説明

電子キーシステム及び携帯機

【課題】車両の給油中に燃料タンクの燃料レベルを確認することができ、ひいては安全に給油することのできる電子キーシステム及び電子キーを提供する。
【解決手段】携帯機200は、表示器209に燃料レベルを表示するための所定操作が当該携帯機200に対して行なわれると、燃料レベルの送信要求をUHF送受信部203から送信する。車両側装置100は、燃料レベルゲージ110の動作中に燃料レベル送信要求を受信すると、検出した燃料レベルを所定時間毎にBT通信部104から送信する一方、燃料レベルゲージ110の動作停止中に燃料レベル送信要求を受信すると、燃料レベルゲージを動作開始させた上で燃料レベルを検出し、検出した燃料レベルを所定時間毎にBT通信部104から送信する。そして、携帯機200は、BT通信部204によって所定時間毎に受信される燃料レベルを表示器209に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに携帯される携帯機と車両に搭載される車両側装置との間における無線通信を用いたコード照合の結果に応じて、車両の制御を行なう電子キーシステム及びこの電子キーシステムを構成する携帯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載される燃料タンクの燃料レベルを表示する燃料レベル表示装置として、車室内のインストルメントパネルに設置される燃料レベル表示装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−105602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザ自身がセルフスタンドにおいて車両の燃料タンクに燃料を給油する場合、上記従来の技術では、ユーザに開示される情報は給油機のメータ(リットル表示)のみであることから、ユーザは燃料タンクの燃料レベルを確認しながら給油することはできなかった。そのため、例えば、ユーザが燃料タンクに例えば約半分まで燃料を給油したいと思っても、ユーザは、車両のタンク容量及び給油前の燃料レベル並びに過去の経験等に基づいて、燃料タンクの燃料レベルを推定するしかなかった。
【0005】
また、一部のワンボックス車においては、給油口が車両の低い位置に設置されており、燃料タンクと給油口との上下方向の距離が小さい。こうした車両に対して給油ノズルを最も奥まで差し込んで給油すると、燃料タンクの燃料レベルが燃料タンク満杯に遥かに満たないにもかかわらず、給油が自動的に停止してしまうことがある。このような場合、ユーザは、給油ノズルをやむを得ず適宜に引き出し、いつ溢れるかわからない危険な状態で給油しなければならなかった。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、車両の給油中に燃料タンクの燃料レベルを確認することができ、ひいては安全に給油することのできる電子キーシステム及び携帯機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、ユーザに携帯される携帯機と車両に搭載される車両側装置との間における無線通信を用いたコード照合の結果に応じて、前記車両の制御を行なう電子キーシステムであって、前記携帯機は、前記車両側装置から送信される情報を無線にて受信する携帯機受信部と、前記車両側装置に対し無線にて情報を送信する携帯機送信部と、前記車両に搭載される燃料タンクの燃料レベルを表示する携帯機表示部と、前記携帯機表示部に前記燃料レベルを表示するための所定操作が当該携帯機に対して行なわれることに基づいて、前記燃料レベルの送信要求を前記携帯機送信部から送信する携帯機通信制御部と、前記携帯機受信部によって所定時間毎に受信される前記燃料レベルを前記携帯機表示部に表示する携帯機報知制御部とを備え、前記車両側装置は、前記燃料レベルを検出可能な燃料レベルゲージと、前記携帯機から送信される情報を無線にて受信する車両側受信部と、前記携帯機に対し無線にて情報を送信する車両側送信部と、前記車両側受信部によって前記燃料レベル送信要求を受信することに基づいて、前記燃料レベルゲージによって検出される前記燃料レベルを前記車両側送信部から所定時間毎に送信する車両側装置通信制御部とを備えることを特徴とする。
【0008】
電気キーシステムとしての上記構成では、携帯機表示部に燃料レベルを表示するための所定操作が当該携帯機に対して行なわれると、携帯機通信制御部は、燃料レベルの送信要求を携帯機送信部から送信する。この燃料レベル送信要求が受信されると、車両側装置通信制御部は、動作中の燃料レベルゲージによって検出する燃料レベルを所定時間毎に車両側送信部から送信する。そして、携帯機報知制御部は、携帯機受信部によって所定時間毎に受信される燃料レベルを携帯機表示部に表示する。これにより、上記所定操作が携帯機に対し行われると、燃料レベルが携帯機表示部に所定時間毎に表示されるようになることから、ユーザは、自身がセルフスタンドにて車両の燃料タンクに燃料を給油する場合でも、携帯機表示部にて燃料レベルを確認しながら給油することができるようになる。そしてひいては、給油ノズルを引き出した危険な状態で給油する必要がなくなるため、安全に給油することができるようになる。
【0009】
上記請求項1に記載の構成において、請求項2に記載の発明では、前記車両側装置通信制御部は、前記車両側受信部によって前記燃料レベル送信要求を受信しても、車載エンジンの動作中は、前記車両側送信部からの前記燃料レベルを送信しないことを特徴とする。
【0010】
電気キーシステムとしての上記構成では、車載エンジンの動作中に当該携帯機に対する上記所定操作が行われても、車両側送信部から燃料レベルが送信されず、携帯機受信部によって所定時間毎に受信されるはずの燃料レベルが受信されない。そのため、携帯機表示部に燃料レベルが表示されない、あるいは、携帯機表示部に表示される燃料レベルは実際の燃料レベルを反映しないことになる。これでは、ユーザは、携帯機表示部にて燃料タンクの燃料レベルを確認しながら給油することができなくなってしまう。ただし、車載エンジンの動作停止中に当該携帯機に対する上記所定操作が行われれば、車両側送信部から燃料レベルが送信され、携帯機表示部に燃料レベルが表示され、ユーザは、携帯機表示部にて燃料タンクの燃料レベルを確認しながら給油することができるようになる。これにより、上記所定操作の実行時の車載エンジンの状態によって燃料レベルを確認することができるか否かが決定されることを知っているユーザに対しては、車載エンジンを動作停止した上で給油するよう促すことができるようになる。
【0011】
