説明

3次元形状測定装置および3次元形状測定方法

【課題】 装置を大型化させずに、形状データが取得されない死角領域の範囲を狭めることが可能な3次元形状測定装置を提供すること。
【解決手段】 3次元形状測定装置100は、レーザー照射器12から出射して測定対象物OBに照射されるライン光の経路中に設けられ、ライン光の進行方向を測定対象物に向かう方向に変更する第1ミラー20を備える。このため第1ミラー20によりライン光の進路が変更する分だけライン光の進行距離が延びる。したがって、ライン光が測定対象物OBに向かって広がる角度が小さくなり、測定対象物OBに形成される死角領域の範囲を狭めることができる。よって、装置を大型化せずに測定対象物の死角領域の形成範囲を狭めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、断面がライン状のレーザー光であるライン光を測定対象物に照射し、測定対象物からの反射光を検出する3次元センサを用いて測定対象物の形状を測定する3次元形状測定装置および3次元形状測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3次元センサから断面がライン状のレーザー光であるライン光を測定対象物体に照射すると共に、3次元センサの位置を変化させて測定対象物へのライン光の照射部位を移動していき、3次元センサにて測定対象物に照射されたライン光の反射光を検出することにより測定対象物の形状を測定する3次元形状測定装置が知られている。例えば、特許文献1には、この種の3次元形状測定装置を用いて人体や柱などの長尺状の物体の形状を測定するものが提案されている。
【特許文献1】特開平10−122850号公報
【発明の開示】
【0003】
特許文献1に記載の3次元形状測定装置によれば、3次元センサを長尺状の測定対象物の周囲に複数個配置し、これら複数の3次元センサを長尺状の測定対象物の長尺方向に移動しながら移動方向と垂直な方向にライン光を出射して測定対象物にライン光を照射し、ライン光の照射部位における反射光を検出することで測定対象物のそれぞれの3次元センサにおける3次元形状を測定し、その後それぞれの3次元形状を合成することで全体の3次元形状を得ている。ここで、測定対象物の全周の形状を測定するためには複数の3次元センサが必要となるため、3次元センサの必要個数が増加する分だけ装置のコストが高くなるという問題がある。
【0004】
長尺状の測定対象物を全周に亘り測定するためにはどうしても複数の3次元センサが必要となる。そこで、図1に示すように、3次元センサBを測定対象物OBに対して正反対の位置(測定対象物体を中心として対称の位置)に2台配置するのみとして、この2台の3次元センサBにより測定対象物OBを測定すれば、3次元センサの必要個数が最も少なくなり、装置のコスト低減に寄与することができる。
【0005】
しかし、図1に示す3次元形状測定装置Aで測定対象物OBの3次元形状を測定する場合、図2に示すように、測定対象物OBに、いずれの3次元センサBから出射するライン光も照射されない死角領域DAが生じる。この死角領域DAの形状データは取得することはできないため、死角領域DAの形成範囲が広い場合は形状データの欠損率が増加し、あるいは欠損部分の補完率が増加して測定精度が低下する。死角領域DAは、3次元センサBを測定対象物OBから遠ざけて、ライン光が測定対象物OBに向かって広がる角度αを小さくすることにより減らすことはできるが、そうすると、測定対象物OBからそれぞれの3次元センサBまでの距離が長くなって装置の大型化を招くという問題が生じる。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、3次元形状測定装置のコストを抑制するために3次元センサを測定対象物体に対して正反対の位置に2台設置する場合、あるいは3次元センサが1台であっても、装置を大型化させずに形状データが取得されない死角領域の範囲を狭めることが可能な3次元形状測定装置、および、このような装置において行われる3次元形状測定方法を提供することにある。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、測定対象物への照射断面がライン状のレーザー光であるライン光を出射するレーザー照射器と、測定対象物に照射されたライン光の反射光を受光する受光器とを有する3次元センサと、前記受光器により受光された反射光の受光位置に基づいて測定対象物の3次元形状データを作成する形状データ作成手段とを備えた3次元形状測定装置において、前記レーザー照射器から出射して測定対象物に照射されるライン光の経路中に設けられ、ライン光の進行方向を変更する第1の進行方向変更手段を備えるものとすることにある。
【0008】
上記発明によれば、レーザー照射器から出射したライン光は、測定対象物に照射されるまでの進行経路中において、第1の進行方向変更手段によってその進行方向が変更される。つまり、レーザー照射器から出射したライン光は測定対象物まで直線的に進行せずに、少なくとも1回は第1の進行方向変更手段により進路が変更する。よって、この進路が変更する分だけレーザー照射器から出射されてから測定対象物に照射されるまでのライン光の進行距離が長くなり、ライン光の起点の位置と測定対象物との間の距離も長くなる。したがって、上記距離が長くなった分だけライン光が測定対象物に向かって広がる角度が小さくなり、測定対象物に形成される死角領域の形成範囲を狭めることができる。また、第1の進行方向変更手段によってライン光の進行方向が変更されるために、同じ進行距離であって直線的な進行経路を辿って測定対象物にライン光が照射される場合よりも、測定対象物に近い位置にレーザー照射器を配置することができる。このため、装置を大型化せずに測定対象物の死角領域の形成範囲を狭めることができる。
【0009】
上記発明において、ライン光とは、所定の進行方向を基準に平面方向に拡がりを持ったレーザー光であり、上記基準となる進行方向に垂直な断面形状がライン状となるものである。このライン光は測定対象物に照射された場合にその照射断面がライン状となる。また、ライン光の進行方向とは、広がりの基準となるレーザー光の進行方向、すなわちライン光の中心方向(拡がりの角度を二分した方向)に進行する方向をいう。また、第1の進行方向変更手段は、レーザー照射器から出射されたライン光が測定対象物に照射されるまでの間に進行する経路中に設けられていればよい。この第1の進行方向変更手段は、反射によりライン光の進行方向を変更するものでもよく、また、屈折によりライン光の進行方向を変更するものでもよい。反射によりライン光の進行方向を変更するものとしてミラーが例示される。屈折によりライン光を変更するものとしてプリズムが例示される。また、第1の進行方向変更手段は、入射してくるライン光の進行方向を測定対象物に向かう方向に変更するものであるとよい。
【0010】
また、上記本発明において、前記レーザー照射器と前記受光器の位置関係は固定されており、前記第1の進行方向変更手段は、測定対象物に照射されたライン光の反射光が前記受光器に受光されるまでの反射光の経路中に設けられ、反射光の進行方向を変更するものであるとよい。これによれば、第1の進行方向変更手段が、レーザー照射器から測定対象物までにおけるライン光の経路を構成する光学部品として使用されるのみならず、測定対象物から受光器に受光されるまでにおける反射光の経路を構成する光学部品としても使用されるため、部品の共通化を図って装置コストを低減することができる。この場合、第1の進行方向変更手段は、前記レーザー照射器および/または前記受光器との位置関係が固定されているものであるのがよい。また、第1の進行方向変更手段は、入射してくる反射光の進行方向を受光器に向かう方向に変更するものであるとよい。
【0011】
