説明

CCR5拮抗薬としてのシクロプロピル化合物

本発明は、CCR5が関連する疾患及び障害の治療において有用な、例えば、HIV複製の阻害、HIV感染症の予防又は治療、及び、結果として生じる後天性免疫不全症候群(AIDS)の治療において有用な、式(I)で表される化合物又はその薬学上許容される誘導体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ヒト免疫不全ウィルス(「HIV」)は、後天性免疫不全症候群(「AIDS」)及びその前兆であるエイズ関連症候群(「ARC」)の原因因子である。後天性免疫不全症候群(「AIDS」)は、免疫系、特に、CD4+T-細胞が破壊されることを特徴とし、日和見感染に対する感受性を有するようになる疾患である。エイズ関連症候群(「ARC」)は、持続性の全身性リンパ節腫脹、発熱及び体重減少などの症状を特徴とする症候群である。
【背景技術】
【0002】
HIVは、標的細胞内に侵入するために、CD4の他に、共受容体を必要とする。ケモカイン受容体は、HIVに対する共受容体として、CD4と一緒に機能する。HIV-1に対する主要な共受容体として、これまで、ケモカイン受容体CXCR4及びCCR5が同定されている。CCR5は、マクロファージ指向性HIVが宿主細胞と融合して宿主細胞に侵入するための主要な共受容体として作用する。これらのケモカイン受容体は、HIV感染が確立して全身に広まる上で重要な役割を果たすと考えられている。従って、CCR5拮抗薬は、HIVに対して活性を有する治療薬として有用であると考えられる。
【発明の開示】
【0003】
本発明者らは、HIV複製の阻害薬として有効な一連の小分子非ペプチド化合物を見いだした。
【0004】
本発明は、薬学上許容される塩又は医薬組成物の成分として、HIV複製の阻害、HIVによる感染の防止、及び、HIVによる感染の治療、並びに、AIDS及び/又はARCの治療において有用な化合物を特徴とする。本発明は、さらに、単独療法として、又は、別の抗ウイルス薬、抗感染症薬、免疫調節薬、抗生物質若しくはワクチンと組み合わせて、AIDSを治療する方法、HIVによる感染を予防する方法、及び、HIVによる感染を治療する方法も特徴とする。本発明は、さらに、CCR5が関連する疾患及び状態を予防するか又は治療するのに適している上記化合物を含有する医薬組成物も特徴とする。本発明は、さらに、上記化合物を調製する方法も特徴とする。
【0005】
本発明は、式(I):
【化1】

【0006】
[式中、
Xは、C1-5アルキレン鎖であり、その際、該Xは、場合により、1以上の=O、=S、アルキル又はハロゲンで置換されていてもよく、又、該C1-5アルキレン鎖は、場合により、酸素、リン、硫黄又は窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有していてもよく;
環Aは、1個の環窒素原子と酸素、リン、硫黄又は窒素から選択される0〜4個の付加的なヘテロ原子を有する、飽和、部分的飽和又は芳香族の、3〜7員単環式環又は8〜10員二環式環であり;
R1は、下記の群から選択され:
(a) 1個の環窒素原子と酸素、リン、硫黄又は窒素から選択される0〜4個の付加的なヘテロ原子を有する、飽和、部分的飽和又は芳香族の、4〜7員単環式環又は8〜10員二環式環(ここで、該環は、場合によりC1-6アルキレン鎖を介して結合していてもよく、また、場合により1以上のR8で置換されていてもよい);
【化2】

【0007】

【0008】
Qは、炭素、酸素又はS(O)tであり;
wは、1又は2であり;
各R2は、独立して、-OR0、-C(O)-R0、-S(O)2-R0、-C(O)-N(R0)2、-S(O)2-N(R0)2、-(CH2)a-N(R0)(-Vb-R+)、-(CH2)a-(-Vb-R+)、ハロゲン、場合により1以上のR7で置換されていてもよいアルキル、場合により1以上のR7で置換されていてもよいアルケニル、場合により1以上のR7で置換されていてもよいアルキニル、場合により1以上のR6で置換されていてもよいアリール、場合により1以上のR6で置換されていてもよいヘテロアリール、場合により1以上のR8で置換されていてもよいシクロアルキル、及び、場合により1以上のR8で置換されていてもよいヘテロシクリルからなる群から選択され;また、環A上で隣接する2つのR2は、場合により、一緒に、酸素、リン、硫黄又は窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する、飽和、部分的飽和又は芳香族の、5〜6員縮合環を形成していてもよく;又は、ジェミナルな2つのR2は、場合により、一緒に、酸素、リン、硫黄又は窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する、飽和、部分的飽和又は芳香族の、5〜6員スピロ環を形成していてもよく;ここで、前記縮合環又はスピロ環は、場合により、1以上のR8で置換されていてもよく;
各aは、独立して、0〜3であり;
各bは、独立して、0又は1であり;
Vは、-C(O)-、-C(O)O-、-S(O)2-又は-C(O)-N(R0)-であり;
R+は、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル又はヘテロシクリルであり、その際、該R+は、場合により、1以上のR8で置換されていてもよく;
dは、0〜3であり;
mは、0又は1であり;
nは、0〜5であり;
R3は、H、-N(R0)2、-N(R0)C(O)R0、-CN、ハロゲン、CF3、場合によりR7若しくは-S-アリール(ここで、該-S-アリールは、場合により、-(CH2)1-6-N(R0)SO2(R0)で置換されていてもよい)から選択される1以上の基で置換されていてもよいアルキル、場合によりR7若しくは-S-アリール(ここで、該-S-アリールは、場合により、-(CH2)1-6-N(R0)SO2(R0)で置換されていてもよい)から選択される1以上の基で置換されていてもよいアルケニル、場合によりR7若しくは-S-アリール(ここで、該-S-アリールは、場合により、-(CH2)1-6-N(R0)SO2(R0)で置換されていてもよい)から選択される1以上の基で置換されていてもよいアルキニル、場合により1以上のR8で置換されていてもよいシクロアルキル若しくはカルボシクリル、場合により1以上のR6で置換されていてもよいアリール、場合により1以上のR6で置換されていてもよいヘテロアリール、又は、場合により1以上のR8で置換されていてもよいヘテロシクリルであり;
Yは、アルキル、アルケニル、アルキニル、-(CR4R5)p-、-C(O)-、-C(O)C(O)-、-C(S)-、-O-(CH2)0-4-C(O)-、-(CH2)0-4-C(O)-O-、-N(R0)-C(O)-、-C(O)-N(R0)-、-N(R0)-C(S)-、-S(O)t-、-O-C(=N-CN)-、-O-C(=N-R0)-、-C(=N-CN)-O-、-C(=N-CN)-S-、-C(=N-R0)-O-、-S-C(=N-CN)-、-N(R0)-C(=N-CN)-、-C(=N-CN)-、-N(R0)-C[=N-C(O)-R0]、-N(R0)-C[=N-S(O)t-R0]、-N(R0)-C(=N-OR0)-、-N(R0)-C(=N-R0)-又は-C(=N-R0)-であり;
各R4は、独立して、H、場合によりR7で置換されていてもよいアルキル、場合によりR7で置換されていてもよいアルケニル、又は、場合によりR7で置換されていてもよいアルキニルであり;
各R5は、独立して、H、-C(O)-OR6、-C(O)-N(R0)2、-S(O)t-N(R0)2、-S(O)t-R0、場合によりR6で置換されていてもよいアリール、及び、場合によりR6で置換されていてもよいヘテロアリールからなる群から選択され;
pは、1〜5であり;
各tは、独立して、1又は2であり;
各R6は、独立して、ハロゲン、-CF3、-OCF3、-OR0、-(CH2)1-6-OR0、-SR0、-(CH2)1-6-SR0、-SCF3、-R0、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、-NO2、-CN、-(CH2)1-6-CN、-N(R0)2、-(CH2)1-6-N(R0)2、-NR0C(O)R0、-NR0(CN)、-NR0C(O)N(R0)2、-NR0C(S)N(R0)2、-NR0CO2R0、-NR0NR0C(O)R0、-NR0NR0C(O)N(R0)2、-NR0NR0CO2R0、-C(O)C(O)R0、-C(O)CH2C(O)R0、-(CH2)0-6CO2R0、-O-C(O)R0、-C(O)R0、-C(O)N(R0)N(R0)2、-C(O)N(R0)2、-C(O)N(R0)OH、-C(O)N(R0)SO2R0、-OC(O)N(R0)2、-S(O)tR0、-S(O)t-OR0、-S(O)tN(R0)C(O)R0、-S(O)tN(R0)OR0、-NR0SO2N(R0)2、-NR0SO2R0、-C(=S)N(R0)2、-C(=NH)-N(R0)2、-(CH2)1-6-C(O)R0、-C(=N-OR0)-N(R0)2、-O-(CH2)0-6-SO2N(R0)2、-(CH2)1-6NHC(O)R0及び-SO2N(R0)2からなる群から選択され、その際、同一の窒素上にある2つのR0は、場合により、一緒に、酸素、リン、窒素又は硫黄から選択される0〜4個の付加的なヘテロ原子を有する、飽和、部分的飽和又は芳香族の5〜8員環を形成していてもよく;
各R7は、独立して、ハロゲン、-CF3、-R0、-OR0、-OCF3、-(CH2)1-6-OR0、-SR0、-SCF3、-(CH2)1-6-SR0、場合によりR6で置換されていてもよいアリール、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、-NO2、-CN、-(CH2)1-6-CN、-N(R0)2、-(CH2)1-6-N(R0)2、-NR0C(O)R0、-NR0(CN)、-NR0C(O)N(R0)2、-N(R0)C(S)N(R0)2、-NR0CO2R0、-NR0NR0C(O)R0、-NR0NR0C(O)N(R0)2、-NR0NR0CO2R0、-C(O)C(O)R0、-C(O)CH2C(O)R0、-(CH2)0-6-CO2R0、-C(O)R0、-C(O)N(R0)N(R0)2、-C(O)N(R0)2、-C(O)N(R0)OH、-OC(O)R0、-C(O)N(R0)SO2R0、-OC(O)N(R0)2、-S(O)tR0、-S(O)t-OR0、-S(O)tN(R0)C(O)R0、-S(O)tN(R0)OR0、-NR0SO2N(R0)2、-NR0SO2R0、-C(=S)N(R0)2、-C(=NH)-N(R0)2、-(CH2)1-6-C(O)R0、-C(=N-OR0)-N(R0)2、-O-(CH2)0-6-SO2N(R0)2、-(CH2)1-6-NHC(O)R0及び-SO2N(R0)2からなる群から選択され、その際、同一の窒素上にある2つのR0は、場合により、一緒に、酸素、リン、窒素又は硫黄から選択される0〜4個の付加的なヘテロ原子を有する、飽和、部分的飽和又は芳香族の5〜8員環を形成していてもよく;
各R8は、独立して、R7、=O、=S、=N(R0)及び=N(CN)からなる群から選択され;
R9は、水素、場合により1以上のR7で置換されていてもよいアルキル、場合により1以上のR7で置換されていてもよいアルケニル、場合により1以上のR7で置換されていてもよいアルキニル、場合により1以上のR8で置換されていてもよいシクロアルキル、場合により1以上のR8で置換されていてもよいヘテロシクリル、場合により1以上のR6で置換されていてもよいヘテロアリール、又は、場合により1以上のR6で置換されていてもよいアリールであるか;又は、
-(Y)m-R3とR9は、それらが結合している窒素原子と一緒に、飽和、部分的飽和又は芳香族の5〜7員単環式環又は8〜10員二環式環(ここで、該環は、場合により、酸素、リン、硫黄又は窒素から選択される1〜3個の付加的なヘテロ原子を含んでいてもよく、また、該環は、場合により1以上のR8で置換されていてもよい)を形成していてもよく;
R10は、水素、場合により1以上のR7で置換されていてもよいアルキル、場合により1以上のR7で置換されていてもよいアルケニル、場合により1以上のR7で置換されていてもよいアルキニル、場合により1以上のR8で置換されていてもよいシクロアルキル、場合により1以上のR8で置換されていてもよいヘテロシクリル、場合により1以上のR6で置換されていてもよいヘテロアリール、又は、場合により1以上のR6で置換されていてもよいアリールであり;
各R0は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、カルボシクリルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル及びヘテロシクリルアルキルからなる群から選択され、その際、Hを除くR0の各メンバーは、場合により、1以上のR*、OR*、N(R*)2、=O、=S、ハロゲン、CF3、NO2、CN、-C(O)R*、-CO2R*、-C(O)-アリール、-C(O)-ヘテロアリール、-C(O)-アラルキル、-S(O)t-アリール、-S(O)t-ヘテロアリール、-NR*SO2R*、-NR*C(O)R*、-NR*C(O)N(R*)2、-N(R*)C(S)N(R*)2、-NR*CO2R*、-NR*NR*C(O)R*、-NR*NR*C(O)N(R*)2、-NR*NR*CO2R*、-C(O)C(O)R*、-C(O)CH2C(O)R*、-C(O)N(R*)N(R*)2、-C(O)N(R*)2、-C(O)NR*SO2R*、-OC(O)N(R*)2、-S(O)tR*、-NR*SO2N(R*)2、-SO2N(R*)2(ここで、同一の窒素上の2つのR*は、場合により、一緒に、酸素、リン、窒素又は硫黄から選択される0〜4個の付加的なヘテロ原子を有する、飽和、部分的飽和又は芳香族の5〜8員環を形成していてもよい)で置換されていてもよく;
及び、
各R*は、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールである]
で表される化合物又はその薬学上許容される誘導体を包含する。
【0009】
一実施形態では、適切には、R10は、場合により置換されていてもよいアリール、例えば、場合により置換されていてもよいフェニルである。
【0010】
一実施形態では、R1は、
【化3】

【0011】
である。
【0012】
一実施形態では、R9はアルキルであり、好ましくは、R9はメチルである。
【0013】
一実施形態では、-(Y)m-R3は、適切には、
【化4】

【0014】
である。
【0015】
さらに適切には、-(Y)m-R3は、
【化5】

【0016】

【0017】

【0018】

【0019】
である。
【0020】
別の実施形態では、-(Y)m-R3と-R9は、それらが結合している窒素原子と一緒に、
【化6】

【0021】
を形成している。
【0022】
一実施形態では、R1は、
【化7】

【0023】
から選択される。
【0024】
一実施形態では、Xは、-(CH2)-、-(CH2-CH2)-又は-(CH2-CH2-CH2)-である。適切には、Xは、場合により、1以上のハロゲン又はオキソで置換されていてもよい。さらに、Xは、場合により、酸素、リン、硫黄又は窒素から選択される1〜3のヘテロ原子を有していてもよい。
【0025】
一実施形態では、環Aは、下記:
【化8】

【0026】
から選択され、ここで、星印(*)は、好ましい非限定的な置換位置を示している。
【0027】
適切には、各R2(ここで、各R2には、環Aからの好ましい非限定的な置換位置を示す星印(*)を付けてある)は、独立して、
【化9】

【0028】

【0029】

【0030】
から選択される。
【0031】
一実施形態では、2つのジェミナルなR2を有している環Aは、
【化10】

【0032】
から選択される。
【0033】
適切には、環Aは、場合により1以上のR2で置換されていてもよいトロパン又はピペリジンである。好ましくは、A-R2は、
【化11】

【0034】

【0035】

【0036】

【0037】

【0038】
の内の1つから構成される。
【0039】
一実施形態では、環Aは少なくとも1つの付加的な窒素原子を含有し、その環Aは場合によりN-置換されていてもよい。適切には、環Aは、-(CH2)a-(Vb-R+)でN-置換されている。
【0040】
本発明の別の態様は、哺乳動物のウイルス感染症を治療(予防を包含する)する方法を包含し、ここで、該方法は、該哺乳動物に抗ウイルス有効量の本発明化合物を投与することを含む。好ましくは、該ウイルス感染症はHIV感染症である。
【0041】
本発明の別の態様は、哺乳動物の細菌感染症を治療(予防を包含する)する方法を包含し、ここで、該方法は、該哺乳動物に有効量の本発明化合物を投与することを含む。好ましくは、該細菌はペスト菌(Yersinia pestis)である。
【0042】
本発明の別の態様は、哺乳動物の多発性硬化症、慢性関節リューマチ、自己免疫性糖尿病、慢性インプラント拒絶(chronic implant rejection)、喘息、慢性関節リューマチ、クローン病、炎症性腸疾患、慢性炎症性疾患、糸球体疾患、腎毒性血清腎炎、腎疾患、アルツハイマー病、自己免疫性脳脊髄炎、動脈血栓症、アレルギー性鼻炎、動脈硬化症、シェーグレン症候群(皮膚筋炎)、全身性エリテマトーデス、移植片拒絶、皮膚又は器官の白血球浸潤を伴う癌(cancers with leukocyte infiltration of the skin or organs)、腺ペスト及び肺ペストなどの感染症、ヒト乳頭腫ウイルス感染症、前立腺癌、創傷治癒、筋萎縮性側索硬化症及び免疫介在疾患を治療(予防を包含する)する方法を包含し、ここで、該方法は、該哺乳動物に薬学上有効量の本発明化合物を投与することを含む。
【0043】
本発明の別の態様は、薬物療法で使用するための本発明化合物を包含する。
【0044】
本発明の別の態様は、ウイルス感染症を治療(予防を包含する)するための薬物の製造における本発明化合物の使用を包含する。好ましくは、該ウイルス感染症はHIV感染症である。
【0045】
本発明の別の態様は、細菌感染症を治療(予防を包含する)するための薬物の製造における本発明化合物の使用を包含する。好ましくは、該細菌はペスト菌(Yersinia pestis)である。
【0046】
本発明の別の態様は、多発性硬化症、慢性関節リューマチ、自己免疫性糖尿病、慢性インプラント拒絶、喘息、慢性関節リューマチ、クローン病、炎症性腸疾患、慢性炎症性疾患、糸球体疾患、腎毒性血清腎炎、腎疾患、アルツハイマー病、自己免疫性脳脊髄炎、動脈血栓症、アレルギー性鼻炎、動脈硬化症、シェーグレン症候群(皮膚筋炎)、全身性エリテマトーデス、移植片拒絶、皮膚又は器官の白血球浸潤を伴う癌、腺ペスト及び肺ペストなどの感染症、ヒト乳頭腫ウイルス感染症、前立腺癌、創傷治癒、筋萎縮性側索硬化症及び免疫介在疾患を治療(予防を包含する)するための薬物の製造における本発明化合物の使用を包含する。
【0047】
本発明の別の態様は、薬学上許容される担体と一緒に薬学上有効量の本発明化合物を含有している医薬組成物を包含する。好ましくは、該医薬組成物は、錠剤、カプセル剤又は液体の形態である。
【0048】
本発明の別の態様は、哺乳動物のウイルス感染症を治療(予防を包含する)する方法を包含し、ここで、該方法は、該哺乳動物に、本発明化合物と別の治療薬を含有している組成物を投与することを含む。好ましくは、該組成物は、
(1-α、2-β、3-α)-9-[2,3-ビス(ヒドロキシメチル)シクロブチル]グアニン[(-)BHCG, SQ-34514, ロブカビル]、9-[(2R,3R,4S)-3,4-ビス(ヒドロキシメチル)-2-オキセタノシル]アデニン(オキセタノシン-G)、非環状ヌクレオシド、アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル、ペンシクロビル、非環状ヌクレオシドホスホナート、(S)-1-(3-ヒドロキシ-2-ホスホニル-メトキシプロピル)シトシン(HPMPC)、[[[2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)エトキシ]メチル]ホスフィニリデン]ビス(オキシメチレン)-2,2-ジメチルプロパン酸(ビス-POM PMEA, アデホビル・ジピボキシル)、[[(1R)-2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-1-メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸(テノホビル)、(R)-[[2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-1-メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸ビス-(イソプロポキシカルボニルオキシメチル)エステル(ビス-POC-PMPA)、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害薬、2-アセチルピリジン5-[(2-クロロアニリノ)チオカルボニル)チオカルボノヒドラゾン、ヒドロキシ尿素、ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬、3'-アジド-3'-デオキシチミジン(AZT, ジドブジン)、2',3'-ジデオキシシチジン(ddC, ザルシタビン)、2',3'-ジデオキシアデノシン、2',3'-ジデオキシイノシン(ddI, ジダノシン)、2',3'-ジデヒドロチミジン(d4T, スタブジン)、(-)-β-D-2,6-ジアミノプリンジオキソラン(DAPD)、3'-アジド-2',3'-ジデオキシチミジン-5'-H-ホスホホネート(ホスホノビル(phosphonovir))、2'-デオキシ-5-ヨード-ウリジン(イドキシウリジン)、(-)-シス-1-(2-ヒドロキシメチル)-1,3-オキサチオラン-5-イル)-シトシン(ラミブジン)、シス-1-(2-(ヒドロキシメチル)-1,3-オキサチオラン-5-イル)-5-フルオロシトシン(FTC)、3'-デオキシ-3'-フルオロチミジン、5-クロロ-2',3'-ジデオキシ-3'-フルオロウリジン、(-)-シス-4-[2-アミノ-6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル]-2-シクロペンテン-1-メタノール(アバカビル)、9-[4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)ブタ-1-イル]-グアニン(H2G)、ABT-606(2HM-H2G)リバビリン、プロテアーゼ阻害薬、インジナビル、リトナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、サキナビル、ホスアンプレナビル、(R)-N-t-ブチル-3-[(2S,3S)-2-ヒドロキシ-3-N-[(R)-2-N-(イソキノリン-5-イルオキシアセチル)アミノ-3-メチルチオプロパノイル]アミノ-4-フェニルブタノイル]-5,5-ジメチル-1,3-チアゾリジン-4-カルボキサミド(KNI-272)、4R-(4α,5α,6β)]-1,3-ビス[(3-アミノフェニル)メチル]ヘキサヒドロ-5,6-ジヒドロキシ-4,7-ビス(フェニルメチル)-2H-1,3-ジアゼピン-2-オンジメタンスルホネート(モゼナビル(mozenavir))、3-[1-[3-[2-(5-トリフルオロメチルピリジニル)-スルホニルアミノ]フェニル]プロピル]-4-ヒドロキシ-6α-フェネチル-6β-プロピル-5,6-ジヒドロ-2-ピラノン(チプラナビル)、N'-[2(S)-ヒドロキシ-3(S)-[N-(メトキシカルボニル)-l-t-ロイシルアミノ]-4-フェニルブチル-Nα-(メトキシカルボニル)-N'-[4-(2-ピリジル)ベンジル]-L-t-ロイシルヒドラジド(BMS-232632)、3-(2(S)-ヒドロキシ-3(S)-(3-ヒドロキシ-2-メチルベンズアミド)-4-フェニルブタノイル)-5,5-ジメチル-N-(2-メチルベンジル)チアゾリジン-4(R)-カルボキサミド(AG-1776)、N-(2(R)-ヒドロキシ-1(S)-インダニル)-2(R)-フェニル-メチル-4(S)-ヒドロキシ-5-(1-(1-(4-ベンゾ[b]フラニルメチル)-2(S)-N'-(t-ブチルカルボキサミド)ピペラジニル)ペンタンアミド(MK-944A)、インターフェロン類、α-インターフェロン、腎排泄阻害薬、プロベネシド、ヌクレオシド輸送阻害薬、ジピリダモール、ペントキシフィリン、N-アセチルシステイン(NAC)、プロシステイン、α-トリコサンチン(α-trichosanthin)、ホスホノギ酸、免疫調節薬、インターロイキンII、チモシン、顆粒球マクロファージ刺激因子、赤血球生成促進因子、可溶性CD4及びその遺伝的に改変された誘導体、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬(NNRTI)、ネビラピン(BI-RG-587)、α-((2-アセチル-5-メチルフェニル)アミノ)-2,6-ジクロロ-ベンゼンアセトアミド(ロビリド)、1-[3-(イソプロピルアミノ)-2-ピリジル]-4-[5-(メタンスルホンアミド)-1H-インドール-2-イルカルボニル]ピペラジンモノメタンスルホネート(デラビルジン)、(10R,11S,12S)-12-ヒドロキシ-6,6,10,11-テトラメチル-4-プロピル-11,12-ジヒドロ-2H,6H,10H-ベンゾ(1,2-b:3,4-b':5,6-b'')トリピラン-2-オン((+)カラノライドA)、(4S)-6-クロロ-4-[1E)-シクロプロピルエテニル)-3,4-ジヒドロ-4-(トリフルオロメチル)-2(1H)-キナゾリノン(DPC-083)、(S)-6-クロロ-4-(シクロプロピルエチニル)-1,4-ジヒドロ-4-(トリフルオロメチル)-2H-3,1-ベンゾオキサジン-2-オン(エファビレンツ, DMP 266)、1-(エトキシメチル)-5-(1-メチルエチル)-6-(フェニルメチル)-2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン(MKC-442)、5-(3,5-ジクロロフェニル)チオ-4-イソプロピル-1-(4-ピリジル)メチル-1H-イミダゾール-2-イルメチルカルバメート(カプラビリン)、糖タンパク質120拮抗薬、PRO-2000、PRO-542、1,4-ビス[3-[(2,4-ジクロロフェニル)カルボニルアミノ]-2-オキソ-5,8-ジナトリウムスルファニル]ナフタリル-2,5-ジメトキシフェニル-1,4-ジヒドラゾン(FP-21399)、サイトカイン拮抗薬、レチクロース(reticulose)(Product-R)、1,1'-アゾビス-ホルムアミド(ADA)、1,11-(1,4-フェニレンビス(メチレン))ビス-1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカンオクタヒドロクロリド(AMD-3100)、インテグラーゼ阻害薬及び融合阻害薬からなる群から選択される1種以上の治療薬を含有している。
【0049】
本発明の別の態様は、哺乳動物のウイルス感染症を治療又は予防する方法を包含し、ここで、該方法は、該哺乳動物に、本発明化合物とリトナビルを含有している組成物を投与することを含む。
【0050】
本発明の特定の化合物としては、以下のものを挙げることができる:
【化12】

