電気機器
【課題】 収容したカード体に衝撃及び振動が伝達することを抑制して、カード体の挿抜性も維持する。
【解決手段】 スロット3を通じて挿入されるカード体Cを保持するコネクタ10を矩形状の基板20に固定し、基板20は合成ゴム製のブッシュを介して筐体2の内面に取り付けて、コネクタ10及び基板20のフローティング構造を維持し、振動に弱い構成のカード体Cに対しても衝撃等の影響を抑制する。基板20の外縁には切欠20bを形成し、スロット3を開閉する蓋4の回動軸部4bには係合部材5を一体的に設ける。蓋4を開くと係合部材5は回動し、先端の係合部5bが基板20の切欠に入り込んで係合し、コネクタ10及び基板20のフローティング構造をカード体Cの挿抜方向に対してロックし、カード体Cの挿抜性を確保する。
【解決手段】 スロット3を通じて挿入されるカード体Cを保持するコネクタ10を矩形状の基板20に固定し、基板20は合成ゴム製のブッシュを介して筐体2の内面に取り付けて、コネクタ10及び基板20のフローティング構造を維持し、振動に弱い構成のカード体Cに対しても衝撃等の影響を抑制する。基板20の外縁には切欠20bを形成し、スロット3を開閉する蓋4の回動軸部4bには係合部材5を一体的に設ける。蓋4を開くと係合部材5は回動し、先端の係合部5bが基板20の切欠に入り込んで係合し、コネクタ10及び基板20のフローティング構造をカード体Cの挿抜方向に対してロックし、カード体Cの挿抜性を確保する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード型の記憶メディア、カード型の各種機器の装着が可能なスロットを設けた電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯型のパーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)と云った情報機器、並びにデジタルカメラ、デジタルビデオカメラのような撮像機器には、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)が策定した規格に準じたPCカード及びコンパクトフラッシュ(Compact Flash 登録商標)の規格に準じたCFカード等の各種カード体の装着を可能にしているものがある。このようなカード体には、半導体メモリを内蔵した記憶媒体、有線又は無線での通信機能を備えた通信機、及びテレビチューナ機能を備えた放送受信機等の様々な種類が存在する。
【0003】
また、上述したカード体が装着される側の電気機器は、開口したスロットを筐体に形成すると共に、筐体の内部にコネクタを設けて、スロットを通じて挿入されたカード体をコネクタで保持して筐体内部に収容するようにしている。スロットには、防塵及び収容したカード体の保護等のためにスロットを閉鎖する蓋が設けられる機種もあり、また、コネクタは、保持されたカード体と電気的な接続を行う複数のピンを備える。なお、筐体内部でコネクタに保持されたカード体を離脱させるためにエジェクト機構がコネクタに併設されていることが一般的であり、コネクタのエジェクト機構に関しては下記の特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開平8−185929号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
様々な種類のカード体の中には、小型のハードディスク装置を内蔵したもの、微細な回路を内蔵したもの等があり、このようなカード体は通常、外部からの衝撃及び振動に弱く、衝撃及び振動を受けると作動性能の低下が生じたり、最悪の場合は機能が損傷することもある。一方、カード体用のスロットを備える電気機器は、スロット内のコネクタを筐体内部で防振対策等を施さずに堅牢に取り付けていることが一般的である。そのため、電気機器自体が衝撃及び振動等を受けると、その衝撃がコネクタに保持されたカード体へ伝わり、装着されたカード体が衝撃に弱いものである場合、カード体へ悪影響を及ぼすと云う問題がある。
【0005】
本発明は、斯かる問題に鑑みてなされたものであり、コネクタに保持されたカード体へ伝わる衝撃及び振動を緩和する構造を適用することにより、カード体へ伝わる衝撃及び振動を緩和した電気機器を提供することを目的とする。
また、本発明は、上述した衝撃を緩和する構造を適用しても、カード体の挿抜を従来と同様に行えるようにした電気機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明に係る電気機器は、筐体に形成した開口を通じて挿抜されるカード体を筐体内部に収容することが可能にしてあり、収容されるカード体を保持するコネクタを備える電気機器において、前記コネクタは板部材に取り付けてあり、該板部材は弾性体を介して筐体内部に取り付けてあることを特徴とする。
【0007】
本発明にあっては、コネクタが取り付けられた板部材は弾性体を介して筐体内部に取り付けられるので、筐体に加わった衝撃及び振動は弾性体で緩衝される。そのため、コネクタへ伝わる衝撃及び振動の程度は大幅に緩和され、コネクタで保持されるカード体に対する衝撃及び振動の悪影響は低減され、衝撃に弱いハードディスク装置のようなカード体をコネクタに挿入した場合でも衝撃及び振動による作動性の悪化及び損傷を防止できる。
【0008】
また、本発明に係る電気機器は、前記板部材には、被係合部が形成してあり、前記開口を閉開するように前記筐体に回動することが可能に取り付けてある蓋と、該蓋の回動に連動回動することが可能に前記筐体の内部に設けてあり、前記蓋が開いた状態で前記板部材の被係合部に係合する係合部材とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明にあっては、板部材に形成した被係合部に、蓋の回動に連動回動する係合部材を蓋が開いた状態で係合させることにより、蓋が開いたときにフローティング状態をロックし、板部材及びコネクタが固定される。その結果、カード体を挿抜する時は必ず蓋を開くことから、フローティング状態がロックされ、固定した板部材及びコネクタに対して良好な挿抜性を確保でき、また、挿抜が完了して蓋を閉じるとロックを解除してフローティング状態に戻せるため、弾性体の働きにより衝撃及び振動の影響を抑制できる。
【0010】
さらに、本発明に係る電気機器は、前記被係合部は、前記板部材の外縁部に形成された切欠であり、前記係合部材は、前記切欠に入り込んで係合する係合部を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、板部材の外縁部に形成した切欠に係合部材の係合部を入り込ませて係合する構成なので、簡易な構成でフローティング状態の板部材を係合可能となり、確実なロックを行える。
【0011】
さらにまた、本発明に係る電気機器は、前記係合部材は、前記係合部が前記切欠に入り込んだ状態で前記板部材の一面に対向する第1対向部及び前記板部材の他面に対向する第2対向部を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、係合部が切欠に入り込んだ状態で板部材の両面に夫々対向する第1及び第2対向部を板部材が備えるので、係合部が切欠に係合した状態では、板部材の板面に直交する方向にも各対向部で板部材の動きが規制され、斜め気味にカード体が挿抜される場合等に対しても多方向のロック規制を行うことで安定したカード体の挿抜を確保できる。
【0012】
