説明

電子部品

【課題】バンプを介して基板上に素子を搭載した電子部品において、素子をバンプに接合する際に生じる応力が素子に作用することを抑制し、電子部品の品質のばらつきを抑え、製造歩留まりを向上させる。
【解決手段】第1平面を有する基板11と、前記基板11の第1平面に固定されたバンプ14と、前記基板11の第1平面に非接触かつ相対すると共に、前記バンプ14に接着により固定され、かつ、前記パンプ14との接着領域の近傍にスリット30を有する素子12とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上にバンプを介して素子を搭載する電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
光通信分野では、光信号の伝送に用いられる光ファイバと他の光ファイバとの間で光信号を切り換えるために、マイクロミラー素子を用いたいわゆる光MEMS(Micro Electro Mechanical System)が用いられている。
図13は、マイクロミラー素子10を備えた電子部品(MEMS)20の構成を示す平面図である。この電子部品20はシリコンからなる基板11上に、シリコンからなるMEMSチップ12を、基板11の面に平行に接合して形成されている。MEMSチップ12の中央部には、複数個のマイクロミラー素子10が一列に整列して配置される。マイクロミラー素子10は傾動可能に支持されており、静電気の作用を利用してその向きが制御される。
【0003】
図14は、電子部品20のA−A線断面図である。MEMSチップ12は基板11に立設されたバンプ13、14により基板11の上面から離間して支持されている。バンプ13、14は、基板11とMEMSチップ12との離間距離を確保するため、ボールボンディングによってバンプを2段重ねて形成している。基板11からMEMSチップ12を離間して支持する理由は、マイクロミラー素子10の傾動が制約されないようにするためである。
【0004】
バンプ13は基板11とMEMSチップ12とを電気的に接続する導通用のバンプである。バンプ13は、基板11に形成された配線パターンと電気的に接続して形成され、MEMSチップ12と導電性ペースト15により電気的に接続される。マイクロミラー素子10は、マイクロミラー素子10の周囲に形成されている電極に電位を付与することによって傾動する。基板11の配線パターンとMEMSチップ12に形成された電極及び配線とが、導通用のバンプ13を介して電気的に接続される。
【0005】
バンプ14は、MEMSチップ12を基板11に平行に支持するための補強用のバンプである。図13に示すように、バンプ14は、マイクロミラー素子10から離れた、MEMSチップ12の外縁に近い位置に配置する。バンプ14が配置された部位には接着層16が供給され、接着層16により基板11とMEMSチップ12とが接着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−251829号
【特許文献2】特開2003−262803号
【特許文献3】特開2004−330363号
【特許文献4】特開2006−108261号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した電子部品(MEMS)20において、補強用のバンプ14を使用しているのは、基板11とMEMSチップ12との離間間隔を確保し、MEMSチップ12を基板11に平行に支持するためである。しかしながら、接着層16を用いてMEMSチップ12を基板11に接合すると、接着層16を熱硬化させた際に接着層16が収縮し、接着層16の収縮力によってMEMSチップ12にうねりのような変形が生じる場合がある。図15に、MEMSチップ12に変形が生じた状態を示す。
このようなうねり変形がMEMSチップ12に生じると、その変形がマイクロミラー素子10が配置されている領域にまで及び、マイクロミラー素子10の傾きや動作に影響を及ぼすという問題が生じる。このため、MEMSチップ12を基板11に搭載した際に、MEMSチップ12に生じた変形がマイクロミラー素子10に影響を与えないようにすることが望まれる。
【0008】
本発明は、マイクロミラー素子を備えるMEMSチップを基板に実装する場合のように、バンプを介して基板から離間する配置に素子を実装する電子部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る電子部品として、実施形態の一観点から、第1平面を有する基板と、前記基板の第1平面に固定されたバンプと、前記基板の第1平面に非接触かつ相対すると共に、前記バンプに接着により固定され、かつ、前記パンプとの接着領域の近傍にスリットを有する素子とを備える電子部品が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、素子を基板に搭載する際に素子に作用する応力を低減させることができ、素子の変形を防止し、信頼性の高い電子部品を提供することができ、製品の歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】電子部品の第1の実施の形態の平面図である。
【図2】電子部品の接着領域近傍の実施形態の断面図(a)、及び従来例の断面図(b)である。
【図3】電子部品の第2の実施の形態の平面図である。
【図4】図3のB−B線断面図である。
【図5】電子部品の第3の実施の形態の断面図である。
