説明

電子機器、クレードル装置、音響装置及び制御方法

【課題】スピーカーの音響出力領域に電子機器が配置された場合でも、配置されていない場合と同様の音響を使用者に提供できる電子機器を提供する。
【解決手段】クレードル装置3は、音響信号端子22より入力された音響信号に基づく音響を出力するスピーカー23を備える。携帯電話機2は、クレードル装置3に載置可能な送話筐体6と、音響信号端子22と接続可能な音響信号端子36を介してクレードル装置3に音響信号を出力する音響処理部33とを有する。音響信号変更部41は、携帯電話機2の受話筐体5がスピーカー23の音響出力領域に配置されている場合、スピーカー23へ出力される音響信号を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、携帯電話機等の電子機器(携帯端末装置)、該電子機器が載置されるクレードル装置、並びに、該電子機器及びクレードル装置を具備する音響装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機等の携帯端末装置をクレードル装置に載置する技術が知られている。クレードル装置としては、例えば携帯電話機を充電する機能を有したものが広く普及している。特許文献1では、クレードル装置にスピーカーを搭載し、携帯電話機の充電中に携帯電話機からの音響信号を当該スピーカーにより再生する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2003−32351号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、スピーカーの配置位置、携帯端末装置の大きさ、携帯端末装置の開閉状態等によっては、携帯端末装置をクレードル装置に載置したときに、携帯端末装置がクレードル装置のスピーカーを覆ってしまうことがある。この場合、スピーカーから出力された音響は、音量、音圧、周波数特性等が変化して使用者に伝達される。
【0004】
本発明の目的は、スピーカーの音響出力領域に電子機器が配置された場合でも、配置されていない場合と略同様の音響を使用者に提供可能な電子機器、クレードル装置、音響装置及び制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の観点の電子機器は、音響信号を変換して出力する外部スピーカーに対して所定の位置関係で配置可能な筐体と、前記筐体に配置され、当該筐体が前記外部スピーカーに対して前記所定の位置関係で配置されたときに、前記音響信号を前記外部スピーカーに出力可能な音響出力手段と、を備え、前記音響出力手段は、前記筐体が前記所定の位置関係で配置され、前記筐体が前記外部スピーカーの音響出力領域に位置する場合、前記外部スピーカーに出力する前記音響信号を変更する音響信号変更手段を有する。
【0006】
好適には、前記音響信号変更手段は、前記外部スピーカーから出力される前記音響の音量又は音圧が増大される、或いは前記音響の周波数特性を変更するように前記音響信号を変更する。
【0007】
好適には、前記音響信号変更手段は、前記外部スピーカーから出力される前記音響のうちのすくなくとも高音領域における音響の前記音量又は前記音圧が増大されるように前記音響信号を変更する。
【0008】
好適には、前記筐体内に前記筐体が前記外部スピーカーの音響出力領域に位置するか否かを判定する筐体位置判定手段を有し、前記音響変換手段は、前記筐体位置判定手段により前記筐体が前記外部スピーカーの音響出力領域に位置すると判定された場合に前記外部スピーカーに出力する前記音響信号を変更する。
【0009】
好適には、前記筐体は、第1筐体と、前記第1筐体に対して開閉可能に連結される第2筐体とを備えるとともに、前記第1筐体及び第2筐体の一方は、開状態及び閉状態の何れでも前記所定の位置関係で配置可能に構成され、前記筐体には、前記第1筐体と前記第2筐体との開閉状態を検出する開閉検出手段が設けられ、前記筐体位置判定手段は、前記開閉検出手段により前記第1筐体と前記第2筐体とが閉状態にあると検出された場合に、前記筐体が前記外部スピーカーの音響出力領域に位置しないと判定する。
【0010】
好適には、前記筐体位置判定手段が、前記筐体が前記外部スピーカーの音響出力領域に位置すると判定する条件には、所定の筐体配置検出手段により前記筐体が前記所定の位置関係で配置されていると検出されたことが含まれる。
【0011】
好適には、前記筐体に設けられて、前記音響出力手段から出力される音響信号に基づく音響を出力可能な内部スピーカーを備え、前記音響信号変更手段は、前記筐体が前記外部スピーカーの前記音響出力領域に位置する場合に、前記内部スピーカーへ出力される前記音響信号を変更する。
【0012】
好適には、前記音響信号変更手段は、前記内部スピーカーから出カされる音響の音量又は音圧が増大されるように前記内部スピーカーへ出力される前記音響信号を変更する。
【0013】
本発明の第2の観点の電子機器は、音響信号を変換して出力する外部スピーカーに対して所定の位置関係で配置可能な筐体と、前記筐体に配置され、当該筐体が前記外部スピーカーに対して前記所定の位置関係で配置されたときに、前記音響信号を前記外部スピーカーに出力可能な音響出力手段と、前記筐体に配置されて、前記音響出力手段から出力される前記音響信号に基づく音響を出力可能な内部スピーカーと、を有し、前記音響出力手段は、前記筐体が前記所定の位置関係で配置され、前記筐体が前記外部スピーカーの音響出力領域に位置する場合、前記内部スピーカーへ出力する前記音響信号を変更する音響信号変更手段を有する。
【0014】
好適には、前記音響信号変更手段は、前記内部スピーカーから出力される前記音響の音量又は音圧が増大される、或いは前記音響の周波数特性を変更するように前記音響信号を変更する。
【0015】
好適には、前記音響信号変更手段は、前記内部スピーカーから出力される前記音響のうちの少なくとも高音領域における音響の前記音量又は前記音圧が増大されるように前記音響信号を変更する。
【0016】
好適には、前記電子機器は携帯端末装置であり、前記外部スピーカーは、前記携帯端末装置が載置されるクレードル装置に設けられ、前記所定の位置関係は、前記携帯端末装置がクレードル装置に載置されたときの位置関係であり、前記筐体は、前記クレードル装置に載置されたときに前記クレードル装置に設けられた外部端子に接続されて電力供給を受ける充電端子を有する。
