説明

電子デバイス及び電子デバイスの製造方法

【課題】基板が低コストな脆性材料で構成され、変形等の応力に強く、且つ、耐候性が高い、信頼性の良い電子デバイス及び当該電子デバイスの製造方法を提供する。
【解決の手段】電子デバイス1を、ガラス基板10と、ガラス基板10の上面に設けられた内部配線30と、ガラス基板10上に実装され、内部配線30と導通された電子部品50と、一端が内部配線30と連接された貫通電極20と、ガラス基板10の下面において、貫通電極20の他端と離間する位置に形成された絶縁樹脂層70と、絶縁樹脂層70の周囲を覆い且つ貫通電極20の他端と連接するように積層された導電樹脂層80と、を備えて構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水晶振動子や圧電素子に代表される電子デバイス及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水晶振動子は周波数特性に優れているため、デバイス、具体的にプリント基板実装部品の一つとして多用されている。ここで、上記水晶振動子の特性を安定させるには、外気の影響を遮断する必要があるので、密封容器に入れることが望ましい。このようなパッケージ構造の例としては、後述の「ガラス−セラミック複合体およびそれを用いたフラットパッケージ型圧電部品」などが知られている(特許文献1)。
【0003】
この特許文献1に記載のパッケージは、ベースに水晶振動子片を納め、キャップを被せてなる電子デバイスにおいて、水晶振動子片とほぼ同じ熱膨張率の材料であるセラミックとガラス粉末とを混合したものを用いて、パッケージが構成されることを特徴とする。しかし、このパッケージは、ガラス−セラミック複合体であるため、1個のベースに水晶振動子片を載せ、キャップを被せることによる単品生産によってなるため、生産性が著しく低い。加えて、このパッケージは、ガラス−セラミック複合体の加工が難しいため、生産コストが嵩む。
【0004】
これらの欠点を解消するべく、パッケージを加工容易なガラスで製造する方法が提案されており、一例として、後述の「電子部品パッケージ」などが知られている(特許文献2)。
【0005】
図3を用いて特許文献2記載の電子部品パッケージの概要を説明する。図3によれば、本電子部品パッケージは、ガラス基板100に貫通電極200が形成され、貫通電極200の周囲に開口部300を有した絶縁樹脂層400が形成される。さらに、本電子部品パッケージは、絶縁樹脂層400に導電樹脂層500が積層され、その導電樹脂層500の外面に外部電極600が積層された構造を備えるというものである。これにより、低コストであるガラス材を用いた基板で電子部品パッケージが構成されるので、電子回路基板に実装しても変形等の応力に強い電子部品を実現することができる。そのため、電子部品パッケージは、柔軟性があり優れた応力緩和特性をもつことができ、また、応力を緩和することによって、電子回路基板にはんだ付けした状態でも、ガラス基板に亀裂等が発生することを防止できるため、信頼性が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−302034号公報
【特許文献2】特開2010−103479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の電子部品パッケージには、絶縁樹脂層400が周辺環境にさらされている(一部が外部へ露出している)ため、吸湿や乾燥が生じる結果、絶縁樹脂層400が膨張収縮することで劣化するという課題がある。
【0008】
本発明の課題は、基板が低コストな脆性材料で構成され、変形等の応力に強く、且つ、耐候性が高い、信頼性の良い電子デバイス及び当該電子デバイスの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
請求項1に記載の発明は、電子デバイスであって、脆性材料により形成された基板と、前記基板の上下何れか一方の面に設けられた内部電極と、前記基板上に実装され、前記内部電極と導通された電子部品と、前記基板を上下に貫通し、一端が前記内部電極と連接された貫通電極と、前記基板の前記内部電極の設けられた面と対抗する面において、前記貫通電極の他端と離間する位置に形成された絶縁樹脂層と、前記絶縁樹脂層の周囲を覆い且つ前記貫通電極の他端と連接するように積層された導電樹脂層と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子デバイスであって、前記導電樹脂層は、導電性のめっき層で覆われてなることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の電子デバイスであって、前記めっき層は金めっきの層であることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の電子デバイスであって、前記基板に接合され、当該基板との接合面に前記電子部品を内部に収納するための凹部を有するカバー部を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、電子デバイスの製造方法であって、脆性材料により形成された基板に、当該基板を上下に貫通する貫通電極を形成する工程と、前記貫通電極の一端と連接するように前記基板の上下何れか一方の面に内部電極を配置する工程と、前記内部電極と導通するように前記基板へ電子部品を実装する工程と、前記基板の前記内部電極が配置された面と対抗する面において、前記貫通電極の他端と離間する位置に絶縁樹脂層を形成する工程と、前記絶縁樹脂層の周囲を覆い且つ前記貫通電極の他端と連接するように導電樹脂層を積層する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の電子デバイスの製造方法であって、前記導電樹脂層を、導電性のめっき層で覆う工程を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の電子デバイスの製造方法であって、前記めっき層は金めっきの層であることを特徴とする。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項5から7のいずれか一項に記載の電子デバイスの製造方法であって、1つの前記基板上に複数の電子デバイスを一括形成した後、前記電子デバイスを個片化する工程を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項9に記載の発明は、請求項5〜8の何れか一項に記載の電子デバイスの製造方法であって、前記基板へ電子部品を実装した後、前記基板との接合面に前記電子部品を内部に収納するための凹部を有するカバー部を前記基板に接合する工程を備えることを特徴とする。
【0018】
ここで、脆性材料としてはシリコン、ガラスを採用する。これらは、セラミックス、特にパッケージとして頻繁に使用されるアルミナ、プラスチック、金属に比べて、低コストであるという利点がある。また、絶縁樹脂層と導電樹脂層とはスクリーン印刷法で形成される。また、基板に多数の電子部品と多数の外部電極とを一括に形成して、形成された電子デバイスを個片に分割することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、電子デバイスは、貫通電極の他端側に絶縁樹脂層が形成される。つまり、本発明に係る電子デバイスは、柔軟性があり応力緩和特性を有するという絶縁樹脂の特性により、基板へ作用する応力に対して当該基板の破壊を抑制することができる。さらに、本発明に係る電子デバイスは、絶縁樹脂層が外部へ露出しないように、その絶縁樹脂層の周囲が導電樹脂層で覆われている。そのため、絶縁樹脂層に吸湿や乾燥が生じることを防止できるので、膨張収縮による劣化を防ぐことができる。
【0020】
したがって、本発明は、基板が低コストな脆性材料で構成され、変形等の応力に強く、且つ、耐候性が高い、信頼性の良い電子デバイス及び当該電子デバイスの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る電子デバイスの断面図である。
【図2】本発明に係る電子デバイスの製造工程を示す図である。
【図3】従来例の電子デバイスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る電子デバイスの断面図である。電子デバイス1は、ガラス基板10(基板)及びカバー60(カバー部)で囲まれた外気と遮断された空洞部90に電子部品50が搭載されている。そして、電子部品50は、実装部40、内部配線30(内部電極)、貫通電極20を介して、絶縁樹脂層70を覆うように形成された導電樹脂層80と電気的に接続されている。
【0023】
電子デバイス1は、電子部品50として音叉型の水晶振動子片を搭載した水晶振動子である。なお、電子デバイス1は、水晶振動子に限らず、ATカット水晶振動子、半導体回路、LED、各種センサなど、ガラス基板10上に各種の電子部品50を搭載可能な電子デバイスを含む。また、電子デバイス1は、電子部品50としてLEDなどを搭載する場合、カバー60を有しなくてもよい。