また、本発明に係る電気機器は、前記被係合部は、前記板部材に形成された穴であり、前記係合部材は、前記穴に挿入されて係合する係合部を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、板部材に形成した穴に係合部を係合させる構成なので、板部材の面方向に沿ったあらゆる方向に対してフローティング状態のロックを行えるようになる。そのため、傾け気味にカード体を挿入する場合、保持されたコネクタを離脱させるためにエジェクト機構を作動させる場合等に様々な方向から付加される挿抜に係る荷重に対して安定したロックを行える。
【0013】
さらに、本発明に係る電気機器は、筐体に形成した開口を通じて挿抜されるカード体を筐体内部に収容することが可能にしてあり、収容されるカード体を保持するコネクタを備える電気機器において、前記コネクタは弾性体を介して筐体内部に取り付けてあることを特徴とする。
本発明にあっては、板部材を用いずにコネクタを筐体内部に取り付ける構成の電気機器に対して、弾性体を介してコネクタを取り付けることにより、上記と同様に筐体に加わった衝撃及び振動を弾性体で緩衝し、コネクタへ保持されるカード体に対する衝撃及び振動の悪影響を低減できる。
【0014】
さらにまた、本発明に係る電気機器は、前記コネクタには、被係合部が形成してあり、前記開口を閉開するように前記筐体に回動することが可能に取り付けてある蓋と、該蓋の回動に連動回動することが可能に前記筐体の内部に設けてあり、前記蓋が開いた状態で前記コネクタの被係合部に係合する係合部材とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、上記と同様に、コネクタに被係合部を形成し、蓋の回動に連動回動する係合部材を蓋が開いた状態で被係合部に係合させることで、蓋が開いたときにフローティング状態がロックされ、カード体の良好な挿抜性を確保できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明にあっては、コネクタが取り付けられた板部材を弾性体を介して筐体内部に取り付けることにより、筐体に加わった衝撃及び振動がコネクタで保持されるカード体へ伝わることを抑制し、衝撃に弱いハードディスク装置のようなカード体がコネクタで保持される場合でも、衝撃及び振動による作動性の悪化及び損傷等がカード体に生じることを防止できる。
【0016】
また、本発明にあっては、板部材に形成した被係合部に、蓋の回動に連動回動する係合部材を蓋の開いた状態で係合させることで、蓋が開いたときに板部材のフローティング状態をロックし、ロックにより固定した板部材及びコネクタに対して良好なカード体の挿抜性を確保でき、振動等の伝達抑制と良好な挿抜性とを両立できる。
【0017】
さらに、本発明にあっては、板部材の外縁部に形成した切欠に係合部材の係合部を入り込ませて係合させるので、蓋を開けることに連動した簡易な構成でフローティング状態を確実にロックできる。
さらにまた、本発明にあっては、板部材の両面に対向する第1及び第2対向部を係合部材に設けることで、板部材の動きを板面に直交する方向に対して各対向部でロックし、フローティングを多方向で規制してカード体の挿抜の安定化を図れる。
【0018】
また、本発明にあっては、板部材に形成した穴に係合部を係合させるので、板部材の面方向に沿ったあらゆる方向に対してフローティング状態をロックして、カード体の様々な挿抜状況に関わらず良好な挿抜性を維持できる。
【0019】
さらに、本発明にあっては、板部材を用いずにコネクタを筐体内部に取り付ける構成の電気機器に対しても、コネクタを弾性体を介して取り付けることにより、コネクタで保持されるカード体に対する衝撃及び振動の悪影響を低減できる。
さらにまた、本発明にあっては、コネクタに被係合部を形成して、蓋の回動に連動回動する係合部材を蓋が開いた状態で被係合部に係合させることで、蓋が開いたときにフローティング状態をロックでき、優れたカード体の挿抜性を確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、本発明の第1実施形態に係る電気機器に相当するデジタルカメラ1の斜視図である。デジタルカメラ1は、直方体状の合成樹脂製又は金属製の筐体2にレンズ1a及びモニタ部1b等を設けると共に、筐体2の背面2aの一部(下部の片隅)を窪ませて、その窪ませた箇所に細長矩形状のスロット(開口)3を形成し、スロット3を通じてCFカードタイプのカード体Cを装着できるようにしている。スロット3の上側の縁には、装着されたカード体Cを取り出す際に押圧されるエジェクトボタン11が配置され、スロット3の下側となる縁部3a(筐体2の一部)にはスロット3を開閉する蓋4が回動可能に取り付けられている。蓋4は、一端側4aを回動軸部4bにしており、他端側には係止部4cを突設し、蓋4を閉じた際に係止部4cを筐体2の窪み箇所に係止させて蓋4の閉鎖を維持する。
【0021】
また、デジタルカメラ1は、スロット3から連通する筐体2の内部箇所にカード体Cを収容する空間を確保しており、その空間に収容したカード体Cを保持するコネクタ10を設けている。
【0022】
図2、3に示すように、コネクタ10は、スロット3を通過して挿入されるカード体Cの両側辺部を案内保持するガイド部10a、10bを対向して設けると共に、各ガイド部10a、10bの端部同士を複数の導通ピン14を備えた導通接続部10cで繋いた構成にしている。よって、カード体Cがスロット3から挿入されると、ガイド部10a、10bで挿入されたカード体Cを導通接続部10cへ導き、導通接続部10cの導通ピン14とカード体Cの挿入側の一面に設けられた接続部Caが電気的に接続され、この状態でカード体Cはコネクタ10に保持される。
【0023】
また、コネクタ10にはエジェクト機構が併設されており、保持されたカード体Cをエジェクト機構の作動で離脱し、スロット3から抜き取れるようにしている。エジェクト機構は、コネクタ10の一方のガイド部10bに沿って移動可能に配置されたエジェクトバー12、及び導通接続部10cの一面に支点部13bを中心に回転可能に取り付けられたエジェクトレバー13を備えている。
【0024】
エジェクト機構は、エジェクトバー12のスロット3側の一端部12aに設けられたエジェクトボタン11が押されることで、エジェクトバー12が押込み方向に移動し、エジェクトバー12の他端部12bがエジェクトレバー13の一端13aを押圧し、エジェクトレバー13は支点部13bを中心に回転し、他端に設けられたカード押圧部13cで接続保持されるカード体Cの接続部Caの面を押圧し、カード体Cと導通接続部10cとの接続を解除し、カード体Cをフリーにしてスロット3から抜き取れる状態にする。
【0025】
また、図2〜図4(a)(b)に示すように、本実施形態のデジタルカメラ1は、コネクタ10を矩形状の基板20(板部材に相当)の一面20dに直接的に固定しており、基板20は、弾性体である合成ゴム製のブッシュ21を介在させて筐体2のシャーシ部となる内面2bに取り付けられている。このような取付形態により、コネクタ10はシャーシ部に対して所謂フローティング構造になっている。
【0026】
フローティング構造を詳しく説明すると、図4(b)に示すように、基板20の周囲の4箇所には円形状の孔部20cが形成されており、各孔部20cに略円柱状のブッシュ21を嵌め込んでいる。ブッシュ21は周面21aに基板20の孔部20cの周縁に係合する溝部21bを形成すると共に、上面21cの中央から下面21dの中央へ貫通する貫通孔21eを形成している。この貫通孔21eの内径は、筐体2の内面2bから柱状に立設してネジ穴2dが形成された取付部2dを隙間が生じることなく嵌合できる寸法に設定されている。なお、筐体2の取付部2cは、基板20の取付箇所で且つ各孔部20cに対応する部分で夫々立設しており、基板20の孔部20cに嵌合したブッシュ21の貫通孔21eを取付部2cに嵌合し、基板20を筐体2の内面2bに配置する。
