説明

電子機器

【課題】 電子機器に関し、半導体回路を高クロックで動作させるため動作温度まで冷却し、部材の交換を含む保守を容易に行うことができるようにすることを目的とする。
【解決手段】 マザーボード30と、マザーボード30に取付けられた複数のマルチチップモジュール32と、マルチチップモジュール32を冷却するための冷却部材56と、冷却部材56を室温以下に冷却するための冷凍装置と、マルチチップモジュール毎に設けられ、各マルチチップモジュールと冷凍装置とを熱的にかつ機械的に着脱可能とする接続構造とを備えた構成とする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンピュータシステム等で使用される電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータシステムは、演算回路が集積された演算部、その演算部で処理される命令やデータを演算部の処理能力を落とさないように高速で動作するキャッシュ部、そのキャッシュ部に送られる命令やデータを格納するメモリ部、そして、そのメモリにプログラムやデータを読みだしてくる周辺機器等から構成される。また、演算部を複数有して並列動作するシステムにおいては、複数の演算部からアクセス可能な共有メモリ部を有する。特に、演算部とキャッシュ部は動作速度を向上するために高いクロック周波数で動作しており、データの変化が多く消費電力が高くなると共に発熱量が増大している。
【0003】これらの回路を冷却するには、自然空冷、強制空冷、液冷、浸漬冷却等がある。自然空冷は冷却能力が低いために小型で発熱量の少ないコンピュータに用いられる。強制空冷と液冷は処理能力の高いコンピュータに用いられる。浸漬冷却はジョセフソン素子等を用いた実験設備的な特殊なコンピュータ等で主に利用される。
【0004】大型のコンピュータは、図47に示すように演算回路の規模が大きく、複数のLSI203を搭載したマザーボード201によって、演算回路が構成される。このようなマザーボードは発熱量が多いために、冷却液で冷却される冷却プレート206によって冷却される。冷却プレート206には、発熱素子であるLSI203に対向する部分にベローズ207が設けられており、このベローズ207をLSI203に接触させて冷却を行う。この冷却プレート206に使用される冷媒は、図示されない熱交換器により室温程度にまで冷却されており、その冷媒はLSI203の熱を吸収して図示されない熱交換器へ戻る。また、ベローズ207はLSI203に密着するように、バネ性を有しており冷却プレート206をマザーボード201に対して所定の位置へ取り付けるのみでLSI203とベローズ207との熱的接続が可能となっている。
【0005】このような装置は実装密度を向上するために、図示はしていないがマザーボード201の両面にLSI203が搭載されており、その両面に搭載されたLSI203を冷却するためにマザーボード201を挟む形で2つの冷却プレート206が配置されている。このため、マザーボードの異常が発見されたときや、ハードウェアのバージョンアップに伴う交換が生じた時には、筐体に取り付けられた冷却プレート206を取り外し、その後マザーボード201を取り外す必要があった。
【0006】また、このような装置を高性能化するに伴って、LSI203の処理能力の向上と共に発熱量も上昇することになる。しかし、冷却水の流量を増加するには冷却プレートや配管等の耐圧性を向上する必要があるが、限られたスペースに配置しなければならない冷却プレート等をこれ以上大型化することはできない。また、冷却水の温度を室温以下に下げるとマザーボードに水滴が付いてしまい動作不良あるいは故障の原因となってしまう。そして、マザーボード201と冷却プレート206とを熱的に接続する面積はLSI203とベローズ207との接触面のみであるが、この面積を増加することは装置の構造を全く変える必要があり難しい。よって、冷却性能を向上するにはこの接触面の熱抵抗を減らす必要があった。そこで、ベローズ207をLSI203に押しつける力をさらに大きくすると、LSI203やマザーボード201が損傷してしまい、また、冷却プレート206を取り付ける時にも大きな力が必要となり保守性が悪くなってしまう。そこで、LSI203とベローズ207との間に低融点の金属を挟み、その低融点の金属を溶かして冷却プレートの取り付け及び取り外しを行うことで、密着力を増加させて熱抵抗を減らしていた。
【0007】このために、マザーボードの交換の度に冷却プレートの取り付け及び取り外しの度に、マザーボードと冷却プレートの間に低融点金属の溶融点よりも高い温度のホットエアーを吹きつけるという大変な作業が必要となり保守性が極めて悪くなっていた。一方近年の大型コンピュータはCMOS技術の発達により図48に示すように、放熱フィン204を用いた強制空冷が用いられている。図47に示すマザーボード201に記載した演算回路と同程度の規模の回路が近年の微細加工技術により1チップ化し、従来では複数のマザーボードで構成されていた演算回路がマルチチップモジュール202、1つで構成可能となっている。しかも、回路が縮小したことで信号線が短くなり、より高いクロックで動作可能となるとともに、CMOS技術特有の省電力により液冷を用いる必要がなくなっている。このようにマザーボード201当たりの演算能力が格段に上がると共に、冷却方式を液冷から強制空冷としたことで保守性も向上している。
【0008】冷却方法を液冷から強制空冷にすることによって、冷却プレートを設置する必要が無くなり、直接マザーボードを交換することが可能となる。また、配管が必要でないことから、マザーボード上で放熱フィンを細分化することが可能となり、マザーボード上の部品の単位であるマルチチップモジュール毎に放熱フィンを設置することができる。これにより、マルチチップモジュールに放熱フィンを取り付けたまま扱うことができるので、冷却プレートやマザーボードを取り外すことなく、部品の交換を行うことが可能となった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年の技術の発達を持ってしても、回路の縮小化および回路の縮小化に伴う高クロック動作に限界が生じてきている。特開平1−318295で開示されるように半導体素子は低温になればなる程反応が早くなり高クロックでの動作が可能であることが判っており、現在必要とされている処理性能の要求を満たすためにはこのような技術を導入せざるを得なくなってきている。しかし、半導体素子の冷却技術は、一般的には自然空冷、強制空冷、液冷の3種類が一般的であり、これらの冷却技術は半導体自体の発熱による熱破壊を防止するために冷却する技術である。一方浸漬冷却は、ジェセフソン素子等を冷却するのに用いたりすることから、素子の動作温度を維持するための冷却方法として実現されているが、保守性に問題があり通常のコンピュータへの適用は難しい。
【0010】本発明の目的は、半導体回路を高クロックで動作させるための動作温度にまで冷却し、かつ、半導体回路の動作時においてもその動作温度を維持するための室温以下となる冷却構造を、保守性を考慮した実用性のある構造で提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による電子機器は、マザーボードと、該マザーボードに取り付けられるマルチチップモジュールと、該マルチチップモジュールを冷却するための冷却部材と、該冷却部材を室温以下に冷却する冷凍装置と、マルチチップモジュール毎に設けられ、各マルチチップモジュールと冷凍装置とを熱的にかつ機械的に着脱可能とする接続構造とを備えたことを特徴とする。
