担させるように、電力料金の課金を行なう。すなわち、ステップS350による処理は、図5の精算部570の機能に対応する。
【0097】
電動車両200では、ステップS340により送信された広告情報が受信され、車両内部に記憶される(ステップS160)。さらに、ステップS360によって課金された電力料金の精算処理が実行される(ステップS170)とともに、外部充電終了処理が実行される(ステップS180)。これにより、たとえば、外部充電の電気経路を遮断するためのリレー開放等の内部動作が実行される。
【0098】
そして、充電設備300では、ステップS350によって電動車両200へ課金された料金の精算が完了したかどうかが確認される(ステップS270)。そして、精算完了が確認されると(S270のYES判定時)、電動車両200への外部充電動作を終了する。たとえば、外部充電中には電動車両200の移動をロックする機構を設けて、上記精算完了に伴う外部充電動作の終了時に、当該ロック機構を解放する構成とすることができる。
【0099】
なお、図6のフローチャートでは、広告情報の選択および送信ならびに充電電力料金の精算が、管理サーバ410によって集中的に管理されるシステム構成における処理手順を例示したが、管理サーバ410の機能を分散配置する場合には、ステップS300〜S330の一部または全部を、他のシステム構成要素に設置されたコンピュータ等の演算装置によって実行する処理手順とすればよい。
【0100】
図6のステップS160により電動車両200で受信された広告情報は、図7あるいは図8に示した一連の処理例に従って、電動車両200で再生される。
【0101】
図7の処理は、図3に示したナビゲーションシステム305による表示処理に対応する。図7を参照して、ナビゲーション制御部310(図3)は、ステップS400では、電動車両200の現在位置に従って、表示部320(図3)の画面に表示されるべき表示エリアの道路地図データを読込む。さらに、ナビゲーション制御部310は、ステップS320により、記憶部350に記憶されている広告情報のうち、現在の表示エリア内に対応する位置情報を有するものが存在するかどうかを判断する。
【0102】
そして、表示エリア内に位置情報を有する広告情報が存在しないとき(S410のNO判定時)には、ナビゲーション制御部310は、ステップS430により、表示エリア内の道路地図データをそのまま表示する。これに対して、表示エリア内に位置情報を有する広告情報が存在するとき(S410のYES判定時)には、ナビゲーション制御部310は、上記道路地図データに広告情報を重ねて表示する(ステップS420)。これにより、図4に例示したような、広告情報の再生が実現される。なお、スピーカ325(図3)を用いて、広告情報を音声情報として出力してもよい。
【0103】
あるいは、図8に示されるように、ナビゲーション制御部310は、ステップS450により、電動車両200がEV走行中であるかどうかを判定し、EV走行中((ステップS450のYES判定時)には、予め車内に記憶された広告情報を再生する。
【0104】
このようにすると、EV走行時のみに限定して広告情報を再生することが可能となる。あるいは、上述のように、時間帯を選択して広告情報の再生を行なうことも可能である。このように、広告情報の再生については、どのような再生の態様を行なうかを指定する丈をを広告情報に含めることによって、広告対象に応じて適切な再生の態様を指定できる。
【0105】
以上説明したように、本実施の形態による充電システムによれば、充電設備300による外部充電時には、充電対象の電動車両200の内部に記憶されている車両情報ICRおよび当該充電設備300に関する設備情報IDCの少なくとも一方に基づいて選択された広告情報の受信と引換えに、充電電力の料金の少なくとも一部を電動車両ユーザに対して割引くことが可能となる。
【0106】
この結果、電動車両ユーザに対して経済的なメリットを与えることにより、外部充電へのインセンティブを高めることができ。また、広告提供者側も、車両情報ICRおよび/または設備情報IDCに基づいて、宣伝効果が期待できる電動車両を適切に選択して広告情報を送付できるので、充電システム100への広告提供者420の確保を容易にすることができる。
【0107】
さらに、広告料収入によるビジネスモデルも可能となるため充電設備の設置に対する動機付けを与えることができ、外部充電のためのインフラストラクチャーの充実化による電動車両の普及拡大への寄与も期待することができる。
【0108】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明の実施の形態による電動車両の充電システムの構成例を示す概略ブロック図である。
【図2】図1に示した電動車両の構成例を説明する機能ブロック図である。
【図3】図2に示したナビゲーションシステムの構成例を説明するブロック図である。
【図4】ナビゲーションシステムの表示部における広告情報の表示例を示す概念図である。
【図5】外部充電の際の充電電力料金の少なくとも一部を、広告情報の送信と引換えに広告提供者に負担させる運用を実現するための構成を例示する機能ブロック図である。
【図6】本実施の形態による充電システムにおける外部充電の際の一連の処理例を示すフローチャートである。
【図7】電動車両における広告情報の再生処理の第1の例を示すフローチャートである。
【図8】電動車両における広告情報の再生処理の第2の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0110】
