説明

露光装置およびデバイス製造方法

【課題】 露光エリア内任意の位置で気体の濃度測定可能な露光装置を提供すること。
【解決手段】 基板上面と投影光学系1の間に所定の気体を供給する気体の供給手段を持つ露光装置において、前記領域の気体を取得する気体取得手段としての貫通孔11と、前記気体取得手段で取得した気体の濃度を測定する雰囲気を測定する測定器5を有し、更に前記気体取得手段が移動ステージ4と共に移動可能であることを特徴とする露光装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体の測定に用いることが可能な露光装置、およびデバイス製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、露光光の透過率向上を目的として、露光光の光路に所定の気体を供給する露光装置が知られている。例えば特許文献1には、光路内に存在する酸素濃度を低く抑えるために露光光路内を所定の気体をパージする露光装置が開示されている。また、例えば特許文献2では、こうした所定の気体をパージする露光装置において、測定用基板上の貫通孔を介し、パージされた気体を取得して測定することが開示されている。これにより、実際の露光時に近い状態での気体の測定を可能としている。
このような所定の気体をパージして露光を行う露光装置においては基板上の露光領域、或いはその周囲も含めた領域における気体の濃度が所定以上であることやバラつきが少ないことが、安定した露光のために重要である。そのために、基板上の露光領域、或いはその周囲も含めた領域における気体の濃度を精度良く測定することが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−150533号公報
【特許文献2】特許第3198429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、基板上の露光領域における所定の気体の濃度の測定精度を良くすることについては言及されていない。また、特許文献2に開示された技術においては、気体の濃度測定の位置が固定されている。そのため、露光領域、或いはその周囲も含めた領域の任意の位置で気体の濃度測定を行うことが出来ないという問題があった。そこで、本発明は、露光領域、或いはその周囲も含めた領域の任意の位置で気体の濃度測定可能な露光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一側面としての露光装置は、露光光により照明された原版に形成されているパターンを、投影光学系を介して基板上に露光する露光装置であって、露光時には前記基板を保持して水平方向に移動する移動ステージと、前記移動ステージと前記投影光学系の間に所定の気体を供給する供給手段と、前記移動ステージと前記投影光学系の間から取得された雰囲気を、前記雰囲気中の気体の濃度の測定をする測定器へ導く取得経路とを有し、前記取得経路の端部に配置され、前記雰囲気を取得する取得口は、前記移動ステージと共に移動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、露光領域、或いはその周囲も含めた領域の任意の位置で気体の濃度測定が可能な露光装置を提供することができる
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態の気体の測定器5を示した断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態の気体の測定器5を示した断面図である。
【図3】本発明の第3〜5実施形態の露光方法を説明するフローチャートである。
【図4】変形例1における取得口の配置一例である。
【図5】変形例2における取得口の配置一例である。
【図6】第6実施形態の露光方法を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第7実施形態の露光装置の一例である。
【図8】本発明の第7実施形態の露光方法を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の好ましい実施形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0009】
〔第1実施形態〕
図1は本発明の実施形態の所定の気体(例えば、窒素など)を含んだ雰囲気の濃度測定を行う測定器5が接続された露光装置を示す図である。露光装置は、光源からの露光光により原版(レチクル)を照明し、原版に形成されたパターンを、投影光学系1を介して基板上のレジストに投影露光するものである。なお、基板としてはウエハやガラス基板などが考えられる。投影光学系1と基板2の間の空間は、気体の供給手段により所定の気体が供給されている。また、投影光学系1と基板2の間の空間に気体を迅速に充填する、或いは周辺からの気体混入を抑制するなどの必要に応じて、投影光学系1と基板2の周辺は不図示の囲いで覆われていてもよい。
【0010】
