説明

電気回路、充電制御装置、充電システム、および制御方法

【課題】より簡易的な構成で半導体スイッチを駆動する回路を実現する。
【解決手段】充放電切替回路11は、プラス側の電力線に挿入される半導体スイッチ12−1および12−2と、入力側の端子に入力される入力電圧を、所定の出力電圧に変換して出力側の端子から出力する絶縁型DCDCコンバータ23−1および23−2とを備える。そして、絶縁型DCDCコンバータ23−1および23−2の出力側のマイナス端子がプラス側の電力線に接続され、絶縁型DCDCコンバータ23−1および23−2の出力側のプラス端子が半導体スイッチ12−1および12−2の開閉を制御する端子に接続される。本発明は、例えば、高電圧の電源の充放電を制御する回路に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気回路、充電制御装置、充電システム、および制御方法に関し、特に、より簡易的な構成で半導体スイッチを駆動する回路を実現することができるようにした電気回路、充電制御装置、充電システム、および制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車やスマートグリッドの普及に向けた要点として、より安全で利便性の高い二次電池の開発が期待されている。
【0003】
一般的に、二次電池を充電および放電するための電力線には、電磁石を利用して接点を物理的に動かすことで開閉するリレーが挿入され、電力のオン/オフ制御が行われている(例えば、特許文献1乃至4)。また、電力のオン/オフ制御には、リレーの他、半導体スイッチなども用いられる。
【0004】
リレーは、高耐圧のものは大型で高価である。これに対し、基準電位側(接地側:以下の説明では、例えばマイナス側)の電力線にFET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)などの半導体スイッチを挿入して、半導体スイッチにより電力のオン/オフ制御を行うことで、小型で安価に実現できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−141957号公報
【特許文献2】特開2009−100644号公報
【特許文献3】特開2009−240081号公報
【特許文献4】特開2009−183025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、二次電池の充電および放電に半導体スイッチを利用する場合、印加電位側(接地側とは逆側:以下の説明では、例えばプラス側)の電力線に半導体スイッチを挿入する場合と、マイナス側の電力線に半導体スイッチを挿入する場合とがある。しかしながら、マイナス側の電力線に半導体スイッチを挿入した場合、例えば、半導体スイッチをオフにすると電池側とシステム側との基準電位が変動するなどの不具合が発生しすることがあった。また、半導体スイッチにIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)などの半導体スイッチを使用する場合は、より簡易的な回路構成で、二次電池のプラス側の電力線に挿入された半導体スイッチを駆動させることができる駆動回路が求められていた。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、半導体スイッチを駆動する回路を、より簡易的な構成で実現することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の側面の電気回路は、プラス側の電力線に挿入される半導体スイッチと、入力側の端子に入力される入力電圧を、所定の出力電圧に変換して出力側の端子から出力する変換手段とを備え、前記変換手段の出力側のマイナス端子が前記プラス側の電力線に接続され、前記変換手段の出力側のプラス端子が前記半導体スイッチの開閉を制御する端子に接続される。
【0009】
本発明の第1の側面においては、プラス側の電力線に挿入される半導体スイッチと、入力側の端子に入力される入力電圧を、所定の出力電圧に変換して出力側の端子から出力する変換手段とを備える。そして、変換手段の出力側のマイナス端子がプラス側の電力線に接続され、変換手段の出力側のプラス端子が半導体スイッチの開閉を制御する端子に接続される。
【0010】
本発明の第2の側面の充電制御装置は、プラス側の電力線に挿入される半導体スイッチと、入力側の端子に入力される入力電圧を、所定の出力電圧に変換して出力側の端子から出力する変換手段とを有し、前記変換手段の出力側のマイナス端子が前記プラス側の電力線に接続され、前記変換手段の出力側のプラス端子が前記半導体スイッチの開閉を制御する端子に接続される電気回路と、前記電気回路が有する前記変換手段の出力電圧のオン/オフを制御することで、前記半導体スイッチの切り替えを制御する制御手段とを備える。
【0011】
本発明の第2の側面においては、電気回路は、プラス側の電力線に挿入される半導体スイッチと、入力側の端子に入力される入力電圧を、所定の出力電圧に変換して出力側の端子から出力する変換手段とを有し、変換手段の出力側のマイナス端子がプラス側の電力線に接続され、変換手段の出力側のプラス端子が半導体スイッチの開閉を制御する端子に接続される。そして、変換手段の出力電圧のオン/オフが制御されることで、半導体スイッチの切り替えが制御される。