【0017】
本発明の第3の観点のクレードル装置は、電子機器を載置可能な載置部と、前記電子機器から出力される音響信号に基づく音響を出力するスピーカーと、前記電子機器から出力された前記音響信号を前記スピーカーに出力する音響出力手段と、を備え、前記音響出力手段は、前記電子機器が前記スピーカーの音響出力領域に位置した状態で前記載置部に載置された場合に、前記スピーカーへ出力する前記音響信号を変更する音響信号変更手段を有する。
【0018】
好適には、前記音響信号変更手段は、前記スピーカーから出力される音響の音量又は音圧が増大される、或いは前記音響の周波数特性を変更するように前記音響信号を変更する。
【0019】
好適には、前記音響信号変更手段は、前記スピーカーから出力される前記音響のうちの少なくとも高音領域における音響の前記音量又は前記音圧が増大されるように前記音響信号を変更する。
【0020】
好適には、前記電子機器が前記スピーカーの音響出力領域に位置する状態で前記載置部に載置されているか否かを判定する載置状態判定手段を備え、前記音響出力手段は、前記載置状態判定手段により、前記電子機器が前記スピーカーの音響出力領域に位置する状態で前記載置部に載置されていると判定された場合に、前記スピーカーへ出力する音響信号を変更する。
【0021】
好適には、前記載置状態判定手段は、前記電子機器が、第1筐体、当該第1筐体と開閉可能に連結された第2筐体、及び前記開閉状態を検出する開閉検出手段を有する場合に、前記開閉検出手段の検出結果を取得可能であり、前記開閉検出手段により前記電子機器の閉状態が検出された場合には、前記電子機器が前記スピーカーの音響出力領域に位置する状態で前記クレードル装置に載置されていないと判定する。
【0022】
本発明の第4の観点の音響装置は、外部スピーカーを備えて入力部より入力された音響信号に基づく音響を前記外部スピーカーから出力するクレードル装置と、前記クレードル装置に載置可能な筐体と、前記入力部と接続可能な出力部を介して前記クレードル装置に音響信号を出力する音響出力手段と、を有する電子機器と、前記筐体が前記外部スピーカーの音響出力領域に位置する状態で前記クレードル装置に載置されている場合、前記外部スピーカーへ出力される前記音響信号を変更する音響信号変更手段と、を有する。
【0023】
好適には、前記音響信号変更手段は、前記外部スピーカーから出力される前記音響の音量又は音圧が増大される、或いは前記音響の周波数特性を変更するように前記音響信号を変更する。
【0024】
好適には、前記音響信号変更手段は、前記外部スピーカーから出力される前記音響のうちのすくなくとも高音領域における音響の前記音量又は前記音圧が増大されるように前記音響信号を変更する。
【0025】
好適には、前記電子機器が前記スピーカーの音響出力領域に位置する状態で前記クレードル装置に載置されているか否かを判定する載置状態判定手段を備え、前記筐体は、第1筐体と、前記第1筐体に対して開閉可能に連結される第2筐体とを備えるとともに、開状態及び閉状態の何れでも前記クレードル装置に載置可能に構成され、前記第1筐体と前記第2筐体との開閉状態を検出する開閉検出手段が設けられ、前記載置状態判定手段は、前記開閉検出手段により前記第1筐体と前記第2筐体とが閉状態にあると検出された場合に、前記電子機器が前記スピーカーの音響出力領域に位置する状態で前記クレードル装置に載置されていないと判定する。
【0026】
好適には、前記筐体に設けられて、前記音響出力手段から出力される音響信号に基づく音響を出力可能な内部スピーカーを備え、前記音響信号変更手段は、前記筐体が前記外部スピーカーの前記音響出力領域に位置する場合に、前記内部スピーカーへ出力される前記音響信号を変更する。
【0027】
本発明の第5の観点の制御方法は、クレードル装置に載置された電子機器からの音響信号を前記クレードル装置に設けられたスピーカーへ出力し、当該音響信号に基づく音響を前記スピーカーから出力させる音響装置の制御方法において、前記電子機器が前記クレードル装置に載置されているか否かを検出し、載置されていると検出されたことを少なくとも一つの条件として含む変更条件が満たされた場合、前記スピーカーへ出力される前記音響信号を変更する。
【0028】
好適には、前記スピーカーへ出力される前記音響信号を変更する際に、前記スピーカーから出力される前記音響の音量又は音圧が増大される、或いは前記音響の周波数特性を変更するように前記音響信号を変更する。
【0029】
好適には、前記スピーカーへ出力される前記音響信号を変更する際に、前記スピーカーから出力される前記音響のうちの少なくとも高音領域における音響の前記音量又は前記音圧が増大されるように前記音響信号を変更する。
【0030】
好適には、前記電子機器が第1筐体と当該第1筐体と開閉可能に連結された第2筐体とを有して、開状態及び閉状態の何れでも前記クレードル装置に載置可能に構成される場合に、前記電子機器の開閉状態を検出し、前記変更条件には、前記電子機器が開状態にあると検出されたことが含まれる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、スピーカーの音響出力領域に電子機器が配置された場合でも、配置されていない場合と略同様の音響を使用者に提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話機2及びクレードル装置3を示す一部に透視図を含む平面図であり、図1(a)はクレードル装置3を示し、図1(b)は閉状態の携帯電話機2を示し、図1(c)は開状態の携帯電話機2を示している。
【0033】
図2は、携帯電話機2をクレードル装置3に載置した状態を示す一部に透視図を含む平面図であり、図2(a)は携帯電話機2を閉状態にした場合を、図2(b)は携帯電話機2を開状態にした場合を示している。
【0034】
図3は、携帯電話機2をクレードル装置3に載置した状態を示す一部に透視図を含む側面図であり、図3(a)は携帯電話機2を閉状態にした場合を、図3(b)は携帯電話機2を開状態にした場合を示している。
【0035】
なお、携帯電話機2及びクレードル装置3の組み合わせにより、音響装置1が構成されている。