しかしながら、全てのユーザが上記事項を知っているとは限らない。そこで、上記請求項1または2に記載の構成において、請求項3に記載の発明では、前記車両側装置通信制御部は、車載エンジンの動作中に前記車両側受信部によって前記燃料レベル送信要求を受信することに基づいて、前記車載エンジンが動作中である旨を前記車両側送信部から送信し、前記携帯機報知制御部は、前記携帯機受信部によって車載エンジンが起動中である旨を受信することに基づいて、前記車載エンジンを停止する提案を前記携帯機表示部に表示することとした。これにより、上記事項を知らないユーザに対しても、車載エンジンを動作停止した上で給油するよう促すことができるようになる。
【0012】
さらに、上記請求項3に記載の構成において、請求項4に記載の発明のように、前記携帯機通信制御部は、前記車載エンジンの動作停止を許可するための所定操作が当該携帯機に対し行なわれることに基づいて、前記車載エンジンの動作停止要求を前記携帯機送信部から送信し、前記車両側装置は、前記車両側受信部によって前記車載エンジンの動作停止要求を受信することに基づいて、前記車載エンジンの動作を停止するエンジン制御部をさらに備えることとしてもよい。これにより、ユーザが車両に乗り込まなくても、車載エンジンを停止することができるようになる。
【0013】
なお、上記請求項1〜4のいずれかに記載の構成において、請求項5に記載の発明のように、前記携帯機は、警告音を出力する警告音出力部をさらに備え、前記携帯機報知制御部は、前記携帯機受信部によって前記情報を受信することができないことに基づいて、前記車両側装置との通信が維持できない旨を示す警告音を前記警告音出力部から出力することとしてもよい。あるいは、上記請求項1〜5のいずれかに記載の構成において、請求項6に記載の発明のように、前記携帯機報知制御部は、前記携帯機受信部によって前記情報を受信することができないことに基づいて、前記車両側装置との通信が維持できない旨を前記携帯機表示部に表示することとしてもよい。これら請求項5あるいは請求項6に記載の構成によれば、警告音及び表示の少なくともいずれか一方によって、携帯機と車両側装置との通信が維持できない旨を報知することができるようになる。
【0014】
また、上記請求項1〜6のいずれかに記載の構成において、請求項7に記載の発明のように、前記携帯機は、警告音を出力する警告音出力部をさらに備え、前記携帯機報知制御部は、前記携帯機受信部によって所定時間毎に受信される前記燃料レベルに基づいて、前記燃料タンクが前記燃料で満杯であるか否かを判断するとともに、前記燃料タンクが前記燃料で満杯であると判断することに基づいて、前記燃料タンクが前記燃料で満杯である旨を示す警告音を前記警告音出力部から出力するとよい。これにより、燃料タンクが燃料で満杯である旨を警告音にて報知することができるようになる。
【0015】
また、上記請求項1〜7のいずれかに記載の構成において、請求項8に記載の発明のように、前記携帯機報知制御部は、前記携帯機受信部によって所定時間毎に受信される前記燃料レベルに基づいて、前記燃料タンクが前記燃料で満杯であるか否かを判断するとともに、前記燃料タンクが前記燃料で満杯であると判断することに基づいて、前記ユーザが燃料キャップを閉め忘れないようにするための注意を前記携帯機表示部に表示するとよい。これにより、ユーザが燃料キャップを閉め忘れないよう、注意喚起することができるようになる。
【0016】
また、上記請求項1〜8のいずれかに記載の構成において、請求項9に記載の発明のように、前記携帯機通信制御部は、前記携帯機受信部によって所定時間毎に受信される前記燃料レベルに基づいて、前記燃料タンクが前記燃料で満杯であるか否かを判断するとともに、前記燃料タンクが前記燃料で満杯であると判断することに基づいて、その旨を前記携帯機送信部から送信し、前記車両側装置通信制御部は、前記車両側受信部によって前記燃料タンクが前記燃料で満杯である旨が受信されることに基づいて、前記車両側送信部からの前記燃料レベルの送信を停止するとよい。これにより、携帯機表示部での燃料レベルの表示を終了することができるようになる。
【0017】
なお、上記請求項8または9に記載の構成において、請求項10に記載の発明のように、前記携帯機通信制御部は、前記携帯機受信部によって所定時間毎に受信される前記燃料レベルが一定期間変化しない場合に、前記燃料タンクが前記燃料で満杯であると判断するとよい。
【0018】
上記目的を達成するため、請求項11に記載の発明では、ユーザに携帯され、車両に搭載される車両側装置との間における無線通信を用いたコード照合の結果に応じて、前記車両の制御を行なう携帯機であって、前記車両側装置から送信される情報を無線にて受信する携帯機受信部と、前記車両側装置に対し無線にて情報を送信する携帯機送信部と、前記車両に搭載される燃料タンクの燃料レベルを表示する携帯機表示部と、前記携帯機表示部に前記燃料レベルを表示するための所定操作が当該携帯機に対して行なわれることに基づいて、前記燃料レベルの送信要求を前記携帯機送信部から送信する携帯機通信制御部と、前記携帯機受信部によって所定時間毎に受信される前記燃料レベルを前記携帯機表示部に表示する携帯機報知制御部とを備えることを特徴とする。こうした構成によれば、上記請求項1に記載の発明と同一の作用を得ることができるようになる。したがって、ユーザは、自身がセルフスタンドにて車両の燃料タンクに燃料を給油する場合でも、携帯機表示部にて燃料レベルを確認しながら給油することができるようになり、そしてひいては、安全な給油に寄与することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る電子キーシステム及び携帯機の一実施の形態について、(a)は車両側装置の構成を示すブロック図であり、(b)は携帯機の構成を示すブロック図である。
【図2】携帯機によって実行される携帯機側処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】車両側装置によって実行される車両側処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】燃料タンクの燃料レベルの表示例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る電子キーシステム及びこの電子キーシステムを構成する携帯機の一実施の形態について、図1〜図4を参照しつつ説明する。
【0021】
本実施の形態の電子キーシステムは、車両Cに搭載される車両側装置100及びユーザに携帯される携帯機200を有して構成されており、携帯機200が車両C周囲の無線通信エリア内に入ったときに車両ドアのアンロック等の制御を実行するいわゆるスマートエントリー機能、及び、携帯機200が有するスイッチの操作に応じて車両ドアのロックやアンロック等の制御を実行するいわゆるリモートキーレスエントリー機能を有する。
【0022】
図1(a)に、本発明にかかる電子キーシステムの車両側装置100について、その構成例をブロック図にて示す。この図1(a)を参照して、車両側装置100の構成及び機能について説明する。
【0023】
