説明

高屈折率モノマー、それらの組成物及び使用

本発明は、高屈折率によって特徴付けられる、光学的及び工業的な用途のための新規硫黄含有(メタ)アクリルモノマー及びそれらの組成物に関する。本発明は、また、高屈折率ポリマー材料を調製する方法、とりわけ紫外線成形光学レンズの形成のための方法及び硫黄含有(メタ)アクリルモノマーを含むその組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高屈折率によって特徴付けられる、光学的及び工業的な用途のための新規(メタ)アクリルモノマー及びそれらの組成物に関する。本発明は、また、高屈折率ポリマー材料を調製する方法、とりわけ紫外線成形光学レンズの形成のための方法及び組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
高屈折率(RI)材料は、眼用レンズ、カメラレンズ、バイザー、保護眼鏡、時計皿、ビデオディスク、モニター、ディスプレー、電気通信システム及び医療/分析器具のような成形又は被覆製品における使用が知られている。被覆又は膜適用において、高屈折率材料は、反射防止特性、明度及び光沢保持性を与える。電気通信において、高RIモノマーは、多モードファイバーにおいて優れた性能を有する屈折率分布型(graded-index)光ケーブルに特に適している。
【0003】
高屈折率材料は、光が材料の中をより素速く通過できるように作用し、一般に、高RI材料を有さない組成物と同じ集束力を、低減された厚さで有することにより特徴付けられる。特に、従来のプラスチック(RI>1.5)よりも高いRIを有する材料から作製される眼用レンズは、より少ない材料を必要とするので、一般により軽くなる。
【0004】
ポリカーボネートプラスチック(PC)は、耐衝撃性が増強されたレンズのために最初の高指数プラスチック(RI 1.58)として1980年代初期に導入された。しかし、PCレンズは、高い複屈折及び色分散のような不十分な光学特性を有し、切断及び研磨のような加工の際に容易にスクラッチを作り、溶融する。ポリスチレンは、典型的には比較的高いRIにより特徴付けられるが、不十分な耐熱性と組み合わされた光学分散の増加を示す。ポリウレタンは、良好な耐衝撃性を有するが、不十分な耐候性を有し、着色することが困難である。ポリスルホンは、高い屈折率を有するが、典型的には着色されており、加工することが困難である。重量の低減及び耐衝撃性の増加のようなガラスに対する利点を提供するが、プラスチックは、依然としてその特性において欠点を有する。より薄く、軽く、耐性のある透明な光学材料を作製する新たな材料の必要性が、引き続き存在する。
【0005】
現在の高RIプラスチックには、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ及びエピスルフィド樹脂が含まれる。大部分の高RIプラスチックは、芳香族及び硫黄のような偏光性の高い化学部分を有するチオウレタン及びエピスルフィド化学を使用する。しかし、これらの材料から製造されるレンズは、硬化後の黄変及びレンズ加工の際に放出される強力な臭気という難点がある。加えて、これらのモノマーは、光学的均質性を維持するのに必要な長い硬化時間のために、本質的に長い製造サイクルを有する。したがって、硬化又は切断及び研磨において迅速な硬化、高いRI、低い色度及び低い臭気をもたらし、同時に光学的均質性を維持するモノマーの必要性が存在する。
【0006】
特に、光学レンズを作製する比較的新しい方法である光学レンズの紫外線(UV)成形又はUV硬化製造は、高RI材料にとって困難な課題を提示する。現在の高指数モノマーは、UV硬化製造に適当でもなく、眼用レンズ用途に適合した品質を有してもいない。したがって、UV硬化レンズのための革新的な高RIモノマーの開発が極めて望ましい。
【0007】
米国特許第6,419,873号、同第6,557,734号、同第6,964,479号及び同第7,079,920号は、プラスチック光学レンズのUV成形の系を記載する(その全体が参照として本明細書に組み込まれる)。
【0008】
(メタ)アクリレートモノマーは、UV硬化の当業者に良く知られている。これらは、優れた光学的明澄度を有し、ラジカル重合によって急速にUV硬化することができる。
【0009】
硫黄含有(メタ)アクリレートモノマーは、透明な光学材料から構成される形成されたポリマー又はレンズにおいて屈折率を上昇させることが、当該技術において良く知られている。
【0010】
例えば、米国特許第4,990,653号及び同第5,880,170号(その全体が参照として本明細書に組み込まれる)、並びに特開平05−303003及び特開平07−206944は、レンズに有用な硬化物を与える硫黄含有アクリル組成物を開示する。
【0011】
本発明は、1.58以上、好ましくは1.60以上のRIを示す新規高RI(メタ)アクリレートモノマー及び組成物を含む。
【0012】
本発明は、また、硫黄含有(メタ)アクリレートを含むことに加えて、有機−無機ハイブリッド材料も含む光学材料を含む。
【0013】
特定の硫黄含有(メタ)アクリレートと組み合わせた有機−無機ハイブリッド材料は、光学被覆において使用されることが知られており、米国特許出願公開第2006/0147674、同第2006/0147703号及び同第2006/147702号(その全体が参照として本明細書に組み込まれる)において開示されている。
【0014】
PCT出願第2006/065660号は、金属及びプレポリマーを含有するエチレン性不飽和基から形成される金属含有組成物を開示する(その全体が参照として本明細書に組み込まれる)。
【0015】
加えて、特開2005−314661は、TiOと組み合わせた多官能硫黄含有メタクリレートモノマーを含有するプラスチック固体を開示する。
【0016】
特開平08−157320は、歯科用材料に使用される、硫黄含有メタクリレートと組み合わせた金属酸化物を開示する。
【0017】
金属をキレート又は架橋する能力を有する基により官能化されたモノマーを、本発明の高RIモノマーと組み合わせることができる。この組み合わせは、改善された高RI均質ポリマー複合材料をもたらす。高RIモノマーは、無機成分に適合したより良好なRIをもたらし、改善された明澄度及び低減された曇り度を与えることができるので、これらの有機−無機ハイブリッド材料に有益であることができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は幾つかの組成実施態様を包含する。
【0019】
高屈折率モノマーの一般的部類
本発明は、式(1)、(2)、(3)及びこれらの混合物からなる群より選択される高屈折率(RI)モノマーを包含する:
【0020】
式(1)
【化1】

【0021】
式中、
は、場合により−S−、−SO−、−SO−及び/又は酸素で中断されているC〜Cアルキレンとして定義され、
は、結合、硫黄又は酸素であるが、
但し、−L−W−又は−W−L−の少なくとも1つは、−S−、−SO−又は−SO−の少なくとも1つを含有し、
は、S、SO又はSOであり、そして
は、独立してH又はCHであり、
【0022】
式(2)
【化2】

【0023】
式中、
は、結合、−SO−、−SO−、−S−、−C(CH−、−(CH−S−(CH−、−(CH−SO−(CH−、−(CH−SO−(CH−、−S−(CH−S−、−SO−(CH−SO−又は−SO−(CH−SO−として定義されている二価結合基であり、
は、結合、硫黄、酸素、又は−CONR−、−NRCO−、−SCONR−、−RNOCS−、−NRCOS−、−SOCNR−、−CSO−、−OSC−、−COS−、−SOC−、−CSS−、−SSC−、−OCO−、−COO−、−SCOO−、−OOCS−、−OCONR−及び−RNOCO−からなる群より選択される二価結合基として定義され、
は、場合によりW、−S−、−SO−、−SO−又は酸素で中断されているC〜C10アルキレンであるが、
但し、−L−W−又は−W−L−の少なくとも1つは、−SCONR−、−RNOCS−、−NRCOS−、−SOCNR−、−CSO−、−OSC−、−COS−、−SOC−、−CSS−、−SSC−、−SCOO−及び−OOCS−からなる群より選択される少なくとも1つの二価結合基を含有するか、或いは
−L−W−又は−W−L−の少なくとも1つは、−CONR−、−RNCO−、−OCONR−、−RNOCO−、−OCO−、−COO−及び少なくとも1つの−S−、−SO−又は−SO−を含有するか、或いは
−L−W−又は−W−L−は、OR又はSRで置換されている分岐鎖又は直鎖のC〜Cアルキレンであり、
は、独立してH又はCHとして定義され、
は、C〜C分岐鎖若しくは直鎖アルキル、又は置換若しくは非置換フェニルであり、そして
は、独立してH又はCHとして定義され、
【0024】
式(3)
【化3】

【0025】
式中、
は、結合、硫黄、酸素、又は−CONR−、−NRCO−、−SCONR−、−RNOCS−、−NRCOS−、−SOCNR−、−CSO−、−OSC−、−COS−、−SOC−、−CSS−、−SSC−、−OCO−、−COO−、−SCOO−、−OOCS−、−OCONR−及び−RNOCO−からなる群より選択される二価結合基であり、
は、場合によりW、−S−、−SO−、−SO−及び/又は酸素で中断されているC〜C10アルキレンであるが、
但し、−L−W−又は−W−L−の少なくとも1つは、−SCONR−、−RNOCS−、−NRCOS−、−SOCNR−、−CSO−、−OSC−、−COS−、−SOC−、−CSS−、−SSC−、−SCOO−及び−OOCS−からなる群より選択される少なくとも1つの二価結合基を含有しなければならないか、或いは
−L−W−又は−W−L−の少なくとも1つは、−CONR−、−RNCO−、−OCONR−、−RNOCO−、−OCO−、−COO−及び少なくとも1つの−S−、−SO−又は−SO−を含有するか、或いは
−W−L−又は−L−W−は、OR又はSRで置換されている分岐鎖又は直鎖のC〜Cアルキレンであり、
は、独立してH又はCHとして定義され、
は、分岐鎖若しくは直鎖C〜Cアルキル、又は置換若しくは非置換フェニルであり、
は、独立してH又はCHであり、そして
は、H又は分岐鎖若しくは直鎖C〜Cアルキルである。
【0026】
特定の新規高屈折率モノマー
本発明は、また、本発明者により新規であると考えられる多数の特定の高屈折率(RI)モノマー又はこれらの混合物を包含する。
【0027】
これらには、下記の表1に提示されている特定のモノマーが含まれる:
【0028】
【表1】

【0029】
高屈折率透明ポリマー組成物
更に、本発明は、式(1)、(2)、(3)及びこれらの混合物からなる群より選択されるモノマーのうちの少なくとも1つ、
場合により、官能化又は表面処理ナノ粒子、
並びに
場合により、モノ(メタ)アクリレート芳香族硫黄含有モノマーからなる群より選択される少なくとも1つのモノマー
から形成されるプラスチックを含む、高屈折率透明プラスチック組成物を包含する。
【0030】
高屈折率紫外線成形(UV成形)光学レンズ
本発明は、また、式(1)、(4)、(5)及びこれらの混合物からなる群より選択されるモノマーのうちの少なくとも1つから形成されるUV成形光学レンズを包含する。
【0031】
式(1)
【化4】

【0032】
式中、
は、場合により−S−、−SO−、−SO−及び/又は酸素で中断されているC〜Cアルキレンとして定義され、
は、結合、硫黄又は酸素であるが、
但し、−L−W−又は−W−L−は、−S−、−SO−又は−SO−の少なくとも1つを含有し、
は、S、SO又はSOであり、そして
は、独立してH又はCHであり、
【0033】
式(4)
【化5】

【0034】
式中、
は、結合、−SO−、−SO−、−S−、−C(CH−、−(CH−S−(CH−、−(CH−SO−(CH−、−(CH−SO−(CH−、−S−(CH−S−、−SO−(CH−SO−又は−SO−(CH−SO−として定義されている二価結合基であり、
nは、1〜4であり、
は、結合、硫黄、酸素、又は−OCO−、−COO−、−CO−、−SO−、−SO−、−OCOO−、−OOCO−、−CONR−、−NRCO−、−SCONR−、−RNOCS−、−NRCOS−、−SOCNR−、−CSO−、−OSC−、−COS−、−SOC−、−OCO−、−COO−、−CSS−、−SSC−、−SCOO−、−OOCS−、−OCONR−及び−RNOCO−からなる群より選択される二価結合基として定義され、
は、場合により酸素、−S−、−SO−、−SO−又はWで中断されているC〜C10アルキレンであるか、或いは
は、OH、OR又はSRで置換されている分岐鎖若しくは直鎖C〜Cアルキレンであり、
は、独立してH又はCHとして定義され、
は、分岐鎖若しくは直鎖C〜Cアルキル、又は置換若しくは非置換フェニルであり、そして
は、独立してH又はCHとして定義され、
【0035】
式(5)
【化6】