【0027】
さらに、ブッシュ21の上面21cには、上面21cより大径の円板状で中央に穴22bを形成した止め板22を配置し、止め板22の穴22bからネジ23を挿入して、取付部2cのネジ穴2dに螺合することで、基板20を固定する。よって、基板20がブッシュ21を介して筐体2に取り付けられるため、コネクタ10及び基板20は、筐体2のシャーシ部に対しフローティング状態となっている。
【0028】
そのため、デジタルカメラ1の筐体2に衝撃又は振動が加わっても、ブッシュ21が衝撃ダンパーとして衝撃又は振動を吸収して基板20がブッシュ21により微妙に動くことで、基板20へ直接的に衝撃又は振動が伝わることを防止している。これにより、基板20に取り付けられたコネクタ20で保持されるカード体Cへも衝撃又は振動が伝わりにくくなり、カード体Cがハードディスク装置のような衝撃に弱い機種である場合、衝撃又は振動による悪影響が生じないようにしている。なお、ブッシュ21には、合成ゴム以外に弾性体として衝撃等を吸収できる発泡材及びゲル材等も適用できる。
【0029】
また、本発明に係るフローティング構造は、ロック機構を備えている。ロック機構を備える理由は、カード体Cの挿抜時に、基板20及びコネクタ10が挿入に伴う導通接続部10cへの押圧及び抜き取りに伴う導通接続部10cの引張り等により、基板20及びコネクタ10が挿入方向、抜き取り方向へ動きカード体Cの挿抜性が悪化するので、この挿抜性の悪化を防止するためである。ロック機構はカード体Cの挿抜時のみに作動し、それ例外の時はフローティング構造を維持して、カード体Cへの衝撃及び振動の伝達を抑制するようにしている。
【0030】
デジタルカメラ1が設けるロック機構に係る構成として、図2、図4(b)に示すように、基板20はカード体Cの挿抜方向に平行で且つエジェクトバー12から離れた側の辺部20a(外縁部に相当)の蓋4の回動軸部4bに近接する箇所に矩形状の切欠20b(被係合部に相当)を形成している。また、蓋4の回動軸部4bには、略L字状の係合部材5を筐体2の内部へ突出するように一体的に設けている。
【0031】
係合部材5は、蓋4の回動に連動して回動し、図2に示すように蓋4が閉じた場合は、係合部材5の回動軸部4bからの突出部5aがカード体Cの挿抜方向(図中のX方向)に対して直交する位置関係になり、図3に示すように蓋4が開くと、係合部材5が蓋4の回動に連動回動し突出部5aがX方向と平行的な位置関係になる。この蓋4が開いた状態では、係合部材4の突出部5aの先端から屈折した係合部5bが基板20の切欠20bに入り込み(図5参照)、基板20及びコネクタ10がX方向に移動することを規制(ロック)している。なお、図5に示すように、係合部5bが切欠20bに入り込むことで、X方向に直交するY方向における図中の一方向(Yに係る矢印方向)に対しても基板20及びコネクタ10の移動が制止規制される。
【0032】
よって、本実施形態では、蓋4を開くと基板20及びコネクタ10がカード体Cの挿抜方向に対してロックされるため、フローティング構造を採用してもカード体Cの挿抜時は、コネクタ10が動かなくなり、カード体Cの良好な挿抜性を確保でき、その結果、カード体Cの衝撃及び振動に対する良好な保護とカード体Cの良好な挿抜という相互に反する機能を両立している。
【0033】
なお、本発明に係る第1実施形態は上述した形態に限定されるものではなく、種々の変形例の適用が可能である。例えば、第1実施形態に係るフローティング構造及びロック機構を、デジタルカメラ1以外にも、パーソナルコンピュータ、PDA、携帯電話器、携帯型音楽再生装置、テレビジョン装置、デジタルビデオカメラ等の様々な電気機器が備えるようにすることも可能である。また、装着対象となるカード体Cは、CFカード以外にも、PCカード及びその他の規格に合致したカード形状のものに適応させることも可能である。
【0034】
図6(a)(b)は一変形例を示し、変形例に係る係合部材15は、係合部15bの先端面15cの中央部に凹部15dを形成し、基板20の切欠20bに係合部15bが係合した状態で、凹部15dの両側部を第1対向部15e及び第2対向部15fとして基板20を両面20d、20eに対向して当接するような構成にしている。即ち、変形例の係合部材15では、切欠20bと係合部15bとの係合に加えて各対向部15e、15fで基板20を挟持するような形態になり、図6(b)に示すX方向及びY方向に夫々直交するZ方向に対しても基板20及びコネクタ10の動きが規制され、多方向に対してロックを行える。
【0035】
また、図7は別の変形例を示し、筐体22に形成された細長の矩形状のスロット23に対して長辺側の縁側に蓋24の回動軸部24bを回動可能に取り付けて、蓋24の回動に係る回動軸がスロット23の長辺側と平行な位置関係になるようにしている。また、この変形例では、図8(a)(b)に示すように、基板30には被係合部として係合穴30c(被係合部に相当)を穿設し、蓋24の回動軸部24bと一体的に設ける略L字状の係合部材25には、突出部25aの先端からピン状の係合部25bを突設している。
【0036】
この変形例では、図8(a)に示すように閉じた状態の蓋24を回動軸Kを中心に開く方向へ回動すると、係合部材25も連動して回動し、図8(b)に示すように蓋24を完全に開くと、係合部材25のピン状の係合部25bが係合穴30cに挿入して係合し、基板30及びコネクタ10の移動を規制する。係合部25bが係合穴30cに係合することで、基板30及びコネクタ10は、基板平面に沿ったいずれの方向に対してもロックされ、カード体Cの挿抜方向となるX方向に加えてY方向でも基板30及びコネクタ10の動きを規制できる。その結果、本変形例は、カード体が挿抜方向に対して斜めの姿勢で挿入又は抜き取りされるようなときにも安定して基板30及びコネクタ10をロックでき、さらにはエジェクトボタン11の押込みによりカード体Cを導通接続部10cから離脱する際に生じる支点部13bを回転中心として生じるエジェクトレバー13に係るモーメント力に抗することができるので好適となる。
【0037】
さらに、図9(a)(b)、図10は別の変形例を示し、エジェクトボタン41の押込みにより基板50及びコネクタ40の動きをX方向、及びY方向における一方向(図9(b)に示すYに係る矢印方向)でロックするものである。この変形例では、コネクタ40の一方のガイド部40bから少し間隔を隔ててエジェクトバー42を配置し、基板50のエジェクトバー42とガイド部40bの間となる箇所に矩形状の穴部50fを形成し、この穴部50fのガイド部40b側の縁に切欠50cを形成する。また、筐体32の内面32bで穴部50fに対向する箇所からはガイド板部60を立設し、ガイド板部60に形成した矩形穴60aに係合部材61を図10の黒矢印方向へ摺動可能に取り付けている。
【0038】
係合部材61はガイド板部60の矩形穴60aに摺動可能に嵌め込まれる軸部61aのエジェクトバー42側の一端に半球状の当接部61bを設け、当接部61bとガイド板部60との間に圧縮コイルバネ62を取り付けて係合部材61をエジェクトバー42側へ付勢し、また、軸部61aの他端には基板50と同位置(同高さ)となるようにオフセットして係合部61cを突設している。
【0039】
また、エジェクトバー42は、2段階で押し込みができるようにエジェクトボタン41を飛び出せる方向へ図示しないバネで付勢した状態で配置されており、エジェクトボタン41が押されていない状態では、エジェクトバー42の他端部42bがエジェクトレバー43の一端43aと距離Lを隔てるようにしている。
【0040】
