説明

2本の光ファイバー間のスプライス接続部及びこの種のスプライス接続部を作製する方法

本発明は、2本の光ファイバー間のスプライス接続部であって、2本の光ファイバーがそれぞれファイバーコア4とファイバーコア4に当接しているファイバークラッド5とを有する、2本の光ファイバー間のスプライス接続に関する。上記接続において、2本のファイバー2、3の少なくとも一方のファイバークラッド5は、ファイバー2、3の長手方向にファイバーそれぞれのスプライス端部9、11から所定の長さにわたって延びている接続領域8、10において完全に取り除かれ、上記接続には支持スリーブ12が設けられ、支持スリーブ12には2本のファイバー2、3のスプライス端部9、11が配置され、支持スリーブは少なくとも第1のファイバー2の接続領域全体に沿って接続領域を越え、第1のファイバー2のファイバークラッド5を超えて延びる。第1のファイバー2のファイバークラッド5を超えて延びる支持スリーブ12のセクション16は、第1のファイバー2のファイバークラッド5に当接せず、上記スリーブは上記第1のファイバー2の接続領域8、10において第1のファイバーのファイバーコア4に直接、又は中間スリーブ20、21、22、23、31によって、機械的に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2本の光ファイバー間のスプライス接合部であって、2本の光ファイバーがそれぞれファイバーコアとファイバーコアに隣接して位置するファイバーシースとを有する、2本の光ファイバー間のスプライス接合部に関する。さらに、本発明は、そのようなスプライス接合部を作製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ファイバーが高ビーム品質を有する高い光出力を導くように設計される場合、不整合及び曲げに対する感度が高くなるという難点があり、その結果、不都合なことに、例えばファイバーコア内で導波される光の損失の増大が生じる可能性、及び/又は、ファイバーコア内で導かれる異なるモード間における望ましくない結合が生じる可能性がある。
【0003】
さらに、継ぎ合わせ(splice)作業中に、継ぎ合わされるべき端部の領域において行われる高エネルギーの供給により、ファイバーの導波特性の変化が生じる可能性があり、そのため、結果としてこの領域内に、例えば導波された放射の一部の所望でない出力結合(coupling-out)が生じる。この結果、多くの場合にポリマー保護シースとして実現されるファイバーシースに、許容不可能な高い熱負荷が生じる可能性がある。ファイバーコアが内部信号コアと内部信号コアを包囲するポンプコアとを有する2芯ファイバーの場合、内部信号コアから結合された放射をポンプコア内で長距離にわたって伝播することができる。しかしながら、所望のビーム品質を達成するには、多くの場合、内部信号コアからの放射だけが全ファイバー行程(fibre run)の端部に出る必要があるため、ポンプコア内で導波された放射はビーム品質を損ねる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記から、本発明の目的は、2本の光ファイバー間の改良型スプライス接合部を提供することである。さらに、そのようなスプライス接合部を作製するのに対応する方法も提供されるものとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、本発明に従って、2本の光ファイバー間のスプライス接合部であって、2本の光ファイバーはそれぞれ、ファイバーコアとファイバーコアに隣接して位置するファイバーシースとを有し、2本のファイバーの少なくとも第1のファイバーについて、ファイバーシースは、ファイバーの長手方向にファイバーそれぞれのスプライス端部から所定の長さに沿って延びている接続領域において完全に取り除かれ、支持スリーブが設けられ、支持スリーブには2本のファイバーのスプライス端部が配置され、支持スリーブは、少なくとも第1のファイバーの接続領域全体に沿って接続領域を越え、第1のファイバーのファイバーシースを超えて延び、第1のファイバーのファイバーシースを超えて延びる支持スリーブの部分は、第1のファイバーのファイバーシースに隣接して位置せず、第1のファイバーの接続領域において、第1のファイバーのファイバーコアに直接、又は中間スリーブを介して、機械的に接続される、スプライス接合部によって達成される。
【0006】
支持スリーブと第1のファイバーのファイバーコアとの機械的な接触により、スプライス接合部の機械的な安定化を達成することが可能となり、それによって、第1のファイバーのファイバーコアの所望でない曲げが防止される。さらに、支持スリーブは、第1のファイバーのシースを超えて延びているため、スプライス接合部を汚染から保護することもできる。さらに、本発明によるスプライス接合部の場合、支持スリーブがファイバーシース自体に隣接して位置せず、ファイバーシースに接続される必要もないため、ファイバーシースはスプライス接合部の実現にあたり熱負荷を受けない。
【0007】
光ファイバーのシースはここでは特に、ファイバーのうち、熱負荷を受ける可能性がなく、したがってファイバー端部同士が継ぎ合わされる前にファイバーから取り除かれる部分を指す。ゆえに、本発明の意味では、シースは特に、光ファイバーの保護シースである。この場合、ファイバーのコアは特にファイバーの残りの部分である。ファイバーコアは特に、光を導波するように働き、求められる光導波機能を達成するために様々なやり方で構成することができる。ファイバーは一般的に、信号導波コア(例えばガラス材料製)、及びコアを包囲すると共に信号コア内での光の導波を確実にするガラス材料製シースを含む。2芯ファイバーの場合、この場合のシースは例えば、いわゆるポンプ光がこのシース内で導波される、いわゆるポンプコアを構成する。したがって、ここではファイバーコアは特に、光ファイバーのうち保護シースが取り除かれたときに残る部分を指し、このファイバーコアは一般的に、異なるドーピング及び適切であれば内含空隙も有するガラス材料からなる。
【0008】
