説明

電子錠システム及びシリンダー錠一体型電気錠

【課題】電気的信号で動作する電気錠自体が本来的に持つ脆弱性を、物理的な解錠手段を予備として備えて補いつつも、そのセキュリティ性を低下させない電子錠システムを実現できる電気錠の提供。
【解決手段】電子錠制御装置(親機)は、物理的にキャビネット本体と完全に分離するものとし、電気錠制御基盤(子機)は、親機との無線通信制御と電流電圧制御と電気錠制御と表示装置制御等の各ユニットで構成するものとし、解錠装置は、物理的解錠装置と電気錠制御基盤(子機)で制御する電気錠を一体的に構成するが、常時、物理的解錠装置を使用しても電気錠の駆動装置に全く物理的負荷を与えないものとし、電力供給装置は、電気錠制御基盤(子機)と解錠装置に電気を供給し交換可能なものとし、キャビネット本体には解錠装置だけ、あるいは電気錠制御基盤(子機)と解錠装置だけを取付けて出荷し、管理者は解錠装置以外の部品の購入を選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば電気信号によって開閉する家具用の電子錠システムの電気錠に係り、特に、非接触型ICカードに記載登録されているカードIDナンバーの認証及び/または照合により電気錠の解錠及び/または施錠を可能とし、非常時には物理的な鍵による解錠及び/または施錠が可能な電子錠システムおよび電気錠に関する。
【背景技術】
【0002】
電気錠は原理的に、安定した電気が供給され解錠信号が正しく制御されていることを前提とするが、この前提が崩れたときにはシリンダー錠等の物理的方法で解錠するのが一般的である。電気の供給は一般電源の他、乾電池、蓄電池などによるが、常に電気の供給や信号送信が停止する事態を想定すれば、錠前を破壊またはピッキングという物理的な手段以外に、以下に示すような種々の非常事態用の電気錠の解錠手段が存在する。
【0003】
特許文献1は、相対向する一対のプレートをスペーサを介して一定の間隔を保持して固定し、そのプレート間にねじ棒とガイド棒を設け、そのネジ棒とガイド棒が各々挿通される可動部材を備え、その可動部材の一部に一端を係合し、他端を一方のプレートに枢支して枢動自在とした操作ロッドを備え、前記したねじ棒にはモータ駆動される減速出力ギアと噛合され、その減速出力ギアによってねじ棒が回転され、可動部材を移動させて、操作ロッドを同期して枢動させ、その操作ロッドを電気錠における手動の閂部材操作子と係合させるとする技術思想を示す。
【0004】
しかし、緊急時の解錠方法を知っていれば、極論すると緊急時であれば誰でも解錠可能といった解釈も可能で、緊急時のセキュリティ性の低下は著しいといわざるを得ない。
【0005】
特許文献2は、電気錠本体から出入される閂部材の受け機構に、その閂部材と係合して施錠状態とするロックバーを備え、そのロックバーは屋外からの入力によってスライドあるいは回動して施錠状態を解除するものとし、前記した電気錠本体は、ドアの屋内側面に固着されたベースプレートに対し、屋内側方向へ枢動する取り付けプレートに固着されているとする技術思想を示す。
【0006】
しかし、これも上記と同様に、緊急時の解錠方法が公知となってしまえば、電気錠部分が本来の意味を全く成さないということに陥る。
【0007】
特許文献3は、電気錠に内蔵されている電子回路やメカニズムに故障が発生した場合には、受け部材に搭載されている電子回路に外部から電力を与え、押圧スライド部材を稼動させることで、その押圧スライド部材のテーパもしくはアール面が閂部材(デッドボルト)の頭部を押し、強制的に電気錠内へ戻し、少なくとも受穴との係合を外して解錠状態とすることができるとする技術思想を示す。
【0008】
しかし、これも上記と同様に、緊急時の解錠方法が公知となってしまえば、電気錠部分が本来の意味を全く成さないという問題が残存するのに加え、解錠信号の送受信を司る電子回路に不都合が生じた場合に電気を供給しても問題は解決しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−285848号公報
【特許文献2】特開2006−63530 号公報
【特許文献3】特開2004−243858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
予め定められた人間にのみ、入室や保管された情報へのアクセスを許可するという要求に対して、その管理の容易さから電子データを用いて認証を行い電気錠の動作を制御する電子錠システムの仕組みが増えている。
【0011】
しかし、電気錠を使った電子錠システムは電気が安定して供給されことが前提の仕組みであり、独立した電源として電池を使えば定期的に電池を入れ替えるか、あるいは充電し直す必要がある。同時に完全に電源が切れた場合のために、電気供給なしで物理的に解錠できる仕組みをとることが一般的である。しかし、電源が切れた場合の解錠方法がその電子錠システムを採用した金庫やドアの錠前の安全性を低下させるという本末転倒な状況に陥る。
【0012】
しかし、電気信号と電気の供給で動作する電気錠に物理的に解錠できる仕組みを用意していなかった場合、電気の供給停止や電気で動作する各部品にトラブルが発生して電気錠が故障し、開閉できないという状況になった場合、ピッキングの専門家に依頼してこじ開け作業に多大な時間と手間を要するといった事態になる。物理的な方法によってイレギュラーな開閉を行った場合には該電気錠なりは解錠結果と引き換えに破壊あるいは電気錠のメカニズムが損傷される危険性を念頭に置いておかなければならない。
【0013】
本発明は、電気的信号で動作する電気錠自体が本来的に持つ脆弱性を、物理的な解錠手段を予備として備えて補いつつも、そのセキュリティ性を低下させない電子錠システムを実現できる電気錠を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