【0012】
本発明の第3の側面の充電システムは、電力を充電および放電する二次電池と、前記二次電池の状態を検知する検知手段と、前記二次電池に接続されるプラス側の電力線に挿入される半導体スイッチと、入力側の端子に入力される入力電圧を、所定の出力電圧に変換して出力側の端子から出力する変換手段とを有し、前記変換手段の出力側のマイナス端子が前記プラス側の電力線に接続され、前記変換手段の出力側のプラス端子が前記半導体スイッチの開閉を制御する端子に接続される電気回路と、前記電気回路が有する前記変換手段の出力電圧のオン/オフを制御することで、前記半導体スイッチの切り替えを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記検出手段により検出された前記二次電池の状態を取得し、前記二次電池の状態に従って、前記半導体スイッチの切り替えを制御する。
【0013】
本発明の第4の側面の制御方法は、充電システムの制御方法であって、前記充電システムは、電力を充電および放電する二次電池と、前記二次電池の状態を検知する検知手段と、前記二次電池に接続されるプラス側の電力線に挿入される半導体スイッチと、入力側の端子に入力される入力電圧を、所定の出力電圧に変換して出力側の端子から出力する変換手段とを有し、前記変換手段の出力側のマイナス端子が前記プラス側の電力線に接続され、前記変換手段の出力側のプラス端子が前記半導体スイッチの開閉を制御する端子に接続される電気回路と、前記電気回路が有す前記変換手段の出力電圧のオン/オフを制御することで、前記半導体スイッチの切り替えを制御する制御手段とを備え、前記検出手段により検出された前記二次電池の状態を取得し、前記二次電池の状態に従って、前記半導体スイッチの切り替えを制御するステップを含む。
【0014】
本発明の第3および第4の側面においては、電気回路は、プラス側の電力線に挿入される半導体スイッチと、入力側の端子に入力される入力電圧を、所定の出力電圧に変換して出力側の端子から出力する変換手段とを有し、変換手段の出力側のマイナス端子がプラス側の電力線に接続され、変換手段の出力側のプラス端子が半導体スイッチの開閉を制御する端子に接続される。そして、変換手段の出力電圧のオン/オフが制御されることで、半導体スイッチの切り替えが制御される。このとき、電力を充電および放電する二次電池の状態が取得され、その状態に従って半導体スイッチの切り替えが制御される。
【0015】
本発明の第5の側面の電気回路は、切替対象線の導通と切断との切替を行う半導体スイッチと、前記半導体スイッチの基準電位に対する電位差信号として、前記切替のための制御電位を示す切替制御信号を前記半導体スイッチに供給して、前記切替を制御する制御回路と、を備え、前記半導体スイッチの基準電位は、前記切替対象線の電位と一致しており、前記制御回路は、前記切替対象線とは異なる電位に対する電位差信号として入力される入力制御信号に応じて、前記切替制御信号を生成する。
【0016】
本発明の第5の側面においては、切替対象線の導通と切断との切替を行う半導体スイッチと、半導体スイッチの基準電位に対する電位差信号として、切替のための制御電位を示す切替制御信号を半導体スイッチに供給して、切替を制御する制御回路とを備える。そして、半導体スイッチの基準電位は、切替対象線の電位と一致しており、切替対象線とは異なる電位に対する電位差信号として入力される入力制御信号に応じて、切替制御信号が生成される。
【0017】
本発明の第6の側面の電気回路は、基準電位を示す基準電位線と印加する電位を示す印加電位線との間の電位差により電力を供給する電力線について、前記基準電位線および前記印加電位線の少なくとも一方を切替対象線として、その導通と切断との切替を行う半導体スイッチと、前記半導体スイッチの基準電位に対する電位差信号として、前記切替のための制御電位を示す切替制御信号を前記半導体スイッチに供給して、前記切替を制御する制御回路と、を備え、前記半導体スイッチの基準電位は、前記切替対象線の電位と一致しており、前記制御回路は、前記基準電位線と同電位に対する電位差信号として入力される入力制御信号に応じて、前記切替制御信号を生成する。
【0018】
本発明の第6の側面においては、基準電位を示す基準電位線と印加する電位を示す印加電位線との間の電位差により電力を供給する電力線について、基準電位線および印加電位線の少なくとも一方を切替対象線として、その導通と切断との切替を行う半導体スイッチと、半導体スイッチの基準電位に対する電位差信号として、切替のための制御電位を示す切替制御信号を半導体スイッチに供給して、切替を制御する制御回路とを備える。そして、半導体スイッチの基準電位は、切替対象線の電位と一致しており、基準電位線と同電位に対する電位差信号として入力される入力制御信号に応じて、切替制御信号が生成される。
【0019】
本発明の第7の側面の充電制御装置は、上述の電気回路と、前記入力制御信号を前記電気回路に供給することで、前記半導体スイッチの切替を制御する制御手段と、を備える。
【0020】
本発明の第7の側面においては、入力制御信号を電気回路に供給することで、半導体スイッチの切替が制御される。
【0021】
