説明

駐車支援装置

【課題】周囲環境の影響で駐車目標であるマークの認識処理に適した明るさが得られない場合にも、マークを精度良く認識することができる駐車支援装置を提供する。
【解決手段】駐車スペースSの床面に設置された駐車目標であるマークMを車両100に搭載されたビデオカメラ10により撮影し、撮影された画像からマークMの認識処理を行う。運転者によりマークMが存在すると思われる画像上の位置が駐車目標位置指定部50により指定されると、駐車目標認識部20は、指定された位置を中心として一定範囲を測光領域Rとして設定し、この測光領域Rの輝度値に基づいてマークMの認識処理に適するようにビデオカメラ10の露光条件を制御することにより、画像の輝度値を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は駐車支援装置に係り、特に目標駐車位置に設置されたマークを車両に搭載されたビデオカメラにより撮影し、このマークを認識することによって車両と目標駐車位置との相対位置関係を特定し、車両を目標駐車位置へ誘導するための駐車軌跡を算出する駐車支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、目標駐車位置となる駐車スペースに設置されたマークを、車両に搭載されたビデオカメラにより撮影し、このマークを認識することによって車両と目標駐車位置との相対位置関係を特定し、車両を目標駐車位置へ誘導するための駐車軌跡を算出する駐車支援装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の駐車支援装置では、駐車スペースSに設置されたマークMを車両に搭載されたカメラ1により撮影し、画像処理手段5が、このマークMを認識してその特徴点の画像上における2次元座標を抽出することにより、車両とマークMとの相対位置関係を特定する。続いて、制御手段6が、記憶手段8に記憶されている理想駐車軌跡Lと現在の車両位置とのずれを算出し、車両を理想駐車軌跡Lへ誘導するための誘導軌跡Ldを算出する。最後に、案内装置9が、算出された誘導軌跡Ld及び理想軌跡Lに沿って車両を走行させるための運転操作の案内情報を運転者に出力する。
また、特許文献2には、駐車支援装置ではないが、車両周辺を撮影した映像をモニタ表示する際に、表示領域を複数に分割し、運転者によって選択された表示領域の輝度値に基づいて利得及び露光を制御することにより、表示映像の輝度値を運転者が視認するのに適するように調整する車両周辺視認装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−174000号公報
【特許文献2】特開2007−74070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されている駐車支援装置では、特に夜間や雨天の場合などには、適切な明るさが得られず、ビデオカメラから取得される画像が暗すぎる、或いは1つの画像上に明暗が混在する等、マークの認識処理に適した撮影画像が得られない場合がある。そのような場合、マークを認識することができない、或いはマークではない場所をマークであると誤認識してしまうという問題があった。
また、特許文献2に記載されている技術を用いて、モニタ表示して運転者が視認するのに適するように画像の輝度値を調整したとしても、そのようにして得られる画像が、必ずしも駐車支援装置によるマークMの認識処理に適した画像であるとは限らない。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、周囲環境の影響でマークの認識処理に適した明るさが得られない場合にも、マークを精度良く認識することができる駐車支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明に係る駐車支援装置によれば、駐車スペースに設置されたマークを撮影すると共に車両に搭載されるビデオカメラと、ビデオカメラにより撮影された画像からマークを認識してマークと車両との相対位置関係を特定する駐車目標認識部と、マークと車両との相対位置関係に基づいて、車両と駐車スペースとの相対位置関係を特定し、車両を駐車スペースへ誘導するための駐車軌跡を算出する駐車軌跡算出部とを備え、駐車目標認識部は、画像上に測光領域を設定し、測光領域の輝度値に基づいて画像の輝度値を調整した後、画像からマークを認識する処理を行う。
これにより、周囲環境の影響でマークの認識処理に適した明るさが得られない場合にも、マークを精度良く認識することができる。特に、1つの画像上に明暗が混在する場合にも、マークを精度良く認識することができる。
【0008】
ビデオカメラにより撮影された画像を表示すると共に運転者からの入力を受け付ける機能を有する駐車目標位置指定部を備え、駐車目標位置指定部は、運転者により指定される画像上の位置又は範囲を駐車目標認識部に出力し、駐車目標認識部は、運転者により指定された画像上の位置又は範囲に基づいた一定範囲を、測光領域として設定してもよい。
これにより、マークではない場所を、マークであると誤認識してしまう可能性が減少する。
【0009】
駐車目標認識部は、測光領域の範囲内からマークを認識する処理を行ってもよい。
これにより、マークではない場所を、マークであると誤認識してしまう可能性がさらに減少すると共に、マークの認識処理にかかる時間が短縮される。
【0010】
