説明

電気光学装置とその駆動方法と電子機器

【課題】光センサと光源とを備えた電気光学装置において、原稿からの画像の読み取りと、表示された画像内の位置を指示物で指し示すことによる情報入力との両方を可能とする。
【解決手段】透明な第1基板1と、第1基板1上に形成され、入射光の光量を検出する光センサ5と、光センサ5を第1基板1との間に挟む第2基板4と、第2基板4と光センサ5との間に挟まれ、第1基板1に向けて発光する発光素子7とを備える電気光学装置10を提供する。原稿からの画像の読み取り時には、この原稿と第1基板1とが対向し、発光素子7の発光の一部は原稿で反射されて光センサ5に入射する。また、指示物での位置入力時には、第1基板1とペン30とが接触または近接し、ペン30の先端31付近の光センサ5に入射する外光が遮られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光センサと光源とを備えた電気光学装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光センサと光源とを備えた電気光学装置としては、特許文献1に記載の光源一体型イメージセンサを例示可能である。このイメージセンサは、光源(EL素子)が原稿を照らし、光センサ(受光素子)が原稿からの反射光を受光することで、原稿から画像を読み取る。また、特許文献2には、原稿から画像を読み取って文字を入力することができるイメージセンサ内蔵携帯端末装置が開示されている。文字を入力する他の装置としては、特許文献3に記載の、文字の書き取りを練習するための装置が挙げられる。この装置の使用者は、画像を表示可能な液晶タブレットに文字を表示させ、この文字をペンでなぞることにより、文字を入力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−191564号公報(図1)
【特許文献2】特開平9−65028号公報(図10)
【特許文献3】特開2007−72086号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び2に記載の装置では、原稿からの画像の読み取りは可能であるが、表示された画像内の位置を指やペン等の指示物で指し示すことによる情報入力は不可能である。一方、特許文献3に記載の装置では、表示された画像内の位置をペンで指し示すことによる情報入力は可能であるが、原稿からの画像の読み取りは不可能である。
そこで、本発明は、光センサと光源とを備えた電気光学装置において、原稿からの画像の読み取りと、表示された画像内の位置を指示物で指し示すことによる情報入力との両方を可能とすることを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題を解決するために、本発明は、透明な第1基板と、前記第1基板上に形成され、前記第1基板からの光を受光して受光光量を検出する光センサと、前記光センサを前記第1基板との間に挟む第2基板と、前記第2基板と前記光センサとの間に挟まれ、前記第1基板に向けて発光する発光素子(光源)とを備える電気光学装置を提供する。なお、「第1基板に向けて発光」には、第1基板に向かう光のみを発することも、全方位に向かう光を発することも含まれる。
この電気光学装置によれば、第1基板が透明であるから、発光素子からの光が第1基板を透過するようにすること、及び、この透過光のうち、指やペン、原稿などの外部の物体で反射された光(反射光)が第1基板を透過して光センサに入射するようにすることができる。したがって、この電気光学装置によれば、発光素子の輝度を制御することによって画像を表示し、この画像内の位置であって外部の指示物(指やペンなど)で指し示された位置を検出すること、及び外部の原稿から画像を読み取ることができる。つまり、この電気光学装置によれば、原稿からの画像の読み取りと、表示された画像内の位置を指示物で指し示すことによる情報入力との両方が可能となる。
【0006】
上記の電気光学装置において、前記発光素子と前記光センサとの間で光を遮る遮光層を備えるようにしてもよい。この電気光学装置には、全方位に向かう光を発する発光素子を採用しても、発光素子の発光が直接的に光センサへ入射することがないから、画像の読み取りや位置の検出の精度が低下しないという利点がある。
【0007】
上記の各電気光学装置において、前記第2基板を透明としてもよい。この電気光学装置は、いわゆるデュアルエミッション型の発光装置であり、第1基板と第2基板との両方に画像を表示することができる。上記の遮光層を備える電気光学装置の場合、第1基板に表示される画像の明るさは遮光層に遮光される光量に依存するが、第2基板に表示される画像の明るさは遮光層に遮光される光量に依存しない。
【0008】