【0036】
携帯電話機2は、いわゆる折り畳み式の携帯電話機として構成されており、受話筐体(第2筐体)5と、送話筐体(第1筐体)6とを備えている。受話筐体5及び送話筐体6は、それぞれの端部が連結部7により連結されており、携帯電話機2は、連結部7を回動の中心として開閉可能である。受話筐体5及び送話筐体6は、それぞれ概ね薄型直方体に形成されており、閉状態では互いに重ね合わされ、一方の筐体側から他方の筐体側を見たときに互いの輪郭が略一致するようになっている。
【0037】
受話筐体5は、例えば樹脂により略薄型直方体状に形成されている。受話筐体5には、閉状態で送話筐体6に対向する対向面に画像を表示する表示部9が設けられている。表示部9は、例えば液晶表示ディスプレイによって構成されている。なお、受話筐体5には、この他、通話用のスピーカー39(図4参照)が設けられ、当該スピーカーの放音口10が対向面に設けられている。
【0038】
送話筐体6は、例えば樹脂により略薄型直方体状に形成されている。送話筐体6には、ユーザの操作を受け付ける操作部12、電波の送受信を行うメインアンテナ13及びサブアンテナ14、報知音等を出力するスピーカー15、通話用のマイクロフォン35(図4参照)、マイクロフォン35の導音孔16、携帯電話機2の開閉を検出する開閉検出部26が設けられている。
【0039】
メインアンテナ13は、送話筐体6の連結部7とは反対側の端部に内蔵されている。サブアンテナ14は、送話筐体6の側面側であって、送話筐体6中央とメインアンテナ13との間の位置において、送話筐体6に内蔵されている。メインアンテナ13及びサブアンテナ14はダイバーシティアンテナとして構成されている。例えば、メインアンテナ13は、送受話やメールの送受信等に用いられ、常時利用される。サブアンテナ14は、音楽をダウンロードするときなど、音声通話時以外のデータ通信が行われるときにメインアンテナ13と併せて利用される。
【0040】
スピーカー15は、送話筐体6の連結部7側の端部に内蔵され、送話筐体6の側方側に2つ設けられている。送話筐体6の連結部7側の端部には、受話筐体5と対向する面とは反対側の面(クレードル装置に対向する面)に開口し、スピーカー15の出力した音響を放音する放音孔17が設けられている。なお、放音孔17を送話筐体6の側面に開口するように設けてもよい。スピーカー15は、例えば、着信や誤操作等を知らせる報知音の出力、ハンズフリー機能を利用して通話する際における通話相手の音声の出力、音楽や映画再生における音響出力に用いられるものである。
【0041】
開閉検出部26は、適宜なスイッチあるいはセンサを含んで構成されている。例えば、受話筐体5と送話筐体6との角度が所定以下になったときに押圧されてオン信号を出力する押圧スイッチを用いてもよい。反射面と、当該反射面に向けて特定の周波数の光を出射するとともに反射した特定の周波数の光を受光し、受光量が閾値を超えたときにオン信号を出力する光センサとを、開閉に伴って互いの相対距離が変化するように配置してもよい。オン信号又はオフ信号のようにデジタル式のものではなく、受光量に応じた電圧の信号を出力する光センサを用いてもよい。なお、一般に、開閉可能に構成された携帯電話機には、開閉状態に応じて表示部等の動作状態を切り換えるために開閉検出部が設けられており、開閉検出部26には、当該開閉検出部を用いればよい。
【0042】
クレードル装置3は、筐体18と、クレードル装置3に電力を供給するためのコード19と、クレードル装置3と携帯電話機2とを電気的に接続するための充電端子20、21及び音響信号端子(入力部)22と、携帯電話機2から入力された音響信号に基づく音響を出力するスピーカー23と、携帯電話機2の載置状態を検出する載置(配置)状態検出部27と、載置状態検出部27からの信号を携帯電話機2に出力するための検出端子28とを備えている。
【0043】
筐体18は、例えば、机上などに載置される下部カバー18aと、下部カバー18aに被せられる上部カバー18bとを備えている。下部カバー18a及び上部カバー18bは例えば樹脂により形成されている。上部カバー18bは、筐体18が載置される面に対して傾斜するように下部カバー18aに被せられており、筐体18は、全体として、載置される面(机面等)に対して傾斜する傾斜面18cを有する台形状に形成されている。
【0044】
筐体18の上面には、携帯電話機2を載置するための凹部(載置部)25が形成されている。凹部25は、傾斜面18cの下方側に設けられている。凹部25は、携帯電話機2の送話筐体6が嵌合する形状に形成されるとともに、送話筐体6の背面が当接する底部が、クレードル装置3が載置される面(机面等)に対して傾斜するように形成されている。携帯電話機2は、連結部7側を傾斜面18cの上方側に向けて、送話筐体6が凹部25に嵌合挿入されることにより、クレードル装置3に載置されている。
【0045】
なお、送話筐体6のクレードル装置3の筐体18に対する配置位置は凹部25に規定され、スピーカー23の配置位置はクレードル装置3の筐体18に対して固定されている。すなわち、送話筐体6を凹部25に載置したときの送話筐体6のスピーカー23に対する位置関係は一定であり、当該位置関係は、本発明の所定の位置関係の一例である。
【0046】
図3(a)及び図3(b)に示すように、凹部25の深さは送話筐体6の厚さと略同等又はそれ以下である。従って、携帯電話機2を凹部25内に載置した状態で、携帯電話機2を開閉しても、傾斜面18cの凹部25周縁は受話筐体5に当接せず、携帯電話機2の開閉は妨げられない。
【0047】
コード19は、筐体18から延出しており、その先端には、不図示の電源プラグが設けられている。電源プラグが、商用周波数の電力を供給するための電源レセプタクルに挿入されることにより、コード19を介してクレードル装置3に電力が供給される。
【0048】
充電端子20、21は、凹部25の底部から突出するように設けられており、携帯電話機2を凹部25に嵌合挿入すると、携帯電話機2の送話筐体6に設けられた充電端子37(図4参照)に当接して接続される。
【0049】
音響信号端子22は、凹部25の底部から突出するように設けられている。また、充電端子20、21に隣接して設けられている。音響信号端子22は、携帯電話機2を凹部25に嵌合挿入すると、携帯電話機2の送話筐体6に設けられた音響信号端子(出力部)36(図4参照)に当接して接続される。