駐車目標認識部は、測光領域の路面上又は壁面上における位置と車両との距離に基づいて、距離が近くなるに従って測光領域を広く設定してもよい。
これにより、測光領域のサイズを適切に設定することができる。
【0011】
駐車目標認識部は、運転者により指定された画像上の位置又は範囲を学習し、概ね同一の位置又は範囲が所定回数指定された後は、測光領域を学習した位置又は範囲に自動的に設定してもよい。
これにより、自宅の車庫などのように使用頻度の高い駐車スペースにおいて、運転者が、毎回マークが存在すると思われる画像上の位置又は範囲を指定する手間を省くことができる。
【0012】
駐車目標認識部は、画像全体の範囲からマークを検出し、検出したマークの位置に基づいた一定範囲を測光領域の候補として設定してもよい。
これにより、運転者が、マークが存在すると思われる画像上の位置又は範囲を指定する手間を省くことができる。
【0013】
ビデオカメラは、露光条件制御機能を有し、駐車目標認識部は、測光領域の輝度値に基づいてビデオカメラの露光条件を制御することにより、画像の輝度値を調整してもよい。
これにより、画像の輝度値を、マークの認識処理に適するように調整することができる。
【0014】
ビデオカメラにより撮影された画像を表示するモニタと、ビデオカメラの露光条件として、第1の露光条件と第2の露光条件とを備え、駐車目標認識部は、ビデオカメラの第1の露光条件と第2の露光条件とを切り替え、第1の露光条件で撮影されたフレームは、駐車目標認識部が行うマークを認識する処理に使用し、第2の露光条件で撮影されたフレームは、モニタが行うビデオカメラにより撮影された画像の表示に使用してもよい。
これにより、運転者が視認するのに適したモニタ表示を提供しながら、マークの認識処理に適するようにビデオカメラの露光条件の制御を行うことができる。
【0015】
モニタが行うビデオカメラにより撮影された画像の表示において、第1の露光条件で撮影されたフレームに相当するフレームを、直前に表示した第2の露光条件で撮影されたフレームを再度表示することにより補間してもよい。
これにより、違和感のないモニタ表示が可能になる。
【0016】
駐車目標認識部は、測光領域の輝度値に基づいて、ビデオカメラにより撮影された画像の各画素の輝度値を調整してもよい。
これにより、ビデオカメラが露光条件の制御機能を有していなくても、画像の輝度値を、マークの認識処理に適するように調整することができる。
【0017】
駐車目標認識部は、マークを認識した後、マークが測光領域の中央に位置するように、測光領域の位置を更新してもよい。
これにより、駐車運転中に車両が移動することにより画像上におけるマークの位置が移動しても、それに追従して測光領域の位置も移動するので、駐車運転中は常に精度良くマークを認識することができる。
【0018】
ビデオカメラは、カラー撮影モードとモノクロ撮影モードの切り替え機能を有し、駐車目標認識部は、画像全体の平均輝度値が所定の閾値未満である場合には、ビデオカメラをモノクロ撮影モードに切り替えてもよい。
これにより、夜間など周囲環境が暗いときにも、マークを精度よく認識することができる。
【0019】
ビデオカメラは、ズーム制御機能を有し、駐車目標認識部は、測光領域を設定した後、測光領域をズームアップするようにビデオカメラを制御してもよい。
これにより、運転者に広範囲の視野を提供しながら、マークを精度良く認識することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る駐車支援装置によれば、駐車スペースに設置されたマークを車両に搭載されたビデオカメラにより撮影し、撮影された画像からマークの認識処理を行う際に、画像上に測光領域を設定し、この測光領域の輝度値に基づいて画像の輝度値を調整する。これにより、周囲環境の影響でマークの認識処理に適した明るさが得られない場合にも、マークを精度良く認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態1における車両とマークとの関係を示す平面図である。
【図2】本発明の実施の形態1で用いられるマークを示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る駐車支援装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る駐車支援装置が行う処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態1に係る駐車支援装置のモニタ表示を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る駐車支援装置で取得される画像を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る駐車支援装置における測光領域の位置更新後の画像を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態1における駐車軌跡を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る駐車支援装置の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る駐車支援装置が行う処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態3に係る駐車支援装置の構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の実施の形態3に係る駐車支援装置が行う処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態4に係る駐車支援装置が行う処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態4に係る駐車支援装置のモニタ表示を示す図である。