単芯ファイバーの場合、単芯ファイバーのコア及び単芯ファイバーのシースはここでは、本発明の意味内におけるファイバーコアであり、シースは本発明の意味内における単芯ファイバーの保護シースである。
【0009】
2芯ファイバーの場合、例えば、コア及びいわゆるクラッドは本発明の意味内におけるコアを構成し、2芯ファイバーのシースは本発明の意味内におけるシースである。明らかに、クラッドも取り除かれることになる場合があるであろう。この場合、2芯ファイバーのクラッド及びシースは本発明の意味内におけるシースを構成し、2芯ファイバーのコアは本発明の意味内におけるコアである。同じことが、例えば3芯若しくは4芯を有するファイバー又は少なくとも1つのコア及び1つのシースを有する他のファイバーにも当てはまる。
【0010】
特に、ファイバーコアは、例えばガラス製であり、通常は光又は電磁放射線を導波するファイバーの部分を指す。この場合における電磁放射線は特に、可視スペクトル(例えば380nm〜780nm)及び隣接する赤外電磁スペクトル(780nm〜2500nm)の電磁放射線である。
【0011】
支持スリーブは好ましくは、曲げ及びねじれに対する所望の保護を与える剛性すなわち堅い支持スリーブとして実現される。
【0012】
保護スリーブは、ファイバーコアと同じ材料から作製することができる。特に、保護スリーブは石英ガラスから作製することができる。
【0013】
支持スリーブと、中間スリーブ又はファイバーコアとの機械的な接続は特に、形状ロック及び/又は材料結合による接続である。同じことが、中間スリーブとファイバーコアとの接続にも当てはまる。
【0014】
機械的な接続は特に、局部的な熱供給によりもたらすことができる。特に、この目的のためにレーザー放射線を用いることができ、それによって支持スリーブ又は中間スリーブがファイバーコア上に融着される。
【0015】
本発明によるスプライス接合部の場合、第1のファイバーファイバーシースを越えて延びる支持スリーブの部分は、場合によって提供される端面シールを別として、ファイバーシースに機械的に接続されないようにすることができる。これにより、この部分における熱供給が必要とされないという利点が達成され、その結果、ファイバーシースへの熱的損傷を防止することができる。端面シールは、特にファイバーシースの材料と同じ材料(例えば高分子材料)から作製することができる。
【0016】
機械的な接続のある領域において、支持スリーブは、第1のファイバーのファイバーシースを越えて延びる部分の内径よりも小さな内径を有することができる。したがって、支持スリーブは変化する内径を有することができる。特に、支持スリーブの肉厚は一定である。しかしながら、支持スリーブの肉厚は支持スリーブの長手方向に沿って様々とすることもできる。
【0017】
本発明によるスプライス接合部の場合、ファイバーシースは、ファイバーの双方について、接続領域のそれぞれにおいて完全に取り除くことができ、支持スリーブは、第2のファイバーの接続領域全体に沿って接続領域を越え、第2のファイバーのファイバーシースを超えて延び、その場合、第2のファイバーのファイバーシースを超えて延びる、支持スリーブの部分は、第2のファイバーのファイバーシースに隣接して位置しない。このような支持スリーブによって、スプライス接合部の優れた機械的な安定性が確保される。さらに、スプライス接合部を汚染に対して十分に保護することができる。
【0018】
第2のファイバーの接続領域において、支持スリーブは、第2のファイバーのファイバーコアに直接、又は中間スリーブを介して機械的に接続することができる。特に、第1のファイバーの接続領域及び第2のファイバーの接続領域の双方に機械的な接続をもたらすことが可能となる。特に、機械的な接続がスプライス端部を超えて延びることができる。
【0019】
有利には、第2のファイバーのファイバーシースを超えて延びる、支持スリーブの部分が、場合によって提供される端面シールを別として、ファイバーシースに機械的に接続されないようにすることができる。
【0020】
支持スリーブがファイバーコアに直接、機械的に接続される場合、支持スリーブの屈折率は、ファイバーコア内で導波される光が直接の接続を介して支持スリーブへ出力結合することができるように選択することができる。このため、支持スリーブの屈折率は一定とすることができるか、又は空間的(spatially)に様々とすることができる。この場合に必要不可欠なことは、ファイバーコア内で導波される光を少なくとも部分的に支持スリーブに対して結合できることである。
【0021】
支持スリーブが中間スリーブを介してファイバーコアに機械的に接続される場合、支持スリーブの(あらゆる屈折率のばらつきを含む)屈折率及び中間スリーブの(あらゆる屈折率のばらつきを含む)屈折率は、ファイバーコア内で導波される光が中間スリーブを介して支持スリーブへ出力結合されるように選択することができる。
【0022】
特に、支持スリーブは体積散乱体として実現されることができる。したがって、支持スリーブの材料には例えば散乱粒子が含まれるため、支持スリーブの材料は入力結合された光に対する高い散乱作用を有する。結果として、出力結合された光が、より広い空間領域にわたって雰囲気中に放出されることができ、そのため、面積あたりの熱負荷が低減される。
【0023】
付加的に又は代替的に、支持スリーブは表面散乱体として実現されることができる。これは例えば、表面が粗加工されることで実現されることができる。
【0024】
中間スリーブ(複数可)も同様に、体積散乱体及び/又は表面散乱体として実現されることができる。
【0025】
明らかに、屈折率(複数可)もまた、ファイバーコアからの光の出力結合を可能な限り抑えるように選択されることができる。
【0026】
支持スリーブは、特に単一体の支持スリーブとして実現されることができる。少なくとも1つの中間スリーブもまた、各場合において単一体として実現されることができる。さらに、少なくとも1つの中間スリーブは、支持スリーブと同じ材料から作製することができる。
【0027】
本発明によるスプライス接合部の場合、場合によって提供される中間スリーブ(単数又は複数)を別として、支持スリーブと露出したファイバーコアとの間には、(例えば硬化性ラッカー又は樹脂、熱収縮管等のような)さらなる接続手段は配置されない。