本実施形態においては、基板2は、基板吸着用ライン9からの吸着力で、基板保持手段である基板チャック3に固定されている。また、基板チャック3は、基板チャックの吸着用ライン10からの吸着力で、露光時には水平方向に移動する移動ステージ4に固定されている。吸着力は、基板吸着用ライン9や、吸着用ライン10といった吸着孔に接続されるポンプにより発生される。基板チャック3及び基板2には、投影光学系1と移動ステージ4の間(より具体的には、投影光学系1と基板2の間の空間)の雰囲気を取得するための貫通孔11、12がそれぞれ設けられている。そして雰囲気の取得経路となる雰囲気の取得用ライン13が貫通孔11、12を含む構成となっている。気体取得ライン13は、雰囲気を測定する測定器5に接続されている。ここで、雰囲気を測定するとは、雰囲気に含まれる酸素や窒素といった気体の濃度を測定することなどを意味する。
【0011】
本実施形態の一例として、投影光学系1と移動ステージ4の間の空間の雰囲気の取得は、図1に示すように移動ステージ4上に配置された貫通孔11、12により実現されている。これにより、連通している貫通孔11、12が移動ステージ4と共に動くことを特徴としている。連通した貫通孔11と貫通孔12の端部、すなわち本実施形態においては、基板2の貫通孔12の投影光学系1側の面と同一面上となる端部が、雰囲気を取得する場合の入口である取得口となる。つまり、取得口は、投影光学系1と対向するように設けられており、移動ステージ4と共に移動する。
【0012】
また、連通している貫通孔11と貫通孔12は、さらに移動ステージ4に設けられた気体の通り道となる貫通孔に接続され連通している。取得経路である取得ライン13の一部は、移動ステージ4と共に移動できるような弾性体からなる管を利用するなど変形可能な構成とすることが望ましい。その場合、移動ステージ4の下部から取得経路である取得ライン13を出すことで、取得ライン13の変形による気流の影響が雰囲気の取得面である取得口付近に伝わりにくくなる。基板チャック3の貫通孔11は、図1において直線として図示されているが、雰囲気が取得できるように貫通していれば良いので、必ずしも直線である必要はなく、例えば、折り曲がった孔としても良い。つまり、基板チャック3の貫通孔11が、基板2の貫通孔12と、移動ステージ4の基板吸着用の貫通孔を連通させる構成であれば良い。これは、後述の他の実施形態においても同様である。
【0013】
気体の濃度を測定する場合、雰囲気の取得用ライン13を開栓して雰囲気を測定する測定器5側に吸気することで、基板2表面上の雰囲気を取得することが可能となっている。
【0014】
更に、移動ステージ4と共に雰囲気の取得口が露光領域内の任意の位置に動くことで、露光領域全面、或いはその周囲をも含めた領域の任意の位置で気体を取得することが可能となる。これにより、本実施形態の露光装置は、雰囲気の取得口が固定されている場合と比較して、より詳細な位置で気体の濃度の分布を測定することが可能となっている。
【0015】
また、実際の露光状態と同じ速度/加速度/方向に移動ステージ4と雰囲気の取得口を駆動しながら雰囲気を取得することで、移動ステージ4の動きが気流に与える影響も考慮した上で、雰囲気に含まれる気体の気体濃度の分布を測定することが可能となっている。
【0016】
また、基板2に貫通孔12を設けて取得口として使用することで、専用ノズルを配置して気体を取得する場合と比較してノズルによる周辺の雰囲気の巻き込みが比較的少ない状態で基板2表面の雰囲気を正確に取得することが可能となっている。
【0017】
雰囲気を測定する測定器5が十分に小さい場合、測定器5も移動ステージ4と共に動くように配置してもよい。ただし、移動ステージ4の搬送重量を軽量化する観点では、測定器5は移動ステージ4とは別の箇所に固定して、取得用ライン13を経由して貫通孔11、12と接続される本実施形態がより望ましい。
【0018】
供給される気体が混合ガス(混合気体)の場合、測定器5において混合ガスのうち一つの気体のみを測定してもよい。例えば、基板2上面を通常大気と比較して低酸素状態にする目的で、窒素と酸素を一定割合で混合した気体を供給する場合、取得口から取得した雰囲気の窒素濃度を測定してもよいし、酸素濃度を測定してもよい。
【0019】
また、取得口から取得した気体の湿度を測定して、後述する補正テーブルのパラメータとしてもよい。
【0020】
図1においては、貫通孔11、12を含む雰囲気の取得経路である取得用ライン13や測定器5を一系統のみ図示しているが、複数の取得ラインとそれに接続される複数の測定器を配置してもよい。複数の取得ラインとそれに接続される測定器を配置する場合、複数ラインで同時に測定することで、1系統で移動ステージを移動させながら多くの位置を図る場合に比べて、測定の時間が短縮される。また、複数の取得ラインとそれに接続される複数の測定器の構成であれば、基板の端部や基板中心など、基板との相対位置が異なる個所で雰囲気に含まれる気体の濃度測定を行い、全体の濃度予測の精度が上がるなどの効果がある。
【0021】
雰囲気の取得用ライン13を分岐して、複数の測定器5に接続することで、1ヶ所の貫通孔11、12から取得した雰囲気について、その雰囲気に含まれる複数種類の気体の濃度を測定してもよい。これにより、貫通孔11、12を配置するスペースを抑えつつ、供給した気体と置換される気体の両方の気体の濃度を測定でき、気体の濃度の予測精度が上がるという効果がある。
【0022】
