説明

1,2−ヘキサンジオールおよび1,2−オクタンジオールおよび更に保存剤を含む相乗的混合物

抗菌性混合物を開示するが、これは(a) 1,2-ヘキサンジオールおよび1,2-オクタンジオールおよびまた任意の1,2-ペンタンジオールおよび/または1,2-デカンジオール、およびまた(b) 1、2またはそれ以上の、ソルビン酸カリウム、パラベンおよびヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)からなる群から選択される物質を含み、またはこれら成分からなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2種の分岐していない(直鎖)の1,2-アルカンジオールおよび、更なる保存剤を含む、抗菌活性物質、および特に幾つかの混合物、製剤および食料品、およびまた抗-微生物的に有効な量で、このような混合物を含む製品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
化粧料および製薬工業において、また食品工業において、特に抗-微生物特性を持つ薬剤を使用しない場合に、腐敗し易い製品(例えば、化粧料、医薬製品または食料品)を保存するためばかりでなく、人体に対して、あるいは動物の身体に対して、有害な影響を持つ可能性のある微生物の、迅速な化粧学的または治療学的処置のためにも、該抗-微生物特性を持つ薬剤に対する絶えることのない需要がある。一例として、体臭発生、アクネ、真菌症等を引起す恐れのある、微生物に注目することができる。
多数の抗菌性の活性物質が、既に考察中の技術分野において使用されており、また選択的に特定の治療を行うことを可能とし、および/または副作用を減じることを可能とするために、代替品に対する研究が、途絶えることもなく続けられている。しかし、抗菌性および、特に保存作用を持つ代替薬剤に関する研究においては、化粧料、医薬および/または食料品分野において使用される物質が、以下に列挙する諸特性を持つ必要があることを、心に留めておく必要がある:
【0003】
・毒物学的に無害であること;
・皮膚にとって高い相溶性を持つこと;
・安定(特に、公知の化粧料および/または医薬処方物において)であること;
・主としておよび好ましくは全体的に無臭であること、およびまた
・格安に製造できること(即ち、標準的な方法を利用し、および/または標準的なプリカーサから出発)。
一方における、ある物質の化学的な構造と、他方における、幾つかの微生物(細菌)との関連におけるその生物学的な活性との間およびその安定性との間における明確な関連性がないという事実のために、十分な程度にて、上記諸特性の内の1またはそれ以上を有する、適当な(活性な)物質に関する、当業者による探索は、困難なものとなっている。更に、ある物質の抗-微生物作用、毒物学的な無害性、皮膚に対する相溶性および安定性同士の間には、予測可能な関連性はない。
【発明の開示】
【0004】
第一の局面によれば、本発明は、(a) 1,2-ヘキサンジオールおよび1,2-オクタンジオールおよびまた任意の1,2-ペンタンジオールおよび/または1,2-デカンジオール、およびまた(b) 1、2またはそれ以上の、ソルビン酸カリウム、パラベンおよびヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC;3-ヨード-2-プロピニル-ブチルカルバメート)からなる群から選択される物質を含む、またはこれら成分からなる、抗菌性混合物に関連する。
これに関連して、該混合物中の該ジオールの諸特性は、好ましくはこれらの抗-微生物作用が、相乗的に増強されるような方法で調節される。
【0005】
本発明で使用する意味において、「パラベン」とは、4-ヒドロキシ安息香酸のC1-C4エステル、特にメチルパラベン、エチルパラベン、n-プロピルパラベン、n-ブチルパラベン、イソブチルパラベンおよびこれらの混合物である。これらのパラベンは、保存の目的で、特に化粧料製剤および医薬製剤において、単独でまたは組合せとして使用することができる。これら製剤において最も一般的なパラベンの組合せは、0.18質量%のメチルパラベンと、0.02質量%のプロピルパラベンとを含む組合せである。ソルビン酸カリウムは、ソルビン酸(2,4-ヘキサジエン酸)のカリウム塩である。
本発明は、本発明の該混合物が、少なくとも選択された細菌との関連で、特に唯一の退治の困難なものであり得る、糸状菌である真菌、アスペルギルスニガー(Aspergillus niger)との関連で、相乗的に増強された抗-微生物作用を示すという、驚くべき認識に基くものである。
【0006】
特に、本発明の該混合物は、抗-微生物活性を持つ物質の混合物として、特に処置しない場合には腐敗し易い物品(上記説明参照)を保存するために、顕著な方法で使用できることが明らかとなった。
当分野の専門家は、1,2-アルカンジオールの抗-微生物特性について熟知しているはずであるが、これまでに、(a) 1,2-ヘキサンジオールおよび1,2-オクタンジオールおよびまた任意の1,2-ペンタンジオールおよび/または1,2-デカンジオール、および(b) ソルビン酸カリウム、パラベンおよびヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)からなる群から選択される、少なくとも1種の保存剤からなる混合物が、個々の場合において明確に改善された、抗-微生物作用(少なくとも選択された細菌との関連で)を示すことについては、何の指摘もなされていない。