【0028】
さらに、2本の光ファイバー間にスプライス接合部を作製する方法であって、2本の光ファイバーはそれぞれ、ファイバーコアとファイバーコアに隣接して位置するファイバーシースとを有し、2本のファイバーの少なくとも第1のファイバーについて、ファイバーシースを、ファイバーの長手方向にファイバーそれぞれの継ぎ合わされるべき端部から所定の長さに沿って延びている接続領域において完全に取り除き、支持スリーブを2本のファイバーの一方に押し込み、ファイバーの継ぎ合わされるべき2つの端部を互いに整列させて互いに継ぎ合わせ、次に、支持スリーブを、2本のファイバーのスプライス端部が支持スリーブ内に配置されるように、かつ、第1のファイバーの前記ファイバーシースを超えて延びる支持スリーブの部分が、第1のファイバーのファイバーシースに隣接して位置することなく、支持スリーブが、少なくとも第1のファイバーの接続領域全体に沿って接続領域を越え、第1のファイバーのファイバーシースを超えて延びるように、スプライス端部に押し込み、第1のファイバーの接続領域において、支持スリーブを、第1のファイバーのファイバーコアに直接、又は中間スリーブを介して機械的に接続する、方法が提供される。
【0029】
本発明による方法により、スプライスファイバーがスプライス端部の領域では曲げ及びねじれ、並びに汚染に対して保護される、スプライス接合部を作製することが可能となる。
【0030】
支持スリーブと、中間スリーブ又はファイバーコアとの間の機械的な接続は、形状ロック及び/又は材料結合による接続として実現されることができる。特に、接続は熱供給によって実現されることができる。特に、このためにレーザーを使用することができる。
【0031】
本方法の場合、第1のファイバーのファイバーシースを越えて延びる支持スリーブの部分が、場合によって行われる端面シールを別として、ファイバーシースに機械的に接続されないようにすることができる。結果として、ファイバーシースは過剰な熱負荷を受けない。
【0032】
さらに、ファイバーシースを、ファイバーの双方について、接続領域のそれぞれにおいて完全に取り除くことができ、支持スリーブを、第2のファイバーのファイバーシースを超えて延びる支持スリーブの部分が、第2のファイバーのファイバーシースに隣接して位置することなく、支持スリーブが、第2のファイバーの接続領域全体に沿って接続領域を越え、第2のファイバーのファイバーシースを超えて延びるように、スプライス端に押し込むことができる。特に、第2のファイバーの接続領域において、支持スリーブを第2のファイバーのファイバーコアに直接、又は中間スリーブを介して機械的に接続することができる。第2のファイバーのファイバーシースを超えて延びる、支持スリーブの部分が、場合によって提供される端面シールを別として、ファイバーシースに機械的に接続されないようにすることもできる。
【0033】
これらのステップにより、所望の特性を有するスプライス接合部を作製することが可能となる。
【0034】
さらに、支持スリーブとファイバーコアとが直接、機械的に接続される場合、支持スリーブの屈折率は、ファイバーコア内で導波される光が直接接続を介して支持スリーブへ出力結合されるように選択することができる。同様にして、支持スリーブが中間スリーブを介してファイバーコアに機械的に接続される場合、支持スリーブの屈折率及び前記中間スリーブの屈折率は、ファイバーコア内で導波される光が中間スリーブを介して支持スリーブへ出力結合されるように選択することができる。
【0035】
これによって、継ぎ合わされた端部の領域で出る放射がビーム品質を損ねずに確実に外方へ逸れること、及び、継ぎ合わされた端部の領域で出る放射に起因する、例えばファイバーシースへの熱的損傷を防止することが可能となる。
【0036】
本方法の場合、支持スリーブは体積散乱体及び/又は表面散乱体として実現されることができる。同じことが中間スリーブ(複数可)にも当てはまる。さらに、本方法の場合、支持スリーブとして単一体の支持スリーブを使用することが可能である。
【0037】
本発明による方法の場合、2本のファイバーを継ぎ合わせる前に、2本のファイバーの一方に中間スリーブ押し込むことができ、2本のファイバーを継ぎ合わせた後に、第1のファイバーのファイバーコアに中間スリーブを機械的に接続し、次いで支持スリーブを中間スリーブに機械的に接続する。明らかに、複数の中間スリーブが設けられる場合、2本のファイバーを継ぎ合わせる前に、2本のファイバーの一方にこれらのスリーブが押し込まれ、これらのスリーブは、その一部に関して、支持スリーブへの接続前に対応するファイバーコアに接続させる。しかしながら、先に支持スリーブを中間スリーブ(複数可)に接続させ、次に中間スリーブ(複数可)をファイバーコア(複数可)に接続させることも可能である。
【0038】
中間スリーブ(複数可)とファイバーコア(複数可)との機械的な接続は好ましくは、材料結合式及び/又は形状ロック式で行われる。特に、接続は熱供給によりもたらされる。特に、このためにレーザー放射線を使用することができる。
【0039】
上述した特徴、及び以下のまだ説明されていない特徴は、本発明の範囲から逸脱しない限り、記載した組合せにおいてだけでなく、他の組合せにおいて又は単独でも適用可能であることが理解される。
【0040】
本発明は、本発明に必要不可欠な特徴も開示している添付の図面を参照しながら、以下でさらに詳細に例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】第1の実施形態による、本発明によるスプライス接合部の概略断面図である。
【図2】図1のスプライス接合部の作製を説明する断面図である。
【図3】図1のスプライス接合部の作製を説明する断面図である。
【図4】図1のスプライス接合部の作製を説明する断面図である。
【図5】図1のスプライス接合部の作製を説明する断面図である。
【図6】図1のスプライス接合部の作製を説明する断面図である。
【図7】作製方法の変形形態を説明する断面図である。
【図8】さらなる実施形態によるスプライス接合部の概略断面図である。