本実施形態において示した、取得ライン13の取得口の部分のみ、或いは貫通孔11、12そのものは、雰囲気が通過可能な多孔質材料により構成してもよい。気体が通過可能な多孔質材料としてはグラファイトやセラファイトなどがある。多孔質材料を貫通孔11,12に交換可能に設ける(嵌め込む)ことで、フィルタの役割を持たせることも可能である。
【0023】
図1においては、雰囲気を取得するために、基板2に貫通孔12および基板チャック3に貫通孔11を設ける例を用いて説明した。しかし、パターンの空きスペースなどの制約で、露光時に使用する基板2及び基板チャック3に貫通孔12、11をそれぞれ配置することが困難な場合がある。その場合は、雰囲気に含まれる気体の濃度測定専用の工具が用いられる。具体的には、雰囲気の取得時に使用する専用工具としての基板(工具基板)、若しくは雰囲気の取得時に使用する工具基板を保持するための専用工具としての基板チャック(工具基板チャック)、若しくはその両方が使用される。
【0024】
〔第2実施形態〕
つぎに、図2に基づいて本発明の第2実施形態について説明する。図2においては、雰囲気を取得する貫通孔11が設けられた専用工具である工具6が移動ステージ4上に配置されることを特徴とする。工具6は、露光時に基板を保持する基板チャックの吸着用ライン10からの吸着力で移動ステージ4に固定されている。第1実施形態では「基板2」もしくは「工具基板」が必要だったのに対し、第2実施形態では「基板2」もしくは「工具基板」を使用しない。このため、第2実施形態においては、基板2もしくは工具基板を吸着する必要がなく、基板吸着用ライン9を雰囲気の取得用ラインに転用することが可能となる。これにより、基板吸着用ライン9を分岐して雰囲気を測定する測定器5に接続することで、既存の露光装置に適用可能で、新たなラインの追加を必要しないという利点がある。すなわち、本第2実施形態は、取得経路として露光時の露光基板の基板吸着用ライン9を兼用していることを特徴としている。取得経路の雰囲気の入り口となる取得口は、工具の投影光学系1に対向した面に設けられている。すなわち、貫通孔11の端部が取得口である。
【0025】
また、工具6上面の高さと露光時の基板の上面(露光面)の高さが一致、或いはほぼ一致していることが好ましい。これにより、雰囲気の取得位置が実際の露光における基板表面とほぼ同じ位置となり、より正確に実際の露光における基板表面の雰囲気に含まれる測定対象の気体の濃度を予測できるという利点がある。
【0026】
工具6上面の形状は実際の露光に使用する基板サイズと揃えた形状にすることが望ましい。これにより、雰囲気の取得時と実際の露光実施時の気流の違いを少なくできるため、より正確に露光時の雰囲気に含まれる計測対象の気体の濃度を予測できるという利点がある。
【0027】
図2においては、基板吸着用ライン9を分岐して雰囲気を測定する測定器5に接続する例を示したが、気体の濃度測定時に雰囲気を測定する測定器5に基板吸着用ライン9を接続し、露光時には接続を元に戻して使用してもよい。
【0028】
(変形例1)
変形例1として、第2実施形態における、取得口の配置例について図4を用いて説明する。図4は本発明における取得口の配置一例である。図4の(a)は工具6を図2における投影光学系1側からみた場合の図である。移動ステージ4および基板吸着用ライン9および基板チャックの吸着用ライン10および雰囲気に含まれる気体を測定する測定器5は不図示である。
【0029】
図4の(a)では、貫通孔11が5×5の合計25個空いている図であり、各貫通孔11は、25個の別系統の雰囲気の取得用ライン13と測定器5に接続されることで、同時に複数個所からの雰囲気に含まれる気体の濃度を測定することが可能となる。つまり、第2実施形態で1つだけ図示した基板吸着用ライン9が、25本あり取得用ライン13として利用されていると考えることができる。また、基板吸着用ライン9と第1実施形態で示した専用の取得用ライン13が24本備えられていると考えても良い。図4の(a)は一例として、工具6上で周辺と中央の離れた位置で5つ配置された雰囲気の取得領域(図中の5つの矩形の領域)に対して、貫通孔11が5つずつ設けられている例を示している。移動ステージ4を移動しつつ複数の貫通孔から同時に気体を取得して気体の濃度を測定することで、気体の濃度測定時間の短縮が可能である。
【0030】
図4の(b)は図4の(a)に示した断面線16近傍で、工具6と封止用チップ14を示した断面図である。図4の(b)は、前述の25個別系統の説明とは異なり、各取得領域の各貫通孔11が途中で1本の取得経路である取得用ライン13に統合されている例を示している。このように構成する場合は、取得ライン13の本数が減るので露光装置の製造が容易になる。また、取得用ライン13で統合することで25か所の気体濃度情報を得られないが、統合したことにより複数個所の貫通孔11による平均化効果がある。図4の(b)に示した工具6上面には封止用チップ14をはめるための溝(凹状の矩形穴)が設けられている。溝底面には貫通孔11が設けられ、雰囲気の取得用ライン13を介して雰囲気を測定する測定器5に接続されている。
【0031】
図4の(c)(d)(e)はそれぞれ前述の溝に嵌め込まれる封止用チップ14の一例の図である。濃度測定点7A〜Gは、貫通孔もしくは気体の取得が可能な多孔質であり、工具6の溝に封止用チップ14をはめた際に、貫通孔11と位置が合うようになっている。
【0032】
