説明

頑丈な包装積層材、包装積層材を製造する方法、及び、それから製造された包装容器

貫通孔、開口部又はスリット11aを備えた紙又は厚紙製のコア層11と、包装積層材10aの最も外側の面上に設けられたヒート・シール可能な熱可塑性材料製の第1の層と、包装積層材の最も内側の面上に設けられたヒート・シール可能な熱可塑性材料製の第2の層13と、コア層11と最も内側の熱可塑性層13との間に設けられた1つ又は複数のバリア層14とを備え、熱可塑性材料層12、13、及び、バリア層14の全ては、前記孔Haの領域内で相互に積層されて、バリア層と熱可塑性材料層との膜を形成する、包装積層材10a。包装積層材を製造する方法、及び、包装積層材から製作された包装容器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貫通孔、開口部又はスリットを備えた紙又は厚紙製のコア層と、包装積層材の最も外側の面上に設けられたヒート・シール可能な熱可塑性材料製の第1の層と、包装積層材の他方の最も内側の面上に設けられたヒート・シール可能な熱可塑性材料製の第2の層と、コア層と最も内側の熱可塑性層との間に設けられた1つ又は複数のバリア層とを備え、熱可塑性材料層、及び、バリア層の全ては、コア層の貫通孔、開口部又はスリットの領域を含む積層材全面に広がり、前記孔の領域内で相互に全て積層されて、バリア層と熱可塑性材料層との膜を形成する、包装積層材に関する。本発明はまた、包装積層材を製造する方法、及び、包装積層材から製作された包装容器に関する。
【背景技術】
【0002】
液体食品用の単回使用使い捨て型の包装容器は、板紙又は厚紙をベースにした包装積層材からしばしば製作される。そのような一般に存在する包装容器の1つは、Tetra Brik Aseptic(登録商標)という商標で販売されており、主に、長期間の周囲環境での保存用に販売される牛乳、フルーツジュース等の液体食品の無菌包装のために採用される。この知られた包装容器の包装材料は、典型的には、紙又は板紙製の本体コア層と、熱可塑性材製の外側の液密層とを備える積層材である。例えば、無菌包装、及び、牛乳又はフルーツジュースの包装を目的として、包装容器を気密、特に酸素気密にするために、これらの包装容器の積層材は、一般的に少なくとも1つの追加的層を備え、最も一般的にはアルミホイルを備え、それらは、更に包装材料を誘導加熱シールによる加熱シールを可能にする。この誘導加熱シールは、容器の製造中に機械的に強い、液密性及び気密性の接合又は継目を得るための迅速で効率的なシール技術である。
【0003】
積層材の内側、すなわち、積層材から製造される容器の充填された食品内容物に面することを意図される側に、アルミホイル上に設けられた最も内側の熱可塑性ヒート・シール層があり、その最も内側の層は、ヒート・シール可能な接着性ポリマー、及び/又は、ポリオレフィンを備える1つ又は複数の部分層から成り得る。最も一般的には、ヒート・シール可能な熱可塑性ポリマーは、低密度ポリエチレンであり、それは通常、ヒート・シール、及び、包装体の充填された内容物に対する湿気及び液体バリアの機能のための適切な特性を有する。また、コア層の外側面上に最も外側のヒート・シール可能なポリマー層が存在する。
【0004】
最も内側又は内側の層は、積層材から形成される包装容器の内側に面する包装積層材の側に設けられ、充填された包装容器の充填された内容物と接触するであろう層を意味する。
【0005】
包装容器は一般に、包装材料のウエブ又は成形済みブランクから作られる包装体を形成、充填及びシールするタイプの最新の高速包装機械によって製造される。そのように、包装容器は、積層された包装材料のウエブを、ウエブの縦方向の両方の縁部を相互に重ね合わせて、最も内側と、最も外側のヒート・シール可能な熱可塑性ポリマー層を一緒に融着することによって接合してチューブに再形成することによって製造される。チューブは、意図された液体食品が充填され、その後、チューブ内の内容物のレベルの下方で、相互から所定距離で繰り返し横方向にシールすることによって、個々の包装体に分割される。包装体は、横方向のシールに沿って切断することによって分離され、材料の用意された折り目に沿って折り畳むことにより、通常平行六面体である、所望の幾何学的構成が与えられる。
【0006】
この連続するチューブ形成、充填及びシールの包装方法の考え方の主な利点は、ウエブがチューブ形成の直前に連続的に減菌でき、その結果無菌包装法が可能になることである。すなわち、その方法において、充填される液体内容物と同様に包装材料自体はバクテリアが減少し、充填された包装容器は清浄な環境下で製造され、その結果、充填された包装体は、充填された製品内で微生物が増殖する危険性を伴わずに、大気温度であっても長期間貯蔵できる。Tetra Brik(登録商標)型の包装方法の他の重要な一利点は、上記のように、費用効率に著しい影響を及ぼす、連続的高速包装が可能なことである。
【0007】
消費者の視点から、包装容器は、取扱いが容易で、包装の内容物を出す時が来た場合、開口が容易であることが望ましく、この必要性を満たすために、包装容器にはしばしば何らかのタイプの開口手段が設けられ、それを用いることによって、鋏又は他の器具を利用する必要なく、包装容器を容易に開けることができる。
【0008】
このような包装容器の、一般に存在する開口手段は、包装体壁のコア層に開けられた孔を含み、この孔は、包装体壁の内側と外側で、包装体壁のそれぞれの最も外側及び最も内側の層によって覆われ、それらは貫通孔の開口輪郭の領域内で相互にシールされ、その結果、板紙ではない層の膜を形成する。従来技術の開口手段の一実例は、別個のプルタブ又は開口ストリップを有し、それは、孔を覆って設けられ、孔の開口輪郭全体の周囲のシール接合部に沿って、包装体壁の外側の層に破裂可能にシールされ、同時に孔の開口輪郭内の領域で外側の層に永久的にシールされる。