【図9】さらなる実施形態によるスプライス接合部の概略図である。
【図10】さらなる実施形態によるスプライス接合部の概略図である。
【図11】さらなる実施形態によるスプライス接合部の概略図である。
【図12】さらなる実施形態によるスプライス接合部の概略図である。
【図13】さらなる実施形態によるスプライス接合部の概略図である。
【図14】さらなる実施形態によるスプライス接合部の概略図である。
【図15】さらなる実施形態によるスプライス接合部の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1に示す実施形態の場合において、本発明によるスプライス接合部1は、互いに継ぎ合わされている第1の光ファイバー2及び第2の光ファイバー3を含む。2本のファイバーまたは光導波路2、3は同じ構造を有しているため、以下では第1のファイバー2だけを詳細に説明する。
【0043】
図の明確性を高めるために、図1及び以下のまだ説明されていない図の描写は実際の縮尺にはなっていない。さらに、より明確な断面図を得ることができるようにするために、通常用いられるハッチング線の大部分を図1及び以下の図において省いている。
【0044】
第1のファイバー2はファイバーコア4と、ファイバーコア4を包囲する保護シース又はファイバーシース5とを有する。ファイバーコア4は内部信号コア6を含み、内部信号コア6は信号コアシース7(以下ではもっぱらシース7と称する)によって包囲されている。ファイバーコア4は、信号コア6及びシース7とは異なるようにドープされた石英ガラスからなり、信号コア6とシース7との間に結果として生じる屈折率の段差により、信号光を信号コア6内で導波することができる。
【0045】
ファイバーシース5はポリマー保護シース5として実現され、その屈折率は、所望の限り、光がシース7内で導波されることができるように選択される。
【0046】
図1から分かるように、ファイバーシース5は第1の接続領域8において完全に取り除かれている。接続領域8は、第1のファイバー2の長手方向に沿って第1のファイバー2のスプライス端部9から所定の長さ(ここではおよそ10mm)だけ延びており、そのため、信号コアシース7が第1の接続領域8において露出している。さらに、図1から、第2のファイバー3のスプライス端部11から所定の長さ(ここでも同様におよそ10mm)に沿って長手方向に延びている第2の接続領域10では、第2のファイバー3の場合においても同様に、信号コアシース7が第2の接続領域10において十分に露出するように、ファイバーシース5が完全に取り除かれていることが分かる。
【0047】
スプライス接合部1はさらに、石英ガラスから作製される支持スリーブ12を含み、支持スリーブ12は、接続領域8、10の双方それぞれを超えて側方に延びている。支持スリーブ12は、およそ30μm〜200μmの概ね一定の肉厚を有しているが、その内径は長手方向に様々である。したがって、支持スリーブ12は第1の内径を有する中央部分13を有する。中央部分13の両側それぞれには、漸増する内径を有する接続部分14、15が隣接し、これらの接続部分は、中央部分13の内径よりも大きな一定の内径を有する縁部分16、17にそれぞれ漸次に遷移している。
【0048】
中央部分13は、形状ロック式及び材料結合式で2本のファイバー2、3のファイバーコア4又は信号コアシース7に接続されているが、ファイバーシース5を超えて延びる2つの縁部分16及び17は、その内径がファイバーシース5の外径よりも(若干)大きくなるように選択されているため、ファイバーシース5から或る距離のところにある。したがって、縁部分16、17と各ファイバーシース5との間に隙間Sが存在する。そのため、縁部分16、17の内側は各ファイバーシース5に隣接して位置していない。
【0049】
接続領域8及び10を汚染から保護するために、ファイバーシース5と同じ材料からなると共に、各縁部分16及び17とファイバーシース5との間の隙間Sをシールするリング18、19が、剛性すなわち堅い支持スリーブ12の両軸方向端に取り付けられる。したがって、リング18、19を除き、各ファイバーシース5への、したがって対応するファイバー2、3への縁部分16、17の接続はない。
【0050】
そのため、支持管とも称されることができる支持スリーブ12は、中央部分13の内径が縁部分16、17の内径よりも小さいことから、くびれ型(waisted)支持スリーブ12である。
【0051】
接続領域8及び10における、支持スリーブ12の中央部分13とファイバーコア4との間の形状ロック及び材料結合による接続により、2本のファイバー2、3のスプライス接合1部は機械的に安定化し、所望でない曲げ又はねじれに対して保護される。この曲げ又はねじれに対する保護は、2つの縁部分16、17がポリマー保護シース5に重なっていることでさらに高まる。
【0052】
図1に示すファイバー2、3はいわゆる単芯ファイバーである。しかしながら、図1のファイバー2、3は2芯ファイバーとして実現されることもできる。この場合、ファイバーコアシース7は、ポンプ光が導波されるいわゆるポンプコア7を構成する。このために、保護シース5は特に、ポンプ光の導波を確実にすることができるような屈折率を有する。
【0053】
支持スリーブ12が作製される石英ガラスの屈折率が、ファイバーコアシース7すなわちポンプコア7の屈折率に等しいか又はポンプコア7の屈折率よりも大きくなるように選択されることで、ファイバー2、3のファイバーコアシース7すなわちポンプコア7内で導かれる放射をファイバー2、3から意図的に偏光させることを可能にする。支持スリーブ12の石英ガラスの屈折率は一定とすることができるか、又は空間的に変化させることができる。
【0054】
さらに、支持スリーブ12は体積散乱体の特性を有するように実現されることができる。これは例えば、散乱粒子を支持スリーブ12の石英ガラス中に含ませることで実現することができる。付加的に又は代替的に、支持スリーブ外表面が(例えば、この外表面が粗加工されるという点で)散乱特性を有することができ、それによって、ファイバー2、3から偏光された放射を長距離にわたって雰囲気中に分散する形で散乱又は放射させることができ、放射が支持スリーブの端面から高出力密度で出ることがない。
