説明

高揮発性ポリエーテル変性シリコーンからなる界面活性剤

【課題】 高揮発性で表面張力の低い電気・電子部品用の界面活性剤を提供する。
【解決手段】 一分子中に一ポリエーテル鎖を有し、0.01質量%水溶液の表面張力(25℃)が25mN/m以下のポリエーテル変性シリコーンからなる電気・電子部品用界面活性剤。前記シリコーンが下記平均構造式(1)で表され、室温から5℃/分の昇温速度で200℃まで加熱し、昇温開始から100分間200℃で保持した場合に全て揮発し、飛び残りがない高揮発性ポリエーテル変性シリコーンである電気・電子部品用界面活性剤、及び前記高揮発性ポリエーテル変性シリコーンの製造方法。 AMeSiO(MeASiO)SiMeA (1)但し、式中のAはいずれか1つのみが下記一般式(2)で表される置換基、他のAはメチル基、nは0〜2の整数。 −C2aO(CO)R (2)但し、a=3〜4、及びb=1〜7の整数、Rはメチル基又はエチル基。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面張力が低く且つ高揮発性のポリエーテル変性シリコーンからなる界面活性剤に関し、特に、一定時間高温に加熱した場合には全て揮発し、一切飛び残りが生じない、特に電気・電子部品の洗浄等に好適な界面活性剤に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエーテル変性シリコーンは、末端二重結合含有ポリエーテルとハイドロジェンシリコーンとを貴金属触媒を用いてヒドロシリル化反応させたものであり、その分子中にポリオキシアルキレン鎖を有することから、非イオン性の界面活性剤として従来から各種工業分野で広く用いられている。また、末端二重結合含有ポリエーテルの種類や変性率により、異なった性能、性質が得られることも知られている(非特許文献1、特許文献1)。
【非特許文献1】Siloxane Polymers,Stephen J.Clarson/J.Anthony Semlyen PTR PRENTICE HALL p.334−348
【特許文献1】特開2000−327787号公報
【0003】
界面活性剤は、電気・電子機器の製造において、基材の洗浄等にも使用されているが、使用後において界面活性剤が基材に残存すると、インキの耐水性や電子部品の電気特性に悪影響を与えることから、完全に除去するためには揮発性が高いことが要求される。界面活性剤として使用可能なシリコーンとして、従来、0.01質量%水溶液の表面張力が25mN/m以下のポリエーテル変性シリコーンが知られているが、揮発性が十分ではないために、使用後においても基材に界面活性剤が残存するという問題点があった。
使用後の界面活性剤の除去は、主に加熱することによりなされるが、電気・電子部品等に使用する場合、部品の耐熱性を考慮すると、加熱温度は200℃が限度である。しかし、200℃以下の加熱により完全に揮発するポリエーテル変性シリコーンは知られておらず、低表面張力と高揮発性とを両立したポリエーテル変性シリコーンは、これまで知られていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の目的は、200℃で完全に揮発するポリエーテル変性シリコーンを用いた界面活性剤であって、使用後には加熱して容易に除去することができる揮発性界面活性剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決する為に鋭意研究を行った結果、ポリエーテル鎖を1分子中に1つのみ有するポリエーテル変性シリコーンは、0.01%水溶液の25℃における表面張力が25mN/m以下という低い値を示し、且つ、200℃に加熱・保持することによって完全に揮発し、特に電気・電子部品の洗浄等に好適な界面活性剤として用いることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち本発明は、一分子中にポリエーテル鎖を一つだけ有し、0.01質量%水溶液の25℃における表面張力が25mN/m以下のポリエーテル変性シリコーンからなる電気・電子部品用界面活性剤であって、前記シリコーンが下記平均構造式(1)で表されると共に、室温から5℃/分の昇温速度で200℃まで加熱し、昇温開始から100分間200℃で保持した場合には全て揮発し、一切の飛び残りが生じない高揮発性ポリエーテル変性シリコーンであることを特徴とする電気・電子部品用界面活性剤である。
