説明

高眼圧症を治療するための眼組成物

本発明は、緑内障及び患者の眼の高眼内圧を導く他の状態の治療のための、式Iの強力なカリウムチャネル遮断薬化合物又はこの製剤に関する。本発明はまた、哺乳動物種、特にヒトの眼に神経保護作用を与えるためのこのような化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2003年9月2日出願の米国特許仮出願第60/499,628号の35U.S.C.119(e)の下での優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
緑内障は、眼内圧が正常な眼機能を不可能にするほど高い、眼の変性疾患である。この結果として、視神経頭への損傷が起こり、眼機能の不可逆的な喪失を生じさせることがある。治療しなければ、緑内障は最終的に失明を導き得る。高眼圧症、すなわち視神経頭損傷又は特徴的な緑内障性視野欠損を伴わない高眼内圧状態は今や、大半の眼科医により、単に緑内障発症の最初期であると信じられている。
【0003】
緑内障及び高眼内圧のためのいくつかの療法が存在するが、これらの薬剤の効果及び副作用プロフィールは理想的とは言えない。最近、カリウムチャネル遮断薬が眼において眼内圧を低下させることが認められ、従って高眼圧症及びこれに関連する変性眼状態の治療へのさらなる1つのアプローチを提供している。カリウムチャネルの遮断は体液分泌を低下させ、一部の条件下では、平滑筋収縮を上昇させることができ、IPOを低下させ、眼における神経保護作用を有すると期待される(米国特許第5,573,758号及び同第5,925,342号;Mooreら、Invest.Ophthlmol.Vis.Sci 38,1997;国際公開公報第WO89/10757号、同第WO94/28900号及び同第WO96/33719号参照)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、緑内障及び患者の眼の高眼内圧に関連する他の状態の治療における、強力なカリウムチャネル遮断薬又はこの製剤の使用に関する。本発明はまた、哺乳動物種、特にヒトの眼に神経保護作用を与えるためのこのような化合物の使用に関する。より特定すると、本発明は、構造式I:
【0005】
【化2】