【0051】

【0052】

【0053】

【0054】

【0055】

【0056】

【0057】

【0058】

【0059】

【0060】

【0061】

【0062】
表現「場合により置換されていてもよい」は、表現「置換されているか又は置換されていない」又は用語「(非)置換」と交換可能に使用される。特に別途示されていない限り、場合により置換されていてもよい基は、該基の置換可能なそれぞれの位置に置換基を有することが可能であり、そして、各置換は、互いに独立している。
【0063】
用語「アルキル」は、単独で又は別の何れかの用語と組み合わせて、指定されている数の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖の飽和脂肪族炭化水素基を意味する。アルキル基の例としては、限定するものではないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、イソアミル及びn-ヘキシルなどを挙げることができる。
【0064】
用語「シクロアルキル」、「カルボシクリル」、「炭素環式」若しくは「炭素環」又は「カルボシクロ」は、単独で又は別の何れかの用語と組み合わせて、3〜20個の炭素原子、好ましくは3〜12個の炭素原子、さらに好ましくは3〜10個の炭素原子を有する、単環式又は多環式の非芳香族炭化水素環基を意味する。多環式である場合は、カルボシクリル基の各環は、特に別途示されていない限り、非芳香族である。カルボシクリル基は、完全に飽和しているか、又は、1つ以上の不飽和の単位を有するが芳香族ではない。不飽和が存在する場合、それは、該環内の、化学的に安定な何れかの立体配置を生じ得る何れかの位置に存在し得る。用語「シクロアルキル」、「カルボシクリル」、「炭素環式」若しくは「炭素環」又は「カルボシクロ」は、さらに、テトラヒドロナフチルにおけるように、1つ以上の芳香環に縮合している炭化水素環も包含し、その際、該ラジカル又は結合点は、非芳香環上にある。
【0065】
特に別途示されていない限り、用語「シクロアルキル」、「カルボシクリル」、「炭素環式」若しくは「炭素環」又は「カルボシクロ」は、さらに、1-デカヒドロナフチル、2-デカヒドロナフチル、1-テトラヒドロナフチル及び2-テトラヒドロナフチルなどのように、非芳香族炭化水素基のそれぞれ可能な位置異性体も包含する。適切なシクロアルキル基の例としては、限定するものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、デカヒドロナフチル及びテトラヒドロナフチルなどを挙げることができる。
【0066】
用語「アルケニル」は、単独で又は別の何れかの用語と組み合わせて、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル基を意味する。アルケニル基の例としては、限定するものではないが、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘキセニル及びヘキサジエニルなどを挙げることができる。
【0067】
用語「アルキニル」は、1つ以上の炭素-炭素三重結合を有する直鎖又は分枝鎖の立体配置の炭化水素基を意味し、その際、該炭素-炭素三重結合は、該鎖に沿って安定な何れかの位置に存在し得る。「アルキニル」は、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル及びペンチニルなどである。
【0068】
用語「アルコキシ」は、アルキルエーテル基を意味し、ここで、用語「アルキル」は、上記で定義されている。適切なアルキルエーテル基の例としては、限定するものではないが、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、s-ブトキシ及びt-ブトキシなどを挙げることができる。
【0069】
用語「アリール」は、単独で又は別の何れかの用語と組み合わせて、5〜20個の炭素原子、好ましくは6〜14個の炭素原子、さらに好ましくは6〜10個の炭素原子を含んでいる芳香族の単環式又は多環式炭化水素環基を意味する。本明細書で使用される場合、用語「アリール」の範囲には、さらに、インダニル、フェナントリジニル又はテトラヒドロナフチルなどのような芳香族炭化水素環が1つ以上の非芳香族の炭素環式環又はヘテロ原子含有環に縮合している基も包含され、その際、該ラジカル又は結合点は、芳香族炭化水素環上にある。
【0070】
特に別途示されていない限り、用語「アリール」は、1-ナフチル、2-ナフチル、5-テトラヒドロナフチル、6-テトラヒドロナフチル、1-フェナントリジニル、2-フェナントリジニル、3-フェナントリジニル、4-フェナントリジニル、7-フェナントリジニル、8-フェナントリジニル、9-フェナントリジニル及び10-フェナントリジニルなどのように、芳香族炭化水素基のそれぞれ可能な位置異性体も包含する。アリール基の例としては、限定するものではないが、フェニル、ナフチル、インデニル、アズレニル、フルオレニル、アントラセニル、フェナントレニル、テトラヒドロナフチル、インダニル及びフェナントリジニルなどを挙げることができる。
【0071】
用語「アラルキル」は、-RaRbで表される基を意味し、ここで、Raは本明細書で定義されているアルキレンであり、Rbは本明細書で定義されているアリールである。
【0072】
用語「ヘテロ環」、「ヘテロ環式」及び「ヘテロシクリル」は、単独で又は別の何れかの用語と組み合わせて、非芳香族の単環式環基又は多環式環基を意味し、ここで、該非芳香族の単環式環基又は多環式環基は、3〜20個の炭素原子、好ましくは、単環式の場合は3〜7個の炭素原子、二環式の場合は8〜11個の炭素原子を含み、その際、1個以上の環炭素、好ましくは、1〜4個の環炭素が、それぞれ、N、O及びSなどのヘテロ原子で置き換えられている。多環式である場合、ヘテロシクリル基の各環は、特に別途示されていない限り、非芳香族である。ヘテロ環式環は、完全に飽和していることも可能であり、又は、1つ以上の不飽和の単位を有し得るが芳香族ではない。不飽和が存在する場合、それは、該環内の、化学的に安定な何れかの立体配置を生じ得る何れかの位置に存在し得る。ヘテロ環式環は、安定な構造を生じる結果となる炭素原子又はヘテロ原子で結合し得る。好ましいヘテロ環には、5〜7員の単環式ヘテロ環及び8〜10員の二環式ヘテロ環が包含される。
【0073】
用語「ヘテロ環」、「ヘテロ環式」及び「ヘテロシクリル」の範囲には、さらに、インドリニル、クロマニル、フェナントリジニル又はテトラヒドロキノリニルなどのような非芳香族のヘテロ原子含有環が1つ以上の芳香環に縮合している基も包含され、その際、該ラジカル又は結合点は、非芳香族のヘテロ原子含有環上にある。特に別途示されていない限り、用語「ヘテロ環」、「ヘテロ環式」及び「ヘテロシクリル」は、1-デカヒドロキノリン、2-デカヒドロキノリン、3-デカヒドロキノリン、4-デカヒドロキノリン、5-デカヒドロキノリン、6-デカヒドロキノリン、7-デカヒドロキノリン、7-デカヒドロキノリン、8-デカヒドロキノリン、4a-デカヒドロキノリン、8a-デカヒドロキノリン、1-インドリニル、2-インドリニル、3-インドリニル、1-テトラヒドロキノリン、2-テトラヒドロキノリン、3-テトラヒドロキノリン及び4-テトラヒドロキノリンなどのように、ヘテロ環式基のそれぞれ可能な位置異性体も包含する。用語「ヘテロシクリルアルキル」は、ヘテロシクリルで置換されているアルキル基を意味する。
【0074】
ヘテロ環式基の例としては、限定するものではないが、イミダゾリニル、2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾリル、イミダゾリジニル、インダゾリノリル、ペルヒドロピリダジル、ピロリニル、ピロリジニル、4H-ピラゾリル、ピペリジニル、ピラニル、ピラゾリニル、ピペラジニル、モルホリニル、チアモルホリニル、チアゾリジニル、チアモルホリニル、オキソピペリジニル、オキソピロリジニル、アゼピニル、テトラヒドロフラニル、オキソアゼピニル、テトラヒドロピラニル、チアゾリル、ジオキソリル、ジオキシニル、オキサチオリル、ベンゾジオキソリル、ジチオリル、ジチオラニル、テトラヒドロチオフェニル、スルホラニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、テトラヒドロフロジヒドロフラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラノジヒドロフラニル、テトラヒドロフロフラニル、テトラヒドロピラノフラニル、ジアゾロニル、フタルイミジニル、ベンゾオキサニル、ベンゾピロリジニル、ベンゾピペリジニル、ベンゾオキソラニル、ベンゾチオラニル及びベンゾチアニルなどを挙げることができる。
【0075】
用語「ヘテロアリール」は、単独で又は別の何れかの用語と組み合わせて、芳香族の単環式環基又は多環式環基を意味し、ここで、該芳香族の単環式環基又は多環式環基は、5〜20個の炭素原子、好ましくは5〜10個の炭素原子を含み、その際、1個以上の環炭素、好ましくは、1〜4個の環炭素が、それぞれ、N、O及びSなどのヘテロ原子で置き換えられている。好ましいヘテロアリール基には、5〜6員の単環式ヘテロアリール及び8〜10員の二環式ヘテロアリールが包含される。
【0076】
用語「ヘテロアリール」の範囲には、ヘテロ芳香族環が1つ以上の芳香族又は非芳香族の環に縮合している基も包含され、その際、該ラジカル又は結合点は、ヘテロ芳香族環上にある。例としては、限定するものではないが、ピリド[3,4-d]ピリミジニル、7,8-ジヒドロ-ピリド[3,4-d]ピリミジン及び5,6,7,8-テトラヒドロ-ピリド[3,4-d]ピリミジンなどを挙げることができる。特に別途示されていない限り、用語「ヘテロアリール」は、 2-ピリド[3,4-d]ピリミジニル及び4-ピリド[3,4-d]ピリミジニルなどのように、ヘテロアリール基のそれぞれ可能な位置異性体も包含する。
【0077】
ヘテロアリール基の例としては、限定するものではないが、イミダゾリル、キノリル、イソキノリル、インドリル、インダゾリル、ピリダジル、ピリジル、ピロリル、ピラゾリル、ピラジニル、キノキサリル、ピリミジニル、ピリダジニル、フリル、チエニル、トリアゾリル、チアゾリル、カルバゾリル、カルボリニル、テトラゾリル、ベンゾフラニル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、オキサジアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソキノリニル、イソインドリル、アクリジニル及びベンゾイソオキサゾリルなどを挙げることができる。
【0078】
用語「ヘテロアラルキル」は、-RaRbで表される基を意味し、ここで、Raは本明細書で定義されているアルキレンであり、Rbは本明細書で定義されているヘテロアリールである。
【0079】
用語「ヘテロ原子」は、窒素、酸素、リン又は硫黄を意味し、また、その酸化形態(非限定的な例として、例えば、N(O){N+-O-}などの窒素の酸化形態、並びに、S(O)及びS(O)2などの硫黄の酸化形態などがある)、及び、何れかの塩基性窒素の第4級化形態を包含する。
【0080】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味する。
【0081】
用語「薬学上有効量」は、単独療法として又は別の薬剤と組み合わせて、患者におけるCCR5が関連する疾患、例えばウイルス感染症、例えばHIV感染症を治療する上で有効な本発明化合物の量を意味する。本明細書で使用される場合、用語「治療」は、患者の特定の疾患の症状の緩和、又は、特定の疾患に関連する確認可能な測定値の改善を意味し、ウイルス感染症が潜在するようになった患者などの無症候性の患者における症状の再発の抑制も包含し得る。用語「予防」は、患者における疾患若しくは状態を防止すること、又は、そのような疾患又は状態の症状の発現を防止することを意味する。本明細書で使用される場合、用語「患者」は、ヒトを包含する哺乳動物のことを示す。
【0082】
用語「薬学上許容される担体」は、本発明の化合物と一緒に患者に対して投与可能であり、また、該治療薬の治療量を送達するのに充分な投与量で投与されたときに、無毒性であり且つ本発明化合物の薬理活性を無効化することのない担体を意味する。
【0083】
用語「薬学上許容される誘導体」は、レシピエントに投与されたときに、本発明の化合物又はその阻害活性を有する代謝物若しくは残基を(直接的又は間接的に)提供し得る、本発明化合物の任意の薬学上許容される塩、エステル、エステルの塩、又は、別の誘導体を意味する。特に好ましい誘導体及びプロドラッグは、哺乳動物に投与されたときに、(例えば、経口的に投与された化合物が比較的容易に血中に吸収されることを可能とすることにより)本発明化合物の生物学的利用能を向上させる誘導体及びプロドラッグ、又は、親化合物と比較して生物学的コンパートメント(例えば、脳又はリンパ系)への親化合物の送達を増大させる誘導体及びプロドラッグである。
【0084】
本発明化合物の薬学上許容される塩には、 薬学上許容される無機及び有機の酸及び塩基から誘導される塩が包含される。適する酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン-p-スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン-2-スルホン酸及びベンゼンスルホン酸などを挙げることができる。シュウ酸などの別の酸は、それ自体は薬学上許容されないが、本発明化合物及びその薬学上許容される酸付加塩を得る上で中間体として有用な塩の調製において用いることができる。
【0085】
適切な塩基から誘導される塩としては、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、マグネシウム塩)、アンモニウム塩、NW4+(ここで、WはC1-4アルキルである)及び別のアミン塩などを挙げることができる。水素原子又はアミノ基の生理学的に許容される塩としては、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、イセチオン酸、ラクトビオン酸及びコハク酸などの有機カルボン酸の塩;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びp-トルエンスルホン酸などの有機スルホン酸の塩;並びに、塩酸、硫酸、リン酸及びスルファミン酸などの無機酸の塩などを挙げることができる。ヒドロキシ基を有する化合物の生理学的に許容される塩には、該化合物のアニオンとNa+、NH4+及びNW4+(ここで、WはC1-4アルキル基である)などの適切なカチオンを組み合わせたものなどがある。
【0086】
上記化合物の何れかについて言及されている場合、そのいずれの言及も、該化合物の薬学上許容される塩についての言及を包含する。
【0087】
本発明化合物の塩は、当業者に既知の方法により調製することができる。例えば、適切な溶媒中で、本発明の化合物を適切な塩基又は酸で処理することにより、対応する塩が生じる。
【0088】
本発明化合物のエステルは、独立して、以下の群から選択される:(1)ヒドロキシ基のエステル化により得られるカルボン酸エステル(ここで、該エステル群のカルボン酸部分の非カルボニル部分は、直鎖又は分枝鎖のアルキル(例えば、アセチル、n-プロピル、t-ブチル又はn-ブチル)、アルコキシアルキル(例えば、メトキシメチル)、アラルキル(例えば、ベンジル)、アリールオキシアルキル(例えば、フェノキシメチル)、及び、アリール(場合により、例えばハロゲン、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ又はアミノで置換されていてもよい、例えばフェニル)から選択される);(2)スルホネートエステル、例えば、アルキルスルホニル又はアラルキルスルホニル(例えば、メタンスルホニル);(3)アミノ酸エステル(例えば、L-バリル又はL-イソロイシル);(4)ホスホネートエステル、及び、(5)モノホスフェートエステル、ジホスフェートエステル又はトリホスフェートエステル。ホスフェートエステルは、例えば、C1-20アルコール若しくはその反応性誘導体でさらにエステル化することができるか、又は、2,3-ジ(C6-24)アシルグリセロールでさらにエステル化することができる。
【0089】
そのようなエステルにおいては、特に別途規定されていない限り、存在しているいずれのアルキル部分も、有利には、1〜18個の炭素原子、特に、1〜6個の炭素原子、さらに特に、1〜4個の炭素原子を含んでいる。そのようなエステル内に存在しているいずれのシクロアルキル部分も、有利には、3〜6個の炭素原子を含んでいる。そのようなエステル内に存在しているいずれのアリール部分も、有利には、フェニル基を含んでいる。
【0090】
本発明の化合物は、1個以上の不斉炭素原子を含んでおり、従って、ラセミ化合物及びラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物、並びに、個々のジアステレオ異性体として存在する。本発明化合物のそのような全ての異性体形態は、明らかに本発明に包含される。各ステレオジェニック炭素は、R立体配置又はS立体配置であり得る。本出願において例示されている特定の化合物は、特定の立体配置で表現されている場合があるが、何れかの所与のキラル中心において反対の立体化学を有する化合物又はそれらの混合物も想定し得る。
【0091】
特に別途明記されていない限り、本明細書内に表されている構造は、1以上の同位体的に富化した原子の存在のみにおいて異なっている化合物も包含するものである。例えば、水素が重水素若しくは三重水素で置き換えられているか、又は、炭素が13C-富化炭素若しくは14C-富化炭素で置き換えられている以外は該構造を有する化合物も、本発明の範囲内に入る。
【0092】
本発明の特定の化合物は、代替的な互変異性形態で存在し得る。本発明化合物のそのような全ての互変異性形態は、本発明の範囲内に入る。特に別途示されていない限り、何れか一方の互変異性体が表されている場合、それは、他方の互変異性体も包含するものである。
【0093】
本発明は、例えばHIV感染症などのウイルス感染症及びその関連状態を治療(予防を包含する)するための、薬物療法で使用するための本発明の化合物を特徴とする。本明細書中において治療について言及されている場合、その範囲は、既に発症している感染症、症状及び関連する臨床状態(例えば、エイズ関連症候群(ARC)、カポジ肉腫及びエイズ痴呆)の治療に加えて、予防にも及ぶ。
【0094】
本発明は、CCR5が関連する疾患又は状態、例えば、ウイルス感染症、例えば、HIV感染症を治療(予防を包含する)するための薬物の製造における本発明化合物の使用を特徴とする。
【0095】
別の態様により、本発明は、感染動物、例えば、哺乳動物(ヒトを包含する)におけるウイルス感染症の症状又は影響を治療(予防を包含する)する方法を提供し、ここで、該方法は、該動物を薬学上有効量の本発明化合物で処置することを含む。本発明の一態様では、該ウイルス感染症は、レトロウイルス感染症、特に、HIV感染症である。本発明の別の態様は、HBV感染症の症状又は影響を治療(予防を包含する)する方法を包含する。
【0096】
本発明の化合物は、さらに、HIV感染症又はHIVに関連する症状若しくは影響(例えば、カポジ肉腫)の治療におけるアジュバント療法で使用することもできる。
【0097】
本発明の化合物は、さらに、CCR5が関連する別の疾患又は状態、例えば、多発性硬化症、慢性関節リューマチ、自己免疫性糖尿病、慢性インプラント拒絶、喘息、慢性関節リューマチ、クローン病、炎症性腸疾患、慢性炎症性疾患、糸球体疾患、腎毒性血清腎炎、腎疾患、アルツハイマー病、自己免疫性脳脊髄炎、動脈血栓症、アレルギー性鼻炎、動脈硬化症、シェーグレン症候群(皮膚筋炎)、全身性エリテマトーデス、移植片拒絶、皮膚又は器官の白血球浸潤を伴う癌、腺ペスト及び肺ペストなどの感染症、ヒト乳頭腫ウイルス感染症、前立腺癌、創傷治癒、筋萎縮性側索硬化症、免疫介在疾患などの治療(予防を包含する)において使用することもできる。
【0098】
本発明は、さらに、動物、例えば、哺乳動物(ヒトを包含する)における臨床状態(上記で検討されている臨床状態を包含する)を治療する方法を提供し、ここで、該方法は、該動物を薬学上有効量の本発明化合物で処置することを含む。本発明は、さらに、上記で記載した疾患又は状態の何れかを治療(予防を包含する)する方法を包含する。
【0099】
さらに別の態様において、本発明は、上記ウイルス感染症又は状態の何れかを治療(予防を包含する)するための薬物の製造における本発明化合物の使用を提供する。
【0100】
本発明の上記化合物及びそれらの薬学上許容される誘導体は、上記感染症又は状態を治療(予防を包含する)するための別の治療薬と組み合わせて使用することができる。本発明の併用療法は、本発明化合物又はその薬学上許容される誘導体及び別の医薬として活性な薬剤を投与することを含む。該活性成分及び医薬として活性な薬剤は、同一若しくは異なった医薬組成物に含まれた状態で同時に投与することができるか、又は、任意の順番で逐次に投与することができる。該活性成分及び医薬として活性な薬剤の量、並びに、投与の相対的なタイミングは、組合せ治療の所望の効果が達成されるように選択する。
【0101】
そのような治療薬の例には、ウイルス感染症又は関連する状態の治療に有効な薬剤などが包含される。そのような薬剤には、以下のものがある:(1-α,2-β,3-α)-9-[2,3-ビス(ヒドロキシメチル)シクロブチル]グアニン[(-)BHCG, SQ-34514, ロブカビル]、9-[(2R,3R,4S)-3,4-ビス(ヒドロキシメチル)-2-オキセタノシル]アデニン(オキセタノシン-G)、非環状ヌクレオシド、例えば、アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル及びペンシクロビル、非環状ヌクレオシドホスホナート、例えば、(S)-1-(3-ヒドロキシ-2-ホスホニル-メトキシプロピル)シトシン(HPMPC)、[[[2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)エトキシ]メチル]ホスフィニリデン]ビス(オキシメチレン)-2,2-ジメチルプロパン酸(ビス-POM PMEA, アデホビル・ジピボキシル)、[[(1R)-2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-1-メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸(テノホビル)及び(R)-[[2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-1-メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸 ビス-(イソプロポキシカルボニルオキシメチル)エステル(ビス-POC-PMPA)、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害薬、例えば、2-アセチルピリジン 5-[(2-クロロアニリノ)チオカルボニル)チオカルボノヒドラゾン及びヒドロキシ尿素、ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬、例えば、3'-アジド-3'-デオキシチミジン(AZT, ジドブジン)、2',3'-ジデオキシシチジン(ddC, ザルシタビン)、2',3'-ジデオキシアデノシン、2',3'-ジデオキシイノシン(ddI, ジダノシン)、2',3'-ジデヒドロチミジン(d4T, スタブジン)、(-)-β-D-2,6-ジアミノプリンジオキソラン(DAPD)、3'-アジド-2',3'-ジデオキシチミジン-5'-H-ホスホホネート(ホスホノビル)、2'-デオキシ-5-ヨード-ウリジン(イドキシウリジン)、(-)-シス-1-(2-ヒドロキシメチル)-1,3-オキサチオラン-5-イル)-シトシン(ラミブジン)、シス-1-(2-(ヒドロキシメチル)-1,3-オキサチオラン-5-イル)-5-フルオロシトシン(FTC)、3'-デオキシ-3'-フルオロチミジン、5-クロロ-2',3'-ジデオキシ-3'-フルオロウリジン、(-)-シス-4-[2-アミノ-6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル]-2-シクロペンテン-1-メタノール(アバカビル)、9-[4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)ブタ-1-イル]-グアニン(H2G)、ABT-606(2HM-H2G)及びリバビリン、プロテアーゼ阻害薬、例えば、インジナビル、リトナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、サキナビル、ホスアンプレナビル、(R)-N-t-ブチル-3-[(2S,3S)-2-ヒドロキシ-3-N-[(R)-2-N-(イソキノリン-5-イルオキシアセチル)アミノ-3-メチルチオプロパノイル]アミノ-4-フェニルブタノイル]-5,5-ジメチル-1,3-チアゾリジン-4-カルボキサミド(KNI-272)、4R-(4α,5α,6β)]-1,3-ビス[(3-アミノフェニル)メチル]ヘキサヒドロ-5,6-ジヒドロキシ-4,7-ビス(フェニルメチル)-2H-1,3-ジアゼピン-2-オン ジメタンスルホネート(モゼナビル)、3-[1-[3-[2-(5-トリフルオロメチルピリジニル)-スルホニルアミノ]フェニル]プロピル]-4-ヒドロキシ-6α-フェネチル-6β-プロピル-5,6-ジヒドロ-2-ピラノン(チプラナビル)、N'-[2(S)-ヒドロキシ-3(S)-[N-(メトキシカルボニル)-l-t-ロイシルアミノ]-4-フェニルブチル-Nα-(メトキシカルボニル)-N'-[4-(2-ピリジル)ベンジル]-L-t-ロイシルヒドラジド(BMS-232632)、3-(2(S)-ヒドロキシ-3(S)-(3-ヒドロキシ-2-メチルベンズアミド)-4-フェニルブタノイル)-5,5-ジメチル-N-(2-メチルベンジル)チアゾリジン-4(R)-カルボキサミド(AG-1776)、N-(2(R)-ヒドロキシ-1(S)-インダニル)-2(R)-フェニル-メチル-4(S)-ヒドロキシ-5-(1-(1-(4-ベンゾ[b]フラニルメチル)-2(S)-N'-(t-ブチルカルボキサミド)ピペラジニル)ペンタンアミド(MK-944A)、インターフェロン類、例えば、α-インターフェロン、腎排泄阻害薬、例えば、プロベネシド、ヌクレオシド輸送阻害薬、例えば、ジピリダモール、ペントキシフィリン、N-アセチルシステイン(NAC)、プロシステイン、α-トリコサンチン、ホスホノギ酸、、並びに、免疫調節薬、例えば、インターロイキンII又はチモシン、顆粒球マクロファージ刺激因子、赤血球生成促進因子、可溶性CD4及びその遺伝的に改変された誘導体、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬(NNRTI)、例えば、ネビラピン(BI-RG-587)、α-((2-アセチル-5-メチルフェニル)アミノ)-2,6-ジクロロ-ベンゼンアセトアミド(ロビリド)、1-[3-(イソプロピルアミノ)-2-ピリジル]-4-[5-(メタンスルホンアミド)-1H-インドール-2-イルカルボニル]ピペラジン モノメタンスルホネート(デラビルジン)、(10R,11S,12S)-12-ヒドロキシ-6,6,10,11-テトラメチル-4-プロピル-11,12-ジヒドロ-2H,6H,10H-ベンゾ(1,2-b:3,4-b':5,6-b'')トリピラン-2-オン((+)カラノライドA)、(4S)-6-クロロ-4-[1E)-シクロプロピルエテニル)-3,4-ジヒドロ-4-(トリフルオロメチル)-2(1H)-キナゾリノン(DPC-083)、(S)-6-クロロ-4-(シクロプロピルエチニル)-1,4-ジヒドロ-4-(トリフルオロメチル)-2H-3,1-ベンゾオキサジン-2-オン(エファビレンツ、DMP 266)、1-(エトキシメチル)-5-(1-メチルエチル)-6-(フェニルメチル)-2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン(MKC-442)及び5-(3,5-ジクロロフェニル)チオ-4-イソプロピル-1-(4-ピリジル)メチル-1H-イミダゾール-2-イルメチルカルバメート(カプラビリン)、糖タンパク質120拮抗薬、例えば、PRO-2000、PRO-542及び1,4-ビス[3-[(2,4-ジクロロフェニル)カルボニルアミノ]-2-オキソ-5,8-ジナトリウムスルファニル]ナフタリル-2,5-ジメトキシフェニル-1,4-ジヒドラゾン(FP-21399)、サイトカイン拮抗薬、例えば、レチクロース(Product-R)、1,1'-アゾビス-ホルムアミド(ADA)、1,11-(1,4-フェニレンビス(メチレン))ビス-1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカンオクタヒドロクロリド(AMD-3100)、インテグラーゼ阻害薬、又は、融合阻害薬、例えば、T-20及びT-1249。
【0102】
本発明は、さらに、少なくとも1種の別の治療薬(例えば、上記で定義したもの)と同時に又は逐次に投与するための薬物の製造における、本発明化合物の使用を包含する。
【0103】
本発明の化合物は、化合物の代謝を阻害又は低減することが知られている薬剤(例えば、リトナビル)と一緒に投与し得る。従って、本発明は、代謝阻害剤と組み合わせて本発明の化合物を投与することによる、上記で記載した疾患を治療(予防を包含する)する方法を特徴とする。そのような組合せは、同時に又は逐次に投与することができる。
【0104】
一般に、上記状態のそれぞれに対して適する用量は、1日当たり、レシピエント(例えば、ヒト)の体重1kg当たり、0.01〜250mgの範囲、好ましくは、1日当たり、体重1kg当たり、0.1〜100mgの範囲、最も好ましくは、1日当たり、体重1kg当たり、0.5〜30mgの範囲、特に、1日当たり、体重1kg当たり、1.0〜20mgの範囲である。特に別途示されていない限り、活性成分の全ての重量は、式(I)で表される親化合物として計算され、その塩又はエステルの場合は、重量はそれに対応して増大する。所望の用量は、1日を通して適切な時間間隔で投与される、1、2、3、4、5、6、又はそれ以上の分割された用量として供することができる。場合によっては、所望の用量は、代替的な日に与えることもできる。これらの分割された用量は、単位投与形態で、例えば、単位投与形態当たり10〜1000mg又は50〜500mg、好ましくは、20〜500mg、最も好ましくは、50〜400mgの活性成分を含んでいる単位投与形態で投与することができる。
【0105】
該活性成分は単独で投与することも可能であるが、該活性成分を医薬組成物として供するのが好ましい。本発明の組成物は、上記で定義した少なくとも1種の活性成分を1種以上の許容される担体と一緒に含有し、また、場合により、別の治療薬も含有する。各担体は、該組成物の別の成分と適合性であり且つ患者に対して有害ではないという意味において、許容されるものでなければならない。
【0106】
医薬組成物には、経口投与、直腸内投与、鼻内投与、局所投与(例えば、経皮投与、口腔内投与及び舌下投与)、膣内投与又は非経口投与(例えば、皮下投与、筋肉内投与、静脈内投与、皮内投与及び硝子体内投与)に適した組成物が包含される。該組成物は、好都合には、単位投与形態で供することが可能であり、また、調剤の技術分野でよく知られている任意の方法で調製することができる。そのような方法は、本発明のさらなる特徴を表しており、1種以上の副成分を構成する担体と該活性成分を一緒にするステップを含んでいる。一般に、該組成物は、該活性成分を、液体担体又は微粉砕固体担体又は液体担体と微粉砕固体担体の両方と均質に且つ充分に混合し、次いで、必要に応じて、得られた生成物を成形することにより調製する。
【0107】
本発明は、さらに、本発明の化合物又はその薬学上許容される誘導体と別の治療薬が複数の部分からなるキットとして互いに独立して別々に供されている上記で定義した医薬組成物を包含する。
【0108】
経皮投与に適する組成物は、長期間にわたりレシピエントの表皮に緊密に接触している状態であるように適合させた別個のパッチとして供することができる。そのようなパッチは、適切には、(1)場合により緩衝してある水溶液中に、又は、(2)粘着剤に溶解及び/又は分散させた状態で、又は、(3)ポリマーに分散させた状態で、該活性化合物を含有している。該活性化合物の適切な濃度は、約1%〜25%、好ましくは、約3%〜15%である。1つの特定の可能性として、Pharmaceutical Research 3(6), 318(1986)に概説されているように、該活性化合物は、パッチから、エレクトロトランスポート又はイオン導入法により送達し得る。
【0109】
経口投与に適した本発明の医薬組成物は、各単位が所定量の該活性成分を含んでいる別個の単位(例えば、カプセル剤、キャプレット剤、カシェ剤又は錠剤など)として供し得るか;又は、散剤若しくは顆粒剤として供し得るか;又は、水性液体若しくは非水性液体中の溶液剤若しくは懸濁液剤として供し得るか;又は、水中油型液体エマルション剤若しくは油中水型液体エマルション剤として供し得る。該活性成分は、さらに、ボーラス剤、舐剤又はペースト剤としても供し得る。
【0110】
錠剤は、場合により1種以上の副成分と一緒に、圧縮するか又は成形することにより製造し得る。圧縮錠剤は、粉末又は顆粒などの自由流動性形態(free-flowing form)にある活性成分を、場合により、結合剤(例えば、ポビドン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)、滑沢剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、架橋ポビドン、架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロースなど)、界面活性剤又は分散剤と混合した状態で、適切な機械で圧縮することにより調製することができる。湿製錠剤は、粉末化して不活性液体希釈剤で湿らせた本発明化合物の混合物を適切な機械で成型することにより調製することができる。該錠剤は、場合により、コーティングするか又は刻み目を付けてもよく、また、該錠剤は、例えば所望の放出プロフィールを提供するためにヒドロキシプロピルメチルセルロースを種々の割合で使用して、中に含まれている活性成分を徐々に放出するか又は制御放出するように製剤してもよい。胃以外の消化管の器官で放出するように、場合により、錠剤に腸溶コーティングを施してもよい。
【0111】
口内に局所投与するのに適した医薬組成物には、風味を付けた基剤(通常、ショ糖及びアラビアゴム又はトラガカントゴム)中に活性成分を含有しているロゼンジ剤;不活性基剤(例えば、ゼラチン及びグリセリン、又は、ショ糖及びアラビアゴム)中に活性成分を含有しているパステル剤;及び、適切な液体担体中に活性成分を含有している口内洗浄剤などがある。
【0112】
膣内投与に適した医薬組成物は、膣坐剤、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、発泡剤又はスプレー剤として供し得る。活性成分の他にそのような担体を含んでいる医薬組成物は、当技術分野では、適切であることが知られている。
【0113】
直腸内投与に適した医薬組成物は、例えばカカオバター又はサリチレート又は当技術分野で一般に使用されている別の材料などを含んでいる適切な担体を有する坐剤として供し得る。坐剤は、好都合には、軟化させた担体又は溶融させた担体と合わせた該活性成分を混合わせた後、冷却し、型内で成形することにより形成し得る。
【0114】
非経口投与に適した医薬組成物には、酸化防止剤、バッファー、静菌剤及び該医薬組成物を意図されたレシピエントの血液と等張性にする溶質を含有し得る水性及び非水性の等張性無菌注射用溶液剤;懸濁化剤及び粘稠化剤を含有し得る水性及び非水性の無菌懸濁液剤;並びに、該化合物が血液成分又は1種以上の器官に向かうように設計されているリポソーム又は別の微粒子系などがある。該医薬組成物は、単位用量又は複数回分の用量の密封容器(例えば、アンプル及びバイアル瓶など)に入れて供し得る。また、該医薬組成物は、使用直前に例えば注射用蒸留水などの無菌の液体担体を加えることのみが必要とされる凍結乾燥状態で保存することができる。即製の注射用溶液及び懸濁液は、上記で説明した種類の無菌の散剤、顆粒剤及び錠剤から調製することができる。
【0115】
単位投与医薬組成物には、上記活性成分の1日分の用量又は1日分の分割用量又はそれらの適切なフラクションを含むものなどがある。
【0116】
上記で特に言及した成分に加えて、本発明の医薬組成物には、対象の医薬組成物のタイプを考慮して、当技術分野で慣用の別の作用物質を含ませてもよいことは理解されるべきである。例えば、経口投与に適する医薬組成物には、甘味剤、粘稠化剤及び矯味矯臭剤などのさらなる作用物質を含ませることができる。
【実施例】
【0117】
以下の実施例は、例示のみを目的としたものであり、決して本発明の範囲を限定するものではない。
【0118】
低分解能オープンアクセス LC-MS データは、100-1100amu @ 0.5秒/走査で走査するESI pos/neg モード、又は、APCI pos/neg モードの何れかで得た。LC条件:流速 0.8mL/分。6分間で、85%H2O(0.1%ギ酸)から100%MeOH(0.075%ギ酸)。Phenomenex Max-RP カラム, 2.0×50mm。
【0119】
高分解能質量スペクトルは、100-1100amu @ 0.5秒/走査で走査するESI+モードで、0.3mL/分の100%MeOH(0.1%ギ酸)によるフローインジェクション(FIA-MS)で、2分間のランタイムで、Micromass LCT 質量分析計(飛行時間型)を用いて得た。レセルピンをロックマス(m/z 609.2812)として使用して、質量スケールを調節した。
【0120】
当業者には理解されるように、以下のスキームに従って本発明化合物を調製することができる。本明細書に例示されているスキームの中で表現されている可変性、例えば、「R基」の可変性は、特定のスキームに限定されるべきであり、必ずしもその適用範囲を本明細書の残りの部分全体にまで広げる必要はない。
【0121】
スキーム(1):
【化13】

