説明

2,6−ジ含窒素置換したプリン誘導体及びその製造方法と使用

【課題】構造式(A)で表される2,6−ジ含窒素置換プリン化合物、またはその塩、またはその溶媒和物、またはその塩の溶媒和物、およびこれらを含有する薬物組合物を提供する。
【解決手段】本発明の化合物は毒性が低く、抗ガン幅が広く、抗ガン活性が高く、安定性がよいなどの利点を持つ。抗腫瘍薬物の製造に利用可能なものである。なお、本発明には上記化合物の製造方法が開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薬物化学に関し、詳細には2,6−ジ含窒素置換したプリン誘導体及びその製造方法と使用に関する。
【背景技術】
【0002】
悪性腫瘍(ガン)は人々の健康に強く影響を及ぼし、また生命を脅かす主要な疾患の一つである。全世界で毎年ガンで死亡した人数は500万以上である。現在、外科手術、放射治療、化学治療などいくつかの治療手段があるが、通常治癒率が高くない。現在、化学薬物治療は主に選択性が悪く、副作用が大きいなどの欠点がある。従って、毒性が低く、副作用が小さく、抗ガン活性が高く、安定性がよい抗腫瘍薬物を見つけることは各国の薬物従業者に注目される内容の一つである。
【0003】
文献によって、ある種のプリン誘導体は一定の抗ウイルスと抗腫瘍活性を持つと報道されている。具体的にはEP 0353955、WO 9201968、JP10120682、KR9100441などの特許文献を参考してもよい。
【0004】
従来技術にもいくつかの置換したプリン誘導体が開示されており、例えば、US4853386には、アレルギー性疾患の治療に利用されるN−ジ置換のプリン誘導体が開示され;JP2003−55377AとJP2003−119197Aには、抗ウイルス活性の6−シクロプロピルアミノ基−9Hプリン類化合物が開示されている。J. Org. Chem.(2004年69巻3212〜3215頁)には、抗炎症効果のあるグリコシル化のプリン類誘導体が開示されている。J. Med. Chem.(1984年27巻,175〜181頁)には、真核細胞DNAαポリメラーゼの活性を持つN−ブタンフェニル基−2’−デオキシプリン誘導体が開示されている。Tetraheron Letters(1998年,39巻,1827〜1830)には、2,6,9〜トリ置換したプリン誘導体が開示された。なお、本発明者らは特許CN200510026846にいくつかの抗腫瘍効果のある化合物を開示している。パラN,N−ジ置換したプリン化合物の抗腫瘍活性のクリニングに関する研究において、一連の良好な抗腫瘍活性を有するN,N−ジ置換プリン誘導体を設計することは注目される問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、毒性が低く、抗ガン幅が広く、抗ガン活性が高く、安定性がよいN,N−ジ置換プリン誘導体を設計することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、構造式が(A)である2,6−ジ含窒素置換プリン化合物又はその塩又はその溶媒和物又はその塩の溶媒和物を提供する。
【0007】
【化1】

式A中、Wは、任意にモノ置換したC〜Cの直鎖又は分岐鎖のアルキルアミノ基、任意にモノ置換したC〜Cの直鎖又は分岐鎖のアルキル又はアルケニル又はアルキニルアミノ基、任意にジ置換したC〜Cの直鎖又は分岐鎖のアルキルアミノ基、任意にジ置換したC〜Cの直鎖又は分岐鎖のアルキル又はアルケニル又はアルキニルアミノ基を示す;Wは、異なった二つのC〜Cの直鎖又は分岐鎖のアルカンで置換したアミノ基、若しくは異なった二つのC〜Cの直鎖又は分岐鎖のアルケンで置換したアミノ基、又は一端がC〜Cのアルカンで置換し、他端がC〜Cのアルケンで置換したアミノ基、任意に置換した含第二窒素複素環(例えば、テトラヒドロピロール、ピペリジン、モルフィン若しくはピペラジン等)であってもよい;前記置換基は、C〜Cの直鎖又は分岐鎖のアルキル基、若しくはハロゲン、若しくはヒドロキシル基であってもよい。
【0008】
YはH又は薬理学的に許容される糖残基であってもよく、当該糖残基は下記の構造:
【0009】
【化2】

であることが好ましい;
ZはH若しくは下記の基:
【0010】
【化3】

である;
Qは下記の基:
【0011】
【化4】

【0012】
【化5】

【0013】
【化6】

【0014】
【化7】

【0015】
【化8】

【0016】
【化9】

である;
上記式中、B,E,G,R,T,MはHもしくはC〜Cの直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はハロゲン化アルキル基、C〜Cシクロアルキル基、ハロゲン、CN、NH、メトキシ基、エトキシ基又はニトロ基である。
【0017】
Wはアミノ基、シクロプロピルアミノ基、シクロブチルアミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、アリルアミノ基、メチルアリルアミノ基、エチルアリルアミノ基、プロピルアリルアミノ基、ジアリルアミノ基、エタノールアミノ基若しくは下記の基:
【0018】
【化10】

であることが好ましい;
より好ましいWは、シクロプロピルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、アリルアミノ基、ジアリルアミノ基又は下記の基:
【0019】
【化11】

である;
上記化合物のQは下記の基:
【0020】
【化12】

であることが好ましい。
【0021】
この中に、YはHである。
【0022】
本発明は具体的に下記の化合物を提供した:
【0023】
【化13】

【0024】
【化14】

【0025】
【化15】

【0026】
【化16】

【0027】
本発明の他の目的は、上記化合物A又はその塩又はその溶媒和物又はその塩の溶媒和物の製造方法を提供することであり、該方法は下記の式で表される:
【0028】
【化17】

【0029】
【化18】

【0030】
【化19】

【0031】
【化20】

【0032】
上記製造方法は下記の工程を含む:
工程1)化合物aを、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジン塩又は酸性樹脂又は他の触媒の存在下で、まず2,3−ジヒドロピランと反応させてプリンの9位の窒素を保護し、化合物aと2,3−ジヒドロピランとの反応モル比が1:1〜5である;次に脱酸剤であるトリエチルアミン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム又は重炭酸ナトリウムの存在下で、Wと縮合して化合物bを得、化合物aとWのモル比が1:1〜5で、Wとの縮合反応温度が20〜100℃で、好ましくは40〜60℃である。
【0033】
工程2)化合物bとQ−NHを触媒カップリング反応及び脱保護反応を行って化合物dを得、化合物bとQ−NHとのモル比が1:0.5〜2である。
【0034】
上記工程2に記載の触媒カップリング反応において、配位子はトリス(o−メチルフェニル)ホスフィン(P(o−tolyl))、トリ−tert−ブチルホスフィン(P(Bu−t))、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(DPPF)、ビス[2−(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル(DPEphos)、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ジメチルキサンテン(Xantphos)もしくは配位子式1、式2、式3、式4、式5、式6、式7、式8、式9、式10又は式11の化合物である;触媒はパラジウム又はニッケル遷移金属触媒:PdCl、Pd(OAc)、Pd(dba)(dba:ジベンジリデンアセトン)、Ni(OAc)又はNi/Cである;アルカリは:ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド、炭酸カリウム、炭酸セシウム又はリン酸トリカリウムである。溶媒は非プロトン溶媒:テトラヒドロフラン、イソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン、ピリジン、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、1,3−ジメチルプロピレンウレア(DMPU)、トルエン又はキシレンの1種あるいは複数種で組み合わせた混合溶媒である。
【0035】
工程2の触媒カップリング反応において、反応温度は15〜150℃、好ましくは55〜120℃であり、マイクロ波で加熱して反応させてもよい。工程2に記載の、脱保護して塩を形成する反応が塩酸、硫酸、臭化水素酸、メチルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、P−トルエンスルホン酸、マレイン酸、フマル酸、乳酸、クエン酸などの酸性条件下で行われてもよい。そのうち化合物cと塩酸、硫酸、臭化水素酸、メチルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、P−トルエンスルホン酸、マレイン酸、フマル酸、乳酸、又はクエン酸とのモル比は1:1〜10であってもよい;
【0036】
【化21】