【0055】
内部信号コア6内だけでなくポンプコア7内にも放射が伝播する、2芯ファイバーとして実現される図1に示すファイバー2、3の場合、所望のビーム品質を達成するために、多くの場合、全ファイバー行程の端部で、放射が内部信号コア6からしか出ない必要がある。本発明によるスプライス接合部1の場合、有利には、ポンプコア7からの放射を、スプライス端部9、11の領域内、すなわち2つの接続領域8、10内で支持スリーブ12を介してファイバーから偏光させることができる。
【0056】
例えば、第1のファイバー2がアクティブ2芯ファイバーである場合、有利には、ファイバーコア4内での伝播中に第1のファイバー2の内部信号コア6によって吸収されないポンプ光を、本発明による支持スリーブ12によって、スプライス端部9、10の領域のアクティブ2芯ファイバー2の端部でファイバー2から偏光させることができ、それによって、アクティブファイバー2の後につながるファイバーの行程、すなわち第2のファイバー3の許容不可能な高い熱負荷を防ぐ。
【0057】
代替的に、支持スリーブ12の石英ガラスの屈折率は、ファイバーコアシース7すなわちポンプコア7の屈折率よりも小さくなるように選択することができる。その結果、接続領域8及び10の領域では、ポンプコア7内でのポンプ光の導波が例えば中央部分13によって続けられ、それによって、本発明によるスプライス接合部は、ポンプ光が第1のファイバー2から第2のファイバー3に実質的に出力損失なく通ることを可能とする。好ましくは、支持スリーブ12の石英ガラスの屈折率は、ポリマー保護シース5の屈折率に等しいか又は小さい。
【0058】
図1に示すスプライス接合部1は以下のように作製することができる。例えばファイバーを破断することによってそれぞれもたらされる、ファイバー2、3の継ぎ合わされるべき2つの端部(図2)から、各ファイバー2、3のファイバーシース5を各場合に所定の長さに沿って取り除く。これは、例えば、レーザー(例えばフェムト秒レーザー)を利用した切断、エッチング、又は刻み込み及び破断によって行うことができる。2本のファイバー2、3の継ぎ合わせるべき端部を、必要があれば、清浄にし、研磨するか又は別様に整える。
【0059】
所望であれば、適切な場合に、所望の特性を有する継ぎ合わされるべき端部を生じさせるため、露出したファイバーコアのそれぞれを再度破断又は切断し、研磨することができる。これは例えば、レーザー(例えばフェムト秒レーザー)を利用した切断、又は刻み込み及び破断によって行うことができる。
【0060】
ファイバーコア4をこのように露出した後(図3)、支持スリーブ12が2本のファイバー2、3の一方に押し込まれる。本明細書に記載の実施形態の例の場合では、支持スリーブ12は第2のファイバー3に対し、露出したファイバーコア4には及んでいないが、依然として存在するファイバーシース5の領域内に完全に位置する程度まで押し込まれる(図4)。
【0061】
支持スリーブ12は、ファイバーコア4を露出させる前に又は露出させた後で、だだし、継ぎ合わせるべき端部を整える前に、第2のファイバー3に押し込むこともできる。
【0062】
その後、ファイバーコアの2つの自由端部が整列され、既知の方法で互いに継ぎ合わされる(図5)。
【0063】
継ぎ合わせ後、支持スリーブ12は、その両側が接続領域8、10を越えて延びるように、したがってファイバーシース5に重なるようにスプライス端部9、11に押し込まれる(図6)。
この状態で、次に、支持スリーブ12の中央部分13を、露出したファイバーコア上に融着プロセスによって収縮(圧潰)させ、それによって、形状ロック及び材料結合による接続が生じる。この場合の接続部分14、15及び縁部分16、17は、ポリマー保護シース5への熱的損傷がないように融着プロセスから外しておく。
【0064】
次に、リング18及び19を実現し、所望であれば、支持スリーブ12のシース外表面を粗加工し、それによって、図1に示すスプライス接合部を得る。明らかに、シース外表面をより前のステップで、又は第2のファイバー3に押し込む前に粗加工することもできる。
【0065】
ファイバーコア4への中央部分13の圧潰に必要とされる熱の供給を最小限に抑えるため、支持スリーブ12を、ファイバーコアへの圧潰の際に必要な直径変化を最小限にする程度まで予め整えることができる。この場合、中央部分13の内径は第2のファイバー3のファイバーシース5の外径よりも既に小さいことがある。この場合、支持スリーブ12を図4に示すようにファイバーシース5に完全に押し込むことはできず、図7に示すように部分的に押し込むことしかできない。他の点では、スプライス接合部を作製するステップは図2〜図6に示すステップに対応する。
【0066】
図8には、本発明によるスプライス接合部1の第2の実施形態が示されており、この実施形態は、支持スリーブ12の内径がその全長にわたって概ね一定であるという点で図1に示される実施形態とは異なる。さらに、スプライス端部9、11の領域において2つのファイバーコア4に形状ロック式及び材料結合式で接続される、石英ガラスの堅いすなわち剛性中間スリーブ20が設けられる。支持スリーブ12は、その一部に関して中間スリーブ20のシース外表面に形状ロック式及び材料結合式で接続される。したがって、中間スリーブ20を介して、支持スリーブ12とファイバーコア4との間に機械的な接続がある。ファイバーシース5に重なる、支持スリーブ12の縁部分16、17は、図1の実施形態の場合と同様に、ファイバーシース5から或る距離のところにある。
【0067】
図8の断面図では、描写を単純にするために、中間スリーブ20だけをハッチング線で示す。同様に、以下の実施形態例の記載では、描写を単純にするために、中間スリーブだけをハッチング線で示す。
【0068】
明らかに、図8のスプライス接合部の作製において、中間スリーブ20及び支持スリーブ12の双方が、2本のファイバー2、3を継ぎ合わせる前に2本ファイバー2、3の少なくとも一方に押し込まれる。この場合、スリーブ12、20の双方を同じファイバー2、3に押し込むことができるか、又は、中間スリーブ20を2本のファイバー2、3の一方に押し込み、支持スリーブを2本のファイバー2、3の他方に押し込むことができる。