【図15】本発明の一変形例に係る駐車支援装置における表示フレームの補間方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係る駐車支援装置の構成を、図1〜図3に基づいて説明する。
【0023】
図1に示されるように、目標駐車位置となる駐車スペースSの床面に駐車目標であるマークMが設置され、このマークMを撮影するための露光条件制御機能を有するビデオカメラ10が、車両100に搭載されている。
ビデオカメラ10は、車両100に対して所定の位置関係を有する所定の場所、例えば車両100の後部に設置されており、車両100が駐車スペースSの近傍の地点Aに位置するときに、駐車スペースSの床面に設置されたマークMを視野内に含むように設置されている。車両100に対するビデオカメラ10の所定の位置関係は予め把握されているものとする。また、駐車スペースSに対するマークMの所定の位置関係も予め把握されているものとする。
マークMとしては、例えば図2に示されるように、4つの直角2等辺三角形を互いに当接させた正方形状の外形を有する図形を用いることができる。このマークMは、互いに隣接する直角2等辺三角形が異なる色で塗り分けられており、複数の辺の交点からなる5つの特徴点C1〜C5を有している。
【0024】
次に、図3に示されるように、ビデオカメラ10の出力は駐車目標認識部20に接続されている。駐車目標認識部20は、ビデオカメラ10により撮影された画像からマークMを認識してマークMと車両100との相対位置関係を特定し、駐車軌跡算出部30に出力する。また、駐車目標認識部20は、駐車目標位置指定部50にモニタ表示用の画像を出力すると共に、露光条件制御信号をビデオカメラ10に出力する。駐車軌跡算出部30は、マークMと車両100との相対位置関係に基づいて、車両100と駐車スペースSとの相対位置関係を特定し、車両100を駐車スペースSへ誘導するための駐車軌跡Lを算出して駐車案内生成部40に出力する。駐車案内生成部40は、駐車軌跡算出部30により算出された駐車軌跡Lと、操舵角センサ70、ヨーレートセンサ80、及び車速センサ90により取得される車両100の実際の移動距離及び移動方向とに基づいて駐車案内情報を生成し、駐車案内出力部60に出力する。駐車目標位置指定部50は、駐車目標認識部20から入力されるビデオカメラ10により撮影されたモニタ表示用の画像を表示すると共に、運転者からの情報入力を受け付けて駐車目標認識部20に出力する。駐車案内出力部60は、駐車案内生成部40から入力される駐車案内情報の出力を行う。運転者は、駐車目標位置指定部50のモニタ上で、マークMが存在すると思われる画像上の位置を指定した後、駐車案内出力部60から出力される駐車案内情報に従って運転操作を行うことにより、車両100を駐車スペースSに駐車させる。
ビデオカメラ10、駐車目標認識部20、駐車軌跡算出部30、駐車案内生成部40、駐車目標位置指定部50、駐車案内出力部60、操舵角センサ70、ヨーレートセンサ80、及び車速センサ90により、駐車支援装置が構成される。
【0025】
以下、駐車目標認識部20、駐車軌跡算出部30、駐車案内生成部40、駐車目標位置指定部50、及び駐車案内出力部60の詳細について順に説明していく。
【0026】
駐車目標認識部20は、ビデオカメラ10から入力される画像上に測光領域R(マークMが存在する可能性があるとして測光を行う領域)を設定し、測光領域Rの輝度値に基づいてビデオカメラ10の露光条件を制御することにより画像の輝度値を調整した後、画像からマークMを認識する処理を行う。そして、認識したマークMの特徴点の画像上における2次元座標Xm及びYm(m=1〜5)を抽出し、マークMと車両100との相対位置関係を特定して駐車軌跡算出部30に出力する。測光領域Rの初期位置は、後述するように駐車目標位置指定部50を介して運転者により指定される。また、駐車目標認識部20は、ビデオカメラ10から入力される画像をモニタ表示用に駐車目標位置指定部50に出力する。
尚、駐車目標認識部20により、後述する図4のフローチャートにおけるステップS4〜S6の処理が行われる。
【0027】
駐車軌跡算出部30は、駐車目標認識部20にから入力されるマークMと車両100との相対位置関係に基づいて、車両100と駐車スペースSとの相対位置関係を特定し、車両100を駐車スペースSへ誘導するための駐車軌跡Lを算出して駐車案内生成部40に出力する。
駐車案内生成部40は、駐車軌跡算出部30により算出された駐車軌跡Lと、操舵角センサ70、ヨーレートセンサ80、及び車速センサ90により取得される車両100の実際の移動距離及び移動方向とに基づいて、例えば音声による駐車案内情報を生成し、駐車案内出力部60に出力する。
【0028】
駐車目標位置指定部50は、タッチパネル機能を有するモニタ51を備えており、駐車目標認識部20から入力されるモニタ表示用の画像を表示すると共に、運転者によりタッチパネル上で指定されるマークMが存在すると思われる画像上の位置を駐車目標認識部20に出力する。
【0029】