さらに、エジェクトバー42は、コネクタ40のガイド部40bに対向する側の一面42cに、エジェクトボタン41が押し込まれていない状態で、係合部材61の当接部61bが当接するように凹部42dを凹設し、この凹部42dからエジェクトボタン41側へ斜面42eを形成している。凹部42dの深さは、係合部材61の係合部61cが基板50の切欠50cへ入り込めるような移動量に応じた寸法にされており、斜面42eのエジェクトバー42の軸方向の長さは、上述した距離Lより短くして、エジェクトバー42を距離L分、移動させると係合部材62が凹部42dから斜面42eを通過するようにしている。
【0041】
上述したような変形例に係る構成を適用することで、図9(a)に示す状態でエジェクトボタン41を距離L分だけ押し込むと、係合部材61が図9(b)の黒矢印方向へ押圧移動して、係合部61cが基板50の切欠50cと係合し、基板50及びコネクタ40をX方向、及びY方向における一方向でロックする。この状態からさらにエジェクトボタン41を押し込むと、ロック状態を維持したままエジェクトバー42の他端部42bがエジェクトレバー43の一端43aを押圧し支点部43bを中心としてエジェクトレバー43を回転させて、カード体Cの離脱を行える。この図9(a)(b)、図10に係る変形例は、スロットに蓋を備えない電気機器に対して好適である一方、上述した蓋に連動したロック機構と組み合わせて適用することも可能であり、組み合わせた場合は一段と強固に且つ規制方向を増やしたロックが可能になる。
【0042】
図11は、本発明の第2実施形態に係る電気機器70の筐体72の内部におけるコネクタ80の取付状態を示す分解斜視図である。
第2実施形態では、コネクタ80を基板に取り付けるのではなく、コネクタ80をブッシュ91を介して筐体72の内面72bに取り付けていることが特徴である。
【0043】
第2実施形態に係るコネクタ80は、矩形状の底板部80dの両側にガイド部80b、80cを設けると共に、各ガイド部80a、80bの奥側の端部同士を繋ぐように導通ピン84を備えた導通接続部80c設けると共に、各ガイド部80a、80b及び導通接続部80cから外方へ第1板部80e、第2板部80f、及び第3板部80gを夫々突設している。また、各板部80e〜80gの端縁部には、ブッシュ91を圧入嵌合する略円状の被嵌合部80h〜80kを形成している。さらに、ガイド部80aから突設する第1板部80eの端縁部には、図2及び図4(b)に示す第1実施形態の切欠20bに対応する切欠80mを形成している。なお、第2実施形態のコネクタ80にもエジェクト機構が併設されているが、図11ではエジェクト機構の図示を省略している。
【0044】
なお、第2実施形態に係る電気機器70は、上述したコネクタ80に係る構成以外は、第1実施形態と同等であり、筐体72に形成したスロット73には、スロット73の開閉を行う蓋74が回動可能に取り付けられ、蓋74の回動軸部74bと一体的に略L字状の係合部材75が筐体内部へ突出するように設けられている。また、筐体72の内面72bには、コネクタ80が配置される箇所に対応してネジ穴72dを形成した柱状の取付部72cを立設している。
【0045】
コネクタ80の筐体72の内面72bへの取付は、被嵌合部80h〜80kに貫通孔91e及び周囲の溝部91bが形成された円柱状のブッシュ91を嵌合し、各ブッシュの貫通孔91eを筐体72の取付部72cに嵌合し、コネクタを内面72bに配置する。この状態で、各ブッシュ91の上に大径の止め板92を配置して穴92bからネジ93を挿入して、取付部72cのネジ穴72dに螺合することで、コネクタ80を取付固定する。よって、コネクタ80が各ブッシュ91を介して筐体72に取り付けられるため、コネクタ80は、筐体72のシャーシ部に対しフローティング状態となっている。また、蓋74を開くと、係合部材75が連動回動し、突出部75aの先端に設けられた係合部75bがコネクタ80の切欠80mに入り込んで係合し、スロット73を通じて挿抜されるカード体の挿抜方向に対してコネクタ80をロックする。
【0046】
よって、第2実施形態でも、コネクタ80に対してフローティング構造を採用することで、コネクタ80で保持されるカード体を電気機器70に加わる衝撃及び振動から保護することができ、衝撃等に対して弱いハードディスク装置がカード体である場合でも、衝撃による悪影響を回避できる。また、フローティング構造を採用しても蓋74を開くことで、コネクタ80をカード体の挿抜方向にロックできるため、カード体の良好な挿抜性を維持できる。なお、第2実施形態においても、第1実施形態で説明した各種変形例を、基板20等を板部80e〜80gとみなして同様に適用すること可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1実施形態に係るデジタルカメラの斜視図である。
【図2】図1のA−A線における蓋を閉じた状態の断面図である。
【図3】蓋を開けた状態の断面図である。
【図4】(a)は図2のB−B線における断面図であり、(b)は基板取付に係る要部の分解斜視図である。
【図5】ロック機構に係る要部の斜視図である。
【図6】(a)は第1実施形態の変形例に係る係合部材の要部斜視図、(b)はロック状態を示す要部斜視図である。
【図7】第1実施形態の別の変形例に係るスロット周辺の概略図である。
【図8】(a)は蓋を閉じた状態の概略図、(b)は蓋を開いたロック状態の概略図である。
【図9】第1実施形態の別の変形例であり、(a)はエジェクトボタンを押していない状態の概略図、(b)はエジェクトボタンを押し込んだ状態の概略図である。
【図10】変形例のロック機構の要部を示す斜視図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係るコネクタの取付状態を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0048】
1 デジタルカメラ
2、22、72 筐体
3、23、73 スロット
4、24、74 蓋
5、15、25、75 係合部材
5b、15b、25b、75b 係合部
10、40、80 コネクタ
11、41 エジェクトボタン
20、30 基板
20b、80m 切欠
21、91 ブッシュ
30c 係合穴
C カード体
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード型の記憶メディア、カード型の各種機器の装着が可能なスロットを設けた電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯型のパーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)と云った情報機器、並びにデジタルカメラ、デジタルビデオカメラのような撮像機器には、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)が策定した規格に準じたPCカード及びコンパクトフラッシュ(Compact Flash 登録商標)の規格に準じたCFカード等の各種カード体の装着を可能にしているものがある。このようなカード体には、半導体メモリを内蔵した記憶媒体、有線又は無線での通信機能を備えた通信機、及びテレビチューナ機能を備えた放送受信機等の様々な種類が存在する。
【0003】