【図6】電子部品の第4の実施の形態の製造工程及び断面図である。
【図7】電子部品の第5の実施の形態の断面図である。
【図8】第5の実施の形態の電子部品の製造工程を示す説明図である。
【図9】電子部品の第6の実施の形態及び製造工程を示す断面図である。
【図10】電子部品の第7の実施の形態及び製造工程を示す断面図である。
【図11】電子部品の第8の実施の形態及び製造工程を示す断面図である。
【図12】電子部品の第9の実施の形態及び製造工程を示す断面図である。
【図13】電子部品の従来の構成を示す平面図である。
【図14】図13のA−A線断面図である。
【図15】MEMSチップが変形した状態を示す電子部品の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に係る電子部品の例としてMEMSチップを基板に搭載した例を示す。電子部品21は、配線パターンが形成された基板11に、MEMSチップ12を搭載して形成されている。MEMSチップ12には可動部位としてマイクロミラー素子10が複数個並列して配置されている。MEMSチップ12はシリコンを基材とし、マイクロミラー素子10は支持フレーム等により、傾動可能にMEMSチップ12に支持されている。
【0013】
基板11にMEMSチップ12を搭載する方法は、図13に示す搭載方法と基本的に変わらない。すなわち、基板11に形成した導通用のバンプ13には導電性ペーストを塗布し、補強用のバンプ14には接着層16を供給し、基板11の上にMEMSチップ12を位置合わせして配置し、MEMSチップ12を加圧及び加熱して接合する。バンプ13は導電性ペーストを介してMEMSチップ12に接合し、バンプ14が配置された部分では接着層16を介して基板11とMEMSチップ12とが接着される。なお、基板11上において導通用のバンプ13と補強用のバンプ14が形成される面が第1平面である。以下、同様に基板11の第1平面を定義する。
【0014】
この電子部品21においては、接着層16を供給してMEMSチップ12と基板11との接合に使用する補強用のバンプ(第1バンプ)14の外側域に、第2バンプ18を配している。
バンプ14が配置されている部位に接着層16を供給して基板11とMEMSチップ12とを接着する従来方法においては、接着層16中にバンプ14が包含されるようにして接合している。バンプ14は杭のように作用し、基板11とMEMSチップ12との離間距離を確保し、かつ接着力を高めている。バンプ14は適宜配置されるが、図1に示す例においては、接着領域ごとに4つのバンプ14を正方形の頂点位置となるように配置し、バンプ14によって囲まれた領域内に接着層16を塗布している。
【0015】
第1バンプ14の外側に第1バンプ14とは若干離間させて第2バンプ18を配置する。この第2バンプ18の形態は従来の補強用として形成しているバンプ14の形態と変わらない。導通用のバンプ13についても同様である。
図示例では、第1バンプ14と第2バンプ18は、バンプを2段、重ねた形態としている。これらのバンプ14、18は、金線を用いたボールボンディング法によって形成する。すなわち、基板11の表面に金線を溶融したボール部を押接し、金線をまっすぐに引き上げながら金線の基部を切断することにより、上部に小突起が形成されたバンプが形成される。このバンプに次段のバンプを積み重ねて接合することによって、2段のバンプとなる。
【0016】
第1バンプ14、第2バンプ18は2段に重ねることによって100μm程度の高さとなる。基板11とMEMSチップ12との離間間隔をさらに広くする場合には、バンプを3段、4段と多段に積み重ねて形成すればよい。
第1バンプ14と第2バンプ18は、同じ金線を用いたボールボンディングによって形成するから、まったく同形に、また、ボンディング位置を任意に選択することによって種々の平面配置とすることができる。導通用のバンプ13についても同様である。
【0017】
本実施形態において、第1バンプ14の外側に、第1バンプ14から若干離間した配置に第2バンプ18を配置している理由は、接着層16を第1バンプ14のみに付着させ、第2バンプ18には接着層16が付着しないようにするためである。
図2(a)に、第1バンプ14と第2バンプ18を設けて基板11にMEMSチップ12を接合した状態を拡大して示す。接着層16を供給した第1バンプ14については、第1バンプ14を包含するようにして基板11とMEMSチップ12との間に接着層16が充填されているのに対して、第2バンプ18には接着層16が付着していない。第1バンプ14に接着層16を供給する際には、第2バンプ18に接着層16が付着しないように接着層16の供給位置及び供給量を調節する。
【0018】
このように、第1バンプ14には接着層16を付着させ、第2バンプ18には接着層16を付着させないようにする理由は、第2バンプ18にはMEMSチップ12が変形する(反る)ことを抑制させる作用をもたせるためである。
図2(b)は、比較例として従来の第1バンプ14のみを使用して基板11にMEMSチップ12を接合した状態を説明的に示す。第1バンプ14が接着層16中に埋没して基板11とMEMSチップ12との間に接着層16が充填された状態で接着層16が硬化すると、接着層16による収縮力がMEMSチップ12に作用することによってMEMSチップ12が変形する。
これに対して、本実施形態のように、接着層16とは離間した配置に第2バンプ18を配置すると、MEMSチップ12に接着層16による収縮力が作用しても、第2バンプ18が収縮力に対抗してMEMSチップ12を支持するように作用し、MEMSチップ12が変形する(反る)ことを抑えることが可能となる。