【0007】
WO 03/069994は、直鎖で、分岐していない1,2-アルカンジオール、例えば1,2-ヘキサンジオールおよび1,2-オクタンジオールを含む、相乗的に有効な混合物を記載している。ここに記載されている混合物は、グラム陰性細菌、例えば大腸菌(Escherichia coli)および緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)に関して、および酵母、例えばカンジダアルビカンス(Candida albicans)に関して良好な作用を示す。このWO 03/069994の記載する1,2-アルカンジオール混合物は、またアスペルギルスニガー(Aspergillus niger)等の真菌に対しても良好な効能を示すが、この効能は、全く満足なものとは言えない。0.25質量%の1,2-ヘキサンジオール、0.25質量%の1,2-オクタンジオールおよび0.05質量%のユーキシル(Euxyl) K400(ユーキシルK400は、80質量%の2-フェノキシエタノールおよび20質量%の1,2-ジブロモ-2,4-ジシアノブタンからなる混合物である)の組合せは、アスペルギルスニガー(Aspergillus niger)との関連において、改善された効能を示すが、この細菌は、28日に及ぶ作用期間後においても、完全には排除されない。
【0008】
EP 1 206 933は、1,2-オクタンジオールまたは類似体および保存剤、特にヨードプロピニルブチルカルバメートを含む混合物に関連する。しかし、この文献は、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオールおよび更なる保存剤を含む混合物を開示していない。アスペルギルスニガー(Aspergillus niger)との関連で、これら記載された混合物の効能に関連する研究も、同様に開示されていない。
従って、1,2-アルカンジオール混合物に関連して、糸状菌としての真菌(例えば、「問題となる細菌」アスペルギルスニガー(Aspergillus niger))の場合におけるその効能の欠如は、注目すべきことである。従って、これまでは、糸状菌としての真菌を完全に阻害するためには、高い使用濃度で、1,2-アルカンジオールからなる混合物を使用する必要があった。
【0009】
ところで、本発明による該混合物が、特に細菌数の減少に関して、極めて強力な相乗的効能を示し、かつ個々に計量された保存剤、ソルビン酸カリウム、パラベンおよびヨードプロピニルブチルカルバメートを、または同様な濃度における1,2-ヘキサンジオールと1,2-オクタンジオールとの混合物を、明確に凌駕することは、特に驚嘆すべきことであった。特に、個々の場合において、0なるCFU値(CFU=コロニー形成単位数)は、本発明による該混合物についてのみ達成された。
【0010】
好ましいものは、(a) 1,2-ヘキサンジオールおよび1,2-オクタンジオールおよびまた任意の1,2-ペンタンジオールおよび/または1,2-デカンジオール、およびまた(b) ヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)を含む、本発明の混合物である。これらが特に高い効果の増強作用を持つという理由から、このような混合物は、特にアスペルギルスニガー(Aspergillus niger)を撲滅するために、本発明の混合物の低い用量においてさえも適したものである。アスペルギルスニガー(Aspergillus niger)の細菌数を完全に減少させるためには、(a) 1,2-ヘキサンジオールおよび1,2-オクタンジオールおよびまた任意の1,2-ペンタンジオールおよび/または1,2-デカンジオールを含む混合物に、低割合のIPBC、例えば該(a)成分部分に対して、2〜10質量%なる範囲、例えば単に5質量%のIPBCを添加する必要があるに過ぎない。1,2-ヘキサンジオールおよび1,2-オクタンジオールおよびまた任意の1,2-ペンタンジオールおよび/または1,2-デカンジオールの使用量が、0.4質量%である場合において、この量は、例えば最終製品の全質量に対して、各例において、丁度0.02質量%以下のIPBCの量に相当する。
【0011】
好ましくは、本発明に従って使用すべき1,2-アルカンジオールの全質量に対する、1,2-ヘキサンジオールおよび1,2-オクタンジオールの割合は、各例において、10〜90質量%なる範囲内にあるが、好ましくは各例において、20〜80質量%なる範囲内にある。
本発明による混合物は、腐敗し易い製品、例えば化粧料製品、医薬製品または食料品等の保存にとって適しているだけでなく、このものが相乗的に強化された抗-微生物的効力を持つという理由から、以下のような目的のために使用することもできる:
(a) 体臭の原因となる微生物の、化粧学的な処理のため、
(b) アクネを引起す微生物の、化粧学的な処理のため、
(c) 真菌症を引起す微生物の、化粧学的な処理のため、および
(d) 無生物上またはその内部の微生物の処理のため。
【0012】