【0037】
【化22】

【0038】
【化23】

【0039】
【化24】

【0040】
工程3)化合物dを炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、若しくは水酸化カリウムで中和して化合物eを得る。
【0041】
本発明の他の目的は、式Aで表される化合物又はその塩又はその溶媒和物又はその塩の溶媒和物と薬用副材料とからなり、前記塩が有機酸又は無機酸から得られた酸付加塩であり、前記酸が塩酸、硫酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、P−トルエンスルホン酸、マレイン酸、フマル酸、乳酸、クエン酸であることが好ましく、若しくは前記塩が有機アルカリ又は無機アルカリから得られたアルカリ付加塩である医薬組成物を提供することである。上記医薬組成物は錠剤、カプセル剤、丸剤、経口液剤、顆粒剤、散剤、注射剤、インプラント、又は外用製剤である。
【0042】
体外と体内での抗腫瘍活性実験から、本発明の化合物Aは抗腫瘍活性を有することがわかった。化合物はマウスConlon26及びマウスS180肉腫の成長に対して抑制作用を有する。化合物A又はその塩又はその溶媒和物又はその塩の溶媒和物は腫瘍疾患の治療又は予防薬物の製造に利用可能なものである。上記の腫瘍疾患は肺ガン、肝ガン、血液ガン、骨ガン、すい臓ガン、皮膚ガン、黒色腫、子宮ガン、卵巣ガン、直腸癌、胃ガン、結腸ガン、乳腺ガン、卵管ガン、子宮内膜ガン、子宮頸ガン、膣ガン、外陰ガン、食道ガン、小腸ガン、内分泌系ガン、軟組織肉腫、尿道ガン、前立腺ガン、リンパ細胞ガン、膀胱ガン、腎ガン又は尿管ガン、脊髄腫瘍、脳幹神経こう腫又は下垂体腺腫である。
【0043】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、本発明の実施例は本発明の技術方案を説明するに限るものであり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0044】
実施例1〜3 式I,II,III化合物の製造
【実施例1】
【0045】
化合物Iの製造
1. 100mlの三つ口フラスコに2,6−ジクロロプリン(10g)、酢酸エチル(50ml)、P−トルエンスルホン酸ピリジン塩(0.2g)を加える。撹拌しながら加熱昇温し、内部温度が35℃前後になってから、2,3−ジヒドロピラン(12ml)を添加開始し、5minかけて添加を終了させ、反応温度を50〜60℃に保ち、3h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。反応フラスコにトリエチルアミン(8ml)を一回に全部加え、還流しながら、アリルアミン(7ml)を約15minかけて滴下し、保温反応を0.5h続ける。TLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで十分に洗浄し、濾過液を水で3回洗浄し、層分離し、有機層を大量の固体が析出するまで濃縮させ、濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで3回洗浄し、50℃で5h真空乾燥し、12 gの固体プリン物が得られた。収率は77.3%である。
【0046】
2. 250mlの三つ口フラスコに、上記工程で得られたプリン物(10.4 g)、6−アミノキノリン(5.0 g)、触媒Pd(OAc)(0.3 g)、配位子7(0.3 g)、ナトリウム−tert−ブトキシド(5.4 g)とエチレングリコールジメチルエーテル(100ml)をこの順に入れる。撹拌しながら、還流まで加熱昇温し、還流しながら2.5h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキをエチレングリコールジメチルエーテルで2回洗浄し、濾過液を溶媒がほとんどなくなるように濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより11.5 gのほぼ白色のカップリング物が得られ、アミノキノリンで計算して、収率は82.6%である。
【0047】
3. 250mlの一つ口フラスコに、上記工程で得られたカップリング物(10.0 g)、アセトン(60ml)と水(60ml)を加え、撹拌しながら加熱昇温し、固体物を完全に溶解させて透明なオレンジ色溶液になるようにメチルスルホン酸(5ml)を加え、還流しながら1h反応し続けさせた後、撹拌を停止し、室温まで放冷する。ろ過し、アセトンで3回洗浄し、40℃で6h真空乾燥して、11.5 gのメチルスルホン酸塩が得られた。
【0048】
H−NMR(DMSO−d+DO, ppm) δ:4.29 (2H, s),5.21 (1H, dd, J=2.0, 10.4 Hz),5.32 (1H, dd, J=2.0, 17.2 Hz),6.10 (1H, m),7.98 (1H, dd, J=5.2, 8.4Hz), 8.20(1H, d, J=9.2 Hz), 8.34 (overlapped),8.84 (2H,overlapped), 8.92 (1H, d, J=8.4 Hz),9.08 (1H, dd, J=5.2, 1.2 Hz)。
【0049】
13C−NMR(DMSO−d, ppm) δ:43.0,106.0,113.2,116.4,121.6,122.4,128.7,129.8,134.2,134.4,138.9,141.1,142.5,144.5,149.3,151.5,155.4。
【0050】
4. 100mlのフラスコに、前工程で得られたメチルスルホン酸塩(10 g)と水(50ml)を加え、加熱しながら撹拌して溶解させ、10%の炭酸カリウム溶液を滴下し、pHを10前後に調整し、淡い黄色の固体を析出させ、冷却、濾過、アセトンで洗浄し、真空乾燥して、5.4 gの化合物Iが得られた。
【0051】
(+)−ESI MS m/z: 318 [M+H]
【実施例2】
【0052】
化合物IIの製造
1. 無水アセトニトリル(10ml)に化合物I(2.5 g)とビス(トリメチルシリル)アセトアミド(3.5ml)を加え、室温で1h撹拌後、テトラアセチルリボフラノース(3.5 g)をアセトニトリル(8ml)に溶解させた溶液とTMSTF(0.6ml)を加え、5h加熱還流させ、BSA(0.7ml)を追加し、さらに24h撹拌し、TLCによる分析は、反応が完全であることを示し、減圧濃縮する。残留物をメタノール(15ml)に溶かし、アンモニアを1.5h吹き込み、減圧で溶媒を除去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって化合物II(2.6 g)が得られた。
【0053】
(+)−ESI MS m/z: 450 [M+H]
【実施例3】
【0054】
化合物IIIの製造
1.化合物I(2.5 g)に60%NaH(0.4 g)と無水アセトニトリル(50ml)を加え、窒素ガス雰囲気で、30 min撹拌する。3,5−ジ−p−トルエンスルホン酸エステル基−2−デオキシ−β−D−リボフラノース1−クロライド(3 g)をバッチ添加し、約10 minかけて添加を終了させた。添加終了後、室温で2h反応させ、濾過し、濾過液を溶媒がほとんどなくなるように濃縮して、油状物が得られた。カラムクロマトグラフィーで精製して固体物(2.5 g)が得られた。
【0055】
2. 上記の産物、50%ナトリウムメトキシド(0.6 g)とメタノール(100ml)を室温で5h撹拌しながら反応させ、酢酸でpHを中性に調整し、溶媒を蒸発させる。残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して化合物III(1.3 g)が得られた。
【0056】
(+)−ESI MS m/z: 434 [M+H]
【0057】
実施例4〜6 式IV,V,VI化合物の製造
【実施例4】
【0058】
化合物IVの製造
1. 100mlの三つ口フラスコに2,6−ジクロロプリン(10 g)、酢酸エチル(50ml)、P−トルエンスルホン酸ピリジン塩(0.2 g)を加える。撹拌しながら加熱昇温し、内部温度が35℃前後になってから、2,3−ジヒドロピラン(12ml)を添加開始し、5 minかけて添加を終了させ、反応温度を50〜60℃に保ち、3h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。反応フラスコにトリエチルアミン(7.9ml)を一回に全部加え、保温しながらテトラヒドロピロール(7.8ml)を約15 minかけて滴下し、保温反応を0.5h続ける。TLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで十分に洗浄し、濾過液を水で3回洗浄し、層分離し、有機層を大量の固体が析出するまで濃縮させ、濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで3回洗浄し、50℃で5h真空乾燥し、12.3gの固体プリン物が得られた。収率は75.6%である。
【0059】
2. 250mlの三つ口フラスコに、上記工程で得られたプリン物(11.0 g)、6−アミノキノリン(5.0 g)、触媒Pd(OAc)(0.3 g)、配位子7(0.3 g)、ナトリウム−tert−ブトキシド(5.4 g)とエチレングリコールジメチルエーテル(100ml)をこの順に入れる。撹拌しながら、還流まで加熱昇温し、還流しながら2.5h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキをエチレングリコールジメチルエーテルで2回洗浄し、濾過液を溶媒がほとんどなくなるように濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより11.9 gのカップリング物が得られ、アミノキノリンで計算して、収率は82.6%である。
【0060】
3. 250mlの一つ口フラスコに、上記工程で得られたカップリング物(10 g)、アセトン(60ml)と水(60ml)を加え、撹拌しながら加熱昇温し、メチルスルホン酸(5ml)を加え、還流しながら1h反応し続けさせた後、撹拌を停止し、室温まで放冷する。ろ過し、アセトンで3回洗浄し、40℃で6h真空乾燥して、12.0 gのメチルスルホン酸塩が得られた。
【0061】
H−NMR(DMSO−d, ppm) δ:2.06(4H, s), 2.41(6H, s), 3.93(4H, brs), 7.95(1H, dd,J=5.2 Hz, J= 8.4 Hz), 8.17(1H, d, J=9.2 Hz), 8.31(1H, dd, J= 2.4 Hz, J= 9.4 Hz), 8.45(1H, s), 8.85(1H, d, J=2.0 Hz), 8.90 (1H, d, J=8.4 Hz), 9.04(1H, d, J=4 Hz), 10.03(1H, s, DO交換消失)。
【0062】
4. 100mlのフラスコに、上記工程で得られたメチルスルホン酸塩(10 g)と水60mlを加え、加熱しながら撹拌して溶解させ、10%の炭酸カリウム溶液を滴下し、pHを10前後に調整し、固体を析出させ、冷却、濾過、アセトンで洗浄し、真空乾燥して、5.4 gの化合物IVが得られた。
【実施例5】
【0063】
化合物Vの製造
1. 無水アセトニトリル(10ml)に化合物IV(2.5 g)とビス(トリメチルシリル)アセトアミド(3.2ml)を加え、室温で1h撹拌後、テトラアセチルリボフラノース(3.5 g)をアセトニトリル(8ml)に溶解させた溶液とTMSTF(0.6ml)を加え、5h加熱還流させ、BSA(0.7ml)を追加し、さらに24h撹拌し、TLCによる分析は、反応が完全であることを示し、減圧濃縮する。残留物をメタノール(15ml)に溶かし、アンモニアを1.5h吹き込み、減圧で溶媒を除去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって化合物V(2.3 g)が得られた。
【0064】
(+)−ESI MS m/z: 464 [M+H]
【実施例6】
【0065】
化合物VIの製造
1.化合物IV(2.5 g)に60%NaH(0.4 g)と無水アセトニトリル(50ml)を加え、窒素ガス雰囲気で、30 min撹拌する。3,5−ジ−p−トルエンスルホン酸エステル基−2−デオキシ−β−D−リボフラノース1−クロライド(2.9 g)をバッチ添加し、約10 minかけて添加を終了させた。添加終了後、室温で2h反応させ、濾過し、濾過液を溶媒がほとんどなくなるように濃縮して、油状物が得られた。カラムクロマトグラフィーで精製して固体物(2.5 g)が得られた。
【0066】
2. 上記の産物、50%ナトリウムメトキシド(0.7 g)とメタノール(100ml)を室温で5h撹拌しながら反応させ、酢酸でpHを中性に調整し、溶媒を蒸発させる。残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して化合物VI(1.4 g)が得られた。
【0067】
(+)−ESI MS m/z: 448 [M+H]
【0068】
実施例7〜9 式VII,VIII,IX化合物の製造
【実施例7】
【0069】
化合物VIIの製造