また、上述したカード体が装着される側の電気機器は、開口したスロットを筐体に形成すると共に、筐体の内部にコネクタを設けて、スロットを通じて挿入されたカード体をコネクタで保持して筐体内部に収容するようにしている。スロットには、防塵及び収容したカード体の保護等のためにスロットを閉鎖する蓋が設けられる機種もあり、また、コネクタは、保持されたカード体と電気的な接続を行う複数のピンを備える。なお、筐体内部でコネクタに保持されたカード体を離脱させるためにエジェクト機構がコネクタに併設されていることが一般的であり、コネクタのエジェクト機構に関しては下記の特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開平8−185929号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
様々な種類のカード体の中には、小型のハードディスク装置を内蔵したもの、微細な回路を内蔵したもの等があり、このようなカード体は通常、外部からの衝撃及び振動に弱く、衝撃及び振動を受けると作動性能の低下が生じたり、最悪の場合は機能が損傷することもある。一方、カード体用のスロットを備える電気機器は、スロット内のコネクタを筐体内部で防振対策等を施さずに堅牢に取り付けていることが一般的である。そのため、電気機器自体が衝撃及び振動等を受けると、その衝撃がコネクタに保持されたカード体へ伝わり、装着されたカード体が衝撃に弱いものである場合、カード体へ悪影響を及ぼすと云う問題がある。
【0005】
本発明は、斯かる問題に鑑みてなされたものであり、コネクタに保持されたカード体へ伝わる衝撃及び振動を緩和する構造を適用することにより、カード体へ伝わる衝撃及び振動を緩和した電気機器を提供することを目的とする。
また、本発明は、上述した衝撃を緩和する構造を適用しても、カード体の挿抜を従来と同様に行えるようにした電気機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明に係る電気機器は、筐体に形成した開口を通じて挿抜されるカード体を筐体内部に収容することが可能にしてあり、収容されるカード体を保持するコネクタを備える電気機器において、前記コネクタは板部材に取り付けてあり、該板部材は弾性体を介して筐体内部に取り付けてあることを特徴とする。
【0007】
本発明にあっては、コネクタが取り付けられた板部材は弾性体を介して筐体内部に取り付けられるので、筐体に加わった衝撃及び振動は弾性体で緩衝される。そのため、コネクタへ伝わる衝撃及び振動の程度は大幅に緩和され、コネクタで保持されるカード体に対する衝撃及び振動の悪影響は低減され、衝撃に弱いハードディスク装置のようなカード体をコネクタに挿入した場合でも衝撃及び振動による作動性の悪化及び損傷を防止できる。
【0008】
また、本発明に係る電気機器は、前記板部材には、被係合部が形成してあり、前記開口を閉開するように前記筐体に回動することが可能に取り付けてある蓋と、該蓋の回動に連動回動することが可能に前記筐体の内部に設けてあり、前記蓋が開いた状態で前記板部材の被係合部に係合する係合部材とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明にあっては、板部材に形成した被係合部に、蓋の回動に連動回動する係合部材を蓋が開いた状態で係合させることにより、蓋が開いたときにフローティング状態をロックし、板部材及びコネクタが固定される。その結果、カード体を挿抜する時は必ず蓋を開くことから、フローティング状態がロックされ、固定した板部材及びコネクタに対して良好な挿抜性を確保でき、また、挿抜が完了して蓋を閉じるとロックを解除してフローティング状態に戻せるため、弾性体の働きにより衝撃及び振動の影響を抑制できる。
【0010】
さらに、本発明に係る電気機器は、前記被係合部は、前記板部材の外縁部に形成された切欠であり、前記係合部材は、前記切欠に入り込んで係合する係合部を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、板部材の外縁部に形成した切欠に係合部材の係合部を入り込ませて係合する構成なので、簡易な構成でフローティング状態の板部材を係合可能となり、確実なロックを行える。
【0011】
さらにまた、本発明に係る電気機器は、前記係合部材は、前記係合部が前記切欠に入り込んだ状態で前記板部材の一面に対向する第1対向部及び前記板部材の他面に対向する第2対向部を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、係合部が切欠に入り込んだ状態で板部材の両面に夫々対向する第1及び第2対向部を板部材が備えるので、係合部が切欠に係合した状態では、板部材の板面に直交する方向にも各対向部で板部材の動きが規制され、斜め気味にカード体が挿抜される場合等に対しても多方向のロック規制を行うことで安定したカード体の挿抜を確保できる。
【0012】
また、本発明に係る電気機器は、前記被係合部は、前記板部材に形成された穴であり、前記係合部材は、前記穴に挿入されて係合する係合部を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、板部材に形成した穴に係合部を係合させる構成なので、板部材の面方向に沿ったあらゆる方向に対してフローティング状態のロックを行えるようになる。そのため、傾け気味にカード体を挿入する場合、保持されたコネクタを離脱させるためにエジェクト機構を作動させる場合等に様々な方向から付加される挿抜に係る荷重に対して安定したロックを行える。
【0013】
さらに、本発明に係る電気機器は、筐体に形成した開口を通じて挿抜されるカード体を筐体内部に収容することが可能にしてあり、収容されるカード体を保持するコネクタを備える電気機器において、前記コネクタは弾性体を介して筐体内部に取り付けてあることを特徴とする。
本発明にあっては、板部材を用いずにコネクタを筐体内部に取り付ける構成の電気機器に対して、弾性体を介してコネクタを取り付けることにより、上記と同様に筐体に加わった衝撃及び振動を弾性体で緩衝し、コネクタへ保持されるカード体に対する衝撃及び振動の悪影響を低減できる。
【0014】
さらにまた、本発明に係る電気機器は、前記コネクタには、被係合部が形成してあり、前記開口を閉開するように前記筐体に回動することが可能に取り付けてある蓋と、該蓋の回動に連動回動することが可能に前記筐体の内部に設けてあり、前記蓋が開いた状態で前記コネクタの被係合部に係合する係合部材とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、上記と同様に、コネクタに被係合部を形成し、蓋の回動に連動回動する係合部材を蓋が開いた状態で被係合部に係合させることで、蓋が開いたときにフローティング状態がロックされ、カード体の良好な挿抜性を確保できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明にあっては、コネクタが取り付けられた板部材を弾性体を介して筐体内部に取り付けることにより、筐体に加わった衝撃及び振動がコネクタで保持されるカード体へ伝わることを抑制し、衝撃に弱いハードディスク装置のようなカード体がコネクタで保持される場合でも、衝撃及び振動による作動性の悪化及び損傷等がカード体に生じることを防止できる。
【0016】
また、本発明にあっては、板部材に形成した被係合部に、蓋の回動に連動回動する係合部材を蓋の開いた状態で係合させることで、蓋が開いたときに板部材のフローティング状態をロックし、ロックにより固定した板部材及びコネクタに対して良好なカード体の挿抜性を確保でき、振動等の伝達抑制と良好な挿抜性とを両立できる。
【0017】
さらに、本発明にあっては、板部材の外縁部に形成した切欠に係合部材の係合部を入り込ませて係合させるので、蓋を開けることに連動した簡易な構成でフローティング状態を確実にロックできる。