AMeSiO(MeASiO)SiMeA (1)
但し、式中のAはいずれか1つのみが下記一般式(2)で表される置換基、他のAはメチル基であり、nは0〜2の整数である。
−C2aO(CO)R (2)
但し、aは3〜4の整数、bは1〜7の整数であり、Rはメチル基又はエチル基である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の界面活性剤は200℃に加熱・保持することにより完全に除去されるので、特に電気・電子部品用界面活性剤として好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の界面活性剤は、下記平均構造式(1)で表され、一分子中にポリエーテル鎖を一つのみ有するポリエーテル変性シリコーンである。このシリコーンは、ポリエーテル鎖を2つ以上有するものと比較して表面張力が小さいので、親水部と疎水部との間で界面活性を生じ易くなる。
AMeSiO(MeASiO)SiMeA (1)
式中、Aはいずれか1つのみが下記一般式(2)で表される置換基、他のAはメチル基であり、nは0〜2の整数であり、0又は1であることが好ましい。nが3より大きいと生成するポリエーテル変性シリコーンの揮発性が低下する。
【0009】
−C2aO(CO)R (2)
式(2)において、aは3〜4の整数、bは1〜7の整数であり、特に、bは4〜7の整数であることが好ましい。bが7より大きくなると、生成するポリエーテル変性シリコーンの分子量が大きくなるため、揮発性が悪くなる。
また、ポリエーテル変性シリコーンの揮発性を良好にするため、式(2)における末端のRはメチル基又はエチル基である。
【0010】
特に、本発明の界面活性剤を、電気・電子部品の分野で使用する場合には、前記ポリエーテル変性シリコーンの、0.01%水溶液の25℃における表面張力が25mN/m以下である必要がある。表面張力が25mN/mを超えると濡れ性が悪くなり、洗浄性が低下する。
【0011】
本発明に使用される、ポリエーテル変性シリコーンは、下記構造式(3)で表されるヒドロシリル基を1分子中に1つだけ有するハイドロジェンジメチルポリシロキサンと、下記式(4)で表される片末端に不飽和基を有するポリエーテルを反応させて製造する。
BMeSiO(MeBSiO)SiMeB (3)
式中、Bはいずれか1つのみが水素原子であり、他のBはメチル基である。また、nについては、前記構造式(1)と同様である。
【0012】
2a−1O(CO)R (4)
式中、a,b,Rは前記一般式(2)と同様である。
また、式中の、不飽和基であるC2a−1−の構造は任意であるが、ハイドロジェンジメチルポリシロキサンとアリル末端ポリエーテルを当モルで反応させた場合の未反応ポリエーテルは、仕込んだポリエーテルの15モル%前後となり、ハイドロジェンジメチルポリシロキサンとメタリル末端ポリエーテルを当モルで反応させた場合の未反応ポリエーテルは、仕込んだポリエーテルの5モル%前後となる。これは、付加反応の他に、片末端に二重結合を有するポリエーテルの二重結合に内部転位が起こり、この内部転移したオレフィンがハイドロジェンジメチルポリシロキサンと付加反応せずにポリエーテルシリコーン中に残存し、界面活性剤中のポリエーテルシリコーンの含有量を低下させることとなるためである。
従って本発明においては、未反応分を少なくするという観点から、メタリル基(CH=C(CH)CH−)を有するポリエーテルを使用することが特に好ましい。
また、得られるポリエーテル変性シリコーンの揮発性を良好にする観点から、前記式(4)における末端のRはメチル基又はエチル基であることが必要である。
【0013】
前記式(4)で表される、片末端に不飽和基を有するポリエーテルとしては以下のものが例示される。