【0024】
ガラス基板10は、ガラス材等の脆性材料で形成された板状の部材である。なお、脆性材料は、ガラス材に限らず、例えば、コンクリート、セラミックス、鋳鉄等であってよい。
【0025】
カバー60は、ガラス基板10との対向面に凹部が形成されたガラス材である。そして、カバー60の凹部とガラス基板10の上面とは、カバー60がガラス基板10と接合された状態で、空洞部90を形成する。ここで、カバー60としては、ガラス製に限らず、例えば、電子デバイス1が圧力センサなどのMEMSデバイスの場合はシリコン製のもの等を用いることができる。また、カバー60はアルミ製のものを用いることもできる。
【0026】
内部配線30は、金属膜で形成された空洞部90内に配設された配線部材であり、金、銀、白金等の貴金属を使用して表面層が形成される。ここで、貴金属は、イオン化傾向が小さく、耐腐食性があるため、長期的劣化を抑えることができるので、電子デバイス1の信頼性を向上させることができる。また、内部配線30は、金属拡散を防ぐための拡散防止層として、貴金属で形成された表面層の下地にニッケル等の金属層を形成しても良い。内部配線30の形成方法には、スパッタ法が一般的な方法である。また、内部配線30の形成方法にはめっき法を用いることもできる。
【0027】
実装部40は、内部配線30と電子部品50とを電気的に接続して、電子部品50を支持する部材である。当該実装部40は、例えば銀ペースト等の導電接着剤を用いることができる。ここで、内部配線30と電子部品50とは、実装部40である銀ペースト等の導電接着剤を焼成して接合される。ただし、電子部品50の構成によっては、実装部40として導電接着剤を用いなくても良い。例えば、内部配線30の最表面に金を使用した場合、電子部品50上に形成した金バンプ(図示省略)を実装部40として用いることができる。この場合、導電接着剤による接合の替わりに、電子部品50上に形成した金バンプ(実装部40)と内部配線30の金膜とを熱圧着によって接合する金−金接合などを用いることができる。
【0028】
貫通電極20は、ガラス基板10を上下にわたって貫通する貫通孔に形成された電極である。当該貫通電極20は、Agや、Ag−Pd系の金属合金、ガラス・フリットで形成した厚膜ペーストを充填して焼成した厚膜電極、Fe−Ni合金、コバール合金、ジュメット線などの金属リードをガラス・フリットで封止した気密封止電極、あるいは、はんだやめっきなどにより金属封止したものなどで構成される。
【0029】
絶縁樹脂層70は、ガラス基板10の表面(ガラス基板10の内部配線30の設けられた面と対抗する面)において、貫通電極20の端部と離間する位置に形成された絶縁樹脂の層である。導電樹脂層80は、絶縁樹脂層70の周囲を覆うように且つ貫通電極20の端部と連接するように積層された導電樹脂の層である。また、導電樹脂層80の表面に積層される金めっきなどのめっき層(金属膜)は、ガラス基板10に実装される端子としての外部電極95として機能する。なお、絶縁樹脂層70の絶縁樹脂と導電樹脂層80の導電樹脂とは、ともにエポキシ樹脂を含んでいる。
【0030】
ここで、絶縁樹脂は、柔軟性があり応力緩和特性を有するので、各種応力に対して、ガラス基板10の破壊を抑制する利点がある。しかし、絶縁樹脂にはめっきで外部電極が形成できないという欠点がある。一方、導電樹脂は、めっきで外部電極が形成できる利点をもつ。ただし、導電樹脂は、絶縁樹脂より堅くて応力緩和特性が劣るという欠点を持つ。また、導電樹脂は、絶縁樹脂に比べて樹脂含有量が少ないため、ガラスとの密着性も劣る。
【0031】
そこで、上記の通り、ガラス基板10上に絶縁樹脂層70を形成することで、絶縁樹脂層70が、絶縁樹脂の高い応力緩和効果とガラス基板10への密着性を発揮する。さらに、当該絶縁樹脂層70を覆う導電樹脂層80上に外部電極95を形成しているので、導電樹脂のめっきで外部電極95を容易に形成できる。また、絶縁樹脂層70と導電樹脂層80とは、上述の通りエポキシ樹脂を含んでいるため、強固に密着することができる。
【0032】
以上により、絶縁樹脂と導電樹脂の密着性も利用できて、かつ、応力緩和効果と密着性にも優れた電極形成構造が得られる。なお、絶縁樹脂・導電樹脂共に、吸湿や乾燥によって膨張収縮する懸念があるが、本構造のように、外部電極95として金めっきなどのめっきにより形成される金属膜を用いることで、吸湿や乾燥による膨張収縮を防ぐことができる。
【0033】