【0012】マルチチップモジュールをマザーボードに搭載した状態で冷却部材の着脱を行うことができる。これによりマザーボードと冷却部材との分離が容易となり保守性を十分に確保した冷却構造を実現することができる。また、システム構成によりマルチチップモジュールの数を増減する場合に、冷却部材の選択的な配置が容易に行え実用性の高い構成となる。
【0013】上記構成と共に以下の特徴を付加することができる。冷却部材は固定部材(例えばねじ)によってマルチチップモジュールに取り付けられた放熱部材に固定される。従って冷却部材は放熱部材に密着して電子素子を確実に冷却することができ、固定部材(例えばねじ)を釈放することで液冷特有の冷却水の漏れといった面倒なことを考慮することなく冷却部材とマルチチップモジュールとを機械的に分離できる。
【0014】該冷却部材は冷却部材保持機構に一括してフローティング支持されている。従って、冷却部材を固定部材(例えばねじ)によって放熱部材に固定する場合に、冷却部材と放熱部材との間のずれを保証しつつ、さらに、冷却部材を放熱部材から引き離す時や近接させる時に、冷却部材が複数あっても冷却部材保持機構を移動させるだけで一度に作業することができるので、保守の場合には冷却部材保持機構をのみを操作するだけでよく、マザーボードやマルチチップモジュールに対して非常に保守性の高い冷却機構が実現できる。
【0015】冷却部材は冷媒入口と冷媒出口と該冷媒入口及び該冷媒出口の間に延びる冷媒通路とを有し、室温以下の冷媒を循環させるので、効率的にマルチチップモジュールを冷却する。冷却部材保持機構は複数の冷却板部材とともにマザーボードに接近し又は遠ざかるように移動可能である。この場合、冷却部材保持機構はスライド機構に沿って全体的に移動可能である。従って、マルチチップモジュールの保守を行う場合には、冷却部材保持機構をスライド機構に沿って外側へ引き出し、ドアのように回転させると、マザーボードに搭載された電子素子が露出される。
【0016】冷却部材保持機構は各冷却板部材とともにマザーボードに接近し又は遠ざかるように形成された可動の部分を含む。従って、例えば単一のマルチチップモジュールを保守する場合には、冷却部材保持機構の1つの可動の部分のみを開いて、そのマルチチップモジュールを露出させることができる。マルチチップモジュールはコネクタによってマザーボードに取り付けられ、冷却部材保持機構の可動部分はコネクタの脱着手段と連動するように構成されている。こうすれば、1つのマルチチップモジュールを保守する場合に、冷却部材保持機構の1つの可動の部分のみを開いたときに、そのマルチチップモジュールがマザーボードからも釈放される。
【0017】マルチチップモジュールはマザーボードに接続するための多数の接続ピンと複数の半導体チップを取り付けた共通の基板で、他方の面には冷却部材が取り付けられて冷却性能を有する基板からなる。このようなマルチチップモジュールは演算回路の一纒まり毎に形成され、例えば8並列の演算回路からなるコンピュータシステムを実現する場合には8つのマルチチップモジュールをマザーボードに搭載することになる。
【0018】接続構造を例えば冷却部材の冷媒入口部分と、冷媒出口部分にカプラ設けることで、マルチチップモジュールに冷却部材を取り付けた状態でユニットとすることができ、システム構成の変更が容易となる。また、カプラで冷凍装置とマルチチップモジュールとを分離することで、熱的かつ機械的な着脱が容易に行うことができる。また、このカプラは冷媒のストッパー付きのものを用いることで、冷却部材内部の冷媒を抜くことなく着脱が行えるので便利である。また、冷却部材をマルチチップモジュールの大きさとすることで、冷却部材の内部に比重の高い冷媒が詰まっていても、このユニットを手で持つことができる程度の重さにすることができ高い保守性が確保できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施例について説明する。図1は本発明の実施例のコンピュータシステム10を示す図である。コンピュータシステム10は、CPU等のシステム主要部を構成する複数のマルチチップモジュールを有する電子機器12と、その他の周辺機器14とを含む。システム主要部を構成する電子機器12のマルチチップモジュールは高速作動のために冷却を必要とするので、電子機器12に隣接して冷凍装置16が設けられる。
【0020】冷凍装置16は図示しないコンプレッサ、コンデンサ、及びエバポレータを含み、冷凍装置16内の温度を室温以下の低温にするものである。冷凍装置16内にはタンク18及びポンプ20が配置され、冷凍装置16内で室温以下の温度に冷却された冷媒(水)が矢印Aによって示されるようにタンク18からポンプ20によって電子機器12内へ送られ、電子機器12を出た冷媒は冷凍装置16に戻され、再び冷却される。
【0021】電子機器12の下部には乾燥装置22が配置される。乾燥装置22はシリカゲルロータ等の乾燥又は除湿手段を含み、乾燥空気は破線の矢印Bによって示されるように乾燥装置22から電子機器12へ送られ、電子機器12を出た乾燥空気冷媒は乾燥装置22に戻され、再び乾燥される。このようにして、電子機器12へ乾燥空気を送ることにより、強く冷却される電子機器12の内部で結露するのを防止するようになっている。
【0022】図2は図1の電子機器12を示す斜視図である。図3は図2の電子機器12の一部を示す図、図4は図2の電子機器12の残りの一部を示す図である。図2R>2から図4において、電子機器12はケーシング24を含む。ケーシング24の側壁は取り外した状態で示される。箱構造26がケーシング24内に配置され、フレーム28が箱構造26内に配置される。箱構造26はドア26aを有する。
【0023】マザーボード30がフレーム28に取付けられ、複数の第1の電子素子32及び複数の第2の電子素子群34がマザーボード30に取付けられる。さらに、第1の電子素子32を冷却するための板状の冷却部材(図6の56)を一括して保持した冷却部材保持機構36が設けられる。冷却部材56はマルチチップモジュール(第1の電子素子)32に相対して配置される。冷却部材保持機構36は冷却部材56に接続されるホース38を有する。また、冷却部材保持機構36は後で説明するように第2の電子素子群34の冷却部材(図29の114)をも保持している。
【0024】冷凍装置16から延び且つ冷媒供給手段の一部をなすホース40、42が箱構造26の下部に取付けられている。ホース40、42は断熱材44で取り囲まれている。ホース38は後で説明するマニホールドを介してホース40、42に接続される。さらに、乾燥装置22から延びるダクト46が箱構造26の下部に取付けられている。
【0025】第1の電子素子32は複数の半導体チップ(CMOS)を共通の基板に取り付けたチップモジュールからなり、このようなチップモジュールはマルチチップモジュール(MCM)と呼ばれ、システム主要部としてCPUを構成する。第2の電子素子群34は複数の第2の電子素子34aを含み(図29)、第2の電子素子34aは例えばRAM用半導体チップをプリント基板に取付けてなるものである。第1の電子素子32及び第2の電子素子群34は同じマザーボード30に取付けられている。
【0026】ケーシング24は電源装置48を含み、フレーム28が箱構造26内に配置され且つ箱構造26がケーシング24内に配置されたときに、電源装置48は図示しないコードによりマザーボード30に接続され、マザーボード30を介して第1の電子素子32及び第2の電子素子群34に電力を供給する。電源用コードを通す穴50が図3の箱構造26に示される。電源用コードを穴50に通し、マザーボード30に接続した後で、穴50は密封される。