1. 100mlの三つ口フラスコに2,6−ジクロロプリン(10 g)、酢酸エチル(50ml)、P−トルエンスルホン酸ピリジン塩(0.2 g)を加える。撹拌しながら加熱昇温し、内部温度が35℃前後になってから、2,3−ジヒドロピラン(12ml)を添加開始し、5 minかけて添加を終了させ、反応温度を50〜60℃に保ち、3h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。反応フラスコにメチルアミン塩酸塩(4.6g)を一回に全部加え、保温しながらトリエチルアミン(21ml)を約30minかけて滴下し、保温しながら反応を1h続ける。TLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで十分に洗浄し、濾過液を水で3回洗浄し、層分離し、有機層を大量の固体が析出するまで濃縮させ、濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで3回洗浄し、50℃で5h真空乾燥し、11.0 gの固体プリン物が得られた。収率は77.7%である。
【0070】
2. 250mlの三つ口フラスコに上記プリン物(10.0 g)、6−アミノキノリン(5.0 g)、触媒Pd(OAc)(0.3 g)、配位子7(0.3 g)、ナトリウム−tert−ブトキシド(5.4 g)とエチレングリコールジメチルエーテル(100ml)をこの順に入れる。撹拌しながら、還流まで加熱昇温し、還流しながら2.5h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキをエチレングリコールジメチルエーテルで2回洗浄し、濾過液を溶媒がほとんどなくなるように濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより10.7 gのカップリング物が得られ、アミノキノリンで計算して、収率は82.2%である。
【0071】
3. 250mlの一つ口フラスコに、上記工程で得られたカップリング物(10 g)、アセトン(60ml)と水(60ml)を加え、撹拌しながら加熱昇温し、メチルスルホン酸(5ml)を加え、還流しながら1h反応し続けさせた後、撹拌を停止し、室温まで放冷する。ろ過し、アセトンで3回洗浄し、40℃で6h真空乾燥して、11.3 gのメチルスルホン酸塩が得られた。
【0072】
H−NMR(DMSO−d, ppm) δ:2.44(6H, s), 3.15(3H, s), 7.95(1H, dd, J=5.2 Hz, J= 8.0 Hz), 8.18 (1H, d, J=8.8 Hz), 8.33(1H, dd, J= 2.4 Hz, J= 9.4 Hz), 8.70(1H, s), 8.86(1H, d, J=2.0 Hz), 8.91(1H, d, J=8.4 Hz), 9.05(1H, dd, J= 1.2 Hz, J=5.2Hz), 10.14(1H, s, DO交換消失)。
【0073】
4. 100mlのフラスコに、上記工程で得られたメチルスルホン酸塩(10 g)と水50mlを加え、加熱しながら撹拌して溶解させ、10%の炭酸カリウム溶液を滴下し、pHを10前後に調整し、固体を析出させ、冷却、濾過、アセトンで洗浄し、真空乾燥して、5.2 gの化合物VIIが得られた。
【実施例8】
【0074】
化合物VIIIの製造
1. 無水アセトニトリル(10ml)に化合物VIIの遊離アルカリ(2.5 g)とビス(トリメチルシリル)アセトアミド(3.7ml)を加え、室温で1h撹拌後、テトラアセチルリボフラノース(3.5 g)をアセトニトリル(8ml)に溶解させた溶液とTMSTF(0.6ml)を加え、5h加熱還流させ、BSA(0.7ml)を追加し、さらに24h撹拌し、TLCによる分析は、反応が完全であることを示し、減圧濃縮する。残留物をメタノール(15ml)に溶かし、アンモニアを1.5h吹き込み、減圧で溶媒を除去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって化合物VIII(2.7 g)が得られた。
【0075】
(+)−ESI MS m/z: 424 [M+H]
【実施例9】
【0076】
化合物IXの製造
1.化合物VII(2.5 g)に60%NaH(0.42 g)と無水アセトニトリル(50ml)を加え、窒素ガス雰囲気で、30 min撹拌する。3,5−ジ−p−トルエンスルホン酸エステル基−2−デオキシ−β−D−リボフラノース1−クロライド(3.5 g)をバッチ添加し、約10 minかけて添加を終了させた。添加終了後、室温で2h反応させ、濾過し、濾過液を溶媒がほとんどなくなるように濃縮して油状物が得られた。カラムクロマトグラフィーで精製して固体物(2.3 g)が得られた。
【0077】
2. 上記の産物、50%ナトリウムメトキシド(0.75 g)とメタノール(100ml)を室温で5h撹拌しながら反応させ、酢酸でpHを中性に調整し、溶媒を蒸発させる。残留物をカラムクロマトグラフィーで精製して化合物IX(1.2 g)が得られた。
【0078】
(+)−ESI MS m/z: 408 [M+H]
【実施例10】
【0079】
化合物Xの製造
1. 100mlの三つ口フラスコに2,6−ジクロロプリン(10 g)、酢酸エチル(50ml)、P−トルエンスルホン酸ピリジン塩(0.2 g)を加える。撹拌しながら加熱昇温し、内部温度が35℃前後になってから、2,3−ジヒドロピラン(12ml)を添加開始し、5 minかけて添加を終了させ、反応温度を50〜60℃に保ち、3h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。反応フラスコにトリエチルアミン(7.9ml)を一回に全部加え、保温しながらDL−アミノ基プロパノール(7.0ml)を加え、1h保温反応させた。TLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで十分に洗浄し、濾過液を水で3回洗浄し、層分離し、有機層を大量の固体が析出するまで濃縮させ、濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで3回洗浄し、50℃で5h真空乾燥し、11.6 gの固体プリン物が得られた。収率は70.4%である。
【0080】
2. 250mlの三つ口フラスコに上記プリン物(11.6 g)、6−アミノキノリン(5.0 g)、触媒Pd(OAc)(0.3 g)、配位子7(0.3 g)、ナトリウム−tert−ブトキシド(5.4 g)とエチレングリコールジメチルエーテル(100ml)をこの順に入れる。撹拌しながら、還流まで加熱昇温し、還流しながら2.5h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキをエチレングリコールジメチルエーテルで2回洗浄し、濾過液を溶媒がほとんどなくなるように濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより11.5 gのカップリング物が得られ、アミノキノリンで計算して、収率は79.0%である。
【0081】
3. 250mlの一つ口フラスコに、上記工程で得られたカップリング物 (10 g)、アセトン(60ml)と水(60ml)を加え、撹拌しながら加熱昇温し、メチルスルホン酸(5ml)を加えて固体物を完全に溶解させ、透明なオレンジ色溶液になり、還流しながら1h反応し続けさせた後、撹拌を停止し、室温まで放冷する。ろ過し、アセトンで3回洗浄し、40℃で6h真空乾燥して、12.3 gのメチルスルホン酸塩が得られた。
【0082】
H−NMR(DMSO−d, ppm) δ:1.32(3H, d,J= 6.4 Hz), 2.44(6H, s), 3.63(2H, m), 4.43(1H,brs),7.96(1H, dd, J=5.2 Hz, J= 8.4 Hz), 8.00(1H,brs),8.19 (1H, d, J=9.2 Hz), 8.29(1H, dd, J= 2.4 Hz, J= 9.4 Hz), 8.82(1H, s), 8.85(1H, d, J=2.0 Hz), 8.90(1H, d, J=8.4 Hz), 9.05(1H, dd, J=1.2 Hz , J=5.2Hz), 10.18(1H, s)。
【0083】
4. 100mlのフラスコに、上記工程で得られたメチルスルホン酸塩(12 g)と水(60ml)を加え、加熱しながら撹拌して溶解させ、10%の炭酸カリウム溶液を滴下し、pHを10前後に調整し、固体を析出させ、冷却、濾過、アセトンで洗浄し、真空乾燥して、6.5 gの化合物Xが得られた。
【0084】
(+)−ESI MS m/z: 335 [M+H]
【実施例11】
【0085】
化合物 XIの製造
1. 100mlの三つ口フラスコに2,6−ジクロロプリン(10 g)、酢酸エチル(50ml)、P−トルエンスルホン酸ピリジン塩(0.2 g)を加える。撹拌しながら加熱昇温し、内部温度が35℃前後になってから、2,3−ジヒドロピラン(12ml)を添加開始し、5 minかけて添加を終了させ、反応温度を50〜60℃に保ち、3h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。反応フラスコにトリエチルアミン(7.9ml)を一回に全部加え、保温しながらL−アミノ基プロパノール(7.0ml)を加え、保温しながら1h反応させた。TLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで十分に洗浄し、濾過液を水で3回洗浄し、層分離し、有機層を大量の固体が析出するまで濃縮させ、濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで3回洗浄し、50℃で5h真空乾燥し、11.6 gの固体プリン物が得られた。収率は74.0%である。
【0086】
2. 250mlの三つ口フラスコに上記プリン物(11.6 g)、6−アミノキノリン(5.0 g)、触媒Pd(OAc)(0.3 g)、配位子7(0.3 g)、ナトリウム−tert−ブトキシド(5.4 g)とエチレングリコールジメチルエーテル(100ml)をこの順に入れる。撹拌しながら、還流まで加熱昇温し、還流しながら2.5h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキをエチレングリコールジメチルエーテルで2回洗浄し、濾過液を溶媒がほとんどなくなるように濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより12.1gのカップリング物が得られ、アミノキノリンで計算して、収率は83.2%である。
【0087】
3. 250mlの一つ口フラスコに、上記工程で得られたカップリング物(10 g)、アセトン(60ml)と水(60ml)を加え、撹拌しながら加熱昇温し、メチルスルホン酸(5ml)を加え、還流しながら1h反応し続けさせた後、撹拌を停止し、室温まで放冷する。ろ過し、アセトンで3回洗浄し、40℃で6h真空乾燥して、11.9gのメチルスルホン酸塩が得られた。
【0088】
H−NMR(DMSO−d, ppm) δ:1.32(3H, d,J= 6.8 Hz), 2.44(6H, s), 3.63(2H, m), 4.43(1H,brs),7.96(1H, dd, J=5.2 Hz, J= 8.4 Hz), 8.01(1H,brs),8.19 (1H, d, J=9.2 Hz), 8.29(1H, dd, J= 2.4 Hz, J= 9.4 Hz), 8.82(1H, s), 8.85(1H, d, J=2.4 Hz), 8.90(1H, d, J=8.8 Hz), 9.05(1H, d, J=1.2 Hz , J=5.2 Hz), 10.19(1H, s)。
【0089】
4. 100mlのフラスコに、上記工程で得られたメチルスルホン酸塩(11 g)と水(50ml)を加え、加熱しながら撹拌して溶解させ、10%の炭酸カリウム溶液を滴下し、pHを10前後に調整し、固体を析出させ、冷却、濾過、アセトンで洗浄し、真空乾燥して、5.8 gの化合物XIが得られた。
【実施例12】
【0090】
化合物 XIIの製造
1. 100mlの三つ口フラスコに2,6−ジクロロプリン(10 g)、酢酸エチル(50ml)、P−トルエンスルホン酸ピリジン塩(0.2 g)を加える。撹拌しながら加熱昇温し、内部温度が35℃前後になってから、2,3−ジヒドロピラン(12ml)を添加開始し、5 minかけて添加を終了させ、反応温度を50〜60℃に保ち、3h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。反応フラスコにメチルピペラジン(9.0 g)とトリエチルアミン(8ml)を一回に全部加え、1h保温反応させた。TLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで十分に洗浄し、濾過液を水で3回洗浄し、層分離し、有機層を大量の固体が析出するまで濃縮させ、濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで3回洗浄し、50℃で5h真空乾燥し、12.0 gの固体プリン物が得られた。収率は67.4%である。
【0091】
2. 250mlの三つ口フラスコに上記プリン物(11.8 g)、6−アミノキノリン(5.0 g)、触媒Pd(OAc)(0.3 g)、配位子7(0.3 g)、ナトリウム−tert−ブトキシド(5.4 g)とエチレングリコールジメチルエーテル(100ml)をこの順に入れる。撹拌しながら、還流まで加熱昇温し、還流しながら2.5h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキをエチレングリコールジメチルエーテルで2回洗浄し、濾過液を溶媒がほとんどなくなるように濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより12.0 gのカップリング物が得られ、アミノキノリンで計算して、収率は77.8%である。
【0092】