駐車案内出力部60は、スピーカ61を備えており、駐車案内生成部40から入力される駐車案内情報を音声として出力する。
【0030】
次に、図4のフローチャートを参照して、本発明の実施の形態1に係る駐車支援装置が行う処理について説明する。
【0031】
まず、ビデオカメラ10は、車両100が駐車スペースSの近傍の地点Aに位置してマークMを視野内に入れた状態で、ビデオ映像の撮影を開始する(ステップS1)。ビデオカメラ10により撮影された映像の各フレームの画像は、駐車目標認識部20に入力される。
【0032】
駐車目標認識部20は、ビデオカメラ10により撮影された画像を駐車目標位置指定部50のモニタ51上に表示させ、運転者に対してマークMが存在すると思われる画像上の位置をタッチパネルにより指定するように促す(ステップS2)。運転者によりマークMが存在すると思われる画像上の位置が指定されると、駐車目標認識部20は、指定された位置を中心として一定範囲を測光領域Rとして設定する(ステップS3)。運転者が、マークMが存在すると思われる画像上の位置を指定する際のモニタ表示の一例を図5に示す。図中で×印が表示されている箇所が、運転者により指定された位置である。また、測光領域Rを表す矩形枠(符号R)を重ねて示しているが、これは説明の便宜のためであり必ずしも実際にモニタ上に表示される必要はない。
尚、ステップS3において、運転者にマークMが存在すると思われる画像上の位置を指定させるのではなく、マークMが存在すると思われる画像上の範囲を指定させてもよい。
【0033】
次に、駐車目標認識部20は、映像信号の1フレームの画像を取り出して、測光領域Rの平均輝度値を算出することにより測光領域Rの測光を行い(ステップS4)、算出した平均輝度値が予め定められた所定の範囲内(マークMを認識してその特徴点の座標を抽出する処理を行うのに適した平均輝度値の範囲内)にあるか判定する(ステップS5)。測光領域Rの平均輝度値が所定の範囲を下回っている場合、すなわち測光領域Rが暗すぎる場合には、露光時間を延長する露光条件制御信号をビデオカメラ10に出力する(ステップS6a)。測光領域Rの平均輝度値が所定の範囲内である場合、すなわち測光領域Rの明るさが適切である場合には、露光時間を規定値のままとするため露光条件制御信号を出力しない(ステップS6b)。測光領域Rの平均輝度値が所定の範囲を上回っている場合、すなわち測光領域Rが明るすぎる場合には、露光時間を短縮する露光条件制御信号をビデオカメラ10に出力する(ステップS6c)。これにより、ビデオカメラ10の露光条件は、駐車目標認識部20が画像上における測光領域Rの範囲内からマークMを認識してその特徴点の座標を抽出する処理を行うのに適するように設定される。
尚、ステップS4〜S6において、測光領域Rの平均輝度値に基づくのではなく、測光領域Rの輝度分布の形状に基づいてビデオカメラ10の露光条件を設定してもよい。
【0034】
続いて、駐車目標認識部20は、ステップS6において設定した露光条件のもとで撮影された画像を取得する(ステップS7)。このとき取得される画像の一例を図6に示す。ここで図6は、図4のフローチャートにおいてステップS5からステップS6aに進んだ場合の例を示すものであり、ビデオカメラ10の露光時間を延長することにより図5の画像を明るくしたものである。ただし、説明の便宜のために測光領域Rを表す矩形枠(符号R)を重ねて示している。そして、取得した画像上における測光領域Rの範囲内から、マークMを認識してその5つの特徴点C1〜C5の画像上における2次元座標Xm及びYm(m=1〜5)を抽出し、マークMと車両100との相対位置関係を特定して駐車軌跡算出部30に出力する(ステップS8)。
【0035】
ここで、駐車目標認識出部20が、マークMと車両100との相対位置関係を特定する処理の詳細を以下に説明する。
まず、車両100のリヤアクスル中心から路面に対して垂直に下ろした地面上の点を原点Oとし、水平方向にx軸及びy軸、鉛直方向にz軸を設定した路面座標系を想定すると共に、ビデオカメラ10により撮影された画像上にX軸とY軸を設定した画像座標系を想定する。ここで、マークMを基準としたビデオカメラ10の3次元座標(x,y,z)、チルト角ω、パン角γ、スイング角θの6個のパラメータからなる位置パラメータを定義すると、画像座標系におけるマークMの特徴点C1〜C5の座標Xm及びYm(m=1〜5)は、6つの位置パラメータ(x,y,z,ω,γ,θ)と、路面座標系におけるマークMの特徴点C1〜C5の位置パラメータ(xm,ym,zm)とから、関数F及びGを用いて
Xm=F(xm,ym,zm,x,y,z,ω,γ,θ)+DXm
Ym=G(xm,ym,zm,x,y,z,ω,γ,θ)+DYm
で表される。ここで、DXm及びDYmは、関数F及びGを用いて算出された特徴点C1〜C5のX座標及びY座標と、駐車目標認識部20により抽出された特徴点C1〜C5の座標Xm及びYmとの偏差である。
【0036】
つまり、5個の特徴点C1〜C5のX座標及びY座標をそれぞれ表すことにより、6個の位置パラメータ(x,y,z,ω,γ,θ)に対して計10個の関係式が作成される。
そこで、偏差DXm及びDYmの二乗和
S=Σ(DXm+DYm
を最小とするような位置パラメータ(x,y,z,ω,γ,θ)を求める。そして、ビデオカメラ10の位置パラメータ(x,y,z,ω,γ,θ)と、予め把握されている車両100に対するビデオカメラ10の所定の位置関係とに基づいて、マークMと車両100との相対位置関係が特定される。
【0037】
