説明

CDR回路

【課題】カットオフ周波数をアダプティブに制御する。
【解決手段】CDR回路40には、位相検出器1、シリアル−パラレル変換器2、デジタルフィルタ3、位相制御器4、位相補間器5、積分器6、マルチプレクサ7、及びマルチプレクサ8が設けられる。積分器6は、デジタルフィルタ3で計算されたアーリィ(Early)信号[0:n]−レート(Late)信号[0:n]の符号の情報信号である出力信号SFを入力し、この信号を一定期間Mでモニターし、遅延要素と加算器とを用いて周波数ジッタとして積分する。CDR回路40は、デジタルフィルタの閾値と位相補間器の位相ステップを最適な値に変更して、カットオフ周波数をアダプティブに制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CDR回路に関する。
【背景技術】
【0002】
高速なデータ、例えばGHz級以上の送信データを受信する受信器には、送信データを入力し、送信データのデータレートと等しい周波数となる復元クロック信号を発生し、データを復元するCDR(Clock Data Recovery)回路が設けられる。CDR回路では、位相検出器がデータ信号のエッジと復元クロック信号の位相を比較し、理想の位置から進んでいる場合、アーリィ(Early)信号を出力し、理想の位置から遅れている場合、レート(Late)信号を出力する。このアーリィ(Early)信号とレート(Late)信号のパルス数の情報をフィードバックして復元クロック信号の位相を最適化している(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1などの記載されるCDR回路では、デジタルフィルタの閾値と位相補間器の位相ステップは一定な値に固定されている。ところが、低周波ジッタに対する耐性及び高周波ジッタに対する耐性を両立するパラメータ(デジタルフィルタの閾値と位相補間器の位相ステップ)を見つけ出すのは非常に難しいという問題点がある。また伝送線路上の反射及び高周波成分の減衰によって発生する、現在のデータに干渉する前の信号により生じるデータの破壊としてのシンボル間干渉(ISI Inter−Symbol Interference)の影響で受信データのビット幅が1U.I.(Unit Interval)より小さくなることにより、位相検出器からのアーリィ(Early)/レート(Late)の出力結果が正しくなくなる場合が生じることから、デジタルフィルタなどに搭載される積分器の閾値を決定することが難しいという問題点がある。なお、両立する最適なパラメータ(デジタルフィルタの閾値と位相補間器の位相ステップ)を使用できない場合、デジタルフィルタのレィテンシ(Latency)の影響により、高周波でのジッタ許容度のディップ(Dip)量が増大する。
【特許文献1】特開2003−258782号公報(頁10、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、カットオフ周波数をアダプティブに制御できるCDR回路を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様のCDR回路は、入力データ信号及び復元クロック信号が入力され、前記入力データ信号の遷移エッジを検出して前記復元クロック信号のデータに対する位置関係をアーリィ/レートの2値を決め、復元データ信号、第1のアーリィ信号、及び第1のレート信号を生成する位相検出器と、前記第1のアーリィ信号及び前記第1のレート信号が入力され、所定の時間間隔で前記第1のアーリィ信号と前記第1のレート信号のパルス数差分を比較し、差分の合計値が一定以上の値になった場合第2のアーリィ信号又は第2のレート信号を出力し、かつ所定の時間間隔で前記第1のアーリィ信号から前記第1のレート信号のパルス数を引いた値の符号信号を出力するデジタルフィルタと、前記デジタルフィルタから出力される前記第2のアーリィ信号及び前記第2のレート信号が入力され、位相ステップを決定する位相ステップ信号を生成する位相制御器と、前記符号信号が入力され、前記符号信号を一定期間モニターして周波数ジッタとして積分し、出力信号として出力する積分器と、前記デジタルフィルタの値の異なる2つ以上の閾値が入力され、前記積分器の前記出力信号にもとづいて前記デジタルフィルタの閾値が選択され、選択された前記デジタルフィルタの閾値を前記デジタルフィルタに出力する第1の選択手段と、位相ステップの異なる2つ以上の値が入力され、前記積分器の前記出力信号にもとづいて前記位相ステップの値が選択され、選択された前記位相ステップの値を前記位相制御回路に出力する第2の選択手段とを具備し、前記位相制御器から出力される前記位相ステップ信号にもとづいて、前記復元クロック信号が生成されて前記位相検出器に入力されることを特徴とする。
【0006】
更に、本発明の他態様のCDR回路は、入力データ信号及び復元クロック信号が入力され、前記入力データ信号の遷移エッジを検出して前記復元クロック信号のデータに対する位置関係をアーリィ/レートの2値を決め、復元データ信号、第1のアーリィ信号、及び第1のレート信号を生成する位相検出器と、前記第1のアーリィ信号及び前記第1のレート信号が入力され、所定の時間間隔で前記第1のアーリィ信号と前記第1のレート信号のパルス数差分を比較し、差分の合計値が一定以上の値になった場合第2のアーリィ信号又は第2のレート信号を出力し、かつ所定の時間間隔で前記第1のアーリィ信号から前記第1のレート信号のパルス数を引いた値の符号信号を出力するデジタルフィルタと、前記デジタルフィルタから出力される前記第2のアーリィ信号及び前記第2のレート信号が入力され、位相ステップを決定する位相ステップ信号を生成する位相制御器と、前記符号信号が入力され、前記符号信号を第1の一定期間モニターして周波数