上記の各電気光学装置において、前記光センサ及び前記発光素子をそれぞれ複数備え、前記複数の光センサの各々は、平面視において前記複数の発光素子のいずれとも重ならないようにしてもよい。この電気光学装置では、発光素子が複数であるから、画像の表示解像度が高くなる。また、この電気光学装置では、光センサが複数であるから、画像の読み取りや位置の検出の精度が高くなる。また、この電気光学装置によれば、発光素子と光センサとが互いに重ならないから、発光素子からの光のうち、遮光層に遮られる光の量を抑制することができる。したがって、この電気光学装置には、第1基板に表示される画像がさほど暗くならないという利点がある。なお、発光素子と光センサとが互いに重ならない配置としては、図1に示す配置を例示可能である。この配置を採用すれば、画像の表示解像度や、画像の読み取り精度、位置の検出精度の、第1基板に平行な面におけるバラツキを抑制することができる。
【0009】
また、本発明は、この電気光学装置の駆動方法であって、前記第1基板の前記第2基板側の面とは反対側の面を原稿に向けて前記原稿から画像を読み取る場合には、前記複数の発光素子を共通の輝度で発光させ、画像を表示する場合には、表示する画像に基づいて前記複数の発光素子の発光を個別に制御することを特徴とする電気光学装置の駆動方法を提供する。この方法によれば、この電気光学装置を、画像の読み取りと表示との両方、すなわち、原稿からの画像の読み取りと、表示された画像内の位置を指示物で指し示すことによる情報入力との両方に用いることができる。
また、本発明は、上記の各電気光学装置を備える電子機器を提供する。また、本発明は、光センサ及び発光素子をそれぞれ複数備えた電気光学装置を備え、前記複数の発光素子を共通の輝度で発光させて、前記第1基板の前記第2基板側の面とは反対側の面に対向する原稿から画像を読み取り、読み取った画像から文字を認識し、認識した文字を音声に変換する電子機器を提供する。また、本発明は、光センサ及び発光素子をそれぞれ複数備えた電気光学装置を備え、載置面上に載置されて使用される電子機器であって、前記第1基板の前記第2基板側の面とは反対側の面を原稿に向けて前記原稿から画像を読み取る場合には、前記載置面と前記第2基板との間に前記第1基板が挟まれ、画像を表示する場合には、前記載置面と前記第1基板との間に前記第2基板が挟まれるようにしてもよい。この電子機器によれば、電気光学装置の上下を反転させることによって上記の二つの場合に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係る電気光学装置100の平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】電気光学装置100の電気的構成を示す図である。
【図4】電気光学装置100内の発光回路Eの電気的構成を示す回路図である。
【図5】発光回路Eの発光リセット動作を説明するための回路図である。
【図6】発光回路Eの書込動作を説明するための回路図である。
【図7】発光回路Eの発光動作を説明するための回路図である。
【図8】電気光学装置100内のセンシング回路Sの電気的構成を示す回路図である。
【図9】センシング回路Sの検出リセット動作を説明するための回路図である。
【図10】センシング回路Sの露光動作を説明するための回路図である。
【図11】センシング回路Sの読出動作を説明するための回路図である。
【図12】電気光学装置100の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図13】電気光学装置100に文字が読み取られる原稿の一例を示す図である。
【図14】電気光学装置100内の制御回路15の第1動作を説明するための図である。
【図15】制御回路15の第2動作を説明するための図である。
【図16】電気光学装置100の表示例を示す図である。
【図17】電気光学装置100の別の表示例を示す図である。
【図18】電気光学装置100の応用例を示す斜視図である。
【図19】電気光学装置100の別の応用例を示す斜視図である。
【図20】電気光学装置100の更に別の応用例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面を参照しながら本発明の一実施形態を説明する。ただし、各図面においては、各部の寸法の比率が実際のものとは適宜に相違している。また、本発明は、以下に述べる一実施形態に限定されるものではなく、これを変形して得られる各種の変形例や、これらを応用して得られる応用例をも技術的範囲に含みうる。なお、各図において共通する部分には同一の符号が付されている。
【0012】
図1は本発明の一実施形態に係る電気光学装置100の平面図であり、図2は図1のA−A線断面図である。電気光学装置100は、原稿に記載された文字を読み上げることと、運筆を入力することとを可能とした装置に用いられるものであり、図2に示すように、ガラスなどの透明材料で形成された第1基板1と、第1基板1上に形成された回路層2と、回路層2上に形成された光源層3と、第1基板1との間に回路層2及び光源層3を挟む第2基板4とを備える。第2基板4は、ガラスなどの透明材料で形成されている。