【0036】
式中、
は、結合、酸素、硫黄又は−OCO−、−COO−、−CO−、−SO−、−SO−、−OCOO−、−OOCO−、−CONR−、−NRCO−、−SCONR−、−RNOCS、−NRCOS−、−SOCNR−、−CSO−、−OSC−、−COS−、−SOC−、−OCO−、−COO−、−CSS−、−SSC−、−SCOO−、−OOCS−、−OCONR−及び−RNOCO−からなる群より選択される二価結合基であり、
は、場合により酸素、−S−、−SO−、−SO−又はWで中断されているC〜C10アルキレンであるか、或いは
は、OH、OR又はSRで置換されている分岐鎖又は直鎖C〜Cアルキレンであり、
は、独立して水素又はCHとして定義され、
は、分岐鎖若しくは直鎖C〜Cアルキル、又は置換若しくは非置換フェニルであり、
は、水素又は分岐鎖若しくは直鎖C〜Cアルキルであり、そして
は、独立してH又はCHとして定義されているが、
但し、−L−W−又は−W−L−の少なくとも1つは、少なくとも1つの硫黄を含有する。
【0037】
式(1)、(4)、(5)又はこれらの混合物のモノマーのうちの少なくとも1つに加えて、UV成形レンズは、場合により官能化又は表面処理ナノ粒子を含有することができ、ここでナノ粒子は、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属塩化物又はこれらの混合物のような無機粒子である。
【0038】
語句「官能化又は表面処理ナノ粒子」は、ナノ粒子がポリマーマトリックスと適合するのを助けるために、ナノ粒子がカルボン酸、シラン及び/又は分散剤のような有機表面変性剤で処理されていることを意味する。
【0039】
本発明は幾つかの方法実施態様を包含する:
第1は、
透明材料がポリマー成形体、被覆又は膜である高屈折率透明材料を形成する方法であって、
液体組成物を成形型又は装置に入れる工程(ここで成形装置又は型は、前方成形部材及び後方成形部材を含む)、或いは
液体組成物を基材上に塗布して、膜又は被覆を形成する工程
(液体組成物は、
式(1)、(2)及び(3)からなる群より選択される少なくとも1つのモノマー、
場合により、表面処理又は官能化ナノ粒子、及び
光開始剤
を含む)、
並びに
活性化光線を、成形部材、膜又は被覆の少なくとも1つに向けて、硬化を実施する工程
を含む方法である。
【0040】
第2は、高屈折率ポリマー眼鏡レンズを形成する方法であって、
液体レンズ形成組成物を成形型又は成形装置に入れる工程(ここで成形装置は、前方成形部材及び後方成形部材を含み、レンズ形成組成物は、
式(1)、(4)及び(5)からなる群より選択される少なくとも1つのモノマー、
場合により、表面処理又は官能化ナノ粒子、及び
光開始剤
を含む)、
並びに
活性化光線を成形部材の少なくとも1つに向け、続けてレンズの硬化を開始させて、眼鏡レンズを形成する工程
を含む方法である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
高屈折率モノマーの一般的部類
本発明は、式(1)、(2)、(3)及びこれらの混合物の高屈折率(RI)モノマーを包含する:
【0042】
式(1)
【化7】

【0043】
式中、
は、場合により硫黄及び/又は酸素で中断されているC〜Cアルキレンとして定義され、
は、結合、硫黄又は酸素であるが、
但し、−L−W−又は−W−L−は、−S−、−SO−又は−SO−の少なくとも1つを含有し、
は、S、SO又はSOであり、
は、独立してH又はCHであり、
は、例えば、−CH−CH−S−CH−、−CH−CH−S−CH−CH−、−CH−CH−S−、−CH−CH−O−CH−CH−S−及び−CH−CH−O−CH−CH−S−CH−である。
【0044】
硫黄がC〜Cアルキレン鎖を中断する場合、硫黄は酸化されてSO又はSOとなることができる。したがってLは、独立して、例えば、−CH−CH−SO−CH−、−CH−CH−SO−CH−、−CH−CH−SO−CH−CH−及び−CH−CH−SO−CH−CH−であることができる。
【0045】
−L−W−又は−W−L−は、例えば、CH−CH−S−CH−、−CH−CH−S−、−S−CH−CH−、−O−CH−CH−S−CH−又は−CH−S−CH−CH−O−であることができる。
【0046】
〜Cアルキレンは、例えば、C〜C又はC〜Cアルキレンである。
【0047】
式(2)
【化8】

【0048】
式中、
は、結合、−SO−、−SO−、−S−、−C(CH−、−(CH−S−(CH−、−(CH−SO−(CH−、−(CH−SO−(CH−、−S−(CH−S−、−SO−(CH−SO−又は−SO−(CH−SO−として定義されている二価結合基であり、
は、結合、硫黄、酸素、又は−CONR−、−NRCO−、−SCONR−、−RNOCS−、−NRCOS−、−SOCNR−、−CSO−、−OSC−、−COS−、−SOC−、−CSS−、−SSC−、−OCO−、−COO−、−SCOO−、−OOCS−、−OCONR−及び−RNOCO−からなる群より選択される二価結合基として定義され、
は、場合によりW、−S−、−SO−、−O−及び/又は−SO−で中断されているC〜C10アルキレンであるが、
但し、−L−W−又は−W−L−の少なくとも1つは、−SCONR−、−RNOCS−、−NRCOS−、−SOCNR−、−CSO−、−OSC−、−COS−、−SOC−、−CSS−、−SSC−、−SCOO−及び−OOCS−からなる群より選択される少なくとも1つの二価結合基を含有するか、或いは
−L−W−又は−W−L−の少なくとも1つは、−CONR−、−RNCO−、−OCONR−、−RNOCO−、−OCO−、−COO−及び少なくとも1つの−S−、−SO−又は−SO−を含有するか、或いは
−L−W−又は−W−L−は、OR又はSRで置換されている分岐鎖又は直鎖のC〜Cアルキレンであり、
は、独立してH又はCHとして定義され、
は、C〜C分岐鎖若しくは直鎖アルキル、又は置換若しくは非置換フェニルであり、そして
は、独立してH又はCHである。
【0049】
例えば、Lは、−CH−CH−S−CH−CH−O−CONH−CH−CH−、−CH−SOCNH−CHCH−、−CH−SOCNH−CH−CH−O−CH−CH−又は−CH−SCONH−CH−S−CH−CH−であることができる。−L−W−又は−W−L−は、例えば、−CH−CH−S−CONH−CH−S−又は−CH−CH−S−CONH−CH−であることができる。
【0050】
式(3)
【化9】

【0051】
式中、
は、結合、硫黄、酸素、又は−CONR−、−NRCO−、−SCONR−、−RNOCS−、−NRCOS−、−SOCNR−、−CSO−、−OSC−、−COS−、−SOC−、−CSS−、−SSC−、−OCO−、−COO−、−SCOO−、−OOCS−、−OCONR−及び−RNOCO−からなる群より選択される二価結合基であり、Lは、場合によりW、−S−、−SO−、−SO−及び/又は−O−で中断されているC〜C10アルキレンであるが、
但し、−L−W−又は−W−L−の少なくとも1つは、−SCONR−、−RNOCS−、−NRCOS−、−SOCNR−、−CSO−、−OSC−、−COS−、−SOC−、−CSS−、−SSC−、−SCOO−及び−OOCS−からなる群より選択される少なくとも1つの二価結合基を含有するか、或いは
−L−W−又は−W−L−の少なくとも1つは、−CONR−、−RNCO−、−OCONR−、−RNOCO−、−OCO−、−COO−及び少なくとも1つの−S−、−SO−又は−SO−を含有するか、或いは
−W−L−又は−L−W−は、OR又はSRで置換されている分岐鎖又は直鎖のC〜Cアルキレンであり、
は、独立して水素又はCHとして定義され、
は、分岐鎖若しくは直鎖C〜Cアルキル、又は置換若しくは非置換フェニルであり、
は、水素又は分岐鎖若しくは直鎖C〜Cアルキルであり、そして
は、独立してH又はCHである。
【0052】
好ましくは、Rは、置換又は非置換フェニルである。
【0053】
は、例えば、−CH−CH−S−CH−CH−O−CONH−CH−CH−、−CH−SOCNH−CHCH−、−CH−SOCNH−CH−CH−O−CH−CH−又は−CH−SCONH−CH−S−CH−CH−であることができる。−L−W−又は−W−L−は、例えば、−CH−CH−S−CONH−CH−S−又は−S−CH−HNOC−S−CH−CH−であることができる。
【0054】
本発明の目的におけるC〜C10アルキレンは、例えば、C〜C2−3、C〜C、C〜C又はC〜Cであることができる。
【0055】
更に、本発明は、式(1)、(2)、(3)又はこれらの混合物の少なくとも1つ、
場合により、表面処理又は官能化ナノ粒子、及び
場合により、モノ(メタ)アクリレート芳香族硫黄含有モノマーからなる群より選択される少なくとも1つのモノマー
から形成されるプラスチックを含む、透明な高屈折率プラスチック組成物を包含する。
【0056】
式1〜5の調製物は、当該技術に既知の典型的な方法により形成することができる。例えば、米国特許第3,824,293号は、ビスチオエーテルの合成方法を開示する(その全体が参照として本明細書に組み込まれる)。次にビスチオエーテルを(メタ)アクリレートと反応させて、式1〜5の(メタ)アクリレートを形成することができる。米国特許第3,824,293号は、ヒドロキシアルキルのアルカリ金属塩を芳香族ハロゲン化合物と縮合してビスチオエーテルを調製することを教示する。
【0057】
新規モノマー(式1〜5)は、色をほとんど又は全く必要としないで光学レンズ又は用途において使用されるので、モノマーの調製に使用される中間体も、好ましくは無色であり、高純度のものである。ビスチオエーテルは、式1〜5の中間体として機能することができる。驚くべきことに、ヒドロキシアルキルメルカプタンのアルカリ金属塩と芳香族ハロゲン化合物とを縮合した生成物は、ヒドロキシアルキルメルカプタンのカリウム金属塩を芳香族ハロゲン化合物と、アミドから誘導した溶媒中で反応させることによって、有意に改善できることが発見された。
【0058】
アミド溶媒の使用は、カリウムアリールチオレートの溶媒として良好な選択であると認識されているが(Campbell, J. R. et al, J. Org. Chem., 1964, 29, 1830-1833を参照すること)、ヒドロキシアルキルメルカプタンにおけるヒドロキシ基の存在が、感知可能な副生成物を与えないことは、驚くべきことである。
【0059】
したがって、本発明は、
式(2′)及び(3′):
【0060】
【化10】

【0061】
〔式中、Lは、酸素又は硫黄で中断されているC〜Cアルキル又はC〜Cアルキレンであり、そしてEW及びEWは、電子求引基である〕で示されるビスチオエーテルの調製方法であって、
ヒドロキシアルキルメルカプタンのカリウム塩を芳香族ハロゲン化合物と縮合させ、
ここで縮合が、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルブチルアミド、N,N−ジブチルアセトアミド及びN−メチルピロリジノンからなる群より選択される溶媒において実施される
方法を包含する。
【0062】
ヒドロキシアルキルメルカプタンのカリウム塩は、好ましくはヒドロキシアルキルメルカプタンとKCOとの反応から形成される。
【0063】
ヒドロキシアルキルメルカプタンのアルキルは、分岐鎖又は非分岐鎖のC〜Cアルキル、好ましくは分岐鎖又は非分岐鎖のC〜Cアルキルであることができる。したがってヒドロキシ及びメルカプタン官能基は、脂肪族である。アルキル基は、例えば芳香族環で更に置換されていることができる。
【0064】
ヒドロキシアルキルメルカプタンのメルカプタン及びヒドロキシ基は、第一級、第二級又は第三級であることができる。例えば、メルカプタン及びヒドロキシ基の双方は、2−ヒドロキシエチルメルカプタンにおけるようにアルキル基の対向末端にあることができる。芳香族環には、ベンゼン、縮合ベンゼン環及びチオフェンが含まれる。
【0065】
場合により酸素又は硫黄で中断されているC〜Cアルキレン、好ましくはC〜Cアルキレンは、例えばHO−CHCH−S−CHCH−SH及びHO−CHCHCH−O−CHCHCH−SHであることができる。
【0066】
本発明の目的における芳香族ハロゲンは、芳香族環上で直接置換されているハロゲンを意味する。
【0067】
EWは、例えば、−CX−、−SO−、−SO−及び−C(=O)−であることができる。−CX−は、例えば、−CCl−及び−CF−であることができる。
【0068】
EWは、例えば、−CX、−NO、−CN及び−Xであることができる。−CX−は、例えば、−CF及び−CClであることができる。
【0069】
式(3′)のEWの置換は、1〜4回であることができる。
【0070】
本発明の目的における透明とは、プラスチック組成物が、400〜700nm範囲の光の90%を超える透過率を有することを意味する。組成物は、例えば少なくとも約95%、より典型的には少なくとも約99%の透過率を有することができる。組成物の透過パーセントとは、硬化された組成物を意味するが、硬化前の液体も、多くの場合に高い透明度及び低い臭気によって特徴付けられる。
【0071】
UV成形光学レンズを形成する硫黄含有モノマーは、レンズの大部分を占めるべきである。例えば、少なくとも約75〜100重量%、特に約80〜約99重量%、とりわけ約85〜約98重量%の硫黄含有モノマーが、形成された光学レンズを構成する。硫黄含有モノマーの重量%は、硬化又は形成されたUV成形レンズの総重量に基づいている。したがって、硬化前組成物は、成形UVレンズの一部にならない溶媒などを含むことができる。したがって、硫黄含有モノマーの重量%は、硬化後に成形レンズの一部にならない溶媒又は成分を含まない。
【0072】
典型的な組成物は、98重量%までの本発明の高屈折率モノマー及び5重量%までの、重合を促進するのに有効な少なくとも1つの光開始剤と、反応性希釈剤、架橋剤、光安定剤、離型剤又は染料のような任意の他の成分を含む。
【0073】
ナノ粒子が硫黄含有モノマーと共にUV成形レンズに含まれる場合には、硫黄含有モノマーは、UV成形組成物、すなわち硬化後の成形レンズの組成物の重量%に基づいて、約95重量%〜約50重量%、特に92重量%〜約55重量%、とりわけ約90重量%〜約60重量%のいずれかで構成するべきである。
【0074】
ナノ粒子の定義
本発明の目的におけるナノ粒子とは、約200nm以下の平均直径を意味する。好ましくは、粒子の直径は、約100nm以下、より好ましくは約70nm以下、最も好ましくは約5〜50nmの範囲である。例えば、大部分のナノ粒子は、約5nm〜約50nm、約5nm〜約70nm、約5nm〜約100nm及び約5nm〜約200nmの容積平均の大きさであることができる。
【0075】
過半数とは、ナノ粒子が50重量%を超える、より好ましくは約67〜90重量%であると定義される。ナノ粒子が少数であるとは、ナノ粒子が50重量%未満、より好ましくは約40〜10重量%であると定義される。
【0076】
ナノ粒子は、一般に、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物又は金属塩化物のような無機粒子である。本発明によると、高指数ナノ粒子の使用は、それを組み込んだ組成物の屈折率を増加する。ジルコニア、シリカ、チタニア、アンチモン、金属酸化物の混合物、混合金属酸化物及びこれらの混合物のような高指数ナノ粒子が許容可能に考慮される。
【0077】
無機粒子の金属は、Zr、Hf、Ge、Ti、Pb、Gd、Sn、Zn、Ni、Na、Li、K、Ce、Nb、Eu、In、Al、Fe、Mn、Nd、Cu、Sb、Mg、Ag及びYであることができる。ナノ粒子が元素金属である場合、Zr、Zn、Ti、Al及びCeが最も好ましい。例えば、金属は、Zr、ZrO、ZrO、Ti、Ce、CeO及びTiOのような、元素金属又は金属酸化物であることができる。好ましくは、ナノ粒子は、Ce、CeO、Zr、ZrO、Zn、ZnO、Al、Al、Ti、TiO又はこれらの混合物を含む。
【0078】
表面処理ナノ粒子は、UV成形レンズの約5〜約50重量%を構成することができる。例えば、表面処理ナノ粒子は、硬化レンズの約8〜約45重量%、約10〜約40重量%を構成することができる。
【0079】
ナノ粒子の表面変性又は官能化
ナノ粒子の表面処理又は官能化は、ポリマー樹脂において安定した分散体をもたらすことができる。好ましくは、表面処理は、粒子が重合性樹脂内で十分に分散し、実質的に均質の組成物をもたらすように、ナノ粒子を安定化する。更に、ナノ粒子は、安定化された粒子が硬化の際に共重合することができる又は重合性樹脂と反応することができるように、表面処理剤でその表面の少なくとも一部分を変性することができる。
【0080】
例えば、金属含有前駆体単位及びプレポリマー単位と、重合を誘導する開始剤とを含む金属含有組成物を開示するPCT国際公開公報第2006/065660号を参照されたい。金属含有前駆体単位は、下記に提示されている種類のエチレン性不飽和部分に結合している金属を含有する:
【0081】
【化11】