[式中、
Rは、水素又はC1−6アルキルを表わし;
Xは、−(CHR−、または−(CHRCO−を表わし;
Yは、−CO(CH−、(CH、−CH(OR)−、OR、またはSRを表わし;
Z=O又はSであり;
M1、M2及びM3は、独立して、CH又はNであり;
Qは、CR、N又はOを表わし、QがOであるときRは存在せず;
は、H、C1−6アルキル、−(CH3−8シクロアルキル、−(CH3−10ヘテロシクリル、−(CH5−10ヘテロアリール、または−(CH6−10アリールを表わし;
は、H、C1−6アルキル、−C(O)C1−6アルキル、−C(O)OC1−6アルキル、−SON(R)、−SO1−6アルキル、−SO6−10アリール、NO、CNまたは−C(O)N(R)を表わし;
は、水素、C1−10アルキル、OH、C2−6アルケニル、C1−6アルキルSR、−(CHO(CHOR、−(CH(CHR(CH1−6アルコキシ、−(CH(CHR(CH3−8シクロアルキル、−(CH(CHR(CH3−8シクロアルケニル、−(CH(CHR(CH3−10ヘテロシクリル、−N(R)、−COOR、または−(CH(CHR(CH6−10アリールを表わし、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル又はアリールは、場合によりRから選択される1−5個の基で置換されており;
は、水素、C1−10アルキル、C2−6アルケニル、−(CH(CHR(CH3−8シクロアルキル、−(CH(CHR(CHシクロアルケニル、−(CH(CHR(CH3−10ヘテロシクリル、−(CH(CHR(CHCOOR、−(CH(CHR(CH6−10アリール、−(CH(CHR(CHNHR、−(CH(CHR(CHN(R)、−(CH(CHR(CHN(R)、−(CH(CHR(CHN(R、−(CH(CHR(CHNHCOOR、−(CH(CHR(CHN(R)COR、−(CH(CHR(CHN(R)COR、−(CH(CHR(CHNHCOR、−(CH(CHR(CHCONH(R)、アリール、−(CH(CHR(CH1−6アルコキシ、CF、−(CH(CHR(CHSOR、−(CH(CHR(CHSON(R)、−(CH(CHR(CHCON(R)、−(CH(CHR(CHCONHC(R)、−(CH(CHR(CHCONHC(R)COR、−(CH(CHR(CHCOR、ニトロ、シアノ又はハロゲンを表わし、前記アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ヘテロシクリル又はアリールは、場合によりRの1−5個の基で置換されているか;
又は、QがCR又はNに等しいとき、R及びRは、介在するCR又はNと共に、3−10員炭素環又はヘテロ環又は場合によりO、S、C(O)又はNRの1−2個の原子によって中断され、場合により1−5の二重結合を有し、及び場合によりRから選択される1−3個の基で置換されている縮合環を形成し;
及びRは、独立して、水素、C1−6アルコキシ、OH、C1−6アルキル、C1−6アルキル−S、C1−6アルキル−CO−、C1−6アルケニル、C3−8シクロアルコキシ、C3−8シクロアルキル、C3−8シクロアルキル−S、C3−8シクロアルキル−CO−、COOR、SOH、−O(CHN(R)、−O(CHCOR、−OPO(OH)、CF、−N(R)、ニトロ、シアノ、C1−6アルキルアミノ又はハロゲンを表わし;
は、水素、C1−10アルキル、−(CH(CHR(CH6−10アリール、−(CH(CHR(CH5−10ヘテロアリール、NR、−NR−(CH(CHR(CH6−10アリール、−N−((CH(CHR(CH6−10アリール)、−(CH(CHR(CH3−10ヘテロシクリル、−NR−(CH(CHR(CH3−10ヘテロシクリル、−N−((CH(CHR(CH3−10ヘテロシクリル)(C6−10アリール)O−、−(CH(CHR(CH3−8シクロアルキル、−COOR、−C(O)CORを表わし、前記アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及びアルキルは、場合によりRから選択される1−3個の基で置換されており;
及びRは、独立して、H、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、−(CH6−10アリール、−(CH5−10ヘテロアリール、C1−6アルキルSR、−(CHO(CHOR、−(CH1−6アルコキシ、または−(CH3−8シクロアルキルを表わすか;
又はR及びRは、介在するN原子と共に、場合によりO、S、C(O)又はNRの1−2個の原子によって中断され、場合により1−4の二重結合を有し、及び場合によりRから選択される1−3個の基で置換されている4−10員ヘテロ環式炭素環を形成し;
は、水素、C1−6アルキル、−(CHCOORまたは−(CHN(R)を表わし;
は、−(CH3−8シクロアルキル、−(CHn3−10ヘテロシクリル、C1−6アルコキシまたは−(CH5−10ヘテロアリール、−(CH6−10アリールを表わし、前記シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールは、場合によりRから選択される1−3個の基で置換されており;
は、F、Cl、Br、I、CF、N(R)、NO、CN、−COR、−CONHR、−CON(R、−O(CHCOOR、−NH(CHOR、−COOR、−OCF、−NHCOR、−SOR、−SONR、−SR、(C−Cアルキル)O−、−(CHO(CHOR、−(CH1−6アルコキシ、(アリール)O−、−OH、(C−Cアルキル)S(O)−、HN−C(NH)−、(C−Cアルキル)C(O)−、(C−Cアルキル)OC(O)NH−、−(C−Cアルキル)NR(CH3−10ヘテロシクリル−R、−(C−Cアルキル)O(CH3−10ヘテロシクリル−R、−(C−Cアルキル)S(CH3−10ヘテロシクリル−R、−(C−Cアルキル)−C3−10ヘテロシクリル−R、−(CH−Z−C(=Z)N(R)、−(C2−6アルケニル)NR(CH3−10ヘテロシクリル−R、−(C2−6アルケニル)O(CH3−10ヘテロシクリル−R、−(C2−6アルケニル)S(CH3−10ヘテロシクリル−R、−(C2−6アルケニル)−C3−10ヘテロシクリル−R、−(C2−6アルケニル)−Z−C(=Z)N(R)、−(CHSOR、−(CHSOH、−(CHPO(OR)、−(CHOH、−(CH(CHR(CHOPO(OR)、C3−10シクロアルキル、C6−10アリール、C3−10ヘテロシクリル、C2−6アルケニル、およびC−C10アルキルを表わし、前記アルキル、アルケニル、アルコキシ、ヘテロシクリル及びアリールは、場合によりC−Cアルキル、CN、NO、−(CHOH、−(CHOPO(OR)、CON(R)およびCOORから選択される1−3個の基で置換されており;
及びZは、独立して、NR、O、CH又はSを表わし;
mは0−3であり;
nは0−3であり;
pは0−3であり;及び
qは0−1である]
の化合物、又はこの医薬適合性の塩、鏡像異性体、ジアステレオマー又は混合物を有する新規ベンゾフラン、ベンゾチオフェン及びこれらのアザ誘導体を使用する、緑内障及び/又は高眼圧症(高眼内圧)の治療に関する。
【0006】
本発明のこの側面及び他の側面は、全体としての本発明の検討後に理解される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、式Iの新規カリウムチャネル遮断薬を対象とする。本発明はまた、上述した式Iの新規カリウムチャネル遮断薬及び医薬適合性の担体を含有する組成物の投与、好ましくは局所又はintra−camaral投与によって、高眼内圧を低下させる又は緑内障を治療するための方法に関する。高眼圧症又は緑内障の治療のための薬剤を製造するための請求項1に記載の式Iの化合物の使用。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の1つの実施態様は、Yが−CO(CHであり、他の全ての変数が最初に述べた通りであるときに実現される。本発明の1つのサブ実施態様は、nが0であるときに実現される。
【0009】
本発明の1つの実施態様は、Qが−N−であり、他の全ての変数が最初に述べた通りであるときに実現される。本発明の1つのサブ実施態様は、RがC1−10アルキルであり、及びRがC1−10アルキルであり、前記アルキルが場合によりRの1−3個の基で置換されているときに実現される。
【0010】
もう1つの実施態様は、QがCR又はNに等しく、及びRとRが、介在するCR又はNと共に、3−10員炭素環又はヘテロ環又は場合によりO、S、C(O)又はNRの1−2個の原子によって中断され、場合により1−5の二重結合を有し、及び場合によりRから選択される1−3個の基で置換されている縮合環を形成するときに実現される。
【0011】
本発明のもう1つの実施態様は、YがCH(OR)であり、他の全ての変数が最初に述べた通りであるときに実現される。
【0012】
もう1つの実施態様では、Rは、H、C1−6アルキル、−C(O)C1−6アルキルおよび−C(O)N(R)から選択され、他の全ての変数は最初に述べた通りである。
【0013】
もう1つの実施態様では、Xは−(CHR−であり、pは1−3であり、他の全ての変数は最初に述べた通りである。
【0014】
もう1つの実施態様では、Xは−(CHRCO−であり、pは1−3であり、他の全ての変数は最初に述べた通りである。
【0015】
もう1つの実施態様では、ZはSであり、他の全ての変数は最初に述べた通りである。
【0016】
もう1つの実施態様では、ZはOであり、他の全ての変数は最初に述べた通りである。
【0017】
もう1つの実施態様では、RとRのうち一つはHであり、他はC1−6アルコキシ、ハロ、水素である。
【0018】
本発明のもう1つの実施態様は、M1、M2及びM3がCHであり、他の全ての変数が最初に述べた通りであるときに実現される。
【0019】
本発明のもう1つの実施態様は、M1、M2及びM3の少なくとも1つがNであり、この他がCHであり、他の全ての変数が最初に述べた通りであるときに実現される。
【0020】
本発明のさらにもう1つの実施態様は、RがC1−6アルキル、(CH6−10アリール、(CH3−10ヘテロシクリル、NRまたは(CH3−8シクロアルキルであり、前記アルキル、アリール、ヘテロシクリル及びシクロアルキルが場合によりRの1−5個の基で置換されており、他の全ての変数が最初に述べた通りであるときに実現される。
【0021】
本発明のさらにもう1つの実施態様は、Rが(CH6−10アリール、NR、または(CH3−10ヘテロシクリルであり、前記アリール及びヘテロシクリルが場合によりRの1−5個の基で置換されており、他の全ての変数が最初に述べた通りであるときに実現される。
【0022】
本発明のさらにもう1つの実施態様は、Rが水素又はC1−6アルキルであり、他の全ての変数が最初に述べた通りであるときに実現される。
【0023】
本発明のさらにもう1つの実施態様は、Yが−CO(CHであり、Qが−N−であり、RがC1−10アルキル又はC1−6アルキルOHであり、及びRがC1−10アルキルであり、前記アルキルが場合によりRの1−5個の基で置換されているときに実現される。本発明のサブ実施態様は、nが0であり、ZがOであるときに実現される。本発明のもう1つのサブ実施態様は、nが0であり、ZがSであるときに実現される。
【0024】
本発明のさらにもう1つの実施態様は、Yが−CO(CHであり、QがCRであり、RがC1−10アルキル又はC1−6アルキルOHであり、及びRがC1−10アルキルであり、前記アルキルが場合によりRの1−5個の基で置換されているときに実現される。本発明の1つのサブ実施態様は、nが0であり、ZがOであるときに実現される。本発明のもう1つのサブ実施態様は、nが0であり、ZがSであるときに実現される。
【0025】
本発明のさらにもう1つの実施態様は、Yが−CO(CHであり、QがOであり、Rが存在せず、及びRがC1−10アルキルであり、前記アルキルが場合によりRの1−5個の基で置換されているときに実現される。本発明の1つのサブ実施態様は、nが0であるときに実現される。
【0026】
本発明のさらにもう1つの実施態様は、Qが−N−であり、Yが−CO(CHであり、n=0であり、ZがSであり、及びRがC1−6アルキル、(CH6−10アリール、(CH5−10ヘテロアリール、(CH3−10ヘテロシクリル、NRまたは(CH3−8シクロアルキルであり、前記アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及びアルキルが場合によりRの1−3個の基で置換されているときに実現される。本発明の1つのサブ実施態様は、M1、M2及びM3がCHであり、Xが−(CHRCO−であり、pが1−3であり、RがC1−10アルキル又はC1−6アルキルOHであり、及びRが(CH3−10ヘテロシクリルであり、前記へテロシクリル及びアルキルが場合によりRの1−3個の基で置換されているときに実現される。
【0027】
本発明のさらにもう1つの実施態様は、Qが−CR−であり、n=0であり、ZがSであり、及びRがC1−6アルキル、(CH6−10アリール、(CH5−10ヘテロアリール、(CH3−10ヘテロシクリル、NRまたは(CH3−8シクロアルキルであり、前記アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及びアルキルが場合によりRの1−3個の基で置換されているときに実現される。
【0028】
本発明のさらにもう1つの実施態様は、Qが−N−であり、Yが−CO(CHであり、n=0であり、ZがOであり、及びRがC1−6アルキル、(CH6−10アリール、(CH5−10ヘテロアリール、(CH3−10ヘテロシクリル、NRまたは(CH3−8シクロアルキルであり、前記アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及びアルキルが場合によりRの1−3個の基で置換されているときに実現される。本発明の1つのサブ実施態様は、M1、M2及びM3がCHであり、Xが−(CHRCO−であり、pが1−3であり、RがC1−10アルキル又はC1−6アルキルOHであり、及びRが(CH3−10ヘテロシクリルであり、前記へテロシクリル及びアルキルが場合によりRの1−3個の基で置換されているときに実現される。
【0029】
本発明のさらにもう1つの実施態様は、Qが−CR−であり、n=0であり、ZがOであり、及びRがC1−6アルキル、(CH6−10アリール、(CH5−10ヘテロアリール、(CH3−10ヘテロシクリル、NRまたは(CH3−8シクロアルキルであり、前記アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及びアルキルが場合によりRの1−3個の基で置換されているときに実現される。
【0030】
本発明のもう1つの実施態様は、式Iの化合物内に遊離ヒドロキシル期が存在するときに実現される。本発明の1つのサブ実施態様は、前記ヒドロキシル基が誘導体化されてリン酸基:−OPO(OH)を生じる時に実現される。
【0031】
本発明のもう1つの実施態様は、Rが、F、Cl、Br、I、CF、N(R)、NO、CN、−CONHR、−CON(R、−O(CHCOOR、−NH(CHOR、−COOR、−OCF、−NHCOR、−SOR、−SONR、−SR、(C−Cアルキル)O−、−(CHO(CHOR、−(CH1−6アルコキシ、(アリール)O−、−OH、(C−Cアルキル)S(O)−、HN−C(NH)−、(C−Cアルキル)C(O)−、(C−Cアルキル)OC(O)NH−、(CH3−10ヘテロシクリル、−(C−Cアルキル)NR(CH3−10ヘテロシクリル−R、−(CH−Z−C(=Z)N(R)、−(C2−6アルケニル)NR(CH3−10ヘテロシクリル−R、−(C2−6アルケニル)−Z−C(=Z)N(R)、−(CHSOR、−(CHSOH、−(CHOPO(OR)、C2−6アルケニル、およびC−C10アルキルから選択され、前記アルキル、ヘテロシクリル及びアルケニルが場合によりC1−6アルキル及びCOORから選択される1−3個の基で置換されているときに実現される。
【0032】
本発明において使用する化合物の例は以下の通りである:
N,N−ビブチル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]アセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−N,N−ジイソブチルアセトアミド、
N−(シクロプロピルメチル)−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−N−プロピルアセトアミド、
N−シクロヘキシル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−N−エチルアセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−N,N−ジプロピルアセトアミド、
N−ブチル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−N−エチルアセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−N,N−ビス(3−メチルブチル)アセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−N−エチル−N−(3−メチルブチル)アセトアミド、
N−ブチル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−N−プロピルアセトアミド、
1−{5−メトキシ−3−[2−(トランス−オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)−2−オキソエチル]−1−ベンゾフラン−2−イル}−2,2−ジメチルプロパン−1−オン、
1−{5−メトキシ−3−[2−(シス−オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)−2−オキソエチル]−1−ベンゾフラン−2−イル}−2,2−ジメチルプロパン−1−オン、
1−(3−{2−[トランス−2,5−ジプロピルピロリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−2−イル)−2,2−ジメチルプロパン−1−オン、
1−(3−{2−[シス−2,5−ジプロピルピロリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−2−イル)−2,2−ジメチルプロパン−1−オン、
N−(3,3−ジメチルブチル)−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]アセトアミド、
N−(3,3−ジメチルブチル)−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−N−エチルアセトアミド、
1−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−3,3−ジメチルブタン−2−オン、
2−(2−ベンゾイル−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル)−N,N−ジブチルアセトアミド、
1−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−3,3−ジメチルペンタン−2−オン、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N,N−ジ−n−ブチルアセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N,N−ジイソブチルアセトアミド、
N−(シクロプロピルメチル)−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−プロピルアセトアミド、
N−シクロヘキシル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−エチルアセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N,N−ジプロピルアセトアミド、
N−ブチル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−エチルアセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−エチル−N−(3−メチルブチル)アセトアミド、
N−ブチル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−プロピルアセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N,N−ビス(3−メチルブチル)アセトアミド、
1−{5−メトキシ−3−[2−(トランス−オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)−2−オキソエチル]−1−ベンゾチエン−2−イル}−2,2−ジメチルプロパン−1−オン、
1−{5−メトキシ−3−[2−(シス−オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)−2−オキソエチル]−1−ベンゾチエン−2−イル}−2,2−ジメチルプロパン−1−オン、
1−(3−{2−[(トランス−2,5−ジプロピルピロリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−5−メトキシ−1−ベンゾチエン−2−イル)−2,2−ジメチルプロパン−1−オン、
1−(3−{2−[(シス−2,5−ジプロピルピロリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−5−メトキシ−1−ベンゾチエン−2−イル)−2,2−ジメチルプロパン−1−オン、
N−(3,3−ジメチルブチル)−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−エチルアセトアミド、
1−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾチエン−3−イル]−3,3−ジメチルブタン−2−オン、
N−ブチル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−N−メチルアセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−N−メチル−N−(3−メチルブチル)アセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−フルオロ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N,N−ジ−n−ブチルアセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−フルオロ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N,N−ジイソブチルアセトアミド、
N−(シクロプロピルメチル)−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−フルオロ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−プロピルアセトアミド、
N−シクロヘキシル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−フルオロ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−エチルアセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−フルオロ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N,N−ジプロピルアセトアミド、
N−ブチル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−フルオロ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−エチルアセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−フルオロ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−エチル−N−(3−メチルブチル)アセトアミド、
N−ブチル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−フルオロ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−プロピルアセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−フルオロ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N,N−ビス(3−メチルブチル)アセトアミド、
1−{5−フルオロ−3−[2−(トランス−オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)−2−オキソエチル]−1−ベンゾチエン−2−イル}−2,2−ジメチルプロパン−1−オン、
1−{5−フルオロ−3−[2−(シス−オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)−2−オキソエチル]−1−ベンゾチエン−2−イル}−2,2−ジメチルプロパン−1−オン、
1−(3−{2−[(トランス−2,5−ジプロピルピロリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−5−フルオロ−1−ベンゾチエン−2−イル)−2,2−ジメチルプロパン−1−オン、
1−(3−{2−[(シス−2,5−ジプロピルピロリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−5−フルオロ−1−ベンゾチエン−2−イル)−2,2−ジメチルプロパン−1−オン、
N−(3,3−ジメチルブチル)−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−フルオロ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−エチルアセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−1−ベンゾチエン−3−イル]−N,N−ジ−n−ブチルアセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−1−ベンゾチエン−3−イル]−N,N−ジイソブチルアセトアミド、
N−(シクロプロピルメチル)−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−プロピルアセトアミド、