本発明による混合物は、多数のグラム陽性細菌、グラム陰性細菌、糸状菌としての真菌および酵母に関して、その相乗的な効果を示す。グラム陰性細菌、例えば大腸菌(Escherichia coli)および緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)との関連において、酵母、例えばカンジダアルビカンス(Candida albicans)との関連において、および正確には、既に述べたように、真菌、例えばアスペルギルスニガー(Aspergillus niger)との関連において、特に良好な効果がある。これに関連して、本発明による混合物の極めて良好な効力は、撲滅することが極めて困難である可能性のある、アスペルギルスニガー(Aspergillus niger)、即ち糸状菌である真菌との関連において、特に有利であるものと考えられる。
【0013】
本発明は、また(a) 1,2-ヘキサンジオールおよび1,2-オクタンジオールおよびまた任意の1,2-ペンタンジオールおよび/または1,2-デカンジオール、およびまた(b) 1、2またはそれ以上の、ソルビン酸カリウム、パラベンおよびヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)からなる群から選択される物質を含む、もしくはこれら成分からなる混合物の、抗菌活性物質の混合物としての使用にも関連する。
更に、本発明は、細菌、特に(a) 体臭の原因となる微生物、(b) アクネの原因となる微生物、および/または(c) 真菌症の原因となる微生物を、化粧学的および/または治療学的に処置するための適当な方法にも関連し、この方法は、本発明による混合物を、その抗-微生物的に有効な量にて、局所的に適用する工程を含み、該混合物中の該ジオールの割合は、その抗-微生物的効果を、相乗的に増強するように調節される。
【0014】
本発明の方法の好ましい構成は、上で明らかにされた本発明による使用の、好ましい構成に相当する。
該アルカンジオールの量は、典型的には、該化粧料組成物の全質量を基準として、0.1〜10%なる範囲、好ましくは0.4〜5.0%なる範囲である。
キレート剤の量は、典型的には、該化粧料組成物の全質量を基準として、0.01〜1%なる範囲、好ましくは0.1〜0.5%なる範囲である。
セスキテルペンの量は、典型的には、該化粧料組成物の全質量を基準として、0.01〜1%なる範囲、好ましくは0.1〜0.5%なる範囲である。
トロポロン化合物の量は、典型的には、該化粧料組成物の全質量を基準として、0.0001〜10%なる範囲、好ましくは0.01〜4%なる範囲である。
特に、ソルビン酸カリウムの量は、一般的に該化粧料組成物の全質量を基準として、0.01〜0.6%なる範囲、好ましくは0.05〜0.4%なる範囲、特に好ましくは0.1〜0.2%なる範囲である。
【0015】
任意の一種のパラベンの最大量は、0.4%であり、またパラベンの任意の混合物の最大量は、0.8%である。好ましくは、パラベンの量は、該化粧料組成物の全質量を基準として、0.01〜0.4%なる範囲、より好ましくは0.05〜0.3%なる範囲、特に好ましくは0.1〜0.2%なる範囲である。
様々な保存剤の組合せを使用する場合において、制限は、個々の所望の製品(局所的に適用される組成物、食品製品等)に依存して、一般的にヒトの許容度(発疹、過敏状態、炎症)に基くものである。
ヒトの皮膚には、既に上に名前を挙げた微生物並びにその他のものを包含する、多数の異なる微生物が棲息している。これら微生物の殆どは、非-病原性であり、皮膚の生理的な状態およびその臭気とは無関係である。他方で、その他のものは、皮膚の健康状態に決定的な影響を与える可能性がある。
【0016】
幾つかの研究が、既に明らかにしているように、本発明の相乗的に有効な混合物は、既に上に記載した細菌との関連のみならず、スタフィロコッカスエピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)、コリネバクテリウムキセロシス(Corynebacterium xerosis)、ブレビバクテリウムエピデルミディス(Brevibacterium epidermidis)、プロピオニバクテリウムアクネス(Propionibacterium acnes)との関連において、およびまたトリコフィトン(Trichophyton)およびエピデルモフィトン(Epidermophyton)種との関連においても、高度に有効であって、結果的に腋の下の臭気、および足の臭気または一般的な体臭の、治療(撲滅)用の薬剤として、アクネの撲滅剤として、フケ防止剤として、および真菌症(特に、皮膚真菌症)の治療用薬剤として使用することも可能である。
本発明の範囲内において用語「処置(治療)」とは、問題とする微生物に影響を及ぼす任意の型を意味し、その際に、これら微生物の増殖は阻害され、および/または該微生物は殺される。
【0017】