ジッタとして積分して第1の信号を生成し、前記符号信号を前記第1の一定期間とは異なる期間である第2の一定期間モニターして周波数ジッタとして積分して第2の信号を生成し、前記第1及び第2の信号のアンドをとり出力信号として出力する積分器と、前記デジタルフィルタの値の異なる2つ以上の閾値が入力され、前記積分器の前記出力信号にもとづいて前記デジタルフィルタの閾値が選択され、選択された前記デジタルフィルタの閾値を前記デジタルフィルタに出力する第1の選択手段と、位相ステップの異なる2つ以上の値が入力され、前記積分器の前記出力信号にもとづいて前記位相ステップの値が選択され、選択された前記位相ステップの値を前記位相制御回路に出力する第2の選択手段とを具備し、前記位相制御器から出力される前記位相ステップ信号にもとづいて、前記復元クロック信号が生成されて前記位相検出器に入力されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、カットオフ周波数をアダプティブに制御できるCDR回路を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0009】
まず、本発明の実施例1に係るCDR回路について、図面を参照して説明する。図1はCDR回路の構成を示すブロック図、図2は積分器を示すブロック図である。本実施例では、CDR回路に周波数ジッタを積分する積分器を設けている。
【0010】
図1に示すように、CDR回路40には、位相検出器1、シリアル−パラレル変換器2、デジタルフィルタ3、位相制御器4、位相補間器5、積分器6、マルチプレクサ7、及びマルチプレクサ8が設けられる。CDR回路40は、カットオフ周波数をアダプティブに制御する。
【0011】
位相検出器(Phase Detector)1は、入力データ信号と位相補間器5から出力される復元クロック信号とを入力し、入力データの遷移エッジを検出してクロック信号のデータに対する位置関係をアーリィ(Early)/レート(Late)の2値を決め、復元データ信号、アーリィ(Early)信号、及びレート(Late)信号を出力する。ここで、位相検出器は位相比較器とも呼称され、アーリィ(Early)信号はアップ(Up)信号とも呼称され、レート(Late)信号はダウン(Down)信号とも呼称される。
【0012】
ここで、位相検出器1には、例えばノンリニア型で、レジスタ、ラッチ回路、Ex−OR回路、及び加算器などからなる位相検出器が用いられる。この位相検出器には入力データ信号、復元クロック信号、及び復元クロック信号とは180°位相の異なるクロック信号が入力され、この2つのクロック信号を用いてクロック信号のデータに対する位置関係をアーリィ(Early)/レート(Late)の2値として決められる。
【0013】
シリアル−パラレル変換器(Deserializer)2は、位相検出器1とデジタルフィルタ3の間に設けられ、位相検出器1から出力される復元データ信号、アーリィ(Early)信号、及びレート(Late)信号を入力し、復元データ信号、アーリィ(Early)信号、及びレート(Late)信号をシリアル−パラレル変換して出力する。
【0014】
デジタルフィルタ(Digital Filter)3は、シリアル−パラレル変換器2と位相制御器4及び積分器6の間に設けられ、パラレル変換されたアーリィ(Early)信号、パラレル変換されたレート(Late)信号、及びデジタルフィルタの閾値信号STを入力する。デジタルフィルタ3には周波数オフセット積分器、位相積分器などが設けられ、ゲイン要素、カットオフ周波数などが制御される。
【0015】
デジタルフィルタ3は、パラレル化されたアーリィ(Early)信号及びレート(Late)信号を入力し、パラレル化されたアーリィ(Early)信号及びレート(Late)信号を平均化し、ある一定の期間においてアーリィ(Early)信号とレート(Late)信号のパルス数差分を比較し、差分の合計値が一定以上の値になった場合、アーリィ(Early)信号或いはレート(Late)信号を出力する。デジタルフィルタ3は、アーリィ(Early)信号[0:n]−レート(Late)信号[0:n](n:自然数)の符号信号である出力信号SFを出力する。そして、マルチプレクサ7から出力されるデジタルフィルタの閾値信号STにより、デジタルフィルタ3の閾値が変更される。
【0016】
位相制御器4は、デジタルフィルタ3と位相補間器5の間に設けられ、デジタルフィルタ3から出力されるアーリィ(Early)信号或いはレート(Late)信号と位相補間器の位相ステップ信号SSとを入力する。位相制御器4は、位相の異なるクロックを混合させる比率を決定するための制御信号を生成する。この制御信号は、マルチプレクサ8から出力される位相補間器の位相ステップ信号SSにより変更され、出力信号SPCとして出力される。
【0017】
位相補間器5は、位相制御器4と位相検出器1の間に設けられ、位相制御器4から出力される出力信号SPCとPLL(Phase Locked Loop)回路から出力される基準クロック信号とを入力する。位相補間器5は、位相制御信号である出力信号SPCにより決定された位相を有する復元クロック信号を生成して位相検出器1に出力する。
【0018】
ここで、位相補間器5には、例えばフェーズコントローラ、バイナリアップ/ダウンカウンタ、ミキサ、コンパレータなどが設けられ、mbitの分解能で位相制御を行う。
【0019】
積分器6には、図2に示すように、クロック1サイクル分の遅延要素11a、遅延要素11b、遅延要素11c、遅延要素11k、加算器12a、加算器12b、加算器12k−1、加算器12k、比較器13a、比較器13b、及び2入力OR回路14が設けられる。
【0020】