図4の(c)の封止用チップ14を使用した場合、工具6上面に配置した25個の貫通孔11すべてを使用して、雰囲気を取得することが可能である。図4の(d)の封止用チップ14使用した場合、工具6の上面に配置した25個の貫通孔11のうち計5個を使用して雰囲気を取得することが可能である。より具体的には、前述の各取得領域にある5つの貫通孔11から中央以外の4つの角にある貫通孔11のうちの各1つ、計5個が使用される。そして、図4の(d)に示した例においては、封止用チップ14の表裏及び回転により、簡易な変更で濃度測定点7Fを4ヶ所から選択することが可能な構造となっている。図4の(e)の封止用チップ14を使用した場合、工具基板チャック6上面に配置した25個の貫通孔11のうち各取得領域の中心にある5個を使用して、雰囲気を取得することが可能である。
【0033】
以上の説明では、封止用チップ14を1種類だけ適用した場合で説明しているが、各溝で適用する封止用チップ14の形状を変更してもよい。また、濃度測定点7A〜Gの径を変更できるようにしてもよい。径を大きくした場合には、より多くの気体を短時間で迅速に取得できる効果がある。
【0034】
封止用チップ14を工具6に固定する方法としては、ボルト固定、勘合、接着剤による固定、マグネットによる固定、吸着による固定、板バネによる固定などが挙げられる。
【0035】
以上のように、本変形例1では封止用チップを複数種類用意することで、気体の濃度測定点の数及び工具6に対する気体の濃度測定点の相対位置を簡易に変更できるという利点がある。
【0036】
封止用チップ14をはめるための溝をなくして、封止用チップ14がない状態で使用しても良い。ただし、その場合、雰囲気に含まれる気体の濃度測定点の数及び工具6に対する相対位置を変更するためには、貫通孔11の位置を変更した工具6に交換する必要がある。
【0037】
(変形例2)
変形例2として、第2実施形態における取得口の配置例について図5を用いて説明する。図5は本発明における取得口の配置一例である。前述の変形例1では工具6が一つの部材であったのに対して、本変形例2では図5の(a)に示したように工具6Aと工具6Bの二つに分割されている。
【0038】
工具6Bには気体取得用チップ14をはめるための溝(凹状の穴)が設けられている。工具6Aと6Bは貫通孔11が、接触部分で繋がるように配置され、雰囲気の取得経路である取得ライン13の一部を形成している。図5の(d)もしくは図5の(e)に示したように、O−リング15を用いて接触部分の気密が保たれている。
【0039】
工具6A側は図5では不図示の移動ステージ4と、露光時に基板保持部材として用いられる基板チャックの固定方法と同様に固定されている。移動ステージ4と工具6Aとの相対位置は固定されている。一方、工具6Aと6Bの回転方向の相対位置は、O−リング接触部分を摺動させることで変更可能である。これにより、図5の(b)に示したように、移動ステージ4に対して工具6Bの相対位置を変更することで、移動ステージ4に対する雰囲気の取得口の相対位置を容易に変更することができる。
【0040】
本変形例2では、工具6Aと6Bの接触部の気密を保つためにO−リングを用いた場合を説明したが、必要に応じてゴムシールやメカニカルコンタクトを用いてもよい。また、摺動部にメカニカルベアリングやエアベアリング、マグネット浮上、グリース塗布といった摩擦低減機能材料を追加してもよい。
【0041】
図5の(c)は本変形例2における封止用チップ14の一例である。実施例1では封止用チップ14が矩形であったのに対し円形にすることで、任意の回転角度に濃度測定点7を移動することが可能である。この場合、封止用チップ14を嵌め込む溝(凹状の円形穴)の底面の構造も任意に設定した封止用チップ14の角度に依存しないで雰囲気を取り込める構成とする必要がある。図4の(c)〜(e)同様、貫通孔の数や配置を変更した複数種類の封止用チップ14を用いてよい。
【0042】
工具基板チャック6Aと6Bの相対位置や、工具6Bと封止用チップ14の相対位置を変更するために、駆動源を配置してもよい。駆動源としては超音波モータ、回転式モータ、鞭毛モータ、空圧式アクチュエータ、ピエゾアクチュエータなどが挙げられる。
【0043】
以上、2つの変形例として、封止用チップ14は矩形板もしくは円板で説明したが、封止用チップ14の形状は円錐形状でも、切欠や突起、位置決め用のピンが設けられていてもよい。
【0044】
〔第3実施形態〕
次に、図3に基づいて本発明の第3実施形態について説明する。図3は本発明の露光方法のフローチャートの一例である。本実施形態においては、前述の気体の測定器5による気体の濃度測定結果から、最適露光条件を算出して露光時間を変更することを特徴とする。
【0045】
図3に示した例においては、図3(a)に示したフローで事前に気体の濃度測定を行い、その結果に基づいて補正テーブルを作成した後、図3(b)に示したフローで実際の露光直前には補正テーブルに基づいたパラメータ調整のみを行う。これにより、「露光時に毎回気体の濃度測定を行う場合」と比較して、気体の濃度測定による露光装置のスループット低下を少なく抑えられる利点がある。本フローチャートは、コンピュータにより実行され、露光時に必要とされる露光量の取得する取得手段として機能する。
【0046】