【0069】
2本のファイバー2、3の継ぎ合わせ後、次いで、先に中間スリーブ20を図8に示す位置に移動し、ファイバーコア4上に圧潰する。次に支持スリーブ12を図8に示す位置に移動し、中間スリーブ上に圧潰する。
【0070】
図9は図8に示すスプライス接合部の変形形態を示す。図8のスプライス接合部とは異なり、図9の場合、2つの中間スリーブ21、22が設けられ、その場合、中間スリーブ21及び22のそれぞれ一方が2つの接続領域8及び10のそれぞれ一方に配置される。中間スリーブ21及び22は、それらの幾何学的寸法は別にして、中間スリーブ20と同じようにして実現され、ここでも同様に、対応するファイバーコア4に形状ロック式及び材料結合式で接続される。支持スリーブ12は2つの中間スリーブ21及び22に形状ロック式及び材料結合式で接続される。この実施形態の場合では、続く実施形態の場合と同様に、先に中間スリーブをファイバーコアに接続し、次に支持スリーブを中間スリーブに接続する。
【0071】
図10には、大きく異なる直径を有する2本のファイバー2’、3’が互いに継ぎ合わされている実施形態の例が示されている。ファイバー2’及び3’は、図1〜図9に関して記載した実施形態例のファイバー2及び3と基本的に同じようにして構成される。
【0072】
図10の実施形態の例の場合、支持スリーブ12は、厚い方のファイバー2’から薄い方のファイバー3’に向かって段階的にテーパー状になっている。したがって、この実施形態の例では、支持スリーブ12の2つの縁部分16及び17は、2本のファイバー2’及び3’の各外径に適合する異なる内径を有する。この実施形態の例の場合、同様に、各縁部分16、17の内径は常に、対応するファイバー2’、3’のファイバーシース5の各外径よりも(幾分)大きい。
【0073】
さらに、支持スリーブ12の中央部分13は、ファイバー2’のファイバーコアシース7またはポンプコア7に形状ロック式及び材料結合式で接続される。したがって、ポンプコア7として実現された場合、例えばポンプ光の所望の出力結合を確実にすることができる。
【0074】
図11には、図10の実施形態の変形形態が示されており、この実施形態は、ファイバー2’のファイバーコア4に形状ロック式及び材料結合式で接続されている中間スリーブ23が、第2の接続領域10において支持スリーブ12の中央部分13とファイバー3’との間に配置されているという点だけが異なっている。中間スリーブ23は、その幾何学的寸法は別にして、中間スリーブ20と同じようにして実現される。支持スリーブ12の中央部分13はその一部に関して、ここでも同様に中間スリーブ23に形状ロック式及び材料結合式で接続される。
【0075】
図12には、図11の実施形態の変形形態が示されており、この実施形態では、中央部分13、並びに接続部分15及び縁部分17は同じ内径を有する。さらに支持ディスク24が設けられており、支持ディスク24は、内径がファイバー3’のファイバーシース5の外径よりも大きい中央ボア25を有している。さらに、支持ディスク24は、支持スリーブ12の左端面26が支持ディスク24の内側27(支持スリーブ12の方へ面している)に当接するような外径を有する。端面26は内側27に形状ロック式及び材料結合式で接続されている。中央部分13、接続部分15及び縁部分17の一定の内径により、中間スリーブ23の軸方向長さを、図11の実施形態において可能であるよりも長くするように選択することができる。
【0076】
支持スリーブ12と支持ディスク24との材料結合による接続により、支持スリーブ12及び支持ディスク24は共に2部支持スリーブを構成する。
【0077】
図13に示されている、図12のスプライス接合の変形形態の場合、第2の支持ディスク28が設けられており、第2の支持ディスク28は、支持スリーブ12の右端面29に形状ロック式及び材料結合式で接続され、内径がファイバー2’のファイバーシース5の外径よりも幾分大きい中央ボア30を有する。したがって、この実施形態の場合では、支持スリーブ12はその全長にわたって一定の内径を有することができる。したがって、図12と比較して、支持スリーブ12は第1のファイバー2’のファイバーコア4に、より長い長さにわたって接続されることができる。支持スリーブ12及び2つの支持ディスク24及び28は共に3部支持スリーブを構成する。
【0078】
図12の実施形態のさらなる変形形態が図14に示されている。この変形形態の場合、支持スリーブ12はここでも同様に、その全長にわたって一定の内径を有する。内径はこの場合では、ファイバー2’のファイバーシース5の外径よりも幾分大きくなるように選択される。支持スリーブ12をファイバー2’のファイバーコア4に接続するため、さらなる中間スリーブ31が設けられ、中間スリーブ31は第1のファイバー2’のファイバーコア4に形状ロック式及び材料結合式で接続される。中間スリーブ31は、その幾何学的寸法は別にして、中間スリーブ20と同じようにして実現される。支持スリーブ12は、それぞれ中間スリーブ31及び中間スリーブ23に形状ロック式及び材料結合式で接続される。
【0079】
図15には、本発明によるスプライス接合部の一設計が示されており、ここでは、支持スリーブ12がここでも同様に、その全長にわたって一定の内径を有する。支持スリーブ12の右端面29が形状ロック式及び材料結合式で支持ディスク32に接続され、支持ディスク32は、図13による第2の支持ディスク28と同じようにして実現されることができる。第2のファイバー3’はフェルール33(光ファイバーのコアエンドスリーブ)内で導かれ、その場合、フェルール33は段付き中央ボア34を有し、中央ボア34はその右端から、第2のファイバー3’のファイバーコア7の外径に対応する一定の第1の内径を有する第1の部分35と、第1の部分に隣接すると共に、急激に大きくなる第2の内径(この内径は、左の方へさらに漸増すると共に、第2のファイバー2’のファイバーシース5の外径よりも少なくとも幾分大きい)を有する第2の部分36とを有する。
【0080】