以上のような課題を解決するために、請求項1記載の本発明は、本人を一意的に特定するデジタルデータであるICカード等のチップのID情報を用いて管理するキャビネットを含む収納設備の扉に取付けられた解施錠可能な電気錠と、該電気錠と支障なく完全に併用可能なシリンダー錠を含む物理的解施錠装置を具備する電子錠システムであって、非接触型ICカード/ICチップ、ICタグを含む情報媒体に対応可能であることを特徴とする電子錠システムである。或いは、本人を一意的に特定しうる予め登録されたICカード等のデバイスのもつ電子データについて通信手段を介して照合する認証システムあるいは該認証システムを具備する第三者機構(認証機関)と、本人を一意的に特定しうる情報を用いた電子的認証結果を受信する受信手段と、前記錠前を電気的に解施錠することのできる解施錠手段と、本人を一意的に特定しうる情報を有する物理的な鍵によって物理的に解施錠可能な電気錠を実現する手段とを具備する。これにより、本人を一意的に特定しうる情報を用いた電子的認証結果によって電気錠を電気的に解施錠可能ならしめる鍵を提供する手段と、物理的な形状をもつ鍵による解施錠の手段を任意に選ぶことができるため、電気的に解施錠する手段が失われる非常時においても電気錠のセキュリティ性の低下を軽微にとどめる運用を可能にする。また、非常時の解施錠するために、専門的な技術が必要なピッキングあるいは破壊するしか手段がないという状況を打破する。
【0015】
スイカ(登録商標)やパスモ(登録商標)、ピタパ(登録商標)等の交通系決済カードと、ナナコ(登録商標)、ワオン(登録商標)等の流通系決済カードと、エディ(登録商標)、ID(登録商標)やクレジット、キャッシュカードなど金融決済系カードといったICカードや、おさいふケータイ(登録商標)を鍵に使う電子錠システムが増加しているが、発行者が利用者の知らないあいだにカードデータを書換える他、カード自体を定期的に交換することによって、電子錠システムに登録されたIDの同一性を維持できずに電気錠を解施錠できないケースが増えている。カードデータの書換えや交換は、偽造や盗難といった犯罪に対するセキュリティ性を確保することが目的であるが、ある日ある時間に突然、解施錠できなくなった場合、電源が切れたときと同じように、破壊やピッキングに拠らない物理的な解施錠の手段が必要である。
【0016】
また、本発明は、上記の家具用電子錠システムにおいて、その解施錠や非常時の解錠など一連の動作を行うのに必要な駆動源として、ソレノイド、モーター、リニアモーター、圧電アクチュエータのいずれかを採用し、鍵を解施錠する構成をとってもよい。
【0017】
ここで、モーターとは、一般的な、電磁石に電流を流すことにより、電気エネルギーを機械エネルギーに変換し、回転運動を行う装置を指す。
【0018】
またソレノイドとは、一般的な、電磁コイルに電流を流すことにより発生する磁力を利用し、電気的なエネルギーを機械的な直線運動の力に変換する装置を指す。
【0019】
またリニアモーターとは、一般的な、軸のない可動部が直線運動を行う装置を指す。
【0020】
さらに圧電アクチュエータとは、一般的な、電圧を印加し、変位を生じさせる装置を指す。
【0021】
また、上記の家具用電子錠システムにおいて、前記受信手段を構成する無線装置及び受信装置、前記解施錠手段を駆動する駆動装置、前記解施錠手段を制御する制御装置、前記認証結果に係る情報を記憶する記憶装置、前記駆動装置に電圧を供給し昇電圧制御板が一体的に構成されるようしてもよい。
【0022】
さらにまた、本発明は、上記の家具用電子錠システムにおいて電子的認証に、前記非接触型ICチップ搭載媒体が保持するIDナンバーと、本人を一意的に特定しうる情報とを一対に紐付けて電子的なデータを鍵として用いることを特徴とする電子錠システムの電気錠として実現される。これにより、登録された本人特定のIDによるデバイス側で厳密な本人確認を行いつつも、一般的な物理鍵のもつ利便性を確保する。
【0023】
また、本発明は、上記の電子錠システムに用いることの可能な携帯端末において、前記非接触型ICチップ搭載媒体に記録された本人確認情報を読み取り、送信することのできる手段を備えることを特徴とする管理用の携帯情報端末による解施錠を行う仕組みにすることもできる。これにより、電源が落ちるといった雷や、ライフライン断絶という事態を想定した災害のような非常事態においてもICカード等の鍵媒体の紛失時などの非常事態に即時その電子鍵を失効させるといった対処ができると同時に、一般的な鍵と錠前のもつ利便性とセキュリティ性を確保できる電子錠システムを提供する。
【0024】
ここで、非接触型ICチップ搭載媒体には、ICカードとして、フェリカ(登録商標)を搭載したスイカ(登録商標)、イコカ(登録商標)、エディーカード(登録商標)、エリオカード(登録商標)、ピタパ(登録商標)、パスモ(登録商標)、トイカ(登録商標)、ナナコ(登録商標)、その他のクレジットカード、デビットカード、電子マネーカードの他、ICカードのISO規格のタイプBを採用した住宅基本台帳カード、運転免許証及び保険証を含むIC機能を有するカード、記憶媒体及び/または携帯端末を含み、かつこれらに限定されるものではない。
【0025】
また、IDナンバーとは、非接触型ICチップ搭載媒体(ICカードを含む。以下同。)に係る固有の番号であることを示すナンバーであり、また、カードIDには、工場出荷の製造番号、発行者が書込む発行番号及びファイル内に書き込まれた特定番号が含まれ、そのうちの少なくとも一つをICチップ搭載媒体IDと定義するが、本発明が必要とするデジタルデータはこれに限定されるものではない。