本発明の第8の側面の充電システムは、上述の電気回路と、前記入力制御信号を前記電気回路に供給することで、前記半導体スイッチの切替を制御する制御手段と、電力を充電および放電する二次電池と、前記二次電池の状態を検知する検知手段と、を備え、前記電気回路の前記切替対象線は前記二次電池と接続され、前記制御手段は、前記検出手段により検出された前記二次電池の状態を取得し、前記二次電池の状態に従って、前記半導体スイッチの切替を制御する。
【0022】
本発明の第9の側面の充電システムの制御方法は、上述の電気回路と、前記入力制御信号を前記電気回路に供給することで、前記半導体スイッチの切替を制御する制御手段と、電力を充電および放電する二次電池と、前記二次電池の状態を検知する検知手段と、を備え、前記電気回路の前記切替対象線は前記二次電池と接続された充電システムの制御方法であって、前記検出手段により検出された前記二次電池の状態を取得し、前記二次電池の状態に従って、前記半導体スイッチの切り替えを制御するステップを含む。
【0023】
本発明の第8および9の側面においては、充電システムは、上述の電気回路と、入力制御信号を電気回路に供給することで、半導体スイッチの切替を制御する制御手段と、電力を充電および放電する二次電池と、二次電池の状態を検知する検知手段とを備え、電気回路の切替対象線は二次電池と接続されており、二次電池の状態が取得され、二次電池の状態に従って、半導体スイッチの切替が制御される。
【発明の効果】
【0024】
本発明の第1乃至第9の側面によれば、半導体スイッチを駆動する回路をより簡易的な構成で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明を適用した充放電切替回路の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】充放電切替回路を備えた充電システムの構成例を示すブロック図である。
【図3】充放電切替回路を制御する処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明を適用した充放電切替回路(電気回路)の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【0028】
図1において、充放電切替回路11は、2つの半導体スイッチ12−1および12−2、並びに駆動回路13を備えて構成される。
【0029】
充放電切替回路11は、例えば、リチウムイオンバッテリーなどの二次電池(例えば、図2のバッテリモジュール32−1乃至32−N)と、二次電池の充電および放電を行うシステム(図示せず)との間に配置され、充電および放電の切り替えを行う。また、二次電池とシステムとは、プラス側の電力線(印加電位線)、およびマイナス側の電力線(グランド線、基準電位線)により接続される。図1では、プラス側の電力線の端子14がシステムに接続されており、プラス側の電力線の端子15が二次電池に接続されている。また、マイナス側の電力線の端子16がシステムに接続されており、マイナス側の電力線の端子17が二次電池に接続されている。
【0030】
また、充放電切替回路11では、半導体スイッチ12−1および12−2が、プラス側の電力線に直列的に挿入される。半導体スイッチ12−1は、プラス側の電力線の二次電池側に配置され、半導体スイッチ12−2は、プラス側の電力線のシステム側に配置される。
【0031】
半導体スイッチ12−1は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)21−1と、ダイオード22−1とが組み合わされて構成されている。半導体スイッチ12−1では、IGBT21−1のコレクタとダイオード22−1のカソードとが接続されるとともに、IGBT21−1のエミッタとダイオード22−1のアノードとが接続され、IGBT21−1のゲートが駆動回路13に接続されている。
【0032】
また、半導体スイッチ12−1では、IGBT21−1のエミッタとダイオード22−1のアノードとの接続点が二次電池側の端子15に接続され、IGBT21−1のコレクタとダイオード22−1のカソードとの接続点が、半導体スイッチ12−2を介してシステム側の端子14に接続されている。従って、半導体スイッチ12−1では、二次電池側の端子15からシステム側の端子14に向かってダイオード22−1を介して電流を常に流すことができる一方、システム側の端子14から二次電池側の端子15へは、IGBT21−1がオンにされたときに電流を流すことができる。
【0033】
また、半導体スイッチ12−2は、半導体スイッチ12−1と同様に、IGBT21−2とダイオード22−2とが組み合わされて構成されている。一方、半導体スイッチ12−2では、IGBT21−2のエミッタとダイオード22−2のアノードとの接続点がシステム側の端子14に接続され、IGBT21−2のコレクタとダイオード22−2のカソードとの接続点が、半導体スイッチ12−1を介して二次電池側の端子15に接続されている。従って、半導体スイッチ12−2では、システム側の端子14から二次電池側の端子15に向かってダイオード22−2を介して電流を常に流すことができる一方、二次電池側の端子15からシステム側の端子14へは、IGBT21−2がオンにされたときに電流を流すことができる。
【0034】
駆動回路13は、2つの絶縁型DCDC(Direct Current/Direct Current)コンバータ23−1および23−2を有して構成されている。
【0035】