フェルール33の外径は、支持スリーブ12がフェルール33に形状ロック式及び材料結合式で接続することができるように選択される。
【0081】
さらに、中間スリーブ31が設けられ、中間スリーブ31は、その幾何学的寸法は別にして、図14の中間スリーブに対応する。中間スリーブ31は第1のファイバー2’のファイバーコア4に形状ロック式及び材料結合式で接続され、支持スリーブ12は中間スリーブ31に形状ロック式及び材料結合式で接続される。
【0082】
図12〜図15に示されている支持ディスク24及び28は好ましくは、支持スリーブ12と同じ材料から作製される。同じことがフェルール33にも当てはまる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2本の光ファイバー間のスプライス接合部であって、
前記2本の光ファイバーはそれぞれ、ファイバーコア(4)と該ファイバーコア(4)に隣接して位置するファイバーシース(5)とを有し、
前記2本のファイバー(2、3)の少なくとも第1のファイバーについて、前記ファイバーシース(5)は、前記ファイバー(2、3)の長手方向に該ファイバーそれぞれのスプライス端部(9、11)から所定の長さに沿って延びている接続領域(8、10)において完全に取り除かれ、
支持スリーブ(12)が設けられ、該支持スリーブ(12)には前記2本のファイバー(2、3)の前記スプライス端部(9、11)が配置され、前記支持スリーブ(12)は、少なくとも前記第1のファイバー(2)の接続領域全体に沿って該接続領域を越え、前記第1のファイバー(2)の前記ファイバーシース(5)を超えて延び、
前記第1のファイバー(2)の前記ファイバーシース(5)を超えて延びる、前記支持スリーブ(12)の部分(16)は、前記第1のファイバー(2)の前記ファイバーシース(5)に隣接して位置せず、前記第1のファイバーの前記接続領域(8、10)において、前記第1のファイバー(2)の前記ファイバーコア(4)に直接、又は中間スリーブ(20、21、22、23、31)を介して機械的に接続される、スプライス接合部。
【請求項2】
前記支持スリーブ(12)と、前記中間スリーブ(20〜23、31)又は前記ファイバーコア(4)との間の機械的な接続は、形状ロックによる接続である、請求項1に記載のスプライス接合部。
【請求項3】
前記支持スリーブ(12)と、前記中間スリーブ(20〜23、31)又は前記ファイバーコア(4)との間の機械的な接続は、材料結合による接続である、請求項1又は2に記載のスプライス接合部。
【請求項4】
前記第1のファイバー(2)の前記ファイバーシース(5)を越えて延びる、前記支持スリーブ(12)の前記部分(16)は、場合によって提供される端面シール(18)を別として、前記ファイバーシース(5)に機械的に接続されない、請求項1〜3のいずれか一項に記載のスプライス接合部。
【請求項5】
機械的な接続の領域(13)において、前記支持スリーブ(12)の内径は、前記第1のファイバー(2)の前記ファイバーシース(5)を越えて延びる前記部分(16)の場合におけるよりも小さい、請求項1〜4のいずれか一項に記載のスプライス接合部。
【請求項6】
前記ファイバーシース(5)は、前記ファイバー(2、3)の双方について、前記接続領域(8、10)のそれぞれにおいて完全に取り除かれ、
前記支持スリーブ(12)は、前記第2のファイバー(3)の前記接続領域(10)全体に沿って該接続領域を越え、前記第2のファイバー(3)の前記ファイバーシース(5)を超えて延び、
前記第2のファイバー(3)の前記ファイバーシース(5)を超えて延びる、前記支持スリーブ(12)の部分(17)は、前記第2のファイバー(3)の前記ファイバーシース(5)に隣接して位置しない、請求項1〜5のいずれか一項に記載のスプライス接合部。
【請求項7】
前記第2のファイバー(3)の前記接続領域(10)において、前記支持スリーブ(12)は、前記第2のファイバー(3)の前記ファイバーコア(4)に直接、又は中間スリーブを介して機械的に接続される、請求項6に記載のスプライス接合部。
【請求項8】
前記第2のファイバー(3)の前記ファイバーシース(5)を超えて延びる、前記支持スリーブ(12)の前記部分(17)は、場合によって提供される端面シール(19)を別として、前記ファイバーシース(5)に機械的に接続されない、請求項6又は7に記載のスプライス接合部。
【請求項9】
前記支持スリーブ(12)と前記ファイバーコア(4)とが直接、機械的に接続される場合、前記支持スリーブ(12)の屈折率は、前記ファイバーコア(4)内で導波される光が直接の接続を介して前記支持スリーブ(12)へ出力結合されることができるように選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載のスプライス接合部。
【請求項10】
前記支持スリーブ(12)が前記中間スリーブ(20〜23、31)を介して前記ファイバーコア(4)に機械的に接続される場合、前記支持スリーブ(12)の屈折率及び前記中間スリーブ(20〜23、31)の屈折率は、前記ファイバーコア(4)内で導波される光が前記中間スリーブを介して前記支持スリーブ(12)へ出力結合されることができるように選択される、請求項1〜9のいずれか一項に記載のスプライス接合部。
【請求項11】
前記支持スリーブ(12)及び/又は前記中間スリーブ(20〜23、31)は体積散乱体として実現される、請求項1〜10のいずれか一項に記載のスプライス接合部。
【請求項12】
前記支持スリーブ(12)は表面散乱体として実現される、請求項1〜11のいずれか一項に記載のスプライス接合部。
【請求項13】
前記支持スリーブは単一部品として実現される、請求項1〜12のいずれか一項に記載のスプライス接合部。
【請求項14】
2本の光ファイバー間にスプライス接合部を作製する方法であって、
該2本の光ファイバーはそれぞれ、ファイバーコアと該ファイバーコアに隣接して位置するファイバーシースとを有し、
前記2本のファイバーの少なくとも第1のファイバーについて、前記ファイバーシースを、前記ファイバーの長手方向に該ファイバーそれぞれの継ぎ合わされるべき端部から所定の長さに沿って延びている接続領域において完全に取り除き、