【0026】
また、本人を一意的に特定しうる情報及び/もしくは本人確認情報とは、登録者の氏名、住所、生年月日、性別、緊急連絡先(例えば、電話番号)、本人携帯電話番号、契約期間、家賃支払期日、フェリカID番号(例えば、ID−M、ID−I及びフェリカポケットに書き込まれたIDを含む)、クレジットカード(例えば、名義人、発行者名、カード番号及び有効期限を含む)、本人確認情報(例えば、質疑回答、暗証番号及び生体認証含む)、申請者固有情報、設置者名(例えば、コード番号、名称及び所在地を含む)、管理者名(例えば、コード番号、名称及び所在地を含む)、管理担当者(例えば、電話番号、氏名及び所属部局を含む)、再発行決済担当者(例えば、コード番号を含む)や、該固有情報を登録する者の事業者名(例えば、コード番号、氏名及び本店所在地含む)、事業所(例えば、コード番号、氏名及び所在地含む)、窓口(例えば、コード番号、氏名及び場所含む)、緊急連絡先(例えば、入力担当者、登録事業所及び事業者含む)、登録機器(例えば、リーダライタ機器、パーソナルコンピュータ及びモバイル機器を含む)及び入力担当者(例えば、コード番号、氏名及び所属部局を含む)のうちの少なくとも一つを含む情報をいい、これらに限定されるものでなく、登録者または該固有情報を登録する登録担当者の情報に該当する項目を全て含んでもよい。なお、該項目は随時追加削除可能とする。
【0027】
また、本発明は、無線を使った受信装置、解施錠をデッドボルト駆動装置、駆動部の動きの制御装置、解施錠結果の記憶装置、電源電圧制御板が一体的に構成されている。この場合、無線装置は読み込んだデータを無線で通信するものであり、受信装置は親機側でICチップのデータを読込んで行った電子認証結果を受信するものであり、駆動装置は鍵の解施錠の動作を行うのに必要な動力源であり、記憶装置は本システムが正常な稼動かどうかについて時刻を含めて記憶するものであり、電圧・電流制御装置は本システムに使用される電流、電圧を適宜制御するものである。
【0028】
本発明の別態様(請求項2)においては、上記の構成の電子錠システムにおいて、収納設備の扉に取付けられて電気錠を制御する機能をもつ電気錠制御基盤(子機)と、シリンダー錠等の物理的な錠前と電気で動作する電気錠が一体として構成される解施錠装置と、該収納設備の近傍に置かれて扉の開閉権限を登録されたIDをもつICカード等を照合し解錠信号を子機に送出する機能を持つ電子錠制御装置(親機)と、開閉権限の付与を登録した利用者のICカード等から読み出したIDの権限を照合するデータを送信し親機の記憶部に記録し、あるいは記録してある該データを消去する機構と、親機から送信される該親機にアクセスしたIDの履歴データ及び親機が子機から受信する開閉履歴データを受信して保存する機構と、親機からの該IDの正当性に関する認証要求に応答する機能を具備する認証システム(認証局)と、扉に取付けられて子機と電気錠に電力を供給する電源装置とを具備する構成とすることもできる。
【0029】
本発明のまた別態様(請求項3)においては、上記の構成の電子錠システムにおいて、本人を一意的に特定しうる予め利用者と紐付けて登録されたICカードを含むデバイスのもつ電子データをIDとして、通信手段を介して利用者を管理するキャビネット等の収納設備の近傍に設けた電子錠制御装置に送信して記録し、権限を登録済みのICカード等から読み出されたIDと照合する認証システムのプログラムの提供方法として、記憶媒体に記録して提供する方法と、ネットワークで配信されて提供される方法と、あるいは該認証システムのプログラムを具備する第三者機構(認証機関)がネットワークを介する認証サービスとして提供する方法とのいずれかで実現する認証局を具備する構成とすることもできる。
【0030】
本発明のさらに別態様(請求項4)においては、非接触型ICカードに対応して電気錠を解施錠するメカニズムの電子錠システムにおいて、ICカードを含むデバイスからIDを読み出して解施錠を管理する電子錠制御装置(親機)を、配線を含めキャビネット本体と物理的に完全に分離された状態で収納設備の扉の近傍に置き、予め認証局に登録されて送信された解施錠する権限内容の情報を保存している記憶部と、ICカード固有のIDを読み出す読取部と、記憶部に記録されたデータと照合できた電気錠を解施錠する信号を電気錠を含む電気錠制御装置(子機)に無線で送信する送信部とを具備する。
【0031】
本発明のまた別態様(請求項5)においては、本人を一意的に特定しうる登録済みの情報を用いて電子的に認証された結果を親機からデジタルデータで受信する無線通信制御手段と、扉内の電池ボックスから給電される電力を制御する電流電圧制御手段と、扉の施錠装置の解施錠を制御する電気錠制御手段と、制御動作結果を表示する表示装置制御手段とを含む電気錠制御基盤(子機)を具備する構成とすることもできる。
【0032】
本発明のさらに別態様(請求項6)においては、上記の構成の電子錠システムにおいて、収納設備の扉に取付けられる錠前を解施錠する装置に、電子的データを使って電気的に解施錠する電気錠と物理的に解施錠可能なシリンダー錠を含む錠が一体的に構成された錠前を具備し、該電気錠は、ソレノイド、モーター、リニアモーター、圧電アクチュエータを含む動力源を解施錠の動力を供給する装置として採用した電子的システム及び/もしくは電気的システムは、故障、電源切れを含む非動作の緊急時だけではなく、常時、電気錠ではなくシリンダー錠を含む錠の物理的解錠装置を使用しても電気錠の駆動装置に全く物理的負荷を与えない構造で一体化された解施錠のメカニズムを有し、電気錠とシリンダー錠を含む錠との完全な併用を可能とする構成とすることもできる。
【0033】