また、本発明の3次元形状測定装置は、前記レーザー照射器から出射するライン光の進行方向に略平行な方向に前記レーザー照射器を移動する移動手段を備えるものであるとよい。この場合、前記第1の進行方向変更手段は、前記レーザー照射器から出射するライン光の進行方向を、前記移動手段により前記レーザー照射器が移動する際における前記レーザー照射器の移動方向と略直角の方向に変更するものであるのがよい。これによれば、ライン光の進行方向と略平行な方向にレーザー照射器を移動し、且つ第1の進行方向変更手段により直角方向にライン光の進行方向を変更することにより、ライン光の起点の位置と測定対象物との間の距離を効率よく長くすることができる。
【0012】
この場合、測定対象物が長尺形状を呈しており、前記レーザー照射器は、前記移動手段によって測定対象物の長尺方向に沿って移動するものであるのがよい。このように構成することにより、ライン光を測定対象物の長尺方向に亘り照射することができ、測定対象物全体の3次元形状を測定することができる。さらにこの場合、第1の進行方向変更手段とレーザー照射器とを、レーザー照射器の移動方向に離間して配置しておくとよい。こうすることにより、レーザー照射器から出射するライン光はレーザー照射器の移動方向に沿って進行して第1の進行方向変更手段に入射し、この第1の進行方向変更手段により進行方向が変更されて例えば測定対象物に向かう。この構成によれば、レーザー照射器の移動方向に沿った方向にライン光が進行する分だけライン光の進行距離を長くすることができる。レーザー照射器の移動方向は測定対象物の長尺方向に沿った方向であるので、この方向にライン光の進行距離を長くしても装置は大型化しない。よって、コンパクトな装置構成のまま、ライン光の進行距離を長くして測定対象物の死角領域の形成範囲を狭めることが実現可能となる。
【0013】
また、本発明の他の特徴は、前記レーザー照射器と前記第1の進行方向変更手段との間における前記レーザー照射器から出射するライン光の経路中に設けられ、ライン光の進行方向を変更する第2の進行方向変更手段を備える3次元形状測定装置とすることにある。
【0014】
上記発明の他の特徴によれば、レーザー照射器と第1の進行方向変更手段との間の経路中に第2の進行方向変更手段が設けられる。したがって、レーザー照射器から出射したライン光は、測定対象物に照射されるまでに、第2の進行方向変更手段により進行方向が変更され、さらに第1の進行方向変更手段により進行方向が再度変更される。このように、ライン光がレーザー照射器から測定対象物まで直線的に進行せずに、第1の進行方向変更手段および第2の進行方向変更手段により少なくとも2回は進路が変更する。よって、この進路が変更する分だけレーザー照射器から出射されてから測定対象物に照射されるまでのライン光の進行距離がより長くなる。換言すると、ライン光の起点位置と測定対象物との間の距離がより長くなる。したがって、上記距離がより長くなった分だけライン光が測定対象物に向かって広がる角度が小さくなって、測定対象物における死角領域の形成範囲をより狭めることができ、測定精度をより向上させることができる。また、第2の進行方向変更手段を設けないものと同等の測定精度、つまり死角領域の形成範囲が同じ程度でよいのであれば、第2の進行方向変更手段を設けることによりレーザー照射器を測定対象物により近づけることができるので、装置の小型化を図ることができる。上記第2の進行方向変更手段は、入射してくるライン光の進行方向を、第1の進行方向変更手段に向かう方向に変更するものであるのがよい。
【0015】
上記発明から把握できるように、レーザー照射器と測定対象物との間の光学経路中に介在する進行方向変更手段は、その数が多ければ多いほどレーザー光の進行距離が長くなって測定対象物に形成される死角領域の形成範囲を狭めることができることがわかる。よって、より高精度の測定をするためには、レーザー照射器と測定対象物との間の光学経路中に進行方向変更手段を3つ以上介在させた3次元形状測定装置とすればよい。進行方向変更手段の数は、測定する形状の要求精度と装置の設置スペースとの兼ね合いから適宜決定することができる。
【0016】
レーザー照射器が移動手段により移動する場合には、前記第2の進行方向変更手段は、前記移動手段による前記レーザー照射器の移動方向に前記レーザー照射器と所定の距離を隔てて配置されているものであるのがよい。これによれば、第2の進行方向変更手段をレーザー照射器の移動スペース内に設置することができるため、コンパクトに第2の進行方向変更手段を取り付けることが可能となる。さらにこの場合、第1の進行方向変更手段がレーザー照射器の移動方向に第2の進行方向変更手段と所定距離を隔てて配置されているとよい。これによれば、2つの進行方向変更手段がともにレーザー照射器の移動スペース内に設置されるため、よりコンパクトに装置を構成することができるとともに、レーザー照射器から出射したライン光が第1の進行方向変更手段に至るまでに、第2の進行方向変更手段を介してレーザー照射器の移動方向に往復するようにライン光の進行経路を設計することができる。よって、コンパクトな構成でより効率的にライン光の進行距離を長くすることができる。
【0017】
また、前記第2の進行方向変更手段は、測定対象物に照射されたライン光の反射光が前記第1の進行方向変更手段によって進行方向を変更されてから前記受光器に受光されるまでの経路中に設けられ、反射光の進行方向を変更するように配置されているとよい。これによれば、第2の進行方向変更手段を、ライン光がレーザー照射器から測定対象物に照射されるまでの経路を構成する光学部品としても、測定対象物から受光器に受光されるまでの反射光の経路を構成する光学部品としても使用することができるため、部品の共通化を図って装置コストを低減することができる。この場合、第1の進行方向変更手段は、測定対象物の表面に照射されたライン光の反射光が第2の進行方向変更手段に入射されるまでの反射光の経路中に設けられ、反射光の進行方向を第2の進行方向変更手段に向かう方向に変更するものであるとよい。さらにこの場合、第2の進行方向変更手段は、入射してくる反射光の進行方向を受光器に向かう方向に変更するものであるとよい。また、前記第2の進行方向変更手段は、前記レーザー光源および/または前記受光器、および、第1の進行方向変更手段との位置関係が固定されているものであるのがよい。
【0018】
前記第1の進行方向変更手段および/または前記第2の進行方向変更手段は、ライン光を入射するとともに入射したライン光を反射することによってライン光の進行方向を変更する反射部材で構成されているのがよい。第1、第2の進行方向変更手段はプリズムなどの屈折を利用してレーザー光の進行方向を変更するものであってもよいが、ミラーのような反射を利用してレーザー光の進行方向を変更する反射部材は反射角の調整が簡単で且つ安価であるので、ミラーのような反射部材を第1、第2の進行方向変更手段として用いることにより、本発明を実現するための装置のコストを低減することができる。
【0019】
また、前記第1の進行方向変更手段および前記第2の進行方向変更手段は、前記レーザー照射器から出射したライン光が前記第1の進行方向変更手段の近傍を通過し、次いで前記第2の進行方向変更手段に入射してこの第2の進行方向変更手段にて反射し、次いで前記第1の進行方向変更手段に入射してこの第1の進行方向変更手段にて反射するように配置されているのがよい。この場合、3次元形状測定装置は、前記第1の進行方向変更手段に一体に形成され、ライン光を通過させるためのスリット孔またはスリット状の透過手段をさらに備え、前記スリット孔または前記透過手段は、前記レーザー照射器から出射したライン光が当該スリット孔または透過手段を通過するように配置され、前記第2の進行方向変更手段は、前記スリット孔または前記透過手段を通過したライン光を反射するように配置されているのがよい。このように構成することにより、簡単且つコンパクトな構造で本発明を実現することができるとともに、第1、第2の進行方向変更手段や3次元センサの調整が行いやすくなる。なお、上記スリット孔または上記スリット状の透過手段は、第1の進行方向変更手段の内部に形成されていれば、よりコンパクトに構成できる。