遅延要素11aは、出力信号SFを入力し、1つ前の信号を出力する。遅延要素11bは、遅延要素11aから出力される信号を入力し、1つ前の信号を出力する。遅延要素11cは、遅延要素11bから出力される信号を入力し、1つ前の信号を出力する。遅延要素11kは、図示しない遅延要素11k−1から出力される信号を入力し、1つ前の信号を出力する。
【0021】
加算器12aは、遅延要素11a及び遅延要素11bから出力される信号を入力し、加算処理した信号を出力する。加算器12bは、加算器12a及び遅延要素11cから出力される信号を入力し、加算処理した信号を出力する。加算器12k−1は、図示しない加算器12k−2及び遅延要素11kから出力される信号を入力し、加算処理した信号を出力する。加算器12k−1では、出力信号SFが一定期間Mで累積加算(積分)される。加算器12kは、加算器12k−1から出力される信号(閾値P)と一定期間Mの値を入力し、MからPの値を引き算した信号を出力する。
【0022】
比較器13aは、閾値Pと閾値Nとを入力し、比較演算した信号を出力信号SC1として出力する。比較器13bは、加算器12kから出力される(M−P)と(M−N)とを入力し、比較演算した信号を出力信号SC2として出力する。2入力OR回路14は、比較器13aから出力される出力信号SC1と比較器13bから出力される出力信号SC2とを入力し、論理演算した信号を出力信号SXとして出力する。
【0023】
ここで、積分器6は、デジタルフィルタ3で計算されたアーリィ(Early)信号[0:n]−レート(Late)信号[0:n]の符号の情報信号である出力信号SFを入力し、この信号を一定期間Mでモニターし、遅延要素と加算器とを用いて周波数ジッタとして積分する。具体的には、例えばアーリィ(Early)信号≧レート(Late)信号の場合を“High”レベル、アーリィ(Early)信号<レート(Late)信号の場合を“Low”レベルとすると、一定期間M*クロックスピードの時間に閾値Pが閾値Nを越えた、或いは(M−P)が(M−N)を超えた場合、低周波ジッタと判断する。超えない場合、高周波ジッタと判断する。アーリィ(Early)信号とレート(Late)信号の差分そのものを一定期間M*クロックサイクル間をカウントした場合と比較して、符号に情報量を落とすことにより、デジタルフィルタ3のアーリィ(Early)/レート(Late)出力結果が一定期間内に受信データに含まれるデータの遷移数、伝送線路の反射、減衰により発生するISIによる影響を受けにくくなり、その結果送信器から受信器までの伝送線路長の影響が少なくなること、送信bitの依存性を考慮する必要がなくなること、及び符号情報は1bitであるため、Early信号とLate信号の差分そのものを一定期間M*クロックサイクル間をカウントした場合と比較して、デジタルカウンタの回路規模を小さくすることが可能となる。
【0024】
マルチプレクサ(第1の選択手段)7は、デジタルフィルタの閾値T1とそれとは値が異なるデジタルフィルタの閾値T2とを入力し、積分器6から出力される出力信号SXにもとづいて、デジタルフィルタの閾値T1或いはデジタルフィルタの閾値T2を選択し、デジタルフィルタの閾値信号STとしてデジタルフィルタ3に出力する。つまり、デジタルフィルタ3はデジタルフィルタの閾値信号STにより閾値が変更される。
【0025】
マルチプレクサ(第2の選択手段)8は、位相補間器の位相ステップS1とそれとは値が異なる位相補間器の位相ステップS2とを入力し、積分器6から出力される出力信号SXにもとづいて、位相補間器の位相ステップS1或いは位相補間器の位相ステップS2を選択し、位相補間器の位相ステップ信号SSとして位相補間器5に出力する。つまり、位相補間器5は位相補間器の位相ステップ信号SSにより位相ステップが変更される。
【0026】
ここでは、デジタルフィルタの閾値を2つ、位相補間器の位相ステップを2つに設定しているが、必ずしも2つに限定されるものではなく、それぞれ3つ以上設定してもよい。
【0027】
次に、CDR回路の特性を図3を参照して説明する。図3はジッタ周波数とジッタ許容値の関係を示す図、図中の実線(a)は本実施例の特性を示す図、破線(b)は従来のカットオフ周波数が低い場合の特性を示す図、破線(c)は従来のカットオフ周波数が高い場合の特性を示す図である。ここで、従来とはジッタ周波数を積分する積分器が設けられず、デジタルフィルタの閾値と位相補間器の位相ステップがそれぞれ一定な値に設定されるCDR回路である。
【0028】
図3(b)に示すように、従来では、高周波ノイズへの耐性を向上させる目的でカットオフ周波数を低く設定すると、ジッタ周波数の低い側での低周波ノイズの耐性が劣化する(ジッタ許容値の低下)。また、図3(c)に示すように、従来では、低周波ノイズへの耐性を向上させる目的でカットオフ周波数を高く設定すると、ジッタ周波数の高い側での高周波ノイズの耐性が劣化する(10MHz付近を中心とするディップ(Dip)発生によりジッタ許容値の低下)。
【0029】
一方、図3(a)に示すように、本実施例では、積分器6から出力される出力信号SXにもとづいて、デジタルフィルタの閾値と位相補間器の位相ステップの値をそれぞれ変更することができ、最適な値に設定できるのでジッタ許容値がジッタ周波数全域で従来よりも向上している。
【0030】