本発明のまた別態様(請求項7)においては、上記の構成の電子錠システムにおいて、一次電池(乾電池)と二次電池(蓄電池)を電源とする電力供給装置が収納設備の扉に取付けられ、コネクターで結線する方法で電気錠と電気錠制御基盤(子機)に電気を供給し、電気錠と物理的な解施錠手段と一体として構成される解施錠装置と子機は、電線と信号送信配線用のコネクターあるいは機械的な接点で分離することが可能な状態でパッケージに内蔵して提供するように設計された電池パッケージを具備する構成とすることもできる。
【0034】
本発明のさらに別態様(請求項8)においては、上記の構成の電子錠システムにおいて、非接触型ICカード/ICチップ、ICタグを含む情報搭載媒体に対応する電子錠システムにおける解施錠のメカニズムを構成するID管理システムを、入退室管理に電子的データを使って行う電子ロックと、館内のエレベータの動作を制御する制御盤を含む制御装置で使用する本人確認用のIDシステムと共通化する構成とすることもできる。
【発明の効果】
【0035】
以上、本発明によって、電子データを使って解施錠管理を行う電子錠システムの利便性を確保しつつ、電気の供給によって動作する電気錠の非常時に解施錠する手段におけるセキュリティ性の低下を防ぎ、従来のICカードや磁気カードなど電子データを使って解施錠できる安定したサービスの提供を可能とする電子錠システムの構築が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1A】本発明の一実施形態に係る非接触型ICカード対応電気錠の基本的な構成図である。
【図1B】本発明の一実施形態に係るキャビネット1について非接触型ICカード対応電子錠のシステム全体を説明する基本的な構成図である。
【図1C】本発明の一実施形態に係るモーター、ソレノイド、リニアモーターを示す斜視図である。
【図1D】本発明の一実施形態に係る圧電アクチュエータを使用したロックモジュールの外観を示す斜視図である。
【図1E】本発明の一実施形態に係る圧電アクチュエータを使用したロックモジュールの内部構造を示す斜視図である。
【図2】携帯端末3の機能構成図である。
【図3】認証局4の機能構成図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る電気錠が具備する機能の構成図である。
【図5】電気的駆動装置と物理的駆動装置を一体的にして併用できるシリンダー錠の施錠時及び解錠時の状態を示す図であって、(a)はシリンダー錠使用時/解錠時、(b)は電気錠使用時/解錠、(c)は電気錠使用時/施錠の態様を示す。
【図6】電気的駆動装置と物理的駆動装置を併用できるシリンダー錠の施錠時及び解錠時の状態を示す図であって、(a)はシリンダー錠使用時/解錠時、(b)は電気錠使用時/解錠、(c)は電気錠使用時/施錠の態様を示す。
【図7】本発明の一実施形態に係る電子キャビネットシステムの基本ブロックダイヤグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、以下では、本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0038】
図1Aは、本発明の一実施形態に係る非接触型ICカード対応電気錠の基本的な構成図である。電気錠を設置された金庫1は、ICカードリーダ/ライター読取部1aと、ナンバー錠1bとを具備して構成される。なお、ここでは非接触型ICカードは非接触型ICチップ搭載媒体の一実施形態にすぎないものであり、その他の形態の非接触型ICチップ搭載媒体であっても、本願に係る技術思想は適用可能である。
【0039】
図1Bは、本発明の一実施形態に係るキャビネット1について、非接触型ICカード対応電子錠のシステム全体を説明する基本的な構成図である。該システムは、解施錠する現場でICカード固有のIDを読み込むICカードリーダ/ライター読取部と、IDの権限情報と照合する記憶部と、照合結果に従って電気錠に解錠(施錠)信号を送る送信部を具備する電子錠制御装置(親機)1aと、該親機から送られる解施錠認可信号を受信し、電気錠に解施錠信号を送る電気供給部を持ちシリンダー錠と一体化された子機1bと、親機1aと子機1bは無線で解施錠信号並びに解施錠実行に伴う諸情報を送受信する無線1cと、親機1aに対して、特定の扉の解施錠する権限を与えるICカード2のIDや携帯電話(携帯端末)3に搭載されるICチップ3aに対して解施錠の権限の与奪を行い、それらの権限情報を管理すると同時に、該権限情報を親機1aに送信して記憶部に登録する他、ICカードIDのアクセス履歴と解施錠結果の履歴のデータを受信し保存する認証局4と、親機1aと認証局4の間で、データの送受信を行う通信手段1dからなる。
【0040】
キャビネット1は、1bの電気錠部分の電気供給部を外された場合、電池(一次電池または二次電池)を外された場合、もしくは電池から電気が供給されない場合、あるいは電子的制御部または通信部の故障が生じて機能しない場合には、電気錠と一体的に設計されているシリンダー錠等の物理的手段で解施錠を行う。ここで想定される非接触型ICカードは非接触型ICチップ搭載媒体の一実施形態にすぎないものであり、その他の形態の非接触型ICチップ搭載媒体であっても、本願に係る技術思想は適用可能である。
【0041】
図1Bでは実施例としてキャビネットを挙げているが、同様の構造をとり得る施錠の必要なものであれば、金庫、ロッカー、郵便受け、建物の出入り口の扉やゲート、車の扉などでもよく、その用途は限定されない。また、キャビネットの解施錠手段として、登録したICカードのIDによる電子的な認証によって施錠と開錠行う場合と、シリンダー錠等の物理的な方法での施錠/開錠を想定しているが、非常時に例えば電源が落ちているなどの状態で、電子錠に頼らず物理的に施錠/開錠でき、かつ開錠するための物理的な手段による鍵であれば、シリンダー錠には限定されず、かつ該物理的な手段による解施錠メカニズムは、非常時、緊急時にだけ使用されるこれまでのキャビネット等の電子錠の設計思想とは全く異なっている。