【0019】
第2バンプ18は第1バンプ14の外側の位置において、MEMSチップ12を支えるように作用してMEMSチップ12の変形を抑えるから、第1バンプ14を囲むような配置に設けるのがよい。図1に示す例では、4つの第1バンプ14が配置された周囲に4つの第2バンプ18を配置した。第2バンプ18の配置は、図示例のものに限るものではなく、第1バンプ14を囲む領域以外にも配置して、MEMSチップ12に生じる変形を抑制し、MEMSチップ12の変形がマイクロミラー素子10が配置されている領域に及ばないようにすることができる。
【0020】
第1バンプ14と第2バンプ18は金線を用いたボールボンディングによって形成するから、第1バンプ14と第2バンプ18を配置する位置は任意に設定することができる。
また、本実施形態のMEMS実装構造は、従来の導通用のバンプ13と補強用のバンプ14を使用して基板11にMEMSチップ12を接合する方法で使用する装置がそのまま利用できるという利点がある。
【0021】
第1バンプ14及び第2バンプ18は、基板11に対するMEMSチップ12の高さを規定するスペーサとして作用する。実際の工程では、ボールボンディングによってバンプを形成した後、ガラス板等の平坦面にバンプの頂部を押しつけ、第1バンプ14と第2バンプ18及び導通用のバンプ13をレベリングしてから、導通用のバンプ13には導電性材としての導電性ペーストを塗布し、第1バンプ14には接着層16を供給して、MEMSチップ12を基板11に加圧及び加熱して接合する。
【0022】
本実施形態の電子部品21は、第1バンプ14に加えて第2バンプ18を設けたことにより、MEMS製品を組み立てる際にMEMSチップ12に生じる反り等の変形を抑制することができ、MEMSチップ12が変形することによってマイクロミラー素子10の特性が変化することを防止することができる。これによって、電子部品21の歩留まりを向上させることができ、電子部品21の品質のばらつきを抑えることが可能となる。
【0023】
(第2の実施の形態)
図3は、電子部品の第2の実施の形態の構成を示す平面図である。電子部品22は、基板11の第1平面上に固定した導通用のバンプ13と補強用のバンプ14を介して基板11にMEMSチップ12を接合して形成されている。
本実施形態の電子部品22においては、基板11に配置される補強用のバンプ14に接着層16が供給される接着領域の近傍に、接着層16が収縮することによる応力がマイクロミラー素子10に作用しないようにするスリット30を設けている。スリット30はMEMSチップ12を厚さ方向に貫通させて設ける。
【0024】
図3に示す例では、接着領域Dが、MEMSチップ12の長手方向の両側縁に沿って4個所ずつ、合わせて8個所設けられている。各々の接着領域Dには、バンプ14が4つ配置され、バンプ14を包含するように接着層16が供給されている。
スリット30は、平面形状がコの字形に形成され、スリット30による開口部がマイクロミラー素子10が配置されている領域を挟んで対向するように配置されている。
【0025】
本実施形態において、MEMSチップ12にスリット30を設けている理由は、接着層16が収縮することによる応力がマイクロミラー素子10が形成されている領域に伝達されないようにするためである。接着層16が収縮することによる応力がマイクロミラー素子10が形成されている領域に伝達されるのは、接着領域Dとマイクロミラー素子10が形成されている領域が直接的に連結されているためである。本実施形態では、接着領域Dとマイクロミラー素子10とが連結される連結領域(中間領域)を分断するようにスリット30を配置することによって、接着領域Dからマイクロミラー素子10が配置されている領域に応力が伝達されることを抑制することができる。
【0026】
図3に示すように、マイクロミラー素子10が形成されている領域と接着領域Dとの間を分断するようにスリット30を配置し、接着領域Dの周囲を半周以上にわたって囲むようにスリット30を配置すると、スリット30によって囲まれた領域30aが可動片となる。これによって、接着領域Dにおいて生じた応力がマイクロミラー素子10が形成された領域に及ぶことをさらに効果的に抑制することができる。
【0027】
図4は、図3のB−B線断面図であり、スリット30を設けたMEMSチップ12を基板11に接合した状態の断面図である。MEMSチップ12を基板11に位置合わせし、MEMSチップ12を基板11に加圧及び加熱して接着層16を熱硬化させて接合する。接着層16が硬化時に収縮すると、スリット30によって囲まれた領域30aでは、MEMSチップ12の基材が基板11側に引っ張られて湾曲する。このMEMSチップ12に作用する接着層16の収縮力による応力は、領域30a内におけるMEMSチップ12の変形として吸収され、MEMSチップ12に作用する応力がマイクロミラー素子10に及ぶことが防止される。
【0028】
MEMSチップ12に、マイクロミラー素子10に作用する応力を緩和するためのスリット30を設ける方法は、補強用のバンプ14によってMEMSチップ12を基板11から離間して支持するという本来の機能を損なわせるものではない。
本実施形態においては、マイクロミラー素子10が形成されている領域に沿って導通用のバンプ13を配置しているから、バンプ13によっても、マイクロミラー素子10の基板11からの高さが確保され、マイクロミラー素子10を平坦状に支持することが達成されている。