N−シクロヘキシル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−エチルアセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−1−ベンゾチエン−3−イル]−N,N−ジプロピルアセトアミド、
N−ブチル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−エチルアセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−エチル−N−(3−メチルブチル)アセトアミド、
N−ブチル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−プロピルアセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−1−ベンゾチエン−3−イル]−N,N−ビス(3−メチルブチル)アセトアミド、
1−{3−[2−(トランス−オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)−2−オキソエチル]−1−ベンゾチエン−2−イル}−2,2−ジメチルプロパン−1−オン、
1−{3−[2−(シス−オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)−2−オキソエチル]−1−ベンゾチエン−2−イル}−2,2−ジメチルプロパン−1−オン、
1−(3−{2−[(トランス−2,5−ジプロピルピロリジン−1−イル]−2−オキソエチル)−1−ベンゾチエン−2−イル)−2,2−ジメチルプロパン−1−オン、
1−(3−{2−[(シス−2,5−ジプロピルピロリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1−ベンゾチエン−2−イル)−2,2−ジメチルプロパン−1−オン、
N−(3,3−ジメチルブチル)−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−エチルアセトアミド
である化合物、又はこの医薬適合性の塩、鏡像異性体、ジアステレオマー又は混合物。
【0033】
異なる規定がない限り以下で定義する用語を使用して本発明をここで詳細に説明する。
【0034】
本発明の化合物は、不斉中心、キラル軸及びキラル平面を有していてもよく、及び本発明に包含される、ラセミ化合物、ラセミ混合物として、及び光学異性体を含む全ての可能な異性体と、個別のジアステレオマーとして生じ得る。(E.L.ElielとS.H. Wilen Stereochemistry of Carbon Compounds(John Wiley and Sons,New York 1994)、特に1119−1190ページ参照)。
【0035】
何らかの変数(例えばアリール、ヘテロ環、R、R等)がいずれかの成分中に2度以上生じるとき、各々の存在に関するこの定義は、各々の存在ごとに独立している。また、置換基/又は変数の組合せも、このような組合せが安定な化合物を生じさせる場合にのみ許容される。
【0036】
「アルキル」という用語は、異なる定義がない限り、1−10個の炭素原子を含む一価アルカン(炭化水素)由来のラジカルを指す。直鎖、分枝又は環状であり得る。好ましいアルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、シクロプロピル、シクロペンチル及びシクロヘキシルを含む。所与のアルキル基がアルキル基で置換されていると言うとき、これは「分枝アルキル基」と交換可能に使用される。
【0037】
シクロアルキルは、異なる定義がない限り、炭素原子間の交互又は共鳴二重結合を含まない、3−15個の炭素原子を含む環状アルキル種である。縮合している、1−4個の環を含み得る。このようなシクロアルキル成分の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルを含むが、これらに限定されない。
【0038】
アルケニルは、C−Cアルケニルである。
【0039】
アルコキシは、酸素架橋を通して結合されている指示数の炭素原子のアルキル基を指し、前記アルキル基は、ここで述べるように場合により置換されている。前記の基は、直鎖又は分枝立体配置の指定長の基であり、2又はそれ以上の炭素原子の長さである場合は、二重又は三重結合を含み得る。このようなアルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、第三級ブトキシ、ペントキシ、イソペントキシ、ヘキソキシ、イソヘキソキシ、アリルオキシ、プロパルギルオキシ等である。
【0040】
ハロゲン(ハロ)は、塩素、フッ素、ヨウ素又は臭素を指す。
【0041】
アリールは、芳香環、例えばフェニル、置換フェニル等、並びに縮合している環、例えばナフチル、フェナントレニル等を指す。アリール基は、従って、少なくとも6個の原子を有する少なくとも1個の環を含み、この中に22個までの原子を含む、5個までのこのような環が存在し、隣接炭素原子又は適切なヘテロ原子との間の交互(共鳴)二重結合を含む。アリール基の例は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニル、フェナントリル、アントリル又はアセナフチル及びフェナントレニルであり、好ましくはフェニル、ナフチル又はフェナントレニルである。アリール基は、同様に、定義されているように置換され得る。好ましい置換アリールは、フェニル及びナフチルを含む。
【0042】
ヘテロシクリル又はヘテロ環という用語は、ここで使用するように、飽和又は不飽和であり、炭素原子及びN、O及びSから成る群より選択される1−4個のヘテロ原子から成る、安定な3−7員単環式又は安定な8−11員二環式ヘテロ環を表わし、上記で定義したヘテロ環のいずれかがベンゼン環に縮合している二環式基を包含する。ヘテロ環は、安定な構造の形成を生じさせるいかなるヘテロ原子又は炭素原子で結合していてもよい。縮合ヘテロ環系は炭素環を含んでもよく、1個だけのヘテロ環を含む必要がある。ヘテロ環又はヘテロ環式という用語は、ヘテロアリール部分を含む。このようなヘテロ環成分の例は、アゼピニル、ベンズイミダゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンズオキサゾリル、クロマニル、シンノリニル、ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチオピラニル、ジヒドロベンゾチオピラニルスルホン、ジヒドロピロリル、1,3−ジオキソラニル、フリル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、イソクロマニル、イソインドリニル、イソキノリニル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2−オキソアゼピニル、オキサゾリル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、ピリジル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノキサリニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアゾリル、チアゾリニル、チエノフリル、チエノチエニル及びチエニルを含むが、これらに限定されない。好ましくは、ヘテロ環は、2−アゼピノニル、ベンズイミダゾリル、2−ジアザピノニル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロピロリル、イミダゾリル、2−イミダゾリジノニル、インドリル、イソキノリニル、モルホリニル、ピペリジル、ピペラジニル、ピリジル、ピロリジニル、2−ピペリジノニル、2−ピリミジノニル、2−ピロリジノニル、キノリニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル及びチエニルから選択される。
【0043】
「ヘテロ原子」という用語は、独立して選択される、O、S又はNを意味する。
【0044】
「ヘテロアリール」という用語は、炭素又は窒素原子が結合点であり、及び1又は2個の付加的な炭素原子が、場合によりO又はSから選択されるヘテロ原子によって置換されており、及び1−3個の付加的な炭素原子が、場合により窒素ヘテロ原子によって置換されている、少なくとも1個のヘテロ原子、O、S又はNを含む、5又は6個の環原子を有する単環式芳香族炭化水素基又は8から10の原子を有する二環式芳香族基を指し、前記へテロアリール基は、場合によりここで述べるように置換されている。このようなヘテロ環成分の例は、ベンズイミダゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンズオキサゾリル、クロマニル、シンノリニル、ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチオピラニル、ジヒドロベンゾチオピラニルスルホン、フリル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、イソクロマニル、イソインドリニル、イソキノリニル、イソチアゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノキサリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チアゾリル、チエノフリル、チエノチエニル、チエニル及びトリアゾリルを含むが、これらに限定されない。付加的な窒素原子が第一窒素及び酸素又は硫黄と共に存在して、例えばチアジアゾールを生じていてもよい。
【0045】
本発明はまた、式Iの化合物の1つを単独で又は1又はそれ以上の以下の有効成分と組み合わせて、すなわちチモロール、ベタキソロール、レボベタキソロール、カルテオロール又はレボブノロールなどのβ−アドレナリン遮断薬、エピネフリン、イオピジン、ブリモニジン、クロニジン、パラアミノクロニジンなどの副交感神経様作用薬、ドルゾラミド、アセタゾラミド、メタゾラミド又はブリンゾラミドなどのカルボニックアンヒドラーゼ阻害剤、EP4アゴニスト(国際公開公報第WO02/24647号、同第WO02/42268号、欧州特許第EP1114816号、国際公開公報第WO01/46140号、PCT特許出願第CA2004000471号及び国際公開公報第WO01/72268号に開示されているものなど)、ラタノプロスト、トラバプロスト、ウノプロストン、レスキュラ、S1033などのプロスタグランジン(米国特許第5,889,052号;同第5,296,504号;同第5,422,368号;及び同第5,151,444号に述べられている化合物)、ルミガン及び米国特許第5,352,708号に述べられている化合物などの降圧脂質、メマンチンを含む、米国特許第4,690,931号に開示されている神経保護剤、特に国際公開公報第WO94/13275号に述べられているエリプロジル及びR−エリプロジル、PCT特許出願第PCT/US00/31247号に述べられている5−HT受容体のアゴニスト、特に1−(2−アミノプロピル)−3−メチル−1H−イミダゾール−6−オールフマレート及び2−(3−クロロ−6−メトキシインダゾール−1−イル)−1−メチルエチルアミン又はこれらの混合物と組み合わせて、この必要のある患者に投与することにより、高眼圧症又は緑内障を治療する組成物及び方法に関する。降圧脂質(基本プロスタグランジン構造のα鎖結合上のカルボン酸基が電気化学的に中性の置換基で置換されている)の一例は、カルボン酸基が、OCHなどのC1−6アルコキシ基で(PGF2a1−OCH)、又はヒドロキシ基で(PGF2a1−OH)、置換されているものである。
【0046】
好ましいカリウムチャネル遮断薬は、カルシウム依存性カリウムチャネル遮断薬である。より好ましいカリウムチャネル遮断薬は、高いコンダクタンスを持つカルシウム依存性カリウム(Maxi−K)チャネル遮断薬である。Maxi−Kチャネルは、神経、平滑筋及び上皮組織に一般的であり、膜電位及び細胞内Ca2+によって開閉されるイオンチャネルのファミリーである。
【0047】
本発明は、Maxi−Kチャネルが、遮断された場合、純溶質(net solute)及びHO流出を阻止することによって房水産生を抑制し、従ってIOPを低下させるという所見に基づく。この所見は、Maxi−Kチャネル遮断薬が、黄斑浮腫及び黄斑変性などの他の眼機能不全を治療するために有用であることを示唆する。IOPを低下させることは網膜及び視神経への血流を促進することが知られている。従って、本発明の化合物は、黄斑浮腫及び/又は黄斑変性を治療するために有用である。黄斑浮腫及び/又は黄斑変性を治療するための薬剤を製造するための、請求項1に記載の式Iの化合物の使用。
【0048】
IOPを低下させるMaxi−Kチャネル遮断薬は、神経保護作用を与えるために有用であると考えられる。これらはまた、IOPを低下させることにより、網膜及び視神経頭の血流速度を上昇させるため及び網膜及び視神経酸素を高めるために有用であると考えられ、前記作用は、互いに結合したとき視神経の健康に利益をもたらす。この結果として、本発明は、網膜及び視神経頭の血流速度を上昇させるため、及び網膜及び視神経酸素分圧を高めるため並びに神経保護作用を与えるため及びこれらの組合せのための方法に関する。網膜及び視神経頭血流速度及び網膜及び視神経酸素分圧を上昇させるため及び神経保護作用を与えるための薬剤を製造するための、請求項1に記載の式Iの化合物の使用。
【0049】
多くの市販薬がカリウムチャネルアンタゴニストとして機能する。これらのうちで最も重要なものは、グリブリド、グリピジド及びトルブタミドを含む。これらのカリウムチャネルアンタゴニストは抗糖尿病薬として有用である。本発明の化合物は、糖尿病を治療するためにこれらの化合物の1又はそれ以上と組み合わせ得る。糖尿病の治療のための薬剤を製造するための、請求項1に記載の式Iの化合物の使用。
【0050】
カリウムチャネルアンタゴニストはまた、クラス3抗不整脈薬として及びヒトにおける急性梗塞を治療するためにも使用される。アパミン、イベリオトキシン、カリブドトキシン、ノキシウストキシン、カリオトキシン、デンドロトキジン、マスト細胞脱顆粒(MCD)ペプチド及びβ−ブンガロトキシン(β−BTX)を含む、多くの天然に生じる毒素がカリウムチャネルを遮断することが知られている。本発明の化合物は、不整脈を治療するためにこれらの化合物の1又はそれ以上と組み合わせ得る。不整脈の治療のための薬剤を製造するための、これらの化合物と組み合わせた請求項1に記載の式Iの化合物の使用。
【0051】
うつ病は神経伝達物質放出の低下に関連する。うつ病の現在の治療法は、神経伝達物質取込みの遮断薬、及び神経伝達物質の寿命を延長する働きをする、神経伝達物質分解に関与する酵素の阻害剤を含む。
【0052】
アルツハイマー病も神経伝達物質放出の低下によって特徴付けられる。3つのクラスの薬剤がアルツハイマー病の治療のために検討されており、すなわち抗コリンエステラーゼ薬(例えばフィゾスチグミン(エセリン)及びタクリン(テトラヒドロアミノクリジン))などのコリン作用増強剤;他所での作用をほとんど伴わない、ニューロン代謝に影響を及ぼす向知性薬(例えばピラセタム、オキシラセタム);及びメシル酸エルゴロイドとニモジピンを含むカルシウムチャネル遮断薬の混合物などの脳血管系に影響を及ぼす薬剤である。脳のドーパミン及びノルエピネフリンを上昇させるモノアミンオキシダーゼB阻害剤であるセレギリンは、報告によれば、一部のアルツハイマー病患者において軽度の改善を生じさせた。アルミニウムキレート化剤は、アルツハイマー病がアルミニウム毒性によるものであると信じる人々の関心の対象となってきた。神経弛緩薬及び抗不安薬を含む、行動に影響を及ぼす薬剤が使用されてきた。弱トランキライザーである抗不安薬は、神経弛緩薬ほど有効ではない。本発明は、カリウムチャネルアンタゴニストとして有用な新規化合物に関する。うつ病及びアルツハイマー病の治療のための薬剤を製造するための、請求項1に記載の式Iの化合物の使用。
【0053】
本発明の化合物は、アルツハイマー病の治療において、フィゾスチグミン(エセリン)及びタクリン(テトラヒドロアミノクリジン)などの抗コリンエステラーゼ薬、ピラセタム、オキシラセタムなどの向知性薬、メシル酸エルゴロイド、ニモジピンなどの選択的カルシウムチャネル遮断薬、又はセレギリンなどのモノアミンオキシダーゼB阻害剤と組み合わせ得る。本発明の化合物はまた、不整脈を治療する上で、アパミン、イベリオトキシン、カリブドトキシン、ノキシウストキシン、カリオトキシン、デンドロトキジン、マスト細胞脱顆粒(MCD)ペプチド、β−ブンガロトキシン(β−BTX)又はこれらの組合せと組み合わせ得る。本発明の化合物はさらに、糖尿病を治療するためにグリブリド、グリピジド、トルブタミド及びこれらの組合せと組み合わせてもよい。
【0054】
ここでの例は、特許請求される本発明を説明するものであり、これらを限定するものではない。特許請求される化合物の各々はカリウムチャネルアンタゴニストであり、従って、神経伝達物質の最大放出を達成するために細胞を脱分極状態に維持することが望ましい、前述した神経疾患において有用である。本発明において生産される化合物は、有効なカリウムチャネル遮断を達成するため、ヒトを含む哺乳動物に投与し得る組成物を生産するために適切な公知の医薬適合性の賦形剤と容易に組み合わされる。
【0055】
薬剤における使用のために、式Iの化合物の塩は医薬適合性の塩である。他の塩は、しかしながら、本発明に従った化合物又はこれらの医薬適合性の塩の製造において有用であり得る。本発明の化合物が酸性であるとき、適切な「医薬適合性の塩」は、無機塩基及び有機塩基を含む、医薬適合性の非毒性塩基から製造される塩を指す。無機塩基から誘導される塩は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン塩、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛塩等を含む。特に好ましいのは、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム及びナトリウム塩である。医薬適合性の有機非毒性塩基から誘導される塩は、第一級、第二級及び第三級アミン、天然に生じる置換アミンを含む置換アミン、環状アミン及び、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等のような塩基性イオン交換樹脂の塩を含む。
【0056】
本発明の化合物が塩基性であるとき、塩は、無機及び有機酸を含む、医薬適合性の非毒性酸から製造し得る。このような酸は、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息鉱酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸等を含む。特に好ましいのは、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸及び酒石酸である。
【0057】
上述した医薬適合性の塩及び他の典型的な医薬適合性の塩の製造は、Bergら、「Pharmaceutical Salts,」J.Phann.Sci.,1977: 66:1−19の中でより詳細に説明されている。
【0058】
ここで使用する、「組成物」という用語は、特定量の特定成分を含有する生成物、並びに特定量の特定成分の組合せから、直接又は間接的に生じる何らかの生成物を包含することが意図されている。
【0059】
本発明に従った化合物をヒト被験者に投与するとき、一日用量は、通常処方する医師によって決定され、用量は一般に個々の患者の年齢、体重、性別及び応答、並びに患者の症状の重症度に応じて変なる。
【0060】
使用するMaxi−Kチャネル遮断薬は、治療上有効な量で静脈内、皮下経路、局所的、経皮的、非経口的に又は当業者に公知の他の何らかの方法によって投与することができる。
【0061】
眼科医薬組成物は、好ましくは溶液、懸濁液、軟膏、クリームの形態で又は固形挿入物として眼への局所投与に適合する。本発明の化合物の眼製剤は、0.01ppm−1%、特に0.1ppm−1%の薬剤を含有し得る。例えば約10%のようなより高い用量又はより低い用量は、この用量が眼内圧を低下させる、緑内障を治療する、血流速度又は酸素分圧を上昇させる上で有効であることを条件として、使用することができる。単回投与については、0.1ng−5000μg、好ましくは1ng−500μg、特に10ng−100μgの化合物をヒト眼に適用することができる。
【0062】
本発明の化合物を含有する医薬製剤は、非毒性製薬有機担体又は非毒性製薬無機担体と好都合に混合し得る。典型的な医薬適合性の担体は、例えば水、水と低級アルカノール又はアラルカノールなどの水混和性溶媒の混合物、植物油、ポリアルキレングリコール、石油ベースのゼリー、エチルセルロース、オレイン酸エチル、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ミリスチン酸イソプロピル及び他の慣例的に使用される許容される担体である。医薬製剤はまた、乳化剤、防腐剤、湿潤剤、賦形剤等のような非毒性補助物質、例えばポリエチレングリコール200、300、400及び600、カーボワックズ1,000、1,500、4,000、6,000及び10,000、第四級アンモニウム化合物などの抗菌成分、定温滅菌特性を有することが公知であり、使用時に非有害性であるフェニル水銀塩、チメロサール、メチル及びプロピルパラベン、ベンジルアルコール、フェニルエタノール、ホウ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、グルコン酸緩衝剤などの緩衝成分、及びモノラウリン酸ソルビタン、トリエタノールアミン、オレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミチレート、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、モノチオグリセロール、チオソルビトール、エチレンジアミン四酢酸等のような他の従来の成分を含み得る。加えて、従来のリン酸緩衝液賦形剤系、等張ホウ酸賦形剤、等張塩化ナトリウム賦形剤、等張ホウ酸ナトリウム賦形剤等を含む従来の適切な眼賦形剤を、担体媒体として使用することができる。医薬製剤はまた、微粒子製剤の形態でもあり得る。医薬製剤はまた、固形挿入物の形態でもよい。例えば固体水溶性ポリマーを薬剤のための担体として使用し得る。挿入物を形成するために使用するポリマーは、いかなる水溶性非毒性ポリマーでもよく、例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、(ヒドロキシ低級アルキルセルロース)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体;ポリアクリル酸塩、エチルアクリレート、ポリアクチルアミドなどのアクリレート;ゼラチン、アルギネート、ペクチン、トラガカント、カラヤ、ツノマタ、寒天、アカシアなどの天然産物;酢酸デンプン、ヒドロキシメチルデンプンエーテル、ヒドロキシプロピルデンプンなどのデンプン誘導体、並びにポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキシド、中和カルボポールなどの他の合成誘導体及びキサンタンガム、ゼラチンガム、及び前記ポリマーの混合物であり得る。
【0063】
本発明の製剤の投与のための適切な被験者は、霊長動物、ヒト及び他の動物、特にヒト及びネコ及びイヌなどの家畜化動物を含む。
【0064】
前記医薬製剤は、使用時に非有害性である抗菌成分、例えばチメロサール、塩化ベンザルコニウム、メチル及びプロピルパラベン、臭化ベンジルドデシニウム、ベンジルアルコール又はフェニルエタノール;塩化ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム又はグルコン酸緩衝剤などの緩衝成分;及びモノラウリン酸ソルビタン、トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミチレート、エチレンジアミン四酢酸等のような他の従来の成分などの非毒性補助物質を含み得る。
【0065】
眼溶液又は懸濁液は、眼において許容されるIOPレベルを維持するために必要に応じた頻度で投与し得る。哺乳動物の眼への投与はおよそ1日1回又は2回であると想定される。
【0066】
局所眼投与に関しては、本発明の新規製剤は、単位投与量が有効成分の治療有効量又は併用療法の場合はこの何らかの倍数を含有するように、溶液、ゲル、軟膏、懸濁液又は固形挿入物の形態をとり得る。
【0067】
説明として示す、以下の実施例は、本発明を明らかにする。
【0068】
実施例において使用する用語の定義は以下の通りである:
SM−出発物質、
DMSO−実施態様メチルスルホ岸度、
TLC−薄層クロマトグラフィー、
SGC−シリカゲルクロマトグラフィー、
h=hr=時、
THF−テトラヒドロフラン、
DMF−ジメチルホルムアミド、
LDA−リチウムジイソプロピルアミド、
HOBt−1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物、
EDC−1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロクロリド、
NMR−核磁気共鳴、
TFA−トリフルオロ酢酸、
DIEA−N,N−ジイソプロピルエチルアミン、
min−分
LC/MS−液体クロマトグラフィー/質量分析法
HPLC−高速液体クロマトグラフィー
equiv=eq=当量、
一般実験条件:NMRスペクトルは、室温で、残留溶媒ピークに関してVarian Instrumentsで記録した。LC−MSは、2.0×50mmのX−Terra C18カラム及び3.75分で10−98%MeCN勾配、次いで1分間の98%MeCNを用いて、Aglient HPLC及びエレクトロスプレーイオン化法を伴うMicromass ZQ検出器で測定した。水及びMeCN溶出物は、それぞれ0.06及び0.05%(v/v)トリフルオロ酢酸を含んだ。質量ピークは、相対存在量の低い順に列記している。分取HPLC分離は、YMC20×150mm 5μ ProC18カラム又は9.4×250mm SB−C18 ZorbaxカラムなどのC18カラムを用いて実施した。
【0069】
本発明の化合物は、適宜に修正を加えて、スキーム1−8に従って製造することができる。
【0070】
スキーム1は、2個の共通中間体の1つ、ベンゾフラン4を製造するための方法を例示する。市販のヒドロキシアセトフェノン1を室温で化学量論量の1−ブロモピナコロン及び炭酸セシウムによって処理したとき、分析は、唯一の生成物がエーテル2であることを示した(方法A)。わずかに過剰の炭酸セシウムを前記反応において使用したとき、生成物は、3の2個のジアステレオマーの混合物プラスベンゾフラン4であった(方法B)。中間体3は、わずかに高い温度で触媒量の炭酸セシウムにより、高収率で4に変換することができる。1−4へのこの2段階変換は、わずかに過剰の炭酸セシウムを用いて高温で反応を実施することによって簡素化することができる(方法C)。
【0071】
【化3】

