説明

電気装置

【課題】信頼性の高い半導体チップ接着用樹脂を提供する。
【解決手段】重合可能な主樹脂成分と、主樹脂成分を自己重合反応させる主硬化剤と、主樹脂成分に付加重合反応する副硬化剤とを含有させ、接着剤12を構成される。この接着剤12を基板13に塗布し、半導体チップ11を貼付し、加熱すると、主樹脂成分の自己重合反応によって形成される三次元網目構造の主鎖に対し、副硬化剤が付加重合する。付加重合による部分がゴム状構造になる第1の温度は、主鎖がゴム状構造になる第2の温度よりも低温なので、第1の温度で弾性率の低下率が急激に大きくなり、半導体チップ11と基板13の間の応力が緩和される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は接着剤にかかり、特に、半導体チップを基板に接続する接着剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体チップを基板上に接着するために熱硬化性又は熱可塑性樹脂から成る接着剤が用いられている。
【0003】
図4は、半導体チップ111が、接着剤112によって基板113に貼付された状態を示しており、半導体チップ111が有するバンプ状の端子121は、基板113上の配線パターンの一部から成る端子122上に当接されている。この状態では、半導体チップ111内の電気素子は、端子121、122を介して基板113上の配線パターンに電気的に接続されている。
【0004】
しかし、半導体チップの線膨張係数は3ppm/℃程度であるのに対し、接着剤112の線膨張係数は25〜60ppm/℃と大きいため、線膨張係数の差から接着界面に応力が残留する。特に、半導体チップの周辺部では、チップサイズが大きくなるほど残留応力が大きくなるため、熱硬化性の接着剤112を硬化させた後、温度サイクル試験やプレッシャークッカー試験を行うと、半導体チップ111が剥離してしまうという問題が発生する。
【0005】
また、従来技術の接着剤では、吸湿の条件によって半導体チップ111を接着した後の信頼性の低下が著しく、そのため、半導体チップ111を貼付した後、リフロー炉を通過させて接着剤112を硬化させる前に、予め100℃前後に昇温させ、脱水処理を行う必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平09−298369号公報
【特許文献2】特開平10−237410号公報
【特許文献3】特開昭63−154780号公報
【特許文献4】国際公開第96/031574号パンフレット
【特許文献5】特開平11−219979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、その目的は信頼性が高い接着剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
半導体チップを基板に接続する接着剤には、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂があるが、熱硬化性樹脂の場合、半導体チップの剥離を防止するために、接着剤のガラス転移点を半導体チップを使用する温度範囲よりも高温側に置く必要がある。
【0009】
本発明の発明者等は、熱硬化性樹脂の場合に三次元網目構造を形成する主鎖が単一であると、弾性率の温度依存性は単一の主鎖に支配され、弾性率が単調に変化するため、半導体チップに及ぼす応力が大きなものになっていることを見出した。従って、三次元網目構造を維持しながら、使用温度範囲内で接着剤の弾性率の低下が急激に大きくなる温度を設定すれば、応力を緩和できることになる。
【0010】
本発明は上記知見に基づいて創作されたもので、請求項1記載の発明は、半導体チップと基板との接続に用いられる接着剤であって、重合可能な主樹脂成分と、前記主樹脂成分を自己重合反応させる主硬化剤と、前記主樹脂成分に付加重合反応する副硬化剤とを含有する接着剤である。
請求項2記載の発明は、硬化後の物性において温度の上昇に伴って弾性率が低下する請求項1記載の接着剤であって、30℃よりも高温で150℃よりも低温の第1の温度と、130℃以上250℃以下の温度範囲にあり、且つ前記第1の温度よりも高温である第2の温度の両方において、弾性率の低下率が急増する接着剤である。
請求項3記載の発明は、前記第1の温度と前記第2の温度の間の温度差は、40℃以上ある特徴とする請求項2記載の接着剤である。