【0029】
なお、図3に示す実施形態では、接着層16による接着領域Dを囲むようにコの字形にスリット30を設けたが、スリット30の配置位置や形状は適宜選択することが可能である。製品によっては、スリット30を角形に屈曲させずに曲線的に屈曲させた形状とすることができ、屈曲形状とせずに直線状に形成することも可能である。また、本実施形態のように、個々の接着領域Dごとにスリット30を別個に設けるかわりに、複数の接着領域Dにわたって連通するようにスリットを設けることも可能である。
【0030】
(第3の実施の形態)
図5は、電子部品の第3の実施の形態の構成を示す断面図である。上述した第2の実施の形態においては、MEMSチップ12にスリット30を設けることによって、接着層16に起因する応力をMEMSチップ12で吸収するようにした。本実施の形態の電子部品23は、MEMSチップ12に生じる変形を吸収あるいは緩和するために、接着層16に起因する応力を基板11側で吸収するようにした例である。
【0031】
図5における電子部品23も、基板11の第1平面上に設けた導通用のバンプ13と補強用のバンプ14とにより、基板11に対してMEMSチップ12が離間されて支持される。バンプ13とMEMSチップ12とは導電性ペースト15により接続され、バンプ14には接着層16が供給されて基板11とMEMSチップ12とが接合されている。
本実施形態では、接着層16が硬化する際に生じる収縮力を基板11側で吸収するため、基板11の第1の平面と垂直な第1の方向の厚さ(第1厚み)T1よりも、MEMSチップ12の前記第1方向の厚さ(第2厚み)T2を厚く設定する。基板11及びMEMSチップ12はともにシリコンからなる。したがって、基板11の厚さ(T1)よりもMEMSチップ12の厚さ(T2)を厚くすることにより、接着層16が硬化する際に生じる応力は基板11が変形することによって吸収され、MEMSチップ12に変形が及ぶことを抑えることができる。
【0032】
基板11とMEMSチップ12の厚さは製品によって異なるが、前述した第1の実施の形態と第2の実施の形態の製品においては、MEMSチップ12の厚さが150μm程度、基板11の厚さが600μm程度である。
本実施形態の場合は、MEMSチップ12の厚さを150μmとすると、基板11の厚さは150μm程度以下、例として100μm、70μm程度とすればよい。
本実施形態の電子部品によれば、基板11が変形することでMEMSチップ12に変形が生じないようにすることができ、マイクロミラー素子10への影響を抑えてマイクロミラー素子10の特性が変化することを防止することができる。
【0033】
(第4の実施の形態)
図6は、電子部品の第4の実施の形態の構成を示す断面図であり、マイクロミラー素子10を備えた電子部品24の製造工程を示す。
本実施形態の電子部品24は、基板11の第1平面上に導通用のバンプ13と補強用のバンプ14とを形成した後、バンプ13、14の頂部に接着剤40を塗布し、バンプ13、14の先端に付着した接着剤40を介して基板11とMEMSチップ12とを接着して形成する。
【0034】
図6(a)は、基板11に形成したバンプ13、14の先端に接着剤40を付着させる工程を示す。平坦面に形成された転写テーブル42の表面に、接着剤40を薄く、平坦状にコーティングし、バンプ13、14の先端を下向きにして、基板11に形成されたバンプ13、14の頂部を転写テーブル42に当接させる。転写テーブル42上の接着剤40の厚さを、バンプ13、14の頂部が埋没する程度の厚さ(10〜20μm程度)に設定することにより、バンプ13、14の頂部にのみ接着剤40を付着させることができる。図6(b)は、バンプ13、14の先端部分に接着剤40が付着した状態を示す。
【0035】
バンプ13、14の基板11の第1平面とは反対側の先端に接着剤40を付着させた後、バンプ13、14に位置合わせしてMEMSチップ12を接合する。図6(c)は、基板11にMEMSチップ12を接合した状態を示す。MEMSチップ12はバンプ13、14の先端に付着する接着層を介してバンプ13、14に固定され、基板11とMEMSチップ12との間を充填するように接着剤40が供給されない。したがって、接着剤40が硬化する際に収縮したとしても、接着剤40が収縮することによる応力がMEMSチップ12に強く作用することはない。したがって、MEMSチップ12に形成されているマイクロミラー素子10に対する、MEMSチップ12搭載時における応力の影響を抑えることができ、マイクロミラー素子10の特性が変動することを防止することができる。
【0036】
バンプ13は導通用のバンプであり、基板11に形成されている配線パターンとMEMSチップ12に形成されている配線パターン、及びマイクロミラー素子10を傾動させるための電極と電気的に接続される。このため、MEMSチップ12の下面にはバンプ13が接合する位置に接合用のパッドが形成されている。一方、バンプ14は補強用のバンプであり、MEMSチップ12にはこれらのバンプ14に接続される配線パターンは形成されていない。したがって、接着剤40として導電性の接着剤を使用することでバンプ13とMEMSチップ12との電気的接続と、バンプ14とMEMSチップ12との接合を図ることができる。
【0037】
接着剤40には種々の導電性接着材料が使用できる。たとえば、異方導電性接着剤を接着剤40に使用した場合は、バンプ13とMEMSチップ12との電気的接続と、バンプ14とMEMSチップ12との好適な接合をなすことができる。異方導電性接着剤は導電粒子を含有するから、バンプ13とMEMSチップ12とを電気的に接続することができ、樹脂系の接着剤と同等の接着力を備えることから、基板11に確実にMEMSチップ12を接合することができる。