100 充電システム、200 電動車両、202 エンジン、204 動力分割機構、206,210 モータジェネレータ、208 伝達ギヤ、212 駆動軸、214 車輪、216 蓄電装置、218,220 電力変換器、222 燃料タンク、224 充電器、260 燃料補給口、270 充電コネクタ、280 通信部、300 充電設備、301 系統電源、302 発電設備、303 充電ケーブル、304 設置場所(充電設備)、305 ナビゲーションシステム、310 ナビゲーション制御部、320 表示部、321 自車表示、322 位置表示、323 表示(宣伝情報)、325 スピーカ、330 GPSアンテナ、340 ジャイロセンサ、350 インタフェース部、350 記憶部、355 記録媒体(CD,DVD等)、360 記憶部、365,367 記憶領域、400 通信ネットワーク、410 管理サーバ、420 広告提供者、510,520 情報送信部、530 判定部、540 広告選択部、550 記憶部、555 データテーブル、557 データベース、560 広告出力部、570 精算部、580 料金管理部、600 付随情報出力部、610 付随サービス提供部、FL 燃料残量、FNV フラグ(広告再生機構有無)、IAD 広告情報、IB 電流(蓄電装置)、ICR 車両情報、IDC 設備情報(充電設備)、JDG 判定結果、PWM1,PWM2,PWM3 信号、VB 出力電圧(蓄電装置)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両外部の充電設備によって充電可能に構成された電動車両の充電システムであって、
複数の広告情報ならびに各前記広告情報と当該広告情報の提供者との対応関係を予め記憶する記憶手段と、
前記充電設備によって前記電動車両を充電する外部充電の際に、当該電動車両が各前記広告情報を再生可能な所定の再生機構を有しているか否かを示す情報を出力する第1の情報出力手段と、
前記外部充電の際に、当該電動車両の内部に記憶されている充電車情報および当該充電設備に関する設備情報の少なくとも一方を出力する第2の情報出力手段と、
前記第1の情報出力手段から出力された情報に基づいて、前記再生機構を有する電動車両への外部充電であるか否かを判定する判定手段と、
前記再生機構を有する電動車両への外部充電であるときに、前記第2の情報出力手段から出力された情報に基づいて前記複数の記憶手段のうちの少なくとも1つを選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された広告情報を前記記憶手段から読出して前記外部充電中の前記電動車両へ出力する広告出力手段と、
前記外部充電による電力料金の少なくとも一部が前記選択手段によって選択された広告情報に対応する前記提供者により負担されるように、前記提供者および前記電動車両に対して課金する課金手段とを備える、電動車両の充電システム。
【請求項2】
前記電動車両は、
前記広告出力手段からの前記広告情報をナビゲーションシステムの表示画面上に表示する機構を、前記再生機構として含む、請求項1記載の電動車両の充電システム。
【請求項3】
前記広告情報は、位置情報を含み、かつ、前記表示画面の当該位置情報に対応する位置に表示される、請求項2記載の電動車両の充電システム。
【請求項4】
前記充電車情報は、前記ナビゲーションシステムにおける過去の走行経路情報および目的地情報の少なくとも一方を含む、請求項2記載の電動車両の充電システム。
【請求項5】
前記ナビゲーションシステムは、入力された検索条件に従って当該検索条件に合致した施設を列挙した検索結果リストを表示する探索機能を有し、
前記広告情報は、対応する施設について前記検索結果リストでの表示順を上位に押し上げるための情報を含む、請求項2記載の電動車両の充電システム。
【請求項6】
前記設備情報は、前記充電設備の設置場所、設置者、所有者および設置場所の所有者のうちの少なくとも1つを含む、請求項2記載の電動車両の充電システム。
【請求項7】
前記再生機構は、前記広告出力手段により前記電動車両に出力された前記広告情報を、前記電動車両が電力を用いて走行する期間中に再生する、請求項1記載の電動車両の充電システム。
【請求項8】
前記課金手段は、前記選択された広告情報に対応する前記提供者に対して広告料金を課金するとともに、前記電力料金よりも前記広告料金が低いときに、前記電力料金から前記広告料金を差し引いた額を前記電動車両に課金する、請求項1記載の電動車両の充電システム。
【請求項9】
前記電動車両は、前記広告出力手段から前記広告情報を受ける頻度に関する情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記精算手段は、前記記憶部に記憶された情報に基づいて、前記広告情報を受ける頻度が相対的に高い電動車両に対して、前記提供者に課金される電力料金によって充電される電力量を相対的に増大させる、請求項1記載の電動車両の充電システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−141991(P2009−141991A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−312534(P2007−312534)
【出願日】平成19年12月3日(2007.12.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.着メロ
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】