【0027】図5は、マザーボード30に取付けられた第1の電子素子32及び第2の電子素子群34を示す。コネクタ52がマザーボード30に取付けられており、第1の電子素子32はコネクタ52にプラグインされるようになっている。ヒートシンクとも呼ばれる放熱板54が第1の電子素子32に固定されている。板状の冷却部材56は放熱板54に接触せしめられ、よって第1の電子素子32を冷却することができる。冷却部材56は冷却部材保持機構36に保持され、冷媒を通されている。また、第2の電子素子群34の第2の電子素子34aのためのコネクタ53がマザーボード30に取付けられている。
【0028】図6は冷却部材56を保持した冷却部材保持機構36を示す断面図、図7は冷却部材保持機構36を示す正面図である。冷却部材保持機構36は概略マザーボード30と同様な大きさの平面的な部材であり、冷却部材56を保持すべき位置(第1の電子素子32と対向する位置)に冷却部材56よりもわずかに大きな開口部36aを有する。冷却部材56は開口部36a内に配置され、ばね58によって開口部36aの側壁に支持されている。つまり、冷却部材56はフローティング状に冷却部材保持機構36に保持され、マザーボード30とフレーム28の対向誤差を吸収する。
【0029】冷却部材保持機構36は、冷却部材56が放熱板54に接触せしめられる位置にくるように形成されている。ホース38が冷却部材56に接続され、冷媒が冷却部材56内部の冷媒通路を通る。好ましくは、冷却部材56がねじ60によって放熱板54に固定されるようになっている。従って、冷却部材56は放熱板54に密着し、放熱板54を介して第1の電子素子32を効果的に冷却することができる。
【0030】図8は冷却部材保持機構36の移動機構を示す図である。図9は外側へスライドした位置にある冷却部材保持機構36を示し、図10はスライドした後で回転した位置にある冷却部材保持機構36を示す図である。図11は図10の冷却部材保持機構36を示す平面図である。図4、図8、図9、図10に示すように、箱構造26内に配置されるフレーム28は両側部にスライドガイド62を有し、冷却部材保持機構36はスライドガイド62に沿ってスライド可能なスライド部64を有する。よって、冷却部材保持機構36は複数の冷却板部材56とともにマザーボード30に接近し又は遠ざかるように移動可能である。
【0031】冷却部材保持機構36がマザーボード30に接近した位置にある状態が図8に示され、冷却部材保持機構36がマザーボード30から離れた位置にある状態が図9に示されている。さらに、冷却部材保持機構36はスライド部64に設けられた支点66のまわりでドアのように全体的に回転可能である。従って、図10及び図11に示すように、冷却部材56及び冷却部材保持機構36が引き出された後、冷却部材保持機構36の支点66を中心に冷却部材56及び冷却部材保持機構36が一括でドアのように回転し、マザーボード30全体に対してシステム主要部の保守や交換を容易に行うことができる。
【0032】図8から図11においては冷却部材保持機構36が全体的に移動する構成を示したが、図12及び図13は冷却部材保持機構36が部分的に移動する構成を示す。図7に示されるように、冷却部材保持機構36は各冷却部材56を配置する開口部36aよりも少し大きな区分された領域36Xを示す。図12及び図13は冷却部材保持機構36の区分された領域36Xを示す。
【0033】冷却部材保持機構36は各冷却板部材56とともにマザーボード30に接近し又は遠ざかるように形成された可動の部分36Yを含む。可動の部分36Yは冷却部材保持機構36の区分された領域36Xに設けた支点68のまりわで回転可能に設けられ、図12に示すように冷却部材56が放熱部材54に接触する位置と、図13に示すように冷却部材56が放熱部材54から離れた位置との間で移動可能である。従って、可動の部分36Yを開くことによって、問題のある第1の電子素子32について保守や交換を行うことができる。なお、可動の部分36Yは第2の電子素子群34の位置にも設けられる。
【0034】さらに、図12及び図13において、第1の電子素子32をマザーボード30に取り付けるコネクタ52が示されている。コネクタ52はカム70を回転させるによってボード30に脱着できるようになっている。冷却部材保持機構36の可動の部分36Yはリンク72によってカム70に連結されており、可動の部分36Yを動かすとカム70が回転してコネクタ52が脱着されるようになっている。従って、冷却部材保持機構36の可動の部分36Yを開くと、コネクタ52及び第1の電子素子32を取り外すことができる。本発明では、冷媒供給手段はホース38、40、42を介して冷却部材56に室温以下の冷媒を供給するようになっている。従って、第1の電子素子32は効果的に冷却され、高速で作動することができる。冷却部材56に室温以下の冷媒を供給することによって、低コストでシステム性能を向上させる。好ましくは、冷媒供給手段は冷却部材56に3℃以上で10℃以下の水を供給する。さらに好ましくは、冷媒供給手段は冷却部材56に3℃以下の不凍液を入れた水を供給する。
【0035】さらに、図14から図16にも示されるように、箱構造26は実質的に密閉容器として形成される。好ましくは、箱構造26は30℃、70%RH、湿球温度26℃以下の環境下にて水分浸入量が1g/日以下の密閉箱である。マザーボード30と、電子素子32、34aと、放電部材54と、冷却部材56と、冷却部材保持機構36とが、箱構造26内に収容される。図1414から図16においては、マザーボード30のみが代表的に示されている。箱構造26を密閉構造とし、乾燥空気を循環させることによって、箱構造26内の電子素子32、34a近傍の露点を冷媒の供給温度以下にし、電子素子32、34aが結露の影響を受けないようにする。
【0036】さらに、乾燥装置16はダクト50を介して箱構造26内に乾燥空気を供給し、箱構造26内の水分を除去する。そして、図15に示されるように、箱構造26は乾燥装置22から供給された空気の流れと乾燥装置22へ戻る空気の流れを分離する仕切り壁74を含むとよい。また、箱構造26内部にダクト46及びファン76の少なくとも一方を設け、乾燥装置22からの乾燥空気が箱構造26内にスムーズに循環するようにする。このようにして、箱構造26内の水分を除去し、電子素子32、34aが水分の影響を受けないようにする。
【0037】さらに、箱構造26の壁に断熱層のある部分と断熱層のない部分を設ける。断熱層を設けた方が箱構造26内の温度を低く維持できる。しかし、箱構造26の外側の外気温度が箱構造26の内部の空気の温度よりも高いと、箱構造26の外面において結露する。また、箱構造26の外側の外気温度が箱構造26の内部の温度よりも低いと、箱構造26の内部が過熱することがある。これらを防止するために、箱構造26の壁に部分的に断熱層を設けるのがよい場合がある。
【0038】図14においては、箱構造26の下側部分のみに断熱層78を設けた。これは箱構造26の下側部分が低温になりやすいのに対応する。図15においては、乾燥装置22からの乾燥空気の循環の下流側のみに断熱層78を設けた。これは乾燥空気の循環の下流側が低温になりやすいのに対応する。又、内部で空気を積極的にかくはんすることにより箱構造内部の環境を均一化し、乾燥装置立上げ時においては湿気がのこりやすい微細隙間部の湿度も急速短時間で低下せしめることが可能となる。図16においては、マザーボード30上の電子素子32、34aの表面に対向する該箱構造の内面のみに輻射断熱層78を設けた。これは冷却部材56の表面からの冷気により低温になりやすいのに対応する。