食料品または化粧料または医薬製剤において保存剤または抗菌活性物質として使用する場合における、本発明による該混合物の使用濃度は、好ましくは0.01〜30質量%なる範囲内にあるが、特に好ましくは0.1〜5質量%なる範囲内にあり、各例において、基準は、該食料品または製剤の全質量である。該食料品または製剤は、更に公知の更なる成分を含み、これら成分については、以下を参照のこと。本発明による混合物において、本発明に従って使用すべき、(a) 1,2-ジオールおよび/または(b) 保存剤の各割合は、別々に考察して、これら物質の利用できる全量が、該全体としての混合物の抗-微生物活性を得る上で十分に高い場合には、その抗-微生物的に有効な量以下であり得る。このことは、特にアスペルギルスニガー(Aspergillus niger)に関連する活性に関して成立する。
【0018】
(a) 体臭の原因となる微生物、(b) アクネの原因となる微生物、および/または(c) 真菌症の原因となる微生物を、化粧学的および/または治療学的に処置するための、本発明の好ましい方法において、本発明による該相乗的に有効な混合物の使用濃度は、また0.01〜30質量%なる範囲、および特に好ましくは0.1〜5質量%なる範囲にあり、何れの例においても、基準は、該混合物を含む化粧料または医薬製品の全質量である。
この点に関連して、該相乗的に有効な混合物は、(a) 予防的目的での用途または(b) 必要な場合における用途を見出すことができる。
例えば、毎日使用される活性物質の量、または濃度は、変えることができ、またテストされる対象の生理的な状態に、また個々の特有のパラメータ、例えば年齢または体重等に依存する。本発明による該相乗的に有効な混合物は、それ自体として、または更なる抗-微生物的に活性な物質との組合せとしての用途を見出すことができる。
【0019】
本発明の範囲内において、本発明に従って使用すべき該1,2-アルカンジオールは、適当な2S-配置のエナンチオマーおよび2R-配置のエナンチオマー両者として存在することができ、またこれら2S-配置および2R-配置を持つエナンチオマーの任意の混合物として存在し得るという事実に注意を払うべきである。工業的な理由から、本発明に従って微生物を撲滅する目的で使用すべき、これら各1,2-アルカンジオールに関して、そのラセミ体混合物を使用することが、これらが特に容易に合成できることから、とりわけ有利であるが、純粋なエナンチオマーまたはこれらエナンチオマーの非-ラセミ体混合物も、本発明の目的にとって適している。
本発明による更なる使用/方法および混合物/組成物は、以下の実施の態様および添付した特許請求の範囲から推定することができる。
【0020】
特に体臭の原因となる微生物に対して使用する限りにおいて、本発明による混合物を含む組成物は、一般に溶液、クリーム、ローション、ゲル、スプレー等として、局所的に適用される。他の目的にとって、多くの場合において、経口(錠剤、カプセル剤、散剤、滴剤)、静脈内、眼内、腹腔内、または筋肉内適用、または含浸包帯剤としての適用が、理にかなった実用的なものである。
本発明による該混合物は、市販できる化粧料または皮膚科学的な処方物、例えば特にポンプスプレー、エーロゾルスプレー、クリーム、軟膏、チンキ剤、ローション、ネイルケア製品(例えば、ネイルワニス、ネイルワニスリムーバ、ネイルバルサム剤)等に、簡単に配合することができる。この点に関連して、本発明による相乗的な混合物と、更なる活性物質、例えば他の抗-微生物的、抗-真菌的または抗-ウイルス的に活性な物質と組合わせることも可能であり、また幾つかの場合においては有利でもある。この点に関連して、本発明による該相乗的混合物を含有する化粧学的および/または皮膚科学的/角質科学的処方物は、通常の如く構成することができ、また皮膚科学的な処置ラインに沿って、あるいは整髪化粧品の分野における処置ラインに沿って、皮膚および/または毛髪を処置するのに役立つ。しかし、これらは、また装飾用の化粧品の分野におけるメイクアップ製品において使用することもできる。
【0021】
本発明による組成物を、有機物質保存用の活性物質として使用する場合には、更に一種の保存剤または更に数種の保存剤を使用することが有利であり得る。この点に関連して、好ましくは、安息香酸、そのエステルおよび塩、プロピオン酸およびその塩、サリチル酸およびその塩、ホルムアルデヒドおよびパラホルムアルデヒド、2-ヒドロキシビフェニルエーテルおよびその塩、2-亜鉛スルフィドピリジン-N-オキシド、無機亜硫酸塩および重亜硫酸塩、ヨウ素酸ナトリウム、クロロブタノール、4-エチル水銀(II)-5-アミノ-1,3-ビス(2-ヒドロキシ安息香酸)、その塩およびエステル、デヒドロ酢酸、蟻酸、1,6-ビス(4-アミジノ-2-ブロモフェノキシ)-n-ヘキサンおよびその塩、エチル水銀(II)-チオサリチル酸のナトリウム塩、フェニル水銀およびその塩、10-ウンデシレン酸およびその塩、5-アミノ-1,3-ビス(2-エチルヘキシル)-5-メチルヘキサヒドロピリミジン、5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン、2-ブロモ-2-ニトロ-1,3-プロパンジオール、2,4-ジクロロベンジルアルコール、N-(4-クロロフェニル)-N'-(3,4-ジクロロフェニル)ウレア、4-クロロ-m-クレゾール、2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール、1,1'-メチレン-ビス(3-(1-ヒドロキシメチル-2,4-ジオキシイミダゾリジン-5-イル)ウレア)、ポリ(ヘキサメチレンビグアニド)塩酸塩、