上述したように、本実施例のCDR回路では、位相検出器1、シリアル−パラレル変換器2、デジタルフィルタ3、位相制御器4、位相補間器5、積分器6、マルチプレクサ7、及びマルチプレクサ8が設けられる。積分器6は、デジタルフィルタ3で計算されたアーリィ(Early)信号[0:n]−レート(Late)信号[0:n]の符号の情報信号である出力信号SFを入力し、この信号を一定期間Mでモニターし、遅延要素と加算器とを用いて周波数ジッタとして積分した信号を出力信号SXとして出力する。マルチプレクサ7は、デジタルフィルタの閾値T1とそれとは値が異なるデジタルフィルタの閾値T2とを入力し、積分器6から出力される出力信号SXにもとづいて、デジタルフィルタの閾値T1或いはデジタルフィルタの閾値T2を選択し、デジタルフィルタの閾値信号STとしてデジタルフィルタ3に出力する。マルチプレクサ8は、位相補間器の位相ステップS1とそれとは値が異なる位相補間器の位相ステップS2とを入力し、積分器6から出力される出力信号SXにもとづいて、位相補間器の位相ステップS1或いは位相補間器の位相ステップS2を選択し、位相補間器の位相ステップ信号SSとして位相補間器5に出力する。
【0031】
このため、デジタルフィルタの閾値と位相補間器の位相ステップとを最適な値に設定でき、カットオフ周波数をアダプティブに制御することができる。したがって、デジタルフィルタのレイテンシー(Latency)が増えた場合でも、周波数ジッタの許容値のディップ(Dip)量の増加を抑制することができ、ジッタ許容値を従来よりもジッタ周波数全域で向上させることができる。
【0032】
なお、本実施例では、位相検出器1とデジタルフィルタ3の間にシリアルーパラレル変換器2を設けているが、位相検出器1から出力されるアーリィ(Early)信号及びレート(Late)信号を直接デジタルフィルタ3に入力させてもよい。
【実施例2】
【0033】
次に、本発明の実施例2に係るCDR回路について、図面を参照して説明する。図4は1.5/(M*クロックサイクル)付近の周波数ジッタが入力された場合を示す図、図5は積分器を示すブロック図である。本実施例では、積分器の構成を変更している。
【0034】
以下、実施例1と同一構成部分には、同一符号を付してその部分の説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0035】
図4に示すように、1.5/(M*クロックサイクル)付近の周波数ジッタが入力された場合、閾値N/一定期間Mの値が略2/3以上にパラメータ設定されると、実施例1ではカットオフ周波数の“Low”判定から“High”判定として誤認識する可能性が発生する。そこで、本実施例では、誤認識を防止するために積分器を変更している。なお、本実施例のCDR回路は、積分器以外実施例1と同じ構成にしている。
【0036】
図5に示すように、積分器6aには、遅延要素11a、遅延要素11b、遅延要素11c、遅延要素11k、遅延要素11aa、遅延要素11ka、加算器12a、加算器12b、加算器12k−1、加算器12k、加算器12aa、加算器12(k−1)a、加算器12ka、比較器13a、比較器13b、比較器13c、比較器13d、2入力OR回路14、2入力OR回路14a、及び2入力AND回路15が設けられる。
【0037】
積分器6aは、一定期間Mと別の一定期間Maの2つの期間、デジタルフィルタ3で計算されたアーリィ(Early)信号[0:n]−レート(Late)信号[0:n]の符号の情報信号である出力信号SFをモニターする。
【0038】
ここで、遅延要素11a、遅延要素11b、遅延要素11c、遅延要素11k、加算器12a、加算器12b、加算器12k−1、加算器12k、比較器13b、比較器13c、及び2入力OR回路14は、実施例1と同じ構成及び動作なので説明を省略する。
【0039】
デジタルフィルタ3で計算されたアーリィ(Early)信号[0:n]−レート(Late)信号[0:n]の符号の情報信号である出力信号SFの一定期間Maのモニターは、遅延要素11aa、遅延要素11ka、加算器12aa、加算器12(k−1)a、加算器12ka、比較器13c、比較器13d、及び2入力OR回路14aを用いて行われる。
【0040】
遅延要素11aaは、遅延要素11kから出力される信号を入力し、1つ前の信号を出力する。遅延要素11kaは、図示しない遅延要素11(k−1)から出力される信号を入力し、1つ前の信号を出力する。
【0041】
加算器12aaは、加算器12k−1及び遅延要素11aaから出力される信号を入力し、加算処理した信号を出力する。加算器12(k−1)aは、図示しない加算器12(k−2)a及び遅延要素11kaから出力される信号を入力し、加算処理した信号(閾値Pa)を出力する。加算器12(k−1)aでは、出力信号SFが一定期間Maで累積加算(積分)される。加算器12kaは、閾値Maと閾値Paの値を入力し、MaからPaの値を引き算した信号を出力する。
【0042】
比較器13cは、閾値Paと閾値Naとを入力し、比較演算した信号を出力信号SC1aとして出力する。比較器13dは、加算器12kaから出力される(Ma−Pa)と(Ma−Na)とを入力し、比較演算した信号を出力信号SC3として出力する。2入力OR回路14aは、比較器13cから出力される出力信号SC1aと比較器13dから出力される出力信号SC2aとを入力し、論理演算した信号を出力信号SX2として出力する。
【0043】
2入力OR回路14は、比較器13aから出力される出力信号SC1と比較器13bから出力される出力信号SC2とを入力し、論理演算した信号を出力信号SX1として出力する。2入力AND回路15は、2入力OR回路14から出力される出力信号SX1と2入力OR回路14aから出力される出力信号SX2とを入力し、論理演算した信号を出力信号SXとして出力する。
【0044】
積分器6aは、デジタルフィルタ3で計算されたアーリィ(Early)信号[0:n]−レート(Late)信号[0:n]の符号の情報信号である出力信号SFを入力し、この信号を一定期間Mと、別の一定期間Maとでモニターし、遅延要素と加算器とを用いて周波数ジッタとして積分し、両者のANDをとる。このため、1.5/(M*クロックサイクル)付近の周波数ジッタが入力された場合、閾値N/一定期間Mの値が略2/3以上にパラメータ設定されても、本実施例ではカットオフ周波数の“Low”判定から“High”判定として誤認識することを回避できる。