【0039】図17はマザーボード30と第1の電子素子32との間の狭い空間に発熱体80を設けた例を示す図である。発熱体80は制御手段82によってリード線84を介して通伝される。図18は乾燥装置22の作動を開始してから箱構造26内の湿度の変化を示す図である。曲線Pはマザーボード30と第1の電子素子32との間の狭い空間(例えば図17において位置P)における湿度の変化を示し、曲線Qは第1の電子素子32の周囲の広い空間(例えば図17において位置Q)の湿度の変化を示す。乾燥装置22の作動を開始すると、第1の電子素子32の周囲の広い空間においては空気の流れが大きいので湿度は比較的に早く低下するが、曲線Pはマザーボード30と第1の電子素子32との間の狭い空間においては空気の流れが小さいので湿度の低下は遅い。従って、第1の電子素子32の冷却を行うと、第1の電子素子32上で結露が生じる可能性がある。
【0040】そこで、図17の発熱体80は、乾燥装置22の稼働の初期の一定期間内に、電力を供給され、マザーボード30と第1の電子素子32との間の狭い空間に存在する水分を蒸発させるとともに上昇気流を生じさせ、マザーボード30と第1の電子素子32との間の狭い空間の湿度を第1の電子素子32の周囲の広い空間の湿度にできるだけ早く近づける。なお、この場合、発熱体80を特別に設けなくてもよいが、第1の電子素子32を発熱体80として利用してもよい。
【0041】図19は、マザーボード30と第1の電子素子32との間の狭い空間に乾燥空気を導入する空気導入手段86を設けた例を示す図である。空気導入手段86は小さなチューブとして形成され、乾燥空気は乾燥装置22によって空気流れとして導入される。この場合にも、乾燥装置22の稼働の初期の一定期間内に、マザーボード30と第1の電子素子32との間の狭い空間の湿度を第1の電子素子32の周囲の広い空間の湿度にできるだけ早く近づける。
【0042】図20は冷却部材56を構成する一つの板部材56aを示す平面図、図21は冷却部材56の断面図である。冷却部材56は2つの板部材56a、56bを重ねて、ロウ付け等により接合される。冷却部材56は冷媒通路88、冷媒入口90、冷媒出口92を有する。冷媒通路88は、一つの板部材56aの表面に溝状に設けた複数の並列な流路88aにより形成されている。
【0043】図20においては、1つの冷媒通路88は4つの並列な流路88aにより形成されている。冷却部材56の冷媒通路56は蛇行状に曲がっており、複数の並列な流路88aは曲がり部において合流している。4つの並列な流路88aが2往復している。これによって、冷媒が冷却板56の表面に広く分布し、有効な冷却面の面積を増大し、冷却効率を高めることができる。
【0044】図22は冷却部材56を構成する一つの板部材56aの他の例を示す平面図である。この例では、冷却部材56の冷媒通路56の2つの並列な流路88aからなり、2つの並列な流路88aが5往復している。図23は冷却部材56を構成する一つの板部材56aの他の例を示す平面図である。この例では、冷却部材56の冷媒通路56の3つの並列な流路88aからなり、3つの並列な流路88aが3往復している。
【0045】このような並列な流路88aからなる冷却部材56の冷媒通路56の圧力損失は冷却部材56の伝熱面積1cm2 当たり700Pa以下であり、冷却性能は冷却部材56の伝熱面積1cm2 当たり7623℃/W以下である、ことが好ましい。図24は冷却部材56及び放熱部材54の表面粗度をパラメータとした荷重と熱抵抗との関係を示す図である。図24から分かるように、表面粗さが小さくなるほど、熱抵抗は小さくなり、放熱部材54から冷却部材56への熱の移動が容易になる。図24には、表面粗度が、0.025μm、0.05μm、0.1μm、0.2μm、0.8μmの例が示されている。冷却部材56及び放熱部材54の表面の表面粗度Raが中心線平均粗さで0.2μm以下であれば、熱抵抗はそれほど荷重をかけなくても満足できるレベルにある。
【0046】図25は放熱部材54と冷却部材56の取付け方法の例を示す断面図である。スペーサ94が第1の電子素子32と放熱部材54との間に隙間を保つように、マザーボード30と放熱部材54との間に配置される。スペーサ取付け手段96がマザーボード30に設けられており、スペーサ取付け手段96はスペーサ94が第1の電子素子32と放熱部材54との間に隙間を保つようにスペーサ94の位置を調節可能である。放熱部材54はスペーサ94によって定められた所定の位置で放熱部材取付け手段98によって固定される。冷却部材56は上記したように放熱部材54に取付けられる。このようにして、冷却部材保持機構36によって一括して保持される冷却部材56が放熱部材54に対して確実に接触するようになっている。
【0047】高熱伝導性材料100が第1の電子素子32の放熱面と放熱部材54の受熱面との間に充填されている。高熱伝導性材料100は第1の電子素子32の放熱面と放熱部材54の受熱面との間の隙間を埋めるコンパウンドである。図26は放熱部材54と冷却部材56の取付け方法の他の例を示す断面図である。この例では、放熱部材54の放熱面と冷却部材56の受熱面とを圧力をかけて接触させる加圧手段102を備えた。これによって、冷却部材56は放熱部材54に確実に接触し、第1の電子素子32を有効に冷却することができる。実施例においては、加圧手段102は膨張可能な容器であり、この容器に流体を注入することで容器が膨張して冷却部材56を放熱部材54側に加圧する。加圧手段102は冷却部材56と支持壁104との間にある。
【0048】図27及び図28は放熱部材54と冷却部材56の取付け方法の他の例を示す断面図である。この例では、スペーサ94は放熱部材54に対して垂直方向に可動である。すなわち、スペーサ94は放熱部材54の穴に挿入されるスペーサピンとして形成され、スペーサ94の先端はマザーボード30に設けた受け座96に当接するようになっている。スペーサ94の先端はマザーボード30に設けた受け座96に当接した状態で、第1の電子素子32と放熱部材54との間に隙間を保つように、スペーサ94を放熱部材54に対して位置決めし、位置決めした後スペーサ94を接着剤106によって放熱部材54に固定する。
【0049】第1の電子素子32と放熱部材54との間に隙間を保つためには、第1の電子素子32の放熱面に所定の厚さのシートをのせ、その上から放熱部材54をのせた状態でスペーサ94の位置決めを行うとよい。スペーサ94を接着した後に放熱部材54をスペーサ94とともに取り外し、第1の電子素子32の放熱面にコンパウンドを塗布する。それから、放熱部材54をスペーサ94とともに取り付けて、ねじ108によって固定する。冷却部材56はねじ60によって放熱部材54に固定される。
【0050】図29から図36は、第2の電子素子34aの冷却について説明する図である。CPUを構成する第1の電子素子32の冷却は、上記したように、冷却部材56が放熱部材54に直接に接触することによって行われる。これに対して、RAM用の第2の電子素子34aの冷却は、冷却部材114が第2の電子素子34aに接触されることなく、空冷により行われる。
【0051】図29は第2の電子素子34aの冷却の例を示す図である。上記したように、第2の電子素子群34は列をなして配置された複数の第2の電子素子34aを含み、各第2の電子素子34aはRAM用半導体チップ110をプリント基板112に取付けてなるものである。プリント基板112がマザーボード30に垂直に配置され、プリント基板112の一端がマザーボード30に取付けられる。
【0052】冷却部材56と同様にホース38を介して冷媒を供給される冷却部材114は、第2の電子素子34aの間に挿入される。すなわち、冷却部材114が第2の電子素子34aの近傍に配置され、冷却空気によって空冷される。第2の電子素子34aはこうして冷却され、それによって温められた空気が箱構造26内の湿度低下効果をもたらす。