【0013】
回路層2は複数の光センサ5と複数の遮光層6とを含む。光センサ5は、第1基板1からの光を受光して受光光量を検出するセンサであり、具体的には、受光光量に応じた光電流を生起するフォトダイオードである。遮光層6は、光を遮る層であり、光センサ5と一対一で対応し、対応する光センサ5の光源層3側に配置されている。一方、光源層3は複数の発光素子7を含む。発光素子7は発光する素子であり、具体的には、駆動電流に応じた輝度で発光する有機EL素子である。
【0014】
図1に示すように、第1基板1に垂直な方向から眺めると、発光素子7及び光センサ5は千鳥格子状に配置されている。具体的には、平面視において、複数の発光素子7はm行n列のマトリクス状に配列されており、複数の光センサ5はm−1行n−1列のマトリクス状に配列されており、隣り合う任意の四つの発光素子7の中心点には一つの光センサ5が重なっており、各光センサ5はいずれかの中心点に重なっている。また、第1基板1に垂直な方向において、光センサ5は対応する遮光層6に覆われている。
【0015】
図3は電気光学装置100の電気的構成を示す図である。この図に示すように、電気光学装置100は、m行n列の発光回路Eと、m−1行n−1列のセンシング回路Sと、行方向に延在する各々m本の発光制御線YA,YB,YCと、列方向に延在するn本のデータ線Xと、行方向に延在する各々m−1本の検出制御線ZA,ZBと、列方向に延在するn−1本のセンス線Wとを備える。
【0016】
各発光回路Eは発光素子7を含み、各センシング回路Sは光センサ5を含む。第i行第j列の発光回路Eには、第i行の発光制御線YAi,YBi,YCiと第j列のデータ線Xjとが電気的に接続されている。ただし、iはm以下の自然数であり、jはn以下の自然数である。一方、第p行第q列のセンシング回路Sには、第p行の検出制御線ZAp,ZBpと第q列のセンス線Wqとが電気的に接続されている。ただし、pはm−1以下の自然数であり、qはn−1以下の自然数である。
【0017】
また、電気光学装置100は、発光制御線駆動回路11と、データ線駆動回路12と、検出制御線駆動回路13と、読出回路14と、これらの回路を制御する制御回路15とを備える。制御回路15には、外部の装置から、m行n列の発光素子7の輝度を指定する階調データが供給される。また、制御回路15は、外部の装置へ、m−1行n−1列のセンシング回路Sの検出結果を示すイメージデータを供給する。なお、上記の回路11〜15のうちの一つ又は複数を電気光学装置100の外部に設けてもよい。
【0018】
発光制御線駆動回路11は、発光制御線YA1〜YAmに書込信号WRT1〜WRTmを出力することにより、発光回路Eを一行ずつ順次選択する。書込信号WRT1〜WRTmは、一定の期間(垂直走査期間=1V)において別の一定の期間(水平走査期間=1H)だけアクティブレベルとなるパルスを1Hずつシフトした信号である。また、発光制御線駆動回路11は、発光制御線YB1〜YBmにリセット信号ERST1〜ERSTmを出力することにより、発光回路Eを一行ずつ順次リセットする一方、発光制御線YC1〜YCmに発光信号EL1〜ELmを出力することにより、発光素子7への駆動電流の供給/遮断を制御する。
【0019】
データ線駆動回路12は、データ線X1〜Xnにデータ信号D1〜Dnを出力することにより、発光制御線駆動回路11に選択されている行の発光回路Eに電圧を書き込む。書き込まれた電圧は保持され、保持電圧に応じた電流(駆動電流)で発光素子7が駆動される。データ信号D1〜Dnのレベルは、表示する画像に応じて異なる。
【0020】
検出制御線駆動回路13は、検出制御線ZA1〜ZAm−1に選択信号SEL1〜SELm−1を供給することにより、センシング回路Sを一行ずつ順次選択する。選択信号SEL1〜SELm−1は、書込信号WRT1〜WRTm−1を一定の時間だけシフトした信号である。また、検出制御線駆動回路13は、検出制御線ZB1〜ZBm−1にリセット信号SRST1〜SRSTm−1を供給することにより、センシング回路Sを一行ずつ順次リセットする。
【0021】
読出回路14は、検出制御線駆動回路13に選択されている行のセンシング回路Sからセンス線W1〜Wn−1へ出力された検出信号を受け取ることにより、これらのセンシング回路Sから検出結果を読み出す。検出信号は検出結果を示す信号であり、センシング回路Sは、光センサ5に生起された光電流に応じた信号を検出信号として出力する。また、読出回路14は、m−1行n−1列のセンシング回路Sの検出結果、すなわち(m−1)×(n−1)個の検出結果を示すイメージ信号を制御回路15へ供給する。
【0022】