【0009】
より進んだ開口手段において、注ぎ口及び再シールのためのねじ蓋を有する、通常、成形プラスチック製の開口具が、孔及び孔の周囲の領域上に設けられる。この開口具は、プッシュダウン又はスクリュダウンの動きにより孔領域内の膜を貫通又は除去するように設計されているか、又は、代替的に、開口具のスクリュアップ及び/又はプルアップの動きにより膜を除去するように設計されている。後者の種類の開口具において、開口具のねじ部分の内側が、包装体壁から上方にねじ上げられる場合、包装体から充填された内容物を注ぐための実質的に美しく切断された孔を残して、膜がねじ部分と共に持ち上げられ、孔の縁部から引き裂かれるように、孔の膜に接着される。
【0010】
より進んだ開口手段の更なる実例には切断機能を伴うものがある。すなわち、それは、開口するために開口コルクが捩られる場合、孔膜内の材料を貫通して切断するように押し付けられる、鋭い縁部又は先端等の突起部分を有する。
【0011】
任意のそのような開口手段が効率的及び便利に機能するための前提条件は、開口作業中、膜の層にスクリュダウン及び/又はプルダウン/プッシュアップの力、又は、切断力が作用するときに、それが剥離しないような適切な接着力が別々の膜の層の間にあることである。
【0012】
アルミホイルと膜の熱可塑性層とを一緒に積層する場合、孔の領域と孔の外側の領域との間に積層の合計の厚さに差が生じるため、孔の領域内にそのような適切な接着を得ることは一般的に困難である。積層された層のウエブが、積層形成位置で加圧ニップを通過する際、層は、加圧ロール及び冷却されたシリンダによって相互に加圧接着される。孔又はスリットによって画定される領域内で、加圧ニップは、必要な接着を達成するのに充分に層を一緒に加圧することができない。
【0013】
このように、コア層の厚さ変化によって、通常アルミホイルである比較的薄いバリア層は、孔によって画定される領域全体で、周囲の熱可塑性材製の層に対して加圧されず、充分良好に接着されない場合がある。それは、空気が孔の縁部に隣接して取り込まれる恐れがあることを意味する。また、膜積層内の層の材料は積層形成ステップにおける熱負荷に対して安定ではなく、すなわち、加熱された場合、層は、それらの寸法を保つのに充分に熱機械的に安定ではないため、膜の層に破裂、裂け目及び他の損傷が生じるだろう。
【0014】
これはバリア層に、包装容器の気密性を損なう原因となる恐れがある断裂形成又は裂け目が存在する場合があることを意味する。結果的に、包装された食品の色、味覚及び栄養価が劣化する場合がある。更に、包装体の一体性が損なわれる恐れがある。
【0015】
空気混入はまた、包装体を開口する性能を制限し、並びに/又は、貫通する場合に美しく切断することを不可能にし、ほつれた縁部の形成をもたらして、孔又はスリットにおけるバリア層及びポリマー・フィルムから成る膜を引裂き又は貫通することを困難にする結果となる。
【0016】
これらの問題の全ては、原材料から積層された包装材料ウエブに加工する速度が増すにしたがって、より顕著になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、本発明の目的は、上記の問題を克服又は軽減することである。
【0018】
本発明の目的の1つは、積層間、及び、コア層の孔の領域内に良好な接着及び一体性を有する、穴開けされた孔、開口部又はスリットを備えるコア層を有する頑丈な包装積層材を提供することである。良好な一体性を有することは、材料が、裂け目及び損傷なく、実質的に完全であり、その結果、完全でなければ積層された材料を貫通して移動する恐れがある液体及び気体を密封することを意味する。
【0019】
更なる本発明の目的は、積層間、及び、コア層の孔の領域内に良好な接着及び一体性を有する、穴開けされた孔、開口部又はスリットを備えるコア層を有する、費用効率が高く頑丈な包装積層材を提供することである。費用効率は、包装積層材の材料層の秤量の削減を実現することによって主に得られる。しかし、また、包装積層材を製造する加工速度の上昇の実現によって、並びに、より安定で堅牢な包装材料製造工程では廃棄材料がより少ないために費用効率は向上する。
【課題を解決するための手段】
【0020】
これらの目的は、本発明によると、貫通孔、開口部又はスリットを備えた紙又は厚紙製のコア層と、包装積層材の最も外側に設けられたヒート・シール可能な熱可塑性材料製の第1の層と、包装積層材の他方の最も内側に設けられたヒート・シール可能な熱可塑性材料製の第2の層と、コア層と最も内側の熱可塑性層との間に設けられた1つ又は複数のバリア層とを備え、熱可塑性材料層、及び、バリア層の全ては、コア層の貫通孔、開口部又はスリットの領域を含む積層材全面に広がり、前記孔の領域内で相互に全て積層されて、バリア層と熱可塑性材料層との膜を形成する、包装積層材であって、更に、コア層と第2の最も内側の熱可塑性材料層との間に第1の追加的安定化紙層を備え、その追加的紙層はまた、頑丈な膜が孔の領域内に形成されるように積層材全面に広がり、膜はまた、前記追加的安定化紙を備える、包装積層材によって達成される。
【0021】
頑丈で熱機械的に安定な孔膜はまた、積層材が熱及び機械的応力に晒される恐れがある充填機において包装積層材を扱い、充填される包装容器に加工する場合に有利である。
【0022】