【0082】
式中、
は、H原子、CH若しくは2〜8個の炭素原子を含有するアルキル基、ハロゲン原子を含有する基、又はヒドロキシアルキル基を表し;Rは、アルキル基、C〜Cアルキレン又は置換若しくは非置換アリール基を表し;zは、1〜3であり;nは、0〜6であり、そしてMeは、金属を表す。
【0083】
シリカは、無機酸化物と適合性があり、したがって、例えばゾル−ゲル法において2つのマトリックスのカップラーとして機能することができる。したがって、シランをカップラー若しくは架橋剤として、又は無機相のために表面処理剤として使用することができる。
【0084】
一般に、表面処理剤は、粒子表面に(共有的に、イオン的に又は強力な物理的吸着により)結合する第1末端及び硬化の際に粒子に樹脂との適合性を付与する及び/又は樹脂と反応する第2末端を有する。表面処理剤の例には、アルコール、アミン、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、チオール、シラン及びチタネートが挙げられる。処理剤の好ましい種類は、部分的に、金属酸化物の表面の化学特性によって決定される。シランは、シリカ及び他のケイ質充填材にとって好ましい。表面変性は、モノマーと混合する前又は混合した後に続いて実施することができる。シランを用いる場合、シランと粒子又はナノ粒子表面との反応は、樹脂に組み込む前が好ましい。表面変性剤の必要量は、粒径、粒子の種類、変性剤の分子量及び変性剤の種類のような幾つかの要素に応じて決まる。一般に、単層の変性剤の周囲が粒子の表面に結合することにより有機マトリックスと適合し、粒子の凝集を回避することが好ましい。結合手順又は必要な反応条件も、使用される表面変性剤によって決まる。シランを用いる場合、約1〜24時間の酸性又は塩基性条件下での高温の表面処理が典型的である。カルボン酸のような表面処理剤は、通常、高温又は長時間を必要としない。
【0085】
カップリング剤
耐久性のある組成物に適切な表面処理剤の代表的実施態様には、例えば、イソオクチルトリメトキシ−シラン、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)メトキシエトキシエトキシエチルカルバメート(PEG3TES)、Silquest A1230、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)メトキシエトキシエトキシエチルカルバメート(PEG2TES)、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、(アクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリエトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、3−(アクリロイルオキシプロピル)メチルジメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロピルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニル−トリ−t−ブトキシシラン、ビニルトリス−イソブトキシシラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、ステアリン酸、ドデカン酸、2−〔2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ〕酢酸(MEEAA)、β−カルボキシエチルアクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)酢酸、メトキシフェニル酢酸及びこれらの混合物のような化合物が挙げられる。
【0086】
あるいは、表面変性ナノ粒子は市販されている。例えば、オルガノシランで処理した塩化亜鉛は、Zinc Oxide C1又はinc Oxide C2としてNanoTek(登録商標)から入手可能である。Gelest, Incも、ジルコニウムn−ブトキシド、カタログ番号AKZ945、ハフニウムn−ブトキシド、カタログ番号AKH325、チタンメタクリレートトリイソプロポキシド、カタログ番号AKT877、亜鉛メタクリレート、カタログ番号CSZN050、ジルコニルジメタクリレート、カタログ番号CXZR051及びこれもGelest, Incからのジルコニウムジアクリレートジブトキシドのような機能化金属ナノ粒子を販売する。粉末ナノ粒子及びこれらのコロイド分散体は、NanoPhase Technologies、Nissan Chemical America及びTAL Materialsのような多様な販売会社から入手可能である。
【0087】
PVS(物理蒸着合成)、NAS(NanoArc)、プラズマ法、火炎熱分解、気相における縮合法、コロイド技術、沈殿法、制御核生成及び成長法、ゾル−ゲル化学及び(マイクロ)エマルション法のような気相又は湿式化学法が、ナノ粒子の被覆又は機能化のために用いられる。
【0088】
加えて、金属アセチルアセトネート及びそれらの調製方法は、文献により良く知られている。Charles R.G. et. al, J. Phys. Chem. (1958), 62, 440-444又は、特に、アセチルアセトンの金属錯体を作製する経済的な方法については米国特許出願公開第2004/0127690号(その全体が参照として本明細書に組み込まれる)を参照されたい。アセチルアセトンは金属に対するキレート剤として機能する。これらのキレート化金属は、「機能化されたナノ粒子」として考慮される実施態様の1つである。
【0089】
更に、メタクリロイルアセチルアセトンのような重合性β−ジケトンを使用して、ナノ粒子を機能化することもできる。モノマーケトンを重合し、次に金属ナノ粒子と錯化し、高屈折率のプラスチック組成物に組み込むことができ、これから上記(式1〜6)で参照された高屈折率のモノマーの1つが形成される。重合性β−ジケトンの形成、重合及びキレート化は、Teyssie, P. et al, J. Polym. Sci. (1958), 47, p 245-251において見出すことができる。
【0090】
コロイド分散体の粒子の表面変性は、多様な方法で達成することができ、米国特許出願公開第2006/0147702号(参照として本明細書に組み込まれる)に詳細に記載されている。
【0091】
この方法は、無機分散体と表面変性剤との混合を伴う。場合により、例えば1−メトキシ−2−プロパノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、N,N−ジメチルアセトアミド及び1−メチル−2−ピロリジノンのような共溶媒を、この時点で加えることができる。共溶媒は、表面変性剤、並びに表面変性粒子の溶解性を増強することができる。続いて、無機ゾル及び表面変性剤を含む混合物を、室温又は高温で、混合して又は混合することなく反応させる。好ましい方法において、混合物を約85℃で約24時間反応させることができ、表面変性溶液がもたらされる。好ましい方法において、金属酸化物が表面変性されている場合、金属酸化物の表面処理は、好ましくは粒子表面への酸性分子の吸着を伴うことができる。金属酸化物の表面変性は、室温で実施することができる。
【0092】
次に表面変性粒子を、多様な方法により硬化性樹脂に組み込むことができる。好ましい態様では、樹脂を表面変性ゾルに添加し、続いて水及び共溶媒(使用されている場合)を蒸発により除去し、このようにして重合性樹脂に粒子を分散したままにする、溶媒交換の手法が利用される。蒸発工程は、例えば、蒸留、ロータリーエバポレーション又はさらには乾燥により達成することができる。
【0093】
別の態様では、表面変性粒子を水不混和性溶媒の中へ抽出し、続いて望ましい場合は溶媒交換を行う。
【0094】
あるいは、重合性樹脂に表面変性ナノ粒子を組み込む別の方法は、変性粒子を乾燥して粉末にし、続いて、粒子が分散される樹脂材料を加えることを伴う。この方法の乾燥工程は、例えばオーブン乾燥又は噴霧乾燥のようなこの系に適した従来の方法により達成することができる。
【0095】
表面変性剤の組み合わせも有用であることができ、ここで少なくとも1つの作用物質は、硬化性樹脂と共重合しうる官能基を有する。例えば、重合基は、エチレン性不飽和であることができるか又は開環重合に付される環状官能基であることができる。エチレン性不飽和重合基は、例えば、アクリレート若しくはメタクリレート又はビニル基であることができる。
【0096】
表面変性又は官能化は、米国特許出願公開第2006/0147674号、同第2006/0147703号及び同第2006/147702号(その全体が参照として本明細書に組み込まれる)に記載されている教示により達成することができる。
【0097】
本発明によると、高指数ナノ粒子の使用は、それを組み込んだ組成物の屈折率を増加する。機能化又は表面処理ナノ粒子と高屈折率モノマーとの組み合わせは、この組み合わせが無機成分に適合したより良好な屈折率をもたらし、改善された明澄度及び低減された曇り度を与えることができるので、有機無機ハイブリッド材料に有益であることができる。
【0098】
モノ(メタ)アクリレート芳香族硫黄含有モノマー
本発明の目的において、モノ(メタ)アクリレート芳香族硫黄含有モノマーとは、単官能化されているモノマー又は1つの(メタ)アクリレート基しか含有しないモノマーを意味する。これらの芳香族硫黄含有モノマーは、希釈する目的、したがってレンズ、膜又は被覆用の高屈折率組成物の粘度を削減する目的に役立つ。芳香族単官能モノマーへの硫黄の組み込みは、高屈折率を維持するのを助けるが、重合前の組成物の粘度を減少する。最終結果は、より容易に流動及び延展し、同時に組成物の高屈折率特性を維持する組成物である。
【0099】
モノ(メタ)アクリレート芳香族硫黄含有希釈剤の例は、4−メチルチオフェニルメタクリレート;3−メチル−4−メチルチオフェニルメタクリレート;フェニルチオメタクリレート;4−メチルチオベンジルメタクリレート;2−(フェニルチオ)エチルメタクリレート及びβ−(2−ベンゾチアゾリルチオ)エチルメタクリレートである。4−メチルチオベンジルメタクリレート及び3−メチル−4−メチルチオフェニルメタクリレートを除いて、他の単官能硫黄含有芳香族メタクリレートは既知であり、それらの調製方法は、例えば、J. Am. Chem. Soc. (1959), 81, 4302-4304及びJ. Appl. Polym. Sci. (2000), 76, 50-54に開示されている。
【0100】
透明な高屈折率プラスチック組成物
本発明の新たなモノマーの使用は、他のモノマー、多官能(メタ)アクリレート及び架橋モノマーとの組み合わせが考慮される。好ましくは、モノマーは、2又は3つのエチレン性不飽和基を含有するポリエチレン性官能モノマーである。例えば、2又は3つのエチレン性不飽和基を含有する好ましいポリエチレン性官能化合物は、一般に、例えば、エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、テトラメチレングリコール、グリセロール、ジエチレングリコール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン及びトリプロピレングリコールのジ−及びトリアクリレート、並びにジ−及びトリメタクリレートのような、脂肪族多価アルコールのアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルとして記載することができる。2又は3つのエチレン性不飽和基を含有する特定の適切なポリエチレン性官能モノマーの例には、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、テトラエチレングリコールジアクリレート(TTEGDA)、トリプロピレングリコールジアクリレート(TRPGDA)、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート(HDDMA)及び1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)が挙げられる。
【0101】
レンズ形成組成物には、芳香族含有ビス(アリルカーボネート)官能モノマーが含まれ、ジヒドロキシ芳香族含有物質のビス(アリルカーボネート)が含まれる。モノマーが誘導されるジヒドロキシ芳香族含有物質は、1つ以上のジヒドロキシ芳香族含有化合物であることができる。ヒドロキシル基は、ジヒドロキシ芳香族含有化合物の芳香核炭素原子に直接結合している。特に、ビスフェノールAビス(アリルカーボネート)は、光学レンズ形成に一般的に使用される。光学レンズに使用されるビス(アリルカーボネート)の完全な記載は、米国特許第6,419,873号(その全体が参照として本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【0102】
芳香族含有ビス(アリルカーボネート)官能モノマーは、下記式:
【0103】
【化12】

【0104】
〔式中、Aは、ジヒドロキシ芳香族含有物質から誘導される二価基であり、そしてRは、それぞれ独立して、H、ハロ又はC〜Cアルキル基である〕により表すことができる。アルキル基は、通常、メチル又はエチルである。Rの例には、H、クロロ、ブロモ、フルオロ、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル及びn−ブチルが挙げられる。最も一般的には、Rは、H又はメチルであり、Hが好ましい。特に有用である二価基Aの下位分類は、下記式:
【0105】
【化13】

【0106】
〔式中、Rは、それぞれ独立して、1〜約4個の炭素原子を含有するアルキル、フェニル、H又はハロであり;それぞれの(a)の平均値は、独立して、0〜4の範囲であり;Qは、それぞれ独立して、オキシ、スルホニル、2〜約4個の炭素原子を有するアルカンジイル又は1〜約4個の炭素原子を有するアルキリデンであり;そしてnの平均値は、0〜約3の範囲である〕により表される。好ましくは、Qは、メチルエチリデン、すなわちイソプロピリデンである。
【0107】
好ましくは、nの値は0であり、この場合、Aは、下記式:
【0108】
【化14】