2-フェノキシエタノール、ヘキサメチレンテトラミン、1-(3-クロロアリル)-3,5,7-トリアザ-1-アゾニアアダマンタンクロリド、1-(4-クロロフェノキシ)-1-(1H-イミダゾール-1-イル)-3,3-ジメチル-2-ブタノン、1,3-ビス(ヒドロキシメチル)-5,5-ジメチル-2,4-イミダゾリジンジオン、ベンジルアルコール、オクトピロックス(Octopirox)、1,2-ジブロモ-2,4-ジシアノブタン、2,2'-メチレン-ビス(6-ブロモ-4-クロロフェノール)、ブロモクロロフェン、5-クロロ-2-メチル-3(2H)-イソチアゾリノンおよび2-メチル-3(2H)-イソチアゾリノンと、塩化マグネシウムおよび硝酸マグネシウムとの混合物、2-ベンジル-4-クロロフェノール、2-クロロアセタミド、クロルヘキシジン、クロルヘキシジンアセテート、クロルヘキシジングルコネート、クロルヘキシジン塩酸塩、1-フェノキシプロパン-2-オール、N-アルキル(C12-C22)トリメチルアンモニウムブロミドおよびクロリド、4,4-ジメチル-1,3-オキサゾリジン、N-ヒドロキシメチル-N-(1,3-ジ(ヒドロキシメチル)-2,5-ジオキソイミダゾリジン-4-イル)-N'-ヒドロキシメチルウレア、1,6-ビス(4-アミジノフェノキシ)-n-ヘキサンおよびその塩、グルタルアルデヒド、5-エチル-1-アザ-3,7-ジオキサビシクロ(3.3.0)オクタン、3-(4-クロロフェノキシ)-1,2-プロパンジオール、ハイアミン(Hyamine)、アルキル(C8-C18)-ジメチルベンジルアンモニウムクロリド、アルキル(C8-C18)-ジメチルベンジルアンモニウムブロミド、アルキル(C8-C18)-ジメチルベンジルアンモニウムサッカリネート、ベンジルヘミホルマール、ヒドロキシメチルアミノ酢酸ナトリウムまたはヒドロキシメチルアミノ酢酸ナトリウム、が挙げられる。
【0022】
本発明の混合物を、動物の生体上またはその内部における、望ましからぬ微生物の増殖を阻止するために、主として用いる場合、ここでも、更なる抗菌的または抗-真菌的に活性な物質との組合せが、多くの場合において有利である。この点において、古典的な多くの抗生物質の群に加えて、更なる活性物質として述べておく価値のあるものは、特に化粧料に関連する物質であり、例えばトリクロサン、クリンバゾール(climbazole)、オクトキシグリセリン、オクトピロックス(Octopirox;1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)-2(1H)-ピリドン、2-アミノエタノール)、キトサン、ファルネソール、グリセロールモノラウレート、またはこれら列挙した物質の組合せであり、これらは、特に腋窩臭、足の臭いまたは落屑防止のために使用される。
【0023】
本発明の混合物は、特に化粧料製剤において、例えば以下に列挙するような補助的な物質と組合わせることが有利であり得る:
更なる保存剤、更なる抗菌性薬剤、例えば更なる抗菌剤または殺真菌剤、研磨剤、抗-アクネ剤、皮膚の老化防止剤、抗-フレグモーネ剤、フケ防止剤、抗-炎症剤、過敏症予防剤、過敏症阻害剤、酸化防止剤、アストリンゼント、制汗薬、防腐剤、バインダ、バッファー、賦形性物質、キレート剤、細胞刺激剤、清浄化剤、整髪剤、脱毛クリーム、界面活性物質、脱臭剤、発汗防止剤、エモリエント、乳化剤、酵素、精油、繊維、フィルム形成剤、定着剤、発泡剤、泡安定剤、発泡防止物質、増泡剤、ゲル化剤、ゲル生成剤、毛髪手当て剤、毛髪デフォーミング(deforming)剤、毛髪平滑化剤、水分付与剤、保湿性物質、水分保持剤、漂白剤、糊付け(starching)剤、染色維持剤、蛍光増白剤、含浸剤、汚れ防止剤、磨耗低下剤、潤滑剤、保湿クリーム、軟膏剤、不透明化剤、可塑剤、被覆剤、研磨剤、光沢付与剤、ポリマー、粉末、タンパク質、リグリーシング(regreasing)剤、摩損剤、シリコーン、皮膚-鎮静化剤、皮膚清浄化剤、皮膚手当て剤、皮膚治癒剤、皮膚白化(skin-lightening)剤、皮膚保護剤、皮膚柔軟化剤、冷却剤、皮膚冷却剤、加温剤、皮膚-加温剤、安定剤、UV-吸収剤、UVフィルタ、洗浄剤、柔軟化剤、懸濁剤、皮膚日焼け剤、増粘剤、ビタミン、オイル、ワックス、脂肪、リン脂質、飽和脂肪酸、モノ-不飽和またはポリ-不飽和脂肪酸、α-ヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ脂肪酸、液化剤、色素、塗料保護剤、顔料、防食剤、芳香剤、香味物質、芳香放出性物質、ポリオール、界面活性剤、電解質、有機溶媒またはシリコーン誘導体。
【0024】
更に、本発明による該混合物は、また特に有利には、体臭を排除する目的で、制汗的活性物質(発刊防止剤)との組合せで使用することができる。アルミニウム塩、例えば塩化アルミニウム、アルミニウム塩酸塩、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム等は、特に制汗的活性物質としての用途が見出される。しかし、これらに加えて、亜鉛化合物、マグネシウム化合物およびジルコニウム化合物の使用も、有利であり得る。化粧科学的および皮膚科学的発汗防止剤における実際的な使用のためには、実質的に、該アルミニウム塩および、幾分低い程度に、アルミニウム/ジルコニウム塩の組合せが、価値あるものであることが立証されている。これらに加えて述べておく価値のあるものは、部分的に中和され、および結果的に皮膚に対してより相溶性であるが、極めて効果的であるという訳ではない、アルミニウムヒドロキシクロリドである。