【0050】
スピーカー23は、凹部25よりも傾斜面18cの上方側に設けられている。スピーカー23は、放音面が傾斜面18cの裏面に対向するように(上方を向くように)配置されており、傾斜面18cには、スピーカー23により出力された音響を放音するための放音孔24が設けられている。スピーカー23は、例えば、低音用のスピーカー、いわゆるウーファによって構成されている。
【0051】
なお、携帯電話機2は、連結部7をスピーカー23に向けて凹部25に載置され、連結部7とは反対側の端部側にメインアンテナ13及びサブアンテナ14が設けられているから、メインアンテナ13及びサブアンテナ14は、携帯電話機2の筐体のなかで、スピーカー23に離れた位置に配置されていることになる。
【0052】
また、スピーカー23は、傾斜面18cの上方側に設けられ、メインアンテナ13及びサブアンテナ14は、傾斜面18cの下方側に設けられているから、メインアンテナ13及びサブアンテナ14はスピーカー23よりも鉛直方向において若干下方の位置(異なる位置)に配置されている。
【0053】
なお、メインアンテナ13及びサブアンテナ14のうち、いずれか一方のみをスピーカー23から離れた位置やスピーカー23の配置位置と鉛直方向において異なる位置に配置してもよい。
【0054】
載置状態検出部27は凹部25に設けられ、適宜なスイッチあるいはセンサを含んで構成されている。例えば、携帯電話機2が凹部25に載置されると携帯電話機2の自重によって押圧されてオン信号を出力する押圧スイッチを含んで構成されてもよい。特定の周波数の光を出射するとともに、携帯電話機2により反射した特定の周波数の光を受光し、受光量が閾値を超えたときにオン信号を出力する光センサを用いてもよい。
【0055】
検出端子28は、凹部25の底部から突出するように設けられている。例えば、充電端子20、21に隣接して設けられている。検出端子28は、携帯電話機2を凹部25に嵌合挿入すると、携帯電話機2の送話筐体6に設けられた検出端子40(図4参照)に当接して接続される。
【0056】
図4は、携帯電話機2及びクレードル装置3の信号処理系の構成を示すブロック図である。
【0057】
携帯電話機2は、各種電子素子の動作を制御する制御部31と、無線通信を行うための通信処理部(通信手段)32と、音響出力に係る処理を行う音響処理部(音響出力手段)33と、充電回路34とを備えている。なお、携帯電話機2は、この他にも、制御部31からの映像データを映像信号に変換して表示部9に出力する画像処理部等の種々の手段を備えるが図示は省略する。
【0058】
制御部31は、例えばCPU、ROM、RAM等を含んだICにより構成されており、CPUはROMに記録されたプログラムを実行し、操作部12からの信号等に基づいて通信処理部32、音響処理部33等の動作を制御する。開閉検出部26の検出信号や、載置状態検出部27の検出信号は制御部31に出力される。
【0059】
通信処理部32は、高周波回路を含んで構成され、電波を利用した無線通信を行う。具体的には、通信処理部32は、制御部31等で処理された音響データ、画像データ等の各種データを変調して、メインアンテナ13を介して送信する。また、通信処理部32は、メインアンテナ13及びサブアンテナ14を介して受信した信号を復調して制御部31等に出力する。
【0060】
音響処理部33は、マイクロフォン35からの音響信号、外部記憶装置に記憶された楽曲データに基づく音響信号等をミキシング、増幅するなどして、通話用のスピーカー39、報知等に利用されるスピーカー15及び音響信号端子36に出力する。
【0061】
音響信号変更部41は、スピーカー15及び音響信号端子36、22を介してスピーカー23に出力する音響信号を変更する。例えば、音量又は音圧が増大される、或いは音響の周波数特性を変更するように音響信号を変更する。周波数特性の変更は、例えば、音響のうちのすくなくとも高音領域における音量又は音圧が増大されるように音響信号を変更する。また、音量、音圧、周波数特性の変更は、例えば1kHz〜10kHzの音響に対して行われる。なお、音響信号がどのように変更されるかは、製造者が設定してもよいし、使用者が設定してもよい。
【0062】
音響信号変更部41は、デジタル的に音響信号を変更するものでもよいし、アナログ的に音響信号を変更するものでもよい。例えば、DSP等により構成された音源ICのイコライザ設定を切り換えるイコライザ処理部を含んで構成され、イコライザ設定の切換により、周波数特性等をデジタル的に変更するものでもよい。アナログ可変フィルタを含んで構成され、アナログ可変フィルタの特性を制御することにより、周波数特性等をアナログ的に変更するものでもよい。フィルタと、フィルタをオン、オフする切換スイッチとを含んで構成され、フィルタのオン、オフにより周波数特性等をアナログ的に変更するものでもよい。
【0063】
充電回路34は、充電端子37に供給された電力を適宜な電圧の電力に変換して、携帯電話機2の電源としてのバッテリ38に供給する。また、バッテリ38の充電状態等に応じてバッテリ38への充電(電力供給)を開始したり、充電の中断を行う。
【0064】
クレードル装置3は、増幅器51、充電器(ACコンバータ)52を備えている。増幅器51は、音響信号端子22を介して携帯電話機2から入力された音響信号を増幅してスピーカー23に出力する。充電器52は、コード19を介して供給された商用周波数の交流電流を適宜な電圧の直流電流に変換して充電端子20、21に出力する。なお、クレードル装置3は充電機能を有していなくてもよい。
【0065】
図5は、制御部31が音響信号変更部41の動作を制御するために実行する処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、例えば、携帯電話機2の電源投入後、所定の周期(例えば1秒)で繰り返し実行される。
【0066】
ステップS1では、制御部31は、載置状態検出部27から出力され、検出端子28及び検出端子40を介して入力される検出結果に基づいて、携帯電話機2がクレードル装置3に載置されているか否かを判定する。載置されていると判定した場合は、ステップS2に進む。