【0109】
〔式中、それぞれのR、それぞれのa及びQは、構造8に関して考察されたとおりである〕により表される。好ましくは、2つの遊離結合は、両方ともオルト又はパラ位置にある。
【0110】
が誘導されるジヒドロキシ芳香族含有化合物は、ポリエーテル官能鎖延長化合物であることもできる。そのような化合物の例には、アルキレンオキシド延長ビスフェノールが挙げられる。典型的には、用いられるアルキレンオキシドは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド又はこれらの混合物である。例示として、パラ−ビスフェノールがエチレンオキシドで鎖延長されている場合、二価基Aは、多くの場合、下記式:
【0111】
【化15】

【0112】
〔式中、それぞれのR、それぞれのa及びQは、構造8に関して考察されたとおりであり、そしてj及びkの平均値は、それぞれ独立して、約1〜約4の範囲である〕により表されることができる。
【0113】
好ましい芳香族含有ビス(アリルカーボネート)官能モノマーは、下記式:
【0114】
【化16】

【0115】
により表され、ビスフェノールAビス(アリルカーボネート)として一般的に知られている。
【0116】
構造12を、ビスフェノールAビス(アリルカーボネート)の代わりに使用することもできる。したがって、本発明は、本発明の硫黄含有モノマーを、ビスフェノールAビス(アリルカーボネート)(構造11)若しくはその誘導体、及び/又はnが0〜6であり、RがH若しくはメチルである構造12と組み合わせて組み込む、透明なプラスチック組成物を含む。
【0117】
【化17】

【0118】
追加の高屈折率モノマーを、現在提案されている硫黄含有(メタ)アクリレートに加えて使用することができる。例えば、米国特許出願公開第2006/0147703号に記載されているブロモ置換フッ素モノマーを含めることができる。例えば、アクリル酸3−〔9−(3−アクリロイルオキシ−プロピル)−2,3,7−トリブロモ−9H−フルオレン−9−イル〕−プロピルエステル、アクリル酸3−{9−〔3−アシロイルオキシ−プロポキシ)−プロピル〕−2,3,7−トリブロモ−9H−フルオレン−9−イル}−プロピルエステル、3−〔9−(3−アクリロイルオキシ−プロピル)−2,7−ジブロモ−9H−フルオレン−9−イル〕−プロピルエステル及び2−〔9−(2−アクリロイルオキシ−エチル)−2,7−ジブロモ−9H−フルオレン−9−イル〕−エチルエステルを、本発明の硫黄含有高RIモノマーと組み合わせることができる。
【0119】
現在提案されている本発明の硫黄含有(メタ)アクリレートと組み合わせることができる他の高屈折率モノマーは、例えば、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィドジメタクリレート、テトラブロモビスフェノールAビス(2−ヒドロキシエチル)エーテルビスアクリレート、2,2′,6,6′−テトラブロモビスフェノールAジアクリレート、ペンタブロモフェニルアクリレート及び2−(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エチルアクリレートである。
【0120】
光開始剤
モノマー、オリゴマー及び場合により高屈折率組成物の機能化ナノ粒子の硬化又は架橋は、光開始剤又は光開始剤の混合物の存在下で実施される。光開始剤は、更に共開始剤を含むことができる。
【0121】
典型的な光開始剤には、置換アセトフェノン、ベンゾイン、ホスフィンオキシド、ベンゾフェノン/アミンの組み合わせ及び当該技術で周知の他の光開始剤の部類のような、I型及びII型UV光開始剤が含まれる。例示的な光開始剤には、IRGACURE 819、Darocure 1173又はこれもCiba Specialty Chemical Corporationから供給されるTPOが挙げられる。
【0122】
しかし、一般に、レンズ形成組成物の重合を開始する光開始剤は、好ましくは300〜400nmの範囲にわたって吸収スペクトルを示す。しかし、光開始剤のこの範囲の高い吸収率は、特に厚いレンズを成形する場合に望ましくない。以下は、例示的な光開始剤化合物の例である:メチルベンゾイルホルメート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジ−sec−ブトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニル−アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニル−アセトフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン、ベンジル、ベンジルジスルフィド、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ベンジリデンアセトフェノン、ベンゾフェノン及びアセトフェノン。好ましい光開始剤化合物は、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(IRGACURE 184としてCiba Specialty Chemicals Corp.から市販されている)、メチルベンゾイルホルメート(Polysciences, Inc.から市販されている)又はこれらの混合物である。
【0123】
共開始剤には、モノアクリルアミン、ジアクリルアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチル4−ジメチルアミノベンゾエート、エチル2−ジメチルアミノベンゾエート、n−ブトキシエチル4−ジメチルアミノベンゾエート、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド、N,N−ジメチル−p−トルイジン、オクチルp−(ジメチルアミノ)ベンゾエートのような反応性アミン共開始剤が含まれる。
【0124】
光開始剤は、総高屈折率組成物の0.05重量%〜約10重量%で使用されるか、又は0.1〜約2重量%が好ましい。
【0125】
光学レンズ組成物を光硬化する場合、光開始剤の量は、約30ppm〜約3000ppmに変わることができる。
【0126】
紫外線成形レンズは、重合性液体組成物を光開始剤と共に成形型の中で紫外線(UV)硬化することにより形成される光学レンズ又は眼鏡レンズである。前記UV成形レンズのための方法及び典型的な組成物は、米国特許第6,964,479号及び同第6,419,873号(その全体が参照として本明細書に組み込まれる)において詳細に説明されている。
【0127】
重合性レンズ形成組成物も、典型的には、芳香族含有ビス(アリルカーボネート)官能モノマー及びアクリレート又はメタクリレートから選択される2つのエチレン性不飽和基を含有するポリエチレン性官能モノマーの少なくとも1つを含有する。
【0128】
架橋剤
UV成形レンズ、膜又は被覆用の透明な高屈折率組成物は、通常、架橋剤を含有する。架橋剤は、モノマー種を架橋することができる多種多様な二又は多官能部分から選択される。架橋剤は、エチレン性不飽和モノマーであることができる。エチレン性不飽和モノマーは、好ましくは、アクリル又はメタクリル酸の二官能エチレン性不飽和エステル、アクリル又はメタクリル酸の三官能エチレン性不飽和エステル、アクリル又はメタクリル酸の三官能エチレン性不飽和エステル、アクリル又はメタクリル酸の四官能エチレン性不飽和エステル及びこれらの組み合わせからなる群より選択される(メタ)アクリル酸の多官能エチレン性不飽和エステルである。
【0129】
UV成形レンズを特に対象とする本発明の組成物は、下記からなる群より選択される少なくとも1つの高屈折率モノマーから形成される:
【0130】
式(1)
【化18】

【0131】
式中、
は、場合により硫黄及び/又は酸素で中断されているC〜Cアルキレンとして定義され、
は、結合、硫黄又は酸素であるが、
但し、−L−W−又は−W−L−は、−S−、−SO−又は−SO−の少なくとも1つを含有し、
は、S、SO又はSOであり、そして
は、独立してH又はCHであり、
【0132】
式(4)
【化19】

【0133】
式中、
は、−SO−、−SO−、−S−、−C(CH−、−(CH−S−(CH−、−(CH−SO−(CH−、−(CH−SO−(CH−、−S−(CH−S−、−SO−(CH−SO−又は−SO−(CH−SO−として定義されている二価結合基であり、
nは、1〜4であり、
は、結合、硫黄、酸素、又は−OCO−、−COO−、−CO−、−SO−、−SO−、−OCOO−、−OOCO−、−CONR−、−NRCO−、−SCONR−、−RNOCS−、−NRCOS−、−SOCNR−、−CSO−、−OSC−、−COS−、−SOC−、−OCO−、−COO−、−CSS−、−SSC−、−SCOO−、−OOCS−、−OCONR−及び−RNOCO−からなる群より選択される二価結合基として定義され、
は、場合により酸素、−S−、−SO−、−SO−、酸素又はWで中断されているC〜C10アルキレンであるか、或いは
は、OH、OR又はSRで置換されている分岐鎖若しくは直鎖C〜Cアルキレンであり、
は、独立して水素又はCHとして定義され、
は、分岐鎖若しくは直鎖C〜Cアルキル、又は置換若しくは非置換フェニルであり、そして
は、独立してH又はCHである。
【0134】
−L−W−又は−W−L−の少なくとも1つは、少なくとも1つの硫黄を含有することが好ましい。
【0135】
式(5)
【化20】

【0136】
式中、
は、結合、酸素、硫黄、又は−OCO−、−COO−、−CO−、−SO−、−SO−、−OCOO−、−OOCO−、−CONR−、−NRCO−、−SCONR−、−RNOCS−、−NRCOS−、−SOCNR−、−CSO−、−OSC−、−COS−、−SOC−、−OCO−、−COO−、−CSS−、−SSC−、−SCOO−、−OOCS−、−OCONR−及び−RNOCO−からなる群より選択される二価結合基であり、
は、場合により酸素、−S−、−SO−、−SO−又はWで中断されているC〜C10アルキレンであるか、或いは
は、OH、OR又はSRで置換されている分岐鎖又は直鎖C〜Cアルキレンであり、
は、独立してH又はCHとして定義され、
は、分岐鎖若しくは直鎖C〜Cアルキル、又は置換若しくは非置換フェニルであり、
は、水素又は分岐鎖若しくは直鎖C〜Cアルキルであり、そして
は、独立してH又はCHであるが、
但し、−L−W−又は−W−L−の少なくとも1つは、少なくとも1つの硫黄を含有する。
【0137】
−S−、−SO−、−SO−、酸素又は結合基で中断されているLは、例えば、−CH−CH−SO−CH−、−CH−CH−SO−CH−、−CH−CH−SO−CH−CH−、−CH−CH−SO−CH−CH−CH−CH−、−CH−CH−SO−CH−CH−、−CH−CH−O−CONH−CH−CH−、−CH−CH−NHCOO−、−CHCH−NHCOS−CH−、−CHCH−O−CH−CH−NHCOS−CH−及び−CHCH−S−CH−CH−NHCOS−CH−CHであることができる。
【0138】
−L−W−又は−L−W−は、例えば、−CHCH−S−CH−CH−NHCOS−、−SOCHN−CH−CH−S−CH−CH−、−CH−CH−S−CH−CH−OCONR−、−CH−CH−NHCOS−CH−CH−S−、−CH−CH−O−CH−CH−S−、−CH−CH−S−、−S−CH−CH−及び−CHCH−O−CH−CH−S−CH−であることができる。
【0139】
式(1)、(4)、(5)又はこれらの混合物により表される高屈折率のモノマーを、UV成形光学レンズ用の重合性レンズ形成組成物に組み込むことが、極めて望ましい。第1には、高屈折率のアクリルモノマーを組成物に組み込むことは、硬化速度を増加し、生産効率を改善する。第2には、高RI組成物は、同じ集束力でより薄く、より軽いレンズをもたらす。
【0140】
また、硫黄含有モノマーを成形レンズに組み込むことは、ポリマー内で硫黄を共有結合させる。したがって、形成されたポリマーは実質的に臭気がない。これは、レンズの更なる切削、研磨又は切断が必要な場合に大きな利点である。
【0141】
高い屈折率とは、モノマーが1.58を超える、好ましくは1.60を超える屈折率を有することを意味する。
【0142】
、W、W、WがS、SO又はSOである場合、L、L、L又はLは、それぞれ、−SO−、−SO−、−CSO−、−OSC−、−COS−、−CSS−、−SSC−、−SCOO−、−OOCS−、−OCO−、−COO−、−OCONR−及び−RNOCO−からなる結合基から選択される二価結合基で中断されているC〜C10アルキレンであることが好ましい。
【0143】
、W、W又はWに最も好ましい二価結合基は、−CONR−、−NRCO−、−SO−、−SO−、−CSO−、−OSC−COS−、−CSS−、−SSC−、−SCOO−、−OOCS−、−SCONR−、−RNOCS−、−NRCOS−、−COS−及び−SOC−である。
【0144】
が水素であることも好ましい。
【0145】
光学レンズ、透明被覆及び膜に使用されることが知られている他の添加剤を本発明の組成物に含めることができる。例えば、UV増感剤、酸素スカベンジャー及びラジカル硬化に有用な他の成分を用いることができ、そのことは当該技術において知られている。他の光学添加剤には、酸化防止剤、UV吸収剤、界面活性剤、他の分散剤、着色剤、顔料、並びに当該技術に既知の他の粒子、他の光開始剤及び他の成分が含まれる。
【0146】
膜又は被覆の適用は、ディップコーティング、正転及び反転ロールコーティング、ワイヤロッドコーティング及びダイコーティングを含む多様な技術を使用して適用することができる。ダイコーターには、とりわけ、ナイフコーター、スロットコーター、スライドコーター、流体ベアリングコーター、スライドカーテンコーター、ドロップダイコーター及び押出コーターが含まれる。スピンコーティング及びナイフコーティングも考慮される。
【0147】
被覆は、単層として又は2つ以上の多層として適用することができる。
【0148】
本発明を、下記に提示した実施例により更に説明するが、これらにより制限はされない。
【0149】
実施例
高屈折率モノマーの合成
実施例1
【0150】
【化21】