図4は、発光回路Eの電気的構成を示す回路図である。この図に示す発光回路Eは、第i行第j列のものであり、発光素子7、駆動トランジスタTdr、トランジスタTa、トランジスタTb及び容量素子C1を備える。発光素子7は、固定の電源電位Velが供給される給電線と接地線との間に介挿されており、給電線から発光素子7に至る経路には駆動トランジスタTdrが介挿されており、駆動トランジスタTdrと発光素子7との間にはトランジスタTelが介挿されている。容量素子C1は、第1電極L1及び第2電極L2を備える。
【0023】
駆動トランジスタTdrは、ソースとゲートの間の電圧Vgsに応じた駆動電流を生成するものであり、そのソースは給電線及び容量素子C1の第1電極L1に、そのゲートは容量素子C1の第2電極L2に、そのドレインはトランジスタTelに接続されている。容量素子C1は書き込まれた電圧を保持するためのものであり、この保持電圧が電圧Vgsとなる。
【0024】
駆動トランジスタTdrのゲートとドレインとの間にはトランジスタTbが介挿されている。トランジスタTbはスイッチング素子として機能し、そのゲートにはリセット制御線YBiが接続されている。つまり、リセット信号ERSTiがアクティブレベルの期間に限り、トランジスタTbがオン状態となって駆動トランジスタTdrがダイオード接続され、容量素子C1の保持電圧がリセットされる。
【0025】
容量素子C1の第2電極L2とデータ線Xjとの間にはトランジスタTaが介挿されている。トランジスタTaはスイッチング素子として機能し、そのゲートは発光制御線YAiに接続されている。つまり、書込信号GWRTiがアクティブレベルの期間に限り、トランジスタTaがオン状態となって容量素子C1への電圧の書き込みが行われる。
【0026】
トランジスタTelはスイッチング素子として機能し、そのゲートは発光制御線YCiに接続されている。したがって、発光信号ELiがアクティブレベルの期間に限り、トランジスタTelがオン状態となり、駆動トランジスタTdrから発光素子7への駆動電流の供給が行われる。
【0027】
発光回路Eでは、発光リセット動作、書込動作および発光動作が巡回的に一定の周期で行われる。この周期は1Vの長さと一致する。発光リセット動作が行われる発光リセット期間では、図5に示すように、トランジスタTaはオフ状態、トランジスタTbはオン状態、トランジスタTelはオフ状態を維持する。したがって、駆動トランジスタTdrがダイオード接続され、容量素子C1の保持電圧がリセットされる。
【0028】
書込動作が行われる書込期間では、図6に示すように、トランジスタTaはオン状態、トランジスタTbはオフ状態、トランジスタTelはオフ状態を維持する。したがって、容量素子C1に、電源電位Velとデータ線Xjの電位との差電圧が書き込まれる。電源電位Velは固定であるから、この電圧は、データ線Xjの電位、すなわちデータ信号Djのレベルによって定まる。
【0029】
発光動作が行われる発光期間では、図7に示すように、トランジスタTaはオフ状態、トランジスタTbはオフ状態、トランジスタTelはオン状態を維持する。したがって、発光素子7は、容量素子C1の保持電圧に応じた駆動電流で駆動され、駆動電流に応じた輝度で発光する。
【0030】
図8は、センシング回路Sの電気的構成を示す回路図である。この図に示すセンシング回路Sは、第p行第q列のものであり、光センサ5と、トランジスタTc及びTdと、増幅トランジスタTampと、容量素子C2とを備える。光センサ5は、固定の電源電位Vsが供給される給電線と接地線との間に介挿されており、そのアノードには接地電位が供給される。
【0031】
この給電線と光センサ5との間にはトランジスタTcが介挿されている。トランジスタTcはスイッチング素子として機能し、そのゲートには検出制御線ZBpが接続されている。つまり、リセット信号SRSTpがアクティブレベルの期間に限り、トランジスタTcがオン状態となり、光センサ5のカソードに電源電位Vsが供給される。トランジスタTcのソースとドレインとの間には容量素子C2が介在する。
【0032】
一方、電源電位Vsが供給される給電線とセンス線Wqとの間には増幅トランジスタTampが介挿されており、増幅トランジスタTampとセンス線Wqとの間にはトランジスタTdが介挿されている。増幅トランジスタTampのドレインは給電線と接続され、ソースはトランジスタTdのドレインと接続され、ゲートは光センサ5のカソードと接続されている。トランジスタTdのソースはセンス線Wqと接続され、ゲートは検出制御線ZApと接続されている。つまり、選択信号SELpがアクティブレベルの期間に限り、トランジスタTdがオン状態となり、増幅トランジスタTampのゲート電位に応じた信号のセンス線Wqへの供給が行われる。
【0033】
センシング回路Sでは、検出リセット動作、露光動作、読出動作が巡回的に一定の周期で行われる。この周期は1Vの長さと一致する。検出リセット動作が行われる検出リセット期間では、図9に示すように、トランジスタTcはオン状態、トランジスタTdはオフ状態となる。したがって、増幅トランジスタTampのゲートの電位(光センサ5のカソードの電位)が電源電位Vsに設定(リセット)される。