最後に、駐車目標認識部20は、マークMが測光領域Rの中央に位置するように、測光領域Rの位置を更新する(ステップS9)。これにより、駐車運転中に車両100が移動することにより画像上におけるマークMの位置が移動しても、それに追従して測光領域Rの位置も移動する。測光領域Rの位置を更新した後の画像の一例を図7に示す。ただし、説明の便宜のために、更新前の測光領域Rを表す破線の矩形枠(符号R‘)と、更新後の測光領域Rを表す実線の矩形枠(符号R)とを重ねて示している。
【0038】
尚、ステップS8において、測光領域Rの範囲内からマークMを認識するのではなく、取得した画像上の全領域からマークMを認識してもよい。
【0039】
駐車目標認識部20からマークMと車両100との相対位置関係が出力されると、駐車軌跡算出部30は、マークMと車両100との相対位置関係と、予め把握されている駐車スペースSに対するマークMの所定の位置関係とに基づいて、車両100と駐車スペースSとの相対位置関係を特定し、車両100を駐車スペースSへ誘導するための駐車軌跡Lを算出して駐車案内生成部40に出力する(ステップS10)。例えば、図8に示されるような駐車軌跡Lを算出し、駐車案内生成部40に出力する。
【0040】
駐車軌跡Lが駐車軌跡算出部30から出力されると、駐車案内生成部40は、駐車軌跡Lと、操舵角センサ70、ヨーレートセンサ80、及び車速センサ90から取得される情報に基づいて算出される車両100の実際の移動距離及び移動方向とを比較することにより、駐車軌跡Lに沿って車両100を走行させるための音声による駐車案内情報を生成し、駐車案内出力部60のスピーカ61に出力させる(ステップS11)。
【0041】
続いて、駐車案内生成部40は、駐車軌跡Lと、操舵角センサ70、ヨーレートセンサ80、及び車速センサ90から取得される情報に基づいて算出される車両100の実際の移動距離及び移動方向とを比較することにより、駐車が完了したが否かを判定し(ステップS12)、駐車が完了したと判定されるまで、所定の時間間隔(例えば500ms)をおいてステップS4に戻り以降の処理を繰り返す。駐車が完了したと判定された場合には、駐車支援装置の処理を終了する。
【0042】
駐車支援装置が行う以上の処理により、運転者は、駐車目標位置指定部50のモニタ51上で、マークMが存在すると思われる画像上の位置を指定した後、駐車案内出力部60のスピーカ61から出力される駐車案内情報に従って運転操作を行うだけで、車両100を駐車軌跡Lに沿って走行させて駐車スペースSに駐車させることができる。
【0043】
以上説明したように、本発明の実施の形態1に係る駐車支援装置によれば、駐車スペースSの床面に設置されたマークMを車両100に搭載されたビデオカメラ10により撮影し、撮影された画像からマークMの認識処理を行う際に、画像上に測光領域Rを設定し、この測光領域Rの輝度値に基づいてマークMの認識処理に適するようにビデオカメラ10の露光条件の制御を行うことにより、画像の輝度値を調整する。これにより、周囲環境の影響でマークMの認識処理に適した明るさが得られない場合にも、マークMを精度良く認識することができる。
特に、1つの画像上に明暗が混在し、画像全体の輝度値に基づいてマークMの認識処理に適した露光条件を設定できない場合にも、測光領域Rの輝度値に基づいてマークMの認識処理に適した露光条件を設定するので、マークMを精度良く認識することができる。
また、運転者により指定された画像上の位置又は範囲に基づいた一定範囲を測光領域Rとして設定するので、マークMではない場所を、マークMであると誤認識してしまう可能性が減少する。
また、測光領域Rの範囲内からマークMを認識する場合には、マークMの認識処理を行う画像領域が限定されるため、マークMではない場所をマークMであると誤認識してしまう可能性がさらに減少すると共に、マークMの認識処理にかかる時間が短縮される。
さらに、駐車運転中に車両100が移動することにより画像上におけるマークMの位置が移動しても、それに追従して測光領域Rの位置も移動するので、駐車運転中は常に精度良くマークMを認識することができる。
【0044】
尚、駐車目標認識部20、駐車軌跡算出部30、及び駐車案内生成部40は、マイクロコンピュータ或いはDSPにより構成することができる。その場合、図4の各ステップの処理をプログラムとしてマイクロコンピュータ或いはDSPのROM等に記憶させ、プロセッサに実行させる。或いは、駐車目標認識部20、駐車軌跡算出部30、及び駐車案内生成部40を、集積回路化して構成することもできる。
【0045】
また、ステップS8において、例えば車両100のブレーキランプが点灯した等の理由により周囲環境の明暗が急激に変化し、マークMの認識処理に失敗した場合には、直前のループにおいて認識したマークMの特徴点の2次元座標に基づいて、ステップS9以降の処理を行うようにしてもよい。
【0046】
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2に係る駐車支援装置について、図9及び図10に基づいて説明する。尚、以下の説明において、図3の参照符号と同一の符号は同一又は同様な構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
【0047】