3. 250mlの一つ口フラスコに、上記工程で得られたカップリング物(10 g)、アセトン(60ml)と水(60ml)を加え、撹拌しながら加熱昇温し、メチルスルホン酸(5ml)を加え、還流しながら1h反応し続けさせた後、撹拌を停止し、室温まで放冷する。ろ過し、アセトンで3回洗浄し、40℃で6h真空乾燥して、11.5 gのメチルスルホン酸塩が得られた。
【0093】
4. 100mlのフラスコに、上記工程で得られたメチルスルホン酸塩(11 g)と水60mlを加え、加熱しながら撹拌して溶解させ、10%の炭酸カリウム溶液を滴下し、pHを10前後に調整し、固体を析出させ、冷却、濾過、アセトンで洗浄し、真空乾燥して、5.9 gの化合物XIIが得られた。
【0094】
(+)−ESI MS m/z: 361 [M+H]
【実施例13】
【0095】
化合物 XIIIの製造
1. 100mlの三つ口フラスコに2,6−ジクロロプリン(10 g)、酢酸エチル(50ml)、p−トルエンスルホン酸ピリジン塩(0.2 g)を加える。撹拌しながら加熱昇温し、内部温度が35℃前後になってから、2,3−ジヒドロピラン(12ml)を添加開始し、5 minかけて添加を終了させ、反応温度を50〜60℃に保ち、3h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。反応フラスコにトリエチルアミン(8ml)を一回に全部加え、保温しながらビスアリルアミン(11.4ml)を約20minかけて加え、0.5h保温反応させた。TLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで十分に洗浄し、濾過液を水で3回洗浄し、層分離し、有機層を大量の固体が析出するまで濃縮させ、濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで3回洗浄し、50℃で5h真空乾燥し、12.9 gの固体プリン物が得られた。収率は73.1%である。
【0096】
2. 250mlの三つ口フラスコに、上記工程で得られたプリン物(12.0 g)、6−アミノキノリン(5.0 g)、触媒Pd(OAc)(0.3 g)、配位子7(0.3 g)、ナトリウム−tert−ブトキシド(5.4 g)とエチレングリコールジメチルエーテル(100ml)をこの順に入れる。撹拌しながら、還流まで加熱昇温し、還流しながら2.5h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキをエチレングリコールジメチルエーテルで2回洗浄し、濾過液を溶媒がほとんどなくなるように濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより12.2gのほぼ白色のカップリング物が得られ、アミノキノリンで計算して、収率は79.7%である。
【0097】
3. 250mlの一つ口フラスコに、上記工程で得られたカップリング物 (10 g)、アセトン(60ml)と水(60ml)を加え、撹拌しながら加熱昇温し、固体物を全部に溶解させて透明な溶液になるようにメチルスルホン酸(5ml)を加え、還流しながら1h反応し続けさせた後、撹拌を停止し、室温まで放冷する。ろ過し、アセトンで3回洗浄し、40℃で6h真空乾燥して、10.8 gのメチルスルホン酸塩が得られた。
【0098】
H−NMR(DMSO−d6, ppm) δ:2.44 (6H, s), 4.61(4H, s), 5.19−5.27 (4H, m), 6.01(2H, m), 7.98(1H, dd, J=5.6 Hz, J= 8.6 Hz), 8.14−8.18(2H, m), 8.32(1H, dd, J= 2.4 Hz, J= 9.2 Hz), 8.82 (1H, d, J=2.0 Hz), 8.86(1H, d, J=8.8 Hz), 9.04 (1H, dd, J=1.6 Hz, J=5.4 Hz), 9.91 (1H, s,DO交換消失)。
【0099】
4. 100mlのフラスコに、上記工程で得られたメチルスルホン酸塩(10 g)と水(50ml)を加え、加熱しながら撹拌して溶解させ、10%の炭酸カリウム溶液を滴下し、pHを10前後に調整し、固体を析出させ、冷却、濾過、アセトンで洗浄し、真空乾燥して、5.6 gの化合物XIIIが得られた。
【実施例14】
【0100】
化合物 XIVの製造
1. 100mlの三つ口フラスコに2,6−ジクロロプリン(10 g)、酢酸エチル(50ml)、p−トルエンスルホン酸ピリジン塩(0.2 g)を加える。撹拌しながら加熱昇温し、内部温度が35℃前後になってから、2,3−ジヒドロピラン(12ml)を添加開始し、5 minかけて添加を終了させ、反応温度を50〜60℃に保ち、3h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。反応フラスコにトリエチルアミン(8ml)を一回に全部加え、保温しながらピペリジン(9.2ml)を約20minかけて滴下し、0.5h保温反応させた。TLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで十分に洗浄し、濾過液を水で3回洗浄し、層分離し、有機層を大量の固体が析出するまで濃縮させ、濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで3回洗浄し、50℃で5h真空乾燥し、12.8 gの固体プリン物が得られた。収率は75.2%である。
【0101】
2. 250mlの三つ口フラスコに上記プリン物(11.5 g)、6−アミノキノリン(5.0 g)、触媒Pd(OAc)(0.3 g)、配位子7(0.3 g)、ナトリウム−tert−ブトキシド(5.4 g)とエチレングリコールジメチルエーテル(100ml)をこの順に入れる。撹拌しながら、還流まで加熱昇温し、還流しながら2.5h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキをエチレングリコールジメチルエーテルで2回洗浄し、濾過液を溶媒がほとんどなくなるように濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより11.3gのカップリング物が得られ、アミノキノリンで計算して、収率は75.9%である。
【0102】
3. 250mlの一つ口フラスコに、上記工程で得られたカップリング物 (10 g)、アセトン(60ml)と水(60ml)を加え、撹拌しながら加熱昇温し、メチルスルホン酸(5ml)を加え、還流しながら1h反応し続けさせた後、撹拌を停止し、室温まで放冷する。ろ過し、アセトンで3回洗浄し、40℃で6h真空乾燥して、11.7 gのメチルスルホン酸塩が得られた。
【0103】
H−NMR(DMSO−d6, ppm) δ:1.70 (6H, m), 2.44 (6H, s), 4.19 ( 4H, s), 7.99 (1H, dd, J=5.2 Hz, J= 8.2 Hz), 8.19 (2H, m), 8.32(1H, dd, J=2.0 Hz, J=9.4 Hz), 8.79(1H, d, J=2.0 Hz), 8.91(1H,d,J=8.0 Hz), 9.05 (1H, dd, J=1.2 Hz, J=5.2 Hz), 9.95 (1H, s, DO交換消失)。
【0104】
4. 100mlのフラスコに、上記工程で得られたメチルスルホン酸塩(11 g)と水(60ml)を加え、加熱しながら撹拌して溶解させ、10%の炭酸カリウム溶液を滴下し、pHを10前後に調整し、固体を析出させ、冷却、濾過、アセトンで洗浄し、真空乾燥して、6.0 gの化合物XIV が得られた。
【実施例15】
【0105】
化合物 XVの製造
1. 100mlの三つ口フラスコに2,6−ジクロロプリン(10 g)、酢酸エチル(50ml)、p−トルエンスルホン酸ピリジン塩(0.2 g)を加える。撹拌しながら加熱昇温し、内部温度が35℃前後になってから、2,3−ジヒドロピラン(12ml)を添加開始し、5 minかけて添加を終了させ、反応温度を50〜60℃に保ち、3h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。反応フラスコにトリエチルアミン(8ml)を一回に全部加え、保温しながらN−エチルピペリジン(10.3g)を約20minかけて滴下し、0.5h保温反応させた。TLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで十分に洗浄し、濾過液を水で3回洗浄し、層分離し、有機層を大量の固体が析出するまで濃縮させ、濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで3回洗浄し、50℃で5h真空乾燥し、13.0 gの固体プリン物が得られた。収率は70.0%である。
【0106】
2. 250mlの三つ口フラスコに上記プリン物(12.2 g)、6−アミノキノリン(5.0 g)、触媒Pd(OAc)(0.3 g)、配位子7(0.3 g)、ナトリウム−tert−ブトキシド(5.4 g)とエチレングリコールジメチルエーテル(100ml)をこの順に入れる。撹拌しながら、還流まで加熱昇温し、還流しながら2.5h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキをエチレングリコールジメチルエーテルで2回洗浄し、濾過液を溶媒がほとんどなくなるように濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより13.2gのカップリング物が得られ、アミノキノリンで計算して、収率は83.0%である。
【0107】
3. 250mlの一つ口フラスコに、上記工程で得られたカップリング物 (10 g)、アセトン(60ml)と水(60ml)を加え、撹拌しながら加熱昇温し、メチルスルホン酸(5ml)を加え、還流しながら1h反応し続けさせた後、撹拌を停止し、室温まで放冷する。ろ過し、アセトンで3回洗浄し、40℃で6h真空乾燥して、10.9 gのメチルスルホン酸塩が得られた。
【0108】
H−NMR(DMSO−d6, ppm) δ:1.30 (3H, d, J=7.4 Hz), 2.43 (6H, s),3.21 ( 4H, m), 3.59 ( 2H, m), 3.70 ( 2H, m), 5.45 ( 2H, m), 7.99 (1H, dd, J=5.2 Hz, J= 8.4 Hz), 8.08 (1H, brs), 8.20 (1H, d, J=9.2 Hz), 8.34(1H, dd, J=2.0 Hz, J=9.4 Hz), 8.82(1H, d,J=2.4 Hz), 8.98 (1H, d, J=8.4Hz), 9.05 (1H, dd, J=1.2 Hz, J=5.6 Hz), 9.77 (1H, brs), 9.93 (1H, s)。
【0109】
4. 100mlのフラスコに、上記工程で得られたメチルスルホン酸塩(10 g)と水(50ml)を加え、加熱しながら撹拌して溶解させ、10%の炭酸カリウム溶液を滴下し、pHを10前後に調整し、固体を析出させ、冷却、濾過、アセトンで洗浄し、真空乾燥して、5.8 gの化合物XVが得られた。
【実施例16】
【0110】
化合物 XVIの製造
1. 100mlの三つ口フラスコに2,6−ジクロロプリン(10 g)、酢酸エチル(50ml)、p−トルエンスルホン酸ピリジン塩(0.2 g)を加える。撹拌しながら加熱昇温し、内部温度が35℃前後になってから、2,3−ジヒドロピラン(12ml)を添加開始し、5 minかけて添加を終了させ、反応温度を50〜60℃に保ち、3h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。反応フラスコにトリエチルアミン(7.9ml)を一回に全部加え、保温しながらモルフォリン(7.9ml)を加え、1h保温反応させた。TLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで十分に洗浄し、濾過液を水で3回洗浄し、層分離し、有機層を大量の固体が析出するまで濃縮させ、濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで3回洗浄し、50℃で5h真空乾燥し、11.2 gの固体プリン物が得られた。収率は65.4%である。
【0111】
2. 250mlの三つ口フラスコに上記プリン物(11.6 g)、6−アミノキノリン(5.0 g)、触媒Pd(OAc)(0.3 g)、配位子7(0.3 g)、ナトリウム−tert−ブトキシド(5.4 g)とエチレングリコールジメチルエーテル(100ml)をこの順に入れる。撹拌しながら、還流まで加熱昇温し、還流しながら2.5h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキをエチレングリコールジメチルエーテルで2回洗浄し、濾過液を溶媒がほとんどなくなるように濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより11.5gのカップリング物が得られ、アミノキノリンで計算して、収率は76.8%である。
【0112】
3. 250mlの一つ口フラスコに、上記工程で得られたカップリング物(10 g)、アセトン(60ml)と水(60ml)を加え、撹拌しながら加熱昇温し、固体物を全部に溶解させて透明な溶液になるようにメチルスルホン酸(5ml)を加え、還流しながら1h反応し続けさせた後、撹拌を停止し、室温まで放冷する。ろ過し、アセトンで3回洗浄し、40℃で6h真空乾燥して、11.7 gのメチルスルホン酸塩が得られた。
【0113】