本発明の重要な一実施例において、バリア層はアルミホイルを備える。したがって、本発明は今日一般的に使用されるホイルを基材とする液体厚紙包装積層材の頑丈さを向上させる。孔の領域内に形成される膜は、膜にも紙層を含むことによってより強く、寸法的に安定的で、頑丈で、確実になる。そのような膜構造内に存在する強い層により開口性が悪くなるような場合、第1の薄い安定化紙は、最も外側のヒート・シール可能な熱可塑性ポリマー層が積層材上に設けられる前後に、引裂き又は切断開口を容易にするために、孔領域内で穿孔又は細長く切断できる。したがって、そのような穿孔は、積層材の外側からアルミホイル製の層まで切り込む、レーザ部分穿孔によって行われる。そのようにして、包装積層材は、第1の内側安定化紙を貫通するが、アルミホイルを貫通せずに穿孔切断された、板紙の孔の領域内に穿孔切断部を有することを特徴とすることができる。
【0023】
代替的に、積層材の全ての層は、加工操作を安定にするために一緒に積層でき、続いて、孔膜の開口を非常に容易にするために、アルミホイル等のバリア層に至るまでの外側の熱可塑性層及び積層材の層は、切除及び除去される。そのような場合、板紙に切断された孔の剥き出しの縁部に湿気又は汚れが達することを防止するために、包装容器の外側を液密材料製のパッチによって覆わなくてはならない。
【0024】
代替的実施例において、バリア層が非ホイル材料を含み、該非ホイル材料は追加的安定化紙層上に設けられるか又は被覆される。そのような非ホイル・バリア材料は、バリア特性を有する、例えばポリマー又はポリマー組成物を含むことができ、任意の適切な方法、しかし、好ましくは、水性分散液又はポリマーの溶液を含む液体フィルム被覆によって、又は、他のガス・バリア被覆によって設けることができる。
【0025】
更なる実施例によると、アルミホイル・バリアは、PVOHの薄い被覆のような、第1の安定化紙層上に被覆される非ホイル・バリアと組み合わせることができる。
【0026】
第1の安定化紙層の内側において、紙層と最も内側のヒート・シール可能な層との間に、必要に応じて、更なるバリア層を備えることができる。
【0027】
一実施例によると、安定化紙層は、より柔らかい紙のコア層と、コア層の外側に第2の外側の追加的安定化紙層とを備える紙のサンドイッチ構造の一部分である。その厚さに対して比較的低い剛性を有する中間スペーサ層と、両側にその厚さに対して比較的高い剛性(高いヤング率)を有する薄いフランジ状の紙層とのサンドイッチ構造を採用することによって、費用効率がより高く、資源をより少なく消費する包装積層材が製造できる。そのようなサンドイッチ構造によって使用される紙の量は、極めて少なくできる。
【0028】
更に、サンドイッチ構造は、内側及び外側の積層が並行して個別に予め製作され、次いで、一緒に積層され、その結果、後で材料に目印を付ける機会をより多くすることができる加工モデルを可能にする。これは、第2の外側の安定化層の外側への印刷装飾、又は、第1の安定化層の内側の層のバリア特性をより迅速に変更し、その結果、積層製造を様々な顧客の注文により良好に適応させることが容易であることを意味する。このように予め製作された外側は、本体及び内側の層にそれを更に積層する前に、穴開け/切断された孔を設けられた印刷された板紙から製作される。
【0029】
更に、並行加工モデルは、さほど多くの高圧の積層形成ニップに紙の本体層又はコア層を晒さないので、コア紙層の構造に対してより過酷ではなく、そのため、製造される包装積層材の全体の剛性の劣化は少なくなる。結果的に、より少量の紙材料によって同じ剛性が維持できる。
【0030】
一実施例によると、第1の追加的安定化紙層は20〜100g/m、好ましくは20〜70g/m、更に好ましくは30〜50g/mの面重量を有する。随意の第2の追加的安定化紙層も適切に20〜100g/m、好ましくは20〜70g/m、更に好ましくは30〜50g/mの面重量を有する。
【0031】
2つ又は3つ以上の紙層から製作されるサンドイッチ構造を有する包装積層材において、第1の安定化層の剛性及び他の特性は、コア層又は本体層、及び、適応可能な場合には外側の安定化紙層の対応する特性と均衡を取るべきである。
【0032】
本発明の他の一態様によると、開口孔の領域内にも良好な強度と一体を有する、本発明の包装積層材から製造された費用効率が高い包装容器が提供される。
【0033】
本発明の更なる一態様によると、孔、開口部又はスリットを備えた紙又は厚紙製のコア層のウエブを設けるステップと、包装積層材の外側に溶融押出しによって第1の最も外側のヒート・シール可能な熱可塑性材料製の層を被覆又は積層し、その結果最も外側の層がまた孔を覆うステップと、コア層の内側に追加的安定化紙層のウエブを設けるステップと、コア層の内側に少なくとも1つのバリア層を設けるステップと、包装積層材の最も内側に第2の最も内側のヒート・シール可能な熱可塑性材料製の層を設けるステップと、前記追加的安定化紙層、前記少なくとも1つのバリア層、及び、前記最も内側のヒート・シール可能な熱可塑性材料製の層を相互に且つコア層に積層し、その結果、コア層の内側に積層された全ての層が積層されたウエブ全面に広がり、コア層の孔の領域内で相互に且つ第1の最も外側のヒート・シール可能な熱可塑性材料製の層に接着して積層され、その結果、孔又はスリットの領域内で、コア層の内側の層が、最も外側のヒート・シール可能な熱可塑性材料層と一緒に、気体及び液体の透過性が削減された頑丈な積層された膜を形成するステップとを備える独立請求項10に記載の包装積層材を製造する方法が提供される。
【0034】
方法の一実施例のよると、コア層の内側に層を積層するステップが、ヒート・シール可能な熱可塑性接着性材料製の層に追加的安定化紙層を積層するステップと、そのようにして得られた熱可塑性物質で被覆された紙層を、予め製造される内側の部分的積層を形成するように、任意の更なる内側の層に積層するステップと、コア層の各側の熱可塑性材料層が孔の領域内で相互にシールされるように、熱可塑性材料製の中間層を設けることによって、予め製造される内側の部分的積層の追加的安定化紙層の外側にコア層の他方の内側を積層するステップとを備える。次に、一実施例のよると、バリア層が、加熱加圧積層形成によって安定化紙層の熱可塑性物質で被覆された側に積層されるアルミホイルであって、それは、アルミホイルの他方の側に最も内側のヒート・シール可能な熱可塑性材料層を同時押出し被覆又は押出し積層することによる熱を使用する。