【0042】
図1Bの認証局4は、解施錠を行う現場でICカード固有のIDを読み込むICカードリーダ/ライター読取部と、IDの権限情報と照合する記憶部と、照合結果に従って電気錠に解錠(施錠)信号を送る送信部を具備する電子錠制御装置(親機)1aに対し、IDの権限情報を送信して記憶部に記録する送信手続きと、該電子錠制御装置にアクセスしたICカードのアクセス履歴と照合結果、並びに電気錠に送信した解錠信号に従って解錠し開扉された情報(データ)と、開扉された扉が正しく閉められ施錠されたという情報(データ)を受信する手続きを行う通信手段1dに接続される通信装置と、権限の与奪を行うための利用者を特定するICカードのIDから固有の本人確認情報を読み取る手段(装置)と、該ICカードのIDの固有データと、該IDに紐付けた本人を特定する基本情報をデータベースなどに保持する手段(装置)と、保持されている情報が外部から認証の要求時に提供された情報に一致するかの照合を行う認証基盤とを具備して構成される。
【0043】
認証局4は、名称として認証局となっており一個の建物を想定しているが、実際には解施錠を行う現場から離れた場所において、特定のICカード2のIDや携帯電話のICチップ3aのIDに該電子錠の解施錠の権限を与奪する登録から、該権限情報を該電子錠に送信して解施錠の権限を親機に登録し、解施錠の実行された諸データを親機から受信し特定のICカードを使った解施錠履歴情報を保存して常時閲覧可能な状態に保持する、という電子錠を管理する一連のシステムの全体をいうものであり、パッケージとして構成されたソフト媒体でも良いし、特定のPCあるいはサーバにインストールされて認証の用に供される状態であっても、認証局としてその形態は問わない。
【0044】
上記の認証局または認証システムと、現場に設置される該電子錠の通信手段1dは、データの送受信が可能な有線LAN、無線LAN、電話回線、WiFi(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)等の全ての通信手段に対応するものであり、認証局が、錠の開閉に関わる権限の付与が求められる可能性のある該電子錠が搭載されるキャビネット、ロッカー、郵便受け等を保持する組織・個人が管理する場合や、第三者が運営する認証局によって上記の認証の仕組みを提供する場合であっても構わない。
【0045】
図1Dおよび図1Eは本発明の一実施形態に係る電気錠の解施錠を担うデッドボルトと一体的に構成される圧電アクチュエータを使用して設計事例のひとつであるロックモジュール8の内部構造を示す斜視図である。ロックモジュール8はロックシャフト8a、ケース8b、受力部8c、押力部8dを備えて構成される。また、図1Cに示すコイル部分に電流が流されると直線的な前後動作を繰り返すソレノイド6やリニアモータ7もデッドボルトと一体的に構成することができる。
【0046】
図3は、認証局4の機能構成図である。認証局4の構成は、種々の情報のやり取りを行うための無線通信チップ(モデュール/システム)41と、特定のICカードのIDを読み込んで権限登録するためのICカードリーダ/ライター44と、ICカードリーダ/ライターで読み込んだICカードIDナンバーに本人確認情報を紐付けて認証鍵として保存するデータベース43と、データベース43に保存されている認証鍵が、外部から本人認証のために提供された認証鍵に一致するかの照合作業を行う認証基盤42とを具備して構成されるシステムの全体をいい、これらの機能を実行するインターフェースとして管理PCが含まれることは当然であり、ID管理のセキュリティレベルを確保するために、同構成に、管理者や登録する利用者の生体情報を読み取って本人確認情報とするための生体情報読取装置45を付加することもある。該機能は、ネットワーク上で独立して管理するセンター方式とするシステム構成と、パーケージ化されて事業者やユーザーの提供されるシステム構成と、ネットワーク上でアプリケーションとして提供されるシステム構成であっても、基本的な違いはない。
【0047】
図4は、本発明の一実施形態に係る電子錠が具備するキャビネット側に搭載される電気錠とその制御機能の構成図である。物理的に解施錠を担う錠部11と、錠部の制御を担う制御部12とを備えて構成される。錠部11は、開扉を止める止め具111と、その動きをコントロールする制御ピン113と、そのピンを動作させる駆動装置112と、駆動装置を制御するチップ114と、駆動装置を直接取付けるデッドボルト115と、デッドボルトをスライドさせるレール116と、デッドボルトを物理的に動かすシリンダー錠118と、扉の開閉を関知するスイッチ119とを具備して構成される。
【0048】
図4に示した電気的な力を直線的な動きに転換する駆動装置112であるアクチュエータ及びソレノイド又はリニアモータ等の方式での実施形態では、直線的な動きをする制御ピン113を、扉を直接解施錠する止め具113の動きを制御する電気的に駆動する装置112とデッドボルト115を一体化することによって、シリンダー錠等118による物理的な解錠施錠の動きを制御ピン113の動きと平行にすることで電気的な駆動装置に支障を起こすような物理的な力が加わらない構造とすることができる。回転で力を伝えるモーター5(図1C)の駆動方式では、ウォームギアを用いて電気的な力をデッドボルト115の直線的な動きとして実現することができるが、デッドボルト115を動かすことができるシリンダー錠等118の物理的な動きによるデッドボルト115の直線的な動きをモーター5の回転装置に伝えない仕組みであれば、本発明の電気的な駆動装置112とシリンダー錠等118を併用するという実施形態への採用については問題ない。