【0053】図30は第2の電子素子34aの冷却の他の例を示す図である。この例では、冷却部材114が第2の電子素子34aの列(第2の電子素子群34)の実質的に外側にあり、熱伝導体116が冷却部材114に接続され、熱伝導体116が第2の電子素子34aの間に挿入される。こうして、第2の電子素子34aは冷却部材114及び熱伝導体116によって空気層を介して冷却される。
【0054】図31及び図32は第2の電子素子34aの冷却の他の例を示す図である。この例では、冷却部材114が第2の電子素子34aの列(第2の電子素子群34)の実質的に外側にあり、熱伝導体116が冷却部材114に接続され、熱伝導体116が第2の電子素子34aの間に挿入される。図30では、冷却部材114がマザーボード30と平行に配置されていたのに対して、図31及び図32では、冷却部材114がマザーボード30と垂直に配置され、2つの冷却部材114が第2の電子素子群34の両側にある。この構成によれば、上記したように第2の電子素子34aの冷却を行うことができるとともに、冷却部材114及び熱伝導体116がある状態で、第2の電子素子34aの挿抜を行うこともできる。
【0055】図33は第2の電子素子34aの冷却の他の例を示す図である。冷却部材114及び熱伝導体116は図31及び図32と同様にに配置されている。この例では、冷却部材114は第2の電子素子34aをマザーボード30に設けられたコネクタに挿入するためのレール118を有する。つまり、冷却部材114と第2の電子素子34aとは図33で紙面に対して垂直な方向(図31の紙面上で水平方向)に相対移動可能であり、冷却部材114及び熱伝導体116を挿入及び排出するときや、第2の電子素子34aの挿抜を行うときに、第2の電子素子34aの傾きを抑制して、冷却部材114及び熱伝導体116と第2の電子素子34aとが接触するのを防ぐ。
【0056】図34は第2の電子素子34aの冷却の他の例を示す図である。この例では、冷却部材114及び熱伝導体116が図31及び図32と同様に設けられ、熱伝導体116中にヒートパイプが挿入されている。よって、第2の電子素子34aから冷却部材114への熱移送能力を高めるようにしている。図35は第2の電子素子34aの冷却の他の例を示す図である。冷却部材114及び熱伝導体116は図31及び図32と同様にに配置されている。この例では、ピン120がマザーボード30に第2の電子素子34a及び冷却部材114と平行に設けられており、このピン120が通る穴122を冷却部材114又はそれと一体的な部材に設けてある。従って、冷却部材保持機構36を移動させて熱伝導体116を第2の電子素子34aの間に挿入するときに、ピン120がガイドの役目をし、第2の電子素子34aと冷却部材114との位置決めを行い、第2の電子素子34aと冷却部材114とが接触するのを防ぐようにしている。
【0057】図36は第2の電子素子34aの冷却の他の例を示す図である。冷却部材114及び熱伝導体116は図31及び図32と同様にに配置されている。この例では、第2の電子素子34aのためのコネクタ53のラッチ機構124を工具126によって操作可能にし、冷却部材114及び熱伝導体116がある状態で、第2の電子素子34aの挿抜を行うことができるようにしている。
【0058】図37は第2の電子素子34aのための冷却部材114の構造の例を示す図である。図20及び図2121に示した冷却部材56と同様に、冷却部材114は2つの板部材114a、114bを重ねて、ロウ付け等により接合される。冷却部材114は冷媒通路128、冷媒入口130、冷媒出口132を有する。冷媒通路128は、一つの板部材114aの表面に設けた溝として形成されている。冷媒入口130、冷媒出口132にはニップル134、136が取付けられる。
【0059】さらに、金属板からなる熱伝導体116が一つの板部材114bの外面に138で示す位置にロウ付けされる。図38は第2の電子素子34aのための冷却部材114の構造の他の例を示す図である。この例では、冷却部材114は、第1の板140aと、第2の板140bと、第1及び第2の板の間に配置されるスペーサ142とからなる。第1の板140aとスペーサ142と第2の板140bとはシールリング144を介して密封状に互いに接合される。
【0060】スペーサ142はシールリング144を配置するための環状溝146及び冷媒通路を形成するための貫通穴148を有する。第1の板140a及び第2の板140bは冷媒通路の一部を形成する貫通穴150a、150bを有する。スペーサ142の貫通穴148は環状溝146の内部に形成される。第1及び第2の板140a、140bの貫通穴150a、150bは互いに上下交互になっており、且つ第1の板140aとスペーサ142と第2の板140bとが接合されたときに環状溝146の内部にくるように形成される。
【0061】さらに、図38及び図39に示されるように、第1の板140aとスペーサ142と第2の板140bに対し、スペーサ142及び第3の板が組み合わせられる。第3の板は第1の板140a又は第2の板140bと基本的に同じ構造のものである。よって、第2の板140b−スペーサ142−第1の板140a−スペーサ142−第2の板140bの密着積層体を形成する。この積層体の積層数は変えることができる。
【0062】この積層体の一端部には端板152が配置される。端板152は冷媒通路の一部を形成する溝152a、シールリング144のための環状溝152b及び出入り口を有する。ニップル152cが出入り口に取付けられる。この積層体の他端部には端板152と同様の端板(図示せず)が配置される。第1の板140aとスペーサ142と第2の板140b(及び第3の板140c)からなる積層体は、ボルト154によって一体化される。ボルト154は挿入穴154aに通され、ナット(図示せず)に締着される。
【0063】従って、端板152のニップル152bから入った冷媒は、溝152a、貫通穴150a、150b、及び貫通穴148によって形成される冷媒通路を蛇行状に流れることができる。さらに、図38から明らかなように、第1及び第2の板140a、140bはスペーサ142よりも大きく、第1及び第2の板140a、140bのスペーサ142よりも外側に(前記積層体よりも外側に)張り出した部分は熱伝導体116として作用する。すなわち、第1及び第2の板140a、140b及びスペーサ142の積層体の部分は、例えば図29から図36の冷却部材114として作用し、第1及び第2の板140a、140bの外側張出部分は例えば図30R>0から図36の熱伝導体116として作用する。
【0064】図40及び図41は第2の電子素子34aのための冷却部材114の構造の他の例を示す図である。この実施例の基本的な構成は前の実施例と同様である。図38及び図39の実施例ではボルト154がシールリング144の外側に配置されていたのに対して、この実施例ではボルト154がシールリング144の内側に配置される。貫通穴150a、150bが一部の挿入穴154aを兼ねることができる。
【0065】図42は第2の電子素子34aのための冷却部材114の構造の他の例を示す図である。この実施例は図37の実施例の特徴と図38の実施例の特徴ととを組み合わせたものである。冷却部材114は2つの板部材114a、114bをシールリング144を介して重ねて形成したものであり、2つの板部材114a、114bはボルト154により一体化される。ニップル134もボルト154により取付けられる。熱伝導体116はロウ付け138により板部材114aに固定される。
【0066】図37から図42において、冷却部材114を構成する板114a、114bをロウ付けにより接合してなる構成(図37)はコンパクトであってより簡単に製造できる。しかし、ロウ付け時に板114a、114bが加熱されるので、やわらかくなって変形することがある。また、ロウ付けしてあると、冷媒通路がつまったりした場合に、リペアすることが難しい。これに対して、板140a、140bをシールリング144を介して重ね合わせ、ボルト154等によって結合する構成は、そのようなロウ付けの問題を解決することができる。