メタリル基を有するポリエーテル;
CH=C(CH)CHO(EO)CH, CH=C(CH)CHO(EO)CH
CH2=C(CH)CHO(EO)CH, CH=C(CH)CHO(EO)CH
CH=C(CH)CHO(EO)CH, CH=C(CH)CHO(EO)CH
CH=C(CH)CHO(EO)CH
CH=C(CH)CHO(EO)CHCH, CH=C(CH)CHO(EO)CHCH
CH=C(CH)CHO(EO)CHCH, CH=C(CH)CHO(EO)CHCH
CH=C(CH)CHO(EO)CHCH, CH=C(CH)CHO(EO)CHCH
CH=C(CH)CHO(EO)CHCH
アリル基を有するポリエーテル;
CH=CHCHO(EO)CH, CH=CHCHO(EO)CH
CH=CHCHO(EO)CH, CH=CHCHO(EO)CH
CH=CHCHO(EO)CH, CH=CHCHO(EO)CH
CH=CHCHO(EO)CH
CH=CHCHO(EO)CHCH, CH=CHCHO(EO)CHCH
CH=CHCHO(EO)CHCH, CH=CHCHO(EO)CHCH
CH=CHCHO(EO)CHCH, CH=CHCHO(EO)CHCH
CH=CHCHO(EO)CHCH
(但し式中のEは−CHCH−を意味する。)
これらのポリエーテルは、通常はイオン性不純物を低減させる為に、蒸留してから反応に供する。
【0014】
前記ハイドロジェンジメチルポリシロキサン(A)と片末端に二重結合を有するポリエーテル(B)との反応は、溶剤存在下、若しくは無溶剤下で実施される。触媒は、塩化白金酸から誘導される白金触媒が好適に使用される。
反応は、(A)を仕込み、次いで触媒と(B)を滴下するか、又は、触媒と(B)を仕込み、次いで(A)を滴下することが好適である。ポリエーテルの酸化を抑制する為に、反応は窒素気流中で行うことが好ましい。
また、(A)は沸点が100℃以下の場合もあるので、(A)を揮散させない為に、滴下時の温度は100℃以下とすることが好ましい。
滴下終了後、反応系の温度を110〜120℃まで昇温した後、同温に保持し、反応を完結させる。反応の完結は、反応液をサンプリングし、発生した水素ガスの量を測定することにより確認する。
【0015】
ハイドロジェンジメチルポリシロキサン(A)中の、SiHに対するポリエーテル(B)の反応モル比(SiH/Vi)は0.5〜1.2であるが、未反応ポリエーテルが多いとポリエーテル変性シリコーンの純度が低下する。従って、モル比1未満(SiH/Vi<1)で反応させた後、低沸点ハイドロジェンジメチルポリシロキサンの余剰分を減圧ストリップで除去し、ポリエーテル変性シリコーン中の未反応のポリエーテル量を最小に抑えることが好ましい。
【0016】
また、低沸点ポリエーテルを、原料として使用する場合には、反応後に未反応ポリエーテルを減圧ストリップにより除去出来るので、(A)に対して過剰のポリエーテルを反応に使用しても問題ない。
【0017】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。なお本実施例中の原料ポリエーテルは全て蒸留品であり、特に分布が記載されているもの以外は単品である。
【実施例1】
【0018】
CH=C(CH)CHO(EO)CHからなる構造のポリエーテル262g(1モル)と、塩化白金酸の0.5質量%トルエン溶液0.5gをフラスコに量り取り、窒素気流中で70℃に加熱した。
70℃で、ペンタメチルジシロキサン(MeSiOSiMeH、bp.85℃)178g(1.2モル)を、30分かけて滴下した。この時、反応系の温度は90℃まで上昇した。引き続き110℃まで加熱して、110℃で3時間保持し、反応を完結させた。
ペンタメチルジシロキサンの余剰分を減圧ストリップすることにより、ポリエーテルシリコーンAを390g得た。
【実施例2】
【0019】
CH=CHCHO(EO)CHからなる構造のポリエーテル248g(1モル)と、塩化白金酸の0.5質量%トルエン溶液0.5gをフラスコに量り取り、窒素気流中で70℃に加熱した。