【0034】
露光動作が行われる露光期間では、図10に示すように、トランジスタTc及びトランジスタTdは共にオフ状態となる。この期間において、光センサ5では、受光光量に応じた光電流が生起する。したがって、露光期間では、増幅トランジスタTampのゲートの電位が、この期間の開始時には電源電位Vsとなり、この期間の終了時には光センサ5の受光光量に応じた電位となる。
【0035】
読出動作が行われる読出期間では、図11に示すように、トランジスタTcはオフ状態、トランジスタTdはオン状態となる。また、読出期間において、増幅トランジスタTampのゲートの電位は、容量素子C2によって維持される。よって、読出期間では、増幅トランジスタTampからセンス線Wqへ、増幅トランジスタTampのゲート電位に応じた検出信号が供給される。
【0036】
図12は電気光学装置100の動作を説明するためのタイミングチャートである。電気光学装置100では、1Vが繰り返し訪れ、各1Vでは1Hがn回訪れる。1Vは、垂直走査期間であり、第1行の各発光回路Eが書き込み動作を開始してから第1行の各発光回路Eが次に書き込み動作を開始するまでの期間である。1Hは、水平走査期間であり、第i行の発光回路Eに係る書込信号WRTiは、第i回の1Hにわたってアクティブレベルを維持し、他の期間では非アクティブレベルを維持する。書込信号WRTiがアクティブレベルの期間において、第i行の発光回路Eに係るリセット信号ERSTi及び発光信号ELiは非アクティブレベルを維持するから、第i回の1Hは、第i行の発光回路Eに係る書込期間でもある。
【0037】
また、リセット信号ERSTiは、第i行の発光回路Eに係る書込期間の開始前の期間においてアクティブレベルを維持し、他の期間において非アクティブレベルを維持する。リセット信号ERSTiがアクティブレベルの期間において、書込信号WRTi及び発光信号ELiは非アクティブレベルを維持するから、この期間は、第i行の発光回路Eに係る発光リセット期間となる。
【0038】
また、発光信号ELiは、第i行の発光回路Eに係る書込期間の終了後かつ第i行の発光回路Eに係る発光リセット期間の開始前の期間においてアクティブレベルを維持し、他の期間において非アクティブレベルを維持する。発光信号ELiがアクティブレベルの期間において、書込信号WRTi及びリセット信号ERSTiは非アクティブレベルを維持するから、この期間は、第i行の発光回路Eに係る発光期間となる。i<nの場合、第i行の発光回路Eに係る発光期間の一部は、第i+1行の発光回路Eに係る発光期間の一部と重なる。
【0039】
一方、第p行のセンシング回路Sに係るリセット信号SRSTpは、第p+1行の発光回路Eに係る発光期間の開始後かつ第p行の発光回路Eに係る発光期間の終了前の期間においてアクティブレベルを維持し、他の期間において非アクティブレベルを維持する。リセット信号SRSTpがアクティブレベルの期間において、第p行のセンシング回路Sに係る選択信号SELpは非アクティブレベルを維持するから、この期間は、第p行のセンシング回路Sに係る検出リセット期間となる。
【0040】
また、選択信号SELpは、第p+1行のセンシング回路Sに係る検出リセット期間の終了後かつ第p行の発光回路Eに係る発光期間の終了前の期間においてアクティブレベルを維持し、他の期間において非アクティブレベルを維持する。選択信号SELpがアクティブレベルの期間において、リセット信号SRSTpは非アクティブレベルを維持するから、この期間は、第p行のセンシング回路Sに係る読出期間となる。
【0041】
そして、第p行のセンシング回路Sに係る検出リセット期間の終了から当該センシング回路Sに係る読出期間の開始までの期間が露光期間となる。第p行のセンシング回路Sに係る露光期間の全部は、第p行の発光回路Eに係る発光期間の一部に重なるとともに、第p+1行の発光回路Eに係る発光期間の一部に重なる。
【0042】
前述のように、電気光学装置100は、原稿に記載された文字を読み上げることと、運筆を入力することとを可能とした装置に用いられる。制御回路15の動作は、文字の読み上げの場合と運筆の入力の場合とで異なり、制御回路15は、外部から供給される信号に基づいて、その動作を切り換える。以降、文字の読み上げの場合の制御回路15の動作を第1動作と呼び、運筆の入力の場合の制御回路15の動作を第2動作と呼ぶ。
【0043】
まず、第1動作について説明する。この説明では、図13に示す原稿20の面21に記載された文字を読み上げるものとする。図14に示すように、第1動作に先立ち、電気光学装置100及び原稿20は、面21と第1基板1とが互いに対向するように配置される。そして、制御回路15は、第1動作において、総ての発光素子7が一定の輝度で発光するように、より具体的には総ての発光回路Eに一定の電圧が書き込まれるように、発光制御線駆動回路11及びデータ線駆動回路12を制御する。この制御により、総ての発光素子7が一定の輝度で発光する。各発光素子7の発光の一部は、第1基板1を透過して面21に到達し、その一部が面21で反射される。面21からの反射光の一部は、第1基板1を透過して光センサ5に入射する。