H−NMR(DMSO−d6, ppm) δ:2.42 (6H, s), 3.78 (4H, m), 4.22 (4H, s), 7.98 (1H, dd, J=5.2 Hz, J= 8.4 Hz), 8.10 (1H, s), 8.17 (1H, d, J=9.2 Hz), 8.32 (1H, dd, J= 2.0 Hz, J= 9.4 Hz), 8.80 (1H, d, J=1.6 Hz), 8.94 (1H, d, J=8.8 Hz), 9.04 (1H, d, J=5.2Hz), 9.89 (1H, s)。
【0114】
4. 100mlのフラスコに、上記工程で得られたメチルスルホン酸塩(10 g)と水(50ml)を加え、加熱しながら撹拌して溶解させ、10%の炭酸カリウム溶液を滴下し、pHを10前後に調整し、固体を析出させ、冷却、濾過、アセトンで洗浄し、真空乾燥して、5.4 gの化合物XVIが得られた。
【実施例17】
【0115】
化合物 XVIIの製造
1. 100mlの三つ口フラスコに2,6−ジクロロプリン(10 g)、酢酸エチル(50ml)、p−トルエンスルホン酸ピリジン塩(0.2 g)を加える。撹拌しながら加熱昇温し、内部温度が35℃前後になってから、2,3−ジヒドロピラン(12ml)を添加開始し、5 minかけて添加を終了させ、反応温度を50〜60℃に保ち、3h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。反応フラスコにトリエチルアミン(8ml)を一回に全部加え、還流しながら、イソプロピルアミン(7.7ml)を約15minかけて滴下し、0.5h保温反応させた。TLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで十分に洗浄し、濾過液を水で3回洗浄し、層分離し、有機層を大量の固体が析出するまで濃縮させ、濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで3回洗浄し、50℃で5h真空乾燥し、10.8 gの固体プリン物が得られた。収率は70.0%である。
【0116】
2. 250mlの三つ口フラスコに上記プリン物(11.0 g)、6−アミノキノリン(5.0 g)、触媒Pd(OAc)(0.3 g)、配位子7(0.3 g)、ナトリウム−tert−ブトキシド(5.4 g)とエチレングリコールジメチルエーテル(100ml)をこの順に入れる。撹拌しながら、還流まで加熱昇温し、還流しながら2.5h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキをエチレングリコールジメチルエーテルで2回洗浄し、濾過液を溶媒がほとんどなくなるように濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより11.7gのカップリング物が得られ、アミノキノリンで計算して、収率は83.6%である。
【0117】
3. 250mlの一つ口フラスコに、上記工程で得られたカップリング物(10 g)、アセトン(60ml)と水(60ml)を加え、撹拌しながら加熱昇温し、固体物を全部に溶解させて透明な溶液になるようにメチルスルホン酸(5ml)を加え、還流しながら1h反応し続けさせた後、撹拌を停止し、室温まで放冷する。ろ過し、アセトンで3回洗浄し、40℃で6h真空乾燥して、9.7 gのメチルスルホン酸塩が得られた。
【0118】
H−NMR(DMSO−d6, ppm) δ:1.35 (6H, d, J=6.4 Hz), 2.47 (6H, s), 4.35 (1H, brs), 7.97 (1H, dd, J=5.2 Hz, J= 8.6 Hz), 8.09 (1H, brs), 8.20 (1H, d, J=9.2 Hz), 8.31(1H, dd, J=2.0 Hz, J=9.4 Hz), 8.83(2H, overlapped), 8.89 (1H, d, J=8.4Hz), 9.06 (1H, dd, J=1.2 Hz, J=5.2Hz), 10.20 (1H, s)。
【0119】
(+)−ESI MS m/z: 320 [M+H]
【0120】
4. 100mlのフラスコに、上記工程で得られたメチルスルホン酸塩(9 g)と水(50ml)を加え、加熱しながら撹拌して溶解させ、10%の炭酸カリウム溶液を滴下し、pHを10前後に調整し、固体を析出させ、冷却、濾過、アセトンで洗浄し、真空乾燥して、4.8 gの化合物XVIIが得られた。
【実施例18】
【0121】
化合物 XVIIIの製造
1. 100mlの三つ口フラスコに2,6−ジクロロプリン(10 g)、酢酸エチル(50ml)、p−トルエンスルホン酸ピリジン塩(0.2 g)を加える。撹拌しながら加熱昇温し、内部温度が35℃前後になってから、2,3−ジヒドロピラン(12ml)を添加開始し、5 minかけて添加を終了させ、反応温度を50〜60℃に保ち、3h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。反応フラスコにトリエチルアミン(8ml)を一回に全部加え、保温しながら、ジエチルアミン(9.6ml)を約20minかけて滴下し、0.5h保温反応させた。TLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで十分に洗浄し、濾過液を水で3回洗浄し、層分離し、有機層を大量の固体が析出するまで濃縮させ、濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで3回洗浄し、50℃で5h真空乾燥し、12.3 gの固体プリン物が得られた。収率は75.1%である。
【0122】
2. 250mlの三つ口フラスコに上記プリン物(11.0 g)、6−アミノキノリン(5.0 g)、触媒Pd(OAc)(0.3 g)、配位子7(0.3 g)、ナトリウム−tert−ブトキシド(5.4 g)とエチレングリコールジメチルエーテル(100ml)をこの順に入れる。撹拌しながら、還流まで加熱昇温し、還流しながら2.5h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキをエチレングリコールジメチルエーテルで2回洗浄し、濾過液を溶媒がほとんどなくなるように濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより11.9gのカップリング物が得られ、アミノキノリンで計算して、収率は82.2%である。
【0123】
3. 250mlの一つ口フラスコに、上記工程で得られたカップリング物 (10 g)、アセトン(60ml)と水(60ml)を加え、撹拌しながら加熱昇温し、メチルスルホン酸(5ml)を加え、還流しながら1h反応し続けさせた後、撹拌を停止し、室温まで放冷する。ろ過し、アセトンで3回洗浄し、40℃で6h真空乾燥して、11.3 gのメチルスルホン酸塩が得られた。
【0124】
H−NMR(DMSO−d6, ppm) δ:1.30(6H, t,J= 7.0 Hz), 2.44 (6H, s), 3.97(4H, brs), 8.02(1H, dd, J=5.6 Hz, J= 8.4 Hz), 8.21(1H, d,J=9.2 Hz), 8.31−8.35 (2H, m), 8.85(1H, d, J=2.0 Hz), 8.94(1H, d, J=8.4 Hz), 9.09(1H, d, J=5.2 Hz)。
【0125】
4. 100mlのフラスコに、上記工程で得られたメチルスルホン酸塩(10 g)と水(50ml)を加え、加熱しながら撹拌して溶解させ、10%の炭酸カリウム溶液を滴下し、pHを10前後に調整し、固体を析出させ、冷却、濾過、アセトンで洗浄し、真空乾燥して、5.5 gの化合物XVIIIが得られた。
【0126】
(+)−ESI MS m/z: 334 [M+H]
【実施例19】
【0127】
化合物 XIXの製造
1. 100mlの三つ口フラスコに2,6−ジクロロプリン(10 g)、酢酸エチル(50ml)、p−トルエンスルホン酸ピリジン塩(0.2 g)を加える。撹拌しながら加熱昇温し、内部温度が35℃前後になってから、2,3−ジヒドロピラン(12ml)を添加開始し、5 minかけて添加を終了させ、反応温度を50〜60℃に保ち、3h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。反応フラスコにトリエチルアミン(8ml)を一回に全部加え、還流しながら、メチルエチルアミン(7.7ml)を約20minかけて滴下し、0.5h保温反応させた。TLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで十分に洗浄し、濾過液を水で3回洗浄し、層分離し、有機層を大量の固体が析出するまで濃縮させ、濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで3回洗浄し、50℃で5h真空乾燥し、10.3 gの固体が得られた。収率は65.9%である。
【0128】
2. 250mlの三つ口フラスコに6−アミノキノリン(5.0 g)、2−クロロ−N−メチル−N−エチル−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン(10.3g)、触媒Pd(OAc)(0.3 g)、配位子7(0.3 g)、ナトリウム−tert−ブトキシド(5.4 g)とエチレングリコールジメチルエーテル(100ml)をこの順に入れる。撹拌しながら、還流まで加熱昇温し、還流しながら2.5h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキをエチレングリコールジメチルエーテルで2回洗浄し、濾過液を溶媒がほとんどなくなるように濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより10.5gのカップリング物が得られ、アミノキノリンで計算して、収率は75.0%である。
【0129】
3. 250mlの一つ口フラスコに、上記工程で得られた化合物(10 g)、アセトン(60ml)と水(60ml)を加え、撹拌しながら加熱昇温し、メチルスルホン酸(5ml)を加え、還流しながら1h反応し続けさせた後、撹拌を停止し、室温まで放冷する。ろ過し、アセトンで3回洗浄し、40℃で6h真空乾燥して、11.2 gのメチルスルホン酸塩が得られた。
【0130】
4. 100mlのフラスコに、上記工程で得られたメチルスルホン酸塩(10 g)と水(50ml)を加え、加熱しながら撹拌して溶解させ、10%の炭酸カリウム溶液を滴下し、pHを10前後に調整し、固体を析出させ、冷却、濾過、アセトンで洗浄し、真空乾燥して、5.4 gの化合物XIXが得られた。
【実施例20】
【0131】
化合物 XXの製造
1. 100mlの三つ口フラスコに2,6−ジクロロプリン(10 g)、酢酸エチル(50ml)、p−トルエンスルホン酸ピリジン塩(0.2 g)を加える。撹拌しながら加熱昇温し、内部温度が35℃前後になってから、2,3−ジヒドロピラン(12ml)を添加開始し、5 minかけて添加を終了させ、反応温度を50〜60℃に保ち、3h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。反応フラスコにジメチルアミン塩酸塩(7.3g)を加え、保温しながら、トリエチルアミン(22ml)を約30minかけて滴下し、0.5h保温反応させた。TLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで十分に洗浄し、濾過液を水で3回洗浄し、層分離し、有機層を大量の固体が析出するまで濃縮させ、濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで3回洗浄し、50℃で5h真空乾燥し、8.9 gの固体プリン物が得られた。収率は59.8%である。
【0132】
2. 250mlの三つ口フラスコに上記プリン物(8.9 g)、6−アミノキノリン(4.5 g)、触媒Pd(OAc)(0.3 g)、配位子7(0.3 g)、ナトリウム−tert−ブトキシド(5.4 g)とエチレングリコールジメチルエーテル(100ml)をこの順に入れる。撹拌しながら、還流まで加熱昇温し、還流しながら2.5h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキをエチレングリコールジメチルエーテルで2回洗浄し、濾過液を溶媒がほとんどなくなるように濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより10.5gのカップリング物が得られ、アミノキノリンで計算して、収率は86.4%である。
【0133】
3. 250mlの一つ口フラスコに、上記工程で得られたカップリング物 (10 g)、アセトン(60ml)と水(60ml)を加え、撹拌しながら加熱昇温し、固体物を全部に溶解させて透明な溶液になるようにメチルスルホン酸(5ml)を加え、還流しながら1h反応し続けさせた後、撹拌を停止し、室温まで放冷する。ろ過し、アセトンで3回洗浄し、40℃で6h真空乾燥して、9.8 gのメチルスルホン酸塩が得られた。
【0134】
4. 100mlのフラスコに、上記工程で得られたメチルスルホン酸塩(9 g)と水(50ml)を加え、加熱しながら撹拌して溶解させ、10%の炭酸カリウム溶液を滴下し、pHを10前後に調整し、固体を析出させ、冷却、濾過、アセトンで洗浄し、真空乾燥して、4.9 gの化合物XXが得られた。
【0135】
化合物XX:(+)−ESI MS m/z: 306 [M+H]
【実施例21】
【0136】
化合物 XXIの製造