さらにまた、本発明にあっては、板部材の両面に対向する第1及び第2対向部を係合部材に設けることで、板部材の動きを板面に直交する方向に対して各対向部でロックし、フローティングを多方向で規制してカード体の挿抜の安定化を図れる。
【0018】
また、本発明にあっては、板部材に形成した穴に係合部を係合させるので、板部材の面方向に沿ったあらゆる方向に対してフローティング状態をロックして、カード体の様々な挿抜状況に関わらず良好な挿抜性を維持できる。
【0019】
さらに、本発明にあっては、板部材を用いずにコネクタを筐体内部に取り付ける構成の電気機器に対しても、コネクタを弾性体を介して取り付けることにより、コネクタで保持されるカード体に対する衝撃及び振動の悪影響を低減できる。
さらにまた、本発明にあっては、コネクタに被係合部を形成して、蓋の回動に連動回動する係合部材を蓋が開いた状態で被係合部に係合させることで、蓋が開いたときにフローティング状態をロックでき、優れたカード体の挿抜性を確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、本発明の第1実施形態に係る電気機器に相当するデジタルカメラ1の斜視図である。デジタルカメラ1は、直方体状の合成樹脂製又は金属製の筐体2にレンズ1a及びモニタ部1b等を設けると共に、筐体2の背面2aの一部(下部の片隅)を窪ませて、その窪ませた箇所に細長矩形状のスロット(開口)3を形成し、スロット3を通じてCFカードタイプのカード体Cを装着できるようにしている。スロット3の上側の縁には、装着されたカード体Cを取り出す際に押圧されるエジェクトボタン11が配置され、スロット3の下側となる縁部3a(筐体2の一部)にはスロット3を開閉する蓋4が回動可能に取り付けられている。蓋4は、一端側4aを回動軸部4bにしており、他端側には係止部4cを突設し、蓋4を閉じた際に係止部4cを筐体2の窪み箇所に係止させて蓋4の閉鎖を維持する。
【0021】
また、デジタルカメラ1は、スロット3から連通する筐体2の内部箇所にカード体Cを収容する空間を確保しており、その空間に収容したカード体Cを保持するコネクタ10を設けている。
【0022】
図2、3に示すように、コネクタ10は、スロット3を通過して挿入されるカード体Cの両側辺部を案内保持するガイド部10a、10bを対向して設けると共に、各ガイド部10a、10bの端部同士を複数の導通ピン14を備えた導通接続部10cで繋いた構成にしている。よって、カード体Cがスロット3から挿入されると、ガイド部10a、10bで挿入されたカード体Cを導通接続部10cへ導き、導通接続部10cの導通ピン14とカード体Cの挿入側の一面に設けられた接続部Caが電気的に接続され、この状態でカード体Cはコネクタ10に保持される。
【0023】
また、コネクタ10にはエジェクト機構が併設されており、保持されたカード体Cをエジェクト機構の作動で離脱し、スロット3から抜き取れるようにしている。エジェクト機構は、コネクタ10の一方のガイド部10bに沿って移動可能に配置されたエジェクトバー12、及び導通接続部10cの一面に支点部13bを中心に回転可能に取り付けられたエジェクトレバー13を備えている。
【0024】
エジェクト機構は、エジェクトバー12のスロット3側の一端部12aに設けられたエジェクトボタン11が押されることで、エジェクトバー12が押込み方向に移動し、エジェクトバー12の他端部12bがエジェクトレバー13の一端13aを押圧し、エジェクトレバー13は支点部13bを中心に回転し、他端に設けられたカード押圧部13cで接続保持されるカード体Cの接続部Caの面を押圧し、カード体Cと導通接続部10cとの接続を解除し、カード体Cをフリーにしてスロット3から抜き取れる状態にする。
【0025】
また、図2〜図4(a)(b)に示すように、本実施形態のデジタルカメラ1は、コネクタ10を矩形状の基板20(板部材に相当)の一面20dに直接的に固定しており、基板20は、弾性体である合成ゴム製のブッシュ21を介在させて筐体2のシャーシ部となる内面2bに取り付けられている。このような取付形態により、コネクタ10はシャーシ部に対して所謂フローティング構造になっている。
【0026】
フローティング構造を詳しく説明すると、図4(b)に示すように、基板20の周囲の4箇所には円形状の孔部20cが形成されており、各孔部20cに略円柱状のブッシュ21を嵌め込んでいる。ブッシュ21は周面21aに基板20の孔部20cの周縁に係合する溝部21bを形成すると共に、上面21cの中央から下面21dの中央へ貫通する貫通孔21eを形成している。この貫通孔21eの内径は、筐体2の内面2bから柱状に立設してネジ穴2dが形成された取付部2dを隙間が生じることなく嵌合できる寸法に設定されている。なお、筐体2の取付部2cは、基板20の取付箇所で且つ各孔部20cに対応する部分で夫々立設しており、基板20の孔部20cに嵌合したブッシュ21の貫通孔21eを取付部2cに嵌合し、基板20を筐体2の内面2bに配置する。
【0027】
さらに、ブッシュ21の上面21cには、上面21cより大径の円板状で中央に穴22bを形成した止め板22を配置し、止め板22の穴22bからネジ23を挿入して、取付部2cのネジ穴2dに螺合することで、基板20を固定する。よって、基板20がブッシュ21を介して筐体2に取り付けられるため、コネクタ10及び基板20は、筐体2のシャーシ部に対しフローティング状態となっている。
【0028】
そのため、デジタルカメラ1の筐体2に衝撃又は振動が加わっても、ブッシュ21が衝撃ダンパーとして衝撃又は振動を吸収して基板20がブッシュ21により微妙に動くことで、基板20へ直接的に衝撃又は振動が伝わることを防止している。これにより、基板20に取り付けられたコネクタ20で保持されるカード体Cへも衝撃又は振動が伝わりにくくなり、カード体Cがハードディスク装置のような衝撃に弱い機種である場合、衝撃又は振動による悪影響が生じないようにしている。なお、ブッシュ21には、合成ゴム以外に弾性体として衝撃等を吸収できる発泡材及びゲル材等も適用できる。
【0029】
また、本発明に係るフローティング構造は、ロック機構を備えている。ロック機構を備える理由は、カード体Cの挿抜時に、基板20及びコネクタ10が挿入に伴う導通接続部10cへの押圧及び抜き取りに伴う導通接続部10cの引張り等により、基板20及びコネクタ10が挿入方向、抜き取り方向へ動きカード体Cの挿抜性が悪化するので、この挿抜性の悪化を防止するためである。ロック機構はカード体Cの挿抜時のみに作動し、それ例外の時はフローティング構造を維持して、カード体Cへの衝撃及び振動の伝達を抑制するようにしている。
【0030】
デジタルカメラ1が設けるロック機構に係る構成として、図2、図4(b)に示すように、基板20はカード体Cの挿抜方向に平行で且つエジェクトバー12から離れた側の辺部20a(外縁部に相当)の蓋4の回動軸部4bに近接する箇所に矩形状の切欠20b(被係合部に相当)を形成している。また、蓋4の回動軸部4bには、略L字状の係合部材5を筐体2の内部へ突出するように一体的に設けている。
【0031】
係合部材5は、蓋4の回動に連動して回動し、図2に示すように蓋4が閉じた場合は、係合部材5の回動軸部4bからの突出部5aがカード体Cの挿抜方向(図中のX方向)に対して直交する位置関係になり、図3に示すように蓋4が開くと、係合部材5が蓋4の回動に連動回動し突出部5aがX方向と平行的な位置関係になる。この蓋4が開いた状態では、係合部材4の突出部5aの先端から屈折した係合部5bが基板20の切欠20bに入り込み(図5参照)、基板20及びコネクタ10がX方向に移動することを規制(ロック)している。なお、図5に示すように、係合部5bが切欠20bに入り込むことで、X方向に直交するY方向における図中の一方向(Yに係る矢印方向)に対しても基板20及びコネクタ10の移動が制止規制される。