【0045】
次に、CDR回路の特性を図6を参照して説明する。図6はジッタ周波数とジッタ許容値の関係を示す図、図中の実線(a)は本実施例の特性を示す図、破線(b)は実施例1の特性を示す図である。
【0046】
図6(b)に示すように、実施例1では、1.5/(M*クロックサイクル)付近の周波数ジッタが入力された場合、閾値N/一定期間Mの値が略2/3以上にパラメータ設定されると、ジッタ周波数の高い側での高周波ノイズの耐性が劣化する(24MHz付近を中心とするディップ(Dip)発生によりジッタ許容値が低下)。なお、このディップ(Dip)レベルは従来よりも小さい。
【0047】
一方、図6(a)に示すように、本実施例では、一定期間Mと、別の一定期間Maとでモニターし、両者のANDをとった積分器6aから出力される出力信号SXにもとづいて、デジタルフィルタの閾値と位相補間器の位相ステップの値を適宜変更することができ、ジッタ許容値がジッタ周波数全域で向上している。
【0048】
上述したように、本実施例のCDR回路では、位相検出器1、シリアル−パラレル変換器2、デジタルフィルタ3、位相制御器4、位相補間器5、積分器6a、マルチプレクサ7、及びマルチプレクサ8が設けられる。積分器6aは、デジタルフィルタ3で計算されたアーリィ(Early)信号[0:n]−レート(Late)信号[0:n]の符号の情報信号である出力信号SFを入力し、この信号を一定期間Mと、別の一定期間Maとでモニターし、遅延要素と加算器とを用いて周波数ジッタとして積分し、両者のANDをとる。
【0049】
このため、1.5/(M*クロックサイクル)付近の周波数ジッタが入力された場合、閾値N/一定期間Mの値が略2/3以上にパラメータ設定されても、カットオフ周波数の“Low”判定から“High”判定として誤認識することを回避できる。そして、カットオフ周波数をアダプティブに制御することができる。したがって、デジタルフィルタのレイテンシー(Latency)が増えた場合でも、周波数ジッタの許容値のディップ(Dip)量の増加を抑制することができ、ジッタ許容値を従来よりもジッタ周波数全域で向上させることができる。また、閾値N/一定期間Mの値が略2/3以上にパラメータ設定されても高周波側での周波数ジッタの許容値のディップ(Dip)量の増加を抑制することができる。更に、符号に情報量を落とすことにより、送信bitの依存性を配慮する必要がなくなる。
【実施例3】
【0050】
次に、本発明の実施例3に係るCDR回路について、図面を参照して説明する。図7はCDR回路の構成を示すブロック図、図8は積分器を示すブロック図、図9はオフセットパターン発生器を示すブロック図、図10はFSM回路の動作を示す図である。本実施例では、CDR回路にオフセットパターン発生器を設けている。
【0051】
以下、実施例1と同一構成部分には、同一符号を付してその部分の説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0052】
図7に示すように、CDR回路40aには、位相検出器1、シリアル−パラレル変換器2、デジタルフィルタ3、位相制御器4、位相補間器5、マルチプレクサ7、マルチプレクサ8、積分器21、及びオフセットパターン発生器22が設けられる。
【0053】
CDR回路40aは、カットオフ周波数をアダプティブに制御する。そして、例えば低周波ジッタにトラックするSSC(Speed Spectrum Clock)方式に対応でき、一定期間に渡ってカットオフ周波数を高く設定する割合をモニターし、設定した閾値を超えた場合、オフセットパターンを一段階インクリメント(increment)/デクリメント(decrement)する信号とその方向を指示する信号を積分器21がオフセットパターン発生器22に渡し、最適なオフセット値をアダプティブにサーチしてオフセットパターンが最適化される。
【0054】
なお、従来の低周波ジッタにトラックするSSC方式でのCDR回路では、SSC(例えば30乃至33KHz)に対応するように比較的長周期に渡り、アーリィ(Early)[0:n]、レート(Late)[0:n]を積分し、積分したエッジ情報を元にして復元クロック信号の周波数とデータレートとの差分を検出し、オフセットパターン発生器にその情報を入力する。このため、長周期に渡ってエッジのデータを積分するために、CDR回路の構成が大規模となる。また、積分器がオフセットパターンを生成するまで、SSCをトラックする必要があり、カットオフ周波数を常に高く設定するので、各種信号のクロスカップリングなどにより発生する正弦波ジッタに対して脆弱となる。
【0055】
図8に示すように、積分器21には、積分器6及び9が設けられる。積分器21は、出力信号SX、出力信号SC1、出力信号SC2、及び出力信号SC3を出力する。積分器9には、遅延要素11ab、遅延要素11bb、遅延要素11kb、加算器12ab、加算器12(k−1)b、及び比較器13eが設けられる。
【0056】
積分器9は、積分器6でアーリィ(Early)信号[0:n]−レート(Late)信号[0:n]の符号の情報信号である出力信号SFを一定期間Mで積分した出力信号(低周波ノイズを検知した信号)SXを入力し、この信号を一定期間Sでモニターし、遅延要素と加算器とを用いて周波数オフセットとして積分する。
【0057】
遅延要素11abは、出力信号SXを入力し、1つ前の信号を出力する。遅延要素11bbは、遅延要素11abから出力される信号を入力し、1つ前の信号を出力する。遅延要素11kbは、図示しない遅延要素11(k−1)bから出力される信号を入力し、1つ前の信号を出力する。
【0058】