2,5−ビス(メタクリロイルオキシエチルチオメチル)チオフェン
【0151】
乾燥塩化水素流を、37%ホルムアルデヒド(182g;2.24mol)及び濃HCl(147ml)の水溶液の中で激しく泡立て、温度を60℃に上昇させ、密度を1.18g/cmにした。混合物を30℃に冷却し、そこでチオフェン(150g;1.79mol)を、撹拌及び温度を25℃〜30℃に維持するために冷却しながら、ゆっくりと加えた。チオフェンの添加が完了した後、混合物を更に20分間撹拌し、下側の油状層を分離し、冷水で洗浄し、Vigreuxカラムで蒸留した。第1画分(46.4g)を30℃及び1.2mbarで蒸留して明澄な無色の液体とし、GC及びH NMRにより純粋な2−クロロメチルチオフェンとして同定した;H NMR (CDCl,δ ppm)7.33(d,1H),7.10(d,1H),6.98(dd,1H),4.83(s,2H)。第2画分(120.4g;収率60%)を80℃及び1.2mbarで蒸留して明澄な無色の液体とし、放置して凝固させ、融点が36〜37℃であり、GC及びH NMRにより所望の2,5−ビス(クロロメチル)チオフェンとして同定した;H NMR(CDCl,δ ppm)6.93(s,2H),4.76(s,4H)。
【0152】
2,5−ビス(クロロメチル)チオフェン(100g;0.55mol)を、オーバーホール撹拌機、添加漏斗及び熱電対を備えた丸底フラスコの中で窒素雰囲気下に置かれた45%ナトリウムメルカプトエタノール(260g;1.16mol)の水溶液に、滴加した。添加の間に温度は50℃に上昇した。反応混合物を50℃で更に5時間撹拌し、エーテルで抽出し、5%NaOH水溶液及び冷水で洗浄し、NaSOで乾燥した。溶媒を除去して、2,5−ビス(ヒドロキシエチルチオメチル)チオフェンを高粘度の液体として得た。(136.5g;収率94%;n25 1.6150)。H NMR(CDCl,δ ppm)6.73(s,2H),3.87(s,4H),3.66(t,4H),2.68(t,4H),2.10(s,2H)。
【0153】
塩化メタクリロイル(純度97%で62g;0.58mol)を、CHCl(500ml)中の2,5−ビス(ヒドロキシエチルチオメチル)チオフェン(60.7g;0.23mol)及びトリエチルアミン(64.3g;0.64mol)の溶液に0〜5℃で滴加した。その後、混合物を室温で更に3時間撹拌した。反応を水(100ml)の添加により停止させた。有機層をCHClで抽出し、5%HaOH水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥し、溶媒を真空下でストリップして、2,5−ビス(メタクリロイルオキシエチルチオメチル)チオフェンを淡黄色で明澄な液体として得た(76g;収率83%;n25 1.5584)。H NMR(CDCl,δ ppm)6.76(s,2H),6.12(d,2H),5.59(t,2H),4.28(t,4H),3.91(s,4H),2.77(t,4H),1.95(s,6H)。
【0154】
実施例2
【0155】
【化22】


4,4′−イソプロピリジンビス〔(メタクリロイルオキシエチルチオ)ベンゼン〕
【0156】
4,4′−イソプロピリジンビス(チオフェノール)を、J. Am. Chem. Soc. (1995), 117, 12416-12425に記載されているように、4,4′−イソプロピリジンビス〔(N,N−ジメチルチオカルバモイル)ベンゼン〕のNeumann-Kwart転位により調製した(24.2g;ビスフェノールAからの収率55%)。4,4′−イソプロピリジンビス(チオフェノール)(18.2g;0.07mol)及び15%NaOH水溶液(40g;0.15mol)を60℃で1時間撹拌した。2−クロロエタノール(12.1g;0.15mol)を滴加し、反応混合物を60℃で更に2時間撹拌した。下側の油状層を分離し、水で十分に洗浄し、230℃及び0.4mbarで蒸留して、純粋な4,4′−イソプロピリジンビス(フェニルチオエタノール)を得た。(17g;収率70%;n25 1.6102)。H NMR(CDCl,δ ppm)7.32(d,4H),7.16(d,4H),3.76(t,4H),3.11(t,4H),2.28(s,2H),1.67(s,6H)。
【0157】
塩化メタクリロイル(純度97%で10g;93mmol)を、CHCl(100ml)中の4,4′−イソプロピリジンビス(フェニルチオエタノール)(13g;37mmol)及びトリエチルアミン(11g;109mmol)の溶液に0〜5℃で滴加した。その後、混合物を室温で更に3時間撹拌した。反応を水(10ml)の添加により停止させた。有機相をCHClで抽出し、5%NaOH水溶液で洗浄し、短シリカゲルプラグに通し、溶媒をストリップして、4,4′−イソプロピリジンビス〔(メタクリロイルオキシエチルチオ)ベンゼン〕を明澄な無色の液体として得た(14g;収率77%;n25 1.5722)。H NMR(CDCl,δ ppm)7.31(d,4H),7.15(d,4H),6.07(t,2H),5.56(t,2H),4.32(t,4H),3.17(t,4H),1.92(s,6H),1.65(s,6H)。
【0158】
実施例3
【0159】
【化23】


4,4′−イソプロピリジンビス〔(メタクリロイルオキシエチルチオエチルオキシ)ベンゼン〕
【0160】
4,4′−イソプロピリジンビス(ブロモエチルオキシベンゼン)を、J. Am. Chem. Soc. (1988), 110, 6204-6210に記載されているように調製した。アセトニトリル中の4,4′−イソプロピリジンビス(ブロモエチルオキシベンゼン)(100g;0.23mol)、2−メルカプトエタノール(36g;0.46mol)及びトリエチルアミン(46.6g;0.46mol)の溶液を室温で24時間撹拌した。溶媒を真空下で除去した。粗油状物をCHClに溶解し、5%NaOH水溶液で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、溶媒をストリップして、4,4′−イソプロピリジンビス(ヒドロキシエチルチオエチルオキシベンゼン)を淡黄色で粘性の液体として得た(98.7g;収率98%)。H NMR(CDCl,δ ppm)7.14(d,4H),6.80(d,4H),4.14(t,4H),3.79(q,4H),2.92(t,4H),2.84(t,4H),2.4(s,2H),1.64(s,6H)。
【0161】
塩化メタクリロイル(純度97%で10g;93mmol)を、CHCl(400ml)中の4,4′−イソプロピリジンビス(ヒドロキシエチルチオエチルオキシベンゼン)(19.6g;45mmol)及びトリエチルアミン(11g;109mmol)の溶液に0〜5℃で滴加した。混合物を室温で更に3時間撹拌した。水(200ml)を添加した後、粗物質をCHClで抽出し、5%NaOH水溶液で洗浄し、短シリカゲルプラグに通し、溶媒をストリップして、4,4′−イソプロピリジンビス〔(メタクリロイルオキシエチルチオエチルオキシ)ベンゼン〕を明澄な液体として得た(20.6g;収率80%;n25 1.566)。H NMR(CDCl,δ ppm)7.13(d,4H),6.80(d,4H),6.14(d,2H),5.60(t,2H),4.35(t,4H),4.14(t,4H),2.94(t,4H),2.88(t,4H),1.98(s,6H),1.62(s,6H)。
【0162】
実施例4
【0163】
【化24】


4,4′−イソプロピリジンビス(メタクリロイルオキシエチルチオプロピルオキシベンゼン)
【0164】
アセトン(500ml)中のビスフェノールA(115g;0.5mol)、1,3−ジブロモプロパン(303g;1.5mol)及びKCO(414g;1.5mol)を、TLCがビスフェノールAの完全な変換を示すまで(R 0.88、溶離剤 CHCl)、環流下で撹拌した。粗物質から溶媒をストリップし、CHClに溶解し、KBrを濾過し、水で洗浄し、乾燥した。溶媒の蒸発によって、4,4′−イソプロピリジンビス(ブロモプロピルオキシベンゼン)を明黄色の液体として得た(205g;収率87%)。H NMR(CDCl,δ ppm)7.16(d,4H),6.84(d,4H),4.10(t,4H),3.62(t,4H),2.22(t,4H),1.67(s,6H)。
【0165】
2−メルカプトエタノール(44.5g;0.57mol)及びNaOH水溶液(水100ml中22.8g;0.57mol)の溶液を60℃まで温め、1時間撹拌し、4,4′−イソプロピリジンビス(ブロモプロピルオキシベンゼン)のエタノール溶液(127g;0.27mol)と混合し、次に65℃で更に5時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、水(200ml)と混合し、CHClで抽出し、MgSOで乾燥し、溶媒をストリップして、4,4′−イソプロピリジンビス(ヒドロキシエチルチオプロピルオキシベンゼン)を粘性で僅かに黄色から無色の液体を得た(87g;収率90%)。H NMR(CDCl,δ ppm)7.14(d,4H),6.80(d,4H),4.04(t,4H),3.74(t,4H),2.72(q,6H),2.08(m,6H),1.62(s,6H)。
【0166】
トルエン(300ml)中の4,4′−イソプロピリジンビス(ヒドロキシエチルチオプロピルオキシベンゼン)(104.6g;0.225mol)、メタクリル酸(45g;0.55mol)及びp−トルエンスルホン酸(10g)の混合物を、水の計算量が反応から除かれるまで還流した。反応粗物質をCHClで希釈し、5%HaOH水溶性で洗浄し、乾燥し、濾過し、溶媒を真空下でストリップして、4,4′−イソプロピリジンビス〔(メタクリロイルオキシエチルチオプロピルオキシ)ベンゼン〕を明澄で僅かに黄色の液体として得た。(120g;収率87%;n25 1.562)。H NMR(CDCl,δ ppm)7.11(d,4H),6.80(d,4H),6.14(d,2H),5.60(t,2H),4.31(t,4H),4.00(t,4H),2.79(t,8H),2.08(t,4H),1.95(s,6H),1.62(s,6H)。
【0167】
実施例5
【0168】
【化25】


4,4′−ビス(メタクリロイルオキシエチルチオ)ジフェニルスルフィド
【0169】
4,4′−(チオフェニル)スルフィド(100g;0.4mol;Sumitomo Seikaから入手可能)を、水(200ml)中のNaOH(32g; mol)の溶液に加えた。混合物を60℃まで温め、明澄な溶液になるまで更に1時間撹拌した。2−クロロエタノール(70g;0.87mol)を、更なる水(100ml)と共に1.5時間滴加した。添加が完了した後、反応混合物を60℃で更に1.5時間撹拌し、室温に冷却し、濾過して、4,4′−ビス(ヒドロキシエチルチオフェニル)スルフィドを純粋な白色の結晶として得た(121g;収率90%)。H NMR(CDCl,δ ppm)7.32(d,4H),7.25(d,4H),3.78(t,4H),3.13(t,4H),1.78(s,broad,2H)。
【0170】
4,4′−ビス(ヒドロキシエチルチオフェニル)スルフィド(100g;0.3mol)、メタクリル酸メチル(100g;1mol)及び2,4−ジメチル−6−tert−ブチル−フェノール(0.1g)を反応器に投入し、反応混合物の含水量が500ppm未満になるまで、シクロヘキサンで水を共沸蒸留することにより乾燥した。チタンイソ−プロポキシド(2g)を加え、反応を、90〜92℃で加熱すること及び所望の変換が達成されるまで精留カラムを使用してメタノール/シクロヘキサン共沸混合物を連続的に除去することにより進行させた。乾燥過程及びエステル交換反応の全体にわたって、一定の空気流を、追加的な重合阻害剤として反応容器に供給した。次に反応混合物を真空蒸留して、過剰メタクリル酸メチル及びシクロヘキサンを除去し、水20mlと50℃で2時間激しく混合した。得られた白色酸化チタン沈殿物を濾過すると、後に所望の生成物が明澄な明黄色の液体として残った(120g;収率90%;n25 1.6097)。H NMR(CDCl,δ ppm)7.32(d,4H),7.23(d,4H),6.06(d,2H),5.56(d,4H),4.31(t,4H),3.12(t,4H),1.91(s,6H)。
【0171】
実施例6
【0172】
【化26】


4,4′−ビス(メタクリロイルオキシエチルカルバモイルチオ)ジフェニルスルフィド
【0173】
トルエン(150ml)中の4,4′−(チオフェニル)スルフィド(12.5g;0.05mol)、2−イソシアナトメタクリレート(34.1g;0.22mol)及びトリエチルアミン(0.9g)の混合物を室温で撹拌すると、直ぐに、大量の白色固体生成物が形成された。反応混合物を濾過し、母液を冷蔵庫に入れると、追加の固体が結晶化した。合わせた固体から所望の生成物を純粋な白色の固体として得た(25.2g;収率90%)。H NMR(CDCl,δ ppm)7.49(d,4H),7.36(d,4H),6.09(d,2H),5.70(t,2H),5.62(d,4H),4.25(t,4H),3.60(q,4H),1.94(s,6H)。
【0174】
実施例7
【0175】
【化27】


4,4′−ビス〔2−(フェニルオキシメチル)−2−(メタクリロイルオキシ)エチルチオ〕ジフェニルスルフィド
【0176】
4,4′−(チオフェニル)スルフィド(12.6g;0.05mol)をフェニルグリシジルエーテル(15g;0.1mol)に加え、110℃に加熱すると、明澄な液体となった。混合物を110℃で約6時間保持し、その間、数滴のBF×エーテラート48%を1時間毎に加えて、エポキシド開環を触媒した。反応が完了すると、粗物質を室温に冷却して、4,4′−ビス〔2−(フェニルオキシメチル)−2−(ヒドロキシ)エチルチオ〕ジフェニルスルフィドを灰白色の固体として得た(25g;収率90%)。H NMR(CDCl,δ ppm)7.25(m,12H),6.96(t,2H),6.85(d,4H),4.10(m,8H),3.20(ddd,2H),1.35(s,broad,2H)。
【0177】
塩化メタクリロイル(純度97%で11g;107mmol)を、CHCl(100ml)中の4,4′−ビス〔2−(フェニルオキシメチル)−2−(ヒドロキシ)エチルチオ〕ジフェニルスルフィド(27.6g;50mmol)及びトリエチルアミン(13.5;134mmol)の溶液に0〜5℃で滴加した。混合物を室温で3時間撹拌した。水(50ml)を添加した後、粗物質をCHClで抽出し、5%NaOH水溶液で洗浄し、短シリカゲルプラグに通し、溶媒をストリップして、4,4′−ビス〔2−(フェニルオキシメチル)−2−(メタクリロイルオキシ)エチルチオ〕ジフェニルスルフィドを明澄な僅かに黄色の液体として得た(29.3g;収率85%;n25 1.621)。H NMR(CDCl,δ ppm)7.20(m,12H),6.90(t,2H),6.80(d,4H),6.00(s,2H),5.48(s,2H),5.22(quintet,2H),4.21(t,2H),3.39(dd,2H),1.83(s,6H),1.51(s,4H)。
【0178】
実施例8
【0179】
【化28】