絶縁型DCDCコンバータ23−1および23−2は、入力側(1次コイル側)の端子に入力される電源電圧Vccを、例えば、+15Vなどの所定の電圧に変換して出力側(2次コイル側)の端子から出力する。また、絶縁型DCDCコンバータ23−1および23−2は、充放電切替回路11を介して二次電池およびシステムの間で供給される電力の電源電圧以上の絶縁耐性、例えば、1000V以上の絶縁耐性を備えている。
【0036】
絶縁型DCDCコンバータ23−1では、入力側の+端子が、電源電圧Vccに接続されるとともに、入力側の−端子が、マイナス側の電力線に接続されている。また、絶縁型DCDCコンバータ23−1では、出力側の+端子が、半導体スイッチ12−1のIGBT21−1のゲートに接続されるとともに、出力側の−端子が、半導体スイッチ12−1と二次電池側の端子15との間の電力線に接続されている。
【0037】
また、絶縁型DCDCコンバータ23−2では、入力側の+端子が、電源電圧Vccに接続されるとともに、入力側の−端子が、マイナス側の電力線に接続されている。また、絶縁型DCDCコンバータ23−2では、出力側の+端子が、半導体スイッチ12−2のIGBT21−2のゲートに接続されるとともに、出力側の−端子が、半導体スイッチ12−2とシステム側の端子14との間の電力線に接続されている。
【0038】
そして、絶縁型DCDCコンバータ23−1および23−2は、電源電圧VccをDCDC変換することで、IGBT21−1および21−2のゲートに対して、プラス側の電力線の電圧に所定の電圧を加算した電圧をそれぞれ印加(即ち、IGBT21−1および21−2の基準電位(プラス側の電力線の電位)に対する電位差信号としての制御電位を示す切替制御信号を供給)することができる。ここで、プラス側の電力線の電圧は、二次電池に蓄積されている電力量に応じて変動し、例えば、充放電切替回路11が実装される充電システムでは、400〜600V程度の高電圧が想定される。従って、絶縁型DCDCコンバータ23−1および23−2は、400〜600Vに所定の電圧(例えば、+15V)を加算した電圧を、IGBT21−1および21−2のゲートにそれぞれ印加する。
【0039】
また、絶縁型DCDCコンバータ23−1および23−2は、後述する図2のMCU51による制御信号(充電イネーブルおよび放電イネーブル:入力制御信号)に従って、出力電圧のオン/オフ(例えば、+15V/0V)を切り替える。
【0040】
即ち、絶縁型DCDCコンバータ23−1は、充電イネーブルがオンであれば、入力側の端子に入力される電源電圧Vccを所要の電圧に変換する回路をオンにして出力電圧を発生(切替制御信号を供給)し、IGBT21−1のゲートに所定の電圧を印加して二次電池への充電が行われる状態にする。一方、絶縁型DCDCコンバータ23−1は、充電イネーブルがオフであれば、入力側の端子に入力される電源電圧Vccを所要の電圧に変換する回路をオフにして出力電圧の発生を停止し、IGBT21−1のゲートへの電圧の印加を停止して二次電池への充電が行われない状態にする。
【0041】
同様に、絶縁型DCDCコンバータ23−2は、放電イネーブルがオンであれば、入力側の端子に入力される電源電圧Vccを所要の電圧に変換する回路をオンにして出力電圧を発生(切替制御信号を供給)し、IGBT21−2のゲートに所定の電圧を印加して二次電池からの放電が行われる状態にする。一方、絶縁型DCDCコンバータ23−2は、放電イネーブルがオフであれば、入力側の端子に入力される電源電圧Vccを所要の電圧に変換する回路をオフにして出力電圧の発生を停止し、IGBT21−2のゲートへの電圧の印加を停止して二次電池からの放電が行われない状態にする。
【0042】
以上のように充放電切替回路11は構成されており、絶縁型DCDCコンバータ23−1および23−2を利用することにより、プラス側の電力線の電圧より所定の電圧だけ高い電圧を生成して、プラス側の電力線に挿入されている半導体スイッチ12−1および12−2のオン/オフを制御することができる。
【0043】
また、プラス側の電力線でオン/オフ制御を行うため、マイナス側の電力線でオン/オフ制御を行う場合より、安全性をより高めることができる。さらに、例えば、マイナス側の電力線に半導体スイッチを挿入してオン/オフ制御を行う場合に発生する基準電位の変動を回避することができる。
【0044】
即ち、マイナス側の電力線に半導体スイッチを挿入した場合に半導体スイッチをオフにしたとき、電源の基準電位とシステム側の回路の基準電位とが接続されない状態となり、システム側と電源側との回路の基準電位が変動することがある。これにより、回路が誤動作するなどの不具合が発生する恐れがあった。これに対し、充放電切替回路11では、プラス側の電力線に半導体スイッチ12−1および12−2が挿入されているため、半導体スイッチ12−1および12−2をオフにしても、電源の基準電位とシステム側の回路の基準電位とは接続された状態である。従って、基準電位が変動することによる不具合の発生を回避することができる。
【0045】
また、絶縁型DCDCコンバータ23−1および23−2を利用することで、半導体スイッチ12−1および12−2を駆動するための高電圧(例えば、400〜600Vに15Vを加算した電圧)を発生する回路を簡易的な構成で実現することができる。また、絶縁型DCDCコンバータ23−1および23−2が、プラス側の電力線で供給される電圧に所定の電圧を加算するように構成されているので、二次電池に蓄積されている電力量に応じて半導体スイッチ12−1および12−2の駆動に必要な電圧が変動しても、その電圧を確実に生成することができる。