【0067】
ステップS2では、制御部31は、開閉検出部26からの検出結果に基づいて、携帯電話機2が開状態か否かを判定する。ここでは、開閉検出部26により例えば受話筐体5と送話筐体6との角度が30度以上となると開状態と判定され、反対に同角度が15度以下となると閉状態と判定される。そして、開状態であると判定した場合はステップS3に進む。
【0068】
携帯電話機2がクレードル装置3に載置され、かつ、開状態である場合には、図2(b)及び図3(b)等に示すように、スピーカー23は受話筐体5により覆われており、スピーカー23からの音響の音量、音圧、周波数特性等が変化してしまう。
【0069】
そこで、ステップS3では、制御部31は、スピーカー15に出力する音響信号及び音響信号端子36、22を介してスピーカー23に出力する音響信号のうち少なくとも一方の音量、音圧、周波数特性等を変更するように、音響信号変更部41の動作を制御する。
【0070】
なお、制御部31は、ステップS1又はステップS2を実行しているときは筐体位置判定手段又は載置状態判定手段として機能する。
【0071】
以上の実施形態によれば、携帯電話機2がクレードル装置3に載置されており、且つ開状態であると判定されると、携帯電話機2の受話筐体5によりクレードル装置3のスピーカー23が覆われた場合のように、携帯電話機2の筐体がクレードル装置3のスピーカー23の音響出力領域に位置する場合には、クレードル装置3のスピーカー23に出力する音響信号を、音響信号変更部41により、スピーカー23が覆われていない場合に対して変更することから、スピーカー23が受話筐体5により覆われていることによる音響の変化を防止できる。
【0072】
例えば、スピーカー23から出力される音響の音量又は音圧が増大されるようにすることにより、使用者に伝達される音響の音量又は音圧の低下を防止できる。周波数の高い音響ほど、指向性が高いために筐体がスピーカー23の音響出力領域に位置するときの音量又は音圧の低下が大きいが、周波数特性を変更することにより、具体的には、スピーカー23から出力される高音領域における音響の音量又は音圧が増大されるように周波数特性を変更することにより、音質の変化を防止できる。
【0073】
また、音響信号変更部41は、携帯電話機2のスピーカー15から出力される音響の音響信号も変更するから、スピーカー23の音響の変化を、スピーカー15により補完することができる。
【0074】
例えば、スピーカー15から出カされる音響の音量又は音圧が増大されるようにスピーカー15へ出力される音響信号を変更することにより、使用者に伝達される音響の音量又は音圧の低下を防止できる。周波数特性を変更することにより、具体的には、スピーカー23から出力される高音領域における音響の音量又は音圧が増大されるように周波数特性を変更することにより、音質の変化を防止できる。
【0075】
(第2の実施形態)
図6は、本発明の第2の実施形態に係る携帯電話機102及びクレードル装置103を備えた音響装置101の信号処理系の構成を示すブロック図である。なお、第2の実施形態の構造は図1〜図3と同様であり、第1の実施形態と同様の構成については第1の実施形態と同一符号を付す。
【0076】
第2の実施形態では、クレードル装置103に音響処理部151が設けられている。音響処理部151は、例えば音響信号端子22を介して入力された音響信号を増幅する増幅器等を含んで構成され、音響信号端子22を介して入力された音響信号をスピーカー23に出力する。
【0077】
音響処理部151は、音響信号変更部141を備えている。音響信号変更部141は、第1の実施形態の音響信号変更部41と同様に、音響信号を変更するものであり、音響信号端子22を介して入力された音響信号を変更する。
【0078】
音響処理部151の動作は、クレードル装置103に設けられた制御部153により制御される。制御部153は、制御部31と同様にIC等により構成され、載置状態検出部27からの検出信号及び検出端子40、28を介して入力される開閉検出部26からの検出信号に基づいて、音響信号変更部141の動作を制御する。その処理手順は、第1の実施形態の図5と同様である。
【0079】
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、携帯電話機2の受話筐体5によりクレードル装置3のスピーカー23が覆われた場合、クレードル装置3のスピーカー23に出力する音響信号を、音響信号変更部141により、スピーカー23が覆われていない場合に対して変更することから、スピーカー23が受話筐体5により覆われていることによる音響の変化を防止できる。
【0080】
例えば、スピーカー23から出力される音響の音量又は音圧が増大されるようにすることにより、使用者に伝達される音響の音量又は音圧の低下を防止できる。周波数特性を変更することにより、具体的には、スピーカー23から出力される高音領域における音響の音量又は音圧が増大されるように周波数特性を変更することにより、音質の変化を防止できる。
【0081】
また、クレードル装置103のスピーカー23の音響の変化を防止するための構成のほとんどがクレードル装置103に設けられていることから、既存の携帯電話機に対する設計変更を少なくできる。
【0082】
(第3の実施形態)
図7は、本発明の第3の実施形態に係る携帯電話機202(202′)及びクレードル装置203を備えた音響装置201(201′)を示す一部に透視図を含む側面図である。図7(a)は、クレードル装置203に携帯電話機202を載置した状態を示しており、図7(b)は、図7(a)と同一のクレードル装置203に、図7(a)の携帯電話機202とは別の携帯電話機202′を載置した場合を示している。また、図8は、クレードル装置203の外観斜視図である。
【0083】
携帯電話機202(202′)は、いわゆるストレートタイプの携帯電話機として構成されており、一の筐体205(205′)を備えている。ただし、クレードル装置203には、第1及び第2の実施形態のような開閉可能な携帯電話機を載置することも可能である。
【0084】
携帯電話機202の筐体205は、クレードル装置203に載置されると、後述するスピーカー223を覆う大きさを有している。一方、携帯電話機202′の筐体205′は、携帯電話機202の筐体205よりも小さく、クレードル装置203に載置されても、スピーカー223を覆わない。