ここで、絶縁樹脂層70と導電樹脂層80の層の厚さは、各樹脂層をスクリーン印刷で形成する場合、各々10〜30μm程度が望ましい。例えば、層の厚さが10μm以下では、ガラス基板10の応力を緩和することが難しくなる。また、各樹脂の層の厚さを30μm以上に形成することは容易ではないので、生産コストが増加してしまう。以上示したように、絶縁樹脂層70と導電樹脂層80の層の厚さを各々10μm〜30μm程度にすることで、それぞれの樹脂層を安価に製造でき、かつ、応力緩和の効果の高い構造が得られる。
【0034】
以上説明したように、本実施形態に示す絶縁樹脂層と導電樹脂層との2層構造を有する構成は、絶縁樹脂単層、または、導電樹脂単層の構成に比べて、応力緩和特性が優れ、しかもガラス基板との密着性が非常に高い。さらに、導電樹脂を構成する合成樹脂と絶縁樹脂とがさまざまな組み合わせをとり得るため、本発明の2層構造を有する電極をもつ電子デバイス1は、高温多湿の環境や温度サイクルに対する信頼性が高い。
【0035】
特に、一般的には、ガラスとの接着や温度サイクルなどを考慮した場合、導電樹脂に採用できる樹脂には制約がある。しかし、本実施形態の絶縁樹脂と導電樹脂の2層構造を採用することにより、さまざまな導電樹脂が使用できるようになる。
【0036】
(電子デバイスの製造方法)
次に、電子デバイス1の製造方法について、図2を用いて説明する。図2は、ウェハーレベルで作製され、最後にダイシング等で切断されて得られる電子デバイスの製造方法を示す。なお、本願発明は、これに限定されず、はじめから個別パッケージで形成されてもよい。
【0037】
図2は、本発明に係る電子デバイスの製造工程を示す図である。
図2(a)は、ガラス基板10に貫通孔を形成する工程を説明するための図である。ここで、貫通孔は、サンドブラスト、レーザー加工、ドリル加工、熱プレス加工等で製造する。
【0038】
図2(b)は、先の工程で形成した貫通孔へ貫通電極20を形成する工程を説明するための図である。貫通電極20には、Agや、Ag−Pd系の金属合金、ガラス・フリットで形成した厚膜ペーストを充填して焼成した厚膜電極、Fe−Ni合金、コバール合金、ジュメット線などの金属リードをガラス・フリットで封止した気密封止電極、あるいは、はんだやめっきなどにより金属封止したものなどが利用できる。
【0039】
図2(c)は、ベース基板10の上下一方の面(図2(c)の上面)に、貫通電極20と電気的に導通するように内部配線30を形成する工程を説明するための図である。ここで、内部配線30は、スパッタ法、めっき法等を用いて形成する。
【0040】
図2(d)は、内部配線30と電子部品50とを実装部40を介して、接続する電子部品接続工程を説明するための図である。ここで、内部配線30と電子部品50とを接続する実装部40は、例えば銀ペースト等の導電接着剤を用いることができる。その場合、内部配線30と電子部品50とは、接続部である銀ペースト等の導電接着剤を焼成して接合される。また、電子部品50の構成によっては、接続部として導電接着剤を用いなくても良い。例えば、内部配線30の最表面に金を使用した場合、電子部品50上に形成した金バンプを実装部40として用いることができる。その場合、電子部品40上に形成した金バンプと内部配線30の金膜とを熱圧着によって接合する金−金接合などを導電接着剤の代わりに用いて接合することができる。
【0041】
図2(e)は、ガラス基板10に搭載された電子部品50を保護するため、凹部を設けたカバー60をガラス基板10と接合するキャップ接合工程を説明するための図である。この工程において、ガラス基板10のカバーの凹部と対抗する面(上面)とカバー60の凹部とで空洞部90を形成する。これにより、空洞部90に電子部品が設けられる。また、カバー60の材質は、例えばシリコン、ガラス、アルミニウム等を用いることができ、接合方法や、真空度やコスト等などの電子部品50に要求される仕様を考慮して選択すればよい。例えば、電子部品50が水晶振動子片であり、ガラス基板10とカバー60との接合後に周波数調整をする場合には、カバー60にはガラス製の部材を選択することが望ましい。また、接合方法として、例えば接着や陽極接合、金−金接合等を用いることができる。なお、ガラス基板10側に凹部が形成されている場合、カバー60に凹部を形成する必要はない。この場合、ガラス基板10の凹部とカバー60の当該凹部と対向する面とで空洞部が形成されるので、電子部品50を当該空洞部に設ければよい。
【0042】
図2(f)は、ガラス基板10の表面(内部配線30を形成した面と対向する面)に絶縁樹脂層70を形成する工程を説明するための図である。絶縁樹脂層70は、スクリーン印刷によって形成する。このとき、絶縁樹脂層70は、貫通電極20の端部を蓋うと電気的に導通しなくなるため、貫通電極20の端部上は開口するように(端部から間隔を隔てて)形成する。