加算器12abは、遅延要素11ab及び遅延要素11bbから出力される信号を入力し、加算処理した信号を出力する。加算器12(k−1)bは、図示しない加算器12(k−2)b及び遅延要素11kbから出力される信号を入力し、加算処理した信号を出力する。加算器12(k−1)bでは、出力信号SXが一定期間Sで累積加算(積分)される。
【0059】
比較器13eは、閾値Lと閾値Rとを入力し、比較演算した信号を出力信号SC3として出力する。出力信号SC3は加算器12(k−1)bに帰還入力され、出力信号SC3が“High”レベルに変化すると加算器12(k−1)bで累積加算された値はリセットされる。
【0060】
図9に示すように、オフセットパターン発生器22には、FSM(Finite State Machine)回路10及び遅延要素11cが設けられる。オフセットパターン発生器22は、出力信号SC1乃至SC3を入力し、低周波ノイズを検知した信号SXが一定期間Sで特定な割合であるR/S以上“High”であった場合、出力信号SC3をアサート(Assert)し、周波数のオフセット方向を示す出力信号SC1及びSC3を受けて最適な周波数オフセット値である出力信号SQを出力する。
【0061】
FSM回路10は、有限状態機械とも呼称され、例えばプログラマブルロジックコントローラ、組み合わせ論理回路、フリップフロップなどから構成される。
【0062】
FSM回路10は、例えば図10に示すように、出力信号SC1乃至SC3を入力し、例えば出力信号SQの値Qを、(−3<Q<3)と設定した場合、一段階ずつインクリメント(increment)/デクリメント(decrement)し、最適値をサーチ(直列加算)処理する。
【0063】
次に、CDR回路の動作を図11を参照して説明する。図11はCDR回路の動作を示すフローチャートである。
【0064】
図11に示すように、CDR回路40aでは、まず、オフセットパターン発生器22を用いて周波数のオフセット値Qがアップデートされる(ステップS1)。
【0065】
次に、アップデートされた周波数のオフセット値Qであるオフセット補正値が最適な値かどうかが判断される。この補正値が最適な値であると判断された場合、CDR回路40aはロックされる(ステップS2)。
【0066】
この補正値が最適な値ではないと判断された場合、オフセットパターン発生器22で周波数のオフセット値を増加或いは減少される(ステップS3)。
【0067】
増加或いは減少された周波数のオフセット値Qがアップデートされ、このオフセット補正値が最適な値と判断されるまで動作は進められる。
【0068】
上述したように、本実施例のCDR回路では、位相検出器1、シリアル−パラレル変換器2、デジタルフィルタ3、位相制御器4、位相補間器5、マルチプレクサ7、マルチプレクサ8、積分器21、及びオフセットパターン発生器22が設けられる。積分器21には、積分器6及び9が設けられる。積分器9は、積分器6でアーリィ(Early)信号[0:n]−レート(Late)信号[0:n]の符号の情報信号である出力信号SFを一定期間Mで積分した出力信号SXを入力し、この信号を一定期間Sでモニターし、遅延要素と加算器とを用いて周波数オフセットとして積分する。オフセットパターン発生器22には、FSM回路10及び遅延要素11cが設けられ、出力信号SC1乃至SC3を入力して、最適な周波数オフセット値である出力信号SQを出力する。
【0069】
このため、実施例1の効果の他に、長周期に渡ってエッジのデータを積分する必要がないので、従来よりも回路構成を簡素化できる。また、積分器がオフセットパターンを生成するまで、SSCをトラックする必要がないので、カットオフ周波数を常に高く設定する必要がなく、各種信号のクロスカップリングなどにより発生する正弦波ジッタに対して強靭にすることができる。
【実施例4】
【0070】
次に、本発明の実施例4に係るCDR回路について、図面を参照して説明する。図12はCDR回路の構成を示すブロック図である。本実施例では、CDR回路に位相補間器の代わりに電圧制御発振器を設けている。
【0071】
以下、実施例1と同一構成部分には、同一符号を付してその部分の説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0072】
図12に示すように、CDR回路40bには、位相検出器1、シリアル−パラレル変換器2、デジタルフィルタ3、マルチプレクサ7、マルチプレクサ8、電圧制御発振器23、電圧制御器24、及び積分器31が設けられる。CDR回路40bは、デジタルフィルタの閾値と電圧制御発振器の電圧ステップとを動的に制御してカットオフ周波数をアダプティブに制御する。
【0073】
電圧制御器24は、デジタルフィルタ3と電圧制御発振器23の間に設けられ、デジタルフィルタ3から出力されるアーリィ(Early)信号或いはレート(Late)信号と電圧制御発振器の電圧ステップ信号SVとを入力する。電圧制御器24は、クロックを混合させる比率を決定するための制御信号を生成する。この制御信号は、マルチプレクサ8から出力される電圧制御発振器の電圧ステップ信号SVにより変更され、出力信号SVCとして出力される。
【0074】
電圧制御発振器23は、電圧制御器24と位相検出器1の間に設けられ、電圧制御器24から出力される出力信号SVCを入力する。電圧制御発振器23は、電圧ステップ信号である出力信号SVCにより決定された復元クロック信号を生成して位相検出器1に出力する。
【0075】
積分器31は、パラレル化されたアーリィ(Early)信号及びレート(Late)信号を入力し、この信号を一定期間Mでモニターして周波数ジッタとして積分した信号を出力信号SXとして出力する。
【0076】