【0046】
さらに、半導体スイッチ12−1および12−2が、IGBT21−1および21−2と、ダイオード22−1および22−2とが組み合わされて構成されているので、充電用と放電用との2系統の電力供給経路を独立して設けられる。これにより、充電イネーブルと放電イネーブルとを個別にオン/オフ制御することが可能な回路構成を実現することができる。
【0047】
また、絶縁型DCDCコンバータ23−1および23−2が、二次電池とシステムとの間で供給される電力の電源電圧以上の絶縁耐性を備えていることにより、プラス側の電力線により伝送される電力が、絶縁型DCDCコンバータ23−1および23−2を介してリークすることを確実に防止することができる。即ち、絶縁型DCDCコンバータ23−1および23−2に供給される入力制御信号(充電イネーブル、放電イネーブル)と電気的に絶縁された状態で、絶縁型DCDCコンバータ23−1および23−2によりIGBT21−1および21−2のゲートに印加される電圧(切替制御信号)が生成される。
【0048】
なお、充放電切替回路11は、規定の電圧値以上の電力がシステムから二次電池に供給されたときに、その電力の供給を遮断するための保護回路を備えることができる。
【0049】
次に、図2は、充放電切替回路11を備えた充電システムの構成例を示すブロック図である。なお、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0050】
図2に示すように、充電システム31は、N個のバッテリモジュール32−1乃至32−N、およびコントロールボックス33を備えて構成される。
【0051】
バッテリモジュール32−1乃至32−Nは、センサ部41−1乃至41−N、第1の通信端子(CN1)42−1乃至42−N、第2の通信端子(CN2)43−1乃至43−N、マイナス端子44−1乃至44−N、並びに、プラス端子45−1乃至45−Nをそれぞれ有している。コントロールボックス33は、充放電切替回路11、MCU(Micro Controller Unit)51、送受信部52、および通信コネクタ53を有している。そして、コントロールボックス33とバッテリモジュール32−1乃至32−Nとは、電力線および信号線により接続されている。
【0052】
電源基準電位(Power GND)に接続されるマイナス側の電力線は、コントロールボックス33を介してバッテリモジュール32−1のマイナス端子44−1に接続されており、バッテリモジュール32−1のプラス端子45−1は、バッテリモジュール32−2のマイナス端子44−2に接続されている。また、バッテリモジュール32−2のプラス端子45−2が、バッテリモジュール32−3のマイナス端子44−3に接続され、以下、同様に、バッテリモジュール32−1乃至32−Nが直列に接続されている。そして、バッテリモジュール32−Nのプラス端子45−Nに接続されるプラス側の電力線が、コントロールボックス33の充放電切替回路11を介して、図示しないシステムに接続(To System)されている。
【0053】
また、コントロールボックス33の通信コネクタ53に接続されている信号線が、バッテリモジュール32−1の第1の通信端子42−1に接続されている。そして、バッテリモジュール32−1の第2の通信端子43−1が、バッテリモジュール32−2の第1の通信端子42−2に接続され、バッテリモジュール32−2の第2の通信端子43−2が、バッテリモジュール32−3の第1の通信端子42−3に接続されて、以下、同様に、バッテリモジュール32−1乃至32−Nが信号線により直列に接続されている。
【0054】
バッテリモジュール32−1乃至32−Nは、例えば、リチウムイオンバッテリーなどの二次電池を備えたモジュールであり、マイナス端子44−1乃至44−Nおよびプラス端子45−1乃至45−Nを介して、電力の充電または放電を行う。
【0055】
センサ部41−1乃至41−Nは、バッテリモジュール32−1乃至32−Nに蓄電されている電力の電圧値や、充電または放電の際の電流値、バッテリモジュール32−1乃至32−Nの温度などを検出する。センサ部41−1乃至41−Nは、第1の通信端子42−1乃至42−Nおよび第2の通信端子43−1乃至43−Nによりそれぞれ接続されるとともに、信号線を介してコントロールボックス33に接続されている。そして、センサ部41−1乃至41−Nは、検出した電圧値、電流値、および温度をコントロールボックス33のMCU51に通知する。
【0056】
MCU51は、例えば、一つの集積回路にコンピュータシステムがまとめられた組み込み用のマイクロプロセッサである。MCU51は、センサ部41−1乃至41−Nと通信を行ってバッテリモジュール32−1乃至32−Nの電圧値、電流値、および温度を取得する。そして、MCU51は、電圧値、電流値、および温度に基づいて、バッテリモジュール32−1乃至32−Nの状態(過電流、ショート、電源に繋いだ二次電池の過充電、過放電、温度状態など)を監視し、それらの状態に応じて充放電切替回路11を制御する。
【0057】