【0085】
クレードル装置203は、筐体218の傾斜面218c及び傾斜面218cの下方に設けられた凸部218dにより携帯電話機202(202′)を支持するように構成されている。傾斜面218cの上方にはスピーカー(外部スピーカー)223が設けられ、スピーカー223の不図示の放音孔が開口している。
【0086】
傾斜面218cのスピーカー223の配置位置の隣接位置、例えば、スピーカー223の配置位置の側方には、携帯電話機がクレードル装置3に載置されたか否かを検出するための載置状態検出部227が設けられている。載置状態検出部227は、例えば、第1の実施形態の載置状態検出部27と同様の構成であり、押圧されるとオン信号を出力する押圧スイッチ、あるいは反射物が近接配置されるとオン信号を出力する光センサにより構成されている。
【0087】
第3の実施形態においても第1及び第2の実施形態と同様に、携帯電話機202(202′)又はクレードル装置203に、音響信号変更部が設けられている。そして、携帯電話機202(202′)又はクレードル装置203に設けられた制御部は、図5のステップS1及びS3を実行し、載置状態検出部227によりオン信号が出力されると、携帯電話機202の筐体がスピーカー223の音響出力領域に位置していると判定され、スピーカー223に出力する音響信号を変更する。
【0088】
従って、携帯電話機202がクレードル装置3に載置されると、携帯電話機202の筐体によりスピーカー223が覆われてしまうが、載置状態検出部227によりオン信号が出力され、スピーカー223から出力される音響は、オン信号が出力されない場合に対して変更される。一方、携帯電話機202′がクレードル装置3に載置されると、載置状態検出部227によりオフ信号が出力され、スピーカー223から出力される音響は変更されない。
【0089】
第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、携帯電話機202の筐体205によりクレードル装置203のスピーカー223が覆われた場合、クレードル装置203のスピーカー223に出力する音響信号を、スピーカー223が覆われていない場合(携帯電話機202′が載置された場合)に対して変更することから、スピーカー223が携帯電話機202により覆われていることによる音響の変化を防止できる。
【0090】
また、第3の実施形態では、携帯電話機の大きさ、開閉可能か否かに関らず、スピーカー223が携帯電話機により覆われているか否かを判定することから、クレードル装置203の汎用性が高く、例えば使用者が携帯電話機を機種変更した場合にも対応できる。
【0091】
本発明は以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施してよい。
【0092】
音響信号変更手段、開閉検出手段、配置状態検出手段、載置状態検出手段、筐体位置判定手段、載置状態判定手段は、携帯端末装置及びクレードル装置のいずれに設けられてもよいし、双方に設けられてもよいし、双方に設けられた手段が組み合わされて構成されてもよい。
【0093】
外部スピーカーの音響出力領域は、外部スピーカーの指向性、電子機器をクレードル装置に配置して使用する場合において想定される使用者とクレードル装置との位置関係や外部スピーカーの音量や音圧、使用者が認識可能な音響の変化等の種々の条件に応じて適宜に定義可能である。例えば、外部スピーカーの放音面の一部又は全部に電子機器が当該放音面に対向する方向に重なって配置されている場合を外部スピーカーの音響出力領域に電子機器が配置されている場合と定義してもよい。
【0094】
音響信号の変更は、外部スピーカーに出力する音響信号及び内部スピーカーに出力する音響信号のうち、少なくとも一方の音響信号を変更できればよい。また、音量又は音圧が増大されるような音響信号の変更には、音響が出力されない状態から出力される状態になるような変更も含まれる。例えば、携帯端末装置が音響出力領域に位置しないときは内部スピーカーから音響を出力せず、携帯端末装置が音響出力領域に位置するときは内部スピーカーから音響を出力するようにしてもよい。
【0095】
音響信号の変更は、変更前と変更後の2段階の変更でもよいし、複数段階の変更でもよいし、アナログ的な変更でもよい。例えば、第1の実施形態では、携帯電話機の開閉度合いにより外部スピーカーから出力された音響の変化は異なるから、開閉検出部の検出する開閉度合いに応じて、音響信号を複数段階であるいはアナログ的に、適宜に変更してもよい。
【0096】
開閉可能な電子機器は、少なくとも2つの筐体の互いに重なる面積が変化するものであればよく、折り畳み式のものに限定されない。例えば、2つの筐体が互いに平行移動するスライド式のものでもよいし、2つの筐体が互いの積層方向を回転軸方向として回転しつつスライドするリボルバー式のものでもよい。
【0097】
音響信号変更手段による音響信号の変更は、各種スイッチやセンサ等の出力に基づいて、所定の変更条件(例えば、電子機器が外部スピーカーの音響出力領域に位置すること)が満たされか否かを判定し、変更条件が満たされたと判定した場合に変更するようにしてもよいし、電子機器がクレードル装置に載置されたときに、電子機器の自重によりフィルタをオンオフする押圧スイッチがオンされて音響信号を変更する等、判定処理を行わずに、機械的に音響信号を変更するようにしてもよい。
【0098】
判定する場合、変更条件は適宜に設定してよく、例えば、第1及び第2の実施形態のように2以上の検出手段によりオン信号が出力されたことを条件としてもよいし、第3の実施形態のように一の検出手段によりオン信号が出力されたことを条件としてもよいし、さらに、音響信号が特定の種類である場合に変更する(例えば、出力される音が映画再生の音響のみであり、報知音を含まない場合において変更する)等の他の条件を付加してもよい。
【0099】
また、筐体の開閉状態を検出して、開状態のときに音響信号を変更するように構成されているが、筐体が、クレードル装置のスピーカーから出力される音響に影響を与えるような領域(音響出力領域)に位置する状態を検出して、この状態のときに音響信号を変更するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る携帯電話機及びクレードル装置を示す一部に透視図を含む正面図。