この図1(a)に示されるように、車両側装置100は、制御部101、LF送信部102、UHF送受信部103、Bluetooth通信部104、エンジンスイッチ106、ドアアンテナ107、室内アンテナ108、バックドア外アンテナ109、燃料レベルゲージ110、及びメータ111を備えている。
【0024】
このうち、制御部101は、CPU及び内蔵メモリ(いずれも図示略)等を備えた公知のコンピュータであり、内蔵メモリ等に予め記憶保持されたプログラムに従って種々の処理を実行する。なお、制御部101が特許請求の範囲に記載の動作開始制御部、車両側装置通信制御部、エンジン制御部に相当し、この制御部101が実行する処理については、図3を参照しつつ後述する。
【0025】
LF送信部102は、LFアンテナを有しており、このLFアンテナを介して携帯機200に対しLF帯(例えば「30〜300[kHz]」)の電波にて信号(情報)を送信する。LF送信部102から送信される信号は、車両Cの4箇所に配置されるドアアンテナ107、室内アンテナ108及びバックドア外アンテナ19を介して、それぞれ限られた通信エリア内に対してのみ到達する。なお、このLF送信部102は特許請求の範囲に記載の車両側送信部に相当する。
【0026】
UHF送受信部103は、UHFアンテナを有しており、このUHFアンテナを介して携帯機200に対しUHF帯(例えば「300[MHz]〜3[GHz]」)の電波にて信号(情報)を送信するとともに、携帯機200からUHF帯の電波にて送信されてくる信号(情報)を上記UHFアンテナを介して受信する。このUHF送受信部103から送信される信号は、上記LF送信部102から送信される信号と比較してより広い通信エリアに到達する。また、UHF送受信部103は、制御部101に接続されており、この制御部101から出力された信号をUHFアンテナから送信する一方、このUHFアンテナにて受信した信号を制御部101に出力する。なお、このUHF送受信部103は特許請求の範囲に記載の車両側送信部及び車両側受信部に相当する。
【0027】
エンジンスイッチ106は、図示しない車載エンジンを動作開始するべくユーザが操作するためのプッシュスイッチであり、制御部101に接続されている。エンジンスイッチ106は、ユーザによって操作されると、その旨を示す電気信号を制御部101に出力する。制御部101は、この電気信号に基づいて、「IG−ON(車載エンジンの動作開始)」、「ACC(アクセサリ)」及び「IG−OFF(車載エンジンの動作停止)」の中から車両Cの状態を制御する。エンジンスイッチ106が「IG−ON」に設定されると、制御部101によって制御されることにより、車載エンジンは動作開始し、燃料レベルゲージ119を含む各種車載機器は図示しない車載バッテリから電源が供給されて動作可能となる。ユーザによってエンジンスイッチ106が「ACC」に設定されると、制御部101によって制御されることにより、車載エンジンは動作停止し、各種車載機器は図示しない車載バッテリから電源が供給されて動作可能となる。ユーザによってエンジンスイッチ106が「IG−OFF」に設定されると、制御部101によって制御されることにより、車載エンジンは動作停止し、車載機器も図示しない車載バッテリから電源が供給されなくなるため動作停止する。
【0028】
Bluetooth(以下、BTとも記載)通信部104は、BTアンテナを有しており、このBTアンテナを介して携帯機200に対し所定の周波数帯(「2.4[GHz]」)の電波にて信号(情報)を送信するとともに、携帯機200からこの周波数帯(「2.4[GHz]」)の電波にて送信されてくる信号(情報)をBTアンテナを介して受信する。このBT通信部104から送信される信号は、上記LF送信部102から送信される信号よりも通信エリアが広いものの、上記UHF送受信部103から送信される信号ほど通信エリアは広くない。また、BT通信部104は、制御部101に接続されており、この制御部101から出力された信号をBTアンテナから送信する一方、このBTアンテナにて受信した信号を制御部101に出力する。なお、このBT通信部104は特許請求の範囲に記載の車両側受信部及び車両側送信部に相当する。また、本実施の形態では、車両側装置100は、BT通信部104を単体にて有する構成を採用したがこれに限らない。周知のGPSを利用して車両Cの現在位置等を検出するナビゲーション装置にはBT通信部を有するものもある。こうしたBT通信部を有するナビゲーション装置を車両Cに搭載し、このナビゲーション装置のBT通信部を利用して、携帯機200との間で信号を送受信する構成としてもよい。
【0029】
燃料レベルゲージ110は、車両Cに搭載される図示しない燃料タンクに配置されている公知の燃料レベルゲージであり、制御部101に接続されている。この燃料レベルゲージ110は、ユーザによって上記エンジンスイッチ106が上記「IG−ON」に設定されている間、車載バッテリから電源が供給されて燃料タンクの燃料レベルを検出することが可能である。さらに、本実施の形態では、燃料レベルゲージ110は、制御部101によって図示しない車載バッテリからの給電が制御され、動作開始及び動作停止が制御されるようになっている。そして、燃料レベルゲージ110は、動作中に燃料タンクの燃料レベルを検出すると、この検出した燃料レベルを制御部101に出力する。
【0030】
メータ111は、車両Cの運転者が視認可能な車室内の適宜の場所に配置されており、燃料レベルゲージ110によって検出される燃料レベルを画面表示する。
【0031】
図1(b)に、本発明にかかる電子キーシステムの携帯機200について、その構成例をブロック図にて示す。この図1(b)を参照して、車両側装置100の構成及び機能について説明する。
【0032】
この図1(b)に示されるように、携帯機200は、制御部201、LF受信部202、UHF送受信部203、Bluetooth通信部204、記憶部205、プッシュスイッチ206及び207、スピーカ208、及び表示器209を備えている。
【0033】
このうち、制御部201は、CPU及び内蔵メモリ(図示しない)等を備えた公知のコンピュータであり、内蔵メモリや外部メモリである記憶部205等に予め記憶保持されたプログラムに従って種々の処理を実行する。なお、この制御部201が特許請求の範囲に記載の携帯機通信制御部及び携帯機報知制御部に相当し、制御部201が実行する処理については、図2を参照しつつ後述する。
【0034】
LF受信部202は、LFアンテナを有しており、車両側装置100からLF帯の電波にて送信されてくる信号(情報)をこのLFアンテナを介して受信する。また、LF受信部202は、制御部201に接続されており、LFアンテナにて受信した信号を制御部201に出力する。なお、このLF送信部202が特許請求の範囲に記載の携帯機受信部に相当する。
【0035】