送受信部52は、MCU51とセンサ部41−1乃至41−Nとが通信を行う際の信号の送受信を管理するインタフェースである。通信コネクタ53は、コントロールボックス33に接続される信号線とMCU51および送受信部52とを繋ぐ複数の端子を有している。通信コネクタ53のDIS端子、0V端子、およびCHG端子がMCU51に接続されており、通信コネクタ53のVCC端子、SDA端子、SCL端子、GND端子が送受信部52に接続されている。
【0058】
以上のように構成される充電システム31は、バッテリモジュール32−1乃至32−Nが直列に接続されることで高電圧の電源(例えば、1000V・100A程度の電源)として使用される。そして、コントロールボックス33が、バッテリモジュール32−1乃至32−Nの状態を監視しながら、充放電切替回路11により、充電方向および放電方向の電流をオン/オフ制御する。
【0059】
次に、図3は、MCU51が、バッテリモジュール32−1乃至32−Nの状態に応じて充放電切替回路11を制御する処理を説明するフローチャートである。
【0060】
例えば、MCU51は、センサ部41−1乃至41−Nとの通信を所定の周期で行っており、その通信を開始するタイミングになると処理が開始される。ステップS11において、MCU51は、センサ部41−1乃至41−Nとの通信により、バッテリモジュール32−1乃至32−Nの電圧値、電流値、および温度を示す信号を取得し、バッテリモジュール32−1乃至32−Nの状態を把握する。
【0061】
ステップS11の処理後、処理はステップS12に進み、MCU51は、バッテリモジュール32−1乃至32−Nの状態が過放電であるか否かを判定する。
【0062】
ステップS12において、MCU51が、バッテリモジュール32−1乃至32−Nの状態が過放電であると判定した場合、処理はステップS13に進み、MCU51は、絶縁型DCDCコンバータ23−2に対して放電イネーブルをオフにする制御を行う。これにより、バッテリモジュール32−1乃至32−Nからの放電が停止される。
【0063】
一方、ステップS12において、MCU51が、バッテリモジュール32−1乃至32−Nの状態が過放電でないと判定した場合、処理はステップS14に進み、MCU51は、絶縁型DCDCコンバータ23−2に対して放電イネーブルをオンにする制御を行う。これにより、バッテリモジュール32−1乃至32−Nからの放電が開始(もともと放電イネーブルがオンであれば放電状態が継続)される。
【0064】
ステップS13またはステップS14の処理後、処理はステップS15に進み、MCU51は、バッテリモジュール32−1乃至32−Nの状態が過充電であるか否かを判定する。
【0065】
ステップS15において、MCU51が、バッテリモジュール32−1乃至32−Nの状態が過充電であると判定した場合、処理はステップS16に進み、MCU51は、絶縁型DCDCコンバータ23−1に対して充電イネーブルをオフにする制御を行う。これにより、バッテリモジュール32−1乃至32−Nの充電が停止される。
【0066】
一方、ステップS15において、MCU51が、バッテリモジュール32−1乃至32−Nの状態が過充電でないと判定した場合、処理はステップS17に進み、MCU51は、絶縁型DCDCコンバータ23−1に対して充電イネーブルをオンにする制御を行う。これにより、バッテリモジュール32−1乃至32−Nの充電が開始(もともと充電イネーブルがオンであれば充電状態が継続)される。
【0067】
ステップS16またはステップS17の処理後、処理はステップS18に進み、MCU51は、バッテリモジュール32−1乃至32−Nの状態が過電流であるか否かを判定する。
【0068】
ステップS18において、MCU51が、バッテリモジュール32−1乃至32−Nの状態が過電流であると判定した場合、処理はステップS19に進み、MCU51は、絶縁型DCDCコンバータ23−2に対して放電イネーブルをオフにする制御を行う。これにより、バッテリモジュール32−1乃至32−Nの放電が停止される。
【0069】
ステップS19の処理後、または、ステップS18でバッテリモジュール32−1乃至32−Nの状態が過電流でないと判定された場合、処理はステップS20に進む。ステップS20において、MCU51は、バッテリモジュール32−1乃至32−Nの状態が使用可能温度の範囲外であるか否かを判定する。
【0070】
ステップS20において、MCU51が、バッテリモジュール32−1乃至32−Nの状態が使用可能温度の範囲外であると判定した場合、処理はステップS21に進む。ステップS21において、MCU51は、絶縁型DCDCコンバータ23−1に対して充電イネーブルをオフにするとともに、絶縁型DCDCコンバータ23−2に対して放電イネーブルをオフにする制御を行う。これにより、バッテリモジュール32−1乃至32−Nの充電および放電が停止される。
【0071】
一方、ステップS20において、MCU51が、バッテリモジュール32−1乃至32−Nの状態が使用可能温度の範囲外でない(範囲内である)と判定した場合、処理はステップS22に進む。ステップS22において、MCU51は、絶縁型DCDCコンバータ23−1に対して充電イネーブルをオンにするとともに、絶縁型DCDCコンバータ23−2に対して放電イネーブルをオンにする制御を行う。これにより、バッテリモジュール32−1乃至32−Nの充電および放電が開始(もともと充電イネーブルおよび放電イネーブルがオンであれば充電状態および放電状態が継続)される。
【0072】