1. 100mlの三つ口フラスコに2,6−ジクロロプリン(10 g)、酢酸エチル(50ml)、p−トルエンスルホン酸ピリジン塩(0.2 g)を加える。撹拌しながら加熱昇温し、内部温度が35℃前後になってから、2,3−ジヒドロピラン(12ml)を添加開始し、5 minかけて添加を終了させ、反応温度を50〜60℃に保ち、3h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。反応フラスコにトリエチルアミン(8ml)とピペラジン(7.3g)を添加し、約20minかけて添加を終了させ、1h保温反応させた。TLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで十分に洗浄し、濾過液を水で3回洗浄し、層分離し、有機層を大量の固体が析出するまで濃縮させ、濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで3回洗浄し、50℃で5h真空乾燥し、12.4 gの固体プリン物が得られた。収率は72.8%である。
【0137】
2. 250mlの三つ口フラスコに上記プリン物(12.0 g)、6−アミノキノリン(5.0 g)、触媒Pd(OAc)(0.3 g)、配位子7(0.3 g)、ナトリウム−tert−ブトキシド(5.4 g)とエチレングリコールジメチルエーテル(100ml)をこの順に入れる。撹拌しながら、還流まで加熱昇温し、還流しながら2.5h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキをエチレングリコールジメチルエーテルで2回洗浄し、濾過液を溶媒がほとんどなくなるように濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより12.7gのカップリング物が得られ、アミノキノリンで計算して、収率は85.0%である。
【0138】
3. 250mlの一つ口フラスコに、上記工程で得られたカップリング物(10 g)、アセトン(60ml)と水(60ml)を加え、撹拌しながら加熱昇温し、固体物を全部に溶解させて透明な溶液になるようにメチルスルホン酸(5ml)を加え、還流しながら1h反応し続けさせた後、撹拌を停止し、室温まで放冷する。ろ過し、アセトンで3回洗浄し、40℃で6h真空乾燥して、12.1 gのメチルスルホン酸塩が得られた。
【0139】
H−NMR(DMSO−d6, ppm) δ:2.43 (9H, s), 3.22 (2H, m),3.54−3.66 (4H, m), 5.41 (2H, m),8.01(1H, dd, J=5.2 Hz, J= 8.6 Hz), 8.12 (1H, s), 8.21 (1H, d, J=9.6 Hz), 8.34 (1H, dd, J=2.0 Hz, J= 9.0 Hz), 8.83 (1H, d, J=2.0 Hz), 8.99 (1H, d, J=8.8 Hz), 9.06 (1H, d, J=4.2 Hz), 9.98 (2H, brs,DO交換消失)。
【0140】
4. 100mlのフラスコに、上記工程で得られたメチルスルホン酸塩(11 g)と水(60ml)を加え、加熱しながら撹拌して溶解させ、10%の炭酸カリウム溶液を滴下し、pHを10前後に調整し、固体を析出させ、冷却、濾過、アセトンで洗浄し、真空乾燥して、5.3 gの化合物XXIが得られた。
【実施例22】
【0141】
化合物 XXIIの製造
1. 3000mlの三つ口フラスコに2,6−ジクロロプリン(300 g)、酢酸エチル(1500ml)、p−トルエンスルホン酸ピリジン塩(3 g)を加える。撹拌しながら加熱昇温し、内部温度が35℃前後になってから、2,3−ジヒドロピラン(360ml)を添加開始し、30 minかけて添加を終了させ、反応温度を50〜60℃に保ち、5h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。反応フラスコにトリエチルアミン(240ml)を一回に全部加え、還流しながら、シクロプロピルアミン(204ml)を約30minかけて滴下し、0.5h保温反応させた。TLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで十分に洗浄し、濾過液を水で3回洗浄し、層分離し、有機層を大量の固体が析出するまで濃縮させ、濾過し、濾過ケーキを酢酸エチルで3回洗浄し、50℃で5h真空乾燥し、得られた364 gの固体化合物は2−クロロ−N−シクロプロピル−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミンである。
【0142】
2. 250mlの三つ口フラスコに6−アミノ基−8−メチルキノリン(5.0 g)、2−クロロ−N−シクロプロピル−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン(10.2g)、触媒Pd(OAc)(0.3 g)、配位子7(0.3 g)、ナトリウム−tert−ブトキシド(5 g)とエチレングリコールジメチルエーテル(100ml)をこの順に入れる。撹拌しながら、還流まで加熱昇温し、還流しながら2.5h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキをエチレングリコールジメチルエーテルで2回洗浄し、濾過液を溶媒がほとんどなくなるように濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより11.2gのカップリング物が得られ、アミノキノリンで計算して、収率は85.3%である。
【0143】
3. 250mlの一つ口フラスコに、上記工程で得られたカップリング物(10 g)、アセトン(60ml)と水(60ml)を加え、撹拌しながら加熱昇温し、メチルスルホン酸(5ml)を加え、還流しながら1h反応し続けさせた後、撹拌を停止し、室温まで放冷する。ろ過し、アセトンで3回洗浄し、40℃で6h真空乾燥して、11.3 gのメチルスルホン酸塩が得られた。
【0144】
H−NMR(DMSO−d6, ppm) δ:0.75 (2H, s), 0.95 (2H, m),2.41 (6H, s), 2.76 (3H, s),3.12 (1H, brs), 7.84 (1H, dd, J=4.8 Hz, J= 8.2 Hz), 8.12 (1H, s), 8.50 (1H, brs,DO交換消失), 8.71 (3H, m), 8.93 (1H, d, J=4.0 Hz), 10.05 (1H, s,DO交換消失)。
【0145】
4. 100mlのフラスコに、上記工程で得られたメチルスルホン酸塩(10 g)と水(50ml)を加え、加熱しながら撹拌して溶解させ、10%の炭酸カリウム溶液を滴下し、pHを10前後に調整し、固体を析出させ、冷却、濾過、アセトンで洗浄し、真空乾燥して、5.3 gの化合物XXIIが得られた。
【実施例23】
【0146】
化合物 XXIIIの製造
1. 250mlの三つ口フラスコに6−アミノ基−8−メトキシキノリン(5.0g)、2−クロロ−N−シクロプロピル−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン(9.3g)、触媒Pd(OAc)(0.25 g)、配位子7(0.25 g)、ナトリウム−tert−ブトキシド(4.5 g)とエチレングリコールジメチルエーテル(100ml)をこの順に入れる。撹拌しながら、還流まで加熱昇温し、還流しながら2.5h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキをエチレングリコールジメチルエーテルで2回洗浄し、濾過液を溶媒がほとんどなくなるように濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより11.0gのカップリング物が得られ、アミノキノリンで計算して、収率は88.8%である。
【0147】
2.250mlの一つ口フラスコに、上記工程で得られた化合物(10 g)、アセトン(60ml)と水(60ml)を加え、撹拌しながら加熱昇温し、メチルスルホン酸(5ml)を加え、還流しながら1h反応し続けさせた後、撹拌を停止し、室温まで放冷する。ろ過し、アセトンで3回洗浄し、40℃で6h真空乾燥して、11.8 gのメチルスルホン酸塩が得られた。
【0148】
H−NMR(DMSO−d6, ppm) δ:0.73 (2H, s), 0.93 (2H, m),2.37 (6H, s), 3.14 (1H, brs), 4.13 (3H, s),7.96 (2H, m), 8.30 (1H, s,DO交換消失), 8.64 (2H, brs), 8.86 (2H, m), 10.01(1H, s,DO交換消失)。
【0149】
3. 100mlのフラスコに、上記工程で得られたメチルスルホン酸塩(11 g)と水(60ml)を加え、加熱しながら撹拌して溶解させ、10%の炭酸カリウム溶液を滴下し、pHを10前後に調整し、固体を析出させ、冷却、濾過、アセトンで洗浄し、真空乾燥して、6.1 gの化合物XXIIIが得られた。
【実施例24】
【0150】
化合物 XXIVの製造
1. 250mlの三つ口フラスコに6−アミノ基−8−トリフロロメチルキノリン(5.0g)、2−クロロ−N−シクロプロピル−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン(7.6g)、触媒Pd(OAc)(0.3 g)、配位子7(0.3 g)、ナトリウム−tert−ブトキシド(4.0 g)とエチレングリコールジメチルエーテル(100ml)をこの順に入れる。撹拌しながら、還流まで加熱昇温し、還流しながら2.5h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキをエチレングリコールジメチルエーテルで2回洗浄し、濾過液を溶媒がほとんどなくなるように濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより8.5gのカップリング物が得られ、アミノキノリンで計算して、収率は76.8%である。
【0151】
2.250mlの一つ口フラスコに、上記工程で得られたカップリング物(8 g)、アセトン(50ml)と水(40ml)を加え、撹拌しながら加熱昇温し、固体物を全部に溶解させて透明な溶液になるようにメチルスルホン酸(3.8ml)を加え、還流しながら1h反応し続けさせた後、撹拌を停止し、室温まで放冷する。ろ過し、アセトンで3回洗浄し、40℃で6h真空乾燥して、8.7 gの固体が得られた。
【0152】
H−NMR(DMSO−d6, ppm) δ:0.69 (2H, s), 0.76 (2H, brs), 2.40 (6H, s), 2.97 (1H, brs), 7.77 (1H, dd, J=4.0 Hz, J= 8.2 Hz), 8.46(3H, m), 8.53(1H, d,J= 8.4 Hz ), 8.86 (1H, brs,DO交換消失), 9.10 (1H, d,J= 4.0 Hz ), 9.46 (1H, brs,DO交換消失)。
【0153】
3. 100mlのフラスコに、上記工程で得られたメチルスルホン酸塩(8 g)と水40mlを加え、加熱しながら撹拌して溶解させ、10%の炭酸カリウム溶液を滴下し、pHを10前後に調整し、固体を析出させ、冷却、濾過、アセトンで洗浄し、真空乾燥して、4.5 gの化合物XXIVが得られた。
【実施例25】
【0154】
化合物 XXVの製造
1. 250mlの三つ口フラスコに2−メチル−4−アミノキノリン(5.0g)、2−クロロ−N−シクロプロピル−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン(10.2g)、触媒Pd(OAc)(0.3 g)、配位子7(0.3 g)、ナトリウム−tert−ブトキシド(5.0 g)とエチレングリコールジメチルエーテル(100ml)をこの順に入れる。撹拌しながら、還流まで加熱昇温し、還流しながら2.5h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキをエチレングリコールジメチルエーテルで2回洗浄し、濾過液を溶媒がほとんどなくなるように濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより11.8gのカップリング物が得られ、アミノキノリンで計算して、収率は89.9%である。
【0155】
2.250mlの一つ口フラスコに、上記工程で得られたカップリング物(10 g)、アセトン(60ml)と水(60ml)を加え、撹拌しながら加熱昇温し、メチルスルホン酸(3.8ml)を加え、還流しながら1h反応し続けさせた後、撹拌を停止し、室温まで放冷する。ろ過し、アセトンで3回洗浄し、40℃で6h真空乾燥して、10.9 gの固体が得られた。
【0156】
H−NMR(DMSO−d6, ppm) δ:0.75 (2H, m), 0.87 (2H, m), 2.37 (6H, s),2.79 (3H, s),3.10 (1H, brs), 7.78 (1H, m), 8.02 (2H, m), 8.35 (1H, brs,DO交換消失), 8.60 (1H, m), 8.91 (2H, m), 10.68 (1H, s,DO交換消失)。
【0157】
3. 100mlのフラスコに、上記工程で得られたメチルスルホン酸塩(10 g)と水(50ml)を加え、加熱しながら撹拌して溶解させ、10%の炭酸カリウム溶液を滴下し、pHを10前後に調整し、固体を析出させ、冷却、濾過、アセトンで洗浄し、真空乾燥して、5.2 gの化合物XXVが得られた。