UHF送受信部203は、UHFアンテナを有しており、このUHFアンテナを介して車両側装置100に対しUHF帯の電波にて信号(情報)を送信するとともに、携帯機200からUHF帯の電波にて送信されてくる信号(情報)をこのUHFアンテナを介して受信する。また、UHF送受信部203は、制御部201に接続されており、この制御部201から出力された信号をUHFアンテナから送信する一方、このUHFアンテナにて受信した信号を制御部201に出力する。なお、このUHF送受信部203が特許請求の範囲に記載の携帯機送信部及び携帯機受信部に相当する。
【0036】
Bluetooth(以下、BTとも記載)通信部204は、BTアンテナを有しており、このBTアンテナを介して車両側装置100に対し所定の周波数帯(「2.4[GHz]」)の電波にて信号(情報)を送信するとともに、車両側装置100からこの周波数帯(「2.4[GHz]」)の電波にて送信されてくる信号(情報)を受信する。このBT通信部204から送信される信号は、上記UHF送受信部203から送信される信号ほど通信エリアは広くない。また、BT通信部204は、制御部201に接続されており、この制御部201から出力された信号をBTアンテナから送信する一方、このBTアンテナにて受信した信号を制御部201に出力する。なお、このBT通信部204が特許請求の範囲に記載の携帯機受信部及び携帯機送信部に相当する。
【0037】
プッシュスイッチ206及び207は、主にリモートキーレスエントリー機能を利用するためのスイッチである。プッシュスイッチ206がワンプッシュ操作されると、車両ドアのロックが行なわれる一方、プッシュスイッチ207がワンプッシュ操作されると、車両ドアのアンロックが行なわれるようになっている。
【0038】
スピーカ208は、制御部201に接続されており、予め定められた警告音を出力する。また、表示器209は、LCD及びLEDによって構成されており、上記燃料タンクの燃料レベルを含む各種情報を表示する。なお、スピーカ208が特許請求の範囲に記載の警告音出力部に相当し、表示器209が特許請求の範囲に記載の携帯機表示部に相当する。
【0039】
次に、車両側装置100と携帯機200との間における無線通信を用いたコード照合の結果に応じて、車両ドアのアンロックを行なうスマートエントリー機能の概要を説明する。
車両側装置100の各部は、制御部101に制御されて作動し、その制御下で、LF送信部102は、応答信号の送信を要求するいわゆるリクエスト信号を定期的に発信する。また、携帯機200の各部は、制御部201に制御されて作動し、携帯機200がLF送信部202からの上記リクエスト信号を受信可能な無線通信エリア内に入った場合、そのリクエスト信号をLF受信部202が受信する。
【0040】
なお、LF送信部102とLF受信部202との間では、LF帯の電波を利用した無線通信が行なわれる。車両側装置100と携帯機200との通信エリアを車両Cの周辺に制限するべく、リクエスト信号の送受信についてLF帯の電波を利用している。詳しくは、ドアアンテナ107、室内アンテナ108、及びバックドア外アンテナ109等から信号を送信することにより、通信エリアを車両ドアの近傍、車室内、トランク外の近傍に制限することができる。これにより、携帯機200が例えば他の車両の車両側装置100からのリクエスト信号を受信してしまう可能性を低くすることができる。
【0041】
LF受信部202が車両側装置100からのリクエスト信号を受信すると、UHF送受信部203は、携帯機200に対応する車両Cに固有のコードを含んだ応答信号を送信する。すると、車両側装置100では、携帯機200から送信されてくる応答信号をUHF送受信部103が受信する。
【0042】
なお、UHF送受信部103及びUHF送受信部203間では、UHF帯の電波を利用した無線通信が行なわれる。上記応答信号の送受信についてUHF帯の電波を利用する理由は、携帯機200から送信される信号の出力レベルが微弱でも相応に通信距離が得られ、車両側装置100側へより確実に応答信号を伝達することができるためである。
【0043】
UHF送受信部103が携帯機200から送信されてくる応答信号を受信すると、車両側装置100の制御部101は、この応答信号に含まれているコードが制御部101に記憶されているコードと一致しているか否かの照合を行ない、一致していれば、車両ドアのアンロックを許可する。
【0044】
なお、車両ドアのアンロック以降は、この種の電子キーシステムにおける周知の制御が実行される。例えば、上記アンロック許可状態で、運転席ドアの外側のドアノブに設けられている図示しないタッチセンサからの信号により、人がそのドアノブを触ったことを検知すると、制御部101は、ドア制御系へアンロック信号を出力し、その結果、これも図示しないドアロックモータが駆動され車両ドア全てがアンロック状態になる。また、この他にも、エンジン始動が許可される状態になるなど、様々な制御が行なわれるが、これらの制御そのものは、公知であるため、ここでのこれ以上の説明を割愛する。
【0045】
以下、図2及び図4を参照して、携帯機200によって実行される携帯機側処理S200について説明する。なお、図2は、携帯機200によって実行される携帯機側処理S200の処理手順を示すフローチャートであり、図4は、携帯機200の表示器209による燃料レベルの表示例を示す図である。
【0046】
携帯機200(詳しくは制御部201)は、例えばユーザが上記プッシュスイッチ206及び207を同時に2秒以上押し続ける等、表示器209に燃料レベルを表示するための所定操作が当該携帯機200に対して行われると、携帯機側処理S200を実行開始する。なお、本実施の形態では、プッシュスイッチ206及び207の双方を利用した操作を上記所定操作として採用したが、これに限らず、プッシュスイッチ206及び207のいずれか一方のみを利用した操作を上記所定操作として採用してもよい。あるいは、携帯機側処理S200を実行開始するための専用のプッシュスイッチを携帯機200に新たに設け、この専用のプッシュスイッチを利用した操作を上記所定操作として採用してもよい。要は、携帯機側処理S200を実行開始することができれば、上記所定操作は任意である。
【0047】
上記所定操作が携帯機200に対して行なわれると、制御部201は、まず、ステップS201の処理として、UHF送受信部203からコマンドを送信する。詳しくは、制御部201は、上記燃料レベルゲージ110にて検出される燃料レベルを携帯機200に対して送信するよう車両側装置100に要求する送信要求をUHF送受信部203から送信する。
【0048】
なお、後述するが、車両側装置100は、このステップS201の処理において携帯機200から送信された上記送信要求をUHF送受信部103にて受信すると、その受信時におけるエンジンスイッチ106の設定状態(「IG−ON」、「ACC」、及び、「IG−OFF」)に基づいて、「燃料レベルゲージ110が動作中であるか」、あるいは、「燃料レベルゲージ110が動作停止中であるか」について判断するとともに、「燃料レベル情報を送信可能」とするか、あるいは、「燃料レベル情報を送信不可」とするかについて判断する(ステップS105、S106、S110の処理(図3)参照)。