【0020】
この場合、前記第2の進行方向変更手段は、前記レーザー照射器から出射したライン光が入射するとともに入射したライン光を折り返すように反射して前記第1の進行方向変更手段に入射するように配置されているものであるのがよい。つまり、前記第2の進行方向変更手段は、上記スリット孔または上記スリット状の透過部分を通過したレーザー光の進行方向を略正反対方向に変更するものであるのがよい。これによれば、装置の構成をより簡単にすることができる。また、第2の進行方向変更手段は、測定対象物からの反射光が第1の進行方向変更手段にて反射した反射光を、その進行方向を略正反対方向に変更するように反射して、受光器に向かうようにその進行方向を変更するものであるとよい。
【0021】
また、本発明の3次元形状測定装置は、複数の前記3次元センサを備え、少なくとも2台の前記3次元センサは前記測定対象物に対してそれぞれ正反対の位置に対称的に設けられているものであるのがよい。これによれば、3次元センサを測定対象物に対して正反対の位置に2台配置するのみで、測定対象物の大部分の箇所における形状データを取得することができるので、装置のコストを抑制することができる。
【0022】
また、本発明の他の特徴は、断面がライン状のレーザー光であるライン光を第1の進行方向変更手段に入射させるとともにこの第1の進行方向変更手段によりライン光の進行方向を変更する第1変更ステップと、前記第1変更ステップにて進行方向が変更されたライン光を測定対象物に照射する照射ステップと、前記照射ステップにて測定対象物に照射されたライン光の反射光を受光する受光ステップと、前記受光ステップにて受光された反射光の受光位置に基づいて、測定対象物の形状データを作成する形状データ作成ステップと、を含む3次元形状測定方法とすることにある。この方法により測定対象物の3次元形状を測定することにより、装置の大型化を招くことなく、且つ死角領域の形成範囲が狭まって測定精度の高い3次元形状測定を行うことができる。なお、第1の変更ステップは、第1の進行方向変更手段によってライン光の進行方向を測定対象物に向かう方向に変更するのがよい。
【0023】
この場合、前記第1変更ステップを行う前に行うステップであって、ライン光を第2の進行方向変更手段に入射させるとともにこの第2の進行方向変更手段によりライン光の進行方向を変更する第2変更ステップをさらに含む3次元形状測定方法とするとよい。これによれば、測定対象物における死角領域の形成範囲をより狭めることができ、測定精度をより向上させることができる。なお、第2変更ステップは、第2の進行方向変更手段によってライン光の進行方向を第1の進行方向変更手段に向かう方向に変更するのがよい。また、第2変更ステップの前に、1回または複数回ライン光の進行方向を変更するステップを設けてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について説明する。図3は、本実施形態に係る3次元形状測定装置の概略図である。この3次元形状測定装置100は、図1に示した従来の3次元形状測定装置Aと同様に、測定対象物OBに対称的に(測定対象物OBに対してそれぞれ正反対の位置に)2つの3次元センサ10を設置し、対向する2箇所から測定対象物OBの3次元形状を測定するものである。
【0025】
3次元形状測定装置100は、2つの測定ユニット1,1を有する。各測定ユニット1,1は同一の構成態様である。測定ユニット1は、平板状のベースプレート2と、このベースプレート2上に立設したガイド部3を有する。ガイド部3は、上下面および両側面の4面が板材で形成され、前後面が筒抜けにされた上下に細長い枠体形状とされている。このガイド部3内に3次元センサ10が配置している。
【0026】
ガイド部3の左右側面を形成する長尺状の板材の内壁側にはガイド溝Gが長軸方向(上下方向)に沿って形成されている。また、ガイド部3の図示下端部分にはそれぞれモータ4が配設されている。モータ4の出力軸にはプーリを介してベルト5が巻き回されている。ベルト5はガイド部3の上端部分に回転可能に配置したプーリにも巻き回されていて、モータ4が駆動するとプーリを介して駆動力が伝達されてガイド部3の長尺方向(上下方向)に駆動するようになっている。
【0027】
図4、図5は、3次元センサ10の詳細構造を示す図であり、図4は3次元センサ10をガイド部3に取り付けた状態を示す図、図5は3次元センサ10をガイド部3から取り外した状態を示す図である。3次元センサ10は光切断法により測定対象物OBの3次元形状を測定するためにライン光を測定対象物OBに照射するとともに、測定対象物OBに照射したライン光の反射光を受光して受光信号を出力する検出装置である。3次元センサ10は、所定の基準となる進行方向から平面的に広がりを持ったレーザー光であり、進行方向に垂直な断面形状がライン状であるライン光を出射するレーザー照射器12と、受光カメラ14とを備えている。レーザー照射器12は、筐体121と、筐体121内に収容されたレーザー光源122、コリメートレンズ124およびシリンドリカルレンズ123を有している。レーザー光源122は図示しないレーザー駆動回路からの駆動制御指令に基づいて、進行方向に垂直な断面形状がスポット状のレーザー光を出射する。コリメートレンズ124はレーザー光源122から出射したレーザー光を平行光にし、シリンドリカルレンズ123はその平行光をライン光にする。このようにして生成されたライン光がレーザー照射器12から出射して測定対象物OBに照射される。受光カメラ14は、ライン光が測定対象物OBに照射されたときにその照射部位における反射光(散乱光の一部)を受光する。
【0028】
レーザー照射器12および受光カメラ14は、取り付けブロック30に取り付けられている。取り付けブロック30は、本体部31と、ミラー保持枠32と、カメラ保持腕33とを備えて形成されている。本体部31は直方体状の基部311とこの基部311の一面から垂直に、且つ互いに平行に延びた2本の凸部312,312を有し、2本の凸部312,312および基部311によって断面が略コ字状とされたブロック体である。この本体部31の基部311および2つの凸部312,312によって囲まれた領域内にレーザー照射器12が配置し、取り付けブロック30に挟まれたような状態でレーザー照射器12が取り付けブロック30に保持されている。また、本体部31の基部311の両側面にはガイドレール311aが形成されている。ガイドレール311aはガイド部3に形成されたガイド溝Gに嵌め込まれる。この嵌合により取り付けブロック30がガイド溝Gに沿ってガイド部3の長尺方向に移動可能とされる。さらに、本体部31は、図4に示すようにベルト5が挿通しており、挿通部分にてベルト5が本体部31に固定されている。
【0029】
2つの凸部312,312の先端側には平板状の部材313,313がそれぞれ形成されている。この平板状部材313,313から垂下してミラー保持枠32,32が形成されている。この2本のミラー保持枠32,32により長方形状の第1ミラー20が保持されている。2本のミラー保持枠32,32は、それぞれ2本の腕部(第1腕部321、第2腕部322)を持ち、それぞれのミラー保持枠32,32の第1腕部321,321が第1ミラー20の一方の長辺側の端部をそれぞれ保持し、それぞれのミラー保持枠32,32の第2腕部322,322が第1ミラー20の他方の長辺側の端部をそれぞれ保持している。なお、各腕部にはその下端部分にて第1ミラー20を保持できるように係止部が設けられている。また、図に示すように第1腕部321,321による第1ミラー20の保持部分の高さと、第2腕部322,322による第1ミラー20の保持部分の高さは異なっている。具体的には、第1腕部321,321による第1ミラー20保持位置は、第2腕部322,322による第1ミラー20の保持位置よりも低くされている。このため第1ミラー20は、ミラー保持枠32に保持された状態ではその長手方向の軸回りに傾いて配置されることになる。