ステップS21またはステップS22の処理後、バッテリモジュール32−1乃至32−Nの状態に応じて充放電切替回路11を制御する処理は終了し、MCU51は、センサ部41−1乃至41−Nとの通信を行う次のタイミングまで処理を待機する。
【0073】
以上のように、充電システム31では、MCU51により充放電切替回路11の絶縁型DCDCコンバータ23−1および23−2に対する制御が行われるので、より適切な状態でバッテリモジュール32−1乃至32−Nを使用することができる。また、このとき、充放電切替回路11では、半導体スイッチ12−1および12−2により2系統の電流経路が設けられており、MCU51が絶縁型DCDCコンバータ23−1および23−2に対して個別に制御を行うことができるので、充電方向の電流のオン/オフ制御と、放電方向の電流のオン/オフ制御とを独立して行うことができる。
【0074】
なお、半導体スイッチ12−1および12−2では、IGBT21−1および21−2が1つずつ使用されているが、半導体スイッチとして、複数のIGBTが並列的に接続されるような構成を採用してもよい。このように、複数のIGBTが並列に接続された半導体スイッチを採用することで、プラス側の電力線に流れる電流の許容量を増加することができる。
【0075】
また、本実施の形態では、半導体スイッチとしてIGBTを使用した構成例について説明したが、半導体スイッチとしてN型チャネルのFETを採用することができる。
【0076】
また、従来、半導体スイッチとしてFET(P型チャネルの素子)を採用した場合には、ソースからゲート電圧を引き下げるだけでよいので、半導体スイッチを容易に駆動することができた。しかしながら、高電圧かつ高電流を扱う場合には、FET ではなくIGBT(N型チャネルの素子)を採用することが考えられ、IGBTを採用する場合には、プラス側の電力線に供給される電圧よりも高い電圧を作り出す必要がある。
【0077】
そこで、充放電切替回路11では、絶縁型DCDCコンバータ23−1および23−2を利用して、高電圧が供給されるプラス側の電力線に供給される電圧から、例えば、15Vの昇圧を行うことで、簡易な回路構成で、IGBTを駆動することができる。また、その電圧そのものを接地電圧から作り出す場合に比較して、プラス側の電力線に供給される電圧から昇圧することで、低消費電力でIGBTを駆動することができる。
【0078】
なお、本発明は、図2に示したような充電システム31の他、例えば、二次電池の充電器や、二次電池を備えた制御装置などに適用することができる。また、上述の説明では、基準電位側(接地側)をプラス側とし、その逆側(印加電位側)をマイナス側としたが、正負逆のマイナス印加の電気回路や制御装置あるいはシステム等にも適用できる。また、例えば、プラス側の電力線を切替対象線とするだけでなく、プラス側の電力線およびマイナス側の電力線の少なくとも一方を切替対象線とすることができる。
【0079】
なお、上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0080】
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0081】
11 充放電切替回路, 12−1および12−2 半導体スイッチ, 13 駆動回路, 14乃至17 端子, 21−1および21−2 IGBT, 22−1および22−2 ダイオード, 23−1および23−2 絶縁型DCDCコンバータ, 31 充電システム, 32−1乃至32−N バッテリモジュール, 33 コントロールボックス, 41−1乃至41−N センサ部, 42−1乃至42−N 第1の通信端子, 43−1乃至43−N 第2の通信端子, 44−1乃至44−N マイナス端子, 45−1乃至45−N プラス端子, 51 MCU, 52 送受信部, 53 通信コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラス側の電力線に挿入される半導体スイッチと、
入力側の端子に入力される入力電圧を、所定の出力電圧に変換して出力側の端子から出力する変換手段と
を備え、
前記変換手段の出力側のマイナス端子が前記プラス側の電力線に接続され、前記変換手段の出力側のプラス端子が前記半導体スイッチの開閉を制御する端子に接続される
電気回路。
【請求項2】
前記半導体スイッチは、前記プラス側の電力線の第1の方向への電力の供給を制御する第1の半導体スイッチと、前記第1の方向とは逆方向の第2の方向への電力の供給を制御する第2の半導体スイッチとを有し、
前記変換手段は、前記第1の半導体スイッチの開閉を制御する第1の変換手段と、前記第2の半導体スイッチの開閉を制御する第2の変換手段とを有する
請求項1に記載の電気回路。
【請求項3】
前記変換手段は、前記入力側の端子と前記出力側の端子との間で、前記プラス側の電力線を介して供給される電力の電圧に対応した絶縁耐性を有する
請求項1に記載の電気回路。
【請求項4】
プラス側の電力線に挿入される半導体スイッチと、入力側の端子に入力される入力電圧を、所定の出力電圧に変換して出力側の端子から出力する変換手段とを有し、前記変換手段の出力側のマイナス端子が前記プラス側の電力線に接続され、前記変換手段の出力側のプラス端子が前記半導体スイッチの開閉を制御する端子に接続される電気回路と、