【0122】
調製(1): (4R)-4-ヒドロキシ-2-フェニル-5-[(フェニルメチル)オキシ]ペンタンニトリル
【化14】

【0123】
フェニルアセトニトリル(4.59g, 39.2mmol)と(2S)-2-ヒドロキシ-3-[(フェニルメチル)オキシ]プロピル 4-メチルベンゼンスルホネート(13.20g, 39.2mmol, 1当量)を50mLのTHFに溶解させ、-78℃に冷却し、ヘキサン中の2.5M ブチルリチウム(35mL, 86.3mmol, 2.2当量)を30分間かけて滴下して加えることにより処理した。得られた反応混合物を-78℃で4時間撹拌し、周囲温度まで昇温させ、さらに16時間撹拌した。その反応混合物を、EtOAcで希釈し、水及びブラインで順次洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮して、該ジアステレオマー生成物を橙色の油状物として定量的な収率で得た。これは、精製することなく次の段階に付した。ES-LCMS m/z 304.33(M+Na)。
【0124】
調製(2): (1R)-3-シアノ-3-フェニル-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}プロピル 4-メチルベンゼンスルホネート
【化15】

【0125】
調製(1)の方法で得た(4R)-4-ヒドロキシ-2-フェニル-5-[(フェニルメチル)オキシ]ペンタンニトリル(16.0g, 57mmol)を、DMAP(0.70g, 5.7mmol, 0.1当量)を含んでいる116mLのピリジン(25当量)及び116mLのCHCl3に溶解させ、0℃に冷却した。得られた反応混合物に塩化4-メチルベンゼンスルホニル(43.5g, 228mmol, 4当量)を添加し、0℃で3日間撹拌した。その反応混合物を、1N HCl(4×250mL)及びブラインで順次洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮して、赤色の油状物とした。この粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2;10→25% EtOAc/ヘキサン)で精製して、該ジアステレオマー生成物を黄色の油状物として得た(14.88g, 34.2mmol, 60%)。ES-LCMS m/z 458.36(M+Na)。
【0126】
調製(3A): (1S,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロパンカルボニトリル
【化16】

【0127】
70mLのDMF中の調製(2)の方法で得た(1R)-3-シアノ-3-フェニル-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}プロピル 4-メチルベンゼンスルホネート(7.4g, 17.0mmol)に、-42℃で、ヘキサン中の1M リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(25.5mL, 25.5mmol, 1.5当量)を滴下して加え、-42℃で冷却しながら1時間撹拌した。得られた反応混合物をEtOAcで希釈し、水(4×)及びブラインで順次洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮して、標題化合物(4.25g, 16.1mmol, 95%)を黄色の油状物として得た。この油状物は、標題化合物と調製(3B)の生成物の94:6混合物であった。1H NMR(300MHz, CDCl3)δ 7.42-7.29(m, 10H), 4.64(m, 2H), 3.91-3.86(m, 1H), 3.74-3.68(m,1H), 2.00-1.90(m, 1H), 1.68-1.56(m, 2H)。
【0128】
調製(3B): (1R,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロパンカルボニトリル
【化17】

【0129】
765mLのトルエンを0℃に冷却し、それに、ヘキサン中の1.0M LHMDS(148.1mL, 148.1mmol, 1当量)を添加した。この溶液に、236mLのトルエン中の調製(2)の方法で得た(1R)-3-シアノ-3-フェニル-1-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}プロピル 4-メチルベンゼンスルホネート(43.0g, 98.73mmol, 1当量)を添加した。得られた反応混合物を、0℃で16時間撹拌し、次いで、水及びブラインで順次洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮して、黄色の油状物を得た。この油状物は、標題化合物と調製(3A)の生成物の8:2ジアステレオマー混合物であった。酢酸エチル中の9:1→8:2ヘキサンを用いるシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより、所望のジアステレオマー(16.0g, 62%)を分離した。1H NMR(300MHz, CDCl3)δ 7.44-7.15(m, 10H), 4.28-4.19(m, 2H), 3.31-3.27(m, 1H), 2.94-2.84(m, 1H), 2.22-2.15(m,1H), 1.76-1.72(m, 1H), 1.47-1.44(m, 1H);ES-LCMS m/z 264.1(M+H)。
【0130】
調製(4A): [((1S,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロピル)メチル]アミン
【化18】

【0131】
ジエチルエーテル中の16.2mLの1M 水素化アルミニウムリチウム(16.2mmol)に、0℃で、17mLのジエチルエーテルに溶解させた調製(3A)の方法で得た(1S,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロパンカルボニトリル(4.25g, 16.2mmol)を添加した。添加完了後、得られた反応混合物を0℃で2時間撹拌し、次いで、周囲温度で4時間撹拌した。その反応混合物を360mLのジエチルエーテルで希釈し、0.6mLの水及び0.6mLの15%NaOH及び3.0mLの水を順次添加することによりクエンチした。その反応混合物を濾過し、濾液を濃縮して、透明な油状物とした。その油状物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2;3→5% CH3OH/1%NH4OH含有EtOAc)で精製して、標題生成物(3.08g, 11.5mmol, 71%)を単一のジアステレオマーとして得た。1H NMR(300MHz, CDCl3)δ 7.37-7.19(m, 10H), 4.62-4.54(m, 2H), 3.88(m, 1H), 3.34(m, 1H), 2.96(d, J=14.1Hz, 1H), 2.70(d, J=14.1Hz, 1H), 1.58(m, 1H), 1.00(m, 1H), 0.62(m, 1H);ES-LCMS m/z 268.4(M+H)。
【0132】
調製(4B): [((1R,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロピル)メチル]アミン
【化19】

【0133】
ジエチルエーテル中の19.4mLの1M 水素化アルミニウムリチウム(19.4mmol)に、0℃で、20mLのジエチルエーテルに溶解させた調製(3B)の方法で得た(1R,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロパンカルボニトリル(5.10g, 19.4mmol)を添加した。添加完了後、得られた反応混合物を0℃で3時間撹拌した。その反応混合物を360mLのジエチルエーテルで希釈し、0.6mLの水及び0.6mLの15%NaOH及び3.0mLの水を順次添加することによりクエンチした。その反応混合物を濾過し、濾液を濃縮して透明な油状物とした。その油状物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2;3→7% CH3OH/1%NH4OH含有EtOAc)で精製して、標題生成物(3.03g, 11.3mmol, 59%)を単一のジアステレオマーとして得た。1H NMR(300MHz, CDCl3)δ 7.35-7.21(m, 10H), 4.35-4.25(m, 2H), 3.22-3.18(m, 1H), 3.00-2.94(m, 2H), 2.43(d, J=13.5Hz, 1H), 1.36(m, 1H), 0.91(m, 1H), 0.78(m, 1H);ES-LCMS m/z 268.4(M+H)。
【0134】
調製(5A): N-[((1S,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロピル)メチル]ベンゼンスルホンアミド
【化20】

【0135】
調製(4A)の方法で得た[((1S,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロピル)メチル]アミン(1.00g, 3.74mmol)を10mLのDCEに溶解させ、ポリマー結合ジイソプロピルアミン(4.49mmol, 1.2当量)と合わせた。塩化ベンゼンスルホニル(1.06g, 5.98mmol, 1.6当量)を添加し、得られた反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。ポリマー結合トリスアミン(4.49mmol, 1.2当量)を添加して周囲温度で16時間撹拌することにより、余分な塩化スルホニルを捕捉した。固体に担持した試薬を濾過し、DCM及びCH3OH及びTHF及びDCMで順次洗浄した。濾液を合わせ、濃縮して、標題生成物(1.52g, 100%)を琥珀色の油状物として得た。1H NMR(300MHz, CDCl3)δ 8.04-8.02(m, 1H), 7.75-7.15(m, 14H), 5.67(m, 1H), 4.55(s, 2H), 3.90-3.86(m, 1H), 3.57-3.51(m, 1H), 3.12-3.07(m, 1H), 2.90-2.85(m, 1H), 1.62-1.56(m, 1H), 1.03-0.99(m, 1H), 0.66(m, 1H);ES-LCMS m/z 430.1(M+Na)。
【0136】
調製(5B): N-[((1R,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロピル)メチル]ベンゼンスルホンアミド
【化21】

【0137】
調製(4B)の方法で得た[((1R,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロピル)メチル]アミン(1.00g, 3.74mmol)を10mLのDCEに溶解させ、ポリマー結合ジイソプロピルアミン(4.49mmol, 1.2当量)と合わせた。塩化ベンゼンスルホニル(1.06g, 5.98mmol, 1.6当量)を添加し、得られた反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。ポリマー結合トリスアミン(4.49mmol, 1.2当量)を添加して周囲温度で16時間撹拌することにより、余分な塩化スルホニルを捕捉した。固体に担持した試薬を濾過し、DCM及びCH3OH及びTHF及びDCMで順次洗浄した。濾液を合わせ、濃縮して、標題生成物(1.52g, 100%)を琥珀色の油状物として得た。1H NMR(300MHz, CDCl3)δ 8.04-8.02(m, 1H), 7.64-7.19(m, 14H), 5.25(m, 1H), 4.23(ABq, J=35.5, 11.4Hz, 2H), 3.28-3.24(m, 1H), 3.15(d, J=12.7Hz, 1H), 2.90(d, J=12.7Hz, 1H), 2.82-2.77(m, 1H), 1.36-1.31(m, 1H), 0.96-0.92(m, 1H), 0.76(m, 1H);ES-LCMS m/z 430.2(M+Na)。
【0138】
調製(6A): N-メチル-N-[((1S,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロピル)メチル]ベンゼンスルホンアミド
【化22】

【0139】
炭酸カリウム(1.03g, 7.48mmol, 2当量)を含んでいる7mLのDMF中の調製(5A)の方法で得たN-[((1S,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロピル)メチル]ベンゼンスルホンアミド(1.71g, 3.74mmol, 1当量)に、80℃で、ヨードメタン(2.12g, 14.9mmol, 4当量)を少量ずつ6時間かけて添加した。添加後、得られた反応混合物を80℃で16時間撹拌した。その反応混合物を、EtOAcで希釈し、飽和水性NaHCO3及び水(4×)及びブラインで順次洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮して、褐色の油状物を得た。この粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2;ヘキサン及びEtOAc/ヘキサン(1:4)で順次溶離)で精製して、標題生成物(1.57g, 100%)を黄色の油状物として得た。1H NMR(300MHz, CDCl3)δ 7.58-7.19(m, 15H), 4.57(ABq, J=24.3, 11.9Hz, 2H), 3.84-3.80(m, 1H), 3.58-3.48(m, 1H), 3.29(d, J=14.1Hz, 1H), 2.50(s, 3H), 1.47(m, 1H), 1.33(m, 1H), 0.91(m, 1H);ES-LCMS m/z 444.2(M+Na)。
【0140】
調製(6B): N-メチル-N-[((1R,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロピル)メチル]ベンゼンスルホンアミド
【化23】

【0141】
炭酸カリウム(1.03g, 7.48mmol, 2当量)を含んでいる7mLのDMF中の調製(5B)の方法で得たN-[((1R,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロピル)メチル]ベンゼンスルホンアミド(1.71g, 3.74mmol, 1当量)に、80℃で、ヨードメタン(2.12g, 14.9mmol, 4当量)を少量ずつ6時間かけて添加した。添加後、得られた反応混合物を80℃で16時間撹拌した。その反応混合物を、EtOAcで希釈し、飽和水性NaHCO3及び水(4×)及びブラインで順次洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮して、褐色の油状物を得た。この粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2;ヘキサン及びEtOAc/ヘキサン(1:4)で順次溶離)で精製して、標題生成物(1.57g, 100%)を黄色の油状物として得た。1H NMR(300MHz, CDCl3)δ 7.58-7.21(m, 15H), 4.26(ABq, J=26.5, 11.7Hz, 2H), 3.50(d, J=14.0Hz, 1H), 3.23-3.20(m, 1H), 2.94-2.89(m, 2H), 2.54(s, 3H), 1.39(m, 1H), 1.10(m, 1H), 0.92(m, 1H);ES-LCMS m/z 444.3(M+Na)。
【0142】
調製(7A): N-{[(1S,2R)-2-(ヒドロキシメチル)-1-フェニルシクロプロピル]メチル}-N-メチルベンゼンスルホンアミド
【化24】

【0143】
調製(6A)の方法で得たN-メチル-N-[((1S,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロピル)メチル]ベンゼンスルホンアミド(1.57g, 3.74mmol)を、EtOAc中の活性炭担持10%パラジウム(0.35g)と合わせ、1気圧のH2(g)下、周囲温度で4時間水素化した。触媒をセライトで濾過し、濾液を濃縮して、標題生成物(1.17g, 3.53mmol, 95%)を透明な油状物として得た。1H NMR(300MHz, CDCl3)δ 7.68-7.18(m, 10H), 4.07-4.03(m, 1H), 3.72-3.66(m, 1H), 3.55(d, J=14.1Hz, 1H), 3.25(d, J=14.1Hz, 1H), 2.36(s, 3H), 1.59(m, 1H), 1.18-1.15(m, 1H), 0.79(m, 1H);ES-LCMS m/z 354.3(M+Na)。
【0144】
調製(7B): N-{[(1R,2R)-2-(ヒドロキシメチル)-1-フェニルシクロプロピル]メチル}-N-メチルベンゼンスルホンアミド
【化25】

【0145】
調製(6B)の方法で得たN-メチル-N-[((1R,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロピル)メチル]ベンゼンスルホンアミド(1.57g, 3.74mmol)を、EtOAc中の活性炭担持10%パラジウム(0.35g)と合わせ、1気圧のH2(g)下、周囲温度で4時間水素化した。触媒をセライトで濾過し、濾液を濃縮して、標題生成物(1.01g, 3.05mmol, 82%)を透明な油状物として得た。1H NMR(300MHz, CDCl3)δ 7.63-7.61(m, 2H), 7.53(m, 1H), 7.46-7.43(m, 2H), 7.33-7.24(m, 5H), 3.60(d, J=13.8Hz, 1H), 3.40-3.35(m, 1H), 3.20-3.14(m, 1H), 2.92(d, J=13.8Hz, 1H), 2.55(s, 3H), 1.43(m, 1H), 1.10(m, 1H), 0.99(m, 1H);ES-LCMS m/z 354.2(M+Na)。
【0146】
調製(8A): N-{[(1S,2R)-2-ホルミル-1-フェニルシクロプロピル]メチル}-N-メチルベンゼンスルホンアミド
【化26】