【0030】
また、2つの平板状部材313,313からは、カメラ保持腕33,33がそれぞれ対称的に延びて形成されている。このカメラ保持腕33,33は平板状部材313,313に凸部312が連結されている方向とは反対方向に延びて形成されており、その先端部で両側から挟むように受光カメラ14を保持している。受光カメラ14は、その受光面側が第1ミラー20側を向いた状態で、カメラ保持腕33,33に保持される。
【0031】
このように、取り付けブロック30には、レーザー照射器12、受光カメラ14、第1ミラー20が一体的に取り付けられており、取り付けブロック30によってこれらの位置関係が固定されている。したがって、モータ4の駆動によりベルト5が駆動し、このベルト5の駆動によりベルト5に固定された取り付けブロック30がガイド溝Gに沿ってガイド部3の長手方向に移動すると、レーザー照射器12、受光カメラ14および第1ミラー20も一体的に、且つそれぞれの位置関係を変化させずにガイド部3の長手方向に移動する。
【0032】
レーザー照射器12は、取り付けブロック30に取り付けられ且つ取り付けブロック30がガイド部3に嵌め込まれた状態において、ライン光の進行方向(具体的にはライン光の広がりの中心を通るレーザー光の進行方向)がガイド部3の長手方向に平行となるようにライン光を出射する。なお、レーザー照射器12はモータ4の駆動によりガイド部3の長手方向に移動するので、モータ4は、レーザー照射器12から出射するライン光の進行方向に略平行な方向にレーザー照射器12を移動することになる。本実施形態では、ライン光はレーザー照射器12から図示垂直下方に向けて出射される。
【0033】
第1ミラー20は、取り付けブロック30に取り付けられ且つ取り付けブロック30がガイド部3に嵌め込まれた状態において、レーザー照射器12から出射したライン光を反射可能に配置される。本実施形態では第1ミラー20は、図に示すようにレーザー照射器12から、当該レーザー照射器12の移動方向(ガイド部の長尺方向)に所定距離を隔てて離間してレーザー照射器12の下方に配置されている。また第1ミラー20は長手軸回りに水平方向から約45°傾斜した状態で鏡面部分を上向きにして配置している。したがって、レーザー照射器12から略鉛直下方に向けて出射したライン光は第1ミラー20によって反射されて、レーザー照射器12の移動方向(ガイド部3の長尺方向)に垂直な方向に進行方向を変更する。
【0034】
受光カメラ14は、図4に示すようにCCDから構成されるエリアセンサ141が内蔵されており、受光した光をエリアセンサ141で検出し、そのエリアセンサ141内の受光位置を特定できるようになっている。この受光カメラ14は、取り付けブロック30に取り付けられ且つ取り付けブロック30がガイド部3に嵌め込まれた状態において、測定対象物OBの表面で散乱された反射光の一部が第1ミラー20で反射した反射光を受光できるように、その受光面側が傾斜した第1ミラー20に向いて配置されている。本実施形態では、受光カメラ14は第1ミラー20の上部に位置し、その受光面側が僅かに傾いた下向きとなるように配置されている。なお、この状態において、受光カメラ14のエリアセンサ141内における縦方向(図において矢印A方向)の受光位置はレーザー照射器12から測定対象物OBまでの距離に対応し、横方向(図において矢印B方向)の受光位置は、その受光位置にて受光された反射光に対応するライン光がライン光の中心線(ライン光の広がりの中心を通るレーザー光の進行方向を表す直線)に対してなす角(照射角度θy)に対応する。
【0035】
上記のように構成された測定ユニット1,1は、図3に示すように長尺状の測定対象物OBに対して正反対の位置に、つまり測定対象物OBを挟んで対称的に配置される。このため、各測定ユニット1,1の3次元センサ10,10も、測定対象物OBに対して正反対の位置に対称的に配置される。また、図からわかるように、ガイド部3の長手方向、すなわち3次元センサ10の移動方向は、測定対象物OBの長尺方向と略一致する方向とされる。したがって、3次元センサ10のガイド部3の長手方向に沿った移動方向と、測定対象物の長尺方向とは略一致する。このように構成することにより、それぞれの測定ユニット1,1に取り付けられたレーザー照射器12,12から出射されたライン光は第1ミラー20を介して測定対象物OBに異なった方向(正反対の方向)からそれぞれ照射される。なお、本実施形態において、ガイド部3の長手方向、すなわち3次元センサ10、取り付けブロック30、および第1ミラー20の移動方向がY軸方向となり、Y軸方向に直交する方向であって3次元センサ10から出射するライン光が第1ミラー20で反射して測定対象物OBに向かう方向がZ軸方向となり、Y軸方向とZ軸方向との双方に直交する方向がX軸方向となる座標系により測定対象物の形状が表される。また、受光カメラ14のエリアセンサ141内における横方向(図4において矢印B方向)はX軸方向と平行とされる。
【0036】
図3に示すように、本実施形態の3次元形状測定装置100は、3次元画像処理装置6、コントローラ7、表示装置8および入力装置9を備える。3次元センサ10(レーザー照射器12、受光カメラ14)およびモータ4は、3次元画像処理装置6およびコントローラ7に電気的に接続されている。3次元画像処理装置6は、受光カメラ14から受光位置を表す受光信号が入力されるとともにモータ4(のエンコーダ)から3次元センサ10の移動情報が入力され、これらの入力情報に基づいて光切断法の場合の座標計算式により測定対象物OBの3次元形状データ(座標データ)を作成し、その結果を表示装置8に表示する。コントローラ7は、入力装置9から入力される入力指令に基づいて、レーザー照射器12、受光カメラ14およびモータ4を駆動制御するとともに、その制御情報を3次元画像処理装置6に出力する。
【0037】
上記のように構成された3次元形状測定装置100において、レーザー照射器12のレーザー光源122から断面形状がスポット状のレーザー光が出射すると、出射したレーザー光がコリメートレンズ124により平行光にされ、その後シリンドリカルレンズ123によって断面形状がライン状であるライン光とされる。このライン光がレーザー照射器12から出射する。ライン光はその進行方向がガイド部3の長手方向に沿った方向である図示鉛直下方向(Y軸方向)であってライン平面(ライン状の断面を含み、ライン光の中心線に平行な平面)がX−Y平面と略平行となるように進行し、レーザー照射器12の下方に位置する第1ミラー20に入射する。第1ミラー20は入射したライン光を反射する。この反射によりライン光は、進行方向がガイド部3の長手方向(Y軸方向)に垂直な方向であって測定対象物OBに向かう方向(Z軸方向)であり、ライン平面がX−Z平面と略平行となるように、進行方向を変更する(第1変更ステップ)。ライン光はこのようにして進行方向を変更した後に測定対象物OBに照射される(照射ステップ)。これにより、測定対象物OBには照射断面がX−Z平面に平行に延びたライン状となるレーザー光が照射される。上記したライン光の進行経路からわかるように、第1ミラー20は、レーザー照射器12から出射して測定対象物OBに照射されるライン光の経路中に設けられ、ライン光の進行方向を測定対象物OBに向かう方向に変更する。
【0038】
また、3次元センサ10は、レーザー照射器12からライン光を測定対象物OBに照射すると同時に、モータ4の駆動によりY軸方向であるガイド部3の長尺方向に移動する。このため測定対象物OBには、X−Z平面に平行に延びたライン光がY軸方向に亘って順次照射される。この照射により測定対象物OBのほぼ全域に亘ってライン光が照射される。なお、3次元センサ10の移動に伴って、取り付けブロック30に一体に取り付けられた受光カメラ14および第1ミラー20も同じようにY軸方向に移動する。
【0039】