マークMを撮影するためのビデオカメラは、撮影画像をモニタ表示して運転者に視認させる際の便宜を考えると、カラー撮影が可能なものが好ましい。しかしながら、夜間など周囲環境が暗いときには、カラー画像に基づいてマークMの認識処理を行うよりも、モノクロ画像に基づいて行ったほうが、マークMを精度良く認識することができる。そのため、実施の形態2では、図9に示されるように、カラー撮影モードとモノクロ撮影モードの切り替え機能を有するビデオカメラ210を用いると共に、図10のフローチャートに示されるように、初期撮影モードはカラー撮影モードとし(ステップS201)、ビデオ映像の撮影を開始した後に、画像全体の平均輝度値を判定し(ステップS202)、所定の閾値未満であると判定された場合には、ビデオカメラ210をモノクロ撮影モードに切り替え(ステップS203)、マークMの認識処理をモノクロ画像に基づいて行う。これにより、夜間など周囲環境が暗いときにも、マークMを精度よく認識することができる。
【0048】
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3に係る駐車支援装置について、図11及び図12に基づいて説明する。尚、以下の説明において、図3の参照符号と同一の符号は同一又は同様な構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
【0049】
マークMを撮影するためのビデオカメラは、運転者に広範囲の視野を提供するためには広角であることが好ましい。しかしながら、広角の場合には画像上における遠方の解像度は低くなる。測光領域Rの解像度が低いと、マークMの特徴点C1〜C5間の画像上における距離が短くなり、マークMと車両100との相対位置関係を特定する際に誤差が生じ易くなる。そのため、実施の形態3では、図11に示されるように、ズーム制御機能を有するビデオカメラ310を用いると共に、図12のフローチャートに示されるように、測光領域Rを設定(ステップS303)した後に、測光領域Rをズームアップするようにビデオカメラ310を制御し(ステップS304)、マークM周辺の画像の解像度を上げるようにする。これにより、運転者に広範囲の視野を提供しながら、マークMを精度良く認識することができる。
【0050】
実施の形態4.
次に、本発明の実施の形態4に係る駐車支援装置について、図13に基づいて説明する。尚、実施の形態4に係る構成は、実施の形態1に係る図3の構成と同一であるので、その説明は省略する。
【0051】
実施の形態1〜3では、運転者により指定されたマークMが存在すると思われる画像上の位置又は範囲に基づいて測光領域Rを設定した。それに対して、実施の形態4では、測光領域候補N(測光領域Rの候補)を表す矩形枠を駐車目標位置指定部50のモニタ51上に表示させ、その測光領域候補Nが適切か否かを運転者に判定させる。すなわち、図13のフローチャートに示されるように、まず、画像全体の範囲からマークMを検出してその特徴点C1〜C5の座標を抽出し(ステップS404)、特徴点C5を中心として一定範囲を測光領域候補Nとして設定する(ステップS405)。そして、測光領域候補Nを表す矩形枠を駐車目標位置指定部50のモニタ51上に表示させ、その測光領域候補Nが適切か否かを運転者に判定させる(ステップS406)。このときのモニタ表示の一例を図14に示す。図14において、符号Nを付した矩形枠が測光領域候補Nである。測光領域候補Nが運転者により適切であると判定された場合には、測光領域候補Nを測光領域Rとし(ステップS407)、ステップS410に進んで測光領域Rの測光を行う。測光領域候補Nが運転者により適切でないと判定された場合には、ステップS408に進んで運転者にマークMが存在すると思われる画像上の位置又は範囲を指定させる。これにより、ステップS404におけるマークMの検出処理が成功した場合には、運転者が、マークMが存在すると思われる画像上の位置又は範囲を指定する手間を省くことができる。
【0052】
尚、ステップS404において、マークMと思われるものが複数検出された場合には、それらに対応する複数の測光領域候補Nを駐車目標位置指定部50のモニタ51上に表示させ、運転者にいずれの候補が適切かを判断させるようにしてもよい。
また、マークMの自動検出ができなかった場合に、画像中の暗い領域を測光領域Rとして自動設定するようにしてもよい。
【0053】
その他の実施の形態
実施の形態2〜4は、組み合わせてもよい。
【0054】
実施の形態1〜4及びそれらの組み合わせにおいて、駐車案内生成部40及び駐車案内出力部60により駐車案内情報を出力するのではなく、駐車軌跡算出部30により算出される駐車軌跡Lと、操舵角センサ70、ヨーレートセンサ80、及び車速センサ90から取得される情報に基づいて算出される車両100の実際の移動距離及び移動方向とに基づいて、車両100のハンドル、アクセル、ブレーキ等を自動操作する駐車自動操作部を備えた自動駐車装置としてもよい。
【0055】
実施の形態1〜4及びそれらの組み合わせにおいて、駐車目標であるマークMは、駐車スペースSの床面ではなく、駐車スペースSの壁面に設置されてもよい。
【0056】
実施の形態1〜4及びそれらの組み合わせにおいて、ビデオカメラ10,210,310の露光条件を変える方法としては、露光時間を変えるのではなく、絞りを変える或いは感度を変える等でもよい。
また、露光条件を変えるのではなく、モノクロ撮影モードとカラー撮影モードの切替えを行ってもよい。
【0057】