【0035】
他の一実施例によると、バリア層が、予め被覆するステップで第1の追加的安定化紙層上に被覆され、そのバリアで被覆された紙層が、続いて、予め積層された内側又はコア層に積層される。
【0036】
本発明の別の一実施例によると、第1の安定化紙層が、コア層の外側に柔らかい紙層及び第2の追加的安定化紙層の中間コア層を備える紙のサンドイッチ構造の部分を形成するステップを有し、本方法は、柔らかいコア層のウエブに第2の追加的紙層のウエブを積層し、続いて、その結果得られた予め積層された紙のウエブに貫通孔、開口部又はスリットを設ける最初のステップと、その後、積層材の内側の層に更に積層する任意のステップとを更に備える。
【0037】
膜内の層の間の接着、及び、層の間の空気の取込みの問題は、これまで、円筒状のジャケット表面を伴う金属コアを備える圧搾ローラによって許容レベルまで削減されてきた。そのジャケット表面は、第1の硬度及び第1の厚さを有する弾性材料から成る内側仕上げ層に面し、内側仕上げ層の外側に、弾性材料から成る外側仕上げ層が配置され、第2の硬度及び第2の厚さを有する。第1の硬度は第2の硬度より高く、第1の厚さは第2の厚さより厚い。
【0038】
外側仕上げ層の硬度が低いために、コア層、アルミホイル及びポリマー層が加圧ニップを通過するとき、コア層内の孔領域に所望のめり込みが達成され、同時に、外側のより柔らかい仕上げ層の厚さが薄いために、加圧ニップ長が感知可能なほどには広がらない結果となる。これは、高い線荷重を依然保持しながら、加圧ニップに所望の圧力を維持できることを意味する。
【0039】
しかし、加工ライン速度が上がると、そのように適応された積層形成圧搾ローラの使用は、包装積層材の積層された孔領域の周囲の欠陥及び損傷を許容可能なレベルに保つには不充分な場合がある。
【0040】
本発明の更なる利点及び好ましい特徴が、添付図面を参照して、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1a】積層された包装材料の断面図である。
【図1b】積層された包装材料の断面図である。
【図1c】積層された包装材料の断面図である。
【図2a−1】図1aに示された積層された包装材料の製造方法の実施例の概略図である。
【図2a−2】図1aに示された積層された包装材料の製造方法の実施例の概略図である。
【図2b−1】図1bに示された包装積層材の製造方法の実施例の図である。
【図2b−2】図1bに示された包装積層材の製造方法の実施例の図である。
【図2c】図1cの包装積層材を製造する方法の一実施例の図である。
【図3】本発明の包装積層材が適する開口手段の一実施例の概略図である。
【図4】本発明による積層された包装材料から製作される、図3に例示されるような開口手段を備えた、形状が安定で且つ耐久性がある包装容器の遠近画法による側面図である。
【図5】連続する成形、充填及びシール工程において、包装容器が包装積層材から製造される手段の原理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1aを参照すると、本発明の包装積層材10aは、外形的に硬質であるが、折り畳み可能な板紙又は厚紙であるコア層11を含む。コア層11は、包装積層材から製造される包装体に開口手段を設ける目的のために貫通孔、開口部又はスリット11aを設けられる。積層材から製作される包装体の外側、すなわち、コア層11の充填された食品から外側に離れた側に、第1の外側のヒート・シール可能な熱可塑性物質層12が設けられ、それはまた、コア層の外側に液体及び湿気バリアを提供する。外側の熱可塑性層は、約10〜20g/m、好ましくは12〜18g/mの量で設けられることが好ましく、具体的には低密度ポリエチレン(LDPE)等のポリエチレンである。
【0043】
コア層11の、積層材から製作される包装体の内側に、追加的安定化紙層15が積層される。安定化紙15は、好ましくはLDPE等の低密度ポリエチレンである熱可塑性物質製の中間接着層16によってアルミホイル製のガス・バリア層14に最初に積層される。中間接着層16は、使用される積層技術によって、約2〜30g/mの量で設けられる。押出し積層形成において、約10〜25、好ましくは10〜15g/mの厚さの積層形成層が使用できる。
【0044】
アルミホイルの内側、すなわち、コア層に接着されない側に、ヒート・シール可能な熱可塑性材製の2つ又は3つの部分層から成る熱可塑性構造13が設けられる。接着性ポリマーを備える第1の部分層はアルミホイルと接触するように配置され、アルミホイルとヒート・シール可能な低密度ポリエチレンの最も内側の層との間に充分な接着力を提供する。好ましくは,最も内側の部分層は、シングル・サイト・メタロセン触媒(m−PE)の存在下で重合されたエチレン−α−オレフィンを主に含み、接着層又は代替的にLDPE製の第2の中間部分層に隣接して設けられる。
【0045】
接着性ポリマーは、好ましくはエチレンとアクリル酸又はメタアクリル酸とのコポリマーである。第3の最も内側の部分層は、好ましくは、約60〜70重量%のm−PEと約30〜40重量%のLDPEとの混合物から成る。
【0046】
それぞれの熱可塑性部分層の最も好ましい量は、第1の部分層が約5〜7g/m、第2の部分層が約15〜18g/m、及び、第3の部分層が約10g/mであり得る。したがって、熱可塑性部分層の内側の構造は、約30〜35g/mの量で設けることができる。