本実施形態の露光量変更方法の説明のため、酸素濃度が高くなると露光感度が下がり、感光時間が長くなるレジストを使用する場合において、パラメータの一例とその効果を説明する。例えば、気体の濃度を測定した結果、酸素濃度が低いショットでは露光時間を短くして、酸素濃度が高いショットでは露光時間を長くすることで、各ショットでの感光度合いを揃えて各ショット間の倍率や形状ばらつきを小さくすることが可能となる。
【0047】
以上、ショット間での気体の濃度変化を代表例として説明したが、ショット内の気体の濃度変化や基板間の気体の濃度変化を対象として、本発明を適用しても有効である。
【0048】
〔第4実施形態〕
次に、図3に基づいて本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態においては、前述の気体の測定器5による気体の濃度測定結果から、最適露光条件を算出して照度分布を変更することを特徴とする。
【0049】
酸素濃度が高くなると露光感度が下がり、感光時間が長くなるレジストを使用する場合において、パラメータの一例とその効果を説明する。例えば、酸素濃度が低いショットでは照度を低くして、酸素濃度が高いショットでは照度を高くすることで、各ショットでの感光度合いを揃えて各ショット間の倍率や形状ばらつきを抑えることが可能となる。
【0050】
照度の変更手段としては、光源の照度変更や照度分布補正フィルタを作成して、光路途中に配置するといった手段がある。照度分布補正フィルタは、同時に露光される領域の一部に均一な補正フィルタを挿入して照度分布を補正することも、或いは同時に露光される領域の全体に照度分布を形成可能なフィルタを挿入しても良い。
【0051】
〔第5実施形態〕
次に、図3に基づいて本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態においては、前述の気体の測定器5による気体の濃度測定結果から、最適なスキャンスピードに変更することを特徴とする。
【0052】
酸素濃度が高くなると露光感度が下がり、感光時間が長くなるレジストを使用する場合において、パラメータの一例とその効果を説明する。例えば、一つの露光ショットの露光開始直後は酸素濃度が低く、露光終了直前は酸素濃度が高い場合、補正を行わずに露光するとショット露光の開始直後は終了直前と比較して感光しやすいため線幅が太る傾向となる。このため、補正をしない場合はディスト―ションが発生する。それに対して、ショット露光の開始直後はスキャンスピードを速くして、ショット終了直前はスキャンスピードを遅くする補正を行うことで、ショット内の感光度合いを揃えて、ディスト―ションの発生量を小さくすることが可能となる。
【0053】
図3を用いた第3〜第5実施形態の説明では、事前に気体の濃度測定と補正テーブル作成行った後、露光直前には補正テーブルに基づいたパラメータ調整のみを行う例を説明したが、気体の濃度測定を露光直前に毎回行う場合でも本発明は有効である。この場合、気体の濃度分布の再現性がない環境でも露光直前の濃度分布に基づいた補正が行えるため、補正精度が高くなるという利点がある。
【0054】
つまり、第3実施形態、第4実施形態、第5実施形態はいずれも露光時に露光される露光基板上の複数の位置において、露光に必要とされる露光量に関する情報を生成し、基板の露光を実行することについて詳述したものである。まとめると、露光量の変更手段として、光源そのものの位置を移動させるなどの照度変更、或いは、照度分布補正フィルタ、スキャンスピードによる露光量の制御を例示したものであるが、これに限られるものではない。
【0055】
〔第6実施形態〕
図6を用いて補正テーブルの設定と、露光装置の露光動作について詳細に説明する。図3では例示的に補正テーブルの作成とそれに伴う露光動作について概要のみ示したが、ここでは各ステップで行われる露光装置の動作、制御について詳細に説明する。図6のフローチャートの処理は、図3のフローとは少し異なるが本質的には同等のものである。図6のフローチャートも図3のフローチャート同様に露光装置内にあるマイコン、或いは露光装置に各種設定を行うために外付けのコンピュータにおいて適宜指令コマンドなどで露光装置を制御しながら実行されるプログラムとして構成される。
【0056】
図6(a)に示すフローチャートにより、実際のウエハ露光前に気体の濃度測定を行い、ウエハ露光に必要な補正テーブルを作成する。まず、ステップS601において、不図示の気体の供給手段を用いて、所定の気体(例えば、窒素など)を所定量だけ投影光学系1と移動ステージ4の間の空間に供給する。より詳細には第1実施形態なら基板2と投影光学系1の間の空間であり、また第2実施形態であれば工具6と投影光学系1の間の空間に所定の気体が供給される。これは所定の気体単体として供給しても良いし、所定の気体の濃度が分かっている混合気体として供給しても良い。
【0057】
そして、ステップS602では、移動ステージ4を移動させることにより、移動ステージ上に一体的に設けられた取得口が、気体の濃度を測定したい所望の位置に位置決めされる。ステップS603で、取得口から取得用ライン13を介して投影光学系1と移動ステージ4の間の所定の気体を含む雰囲気を取得する。ステップS604では、取得した雰囲気に含まれる気体の濃度が測定器5にて測定され、測定結果の値が上述のマイコン或いはコンピュータと連携する不図示の記憶手段に記憶される。