【0067】図43は冷却部材保持機構36での冷媒供給手段のホース38の配置の例を示す図である。冷媒供給用のマニホールド160Lと、冷媒排出用のマニホールド162Lとが、冷却部材保持機構36の下端部に水平に取付けられている。さらに、冷媒供給用のマニホールド160Uと、冷媒排出用のマニホールド162Uとが、冷却部材保持機構36の上端部に水平に取付けられている。図2に示した冷凍装置16から延びるホース40、42は、これらのマニホールド160L、162L、160U、162Uに接続されている。
【0068】図43は便宜的に4列の冷却部材56、114を示している。最上段の冷却部材114については、ホース38は上段のマニホールド160U、162Uにほぼ垂直に接続され、ホース38は互いにパラレルに接続されている。2段目の冷却部材56については、ホース38は上段のマニホールド160U、162Uにほぼ垂直に接続され且つ冷却部材56の領域で水平に延び、隣接する冷却部材56のホース38はシリアルに接続されている。
【0069】3段目の冷却部材56については、ホース38は下段のマニホールド160L、162Lにほぼ垂直に接続され且つ冷却部材56の領域で水平に延び、隣接する冷却部材56のホース38は互いにシリアルに接続されている。最下段の冷却部材114については、ホース38は下段のマニホールド160L、162Lにほぼ垂直に接続され、隣接する冷却部材114のホース38は互いにパラレルに接続されている。
【0070】従って、ある冷却部材56、114のホース38が他の冷却部材56、114を垂直方向に跨ぐことがなく、各冷却部材56、114が図12及び図13のように水平な軸線のまわりで開閉動作されるときにホース38が邪魔になることがなく、電子素子32、34の保守や交換を容易に行うことができる。さらに、図44R>4に示されるように、上段のマニホールド160U、162Uは段違いに配置され、下段のマニホールド160L、162Lは段違いに配置されている。このような配管を行うことにより、同じマニホールド160U、162U、160L、162Lを使用してホース38の配管を最も簡単にでき、上記した特徴を実現できる。
【0071】図45は冷却部材保持機構36での冷媒供給手段のホース38の配置の他の例を示す図である。この例では、ホース38は、カプラ164によりマニホールド160L、162Lに接続される。マニホールド及びホースは図43のような構成であってもよい。図46は冷却部材保持機構36での冷媒供給手段のホース38の配置の他の例を示す図である。この例では、ホース38は、カプラ164によりマニホールド160に接続される。さらに、カプラ164内部にはストッパが設けられており、冷媒を抜くことなく、ホース38と冷却部材とを分離することができる。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、マザーボードにマルチチップモジュールを搭載するコンピュータを、室温以下となる冷却部材を用いて冷却することで高クロック動作が可能となり、マルチチップモジュールの交換を含む保守を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のコンピーュタシステムを示す図である。
【図2】本発明の実施例の電子機器を示す斜視図である。
【図3】図2の電子機器の一部の分解斜視図である。
【図4】図2の電子機器の残りの一部の分解斜視図である。
【図5】マザーボードに取付けられた電子素子を示す図である。
【図6】冷却部材を保持した冷却部材保持機構を示す断面図である。
【図7】冷却部材保持機構の正面図である。
【図8】冷却部材保持機構の移動機構を示す図である。
【図9】外側へスライドした位置にある冷却部材保持機構を示し図である。
【図10】スライドした後で回転した位置にある冷却部材保持機構を示す図である。
【図11】図10の冷却部材保持機構を示す平面図である。
【図12】冷却部材保持機構が部分的に移動する構成を示す図である。
【図13】図12の可動の部分が開いたところを示す図である。
【図14】箱構造を密閉構造とした例を示す図である。
【図15】箱構造を密閉構造とした他の例を示す図である。
【図16】箱構造を密閉構造とした他の例を示す図である。
【図17】マザーボードと電子素子との間の狭い空間に発熱体を設けた例を示す図である。
【図18】乾燥装置の作動を開始してから箱構造内の湿度の変化を示す図である。
【図19】マザーボードと第1の電子素子との間の狭い空間に乾燥空気を導入する空気導入手段を設けた例を示す図である。
【図20】冷却部材を構成する一つの板部材を示す平面図である。
【図21】冷却部材の断面図である。
【図22】冷却部材を構成する一つの板部材の他の例を示す平面図である。
【図23】冷却部材を構成する一つの板部材の他の例を示す平面図である。
【図24】冷却部材及び放熱部材の表面粗度をパラメータとした荷重と熱抵抗との関係を示す図である。
【図25】放熱部材と冷却部材の取付け方法の例を示す断面図である。
【図26】放熱部材と冷却部材の取付け方法の他の例を示す断面図である。
【図27】放熱部材と冷却部材の取付け方法の他の例を示す平面図である。
【図28】図27の放熱部材と冷却部材の断面図である。
【図29】第2の電子素子の冷却の例を示す図である。
【図30】第2の電子素子の冷却の他の例を示す図である。
【図31】第2の電子素子の冷却の他の例を示す図である。
【図32】図31の矢印から見た側面図である。
【図33】第2の電子素子の冷却の他の例を示す図である。
【図34】第2の電子素子の冷却の他の例を示す図である。
【図35】第2の電子素子の冷却の他の例を示す図である。
【図36】第2の電子素子の冷却の他の例を示す図である。
【図37】第2の電子素子のための冷却部材の構造の例を示す図である。
【図38】第2の電子素子のための冷却部材の構造の他の例を示す図である。
【図39】図38の構成における冷媒の通路を示す断面図である。
【図40】図41の構成における冷媒の通路を示す断面図である。
【図41】第2の電子素子のための冷却部材の構造の他の例を示す図である。
【図42】第2の電子素子のための冷却部材の構造の他の例を示す図である。
【図43】冷却部材保持機構での冷媒供給手段のホースの配置の例を示す図である。
【図44】図43のマニホルドの側面図である。
【図45】冷却部材保持機構での冷媒供給手段のホースの配置の他の例を示す図である。
【図46】冷却部材保持機構での冷媒供給手段のホースの配置の他の例を示す図である。
【図47】従来の液冷構造を示す図である。
【図48】従来の強制空冷構造を示す図である。
【符号の説明】
12…電子機器
16…冷凍装置
22…乾燥装置
24…ケーシング
26…箱構造
28…フレーム
30…マザーボード
32…電子素子
34a…電子素子
36…冷却部材保持機構
38…ホース
46…ダクト
54…放熱板
56…冷却部材
58…ばね
60…ねじ
62…スライドガイド
64…スライド部
66…支点
74…仕切り壁
78…断熱層
80…発熱体
86…空気導入手段
88…冷媒通路
94…スペーサ
114…冷却部材
116…熱伝導体

【特許請求の範囲】