【0047】
層13、14、15及び16は、相互に積層されて、予め製作された内側の積層体を形成でき、更に,貫通孔、開口部又はスリットを有する板紙コア層11の内側に、中間接着層17、すなわち、熱可塑性ポリマー又はドライラミネーション接着剤によって積層される。
【0048】
層13、14、15、16、17及び12の全ては、積層材全面に広がっており、したがって、コア層の両側において孔の領域も覆っている。
【0049】
孔の領域内でそのようにして製作された層の膜の開口性を更に向上させるために、薄い安定化紙層を含む、アルミホイルの外側の膜内の層は、孔の縁部周囲をアルミホイルに至るまで、貫通せずに、レーザ穿孔又は細長く切断11bできる。
【0050】
図1bを参照すると、包装積層材10bは、外形的に硬質であるが、折り畳み可能な板紙又は厚紙コア層11を含む。包装積層材から製造される包装体に開口手段を設ける目的のために、コア層には、貫通孔、開口部又はスリット11bが設けられる。コア層11の積層から製作される包装体の外側、すなわち、充填された食品から外側に離れる側に、第1の外側のヒート・シール可能な熱可塑性物質層12が設けられ、それはまた、コア層の外側に液体及び湿気バリアを提供する。外側の熱可塑性層は、約10〜20、好ましくは12〜18g/mの量で設けられることが好ましく、具体的には低密度ポリエチレン(LDPE)等のポリエチレンである。
【0051】
コア層11は、積層材から製作される包装体に面する内側、追加的安定化紙層15に積層される。安定化紙15は、最初に、任意の適切な被覆方法によってガス・バリア層14bで被覆され、次いで、好ましくはLDPE等の低密度ポリエチレンである熱可塑性物質製の中間接着層17によってコア層11に積層される。
【0052】
バリアで被覆された紙層15−14bの内側、すなわち、コア層に接着されない側に、ヒート・シール可能な熱可塑性材製の1つ又は複数の層から成る熱可塑性構造13が設けられる。好ましくは、最も内側の層13は、シングル・サイト・メタロセン触媒(m−PE)の存在下で重合されたエチレン−α−オレフィンを主に含み、随意で中間に接着性ポリマー層によってバリアで被覆された紙層に設けることができる。
【0053】
このような接着性ポリマーは、好ましくは、エチレンとアクリル酸又はメタアクリル酸とのコポリマーである。最も内側の層は、好ましくは、約60〜70重量%のm−PEと約30〜40重量%のLDPEとの混合物から成る。
【0054】
熱可塑性層の内側の構造は約15〜35g/mの合計量で設けることができる。
【0055】
層13、14b及び15は、相互に積層されて、予め製作された内側の積層体を形成でき、それは更に、貫通孔、開口部又はスリット11bを有する板紙コア層11の内側に、中間接着層17、すなわち、熱可塑性ポリマー又はドライラミネーション接着剤によって積層される。
【0056】
層13、14、15、17及び12の全ては、積層材全面に広がっており、したがって、コア層の両側において孔の領域も覆っている。
【0057】
図1cは、内側の第1の安定化紙15、及び、その外側の第2の安定化紙18に積層される柔らかく軽いコア又は本体層11cを備える紙のサンドイッチ構造を含む包装積層材10cを示している。第2の外側の安定化紙層及びコア紙層11cは、熱可塑性ポリマー又はドライラミネーション接着剤の中間接着層19によって予めサンドイッチ状の紙層を形成する第1のステップにおいて、相互に積層できる。続いて、開口孔11dは、選択された位置で前記予め形成されたサンドイッチ層を貫通して穴開け又は切断される。第2の外側の安定化紙層は、好ましくはLDPE等の低密度ポリエチレンである、最も外側の液密ヒート・シール可能な熱可塑性ポリマー層12で被覆される。
【0058】
安定化紙15は、最初に任意の適切な被覆方法によってガス・バリア層14cで被覆され、次いで、好ましくはLDPE等の低密度ポリエチレンである熱可塑性物質製の中間接着層17によってコア層11に積層される。
【0059】
バリアで被覆された紙層15−14cの内側、すなわち、コア層に対して接着されない側に、ヒート・シール可能な熱可塑性材製の1つ又は複数の層から成る熱可塑性構造13が設けられる。好ましくは、最も内側の層13は、シングル・サイト・メタロセン触媒(m−PE)の存在下で重合されたエチレン−α−オレフィンを主に含み、随意で中間に接着性ポリマー層によってバリアで被覆された紙層に設けることができる。
【0060】
このような接着性ポリマーは、好ましくは、エチレンとアクリル酸又はメタアクリル酸とのコポリマーである。最も内側の層は、好ましくは、約60〜70重量%のm−PEと約30〜40重量%のLDPEとの混合物から成る。
【0061】
熱可塑性層の内側の構造は約15〜35g/mの量で設けることができる。
【0062】
層13、14c及び15は、相互に積層されて、予め製作された内側の積層体を形成でき、それは更に、貫通孔、開口部又はスリット11dを有する板紙コア層11の内側に、中間接着層17、すなわち、熱可塑性ポリマー又はドライラミネーション接着剤によって積層される。
【0063】
層13、14、15、17及び12の全ては、積層材全面に広がっており、したがって、コア層の両側において孔の領域も覆っている。
【0064】
一般に、最も内側のヒート・シール可能な層がガス・バリア層の内側に押出し被覆されることが好ましい。代替的に、最も内側のヒート・シール可能な層として予め製造される熱可塑性ポリマー・フィルムを設けることも当然可能である。押出しインフレートフィルム又は押出しキャストフィルム等の予め製造されたフィルムは、一般に、押出し被覆されたフィルムより高い機械的強度を有することが多い。そのようなフィルムは、大きい分子量を有するポリマーから製造されることが多く、一般に、高い強靭性を有する。より過酷な取扱い及び輸送条件等のために、又は、費用効率のためにより少量のポリマーを使用することが望まれる場合等の特定の目的のために、そのような特性が必要とされる場合、そのような予め製造されたフィルムの使用は有利であり得る。しかし、概して、層状膜の孔を容易に開口できるようにするために、押出し被覆された最も内側のヒート・シール可能なポリマー層が好ましいことがある。