【実施例26】
【0158】
化合物XXVIの製造
1. 250mlの三つ口フラスコに8−クロロ−6−アミノキノリン(5.0g)、2−クロロ−N−シクロプロピル−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン(9.0g)、触媒Pd(OAc)(0.25 g)、配位子7(0.25 g)、ナトリウム−tert−ブトキシド(4.5 g)とエチレングリコールジメチルエーテル(100ml)をこの順に入れる。撹拌しながら、還流まで加熱昇温し、還流しながら2.5h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキをエチレングリコールジメチルエーテルで2回洗浄し、濾過液を溶媒がほとんどなくなるように濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより4.6gのカップリング物が得られ、アミノキノリンで計算して、収率は37.7%である。
【0159】
2.250mlの一つ口フラスコに、上記工程で得られたカップリング物(4.5g)、アセトン(30ml)と水(30ml)を加え、撹拌しながら加熱昇温し、固体物を全部に溶解させて透明な溶液になるようにメチルスルホン酸(2ml)を加え、還流しながら1h反応し続けさせた後、撹拌を停止し、室温まで放冷する。ろ過し、アセトンで3回洗浄し、40℃で6h真空乾燥して、4.5 gの固体が得られた。
【0160】
H−NMR(DMSO−d6, ppm) δ:0.74 (2H, m), 0.98 (2H, m), 2.42 (6H, s), 3.07 (1H, s), 7.63 (1H, m), 8.32 (1H, d, J=8.4 Hz),8.47−8.54 (2H, m), 8.74−8.87 (2H, m), 10.04 (1H, brs, DO交換消失)。
【0161】
3. 100mlのフラスコに、上記工程で得られたメチルスルホン酸塩(4 g)と水25mlを加え、加熱しながら撹拌して溶解させ、10%の炭酸カリウム溶液を滴下し、pHを10前後に調整し、固体を析出させ、冷却、濾過、アセトンで洗浄し、真空乾燥して、2.3 gの化合物XXVIが得られた。
【実施例27】
【0162】
化合物 XXVIIの製造
1. 250mlの三つ口フラスコに3−アミノピリジン(5.0g)、2−クロロ−N−シクロプロピル−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン(16.0g)、触媒Pd(OAc)(0.4 g)、配位子7(0.4 g)、ナトリウム−tert−ブトキシド(7.5 g)とエチレングリコールジメチルエーテル(130ml)をこの順に入れる。撹拌しながら、還流まで加熱昇温し、還流しながら2.5h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキをエチレングリコールジメチルエーテルで2回洗浄し、濾過液を溶媒がほとんどなくなるように濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより12.9gのカップリング物が得られ、アミノピリジンで計算して、収率は69.1%である。
【0163】
2. 250mlの一つ口フラスコに、上記工程で得られたカップリング物(10g)、アセトン(60ml)と水(60ml)を加え、撹拌しながら加熱昇温し、メチルスルホン酸(6ml)を加え、還流しながら1h反応し続けさせた後、撹拌を停止し、室温まで放冷する。ろ過し、アセトンで3回洗浄し、40℃で6h真空乾燥して、12gのメチルスルホン酸塩が得られた。
【0164】
H−NMR(DMSO−d6, ppm) δ:0.68 (2H, m), 0.93 (2H, m), 2.38 (6H, s),3.01 (1H, brs), 7.97 (1H, dd, J=5.6 Hz, J= 8.8 Hz), 8.24 (1H, brs,DO交換消失), 8.46 (1H, d,J= 5.2 Hz), 8.54 (1H, brs), 8.69(1H, d,J= 8.4 Hz), 9.66 (1H, s),10.25 (1H, brs,DO交換消失)。
【0165】
3. 100mlのフラスコに、上記工程で得られたメチルスルホン酸塩(11 g)と水60mlを加え、加熱しながら撹拌して溶解させ、10%の炭酸カリウム溶液を滴下し、pHを10前後に調整し、固体を析出させ、冷却、濾過、アセトンで洗浄し、真空乾燥して、5.3 gの化合物XXVIIが得られた。
【実施例28】
【0166】
化合物 XXVIIIの製造
1. 250mlの三つ口フラスコに2−アミノピリジン(5.0g)、2−クロロ−N−シクロプロピル−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン(16.0g)、触媒Pd(OAc)(0.4 g)、配位子7(0.4 g)、ナトリウム−tert−ブトキシド(7.5 g)とエチレングリコールジメチルエーテル(130ml)をこの順に入れる。撹拌しながら、還流まで加熱昇温し、還流しながら2.5h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキをエチレングリコールジメチルエーテルで2回洗浄し、濾過液を溶媒がほとんどなくなるように濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより10.5gのカップリング物が得られ、アミノピリジンで計算して、収率は56.0%である。
【0167】
2. 250mlの一つ口フラスコに、上記工程で得られたカップリング物(10g)、アセトン(60ml)と水(60ml)を加え、撹拌しながら加熱昇温し、メチルスルホン酸(6ml)を加え、還流しながら1h反応し続けさせた後、撹拌を停止し、室温まで放冷する。ろ過し、アセトンで3回洗浄し、40℃で6h真空乾燥して、11.7gのメチルスルホン酸塩が得られた。
【0168】
H−NMR(DMSO−d6, ppm) δ:0.78 (2H, m), 0.98 (2H, m), 2.39 (6H, s),3.06 (1H, brs), 7.30 (1H, m), 7.47 (1H, d,J= 8.8 Hz), 8.14 (1H, m), 8.30 (1H, s), 8.47 (1H, s), 9.17 (1H, brs,DO交換消失), 11.71 (1H, brs,DO交換消失)。
【0169】
3. 100mlのフラスコに、上記工程で得られたメチルスルホン酸塩(11 g)と水60mlを加え、加熱しながら撹拌して溶解させ、10%の炭酸カリウム溶液を滴下し、pHを10前後に調整し、固体を析出させ、冷却、濾過、アセトンで洗浄し、真空乾燥して、5.0 gの化合物XXVIIが得られた。
【実施例29】
【0170】
化合物 XXIXの製造
1. 250mlの三つ口フラスコに4−アミノピリジン(5.0g)、2−クロロ−N−シクロプロピル−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン(16.0g)、触媒Pd(OAc)(0.4 g)、配位子7(0.4 g)、ナトリウム−tert−ブトキシド(7.5 g)とエチレングリコールジメチルエーテル(130ml)をこの順に入れる。撹拌しながら、還流まで加熱昇温し、還流しながら2.5h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキをエチレングリコールジメチルエーテルで2回洗浄し、濾過液を溶媒がほとんどなくなるように濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより13.7gのカップリング物が得られ、アミノピリジンで計算して、収率は73.4%である。
【0171】
2. 250mlの一つ口フラスコに、上記工程で得られたカップリング物(10g)、アセトン(60ml)と水(60ml)を加え、撹拌しながら加熱昇温し、固体物を全部に溶解させて透明な溶液になるようにメチルスルホン酸(6ml)を加え、還流しながら1h反応し続けさせた後、撹拌を停止し、室温まで放冷する。ろ過し、アセトンで3回洗浄し、40℃で6h真空乾燥して、10.9gのメチルスルホン酸塩が得られた。
【0172】
H−NMR(DMSO−d6, ppm) δ:0.71 (2H, m), 0.92 (2H, m), 2.42 (6H, s),3.05 (1H, brs), 8.38 (2H, brs),8.54 (2H, m), 8.75(1H, s ),11.03(1H, brs,DO交換消失)。
【0173】
3. 100mlのフラスコに、上記工程で得られたメチルスルホン酸塩(10g)と水(50ml)を加え、加熱しながら撹拌して溶解させ、10%の炭酸カリウム溶液を滴下し、pHを10前後に調整し、固体を析出させ、冷却、濾過、アセトンで洗浄し、真空乾燥して、5.0 gの化合物XXIXが得られた。
【実施例30】
【0174】
化合物 XXXの製造
1. 250mlの三つ口フラスコにp−ニトロアニリン(5.0g)、2−クロロ−N−シクロプロピル−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン(10.9g)、触媒Pd(OAc)(0.3 g)、配位子7(0.3 g)、ナトリウム−tert−ブトキシド(5.8 g)とエチレングリコールジメチルエーテル(130ml)をこの順に入れる。撹拌しながら、還流まで加熱昇温し、還流しながら2.5h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキをエチレングリコールジメチルエーテルで2回洗浄し、濾過液を溶媒がほとんどなくなるように濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより12.5gのカップリング物が得られ、アミノピリジンで計算して、収率は85.6%である。
【0175】
2. 250mlの一つ口フラスコに、上記工程で得られたカップリング物(10g)、アセトン(60ml)と水(60ml)を加え、撹拌しながら加熱昇温し、メチルスルホン酸(5ml)を加え、還流しながら1h反応し続けさせた後、撹拌を停止し、室温まで放冷する。ろ過し、アセトンで3回洗浄し、40℃で6h真空乾燥して、10.3gのメチルスルホン酸塩が得られた。
【0176】
H−NMR(DMSO−d6, ppm) δ:0.70 (2H,m), 0.95 (2H, m), 2.48 ( 6H, s), 3.06 ( 1H, brs), 8.13 (2H,m), 8.19 (2H,m), 8.49(1H, brs), 8.99 (1H, s),10.26 (1H, s)。
【0177】
3. 100mlのフラスコに、上記工程で得られたメチルスルホン酸塩(10 g)と水(50ml)を加え、加熱しながら撹拌して溶解させ、10%の炭酸カリウム溶液を滴下し、pHを10前後に調整し、固体を析出させ、冷却、濾過、アセトンで洗浄し、真空乾燥して、5.1 gの化合物XXXが得られた。
【実施例31】
【0178】
化合物 XXXIの製造
1. 250mlの三つ口フラスコにp−ニトロアニリン(5.0g)、2−クロロ−N−シクロプロピル−9−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−9H−プリン−6−アミン(13.7g)、触媒Pd(OAc)(0.4 g)、配位子7(0.4 g)、ナトリウム−tert−ブトキシド(7.5 g)とエチレングリコールジメチルエーテル(130ml)をこの順に入れる。撹拌しながら、還流まで加熱昇温し、還流しながら2.5h保温反応させ、サンプリングしてTLC分析した結果、反応が完全であることを示した。室温まで冷却し、濾過し、濾過ケーキをエチレングリコールジメチルエーテルで2回洗浄し、濾過液を溶媒がほとんどなくなるように濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより12.3gのカップリング物が得られ、アミノピリジンで計算して、収率は72.3%である。
【0179】
2. 250mlの一つ口フラスコに、上記工程で得られたカップリング物(10g)、アセトン(60ml)と水(60ml)を加え、撹拌しながら加熱昇温し、メチルスルホン酸(6ml)を加え、還流しながら1h反応し続けさせた後、撹拌を停止し、室温まで放冷する。ろ過し、アセトンで3回洗浄し、40℃で6h真空乾燥して、10.8gのメチルスルホン酸塩が得られた。
【0180】
H−NMR(DMSO−d6, ppm) δ:0.79 (2H,m), 0.97 (2H, m), 2.34 ( 3H, s),2.44 ( 6H, s), 7.21 (2H,d,J=8.4 Hz), 3.07 (1H, brs), 7.67 (2H, d, J=8.4 Hz), 8.49 (1H, s), 9.56 (1H, brs)。
【0181】
3. 100mlのフラスコに、上記工程で得られたメチルスルホン酸塩(10 g)と水(50ml)を加え、加熱しながら撹拌して溶解させ、10%の炭酸カリウム溶液を滴下し、pHを10前後に調整し、固体を析出させ、冷却、濾過、アセトンで洗浄し、真空乾燥して、5.0gの化合物XXXIが得られた。
【0182】
上記製造した一部の化合物について、体外と体内での抗腫瘍活性実験を行った。体外実験はSRB,MTT法を用い、作用時間は72hである。具体的な活性のデータを表1に示す。化合物のモウスConlon26 結腸ガンに対する成長抑制作用を表2に示し、化合物のモウスS180肉腫に対する成長抑制作用を表3に示す。
【0183】
【表1】