【0032】
よって、本実施形態では、蓋4を開くと基板20及びコネクタ10がカード体Cの挿抜方向に対してロックされるため、フローティング構造を採用してもカード体Cの挿抜時は、コネクタ10が動かなくなり、カード体Cの良好な挿抜性を確保でき、その結果、カード体Cの衝撃及び振動に対する良好な保護とカード体Cの良好な挿抜という相互に反する機能を両立している。
【0033】
なお、本発明に係る第1実施形態は上述した形態に限定されるものではなく、種々の変形例の適用が可能である。例えば、第1実施形態に係るフローティング構造及びロック機構を、デジタルカメラ1以外にも、パーソナルコンピュータ、PDA、携帯電話器、携帯型音楽再生装置、テレビジョン装置、デジタルビデオカメラ等の様々な電気機器が備えるようにすることも可能である。また、装着対象となるカード体Cは、CFカード以外にも、PCカード及びその他の規格に合致したカード形状のものに適応させることも可能である。
【0034】
図6(a)(b)は一変形例を示し、変形例に係る係合部材15は、係合部15bの先端面15cの中央部に凹部15dを形成し、基板20の切欠20bに係合部15bが係合した状態で、凹部15dの両側部を第1対向部15e及び第2対向部15fとして基板20を両面20d、20eに対向して当接するような構成にしている。即ち、変形例の係合部材15では、切欠20bと係合部15bとの係合に加えて各対向部15e、15fで基板20を挟持するような形態になり、図6(b)に示すX方向及びY方向に夫々直交するZ方向に対しても基板20及びコネクタ10の動きが規制され、多方向に対してロックを行える。
【0035】
また、図7は別の変形例を示し、筐体22に形成された細長の矩形状のスロット23に対して長辺側の縁側に蓋24の回動軸部24bを回動可能に取り付けて、蓋24の回動に係る回動軸がスロット23の長辺側と平行な位置関係になるようにしている。また、この変形例では、図8(a)(b)に示すように、基板30には被係合部として係合穴30c(被係合部に相当)を穿設し、蓋24の回動軸部24bと一体的に設ける略L字状の係合部材25には、突出部25aの先端からピン状の係合部25bを突設している。
【0036】
この変形例では、図8(a)に示すように閉じた状態の蓋24を回動軸Kを中心に開く方向へ回動すると、係合部材25も連動して回動し、図8(b)に示すように蓋24を完全に開くと、係合部材25のピン状の係合部25bが係合穴30cに挿入して係合し、基板30及びコネクタ10の移動を規制する。係合部25bが係合穴30cに係合することで、基板30及びコネクタ10は、基板平面に沿ったいずれの方向に対してもロックされ、カード体Cの挿抜方向となるX方向に加えてY方向でも基板30及びコネクタ10の動きを規制できる。その結果、本変形例は、カード体が挿抜方向に対して斜めの姿勢で挿入又は抜き取りされるようなときにも安定して基板30及びコネクタ10をロックでき、さらにはエジェクトボタン11の押込みによりカード体Cを導通接続部10cから離脱する際に生じる支点部13bを回転中心として生じるエジェクトレバー13に係るモーメント力に抗することができるので好適となる。
【0037】
さらに、図9(a)(b)、図10は別の変形例を示し、エジェクトボタン41の押込みにより基板50及びコネクタ40の動きをX方向、及びY方向における一方向(図9(b)に示すYに係る矢印方向)でロックするものである。この変形例では、コネクタ40の一方のガイド部40bから少し間隔を隔ててエジェクトバー42を配置し、基板50のエジェクトバー42とガイド部40bの間となる箇所に矩形状の穴部50fを形成し、この穴部50fのガイド部40b側の縁に切欠50cを形成する。また、筐体32の内面32bで穴部50fに対向する箇所からはガイド板部60を立設し、ガイド板部60に形成した矩形穴60aに係合部材61を図10の黒矢印方向へ摺動可能に取り付けている。
【0038】
係合部材61はガイド板部60の矩形穴60aに摺動可能に嵌め込まれる軸部61aのエジェクトバー42側の一端に半球状の当接部61bを設け、当接部61bとガイド板部60との間に圧縮コイルバネ62を取り付けて係合部材61をエジェクトバー42側へ付勢し、また、軸部61aの他端には基板50と同位置(同高さ)となるようにオフセットして係合部61cを突設している。
【0039】
また、エジェクトバー42は、2段階で押し込みができるようにエジェクトボタン41を飛び出せる方向へ図示しないバネで付勢した状態で配置されており、エジェクトボタン41が押されていない状態では、エジェクトバー42の他端部42bがエジェクトレバー43の一端43aと距離Lを隔てるようにしている。
【0040】
さらに、エジェクトバー42は、コネクタ40のガイド部40bに対向する側の一面42cに、エジェクトボタン41が押し込まれていない状態で、係合部材61の当接部61bが当接するように凹部42dを凹設し、この凹部42dからエジェクトボタン41側へ斜面42eを形成している。凹部42dの深さは、係合部材61の係合部61cが基板50の切欠50cへ入り込めるような移動量に応じた寸法にされており、斜面42eのエジェクトバー42の軸方向の長さは、上述した距離Lより短くして、エジェクトバー42を距離L分、移動させると係合部材62が凹部42dから斜面42eを通過するようにしている。
【0041】
上述したような変形例に係る構成を適用することで、図9(a)に示す状態でエジェクトボタン41を距離L分だけ押し込むと、係合部材61が図9(b)の黒矢印方向へ押圧移動して、係合部61cが基板50の切欠50cと係合し、基板50及びコネクタ40をX方向、及びY方向における一方向でロックする。この状態からさらにエジェクトボタン41を押し込むと、ロック状態を維持したままエジェクトバー42の他端部42bがエジェクトレバー43の一端43aを押圧し支点部43bを中心としてエジェクトレバー43を回転させて、カード体Cの離脱を行える。この図9(a)(b)、図10に係る変形例は、スロットに蓋を備えない電気機器に対して好適である一方、上述した蓋に連動したロック機構と組み合わせて適用することも可能であり、組み合わせた場合は一段と強固に且つ規制方向を増やしたロックが可能になる。
【0042】
図11は、本発明の第2実施形態に係る電気機器70の筐体72の内部におけるコネクタ80の取付状態を示す分解斜視図である。
第2実施形態では、コネクタ80を基板に取り付けるのではなく、コネクタ80をブッシュ91を介して筐体72の内面72bに取り付けていることが特徴である。
【0043】
第2実施形態に係るコネクタ80は、矩形状の底板部80dの両側にガイド部80b、80cを設けると共に、各ガイド部80a、80bの奥側の端部同士を繋ぐように導通ピン84を備えた導通接続部80c設けると共に、各ガイド部80a、80b及び導通接続部80cから外方へ第1板部80e、第2板部80f、及び第3板部80gを夫々突設している。また、各板部80e〜80gの端縁部には、ブッシュ91を圧入嵌合する略円状の被嵌合部80h〜80kを形成している。さらに、ガイド部80aから突設する第1板部80eの端縁部には、図2及び図4(b)に示す第1実施形態の切欠20bに対応する切欠80mを形成している。なお、第2実施形態のコネクタ80にもエジェクト機構が併設されているが、図11ではエジェクト機構の図示を省略している。
【0044】
なお、第2実施形態に係る電気機器70は、上述したコネクタ80に係る構成以外は、第1実施形態と同等であり、筐体72に形成したスロット73には、スロット73の開閉を行う蓋74が回動可能に取り付けられ、蓋74の回動軸部74bと一体的に略L字状の係合部材75が筐体内部へ突出するように設けられている。また、筐体72の内面72bには、コネクタ80が配置される箇所に対応してネジ穴72dを形成した柱状の取付部72cを立設している。