70℃で、ペンタメチルジシロキサン(MeSiOSiMeH、bp.85℃)178g(1.2モル)を、30分かけて滴下した。この時、反応系の温度は85℃まで上昇した。引き続き110℃まで加熱して、110℃で3時間保持し、反応を完結させた。
ペンタメチルジシロキサンの余剰分を減圧ストリップすることにより、ポリエーテルシリコーンBを370g得た。
【実施例3】
【0020】
CH=C(CH)CHO(EO)CHなる構造のポリエーテル306g(1モル)と、塩化白金酸の0.5質量%トルエン溶液0.5gをフラスコに量り取り、窒素気流中で70℃に加熱した。
70℃で、ペンタメチルジシロキサン(MeSiOSiMeH、bp.85℃)178g(1.2モル)を、30分かけて滴下した。この時、反応系の温度は90℃まで上昇した。引き続き110℃まで加熱して、110℃で3時間保持し、反応を完結させた。
ペンタメチルジシロキサンの余剰分を減圧ストリップすることにより、ポリエーテルシリコーンCを440g得た。
【実施例4】
【0021】
CH=CHCHO(EO)CHなる構造のポリエーテル292g(1モル)と塩化白金酸0.5%トルエン溶液0.5gをフラスコに量り取り、窒素気流中で70℃に加熱した。
70℃で、ペンタメチルジシロキサン(MeSiOSiMeH、bp.85℃)178g(1.2モル)を、30分かけて滴下した。この時、反応系の温度は85℃まで上昇した。引き続き110℃まで加熱して、110℃で3時間保持し、反応を完結させた。
過剰ペンタメチルジシロキサンを減圧ストリップすることにより、ポリエーテルシリコーンDを420g得た。
【実施例5】
【0022】
CH=C(CH)CHO(EO)CH[n=5(17%),n=6(70%),n=7(13%)]なる構造のポリエーテル350gと塩化白金酸0.5質量%トルエン溶液0.5gをフラスコに量り取り、窒素気流中で90℃に加熱した。
90℃で、ヘプタメチルトリシロキサン(MeSiOSiMeHOSiMe、bp.141℃)266g(1.2モル)を、30分かけて滴下した。この時、反応系の温度は105℃まで上昇した。引き続き110℃まで加熱して、110℃で3時間保持し、反応を完結させた。
ヘプタメチルトリシロキサンの余剰分を減圧ストリップすることにより、ポリエーテルシリコーンEを540g得た。
【実施例6】
【0023】
CH=CHCHO(EO)CH[n=5(12%),n=6(74%),n=7(14%)]なる構造のポリエーテル、336gと塩化白金酸0.5%トルエン溶液0.5gをフラスコに量り取り、窒素気流中で90℃に加熱した。
90℃で、ヘプタメチルトリシロキサン(MeSiOSiMeHOSiMe、bp.141℃)266g(1.2モル)を、30分かけて滴下した。この時、反応系の温度は105℃まで上昇した。引き続き110℃まで加熱して、110℃で3時間保持し、反応を完結させた。
ヘプタメチルトリシロキサンの余剰分を減圧ストリップすることにより、ポリエーテルシリコーンFを520g得た。
【0024】
[比較例1]
CH=CHCHO(EO)CHなる構造のポリエーテル204g(1モル)と塩化白金酸0.5質量%のトルエン溶液0.5gをフラスコに量り取り、窒素気流中で70℃に加熱した。
70℃で、テトラメチルジシロキサン(HMeSiOSiMeH、bp.71℃)54g(0.4モル)を、30分かけて滴下した。この時、反応系の温度は95℃まで上昇した。引き続き110℃まで加熱して、110℃で3時間保持し、反応を完結させた。反応液を減圧ストリップすることにより、ポリエーテルシリコーンA’を250g得た。
【0025】
[比較例2]
実施例1で使用したCH=C(CH)CHO(EO)CHに替えて、CH=C(CH)CHO(EO)CHを218g(1モル)使用したこと以外は実施例1と同様にして、ポリエーテルシリコーンB’を340g得た。
【0026】
[比較例3]
実施例1で使用したCH=C(CH)CHO(EO)CHに替えて、CH=CHCHO(EO)CH[n=5(12%)、n=6(74%)、n=7(14%)]なるポリエーテル336gを使用したこと以外は実施例1と同様にしてポリエーテルシリコーンC’を460g得た。