【0065】
図2a−1を参照すると、本発明の包装積層材10aを製造する方法20a−1において、第1の安定化紙層15;21のウエブは、第1の積層形成ステップにおいて、熱可塑性接着ポリマー製の中間層23−1によってアルミホイル14;22に、相互にそれらを押出し積層23−2することによって積層される。第1の安定化紙層及びアルミホイルは、ローラニップ23−3で一緒に押圧され、その結果、板紙とアルミホイルとの積層23−4になる。その後、任意の順番で、3つの更なる積層形成ステップが行われる。すなわち、積層化ステップ24において、ヒート・シール可能な熱可塑性ポリマー製の最も内側の層13;23−1が設けられる。他の一積層化ステップにおいて、孔又はスリット11aが設けられている板紙コア層ウエブ11;25が、積層形成ニップ25−3に向かって送られ、積層された安定化紙とアルミホイルと最も内側の層とのウエブの紙の面が、押出機25−2からの例えばLDPE等の熱可塑性ポリマー製の中間層17;25−1で押出し積層することによってコア板紙層11;25の内側に積層される。最後に、得られた積層は、次の積層形成ステップ27−2、27−3に向かって送られ、そこで、例えばLDPE等の熱可塑性ポリマー製の最も外側の層12;27−1がコア板紙層11;25の外側に押出し被覆される。そのように仕上げられた包装積層材29a−1は先に送られ、貯蔵リール(図示せず)に巻き取られる。
【0066】
代替的実施例において、第1の安定化紙21は、その内側に、好ましくは例えばエチレン・アクリル酸(EAA)等の接着性ポリマーである熱可塑性接着ポリマー製の薄層で予め最初に被覆でき、次いで、高温のローラニップにおいて、熱及び圧力によってアルミホイル22に積層できる。したがって、この方法の実施例において押出機23−2は省略できる。
【0067】
本発明の好ましい実施例によると、アルミホイルの表面は、参照番号24において熱可塑性材製の内側の層13で被覆される前に表面処理(図示せず)によって活性化される。
【0068】
図2a−2を参照すると、本発明の包装積層材10aを製造する方法20a−2において、第1の安定化紙層のウエブ15;21は、その内側に、好ましくは例えばエチレン・アクリル酸(EAA)等の接着性ポリマーである熱可塑性接着ポリマー製の薄層で予め最初に被覆され、次いで、第1の積層形成ステップ23−3において、1つ又は複数の最も内側のヒート・シール可能なポリマー層13;23−1の同時(共)押出し被覆23−2による熱によって、中間接着無しで、熱及び圧力によってアルミホイル14;22に積層される。第1の安定化紙層及びアルミホイルは、ローラニップ23−3で一緒に押圧され、その結果、板紙とアルミホイルとの積層23−5と、最も内側のヒート・シール層13とになる。その後、任意の順番で、2つの更なる積層形成ステップが行われる。すなわち、積層化ステップにおいて、孔又はスリット11aが設けられている板紙コア層ウエブ11;25が、積層形成ニップ25−3に向かって送られ、積層された安定化紙とアルミホイルと最も内側の層とから成るウエブの紙の側が、コア板紙層11;25の内側に、押出機25−2からの例えばLDPE等の熱可塑性ポリマー製の中間層17;25−1で押出し積層することによって積層される。最後に、得られた積層は、次の積層形成ステップ27−2、27−3に向かって送られ、そこで、例えばLDPE等の熱可塑性ポリマー製の最も外側の層12;27−1がコア板紙層12;25の外側に押出し被覆される。そのように仕上げられた包装積層材29a−2は先に送られ、貯蔵リール(図示せず)に巻き取られる。
【0069】
最後に、仕上げられたか、又は、ほとんど仕上げられた包装積層材は、包装体又は包装積層材の外側の孔が形成された領域に取り付けられる様々な開口手段の開口性を促進するために、孔の縁部周囲の膜をレーザ穿孔又は細長く切断する位置(図示せず)を通って送られる。そのようにして、孔が形成された領域内の1つ又は複数の膜層は、孔の縁部周囲でレーザ穿孔又は細長く切断でき、膜を切断又は引き裂いて開ける開口手段の使用を促進する。
【0070】
更に、孔の領域内の膜の積層間の最適な接着を達成し、孔の周囲の縁部付近の層の間に空気が取り込まれることを避けるために、複動加圧ロールが、全ての積層位置25、27、及び、コア層の外側に外側の層を積層形成する位置で、高めのニップ圧と組み合わせて使用できる。
【0071】
本発明の好ましい実施例によると、アルミホイルの表面は、23−3において熱可塑性材製の内側の層13で被覆される前に表面処理(図示せず)によって活性化される。
【0072】
図2b−1において、第1の安定化紙層15、21上に液体酸素バリア組成物を液体フィルム被覆する方法が概略的に示される。紙層21aが、貯蔵リールから液体フィルム被覆位置22aに向かって送られ、そこで、液体ガス・バリア組成物は、被覆された紙が乾燥位置22bを通過したとき、被覆され乾燥された層の量が約1〜3g/mとなるような量で塗布される。好ましくは、液体フィルム被膜操作は、2回のステップで、すなわち、最初に0.5〜2g/mを被覆し、中間ステップで乾燥し、次いで、2回目に0.5〜2g/mで被覆し、最後に、全液体フィルムが被覆された層を乾燥することによって行われて、酸素バリアが被覆された紙層21bを得る。
【0073】