前記電気回路が有する前記変換手段の出力電圧のオン/オフを制御することで、前記半導体スイッチの切り替えを制御する制御手段と
を備える充電制御装置。
【請求項5】
電力を充電および放電する二次電池と、
前記二次電池の状態を検知する検知手段と、
前記二次電池に接続されるプラス側の電力線に挿入される半導体スイッチと、入力側の端子に入力される入力電圧を、所定の出力電圧に変換して出力側の端子から出力する変換手段とを有し、前記変換手段の出力側のマイナス端子が前記プラス側の電力線に接続され、前記変換手段の出力側のプラス端子が前記半導体スイッチの開閉を制御する端子に接続される電気回路と、
前記電気回路が有する前記変換手段の出力電圧のオン/オフを制御することで、前記半導体スイッチの切り替えを制御する制御手段と
を備え、
前記制御手段は、
前記検出手段により検出された前記二次電池の状態を取得し、
前記二次電池の状態に従って、前記半導体スイッチの切り替えを制御する
充電システム。
【請求項6】
充電システムの制御方法において、
前記充電システムは、
電力を充電および放電する二次電池と、
前記二次電池の状態を検知する検知手段と、
前記二次電池に接続されるプラス側の電力線に挿入される半導体スイッチと、入力側の端子に入力される入力電圧を、所定の出力電圧に変換して出力側の端子から出力する変換手段とを有し、前記変換手段の出力側のマイナス端子が前記プラス側の電力線に接続され、前記変換手段の出力側のプラス端子が前記半導体スイッチの開閉を制御する端子に接続される電気回路と、
前記電気回路が有する前記変換手段の出力電圧のオン/オフを制御することで、前記半導体スイッチの切り替えを制御する制御手段と
を備え、
前記検出手段により検出された前記二次電池の状態を取得し、
前記二次電池の状態に従って、前記半導体スイッチの切り替えを制御する
ステップを含む制御方法。
【請求項7】
切替対象線の導通と切断との切替を行う半導体スイッチと、
前記半導体スイッチの基準電位に対する電位差信号として、前記切替のための制御電位を示す切替制御信号を前記半導体スイッチに供給して、前記切替を制御する制御回路と、
を備え、
前記半導体スイッチの基準電位は、前記切替対象線の電位と一致しており、
前記制御回路は、前記切替対象線とは異なる電位に対する電位差信号として入力される入力制御信号に応じて、前記切替制御信号を生成する
電気回路。
【請求項8】
基準電位を示す基準電位線と印加する電位を示す印加電位線との間の電位差により電力を供給する電力線について、前記基準電位線および前記印加電位線の少なくとも一方を切替対象線として、その導通と切断との切替を行う半導体スイッチと、
前記半導体スイッチの基準電位に対する電位差信号として、前記切替のための制御電位を示す切替制御信号を前記半導体スイッチに供給して、前記切替を制御する制御回路と、
を備え、
前記半導体スイッチの基準電位は、前記切替対象線の電位と一致しており、
前記制御回路は、前記基準電位線と同電位に対する電位差信号として入力される入力制御信号に応じて、前記切替制御信号を生成する
電気回路。
【請求項9】
前記制御回路は、前記切替制御信号を、前記入力制御信号と電気的に絶縁された状態で生成する
請求項7または8に記載の電気回路。
【請求項10】
前記半導体スイッチは、前記切替対象線の第1の方向への電力の供給を制御する第1の半導体スイッチと、前記第1の方向とは逆方向の第2の方向への電力の供給を制御する第2の半導体スイッチとを有し、
前記制御回路は、前記第1の半導体スイッチの切替を制御する第1の制御回路と、前記第2の半導体スイッチの切替を制御する第2の制御回路とを有する
請求項7から9のいずれかに記載の電気回路。
【請求項11】
請求項7から10のいずれかに記載の電気回路と、
前記入力制御信号を前記電気回路に供給することで、前記半導体スイッチの切替を制御する制御手段と、
を備える充電制御装置。
【請求項12】
請求項7から10のいずれかに記載の電気回路と、
前記入力制御信号を前記電気回路に供給することで、前記半導体スイッチの切替を制御する制御手段と、
電力を充電および放電する二次電池と、
前記二次電池の状態を検知する検知手段と、
を備え、
前記電気回路の前記切替対象線は前記二次電池と接続され、
前記制御手段は、
前記検出手段により検出された前記二次電池の状態を取得し、
前記二次電池の状態に従って、前記半導体スイッチの切替を制御する
充電システム。
【請求項13】
請求項7から10のいずれかに記載の電気回路と、
前記入力制御信号を前記電気回路に供給することで、前記半導体スイッチの切替を制御する制御手段と、
電力を充電および放電する二次電池と、
前記二次電池の状態を検知する検知手段と、
を備え、
前記電気回路の前記切替対象線は前記二次電池と接続された充電システムの制御方法であって、
前記検出手段により検出された前記二次電池の状態を取得し、
前記二次電池の状態に従って、前記半導体スイッチの切り替えを制御する
ステップを含む充電システムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−54900(P2012−54900A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−198119(P2010−198119)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】