4,4′−ビス(メタクリロイルオキシエチルチオ)ジフェニルスルホン
【0180】
4,4′−ビス(クロロフェニル)スルホン(263g;0.92mol)、2−メルカプトエタノール(165g;2.12mol)、KCO(313g;2.27mol)及びジメチルアセトアミド(791g)を、機械式撹拌機、熱電対及び冷却器を備えた2リットルの丸底フラスコに投入した。反応混合物を150℃で5時間撹拌し、室温に冷却し、水(2L)に注ぐと、所望の生成物が沈殿した。固体ケーキを濾過し、水で十分に洗浄し、乾燥した後、4,4′−ビス(ヒドロキシエチルチオ)ジフェニルスルホンを純粋な白色の結晶として得た(333.6g;収率98%)。H NMR(CDCl,δ ppm)7.80(d,4H),7.40(d,4H),3.82(t,4H),3.21(t,4H),1.76(s,2H)。
【0181】
4,4′−ビス(ヒドロキシエチルチオ)ジフェニルスルホン(112g;0.3mol)、メタクリル酸メチル(100g)、2,4−ジメチル−6−tert−ブチル−フェノール(0.1g)、シクロヘキサン(80ml)及びジブチルスズオキシド(2.15g)を反応器に投入した。反応を、90〜92℃で加熱すること及び所望の変換が達成されるまで精留カラムを使用してメタノール/シクロヘキサン共沸混合物を連続的に除去することにより進行させた。乾燥過程及びエステル交換反応の全体にわたって、一定の空気流を、追加的な重合阻害剤として反応容器に供給した。反応をTLCにより追跡した。変換が完了した時、粗物質を室温に冷却し、メタノールと混合し、冷蔵庫の中に一晩置くと、4,4′−ビス(メタクリロイルオキシエチル)ジフェニルスルホンが純粋な白色の結晶として沈殿した(144.2g;収率95%;n25 1.6097;融点45°C)。H NMR(CDCl,δ ppm)7.81(d,4H),7.42(d,4H),6.04(d,2H),5.38(t,2H),4.35(t,4H),3.28(t,4H),1.90(s,6H)。
【0182】
実施例9
【0183】
【化29】


4,4′−ビス(アクリロイルオキシエチルチオ)ジフェニルスルホン
【0184】
蒸留した塩化アクリロイル(6.3g;70mmol)を、4℃に冷却した、50%KOH水溶液(5.6g;100mmol)及びジクロロメタン(50g)中の4,4′−ビス(ヒドロキシエチルチオ)ジフェニルスルホン(10g;27mmol)及びテトラブチルアンモニウムブロミド(2.3g;7mmol)の激しく撹拌した懸濁液に、滴加した。添加が完了した後、混合物を4〜8℃で更に2時間撹拌し、次に空気吹き込みを用いて室温で一晩撹拌した。反応粗物質をデカントし、水で数回洗浄し、MgSOで乾燥し、溶媒を真空下でストリップし、連続的に空気を吹き込んで、生成物を明澄な無色の非常に粘性な油状物として得た(12.6g;収率97%)。H NMR(500MHz,CDCl,δ ppm)7.81(d,4H),7.41(d,4H),6.36(d,2H),6.05(k,2H),6.82(d,2H)4.34(t,4H),3.25(t,4H)。
【0185】
実施例10
【0186】
【化30】


4,4′−ビス(メタクリロイルオキシエチルカルバマトエチルチオ)ジフェニルスルホン
【0187】
アセトニトリル中の4,4′−ビス(ヒドロキシエチルチオ)ジフェニルスルホン(50g;0.14mol)、2−イソシアナトエチルメタクリレート(43.4g;0.28mol)及びトリエチルアミン(0.3g;3mmol)の混合物を、明澄な溶液が得られるまで室温で撹拌した。粗物質を短シリカゲルプラグに通し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去して、所望の生成物を粘性の明澄な無色の液体として得て、それを放置して凝固させた(93.3g;収率98%;融点75℃;n25 1.580)。H NMR(CDCl,δ ppm)7.79(d,4H),7.40(d,4H),6.11(d,2H),5.59(t,2H),5.02(m,2H),4.23(m,8H),3.48(m,4H),3.20(t,4H),1.96(s,6H)。
【0188】
実施例11
【0189】
【化31】


4,4′−ビス(メタクリロイルオキシエチルチオエチルオキシ)ジフェニルスルホン
【0190】
PCl(104g;0.5mol)を、CCl(400ml)中の4,4′−ビス(ヒドロキシエチルオキシ)ジフェニルスルホン(86.1g;0.25mol)の溶液に、少量ずつ加えた。添加が完了した後、混合物を45〜60℃で一晩撹拌し、室温に冷却し、激しく撹拌しながら冷水に注いだ。沈殿した白色の固体を濾過し、DMFから再結晶させ、乾燥して、純粋な4,4′−ビス(クロロエチルオキシ)ジフェニルスルホンを得た(86g;収率90%)。H NMR(CDCl,δ ppm)7.85(d,4H),6.96(d,4H),4.25(t,4H),3.81(t,4H)。
【0191】
DMA(300g)中の4,4′−ビス(クロロエチルオキシ)ジフェニルスルホン(80g;0.21mol)、2−メルカプトエタノール(35.2g;0.45mol)及びKCO(62.2g;0.45mol)の混合物をN下、150℃で2時間撹拌し、次に室温で更に4時間撹拌した。反応粗物質を水に入れ、沈殿した白色の固体を濾過し、真空下で乾燥して、4,4′−ビス(ヒドロキシエチルチオエチルオキシ)ジフェニルスルホンを得た(90.4g;収率94%)。H NMR(CDCl,δ ppm)7.83(d,4H),6.94(d,4H),4.18(t,4H),3.78(t,4H),2.91(t,4H),2.82(t,4H),1.94(s,2H)。
【0192】
塩化メタクリロイル(純度97%で27g;0.25mol)を、CHCl(400ml)中の4,4′−イソプロピリジンビス(ヒドロキシエチルチオエチルオキシベンゼン)(46g;0.1mol)及びトリエチルアミン(25.3g;0.25mol)の溶液に0℃で滴加した。混合物を室温で更に3時間撹拌した。水(500ml)を添加した後、粗物質をCHClで抽出し、5%NaOH水溶液で洗浄し、短シリカゲルプラグに通し、溶媒をストリップして、4,4′−ビス(メタクリロイルオキシエチルチオエチルオキシ)ジフェニルスルホンを明澄で僅かに黄色の粘性液体として得た(53g;収率90%)。H NMR(CDCl,δ ppm)7.84(d,4H),6.95(d,4H),6.10(s,2H),5.57(s,2H),4.33(t,4H),4.17(t,4H),2.96(t,4H),2.88(t,4H),1.93(s,6H)。
【0193】
実施例12
【0194】
【化32】


4,4′−ビス(メタクリロイルオキシエチルチオエチルチオ)ジフェニルスルホン
【0195】
PCl(31.2g;150mmol)を、CCl(150ml)中の4,4′−ビス(ヒドロキシエチルチオ)ジフェニルスルホン(25g;68mmol)の溶液に、少量ずつ加えた。添加が完了した後、混合物を45〜60℃で一晩撹拌し、室温に冷却し、激しく撹拌しながら冷水に注いだ。沈殿した白色の固体を濾過し、メタノールで洗浄し、乾燥して、純粋な4,4′−ビス(クロロエチルチオ)ジフェニルスルホンを得た(25g;収率90%)。H NMR(CDCl,δ ppm)7.82(d,4H),7.40(d,4H),3.66(t,4H),3.33(t,4H)。
【0196】
DMA(50g)中の4,4′−ビス(クロロエチルチオ)ジフェニルスルホン(10g;25mmol)、2−メルカプトエタノール(7g;90mmol)及びKCO(12.3g;90mmol)の混合物をN下、150℃で2.5時間撹拌した。反応粗物質を室温に冷却し、水と混合し、CHClで抽出し、5%NaOH水溶液で洗浄し、乾燥し、濾過し、溶媒をストリップして、4,4′−ビス(ヒドロキシエチルチオエチルチオ)ジフェニルスルホンを粘性で明黄色から無色の液体として得た(11.5g;94%)。H NMR(CDCl,δ ppm)7.80(d,4H),7.37(d,4H),3.72(t,4H),3.22(t,4H),2.78(m,8H),2.34(s,2H)。
【0197】
塩化メタクリロイル(純度97%で4.2g;39mmol)を、CHCl(40ml)中の4,4′−イソプロピリジンビス(ヒドロキシエチルチオエチルチオベンゼン)(8.91g;18mmol)及びトリエチルアミン(4.05g;40mol)の溶液に0〜5℃で滴加した。混合物を室温で更に3時間撹拌した。水(50ml)を添加した後、粗物質をCHClで抽出し、5%NaOH水溶液で洗浄し、短シリカゲルプラグに通し、溶媒をストリップして、4,4′−ビス(メタクリロイルオキシエチルチオエチルチオ)ジフェニルスルホンを明澄で僅かに黄色から無色の粘性液体として得た(12.4g;収率80%)。H NMR(CDCl,δ ppm)7.82(d,4H),7.35(d,4H),6.13(s,2H),5.59(s,2H),4.31(t,4H),3.20(m,4H),2.84(m,8H),1.94(s,6H)。
【0198】
実施例13
【0199】
【化33】


1,2−ビス(メタクリロイルオキシエチルチオメチル)ベンゼン
【0200】
1,2−ビス(ブロモメチル)ベンゼン(84g;0.32mol)を、2−メルカプトエタノール(Chevron-PhillipsからのMERCASOL Lとして45.5%水溶液150g;0.68mol)のNa塩に60℃で徐々に加えた。反応粗物質を60℃で4時間撹拌し、室温に冷却し、酢酸エチルで抽出した。有機相を水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、真空蒸留して、1,2−ビス(ヒドロキシエチルチオメチル)ベンゼンを淡黄色の液体として得た(63g;収率76%;1.2mbarで沸点178℃)。H NMR(CDCl,δ ppm)7.24(m,4H),3.92(s,4H),3.72(t,4H),2.71(t,4H),2.62(s,2H)。
【0201】
1,2−ビス(ヒドロキシエチルチオメチル)ベンゼン(57g;0.22mol)、メタクリル酸無水物(82g;0.53mol)、トリエチルアミン(51g;0.5mol)及びCHCl(250ml)を室温で48時間撹拌した。NaHCO(水627g中51g)の水溶液を反応粗物質と混合し、更に30分間撹拌した。下部の有機層を分離し、水で洗浄し、NaOH水溶液で希釈し、溶媒を真空下でストリップして、1,2−ビス(メタクリロイルオキシエチルチオメチル)ベンゼンを淡黄色で明澄な液体として得た(85g;収率98%;n25 1.566)。H NMR(CDCl,δ ppm)7.25(m,4H),6.12(s,2H),5.60(s,2H),4.29(t,4H),3.96(s,4H),2.75(t,4H),1.96(s,6H)。
【0202】
実施例14
【0203】
【化34】


1,4−ビス(メタクリロイルオキシエチルチオメチル)ベンゼン
【0204】
1,4−ビス(ブロモメチル)ベンゼン(84g;0.32mol)を、2−メルカプトエタノール(Chevron-PhillipsからのMERCASOL Lとして45.5%水溶液150g;0.68mol)のNa塩に60℃で徐々に加えた。反応粗物質を60℃で4時間撹拌し、室温に冷却し、酢酸エチルで抽出した。有機相を水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、エタノールから再結晶させて、1,4−ビス(ヒドロキシエチルチオメチル)ベンゼンを純粋な白色の結晶として得た(76g;融点91℃;収率92%)。H NMR(CDCl,δ ppm)7.29(s,4H),3.72(s,4H),3.66(t,4H),2.65(t,4H),2.03(s,2H)。
【0205】
1,4−ビス(ヒドロキシエチルチオメチル)ベンゼン(57g;0.22mol)、メタクリル酸無水物(82g;0.53mol)、トリエチルアミン(51g;0.5mol)及びCHCl(250ml)を室温で48時間撹拌した。NaHCO(水627g中51g)の水溶液を反応粗物質と混合し、更に30分間撹拌した。下部の有機層を分離し、水で洗浄し、HaOH水溶液で希釈し、溶媒を真空下でストリップして、1,4−ビス(メタクリロイルオキシエチルチオメチル)ベンゼンを淡黄色で明澄な液体として得た(85g;収率98%;n25 1.565)。H NMR(CDCl,δ ppm)7.29(s,4H),6.12(s,2H),5.58(s,2H),4.28(t,4H),3.77(s,4H),2.71(t,4H),1.96(s,6H)。
【0206】
実施例15
【0207】
【化35】


1,1,1′,1′−テトラメチル−5,5′−ジヒドロキシ−3,3′−スピロビインダンジメタクリレート
【0208】
ビスフェノールA(50g;0.22mol)及びCHOSOH(3g)を135℃で3時間加熱した。混合物を撹拌しながら水に注ぎ、濾過した。固体をジクロロメタンから再結晶させて、1,1,1′,1′−テトラメチル−5,5′−ジヒドロキシ−3,3′−スピロビインダンを純粋な白色の結晶として得た(11.3g;収率17%)。H NMR(CDCl,δ ppm)7.03(d,2H),6.70(dd,2H),6.20(d,2H),4.45 2.28(dd,4H),1.59(s,2H),1.37(s,6H),1.32(s, 6H)。
【0209】
塩化メタクリロイル(純度97%で4.2g;39mmol)を、CHCl(30ml)中の1,1,1′,1′−テトラメチル−5,5′−ジヒドロキシ−3,3′−スピロビインダン(4g;13mmol)及びトリエチルアミン(4g;40mmol)の溶液に0〜5℃で滴加した。混合物を室温で更に3時間撹拌した。溶媒を真空下でストリップし、残渣をアセトン−ペンタンから再結晶させて、1,1,1′,1′−テトラメチル−5,5′−ジヒドロキシ−3,3′−スピロビインダンジメタクリレートを純粋な白色の結晶として得た(4.5g;収率78%)。H NMR(CDCl,δ ppm)7.18(dd,2H),6.96(dd,2H),6.57(dd,2H),6.28(s,2H),5.69(t,2H),2.34(dd,4H),2.02(s,6H),1.40(s,6H),1.36(s,6H)。
【0210】
実施例16
【0211】
【化36】