【0044】
一方、制御回路15は、総てのセンシング回路Sから行毎に順に検出結果を読み出してイメージ信号を生成するように、検出制御線駆動回路13及び読出回路14を制御する。図1及び図12から明らかなように、ある行(例えば第p行)のセンシング回路Sに係る露光期間は、両隣の行(例えば第p行および第p+1行)の発光回路Eに係る発光期間の両方に含まれているから、面21に文字が記載されておらず、面21の光反射率が一様であれば、総ての光センサ5に入射する反射光の光量は略同一となる。したがって、第1動作において生成されるイメージ信号は、面21の光反射率の分布(面21における文字が占める領域と他の領域との分布)に応じた画像(n−1行m−1列の画素の階調)を示すものとなる。
【0045】
また、制御回路15は、読出回路14から供給されたイメージ信号に基づいてイメージデータを生成し、このイメージデータを外部の装置へ供給する。この外部の装置は、スピーカ等の発音部を備え、制御回路15が第1動作を行う場合には、供給されたイメージデータに基づいて、面21に記載された文字を認識し、認識した文字に基づいて自然言語解析を行い、この解析によって得られた言葉を発音部に発音させる。こうして、面21に記載された文字が読み上げられる。つまり、電気光学装置100と外部の装置とを備えた電子機器は、原稿から画像を読み取り、読み取った画像から文字を認識し、認識した文字を音声に変換する電子機器となる。この機能は、特に、小さな文字を読むのが困難な人にとって便利である。
【0046】
次に、第2動作について説明する。この説明では、図15に示すように、電気光学装置100の使用者がペン30の運筆を入力するものとする。第2動作に先立ち、電気光学装置100は、第2基板4を下にして机40上に載置される。本実施形態における運筆の入力は、文字を美しく書く技術を身につけるために行われるものであり、使用者は、電気光学装置100に表示された手本をペン30の先端31でなぞることで運筆を入力する。
【0047】
第2動作では、制御回路15は、手本の画像が表示されるように、より具体的には各発光素子7が手本の画像に応じた輝度で発光するように、より具体的には総ての発光回路Eに手本の画像に応じた電圧が書き込まれるように、発光制御線駆動回路11及びデータ線駆動回路12を制御する。この制御は、外部の装置から供給される画像データに基づいて行われるものであり、1Vに相当する時間間隔で繰り返し行われる。この制御により、総ての発光素子7が手本の画像に応じた輝度で発光する。各発光素子7の発光の一部は第1基板1を透過するから、第1基板1には手本の画像が表示される。手本の画像としては、図16に示す画像50を例示可能である。画像50は、文字「あ」、「い」及び「う」の手本の画像である。
【0048】
また、第2動作では、第1動作と同様に、制御回路15は、総てのセンシング回路Sから行毎に順に検出結果を読み出してイメージ信号を生成するように検出制御線駆動回路13及び読出回路14を制御する。ただし、この制御は、1Vに相当する時間間隔で繰り返し行われる。よって、第2動作ではイメージ信号が繰り返し生成され、各イメージ信号は、第1基板1上の先端31の位置に応じた画像(n−1行m−1列の画素の階調)を示すものとなる。この画像はn−1行m−1列の画素を含み、各画素の階調は、各光センサ5に入射する外光の光量に応じたものとなる。手本をペン30の先端31でなぞる場合、先端31が遮光層として機能するから、先端31の直下の光センサ5に入射する外光の光量は少なくなり、他の光センサ5に入射する外光の光量は多くなる。
【0049】
また、制御回路15は、読出回路14から供給されたイメージ信号に基づいてイメージデータを生成し、このイメージデータを外部の装置へ供給する。この外部の装置は、各種のデータを保持するためのメモリ等の記憶部を備え、制御回路15が第2動作を行う場合には、1Vに相当する期間毎に、記憶部から手本の画像を示す画像データを読み出して制御回路15へ供給する一方、制御回路15からのイメージデータに基づいて、ペン30を用いて指示された位置を特定して記憶部に保持させ、記憶部に保持されている位置に基づいて、記憶部に保持されている画像データを変更する。
【0050】
したがって、手本の画像が図16の画像50の場合、使用者が文字「あ」及び「い」をペン30の先端31でなぞると、第1基板1に表示される画像は、例えば図17に示す通りとなる。つまり、第1基板1に表示される画像には筆跡が反映される。一方、第2動作では、イメージ信号が1Vに相当する時間間隔で繰り返し生成されるから、外部の装置は運筆を特定することができる。外部の装置が特定した運筆をどのように利用するかは任意である。例えば、特定した運筆と予め定められた運筆とを比較して運筆の適否を判定するようにしてもよいし、特定した運筆から書き順を特定し、この書き順と正しい書き順とを比較して、書き順の正誤を判定するようにしてもよい。