【0072】
スキーム2は、2番目の共通中間体、酸5の製造を例示する。ベンゾフラン4をLDAなどの強酸で処理し、次に二酸化で処理することによってカルボキシル化して、酸5を得ることができる。
【0073】
【化4】

【0074】
本発明の一部の化合物は、スキーム3に例示するように製造することができる。多くのカップリング条件が最終生成物としてアミド6を与えることができる。通常は副産物7を伴う。この副産物をアミンと共に加熱することによっても所望アミドを得ることができる。この副産物は、カップリング反応においてジアルキルアミンを省くことによって生成できる。従って、連続工程5−7−6は、本発明の化合物の製造のための選択的経路である。
【0075】
【化5】

【0076】
本発明の化合物のもう1つの種類の製造をスキーム4に例示する。4からのホモエノラートをトリメチルアセトアルデヒドでクエンチングして、2つのヒドロキシケトン8と9の混合物を得た。これらの酸化により、8から10への変換に示すようにジケトン10を生じる。
【0077】
【化6】

【0078】
【化7】

【0079】
同様に、11のような置換類似体を、類似の方法を用いて13及び14に変換することができる。1の高相同物質を同じように反応させて、Rが水素でないときの所望生成物18及び19を得ることができる(スキーム6)。
【0080】
【化8】

【0081】
【化9】

【0082】
スキーム7は、ベンゾチオフェンクラスのアミドの製造を示す。出発物質の2−メルカプト安息香酸は、市販されているか又は文献の方法に基づいて製造される(C.F.H.AllenとD.D.MacKay Org.Syn.Coll Vol II,580)。過剰のメチルリチウムによる2−メルカプト安息香酸の処理はメチルケトンを生じた(Topolshi,J.Org.Chem.1995,60,5585)。これを、新規手順を用いて1段階で、α−ブロモケトンによって環化して、ベンゾチオフェンを得た。カルボキシル化は酢酸誘導体を生成し、続くアミドへの変換は問題なく行われる。
【0083】
【化10】

【0084】
スキーム8は、ベンゾチオフェンクラスのケトンの合成を例示する。スキーム7からの3−メチルベンゾチオフェンとアルデヒドの間のホモアルドール反応により、ケトンのアルコール前駆体と異性体アルコールを得た。スワン酸化を用いてアルコール中間体を酸化して、ケトンを得た。
【0085】
(実施例1)
【0086】
【化11】

【0087】
N,N−ビブチル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]アセトアミド
工程A:1−(5−メトキシ−3−メチル−1−ベンゾフラン−2−イル)−2,2−ジメチルプロパン−1−オン
DMF(4mL)を、1−(2−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル)エタノン166mgと炭酸セシウム370mgの混合物に加え、次いで1−ブロモピナコロン188mgを加えた。この混合物を85℃油浴で3時間加熱した後、冷水に注ぎ入れ、エーテルで抽出した。併合エーテル抽出物を水、1.5N NaOH、水及び飽和ブラインで洗い、無水NaSOで乾燥して、減圧下で濃縮し、粗生成物を得た。これをシリカゲルで精製して(9:1のヘキサンとEtOAc)、表題化合物を無色固体として得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.41(d,J=9.0Hz,1H),7.11(dd,J=2.5&9.0Hz,IH),7.04(d,J=2.5Hz,1H),3.90(s,3H),2.59(s,3H),1.43(s,9H)。
【0088】
工程B:[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]酢酸
−78℃の無水THF50mL中の、上記工程Aで述べたように製造した1−(5−メトキシ−3−メチル−1−ベンゾフラン−2−イル)−2,2−ジメチルプロパン−1−オン1.23gの溶液に、ヘプタン、THF及びエチルベンゼンの混合物中の2.0M LDA5.0mLを加えた。15分間攪拌した後、二酸化炭素を前記混合物中に5分間泡立てて通気した。冷却浴を取り除き、反応混合物を放置して室温に暖めた。これを減圧下で濃縮して溶媒を除去した。残留物をエーテルで希釈し、0.1M NaOH(3回)で抽出した。併合水性抽出物をエーテルで洗い、濃塩酸でpH〜1に酸性化して、エーテルで抽出した。併合エーテル抽出物を飽和ブラインで洗って、無水NaSOで乾燥し、蒸発させて、表題化合物を無色固体として得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.47(d,9.0Hz,1H),7.18(dd,2.5&9.2Hz,1H),7.12(d,2.5Hz,1H),4.05(s,2H),3.91(s,3H),1.46(s,9H)。LC−MS:3.54分。(m/Z=245.1,273.1,291)。
【0089】
工程C:N,N−ビブチル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]アセトアミド
上記工程Bからの[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]酢酸17mgとHOBt18.5mgの混合物を無水DMF1mLに溶解する。ジ−n−ブチルアミン14.9μL、次いでEDC23.0mg及びDIEA35μLを加える。この溶液を40℃で2時間加熱した。これを、65−100%MeCN勾配を用いるRP−HPLCで直接精製した。純粋な生成物を含む分画をプールし、凍結乾燥して、表題化合物を得た。LC−MS:4.46分。(m/Z=318.2、402.2、424.2)。
【0090】
(実施例2)
【0091】
【化12】

【0092】
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−N,N−ジイソブチルアセトアミド
実施例1の工程Bからの[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]酢酸17mgとHOBt18.5mgの混合物を無水DMF1mLに溶解する。ジ−i−ブチルアミン15.4μL、次いでEDC23.0mg及びDIEA35μLを加える。この溶液を40℃で2時間加熱した。これを、65−100%MeCN勾配を用いるRP−HPLCで直接精製した。純粋な生成物を含む分画をプールし、凍結乾燥して、表題化合物を得た。LC−MS:4.42分。(m/Z=318.2、402.2、424.2)。
【0093】
(実施例3)
【0094】
【化13】

【0095】
N−(シクロプロピルメチル)−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−N−プロピルアセトアミド
実施例1の工程Bからの[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]酢酸17mgとHOBt18.5mgの混合物を無水DMF1mLに溶解する。N−プロピルシクロプロパンメチルアミン12.6μL、次いでEDC23.0mg及びDIEA35μLを加える。この溶液を40℃で2時間加熱した。これを、60−100%MeCN勾配を用いるRP−HPLCで直接精製した。純粋な生成物を含む分画をプールし、凍結乾燥して、表題化合物を得た。LC−MS:4.17分。(m/Z=386.2、302.1、408.1)。
【0096】
(実施例4)
【0097】
【化14】

【0098】
N−シクロヘキシル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−N−エチルアセトアミド
実施例1の工程Bからの[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]酢酸17mgとHOBt18.5mgの混合物を無水DMF1mLに溶解する。N−エチルシクロヘキシルアミン13.2μL、次いでEDC23.0mg及びDIEA35μLを加える。この溶液を40℃で2時間加熱した。これを、65−100%MeCN勾配を用いるRP−HPLCで直接精製した。純粋な生成物を含む分画をプールし、凍結乾燥して、表題化合物を得た。LC−MS:4.34分。(m/Z=400.2、422.1、316.1)。
【0099】
(実施例5)
【0100】
【化15】

【0101】
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−N,N−ジプロピルアセトアミド
実施例1の工程Bからの[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]酢酸17mgとHOBt18.5mgの混合物を無水DMF1mLに溶解する。ジプロピルアミン12.1μL、次いでEDC23.0mg及びDIEA35μLを加える。この溶液を40℃で2時間加熱した。これを、60−100%MeCN勾配を用いるRP−HPLCで直接精製した。純粋な生成物を含む分画をプールし、凍結乾燥して、表題化合物を得た。LC−MS:4.16分。(m/Z=290.1、374.2、396.1)。
【0102】
(実施例6)
【0103】
【化16】

【0104】
N−ブチル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−N−エチルアセトアミド
実施例1の工程Bからの[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]酢酸17mgとHOBt18.5mgの混合物を無水DMF1mLに溶解する。エチルブチルアミン12.0μL、次いでEDC23.0mg及びDIEA35μLを加える。この溶液を40℃で2時間加熱した。これを、60−100%MeCN勾配を用いるRP−HPLCで直接精製した。純粋な生成物を含む分画をプールし、凍結乾燥して、表題化合物を得た。LC−MS:4.15分。(m/Z=290.1、374.2、396.1)。
【0105】
(実施例7)
【0106】
【化17】

【0107】
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−N,N−ビス(3−メチルブチル)アセトアミド
実施例1の工程Bからの[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]酢酸17mgとHOBt18.5mgの混合物を無水DMF1mLに溶解する。ジイソアミルアミン18.0μL、次いでEDC23.0mg及びDIEA35μLを加える。この溶液を40℃で2時間加熱した。これを、70−100%MeCN勾配を用いるRP−HPLCで直接精製した。純粋な生成物を含む分画をプールし、凍結乾燥して、表題化合物を得た。LC−MS:4.67分。(m/Z=430.4、346.2、452.2)。
【0108】
(実施例8)
【0109】
【化18】

【0110】
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−N−エチル−N−(3−メチルブチル)アセトアミド
実施例1の工程Bからの[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]酢酸17mgとHOBt18.5mgの混合物を無水DMF1mLに溶解する。N−エチルイソアミルアミン10.1mg、次いでEDC23.0mg及びDIEA35μLを加える。この溶液を40℃で2時間加熱した。これを、65−100%MeCN勾配を用いるRP−HPLCで直接精製した。純粋な生成物を含む分画をプールし、凍結乾燥して、表題化合物を得た。LC−MS:4.29分。(m/Z=304.2、388.2、410.2)。
【0111】
(実施例9)
【0112】
【化19】

【0113】
N−ブチル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−N−プロピルアセトアミド
実施例1の工程Bからの[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]酢酸17mgとHOBt18.5mgの混合物を無水DMF1mLに溶解する。N−プロピルブチルアミン13.6μL、次いでEDC23.0mg及びDIEA35μLを加える。この溶液を40℃で2時間加熱した。これを、65−100%MeCN勾配を用いるRP−HPLCで直接精製した。純粋な生成物を含む分画をプールし、凍結乾燥して、表題化合物を得た。LC−MS:4.31分。(m/Z=304.2、388.2、410.2)。
【0114】
(実施例10)
【0115】
【化20】

【0116】
1−{5−メトキシ−3−[2−(トランス−オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)−2−オキソエチル]−1−ベンゾフラン−2−イル}−2,2−ジメチルプロパン−1−オン
実施例1の工程Bからの[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]酢酸17mgとHOBt18.5mgの混合物を無水DMF1mLに溶解する。トランス−デカヒドロイソキノリン12.3mg、次いでEDC23.0mg及びDIEA35μLを加える。この溶液を40℃で2時間加熱した。これを、65−100%MeCN勾配を用いるRP−HPLCで直接精製した。純粋な生成物を含む分画をプールし、凍結乾燥して、表題化合物を得た。LC−MS:4.34分。(m/Z=412.3、328.2、434.2)。
【0117】
(実施例11)
【0118】
【化21】