マルチプレクサ(第2の選択手段)8は、電圧制御発振器の電圧ステップV1とそれとは値が異なる電圧制御発振器の電圧ステップV2とを入力し、積分器31から出力される出力信号SXにもとづいて、電圧制御発振器の電圧ステップV1或いは電圧制御発振器の電圧ステップV2を選択し、電圧制御発振器の電圧ステップ信号SVとして電圧制御器24に出力する。つまり、電圧制御発振器23は電圧制御発振器の電圧ステップ信号SVにより電圧ステップが変更される。
【0077】
上述したように、本実施例のCDR回路では、位相検出器1、シリアル−パラレル変換器2、デジタルフィルタ3、マルチプレクサ7、マルチプレクサ8、電圧制御発振器23、電圧制御器24、及び積分器31が設けられる。積分器31は、パラレル化されたアーリィ(Early)信号及びレート(Late)信号を入力し、この信号を一定期間Mでモニターして周波数ジッタとして積分した信号を出力信号SXとして出力する。電圧制御器24は、デジタルフィルタ3と電圧制御発振器23の間に設けられ、デジタルフィルタ3から出力されるアーリィ(Early)信号或いはレート(Late)信号と電圧制御発振器の電圧ステップ信号SVとを入力する。電圧制御器24は、クロックを混合させる比率を決定するための制御信号を生成する。この制御信号は、マルチプレクサ8から出力される電圧制御発振器の電圧ステップ信号SVにより変更され、出力信号SVCとして出力される。電圧制御発振器23は、電圧制御器24から出力される出力信号SVCを入力し、電圧ステップ信号である出力信号SVCにより決定された復元クロック信号を生成して位相検出器1に出力する。
【0078】
このため、デジタルフィルタの閾値と電圧制御発振器の電圧ステップとを最適な値に設定でき、カットオフ周波数をアダプティブに制御することができる。したがって、デジタルフィルタのレイテンシー(Latency)が増えた場合でも、周波数ジッタの許容値のディップ(Dip)量の増加を抑制することができ、ジッタ許容値を従来よりもジッタ周波数全域で向上させることができる。また、符号に情報量を落とすことにより、送信bitの依存性を配慮する必要がなくなる。更に、外部からPLL回路などから出力される基準クロック信号を入力させる必要がない。
【実施例5】
【0079】
次に、本発明の実施例5に係るCDR回路について、図面を参照して説明する。図13はCDR回路の構成を示す回路図である。本実施例では、CDR回路に位相補間器の代わりにDLL回路を設けている。
【0080】
以下、実施例1と同一構成部分には、同一符号を付してその部分の説明を省略し、異なる部分のみ説明する。
【0081】
図13に示すように、CDR回路40cには、位相検出器1、シリアル−パラレル変換器2、デジタルフィルタ3、位相制御器4、マルチプレクサ7、マルチプレクサ8、DLL回路25、及び積分器31が設けられる。CDR回路40は、デジタルフィルタの閾値とDLL回路の出力の位相ステップを動的に制御して、カットオフ周波数をアダプティブに制御する。
【0082】
DLL(Delay Locked Loop)回路25は、位相制御器4と位相検出器1の間に設けられ、位相制御器4から出力される出力信号SPCを入力する。PLL回路25は、位相制御信号である出力信号SPCにより決定された位相を有する復元クロック信号を生成して位相検出器1に出力する。
【0083】
積分器31は、パラレル化されたアーリィ(Early)信号及びレート(Late)信号を入力し、この信号を一定期間Mでモニターして周波数ジッタとして積分した信号を出力信号SXとして出力する。
【0084】
上述したように、本実施例のCDR回路では、位相検出器1、シリアル−パラレル変換器2、デジタルフィルタ3、位相制御器4、マルチプレクサ7、マルチプレクサ8、DLL回路25、及び積分器31が設けられる。積分器31は、パラレル化されたアーリィ(Early)信号及びレート(Late)信号を入力し、この信号を一定期間Mでモニターして周波数ジッタとして積分した信号を出力信号SXとして出力する。DLL回路25は、位相制御器4から出力される出力信号SPCを入力し、位相制御信号である出力信号SPCにより決定された位相を有する復元クロック信号を生成して位相検出器1に出力する。
【0085】
このため、デジタルフィルタの閾値と位相補間器の位相ステップとを最適な値に設定でき、カットオフ周波数をアダプティブに制御することができる。したがって、デジタルフィルタのレイテンシー(Latency)が増えた場合でも、周波数ジッタの許容値のディップ(Dip)量の増加を抑制することができ、ジッタ許容値を従来よりもジッタ周波数全域で向上させることができる。また、符号に情報量を落とすことにより、送信bitの依存性を配慮する必要がなくなる。更に、外部からPLL回路などから出力される基準クロック信号を入力させる必要がない。
【0086】
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々、変更してもよい。
【0087】
例えば、実施例ではマルチプレクサをデジタルフィルタの閾値や位相補間器位相ステップなどを選択するための選択手段として用いているが、マルチプレクサの代わりにスイッチなどを用いてもよい。実施例では位相検出器にノンリニア型(例えば、Alexander Detector)位相検出器を用いているが、復元クロック信号と入力データ信号とを入力するリニア型(例えば、Hogge Detector)位相検出器を用いてもよい。
【0088】
本発明は、以下の付記に記載されているような構成が考えられる。