【0049】
デッドボルト115をスライドさせるレール116は、シリンダー錠等を固定する座金の部分を貫いた形の形態でもよいし、板状のものにシリンダー錠等を一体化したものでもよいが、デッドボルトと電気的な駆動装置112を一体化し、シリンダー錠等118をレールと一体化することで、相互に影響を与えない併用型で解施錠が可能な電気錠の錠部11が実現する。
【0050】
図4の電気錠(子機)を構成する制御部12は電気錠制御基盤であり、錠部11の電気錠の動作を信号でコントロールするため電気錠制御ユニットを含むマイコン121と、電源を供給する装置122と、電源電圧制御ユニット123と、無線通信制御ユニット124と、親機とデータを送受信するアンテナ125と、表示装置制御ユニット(ブザー128とLEDランプ127)とを備えて構成される。
【0051】
図4の電気錠(子機)を構成する一次電池(乾電池)または二次電池(蓄電池)を使って電源を供給する装置122は、物理的手段としてシリンダー錠等だけを使って解施錠する場合は、電源を供給する電源装置122は不要であり、本発明では、電源を供給する電源装置122は、制御部12の構成では容易に分離することができる構造になっており、キャビネット1の利用が始まってから取付けることも可能である。
【0052】
本発明には、上記の電源を供給する電源装置122を分離して、利用開始後に取付けるという方式の他に、キャビネット1の製造時に搭載される電気錠は電気錠制御装置11だけとして、利用開始後に取付ける前提として、上記の電源を供給する電源装置122と、その他の制御部を構成する電源電圧制御ユニット123と、無線通信制御ユニット124と、親機とデータを送受信するアンテナ125と、表示装置制御ユニット(ブザー128とLEDランプ127)とで構成される電気錠制御基盤ユニットを一体的なパッケージとする発明も含まれる。
【0053】
図4の電気錠(子機)を構成する無線通信制御ユニット124とアンテナ125は、ICカードのICカードIDナンバーならびに記録された本人確認情報を図1Bの親機1aから受信し、感知スイッチ119から通知される開閉状況データを親機1aに送信する。
【0054】
表示装置制御ユニットは、電気錠を解錠し開扉された扉が一定時間内に閉鎖されなかった場合に警報を発するブザー128と、通信起動ボタン126が押されて正常に通信が起動したことを示す点灯と、正常に受信されなかった場合と権限が与えられていない扉の通信起動ボタンが押された場合を示す点灯と、電源装置の電池の電気量残量が低くなった状態を通知する点灯をするLEDランプ127とで構成される。
【0055】
扉を開閉するラッチ等の機構は、デッドボルトやスライダー、フックなど家具本体の枠もしくは相対する扉側面に設けられたストライク穴やフック受け等に向けて動かして扉の開閉を制御できる止め具を備えて構成されており、本発明は、扉の開閉を止める機構の動きを制御する解施錠装置に関するものであり、扉を閉鎖状態に維持する止め具の動作方法の種類には限定されるものではない。
【0056】
図5は、その一実施形態として電気的に止め具の動作をコントロールする駆動装置5aと物理的に動作をコントロールする駆動装置5bとを一体的にして併用できる仕組みの一実施形態であるシリンダー錠の施錠時及び解錠時の状態を示す。図5では、デッドボルト5cを電気的に動作させているときは、シリンダー錠は施錠時と同じ状態であり、止め具である図4の制御ピン113を動作させて、扉を開閉しようとするとき手掛かりとなる扉の引手に連動するラッチ5dの回転を制御して扉の開閉を制限する仕組みである。本発明は止め具をライダー電気錠への通電が途絶えた、あるいは錠部に何らかの異常が生じて通常の手続(ICカードを図1の親機1aのICカード読込部にかざして解錠する)ができない場合に、シリンダー錠等が使用可能な機構である。
【0057】
図6は、前項でも記述した本発明扉の開閉を止める機構の動きを制御する解施錠装置に関するものであり、電気的あるいは電磁的に動作させる解施錠装置と物理的に動作させる解施錠装置を一体的にする本発明の一実施形態を示した図である。図6では、電気的に止め具の動作をコントロールする駆動装置6aと物理的に動作をコントロールするシリンダー錠等の駆動装置6bとを併用できる仕組みの一実施形態であり、シリンダー錠等6bの解錠時及び施錠時の状態にあるときのデッドボルト6cの動作を示す。
【0058】
図6では、図5の仕組みと同じように、扉を開閉しようとするとき手掛かりとなる扉の引手に連動するラッチ6dの回転を制御して扉の開閉を制限する仕組みを示した図である。ラッチ6dの動きを止めるデッドボルト6cを電気的に動作させているときは、シリンダー錠等6bの回転がデッドボルト6cに伝わらないように、デットボルト6cに取付けた可動のストッパー6eを移動させて、デッドボルト6cとシリンダー錠6bのどちらかを使用するように切り替える。電気錠への通電が途絶えた、あるいは錠部に何らかの異常が生じて通常の手続(ICカードを図1の親機1aのICカード読込部にかざして解錠する)ができない場合に、シリンダー錠等が使用可能である。
【0059】
図7は、本発明の一実施形態に係る電子キャビネットシステム全体を説明する基本的なブロックダイヤグラムである。該システムは、使用者のICカード固有のIDを認証システム(認証局)4のリーダ/ライター44を含むID登録管理部401に登録すると共に電子錠使用権限登録管理402にて管理を行う。また、携帯端末(親機)1aと交信して電子錠のアクセス履歴管理部403にてアクセス管理も行う。