請求項4記載の発明は、前記主樹脂成分はエポキシ樹脂である請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の接着剤である。
請求項5記載の発明は、導電性粒子が含有された請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の接着剤である。
請求項6記載の発明は、前記主樹脂成分とは別に重合反応する副樹脂成分を含有する請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の接着剤である。
請求項7記載の発明は、予め半硬化され、シート状に成形された請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の接着剤である。
請求項8記載の発明は、半導体チップと、基板と、前記半導体チップと基板の間に配置され、熱処理によって硬化された請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の接着剤とを有する電気装置である。
請求項9記載の発明は、重合可能な主樹脂成分と、前記主樹脂成分を自己重合反応させる主硬化剤と、前記主樹脂成分に付加重合反応する副硬化剤とを含有し、
半導体チップと基板との接続に用いられ、硬化後の物性において温度の上昇に伴って弾性率が低下する接着剤であって、30℃よりも高温で150℃よりも低温の第1の温度と、130℃以上250℃以下の温度範囲にあり、且つ前記第1の温度よりも高温である第2の温度の両方において、弾性率の低下率が急増する接着剤である。
請求項10記載の発明は、前記主樹脂成分:前記副硬化剤の値が20:5以上20:1.5以下の範囲で含有された請求項9記載の接着剤である。
請求項11記載の発明は、前記第1の温度と前記第2の温度の間の温度差は、40℃以上あることを特徴とする請求項10記載の接着剤である。
請求項12記載の発明は、前記主樹脂成分はエポキシ樹脂である請求項9乃至請求項11のいずれか1項記載の接着剤である。
請求項13記載の発明は、前記副硬化剤は、アミン系、フェノール系、ヒドラジッド系、メルカプト系、ジシアンジアミド系の硬化剤である請求項9乃至請求項12のいずれか1項記載の接着剤である。
請求項14記載の発明は、導電性粒子が含有された請求項9乃至請求項13のいずれか1項記載の接着剤である。
請求項15記載の発明は、前記主樹脂成分とは別に重合反応する副樹脂成分を含有する請求項9乃至請求項14のいずれか1項記載の接着剤である。
請求項16記載の発明は、予め半硬化され、シート状に成形された請求項9乃至請求項15のいずれか1項記載の接着剤である。
請求項17記載の発明は、半導体チップと、基板と、前記半導体チップと基板の間に配置され、熱処理によって硬化された請求項9乃至請求項16のいずれか1項記載の接着剤とを有する電気装置である。
請求項18記載の発明は、半導体チップと、基板と、前記半導体チップと基板の間に配置され、熱処理によって硬化された接着剤を有する電気装置であって、当該接着剤の成分は、重合可能な主樹脂成分と、前記主樹脂成分を自己重合反応させる主硬化剤と、前記主樹脂成分に付加重合反応する副硬化剤と、導電性粒子を含有し、主樹脂成分はエポキシ樹脂であり、主硬化剤はエポキシ分散イミダゾール硬化剤であり、副硬化剤はジシアンジアミド系硬化剤又はフェノール系硬化剤であり、接着剤を昇温した場合に、96〜105℃の温度範囲と、135〜162℃の温度範囲において、弾性率の低下率が変化する温度P1,P2がそれぞれ存在し、更に、P1での弾性率をE1とし、P2での弾性率をE2とすると、P1とP2の温度間の弾性率の低下率(E1/E2)が、2.8以上であることを特徴とする電気装置である。
【0011】
本発明は上記のように構成されており、主硬化剤によって主樹脂成分が自己重合され、三次元網目構造の組織を作っており、その組織に副硬化剤が付加重合している。従って、弾性率変化には、網目構造の部分と、付加重合によって形成された網目構造の部分とで異なるガラス転移点が発現し、弾性率の変化率は第1、第2の温度の2点で急変する。第1、第2の温度付近以外の温度範囲では、弾性率の変化率は略一定であり、温度の増加に従って弾性率は低下する。
【0012】
接着剤が昇温した場合温度上昇に伴って弾性率が低下するが、第1の温度よりも高温になると付加重合した部分がゴム状になり、弾性率が急激に減少する。従って、第1の温度以上の温度では、応力の増加が少なくなっている。