【0147】
調製(7A)の方法で得たN-{[(1S,2R)-2-(ヒドロキシメチル)-1-フェニルシクロプロピル]メチル}-N-メチルベンゼンスルホンアミド(600mg, 1.82mmol)を、270uLの2-メチルプロパン-2-オールを含んでいる18mLのDCMに溶解させ、周囲温度で、Dess-Martinペルヨージナン(1.23g, 2.90mmol, 1.6当量)で16時間処理した。得られた反応混合物を42mLのジエチルエーテルで希釈し、周囲温度で、22mLの1N NaOHで15分間処理した。有機相を分離し、水相をジエチルエーテルで2回抽出した。有機相を合わせてブラインで洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮して、無色の油状物とした。この粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2;DCM及びEtOAc/ヘキサン(1:4)で順次溶離)で精製して、標題生成物(270mg, 0.82mmol, 45%)を無色の油状物として得た。1H NMR(300MHz, CDCl3)δ 9.82(d, J=3.8Hz, 1H), 7.65-7.28(m, 10H), 3.53-3.43(m, 2H), 2.42(s, 3H), 2.34-2.32(m, 1H), 1.90-1.87(m, 1H), 1.70-1.66(m, 1H)。
【0148】
調製(8B): N-{[(1R,2R)-2-ホルミル-1-フェニルシクロプロピル]メチル}-N-メチルベンゼンスルホンアミド
【化27】

【0149】
調製(7B)の方法で得たN-{[(1R,2R)-2-(ヒドロキシメチル)-1-フェニルシクロプロピル]メチル}-N-メチルベンゼンスルホンアミド(600mg, 1.82mmol)を、270uLの2-メチルプロパン-2-オールを含んでいる18mLのDCMに溶解させ、周囲温度で、Dess-Martinペルヨージナン(1.23g, 2.90mmol, 1.6当量)で16時間処理した。得られた反応混合物を42mLのジエチルエーテルで希釈し、周囲温度で、22mLの1N NaOHで15分間処理した。有機相を分離し、水相をジエチルエーテルで2回抽出した。有機相を合わせてブラインで洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮して、無色の油状物とした。この粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2;DCM及びEtOAc/ヘキサン(1:4)で順次溶離)で精製して、標題生成物(410mg, 1.24mmol, 69%)を無色の油状物として得た。1H NMR(300MHz, CDCl3)δ 8.54(d, J=6.7Hz, 1H), 7.65(m, 2H), 7.55(m, 1H), 7.47(m, 2H), 7.31-7.23(m, 5H), 3.50(d, J=14.3Hz, 1H), 3.09(d, J=14.3Hz, 1H), 2.52(s, 3H), 2.15-2.08(m, 1H), 1.93(m, 1H), 1.76-1.73(m, 1H)。
【0150】
調製(9A): N-{[(1R,2S)-2-ホルミル-1-フェニルシクロプロピル]メチル}-N-メチルベンゼンスルホンアミド
【化28】

【0151】
フェニルアセトニトリル及び(2R)-2-ヒドロキシ-3-[(フェニルメチル)オキシ]プロピル 4-メチルベンゼンスルホネートから出発し、調製(1)、調製(2)、調製(3A)、調製(4A)、調製(5A)、調製(6A)、調製(7A)及び調製(8A)の方法を順次使用して、上記調製で得られた収率及び分析的特性と同様の収率及び分析的特性で標題生成物を得ることができる。
【0152】
調製(9B): N-{[(1S,2S)-2-ホルミル-1-フェニルシクロプロピル]メチル}-N-メチルベンゼンスルホンアミド
【化29】

【0153】
フェニルアセトニトリル及び(2R)-2-ヒドロキシ-3-[(フェニルメチル)オキシ]プロピル 4-メチルベンゼンスルホネートから出発し、調製(1)、調製(2)、調製(3B)、調製(4B)、調製(5B)、調製(6B)、調製(7B)及び調製(8B)の方法を順次使用して、上記調製で得られた収率及び分析的特性と同様の収率及び分析的特性で標題生成物を得ることができる。
【0154】
調製(10): 下記一般式で表される化合物
【化30】

【0155】
調製(8A)、調製(8B)、調製(9A)及び調製(9B)の方法に準じて調製したアルデヒド(33mg, 100μmol)を2mLのDCEに溶解させ、それに、1mLのDCM中の第二級アミン(100μmol, 1当量)を添加し、周囲温度で撹拌しながら、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(42mg, 200μmol, 2当量)で16時間処理した。得られた反応混合物を、それぞれ、撹拌しながら4mLの飽和水性NaHCO3で1時間処理した。疎水性フリット管アセンブリで濾過することで有機相を分離し、有機濾液を濃縮乾固させた。粗生成物を300μLのDMSOに溶解させ、メタノールを用いて最終容積を500μLとした。この500μLの溶液を、Waters 2767自動サンプル注入器で、XTerra C18 5ミクロン粒子HPLCカラム(19mm×150mm)に注入した。初期溶媒流は、20mL/分の30%メタノールと70%水(pH11, 水酸化アンモニウムを緩衝液として使用)であった。空隙体積は2分間であり、10分間で100%メタノールまでの直線勾配及び100%メタノールでの5分間の洗浄により、約10分間で該化合物を溶離させた。Micromass Platform LC 質量分析計を用いて所望の質量に対する溶出液の分離をモニタリングし、Micromass Fractionlynx ソフトウェアを用いて精製されたフラクションを収集した。最終生成物は、中程度の収率から良好な収率で得られた。代表的なサンプルについてキラルHPLCを実施して、元のホモキラルな状態が保持されていることを確認した。
【0156】
上記の一般的なスキームを以下で実証する。
【0157】
実施例(1): N-[((1S,2R)-2-{[4-(3-ベンジル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ピペリジン-1-イル]メチル}-1-フェニルシクロプロピル)メチル]-N-メチルベンゼンスルホンアミド
【化31】

【0158】
N-{[(1S,2R)-2-ホルミル-1-フェニルシクロプロピル]メチル}-N-メチルベンゼンスルホンアミドと4-(3-ベンジル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ピペリジン(必要に応じ、参照によりWO00/39125を本明細書に組み入れる)を調製(10)のように反応させて、標題化合物を得た。1H NMR(300MHz, DMSO-d6)δ 7.69-7.55(m, 5H), 7.36-7.18(m, 10H), 4.08(s, 2H), 3.91(d, J=13.2Hz, 1H), 3.08-2.98(m, 2H), 2.81(d, J=13.2Hz, 1H), 2.84-2.78(m, 1H), 2.59-2.43(m, 2H), 2.52(s, 3H), 2.27-1.97(m, 4H), 1.80-1.66(m, 2H), 1.45-1.39(m, 1H), 1.09-0.99(m, 1H), 0.80(m, 1H);ES-LCMS m/z 557.2(M+H)。
【0159】
実施例(2): エチル{1-[((1R,2S)-2-{[メチル(フェニルスルホニル)アミノ]メチル}-2-フェニルシクロプロピル)メチル]ピペリジン-4-イル}カルバミン酸ベンジル
【化32】

【0160】
N-{[(1S,2R)-2-ホルミル-1-フェニルシクロプロピル]メチル}-N-メチルベンゼンスルホンアミドとエチル(ピペリジン-4-イル)カルバミン酸ベンジル(必要に応じ、参照によりBioorg. and Med. Chem. Lett., 11(2001), 2475を本明細書に組み入れる)を調製(10)のように反応させて、標題化合物を得た。1H NMR(300MHz, DMSO-d6)δ 7.70-7.56(m, 5H), 7.40-7.17(m, 10H), 5.09(s, 2H), 3.88(d, J=13.3Hz, 1H), 3.75(m, 1H), 3.19(q, J=6.6Hz, 2H), 3.09-3.05(m, 1H), 2.91-2.87(m, 1H), 2.83(d, J=13.3Hz, 1H), 2.58-2.52(m, 1H), 2.52(s, 3H), 2.44-2.38(m, 1H), 2.08-1.92(m, 2H), 1.77-1.58(m, 4H), 1.41-1.37(m, 1H), 1.07(t, J=6.6Hz, 3H), 1.07-0.99(m, 1H), 0.78(m, 1H);ES-LCMS m/z 576.1(M+H)。
【0161】
実施例(3): N-[((1S,2S)-2-{[4-(3-ベンジル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ピペリジン-1-イル]メチル}-1-フェニルシクロプロピル)メチル]-N-メチルベンゼンスルホンアミド
【化33】

【0162】
N-{[(1S,2S)-2-ホルミル-1-フェニルシクロプロピル]メチル}-N-メチルベンゼンスルホンアミドと4-(3-ベンジル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ピペリジン(必要に応じ、参照によりWO00/39125を本明細書に組み入れる)を調製(10)のように反応させて、標題化合物を得た。1H NMR(300MHz, DMSO-d6)δ 7.69-7.54(m, 5H), 7.35-7.20(m, 10H), 4.06(s, 2H), 3.55(d, J=13.8Hz, 1H), 2.97-2.85(m, 1H), 2.78(d, J=13.8Hz, 1H), 2.64-2.59(m, 1H), 2.53(s, 3H), 2.27-2.21(m, 1H), 2.02-1.88(m, 4H), 1.75-1.61(m, 2H), 1.48-1.41(m, 1H), 1.17(m, 1H), 1.07-1.02(m, 1H), 0.93-0.89(m, 1H);ES-LCMS m/z 557.1(M+H)。
【0163】
実施例(4): エチル{1-[((1S,2S)-2-{[メチル(フェニルスルホニル)アミノ]メチル}-2-フェニルシクロプロピル)メチル]ピペリジン-4-イル}カルバミン酸ベンジル
【化34】

【0164】
N-{[(1S,2S)-2-ホルミル-1-フェニルシクロプロピル]メチル}-N-メチルベンゼンスルホンアミドとエチル(ピペリジン-4-イル)カルバミン酸ベンジル(必要に応じ、参照によりBioorg. and Med. Chem. Lett., 11(2001), 2475を本明細書に組み入れる)を調製(10)のように反応させて、標題化合物を得た。1H NMR(300MHz, DMSO-d6)δ 7.67-7.55(m, 5H), 7.39-7.21(m, 10H), 5.07(s, 2H), 3.67(m, 1H), 3.57(d, J=13.3Hz, 1H), 3.17(q, J=6.6Hz, 2H), 2.99-2.93(m, 1H), 2.76(d, J=13.3Hz, 1H), 2.75-2.68(m, 1H), 2.52(s, 3H), 2.29-2.19(m, 1H), 1.87-1.38(m, 7H), 1.11(m, 1H), 1.04(t, J=6.6Hz, 3H), 1.07-1.03(m, 1H), 0.90(m, 1H);ES-LCMS m/z 576.2(M+H)。
【0165】
実施例(5): N-[((1S,2R)-1-(3-クロロフェニル)-2-{[(3-エキソ)-3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]メチル}シクロプロピル)メチル]-N-メチルベンゼンスルホンアミド
【化35】

【0166】
N-{[(1S,2R)-1-(3-クロロフェニル)-2-ホルミルシクロプロピル]メチル}-N-メチルベンゼンスルホンアミド[順次、調製(1)、調製(2)、調製(3A)、調製(4A)、調製(5A)、調製(6A)、調製(7A)及び調製(8A)の方法により、(3-クロロフェニル)アセトニトリルから調製したもの]と1-[(3-エキソ)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル]-2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール(必要に応じ、参照によりWO00/38680を本明細書に組み入れる)を調製(10)のように反応させて、標題化合物を得た。ES-LCMS m/z 589.6(M+H)。
【0167】
実施例(6): N-{[(1S,2R)-2-{[4-(3-ベンジル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ピペリジン-1-イル]メチル}-1-(3-クロロフェニル)シクロプロピル]メチル}-N-メチルベンゼンスルホンアミド
【化36】

【0168】
N-{[(1S,2R)-1-(3-クロロフェニル)-2-ホルミルシクロプロピル]メチル}-N-メチルベンゼンスルホンアミド[順次、調製(1)、調製(2)、調製(3A)、調製(4A)、調製(5A)、調製(6A)、調製(7A)及び調製(8A)の方法により、(3-クロロフェニル)アセトニトリルから調製したもの]と4-(3-ベンジル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)ピペリジン(必要に応じ、参照によりWO00/39125を本明細書に組み入れる)を調製(10)のように反応させて、標題化合物を得た。1H NMR(300MHz, CD3OD)δ 7.70-7.53(m, 5H), 7.36-7.23(m, 9H), 4.07(s, 2H), 3.83(d, J=14.0Hz, 1H), 3.39-3.16(m, 4H), 3.09(d, J=14.0Hz, 1H), 2.78-2.61(m, 3H), 2.57(s, 3H), 2.28-2.21(m, 2H), 2.07-1.94(m, 2H), 1.53-1.48(m, 1H), 1.33-1.29(m, 1H), 1.00-0.96(m, 1H);ES-LCMS m/z 591.5(M+H)。
【0169】
スキーム(2):
【化37】

【0170】
調製(11A): [((1S,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロピル)メチル]カルバミン酸1,1-ジメチルエチル
【化38】

【0171】
調製(4A)の方法で得た[((1S,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロピル)メチル]アミン(28.53g, 107mmol, 1当量)とトリエチルアミン(11.9g, 117mmol, 1.1当量)を380mLのDCMに溶解させた溶液を0℃に冷却し、それに、ジ(t-ブチル)ジカーボネート(24.45g, 112mmol, 1.05当量)を添加した。得られた混合物を0℃で2時間撹拌した後、周囲温度で16時間撹拌した。その反応混合物をDCMで希釈し、飽和NaHCO3及びブラインで順次洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮して、標題化合物(39.3g, 107mmol, 100%)を琥珀色の油状物として得た。1H NMR(300MHz, CDCl3)δ 7.43-7.17(m, 10H), 5.35(d, J=7.8Hz, 1H), 4.60(m, 2H), 3.95(m, 2H), 3.35(t, J=10.3Hz, 1H), 2.97(dd, J=13.9, 2.1Hz, 1H), 1.62(m, 1H), 1.35(s, 9H), 1.08(m, 1H), 0.77(t, J=5.4Hz, 1H);ES-LCMS m/z 390.30(M+Na)。
【0172】
調製(11B): [((1R,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロピル)メチル]カルバミン酸1,1-ジメチルエチル
【化39】

【0173】
調製(4B)の方法で得た[((1R,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロピル)メチル]アミン(12.6g, 47.13mmol, 1当量)とトリエチルアミン(5.25g, 51.8mmol, 1.1当量)を200mLのDCMに溶解させた溶液を0℃に冷却し、それに、ジ(t-ブチル)ジカーボネート(10.79g, 49.48mmol, 1.05当量)を添加した。得られた混合物を0℃で2時間撹拌した後、周囲温度で16時間撹拌した。その反応混合物をDCMで希釈し、飽和NaHCO3及びブラインで順次洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮して、標題化合物(16.6g, 45.17mmol, 96%)を黄色の油状物として得た。1H NMR(400MHz, CDCl3)δ 7.42-7.14(m, 10H), 4.50(m, 1H), 4.35-4.25(m, 2H), 3.50-3.45(m, 1H), 3.21-3.17(m, 1H), 3.10-3.05(m, 1H), 3.00-2.95(m, 1H), 1.36(s, 9H), 1.07-1.04(m, 1H), 0.82-0.798(m, 1H);ES-LCMS m/z 368.2(M+H)。
【0174】
調製(12A): メチル[((1S,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロピル)メチル]カルバミン酸1,1-ジメチルエチル
【化40】

【0175】
(11A)の方法で得た[((1S,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロピル)メチル]カルバミン酸1,1-ジメチルエチル(39.2g, 92mmol)とヨウ化メチル(39.2g, 276mmol, 3当量)を300mLのTHFに溶解させた溶液を0℃に冷却し、それに、THF中の1M ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(138mL, 138mmol, 1.5当量)を添加した。得られた反応混合物を0℃で2時間撹拌した後、周囲温度で16時間撹拌した。その反応混合物をEtOAcと水の間で分配させ、相を分離した。水相をEtOAcで2回抽出した。有機相を合わせてブラインで洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮して、琥珀色の油状物を得た。この粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2;DCM/ヘキサン(1:1), DCM及びEtOAc/ヘキサン(1:4)で順次溶離)で精製して、標題化合物(22.25g, 58mmol, 63%)を淡黄色の油状物として得た。ES-LCMS m/z 404.30(M+Na)。
【0176】
調製(12B): メチル[((1R,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロピル)メチル]カルバミン酸1,1-ジメチルエチル
【化41】

【0177】
(11B)の方法で得た[((1R,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロピル)メチル]カルバミン酸1,1-ジメチルエチル(7.5g, 20.4mmol)とヨウ化メチル(14.4g, 102.0mmol, 5当量)を100mLのTHFに溶解させた溶液を0℃に冷却し、それに、THF中の1M ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(30.6mL, 30.6mmol, 1.5当量)を添加した。得られた反応混合物を0℃で8時間撹拌した後、周囲温度で16時間撹拌した。その反応混合物をEtOAcと水の間で分配させ、相を分離した。水相をEtOAcで2回抽出した。有機相を合わせてブラインで洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮して、琥珀色の油状物を得た。この粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2;EtOAc/ヘキサン(1:4)で溶離)で精製して、標題化合物(3.1g, 8.1mmol, 40%)を淡黄色の油状物として得た。1H NMR(400MHz, CDCl3)δ 7.34-7.18(m, 10H), 4.36-4.27(m, 2H), 3.67-3.45(m, 1H), 3.26-3.13(m, 2H), 3.07-2.99(m, 1H), 2.77-2.62(m, 3H), 1.39-0.80(m, 12H);ES-LCMS m/z 404.2(M+Na)。
【0178】
調製(13A): {[(1S,2R)-2-(ヒドロキシメチル)-1-フェニルシクロプロピル]メチル}メチルカルバミン酸1,1-ジメチルエチル
【化42】

【0179】
調製(12A)の方法で得たメチル[((1S,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロピル)メチル]カルバミン酸1,1-ジメチルエチル(20.65g, 54mmol)を、250mLのエチルアルコール中の活性炭担持10%パラジウム(2.00g)と合わせ、1気圧のH2(g)下、周囲温度で3時間水素化した。触媒をセライトで濾過し、濾液を濃縮して、黄色の油状物とした。この粗物質を、5→25% EtOAc/DCMで溶離させるシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製した。適切なフラクションを合わせ、濃縮して、標題化合物(12.02g, 41.2mmol, 76%)を無色の油状物として得た。1H NMR(300MHz, DMSO-d6, 90℃)δ 7.30-7.22(m, 9H), 7.15(m, 1H), 4.41(t, J=5.1Hz, 1H), 3.87(d, J=14.5Hz, 1H), 3.74(m, 1H), 3.52(m, 1H), 3.31(d, J=14.4Hz, 1H), 2.63(s, 3H), 1.21(s, 9H), 1.20-1.07(m, 2H), 0.77(m, 1H);ES-LCMS m/z 314.21(M+Na)。
【0180】
調製(13B): {[(1R,2R)-2-(ヒドロキシメチル)-1-フェニルシクロプロピル]メチル}メチルカルバミン酸1,1-ジメチルエチル
【化43】

【0181】
調製(12B)の方法で得たメチル[((1R,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロピル)メチル]カルバミン酸1,1-ジメチルエチル(3.1g, 8.1mmol)を、エチルアルコール中の活性炭担持10%パラジウム(0.50g)と合わせ、1気圧のH2(g)下、周囲温度で0.5時間水素化した。触媒をセライトで濾過し、濾液を濃縮して、無色の油状物とした。この粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2;EtOAc/ヘキサン(4:6)で溶離)で精製して、標題化合物(2.2g, 7.5mmol, 95%)を黄色の油状物として得た。1H NMR(400MHz, CDCl3)δ 7.32-7.20(m, 5H), 3.70-3.54(m, 1H), 3.34-3.18(m, 3H), 2.76-2.60(m, 3H), 1.41-1.22(m, 11H), 1.00(m, 1H), 0.87-0.85(m, 1H);ES-LCMS m/z 314.1(M+Na)。
【0182】
調製(13C): {[(1R,2R)-2-(ヒドロキシメチル)-1-フェニルシクロプロピル]メチル}カルバミン酸1,1-ジメチルエチル
【化44】

【0183】
調製(11B)の方法で得た[((1R,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロピル)メチル]カルバミン酸1,1-ジメチルエチル(8.0g, 21.7mmol)を、エチルアルコール中の活性炭担持10%パラジウム(0.8g)と合わせ、1気圧のH2(g)下、周囲温度で2.5時間水素化した。触媒をセライトで濾過し、濾液を濃縮して、無色の油状物とした。この粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2;EtOAc/ヘキサン(4:6)で溶離)で精製して、標題化合物(5.8g, 20.9mmol, 96%)を淡黄色の油状物として得た。1H NMR(400MHz, CDCl3)δ 7.35-7.25(m, 5H), 3.52-3.48(m, 1H), 3.35-3.30(m, 1H), 3.23-3.19(m, 1H), 3.10-3.07(m, 1H), 1.45-1.37(m, 11H), 1.04-1.04(m, 1H), 0.87-0.84(m, 1H);LCMS m/z 300.1(M+Na)。
【0184】
調製(14A): {[(1S,2R)-2-ホルミル-1-フェニルシクロプロピル]メチル}メチルカルバミン酸1,1-ジメチルエチル
【化45】

【0185】
調製(13A)の方法で得た{[(1S,2R)-2-(ヒドロキシメチル)-1-フェニルシクロプロピル]メチル}メチルカルバミン酸1,1-ジメチルエチル(12.02g, 41.2mmol)を、6.2mLの2-メチルプロパン-2-オールを含んでいる200mLのDCMに溶解させ、周囲温度で、200mLのDCM中のDess-Martinペルヨージナン(28.0g, 66.0mmol, 1.6当量)で3時間処理した。得られた反応混合物を1Lのジエチルエーテルで希釈し、周囲温度で、400mLの1N NaOHで30分間処理した。有機相を分離し、水相をジエチルエーテルで2回抽出した。有機相を合わせてブラインで洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮して、無色の油状物とした。この粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2;EtOAc/ヘキサン(1:4)で溶離)で精製して、標題化合物(10.7, 36.9mmol, 89%)を得た。1H NMR(400MHz, CDCl3)δ 9.77-9.65(m, 1H), 7.33-7.23(m, 5H), 3.75-3.63(m, 2H), 2.72-2.50(m, 3H), 2.26-2.19(m, 1H), 1.87-1.81(m, 1H), 1.65-1.61(m, 1H), 1.31-1.18(m, 9H);LCMS m/z 312.2(M+Na)。
【0186】
調製(14B): {[(1R,2R)-2-ホルミル-1-フェニルシクロプロピル]メチル}メチルカルバミン酸1,1-ジメチルエチル
【化46】

【0187】
調製(13B)の方法で得た{[(1R,2R)-2-(ヒドロキシメチル)-1-フェニルシクロプロピル]メチル}メチルカルバミン酸1,1-ジメチルエチル(3.8g, 13.0mmol)を、1.1mLの2-メチルプロパン-2-オールを含んでいる35mLのDCMに溶解させ、周囲温度で、35mLのDCM中のDess-Martinペルヨージナン(8.8g, 20.8mmol, 1.6当量)で2時間処理した。得られた反応混合物を50mLのジエチルエーテルで希釈し、周囲温度で、50mLの1N NaOHで15分間処理した。有機相を分離し、水相をジエチルエーテルで2回抽出した。有機相を合わせてブラインで洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮して、無色の油状物とした。この粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2;EtOAc/ヘキサン(3:7)で溶離)で精製して、標題化合物(3.2g, 11.0mmol, 84%)を得た。1H NMR(400MHz, CDCl3)δ 8.49-8.47(m, 1H), 7.29-7.24(m, 5H), 3.62-3.58(m, 1H), 3.33-3.22(m, 1H), 2.72-2.58(m, 3H), 1.84-1.81(m, 1H), 1.71-1.53(m, 1H), 1.34-1.25(m, 10H);ES-LCMS m/z 312.2(M+Na)。
【0188】
調製(14C): {[(1R,2R)-2-ホルミル-1-フェニルシクロプロピル]メチル}カルバミン酸1,1-ジメチルエチル
【化47】