4,4′−ビス(メタクリロイルオキシエチルチオメチル)ビフェニル
【0212】
DMA(20ml)中の4,4′−ビス(クロロメチル)ビフェニル(12.5g;50mmol)、2−メルカプトエタノール(8.6g;110mmol)及び45%NaOH(20g)の混合物をN下、130℃で1時間撹拌した。反応粗物質を室温に冷却し、水と混合し、濾過して、4,4′−ビス(ヒドロキシエチルチオメチル)ビフェニルを白色の固体として得た(16g;95%;融点152℃)。H NMR(DMSO−d,δ ppm)7.61(d,4H),7.39(d,4H),4.77(t,2H),3.79(s,4H),3.53(q,4H),2.50(t,4H)。
【0213】
塩化メタクリロイル(純度97%で2.95g;27.9mmol)を、4℃に冷却した、44%KOH水溶液(1.56g;27.9mmol)及びジクロロメタン(20ml)中の4,4′−ビス(ヒドロキシエチルチオメチル)ビフェニル(3.33g;9.96mmol)及びテトラブチルアンモニウムブロミド(0.5g;1.5mmol)の激しく撹拌した懸濁液に、滴加した。添加が完了した後、混合物を4〜8℃で更に1時間、室温で更に2時間撹拌した。反応粗物質を水で洗浄し、濾過し、溶媒を真空下でストリップして、粗生成物3.3gを得た。純粋な4,4′−ビス(メタクリロイルオキシエチルチオメチル)ビフェニルを、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル;ジクロロメタン)、続く分取TLC(ジクロロメタン:シクロヘキサン 7:1;シリカゲル)の後で得た。H NMR(CDCl,δ ppm)7.54(d,4H),7.39(d,4H),6.12(s,2H),5.59(s,2H),4.3(t,4H),3.81(s,4H),2.73(t,4H),1.95(s,6H)。
【0214】
実施例17
【0215】
【化37】


エチレングリコールジチオメタクリレート
【0216】
15%KOH水溶液(350g;0.94mol)中の1,2−ジメルカプトエタン(25g;0.27mol)の溶液及び塩化メタクリロイル(67g;0.62mol)を、0℃に冷却したCHCl(400ml)中のテトラブチルアンモニウムブロミド(5g)及びp−メトキシフェノール(0.3g)に、同時に加えた。添加が完了した後、反応混合物を更に1時間撹拌した。有機層を分離し、シクロヘキサン(200ml)と混合し、CHClをロータリーエバポレーターにより真空下で蒸留した。粗物質をNaHCOで希釈し、蒸留して、フェニルチオメタクリレートを明澄な無色の液体として得た(36g;収率58%;n25 1.547;0.5mbarでの沸点91℃)。H NMR(CDCl,δ ppm)6.09(s,2H),5.62(s,2H),3.14(s,4H),1.99(s,6H)。
【0217】
単官能硫黄含有(メタ)アクリレートの調製
実施例18
【0218】
【化38】


フェニルチオメタクリレート
【0219】
10%KOH水溶液(224g;0.4mol KOH)中のチオフェノール(33g;0.3mol)の溶液及び塩化メタクリロイル(38g;0.36mol)を、0℃に冷却したCHCl(200ml)中のテトラブチルアンモニウムブロミド(4g)及びp−メトキシフェノール(0.3g)に、同時に加えた。添加が完了した後、反応混合物を更に1時間撹拌した。有機層を分離し、シクロヘキサン(100ml)と混合し、CHClをロータリーエバポレーターにより真空下で蒸留した。粗物質をNaHCOで希釈し、蒸留して、フェニルチオメタクリレートを明澄な無色の液体として得た(35g;収率66%;n25 1.5741;4mmHgでの沸点106℃)。H NMR(CDCl,δ ppm)7.45(s,5H),6.24(s,1H),5.72(s,1H),2.03(s,3H)。
【0220】
実施例19
【0221】
【化39】


ベンジルチオメタクリレート
【0222】
塩化メタクリロイル(61g;0.58mol)を、氷で冷却することにより温度を10℃未満に保持しながら、ベンジルメルカプタン(55.6g;0.45mol)、CHCl(200ml)及び7.6%NaOH水溶液(400g;0.76mol)の混合物に滴加した。添加が完了した後、反応混合物を更に2時間撹拌した。有機層を分離し、水で洗浄し、無水MgSOで乾燥し、真空蒸留して、ベンジルチオメタクリレートを明澄で無色の液体として得て、それを冷蔵庫に保存して凝固させた(80g;収率72%;n25 1.568;4mmHgでの沸点119℃)。H NMR(CDCl,δ ppm)1.625 7.30(m,5H),6.11(d,1H),5.61(d,1H),4.20(s,2H),2.02(s,3H)。
【0223】
実施例20
【0224】
【化40】


2−フェニルチオエチルメタクリレート
【0225】
2−フェニルチオエタノール(154g;1mol;Chevron-Phillipsから入手可能)、メタクリル酸メチル(125g;1.25mol)、シクロヘキサン(60g)、活性炭(2g)及び2,4−ジメチル−6−tert−ブチル−フェノール(0.1g)を反応器に投入し、反応混合物の含水量が500ppm未満になるまで、シクロヘキサンで水を共沸蒸留することにより乾燥した。チタンイソ−プロポキシド(3g)を加え、反応を、90〜92℃で加熱すること及び所望の変換が達成されるまで精留カラムを使用してメタノール/シクロヘキサン共沸混合物を連続的に除去することにより進行させた。乾燥過程及びエステル交換反応の全体にわたって、一定の空気流を、追加的な重合阻害剤として反応容器に供給した。反応の変換をGCで追跡した。完了した時、粗物質を真空蒸留して、2−フェニルチオエチルメタクリレートを明澄な無色の液体として得た(200g;収率90%;n25 1.556;1.2mbarでの沸点110℃)。H NMR(CDCl,δ ppm)7.41(d,1H),7.31(t,2H),7.20(t,2H),6.08(s,1H),5.57(s,1H),4.33(t,2H),3.20(t,2H),1.93(s,3H)。
【0226】
実施例21
【0227】
【化41】


2−〔(2−ベンゾチアゾリル)メルカプト〕エチルメタクリレート
【0228】
2−メルカプトベンゾチアゾール(100g;0.56mol)、2−クロロエチルメタクリレート(85g;0.58mol)、NaHCO(48g;0.57mol)及びDMF(180g)を90℃で5時間混合した。反応の変換をGCで追跡した。完了した時、混合物を室温に冷却し、5%NaOH水溶液と混合し、濾過し、ジエチルエーテルで抽出した。上側の有機層を分離し、MgSOで乾燥し、濾過し、溶媒を真空下でストリップして、2−〔(2−ベンゾチアゾリル)メルカプト〕エチルメタクリレートを淡黄色の液体として得た(140.6g;収率90%;n25 1.628)。H NMR(CDCl,δ ppm)1.628 7.85(d,1H),7.76(d,1H),7.40(t,1H),7.29(dd,1H),6.12(s,1H),5.38(s,1H),4.55(t,2H),3.679(t,2H),1.93(s,3H)。
【0229】
実施例22
【0230】
【化42】


4−メチルチオフェニルメタクリレート
【0231】
キシレン(80ml)中の4−(メチルチオ)フェノール(42g;0.3mol)、メタクリル酸(34g;0.4mol)、4−(メトキシ)フェノール(0.6g)及びp−トルエンスルホン酸(5g)の混合物を、水の計算量が反応から除かれるまで還流した。連続した空気吹き込みを、還流している間に使用して、重合を防止した。反応粗物質をCHClで希釈し、5%NaOH水溶液で洗浄し、乾燥し、濾過し、真空蒸留して、4−メチルチオベンジルメタクリレートを白色の低融点の固体として得た(25g;収率40%;n40 1.561;融点41℃;5mmHgでの沸点150℃)。H NMR(CDCl,δ ppm)7.30(d,2H),7.08(d,2H),6.35(s,1H),5.76(h,1H),2.47(s,3H),2.06(s,3H)。13C NMR(CDCl,δ ppm)165.8,148.6,135.7,135.5,127.9,127.3,122.1,18.4,16.5。
【0232】
実施例23
【0233】
【化43】


4−メチルチオベンジルメタクリレート
【0234】
トルエン(60ml)中の4−メチルチオベンジルアルコール(50g;0.33mol)、メタクリル酸(34g;0.4mol)、4−(メトキシ)フェノール(0.2g)及びp−トルエンスルホン酸(0.6g)の混合物を、水の計算量が反応から除かれるまで還流した。連続した空気吹き込みを、還流している間に使用して、重合を防止した。反応粗物質をCHClで希釈し、5%NaOH水溶液で洗浄し、乾燥し、濾過し、真空蒸留して、4−メチルチオベンジルメタクリレートを明澄な無色の液体として得た(40g;収率55%;n25 1.565;0.5mbarでの沸点106℃)。H NMR(CDCl,δ ppm)7.32(d,2H),7.25(d,2H),6.15(s,1H),5.59(h,1H),5.16(2,2H),2.49(s,3H),1.98(s,3H)。13C NMR(CDCl,δ ppm)167.2,138.6,136.1,132.7,128.7,126.4,125.8,66.0,18.3,15.7。
【0235】
実施例24
【0236】
【化44】


3−メチル−4−メチルチオフェニルメタクリレート
【0237】
ジクロロメタン(100ml)中の3−メチル−4−メチルチオフェノール(20g;0.13mol)、メタクリル酸無水物(24g;0.15mol)及びトリエチルアミン(15.7g)の混合物を室温で1時間撹拌した。反応粗物質を5%NaOH水溶液(150ml)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濾過し、真空蒸留して、3−メチル−4−メチルチオフェニルメタクリレートを明澄な無色の液体として得た(23g;収率82%;n25 1.564;0.56mbarでの沸点90℃)。H NMR(CDCl,δ ppm)7.19(d,1H),6.97(d,1H),6.96(s,1H),6.35(s,1H),5.76(s,1H),2.47(s,3H),2.36(s,3H),2.07(s 3H)。13C NMR(CDCl,δ ppm)165.9,148.2,137.4,135.8,134.8,127.1,126.1,122.9,119.5,20.0,18.4,15.7。
【0238】
実施例25
【0239】
【化45】


2−フェニル−2−フェニルチオエチルメタクリレート
【0240】
スチレンオキシド(3.96g;33mmol)を、35〜40℃に加熱した、チオフェノール(3.63g;33mmol)及びガリウムトリフレート(0.17g;0.33mmol;1モル%)の撹拌した溶液に、1時間かけて加えた。粗混合物を更に3時間撹拌し、水(25ml)に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を無水MgSOで乾燥し、濾過し、溶媒をストリップし、真空蒸留して、2−フェニル−2−フェニルチオエタノールを明澄な油状物として得た(2g;収率26%;n20 1.618;0.9mbarでの沸点134〜138℃)。H NMR(CDCl,δ ppm)7.31−7.20(m,10H),4.29(t,1H),3.89(dd,1H),3.87(dd,1H),1.86(s,1H)。
【0241】
2−フェニル−2−フェニルチオエタノール(1.93g;8.4mmol)、メタクリル酸メチル(12g;0.12mol)、ジブチルスズオキシド(0.05g;0.2mmol)及び4−メトキシフェノール(5mg)を、空気吹き込みを用いて95℃で11時間撹拌した。反応粗物質から揮発物を真空下でストリップし、シクロヘキサンと混合し、デカントし、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル;シクロヘキサン、次にシクロヘキサン:酢酸エチル 2:3)により精製して、2−フェニル−2−フェニルチオエチルメタクリレートを明澄な薄く着色された油状物として得た(1.17g;収率46%;n20 1.576)。H NMR(C,δ ppm)7.31−6.87(m,10H),5.99(s,1H),5.09(q,1H),4.60(dd,1H),4.49(dd,1H),4.45(t,1H),1.71(q,3H)。
【0242】
ハイブリッドUV硬化性組成物の調製
実施例26
ハイブリッドUV硬化性組成物は、高RIアクリルモノマーを有する無機ゾルと、有機改質剤とを、均質な混合物を生成するのに効率的な撹拌下でブレンドするだけで作製することができ、これをそのまま被覆として使用することができるか、又はUV成形する前に溶媒を真空下で除去することができる。有機改質剤は、無機部分に直接結合しているリガンド官能基を有するモノマーである。例には、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)及びメタクリレート(HEMA)、並びに2−(アクリロイルオキシ)エチルアセトアセテート(AAEA)が挙げられる。複合材料は、硬度、靱性、柔軟性、透明性、高RI、耐熱性、耐摩耗性又は耐衝撃性のような多様な所望の特性のために意図することができる。
【0243】
実施例23の4−メチルチオベンジルメタクリレート(2g:9mmol)、HEMA(0.62g;4.8mmol)、Zr(OisoPr)(イソプロパノール中70%溶液0.55g)及びIrgacure 651(35mg)を一緒にブレンドした。均質の溶液を成形型に流し込むか又は表面に薄膜として適用し、UV硬化して、明澄な硬質プラスチック部品を得た。
【0244】
応用例
光学レンズ
UV硬化性配合物は、モノマーを1モル%までの濃度の光開始剤と混合することにより調製した。適切な光開始剤には、Ciba Specialty Chemicalsから入手可能なIrgacure 819、Irgacure 651又はIrgacure 2022が含まれる。UV硬化物品の重合性組成物、並びに関連するパラメーター及び特性を表2に表す。
【0245】
【表2】