【0025】
本発明による該混合物を、表面(例えば、ヒトの身体または動物の身体)の抗-微生物処理のために使用する場合には、多くの場合において、(金属)キレート剤との組合せが、有利である。この点に関連して優先的に使用される、該(金属)キレート剤は、特にα-ヒドロキシ脂肪酸、フィチン酸(phytinic acid)、ラクトフェリン、α-ヒドロキシ酸、例えば特にクエン酸、乳酸およびリンゴ酸、およびまたフミン酸、胆汁酸、胆汁抽出液、ビリルビン、ビリベルジンまたはEDTA、EGTAおよびこれらの誘導体である。
実際の使用のためには、化粧学的におよび/または皮膚科学的に有効な、本発明による混合物を、皮膚および/または毛髪に、化粧品および皮膚用処置剤(dermatics)に関して公知の方法で、十分な量にて適用する。この点に関連して特に有利なものは、本発明による混合物を含み、かつ付随的にサンスクリーン剤としても機能する、化粧学的および皮膚科学的製剤によって与えられる。これらの製剤は、有利には少なくとも1種のUVAフィルタおよび/または少なくとも1種のUVBフィルタおよび/または少なくとも1種の無機顔料を含む。この場合において、該製剤は、例えばサンスクリーン製剤について従来使用されているもの等の、様々な形状で存在し得る。即ち、これらは、例えば溶液、油中水(W/O)型の、または水中油(O/W)型のエマルション、あるいは複合エマルション、例えば水中油中水(W/O/W)型エマルション、ゲル、ハイドロディスパージョン(hydro-dispersion)、固体スティックまたはエーロゾルであってもよい。
【0026】
上記の如く、本発明による混合物を含む製剤は、有利にはUV輻射を吸収する物質と組合わせることができ、このフィルタ物質の全量を、該製剤の全質量に対して、例えば0.01〜40質量%なる範囲内、好ましくは0.1〜10質量%なる範囲内、特に1.0〜5.0質量%なる範囲内の値として、得られる化粧学的製剤が、紫外線輻射から毛髪または皮膚を防御することを可能とする。
皮膚の局所的予防または化粧学的処置のための、本発明の混合物を含む処方物においては、高率での整髪物質の使用が、通常有利である。好ましい態様では、この組成物は、1またはそれ以上の整髪用、動物性および/または植物性の油脂、例えばオリーブ油、ヒマワリ油、精製大豆油、パーム油、ゴマ油、菜種油、アーモンド油、ルリジサ油、月見草油、コプラ油、シア脂、ホホバ油、末香鯨油、牛脂、牛脚油、およびラード等を包含し、また任意に更に整髪構成成分、例えば炭素原子数8-30の脂肪アルコールを含む。
【0027】
本発明による該相乗性混合物と、有利に組合わせることのできる整髪物質は、更に以下に列挙するものを包含する:
・セラミド、この「セラミド」なる用語は、N-アシルスフィンゴシン(スフィンゴシンの脂肪酸アミド)またはこのような脂質の合成類似体(所謂擬似セラミド)を意味するものと理解され、これらは角質層の水分保持能力を明らかに改善する;
・リン脂質、例えば大豆レシチン、卵レシチンおよびセファリン;
・ワセリン、パラフィン油およびシリコーン油、後者は、特にジアルキルアリールシロキサンおよびアルキルアリールシロキサン、例えばジメチルポリシロキサンおよびメチルフェニルポリシロキサンおよびまたこれらのアルコキシル化または四級化誘導体。
酸化防止剤をも含むことができ、この場合、化粧学的なおよび/または皮膚科学的な用途にとって適した、または一般的な、あらゆる酸化防止剤を使用することができる。
【0028】
本発明による混合物を含有する化粧料製剤は、また様々なビタミンおよびビタミンプリカーサを含むことができ、この場合においては、化粧学的なおよび/または皮膚科学的な用途にとって適した、または一般的な、あらゆるビタミンおよびビタミンプリカーサを使用することができる。ここで述べる価値のあるものは、特にビタミンおよびビタミンプリカーサ、例えばトコフェロール、ビタミンA、ニコチン酸およびニコチンアミド、更なるB-複合体ビタミン、特にビオチンおよびビタミンC、パンテノールおよびその誘導体、特にパンテノールのエステルおよびエーテル並びにカチオン性の誘導体化パンテノール、例えばパンテノールトリアセテート、パンテノールモノエチルエーテルおよびそのモノアセテート、およびまたカチオン性パンテノール誘導体である。
本発明による混合物を含有する化粧料調剤は、また抗-炎症剤または抗-赤班性または止痒性活性物質をも含むことができる。この点に関連して、化粧学的なおよび/または皮膚科学的な用途にとって適した、または一般的な、あらゆる抗-炎症剤または抗-赤班性または止痒性活性物質を使用することができる。
【0029】
本発明による混合物を含有する化粧料製剤は、更に皮膚の高度の白化または皮膚の日焼け作用を持つ活性物質をも含むことができる。この点に関連して、本発明によれば、化粧学的なおよび/または皮膚科学的な用途にとって適した、または一般的な、あらゆる皮膚の高度の白化または皮膚の日焼け作用を持つ活性物質を使用することができる。