【0119】
1−{5−メトキシ−3−[2−(シス−オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)−2−オキソエチル]−1−ベンゾフラン−2−イル}−2,2−ジメチルプロパン−1−オン
実施例1の工程Bからの[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]酢酸17mgとHOBt18.5mgの混合物を無水DMF1mLに溶解する。シス−デカヒドロイソキノリン12.3mg、次いでEDC23.0mg及びDIEA35μLを加える。この溶液を40℃で2時間加熱した。これを、65−100%MeCN勾配を用いるRP−HPLCで直接精製した。純粋な生成物を含む分画をプールし、凍結乾燥して、表題化合物を得た。LC−MS:4.41分。(m/Z=412.3、328.2、434.2)。
【0120】
(実施例12)
【0121】
【化22】

【0122】
1−(3−{2−[トランス−2,5−ジプロピルピロリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−2−イル)−2,2−ジメチルプロパン−1−オン
工程A:N,N’−ジメトキシ−N,N’−ジメチルスクシナミド
二塩化スクシニル136.2g及びN,O−ジメチルヒドロキシルアミンヒドロクロリド180.0gをジクロロメタン1.2Lに溶解し、これを氷浴で冷却する。攪拌しながら1.5時間にわたって添加漏斗からピリジン305.9gを加える。反応混合物を一晩放置して室温に暖める。反応混合物を氷水に注ぎ入れ、層を分離する。有機層を冷2N HCl(2回)、水、5%NaHCO(2回)及び飽和ブラインで洗う。無水NaSOで乾燥して、蒸発させ、粗生成物を得る。これを3:1のヘキサンとジクロロメタンで洗い、乾燥して、表題化合物を明黄褐色固体として得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ:3.70(s,6H),3.15(s,6H),2.74(s,4H)。
【0123】
工程B:デカン−4,7−ジオン
無水エーテル1L中の、上記工程AからのN,N’−ジメトキシ−N,N’−ジメチルスクシナミド20.42gの懸濁液を、窒素下に氷浴で冷却する。エーテル中の2M塩化プロピルマグネシウム300mLを、機械攪拌しながら15分間にわたって添加する。氷浴中で反応混合物を2.25時間攪拌し続ける。50mLエーテル中のエタノール30mLを30分間にわたって添加して反応を停止させる。生じた懸濁液を、濃塩酸75mLを含む氷水1Lに注ぎ入れる。層を分離し、有機層を希塩酸、5%NaHCO及び飽和ブラインで洗う。無水NaSOで乾燥する。透明な黄色がかった液体を蒸発させて、表題化合物を黄色固体として得る。H NMR(CDCl,500MHz)δ:2.69(s,4H),2.46(t,J=7.4Hz,4H),1.60−1.67(m,4H),0.935(t,J=7.5Hz,6H)。
【0124】
工程C:シス−及びトランス−1−ベンジル−2,5−ジプロピルピロリジン
上記工程Bからのデカン−4,7−ジオン11.92gを酢酸4.62g及びメタノール100mLに溶解する。水酸化カリウムペレット1.16gを加える。前記水酸化カリウムを攪拌して溶解する。反応混合物を−15℃の氷アセトン浴で冷却する。ベンジルアミン7.50g、この直後にシアノ水素化ホウ素ナトリウム5.4gを数回に分けて添加する。反応混合物を2日間放置して室温に暖める。4N HCl 45mLを滴下し、30分間攪拌する。反応混合物を減圧下で蒸発させて、溶媒の大部分を除去する。残留物を水で希釈し、白色固体をろ取して、水層をエーテルで抽出する。このエーテル溶液は2,5−ジプロピルピロールを含んだ。水層を氷浴で冷却し、固体水酸化ナトリウムを攪拌しながらpH〜13まで少しずつ加える。前記白色固体をこの混合物に溶解する。エーテルで数回抽出する。併合エーテル溶液を飽和ブラインで洗い、無水NaSOで乾燥して、蒸発させ、粗1−ベンジル−2,5−ジプロピルピロリジンを得る。シス及びトランス異性体をシリカゲル(1%EtNを含むヘキサン中5〜10%EtOAc)で分離した。速く溶出する異性体はトランス−1−ベンジル−2,5−ジプロピルピロリジンであった。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.38(d,J=7.6Hz,2H),7.29−7.33(m,2H),7.21−7.24(m,1H),3.83(d,J=13.9Hz,1H),3.66(d,J=14.0Hz,1H),2.86(brs,2H),1.85−1.94(m,2H),1.45−1.60(m,4H),1.27−1.37(m,2H),1.09−1.20(m,4H),0.875(t,J=7.2Hz,6H)。緩やかに溶出する異性体はシス−1−ベンジル−2,5−ジプロピルピロリジンであった。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.29−7.35(m,4H),7.24−7.26(m,1H),3.77(s,2H),2.53−2.58(m,2H),1.77−1.84(m,2H),1.52−1.58(m,2H),1.27−1.44(m,4H),1.13−1.25(m,4H),0.865(t,J=7.2Hz,6H)。
【0125】
工程D:トランス−2,5−ジプロピルピロリジン
上記工程Cからのトランス−1−ベンジル−2,5−ジプロピルピロリジン1.56gをメタノール100mLに溶解し、ギ酸アンモニウム4.01g及びPd(OH)/C156mgを加える。反応混合物を窒素下で一晩攪拌する。反応混合物をセライトでろ過して触媒を除去する。ろ液を減圧下で濃縮して、白色固体残留物を得る。これを小量の水に懸濁し、5N NaOH溶液5mLを加えて、エーテルで数回抽出し、併合エーテル溶液を飽和ブラインで洗って、無水NaSOで乾燥し、蒸発させて、表題化合物を黄色液体として得る。H NMR(CDCl,500MHz)δ3.11−3.16(m,2H),1.91−1.98(m,2H),1.26−1.50(m,10H),0.93(t,J=7.1Hz,6H)。LC−MS:1.89分。(M+H=156.1)。
【0126】
工程E:1−(3−{2−[トランス−2,5−ジプロピルピロリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−2−イル)−2,2−ジメチルプロパン−1−オン
実施例1の工程Bからの[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]酢酸17mgとHOBt18.5mgの混合物を無水DMF1mLに溶解する。上記工程Dからのトランス−2,5−ジプロピルピロリジン13.7mg、次いでEDC23.0mg及びDIEA35μLを加える。この溶液を40℃で2時間加熱した。これを、70−100%MeCN勾配を用いるRP−HPLCで直接精製した。純粋な生成物を含む分画をプールし、凍結乾燥して、表題化合物を得た。LC−MS:4.58分。(m/Z=428.3、344.2、450.3)。
【0127】
(実施例13)
【0128】
【化23】

【0129】
1−(3−{2−[シス−2,5−ジプロピルピロリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−2−イル)−2,2−ジメチルプロパン−1−オン
工程A:シス−2,5−ジプロピルピロリジン
実施例12の工程Dの手順を用いて、実施例12の工程Cからのシス−1−ベンジル−2,5−ジプロピルピロリジンから同様にして表題化合物を製造した。H NMR(CDCl,500MHz)δ2.94−3.00(m,2H),1.81−1.89(m,2H),1.25−1.54(m,10H),0.94(t,J=7.2Hz,6H)。
【0130】
LC−MS:1.83分。(M+H=156.1)。
【0131】
工程B:1−(3−{2−[シス−2,5−ジプロピルピロリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−2−イル)−2,2−ジメチルプロパン−1−オン
実施例1の工程Bからの[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]酢酸17mgとHOBt18.5mgの混合物を無水DMF1mLに溶解する。上記工程Aからのシス−2,5−ジプロピルピロリジン13.7mg、次いでEDC23.0mg及びDIEA35μLを加える。この溶液を40℃で2時間加熱した。これを、70−100%MeCN勾配を用いるRP−HPLCで直接精製した。純粋な生成物を含む分画をプールし、凍結乾燥して、表題化合物を得た。LC−MS:4.59分。(m/Z=428.3、344.2、450.3)。
【0132】
(実施例14)
【0133】
【化24】

【0134】
N−(3,3−ジメチルブチル)−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]アセトアミド
実施例1の工程Bからの[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]酢酸29mg、HOBt23mg及びEDC38.3mgの混合物に無水DMF1mLを加えた。(3,3−ジメチルブチル)アミンヒドロクロリド24.9mg、次いでDIEA61μLを加える。この溶液を45℃で2時間加熱した。これを、60−75%MeCN勾配を用いるRP−HPLCで直接精製した。純粋な生成物を含む分画をプールし、凍結乾燥して、表題化合物を得た。LC−MS:4.08分。(m/Z=290.1、374.2、396.2)。
【0135】
(実施例15)
【0136】
【化25】

【0137】
N−(3,3−ジメチルブチル)−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−N−エチルアセトアミド
工程A:N−エチル−3,3−ジメチルブタン−1−アミンヒドロクロリド
トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを用いて市販のエチルアミンと3,3−ジメチルブチルアルデヒドから表題化合物を製造した(Abdel−Magidら、J.Org.Chem.1996,61,3849)。H NMR(CDOD,500MHz)δ3.07(q,7.1Hz,2H),2.97−3.02(m,2H),1.57−1.62(m,2H),1.32(t,7.2Hz,3H),0.98(s,9H)。
【0138】
工程B:1−tert−ブチル−6−メトキシ−3H−ピラノ[3,4−b][1]ベンゾフラン−3−オン
実施例1の工程Bからの[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]酢酸98mg、DIEA176μL及びHOBt114mgを無水DMF3.5mLに溶解する。EDC97.1mgを加え、この混合物を室温で一晩攪拌する。これを、50−70%MeCN勾配を用いるRP−HPLCで直接精製した。純粋な生成物を含む分画をプールし、凍結乾燥して、表題化合物を黄色固体として得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.34(dd,J=1.3&8.4Hz,1H),7.25−7.29(m,2H),6.54(s,1H),3.92(s,3H),1.52(s,9H)。LC−MS:3.55分。(M+H=273.1)。
【0139】
工程C:N−(3,3−ジメチルブチル)−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−N−エチルアセトアミド
DMF0.75mL中の、上記工程Bからの1−tert−ブチル−6−メトキシ−3H−ピラノ[3,4−b][1]ベンゾフラン−3−オン.21.8mgと上記工程AからのN−エチル−3,3−ジメチルブタン−1−アミンヒドロクロリド21.6mgを含む混合物に、DIEA26μLを加えた。この混合物を45℃の油浴で一晩加熱した。これを、65−85%MeCN勾配を用いるRP−HPLCで直接精製した。純粋な生成物を含む分画をプールし、凍結乾燥して、表題化合物を得た。LC−MS:4.38分。(m/Z=318.2、402.3、424.3)。N−(3,3−ジメチルブチル)−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−N−エチルアセトアミドの代替的な製造。
【0140】
実施例1の工程Bからの[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]酢酸7.7mg、HOBt6.1mg及びEDC10.2mgの混合物に無水DMF0.5mLを加えた。上記工程AからのN−エチル−3,3−ジメチルブタン−1−アミンヒドロクロリド6.6mg、次いでDIEA16μLを加える。この溶液を45℃で一晩加熱した。これを、65−80%MeCN勾配を用いるRP−HPLCで直接精製した。純粋な生成物を含む分画をプールし、凍結乾燥して、表題化合物を得た。LC−MS:4.38分。(m/Z=424.3、318.2、402.3)。
【0141】
(実施例16)
【0142】
【化26】

【0143】
1−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−3,3−ジメチルブタン−2−オン
工程A:1−[3−(2−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブチル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−2−イル]−2,2−ジメチルプロパン−1−オン
窒素下で−78℃の無水THF10mL中の、実施例1の工程Aからの1−(5−メトキシ−3−メチル−1−ベンゾフラン−2−イル)−2,2−ジメチルプロパン−1−オン0.23gの溶液に、ヘプタン、THF及びエチルベンゼン中の2M LDA0.93mLを加えた。15分後、トリメチルアセトアルデヒド0.160gを加えた。冷却浴を取り除き、反応混合物を放置して室温に暖めた。30分後、反応混合物を減圧下で蒸発させて溶媒を除去した。残留物をエーテルで希釈し、1M HCl(2回)及び飽和ブラインで洗って、無水NaSOで乾燥し、蒸発させて、粗生成物を得る。これを、TFAなしで水中75−100%MeCNを用いるRP−HPLCで精製し、凍結乾燥後、表題化合物を無色固体として得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.44(d,J=9.2Hz,1H),7.12(dd,J=2.7&9.1Hz,1H),7.02(d,J=2.5Hz,1H),3.89(s,3H),3.48−3.52(brm,1H),3.40(brd,J=7.0Hz,1OH),3.10−3.16(m,2H),1.43(s,9H),1.10(s,9H)。LC−MS:4.23分。(m/Z=245.2,315.2,355.2=M+Na,259.1)。より速く溶出する異性体副産物も、精製の間に単離した:1−[2−(1−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−3,3−ジメチルブタン−2−オン。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.34(d,J=8.9Hz,1H),6.87(dd,J=2.5&9.0Hz,1H),6.79(d,J=2.5Hz,1H),4.53(s,1H),3.99(d,J=17.6Hz,1H),3.92(d,J=17.4Hz,1H),3.84(s,3H),1.32(s,9H),1.06(s,9H)。LC−MS:3.77分。(m/Z=355.2=M+Na,315.2)。異性体の構造をCOSY及びNOESY分光法によってさらに確認した。
【0144】
工程B:1−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−3,3−ジメチルブタン−2−オン
窒素下にドライアイス浴中でジクロロメタン1.5mLを冷却する。塩化オキサリル38mg、次いでDMSO47mgを加える。30分間攪拌する。ジクロロメタン2.5mL中の上記工程Aからの1−[3−(2−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブチル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−2−イル]−2,2−ジメチルプロパン−1−オン49.9mgの溶液を加える。さらに25分後、トリエチルアミン167μLを加えた。さらに25分間攪拌した後、反応混合物を冷却浴から取り出し、放置して室温に暖めた。2時間後、減圧下で溶媒を除去し、残留物を、70−100%MeCN勾配を用いるRP−HPLCで直接精製した。純粋な生成物を含む分画をプールし、凍結乾燥して、表題化合物を得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.43(d,J=8.9Hz,1H),7.10(dd,J=2.5&8.9Hz,1H),6.90(d,J=2.6Hz,1H),4.39(s,2H),3.87(s,3H),1.42(s,9H),1.34(s,9H)。LC−MS:4.17分。(m/Z=247.2,353.3,331.4)。
【0145】
(実施例17)
【0146】
【化27】