【0060】
一方、携帯端末のような親機1aは、電子錠を制御するキャビネット1中の子機1bとの子機通信201及び上述の認証システム4との外部通信203を備える通信制御部201を具備し、該通信による情報の照合装置204と各種データの記憶装置205及びそれらを駆動する電源装置206もあわせて具備している。
【0061】
各キャビネット1に内蔵される子機1bには、携帯端末のような親機1bと通信するための無線通信制御ユニット124とアンテナ125とからなる送受信装置301があり、この通信結果により電子錠の解施錠を行う電子錠制御装置11が具備される。また、この子機中にはキャビネット中に設置された電源装置(電池ボックス)122からの電源の電圧・電流をコントロールする電圧電流制御ユニットも具備されている。
【0062】
以上説明したように、本発明の上記実施形態によれば、電子データを使って解施錠管理を行う電子錠システムの利便性を確保しつつ、電気の供給によって動作する電気錠の非常時に解施錠する手段におけるセキュリティ性の低下を防ぎ、従来のICカードや磁気カードなど電子データを使って解施錠できる安定したサービスの提供を可能とする電子錠システムの構築が可能になる。
【0063】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。
【0064】
また、上述したものは本願に係る技術思想を具現化するための実施形態の一例を示したにすぎないものであり、他の実施形態でも本願に係る技術思想を適用することが可能である。
【0065】
さらにまた、本願発明を用いて生産される装置、方法、システムが、その2次的生産品に登載されて商品化された場合であっても、本願発明の価値は何ら減ずるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0066】
上述のごとく、本発明によれば、電子錠の利便性を確保しつつも、非常時のセキュリティ性の低下を防ぎ、安定したサービスを提供する電子錠システムが構築可能になる。
【0067】
電子錠を備えた金庫を設置した倉庫・データセンターなどの電源が断たれた場合にも、電子認証を別のルートで行ってナンバー錠の開錠ナンバーを提供するという形をとることで、非常に安全な電子錠システムとなる。電子錠を備えたキャビネットやロッカー、郵便受け等の収納系家具を設置した場所と隔てた場所に認証局を設置することによって、地震その他の天災によって電源が断たれた場合にも新たなICカードに対応したIDを電子錠の鍵として再発行する対応が可能である。
【0068】
電子錠への電気供給が断たれた、あるいは電子錠が破損したという事態になっても、電子錠を備えたキャビネットやロッカー、郵便受け等の収納系家具をピッキングあるいは破壊する必要に迫られる事態はカード鍵の紛失や置き忘れなど日常的に発生することが予想されることから、物理的な解錠手段を用意しておくことで社会全体から見たコストダウンにつながる。また、全ての収納家具に対して電気錠を使ってICカード等のIDを使って解施錠して、全ての収納部の扉の開閉履歴を管理することも社会的なコストが大きくなる。必要な収納場所の扉を一次的に管理できる電子錠に転換できるようにすることは社会的な利益に適うものと考えられるため、本発明はそれに相応しい価値を産業的に享有するものである。したがって、情報産業、装置産業のみならず、観光業、運輸業等各種産業において利用可能性が認められる。
【0069】
本発明におけるICカードと本人確認情報の紐付けによる認証技術は、利便性と本人確認の厳密さを兼ね備えており、キャビネットや金庫以外にもあらゆる認証を必要とされる場面において実施が可能と考えられる。
【0070】
ICカードは電子決済などの場面でインフラとして一般的になりつつあり、本発明はこのインフラに上乗せするかたちで実施可能であるため、比較的安価に実現できると思われる。
【符号の説明】
【0071】
1…キャビネット、1a…電子錠制御装置(親機)、1b…シリンダー錠一体型電気錠(子機)、1c…親機子機間無線通信手段、1d…認証局親機通信手段、2…ICカード、3…携帯端末、3a…読取部、4…認証システム(認証局)、5…モーター、6…ソレノイド、6a…フレーム、6b…コイル、6c…ブランジャー、7…リニアモーター、7a…N極、7b…S極、8…ロックモジュール、8a…ロックシャフト、8b…ケース、8c…受力部、8d…押力部、11…錠部、12…制御部、41…無線通信チップ、43…データベース、44…ICカードリーダ/ライター、45…生体情報読取装置、111…開閉ラッチ止め具、112…電気的駆動装置、113…制御ピン、114…電気錠制御チップ、115…デッドボルト、116…シリンダー座金兼デッドボルトレール、118…シリンダー錠、119…開閉検知スイッチ、121…電気錠制御マイコン、122…電源供給装置、123…電源電圧制御ユニット、124…無線通信制御ユニット、125…アンテナ、126…通信起動ボタン、127…LEDランプ、128…ブザー、5a…電気的駆動装置、5b…シリンダー錠等、5c…デッドボルト、5d…ラッチ機構、6a…電気的駆動装置、6b…シリンダー錠等、6c…デッドボルト、6d…ラッチ機構、6e…ストッパー、201…通信制御部、202…子機通信部、203…外部通信部、204…ID登録管理部、205…権限登録管理部、206…アクセス履歴管理部、301…送受信装置、302…電圧・電流制御装置、401…受信装置、402…権限登録管理部、403…アクセス登録管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本人を一意的に特定するデジタルデータであるICカードを含むチップのID情報を用いて管理するキャビネットを含む収納設備の扉に取付けられた解施錠可能な電気錠と、該電気錠と支障なく完全に併用可能なシリンダー錠を含む物理的解施錠装置を具備する電子錠システムであって、非接触型ICカード/ICチップ、ICタグを含む情報媒体に対応可能であることを特徴とする電子錠システム。