【0189】
調製(13C)の方法で得た{[(1R,2R)-2-(ヒドロキシメチル)-1-フェニルシクロプロピル]メチル}カルバミン酸1,1-ジメチルエチル(5.8g, 20.9mmol)を、3.1mLの2-メチルプロパン-2-オールを含んでいる100mLのDCMに溶解させ、周囲温度で、100mLのDCM中のDess-Martinペルヨージナン(14.1g, 33.4mmol, 1.6当量)で3時間処理した。得られた反応混合物を500mLのジエチルエーテルで希釈し、周囲温度で、200mLの1N NaOHで15分間処理した。有機相を分離し、水相をジエチルエーテルで2回抽出した。有機相を合わせてブラインで洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮して、無色の油状物とした。この粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2;EtOAc/ヘキサン(1:4)で溶離)で精製して、標題化合物(4.2g, 15.2mmol, 73%)を得た。1H NMR(400MHz, CDCl3)δ 8.51-8.50(m, 1H), 7.34-7.24(m, 5H), 4.55(m, 1H), 3.44-3.39(m, 1H), 3.25-3.20(m, 1H), 2.13-2.08(m, 1H), 1.80-1.78(m, 1H), 1.64-1.61(m, 1H), 1.37(s, 9H);ES-LCMS m/z 298.1(M+Na)。
【0190】
調製(14D): {[(1R,2S)-2-ホルミル-1-フェニルシクロプロピル]メチル}メチルカルバミン酸1,1-ジメチルエチル
【化48】

【0191】
フェニルアセトニトリル及び(2R)-2-ヒドロキシ-3-[(フェニルメチル)オキシ]プロピル 4-メチルベンゼンスルホネートから出発し、調製(1)、調製(2)、調製(3A)、調製(4A)、調製(11A)、調製(12A)、調製(13A)及び調製(14A)の方法を順次使用して、上記調製で得られた収率及び分析的特性と同様の収率及び分析的特性で標題生成物を得ることができる。
【0192】
調製(14E): {[(1S,2S)-2-ホルミル-1-フェニルシクロプロピル]メチル}メチルカルバミン酸1,1-ジメチルエチル
【化49】

【0193】
フェニルアセトニトリル及び(2R)-2-ヒドロキシ-3-[(フェニルメチル)オキシ]プロピル 4-メチルベンゼンスルホネートから出発し、調製(1)、調製(2)、調製(3B)、調製(4B)、調製(11B)、調製(12B)、調製(13B)及び調製(14B)の方法を順次使用して、上記調製で得られた収率及び分析的特性と同様の収率及び分析的特性で標題生成物を得ることができる。
【0194】
調製(14F): {[(1S,2S)-2-ホルミル-1-フェニルシクロプロピル]メチル}カルバミン酸1,1-ジメチルエチル
【化50】

【0195】
フェニルアセトニトリル及び(2R)-2-ヒドロキシ-3-[(フェニルメチル)オキシ]プロピル 4-メチルベンゼンスルホネートから出発し、調製(1)、調製(2)、調製(3B)、調製(4B)、調製(11B)、調製(13C)及び調製(14C)の方法を順次使用して、上記調製で得られた収率及び分析的特性と同様の収率及び分析的特性で標題生成物を得ることができる。
【0196】
調製(15): 下記一般構造を有する化合物
【化51】

【0197】
3mLのDCE中の調製(14A)〜調製(14F)の方法で調製したアルデヒド(0.35mmol)を、コンビナトリアル的な方法で、周囲温度で撹拌しながら、種々の第二級アミン(0.35mmol, 1当量)及びmp-トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(500mg, 1.04mmol, 3当量)で20時間処理した。得られた反応混合物をそれぞれ濾過した。残留した樹脂を4mLのDCMで撹拌しながら1時間処理し、有機相を濾過により分離した。有機濾液を濃縮乾固させ、精製又は特性決定を行うことなく、次の段階へ付した。
【0198】
調製(16): 下記一般構造を有する化合物
【化52】

【0199】
調製(15)の方法で調製した化合物を、周囲温度で僅かに撹拌しながら、2mLのDCM及び2mLのDCE中の1mLのトリフルオロ酢酸で5時間処理した。得られた反応混合物を濃縮し、DCM(2mL)と飽和NaHCO3(2mL)の間で分配させた。疎水性フリット管アセンブリで濾過することで有機相を分離した。有機濾液を濃縮乾固させ、精製又は特性決定を行うことなく、次の段階へ付した。
【0200】
調製(17): 下記一般式で表される化合物
【化53】

【0201】
調製(16)の方法で調製した化合物を3mLのDCEに溶解させ、各反応が理論的なスケール(1mLのDCE中の0.12mmol)で実施されるように、コンビナトリアル的な方法でさらに分配した。反応プレートを濃縮し、残渣を反応に付すために1mLのDMF中に入れた。各ウェルにポリマー結合ジイソプロピルアミン(0.48mmol, 4当量)を添加した後、0.5mLのDMF中の酸(0.13mmol, 1.1当量)及び0.5mLのDMF中のHATU(0.12mmol, 1当量)を添加した。得られた反応混合物を周囲温度で18時間撹拌した。ポリマー結合カルボネート(0.36mmol, 3当量)を添加し、周囲温度で3時間撹拌することにより、HATU副産物を捕捉した。反応プレートを濾過し、濾液を濃縮乾固させた。粗生成物を300μLのDMSOに溶解させ、メタノールを用いて最終容積を500μLとした。この500μLの溶液を、Waters 2767自動サンプル注入器で、XTerra C18 5ミクロン粒子HPLCカラム(19mm×150mm)に注入した。初期溶媒流は、20mL/分の30%メタノールと70%水(pH11, 水酸化アンモニウムを緩衝液として使用)であった。空隙体積は2分間であり、10分間で100%メタノールまでの直線勾配及び100%メタノールでの5分間の洗浄により、約10分間で該化合物を溶離させた。Micromass Platform LC 質量分析計を用いて所望の質量に対する溶出液の分離をモニタリングし、Micromass Fractionlynx ソフトウェアを用いて精製されたフラクションを収集した。代表的なサンプルについてキラルHPLCを実施して、元のホモキラルな状態が保持されていることを確認した。
【0202】
調製(18): 下記一般式で表される化合物
【化54】

【0203】
調製(16)の方法で調製した化合物を3mLのDCE(1:1)に溶解させ、各反応が理論的なスケール(1mLのDCE中の0.12mmol)で実施されるように、コンビナトリアル的な方法でさらに分配した。各ウェルにポリマー結合ジイソプロピルアミン(0.48mmol, 4当量)を添加した後、1mLのDCE中の酸塩化物又は塩化スルホニル(0.12mol, 1当量)の何れかを添加した。得られた反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。ポリマー結合トリスアミン(0.36mmol, 3当量)を添加し、周囲温度で4時間撹拌することにより、余分な酸塩化物又は塩化スルホニルを捕捉した。反応プレートを濾過し、濾液を濃縮乾固させた。粗生成物を300μLのDMSOに溶解させ、メタノールを用いて最終容積を500μLとした。この500μLの溶液を、Waters 2767自動サンプル注入器で、XTerra C18 5ミクロン粒子HPLCカラム(19mm×150mm)に注入した。初期溶媒流は、20mL/分の30%メタノールと70%水(pH11, 水酸化アンモニウムを緩衝液として使用)であった。空隙体積は2分間であり、10分間で100%メタノールまでの直線勾配及び100%メタノールでの5分間の洗浄により、約10分間で該化合物を溶離させた。Micromass Platform LC 質量分析計を用いて所望の質量に対する溶出液の分離をモニタリングし、Micromass Fractionlynx ソフトウェアを用いて精製されたフラクションを収集した。代表的なサンプルについてキラルHPLCを実施して、元のホモキラルな状態が保持されていることを確認した。
【0204】
上記の一般的なスキームを以下で実証する。
【表1】

【0205】
当業者には理解されるように、本発明のさらなる化合物は、本明細書に記載されているスキームに準じて同様に調製することができる。
【0206】
スキーム(3):
【化55】

【0207】
調製(19B): (1R,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロパンカルバルデヒド
【化56】

【0208】
300mLのトルエンと調製(3B)の方法で得た(1R,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロパンカルボニトリル(12.0g, 45.57mmol, 1当量)の溶液に、0℃で、テトラヒドロフラン中の59.3mLの1M 水素化ジイソブチルアルミニウム(59.3mmol, 1.3当量)を添加した。得られた混合物を0℃で4時間撹拌し、次いで、周囲温度で18時間撹拌した後、500mLのトルエンと500mLの水で希釈した。この混合物を30分間撹拌し、次いで、セライトのパッドで濾過した。有機相を単離し、Na2SO4で脱水し、濾過し、濃縮して、標題化合物(7.8g, 29.3mmol, 64%)を黄色の油状物として得た。1H NMR(400MHz, CDCl3)δ 9.39(s, 1H), 7.39-7.19(m, 10H), 4.33-4.23(m, 2H), 3.36-3.33(m, 1H), 3.03-2.98(m, 1H), 2.16-2.11(m, 1H), 1.77-1.73(m, 1H), 1.46-1.43(m, 1H)。
【0209】
調製(20B): ((1R,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロピル)メタノール
【化57】

【0210】
100mLのエチルアルコール中の調製(19B)の方法で得た(1R,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロパンカルバルデヒド(7.8g, 29.3mmol, 1当量)の混合物に、周囲温度で、水素化ホウ素ナトリウム(1.2g, 32.2mmol, 1当量)を一度に加えた。得られた反応物を周囲温度で18時間撹拌し、濃縮し、残渣を酢酸エチルとブラインの間で分配させた。有機相をNa2SO4で脱水し、濾過し、濃縮して、黄色の油状物を得た。この粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2;ヘキサン及びEtOAc/ヘキサン(1:4)で順次溶離)で精製して、標題生成物(7.8g, 29.06mmol, 99%)を透明な油状物として得た。1H NMR(400MHz, DMSO-d6)δ 7.31-7.15(m, 10H), 4.61(t, J=5.7Hz, 1H), 4.30-4.17(m, 2H), 3.53-3.48(m, 1H), 3.35-3.31(m, 1H), 3.02-2.95(m, 2H), 1.40-1.33(m, 1H), 0.96-0.93(m, 1H), 0.72-0.69(m, 1H);ES-LCMS m/z 291.2(M+Na)。
【0211】
調製(21B): [({[(1R,2R)-2-(クロロメチル)-2-フェニルシクロプロピル]メチル}オキシ)メチル]ベンゼン
【化58】

【0212】
300mLのDCM中のポリマー結合トリフェニルホスフィン(31.64g, 67.08mmol, 3当量)と四塩化炭素(6.5mL, 67.08mmol, 3当量)の混合物を、周囲温度で30分間撹拌した。これに、調製(20B)の方法で得た((1R,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロピル)メタノール(6.0g, 22.36mmol, 1当量)を50mLのDCMに溶解させた溶液を添加した。反応混合物全部を周囲温度で16時間撹拌した。この混合物を、次いで、濾過し、樹脂を過剰量のDCMで洗浄した。有機相を濃縮して、標題化合物(6.4g, 22.36mmol, 100%)を透明な油状物として得た。1H NMR(400MHz, DMSO-d6)δ 7.38-7.17(m, 10H), 4.31-4.16(m, 2H), 4.10-4.07(m, 1H), 3.56-3.53(m, 1H), 3.08-3.04(m, 1H), 2.92-2.87(m, 1H), 1.63-1.56(m, 1H), 1.08-0.99(m, 2H)。
【0213】
調製(22B): ((1R,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロピル)アセトニトリル
【化59】

【0214】
200mLのDMF中の調製(21B)の方法で得た[({[(1R,2R)-2-(クロロメチル)-2-フェニルシクロプロピル]メチル}オキシ)メチル]ベンゼン[(1R,2R)-2-(クロロメチル)-2-フェニルシクロプロピル]メチルフェニルメチルジエチルエーテル(6.4g, 22.32mmol, 1当量)とシアン化カリウム(2.18g, 33.47mmol, 1.5当量)と炭酸カリウム(6.17g, 44.63mmol, 2当量)の混合物を、80℃に18時間加熱した。得られた反応物を、次いで、酢酸エチルと水の間で分配させた。有機相を水(3×)及びブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、濃縮した。得られた粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2;ヘキサン及びEtOAc/ヘキサン(1:4)で順次溶離)で精製して、標題生成物(5.2g, 18.13mmol, 81%)を透明な油状物として得た。1H NMR(400MHz, DMSO-d6)δ 7.39-7.16(m, 10H), 4.30-4.15(m, 2H), 3.09-3.01(m, 2H), 2.88-2.84(m, 1H), 2.65-2.61(m, 1H), 1.51-1.44(m, 1H), 1.04-1.00(m, 1H), 0.94-0.92(m, 1H)。
【0215】
調製(23B): [2-((1R,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロピル)エチル]アミン
【化60】

【0216】
調製(22B)の方法で得た((1R,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロピル)アセトニトリル(5.2g, 18.13mmol)を20mLのジエチルエーテルに溶解させ、それを、0℃で、ジエチルエーテル中の18.13mLの1M 水素化アルミニウムリチウム(18.13mmol)に添加した。添加が完了した後、得られた反応混合物を0℃で3時間撹拌した。その反応混合物を400mLのジエチルエーテルで希釈し、0.6mLの水及び0.6mLの15%NaOH及び3.0mLの水を順次添加することによりクエンチした。その反応混合物をセライトのパッドで濾過し、濾液を濃縮して、標題生成物(5.1g, 18.13mmol, 100%)を透明な油状物として得た。1H NMR(400MHz, DMSO-d6)δ 7.29-7.14(m, 10H), 4.29-4.16(m, 2H), 3.04-2.99(m, 1H), 2.91-2.86(m, 1H), 2.39-2.27(m, 2H), 1.88-1.83(m, 1H), 1.28-1.19(m, 2H), 0.84-0.81(m, 1H), 0.73-0.71(m, 1H)。
【0217】
調製(24B): [2-((1R,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロピル)エチル]カルバミン酸1,1-ジメチルエチル
【化61】

【0218】
(23B)の方法で得た[2-((1R,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロピル)エチル]アミン(5.1g, 18.12mmol, 1当量)及びトリエチルアミン(2.78mL, 19.03mmol, 1.1当量)を75mLのDCMに溶解させた溶液を0℃に冷却し、それに、ジ(t-ブチル)ジカーボネート(4.15g, 19.03mmol, 1.05当量)を添加した。得られた混合物を、0℃で2時間撹拌した後、周囲温度で16時間撹拌した。その反応混合物をDCMで希釈し、飽和NaHCO3及びブラインで順次洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮した。得られた粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2;ヘキサン及びEtOAc/ヘキサン(1:4)で順次溶離)で精製して、標題生成物(5.9g, 15.46mmol, 85%)を透明な油状物として得た。1H NMR(400MHz, DMSO-d6)δ 7.29-7.17(m, 10H), 6.60-6.58(m, 1H), 4.29-4.16(m, 2H), 3.01-2.97(m, 1H), 2.91-2.87(m, 1H), 2.83-2.77(m, 1H), 2.71-2.66(m, 1H), 1.91-1.85(m, 1H), 1.33-1.21(m, 11H), 0.83-0.80(m, 1H), 0.74-0.72(m, 1H);ES-LCMS m/z 404.2(M+Na)。
【0219】
調製(26C): {2-[(1R,2R)-2-(ヒドロキシメチル)-1-フェニルシクロプロピル]エチル}カルバミン酸1,1-ジメチルエチル
【化62】

【0220】
調製(24B)の方法で得た[2-((1R,2R)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロピル)エチル]カルバミン酸1,1-ジメチルエチル(5.9g, 15.46mmol)を、100mLのエチルアルコール中の活性炭担持10%パラジウム(600mg)と合わせ、1気圧のH2(g)下、周囲温度で3時間水素化した。触媒をセライトで濾過し、濾液を濃縮して、標題化合物(4.1g, 14.07mmol, 91%)を無色の油状物として得た。1H NMR(400MHz, DMSO-d6)δ 7.27-7.12(m, 5H), 6.59-6.56(m, 1H), 4.31-4.29(m, 1H), 3.00-2.94(m, 1H), 2.87-2.66(m, 3H), 1.88-1.82(m, 1H), 1.32-1.25(m, 10H), 1.11-1.05(m, 1H), 0.76-0.73(m, 1H), 0.65-0.63(m, 1H);ES-LCMS m/z 314.1(M+Na)。
【0221】
調製(27C): {2-[(1R,2R)-2-ホルミル-1-フェニルシクロプロピル]エチル}カルバミン酸1,1-ジメチルエチル
【化63】

【0222】
調製(26C)の方法で得た{2-[(1R,2R)-2-(ヒドロキシメチル)-1-フェニルシクロプロピル]エチル}カルバミン酸1,1-ジメチルエチル(4.1g, 14.07mmol)を、1.2mLの2-メチルプロパン-2-オールを含んでいる40mLのDCMに溶解させ、周囲温度で、40mLのDCM中のDess-Martinペルヨージナン(9.55g, 22.51mmol, 1.6当量)で3時間処理した。得られた反応混合物を50mLのジエチルエーテルで希釈し、周囲温度で、50mLの1N NaOHで30分間処理した。有機相を分離し、水相をジエチルエーテルで2回抽出した。有機相を合わせてブラインで洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮して、無色の油状物とした。この粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2;EtOAc/ヘキサン(3:7)で溶離)で精製して、標題化合物(3.5g, 12.10mmol, 86%)を得た。1H NMR(400MHz, CDCl3)δ 8.43-8.41(m, 1H), 7.31-7.20(m, 5H), 4.41(m, 1H), 3.04-2.95(m, 2H), 2.16-2.10(m, 1H), 1.99-1.94(m, 1H), 1.88-1.85(m, 1H), 1.54-1.46(m, 1H), 1.38(s, 10H);LCMS m/z 312.2(M+Na)。
【0223】
調製(27F): {2-[(1S,2S)-2-ホルミル-1-フェニルシクロプロピル]エチル}カルバミン酸1,1-ジメチルエチル
【化64】

【0224】
(3B)の方法で得た(1S,2S)-1-フェニル-2-{[(フェニルメチル)オキシ]メチル}シクロプロパンカルボニトリルから出発し、調製(19B)、調製(20B)、調製(21B)、調製(22B)、調製(23B)、調製(24B)、調製(26C)及び調製(27C)の方法を順次使用して、上記調製で得られた収率及び分析的特性と同様の収率及び分析的特性で標題生成物を得ることができる。
【0225】
調製(28): 下記一般構造を有する化合物
【化65】

【0226】
3mLのDCE中の調製(27A)〜調製(27F)の方法で調製したアルデヒド(0.35mmol)を、コンビナトリアル的な方法で、周囲温度で撹拌しながら、種々の第二級アミン(0.35mmol, 1当量)及びmp-トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(500mg, 1.04mmol, 3当量)で20時間処理した。得られた反応混合物をそれぞれ濾過した。残留した樹脂を4mLのDCMで撹拌しながら1時間処理し、有機相を濾過により分離した。有機濾液を濃縮乾固させ、精製又は特性決定を行うことなく、次の段階へ付した。
【0227】
調製(29): 下記一般構造を有する化合物
【化66】

【0228】
調製(28)の方法で調製した化合物を、周囲温度で僅かに撹拌しながら、2mLのDCM及び2mLのDCE中の1mLのトリフルオロ酢酸で5時間処理した。得られた反応混合物を濃縮し、DCM(2mL)と飽和NaHCO3(2mL)の間で分配させた。疎水性フリット管アセンブリで濾過することで有機相を分離した。有機濾液を濃縮乾固させ、精製又は特性決定を行うことなく、次の段階へ付した。
【0229】
調製(30): 下記一般式で表される化合物
【化67】

【0230】
調製(29)の方法で調製した化合物を3mLのDCEに溶解させ、各反応が理論的なスケール(1mLのDCE中の0.12mmol)で実施されるように、コンビナトリアル的な方法でさらに分配した。反応プレートを濃縮し、残渣を反応に付すために1mLのDMF中に入れた。各ウェルにポリマー結合ジイソプロピルアミン(0.48mmol, 4当量)を添加した後、0.5mLのDMF中の酸(0.13mmol, 1.1当量)及び0.5mLのDMF中のHATU(0.12mmol, 1当量)を添加した。得られた反応混合物を周囲温度で18時間撹拌した。ポリマー結合カルボネート(0.36mmol, 3当量)を添加し、周囲温度で3時間撹拌することにより、HATU副産物を捕捉した。反応プレートを濾過し、濾液を濃縮乾固させた。粗生成物を300μLのDMSOに溶解させ、メタノールを用いて最終容積を500μLとした。この500μLの溶液を、Waters 2767自動サンプル注入器で、XTerra C18 5ミクロン粒子HPLCカラム(19mm×150mm)に注入した。初期溶媒流は、20mL/分の30%メタノールと70%水(pH11, 水酸化アンモニウムを緩衝液として使用)であった。空隙体積は2分間であり、10分間で100%メタノールまでの直線勾配及び100%メタノールでの5分間の洗浄により、約10分間で該化合物を溶離させた。Micromass Platform LC 質量分析計を用いて所望の質量に対する溶出液の分離をモニタリングし、Micromass Fractionlynx ソフトウェアを用いて精製されたフラクションを収集した。代表的なサンプルについてキラルHPLCを実施して、元のホモキラルな状態が保持されていることを確認した。
【0231】
調製(31): 下記一般式で表される化合物
【化68】

【0232】
調製(29)の方法で調製した化合物を3mLのDCE(1:1)に溶解させ、各反応が理論的なスケール(1mLのDCE中の0.12mmol)で実施されるように、コンビナトリアル的な方法でさらに分配した。各ウェルにポリマー結合ジイソプロピルアミン(0.48mmol, 4当量)を添加した後、1mLのDCE中の酸塩化物又は塩化スルホニル(0.12mol, 1当量)の何れかを添加した。得られた反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。ポリマー結合トリスアミン(0.36mmol, 3当量)を添加し、周囲温度で4時間撹拌することにより、余分な酸塩化物又は塩化スルホニルを捕捉した。反応プレートを濾過し、濾液を濃縮乾固させた。粗生成物を300μLのDMSOに溶解させ、メタノールを用いて最終容積を500μLとした。この500μLの溶液を、Waters 2767自動サンプル注入器で、XTerra C18 5ミクロン粒子HPLCカラム(19mm×150mm)に注入した。初期溶媒流は、20mL/分の30%メタノールと70%水(pH11, 水酸化アンモニウムを緩衝液として使用)であった。空隙体積は2分間であり、10分間で100%メタノールまでの直線勾配及び100%メタノールでの5分間の洗浄により、約10分間で該化合物を溶離させた。Micromass Platform LC 質量分析計を用いて所望の質量に対する溶出液の分離をモニタリングし、Micromass Fractionlynx ソフトウェアを用いて精製されたフラクションを収集した。代表的なサンプルについてキラルHPLCを実施して、元のホモキラルな状態が保持されていることを確認した。
【0233】
スキーム(4):
【化69】

【0234】
調製(32): (4S)-2-(3-クロロフェニル)-4-ヒドロキシ-6-[(フェニルメチル)オキシ]ヘキサンニトリル
【化70】

【0235】
100mLのTHF中の(3-クロロフェニル)アセトニトリル(8.62mL, 72.9mmol)を-78℃に冷却した。ブチルリチウム(35.1mL, 56.1mmol, THF中1.6M)を20分間かけて添加し、-78℃でさらに15分間撹拌した。20mLのTHF中の(2R)-2-{2-[(フェニルメチル)オキシ]エチル}オキシラン(10.0g, 56.1mmol, Synthesis 1992, 7 , 621-623)を30分間かけて添加し、-78℃でさらに1時間撹拌した。室温まで昇温させた後、溶媒を蒸発させた。得られた橙赤色の油状物を、ヘキサン中の20-25%EtOAcを用いるシリカゲルクロマトグラフィーに付して、標題化合物(11.05g, 58%)を得た。1H NMR(400MHz, クロロホルム-D)δ ppm 1.8(m, 3H), 3.6(m, 1H), 3.7(m, 2H), 4.1(m, 2H), 4.5(m, 2H), 7.3(m, 9H)。
【0236】
調製(33): (1S)-3-(3-クロロフェニル)-3-シアノ-1-{2-[(フェニルメチル)オキシ]エチル}プロピル 4-メチルベンゼンスルホネート
【化71】

【0237】
(4S)-2-(3-クロロフェニル)-4-ヒドロキシ-6-[(フェニルメチル)オキシ]ヘキサンニトリル(6.00g, 18.2mmol)をピリジン中の50%CHCl3に溶解させた溶液に、0℃で、DMAP(2.22g)及びトルエンスルホニルクロリド(10.4g, 54.5mmol)を添加した。数時間かけて室温まで昇温させた後、得られた反応混合物を冷凍庫内に2日間保存した。1N HClを用いて水性後処理を行った後、有機層をMgSO4で脱水し、蒸発させて、油状物とした。ヘキサン中の25%EtOAcを用いるシリカ上でのクロマトグラフィーに付して、標題化合物(5.68g, 66%)を黄色の油状物として得た。1H NMR(400MHz, クロロホルム-D)δ ppm 1.9(m, 2H), 2.1(m, 2H), 2.3(m, 2H), 2.4(s, 3H), 3.4(m, 1H), 3.5(m, 1H), 4.4(m, 2H), 7.1(m, 1H), 7.3(m, 10H), 7.8(m, 2H)。
【0238】
調製(34): (1R,2R)-1-(3-クロロフェニル)-2-{2-[(フェニルメチル)オキシ]エチル}シクロプロパンカルボニトリル
【化72】