【0049】
詳しくは、エンジンスイッチ106が「IG−ON」に設定されている場合、燃料レベルゲージ110は動作中であって燃料レベルを検出可能であるものの、給油時の車両Cの状態としては望ましくない。そのため、車両側装置100を構成する制御部101は、燃料レベルを検出可能であっても、「燃料レベル情報を送信不可」としてその旨を示すレスポンスをUHF送受信部103から送信する。一方、エンジンスイッチ106が「ACC」あるいは「IG−OFF」に設定されている場合、燃料レベルゲージ110は動作停止中であって燃料レベルを検出することはできないものの、給油時の車両Cの状態としては望ましい。そのため、制御部101は、車載バッテリから給電することで燃料レベルゲージ110を動作開始させるとともに、「燃料レベル情報を送信可能」としてその旨を示すレスポンスをUHF送受信部103から送信する。
【0050】
上記ステップS201の処理を終えると、制御部201は、続くステップS202の処理として、車両側装置100から送信されてくる上記レスポンスを受信し、続くステップS203の判断処理として、この受信したレスポンスの内容を判断する。詳しくは、ステップS203の判断処理において、上記レスポンスの内容が「燃料レベル情報を送信可能」である旨を示すと判断する場合、制御部201は、続くステップS204の処理に移行する。一方、上記レスポンスの内容が「燃料レベル情報を送信不可」である旨を示すと判断する場合、制御部201は、続くステップS208の処理に移行する。
【0051】
ステップS204の処理に移行すると、制御部201は、車両側装置100へのBluetooth接続を試行し、BT通信部204とBT通信部104との間でBT通信の確立準備を行ない、続くステップS205の判断処理として、接続がOKとなったか否かを判断する。
【0052】
上記ステップS205の判断処理において、BT通信部204とBT通信部104との間でBT通信が確立されたと判断する場合(ステップS205の判断処理で「Yes」)、制御部201は、続くステップS206の処理として、Bluetooth通信モードに移行する。詳しくは、制御部201は、BT通信部104から所定時間(例えば「数秒」)毎に繰り返し送信されてくる燃料レベル情報をBT通信部204にて受信するとともに、この受信した燃料レベル情報を表示器209に表示制御する(例えば図4参照)。この図4に示すように、本実施の形態では、制御部201は、燃料タンクが空の状態であることを示す「E」を左端とするとともに、燃料タンクが満杯状態であることを示す「F」を右端とするバーを有する表示器209を用いて、燃料タンクの燃料レベルを表示する。なお、燃料レベルの表示態様は図4に示す態様に限られない。他に例えば、燃料レベルに応じた複数のLEDにて表示器209を構成し、車両側装置100から送信されてくる燃料レベル情報に応じてLEDを点消灯する態様にて、燃料タンクの燃料レベルを表示することとしてもよい。要は、ユーザが携帯機200の表示器209にて燃料レベルを確認することができれば、その表示態様は任意である。
【0053】
一方、上記ステップS205の判断処理において、BT通信部204とBT通信部104との間でBT通信が確立されないと判断する場合(ステップS205の判断処理で「No」)、制御部201は、続くステップS207の処理として、BT通信が維持されない(したがって燃料レベルが表示不可である)旨を示す警告音をスピーカ208から出力するとともに、その旨を示す表示を表示器209に画面表示する。なお、例えば携帯機200を携帯するユーザが車両Cから離れる等、BT通信部204とBT通信部104との間でBT通信が維持されなくなると、BT通信部104から所定時間(例えば「数秒」)毎に繰り返し送信されてくるはずの燃料レベル情報をBT通信部204にて受信することができなくなることから、制御部201はその旨判断可能である。また、ユーザが他の警告音と識別可能である限り、BT通信が維持されない(したがって燃料レベルが表示不可である)旨を示す警告音としてどのような警告音をスピーカ208から出力してもよく、ユーザが他の表示と識別可能である限り、その旨を示す表示としてどのように表示器209に画面表示してもよい。また、警告音及び表示を併用する必要はなく、どちらか一方を用いることとしてもよい。
【0054】
また、ステップS208の処理に移行すると、制御部201は、IG−OFF提案通知(表示・音)を行なう。詳しくは、制御部201は、車載エンジンを停止する提案を示す警告音をスピーカ208から出力するとともに、その旨を示す表示を表示器209に画面表示する。なお、ユーザが他の警告音と識別可能である限り、車載エンジンを停止する提案を示す警告音としてどのような警告音をスピーカ208から出力してもよく、ユーザが他の表示と識別可能である限り、車載エンジンを停止する提案としてどのように表示器209に画面表示してもよい。また、警告音及び表示を併用する必要はなく、どちらか一方を用いることとしてもよい。
【0055】
そして、制御部201は、続くステップS209の判断処理として、車載エンジンの動作を停止することが許可されたか否かを判断する。詳しくは、制御部201は、例えば上記プッシュスイッチ206及び207を同時に5秒以上押し続ける等、車載エンジンの動作停止を許可するための所定操作が上記IG−OFF提案通知後に当該携帯機200に対し行われるか否かを判断する。
【0056】
ここで、車載エンジンの動作停止を許可するための所定操作が当該携帯機200に対し行われないと判断すると(ステップS209の判断処理で「No」)、制御部201は、ステップS207の処理として、その結果通知(表示・音)を行なう。詳しくは、制御部201は、車載エンジンの動作停止が許可されなかった(したがって燃料レベルが表示不可である)旨を示す警告音をスピーカ208から出力するとともに、その旨を示す表示を表示器209に画面表示する。なお、ユーザが他の警告音と識別可能である限り、車載エンジンの動作停止が許可されなかった(したがって燃料レベルが表示不可である)旨を示す警告音としてどのような警告音をスピーカ208から出力してもよく、ユーザが他の表示と識別可能である限り、その旨を示す表示としてどのように表示器209に画面表示してもよい。また、警告音及び表示を併用する必要はなく、どちらか一方を用いることとしてもよい。
【0057】