【0013】
第1の温度よりも高温に昇温しても、第2の温度よりも低ければ、自己重合によって形成された三次元網目構造の部分はガラス状態を維持するので、接着力が低下せず、半導体チップが基板から剥離することはない。
【発明の効果】
【0014】
弾性率の低下率が二段階に変化するので、半導体チップに加わる応力が小さく、信頼性の高い電気装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】(a)〜(c):本発明の接着剤の使用方法の一例を示す図
【図2】(a)〜(c):本発明の接着剤の使用方法の他の例を示す図
【図3】温度変化に対する弾性率、損失弾性率、損失正接の関係を示すグラフ
【図4】従来の接着剤を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態を説明する。
先ず、重合可能な主樹脂成分と、その主樹脂成分を自己重合反応させる主硬化剤と、主樹脂成分に付加重合反応する副硬化剤とを配合し、本発明の接着剤を作製した。この接着剤はペースト状である。
【0017】
図1(a)の符号13は表面に銅配線が配置された基板であり、その銅配線の一部によって、接続端子22が形成されている。この接続端子22上に、接着剤を一定量塗布する。図1(b)の符号12は、塗布された状態の接着剤を示している。
【0018】
図1(c)の符号11は半導体チップである。この半導体チップ11の一面には、内部回路に接続されたバンプ状の接続端子21が形成されている。半導体チップ11の接続端子21が位置する側の面を接着剤12に押し当て、基板13の接続端子22と半導体チップ11の接続端子21とを当接させると共に加熱し、接着剤12を硬化させると、半導体チップ11と基板13の接続端子21、22同士が電気的に接続された状態で半導体チップ11が基板13に固定され、本発明の電気装置5が得られる。
【0019】
上記接着剤はペースト状であったが、本発明の接着剤は、自己支持性を示す程度に半硬化させたフィルム状のものや、固形樹脂を添加してフィルム状にしたものも含まれる。
【0020】
図2(a)の符号15は、本発明の一例のフィルム状の接着剤を示しており、図2(b)に示すように、この接着剤15を、先ず、基板13の接続端子22が形成された側の面に貼付し、次いで、図2(c)に示すように、接着剤15の表面に半導体チップ11を貼付し、基板13の接続端子22と半導体チップ11の接続端子21とを当接させ、加熱処理して接着剤15を硬化させると、本発明の電気装置6が得られる。
【0021】
図3は、本発明の一例の接着剤の温度に対する弾性率と損失弾性率とtanδの関係を示すグラフである。この接着剤は、重合可能な主樹脂成分としてエポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製「HP4032D」)20重量部と、その主樹脂成分を自己重合反応させる主硬化剤として、エポキシ分散イミダゾール系硬化剤(旭化成(株)製「HX3941HP」)15重量部と、主樹脂成分に付加重合反応する副硬化剤として、フェノール系硬化剤(大日本インキ化学工業(株)製「VH4170」)5重量部と、また、エポキシ樹脂とは反応しない副樹脂成分としてフェノキシ樹脂(東都化成(株)製「YP50」)10重量部と、フィラーとしてシリカが45重量部それぞれ含有されている。
【0022】
この接着剤を加熱した場合、先ず、約100℃の第1の温度P1で弾性率の低下率(温度変化に対する弾性率変化を示す曲線の勾配)が急激に大きくなり、次いで、約160℃の第2の温度P2で、更に弾性率の低下率が大きくなる。室温から第1の温度P1までの間、第1の温度P1から第2の温度P2の間、第2の温度P2から200℃までの間では、弾性率低下率は略一定である。
【0023】
主樹脂成分にエポキシ樹脂を用いた場合、主樹脂成分を自己重合させる主硬化剤としては、イミダゾール系硬化剤の他、3級アミン、ルイス酸系触媒を用いることができる。主樹脂成分に付加重合する副硬化剤としては、活性水素を持ったアミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、ヒドラジッド系硬化剤、メルカプト系硬化剤、ジシアンジアミド系硬化剤等を使用することができる。
【0024】