測定対象物OBに照射したライン光は測定対象物OBの表面で散乱し、散乱光の一部の反射光が第1ミラー20に入射する。第1ミラー20は、入射した反射光の進行方向を受光カメラ14に向かう方向である略上向き方向に変更する。第1ミラー20により進行方向が変更された反射光は第1ミラー20の上部に位置する受光カメラ14にて受光される(受光ステップ)。このように、本実施形態では第1ミラー20は測定対象物に照射されたライン光の反射光が受光カメラ14に受光されるまでの反射光の経路中に設けられ、反射光の進行方向を受光カメラ14に向かう方向に変更する。
【0040】
受光カメラ14では、受光した反射光のエリアセンサ141における縦方向および横方向の受光位置を示す受光信号を3次元画像処理装置6に出力する。3次元画像処理装置6は、入力した受光信号を基に測定対象物OBの形状データ(座標データ)を作成し(形状データ作成ステップ)、形状データを基に3次元画像データを作成して表示装置8に送り、表示装置8に3次元形状を表示させる。具体的には、3次元画像処理装置6は、モータ4のエンコーダから出力される3次元センサ10の移動情報から測定対象物OBに照射されているライン光のY軸方向位置を算出する。また、3次元画像処理装置6は、受光カメラ14のエリアセンサ141で検出する横方向の受光位置に対応する照射角度θyおよび受光カメラ14のエリアセンサ141で検出する縦方向の受光位置に対応するレーザー照射器12から測定対象物OBまでの距離Lを用いてLsinθyの計算により測定対象物OBに照射されているライン光のX軸方向位置を算出する。さらに、3次元画像処理装置6は、Lcosθyの計算により測定対象物OBに照射されているライン光のZ軸方向位置を算出する。したがって、3次元画像処理装置6は、測定対象物OBにおけるライン光の照射部位の座標値(X,Y,Z)を(Lsinθy,Y,Lcosθy)として算出する。このような座標点を順次計算していくことで、測定対象物OBの3次元形状データが作成される。なお、レーザー照射器12から出射するライン光が3次元センサ10の移動方向(Y軸方向)から右回りに角度φ分だけ傾いている場合は、モータ4の移動情報から導かれる3次元センサ10の移動位置をY0とすると、座標値(X,Y,Z)は(Lsinθy,Y0−Lcosθy・sinφ,Lcosθy・cosφ)により求められる。
【0041】
本実施形態では測定対象物OBを中心に正反対の位置に(対称的に)2台の3次元センサ10を設置しているので、測定対象物OBに2台の3次元センサ10からライン光を照射し、測定対象物OBの両側から3次元形状を測定することになる。よって、この2台の3次元センサ10により測定対象物OBのほぼ全周の外形形状を測定することができる。さらに、2台の3次元センサ10がY軸方向に移動しながら測定対象物OBの外形形状を測定することで、測定対象物OBの全体の外形形状を測定することができる。
【0042】
図6は、本実施形態の3次元形状測定装置100にて光切断法により測定対象物OBの形状を測定するときの、レーザー照射器12から出射されて測定対象物OBに照射されるまでのライン光の進行経路と、ライン光が測定対象物OBに照射されて、その照射部位における反射光が受光カメラ14により受光されるまでの反射光の進行経路を示す図である。図において点線がレーザー照射器12から出射して測定対象物OBに照射されるまでのライン光を示し、一点鎖線が測定対象物OBの表面に照射されたライン光の反射光が受光カメラ14に受光されるまでの反射光を示す。上述の説明のように、レーザー照射器12から鉛直下方向(Y軸方向)に出射されたライン光は、第1ミラー20で直角方向に進行方向を変更してY軸方向と直角なZ軸方向に進行し、測定対象物OBに照射される。測定対象物OBに照射されたレーザー光の散乱光の一部が反射光として第1ミラー20に入射し、この第1ミラー20によって進行方向を受光カメラ14に向かう方向に変更する。そして、この反射光が受光カメラ14により受光される。
【0043】
図7は、本実施形態における3次元形状測定装置100においてライン光が測定対象物OBに照射されるまでの進行距離を直線的に示した図(図7(a))と、従来における3次元形状測定装置においてライン光が測定対象物OBに照射されるまでの進行距離を示した図(図7(b))とを比較した図であり、両図とも3次元形状測定装置を上から見た図である。従来の3次元形状測定装置においては、図7(b)に示すようにレーザー照射器12と測定対象物OBとの間の距離L0が短いために、ライン光が測定対象物OBに向かって広がる角度α、すなわち、測定対象物OBの両側に接する2本のレーザー光を表す直線のなす角が大きい。このため、ライン光が測定対象物OBに照射されない死角領域DAが比較的広い範囲に形成される。死角領域DAの形状データは作成することができないので、この死角領域DAの形成範囲が広いほど形状データが欠損する割合が大きくなって測定対象物OBの形状測定精度が低下する。
【0044】
これに対し、本実施形態の3次元形状測定装置100においては、図3および図6に示すようにレーザー照射器12から出射するライン光はガイド部3の長手方向に沿ったY軸方向に進行して第1ミラー20に入射し、この第1ミラー20で反射して進行方向を変更した後に測定対象物OBに向かう。したがって、レーザー照射器12から第1ミラー20までの距離をLAとし、第1ミラー20から測定対象物OBまでの距離L1をLAとすると、レーザー照射器12から出射するライン光が測定対象物OBを照射するまでに進行する距離は図7(a)に示すようにL1+LAとなる。L1とL0はほぼ等しいので、本実施形態におけるライン光の進行距離は従来の場合よりもLAの分だけ長くなる。このため、ライン光の起点となる位置から測定対象物OBまでの距離が長くなり、図7(a)に示すように、ライン光が測定対象物OBに向かって広がる角度αが図7(b)に示す角度αよりも小さくなる。
【0045】
角度αが小さければ、ライン光が照射されない死角領域DAの形成範囲が狭くなる。したがって、本実施形態の3次元形状測定装置100によりライン光を測定対象物OBに照射すれば、死角領域DAの形成範囲が減少して形状データの欠損率が減少し、測定精度を向上させることができる。
【0046】
また、ライン光の進行距離のうちで、上記距離LAはライン光が測定対象物OBの長尺方向に沿った方向に進行する距離であり、この方向にライン光を進行させることによって進行距離を延ばしても、レーザー照射器12と測定対象物OBとの間の距離は従来の場合と同じである。つまり、本実施形態では、レーザー照射器12と測定対象物OBとの間の距離を同じにしたままで、装置を大型化せずにライン光の進行距離を長くすることができる。よって、測定対象物OBの全周を測定するために必要な3次元センサの配置数を最小の2台としてコストを最小限に抑えた場合でも、装置を大型化せずに取得する3次元形状データの精度の低下を抑制することが可能である。
【0047】
以上のように、本実施形態の3次元形状測定装置100は、レーザー照射器12から出射して測定対象物OBに照射されるライン光の経路中に設けられ、ライン光の進行方向を測定対象物OBに向かう方向に変更する第1ミラー20を備えるので、第1ミラー20によりライン光の進路が変更する分だけ、つまりレーザー照射器12から第1ミラー20の間の距離の分だけライン光の進行距離が長くなり、ライン光の起点の位置と測定対象物との間の距離が長くなる。したがって、上記距離が長くなる分だけライン光が測定対象物に向かって広がる角度αが小さくなり、測定対象物OBに形成される死角領域DAの範囲を狭めることができる。これにより測定精度を向上させることができる。また、ライン光がレーザー照射器12から測定対象物OBに照射されるまでに第1ミラー20でライン光の進行方向を変えているため、直線的にライン光の進行距離を長くする場合と比較してコンパクトに3次元形状測定装置を設計することができる。特に、本実施形態のようにライン光を測定対象物の長尺方向に沿って進行させることによってライン光の進行距離を延ばすことにより、装置を大型化せずに3次元形状測定の測定精度を向上させることができる。