実施の形態1〜4及びそれらの組み合わせにおいて、マークMの認識処理に適したビデオカメラ10,210,310の露光条件が、モニタ表示用には必ずしも適さない場合もある。そのため、マーク認識処理用の露光条件1と、モニタ表示用の露光条件2という2つの露光条件を定義し、ビデオカメラ10,210,310の露光条件1と露光条件2とを一定の間隔で切り替えてもよい。そして、露光条件1で撮影されたフレームは、駐車目標認識部20,220,320が行うマークMの認識処理に使用し、露光条件2で撮影されたフレームは、駐車目標位置指定部50のモニタ51が行うビデオカメラ10,210,310により撮影された画像の表示に使用する。これにより、運転者が視認するのに適したモニタ表示を提供しながら、マークMの認識処理に適するようにビデオカメラ10,210,310の露光条件の制御を行うことができる。このとき、駐車目標位置指定部50のモニタ51が行うビデオカメラ10,210,310により撮影された画像の表示においては、露光条件1で撮影されたフレームが欠落するので、図15に示されるように、露光条件1で撮影されたフレームに相当するフレームを、直前に表示した露光条件2で撮影されたフレームを再度表示して補間することにより、違和感のないモニタ表示が可能になる。図15において、フレーム1とフレーム1’、フレーム4とフレーム4’、及びフレーム7とフレーム7’は、それぞれ同一のものである。或いは、高速フレームレートでの撮影が可能なビデオカメラを使用し、マークMの認識処理用とモニタ表示用とに振り分けられた後の各々のフレームレートが、通常のフレームレートになるようにすれば、さらに違和感のないモニタ表示が可能になる。
【0058】
実施の形態1〜4及びそれらの組み合わせにおいて、ビデオカメラ10,210,310の露光条件を制御することにより画像の輝度値を調整するのではなく、測光領域Rの平均輝度値或いは輝度分布の形状に基づいてビデオカメラ10,210,310により撮影された画像の各画素の輝度値に一定値を加算或いは減算することにより、画像の輝度値を調整してもよい。このとき、画像全体に対して輝度値の調整を行ってもよいが、測光領域Rの範囲内の輝度値のみを調整した方が処理時間を短縮することができるためより好ましい。また、駐車目標認識部20,220,320が内部で行うマークMの認識処理においてのみ輝度値を調整した画像を使用し、駐車目標位置指定部50でのモニタ表示では、ビデオカメラ10,210,310により撮影された画像をそのまま表示する。これにより、ビデオカメラが露光条件制御機能を有していなくても、画像の輝度値をマークMの認識処理に適するように調整し、マークMを精度良く認識することができる。
【0059】
実施の形態1〜4及びそれらの組み合わせにおいて、ビデオカメラ10,210,310により撮影された画像を駐車目標位置指定部50でモニタ表示すると、路面上において車両100の近くに位置する物体は大きく表示され、遠くに位置する物体は小さく表示される。そのため、測光領域Rに対応する路面上又は壁面上における位置と車両100との距離に基づいて、距離が近くなるに従って測光領域Rを広く設定するようにしてもよい。これにより、測光領域Rのサイズを適切に設定することができる。
【0060】
実施の形態1〜4及びそれらの組み合わせにおいて、マークMの認識前は測光領域Rを広めに設定しておき、マークMの認識後は測光領域Rを狭く設定することにより、測光やマークMの認識処理にかかる時間が短縮されるようにしてもよい。
【0061】
実施の形態1〜3及びそれらの組み合わせにおいて、自宅の車庫などのように使用頻度の高い駐車スペースでは、駐車開始前に車両100が停車する位置が概ね同じになるため、運転者により指定されたマークMが存在すると思われる画像上の位置又は範囲を学習し、概ね同一の位置又は範囲が所定回数指定された後は、測光領域Rをその学習した位置又は範囲に自動的に設定するようにしてもよい。例えば、運転者により画像上の位置が指定される場合には、所定の回数nを上限として、運転者が指定するマークMが存在すると思われる画像上の位置の2次元座標を記憶していき、記憶された各点間の2次元ユークリッド距離が全て所定の閾値よりも小さい場合には、概ね同一の位置が所定回数(n回)指定されたものと判定し、測光領域Rをそれらの中央に自動的に設定する。また、運転者により画像上の範囲が指定される場合には、所定の回数nを上限として、運転者が指定するマークMが存在すると思われる画像上の範囲の中心座標及びそこから範囲の外枠までの平均距離を記憶していき、記憶された各中心点間の2次元ユークリッド距離が所定の閾値よりも小さく、且つ、記憶された各平均距離の分散が所定の閾値よりも小さい場合には、概ね同一の範囲が所定回数(n回)指定されたものと判定し、測光領域Rをその範囲に自動的に設定する。これらにより、運転者が、毎回マークMが存在すると思われる画像上の位置又は範囲を指定する手間を省くことができる。
【0062】
実施の形態1〜4及びそれらの組み合わせにおいて、駐車案内情報は音声であり、駐車案内出力部60のスピーカ61から出力されていたが、これに限定されるものではない。例えば、モニタに表示する画像により、運転者に駐車案内情報を伝達してもよい。その他にも、バイブレータによる振動、ブザーによる警告音等により、駐車案内情報を伝達してもよい。
また、運転者にマークMが存在すると思われる画像上の位置又は範囲を指定させる手段も、タッチパネルに限定されるものではなく、音声認識、ボタン、キーボード、マウス、マーカーライト(地面にマーカーライトを当てる)等の様々な入力デバイスを使用することができる。
【符号の説明】
【0063】