【0045】
コネクタ80の筐体72の内面72bへの取付は、被嵌合部80h〜80kに貫通孔91e及び周囲の溝部91bが形成された円柱状のブッシュ91を嵌合し、各ブッシュの貫通孔91eを筐体72の取付部72cに嵌合し、コネクタを内面72bに配置する。この状態で、各ブッシュ91の上に大径の止め板92を配置して穴92bからネジ93を挿入して、取付部72cのネジ穴72dに螺合することで、コネクタ80を取付固定する。よって、コネクタ80が各ブッシュ91を介して筐体72に取り付けられるため、コネクタ80は、筐体72のシャーシ部に対しフローティング状態となっている。また、蓋74を開くと、係合部材75が連動回動し、突出部75aの先端に設けられた係合部75bがコネクタ80の切欠80mに入り込んで係合し、スロット73を通じて挿抜されるカード体の挿抜方向に対してコネクタ80をロックする。
【0046】
よって、第2実施形態でも、コネクタ80に対してフローティング構造を採用することで、コネクタ80で保持されるカード体を電気機器70に加わる衝撃及び振動から保護することができ、衝撃等に対して弱いハードディスク装置がカード体である場合でも、衝撃による悪影響を回避できる。また、フローティング構造を採用しても蓋74を開くことで、コネクタ80をカード体の挿抜方向にロックできるため、カード体の良好な挿抜性を維持できる。なお、第2実施形態においても、第1実施形態で説明した各種変形例を、基板20等を板部80e〜80gとみなして同様に適用すること可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1実施形態に係るデジタルカメラの斜視図である。
【図2】図1のA−A線における蓋を閉じた状態の断面図である。
【図3】蓋を開けた状態の断面図である。
【図4】(a)は図2のB−B線における断面図であり、(b)は基板取付に係る要部の分解斜視図である。
【図5】ロック機構に係る要部の斜視図である。
【図6】(a)は第1実施形態の変形例に係る係合部材の要部斜視図、(b)はロック状態を示す要部斜視図である。
【図7】第1実施形態の別の変形例に係るスロット周辺の概略図である。
【図8】(a)は蓋を閉じた状態の概略図、(b)は蓋を開いたロック状態の概略図である。
【図9】第1実施形態の別の変形例であり、(a)はエジェクトボタンを押していない状態の概略図、(b)はエジェクトボタンを押し込んだ状態の概略図である。
【図10】変形例のロック機構の要部を示す斜視図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係るコネクタの取付状態を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0048】
1 デジタルカメラ
2、22、72 筐体
3、23、73 スロット
4、24、74 蓋
5、15、25、75 係合部材
5b、15b、25b、75b 係合部
10、40、80 コネクタ
11、41 エジェクトボタン
20、30 基板
20b、80m 切欠
21、91 ブッシュ
30c 係合穴
C カード体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体に形成した開口を通じて挿抜されるカード体を筐体内部に収容することが可能にしてあり、収容されるカード体を保持するコネクタを備える電気機器において、
前記コネクタは板部材に取り付けてあり、
該板部材は弾性体を介して筐体内部に取り付けてあることを特徴とする電気機器。
【請求項2】
前記板部材には、被係合部が形成してあり、
前記開口を閉開するように前記筐体に回動することが可能に取り付けてある蓋と、
該蓋の回動に連動回動することが可能に前記筐体の内部に設けてあり、前記蓋が開いた状態で前記板部材の被係合部に係合する係合部材と
を備える請求項1に記載の電気機器。
【請求項3】
前記被係合部は、前記板部材の外縁部に形成された切欠であり、
前記係合部材は、前記切欠に入り込んで係合する係合部を備える請求項2に記載の電気機器。
【請求項4】
前記係合部材は、前記係合部が前記切欠に入り込んだ状態で前記板部材の一面に対向する第1対向部及び前記板部材の他面に対向する第2対向部を備える請求項3に記載の電気機器。
【請求項5】
前記被係合部は、前記板部材に形成された穴であり、
前記係合部材は、前記穴に挿入されて係合する係合部を備える請求項2に記載の電気機器。
【請求項6】
筐体に形成した開口を通じて挿抜されるカード体を筐体内部に収容することが可能にしてあり、収容されるカード体を保持するコネクタを備える電気機器において、
前記コネクタは弾性体を介して筐体内部に取り付けてあることを特徴とする電気機器。
【請求項7】
前記コネクタには、被係合部が形成してあり、
前記開口を閉開するように前記筐体に回動することが可能に取り付けてある蓋と、
該蓋の回動に連動回動することが可能に前記筐体の内部に設けてあり、前記蓋が開いた状態で前記コネクタの被係合部に係合する係合部材と
を備える請求項6に記載の電気機器。
【請求項1】
筐体に形成した開口を通じて挿抜されるカード体を筐体内部に収容することが可能にしてあり、収容されるカード体を保持するコネクタを備える電気機器において、
前記コネクタは板部材に取り付けてあり、
該板部材は弾性体を介して筐体内部に取り付けてあることを特徴とする電気機器。
【請求項2】
前記板部材には、被係合部が形成してあり、
前記開口を閉開するように前記筐体に回動することが可能に取り付けてある蓋と、
該蓋の回動に連動回動することが可能に前記筐体の内部に設けてあり、前記蓋が開いた状態で前記板部材の被係合部に係合する係合部材と
を備える請求項1に記載の電気機器。
【請求項3】
前記被係合部は、前記板部材の外縁部に形成された切欠であり、
前記係合部材は、前記切欠に入り込んで係合する係合部を備える請求項2に記載の電気機器。
【請求項4】
前記係合部材は、前記係合部が前記切欠に入り込んだ状態で前記板部材の一面に対向する第1対向部及び前記板部材の他面に対向する第2対向部を備える請求項3に記載の電気機器。
【請求項5】
前記被係合部は、前記板部材に形成された穴であり、
前記係合部材は、前記穴に挿入されて係合する係合部を備える請求項2に記載の電気機器。
【請求項6】
筐体に形成した開口を通じて挿抜されるカード体を筐体内部に収容することが可能にしてあり、収容されるカード体を保持するコネクタを備える電気機器において、
前記コネクタは弾性体を介して筐体内部に取り付けてあることを特徴とする電気機器。
【請求項7】
前記コネクタには、被係合部が形成してあり、
前記開口を閉開するように前記筐体に回動することが可能に取り付けてある蓋と、
該蓋の回動に連動回動することが可能に前記筐体の内部に設けてあり、前記蓋が開いた状態で前記コネクタの被係合部に係合する係合部材と
を備える請求項6に記載の電気機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−32114(P2006−32114A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−209187(P2004−209187)
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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