【0048】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図8は、本実施形態に係る3次元形状測定装置200の概略図である。本実施形態における3次元形状測定装置200は、第1ミラー20にスリット孔22を形成するとともに、第2ミラー25を設けた点を特徴とする。以下、特徴点を中心に説明する。
【0049】
図8に示すように、本実施形態に係る3次元形状測定装置200は、上記の第1実施形態に係る3次元形状測定装置100と同じように、測定対象物OBに対称的に2つの3次元センサ60を設置し、対向する2箇所から測定対象物OBの形状を測定するものである。3次元形状測定装置200は、2つの測定ユニット1,1を有し、各々の測定ユニット1,1のガイド部3,3内に3次元センサ60が配置している。
【0050】
図9、図10は、本実施形態に係る3次元センサ60の詳細構造を示す図であり、図9は3次元センサ60をガイド部3に取り付けた状態を示す図、図10は3次元センサ60をガイド部3から取り外した状態を示す図である。3次元センサ60はレーザー照射器12と受光カメラ14とを備える。レーザー照射器12および受光カメラ14の構造は上記第1実施形態に示したものと同一である。レーザー照射器12および受光カメラ14は、ガイド部3内のガイド溝G内にガイドレール811aが嵌め込まれてガイド部3の長尺方向に移動可能とされた取り付けブロック80に取り付けられている。
【0051】
取り付けブロック80は、第1実施形態に係る取り付けブロック30と同様に、本体部81と、ミラー保持枠82と、カメラ保持腕83とを備えて形成されている。本体部81の形状は第1実施形態にかかる取り付けブロック30の本体部31と同じように直方体状の基部811およびこの基部811の一面から垂直且つ平行に延びた2本の凸部812を有する。レーザー照射器12はこの本体部81の基部811と2つの凸部812とで囲まれた領域内に配置されており、この配置状態にて取り付けブロック80に保持される。
【0052】
本体部81の2つの凸部812,812の先端には平板状の部材813,813がそれぞれ取り付けられている。この平板状部材813,813の図示上面の端から上方に向かって延びるようにミラー保持枠82,82がそれぞれ形成されている。この2本のミラー保持枠82,82は、それぞれ2本の腕部(第1腕部821、第2腕部822)を持ち、各腕部821,822の途中には係止部821a,822aが形成されている。そして、係止部821aに長方形状の第1ミラー20の一方の長辺側の端部が係止され、係止部822aに第1ミラー20の他方の長辺側の端部が係止される。この係止により第1ミラー20がその鏡面部分を上向きの状態としてミラー保持枠82に保持される。
【0053】
図に示すように、係止部821aによる第1ミラー20の保持位置は、係止部822aによる第1ミラー20の保持位置よりも低くされている。このため第1ミラー20はミラー保持枠82に保持された状態でその長手方向の軸回りに傾いて配置されることになる。また、ミラー保持枠82は平板状部材813の上面から上方向に延びているために、このミラー保持枠82に保持される第1ミラー20は本体部81に取り付けられるレーザー照射器12よりも上方に配置することになる。
【0054】
また、図からわかるように、2つのミラー保持枠82,82の各腕部821,822の上端には第2ミラー25が配置している。この第2ミラー25は第1ミラー20の上方に配置し、全部で4本の腕部821,821,822,822によって支えられている。
【0055】
また、2つの平板状部材813,813からは、カメラ保持腕83,83がそれぞれ対称的に延びて形成されている。このカメラ保持腕83,83は上記第1実施形態で説明したカメラ保持腕33,33と同じような形状とされており、その先端部分で受光カメラ14を挟むように保持している。受光カメラ14は、その受光面側が第2ミラー25側(上側)を向いた状態で、カメラ保持腕83,83に保持される。
【0056】
このように、3次元センサ60(レーザー照射器12、受光カメラ14)、第1ミラー20および第2ミラー25は、取り付けブロック80に取り付けられており、それぞれの位置関係が固定されている。また、レーザー照射器12、第1ミラー20および第2ミラー25は、これらが取り付けブロック80に取り付けられた状態で、上から第2ミラー25、第1ミラー20、レーザー照射器12の順に配置している。なお、この配置は逆でもよいが、そのときはレーザー照射器12、第1ミラー20および第2ミラー25の全ての向きを逆とする。
【0057】
取り付けブロック80は、ガイド部3内のベルト5に固定されている。よって、ベルト5の駆動により取り付けブロック80およびこの取り付けブロック80に取り付けられた3次元センサ60(レーザー照射器12、受光カメラ14)、第1ミラー20および第2ミラー25が全て一体となってガイド部3の長手方向に移動する。
【0058】
レーザー照射器12は、取り付けブロック80に取り付けられ且つこの取り付けブロック80がガイド部3に嵌め込まれた状態において、ライン光がガイド部3の長手方向、すなわち3次元センサ10の移動方向と略平行な方向に進行するように、ライン光を出射する。本実施形態では、ライン光はレーザー照射器12から垂直上方に向けて出射される。
【0059】
第1ミラー20は、取り付けブロック80に取り付けられた状態において、その鏡面側がレーザー照射器12とは対面しない方向を向いて配置されている。本実施形態では第1ミラー20の鏡面側は上向きであって、長手方向の軸まわりに約45°傾いた状態で配置している。また、第1ミラー20にはスリット孔22が形成されている。レーザー照射器12は、ライン光がこのスリット孔22を通過して第2ミラー25に入射するようにその配置位置が調整される。また、第2ミラー25は、取り付けブロック80に取り付けられ且つ取り付けブロック80がガイド部3に嵌め込まれた状態において、鏡面側が下向きとなり、且つガイド部3の長手方向、つまりレーザー照射器12の移動方向に第1ミラー25およびレーザー照射器12と離間して配置している。
【0060】
受光カメラ14は、第2ミラー25の下方に配置している。また、受光カメラ14は、第2ミラー25にて反射した反射光を受光し得るようにその受光面側が上方を向いている。本実施形態の3次元形状測定装置200のその他の構成は上記第1実施形態で説明した3次元形状測定装置100と同一であるので、同一部分については同一符号で示し、その具体的説明を省略する。
【0061】
上記のように構成された3次元形状測定装置200において、レーザー照射器12からライン光が出射すると、このライン光は、進行方向がガイド部3の長手方向に沿った方向である図示鉛直上方(Y軸方向)であってライン平面が図8に示す座標系におけるX−Y平面と略平行となるように進行し、レーザー照射器12の上部に配置した第1ミラー20に形成されたスリット孔22を通過して、第1ミラー20の上部に位置する第2ミラー25に入射する。
【0062】
第2ミラー25に入射したライン光はこの第2ミラー25にて折り返すように反射して進行方向を変更する(第2変更ステップ)。つまり、ライン光は第2ミラー25により進行方向が入射時の進行方向と略反対方向となるように、その進行方向が変更される。ただし、入射するライン光を完全に正反対な方向に反射した場合、反射したライン光は第1ミラー20のスリット孔22を再度通過してしまう。本実施形態ではこのようにならずに、第2ミラー25で反射したライン光が第1ミラー20のスリット孔22の近傍位置に入射する成分を持つように、レーザー照射器12から出射されるライン光の進行方向を鉛直方向から若干傾けるか、または第2ミラー25の長手方向の軸回りの角度を微小調整する。
【0063】