【0038】
接着剤40として、はんだペーストを使用することもできる。接着剤40としてはんだペーストを使用した場合は、導通用のバンプ13とMEMSチップ12との電気的接続が確実になされるという利点がある。補強用のバンプ14については、MEMSチップ12にバンプ14が接合されるダミーのパッドを形成しておくことによって、バンプ14をMEMSチップ12に所定の接着力をもって接合することができる。
【0039】
(第5の実施の形態)
図7は、電子部品の第5の実施の形態を示す。本実施形態の電子部品(MEMS)25は、基板11とMEMSチップ12とを接着する接着層16が、補強用のバンプ14の下部側に供給されて熱硬化した第1接着層16aと、第1接着層16aの上に供給された第2接着層16bとからなる。MEMSチップ12は第2接着層16bによりバンプ14に接着固定される。
【0040】
図8は上述した電子部品25の製造方法を示す。図8(a)は、基板11の第1平面上にバンプ14を形成した状態である。バンプ14は2段に積み重ねて形成されているが、バンプを3段以上に積み重ねることもできる。また、バンプ14が1段のみであってもMEMSチップ12を支持するに十分な高さが確保できる場合には、1段のみのバンプ14としてもよい。基板11に配置される接着領域Dには、各々9個のバンプ14が配置されている。
【0041】
図8(b)は、ディスペンサーニードル50を用いて、バンプ14の下段側に熱硬化型の第1接着層16aとなる接着剤161を供給する工程を示す。ディスペンサーニードル50は1段目のバンプ14aの側面に添わせるようにして接着剤161を供給する。
【0042】
次いで、バンプ14に供給された接着剤161を熱硬化させ、第1接着層16aを形成する。加熱処理としては、赤外線ヒータを使用する方法、ホットプレートにより基板11を加熱する方法等が利用できる。
図8(c)は、第1接着層16aを形成した状態である。第1接着層16aは、基板11の表面から1段目のバンプ14aの側面部分にかけてメニスカス状となる。バンプ14は、外側面が互いに隣接するように配置されている。したがって、隣接するバンプ14の中間部分にも第1接着層16aが形成される。
【0043】
バンプ14の下段側に第1接着層16aを形成する目的は、バンプ14と基板11との間の隙間部分と隣接するバンプ間の下段側の隙間部分を第1接着層16aによって充填し、第2接着層16bとなる接着剤の供給量を減らすことにある。第1接着層16aとなる接着剤161の分量はとくには限定されないが、接着層16となる接着剤の総量の3分の1〜3分の2程度とする。
【0044】
図8(d)は、バンプ14に第2接着層16bとなる接着剤162を供給する(塗布する)する工程を示す。接着剤162は、ディスペンサーニードル51を用いてバンプ14の上側から塗布する。
次に、バンプ14にMEMSチップ12を接着する(図8(e))。MEMSチップ12を接着する際には、導通用のバンプ13にも導電性ペースト15を供給し、MEMSチップ12を基板11に押圧して加熱する。加熱処理は、赤外線ヒータを用いて加熱する方法、ホットプレート上に基板11をのせて加熱する方法等が利用できる。
バンプ14には第2接着層16bを介してMEMSチップ12が接着固定され、導通用のバンプ13については、導電性ペースト15によりMEMSチップ12が接合される。
【0045】
本実施形態においては、バンプ14の上部(上段)側の第2接着層16bのみがMEMSチップ12の接着に寄与する。バンプ14の上部側に供給される接着剤162の分量は、第1接着層16aを形成したことによって、接着領域のバンプ14全体に供給される接着剤の分量よりも少なくなる。したがって、第2接着層16bとなる接着剤162が熱硬化するときの熱収縮量は、バンプ14全体に接着剤を供給した場合にくらべて小さくなる。これによって、MEMSチップ12に作用する接着剤の熱収縮による変形作用を抑えることができる。
【0046】
第2接着層16bの分量としては、バンプ14の上部側が第2接着層16bによって充填され、MEMSチップ12の下面とバンプ14の外側面との間にメニスカス状に第2接着層16bが形成される程度でよい。MEMSチップ12はバンプ14の上部に当接することによって基板11からの高さ位置が規定され、バンプ14の上部とMEMSチップ12との間に第2接着層16bが充填されることによって確実な接着力が得られる。
【0047】
第1接着層16aと第2接着層16bには、同一の接着剤を使用してもよいし、異種の接着剤を使用してもよい。同一の接着剤を使用する場合は、第1接着層16aと第2接着層16bとの間の接着力(密着性)が十分に確保される。異種の接着剤を使用する場合は、第1と第2の接着層16a、16bとの間で十分な接着力が確保できる接着剤を選択し、基板11に確実にMEMSチップ12が接着固定されるようにする。異種の接着剤を使用する場合には、第2接着層16bについては熱硬化時の熱収縮量が第1接着層16aよりも小さい接着剤を選択することにより、MEMSチップ12に作用する変形を抑えることが可能である。
【0048】
本実施形態においては、バンプ14に2回に分けて接着剤を供給し、下段の接着剤を熱硬化させた後に上段の接着剤を供給した。バンプ14の高さがさらに高い場合には、バンプ14に供給する接着剤を3段階以上に分割し、下段側から順次、接着剤を熱硬化させながら供給し、最上層の接着剤層によってMEMSチップ12をバンプ14に接着することも可能である。