【0058】
そして、ステップS602〜S604が、必要な測定点の数(N箇所)だけ繰り返される。ここでは、所定の気体として例示した窒素の濃度を測定器5で測定しても良いし、雰囲気中に窒素を供給することで減少したはずの酸素の濃度を測定しても良い。
【0059】
ステップS605では、計測された気体の濃度が、設定されている規程の濃度の範囲に入っているかを判定する。ここでは、ステップS604で測定された各測定点の測定結果が、上述のコンピュータと連携する記憶手段に記憶された測定点毎の規程の濃度の範囲に入っているかを値の比較を行って判定している。ステップS605で、規程の濃度の範囲に入っていないと判定された場合は、ステップS601に戻り、気体の供給手段により更に所定の気体を供給して上述の動作を繰り返す。
【0060】
ステップS605で、ステップS604で測定した各測定点の測定結果が、記憶手段に記憶されている規程の濃度の範囲に入っていると判定された場合には、ステップS606で露光に必要な露光量を演算にて取得する。ステップS606では、ステップS604で測定された値に対して最適な露光量を求めるものである。そしてステップS607では、S606で求めた露光量に対して最適化された露光時間と最適化された照度分布を演算により求める。上述の第3、第4実施形態で説明したのと同じ考え方で露光時間、照度分布を求めるものである。そして、ステップS608において、補正テーブルとして、各ショット位置について露光時間、照度、スキャンスピードの情報を記憶手段に記憶するものである。ここでは各ショット内(ショット内の位置毎)の照度、照度分布の補正フィルタの情報が同時に作成されて、記憶されている。スキャンスピードについては上述の第5実施例の考え方が適用できる。
【0061】
実際のウエハ露光については、図6(b)に示すフローチャートのステップS611〜S614に基づいて実行される。まず、ステップS611では、ウエハ搬送など必要な露光準備を開始する。そして、ステップS612では、図6(a)のステップS608で作成した照度分布の補正フィルタの情報に基づき、照度分布の補正フィルタを交換する。そして、ステップS613では、ステップS608で作成した補正テーブルの情報に基づきウエハ露光に必要な露光制御パラメータを設定する。ここでは、露光時間、スキャンスピード等のパラメータを設定する。ステップS613では、さらに補正テーブルを作成するまで(ステップS605でYesと判定されるまで)に供給した所定の気体の量の情報に基づく気体の供給を開始する。そして、ステップS614でウエハ露光を開始する。
【0062】
〔第7実施形態〕
図7は本発明の第7実施形態の投影光学系1と基板2或いは工具6の間の空間に存在する雰囲気に含まれる特定の気体の濃度を調整するために、その空間に所定の気体を供給する供給手段の模式図である。ここで、例えば、特定の気体とは酸素であり、所定の気体とは大気よりも酸素濃度が低く窒素濃度の高い気体である。つまり、大気と同じ状態にあった投影光学系1と基板2或いは工具6の間の空間の雰囲気に含まれる酸素濃度を下げるために、供給手段により大気よりも窒素を多く含む(酸素の少ない)気体を所定の気体として供給手段で供給するものである。例示的に、濃度を下げたい気体として酸素を、そして供給する所定の気体に多く含まれる気体として窒素を挙げたが、これに限定されるものではない。投影光学系1と基板2或いは工具6の間の空間の雰囲気に含まれる特定の気体の濃度を増やしたい場合には、逆に特定の気体の濃度が高い所定の気体を供給することになる。
【0063】
供給手段は、供給する所定の気体の供給量を変えるための気体の流量を制御する流量制御器や、供給する気体の酸素濃度を測定する測定手段を含んでいる。供給手段は、例えば、酸素濃度の異なる2種類の気体(気体Aおよび気体B)を混合して、投影光学系1と基板2の間の空間に供給するものである。基板2上或いは工具6上の酸素という特定の気体の濃度を大気よりも下げたい場合には、前述の2種類の気体の少なくとも一つは大気に含まれる酸素濃度よりも低い酸素濃度の気体となる。測定手段は、測定器5、供給する気体の取得経路である取得用ライン18などを含んでいる。
【0064】
2つの気体が混合される箇所から投影光学系1と基板2の間の空間までの供給経路中の気体は、取得用ライン18を開栓して測定器5に吸気することで混合気体の酸素濃度の情報(酸素濃度値)を取得することが可能となっている。ここでは測定器5で濃度測定を行うように説明したが、測定器5とは異なる測定器を別途設けて測定しても良い。また、混合気体A、Bが例えば、ほぼ窒素と酸素からなる場合、酸素濃度でなく窒素濃度を測定器5で測ることで、酸素濃度を得ることも可能である。
【0065】
供給経路の任意の位置から常時混合気体を測定器5に導いて酸素濃度の測定を行い、その値に基づき供給する混合気体の酸素濃度が所望の目標値になるよう流量制御器17Aおよび17Bによって気体Aおよび気体Bの流量が制御される。例えば、現在の目標値に、基板2上で取得した雰囲気に含まれる酸素濃度値と取得用ライン18から取得した気体の酸素濃度値の差分を加算して、新たな目標値とする。そして、新たな目標値で気体の流量制御を行う。この目標値の更新を繰り返すことで結果的に基板上での酸素濃度を所望の酸素濃度に設定可能となっている。
【0066】