第2ミラー25で反射してスリット孔22の近傍位置である第1ミラー20の所定位置に入射したライン光は第1ミラー20によって進行方向がガイド部3の長手方向に垂直な方向である測定対象物OBに向かう方向(Z軸方向)であってライン平面がX−Z平面と略平行となるように進行方向を変更する(第1変更ステップ)。そして、測定対象物OBに照射される(照射ステップ)。これにより測定対象物OBにはX−Z平面に平行に延びたライン状のレーザー光が照射される。また、3次元センサ10は、モータ4の駆動により第1ミラー20および第2ミラー25とともにY軸方向に移動する。これによりライン光が測定対象物OBの長手方向に亘って順次照射される。上記したライン光の進行経路からわかるように、第2ミラー25は、レーザー照射器12と第1ミラー20との間におけるライン光の進行経路中に設けられ、ライン光の進行方向を第1ミラー20に向かう方向に変更する。
【0064】
測定対象物OBに照射されたライン光は測定対象物OBの表面で散乱する。この散乱光の一部の反射光が第1ミラー20に入射する。第1ミラー20は入射した反射光の進行方向を、第2ミラー25に向かう方向である上向き方向に変更する。このため反射光は第1ミラー20で反射して上向きに進行し、第2ミラー25に入射する。第2ミラー25は入射した反射光を折り返すように、つまり入射時の進行方向(上向き方向)と略反対方向(下向き方向)となるように進行方向を変更する。この折り返し方向には受光カメラ14が配置しているため、第2ミラー25にて折り返した反射光の一部は受光カメラ14にて受光される(受光ステップ)。受光カメラ14では受光した反射光の受光位置に関する受光信号を3次元画像処理装置6に出力する。3次元画像処理装置6は受光位置に関する情報およびモータ4から入力される3次元センサ10の移動情報に基づいて測定対象物OBの形状データを作成する(形状データ作成ステップ)。
【0065】
図11は、レーザー照射器12から出射されて測定対象物OBに照射されるライン光の進行経路(点線で示した進行経路)と、測定対象物OBで反射した反射光の進行経路(一点鎖線で示した進行経路)を示す図である。ライン光および反射光は上述した通りの進行経路を辿る。
【0066】
本実施形態の3次元形状測定装置200では、レーザー照射器12から測定対象物OBに照射されるライン光、および、測定対象物OBに照射されるライン光の反射光は、第2ミラー25により折り返すように反射されて、第1ミラー20および第2ミラー25の間で往復するようにその進行経路が設計されている。したがって、この往復進行のためにライン光がレーザー照射器12から出射して測定対象物OBに照射されるまでの進行距離をより長くすることができ、図12に示すようにライン光の起点位置から測定対象物OBまでの距離Lをさらに長くすることができる。このためライン光が測定対象物OBに向かって拡がる角度αをより小さくすることができ、測定対象物OBにおける死角領域DAの形成範囲をより狭くすることができる。また、上記のライン光または反射光は、レーザー照射器12の移動方向、つまりガイド部3の長手方向に往復進行するが、この方向にライン光あるいは反射光が往復進行することにより進行距離を延ばしても、レーザー照射器12と測定対象物OBとの間の距離は従来の場合と同じである。したがって、本実施形態の3次元形状測定装置200によれば、受光カメラ14を2台のみとしてコストを抑制できるとともに、装置を大型化せずに3次元形状データの精度をより向上させることができる。また、レーザー照射器12から照射されるレーザー光の広がりの角度αを第1実施形態と同程度とした場合には、3次元センサ10と測定対象物OBの間の距離を狭めることができるため、装置を小型化することができるといった効果を奏する。
【0067】
以上のように、本実施形態の3次元形状測定装置200は、第1ミラー20に加え、レーザー照射器12と第1ミラー20との間におけるレーザー照射器12から出射するライン光の経路中に設けられ、ライン光の進行方向を第1ミラー20に向かう方向に変更する第2ミラー25を備えるので、レーザー照射器12から出射されてから測定対象物OBに照射されるまでのライン光の進行距離がより長くなり、ライン光が測定対象物に向かって広がる角度がより小さくなって、測定対象物における死角領域の形成範囲をより狭めることができる。これにより測定精度を向上することができる。また、ライン光がレーザー照射器12から測定対象物OBに照射されるまでに第1ミラー20および第2ミラー25によりライン光の進行方向を変えているため、直線的にライン光の進行距離を長くする場合と比較してコンパクトに3次元形状測定装置を設計することができる。特に、本実施形態のようにライン光を第1ミラー20と第2ミラー25との間でレーザー照射器12の移動方向に往復して進行させることによってライン光の進行距離を延ばせば、装置を大型化せずに3次元形状測定の測定精度を向上させることができる。
【0068】
また、レーザー照射器12から出射されたライン光は第2ミラー25に入射する前に第1ミラー20の内部に形成されたスリット孔22を通過してから第2ミラー25に入射し、この第2ミラー25で折り返すように反射し、さらに第1ミラー20にて反射して測定対象物OBに向かう。このように構成することにより、簡単且つよりコンパクトな装置構造とすることができる。
【0069】
なお、本発明は様々な変形が可能である。上記実施形態においては、3次元センサ10,60の移動には移動方向をガイドするものとして長尺状の枠体内に形成されたガイド溝Gを使用し、移動手段としてモータ4によるベルト駆動方式を採用したが、3次元センサ10,60が移動すればどのような方式でもよい。例えば移動手段として長尺のネジを切ったシャフトをモータにより回転させてネジ送り機構により移動する方式を採用してもよい。
【0070】
また、上記実施形態においては、3次元センサ10,60の移動を1方向にしたが、複数の方向に移動するような構成にしてもよい。例えば、上方向に移動した後横方向に移動し、下方向に移動するようにして3次元センサを1台として測定対象物OBを複数の方向から測定するようにしてもよい。また、上記実施形態においては、3次元センサ10,60と第1ミラー20および/または第2ミラー25を取り付けブロック30,80により一体にして移動するようにしたが、それぞれの移動の精度を高精度にして3次元センサ10,60と第1ミラー20、第2ミラー25を別々に移動するようにしてもよい。
【0071】
また、上記実施形態においては、進行方向に垂直な断面がライン状のレーザー光を作成するためにシリンドリカルレンズ123を使用したが、断面がライン状になればどのような方式を採用してもよい。例えば、ポリゴンミラーやガルバノミラーにより断面がライン状になるレーザー光を作成してもよい。つまり、レーザー光を進行方向とは異なる方向に走査して測定対象物の3次元形状を測定する場合にも本発明を適用することができる。また、上記実施形態においては3次元センサ10,60をレーザー照射器12と受光カメラ14に分けて構成したが、1つの筐体にレーザー照射器と受光カメラが収納されているようなものであってもよい。
【0072】
また、上記実施形態においては、3次元センサ10,60を2台としたが、装置のコスト面を重要視しなければ、3台以上にして本発明を適用してもよい。さらに、上記実施形態においては、長尺状の測定対象物OBの形状測定に本発明を適用したが、3次元センサが移動して光切断法により測定対象物の3次元形状を測定するものであれば、長尺状の物体に限らず、どのような物体の形状測定にも本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】従来の3次元形状測定装置の概略図である。
【図2】従来の3次元形状測定装置において、出射するライン光と測定対象物との関係を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る3次元形状測定装置の概略図である。