【0147】
2−(2−ベンゾイル−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル)−N,N−ジブチルアセトアミド
工程A:(5−メトキシ−3−メチル−1−ベンゾフラン−2−イル)(フェニル)メタノン
実施例1の工程Aで述べた手順を用いて、1−(2−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル)エタノン、2−ブロモアセトフェノン及び炭酸セシウムから表題化合物を製造した。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.03−8.07(m,2H),7.55−7.59(m,1H),7.47−7.51(m,2H),7.40(d,J=9.0Hz,1H),7.08(dd,J=2.6&9.0Hz,1H),7.03(d,J=2.5Hz,1H),3.86(s,3H),2.59(s,3H)。LC−MS:3.83分。(M+H=267.2)
【0148】
工程B:(2−ベンゾイル−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル)酢酸
実施例1の工程Bの手順を用いて、上記工程Aからの(5−メトキシ−3−メチル−1−ベンゾフラン−2−イル)(フェニル)メタノンから表題化合物を製造した。粗酸性分画を、40−75%MeCN勾配を用いるRP−HPLCでさらに精製した。純粋な生成物を含む分画をプールし、凍結乾燥して、表題化合物を得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.22−8.24(m,2H),7.69−7.73(m,1H),7.58−7.62(m,2H),7.51(d,J=8.9Hz,1H),7.21(dd,J=2.5&8.9Hz,1H),7.18(d,J=2.3Hz,1H),4.17(s,2H),3.93(s,3H)。LC−MS:3.26分。(m/Z=265.2,293.2)。
【0149】
工程C:2−(2−ベンゾイル−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル)−N,N−ジブチルアセトアミド
上記工程Bからの(2−ベンゾイル−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル)酢酸10.6mg、HOBt7.8mg及びEDC13.1mgの混合物に、ジブチルアミン6.6mg及びDMF0.5mL、次いでDIEA21μLを加えた。室温で一晩攪拌した後、55℃の油浴で8時間加熱した。これを、60−95%MeCN勾配を用いるRP−HPLCで直接精製した。純粋な生成物を含む分画をプールし、凍結乾燥して、表題化合物を得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.10−8.13(m,2H),7.62−7.66(m,1H),7.53−7.57(m,2H),7.45(d,J=8.9Hz,1H),7.275(d,J=2.7Hz,1H),7.14(dd,J=2.7&9.1Hz,1H),4.39(s,2H),3.89(s,3H),3.43−3.47(m,2H),3.37−3.40(m,2H),1.51−1.61(m,4H),1.26−1.38(m,4H),0.94(t,J=7.3Hz,3H),0.90(t,J=7.3Hz,3H)。LC−MS:4.24分。(m/Z=422.3,444.3)。
【0150】
(実施例18)
【0151】
【化28】

【0152】
1−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−3,3−ジメチルペンタン−2−オン
工程A:1−[3−(2−ヒドロキシ−3,3−ジメチルペンチル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−2−イル]−2,2−ジメチルプロパン−1−オン
窒素下で−78℃の無水THF20mL中の、実施例1の工程Aからの1−(5−メトキシ−3−メチル−1−ベンゾフラン−2−イル)−2,2−ジメチルプロパン−1−オン0.493gの溶液に、ヘプタン、THF及びエチルベンゼン中の2M LDA2.0mLを加えた。50分後、2,2−ジメチルブタナール0.40gを加えた。冷却浴を取り除き、反応混合物を放置して室温に暖めた。70分後、飽和塩化アンモニウム2mLを加えて反応を停止し、反応混合物を減圧下で蒸発させて溶媒を除去した。残留物をエーテルで希釈し、1M HCl(2回)及び飽和ブラインで洗って、無水NaSOで乾燥し、蒸発させて、粗生成物を得る。これを、TFAなしで水中65−100%MeCNを用いるRP−HPLCで精製し、凍結乾燥後、表題化合物を無色固体として得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.44(d,9.1Hz,1H),7.20(d,2.0Hz,1H),7.10(dd,2.5&9.1Hz,1H),3.86(s,3H),3.58(dd,1.6&10.6Hz,1H),3.29−3.34(m,1H),2.90−2.95(m,1H),1.51−1.59(m,1H),1.39−1.46(m,1H),1.40(s,9H),1.02(s,3H),1.01(s,3H),0.92(t,7.6Hz,3H)。LC−MS:4.47分。(m/Z=329.3,369.2,347)。より速く溶出する異性体副産物も精製の間に単離し、1−[2−(1−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−3,3−ジメチルペンタン−2−オンと特定した。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.30(d,9.0Hz,1H),6.84(dd,2.5&8.9Hz,1H),6.75(d,2.5Hz,1H),4.44(s,1H),4.07(ABd,18.5Hz,1H),4.04(ABd,18.5Hz,1H),3.78(s,3H),1.74(q,7.6Hz,2H),1.263(s,3H),1.260(s,3H),0.99(s,9H),0.91(t,7.4Hz,3H)。LC−MS:3.95分。(m/Z=369.3=M+Na,329.3,)。
【0153】
工程B:1−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−3,3−ジメチルペンタン−2−オン
実施例16の工程Bと同様の手順を用いて、上記工程Aからの1−[3−(2−ヒドロキシ−3,3−ジメチルペンチル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−2−イル]−2,2−ジメチルプロパン−1−オンから表題化合物を製造した。LC−MS:4.36分。(m/Z=261.2、367.3、345.3)。
【0154】
(実施例19)
【0155】
【化29】

【0156】
N,N−ジブチル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾチエン−3−イル]−アセトアミド
工程A:1−(2−メルカプト−5−メトキシフェニル)エタノン
Topolski(J.Org.Chem.1995,60,5585)の方法を用いて、AllenとMacKay(Org.Syn.Coll Vol II,580)の方法からの粗2−メルカプト−5−メトキシ安息香酸から表題化合物を製造した。LC−MS:2.91分。(m/Z=183)。
【0157】
工程B:1−(5−メトキシ−3−メチル−1−ベンゾチエン−2−イル)−2,2−ジメチルプロパン−1−オン
実施例1の工程Aと同様の方法を用いて、上記工程Aからの1−(2−メルカプト−5−メトキシフェニル)エタノンから表題化合物を製造した。これを、酢酸エチルからの再結晶化によって精製した。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.70(d,8.7Hz,1H),7.24(d,2.3Hz,1H),7.135(dd,2.5&8.9Hz,1H),3.93(s,3H),2.56(s,3H),1.41(s,9H)。LC−MS:4.17分。(m/Z=221.1,179.0,263.1)。
【0158】
工程C:[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾチエン−3−イル]酢酸
実施例1の工程Bで述べた方法を用いて、上記工程Bからの1−(5−メトキシ−3−メチル−1−ベンゾチエン−2−イル)−2,2−ジメチルプロパン−1−オンから表題化合物を製造した。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.73(d,8.9Hz,1H),7.46(d,2.3Hz,1H),7.21(dd,2.6&9.0Hz,1H),4.01(s,2H),3.95(s,3H),1.47(s,9H)。LC−MS:3.48分。(m/Z=261.1,289.1,329.1,307)。
【0159】
工程D:1−tert−ブチル−6−メトキシ−3H−[1]ベンゾチエノ[2.3−c]ピラン−3−オン
丸底フラスコに、上記工程Cからの[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾチエン−3−イル]酢酸0.460g、HOBt水和物0.345g及びEDC HCl塩0.504gを負荷した。この混合物を無水DMF15mLに溶解し、DIEA0.582gを加えた。混合物は明黄色になった。室温で一晩放置した後、混合物を水に注ぎ入れ、エーテルで数回抽出した。併合エーテル抽出物を水(4回)、5%NaHCO及び飽和ブラインで洗い、無水NaSOで乾燥して、蒸発させ、表題化合物を明黄色固体として得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.49(d,8.7Hz,1H),7.35(d,2.5Hz,1H),7.20(dd,2.5&8.9Hz,1H),6.65(s,1H),3.92(s,3H),1.51(s,9H)。LC−MS:3.77分。(m/Z=289.3)。
【0160】
工程E:N,N−ジブチル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾチエン−3−イル]−アセトアミド
無水DMF0.75mL中の、上記工程Dからの1−tert−ブチル−6−メトキシ−3H−[1]ベンゾチエノ[2.3−c]ピラン−3−オン21.6mg及びジ−n−ブチルアミン29.1mgの溶液を70℃で6時間加熱した。反応混合物を、0.1%TFAを含む70−100%MeCN勾配を用いるRP−HPLCで精製した。生成物分画をプールし、凍結乾燥して、表題化合物を白色固体として得た。LC−MS:4.53分。(m/Z=418.3、440.2)。
【0161】
(実施例20−32)
【0162】
【化30】

【0163】
表1の実施例20−32は、実施例19の工程Eで述べた条件下で、実施例19の工程Dからの1−tert−ブチル−6−メトキシ−3H−[1]ベンゾチエノ[2.3−c]ピラン−3−オン及び3当量の適切なアミン又は2当量の適切なアミンプラス2当量のDIEAのいずれかから製造した。実施例32では、アミンHCl塩を2倍量のDIEAと共に使用した。実施例30−32についてのアミンの製造は、この全体が参照によりここに組み込まれる、2003年4月11日出願の米国特許出願第US2003/034959号に述べられている。
【0164】
【表1】


【0165】
(実施例33)
【0166】
【化31】

【0167】
1−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾチエン−3−イル]−3,3−ジメチルブタン−2−オン
工程A:1−[3−(2−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブチル)−5−メトキシ−1−ベンゾチエン−2−イル]−2,2−ジメチルプロパン−1−オン
実施例18の工程Aで述べた手順を用いて1−(5−メトキシ−3−メチル−1−ベンゾチエン−2−イル)−2,2−ジメチルプロパン−1−オン(実施例19、工程B)から表題化合物を製造した。この生成物を、TFAなしで65−100%MeCN勾配を用いるRP−HPLCを使用して単離した。凍結乾燥後、表題化合物を主要生成物として、白色固体として単離した。H NMR(CDOD,500MHz)δ7.65(d,8.7Hz,1H),7.12(d,2.3Hz,1H),6.94(dd,2.5&8.7Hz,1H),4.62(dd,2.3&2.5Hz,1H),3.87(s,3H),3.00(dd,3.0&16.0Hz,1H),2.985(dd,2.0&16.0Hz,1H),1.14(s,9H),1.12(s,9H)。LC−MS:4.54分。(m/Z=331.2)。より速く溶出する異性体も単離した。これは、1−[2−(1―ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)−5−メトキシ−1−ベンゾチエン−3−イル]−3,3−ジメチルブタン−2−オンと特定された。H NMR(CDOD,500MHz)δ7.65(d,8.7Hz,1H),6.94(dd,2.5&8.7Hz,1H),6.83(d,2.5Hz,1H),4.68(s,1H),4.27(d,18.8Hz,1H),4.16(d,18.8Hz,1H),3.79(s,3H),1.33(s,9H),1.01(s,9H)。LC−MS:3.91分。(m/Z=371.1)。実施例16及び18の場合と異なり、本実施例における2つの異性体は、周囲温度及び中性pHで自発的に相互交換すると思われた。
【0168】
工程B:1−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾチエン−3−イル]−3,3−ジメチルブタン−2−オン
実施例18の工程Bにおける手順を用いて上記工程Aからの1−[3−(2−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブチル)−5−メトキシ−1−ベンゾチエン−2−イル]−2,2−ジメチルプロパン−1−オンから表題化合物を製造した。RP−HPLC精製(70−100%MeCN)及び凍結乾燥後、白色固体として単離した。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.72(d,8.9Hz,1H),7.13(dd,2.4&8.8Hz,1H),7.03(d,2.6Hz,1H),4.40(s,2H),3.88(s,3H),1.41(s,9H),1.35(s,9H)。LC−MS:4.27分。(m/Z=369.2,263.2,347.3)。
【0169】
(実施例34)
【0170】
【化32】

【0171】
N−ブチル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−N−メチルアセトアミド
実施例15の工程Cからの手順を用いて1−tert−ブチル−6−メトキシ−3H−ピラノ[3,4−b][1]ベンゾフラン−3−オン及びブチルメチルアミンから表題化合物を製造した。LC−MS:3.97分。(m/Z=360.4、382.3、276.2、273.2)。
【0172】
(実施例35)
【0173】
【化33】

【0174】
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−N−メチル−N−(3−メチルブチル)アセトアミド
実施例15の工程Cからの手順を用いて1−tert−ブチル−6−メトキシ−3H−ピラノ[3,4−b][1]ベンゾフラン−3−オン及びi−アミルメチルアミンから表題化合物を製造した。LC−MS:4.11分。(m/Z=374.4、396.3、290.3、273.2)。
【0175】
(実施例36−49)
【0176】
【化34】

