説明

ACワイド電圧入力ファンモータ

【課題】
本発明は、商用電源のみで動作する機器においては、冷却用ファンモータとしてDCモータを使用するには、新たにDC電源を設ける必要があることから、機器が大型化してしまうと共に機器の製造コストを増大する課題があった。
【解決手段】
広範囲な全世界商用電源に対応したAC電源の電圧仕様を入力電源に使用して、整流素子、スイッチング素子等で構成する電力変換装置で、出力はDCで、且つ、一定電圧出力の駆動回路をフアンモータ内部にコンパクトに収納することで構成する。
その結果、広範囲な全世界商用電源に差し込むだけで、一定回転数で駆動可能にするDCモータの駆動装置と、その他の機能をファンモータの内部にコンパクトに収納したファンモータを提供することで課題を解決する手段とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広範囲な全世界商用電源に対応したAC電源の電圧仕様を入力電源に使用して、その電力変換装置と駆動回路をファンモータ内部にコンパクトに収納することで、広範囲な全世界商用電源に差し込むだけで駆動可能にする技術分野の改良に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来、商用電源のみで動作する機器において冷却が必要な場合には、機器の内部に冷却用ファンモータを設けているが、この冷却用ファンモータの駆動モータとしてACモータが一般的に使用されていた。
【0003】
ところが近年、機器の省エネルギー化、機器の低騒音化を目指して、冷却ファンモータのモータとして、ACモータに代わってDCモータが使用され始めている。
DCモータは、モータのエネルギー変換効率が良く、モータの動作回転数の選択自由度が広く、モータが不具合を起こし停止した場合、回転検知機能や、異常電流検知機能等の多機能化が図れることから、その採用される機会が増加しつつある。
【特許文献1】特開平10−041658号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、商用電源のみで動作する機器においては、冷却用ファンモータとしてDCモータを使用するには、新たにDC電源を設ける必要があることから、機器が大型化してしまうと共に機器の製造コストを増大する課題があった。
全世界商用電源を見ると周波数が50サイクル/60サイクルで、定格電圧はAC100VからAC240Vまで、種々の電源事情で提供されている。
これらの電源事情に対応するファンモータの性能は、周波数や電圧の変動によって大幅に変化し、このファンモータで冷却する場合は大きな余裕を取る必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
広範囲な全世界商用電源に対応したAC電源の電圧仕様を入力電源に使用して、整流素子、スイッチング素子等で構成する電力変換装置で、出力はDCで、且つ、一定電圧出力の駆動回路をファンモータ内部にコンパクトに収納することで構成する。
その結果、広範囲な全世界商用電源に差し込むだけで駆動可能にするDCモータの駆動装置と、その他の機能をファンモータの内部にコンパクトに収納した一定回転数で駆動可能にするファンモータを提供することで、課題を解決するための手段とする。
【0006】
ファンモータの駆動モータは、単相ブラシレスDCモータでも、多相ブラシレスDCモータでも良い。
【0007】
ファンモータには、モータ回転数を回転可変に出来る機構を持たせても良い。
【0008】
ファンモータには、ホール素子とモータの回転子のマグネットからなるモータが回転しているかを検知するための検知回路を内蔵したものでも良い。
【発明の効果】
【0009】
本発明に成るモータファンは、広範囲な全世界商用電源に対応したAC電源の電圧仕様を入力電源に使用して、電源に差し込むだけのみで一定回転数で駆動可能になるファンモータが得られ、モータの回転数を回転可変にできるファンモータを、又、モータが不具合で回転不能になった場合に、異常を示す信号が出るファンモータを得ることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下図面により本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0011】
図1はフアンモータのベンチュリーの外部に電源一次回路を設置した本発明の実施例である。広範囲な全世界商用電源に対応したAC電源へ、直接接続する電源プラグをモータから引き出している。図1の斜線部に示す部分には、図2に示す駆動回路図の中に破線で区分した一次電源回路を内蔵している。又、図6に示すように、フアンモータの内部に、二次側基盤に二次電源回路部品が搭載される。
【0012】
図7に示すように、フアンモータの内部に、駆動回路図の中に破線で区分した一次電源回路をと二次電源回路部品が搭載される場合を示す。
【0013】
図3にフアンモータの稼動状況を表示するインジケータ(LED)付きフアンモータの回路図を示す。
【0014】
図4にモータが回転していない等を自己検知し停止したり、異常情報を外部に伝達する構成を示す。
【0015】
図5には可変速フアンの構成図を示す。
【産業上の利用可能性】
【0016】
商用電源のみで動作する機器においては、冷却用ファンモータ以外でも、新たにDC電源を設ける必要があることから、機器が大型化してしまうと共に機器の製造コストを増大する課題が存在する分野では、利用可能性が多い。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明を実施したフアンモータの外形図の実施例を示す。
【図2】本発明の駆動回路図を示す。
【図3】本発明のインジケータ(LED)付フアンを示す。
【図4】本発明のセンサー付フアンを示す。
【図5】本発明の可変速フアンを示す。
【図6】本発明のモータ内部の配置図を示す。
【図7】本発明の一次、二次回路の配置図を示す。
【符号の説明】
【0018】
全て、図中に表示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
DCブラシレスモータを組込んだファンモータにおいて、AC90VからAC240Vまでの世界の電源事情を全てカバーしたAC電源からDC単一電圧を出力する電源に変換する電力変換装置を持ち、この電力変換装置の2次側回路をDCブラシレスモータの駆動回路の一部と共有することで、ファンモータに電力変換装置を接触固定、または搭載可能にすることを特徴とするファンモータ。
【請求項2】
上記構成において、1次側回路と2次側回路とを分離された別々の基板で構成することで少ない容積で充分な絶縁距離を確保し、回路の全てをファンモータ内部に搭載することを特徴とするファンモータ。
【請求項3】
上記構成により、従来のDCファンと同一の機能を持ったACファンとして使用可能なことを特徴とするモータファン。
【請求項4】
ホール素子とモータ回転子のマグネットでプロペラの回転検出し、その検出信号を基にファンモータの拘束検知アラームを出力する信号装置を持ったブラシレスDCモータを組込んで、モータの動作上、可変抵抗器等を用いてマニュアル操作で回転速度を回転可変にすることの出来る操作部を持つことを特徴とするファンモータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−286128(P2008−286128A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−132872(P2007−132872)
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(000228730)日本サーボ株式会社 (276)
【Fターム(参考)】