なお、本発明の樹脂は、生産の効率上短時間で硬化させることが望ましいため180℃以上250℃以下の温度で5秒以上20秒以下の時間加熱する。従って、第2の温度P2は少なくとも130℃以上であることが望ましい。また、リフロー炉で硬化させた後に残留応力が残らないためには、加熱中の最高温度において、0.5GPa以下の弾性率であることが望ましい。目安として250℃において、0.5GPa以下且つ0.1GPa以上であることが望ましい。
【0025】
次に、下記表1に示す配合で、実施例1〜実施例6、及び比較例1の接着剤を作製した。
【0026】
【表1】

【0027】
HP4032DとEP828が、本発明の重合可能な主樹脂成分であり、HX3941HPが主樹脂成分を自己重合反応させる主硬化剤である。また、DICYとVH4170が、主樹脂成分に付加重合反応する副硬化剤である。YP50は、主樹脂成分とは別に重合反応する副樹脂成分である。比較例1は、副硬化剤を含有していない。
【0028】
上記実施例1〜6及び比較例1の接着剤はフィルム状であり、図1(a)〜(c)に示すように、接続試験用に特別に作製された半導体チップ11をガラスエポキシ基板である基板13に乗せ、180℃×20秒の条件で接続した。このとき印加した荷重は、半導体チップ11の接続端子11の1個当たり100gである。なお、用いた半導体チップ11の大きさは10mm角であり、シリコンチップである。
【0029】
上記とは別に、実施例1〜6及び比較例1の接着フィルムを200℃の温度で5分間加熱して硬化させた後、2mm×5cm、厚み50μmの大きさに切り取り、試験片を作製した。その試験片によって半導体チップ11を基板13に貼付し、30℃、RH70%の雰囲気中に192時間放置した後、リフロー炉中を通過させ、最高温度240℃で加熱し、接着剤を硬化させた。
【0030】
試験片に対し、損失正接(tanδ)と250℃の弾性率、及び弾性率の変化率が増加方向に急変する第1、第2の温度P1、P2と、その第1、第2の温度P1、P2での弾性率を測定した。損失正接(tanδ)の測定方法は、JIS K7189-1991に従った。
【0031】
また、半導体チップ11が接続された基板13に対し、温度サイクル試験(TCT)とプレッシャークッカー試験(PCT)を行った。
それらの結果を下記表2に示す。
【0032】
【表2】

【0033】
上記表2から分かるとおり、実施例1〜6では、比較例1に比べ、温度サイクル試験で数十倍の信頼性が得られており、また、300時間のプレッシャークッカー試験の結果は、比較例1では、半導体チップ11と基板13の接続端子21、22間の電気的接続が失われ、不良になっているのに対し、本発明の接着剤を用いた実施例1〜6は電気的接続が維持され、全て良品になっている。
【0034】
第1の温度P1での弾性率E1と第2の温度での弾性率E2の比E1/E2を求めてみると、表2から分かるように、本発明の接着剤では、E1/E2が2.8以上の値になっている。E1/E2の値が2.8以上であれば温度サイクル試験(TCT)
に合格できると予想される。
【0035】
なお、上記各実施例では、導電性粒子に金属被膜樹脂粒子を用いたが、金属の粒子を用いることもできる。また、実施例3のように、導電性粒子を含有させなくてもよい。
【0036】
更にまた、上記実施例ではフィラーにシリカを用いたが、アルミナや酸化チタン等の他のフィラーを用いてもよい。主樹脂成分とは別に重合反応する副樹脂成分としてフェノキシ樹脂を用いたが、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等の他の種類の樹脂を用いることができる。また、副樹脂成分を含有させなくてもよい。また、カップリング剤等の添加剤を配合することもできる。
【符号の説明】
【0037】
11……半導体チップ
12、15……接着剤
13……基板
5、6……電気装置
1……第1の温度
2……第2の温度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップと基板との接続に用いられる接着剤であって、
重合可能な主樹脂成分と、
前記主樹脂成分を自己重合反応させる主硬化剤と、
前記主樹脂成分に付加重合反応する副硬化剤とを含有する接着剤。
【請求項2】
硬化後の物性において温度の上昇に伴って弾性率が低下する請求項1記載の接着剤であって、
30℃よりも高温で150℃よりも低温の第1の温度と、130℃以上250℃以下の温度範囲にあり、且つ前記第1の温度よりも高温である第2の温度の両方において、弾性率の低下率が急増する接着剤。