図2b−2を参照すると、本発明の包装積層材10bを製造する方法20b−2において、バリアで被覆された第1の安定化紙層のウエブ15;21bは、第1の積層形成ステップ23−3において、1つ又は複数の最も内側のヒート・シール可能な層13;23−1に(共)押出し被覆23−2によって積層される。その後、任意の順番で、2つの更なる積層形成ステップが行われる。すなわち、1つの積層化ステップにおいて、孔又はスリット11aが設けられている板紙コア層ウエブ11;25が、積層形成ニップ25−3に向かって送られ、バリアで被覆された安定化紙と最も内側の層とのウエブの外側の被覆されていない側が、コア板紙層11;25の内側に対して、押出機25−2からの例えばLDPE等の熱可塑性ポリマー製の中間層17;25−1で押出し積層することによって積層される。最後に、得られた積層は、次の積層形成ステップ27−2、27−3に向かって送られ、そこで、例えばLDPE等の熱可塑性ポリマー製の最も外側の層12;27−1がコア板紙層12;25の外側に押出し被覆される。そのように仕上げられた包装積層材29bは先に送られ、貯蔵リール(図示せず)に巻き取られる。
【0074】
更に、通常は、本発明の全ての方法の実施例において、孔の領域内の膜の積層間の最適な接着を達成し、孔の周囲の縁部付近の層の間に空気が取り込まれることを避けるために、複動加圧ロールが、全ての積層位置25、27、及び、コア層の外側に外側の層を積層形成する位置で、高めのニップ圧と組み合わせて使用できる。
【0075】
図2cは、本発明の包装積層材10cを製造する並行加工方法20cを示す。この方法において、一方では、第2の外側の安定化紙層18;28は、ポリマー製の中間接着層19によって、コア紙層11に積層される。コア紙層11は、その厚さに関連した比較的低い剛性を有し、そのため、外側の安定化紙層と内側の層との間のスペーサ層として機能する。その後のステップにおいて、開口孔が、機械的な穴開け、又は、代替的にレーザ穿孔によって、積層された紙のサンドイッチ上の所定の位置に開けられる。その後、例えばLDPE等の熱可塑性ポリマー製の最も外側の層12;27−1が、第2の外側の安定化層18;28の外側に押出し被覆される。他方では、第1の安定化紙層15が、図2b−1に示される方法によって酸素ガス・バリア被覆14cで被覆され、続いて、被覆された紙の内側に任意の更なるバリア層及び1つ又は複数の最も内側の層13によって被覆される。結果的に予め製造される2つの積層、すなわち、予め製作された外側27c、及び、予め製作された内側23cは、最後に、LDPE等の熱可塑性ポリマー製の中間接着層17によって相互に押出し積層される。そのように仕上げられた包装積層材29cは先に送られ、貯蔵リール(図示せず)に巻き取られる。
【0076】
図3を参照すると、開口手段30の実施例において、薄い安定化紙層と、熱可塑性物質と、アルミホイルの層とを備える積層された膜31が、境界33で、包装容器に設けられた開口具の部品であるねじ蓋32にシールされる。ねじ蓋32をねじ上げることによって開口する場合、開口具34の周辺部品を備えたねじ切り手段によって、膜が、孔35の周囲の縁部に沿って切断され、同時にそれは蓋と一緒に引き上げられる。
【0077】
図4を参照すると、Tetra Brik Aseptic(登録商標)型の典型的な無菌包装は、図3に記載されるような開口手段が設けられる。膜を伴う孔は、包装容器の上部に設けられ、成形プラスチック製の開口具が孔を覆う膜上に取り付けられる。この開口具は、枠及び開口具にねじ込まれたねじ蓋から成る。この開口具は、所謂いたずらの証人を更に設けることができ、その位置付けは、包装容器が開口されたか否かを知らせる。
【0078】
図5は、本出願の導入部に記載された原理を示す。すなわち、包装材料のウエブは、ウエブの縦方向の縁部52、52’を重ね合わせ接合53で互いに接合することによって、チューブ51に形成される。チューブは、所望の液体食品を充填され54、チューブに充填された内容物の高さより下方で、次々に所定距離で繰り返しチューブの長さ方向に対して横方向にシールする65ことによって、個々の包装体に分割される。包装体56は、横方向のシール部で切断することによって分離され、材料の用意された折り目に沿って折り畳むことにより、所望の幾何学的構成が与えられる。
【0079】
結論として、付属の図面を特に参照して上に説明された本発明が、実施例により専ら説明され、示されたこれらの実施例に限定されないこと、及び、当業者に明らかな修正及び変更が、添付の特許請求の範囲に開示された本発明の概念から離れることなく可能であることが認められるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通孔、開口部又はスリット(11a)を備えた紙又は厚紙製のコア層(11)と、包装積層材の最も外側に設けられたヒート・シール可能な熱可塑性材料製の第1の層(12)と、包装積層材の他方の最も内側に設けられたヒート・シール可能な熱可塑性材料製の第2の層(13)と、前記コア層と前記最も内側の熱可塑性層との間に設けられた1つ又は複数のバリア層(14)とを備え、前記熱可塑性材料層、及び、バリア層(12、13、14)の全ては、前記コア層の前記貫通孔、開口部又はスリットの領域を含む積層材全面に広がり、前記孔の領域内で相互に全て積層されて、バリア層(14)と熱可塑性材料層(12、13)との膜を形成する、包装積層材(10)であって、更に、前記コア層と前記第2の最も内側の熱可塑性材料層との間に第1の追加的安定化紙層(15)を備え、その追加的紙層はまた、頑丈な膜が前記孔の領域内に形成されるように積層材全面に広がり、前記膜はまた、前記追加的安定化紙を備える、包装積層材。
【請求項2】
前記バリア層がアルミホイル(14)を備えることを特徴とする請求項1に記載の包装積層材。