10 ビデオカメラ、20 駐車目標認識部、30 駐車軌跡算出部、40 駐車案内生成部、50 駐車目標位置指定部、60 駐車案内出力部、100 車両、L 駐車軌跡、M マーク、N 測光領域候補(測光領域の候補)、R 測光領域、S 駐車スペース。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車スペースに設置されたマークを撮影すると共に車両に搭載されるビデオカメラと、
前記ビデオカメラにより撮影された画像から前記マークを認識して前記マークと前記車両との相対位置関係を特定する駐車目標認識部と、
前記マークと前記車両との相対位置関係に基づいて、前記車両と前記駐車スペースとの相対位置関係を特定し、前記車両を前記駐車スペースへ誘導するための駐車軌跡を算出する駐車軌跡算出部とを備え、
前記駐車目標認識部は、前記画像上に測光領域を設定し、前記測光領域の輝度値に基づいて前記画像の輝度値を調整した後、前記画像から前記マークを認識する処理を行うことを特徴とする駐車支援装置。
【請求項2】
前記ビデオカメラにより撮影された前記画像を表示すると共に運転者からの入力を受け付ける機能を有する駐車目標位置指定部を備え、
前記駐車目標位置指定部は、運転者により指定される画像上の位置又は範囲を前記駐車目標認識部に出力し、
前記駐車目標認識部は、前記運転者により指定された画像上の位置又は範囲に基づいた一定範囲を、前記測光領域として設定することを特徴とする、請求項1に記載の駐車支援装置。
【請求項3】
前記駐車目標認識部は、前記測光領域の範囲内から前記マークを認識する処理を行うことを特徴とする、請求項2に記載の駐車支援装置。
【請求項4】
前記駐車目標認識部は、前記測光領域の路面上又は壁面上における位置と前記車両との距離に基づいて、前記距離が近くなるに従って前記測光領域を広く設定することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の駐車支援装置。
【請求項5】
前記駐車目標認識部は、前記運転者により指定された画像上の位置又は範囲を学習し、概ね同一の位置又は範囲が所定回数指定された後は、前記測光領域を前記学習した位置又は範囲に自動的に設定することを特徴とする、請求項2〜4のいずれか一項に記載の駐車支援装置。
【請求項6】
前記駐車目標認識部は、前記画像全体の範囲から前記マークを検出し、検出した前記マークの位置に基づいた一定範囲を前記測光領域の候補として設定することを特徴とする、請求項1に記載の駐車支援装置。
【請求項7】
前記ビデオカメラは、露光条件制御機能を有し、
前記駐車目標認識部は、前記測光領域の輝度値に基づいて前記ビデオカメラの露光条件を制御することにより、前記画像の輝度値を調整することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の駐車支援装置。
【請求項8】
前記ビデオカメラにより撮影された前記画像を表示するモニタと、
前記ビデオカメラの露光条件として、第1の露光条件と第2の露光条件とを備え、
前記駐車目標認識部は、前記ビデオカメラの前記第1の露光条件と前記第2の露光条件とを切り替え、
前記第1の露光条件で撮影されたフレームは、前記駐車目標認識部が行う前記マークを認識する処理に使用し、
前記第2の露光条件で撮影されたフレームは、前記モニタが行うビデオカメラにより撮影された画像の表示に使用することを特徴とする、請求項7に記載の駐車支援装置。
【請求項9】
前記モニタが行う前記ビデオカメラにより撮影された画像の表示において、前記第1の露光条件で撮影されたフレームに相当するフレームを、直前に表示した前記第2の露光条件で撮影されたフレームを再度表示することにより補間することを特徴とする、請求項8に記載の駐車支援装置。
【請求項10】
前記駐車目標認識部は、前記測光領域の輝度値に基づいて、前記ビデオカメラにより撮影された画像の各画素の輝度値を調整することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の駐車支援装置。
【請求項11】
前記駐車目標認識部は、前記マークを認識した後、前記マークが前記測光領域の中央に位置するように、前記測光領域の位置を更新することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の駐車支援装置。
【請求項12】
前記ビデオカメラは、カラー撮影モードとモノクロ撮影モードの切り替え機能を有し、
前記駐車目標認識部は、前記画像全体の平均輝度値が所定の閾値未満である場合には、前記ビデオカメラをモノクロ撮影モードに切り替えることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の駐車支援装置。
【請求項13】
前記ビデオカメラは、ズーム制御機能を有し、
前記駐車目標認識部は、前記測光領域を設定した後、前記測光領域をズームアップするように前記ビデオカメラを制御することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の駐車支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−215029(P2010−215029A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−61815(P2009−61815)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】