【0184】
【表2】

【0185】
【表3】

【0186】
表1の体外活性データによって、多数の化合物は一定の抗腫瘍活性を持つことが示され、そのうち化合物I、VII、XIII、XIV、XV、XXI、XXVIは四種類の異なったガン細胞に対して高抗腫瘍活性を示し、特に化合物IVの活性が最も高い。体内での実験の結果によって、化合物Iは、100mg/kgの投与量で投与する場合、マウスColon26結腸ガンとマウスS180肉腫のいずれに対しても比較的良い抑制作用があることがわかった。化合物XXは抗腫瘍効果が化合物Iに比べて更によく、100mg/kgの投与量で投与する場合、マウスColon26結腸ガンに対する抑制率が72.31%に達し、マウスS180肉腫に対する抑制率が72.19%に達した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式がAである化合物又はその塩又はその溶媒和物又はその塩の溶媒和物:
【化1】

式Aにおいて、Wは、任意にモノ置換したC〜Cの直鎖又は分岐鎖のアルキルアミノ基、任意にモノ置換したC〜Cの直鎖又は分岐鎖のアルケニル又はアルキニルアミノ基、任意にジ置換したC1〜C6の直鎖又は分岐鎖のアルキルアミノ基、任意にジ置換したC3〜C6の直鎖又は分岐鎖のアルケニル又はアルキニルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、シクロブチルアミノ基を示し;
Wは、異なる二つのC〜Cの直鎖又は分岐鎖のアルカンで置換したアミノ基、異なった二つのC〜Cの直鎖又は分岐鎖のアルケンで置換したアミノ基、一端がC〜Cのアルカンで置換し、他端がC〜Cのアルケンで置換したアミノ基、又は任意に置換したテトラヒドロピロール、ピペリジン、モルフィン若しくはピペラジン等であってもよく;
前記置換基は、C1〜C6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、ハロゲン若しくはヒドロキシル基であり;
YはH又は薬理学的に許容される糖残基であり、当該糖残基は下記の構造:
【化2】

であることが好ましく;
ZはH若しくは下記の基:
【化3】

であり;
Qは下記の基:
【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

であり;
上記式で、B、E、G、R、T、MはそれぞれH又はC〜Cの直鎖又は分岐鎖のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、C〜Cのシクロアルキル基、ハロゲン、CN、NH、メトキシ基、エトキシ基又はニトロ基であり、
ただし、Wがシクロプロピルアミノ基またはシクロブチルアミノ基を表し、YがHまたは上述した薬理学的に許容される糖残基を表し、Qが下記の基である化合物は含まず、
【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

ただし、B、E、G、R、T、Mは同時にHである。
【請求項2】
前記Wが、シクロプロピルアミノ基、シクロブチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、アリルアミノ基、メチルアリルアミノ基、エチルアリルアミノ基、プロピルアリルアミノ基、ジアリルアミノ基、エタノールアミノ基若しくは下記の基:
【化16】

である請求項1に記載の式Aで表される化合物又はその塩又はその溶媒和物又はその塩の溶媒和物。
【請求項3】
前記YがHで、前記Wがシクロプロピルアミノ基、シクロブチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、アリルアミノ基、ジアリルアミノ基又は下記の基:
【化17】

である請求項1に記載の式Aで表される化合物又はその塩又はその溶媒和物又はその塩の溶媒和物。
【請求項4】
前記Qが下記の基:
【化18】

である請求項1に記載の式Aで表される化合物又はその塩又はその溶媒和物又はその塩の溶媒和物。
【請求項5】
前記化合物Aが下記の化合物:
【化19】

【化20】

【化21】

【化22】

である請求項1に記載の式Aで表される化合物又はその塩又はその溶媒和物又はその塩の溶媒和物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物又はその塩又はその溶媒和物又はその塩の溶媒和物と、薬用副材料とからなる医薬組成物。
【請求項7】
前記塩が有機酸又は無機酸から得られた酸付加塩であり、若しくは前記塩が有機アルカリ又は無機アルカリから得られたアルカリ付加塩であり、前記酸が塩酸、硫酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、マレイン酸、フマル酸、乳酸、クエン酸である請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
錠剤、カプセル剤、丸剤、経口液剤、顆粒剤、散剤、注射剤、インプラント、又は外用製剤である請求項6又は7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
下記1)〜3)の工程を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物又はその塩又はその溶媒和物又はその塩の溶媒和物の製造方法。
工程1)p−トルエンスルホン酸又はp−トルエンスルホン酸ピリジン塩の触媒の下で、まず化合物aを2,3−ジヒドロピランと反応させ、さらにトリエチルアミン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム又は重炭酸カリウムの脱酸剤の存在下で、且つ20〜100℃の縮合反応温度の下で、Wと縮合させて化合物bを得る工程、
【化23】

工程2)化合物bとQ−NHとを、触媒、アルカリ、非プロトン溶媒の下で、且つ15〜150℃の触媒的カップリング反応温度の下で、触媒的カップリング反応及び保護基を離脱する脱保護塩生成反応をさせることで、化合物dを得る工程であって、
【化24】

【化25】

前記触媒的カップリング反応において、配位子はトリス(o−メチルフェニル)ホスフィン(P(o−tolyl))、トリ−tert−ブチルホスフィン(P(Bu−t))、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(DPPF)、ビス[2−(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル(DPEphos)、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(Xantphos)または配位子式1、式2、式3、式4、式5、式6、式7、式8、式9、式10または式11の化合物であり;
【化26】

【化27】

【化28】

【化29】

前記触媒が、PdCl、Pd(OAc)、Pd(dba)、Ni(OAc)又はNi/Cなどのパラジウム又はニッケルの遷移金属触媒であり;
前記アルカリが、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、炭酸カリウム、炭酸セシウム又はリン酸三カリウムであり;
前記脱保護塩生成反応を、塩酸、硫酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、マレイン酸、フマル酸、乳酸又はクエン酸の存在下で行う工程、
工程3)炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムで化合物dを中和させ,化合物eを得る工程。
【化30】

Wは、任意にモノ置換したC〜Cの直鎖又は分岐鎖のアルキルアミノ基、任意にモノ置換したC〜Cの直鎖又は分岐鎖のアルケニル又はアルキニルアミノ基、任意にジ置換したC1〜C6の直鎖又は分岐鎖のアルキルアミノ基、任意にジ置換したC3〜C6の直鎖又は分岐鎖のアルケニル又はアルキニルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、シクロブチルアミノ基を示し;
Wは、異なった二つのC1〜C6の直鎖又は分岐鎖のアルカンで置換したアミノ基、異なった二つのC3〜C6の直鎖又は分岐鎖のアルケンで置換したアミノ基、一端がC1〜C6のアルカンで置換し、他端がC3〜C6のアルケンで置換したアミノ基、又は任意に置換したテトラヒドロピロール、ピペリジン、モルフィン若しくはピペラジン等であってもよく;
前記置換基は、C1〜C6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、ハロゲン若しくはヒドロキシル基であり;
Qは下記式で表する基であり、
【化31】

【化32】

【化33】

【化34】

【化35】

【化36】

上記式において、B、E、G、R、T、MはそれぞれH又はC〜Cの直鎖又は分岐鎖のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、C〜Cのシクロアルキル基、ハロゲン、CN、NH、メトキシ基、エトキシ基又はニトロ基であり、
ただし、Wがシクロプロピルアミノ基またはシクロブチルアミノ基を表し、YがHまたは上述した薬理学的に許容される糖残基を表し、Qが下記の基である化合物は含まず、
【化37】

【化38】

【化39】

【化40】

【化41】

【化42】

ただし、B、E、G、R、T、Mは同時にHである。
【請求項10】
化合物aと2,3−ジヒドロピランとが反応するモル比が1:1〜5であり、化合物aとWのモル比が1:1〜5であり、縮合反応温度が40〜60℃である、請求項9に記載の化合物又はその塩又はその溶媒和物又はその塩の溶媒和物の製造方法。
【請求項11】
化合物bと化合物Q−NHとのモル比が1:0.5〜2であり、前記触媒的カップリング反応の温度が55〜120℃、又はマイクロ波加熱反応を採用し、前記非プロトン溶媒が、テトラヒドロフラン、イソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン、ピリジン、1−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルプロピレンウレア、トルエン又はキシレンの1種あるいは複数種で組み合わせた混合溶媒である、請求項9に記載の化合物又はその塩又はその溶媒和物又はその塩の溶媒和物の製造方法。
【請求項12】
化合物cと塩酸、硫酸、臭化水素酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、マレイン酸、フマル酸、乳酸、又はクエン酸とのモル比が1:1〜10である、請求項9に記載の化合物又はその塩又はその溶媒和物又はその塩の溶媒和物の製造方法。
【請求項13】
腫瘍疾患の治療又は予防薬物の製造のための請求項1〜5のいずれか1項の化合物又はその塩又はその溶媒和物又はその塩の溶媒和物の使用。
【請求項14】
前記腫瘍疾患が、肺ガン、肝ガン、血液ガン、骨ガン、すい臓ガン、皮膚ガン、黒色腫、子宮ガン、卵巣ガン、直腸癌、胃ガン、結腸ガン、乳腺ガン、子宮ガン、卵管ガン、子宮内膜ガン、子宮頸ガン、膣ガン、外陰ガン、食道ガン、小腸ガン、内分泌系ガン、軟組織肉腫、尿道ガン、前立腺ガン、リンパ細胞ガン、膀胱ガン、腎ガン又は尿管ガン、脊髄腫瘍、脳幹神経こう腫又は下垂体腺腫である、請求項9に記載の腫瘍疾患の治療又は予防薬物の製造のための化合物又はその塩又はその溶媒和物又はその塩の溶媒和物の使用。

【公表番号】特表2010−524862(P2010−524862A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503336(P2010−503336)
【出願日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際出願番号】PCT/CN2008/000782
【国際公開番号】WO2008/128428
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(509290669)ヂェ ジィァン メディスン カンパニー リミテッド シィンシャン ファーマシューティカル ファクトリー (1)
【出願人】(509290670)
【Fターム(参考)】