【0239】
ヘキサン中の3.2mLの1M LHMDS(3.2mmol)を15mLのDMFに添加し、-40℃に冷却した。これに、(1S)-3-(3-クロロフェニル)-3-シアノ-1-{2-[(フェニルメチル)オキシ]エチル}プロピル 4-メチルベンゼンスルホネート(1.00g, 2.12mmol)を5mLのDMFに溶解させた溶液を10分間かけて添加し、40分間撹拌した。室温まで昇温させた後、得られた反応物を、出発物質が残留していないことがTLCにより確認されるまで、撹拌した。その反応混合物を100mLの水に注ぎ入れ、50mLのEtOAcで抽出した。有機相を単離し、ブラインで洗浄し、MgSO4で脱水した。得られた残渣を、ヘキサン中の25%EtOAcを用いるシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、標題化合物(436mg, 収率65%)を得た。1H NMR(400MHz, クロロホルム-D)δ ppm 1.4(dd, J=7.5, 5.6Hz, 1H), 1.5(m, 1H), 1.7(m, 1H), 2.0(m, 2H), 3.6(m, 2H), 4.5(d, J=2.2Hz, 2H), 7.1(m, 1H), 7.2(m, 3H), 7.3(m, 5H)。
【0240】
調製(35): [((1R,2R)-1-(3-クロロフェニル)-2-{2-[(フェニルメチル)オキシ]エチル}シクロプロピル)メチル]アミン
【化73】

【0241】
(1R,2R)-1-(3-クロロフェニル)-2-{2-[(フェニルメチル)オキシ]エチル}シクロプロパンカルボニトリル(1.26g, 4.0mmol)をジエチルエーテルに溶解させた溶液を、0℃で、2当量のLAH(ジエチルエーテル中1M)で処理した。0℃で1.5時間経過した後、ガスの発生が観察されなくなるまで水を滴下して加えた。アルミニウム塩を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄した。ジエチルエーテル相を蒸発させて、標題化合物を得た。1H NMR(400MHz, クロロホルム-D)δ ppm 0.5(dd, J=5.9, 4.8Hz, 1H), 1.0(dd, J=8.9, 4.7Hz, 1H), 1.2(m, 1H), 1.4(s, 2H), 1.8(m, 2H), 2.9(m, 2H), 3.6(m, 2H), 4.6(s, 2H), 7.2(m, 3H), 7.3(m, 2H), 7.4(m, 4H)。
【0242】
調製(36): [((1R,2R)-1-(3-クロロフェニル)-2-{2-[(フェニルメチル)オキシ]エチル}シクロプロピル)メチル]メチルカルバミン酸1,1-ジメチルエチル
【化74】

【0243】
[((1R,2R)-1-(3-クロロフェニル)-2-{2-[(フェニルメチル)オキシ]エチル}シクロプロピル)メチル]アミン(1.67g, 5.29mmol)とトリエチルアミン(0.74mL, 5.29mmol)をDCMに溶解させた溶液を、0℃に冷却した。二炭酸二-t-ブチル(1.15g, 5.29mmol)を固体として添加し、0℃で1時間撹拌した。得られた反応混合物を蒸発させて、2.27gの油状物を得た。これを、THF及びヨードメタン(2.27g, 15.98mmol)に再度溶解させ、0℃に冷却した。この溶液を撹拌しながら、それに、NaHMDS(8.0mL, THF中1M)を20分間かけて添加した。室温まで昇温させた後、その反応物を水とジエチルエーテルに注ぎ入れた。ジエチルエーテル相を単離し、水で洗浄し、MgSO4で脱水し、蒸発させて、標題化合物(2.08g, 収率91%)を得た。1H NMR(400MHz, クロロホルム-D)δ ppm 0.7(m, 1H), 1.2(m, 9H), 1.3(m, 3H), 1.7(m, 1H), 1.9(m, 1H), 2.6(s, 1H), 2.8(s, 2H), 3.6(m, 2H), 3.9(d, J=14.8Hz, 1H), 4.6(s, 2H), 7.2(m, 3H), 7.3(m, 2H), 7.3(m, 4H)。
【0244】
調製(37A): {[(1R,2R)-1-(3-クロロフェニル)-2-(2-オキソエチル)シクロプロピル]メチル}メチルカルバミン酸1,1-ジメチルエチル
【化75】

【0245】
[((1R,2R)-1-(3-クロロフェニル)-2-{2-[(フェニルメチル)オキシ]エチル}シクロプロピル)メチル]メチルカルバミン酸1,1-ジメチルエチル(2.08g, 4.83mmole)を50mLのEtOAcに溶解させた溶液を、360mgの炭素担持10%Pdと一緒に、1気圧のH2下、一晩撹拌した。得られた懸濁液をセライトで濾過し、蒸発させて、1.84gの油状物を得た。この油状物をDCMに溶解させ、Dess-Martinペルヨージナン(3.67g, 8.66mmol)と2-メチル-2-プロパノール(828μL, 8.66mmole)をDCMに溶解させた溶液に添加した。一晩撹拌した後、得られた反応混合物を、100mLの1N NaOH及び5.0gのNa2SO4と20分間混合した。100mLのジエチルエーテルを添加し、有機層を1N NaOHで洗浄し、水で洗浄し、MgSO4で脱水した。溶媒を除去して、標題化合物を未精製の油状物として得た。この油状物は、それ以上精製することなく使用した。ES-LCMS m/z 360(M+Na)。
【0246】
調製(37B): {[(1R,2S)-1-(3-クロロフェニル)-2-(2-オキソエチル)シクロプロピル]メチル}メチルカルバミン酸t-ブチル
【化76】

【0247】
(3-クロロフェニル)アセトニトリル及び(2S)-2-{2-[(フェニルメチル)オキシ]エチル}オキシランから出発し、調製(32)、調製(33)、調製(34)、調製(35)、調製(36)及び調製(37A)の方法を順次使用して、上記調製で得られた収率及び分析的特性と同様の収率及び分析的特性で標題生成物を得ることができる。
【0248】
調製(38): 下記一般構造を有する化合物
【化77】

【0249】
3mLのDCE中の調製(37A)〜調製(37B)の方法で調製したアルデヒド(0.35mmol)を、コンビナトリアル的な方法で、周囲温度で撹拌しながら、種々の第二級アミン(0.35mmol, 1当量)及びmp-トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(500mg, 1.04mmol, 3当量)で20時間処理した。得られた反応混合物をそれぞれ濾過した。残留した樹脂を4mLのDCMで撹拌しながら1時間処理し、有機相を濾過により分離した。有機濾液を濃縮乾固させ、精製又は特性決定を行うことなく、次の段階へ付した。
【0250】
調製(39): 下記一般構造を有する化合物
【化78】

【0251】
調製(38)の方法で調製した化合物を、周囲温度で僅かに撹拌しながら、2mLのDCM及び2mLのDCE中の1mLのトリフルオロ酢酸で5時間処理した。得られた反応混合物を濃縮し、DCM(2mL)と飽和NaHCO3(2mL)の間で分配させた。疎水性フリット管アセンブリで濾過することで有機相を分離した。有機濾液を濃縮乾固させ、精製又は特性決定を行うことなく、次の段階へ付した。
【0252】
調製(40): 下記一般式で表される化合物
【化79】

【0253】
調製(39)の方法で調製した化合物を3mLのDCEに溶解させ、各反応が理論的なスケール(1mLのDCE中の0.12mmol)で実施されるように、コンビナトリアル的な方法でさらに分配した。反応プレートを濃縮し、残渣を反応に付すために1mLのDMF中に入れた。各ウェルにポリマー結合ジイソプロピルアミン(0.48mmol, 4当量)を添加した後、0.5mLのDMF中の酸(0.13mmol, 1.1当量)及び0.5mLのDMF中のHATU(0.12mmol, 1当量)を添加した。得られた反応混合物を周囲温度で18時間撹拌した。ポリマー結合カルボネート(0.36mmol, 3当量)を添加し、周囲温度で3時間撹拌することにより、HATU副産物を捕捉した。反応プレートを濾過し、濾液を濃縮乾固させた。粗生成物を300μLのDMSOに溶解させ、メタノールを用いて最終容積を500μLとした。この500μLの溶液を、Waters 2767自動サンプル注入器で、XTerra C18 5ミクロン粒子HPLCカラム(19mm×150mm)に注入した。初期溶媒流は、20mL/分の30%メタノールと70%水(pH11, 水酸化アンモニウムを緩衝液として使用)であった。空隙体積は2分間であり、10分間で100%メタノールまでの直線勾配及び100%メタノールでの5分間の洗浄により、約10分間で該化合物を溶離させた。Micromass Platform LC 質量分析計を用いて所望の質量に対する溶出液の分離をモニタリングし、Micromass Fractionlynx ソフトウェアを用いて精製されたフラクションを収集した。代表的なサンプルについてキラルHPLCを実施して、元のホモキラルな状態が保持されていることを確認した。
【0254】
調製(41): 下記一般式で表される化合物
【化80】

【0255】
調製(39)の方法で調製した化合物を3mLのDCE(1:1)に溶解させ、各反応が理論的なスケール(1mLのDCE中の0.12mmol)で実施されるように、コンビナトリアル的な方法でさらに分配した。各ウェルにポリマー結合ジイソプロピルアミン(0.48mmol, 4当量)を添加した後、1mLのDCE中の酸塩化物又は塩化スルホニル(0.12mol, 1当量)の何れかを添加した。得られた反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。ポリマー結合トリスアミン(0.36mmol, 3当量)を添加し、周囲温度で4時間撹拌することにより、余分な酸塩化物又は塩化スルホニルを捕捉した。反応プレートを濾過し、濾液を濃縮乾固させた。粗生成物を300μLのDMSOに溶解させ、メタノールを用いて最終容積を500μLとした。この500μLの溶液を、Waters 2767自動サンプル注入器で、XTerra C18 5ミクロン粒子HPLCカラム(19mm×150mm)に注入した。初期溶媒流は、20mL/分の30%メタノールと70%水(pH11, 水酸化アンモニウムを緩衝液として使用)であった。空隙体積は2分間であり、10分間で100%メタノールまでの直線勾配及び100%メタノールでの5分間の洗浄により、約10分間で該化合物を溶離させた。Micromass Platform LC 質量分析計を用いて所望の質量に対する溶出液の分離をモニタリングし、Micromass Fractionlynx ソフトウェアを用いて精製されたフラクションを収集した。代表的なサンプルについてキラルHPLCを実施して、元のホモキラルな状態が保持されていることを確認した。
【0256】
上記の一般的なスキームを以下の実施例で実証する。
【0257】
実施例(12): N-[((1S,2S)-1-(3-クロロフェニル)-2-{2-[1-(3-メチルフェニル)-4-オキソ-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デク-8-イル]エチル}シクロプロピル)メチル]-N-メチルシクロペンタンカルボキサミド
【化81】

【0258】
調製(41)の方法に準じて、標題化合物を調製した。
【0259】
ES-LCMS m/z 661.36(M+H)。
【0260】
スキーム(5):
【化82】

【0261】
調製(42): (1S,2R)-2-{[(3-エンド)-3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]メチル}-1-フェニルシクロプロパンカルボン酸エチル
【化83】

【0262】
10mLのDMF中で、(1S,2R)-2-(ブロモメチル)-1-フェニルシクロプロパンカルボン酸エチル(538mg, 1.90mmol, 1当量;J. Med. Chem. 1987, 30(2), 318-325)を、1-[(3-エンド)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-3-イル]-2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール(700mg, 1.90mmol, 1当量;WO00/38680)及び炭酸カリウム(790mg, 5.70mmol, 3当量)及び触媒量のヨウ化カリウムと合わせ、85℃で16時間撹拌した。得られた反応混合物を、EtOAcと水の間で分配させ(pH=9)、有機相を単離した。その有機相を新たな水と合わせ、1N HClを用いてpHを2に調節した。水相を単離し、1N NaOHを用いてpHを11に調節し、DCMで抽出した。有機相を単離し、MgSO4で脱水し、濾過し、濃縮して、標題化合物(574mg, 1.29mmol, 68%)を褐色の泡状物として得た。1H NMR(400MHz, DMSO-D6, 85℃)δ ppm 1.2(t, J=7.1Hz, 3H), 1.4(dd, J=9.0, 4.5Hz, 1H), 1.6(dd, J=7.1, 4.5Hz, 1H), 1.8(m, 3H), 1.9(m, 2H), 2.1(m, 2H), 2.4(m, 2H), 2.5(s, 3H), 2.7(m, 1H), 3.4(m, 1H), 3.7(m, 1H), 4.1(q, J=7.1Hz, 2H), 4.8(m, 1H), 7.1(m, 2H), 7.2(m, 1H), 7.3(t, J=7.4Hz, 2H), 7.4(m, 2H), 7.4(m, 1H), 7.5(m, 1H);ES-LCMS m/z 444.24(M+H)。
【0263】
調製(43): (1S,2R)-2-{[(3-エンド)-3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]メチル}-1-フェニルシクロプロパンカルボン酸
【化84】

【0264】
(1S,2R)-2-{[(3-エンド)-3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]メチル}-1-フェニルシクロプロパンカルボン酸エチル(574mg, 1.29mmol, 1当量)を1.9mLのエチルアルコールに溶解させ、周囲温度で、1.9mLの1N LiOH(1.9mmol, 1.5当量)で16時間処理した。得られた反応混合物を濃縮乾固させ、トルエンで3回チェースし(chased)、高真空下に乾固させた。得られた粗生成物をDCMを用いて摩砕し、それをデカントすることにより、標題化合物(526mg, 1.27mmol, 99%)が白色の固体残渣として残留した。1H NMR(400MHz, DMSO-D6, 85℃)δ ppm 1.3(dd, J=8.9, 4.4Hz, 1H), 1.5(dd, J=7.0, 4.4Hz, 1H), 1.7(m, 3H), 1.9(m, 2H), 2.2(m, 2H), 2.5(m, 2H), 2.5(s, 3H), 2.7(dd, J=12.8, 5.4Hz, 1H), 3.4(m, 1H), 3.7(m, 1H), 4.9(m, 1H), 7.1(m, 2H), 7.2(m, 1H), 7.3(m, 2H), 7.4(m, 2H), 7.4(m, 1H), 7.5(m, 1H);ES-LCMS m/z 416.19(M+H)。
【0265】
調製(44): ((1S,2S)-2-{[(3-エンド)-3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]メチル}-1-フェニルシクロプロピル)アミン
【化85】

【0266】
(1S,2R)-2-{[(3-エンド)-3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]メチル}-1-フェニルシクロプロパンカルボン酸(174mg, 0.42mmol, 1当量)を、周囲温度で、10mLの塩化チオニルで16時間処理した。得られた反応混合物を濃縮乾固させ、トルエンで2回チェースし、減圧下に乾燥させて、該酸塩化物を黄色の泡状物として得た。このようにして得た酸塩化物を5mLのアセトンに懸濁させ、周囲温度で、2mLの水に溶解させたアジ化ナトリウム(73mg, 1.12mmol, 2.7当量)で処理した。その反応混合物を周囲温度で1時間撹拌し、次いで、飽和NaHCO3で希釈し、トルエンで抽出した。トルエン層を単離し、MgSO4で脱水し、濾過した。濾液を90℃で2時間加熱した。冷却後、反応混合物に水を添加し、1N HClを用いてpHを2に調節した。水相を単離し、1N NaOHを用いてpHを10に調節し、EtOAcで2回抽出した。有機相を合わせてMgSO4で脱水し、濾過し、濃縮して、標題化合物(61mg, 0.16mmol, 38%)を黄色の膜状物として得た。1H NMR(400MHz, DMSO-D6, 85℃)δ ppm 0.7(m, 1H), 1.2(m, 2H), 1.7(m, J=7.6Hz, 2H), 1.9(m, 2H), 2.2(m, 2H), 2.4(m, J=8.6Hz, 2H), 2.5(m, 3H), 2.6(m, 2H), 3.5(m, 1H), 3.6(m, 1H), 4.7(m, 1H), 7.1(m, 3H), 7.3(t, J=7.8Hz, 2H), 7.4(m, 2H), 7.4(d, J=7.4Hz, 1H), 7.5(d, J=8.3Hz, 1H);ES-LCMS m/z 387.28(M+H)。
【0267】
調製(46), 実施例(13): N-((1S,2S)-2-{[(3-エンド)-3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]メチル}-1-フェニルシクロプロピル)ベンゼンスルホンアミド
【化86】

【0268】
((1S,2S)-2-{[(3-エンド)-3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]メチル}-1-フェニルシクロプロピル)アミン(40mg, 0.103mmol, 1当量)を2mLのDCM/DCE(1:1)に溶解させ、周囲温度で、PS-DIEA(40mg, 0.155mmol, 1.5当量)の存在下に、ベンゼンスルホニルクロリド(40uL, 0.310mmol, 3当量)で3時間処理した。樹脂を濾過し、濾液を濃縮乾固させた。粗生成物を、C-18カラム上のHPLCに付し、0.1%のTEAで緩衝してある水の中の0→100%CH3CNで溶離させることにより精製した。適切なフラクションを単離し、濃縮して、標題化合物(20mg, 0.038mmol, 37%)を白色の固体として得た。1H NMR(400MHz, DMSO-D6, 85℃)δ ppm 1.2(m, 2H), 1.5(m, 1H), 1.7(m, 2H), 1.9(m, 2H), 2.0(m, 2H), 2.2(dd, J=12.9, 6.5Hz, 1H), 2.4(m, 2H), 2.5(s, 3H), 2.6(dd, J=12.5, 5.0Hz, 1H), 3.4(m, 1H), 3.5(m, 1H), 4.7(m, 1H), 7.1(m, 5H), 7.2(m, 2H), 7.4(m, 3H), 7.5(m, 2H), 7.6(m, 2H), 8.4(s, 1H);ES-LCMS m/z 527.27(M+H)。
【0269】
実施例(14): N-((1R,2R)-2-{[(3-エンド)-3-(2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクト-8-イル]メチル}-1-フェニルシクロプロピル)ベンゼンスルホンアミド
【化87】

【0270】
(1R,2S)-2-(ブロモメチル)-1-フェニルシクロプロパンカルボン酸エチル(J. Med. Chem. 1987, 30(2), 318-325)から出発し、調製(42)、調製(43)、調製(44)及び調製(46)の方法を順次使用して、上記調製で得られた収率及び分析的特性と同様の収率及び分析的特性で標題生成物を得ることができる。
【表2】

【0271】
当業者には理解されるように、本発明のさらなる化合物は、本明細書に記載されているスキームに準じて同様に調製することができる。
【0272】
生物学的データ
以下の定義が適用される。
【表3】