また、投影光学系1と基板2の間の空間は、不図示の囲いである隔壁で覆われていてもよく、供給経路中の気体の吸気位置は囲い隔壁に配置されていてもよい。隔壁は、投影光学系1と基板2の間の空間に供給した気体が溜まり易い環境を作れれば良く、必ずしも完全に周囲の空間と分離する必要はない。完全に周囲の空間と分離するような隔壁の場合には、供給気体と既に存在する気体との置換のために排気手段が必要になる。そのため、投影光学系1と基板2の間の空間とその周囲の空間は隔壁のどこかで連通していることが望ましい。図7では2種類の気体を混合しているが、供給する気体は3種類以上の混合気体を使用してもよい。また、流量制御器は1種類の気体の供給経路にのみ(例えば気体A)に配置されていてもよい。
【0067】
図8は本発明の酸素濃度調整方法のフローチャートの一例である。図8に示した例においては、図8(a)のフローチャートで事前に基板上の雰囲気の濃度測定を行い、その結果に基づいて酸素濃度の設定値に対する流量オフセット等の補正テーブルを作成する。その後、図8(b)に示したフローで実際の露光直前には補正テーブルに基づいたパラメータ調整のみを行う。これにより、「露光時に毎回気体の濃度測定を行う場合」と比較して、気体の濃度測定による露光装置のスループット低下を少なく抑えられる利点がある。露光の際の望ましい酸素濃度が異なるレジストを使う場合は露光中の酸素濃度の設定濃度が異なることになる。本実施形態は、基板上の酸素濃度と、気体の供給経路中の酸素濃度の差が酸素濃度設定値毎に異なっていた場合に特に有効である。
【0068】
以下、図8(a)のフローチャートについて詳述する。本フローチャートも、図3、図6のフローチャート同様に露光装置内にあるマイコン、或いは露光装置に各種設定を行うために外付けのコンピュータにおいて露光装置を制御しながら実行されるプログラムとして構成される。ステップS801は気体を取得する取得口を異動させるステップである。すなわち移動ステージ4を駆動することにより、上述の複数の実施形態で述べたような複数ある取得口の一つ或いはそれぞれを所望の位置に移動させて気体濃度の測定の準備を行う。
【0069】
そして、ステップS802で投影光学系1と基板2(または工具6)の間の空間(特に基板2)における酸素濃度値、供給する気体の気体濃度値(例えば、酸素濃度値)を設定する。例えば、供給する所定の気体が、窒素と酸素の混合気体であった場合には、酸素濃度値でなく、窒素濃度値で設定しても良い。その場合、測定器5で測定する濃度値も窒素の濃度としても良い。大気のように大部分が窒素と酸素からなる場合など、気体の成分がほぼ2つで、割合(濃度)がはっきり分かっている場合には、そのどちらかを計測対象としても他方の含まれる割合はほぼ正確に分かる。ステップS803では、設定された気体濃度値に対しての気体流量を決定し、ステップS804において、流量制御器17を用いて気体供給を開始する。そして、ステップS805で、取得口から基板2上の気体を取得し、ステップS806で取得した気体の気体濃度を測定器5にて測定する。
【0070】
さらに、ステップS807において、ステップS802で設定した基板2上或いは工具6上の気体濃度値の条件を満足するか判定する。気体濃度値は幅を持って設定されるか或いは設定された値に対して所定の幅を持っていても良い。
【0071】
ステップS807で条件を満足しない(No)の場合には、ステップS808にて、流量オフセットを入力して、流量を変えて気体を供給することになる。流量オフセットは現在供給している気体の流量に対して、基板2上或いは工具6上の酸素濃度を所望の濃度にするために変化させる増減分である。また、一種類の気体ではなく、複数の気体を混ぜた混合気体の場合には、現状の流量からのそれぞれの流量増減分であっても良いし、どちらか一方を基準とした場合には他方はそれに対しての差分として入力されても良い。この流量オフセットは、基板2上或いは工具6上の測定された酸素濃度と流量の関係から作成された不図示の記憶手段に記憶された増減の値のテーブルを参照して自動で設定される。或いは、露光装置に付随するコンピュータの表示画面に、測定された酸素濃度、現在の流量などを示した流量の入力を促す表示画面を提供(表示)し、それにより操作者が入力することでも実現できる。S807の条件が満足し、必要な酸素濃度の数が終了するまでステップS802〜S808を繰り返す(N回)。
【0072】
ステップS807で条件を満足する(Yes)の場合には、補正テーブルとして酸素濃度値と流量オフセットを設定する(ステップS809)。ここでは、例えば、ステップS802で設定した値と、ステップS8033で設定された気体流量である。特に、混合気体を供給する場合には、それぞれの気体の流量として設定された値となる。ここでは、
図8(b)のフローチャートでは、まず、ステップS811で露光準備を開始する。次に、ステップS812では、流量制御器17によって設定された補正テーブルに基づき基板2上、或いは工具6上への気体供給を開始して、ステップS809で作成した補正テーブルに基づいた流量制御を行う。そして、ステップS813で露光を開始する。
【0073】
〔デバイス製造方法〕