支持スリーブを前記2本のファイバーの一方に押し込み、
前記ファイバーの継ぎ合わされるべき2つの端部を互いに整列させて互いに継ぎ合わせ、
次に、前記支持スリーブを、
前記2本のファイバーのスプライス端部が前記支持スリーブ内に配置されるように、かつ、
前記第1のファイバーの前記ファイバーシースを超えて延びる前記支持スリーブの部分が、前記第1のファイバーの前記ファイバーシースに隣接して位置することなく、前記支持スリーブが、少なくとも前記第1のファイバーの前記接続領域全体に沿って前記接続領域を越え、前記第1のファイバーの前記ファイバーシースを超えて延びるように、
前記スプライス端部に押し込み、
前記第1のファイバーの前記接続領域において、前記支持スリーブを、前記第1のファイバーの前記ファイバーコアに直接、又は中間スリーブを介して機械的に接続する、方法。
【請求項15】
前記支持スリーブと、前記中間スリーブ又は前記ファイバーコアとの間の機械的な接続を、形状ロックによる接続として実現する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記支持スリーブと、前記中間スリーブ又は前記ファイバーコアとの間の機械的な接続を、材料結合による接続として実現する、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のファイバーの前記ファイバーシースを超えて延びる、前記支持スリーブの前記部分は、場合によって行われる端面シールを別として、前記ファイバーシースに機械的に接続されない、請求項14〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記ファイバーシースを、前記ファイバーの双方について、前記接続領域のそれぞれにおいて完全に取り除き、
前記支持スリーブを、前記第2のファイバーの前記ファイバーシースを超えて延びる前記支持スリーブの部分が、前記第2のファイバーの前記ファイバーシースに隣接して位置することなく、前記支持スリーブが、前記第2のファイバーの前記接続領域全体に沿って該接続領域を越え、前記第2のファイバーの前記ファイバーシースを超えて延びるように、前記スプライス端部に押し込む、請求項14〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記第2のファイバーの前記接続領域において、前記支持スリーブは、前記第2のファイバーの前記ファイバーコアに直接、又は中間スリーブを介して機械的に接続される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第2のファイバーの前記ファイバーシースを超えて延びる、前記支持スリーブの前記部分は、場合によって提供される端面シールを別として、前記ファイバーシースに機械的に接続されない、請求項18又は19に記載の方法。
【請求項21】
前記支持スリーブと前記ファイバーコアとが直接、機械的に接続される場合、前記支持スリーブの屈折率は、前記ファイバーコア内で導波される光が直接接続を介して前記支持スリーブへ出力結合されることができるように選択される、請求項14〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記支持スリーブが前記中間スリーブを介して前記ファイバーコアに機械的に接続される場合、前記支持スリーブの屈折率及び前記中間スリーブの屈折率は、前記ファイバーコア内で導波される光が前記中間スリーブを介して前記支持スリーブへ出力結合されることができるように選択される、請求項14〜21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
体積散乱体及び/又は表面散乱体として実現される支持スリーブが前記支持スリーブとして用いられる、請求項14〜22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
単一体の支持スリーブが前記支持スリーブとして用いられる、請求項14〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
体積散乱体として実現される中間スリーブが前記中間スリーブとして用いられる、請求項14〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記2本のファイバーを継ぎ合わせる前に、該2本のファイバーの一方に中間スリーブを押し込み、前記2本のファイバーを継ぎ合わせた後に、前記第1のファイバーの前記ファイバーコアに中間スリーブを機械的に接続し、次いで前記支持スリーブを前記中間スリーブに機械的に接続する、請求項14〜25のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2012−513612(P2012−513612A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542670(P2011−542670)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【国際出願番号】PCT/DE2009/001787
【国際公開番号】WO2010/072204
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(512027669)トゥルンプ・レーザー・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニー・カーゲー (4)
【氏名又は名称原語表記】TRUMPF LASER GMBH + CO. KG
【住所又は居所原語表記】Aichhalderstr. 39, 78713 Schramberg, Germany
【出願人】(512027670)イェンオプティク・レーザー・ゲーエムベーハー (5)
【氏名又は名称原語表記】JENOPTIK LASER GMBH
【住所又は居所原語表記】Goeschwitzer Str. 29, 07745 Jena, Germany
【Fターム(参考)】