【請求項3】
前記第1の温度と前記第2の温度の間の温度差は、40℃以上ある請求項2記載の接着剤。
【請求項4】
前記主樹脂成分はエポキシ樹脂である請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の接着剤。
【請求項5】
導電性粒子が含有された請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の接着剤。
【請求項6】
前記主樹脂成分とは別に重合反応する副樹脂成分を含有する請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の接着剤。
【請求項7】
予め半硬化され、シート状に成形された請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の接着剤。
【請求項8】
半導体チップと、基板と、前記半導体チップと基板の間に配置され、熱処理によって硬化された請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の接着剤とを有する電気装置。
【請求項9】
重合可能な主樹脂成分と、
前記主樹脂成分を自己重合反応させる主硬化剤と、
前記主樹脂成分に付加重合反応する副硬化剤とを含有し、
半導体チップと基板との接続に用いられ、硬化後の物性において温度の上昇に伴って弾性率が低下する接着剤であって、
30℃よりも高温で150℃よりも低温の第1の温度と、130℃以上250℃以下の温度範囲にあり、且つ前記第1の温度よりも高温である第2の温度の両方において、弾性率の低下率が急増する接着剤。
【請求項10】
前記主樹脂成分:前記副硬化剤の値が20:5以上20:1.5以下の範囲で含有された請求項9記載の接着剤。
【請求項11】
前記第1の温度と前記第2の温度の間の温度差は、40℃以上あることを特徴とする請求項10記載の接着剤。
【請求項12】
前記主樹脂成分はエポキシ樹脂である請求項9乃至請求項11のいずれか1項記載の接着剤。
【請求項13】
前記副硬化剤は、アミン系、フェノール系、ヒドラジッド系、メルカプト系、ジシアンジアミド系の硬化剤である請求項9乃至請求項12のいずれか1項記載の接着剤。
【請求項14】
導電性粒子が含有された請求項9乃至請求項13のいずれか1項記載の接着剤。
【請求項15】
前記主樹脂成分とは別に重合反応する副樹脂成分を含有する請求項9乃至請求項14のいずれか1項記載の接着剤。
【請求項16】
予め半硬化され、シート状に成形された請求項9乃至請求項15のいずれか1項記載の接着剤。
【請求項17】
半導体チップと、基板と、前記半導体チップと基板の間に配置され、熱処理によって硬化された請求項9乃至請求項16のいずれか1項記載の接着剤とを有する電気装置。
【請求項18】
半導体チップと、基板と、前記半導体チップと基板の間に配置され、熱処理によって硬化された接着剤を有する電気装置であって、当該接着剤の成分は、
重合可能な主樹脂成分と、
前記主樹脂成分を自己重合反応させる主硬化剤と、
前記主樹脂成分に付加重合反応する副硬化剤と、
導電性粒子を含有し、
主樹脂成分はエポキシ樹脂であり、
主硬化剤はエポキシ分散イミダゾール硬化剤であり、
副硬化剤はジシアンジアミド系硬化剤又はフェノール系硬化剤であり、
接着剤を昇温した場合に、96〜105℃の温度範囲と、135〜162℃の温度範囲において、弾性率の低下率が変化する温度P1,P2がそれぞれ存在し、
更に、P1での弾性率をE1とし、P2での弾性率をE2とすると、P1とP2の温度間の弾性率の低下率(E1/E2)が、2.8以上であることを特徴とする電気装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2011−205126(P2011−205126A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128323(P2011−128323)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【分割の表示】特願2004−223534(P2004−223534)の分割
【原出願日】平成12年10月6日(2000.10.6)
【出願人】(000108410)ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社 (595)
【Fターム(参考)】