【図4】第1実施形態に係る3次元センサの概略斜視図であり、ガイド部に取り付けられた状態を示す図である。
【図5】第1実施形態に係る3次元センサの概略斜視図であり、ガイド部から取り外された状態を示す図である。
【図6】第1実施形態に係る3次元形状測定装置にて測定対象物を測定する際における、ライン光および測定対象物からの反射光の進行経路を示す図である。
【図7】従来の3次元形状測定装置および第1実施形態に係る3次元形状測定装置において、ライン光の進行距離を比較した図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る3次元形状測定装置の概略図である。
【図9】第2実施形態に係る3次元センサの概略斜視図であり、ガイド部に取り付けられた状態を示す図である。
【図10】第2実施形態に係る3次元センサの概略斜視図であり、ガイド部から取り外された状態を示す図である。
【図11】第2実施形態に係る3次元形状測定装置にて測定対象物を測定する際における、ライン光および測定対象物からの反射光の進行経路を示す図である。
【図12】第2実施形態に係る3次元形状測定装置において、ライン光の進行距離を示す図である。
【符号の説明】
【0074】
1…測定ユニット、3…ガイド部、4…モータ(移動手段)、6…3次元画像処理装置(形状データ作成手段)、10,60…3次元センサ、12…レーザー照射器、122…レーザー光源、123…シリンドリカルレンズ、14…受光カメラ(受光器)、141…エリアセンサ、20…第1ミラー(第1の進行方向変更手段、反射部材)、22…スリット孔、25…第2ミラー(第2の進行方向変更手段、反射部材)、30,80…取り付けブロック、31,81…本体部、32,82…ミラー保持枠、33,83…カメラ保持腕、100,200…3次元形状測定装置、DA…死角領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物への照射断面がライン状のレーザー光であるライン光を出射するレーザー照射器と、測定対象物に照射されたライン光の反射光を受光する受光器とを有する3次元センサと、前記受光器により受光された反射光の受光位置に基づいて測定対象物の3次元形状データを作成する形状データ作成手段とを備えた3次元形状測定装置において、
前記レーザー照射器から出射して測定対象物に照射されるライン光の経路中に設けられ、ライン光の進行方向を変更する第1の進行方向変更手段を備えることを特徴とする、3次元形状測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の3次元形状測定装置において、
前記レーザー照射器と前記受光器の位置関係は固定されており、
前記第1の進行方向変更手段は、測定対象物に照射されたライン光の反射光が前記受光器に受光されるまでの反射光の経路中に設けられ、反射光の進行方向を変更することを特徴とする、3次元形状測定装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の3次元形状測定装置において、
前記レーザー照射器から出射するライン光の進行方向に略平行な方向に前記レーザー照射器を移動する移動手段を備え、
前記第1の進行方向変更手段は、前記レーザー照射器から出射するライン光の進行方向を、前記移動手段により前記レーザー照射器が移動する際における前記レーザー照射器の移動方向と略直角の方向に変更することを特徴とする、3次元形状測定装置。
【請求項4】
請求項3に記載の3次元形状測定装置において、
測定対象物は長尺形状を呈しており、
前記レーザー照射器は、前記移動手段によって測定対象物の長尺方向に沿って移動することを特徴とする、3次元形状測定装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の3次元形状測定装置において、
前記レーザー照射器と前記第1の進行方向変更手段との間における前記レーザー照射器から出射するライン光の経路中に設けられ、ライン光の進行方向を変更する第2の進行方向変更手段を備えることを特徴とする、3次元形状測定装置。
【請求項6】
請求項5に記載の3次元形状測定装置において、
前記第2の進行方向変更手段は、測定対象物に照射されたライン光の反射光が前記第1の進行方向変更手段によって進行方向を変更されてから前記受光器に受光されるまでの経路中に設けられ、反射光の進行方向を変更することを特徴とする、3次元形状測定装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載の3次元形状測定装置において、
前記第1の進行方向変更手段および前記第2の進行方向変更手段は、ライン光を入射するとともに入射したライン光を反射することによってライン光の進行方向を変更する反射部材で構成されていることを特徴とする、3次元形状測定装置。
【請求項8】
請求項7に記載の3次元形状測定装置において、
前記レーザー照射器から出射したライン光が前記第1の進行方向変更手段の近傍を通過し、次いで前記第2の進行方向変更手段に入射してこの第2の進行方向変更手段にて反射し、次いで前記第1の進行方向変更手段に入射してこの第1の進行方向変更手段にて反射するように、前記第1の進行方向変更手段および前記第2の進行方向変更手段が配置されていることを特徴とする、3次元形状測定装置。
【請求項9】
請求項7または8に記載の3次元形状測定装置において、
前記第1の進行方向変更手段に一体に形成され、ライン光を通過させるためのスリット孔またはスリット状の透過手段をさらに備え、
前記スリット孔または前記透過手段は、前記レーザー照射器から出射したライン光が前記スリット孔または前記透過手段を通過するように配置され、
前記第2の進行方向変更手段は、前記スリット孔または前記透過手段を通過したライン光が前記第2の進行方向変更手段にて反射するように配置されていることを特徴とする、3次元形状測定装置。
【請求項10】
請求項9に記載の3次元形状測定装置において、
前記第2の進行方向変更手段は、前記レーザー照射器から出射したライン光が入射するとともに入射したライン光を折り返すように反射して前記第1の進行方向変更手段に入射するように配置されていることを特徴とする、3次元形状測定装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の3次元形状測定装置において、
複数の前記3次元センサを備え、少なくとも2台の前記3次元センサは前記測定対象物に対してそれぞれ正反対の位置に対称的に設けられていることを特徴とする、3次元形状測定装置。
【請求項12】
測定対象物への照射断面がライン状のレーザー光であるライン光を第1の進行方向変更手段に入射させるとともにこの第1の進行方向変更手段によりライン光の進行方向を変更する第1変更ステップと、
前記第1変更ステップにて進行方向が変更されたライン光を測定対象物に照射する照射ステップと、
前記照射ステップにて測定対象物に照射されたライン光の反射光を受光する受光ステップと、
前記受光ステップにて受光された反射光の受光位置に基づいて、測定対象物の形状データを作成する形状データ作成ステップと、
を含む、3次元形状測定方法。
【請求項13】
請求項12に記載の3次元形状測定方法において、
前記第1変更ステップを行う前に行うステップであって、
ライン光を第2の進行方向変更手段に入射させるとともにこの第2の進行方向変更手段によりライン光の進行方向を変更する第2変更ステップをさらに含むことを特徴とする、3次元形状測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−203091(P2008−203091A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−39638(P2007−39638)
【出願日】平成19年2月20日(2007.2.20)
【出願人】(000112004)パルステック工業株式会社 (179)
【Fターム(参考)】