【0051】
以上説明したように、電気光学装置100は、透明な第1基板1と、第1基板1上に形成され、第1基板1からの光を受光して受光光量を検出する光センサ5と、光センサ5を第1基板1との間に挟む第2基板4と、第2基板4と光センサ5との間に挟まれた発光素子7とを備える。そして、発光素子7の発光の一部は、第1基板1に向けて進行し、第1基板1を透過し、この透過光のうち、原稿20やペン30で反射された光(反射光)の一部が、第1基板1を透過して光センサ5に受光される。また、電気光学装置100は、第1基板1の第2基板4側の面とは反対側の面を原稿20に向けて原稿20から画像を読み取る場合には、机40などの載置面と第2基板4との間に第1基板1が挟まれた状態で総ての発光素子7を共通の輝度で発光させ、画像を表示する場合には、載置面と第1基板1との間に第2基板4が挟まれた状態で、表示する画像に基づいて総ての発光素子の輝度を個別に制御する。よって、電気光学装置100によれば、発光素子7の輝度を制御することによって画像を表示し、この画像内のペン30で指し示された位置を検出すること、及び原稿20から画像を読み取ることができる。すなわち、電気光学装置100によれば、原稿20からの画像の読み取りと、表示された画像内の位置をペン30で指し示すことによる情報入力との両方が可能となる。
【0052】
ところで、電気光学装置100は、発光素子7として全方位に向かう光を発する有機EL素子を採用している。このため、発光素子7の発光が直接的に光センサ5へ入射し、画像の読み取り精度の低下や位置の検出精度の低下を招くことが懸念される。しかし、電気光学装置100は、発光素子7と光センサ5との間で光を遮る遮光層6を備えるから、上記の精度は低下しない。
【0053】
また、電気光学装置100において、第1基板1及び第2基板4は透明であるから、発光素子7からの光は、第1基板1及び第2基板4を透過する。つまり、電気光学装置100は、いわゆるデュアルエミッション型の発光装置である。したがって、画像を第1基板1と第2基板4との両方に表示することができる。第1基板1に表示される画像の明るさは遮光層6に遮光される光量に依存するが、第2基板4に表示される画像の明るさは遮光層6に遮光される光量に依存しないから、電気光学装置100には、いわゆるボトムエミッション型の発光装置に比較して明るい画像を表示可能という利点がある。もちろん、これらの利点が不要であれば、電気光学装置100を変形し、発光素子7からの光が第1基板1を透過する一方で第2基板4を透過しないボトムエミッション型としてもよい。
【0054】
また、電気光学装置100は、光センサ5及び発光素子7をそれぞれ複数備える。第1基板1に平行な面において、これらの光センサ5は格子状に配列され、これらの発光素子7も格子状に配列されている。したがって、電気光学装置100によれば、当該面における、画像の表示解像度や、画像の読み取り精度、位置の検出精度のバラツキを抑制することができる。加えて、これらの光センサ5の各々は、平面視においていずれの発光素子7とも重ならない。したがって、電気光学装置100によれば、発光素子7の発光のうち、遮光層6に遮られる光の量を抑制することができる。つまり、電気光学装置100には、第1基板1に表示される画像がさほど暗くならないという利点がある。
【0055】
なお、上述した実施形態を変形し、認識した文字を拡大して示す画像を電気光学装置100に表示させるようにしてもよい。電気光学装置100は、デュアルエミッション型の発光装置であるから、使用者は、電気光学装置100を裏返すことなく、この画像を視認することができる。また、光センサの検出結果に基づいて発光素子の輝度を制御する形態は、上述した形態に限らない。例えば、使用者がペン30の先端31でなぞった跡を、手本の文字とは異なる色で表示するようにしてもよい。
【0056】
また、上述した実施形態を変形し、遮光層6を省いた構成としてもよいし、第2基板4を不透明としてもよいし、電気光学装置100を、原稿からの画像の読み取り用途と、ペンや指などの指示物で指示された位置の検出用途のうち、いずれか一方のみに使用される装置に用いてもよい。原稿からの画像の読み取り用途のみに使用される装置に用いる場合には、発光素子7は一つでもよい。
【0057】
上述した実施形態では、ペンや指などの指示物で指示された位置の検出の用途として、運筆の入力を例示したが、これに限るものではない。そのような例としては、26文字のアルファベットを表示し、指示物で指示された位置のアルファベットを入力する例や、各々に情報が対応付けられたアイコンを表示し、指示物で指示されたアイコンに対応する情報を入力する例などが挙げられる。もちろん、入力された情報を音声出力する形態としてもよい。この形態は、発声が困難な人によって便利である。