【0027】
表面張力については、25℃において、協和界面化学株式会社製、自動表面張力計CBVP−Zを用いて、白金プレート法により測定した。
200℃における揮発性については、(株)リガク製のThermo plus TG8120を用いて、窒素封入下で測定を行なった。加熱条件は、室温から昇温速度毎分5℃で昇温を行ない、200℃まで加熱し、200℃で保持した、加熱時間は昇温開始からトータルで100分とした。
揮発性の評価を以下の通りとした。
○:揮発性良好(加熱時間経過後のポリエーテルシリコーンの残留分が0%)
△:揮発性やや良好(加熱時間経過後のポリエーテルシリコーンの残留分が5%以下)
×:揮発性不良(加熱時間経過後のポリエーテルシリコーンの残留分が10%超)
【0028】
実施例1〜6、比較例1〜4のポリエーテルシリコーンを用いて、0.01質量%水溶液の25℃における表面張力(mN/m)、並びに200℃における揮発性を測定した。結果を表1に示す。
【表1】

【0029】
表1より、実施例1〜6のポリエーテルシリコーンは、0.01質量%水溶液の25℃における表面張力が25mN/mであり、且つ200℃における揮発性も良好であることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明の界面活性剤は、0.01%水溶液の25℃における表面張力が25mN/m以下で、200℃における揮発性が良好なポリエーテルシリコーンを用いるため、電気・電子部品の分野に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一分子中にポリエーテル鎖を一つだけ有し、0.01質量%水溶液の25℃における表面張力が25mN/m以下のポリエーテル変性シリコーンからなる電気・電子部品用界面活性剤であって、前記シリコーンが下記平均構造式(1)で表されると共に、室温から5℃/分の昇温速度で200℃まで加熱し、昇温開始から100分間200℃で保持した場合には全て揮発し、一切の飛び残りが生じない高揮発性ポリエーテル変性シリコーンであることを特徴とする電気・電子部品用界面活性剤。
AMeSiO(MeASiO)SiMeA (1)
但し、式中のAはいずれか1つのみが下記一般式(2)で表される置換基、他のAはメチル基であり、nは0〜2の整数である。
−C2aO(CO)R (2)
但し、aは3〜4、及びbは1〜7の整数であり、Rはメチル基又はエチル基である。
【請求項2】
一分子中にポリエーテル鎖を一つだけ有し、0.01質量%水溶液の25℃における表面張力が25mN/m以下であり、室温から5℃/分の昇温速度で200℃まで加熱し、昇温開始から100分間200℃で保持した場合には全て揮発し、一切の飛び残りが生じない高揮発性ポリエーテル変性シリコーンの製造方法であって、下記構造式(3)で表されるヒドロシリル基を1分子中に1つだけ有するハイドロジェンジメチルポリシロキサンと、下記式(4)で表される片末端に不飽和基を有するポリエーテルを反応させる工程を含むことを特徴とする高揮発性ポリエーテル変性シリコーンの製造方法;
BMeSiO(MeBSiO)SiMeB (3)
式中、Bはいずれか1つのみが水素原子であり、他のBはメチル基であり、nは0〜2の整数である。
2a−1O(CO)R (4)
但し、aは3〜4の整数、bは1〜7の整数であり、Rはメチル基又はエチル基である。
【請求項3】
前記式(4)の不飽和炭化水素基C2a−1−が、末端二重結合を有する、請求項2に記載された製造方法。
【請求項4】
前記不飽和炭化水素基がメタリル基である、請求項3に記載された製造方法。


【公開番号】特開2007−63348(P2007−63348A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−248840(P2005−248840)
【出願日】平成17年8月30日(2005.8.30)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】