更に、本発明による混合物を含有する化粧料製剤は、特に結晶性または微晶質固体、例えば無機質微細顔料を、該製剤に配合しようとする場合には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性および/または両性界面活性剤をも含むことができる。
【実施例】
【0030】
本発明を、以下の実施例に基いて、以下において更に詳細に説明されるであろう。特に述べない限り、数値は質量基準である。
実施例:(i) 1,2-ヘキサンジオールおよび1,2-オクタンジオールからなる混合物と、(ii) 本発明の混合物との、十分な保存性に関するテストにおける比較
十分な保存性に関するテストを、ヨーロピアンファルマコペイア(European Pharmacopoeia)に従って実施した。
即ち、このテストは、可能ならば最終的な比率を持つ製剤を、適当な微生物を含む規定の接種物で汚染させる工程と、この接種された製剤を、所定の温度にて保存する工程と、所定の時間間隔にて、該容器からサンプルを採取する工程と、このようにして採取したサンプル中の、微生物の数を決定する工程からなる。このテスト条件下で、規定期間、規定温度にて保存した後の、該接種を受けた製剤における生菌数の明確な減少、または適当な場合には全く増加を示さなかった場合には、保存性は十分である。このテスト手順の実験的な詳細は、ヨーロピアンファルマコペイア(ISBN 3-7692-2768-9;第3版の追録 2001, pp. 412-422, 第5.1.3章)に記載されている。
【0031】
テストした菌:
以下の微生物株を、十分な保存性を検査するためのテストについて使用した:
A: 大腸菌(Escherichia coli) ATCC 8739;
B: 緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa) ATCC 9027;
C: スタフィロコッカスオーレウス(Staphylococcus aureus) ATCC 6538;
D: カンジダアルビカンス(Candida albicans) ATCC 10231;
E: アスペルギルスニガー(Aspergillus niger) ATCC 16404。
【0032】
一連の異なるテスト群における、最初の生菌数(CFU/g;「0値」)は、250,000〜320,000なる範囲内にあった。
処方
十分な保存性を検査するためのテストに関連して、本発明による混合物(活性物質の組合せB〜D、以下の説明参照)は、各例において規定された量にて、別々のO/W型エマルションに配合した。比較の目的で、1,2-ヘキサンジオールと1,2-オクタンジオールとの混合物(活性物質A)は、別のO/W型エマルションに配合した。
使用した該O/W型エマルション:
【0033】
【表1】

pH値:5.5
【0034】
結果
本発明の混合物および標準系:1,2-ヘキサンジオール/1,2-オクタンジオール(活性物質A;以下の表A)からなる、検討した活性物質の組合せに関連する、上記保存-負荷テストの結果を、以下の表A〜Dに示す。ここでは、本発明の混合物の相乗効果は、特に28日後にも残存するアスペルギルスニガー(Aspergillus niger)に関する残留生菌数で示される。表B〜Dから明らかな如く、工業的製品に関して特に問題となる菌である、アスペルギルスニガー(Aspergillus niger)の場合には、本発明の混合物を使用することによって、28日以内に、生菌数を0まで減じることができた。他方において、比較の目的で、用量0.5質量%にてテストした活性物質A(1,2-ヘキサンジオール+1,2-オクタンジオール;定量的比:1:1)は、アスペルギルスニガー(Aspergillus niger)の場合において、コロニー形成単位(CFU)の数値におけるこのような大幅な低下を可能としなかった。この一連のテストは、結果として(a) 1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオールおよび任意の1,2-ペンタンジオールおよび/または1,2-デカンジオール、および(b) ソルビン酸カリウム、パラベンおよびIPBCからなる群から選択される更なる保存剤からなる、活性物質の混合物が、相乗的な、更に一層改善された効果を持つことができることを、典型的な様式で示している。
【0035】
表A〜D:(i) 1,2-ヘキサンジオールおよび1,2-オクタンジオール(基準)からなる活性物質の組合せAおよび(ii) 強化された相乗効果を持つ本発明による混合物(活性物質の組合せB〜D)に関する、十分な保存性に関するテスト;[CFU/ml]。
【0036】
【表2】

【0037】
【表3】

【0038】
【表4】










【0039】
【表5】

【0040】
本発明による活性物質の組合せの効能の、上記相乗的な増強は、またクルス(Kull's)の式によって得られるデータに基いて、証拠付けすることもできる(F.C. Kull等, Applied Microbiology, 1961, 9:538-541; David C. Steinberg; Cosmetics & Toiletries, 2000 (11月), 115(No.11):59-62)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a) 1,2-ヘキサンジオールおよび1,2-オクタンジオールおよびまた任意の1,2-ペンタンジオールおよび/または1,2-デカンジオール、およびまた