【0246】
屈折率
屈折率は、Abbe屈折計を使用して25℃及び589nmで測定した。
【0247】
ガラス移転温度
ガラス移転温度Tは、DSC(示差走査熱量測定)及びDMA(動的機械分析)の両方により測定した。
【0248】
示差走査熱量測定
DSCは、TA Instrument DSC Q1000熱量計により実施した。UV硬化ディスクのDSC分析は、窒素雰囲気圧下、10℃/分の速度で20℃〜300℃に加熱しながら、Al受皿の中のおよそ5〜15mgの試料により実施した。
【0249】
動的機械分析
DMAは、TA Instruments AR2000Nレオメーターにより実施した。UV硬化ディスクを長方形に切断し、端に紙やすりをかけて滑らかにして、小さな波面を除去した。試料をレオメーターのねじりクランプに設置し、−35℃から125℃に2℃/分で走査しながら、1Hzの振動、0.5%の歪み及び5N垂直力の張力に付した。
【0250】
ロックウエル硬さ
硬度は、ロックウエル硬度スケール(ASTM D785−93)により測定した。試験結果は、プラスチック材料の押込み硬さに直接的に関連するロックウエル硬度数として報告し、読み取り値が高いほど材料が硬い。ロックウエル硬度数は、圧子への負荷が固定最小負荷から最大負荷へと増加し、次に最小負荷へと戻るときの圧痕の深さの純増加から誘導した。測定は、Rスケール(最小負荷10kg;最大負荷60kg;圧子0.5in×12.7mm)で実施した。
【0251】
臭気測定
成形UV硬化プラスチック部品を、切断及び研磨の際の臭気について定性的に評価した。
【0252】
レンズ作製及びUV硬化の方法
レンズ組成物を真空下で脱気し、2つのガラスプレート及びプラスチックガスケットから構成される成形型に流し込んだ。成形型を、所望の波長の水銀UVランプ又は他のランプの下に、好ましくは不活性雰囲気下で通過させた。このようにして得られたポリマーレンズを、100℃〜120℃の温度で1時間アニールして、特性の測定の前に、レンズにおける残留ストレスを取り除いた。幾つかの場合において、シート状ポリマーの小片をキャスト重合により得て、屈折率及び熱機械的特性を測定するために使用した。
【0253】
透明被覆又は膜
UV硬化性組成物は、その成分をブレンドすることによって調製した。混合物を、穏やかに加熱しながら真空を適用することにより気泡を除去して脱気し、ドローダウン、スピンコーティング、ディップコーティング、正転及び反転ロールコーティング、ワイヤロッドコーティング及びダイコーティングを含む多様な技術を使用して、所望の表面に適用した。膜を、UVランプにより硬化するか又は高温でポストベークした。
【0254】
被覆又は膜の特徴決定
光学的測定のために、Birdアプリケーターを使用して膜にドローダウンするか又はガラス基材にスピン塗布し、Hg UVランプの下を通過させ、100℃で1時間ポストベークすることによって、重合性混合物から約1μm厚の透明な膜を得た。幾つかの場合において、シート状ポリマーをキャスト重合により得た。成形又は膜タイプのポリマーを、屈折率について測定し、機械的特性について評価した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)、(2)、(3)及びこれらの混合物からなる群より選択されるモノマー:
式(1)
【化46】


〔式中、
は、場合により−S−、−SO−、−SO−及び/又は酸素で中断されているC〜Cアルキレンとして定義され、
は、結合、硫黄又は酸素であるが、
但し、−L−W−又は−W−L−は、−S−、−SO−又は−SO−の少なくとも1つを含有し、
は、S、SO又はSOであり、そして
は、独立してH又はCHである〕
式(2)
【化47】


〔式中、
は、結合、−SO−、−SO−、−S−、−C(CH−、−(CH−S−(CH−、−(CH−SO−(CH−、−(CH−SO−(CH−、−S−(CH−S−、−SO−(CH−SO−又は−SO−(CH−SO−として定義されている二価結合基であり、
は、結合、硫黄、酸素、又は−CONR−、−NRCO−、−SCONR−、−RNOCS−、−NRCOS−、−SOCNR−、−CSO−、−OSC−、−COS−、−SOC−、−CSS−、−SSC−、−OCO−、−COO−、−SCOO−、−OOCS−、−OCONR−及び−RNOCO−からなる群より選択される二価結合基として定義され、
は、場合によりW、−S−、−SO−、−SO−又は酸素で中断されているC〜C10アルキレンであるが、
但し、−L−W−又は−W−L−の少なくとも1つは、−SCONR−、−RNOCS−、−NRCOS−、−SOCNR−、−CSO−、−OSC−、−COS−、−SOC−、−CSS−、−SSC−、−SCOO−及び−OOCS−からなる群より選択される少なくとも1つの二価結合基を含有するか、或いは
−L−W−又は−W−L−の少なくとも1つは、−CONR−、−RNCO−、−OCONR−、−RNOCO−、−OCO−、−COO−及び少なくとも1つの−S−、−SO−又は−SO−を含有するか、或いは
−L−W−又は−W−L−は、OR又はSRで置換されている分岐鎖又は直鎖のC〜Cアルキレンであり、
は、独立してH又はCHとして定義され、
は、C〜C分岐鎖若しくは直鎖アルキル、又は置換若しくは非置換フェニルであり、そして
は、独立してH又はCHである〕
式(3)
【化48】


〔式中、
は、結合、−S−、−SO−、−SO−、又は−CONR−、−NRCO−、−SCONR−、−RNOCS−、−NRCOS−、−SOCNR−、−CSO−、−OSC−、−COS−、−SOC−、−CSS−、−SSC−、−OCO−、−COO−、−SCOO−、−OOCS−、−OCONR−及び−RNOCO−からなる群より選択される二価結合基であり、
は、場合によりW、−S−、−SO−、−SO−又は酸素で中断されているC〜C10アルキレンであるが、
但し、−L−W−又は−W−L−の少なくとも1つは、−SCONR−、−RNOCS−、−NRCOS−、−SOCNR−、−CSO−、−OSC−、−COS−、−SOC−、−CSS−、−SSC−、−SCOO−及び−OOCS−からなる群より選択される少なくとも1つの二価結合基を含有するか、或いは
−L−W−又は−W−L−の少なくとも1つは、−CONR−、−RNCO−、−OCONR−、−RNOCO−、−OCO−、−COO−及び少なくとも1つの−S−、−SO−又は−SO−を含有するか、或いは
−W−L−又は−L−W−は、OR又はSRで置換されている分岐鎖又は直鎖のC〜Cアルキレンであり、
は、独立してH又はCHとして定義され、
は、分岐鎖若しくは直鎖C〜Cアルキル、又は置換若しくは非置換フェニルであり、
は、水素又は分岐鎖若しくは直鎖C〜Cアルキルであり、そして
は、独立してH又はCHである〕。
【請求項2】
請求項1記載のモノマーのいずれか1つから形成されるプラスチックと、
場合により、官能化又は表面処理ナノ粒子と、
場合により、モノ(メタ)アクリレート芳香族硫黄含有モノマーからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーと
を含む、高屈折率透明プラスチック組成物。
【請求項3】
ナノ粒子が、硬化の際に機能化ナノ粒子が共重合することができる又は重合性樹脂と反応することができるように、表面処理剤でその表面の少なくとも一部分が機能化されている、請求項2記載のプラスチック組成物。
【請求項4】
ナノ粒子を含有し、ここでナノ粒子が、アルコール、アミン、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、シラン及びチタネートからなる群より選択される剤で表面処理されている、請求項2記載のプラスチック組成物。
【請求項5】
ナノ粒子を含有し、ここでナノ粒子が、チタン、チタンの酸化物、ジルコニウム、ジルコニウムの酸化物、セリウム、セリウムの酸化物又はこれらの混合物を含有する、請求項2記載のプラスチック組成物。
【請求項6】
少なくとも1つのモノ(メタ)アクリレート芳香族硫黄含有モノマーを含有する、請求項2記載のプラスチック組成物。
【請求項7】
式(1)、(4)、(5)及びこれらの混合物からなる群より選択されるモノマーのうちの少なくとも1つから形成されるUV成形光学レンズ:
式(1)
【化49】


〔式中、
は、場合により硫黄及び/又は酸素で中断されているC〜Cアルキレンとして定義され、
は、結合、硫黄又は酸素であるが、
但し、−L−W−又は−W−L−の少なくとも1つは、−S−、−SO−又は−SO−の少なくとも1つを含有し、
は、S、SO又はSOであり、そして
は、独立してH又はCHである〕
式(4)
【化50】


〔式中、
は、−SO−、−SO−、−S−、−C(CH−、−(CH−S−(CH−、−(CH−SO−(CH−、−(CH−SO−(CH−、−S−(CH−S−、−SO−(CH−SO−又は−SO−(CH−SO−として定義されている二価結合基であり、
nは、1〜4であり、
は、結合、硫黄、又は−OCO−、−COO−、−CO−、−SO−、−SO−、−OCOO−、−OOCO−、−CONR−、−NRCO−、−SCONR−、−RNOCS−、−NRCOS−、−SOCNR−、−CSO−、−OSC−、−COS−、−SOC−、−OCO−、−COO−、−CSS−、−SSC−、−SCOO−、−OOCS−、−OCONR−及び−RNOCO−からなる群より選択される二価結合基として定義され、
は、場合により酸素、−S−、−SO−、−SO−、酸素又はWで中断されているC〜C10アルキレンであるか、或いは
は、OH、OR又はSRで置換されている分岐鎖又は直鎖C〜Cアルキレンであり、
は、独立してH又はCHとして定義され、
は、分岐鎖若しくは直鎖C〜Cアルキル、又は置換若しくは非置換フェニルであり、
は、独立してH又はCHである〕
並びに
式(5)
【化51】


〔式中、
は、結合、酸素、硫黄、又は−OCO−、−COO−、−CO−、−SO−、−SO−、−OCOO−、−OOCO−、−CONR−、−NRCO−、−SCONR−、−RNOCS−、−NRCOS−、−SOCNR−、−CSO−、−OSC−、−COS−、−SOC−、−OCO−、−COO−、−CSS−、−SSC−、−SCOO−、−OOCS−、−OCONR−及び−RNOCO−からなる群より選択される二価結合基であり、
は、場合により酸素、−S−、−SO−、−SO−又はWで中断されているC〜C10アルキレンであるか、或いは
は、OH、OR又はSRで置換されている分岐鎖又は直鎖C〜Cアルキレンであり、
は、独立してH又はCHとして定義され、
は、分岐鎖若しくは直鎖C〜Cアルキル、又は置換若しくは非置換フェニルであり、
は、水素又は分岐鎖若しくは直鎖C〜Cアルキルであり、そして
は、独立してH又はCHであるが、
但し、−L−W−又は−W−L−の少なくとも1つは、少なくとも1つの硫黄を含有する〕。
【請求項8】
機能化又は表面処理ナノ粒子を更に含み、ここで表面処理又は機能化ナノ粒子が、硬化の際に粒子が共重合することができる又は重合性樹脂と反応することができるように、表面処理剤でその表面の少なくとも一部分が機能化されている
請求項7記載のUV成形レンズ。
【請求項9】
表面処理又は機能化ナノ粒子が、ジルコニウム、チタン又はセリウムを含有する、請求項8記載のUV成形レンズ。
【請求項10】
表面処理又は機能化ナノ粒子が、酸化ジルコニウム、酸化チタン又は酸化セリウムである、請求項9記載のUV成形レンズ。
【請求項11】
下記式:
【化52】


〔式中、Aは、二価ジヒドロキシ芳香族含有化合物であり、そしてRは、それぞれ独立して、水素、ハロ又はC〜Cアルキル基である〕
で示される少なくとも1つのモノマーを更に含む、請求項7記載のUV成形レンズ。
【請求項12】
下記式:
【化53】


〔式中、nは0〜6であり、そしてRは、水素又はメチルである〕
で示される少なくとも1つのモノマーを更に含む、請求項7記載のUV成形レンズ。
【請求項13】
表1に定義されているモノマー:
【表3】

【請求項14】
透明材料が、ポリマー成形体、被覆又は膜である高屈折率透明材料を形成する方法であって、
液体組成物を成形型又は装置に入れる工程(ここで成形装置は、前方成形部材及び後方成形部材を含む)、或いは
液体組成物を基材上に塗布して、膜又は被覆を形成する工程
(液体組成物は、
請求項1記載の式(1)、(2)及び(3)からなる群より選択される少なくとも1つのモノマー、
場合により、表面処理又は官能化ナノ粒子、及び
光開始剤
を含む)、
活性化光線を、成形部材又は膜又は被覆の少なくとも1つに向けて、硬化を実施する工程
を含む方法。
【請求項15】
高屈折率ポリマー眼鏡レンズを形成する方法であって、
液体レンズ形成組成物を成形型又は成形装置に入れる工程(ここで成形装置は、前方成形部材及び後方成形部材を含み、
レンズ形成組成物は
請求項7記載の式(1)、(4)及び(5)からなる群より選択される少なくとも1つのモノマー、
場合により、表面処理又は官能化ナノ粒子、及び
光開始剤
を含む)、
活性化光線を成形部材の少なくとも1つに向け、続けてレンズの硬化を開始させて、眼鏡レンズを形成する工程
を含む方法。
【化54】

【請求項16】
式(2′)及び(3′):
【化55】


〔式中、Lは、場合により酸素又は硫黄で中断されているC〜Cアルキル又はC〜Cアルキレンであり、そしてEW及びEWは、電子求引基である〕で示されるビスチオエーテルの調製方法であって、
ヒドロキシアルキルメルカプタンのカリウム塩を芳香族ハロゲン化合物と縮合させ、
ここで縮合が、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルブチルアミド、N,N−ジブチルアセトアミド及びN−メチルピロリジノンからなる群より選択される溶媒において実施される
方法。

【公表番号】特表2010−519369(P2010−519369A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−550687(P2009−550687)
【出願日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【国際出願番号】PCT/EP2008/051438
【国際公開番号】WO2008/101806
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】