【請求項3】
前記バリア層(14b、14c)が非アルミホイル材料を含み、前記追加的安定化紙層上に設けられるか又は被覆されることを特徴とする請求項1に記載の包装積層材。
【請求項4】
前記安定化紙層(15)が、より柔らかい紙のコア層(11)と、前記コア層の外側の第2の外側の追加的安定化紙層(18)とを備える紙のサンドイッチ構造の部分であることを特徴とする請求項1に記載の包装積層材。
【請求項5】
前記第1の(及び第2の)追加的安定化紙層(15、18)が20〜100g/m、好ましくは20〜70g/m、更に好ましくは30〜50g/mの面重量を有することを特徴とする請求項1から4までのいずれか一項に記載の包装積層材。
【請求項6】
孔、開口部又はスリットを備えた紙又は厚紙製のコア層のウエブを設けるステップと、
包装積層材の外側に溶融押出しによって第1の最も外側のヒート・シール可能な熱可塑性材料製の層を被覆又は積層し、前記最も外側の層が前記孔を覆うステップと、
前記コア層の内側に追加的安定化紙層のウエブを設けるステップと、
前記コア層の内側に少なくとも1つのバリア層を設けるステップと、
前記包装積層材の最も内側に第2の最も内側のヒート・シール可能な熱可塑性材料製の層を設けるステップと、
前記追加的安定化紙層、前記少なくとも1つのバリア層、及び、前記最も内側のヒート・シール可能な熱可塑性材料製の層を相互に且つ前記コア層に積層し、その結果、前記コア層の内側に積層された全ての層が前記積層されたウエブ全面に広がり、前記コア層の前記孔の領域内で相互に且つ前記第1の最も外側のヒート・シール可能な熱可塑性材料製の層に接着して積層され、その結果前記孔又はスリットの領域内で、前記コア層の内側の層が、前記最も外側のヒート・シール可能な熱可塑性材料層と一緒に、気体及び液体の透過性が削減された頑丈な積層された膜を形成するステップと
を備える請求項1から5までのいずれか一項に記載の包装積層材を製造する方法。
【請求項7】
前記コア層の内側に層を積層するステップが、
ヒート・シール可能な熱可塑性接着性材料製の層に前記追加的安定化紙層を積層するステップと、
前記追加的安定化紙層を積層するステップにより得られた熱可塑性物質で被覆された紙層を、予め製造される内側の部分的積層を形成するように、任意の更なる内側の層に積層するステップと、
前記コア層の各側の前記熱可塑性材料層が前記孔の領域内で相互にシールされるように、前記熱可塑性材料製の中間層を設けることによって、前記予め製造される内側の部分的積層の前記追加的安定化紙層の外側にコア層の他方の内側を積層するステップと
を備える、請求項6に記載の包装積層材を製造する方法。
【請求項8】
前記バリア層が、加熱加圧積層形成によって前記安定化紙層の熱可塑性物質で被覆された側に積層されるアルミホイルであって、該アルミホイルの積層は、該アルミホイルの他方の側に前記最も内側のヒート・シール可能な熱可塑性材料層を同時押出し被覆又は押出し積層することによる熱を使用することにより行なわれる、請求項7に記載の包装積層材を製造する方法。
【請求項9】
前記バリア層が、予め被覆するステップで前記第1の追加的安定化紙層上に被覆され、そのバリアで被覆された紙層が、続いて、前記予め積層された内側又は前記コア層に積層される、請求項6又は7のいずれか一項に記載の包装積層材を製造する方法。
【請求項10】
前記第1の安定化紙層が、前記コア層の外側に柔らかい紙層及び第2の追加的安定化紙層の中間コア層を備える紙のサンドイッチ構造の部分を形成し、前記方法が、前記柔らかいコア層のウエブに前記第2の追加的紙層のウエブを積層し、続いて、その結果得られた予め積層された紙のウエブに前記貫通孔、開口部又はスリットを設けるステップと、その後、前記積層材の内側の層に更に積層する任意のステップとを更に備える、請求項6から9までのいずれか一項に記載の包装積層材を製造する方法。
【請求項11】
切断又は引き裂いて前記膜を開口する開口手段の使用を容易にするために、1つ又は複数の前記孔内の前記膜層が、前記孔の周囲でレーザ穿孔又は細長く切断される、請求項6から10までのいずれか一項に記載の包装積層材を製造する方法。
【請求項12】
請求項1から5までのいずれか一項に記載の包装積層材から製造された包装容器。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図2a−1】
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【図2a−2】
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【図2b−1】
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【図2−b2】
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【図2c】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−532044(P2012−532044A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−518804(P2012−518804)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【国際出願番号】PCT/EP2010/004068
【国際公開番号】WO2011/003567
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(591007424)テトラ ラバル ホールデイングス エ フイナンス ソシエテ アノニム (190)
【Fターム(参考)】