(b) 1、2またはそれ以上の、ソルビン酸カリウム、パラベンおよびヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)からなる群から選択される物質、
を含む、またはこれら成分からなる抗菌性混合物。
【請求項2】
化粧料製剤または医薬製剤または食料品であって、
(a) 1,2-ヘキサンジオールおよび1,2-オクタンジオールおよびまた任意の1,2-ペンタンジオールおよび/または1,2-デカンジオール、およびまた
(b) 1、2またはそれ以上の、ソルビン酸カリウム、パラベンおよびヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)からなる群から選択される物質、およびまた
(c) 更に、公知の成分、
を含み、該群(a)および(b)に関連する物質の全量が、該製剤または該食料品の全質量に対して、0.01〜30質量%なる範囲内にあることを特徴とする、上記化粧料製剤または医薬製剤または食料品。
【請求項3】
該使用する1,2-ヘキサンジオールおよび1,2-オクタンジオールおよびまた任意の1,2-ペンタンジオールおよび/または1,2-デカンジオールの全質量に対して、2〜10質量%なる範囲の割合で、IPBCを含有する、請求項1記載の抗菌性混合物または請求項2記載の製剤または食料品。
【請求項4】
(a) 1,2-ヘキサンジオールおよび1,2-オクタンジオールおよびまた任意の1,2-ペンタンジオールおよび/または1,2-デカンジオール、およびまた
(b) 1、2またはそれ以上の、ソルビン酸カリウム、パラベンおよびヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)からなる群から選択される物質、
を含み、各例において別々に考察して、該群(a)に関する物質の量および/または該群(b)に関連する物質の量が、抗-微生物的に有効ではないが、該群(a)および(b)に関連する物質の全量が、抗-微生物的に有効であることを特徴とする、請求項1または3記載の混合物または請求項2または3記載の製剤または食料品。
【請求項5】
(a) 1,2-ヘキサンジオールおよび1,2-オクタンジオールおよびまた任意の1,2-ペンタンジオールおよび/または1,2-デカンジオール、およびまた
(b) 1、2またはそれ以上の、ソルビン酸カリウム、パラベンおよびヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)からなる群から選択される物質、
を含む、もしくはこれら成分からなる混合物の、抗菌活性物質の混合物としての使用。
【請求項6】
以下の工程を含むことを特徴とする、腐敗し易い製品を保存し、またはこれを抗-微生物処理する方法:
抗-微生物的に有効な量、好ましくはアスペルギルスニガー(Aspergillus niger)に対して有効な量の、以下に列挙する成分:
(a) 1,2-ヘキサンジオールおよび1,2-オクタンジオールおよびまた任意の1,2-ペンタンジオールおよび/または1,2-デカンジオール、およびまた
(b) 1、2またはそれ以上の、ソルビン酸カリウム、パラベンおよびヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)からなる群から選択される物質、
を含む、またはこれら成分からなる混合物と、該腐敗し易い製品とを接触させる工程。
【請求項7】
(i) 体臭の原因となる微生物、
(ii) アクネの原因となる微生物、および/または
(iii) 真菌症の原因となる微生物、
の化粧学的および/または治療学的処置のための方法であって、以下の成分:
(a) 1,2-ヘキサンジオールおよび1,2-オクタンジオールおよびまた任意の1,2-ペンタンジオールおよび/または1,2-デカンジオール、およびまた
(b) 1、2またはそれ以上の、ソルビン酸カリウム、パラベンおよびヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)からなる群から選択される物質、
を含む混合物、またはこれら成分からなる混合物の、抗-微生物的に有効な量を、局所的に適用する工程を含むことを特徴とする、上記方法。

【公表番号】特表2008−517037(P2008−517037A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−537278(P2007−537278)
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【国際出願番号】PCT/EP2005/055404
【国際公開番号】WO2006/045743
【国際公開日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【出願人】(503236223)シムライズ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンジツト・ゲゼルシヤフト (51)
【Fターム(参考)】