【0049】
(第6の実施の形態)
図9は、電子部品の第6の実施の形態と電子部品の製造工程を示す。
本実施形態においては、基板11に形成したMEMSチップ12を支持するバンプ14が形成された周囲に、基板11とMEMSチップ12の接着固定に使用する接着剤の濡れ広がりを防止するダム作用をなす突起52を形成する。
図9(a)は、基板11の第1平面上に突起52を形成し、ディスペンサーニードル50により第1接着層16aとなる接着剤161を供給する状態を示す。
【0050】
突起52は、複数個のバンプ14が隣接して配置された基板11上の接着領域の外周囲を囲むように形成する。
突起52を形成する方法としては、リング状に形成した樹脂フィルムを基板11の表面に貼着する方法、樹脂材を突起52の形状に塗布して形成する方法が利用できる。また、基板11の表面を感光性フィルムによって被覆し、突起52の形状に合わせて感光性フィルムをパターン形成する方法、基板11上に金属層を被着形成し、金属層を突起52の形状に合わせてパターン形成する方法を利用することもできる。金属層によって突起52を形成する場合は、基板11上に配線パターンを形成する工程を利用して突起52を形成することも可能である。
【0051】
図9(b)は、突起52の内側に接着剤161を供給した状態を示す。突起52により接着剤161の濡れ広がりが阻止されている。バンプ14の周囲が接着剤161によって所定の厚さに被覆されるように接着剤161の供給量を調節する。接着剤161を供給した後、加熱処理により接着剤161を熱硬化させ、第1接着層16aとする。
【0052】
次いで、バンプ14の上方から、第2接着層16bとなる接着剤を供給する。第2接着層16bとなる接着剤の供給量は、2段に積み重ねられたバンプ14の上部を充填し、第1接着層16aの上面とMEMSチップ12の下面との間をメニスカス状に充填される程度とする。
バンプ14に第2接着層16bを供給した後、基板11にMEMSチップ12を位置合わせし、上側に供給した接着剤を熱硬化させ、第2接着層16bを介して基板11とMEMSチップ12とを接着固定させる(図9(c))。
【0053】
本実施形態においては、バンプ接合部の周囲に突起52を設けたことにより、第1接着層16aとなる接着剤の流動性が高い場合であっても、接着剤が広範囲に広がることを防止することができ、接着領域に所定の厚さに第1接着層16aを供給することができる。
本実施形態においても、バンプ14の下段側に第1接着層16aを形成することにより、MEMSチップ12の接着に寄与する第2接着層16bの接着剤の分量を抑えることができる。第2接着層16bとなる接着剤の分量が抑えられることによって、MEMSチップ12を基板11に接着する際に接着剤が熱収縮することに起因するMEMSチップ12に作用する変形作用を抑制することができる。
【0054】
なお、突起52の形態は、周方向に連続してバンプ接合部を囲む形態としてもよいし、周方向の一部が欠如した形態であってもよい。また、接着剤の流動性が低い場合には、接着剤の拡散を抑えたい方向のみを遮断するように突起52を配置してもよい。
【0055】
(第7の実施の形態)
図10は、基板11の接着領域に配置される補強用のバンプ14に接着剤を供給する他の実施の形態を示す。
本実施形態においては、基板11に形成したMEMSチップ12を支持するバンプ14にキャップ治具53を被せて接着剤を供給する方法を利用して電子部品を製造する。
図10(a)は、バンプ14にキャップ治具53を被せ、ディスペンサーニードル54を用いて、第1接着層16aとなる接着剤161を供給する状態を示す。
【0056】
キャップ治具53は、基板11上の接着領域に形成されているバンプ14の上部を覆うように、バンプ14の頂部側を収容する部分が凹部に形成されている。キャップ治具53の外縁部53aは、バンプ14にキャップ治具53を被せた際に、キャップ治具53の下面Cが、基板11の表面(第1平面)からバンプ一つ分程度の高さ離間するように形成されている。
ディスペンサーニードル54により、この外縁部53aの下面Cと基板11の表面との隙間部分に接着剤(第1接着剤)161を供給する。
【0057】
図10(b)は、基板11とキャップ治具53の外縁部53aの下面との間に接着剤161が供給された状態を示す。接着剤161は毛細管現象によって、基板11とキャップ治具53の外縁部53aとの隙間部分を充填する。この状態で、接着剤161を熱硬化させる。こうして、基板11の第1平面が第1接着層16aによって所定の厚さに被覆される。
図10(c)は、キャップ治具53を外した後、バンプ14に第2接着層16bとなる第2接着剤を供給し、第2接着剤を熱硬化させることにより、第2接着層16bによりMEMSチップ12をバンプ14に接着固定した状態を示す。
【0058】
図10(d)、(e)は、バンプ14に、第1接着層16aとなる接着剤(第1接着剤)161を供給した後、バンプ14の上部にキャップ治具53を被せ、接着剤161を基板11上で平坦状に広げる方法による製造工程を示す。
バンプ14に接着剤161を供給し(図10(d))、キャップ治具53をバンプ14に被せることによって、接着剤161が平坦状に広がる。このキャップ治具53をバンプ14に装着した状態で、接着剤161を熱硬化させ、所定の厚さに第1接着層16aが広がった状態でバンプ14及びバンプ14の周囲を被覆する。次いで、キャップ治具53を取り外し、第2接着層16bとなる第2接着剤を供給し、第2接着剤を熱硬化させ、第2接着層16bによってMEMSチップ12を接着する。