【0177】
工程A:1−(5−フルオロ−2−メルカプトフェニル)エタノン
Topolski(J.Org.Chem.1995,60,5585)の方法を用いて、市販の5−フルオロ−2−メルカプト安息香酸から表題化合物を製造した。これを、ヘキサン中15−25%EtOAcによるSGCを用いて精製した。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.58(dd,JH−H=2.8Hz,JH−F=9.2Hz,1H),7.31(dd,JH−H=8.7Hz,JH−F=5.3Hz,1H),7.12(ddd,JH−H=8.7&2,8Hz,JH−F=7.6Hz,1H),4.49(s,1SH),2.64(s,3H)。
【0178】
工程B:1−(5−フルオロ−3−メチル−1−ベンゾチエン−2−イル)−2,2−ジメチルプロパン−1−オン
無水DMF100mL中の1−(5−フルオロ−2−メルカプトフェニル)エタノン5.20gの溶液に、1−ブロモピナコロン5.47g及び炭酸セシウム10.95gを加えた。生じた混合物を室温で一晩攪拌し、この後70℃で3日間加熱した。反応混合物を氷と水で希釈した後、エーテルで数回抽出した。併合エーテル抽出物を0.05N NaOH(2回)、水(3回)及び飽和ブラインで洗い、無水NaSOで乾燥して、蒸発させ、粗生成物を得た。この粗生成物を、ヘキサン中10−15%EtOAcを用いるSGCによって精製し、表題化合物を油として得た。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.77(dd,JH−H=8.7Hz,JH−F=4.8Hz,1H),7.49(dd,JH−H=2.5Hz,JH−F=9.6Hz,1H),7.24(ddd,JH−H=2.5&8.7Hz,JH−F=8.7Hz,1H),2.53(s,3H),1.40(s,9H)。LC−MS:4.11分。(m/Z=209.1,251.1)。
【0179】
工程C:[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−フルオロ−1−ベンゾチエン−3−イル]酢酸
実施例1の工程Bで述べた手順を用いて1−(5−フルオロ−3−メチル−1−ベンゾチエン−2−イル)−2,2−ジメチルプロパン−1−オンから表題化合物を製造した。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.82(dd,JH−H=8.8Hz,JH−F=4.7Hz,1H),7.72(dd,JH−H=2.4Hz,JH−F=9.3Hz,1H),7.32(ddd,JH−H=2.5&8.7Hz,JH−F=8.7Hz,1H),4.00(s,2H),1.46(s,9H)。LC−MS:3.48分。(m/Z=249.2,277.2,317.2,295)。
【0180】
工程D:実施例36−49
反応を70℃で8−20時間実施したことを除き、実施例1の工程Cで述べたのと同じ手順を用いて[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−フルオロ−1−ベンゾチエン−3−イル]酢酸から表題化合物を製造した。
【0181】
【表2】

【0182】
(実施例50−63)
【0183】
【化35】

【0184】
工程A:1−(2−メルカプトフェニル)エタノン
Topolski(J.Org.Chem.1995,60,5585)の方法を用いて、市販の2−メルカプト安息香酸から表題化合物を製造した。これを、ヘキサン中15−25%EtOAcによるSGCを用いて精製した。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.91(d,7.8Hz,1H),7.33−7.35(m,2H),7.21−7.25(m,1H),4.51(s,1H),2.66(s,3H)。LC−MS:2.69分。(m/Z=59.8,135.0,153.0)。
【0185】
工程B:2,2−ジメチル−1−(3−メチル−1−ベンゾチエン−2−イル)プロパン−1−オン
実施例36−49の工程Bにおける手順を用いて1−(2−メルカプトフェニル)エタノン及び1−ブロモピナコロンから表題化合物を製造した。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.82−7.88(m,2H),7.44−7.50(m,2H),2.60(s,3H),1.41(s,9H)。LC−MS:4.06分。(m/Z=233.4,191)。
【0186】
工程C:[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−1−ベンゾチエン−3−イル]酢酸
実施例1の工程Bにおける手順を用いて2,2−ジメチル−1−(3−メチル−1−ベンゾチエン−2−イル)プロパン−1−オンから表題化合物を製造した。H NMR(CDCl,500MHz)δ8.09(d,7.5Hz,1H),7.88(d,7.1Hz,1H),7.51−7.58(m,2H),4.06(s,2H),1.48(s,9H)。LC−MS:3.36分。(m/Z=231.1,259.1,299.1,277)。
【0187】
工程D:1−tert−ブチル−3H−[1]ベンゾチエノ[2.3−c]ピラン−3−オン
実施例20−32の工程Dにおける手順を用いて[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−1−ベンゾチエン−3−イル]酢酸から表題化合物を製造した。H NMR(CDCl,500MHz)δ7.93(d,8.0Hz,1H),7.62(d,8.0Hz,1H),7.56−7.59(m,1H),7.38−7.41(m,1H),6.70(s,1H),1.52(s,9H)。LC−MS:3.61分。(m/Z=259.2)。
【0188】
工程E:実施例50−63
表3の実施例50−63は、実施例19の工程Eで述べたのと同様の方法を用いて、1−tert−ブチル−3H−[1]ベンゾチエノ[2.3−c]ピラン−3−オン及び適切なアミン又はアミンHCl塩から製造した。
【0189】
【表3】

【0190】
機能アッセイ
A.Maxi−Kチャネル
化合物の活性はまた、以下のアッセイによっても定量することができる。
【0191】
Maxi−Kチャネルの阻害剤の特定は、Aurora Biosciencesテクロノロジーを用いて実施することができる、これは、TsA−201細胞におけるチャネルのα及びβサブユニットの一過性トランスフェクション後、発現されたMaxi−Kチャネルが細胞静止電位を設定する能力に基づく。阻害剤が存在しない場合、細胞は、Maxi−Kチャネルの活性の結果である、E(−80mV)に近い、細胞内が負の、過分極膜電位を示す。Maxi−Kチャネルの遮断は細胞の脱分極を生じさせる。膜電位の変化は、2つの成分、供与体クマリン(CCDMPE)と受容体オキサノール(DiSBAC(3))を使用する、電位感受性蛍光共鳴エネルギー転移法(FRET)の染料対で測定することができる。オキサノールは脂質親和性陰イオンであり、膜電位に応じて膜を横切って分布する。正常条件下では、細胞の内側が外側に対して負であるとき、オキサノールは膜の外側リーフレットに蓄積し、クマリンの励起がFRETを生じさせる。膜脱分極を導く条件は、オキサノールを膜の内側に再分布させ、この結果として、FRETを低下させる。そこで、膜脱分極後の比率の変化(供与体/受容体)が上昇する。
【0192】
TsA−201細胞におけるMaxi−Kチャネルの一過性トランスフェクションは、FUGENE6(商標)をトランスフェクション試薬として使用して、先に述べられているように(Hannerら(1998)J.Biol.Chem.273,16289−16296)実施することができる。トランスフェクションの24時間後、Ca2+−Mg2+不含ダルベッコリン酸緩衝食塩水(D−PBS)中で細胞を収集し、遠心分離に供して、96穴ポリ−d−リシン被覆プレートに60,000細胞/穴の密度で接種し、一晩インキュベートする。次に細胞をD−PBSで1回洗い、D−PBS中の4μM CCDMPE−0.02%プルロニック−127 100μlを負荷する。細胞を暗所において室温で30分間インキュベートする。この後、細胞をD−PBSで2回洗い、140mM NaCl、0.1mM KCl、2mM CaCl、1mM MgCl、20mMヘペス−NaOH、pH7.4、10mMグルコース中の6μM DiSBAC(3)100μlを負荷する。試験化合物をこの溶液に希釈し、同時に加える。細胞を暗所において室温で30分間インキュベートする。
【0193】
プレートを電位/イオンプローブリーダー(VIPR)装置に充填し、CCDMPE及びDiSBAC(3)の蛍光放出を10秒間記録する。この時点で、高カリウム溶液:140mM KCl、2mM CaCl、1mM MgCl、20mMヘペス−KOH、pH7.4、10mMグルコース 100μlを加えて、両方の染料の蛍光放出をさらに10秒間記録する。高カリウム溶液の添加前のCCDMPE/DiSBAC(3)比率は1に等しい。いかなる阻害剤も存在しない場合は、高カリウム溶液の添加後の比率は1.65−2.0の間で変化する。Maxi−Kチャネルが公知の標準化合物又は試験化合物のいずれかによって完全に阻害された場合は、この比率は1のままである。従って、蛍光比率の濃度依存的変化を観測することによってMaxi−Kチャネル阻害剤の活性を定量することが可能である。
【0194】
本発明の化合物は、約1nM−約20μM、より好ましくは約10nM−約500nMの範囲内のIC50で、蛍光比率の濃度依存的阻害を生じさせることが認められた。
【0195】
B.高コンダクタンスカルシウム依存性カリウムチャネルへの化合物の作用の電気生理学的アッセイ
ヒト非色素性毛様体上皮細胞
ヒト非色素性毛様体上皮細胞における高コンダクタンスカルシウム依存性カリウム(Maxi−K)チャネルの活性を、電気生理学的方法を用いて測定した。Maxi−Kチャネルを通る電流を、ピペット液がチャネルの細胞外面に面し、バス液が細胞内面に面する、パッチクランプ手法のインサイド−アウトモードで記録した。切取りパッチは1−約50のMaxi−Kチャネルを含んだ。これらの大きな単一チャネルコンダクタンス(250−300pS)によって、及び膜電位を開閉するチャネルの感受性と細胞内カルシウム濃度によってMaxi−Kチャネルを特定した。標準電気生理学的手法を用いて膜電流を記録した。ガラスピペット(Garner7052)をKopfプラー(750型)で2段階に牽引し、食塩水を満たしたとき電極抵抗は1−3メグオームであった。膜電流をEPC9(HFKA Instruments)又はAxopatch 1D(Axon Instruments)増幅器で記録し、ITC−16インターフェース(Instrutech Corp)でデジタル変換を行った。ピペットに、150mM KCl、10mMヘペス、1mM MgCl、0.01mM CaCl、3.65mM KOH、pH7.20を満たした。バス(細胞内)液は、一部の場合に、カルシウムを排除してチャネル開閉のカルシウム感受性を試験するために、カルシウムを除き、1mM EGTAを加えて、20mM KClを20mM KFに置き換えたことを除いて、同一であった。薬剤をバス灌流によってチャネルの細胞内面に適用した。
【0196】
ヒト非色素性毛様体上皮細胞を記述されているように(Martin−Vasallo, P.,Ghosh,S.,及びCoca−Prados,M.,1989,J.Cell.Physiol.141,243−252)、組織培養において増殖させ、使用前にカバーガラスに塗布した。高抵抗シール(>1ギガオーム)をピペットと細胞表面の間に形成し、インサイドアウトパッチを切り取った。パッチ内のMaxi−Kチャネルをこれらのゲーティング特性によって特定した;チャネルの開く確率は、膜脱分極及び高い細胞内カルシウムに応答して上昇した。薬理学的分析のために使用したパッチでは、細胞内カルシウムの除去は電位依存性電流を排除した。電位脱分極段階又はチャネルの開放を生じさせる勾配後にMaxi−K電流を測定した。
【0197】
本発明の化合物を適切な濃度(0.001−100μM)でチャネルの細胞内面に適用した。化合物はチャネルの開く確率を低下させ、この作用は、実験チェンバーから化合物を洗い出したとき逆転した。本発明の化合物に関するこれらの条件下でのMaxi−Kチャネルの遮断についてのIC50は、約0.5nM−約10μMの範囲であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式I:
【化1】