【請求項1】 マザーボードと、該マザーボードに取り付けられるマルチチップモジュールと、該マルチチップモジュールを冷却するための冷却部材と、該冷却部材を室温以下に冷却する冷凍装置と、マルチチップモジュール毎に設けられ、各マルチチップモジュールと冷凍装置とを熱的にかつ機械的に着脱可能とする接続構造とを備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】 該接続構造は、該マルチチップモジュールに取り付けられた放熱部材と該冷却部材とを固定する固定部材からなることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】 該冷却部材が該放熱部材に接触するように該冷却部材を一括して保持する冷却部材保持機構を有し、該冷却部材は該冷却保持機構にフローティング支持されていることを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】 該冷凍装置は該冷却部材に室温以下の冷媒を循環させる冷媒供給手段を有し、該冷却部材は該冷媒供給手段から供給された冷媒を循環させる冷媒入口と冷媒出口と該冷媒入口及び該冷媒出口の間に延びる冷媒通路とを有することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】 該冷却部材保持機構は複数の冷却板部材とともに該マザーボードに接近し又は遠ざかるように移動可能であることを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項6】 該冷却部材保持機構はスライド機構に沿って全体的に移動可能であることを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】 該冷却部材保持機構は支点のまわりで全体的に回転可能であることを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】 該冷却部材保持機構は各冷却板部材とともに該マザーボードに接近し又は遠ざかるように形成された可動の部分を含むことを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項9】 該マルチチップモジュールはコネクタによって該マザーボードに取付けられ、該冷却部材保持機構の該可動の部分は該コネクタの脱着手段と連動するように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の電子機器。
【請求項10】 該マルチチップモジュールの一方の面には該マザーボードに接続するための接続ピンと複数の半導体チップとが取り付けられ、他方の面には冷却部材が取り付けられるよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項11】 該接続構造は、該冷媒入口及び該冷媒出口と該冷凍装置とを接続するカプラであり、該カプラは接続することで該冷媒の循環を可能とし、外すことで該冷媒の循環を切断することを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項12】 該冷凍装置は該冷却部材に3℃以上で10℃以下の水を供給することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項13】 該冷凍装置は該冷却部材に3℃以下の不凍液を入れた水を供給することを特徴とする請求項11に記載の電子機器。
【請求項14】 該マザーボードと、該マルチチップモジュールと、該冷却部材とは、実質的に密閉の箱構造内に収容され、該箱構造内の該電子素子の近傍の露点を冷媒の供給温度以下にすることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項15】 該箱構造は30℃、70%RH、湿球温度26℃以下の環境下にて水分浸入量が1g/日以下の密閉箱であることを特徴とする請求項14に記載の電子機器。
【請求項16】 箱構造内に乾燥空気を供給する乾燥手段を備えたことを特徴とする請求項14に記載の電子機器。
【請求項17】 該箱構造は乾燥手段から供給された空気の流れと乾燥手段へ戻る空気の流れを分離する仕切り壁を含むことを特徴とする請求項16に記載の電子機器。
【請求項18】 該箱構造内部にダクト及びファンの少なくとも一方を設け、乾燥手段からの乾燥空気が箱構造内にスムーズに循環するようにしたことを特徴とする請求項14に記載の電子機器。
【請求項19】 マザーボードとマルチチップモジュールとの間の狭い空間に発熱体を設け、該乾燥手段の稼働の初期に発熱体に電力を供給し、該マザーボードと該電子素子との間の狭い空間で気流を生じさせ、該マザーボードと該マルチチップモジュールとの間の狭い空間の湿度を該マルチチップモジュールの周囲の広い空間の湿度に近づけることを特徴とする請求項16に記載の電子機器。
【請求項20】 乾燥手段によって発生する乾燥空気流を該マザーボードと該マルチチップモジュールとの間の狭い空間に導入する空気導入手段を含むことを特徴とする請求項16に記載の電子機器。
【請求項21】 該箱構造の壁に断熱層のある部分と断熱層のない部分を設けることを特徴とする請求項14に記載の電子機器。
【請求項22】 該箱構造の下側部分のみに断熱層を設けたことを特徴とする請求項21に記載の電子機器。
【請求項23】 該箱構造内の空気を循環して乾燥させる乾燥手段を備え、空気循環の下流側のみに断熱層を設けたことを特徴とする請求項21に記載の電子機器。
【請求項24】 マザーボード上のマルチチップモジュールの表面に対向する該箱構造の内面のみに輻射断熱層を設けたことを特徴とする請求項21に記載の電子機器。
【請求項25】 スペーサがマルチチップモジュールと放熱部材との間に隙間を保つように、マザーボードと放熱部材との間に配置され、放熱部材は放熱部材取付け手段で固定され、冷却部材が放熱部材に取付けられることを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項26】 該マルチチップモジュールの放熱面と放熱部材の受熱面との間に高熱伝導性材料が充填されていることを特徴とする請求項25に記載の電子機器。
【請求項27】 高熱伝導性材料はコンパウンドであることを特徴とする請求項26に記載の電子機器。
【請求項28】 スペーサは放熱部材に対して垂直方向に可動であり、スペーサを位置決め後に放熱部材と接着して固定することを特徴とする請求項27に記載の電子機器。
【請求項29】 該マルチチップモジュールの放熱面に所定の厚さのシートをのせ、その上から放熱部材をのせた状態でスペーサの位置決めを行い、接着した後に放熱部材を取り外し、コンパウンドを塗布することを特徴とする請求項28に記載の電子機器。
【請求項30】 該放熱部材の放熱面と冷却部材の受熱面とを圧力をかけて接触させる加圧手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項31】 該冷却部材の受熱面とは反対側に膨張可能な容器があり、容器に流体を注入することで容器が膨張して冷却部材を放熱部材側に加圧することを特徴とする請求項30に記載の電子機器。
【請求項32】 該冷却部材の表面及び該放熱部材の表面の表面粗さが中心線平均粗さRaで0.2μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項33】 前記複数のマルチチップモジュールとは別の複数の電子素子があり、該電子素子はプリント基板に取付けられた半導体チップを含み且つ該プリント基板は該マザーボードに取付けられており、さらに、該冷凍装置から冷媒を供給される追加の冷却部材が該電子素子の近傍に配置され、冷却空気によって空冷されることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項34】 該追加の冷却部材が該電子素子の間に挿入されることを特徴とする請求項33に記載の電子機器。