【0059】
本実施形態においても、第1接着層16aの上に第2接着層16bとなる接着剤を供給することにより、MEMSチップ12の接着に寄与する第2接着層16bの分量を、バンプ14全体の接着剤の分量よりも少なくすることができる。これにより、MEMSチップ12が接着される際に、接着剤が熱収縮することによって生じる変形を抑えることができる。
キャップ治具53の凹部の深さ寸法を変えたり、キャップ治具53の外縁部53aの平面形状を変えることによって、第1接着層16aの広がり形状や厚さを変えることができる。
【0060】
(第8の実施の形態)
図11は、電子部品の第8の実施の形態及び電子部品の製造工程を示す。
本実施形態においては、MEMSチップ12を支持する第1バンプ14に加えて第2バンプとしてのダミーバンプ55を形成する。
図11(a)は、基板11に第1バンプ14とダミーバンプ(第2バンプ)55を形成した状態を示す。第1バンプ14はバンプを2段、積み重ねて形成したものであるのに対して、ダミーバンプ55は1段のバンプによって形成する。ダミーバンプ55は第1バンプ14を形成した周囲に第1バンプ14に隣接して配置する。ダミーバンプ55はボールボンディングによってバンプ状に形成する。図11(a)に示すダミーバンプ55は、頂部から切り残しの線材が突出している。ダミーバンプ55では、このように線材の切断端がバンプ上に突出するように形成してかまわない。
【0061】
図11(b)は、接着領域の第1バンプ14の周囲にダミーバンプ55を形成した状態を平面方向から見た状態である。図11(b)では接着領域に9個の第1バンプ14が形成された例である。ダミーバンプ55はこの第1バンプ14が形成されている領域の周囲を包囲するように配置する。接着領域における第1バンプ14の配置数及び配置位置は、まちまちである。したがって、ダミーバンプ55は接着領域における第1バンプ14の平面配置に合わせて適宜配置すればよい。
【0062】
図11(c)は、接着領域に第1接着層16aとなる接着剤161を供給した状態を示す。接着剤161は、ダミーバンプ55に接着剤を接触させるようにして供給する。第1バンプ14の周囲にダミーバンプ55が配置されているから、ダミーバンプ55と基板11との間、ダミーバンプ55と第1バンプ14との間、隣接する第1バンプ14間に接着剤161が進入する。
ダミーバンプ55は接着剤161をバンプ接合部の領域内に溜めるダムのように作用し、バンプ接合部に一定量の接着剤161を溜めるように作用する。
【0063】
次いで、加熱処理により接着剤161を熱硬化させ第1接着層16aを形成した後、第1バンプ14の上部から第2接着層16bとなる接着剤を供給し、第2接着層16bによりMEMSチップ12を第1バンプ14に接着する。
図11(d)に、MEMSチップ12を基板11に接着固定した状態を示す。第1バンプ14の周囲にダミーバンプ55を形成したことによって、第1バンプ14が配置されている領域から第2接着層16bとなる接着剤が漏出することが防止される。第1接着層16aとMEMSチップ12との間に好適に第2接着層16bが形成され、MEMSチップ12が第1バンプ14に確実に接着される。
本実施形態においても、第2接着層16bとなる接着剤による熱収縮量が従来にくらべて抑制され、MEMSチップ12の変形を防止することができる。
【0064】
本実施形態のダミーバンプ55を利用する法は、ボールボンディングによってバンプ14を形成する工程を利用して、ダミーバンプ55を形成することができ、従来の電子部品の製造工程を大きく変える必要がないという利点がある。
【0065】
(第9の実施の形態)
図12は、電子部品の第9の実施の形態と電子部品の製造工程を示す。
本実施形態においては、MEMSチップ12を支持するバンプ14が形成されているバンプ接合部の周囲に段差部56を形成する。
図12(a)は、基板11の第1平面上に段差部56を形成した状態を示す。段差部56は、バンプ14の1段の高さと同程度の高さに形成する。基板11上に段差部56と同厚の感光性のレジスト材を被着し、レジスト材を露光及び現像してパターン形成することにより段差部56を形成することができる。
【0066】
図12(b)は、段差部56の内側の領域にバンプ14を形成した状態を示す。バンプ14はボールボンディングにより、段差部56の内側面にバンプの外面を接近させた配置に形成する。
図12(c)は、バンプ14を形成した状態を平面方向から見た状態を示す。段差部56によって囲まれた内側にバンプ14が配置されている。
【0067】
段差部56を形成し、バンプ14を形成した後、バンプ14の上から接着剤を供給し、MEMSチップ12をバンプ14に接着する。
図12(d)に、接着層16によりMEMSチップ12が基板11に接着されている状態を示す。本実施形態においては、下段のバンプ部分では、バンプ14間にのみ接着剤が供給され、従来方法と比較して接着剤の供給量を減らすことができる。これによって、MEMSチップ12に作用する接着剤の熱収縮による変形を抑えることが可能となる。
【0068】
以上、本発明に係る電子部品として基板にMEMSを実装する例を説明した。MEMS製品にはきわめて多種類の製品があり、本願発明は上記実施形態において説明したマイクロミラー素子10を搭載した製品に適用する場合に限られない。また、適用される電子部品も、マイクロミラー素子10のような可動部を備えた素子を搭載される製品に限られるものではない。本願発明は、基板と離間して素子を搭載する形態の製品については、共通に適用することができる。