次に、上述の露光装置を利用した半導体集積回路素子、液晶表示素子等のデバイス製造方法を例示的に説明する。デバイスは、前述の露光装置を用いて基板を露光する露光工程と、露光工程で露光された基板を現像する現像工程と、現像工程で現像された基板を加工する他の周知の工程とを経ることによって製造される。他の周知の工程は、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング工程などである。
【0074】
前述の本発明の第1〜7実施形態及び変形例1、2を組み合わせて適用しても、本発明は有効である。
【0075】
本発明は、カラーフィルターなどの製造工程において、露光量を下げるために低酸素状態で露光をする必要がある場合に、窒素など不活性ガスをレジストに吹き付けて露光するので、特に有用である。カラーレジストであっても、青色レジストと緑色レジストと赤色レジストとでは、露光の際の望ましい酸素濃度が異なっているためそれらの計測を予め行って補正テーブルとして作成しておくことも非常に有効に機能する。
【0076】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
【符号の説明】
【0077】
1 投影光学系
2 基板
3 基板チャック
4 移動ステージ
5 測定器
6 工具
7A〜D 濃度測定点
9 基板吸着用ライン
10 基板チャックの吸着用ライン
11 貫通孔
13 雰囲気の取得用ライン(取得経路)
14 封止用チップ
15 O−リング
17A〜B 流量制御器
18 供給経路中の気体の取得用ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
露光光により照明された原版に形成されているパターンを、投影光学系を介して基板上に露光する露光装置であって、
露光時には前記基板を保持して水平方向に移動する移動ステージと、
前記移動ステージと前記投影光学系の間に所定の気体を供給する供給手段と、
前記移動ステージと前記投影光学系の間から取得された雰囲気を、前記雰囲気中の気体の濃度の測定をする測定器へ導く取得経路とを有し、
前記取得経路の端部に配置され、前記雰囲気を取得する取得口は、前記移動ステージと共に移動することを特徴とする露光装置。
【請求項2】
前記取得経路は前記移動ステージに形成された貫通孔を含むことを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項3】
前記取得経路には前記移動ステージに保持される工具に設けられた貫通孔を含み、前記取得口は前記工具に設けられた貫通孔の端部であり、投影光学系と対向する面に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の露光装置。
【請求項4】
前記移動ステージに形成された貫通孔は、露光時に前記基板を保持するために前記移動ステージに形成された基板を吸着するための吸着孔であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の露光装置。
【請求項5】
前記工具の前記投影光学系に対向する面の高さが、露光時に使用する基板の露光面の高さとなることを特徴とする請求項4に記載の露光装置。
【請求項6】
前記気体の測定器による測定結果に基づいて、露光時に基板上の複数の位置の露光に必要とされる露光量に関する情報を取得する露光量の取得手段を有し、前記露光量の取得手段により取得された露光量に関する情報に基づいて露光量を制御して露光することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の露光装置。
【請求項7】
前記露光量の制御として、光源の照度変更、照度分布補正フィルタの挿入、スキャンスピードの変更を実行することを特徴とする請求項6に記載の露光装置。
【請求項8】
前記測定器は前記取得口から取得した前記雰囲気に含まれる特定の気体の濃度を測定するものであって、
前記供給手段は、移動ステージと前記投影光学系の間へ前記所定の気体を供給するための供給経路を含み、
さらに、前記供給経路から前記所定の気体を取得して前記所定の気体に含まれている気体の濃度を測定する測定手段と、
前記測定器で測定した前記取得口から取得した前記雰囲気に含まれる前記特定の気体の濃度と、前記測定手段で測定した前記所定の気体に含まれる気体の濃度に基づいて前記所定の気体の供給量を調整する調整手段を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の露光装置。
【請求項9】
前記供給気体は特定の気体の濃度の異なる2種類の気体であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の露光装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の露光装置を用いて基板を露光する工程と、
前記露光された基板を現像する工程と、を備えることを特徴とするデバイス製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−109553(P2012−109553A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231891(P2011−231891)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】