一方、車載エンジンの動作停止を許可するための所定操作が当該携帯機200に対し行なわれたと判断すると(ステップS209の判断処理で「Yes」)、制御部201は、ステップS210の処理として、IG−OFF要求をUHF送受信部203から送信する。詳しくは、制御部201は、車載エンジンの(動作)停止要求をUHF送受信部203から送信する。なお、詳しくは後述するが、車両側装置100は、このステップS210の処理において送信された上記停止要求をUHF送受信部103にて受信すると、エンジンスイッチ106を「IG−OFF」に設定し、この設定完了後、車載エンジンの動作停止を完了した旨を示すレスポンスをUHF送受信部103から送信する(ステップS111〜S115の処理(図3)参照)。
【0058】
上記ステップS210の処理を終えると、制御部201は、続くステップS211の処理及びステップS212の判断処理として、「車載エンジンの動作停止を完了した」旨を示すレスポンスが車両側装置100から送信されてくるか否かを判断する。「車載エンジンの動作停止を完了した」旨を示すレスポンスを受信したと判断する場合(ステップS212の判断処理で「Yes」)、制御部201は、先のステップS204の処理に移行する一方、「車載エンジンの動作停止を完了した」旨を示すレスポンスを受信しないと判断する場合(ステップS212の判断処理で「No」)、制御部201は、続くステップS207の処理に移行する。詳しくは、制御部201は、続くステップS207の処理として、車載エンジンの動作停止を完了していない(したがって燃料レベルが表示不可である)旨を示す警告音をスピーカ208から出力するとともに、その旨を示す表示を表示器209に画面表示する。なお、ユーザが他の警告音と識別可能である限り、車載エンジンの動作停止を完了していない(したがって燃料レベルが表示不可である)旨を示す警告音としてどのような警告音をスピーカ208から出力してもよく、ユーザが他の表示と識別可能である限り、その旨を示す表示としてどのように表示器209に画面表示してもよい。また、警告音及び表示を併用する必要はなく、どちらか一方を用いることとしてもよい。
【0059】
以下、図3を参照して、車両側装置100によって実行される車両側処理S100について説明する。なお、図3は、車両側装置100によって実行される車両側処理S100の処理手順を示すフローチャートである。
【0060】
車両側装置100(詳しくは制御部101)は、車両側処理S100を所定時間毎に繰り返し実行する。車両側処理S100を実行開始すると、制御部101は、まず、UHF送受信部103にてコマンドを受信したか否かを判断する。ここで、コマンドを受信していないと判断すると(ステップS101の判断処理で「No」)、制御部101は、このステップS101の判断処理を再度実行する。制御部101は、ステップS101の判断処理を通じて、UHF送受信部103にてコマンドを受信するまで待機する。
【0061】
UHF送受信部103にてコマンドを受信したと判断する(ステップS101の判断処理で「Yes」)と、制御部101は、続くステップS102の判断処理として、受信したコマンドが上記送信要求であるか否かを判断する。制御部101は、上記送信要求でないと判断すると(ステップS102の判断処理で「No」)、続くステップS103の判断処理に移行する一方、上記送信要求であると判断すると(ステップS102の判断処理で「Yes」)、続くステップS105の判断処理へ移行する。
【0062】
ここで、上記ステップS103の判断処理に移行すると(ステップS102の判断処理で「No」)、制御部101は、受信したコマンドがその他のコマンドであるか否かを判断する。そして、受信したコマンドがその他のコマンドでもないと(ステップS103の判断処理で「No」)、制御部101は、先のステップS101の判断処理を再度実行する。一方、受信したコマンドがその他のコマンドである場合(ステップS103の判断処理で「Yes」)、制御部101は、続くステップS104の処理として、その他のコマンドに対応する規定の処理を実行する。なお、規定の処理としては、既述したように、車両ドアのアンロック等の処理である。こうしてステップS103の判断処理あるいはステップS104の処理を実行すると、制御部101は、先のステップS101の判断処理を再度実行する。
【0063】
また、上記ステップS105の判断処理に移行すると(ステップS102の判断処理で「No」)、制御部101は、エンジンスイッチ106が「IG−ON(車載エンジンの動作中)」とされているか否かを判断する。なお、車載エンジンが動作中に給油することは望ましくなく、車載エンジンの動作停止中に給油することが望ましい。
【0064】
ここで、エンジンスイッチ106が「IG−ON」とされていない、すなわち車載エンジンは動作停止中であると判断されると(ステップS105の判断処理で「No」)、制御部101は、続くステップS106の処理として、「燃料レベル情報を送信可能」である旨を示すレスポンスをUHF送受信部103から送信し、続くステップS107の処理に移行する。一方、エンジンスイッチ106が「IG−ON」とされている、すなわち車載エンジンは動作中であると判断すると(ステップS105の判断処理で「Yes」)、制御部101は、続くステップS110の処理として、「燃料レベル情報を送信不可」である旨を示すレスポンスを送信し、続くステップS111の判断処理に移行する。
【0065】
上記ステップS106の処理を実行すると、制御部101は、続くステップS107の処理として、携帯機200へのBluetooth接続を試行し、BT通信部104とBT通信部204との間でBT通信の確立準備を行ない、続くステップS108の判断処理として、接続がOKとなったか否かを判断する。
【0066】
上記ステップS108の判断処理において、BT通信部104とBT通信部204との間でBT通信が確立されたと判断する場合(ステップS108の判断処理で「Yes」)、制御部101は、続くステップS109の処理として、Bluetooth通信モードに移行する。詳しくは、制御部101は、BT通信部104から所定時間(例えば「数秒」)毎に繰り返し燃料レベル情報を送信する。一方、上記ステップS108の判断処理において、BT通信部104とBT通信部204との間でBT通信が維持されないと判断する場合(ステップS108の判断処理で「No」)、制御部101は、この車両側処理S100をそのまま一旦終了し、この車両側処理S100を再度実行する。
【0067】
また、上記ステップS110の処理を実行すると、制御部101は、続くステップS111〜S113の判断処理を通じて、車載エンジンの停止要求を制限時間内に受信するか否かを判断する。
【0068】