【図2】図1の携帯電話機をクレードル装置に載置した状態を示す一部に透視図を含む正面図。
【図3】図1の携帯電話機をクレードル装置に載置した状態を示す一部に透視図を含む側面図。
【図4】図1の携帯電話機及びクレードル装置の信号処理系の構成を示すブロック図。
【図5】図4の制御部が音響信号変更手段を制御するために実行する処理の手順を示すフローチャート。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る携帯電話機及びクレードル装置の信号処理系の構成を示すブロック図。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る携帯電話機及びクレードル装置を示す一部に透視図を含む側面図。
【図8】図7のクレードル装置の斜視図。
【符号の説明】
【0101】
2…携帯端末装置、3…クレードル装置、5…受話筐体、6…送話筐体、22…音響信号端子(入力部)、23…スピーカー(外部スピーカー)、33…音響処理部(音響出力手段)、41…音響信号変更部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響信号を変換して出力する外部スピーカーに対して所定の位置関係で配置可能な筐体と、
前記筐体に配置され、当該筐体が前記外部スピーカーに対して前記所定の位置関係で配置されたときに、前記音響信号を前記外部スピーカーに出力可能な音響出力手段と、を備え、
前記音響出力手段は、前記筐体が前記所定の位置関係で配置され、前記筐体が前記外部スピーカーの音響出力領域に位置する場合、前記外部スピーカーに出力する前記音響信号を変更する音響信号変更手段を有する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記音響信号変更手段は、前記外部スピーカーから出力される前記音響の音量又は音圧が増大される、或いは前記音響の周波数特性を変更するように前記音響信号を変更する
ことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記音響信号変更手段は、前記外部スピーカーから出力される前記音響のうちのすくなくとも高音領域における音響の前記音量又は前記音圧が増大されるように前記音響信号を変更する
ことを特徴とする請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
前記筐体内に前記筐体が前記外部スピーカーの音響出力領域に位置するか否かを判定する筐体位置判定手段を有し、
前記音響変換手段は、前記筐体位置判定手段により前記筐体が前記外部スピーカーの音響出力領域に位置すると判定された場合に前記外部スピーカーに出力する前記音響信号を変更する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一に記載の電子機器。
【請求項5】
前記筐体は、第1筐体と、前記第1筐体に対して開閉可能に連結される第2筐体とを備えるとともに、前記第1筐体及び第2筐体の一方は、開状態及び閉状態の何れでも前記所定の位置関係で配置可能に構成され、
前記筐体には、前記第1筐体と前記第2筐体との開閉状態を検出する開閉検出手段が設けられ、
前記筐体位置判定手段は、前記開閉検出手段により前記第1筐体と前記第2筐体とが閉状態にあると検出された場合に、前記筐体が前記外部スピーカーの音響出力領域に位置しないと判定する
ことを特徴とする請求項4記載の電子機器。
【請求項6】
前記筐体位置判定手段が、前記筐体が前記外部スピーカーの音響出力領域に位置すると判定する条件には、所定の筐体配置検出手段により前記筐体が前記所定の位置関係で配置されていると検出されたことが含まれる
ことを特徴とする請求項4又は5記載の電子機器。
【請求項7】
前記筐体に設けられて、前記音響出力手段から出力される音響信号に基づく音響を出力可能な内部スピーカーを備え、
前記音響信号変更手段は、前記筐体が前記外部スピーカーの前記音響出力領域に位置する場合に、前記内部スピーカーへ出力される前記音響信号を変更する
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一に記載の電子機器。
【請求項8】
前記音響信号変更手段は、前記内部スピーカーから出カされる音響の音量又は音圧が増大されるように前記内部スピーカーへ出力される前記音響信号を変更する
ことを特徴とする請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
音響信号を変換して出力する外部スピーカーに対して所定の位置関係で配置可能な筐体と、
前記筐体に配置され、当該筐体が前記外部スピーカーに対して前記所定の位置関係で配置されたときに、前記音響信号を前記外部スピーカーに出力可能な音響出力手段と、
前記筐体に配置されて、前記音響出力手段から出力される前記音響信号に基づく音響を出力可能な内部スピーカーと、を有し、
前記音響出力手段は、前記筐体が前記所定の位置関係で配置され、前記筐体が前記外部スピーカーの音響出力領域に位置する場合、前記内部スピーカーへ出力する前記音響信号を変更する音響信号変更手段を有する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項10】
前記音響信号変更手段は、前記内部スピーカーから出力される前記音響の音量又は音圧が増大される、或いは前記音響の周波数特性を変更するように前記音響信号を変更する
ことを特徴とする請求項9記載の電子機器。
【請求項11】
前記音響信号変更手段は、前記内部スピーカーから出力される前記音響のうちの少なくとも高音領域における音響の前記音量又は前記音圧が増大されるように前記音響信号を変更する
ことを特徴とする請求項10記載の電子機器。
【請求項12】
前記電子機器は携帯端末装置であり、
前記外部スピーカーは、前記携帯端末装置が載置されるクレードル装置に設けられ、
前記所定の位置関係は、前記携帯端末装置がクレードル装置に載置されたときの位置関係であり、