【0069】
(付記1) 第1平面を有する基板と、前記基板の第1平面に固定された第1バンプと、前記基板の第1平面に固定され、第1バンプの周囲に配置された第2バンプと、前記基板の第1平面に非接触かつ相対する位置で、前記第1バンプ及び前記第2バンプに固定された素子と、前記第1バンプ、前記基板及び前記素子に接触する接着領域とを備えることを特徴とする電子部品。
(付記2) 第1平面を有する基板と、前記基板の第1平面に固定されたバンプと、前記基板の第1平面に非接触かつ相対すると共に、前記バンプに接着により固定され、かつ、前記パンプとの接着領域の近傍にスリットを有する素子とを備えることを特徴とする電子部品。
(付記3) 前記スリットは、前記接着領域の周囲を半周以上にわたって囲む配置に形成されていることを特徴とする付記2記載の電子部品。
(付記4) 第1平面を有し、第1平面と垂直な第1方向に第1厚みを有する基板と、前記第1平面に固定されたバンプと、前記第1平面に非接触かつ相対し、前記バンプに固定され、かつ前記第1方向に第1厚みよりも厚い第2厚みを有する素子とを備えることを特徴とする電子部品。
(付記5) 前記基板と前記素子とは同一材からなることを特徴とする付記4記載の電子部品。
(付記6) 第1平面を有する基板と、前記第1平面に固定されたバンプと、前記バンプ上の前記第1平面の反対側に配置された接着層と、前記接着層に固定された素子とを備えることを特徴とする電子部品。
(付記7) 前記接着層は、異方導電性接着剤からなることを特徴とする付記6記載の電子部品。
(付記8) 前記接着層は、はんだペーストからなることを特徴とする付記6記載の電子部品。
(付記9) 第1平面を有する基板と、前記第1平面に固定されたバンプと、第1平面に非接触かつ相対し、前記バンプに固定された素子と、前記第1平面及び前記バンプに接触する第1接着層と、前記第1接着層及び前記素子に接触する第2接着層とを備えることを特徴とする電子部品。
(付記10) 前記第1平面上かつ前記第1接着層の周囲に突起を有することを特徴とする付記9記載の電子部品。
(付記11) 第1平面を有する基板と、前記第1平面に固定された第1バンプと、前記第1平面に非接触かつ相対し、前記第1バンプに固定された素子と、前記第1平面に固定され、前記素子と離間し、前記第1バンプに隣接する第2バンプと、前記第1平面、前記第1バンプ及び第2バンプに接触する第1接着層と、前記素子及び前記第1バンプに接触する第2接着層とを備えることを特徴とする電子部品。
(付記12) 第1平面を有する基板と、前記第1平面に固定された第1バンプと、前記第1平面に非接触かつ相対し、前記第1バンプに固定された素子と、前記第1平面に固定され、前記素子と離間し、前記第1バンプに隣接する段差部と、前記素子及び前記第1バンプ及び前記段差部に接触する接着層とを備えることを特徴とする電子部品。
(付記13) 前記素子がMEMSチップであることを特徴とする付記1〜12のいずれか一項記載の電子部品。
(付記14) 基板の第1平面に固定されたバンプにキャップ治具を被せる工程と、前記キャップ治具と前記基板の第1平面との隙間部分に第1接着剤を供給する工程と、前記第1接着剤を熱硬化させる工程と、前記キャップ治具を外し、前記熱硬化後の第1接着剤の上に第2接着剤を供給する工程と、前記第2接着剤により前記素子を前記バンプに接着固定する工程とを備えることを特徴とする電子部品の製造方法。
(付記15) 基板の第1平面に固定されたバンプに第1接着剤を供給する工程と、前記第1接着剤が供給された前記バンプにキャップ治具を被せ、該キャップ治具と前記基板の第1平面との隙間部分に第1接着剤を充填する工程と、前記第1接着剤を熱硬化させる工程と、前記キャップ治具を外し、前記熱硬化後の第1接着剤の上に第2接着剤を供給する工程と、前記第2接着剤により前記素子を前記バンプに接着固定する工程とを備えることを特徴とする電子部品の製造方法。
【符号の説明】
【0070】
10 マイクロミラー素子
11 基板
12 MEMSチップ
13 導通用のバンプ
14 第1バンプ(補強用のバンプ)
18 第2バンプ
15 導電性ペースト
16 接着層
16a 第1接着層
16b 第2接着層
20、21、22、23、24、25 電子部品
40 接着剤
52 突起
53 キャップ治具
55 ダミーバンプ(第2バンプ)
56 段差部
161、162 接着剤
D 接着領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1平面を有する基板と、
前記基板の第1平面に固定されたバンプと、
前記基板の第1平面に非接触かつ相対すると共に、前記バンプに接着により固定され、かつ、前記パンプとの接着領域の近傍にスリットを有する素子と
を備えることを特徴とする電子部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−21367(P2013−21367A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−228165(P2012−228165)
【出願日】平成24年10月15日(2012.10.15)
【分割の表示】特願2008−321833(P2008−321833)の分割
【原出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】