詳しくは、制御部101は、まず、ステップS111の判断処理として、コマンドを受信したか否かを判断し、コマンドを受信したと判断する場合(ステップS111の判断処理で「Yes」)、さらに、ステップS112の判断処理として、その受信したコマンドがエンジンの(動作)停止要求であるか否かを判断する。そして、コマンドを受信しないと判断する場合(ステップS111の判断処理で「No」)、あるいは、受信したコマンドがエンジンの停止要求ではないと判断する場合(ステップS112の判断処理で「No」)、制御部101は、続くステップS113の判断処理として、タイムアップであるか否かを判断し、タイムアップでないと判断すると(ステップS113の判断処理で「No」)、上記ステップS111及びステップS112の判断処理を再度実行する。なお、上記ステップS113の判断処理において、タイムアップであると判断すると(ステップS113の判断処理で「Yes」)、制御部101は、この車両側処理S100をそのまま一旦終了する。
【0069】
制御部101は、車載エンジンの停止要求を制限時間内に受信する場合(ステップS112の判断処理で「Yes」)、続くステップS114の処理として、IG−OFF処理を実行し、このIG−OFF処理の実行後、ステップS115の処理として、車載エンジンの動作停止を完了した旨を示すレスポンスをUHF送受信部103から送信する。そして、制御部101は、上記ステップS107の処理に移行する。
【0070】
以上説明した上記実施の形態では、携帯機200は、表示器209に燃料レベルを表示するための所定操作が当該携帯機200に対して行なわれると、燃料レベルの送信要求をUHF送受信部203から送信する。車両側装置100は、燃料レベルゲージ110の動作中に燃料レベル送信要求を受信すると、検出した燃料レベルを所定時間毎にBT通信部104から送信する一方、燃料レベルゲージ110の動作停止中に燃料レベル送信要求を受信すると、燃料レベルゲージを動作開始させた上で燃料レベルを検出し、検出した燃料レベルを所定時間毎にBT通信部104から送信する。そして、携帯機200は、BT通信部204によって所定時間毎に受信される燃料レベルを表示器209に表示する。これにより、ユーザは、セルフスタンドにて車両の燃料タンクに燃料を給油する場合でも、携帯機200の表示器209にて燃料レベルを確認しながら給油することができるようになる。そしてひいては、給油ノズルを引き出した危険な状態で給油する必要がなくなるため、安全に給油することができるようになる。
【0071】
なお、本発明に係る電子キーシステムは、上記実施の形態にて例示した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々に変形して実施することが可能である。すなわち、上記実施の形態を適宜変更した例えば次の形態として実施する こともできる。
【0072】
上記実施の形態では、携帯機200(詳しくは制御部201)は、所定時間(例えば「数秒」)毎に繰り返し送信されてくる燃料レベル情報をBT通信部204にて受信するとともに、この受信した燃料レベル情報を表示器209に表示制御していた(ステップS206(図2)参照)が、この構成に限らない。
【0073】
他に例えば、携帯機200は、BT通信部204によって所定時間毎に受信される燃料レベル情報に基づいて、燃料タンクが燃料で満杯であるか否かを判断し、満杯であると判断することに基づいて、その旨を示す警告音をスピーカ208から出力することとしてもよい。これにより、ユーザが表示器209をわざわざ目視して判断しなくても、燃料タンクが燃料で満杯である旨を警告音にて報知することができるようになる。
【0074】
また、携帯機200は、BT通信部204によって所定時間毎に受信される燃料レベル情報に基づいて、燃料タンクが燃料で満杯であるか否かを判断し、満杯であると判断することに基づいて、ユーザが燃料キャップを閉め忘れないようにするための注意を表示器209に画面表示することとしてもよい。これにより、ユーザが燃料キャップを閉め忘れないよう、注意喚起することができるようになる。
【0075】
また、携帯機200は、BT通信部204によって所定時間毎に受信される燃料レベル情報に基づいて、燃料タンクが燃料で満杯であるか否かを判断し、満杯であると判断することに基づいて、その旨をBT通信部204から送信する。一方、車両側装置100は、BT通信部104によって燃料タンクが燃料で満杯である旨が受信されることに基づいて、BT通信部104からの燃料レベル情報の送信を停止することとしてもよい。これにより、携帯機200を構成する表示器209での燃料レベルの表示を終了することができるようになる。
【0076】
ちなみに、携帯機200は、BT通信部204によって所定時間毎に受信される燃料レベル情報に基づいて、燃料レベルが一定時間(例えば「10秒」)変化しない場合に、燃料タンクが燃料で満杯であると判断することとしてもよく、燃料レベルが所定レベルに到達した時点で燃料タンクが燃料で満杯であると判断してもよい。
【0077】
上記実施の形態(変形例を含む)では、BT通信部204とBT通信部104との間において、所定周波数帯(「2.4[GHz]」)の電波にて燃料レベル情報の送受信を行なっていたが、これに限らない。他に例えばUHF送受信部203とUHF送受信部103との間において、UHF帯の電波にて燃料レベル情報の送受信を行なうことも、技術的には可能である。
【0078】
上記実施の形態(変形例を含む)では、表示器209に燃料レベルを表示するための所定操作が携帯機200に対して行なわれると、制御部201は、燃料レベルの送信要求をUHF送受信部203から送信していたが、携帯機200に対する操作に限らない。他に例えば、車両側装置100に専用のスイッチを設け、車両側装置100は、この専用スイッチが操作されると、燃料レベルを送信する構成としてもよい。あるいは、車両側装置100は、例えばフューエルリッドが開扉される等、車両Cに対する所定操作が行われると、燃料レベルを送信する構成としてもよい。さらには、こうした所定操作が行われなくてもよい。例えば、車両側装置100にカーナビ装置を備え、車両Cが給油所に入ったことを検出すると、車両側装置100は燃料レベルを送信する構成としてもよい。要は、携帯機200の表示器209にて燃料レベルを確認することができる構成であればよい。
【符号の説明】
【0079】
100…車両側装置、101…制御部(車載エンジン制御部、車両側装置通信制御部)、102…LF送信部(車両側送信部)、103…UHF送受信部(車両側送信部、車両側受信部)、104…Bluetooth通信部(車両側送信部、車両側受信部)、106…エンジンスイッチ、107…ドアアンテナ、108…室内アンテナ、109…バックドア外アンテナ、110…燃料レベルゲージ、111…メータ、200…携帯機、201…制御部(携帯機通信制御部、携帯機報知制御部)、202…LF受信部(携帯機受信部)、203…UHF送受信部(携帯機送信部、携帯機受信部)、204…Bluetooth通信部(携帯機送信部、携帯機受信部)、205…記憶部、206…表示器(携帯機表示部)、207…アンロックスイッチ、208…ロックスイッチ、209…スピーカ(警告音出力部)、C…車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに携帯される携帯機と車両に搭載される車両側装置との間における無線通信を用いたコード照合の結果に応じて、前記車両の制御を行なう電子キーシステムであって、