前記筐体は、前記クレードル装置に載置されたときに前記クレードル装置に設けられた外部端子に接続されて電力供給を受ける充電端子を有する
ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一に記載の電子機器。
【請求項13】
電子機器を載置可能な載置部と、
前記電子機器から出力される音響信号に基づく音響を出力するスピーカーと、
前記電子機器から出力された前記音響信号を前記スピーカーに出力する音響出力手段と、
を備え、
前記音響出力手段は、前記電子機器が前記スピーカーの音響出力領域に位置した状態で前記載置部に載置された場合に、前記スピーカーへ出力する前記音響信号を変更する音響信号変更手段を有する
ことを特徴とするクレードル装置。
【請求項14】
前記音響信号変更手段は、前記スピーカーから出力される音響の音量又は音圧が増大される、或いは前記音響の周波数特性を変更するように前記音響信号を変更する
ことを特徴とする請求項13記載のクレードル装置。
【請求項15】
前記音響信号変更手段は、前記スピーカーから出力される前記音響のうちの少なくとも高音領域における音響の前記音量又は前記音圧が増大されるように前記音響信号を変更する
ことを特徴とする請求項14記載のクレードル装置。
【請求項16】
前記電子機器が前記スピーカーの音響出力領域に位置する状態で前記載置部に載置されているか否かを判定する載置状態判定手段を備え、
前記音響出力手段は、前記載置状態判定手段により、前記電子機器が前記スピーカーの音響出力領域に位置する状態で前記載置部に載置されていると判定された場合に、前記スピーカーへ出力する音響信号を変更する
ことを特徴とする請求項13〜15記載のクレードル装置。
【請求項17】
前記載置状態判定手段は、前記電子機器が、第1筐体、当該第1筐体と開閉可能に連結された第2筐体、及び前記開閉状態を検出する開閉検出手段を有する場合に、前記開閉検出手段の検出結果を取得可能であり、前記開閉検出手段により前記電子機器の閉状態が検出された場合には、前記電子機器が前記スピーカーの音響出力領域に位置する状態で前記クレードル装置に載置されていないと判定する
ことを特徴とする請求項16記載のクレードル装置。
【請求項18】
外部スピーカーを備えて入力部より入力された音響信号に基づく音響を前記外部スピーカーから出力するクレードル装置と、
前記クレードル装置に載置可能な筐体と、前記入力部と接続可能な出力部を介して前記クレードル装置に音響信号を出力する音響出力手段と、を有する電子機器と、
前記筐体が前記外部スピーカーの音響出力領域に位置する状態で前記クレードル装置に載置されている場合、前記外部スピーカーへ出力される前記音響信号を変更する音響信号変更手段と、を有する
ことを特徴とする音響装置。
【請求項19】
前記音響信号変更手段は、前記外部スピーカーから出力される前記音響の音量又は音圧が増大される、或いは前記音響の周波数特性を変更するように前記音響信号を変更する
ことを特徴とする請求項18記載の音響装置。
【請求項20】
前記音響信号変更手段は、前記外部スピーカーから出力される前記音響のうちのすくなくとも高音領域における音響の前記音量又は前記音圧が増大されるように前記音響信号を変更する
ことを特徴とする請求項19記載の音響装置。
【請求項21】
前記電子機器が前記スピーカーの音響出力領域に位置する状態で前記クレードル装置に載置されているか否かを判定する載置状態判定手段を備え、
前記筐体は、第1筐体と、前記第1筐体に対して開閉可能に連結される第2筐体とを備えるとともに、開状態及び閉状態の何れでも前記クレードル装置に載置可能に構成され、
前記第1筐体と前記第2筐体との開閉状態を検出する開閉検出手段が設けられ、
前記載置状態判定手段は、前記開閉検出手段により前記第1筐体と前記第2筐体とが閉状態にあると検出された場合に、前記電子機器が前記スピーカーの音響出力領域に位置する状態で前記クレードル装置に載置されていないと判定する
ことを特徴とする請求項18〜20のいずれか一に記載の音響装置。
【請求項22】
前記筐体に設けられて、前記音響出力手段から出力される音響信号に基づく音響を出力可能な内部スピーカーを備え、
前記音響信号変更手段は、前記筐体が前記外部スピーカーの前記音響出力領域に位置する場合に、前記内部スピーカーへ出力される前記音響信号を変更する
ことを特徴とする請求項18〜21のいずれか一に記載の音響装置。
【請求項23】
クレードル装置に載置された電子機器からの音響信号を前記クレードル装置に設けられたスピーカーへ出力し、当該音響信号に基づく音響を前記スピーカーから出力させる音響装置の制御方法において、
前記電子機器が前記クレードル装置に載置されているか否かを検出し、
載置されていると検出されたことを少なくとも一つの条件として含む変更条件が満たされた場合、前記スピーカーへ出力される前記音響信号を変更する
ことを特徴とする音響装置の制御方法。
【請求項24】
前記スピーカーへ出力される前記音響信号を変更する際に、前記スピーカーから出力される前記音響の音量又は音圧が増大される、或いは前記音響の周波数特性を変更するように前記音響信号を変更する
ことを特徴とする請求項23記載の音響装置の制御方法。
【請求項25】
前記スピーカーへ出力される前記音響信号を変更する際に、前記スピーカーから出力される前記音響のうちの少なくとも高音領域における音響の前記音量又は前記音圧が増大されるように前記音響信号を変更する
ことを特徴とする請求項24記載の音響装置の制御方法。
【請求項26】
前記電子機器が第1筐体と当該第1筐体と開閉可能に連結された第2筐体とを有して、開状態及び閉状態の何れでも前記クレードル装置に載置可能に構成される場合に、前記電子機器の開閉状態を検出し、
前記変更条件には、前記電子機器が開状態にあると検出されたことが含まれる
ことを特徴とする請求項23〜25のいずれか一に記載の音響装置の制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2007−124332(P2007−124332A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−314560(P2005−314560)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】