【0058】
上述した実施形態では、各行のセンシング回路Sが1Hに相当する時間間隔で走査されるが、これを変形し、各行のセンシング回路Sが1Hに相当する時間とは異なる時間間隔で走査されるようにしてもよい。また、上述した実施形態では、各センシング回路Sが1Vに相当する時間間隔で検出信号を出力するが、これを変形し、各センシング回路Sが1Vに相当する時間とは異なる時間間隔で検出信号を出力するようにしてもよい。また、上述した実施形態を変形し、光センサ5の数を発光素子7の数よりも多くしてもよいし、光センサ5及び発光素子7を図1に示すパターンとは異なるパターンで配置してもよい。
【0059】
次に、電気光学装置100を利用した電子機器について説明する。図18は、電気光学装置100を表示部として採用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。パーソナルコンピュータ2000は、電気光学装置100と本体部2010とを備える。本体部2010には、電源スイッチ2001およびキーボード2002が設けられている。
【0060】
図19に、電気光学装置100を適用した携帯電話機の構成を示す。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001およびスクロールボタン3002、ならびに電気光学装置100を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、電気光学装置100に表示される画像をスクロール可能である。
【0061】
図20に、電気光学装置100を適用した携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す。携帯情報端末4000は、複数の操作ボタン4001および電源スイッチ4002、ならびに電気光学装置100を備える。なお、本発明に係る電気光学装置が適用される電子機器は、図18から図20に示したものに限られない。
【符号の説明】
【0062】
1……第1基板、100……電気光学装置、2……回路層、3……光源層、4……第2基板、5……光センサ、6……遮光層、7……発光素子、E……発光回路、S……センシング回路。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な第1基板と、
前記第1基板上に形成され、前記第1基板からの光を受光して受光光量を検出する光センサと、
前記光センサを前記第1基板との間に挟む第2基板と、
前記第2基板と前記光センサとの間に挟まれ、前記第1基板に向けて発光する発光素子と
を備える電気光学装置。
【請求項2】
前記発光素子と前記光センサとの間で光を遮る遮光層を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記第2基板は透明である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記光センサ及び前記発光素子をそれぞれ複数備え、
前記複数の光センサの各々は、平面視において前記複数の発光素子のいずれとも重ならない
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電気光学装置を備える電子機器。
【請求項6】
請求項4に記載の電気光学装置を備え、
前記複数の発光素子を共通の輝度で発光させて、前記第1基板の前記第2基板側の面とは反対側の面に対向する原稿から画像を読み取り、読み取った画像から文字を認識し、認識した文字を音声に変換する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項7】
請求項4に記載の電気光学装置を備え、
載置面上に載置され、
前記第1基板の前記第2基板側の面とは反対側の面を原稿に向けて前記原稿から画像を読み取る場合には、前記載置面と前記第2基板との間に前記第1基板が挟まれ、画像を表示する場合には、前記載置面と前記第1基板との間に前記第2基板が挟まれる
ことを特徴とする電子機器。
【請求項8】
請求項4に記載の電気光学装置の駆動方法であって、
前記第1基板の前記第2基板側の面とは反対側の面を原稿に向けて前記原稿から画像を読み取る場合には、前記複数の発光素子を共通の輝度で発光させ、
画像を表示する場合には、表示する画像に基づいて前記複数の発光素子の輝度を個別に制御する
ことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−286875(P2010−286875A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−137995(P2009−137995)
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】