[式中、
Rは、水素又はC1−6アルキルを表わし;
Xは、−(CHR−、または−(CHRCO−を表わし;
Yは、−CO(CH−、(CH、−CH(OR)−、OR、またはSRを表わし;
Z=O又はSであり;
M1、M2及びM3は、独立して、CH又はNであり;
Qは、CR、N又はOを表わし、QがOであるときRは存在せず;
は、H、C1−6アルキル、−(CH3−8シクロアルキル、−(CH3−10ヘテロシクリル、−(CH5−10ヘテロアリール、または−(CH6−10アリールを表わし;
は、H、C1−6アルキル、−C(O)C1−6アルキル、−C(O)OC1−6アルキル、−SON(R)、−SO1−6アルキル、−SO6−10アリール、NO、CNまたは−C(O)N(R)を表わし;
は、水素、C1−10アルキル、OH、C2−6アルケニル、C1−6アルキルSR、−(CHO(CHOR、−(CH(CHR(CH1−6アルコキシ、−(CH(CHR(CH3−8シクロアルキル、−(CH(CHR(CH3−8シクロアルケニル、−(CH(CHR(CH3−10ヘテロシクリル、−N(R)、−COOR、または−(CH(CHR(CH6−10アリールを表わし、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル又はアリールは、場合によりRから選択される1−5個の基で置換されており;
は、水素、C1−10アルキル、C2−6アルケニル、−(CH(CHR(CH3−8シクロアルキル、−(CH(CHR(CHシクロアルケニル、−(CH(CHR(CH3−10ヘテロシクリル、−(CH(CHR(CHCOOR、−(CH(CHR(CH6−10アリール、−(CH(CHR(CHNHR、−(CH(CHR(CHN(R)、−(CH(CHR(CHN(R)、−(CH(CHR(CHN(R、−(CH(CHR(CHNHCOOR、−(CH(CHR(CHN(R)COR、−(CH(CHR(CHN(R)COR、−(CH(CHR(CHNHCOR、−(CH(CHR(CHCONH(R)、アリール、−(CH(CHR(CH1−6アルコキシ、CF、−(CH(CHR(CHSOR、−(CH(CHR(CHSON(R)、−(CH(CHR(CHCON(R)、−(CH(CHR(CHCONHC(R)、−(CH(CHR(CHCONHC(R)COR、−(CH(CHR(CHCOR、ニトロ、シアノ又はハロゲンを表わし、前記アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ヘテロシクリル又はアリールは、場合によりRの1−5個の基で置換されているか;
又は、QがCR又はNに等しいとき、R及びRは、介在するCR又はNと共に、3−10員炭素環又はヘテロ環又は場合によりO、S、C(O)又はNRの1−2個の原子によって中断され、場合により1−5の二重結合を有し、及び場合によりRから選択される1−3個の基で置換されている縮合環を形成し;
及びRは、独立して、水素、C1−6アルコキシ、OH、C1−6アルキル、C1−6アルキル−S、C1−6アルキル−CO−、C1−6アルケニル、C3−8シクロアルコキシ、C3−8シクロアルキル、C3−8シクロアルキル−S、C3−8シクロアルキル−CO−、COOR、SOH、−O(CHN(R)、−O(CHCOR、−OPO(OH)、CF、−N(R)、ニトロ、シアノ、C1−6アルキルアミノ又はハロゲンを表わし;
は、水素、C1−10アルキル、−(CH(CHR(CH6−10アリール、−(CH(CHR(CH5−10ヘテロアリール、NR、−NR−(CH(CHR(CH6−10アリール、−N−((CH(CHR(CH6−10アリール)、−(CH(CHR(CH3−10ヘテロシクリル、−NR−(CH(CHR(CH3−10ヘテロシクリル、−N−((CH(CHR(CH3−10ヘテロシクリル)(C6−10アリール)O−、−(CH(CHR(CH3−8シクロアルキル、−COOR、−C(O)CORを表わし、前記アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及びアルキルは、場合によりRから選択される1−3個の基で置換されており;
及びRは、独立して、H、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、−(CH6−10アリール、−(CH5−10ヘテロアリール、C1−6アルキルSR、−(CHO(CHOR、−(CH1−6アルコキシ、または−(CH3−8シクロアルキルを表わすか;
又はR及びRは、介在するN原子と共に、場合によりO、S、C(O)又はNRの1−2個の原子によって中断され、場合により1−4の二重結合を有し、及び場合によりRから選択される1−3個の基で置換されている4−10員ヘテロ環式炭素環を形成し;
は、水素、C1−6アルキル、−(CHCOORまたは−(CHN(R)を表わし;
は、−(CH3−8シクロアルキル、−(CHn3−10ヘテロシクリル、C1−6アルコキシまたは−(CH5−10ヘテロアリール、−(CH6−10アリールを表わし、前記シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール又はヘテロアリールは、場合によりRから選択される1−3個の基で置換されており;
は、F、Cl、Br、I、CF、N(R)、NO、CN、−COR、−CONHR、−CON(R、−O(CHCOOR、−NH(CHOR、−COOR、−OCF、−NHCOR、−SOR、−SONR、−SR、(C−Cアルキル)O−、−(CHO(CHOR、−(CH1−6アルコキシ、(アリール)O−、−OH、(C−Cアルキル)S(O)−、HN−C(NH)−、(C−Cアルキル)C(O)−、(C−Cアルキル)OC(O)NH−、−(C−Cアルキル)NR(CH3−10ヘテロシクリル−R、−(C−Cアルキル)O(CH3−10ヘテロシクリル−R、−(C−Cアルキル)S(CH3−10ヘテロシクリル−R、−(C−Cアルキル)−C3−10ヘテロシクリル−R、−(CH−Z−C(=Z)N(R)、−(C2−6アルケニル)NR(CH3−10ヘテロシクリル−R、−(C2−6アルケニル)O(CH3−10ヘテロシクリル−R、−(C2−6アルケニル)S(CH3−10ヘテロシクリル−R、−(C2−6アルケニル)−C3−10ヘテロシクリル−R、−(C2−6アルケニル)−Z−C(=Z)N(R)、−(CHSOR、−(CHSOH、−(CHPO(OR)、−(CHOH、−(CH(CHR(CHOPO(OR)、C3−10シクロアルキル、C6−10アリール、C3−10ヘテロシクリル、C2−6アルケニル、およびC−C10アルキルを表わし、前記アルキル、アルケニル、アルコキシ、ヘテロシクリル及びアリールは、場合によりC−Cアルキル、CN、NO、−(CHOH、−(CHOPO(OR)、CON(R)およびCOORから選択される1−3個の基で置換されており;
及びZは、独立して、NR、O、CH又はSを表わし;
mは0−3であり;
nは0−3であり;
pは0−3であり;及び
qは0−1である]
の化合物、又はこの医薬適合性の塩、鏡像異性体、ジアステレオマー又は混合物。
【請求項2】
式中、Qが−N−であり、及びYが−CO(CHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式中、n=0であり、ZがSであり、及びRがC1−6アルキル、(CH6−10アリール、(CH5−10ヘテロアリール、(CH3−10ヘテロシクリル、NRまたは(CH3−8シクロアルキルであり、前記アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及びアルキルが、場合によりRの1−3個の基で置換されている、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
式中、M1、M2及びM3がCHであり、Xが−(CHRCO−であり、pが1−3であり、RがC1−10アルキル又はC1−6アルキルOHであり、及びRが(CH3−10ヘテロシクリルであり、前記へテロシクリル及びアルキルが、場合によりRの1−3個の基で置換されている、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
式中、Qが−CR−であり、n=0であり、ZがSであり、及びRが、C1−6アルキル、(CH6−10アリール、(CH5−10ヘテロアリール、(CH3−10ヘテロシクリル、NRまたは(CH3−8シクロアルキルであり、前記アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及びアルキルが、場合によりRの1−3個の基で置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
式中、n=0であり、ZがOであり、及びRが、C1−6アルキル、(CH6−10アリール、(CH5−10ヘテロアリール、(CH3−10ヘテロシクリル、NRcRまたは(CH3−8シクロアルキルであり、前記アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及びアルキルが、場合によりRの1−3個の基で置換されている、請求項2に記載の化合物。
【請求項7】
式中、M1、M2及びM3がCHであり、Xが−(CHRCO−であり、pが1−3であり、RがC1−10アルキル又はC1−6アルキルOHであり、及びRが(CH3−10ヘテロシクリルであり、前記へテロシクリル及びアルキルが、場合によりRの1−3個の基で置換されている、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
式中、Qが−CR−であり、n=0であり、ZがOであり、及びRが、C1−6アルキル、(CH6−10アリール、(CH5−10ヘテロアリール、(CH3−10ヘテロシクリル、NRまたは(CH3−8シクロアルキルであり、前記アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル及びアルキルが、場合によりRの1−3個の基で置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
式中、QがCR又はNに等しいとき、R及びRが、介在するCR又はNと共に、3−10員炭素環又はヘテロ環又は場合によりO、S、C(O)又はNRの1−2個の原子によって中断され、場合により1−5の二重結合を有し、及び場合によりRから選択される1−3個の基で置換されている縮合環を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
遊離ヒドロキシル基が存在し、前記ヒドロキシル基が、場合により誘導体化されて、−OPO(OH)と表わされるリン酸基を生じる、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
N,N−ビブチル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]アセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−N,N−ジイソブチルアセトアミド、
N−(シクロプロピルメチル)−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−N−プロピルアセトアミド、
N−シクロヘキシル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−N−エチルアセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−N,N−ジプロピルアセトアミド、
N−ブチル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−N−エチルアセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−N,N−ビス(3−メチルブチル)アセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−N−エチル−N−(3−メチルブチル)アセトアミド、
N−ブチル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−N−プロピルアセトアミド、
1−{5−メトキシ−3−[2−(トランス−オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)−2−オキソエチル]−1−ベンゾフラン−2−イル}−2,2−ジメチルプロパン−1−オン、
1−{5−メトキシ−3−[2−(シス−オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)−2−オキソエチル]−1−ベンゾフラン−2−イル}−2,2−ジメチルプロパン−1−オン、
1−(3−{2−[トランス−2,5−ジプロピルピロリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−2−イル)−2,2−ジメチルプロパン−1−オン、
1−(3−{2−[シス−2,5−ジプロピルピロリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−2−イル)−2,2−ジメチルプロパン−1−オン、
N−(3,3−ジメチルブチル)−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]アセトアミド、
N−(3,3−ジメチルブチル)−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−N−エチルアセトアミド、
1−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−3,3−ジメチルブタン−2−オン、
2−(2−ベンゾイル−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル)−N,N−ジブチルアセトアミド、
1−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−3,3−ジメチルペンタン−2−オン、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N,N−ジ−n−ブチルアセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N,N−ジイソブチルアセトアミド、
N−(シクロプロピルメチル)−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−プロピルアセトアミド、
N−シクロヘキシル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−エチルアセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N,N−ジプロピルアセトアミド、
N−ブチル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−エチルアセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−エチル−N−(3−メチルブチル)アセトアミド、
N−ブチル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−プロピルアセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N,N−ビス(3−メチルブチル)アセトアミド、
1−{5−メトキシ−3−[2−(トランス−オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)−2−オキソエチル]−1−ベンゾチエン−2−イル}−2,2−ジメチルプロパン−1−オン、
1−{5−メトキシ−3−[2−(シス−オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)−2−オキソエチル]−1−ベンゾチエン−2−イル}−2,2−ジメチルプロパン−1−オン、
1−(3−{2−[(トランス−2,5−ジプロピルピロリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−5−メトキシ−1−ベンゾチエン−2−イル)−2,2−ジメチルプロパン−1−オン、
1−(3−{2−[(シス−2,5−ジプロピルピロリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−5−メトキシ−1−ベンゾチエン−2−イル)−2,2−ジメチルプロパン−1−オン、
N−(3,3−ジメチルブチル)−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−エチルアセトアミド、
1−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾチエン−3−イル]−3,3−ジメチルブタン−2−オン、
N−ブチル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−N−メチルアセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−メトキシ−1−ベンゾフラン−3−イル]−N−メチル−N−(3−メチルブチル)アセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−フルオロ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N,N−ジ−n−ブチルアセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−フルオロ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N,N−ジイソブチルアセトアミド、
N−(シクロプロピルメチル)−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−フルオロ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−プロピルアセトアミド、
N−シクロヘキシル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−フルオロ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−エチルアセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−フルオロ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N,N−ジプロピルアセトアミド、
N−ブチル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−フルオロ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−エチルアセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−フルオロ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−エチル−N−(3−メチルブチル)アセトアミド、
N−ブチル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−フルオロ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−プロピルアセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−フルオロ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N,N−ビス(3−メチルブチル)アセトアミド、
1−{5−フルオロ−3−[2−(トランス−オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)−2−オキソエチル]−1−ベンゾチエン−2−イル}−2,2−ジメチルプロパン−1−オン、
1−{5−フルオロ−3−[2−(シス−オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)−2−オキソエチル]−1−ベンゾチエン−2−イル}−2,2−ジメチルプロパン−1−オン、
1−(3−{2−[(トランス−2,5−ジプロピルピロリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−5−フルオロ−1−ベンゾチエン−2−イル)−2,2−ジメチルプロパン−1−オン、
1−(3−{2−[(シス−2,5−ジプロピルピロリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−5−フルオロ−1−ベンゾチエン−2−イル)−2,2−ジメチルプロパン−1−オン、
N−(3,3−ジメチルブチル)−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−5−フルオロ−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−エチルアセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−1−ベンゾチエン−3−イル]−N,N−ジ−n−ブチルアセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−1−ベンゾチエン−3−イル]−N,N−ジイソブチルアセトアミド、
N−(シクロプロピルメチル)−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−プロピルアセトアミド、
N−シクロヘキシル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−エチルアセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−1−ベンゾチエン−3−イル]−N,N−ジプロピルアセトアミド、
N−ブチル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−エチルアセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−エチル−N−(3−メチルブチル)アセトアミド、
N−ブチル−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−プロピルアセトアミド、
2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−1−ベンゾチエン−3−イル]−N,N−ビス(3−メチルブチル)アセトアミド、
1−{3−[2−(トランス−オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)−2−オキソエチル]−1−ベンゾチエン−2−イル}−2,2−ジメチルプロパン−1−オン、
1−{3−[2−(シス−オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)−2−オキソエチル]−1−ベンゾチエン−2−イル}−2,2−ジメチルプロパン−1−オン、
1−(3−{2−[(トランス−2,5−ジプロピルピロリジン−1−イル]−2−オキソエチル)−1−ベンゾチエン−2−イル)−2,2−ジメチルプロパン−1−オン、
1−(3−{2−[(シス−2,5−ジプロピルピロリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−1−ベンゾチエン−2−イル)−2,2−ジメチルプロパン−1−オン、
N−(3,3−ジメチルブチル)−2−[2−(2,2−ジメチルプロパノイル)−1−ベンゾチエン−3−イル]−N−エチルアセトアミド
である化合物、又はこの医薬適合性の塩、鏡像異性体、ジアステレオマー又は混合物。
【請求項12】
高眼圧症又は緑内障の治療のための薬剤を製造するための、請求項1に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項13】
黄斑浮腫、黄斑変性、網膜及び視神経頭血流速度上昇、網膜及び視神経酸素分圧上昇の治療のため、及び/又は神経保護作用のための薬剤を製造するための、請求項1に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項14】
カリウムチャネルを含む哺乳動物細胞の再分極又は過分極を予防するため、又はアルツハイマー病、うつ病、認知障害及び/又は不整脈疾患を治療するための薬剤の製造のための、請求項1に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項15】
糖尿病を治療するための薬剤の製造のための、請求項1に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項16】
請求項1に記載の式Iの化合物及び医薬適合性の担体を含有する組成物。
【請求項17】
式Iの化合物が、溶液又は懸濁液として投与される局所製剤として適用され、及び場合によりキサンタンガム又はゼラチンガムを含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
β−アドレナリン遮断薬、副交感神経様作用薬、交感神経様作用薬、カルボニックアンヒドラーゼ阻害剤、EP4アゴニスト、プロスタグランジン又はこの誘導体、降圧脂質、神経保護剤及び/又は5−HT受容体アゴニストから成る群に属する1又はそれ以上の有効成分が場合により添加されている、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
β−アドレナリン遮断薬がチモロール、ベタキソロール、レボベタキソロール、カルテオロール又はレボブノロールであり、副交感神経様作用薬がピロカルピンであり、交感神経様作用薬がエピネフリン、ブリモニジン、イオピジン、クロニジン又はパラアミノクロニジンであり、カルボニックアンヒドラーゼ阻害剤がドルゾラミド、アセタゾラミド、メタゾラミド又はブリンゾラミドであり、プロスタグランジンがラタノプロスト、トラバプロスト、ウノプロストン、レスキュラ又はS1033であり、降圧脂質がルミガンであり、神経保護剤がエリプロジル、R−エリプロジル又はメマンチンであり、及び5−HT受容体アゴニストが1−(2−アミノプロピル)−3−メチル−1H−イミダゾール−6−オールフマレート又は2−(3−クロロ−6−メトキシインダゾール−1−イル)−1−メチルエチルアミンである、請求項18に記載の組成物。

【公表番号】特表2007−504228(P2007−504228A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525368(P2006−525368)
【出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/027915
【国際公開番号】WO2005/020917
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】