前記携帯機は、
前記車両側装置から送信される情報を無線にて受信する携帯機受信部と、
前記車両側装置に対し無線にて情報を送信する携帯機送信部と、
前記車両に搭載される燃料タンクの燃料レベルを表示する携帯機表示部と、
前記携帯機表示部に前記燃料レベルを表示するための所定操作が当該携帯機に対して行なわれることに基づいて、前記燃料レベルの送信要求を前記携帯機送信部から送信する携帯機通信制御部と、
前記携帯機受信部によって所定時間毎に受信される前記燃料レベルを前記携帯機表示部に表示する携帯機報知制御部とを備え、
前記車両側装置は、
前記燃料レベルを検出可能な燃料レベルゲージと、
前記携帯機から送信される情報を無線にて受信する車両側受信部と、
前記携帯機に対し無線にて情報を送信する車両側送信部と、
前記車両側受信部によって前記燃料レベル送信要求を受信することに基づいて、前記燃料レベルゲージによって検出される前記燃料レベルを前記車両側送信部から所定時間毎に送信する車両側装置通信制御部とを備えることを特徴とする電子キーシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の電子キーシステムにおいて、
前記車両側装置通信制御部は、前記車両側受信部によって前記燃料レベル送信要求を受信しても、車載エンジンの動作中は、前記車両側送信部からの前記燃料レベルを送信しないことを特徴とする電子キーシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電子キーシステムにおいて、
前記車両側装置通信制御部は、車載エンジンの動作中に前記車両側受信部によって前記燃料レベル送信要求を受信することに基づいて、前記車載エンジンが動作中である旨を前記車両側送信部から送信し、
前記携帯機報知制御部は、前記携帯機受信部によって車載エンジンが起動中である旨を受信することに基づいて、前記車載エンジンを停止する提案を前記携帯機表示部に表示することを特徴とする電子キーシステム。
【請求項4】
請求項3に記載の電子キーシステムにおいて、
前記携帯機通信制御部は、前記車載エンジンの動作停止を許可するための所定操作が当該携帯機に対し行なわれることに基づいて、前記車載エンジンの動作停止要求を前記携帯機送信部から送信し、
前記車両側装置は、前記車両側受信部によって前記車載エンジンの動作停止要求を受信することに基づいて、前記車載エンジンの動作を停止するエンジン制御部をさらに備えることを特徴とする電子キーシステム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子キーシステムにおいて、
前記携帯機は、警告音を出力する警告音出力部をさらに備え、
前記携帯機報知制御部は、前記携帯機受信部によって前記情報を受信することができないことに基づいて、前記車両側装置との通信が維持できない旨を示す警告音を前記警告音出力部から出力することを特徴とする電子キーシステム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子キーシステムにおいて、
前記携帯機報知制御部は、前記携帯機受信部によって前記情報を受信することができないことに基づいて、前記車両側装置との通信が維持できない旨を前記携帯機表示部に表示することを特徴とする電子キーシステム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の電子キーシステムにおいて、
前記携帯機は、警告音を出力する警告音出力部をさらに備え、
前記携帯機報知制御部は、前記携帯機受信部によって所定時間毎に受信される前記燃料レベルに基づいて、前記燃料タンクが前記燃料で満杯であるか否かを判断するとともに、前記燃料タンクが前記燃料で満杯であると判断することに基づいて、前記燃料タンクが前記燃料で満杯である旨を示す警告音を前記警告音出力部から出力することを特徴とする電子キーシステム。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の電子キーシステムにおいて、
前記携帯機報知制御部は、前記携帯機受信部によって所定時間毎に受信される前記燃料レベルに基づいて、前記燃料タンクが前記燃料で満杯であるか否かを判断するとともに、前記燃料タンクが前記燃料で満杯であると判断することに基づいて、前記ユーザが燃料キャップを閉め忘れないようにするための注意を前記携帯機表示部に表示することを特徴とする電子キーシステム。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の電子キーシステムにおいて、
前記携帯機通信制御部は、前記携帯機受信部によって所定時間毎に受信される前記燃料レベルに基づいて、前記燃料タンクが前記燃料で満杯であるか否かを判断するとともに、前記燃料タンクが前記燃料で満杯であると判断することに基づいて、その旨を前記携帯機送信部から送信し、
前記車両側装置通信制御部は、前記車両側受信部によって前記燃料タンクが前記燃料で満杯である旨が受信されることに基づいて、前記車両側送信部からの前記燃料レベルの送信を停止することを特徴とする電子キーシステム。
【請求項10】
請求項8または9に記載の電子キーシステムにおいて、
前記携帯機通信制御部は、前記携帯機受信部によって所定時間毎に受信される前記燃料レベルが一定期間変化しない場合に、前記燃料タンクが前記燃料で満杯であると判断することを特徴とする電子キーシステム。
【請求項11】
ユーザに携帯され、車両に搭載される車両側装置との間における無線通信を用いたコード照合の結果に応じて、前記車両の制御を行なう携帯機であって、
前記車両側装置から送信される情報を無線にて受信する携帯機受信部と、
前記車両側装置に対し無線にて情報を送信する携帯機送信部と、
前記車両に搭載される燃料タンクの燃料レベルを表示する携帯機表示部と、
前記携帯機表示部に前記燃料レベルを表示するための所定操作が当該携帯機に対して行なわれることに基づいて、前記燃料レベルの送信要求を前記携帯機送信部から送信する携帯機通信制御部と、
前記携帯機受信部によって所定時間毎に受信される前記燃料レベルを前記携帯機表示部に表示する携帯機報知制御部とを備えることを特徴とする携帯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−168836(P2010−168836A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−13458(P2009−13458)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】