【0273】
シンチレーション近接アッセイによるCC-ケモカイン受容体-5の結合 (CCR5 SPA)
ヒトCC-ケモカイン受容体, CCR-5についてのシンチレーション近接アッセイ
このプロトコルでは、125I-MIP1αがヒトCCR5ケモカイン受容体に結合するのを阻害する化合物をSPA結合を用いて同定する高スループットスクリーニングについて説明する。
【0274】
CCR5は、天然のケモカインリガンドであるMIP1α、MIP1β及びRANTESに結合するGタンパク質共役型受容体である。CCR5は、CD4と一緒に、HIV-1がヒトのT-細胞及び単球に侵入するための共受容体としての役割を果たす。ケモカインもまた、急性及び慢性の炎症過程において役割を果たしている。ケモカインは、体内に侵入してくる異物に対する宿主反応の初期段階において、種々の細胞型により製造及び放出される可溶性タンパク質である。
【0275】
ヒトCCR5受容体をチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞(登録番号12025)で発現させた。細胞を浮遊状態で増殖させ、50〜80mLのCCR5細胞ペレットを調製した。膜の調製:(1) ペレットを秤量する;(2) 0.0025mg/mLのペファブロック、0.0001mg/mLのペプスタチンA、0.0001mg/mLのロイペプチン及び0.0001mg/mLのアプロチニン(プロテアーゼ阻害剤カクテル)を含有する50mLの氷冷HEPESバッファー(pH 7.4)を調製する;(3) ペレットを5容積のHEPESバッファー中でホモジナイズする;(4) ガラスホモジナイザーで再度ホモジナイズする(10〜20ストローク);(5) Sorvall RC26 PIUS refrigerated Centrifugeを使用するF28/36ローター内で、ホモジネートを、18,000rpmで30分間遠心分離する;(6) 上清を廃棄し、ペレットを3容積のHEPESバッファーに再懸濁させる;(7) ステップ(4)〜ステップ(6)を用いて、ホモジナイズ及び遠心分離をさらに2回実施する;(8) ペレットを再度秤量し、3×質量対容積のHEPESバッファー中でホモジナイズする;(9) 0.5〜1.5mLの膜調製物を分割して小さなバイアル瓶の中に入れ、-80℃で保存する;(10) Bio-Rad又はBCA法を用いて、該膜調製物のタンパク質濃度を測定する;(11) 膜ホモジネートは、アッセイ条件[(a)タンパク質濃度;(b)SPAにおける最適タンパク質対ビーズ比;及び、(c)SPA中のKd及びBmaxを決定するための飽和曲線]に関して特性決定を行う必要がある。
【0276】
種々の量の[125I]MIP1α(0-8.5nM)を最適のタンパク質/ビーズ比から選択した濃度の膜及びビーズに添加することにより、飽和曲線結合実験を実施する。非線形カーブフィッティングプログラムを用いてデータを解析する。該カーブからKd及びBmaxを得る。
【0277】
バシトラシン(50mg/mL)を脱イオン水に溶解させ、(プロテアーゼ活性を消失させるために)5分間沸騰させ、冷却する。1mLアリコートを調製し、-80℃で保存する。
【0278】
25mg/mLのペファブロックと1mg/mLのロイペプチンと1mg/mLのアプロチニンと1mg/mLのペプスタチンAを100%DMSOに溶解させることにより、プロテアーゼ阻害剤カクテルを調製する。このカクテルは、アリコートに分割し、必要とされるまで-20℃で凍結保存することができる。
【0279】
シグマコート:放射性リガンドと接触する全ての試薬瓶及び容器は、固着を低減するために、シグマコートで処理する。容器を希釈していないシグマコートで濯ぎ、脱イオン水で数回濯ぎ、風乾させてから使用する。
【0280】
カラークエンチアッセイ(color quench assay)-[125I]SPA PVT カラークエンチキット, Cat. No. RPAQ 4030, Amersham Ltd。各Packard TopCountに対してカラークエンチ曲線を生成させ、該アッセイに特異的な各カウンティングプロトコルで保存する。これを行うことにより、着色した化合物がシンチレーションのカウントをクエンチするのを防止する。
【0281】
化合物の調製:
単一濃度測定(single concentration determination)(ワンショット)用の化合物を、カラムA1〜カラムH10内の100%DMSO中に1μLの化合物を含んでいる96ウェルPackard Optiplatesに送達する(80化合物/プレート)。カラムA11〜カラムH11は、総結合(Bo)(ビヒクル-5μLの適切なDMSO濃度)用に使用し、カラムA12〜カラムD12は、非特異的結合を測定するために使用する。それ以上の調製は必要ではない。
【0282】
濃度-反応曲線(10ポイント)用の化合物を、カラムA1〜カラムH10内の100%DMSO中に1μLの化合物を含んでいる96-Packard Optiplatesに送達する。10ポイント濃度-反応曲線は、30μM(アッセイの最終において)という高濃度で開始する各化合物にとって望ましい。カラムA11〜カラムH11は、総結合(Bo)(ビヒクル-5μLの適切なDMSO濃度)用に使用し、カラムA12〜カラムD12は、非特異的結合を測定するために使用する。それ以上の調製は必要ではない。
【0283】
材料:
1M HEPES, pH7.4, Gibco, Cat. No. 15360-080
バシトラシン, Sigma Catalog. No. B-0125
ウシ血清アルブミン, Sigma, Cat. No. A-7888
MgCl2, J.T. Baker 2444-01
CaCl2, Sigma, Cat. No. C5080
MIP1α, Peprotech, Cat. No. 300-08
シグマコート, Sigma, Cat. No. SL2
シンチレーション近接ビーズ, Wheat Germ Agglutinin, Amersham, Cat No. RPNQ 0001
[125I]MIP1α, NEN(#NEX298)
Packard 96ウェル平底 Optiplate, Cat. No. 6005190
Falcon 96ウェル丸底プレート, Cat. No. 3077
TOPSEAL-S, Packard, Cat. No. 6005161
ジメチルスルホキシド, EM Science, Cat. No. MX1458-6
シリコン処理ピペットチップ, Accutip, 容積200-1300uL, Cat. No. P5048-85
シリコン処理ピペットチップ, Bio Plas, Inc., 容積1-200uL, Cat. No. 60828-908
試薬容器, Elkay, Cat. No. 175-RBAS-000
アッセイバッファーの調製:
50mMのHEPESバッファー(pH7.4), 1mMのCaCl2, 5mMのMgCl2(これは、100×原液として前もって調製することができる), 1%のBSA, 0.5mg/mLのバシトラシン, プロテアーゼ阻害剤カクテル(上記調製参照)100uL/100mL; 必要に応じ、DMSOを添加して、1つのウェル当たりの最終濃度を一様に2%とする(化合物%DMSOを含む)。
【0284】
実験の詳細:
[125I]MIP1αの調製:
調製した放射性リガンドを、シグマコートで処理した容器内で希釈する。
【0285】
各50μCiのバイアル瓶を0.5mLの脱イオン水で再構成し、4℃で保存する。
【0286】
特異的活性 = 2,000Ci/mmol
50uLの各ウェルに約60,000cpm(0.17nM)を加える。
【0287】
Bo:
20%DMSO溶液を調製し、その5μLを、カラムA11〜カラムH11の各ウェルに添加する。これにより、アッセイバッファー中の1%に添加したときに、該ウェルについてのDMSOの最終濃度が2%になる。
【0288】
NSB:
脱イオン水を用いて、MIP1αの100uMの希釈ストックを調製し、アリコートに分割し、凍結させる。
【0289】
MIP-1αの希釈ストックを上記と同一の20%DMSO溶液で2μMの濃度に希釈し、その5μLをカラムA12〜カラムD12のウェルに添加して、最終アッセイ濃度100nMとする。これは、シグマコートで処理した容器内で調製する。
【0290】
膜及びSPAビーズの調製
該膜の最終アッセイ濃度は、1つのウェル当たり15μgである。SPAビーズは、5mLのアッセイバッファーを500mgのバイアル瓶に加えることにより調製する。該アッセイにおけるSPAビーズの最終濃度は、0.25mg/ウェルである。膜とビーズを1:1(膜:ビーズ)混合物として予め混合し、撹拌を持続しながら混合状態で4℃で保持する。該混合物の50μLを各アッセイウェルに添加する。該プレートに全ての試薬を添加した後(アッセイ総容積100μL)、プレートを室温で4時間振盪する。4時間経過した後、該プレートをTopCountに配置し、適切なプログラム(即ち、該アッセイの条件に対して確立されているクエンチ曲線を有するプログラム)を用いて、1つのウェル当たり30秒間該プレートをTopCountでカウントする。
【0291】
データの整理:
データの整理は、Microsoft Excel Addins Robofit又はRobosage を用いて行う。
【0292】
単一濃度アッセイ(ワンショット)に関しては、各試験ウェルの結果を、下記式:
100*(1-(U1-C2)/(C1-C2))
を用いて%阻害として表す。ここで、U1は特定のウェルで観察された未知サンプルのcpmであり、C1は添加された阻害剤がいずれも存在しない状態で観察されたカラム12のcpmの平均であり、C2は1μMのMIP1αの存在下で観察されたカラム11のcpmの平均である。
【0293】
濃度-反応アッセイに関しては、各試験ウェルの結果を、下記式:
100*(U1-C2)/C1-C2)
を用いて%B/Bo(%総特異的結合)として表す。%B/Boを濃度に対してプロットすることにより曲線を描き、方程式:
y=Vmax*(1-(x^n/(k^n+x^n)))
を用いて、IC50を得る。
【0294】
対照及び標準
各プレートには、総結合の12のウェル(カラムA11〜カラムH11)が含まれている。1つのウェル当たりのcpm(cpm/ウェル)を平均し、値C1として、データの整理に使用する。各プレートには、さらに、非特異的結合の4つのウェル(ウェルA12〜ウェルD12)も含まれている。これらのウェルのカウントを平均して、値C2として、データの整理に使用する。
【0295】
各実験には、標準プレートが含まれている。このプレートには、標準化合物MIP1α(開始濃度1μM)についての14-ポイント濃度-反応曲線(3反復)が含まれている。MIP1αを用いて得られた歴史的なpKiの平均は7.6である。
【0296】
単一濃度(ワンショット)に関して関連する生物学的反応の領域は、%阻害である。阻害値が40%を超えるか又は50%を超える場合、それは、陽性の反応であると判断された。
【0297】
HOSアッセイ(HOS-LTR-ルシフェラーゼアッセイとも称される)
材料
DMEM(GibcoBRL #10564-011)
Trpsin-EDTA(GibcoBRL #25300-054)
熱不活性化ウシ胎児血清(FBS)(Hyclone #SH30070.03)
96ウェル, 黒側面, 透明底, 組織培養処理プレート(Costar #3904)
96ウェル, 透明側面, 透明底, 組織培養処理プレート(Costar #3598)
リン酸緩衝食塩水(PBS)(GibcoBRL #14190-144)
ジメチルスルホキシド(DMSO)(Sigma #D2650)
Luclite ルシフェラーゼレポーターアッセイ(Packard #6016911)
HOS-CD4.CCR5-LTR-ルシフェラーゼ(Bioresource Registration #21164):ヒトCD4及びヒトCCR5を過剰発現するように改変されたヒト骨肉腫細胞系(AIDS Repository cat#3318)にHIV-1-LTR-ルシフェラーゼレポーターを安定的にトランスフェクトしたもの。
【0298】
事前準備
HOS-CD4.CCR5-LTR-ルシフェラーゼ細胞系の増殖及び維持:
該細胞を、2%FBSを含んでいるDMEM中で増殖させた。密集度が80%に達した場合、標準的なトリプシン処理により細胞を分割した(おおよそ、2〜3日毎)。
【0299】
ウイルスストックの力価測定(titering):
単位容積当たりの感染性ウイルス粒子の数を見積もるために、アッセイ系においてHIV-1ウイルスストックの力価を測定した(RLU/mLで表される)。ウイルスストックを2%FBSを含んでいるDMEMで希釈し、下記「手順」の部分で説明してあるようにアッセイした。
【0300】
手順
黒側面の96ウェル組織培養プレートに、HOS-CD4.CCR5-LTR-ルシフェラーゼを、1つのウェル当たり0.6〜1.2×103細胞で、50uLの2%FBS含有DMEMに播種し、加湿してあるインキュベータ(37℃, 5%CO2)内に一晩置いた。翌日、被験化合物を、DMEM+2%FBS+0.2%DMSO中の2×最終濃度で4倍滴定した。50μLの滴定化合物をHOS細胞に移し、プレートを、加湿してあるインキュベータ(37℃, 5%CO2)内に1時間置いた。さらに60uLの2×滴定化合物を透明側面96ウェル組織培養プレートに移し、60uLのHIV(希釈して適切なm.o.i.としたもの)を各ウェルに添加し、充分に混合した。100uLのHIV/化合物混合物を、100uLの細胞/化合物を含んでいる黒側面プレートに移した。そのプレートを、加湿してあるインキュベータ(37℃, 5%CO2)内に72時間置いた。72時間インキュベーションした後、150uLの上清を除去し、50uLの再構成したLUCLITE(キット試薬)を各ウェルに添加した。各プレートを密封し、Topcount(Packard)ルミノメーターで1s/ウェルで読み取った。
【0301】
データの整理:
相対発光量(RLU)は、%対照で表した。
【0302】
(薬物[]でのRLU/薬物なしでのRLU)*100=%対照
IC50値は、以下の4種の非線型回帰モデルの内の何れか1つで求めた。
【0303】
y=Vmax*(1-(x^n/(K^n+x^n)))+Y2
y=Vmax*(1-(x^n/(K^n+x^n)))
y=Vmax*(1-(x/(K+x)))+Y2
y=Vmax*(1-(x/(K+x)))
上記非線型回帰モデルにおいて、KはIC50であり、Y2はベースラインであり、Nはヒル係数である。
【0304】
本発明化合物の各々は、上記アッセイのそれぞれにおいて試験したときに、少なくとも5のpIC50値を示す。
【0305】
被験化合物は、遊離形態又は塩形態で使用する。
【0306】
全ての研究は、実験動物の管理の原則(NIH Publication No.85-23, 1985年改訂)、及び、動物の使用に関する製薬産業の方針を満足するものであった。
【0307】
本発明の特定の実施形態について例示し、詳細に記述したが、本発明は、それらに限定されない。好ましい実施形態についての上記詳細な説明は、例示のみを目的として提供されており、本発明に対して何らかの限定を加えるものと解釈されるべきではない。変形態様は当業者には明白であり、本発明の精神から逸脱しない全ての変形態様は添付されている「特許請求の範囲」の範囲内に包含されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
Xは、C1-5アルキレン鎖であり、その際、該Xは、場合により、1以上の=O、=S、-S(O)t-、アルキル又はハロゲンで置換されていてもよく、又、該C1-5アルキレン鎖は、場合により、酸素、リン、硫黄又は窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有していてもよく;
環Aは、1個の環窒素原子と酸素、リン、硫黄又は窒素から選択される0〜4個の付加的なヘテロ原子を有する、飽和、部分的飽和又は芳香族の、3〜7員単環式環又は8〜10員二環式環であり;
R1は、下記の群から選択され:
(a) 1個の環窒素原子と酸素、リン、硫黄又は窒素から選択される0〜4個の付加的なヘテロ原子を有する、飽和、部分的飽和又は芳香族の、4〜7員単環式環又は8〜10員二環式環(ここで、該環は、場合によりC1-6アルキレン鎖を介して結合していてもよく、また、場合により1以上のR8で置換されていてもよい);
【化2】

Qは、炭素、酸素又はS(O)tであり;
wは、1又は2であり;
各R2は、独立して、-OR0、-C(O)-R0、-S(O)2-R0、-C(O)-N(R0)2、-S(O)2-N(R0)2、-(CH2)a-N(R0)(-Vb-R+)、-(CH2)a-(-Vb-R+)、ハロゲン、場合により1以上のR7で置換されていてもよいアルキル、場合により1以上のR7で置換されていてもよいアルケニル、場合により1以上のR7で置換されていてもよいアルキニル、場合により1以上のR6で置換されていてもよいアリール、場合により1以上のR6で置換されていてもよいヘテロアリール、場合により1以上のR8で置換されていてもよいシクロアルキル、及び、場合により1以上のR8で置換されていてもよいヘテロシクリルからなる群から選択され;また、環A上で隣接する2つのR2は、場合により、一緒に、酸素、リン、硫黄又は窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する、飽和、部分的飽和又は芳香族の、5〜6員縮合環を形成していてもよく;又は、ジェミナルな2つのR2は、場合により、一緒に、酸素、リン、硫黄又は窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する、飽和、部分的飽和又は芳香族の、5〜6員スピロ環を形成していてもよく;ここで、前記縮合環又はスピロ環は、場合により、1以上のR8で置換されていてもよく;
各aは、独立して、0〜3であり;
各bは、独立して、0又は1であり;
Vは、-C(O)-、-C(O)O-、-S(O)2-又は-C(O)-N(R0)-であり;
R+は、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル又はヘテロシクリルであり、その際、該R+は、場合により、1以上のR8で置換されていてもよく;
dは、0〜3であり;
mは、0又は1であり;
nは、0〜5であり;
R3は、H、-N(R0)2、-N(R0)C(O)R0、-CN、ハロゲン、CF3、場合によりR7若しくは-S-アリール(ここで、該-S-アリールは、場合により、-(CH2)1-6-N(R0)SO2(R0)で置換されていてもよい)から選択される1以上の基で置換されていてもよいアルキル、場合によりR7若しくは-S-アリール(ここで、該-S-アリールは、場合により、-(CH2)1-6-N(R0)SO2(R0)で置換されていてもよい)から選択される1以上の基で置換されていてもよいアルケニル、場合によりR7若しくは-S-アリール(ここで、該-S-アリールは、場合により、-(CH2)1-6-N(R0)SO2(R0)で置換されていてもよい)から選択される1以上の基で置換されていてもよいアルキニル、場合により1以上のR8で置換されていてもよいシクロアルキル若しくはカルボシクリル、場合により1以上のR6で置換されていてもよいアリール、場合により1以上のR6で置換されていてもよいヘテロアリール、又は、場合により1以上のR8で置換されていてもよいヘテロシクリルであり;
Yは、アルキル、アルケニル、アルキニル、-(CR4R5)p-、-C(O)-、-C(O)C(O)-、-C(S)-、-O-(CH2)0-4-C(O)-、-(CH2)0-4-C(O)-O-、-N(R0)-C(O)-、-C(O)-N(R0)-、-N(R0)-C(S)-、-S(O)t-、-O-C(=N-CN)-、-O-C(=N-R0)-、-C(=N-CN)-O-、-C(=N-CN)-S-、-C(=N-R0)-O-、-S-C(=N-CN)-、-N(R0)-C(=N-CN)-、-C(=N-CN)-、-N(R0)-C[=N-C(O)-R0]、-N(R0)-C[=N-S(O)t-R0]、-N(R0)-C(=N-OR0)-、-N(R0)-C(=N-R0)-又は-C(=N-R0)-であり;
各R4は、独立して、H、場合によりR7で置換されていてもよいアルキル、場合によりR7で置換されていてもよいアルケニル、又は、場合によりR7で置換されていてもよいアルキニルであり;
各R5は、独立して、H、-C(O)-OR6、-C(O)-N(R0)2、-S(O)t-N(R0)2、-S(O)t-R0、場合によりR6で置換されていてもよいアリール、及び、場合によりR6で置換されていてもよいヘテロアリールからなる群から選択され;
pは、1〜5であり;
各tは、独立して、1又は2であり;
各R6は、独立して、ハロゲン、-CF3、-OCF3、-OR0、-(CH2)1-6-OR0、-SR0、-(CH2)1-6-SR0、-SCF3、-R0、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、-NO2、-CN、-(CH2)1-6-CN、-N(R0)2、-(CH2)1-6-N(R0)2、-NR0C(O)R0、-NR0(CN)、-NR0C(O)N(R0)2、-NR0C(S)N(R0)2、-NR0CO2R0、-NR0NR0C(O)R0、-NR0NR0C(O)N(R0)2、-NR0NR0CO2R0、-C(O)C(O)R0、-C(O)CH2C(O)R0、-(CH2)0-6CO2R0、-O-C(O)R0、-C(O)R0、-C(O)N(R0)N(R0)2、-C(O)N(R0)2、-C(O)N(R0)OH、-C(O)N(R0)SO2R0、-OC(O)N(R0)2、-S(O)tR0、-S(O)t-OR0、-S(O)tN(R0)C(O)R0、-S(O)tN(R0)OR0、-NR0SO2N(R0)2、-NR0SO2R0、-C(=S)N(R0)2、-C(=NH)-N(R0)2、-(CH2)1-6-C(O)R0、-C(=N-OR0)-N(R0)2、-O-(CH2)0-6-SO2N(R0)2、-(CH2)1-6NHC(O)R0及び-SO2N(R0)2からなる群から選択され、その際、同一の窒素上にある2つのR0は、場合により、一緒に、酸素、リン、窒素又は硫黄から選択される0〜4個の付加的なヘテロ原子を有する、飽和、部分的飽和又は芳香族の5〜8員環を形成していてもよく;
各R7は、独立して、ハロゲン、-CF3、-R0、-OR0、-OCF3、-(CH2)1-6-OR0、-SR0、-SCF3、-(CH2)1-6-SR0、場合によりR6で置換されていてもよいアリール、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、-NO2、-CN、-(CH2)1-6-CN、-N(R0)2、-(CH2)1-6-N(R0)2、-NR0C(O)R0、-NR0(CN)、-NR0C(O)N(R0)2、-N(R0)C(S)N(R0)2、-NR0CO2R0、-NR0NR0C(O)R0、-NR0NR0C(O)N(R0)2、-NR0NR0CO2R0、-C(O)C(O)R0、-C(O)CH2C(O)R0、-(CH2)0-6-CO2R0、-C(O)R0、-C(O)N(R0)N(R0)2、-C(O)N(R0)2、-C(O)N(R0)OH、-OC(O)R0、-C(O)N(R0)SO2R0、-OC(O)N(R0)2、-S(O)tR0、-S(O)t-OR0、-S(O)tN(R0)C(O)R0、-S(O)tN(R0)OR0、-NR0SO2N(R0)2、-NR0SO2R0、-C(=S)N(R0)2、-C(=NH)-N(R0)2、-(CH2)1-6-C(O)R0、-C(=N-OR0)-N(R0)2、-O-(CH2)0-6-SO2N(R0)2、-(CH2)1-6-NHC(O)R0及び-SO2N(R0)2からなる群から選択され、その際、同一の窒素上にある2つのR0は、場合により、一緒に、酸素、リン、窒素又は硫黄から選択される0〜4個の付加的なヘテロ原子を有する、飽和、部分的飽和又は芳香族の5〜8員環を形成していてもよく;
各R8は、独立して、R7、=O、=S、=N(R0)及び=N(CN)からなる群から選択され;
各R9は、独立して、水素、場合により1以上のR7で置換されていてもよいアルキル、場合により1以上のR7で置換されていてもよいアルケニル、場合により1以上のR7で置換されていてもよいアルキニル、場合により1以上のR8で置換されていてもよいシクロアルキル、場合により1以上のR8で置換されていてもよいヘテロシクリル、場合により1以上のR6で置換されていてもよいヘテロアリール、又は、場合により1以上のR6で置換されていてもよいアリールであるか;又は、
-(Y)m-R3とR9は、それらが結合している窒素原子と一緒に、飽和、部分的飽和又は芳香族の5〜7員単環式環又は8〜10員二環式環(ここで、該環は、場合により、酸素、リン、硫黄又は窒素から選択される1〜3個の付加的なヘテロ原子を含んでいてもよく、また、該環は、場合により1以上のR8で置換されていてもよい)を形成していてもよく;
R10は、水素、場合により1以上のR7で置換されていてもよいアルキル、場合により1以上のR7で置換されていてもよいアルケニル、場合により1以上のR7で置換されていてもよいアルキニル、場合により1以上のR8で置換されていてもよいシクロアルキル、場合により1以上のR8で置換されていてもよいヘテロシクリル、場合により1以上のR6で置換されていてもよいヘテロアリール、又は、場合により1以上のR6で置換されていてもよいアリールであり;
各R0は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、カルボシクリルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル及びヘテロシクリルアルキルからなる群から選択され、その際、Hを除くR0の各メンバーは、場合により、1以上のR*、OR*、N(R*)2、=O、=S、ハロゲン、CF3、NO2、CN、-C(O)R*、-CO2R*、-C(O)-アリール、-C(O)-ヘテロアリール、-C(O)-アラルキル、-S(O)t-アリール、-S(O)t-ヘテロアリール、-NR*SO2R*、-NR*C(O)R*、-NR*C(O)N(R*)2、-N(R*)C(S)N(R*)2、-NR*CO2R*、-NR*NR*C(O)R*、-NR*NR*C(O)N(R*)2、-NR*NR*CO2R*、-C(O)C(O)R*、-C(O)CH2C(O)R*、-C(O)N(R*)N(R*)2、-C(O)N(R*)2、-C(O)NR*SO2R*、-OC(O)N(R*)2、-S(O)tR*、-NR*SO2N(R*)2、-SO2N(R*)2(ここで、同一の窒素上の2つのR*は、場合により、一緒に、酸素、リン、窒素又は硫黄から選択される0〜4個の付加的なヘテロ原子を有する、飽和、部分的飽和又は芳香族の5〜8員環を形成していてもよい)で置換されていてもよく;
及び、
各R*は、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールである]
で表される化合物又はその薬学上許容される塩、溶媒和物若しくは誘導体。
【請求項2】
下記:
【化3】











からなる群から選択される化合物。
【請求項3】
R10が場合により置換されていてもよいアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
R10が場合により置換されていてもよいフェニルである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
R1
【化4】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
R9がアルキルである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
R9がメチルである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
-(Y)m-R3
【化5】

である、請求項5に記載の化合物。
【請求項9】
-(Y)m-R3
【化6】




である、請求項5に記載の化合物。
【請求項10】
-(Y)m-R3と-R9が、それらが結合している窒素原子と一緒に、
【化7】

を形成している、請求項5に記載の化合物。
【請求項11】
R1
【化8】

からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
Xが、-(CH2)-、-(CH2-CH2)-又は-(CH2-CH2-CH2)-である、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
Xが、場合により1以上のハロゲン又はオキソで置換されていてもよい、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
Xが、場合により、酸素、リン、硫黄又は窒素から選択される1〜3個のヘテロ原子を有している、請求項12に記載の化合物。
【請求項15】
環Aが
【化9】

から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
各R2に環Aからの置換位置を示す星印をつけたものが、独立して、
【化10】



から選択される、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
環Aが2つのジェミナルなR2を有していて、
【化11】

から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
環Aが、場合により1以上のR2で置換されていてもよいトロパン又はピペリジンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
環AとR2を組み合わせたものが
【化12】