【0043】
図2(g)は、絶縁樹脂層70を覆うように導電樹脂層80を形成し、導電樹脂層80にめっきする工程を説明するための図である。ここで、導電樹脂層80は、スクリーン印刷によって形成する。そして、導電樹脂層80は、加熱して固化させた後、無電解めっきにより、ガラス基板10との実装部となる外部電極95を形成する。無電解めっきによる金属膜の最表面は金、銀、白金等の貴金属を使用する。
【0044】
図2(h)は、パッケージを個片化する工程を説明するための図である。すなわち、1つのガラス基板10上に複数の電子デバイス1を一括形成した後、電子デバイス1を個片化する工程である。この工程において、カバー60の材質によって個片化する方法は異なるが、例えば、ダイシング、またはレーザーカット法を用いることができる。
【0045】
本発明の電子デバイスは、例えば、本発明の電子デバイスを発振子として用いた発振器又は時計、本発明の電子デバイスを計時部に備えた携帯情報機器、本発明の電子デバイスを時刻情報などの電波を受信部に備えた電波時計等の電子機器に用いることができる。
【符号の説明】
【0046】
1 電子デバイス
10 ガラス基板
20 貫通電極
30 内部配線
40 実装部
50 電子部品
60 カバー
70 絶縁樹脂層
80 導電樹脂層
90 空洞部
95 外部電極
100 ガラス基板
200 貫通電極
300 開口部
400 絶縁樹脂層
500 導電樹脂層
600 外部電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脆性材料により形成された基板と、
前記基板の上下何れか一方の面に設けられた内部電極と、
前記基板上に実装され、前記内部電極と導通された電子部品と、
前記基板を上下に貫通し、一端が前記内部電極と連接された貫通電極と、
前記基板の前記内部電極の設けられた面と対抗する面において、前記貫通電極の他端と離間する位置に形成された絶縁樹脂層と、
前記絶縁樹脂層の周囲を覆い且つ前記貫通電極の他端と連接するように積層された導電樹脂層と、
を備えたことを特徴とする電子デバイス。
【請求項2】
前記導電樹脂層は、導電性のめっき層で覆われてなることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記めっき層は金めっきの層であることを特徴とする請求項2に記載の電子デバイス。
【請求項4】
前記基板に接合され、当該基板との接合面に前記電子部品を内部に収納するための凹部を有するカバー部を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の電子デバイス。
【請求項5】
脆性材料により形成された基板に、当該基板を上下に貫通する貫通電極を形成する工程と、
前記貫通電極の一端と連接するように前記基板の上下何れか一方の面に内部電極を配置する工程と、
前記内部電極と導通するように前記基板へ電子部品を実装する工程と、
前記基板の前記内部電極が配置された面と対抗する面において、前記貫通電極の他端と離間する位置に絶縁樹脂層を形成する工程と、
前記絶縁樹脂層の周囲を覆い且つ前記貫通電極の他端と連接するように導電樹脂層を積層する工程と、
を備えたことを特徴とする電子デバイスの製造方法。
【請求項6】
前記導電樹脂層を、導電性のめっき層で覆う工程を備えることを特徴とする請求項5に記載の電子デバイスの製造方法。
【請求項7】
前記めっき層は金めっきの層であることを特徴とする請求項6に記載の電子デバイスの製造方法。
【請求項8】
1つの前記基板上に複数の電子デバイスを一括形成した後、前記電子デバイスを個片化する工程を備えることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の電子デバイスの製造方法。
【請求項9】
前記基板へ電子部品を実装した後、前記基板との接合面に前記電子部品を内部に収納するための凹部を有するカバー部を前記基板に接合する工程を備えることを特徴とする請求項5〜8の何れか一項に記載の電子デバイスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−58689(P2013−58689A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197356(P2011−197356)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】