【請求項35】 該追加の冷却部材は該電子素子の列の実質的に外側にあり、熱伝導体が該追加の冷却部材に接続され、該熱伝導体が該電子素子の間に挿入されることを特徴とする請求項33に記載の電子機器。
【請求項36】 該追加の冷却部材は該電子素子を該マザーボードに設けられたコネクタに挿入するためのレールを有し、該電子素子の傾きを抑制して、該追加の冷却部材と該電子素子とが接触するのを防ぐことを特徴とする請求項35に記載の電子機器。
【請求項37】 熱伝導体中にヒートパイプを挿入し、該電子素子から該追加の冷却部材への熱移送能力を高めることを特徴とする請求項35に記載の電子機器。
【請求項38】 該電子素子が搭載されているプリント基板上に、該電子素子と平行なピンを配置して、該ピンが通る穴を該追加の冷却部材又はそれと一体的な部材に設けることで、冷却部材保持機構を移動させて該熱伝導体を該電子素子の間に挿入するときに、ピンがガイドの役目をし、該電子素子と該追加の冷却部材との位置決めを行い、該追加の冷却部材と該電子素子とが接触するのを防ぐことを特徴とする請求項35に記載の電子機器。
【請求項39】 該電子素子間に熱伝導体が接続された冷却部材を挿入した状態において、該電子素子を挿抜可能としたことを特徴とする請求項35に記載の電子機器。
【請求項40】 該追加の冷却部材は、第1の板と第2の板とを接合したものであり、該第1及び第2の板の少なくとも一方に溝状の冷媒通路を形成してあることを特徴とする請求項33に記載の電子機器。
【請求項41】 該第1及び第2の板の表面に熱伝導体を形成してあることを特徴とする請求項40に記載の電子機器。
【請求項42】 該追加の冷却部材は、第1の板と、第2の板と、該第1及び第2の板の間に配置されるスペーサとからなり、該第1の板と該スペーサと該第2の板とは密封状に互いに接合され、少なくとも該スペーサが冷媒通路を有し、該第1及び第2の板が冷媒入口及び冷媒出口となる開口部を有することを特徴とする請求項33に記載の電子機器。
【請求項43】 該第1及び第2の板及び該スペーサに対し、さらにスペーサ及び第3の板が組み合わせられることを特徴とする請求項42に記載の電子機器。
【請求項44】 該第1及び第2の板は該スペーサよりも大きく、該第1及び第2の板の該スペーサよりも外側に張り出した部分は熱伝導体として作用することを特徴とする請求項42に記載の電子機器。
【請求項45】 該第1及び第2の板は該スペーサを介してボルトで固定されることを特徴とする請求項42に記載の電子機器。
【請求項46】 該接続構造は、少なくとも1つの冷媒供給用のマニホールドと、少なくとも1つの冷媒排出用のマニホールドと、該冷媒供給用のマニホールドと各冷却部材の冷媒入口との間に延びる第1の導管と、該冷媒排出用のマニホールドと各冷却部材の冷媒出口との間に延びる第2の導管とを有し、該冷媒供給用のマニホールド及び該冷媒排出用のマニホールドは冷却部材保持機構に取付けられていることを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項47】 第1の冷却部材の該第1の導管と該第2の導管とは、第2の冷却部材の該第1の導管と該第2の導管に対してパラレルに配置され、第2の冷却部材の該第1の導管と該第2の導管とは、第4の冷却部材の該第1の導管と該第2の導管に対してシリーズに配置されていることを特徴とする請求項46に記載の電子機器。
【請求項48】 該少なくとも1つの冷媒供給用のマニホールド及び該少なくとも1つの冷媒排出用のマニホールドは、該冷却部材保持機構の一端側に配置されている第1の冷媒供給用のマニホールドと第1の冷媒排出用のマニホールドと、該冷却部材保持機構の他端側に配置されている第2の冷媒供給用のマニホールドと第2の冷媒排出用のマニホールドとからなることを特徴とする請求項46に記載の電子機器。
【請求項49】 該第1の冷媒供給用のマニホールドと該第1の冷媒排出用のマニホールドとは段違いに配置され、該第2の冷媒供給用のマニホールドと該第2の冷媒排出用のマニホールドとは段違いに配置されることを特徴とする請求項48に記載の電子機器。
【請求項50】 該第1及び第2の導管は、カプラにより、該冷却部材の冷媒入口、該冷却部材の冷媒出口、該冷媒供給用のマニホールド、及び該冷媒排出用のマニホールドの1つに接続されることを特徴とする請求項46に記載の電子機器。
【請求項51】 該冷却部材の冷媒通路は、複数の並列な流路により形成されていることを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項52】 該冷却部材の冷媒通路は蛇行状に曲がっており、複数の並列な流路は曲がり部において合流していることを特徴とする請求項51に記載の電子機器。
【請求項53】 該冷却部材の冷媒通路の圧力損失は冷却部材の伝熱面積1cm2 当たり700Pa以下であり、冷却性能は冷却部材の伝熱面積1cm2 当たり7623℃/W以下であることを特徴とする請求項52に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図14】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図12】
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【図17】
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【図19】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図15】
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【図16】
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【図18】
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【図32】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図33】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図39】
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【図37】
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【図38】
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【図40】
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【図41】
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【図44】
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【図42】
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【図43】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【公開番号】特開2000−59062(P2000−59062A)
【公開日】平成12年2月25日(2000.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−226906
【出願日】平成10年8月11日(1998.8.11)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】