である、請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
環Aが少なくとも1個の付加的な窒素原子を含有し、及び、その環Aが場合によりN-置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項21】
環Aが-(CH2)a-(Vb-R+)でN-置換されている、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
哺乳動物のウイルス感染症を治療する方法であって、該哺乳動物に抗ウイルス有効量の請求項1〜21に記載の化合物を投与することを含む、前記方法。
【請求項23】
前記ウイルス感染症がHIV感染症である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
哺乳動物の細菌感染症を治療する方法であって、該哺乳動物に有効量の請求項1〜21に記載の化合物を投与することを含む、前記方法。
【請求項25】
前記細菌がペスト菌(Yersinia pestis)である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
哺乳動物の多発性硬化症、慢性関節リューマチ、自己免疫性糖尿病、慢性インプラント拒絶、喘息、慢性関節リューマチ、クローン病、炎症性腸疾患、慢性炎症性疾患、糸球体疾患、腎毒性血清腎炎、腎疾患、アルツハイマー病、自己免疫性脳脊髄炎、動脈血栓症、アレルギー性鼻炎、動脈硬化症、シェーグレン症候群(皮膚筋炎)、全身性エリテマトーデス、移植片拒絶、皮膚又は器官の白血球浸潤を伴う癌、腺ペスト及び肺ペストなどの感染症、ヒト乳頭腫ウイルス感染症、前立腺癌、創傷治癒、筋萎縮性側索硬化症及び免疫介在疾患を治療する方法であって、該哺乳動物に薬学上有効量の請求項1〜21に記載の化合物を投与することを含む、前記方法。
【請求項27】
薬物療法で使用するための請求項1〜21に記載の化合物。
【請求項28】
ウイルス感染症を治療するための薬物の製造における請求項1〜21に記載の化合物の使用。
【請求項29】
前記ウイルス感染症がHIV感染症である、請求項28に記載の使用。
【請求項30】
細菌感染症を治療するための薬物の製造における請求項1〜21に記載の化合物の使用。
【請求項31】
前記細菌がペスト菌(Yersinia pestis)である、請求項30に記載の使用。
【請求項32】
多発性硬化症、慢性関節リューマチ、自己免疫性糖尿病、慢性インプラント拒絶、喘息、慢性関節リューマチ、クローン病、炎症性腸疾患、慢性炎症性疾患、糸球体疾患、腎毒性血清腎炎、腎疾患、アルツハイマー病、自己免疫性脳脊髄炎、動脈血栓症、アレルギー性鼻炎、動脈硬化症、シェーグレン症候群(皮膚筋炎)、全身性エリテマトーデス、移植片拒絶、皮膚又は器官の白血球浸潤を伴う癌、腺ペスト及び肺ペストなどの感染症、ヒト乳頭腫ウイルス感染症、前立腺癌、創傷治癒、筋萎縮性側索硬化症及び免疫介在疾患を治療するための薬物の製造における請求項1〜21に記載の化合物の使用。
【請求項33】
薬学上許容される担体と一緒に薬学上有効量の請求項1〜21に記載の化合物を含有している医薬組成物。
【請求項34】
錠剤又はカプセル剤の形態である、請求項33に記載の医薬組成物。
【請求項35】
液体の形態である、請求項33に記載の医薬組成物。
【請求項36】
哺乳動物のウイルス感染症を治療する方法であって、該哺乳動物に、請求項1〜21に記載の化合物と別の治療薬を含有している組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項37】
前記組成物が、(1-α,2-β,3-α)-9-[2,3-ビス(ヒドロキシメチル)シクロブチル]グアニン[(-)BHCG, SQ-34514, ロブカビル]、9-[(2R,3R,4S)-3,4-ビス(ヒドロキシメチル)-2-オキセタノシル]アデニン(オキセタノシン-G)、非環状ヌクレオシド、アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル、ペンシクロビル、非環状ヌクレオシドホスホナート、(S)-1-(3-ヒドロキシ-2-ホスホニル-メトキシプロピル)シトシン(HPMPC)、[[[2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)エトキシ]メチル]ホスフィニリデン]ビス(オキシメチレン)-2,2-ジメチルプロパン酸(ビス-POM PMEA, アデホビル・ジピボキシル)、[[(1R)-2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-1-メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸(テノホビル)、(R)-[[2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-1-メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸ビス-(イソプロポキシカルボニルオキシメチル)エステル(ビス-POC-PMPA)、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害薬、2-アセチルピリジン5-[(2-クロロアニリノ)チオカルボニル)チオカルボノヒドラゾン及びヒドロキシ尿素、ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬、3'-アジド-3'-デオキシチミジン(AZT, ジドブジン)、2',3'-ジデオキシシチジン(ddC, ザルシタビン)、2',3'-ジデオキシアデノシン、2',3'-ジデオキシイノシン(ddI, ジダノシン)、2',3'-ジデヒドロチミジン(d4T, スタブジン)、(-)-β-D-2,6-ジアミノプリンジオキソラン(DAPD)、3'-アジド-2',3'-ジデオキシチミジン-5'-H-ホスホホネート(ホスホノビル)、2'-デオキシ-5-ヨード-ウリジン(イドキシウリジン)、(-)-シス-1-(2-ヒドロキシメチル)-1,3-オキサチオラン-5-イル)-シトシン(ラミブジン)、シス-1-(2-(ヒドロキシメチル)-1,3-オキサチオラン-5-イル)-5-フルオロシトシン(FTC)、3'-デオキシ-3'-フルオロチミジン、5-クロロ-2',3'-ジデオキシ-3'-フルオロウリジン、(-)-シス-4-[2-アミノ-6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル]-2-シクロペンテン-1-メタノール(アバカビル)、9-[4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)ブタ-1-イル]-グアニン(H2G)、ABT-606(2HM-H2G)リバビリン、プロテアーゼ阻害薬、インジナビル、リトナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、サキナビル、ホスアンプレナビル、(R)-N-t-ブチル-3-[(2S,3S)-2-ヒドロキシ-3-N-[(R)-2-N-(イソキノリン-5-イルオキシアセチル)アミノ-3-メチルチオプロパノイル]アミノ-4-フェニルブタノイル]-5,5-ジメチル-1,3-チアゾリジン-4-カルボキサミド(KNI-272)、4R-(4α,5α,6β)]-1,3-ビス[(3-アミノフェニル)メチル]ヘキサヒドロ-5,6-ジヒドロキシ-4,7-ビス(フェニルメチル)-2H-1,3-ジアゼピン-2-オンジメタンスルホネート(モゼナビル)、3-[1-[3-[2-(5-トリフルオロメチルピリジニル)-スルホニルアミノ]フェニル]プロピル]-4-ヒドロキシ-6α-フェネチル-6β-プロピル-5,6-ジヒドロ-2-ピラノン(チプラナビル)、N'-[2(S)-ヒドロキシ-3(S)-[N-(メトキシカルボニル)-l-t-ロイシルアミノ]-4-フェニルブチル-Nα-(メトキシカルボニル)-N'-[4-(2-ピリジル)ベンジル]-L-t-ロイシルヒドラジド(BMS-232632)、3-(2(S)-ヒドロキシ-3(S)-(3-ヒドロキシ-2-メチルベンズアミド)-4-フェニルブタノイル)-5,5-ジメチル-N-(2-メチルベンジル)チアゾリジン-4(R)-カルボキサミド(AG-1776)、N-(2(R)-ヒドロキシ-1(S)-インダニル)-2(R)-フェニル-メチル-4(S)-ヒドロキシ-5-(1-(1-(4-ベンゾ[b]フラニルメチル)-2(S)-N'-(t-ブチルカルボキサミド)ピペラジニル)ペンタンアミド(MK-944A)、インターフェロン類、α-インターフェロン、腎排泄阻害薬、プロベネシド、ヌクレオシド輸送阻害薬、ジピリダモール、ペントキシフィリン、N-アセチルシステイン(NAC)、プロシステイン、α-トリコサンチン、ホスホノギ酸、免疫調節薬、インターロイキンII、チモシン、顆粒球マクロファージ刺激因子、赤血球生成促進因子、可溶性CD4及びその遺伝的に改変された誘導体、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬(NNRTI)、ネビラピン(BI-RG-587)、α-((2-アセチル-5-メチルフェニル)アミノ)-2,6-ジクロロ-ベンゼンアセトアミド(ロビリド)、1-[3-(イソプロピルアミノ)-2-ピリジル]-4-[5-(メタンスルホンアミド)-1H-インドール-2-イルカルボニル]ピペラジンモノメタンスルホネート(デラビルジン)、(10R,11S,12S)-12-ヒドロキシ-6,6,10,11-テトラメチル-4-プロピル-11,12-ジヒドロ-2H,6H,10H-ベンゾ(1,2-b:3,4-b':5,6-b'')トリピラン-2-オン((+)カラノライドA)、(4S)-6-クロロ-4-[1E)-シクロプロピルエテニル)-3,4-ジヒドロ-4-(トリフルオロメチル)-2(1H)-キナゾリノン(DPC-083)、(S)-6-クロロ-4-(シクロプロピルエチニル)-1,4-ジヒドロ-4-(トリフルオロメチル)-2H-3,1-ベンゾオキサジン-2-オン(エファビレンツ, DMP 266)、1-(エトキシメチル)-5-(1-メチルエチル)-6-(フェニルメチル)-2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン(MKC-442)、5-(3,5-ジクロロフェニル)チオ-4-イソプロピル-1-(4-ピリジル)メチル-1H-イミダゾール-2-イルメチルカルバメート(カプラビリン)、糖タンパク質120拮抗薬、PRO-2000、PRO-542、1,4-ビス[3-[(2,4-ジクロロフェニル)カルボニルアミノ]-2-オキソ-5,8-ジナトリウムスルファニル]ナフタリル-2,5-ジメトキシフェニル-1,4-ジヒドラゾン(FP-21399)、サイトカイン拮抗薬、レチクロース(Product-R)、1,1'-アゾビス-ホルムアミド(ADA)、1,11-(1,4-フェニレンビス(メチレン))ビス-1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカンオクタヒドロクロリド(AMD-3100)、インテグラーゼ阻害薬及び融合阻害薬からなる群から選択される別の治療薬を含有している、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
哺乳動物のウイルス感染症を治療する方法であって、該哺乳動物に、請求項1〜21に記載の化合物とリトナビルを含有している組成物を投与することを含む、前記方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
Xは、C1-5アルキレン鎖であり、その際、該Xは、場合により、1以上の=O、=S、-S(O)t-、アルキル又はハロゲンで置換されていてもよく、又、該C1-5アルキレン鎖は、場合により、酸素、リン、硫黄又は窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有していてもよく;
環Aは、1個の環窒素原子と酸素、リン、硫黄又は窒素から選択される0〜4個の付加的なヘテロ原子を有する、飽和、部分的飽和又は芳香族の、3〜7員単環式環又は8〜10員二環式環であり;
R1は、下記の群から選択され:
(a) 1個の環窒素原子と酸素、リン、硫黄又は窒素から選択される0〜4個の付加的なヘテロ原子を有する、飽和、部分的飽和又は芳香族の、4〜7員単環式環又は8〜10員二環式環(ここで、該環は、場合によりC1-6アルキレン鎖を介して結合していてもよく、また、場合により1以上のR8で置換されていてもよい);
【化2】

Qは、炭素、酸素又はS(O)tであり;
wは、1又は2であり;
各R2は、独立して、-OR0、-C(O)-R0、-S(O)2-R0、-C(O)-N(R0)2、-S(O)2-N(R0)2、-(CH2)a-N(R0)(-Vb-R+)、-(CH2)a-(-Vb-R+)、ハロゲン、場合により1以上のR7で置換されていてもよいアルキル、場合により1以上のR7で置換されていてもよいアルケニル、場合により1以上のR7で置換されていてもよいアルキニル、場合により1以上のR6で置換されていてもよいアリール、場合により1以上のR6で置換されていてもよいヘテロアリール、場合により1以上のR8で置換されていてもよいシクロアルキル、及び、場合により1以上のR8で置換されていてもよいヘテロシクリルからなる群から選択され;また、環A上で隣接する2つのR2は、場合により、一緒に、酸素、リン、硫黄又は窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する、飽和、部分的飽和又は芳香族の、5〜6員縮合環を形成していてもよく;又は、ジェミナルな2つのR2は、場合により、一緒に、酸素、リン、硫黄又は窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する、飽和、部分的飽和又は芳香族の、5〜6員スピロ環を形成していてもよく;ここで、前記縮合環又はスピロ環は、場合により、1以上のR8で置換されていてもよく;
各aは、独立して、0〜3であり;
各bは、独立して、0又は1であり;
Vは、-C(O)-、-C(O)O-、-S(O)2-又は-C(O)-N(R0)-であり;
R+は、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル又はヘテロシクリルであり、その際、該R+は、場合により、1以上のR8で置換されていてもよく;
dは、0〜3であり;
mは、0又は1であり;
nは、0〜5であり;
R3は、H、-N(R0)2、-N(R0)C(O)R0、-CN、ハロゲン、CF3、場合によりR7若しくは-S-アリール(ここで、該-S-アリールは、場合により、-(CH2)1-6-N(R0)SO2(R0)で置換されていてもよい)から選択される1以上の基で置換されていてもよいアルキル、場合によりR7若しくは-S-アリール(ここで、該-S-アリールは、場合により、-(CH2)1-6-N(R0)SO2(R0)で置換されていてもよい)から選択される1以上の基で置換されていてもよいアルケニル、場合によりR7若しくは-S-アリール(ここで、該-S-アリールは、場合により、-(CH2)1-6-N(R0)SO2(R0)で置換されていてもよい)から選択される1以上の基で置換されていてもよいアルキニル、場合により1以上のR8で置換されていてもよいシクロアルキル若しくはカルボシクリル、場合により1以上のR6で置換されていてもよいアリール、場合により1以上のR6で置換されていてもよいヘテロアリール、又は、場合により1以上のR8で置換されていてもよいヘテロシクリルであり;
Yは、アルキル、アルケニル、アルキニル、-(CR4R5)p-、-C(O)-、-C(O)C(O)-、-C(S)-、-O-(CH2)0-4-C(O)-、-(CH2)0-4-C(O)-O-、-N(R0)-C(O)-、-C(O)-N(R0)-、-N(R0)-C(S)-、-S(O)t-、-O-C(=N-CN)-、-O-C(=N-R0)-、-C(=N-CN)-O-、-C(=N-CN)-S-、-C(=N-R0)-O-、-S-C(=N-CN)-、-N(R0)-C(=N-CN)-、-C(=N-CN)-、-N(R0)-C[=N-C(O)-R0]、-N(R0)-C[=N-S(O)t-R0]、-N(R0)-C(=N-OR0)-、-N(R0)-C(=N-R0)-又は-C(=N-R0)-であり;
各R4は、独立して、H、場合によりR7で置換されていてもよいアルキル、場合によりR7で置換されていてもよいアルケニル、又は、場合によりR7で置換されていてもよいアルキニルであり;
各R5は、独立して、H、-C(O)-OR6、-C(O)-N(R0)2、-S(O)t-N(R0)2、-S(O)t-R0、場合によりR6で置換されていてもよいアリール、及び、場合によりR6で置換されていてもよいヘテロアリールからなる群から選択され;
pは、1〜5であり;
各tは、独立して、1又は2であり;
各R6は、独立して、ハロゲン、-CF3、-OCF3、-OR0、-(CH2)1-6-OR0、-SR0、-(CH2)1-6-SR0、-SCF3、-R0、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、-NO2、-CN、-(CH2)1-6-CN、-N(R0)2、-(CH2)1-6-N(R0)2、-NR0C(O)R0、-NR0(CN)、-NR0C(O)N(R0)2、-NR0C(S)N(R0)2、-NR0CO2R0、-NR0NR0C(O)R0、-NR0NR0C(O)N(R0)2、-NR0NR0CO2R0、-C(O)C(O)R0、-C(O)CH2C(O)R0、-(CH2)0-6CO2R0、-O-C(O)R0、-C(O)R0、-C(O)N(R0)N(R0)2、-C(O)N(R0)2、-C(O)N(R0)OH、-C(O)N(R0)SO2R0、-OC(O)N(R0)2、-S(O)tR0、-S(O)t-OR0、-S(O)tN(R0)C(O)R0、-S(O)tN(R0)OR0、-NR0SO2N(R0)2、-NR0SO2R0、-C(=S)N(R0)2、-C(=NH)-N(R0)2、-(CH2)1-6-C(O)R0、-C(=N-OR0)-N(R0)2、-O-(CH2)0-6-SO2N(R0)2、-(CH2)1-6NHC(O)R0及び-SO2N(R0)2からなる群から選択され、その際、同一の窒素上にある2つのR0は、場合により、一緒に、酸素、リン、窒素又は硫黄から選択される0〜4個の付加的なヘテロ原子を有する、飽和、部分的飽和又は芳香族の5〜8員環を形成していてもよく;
各R7は、独立して、ハロゲン、-CF3、-R0、-OR0、-OCF3、-(CH2)1-6-OR0、-SR0、-SCF3、-(CH2)1-6-SR0、場合によりR6で置換されていてもよいアリール、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、-NO2、-CN、-(CH2)1-6-CN、-N(R0)2、-(CH2)1-6-N(R0)2、-NR0C(O)R0、-NR0(CN)、-NR0C(O)N(R0)2、-N(R0)C(S)N(R0)2、-NR0CO2R0、-NR0NR0C(O)R0、-NR0NR0C(O)N(R0)2、-NR0NR0CO2R0、-C(O)C(O)R0、-C(O)CH2C(O)R0、-(CH2)0-6-CO2R0、-C(O)R0、-C(O)N(R0)N(R0)2、-C(O)N(R0)2、-C(O)N(R0)OH、-OC(O)R0、-C(O)N(R0)SO2R0、-OC(O)N(R0)2、-S(O)tR0、-S(O)t-OR0、-S(O)tN(R0)C(O)R0、-S(O)tN(R0)OR0、-NR0SO2N(R0)2、-NR0SO2R0、-C(=S)N(R0)2、-C(=NH)-N(R0)2、-(CH2)1-6-C(O)R0、-C(=N-OR0)-N(R0)2、-O-(CH2)0-6-SO2N(R0)2、-(CH2)1-6-NHC(O)R0及び-SO2N(R0)2からなる群から選択され、その際、同一の窒素上にある2つのR0は、場合により、一緒に、酸素、リン、窒素又は硫黄から選択される0〜4個の付加的なヘテロ原子を有する、飽和、部分的飽和又は芳香族の5〜8員環を形成していてもよく;
各R8は、独立して、R7、=O、=S、=N(R0)及び=N(CN)からなる群から選択され;
各R9は、独立して、水素、場合により1以上のR7で置換されていてもよいアルキル、場合により1以上のR7で置換されていてもよいアルケニル、場合により1以上のR7で置換されていてもよいアルキニル、場合により1以上のR8で置換されていてもよいシクロアルキル、場合により1以上のR8で置換されていてもよいヘテロシクリル、場合により1以上のR6で置換されていてもよいヘテロアリール、又は、場合により1以上のR6で置換されていてもよいアリールであるか;又は、
-(Y)m-R3とR9は、それらが結合している窒素原子と一緒に、飽和、部分的飽和又は芳香族の5〜7員単環式環又は8〜10員二環式環(ここで、該環は、場合により、酸素、リン、硫黄又は窒素から選択される1〜3個の付加的なヘテロ原子を含んでいてもよく、また、該環は、場合により1以上のR8で置換されていてもよい)を形成していてもよく;
R10は、水素、場合により1以上のR7で置換されていてもよいアルキル、場合により1以上のR7で置換されていてもよいアルケニル、場合により1以上のR7で置換されていてもよいアルキニル、場合により1以上のR8で置換されていてもよいシクロアルキル、場合により1以上のR8で置換されていてもよいヘテロシクリル、場合により1以上のR6で置換されていてもよいヘテロアリール、又は、場合により1以上のR6で置換されていてもよいアリールであり;
各R0は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、カルボシクリルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル及びヘテロシクリルアルキルからなる群から選択され、その際、Hを除くR0の各メンバーは、場合により、1以上のR*、OR*、N(R*)2、=O、=S、ハロゲン、CF3、NO2、CN、-C(O)R*、-CO2R*、-C(O)-アリール、-C(O)-ヘテロアリール、-C(O)-アラルキル、-S(O)t-アリール、-S(O)t-ヘテロアリール、-NR*SO2R*、-NR*C(O)R*、-NR*C(O)N(R*)2、-N(R*)C(S)N(R*)2、-NR*CO2R*、-NR*NR*C(O)R*、-NR*NR*C(O)N(R*)2、-NR*NR*CO2R*、-C(O)C(O)R*、-C(O)CH2C(O)R*、-C(O)N(R*)N(R*)2、-C(O)N(R*)2、-C(O)NR*SO2R*、-OC(O)N(R*)2、-S(O)tR*、-NR*SO2N(R*)2、-SO2N(R*)2(ここで、同一の窒素上の2つのR*は、場合により、一緒に、酸素、リン、窒素又は硫黄から選択される0〜4個の付加的なヘテロ原子を有する、飽和、部分的飽和又は芳香族の5〜8員環を形成していてもよい)で置換されていてもよく;
及び、
各R*は、独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリールである]
で表される化合物又はその薬学上許容される塩、溶媒和物若しくは誘導体。
【請求項2】
下記:
【化3】











からなる群から選択される化合物。
【請求項3】
薬物療法で使用するための請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
ウイルス感染症を治療するための薬物の製造における請求項1または2に記載の化合物の使用。
【請求項5】
前記ウイルス感染症がHIV感染症である、請求項4に記載の使用。
【請求項6】
細菌感染症を治療するための薬物の製造における請求項1または2に記載の化合物の使用。
【請求項7】
前記細菌がペスト菌(Yersinia pestis)である、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
多発性硬化症、慢性関節リューマチ、自己免疫性糖尿病、慢性インプラント拒絶、喘息、慢性関節リューマチ、クローン病、炎症性腸疾患、慢性炎症性疾患、糸球体疾患、腎毒性血清腎炎、腎疾患、アルツハイマー病、自己免疫性脳脊髄炎、動脈血栓症、アレルギー性鼻炎、動脈硬化症、シェーグレン症候群(皮膚筋炎)、全身性エリテマトーデス、移植片拒絶、皮膚又は器官の白血球浸潤を伴う癌、腺ペスト及び肺ペストなどの感染症、ヒト乳頭腫ウイルス感染症、前立腺癌、創傷治癒、筋萎縮性側索硬化症及び免疫介在疾患を治療するための薬物の製造における請求項1または2に記載の化合物の使用。
【請求項9】
薬学上許容される担体と一緒に薬学上有効量の請求項1または2に記載の化合物を含有している医薬組成物。
【請求項10】
錠剤又はカプセル剤の形態である、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
液体の形態である、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項12】
哺乳動物のウイルス感染症を治療する方法であって、該哺乳動物に、請求項1または2に記載の化合物と別の治療薬を含有している組成物を投与することを含む、前記方法。
【請求項13】
前記組成物が、(1-α,2-β,3-α)-9-[2,3-ビス(ヒドロキシメチル)シクロブチル]グアニン[(-)BHCG, SQ-34514, ロブカビル]、9-[(2R,3R,4S)-3,4-ビス(ヒドロキシメチル)-2-オキセタノシル]アデニン(オキセタノシン-G)、非環状ヌクレオシド、アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル、ペンシクロビル、非環状ヌクレオシドホスホナート、(S)-1-(3-ヒドロキシ-2-ホスホニル-メトキシプロピル)シトシン(HPMPC)、[[[2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)エトキシ]メチル]ホスフィニリデン]ビス(オキシメチレン)-2,2-ジメチルプロパン酸(ビス-POM PMEA, アデホビル・ジピボキシル)、[[(1R)-2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-1-メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸(テノホビル)、(R)-[[2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-1-メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸ビス-(イソプロポキシカルボニルオキシメチル)エステル(ビス-POC-PMPA)、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害薬、2-アセチルピリジン5-[(2-クロロアニリノ)チオカルボニル)チオカルボノヒドラゾン及びヒドロキシ尿素、ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬、3'-アジド-3'-デオキシチミジン(AZT, ジドブジン)、2',3'-ジデオキシシチジン(ddC, ザルシタビン)、2',3'-ジデオキシアデノシン、2',3'-ジデオキシイノシン(ddI, ジダノシン)、2',3'-ジデヒドロチミジン(d4T, スタブジン)、(-)-β-D-2,6-ジアミノプリンジオキソラン(DAPD)、3'-アジド-2',3'-ジデオキシチミジン-5'-H-ホスホホネート(ホスホノビル)、2'-デオキシ-5-ヨード-ウリジン(イドキシウリジン)、(-)-シス-1-(2-ヒドロキシメチル)-1,3-オキサチオラン-5-イル)-シトシン(ラミブジン)、シス-1-(2-(ヒドロキシメチル)-1,3-オキサチオラン-5-イル)-5-フルオロシトシン(FTC)、3'-デオキシ-3'-フルオロチミジン、5-クロロ-2',3'-ジデオキシ-3'-フルオロウリジン、(-)-シス-4-[2-アミノ-6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル]-2-シクロペンテン-1-メタノール(アバカビル)、9-[4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)ブタ-1-イル]-グアニン(H2G)、ABT-606(2HM-H2G)リバビリン、プロテアーゼ阻害薬、インジナビル、リトナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、サキナビル、ホスアンプレナビル、(R)-N-t-ブチル-3-[(2S,3S)-2-ヒドロキシ-3-N-[(R)-2-N-(イソキノリン-5-イルオキシアセチル)アミノ-3-メチルチオプロパノイル]アミノ-4-フェニルブタノイル]-5,5-ジメチル-1,3-チアゾリジン-4-カルボキサミド(KNI-272)、4R-(4α,5α,6β)]-1,3-ビス[(3-アミノフェニル)メチル]ヘキサヒドロ-5,6-ジヒドロキシ-4,7-ビス(フェニルメチル)-2H-1,3-ジアゼピン-2-オンジメタンスルホネート(モゼナビル)、3-[1-[3-[2-(5-トリフルオロメチルピリジニル)-スルホニルアミノ]フェニル]プロピル]-4-ヒドロキシ-6α-フェネチル-6β-プロピル-5,6-ジヒドロ-2-ピラノン(チプラナビル)、N'-[2(S)-ヒドロキシ-3(S)-[N-(メトキシカルボニル)-l-t-ロイシルアミノ]-4-フェニルブチル-Nα-(メトキシカルボニル)-N'-[4-(2-ピリジル)ベンジル]-L-t-ロイシルヒドラジド(BMS-232632)、3-(2(S)-ヒドロキシ-3(S)-(3-ヒドロキシ-2-メチルベンズアミド)-4-フェニルブタノイル)-5,5-ジメチル-N-(2-メチルベンジル)チアゾリジン-4(R)-カルボキサミド(AG-1776)、N-(2(R)-ヒドロキシ-1(S)-インダニル)-2(R)-フェニル-メチル-4(S)-ヒドロキシ-5-(1-(1-(4-ベンゾ[b]フラニルメチル)-2(S)-N'-(t-ブチルカルボキサミド)ピペラジニル)ペンタンアミド(MK-944A)、インターフェロン類、α-インターフェロン、腎排泄阻害薬、プロベネシド、ヌクレオシド輸送阻害薬、ジピリダモール、ペントキシフィリン、N-アセチルシステイン(NAC)、プロシステイン、α-トリコサンチン、ホスホノギ酸、免疫調節薬、インターロイキンII、チモシン、顆粒球マクロファージ刺激因子、赤血球生成促進因子、可溶性CD4及びその遺伝的に改変された誘導体、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害薬(NNRTI)、ネビラピン(BI-RG-587)、α-((2-アセチル-5-メチルフェニル)アミノ)-2,6-ジクロロ-ベンゼンアセトアミド(ロビリド)、1-[3-(イソプロピルアミノ)-2-ピリジル]-4-[5-(メタンスルホンアミド)-1H-インドール-2-イルカルボニル]ピペラジンモノメタンスルホネート(デラビルジン)、(10R,11S,12S)-12-ヒドロキシ-6,6,10,11-テトラメチル-4-プロピル-11,12-ジヒドロ-2H,6H,10H-ベンゾ(1,2-b:3,4-b':5,6-b'')トリピラン-2-オン((+)カラノライドA)、(4S)-6-クロロ-4-[1E)-シクロプロピルエテニル)-3,4-ジヒドロ-4-(トリフルオロメチル)-2(1H)-キナゾリノン(DPC-083)、(S)-6-クロロ-4-(シクロプロピルエチニル)-1,4-ジヒドロ-4-(トリフルオロメチル)-2H-3,1-ベンゾオキサジン-2-オン(エファビレンツ, DMP 266)、1-(エトキシメチル)-5-(1-メチルエチル)-6-(フェニルメチル)-2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン(MKC-442)、5-(3,5-ジクロロフェニル)チオ-4-イソプロピル-1-(4-ピリジル)メチル-1H-イミダゾール-2-イルメチルカルバメート(カプラビリン)、糖タンパク質120拮抗薬、PRO-2000、PRO-542、1,4-ビス[3-[(2,4-ジクロロフェニル)カルボニルアミノ]-2-オキソ-5,8-ジナトリウムスルファニル]ナフタリル-2,5-ジメトキシフェニル-1,4-ジヒドラゾン(FP-21399)、サイトカイン拮抗薬、レチクロース(Product-R)、1,1'-アゾビス-ホルムアミド(ADA)、1,11-(1,4-フェニレンビス(メチレン))ビス-1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカンオクタヒドロクロリド(AMD-3100)、インテグラーゼ阻害薬及び融合阻害薬からなる群から選択される別の治療薬を含有している、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
哺乳動物のウイルス感染症を治療する方法であって、該哺乳動物に、請求項1または2に記載の化合物とリトナビルを含有している組成物を投与することを含む、前記方法。

【公表番号】特表2006−514950(P2006−514950A)
【公表日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−560831(P2004−560831)
【出願日】平成15年12月12日(2003.12.12)
【国際出願番号】PCT/US2003/039619
【国際公開番号】WO2004/055010
【国際公開日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(597173680)スミスクライン ビーチャム コーポレーション (157)
【Fターム(参考)】