【請求項2】
請求項1の電子錠システムにおいて、収納設備の扉に取付けられて電気錠を制御する機能をもつ電気錠制御基盤(子機)と、シリンダー錠等の物理的な錠前と電気で動作する電気錠が一体として構成される解施錠装置と、該収納設備の近傍に置かれて扉の開閉権限を登録されたIDをもつICカードを含むデバイスを照合し解錠信号を子機に送出する機能を持つ電子錠制御装置(親機)と、開閉権限の付与を登録した利用者のICカードを含むデバイスから読み出したIDの権限を照合するデータを送信し親機の記憶部に記録し、あるいは記録してある該データを消去する機構と、親機から送信される該親機にアクセスしたIDの履歴データ及び親機が子機から受信する開閉履歴データを受信して保存する機構と、親機からの該IDの正当性に関する認証要求に応答する機能を具備する認証システム(認証局)と、扉に取付けられて子機と電気錠に電力を供給する電源装置とを具備することを特徴とする電子錠システム。
【請求項3】
請求項1もしくは2記載の電子錠システムにおいて、本人を一意的に特定しうる予め利用者と紐付けて登録されたICカードを含むデバイスのもつ電子データをIDとして、通信手段を介して利用者を管理するキャビネット等の収納設備の近傍に設けた電子錠制御装置に送信して記録し、
権限を登録済みのICカード等から読み出されたIDと照合する認証システムのプログラムの提供方法として、記憶媒体に記録して提供する方法と、ネットワークで配信されて提供される方法と、あるいは該認証システムのプログラムを具備する第三者機構(認証機関)がネットワークを介する認証サービスとして提供する方法とのいずれかで実現する認証局を具備することを特徴とする電子錠システム。
【請求項4】
非接触型ICカードに対応して電気錠を解施錠するメカニズムの電子錠システムにおいて、ICカードを含むデバイスからIDを読み出して解施錠を管理する電子錠制御装置(親機)を、配線を含めキャビネット本体と物理的に完全に分離された状態で収納設備の扉の近傍に置き、予め認証局に登録されて送信された解施錠する権限内容の情報を保存している記憶部と、ICカード固有のIDを読み出す読取部と、記憶部に記録されたデータと照合できた電気錠を解施錠する信号を電気錠を含む電気錠制御装置(子機)に無線で送信する送信部とを具備することを特徴とする電子錠システム。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項記載の電子錠システムにおいて、本人を一意的に特定しうる登録済みの情報を用いて電子的に認証された結果を親機からデジタルデータで受信する無線通信制御手段と、扉内の電池ボックスから給電される電力を制御する電流電圧制御手段と、扉の施錠装置の解施錠を制御する電気錠制御手段と、制御動作結果を表示する表示装置制御手段とを含む電気錠制御基盤(子機)を具備することを特徴とする電子錠システム。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれか1項記載の電子錠システムにおいて、収納設備の扉に取付けられる錠前を解施錠する装置に、電子的データを使って電気的に解施錠する電気錠と物理的に解施錠可能なシリンダー錠を含む錠が一体的に構成された錠前を具備し、該電気錠は、ソレノイド、モーター、リニアモーター、圧電アクチュエータを含む動力源を解施錠の動力を供給する装置として採用した電子的システム及び/もしくは電気的システムは、故障、電源切れを含む非動作の緊急時だけではなく、常時、電気錠ではなくシリンダー錠を含む錠の物理的解錠装置を使用しても電気錠の駆動装置に全く物理的負荷を与えない構造で一体化された解施錠のメカニズムを有し、電気錠とシリンダー錠を含む錠との完全な併用を可能とすることを特徴とする電子錠システム。
【請求項7】
請求項1乃至3のいずれか1項記載の電子錠システムにおいて、一次電池(乾電池)と二次電池(蓄電池)を電源とする電力供給装置が収納設備の扉に取付けられ、コネクターで結線する方法で電気錠と電気錠制御基盤(子機)に電気を供給し、電気錠と物理的な解施錠手段と一体として構成される解施錠装置と子機は、電線と信号送信配線用のコネクターあるいは機械的な接点で分離することが可能な状態でパッケージに内蔵して提供するように設計された電池パッケージを具備することを特徴とする電子錠システム。
【請求項8】
請求項1乃至3のいずれか1項記載の電子錠システムにおいて、非接触型ICカード/ICチップ、ICタグを含む情報搭載媒体に対応する電子錠システムにおける解施錠のメカニズムを構成するID管理システムを、入退室管理に電子的データを使って行う電子ロックと、館内のエレベータの動作を制御する制御盤を含む制御装置で使用する本人確認用のIDシステムと共通化することを特徴とする電子錠システム。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−43044(P2011−43044A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2010−226109(P2010−226109)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【出願人】(508138047)株式会社アール・アンド・デー・コミュニケーションズ (4)
【Fターム(参考)】