(付記1) 入力データ信号及び復元クロック信号が入力され、前記入力データ信号の遷移エッジを検出して前記復元クロック信号のデータに対する位置関係をアーリィ/レートの2値を決め、復元データ信号、第1のアーリィ信号、及び第1のレート信号を生成する位相検出器と、前記復元データ信号、前記第1のアーリィ信号、及び前記第1のレート信号が入力され、前記復元データ信号、前記第1のアーリィ信号、及び前記第1のレート信号をシリアル/パラレル変換を行うシリアル−パラレル変換器と、シリアル/パラレル変換された第2のアーリィ信号及び第2のレート信号が入力され、所定の時間間隔で前記第2のアーリィ信号と前記第2のレート信号のパルス数差分を比較し、差分の合計値が一定以上の値になった場合第3のアーリィ信号又は第3のレート信号を出力し、かつ所定の時間間隔で前記第2のアーリィ信号から前記第2のレート信号のパルス数を引いた値の符号信号を出力するデジタルフィルタと、前記デジタルフィルタから出力される前記第3のアーリィ信号及び前記第3のレート信号が入力され、位相ステップを決定する位相ステップ信号を生成する位相制御器と、前記位相ステップ信号及び基準クロック信号が入力され、前記位相ステップ信号にもとづいて、前記復元クロック信号を生成する位相補間器と、前記符号信号が入力され、前記符号信号を第1の一定期間モニターして周波数ジッタとして積分して第1の信号を生成し、前記符号信号を前記第1の一定期間とは異なる期間である第2の一定期間モニターして周波数ジッタとして積分して第2の信号を生成し、前記第1及び第2の信号のアンドをとり出力信号として出力する積分器と、前記デジタルフィルタの値の異なる2つ以上の閾値が入力され、前記積分器の前記出力信号にもとづいて前記デジタルフィルタの閾値が選択され、選択された前記デジタルフィルタの閾値を前記デジタルフィルタに出力する第1の選択手段と、位相ステップの異なる2つ以上の値が入力され、前記積分器の前記出力信号にもとづいて前記位相ステップの値が選択され、選択された前記位相ステップの値を前記位相制御回路に出力する第2の選択手段とを具備するCDR回路。
【0089】
(付記2) 入力データ信号及び復元クロック信号が入力され、前記入力データ信号の遷移エッジを検出して前記復元クロック信号のデータに対する位置関係をアーリィ/レートの2値を決め、復元データ信号、第1のアーリィ信号、及び第1のレート信号を生成する位相検出器と、前記復元データ信号、前記第1のアーリィ信号、及び前記第1のレート信号が入力され、前記復元データ信号、前記第1のアーリィ信号、及び前記第1のレート信号をシリアル/パラレル変換を行うシリアル−パラレル変換器と、シリアル/パラレル変換された第2のアーリィ信号及び第2のレート信号が入力され、所定の時間間隔で前記第2のアーリィ信号と前記第2のレート信号のパルス数差分を比較し、差分の合計値が一定以上の値になった場合第3のアーリィ信号又は第3のレート信号を出力し、かつ所定の時間間隔で前記第2のアーリィ信号から前記第2のレート信号のパルス数を引いた値の符号信号を出力するデジタルフィルタと、前記デジタルフィルタから出力される前記第3のアーリィ信号及び前記第3のレート信号が入力され、位相ステップを決定する位相ステップ信号を生成する位相制御器と、前記位相ステップ信号及び基準クロック信号が入力され、前記位相ステップ信号にもとづいて、前記復元クロック信号を生成する位相補間器と、前記符号信号が入力され、前記符号信号を第1の一定期間モニターして周波数ジッタとして積分して第1の信号を生成し、前記第1の信号を第2の一定期間モニターして周波数オフセットとして積分して第2の信号を生成する積分器と、前記デジタルフィルタの値の異なる2つ以上の閾値が入力され、前記積分器の前記第1の信号にもとづいて前記デジタルフィルタの閾値が選択され、選択された前記デジタルフィルタの閾値を前記デジタルフィルタに出力する第1の選択手段と、位相ステップの異なる2つ以上の値が入力され、前記積分器の前記第1の信号にもとづいて前記位相ステップの値が選択され、選択された前記位相ステップの値を前記位相制御回路に出力する第2の選択手段と、前記積分器から出力される信号にもとづいて、最適な周波数オフセット値を選択するオフセットパターン発生器とを具備するCDR回路。
【0090】
(付記3) 前記オフセットパターン発生器には、前記積分器から出力される複数の信号から、最適な周波数オフセット値を算出する前記FSM回路が設けられる付記2記載のCDR回路。
【0091】
(付記4) 入力データ信号及び復元クロック信号が入力され、前記入力データ信号の遷移エッジを検出して前記復元クロック信号のデータに対する位置関係をアーリィ/レートの2値を決め、復元データ信号、第1のアーリィ信号、及び第1のレート信号を生成する位相検出器と、前記復元データ信号、前記第1のアーリィ信号、及び前記第1のレート信号が入力され、前記復元データ信号、前記第1のアーリィ信号、及び前記第1のレート信号をシリアル/パラレル変換を行うシリアル−パラレル変換器と、シリアル/パラレル変換された第2のアーリィ信号及び第2のレート信号が入力され、所定の時間間隔で前記第2のアーリィ信号と前記第2のレート信号のパルス数差分を比較し、差分の合計値が一定以上の値になった場合第3のアーリィ信号又は第3のレート信号を出力し、かつ所定の時間間隔で前記第2のアーリィ信号から前記第2のレート信号のパルス数を引いた値の符号信号を出力するデジタルフィルタと、前記デジタルフィルタから出力される前記第3のアーリィ信号及び前記第3のレート信号が入力され、電圧ステップを決定する電圧ステップ信号を生成する電圧制御器と、前記電圧ステップ信号が入力され、前記電圧ステップ信号にもとづいて、前記復元クロック信号を生成する電圧制御発振器と、前記第2のアーリィ信号と前記第2のレート信号とが入力され、前記第2のアーリィ信号及び前記第2のレート信号を一定期間モニターして周波数ジッタとして積分し、出力信号として出力する積分器と、前記デジタルフィルタの値の異なる2つ以上の閾値が入力され、前記積分器の前記出力信号にもとづいて前記デジタルフィルタの閾値が選択され、選択された前記デジタルフィルタの閾値を前記デジタルフィルタに出力する第1の選択手段と、電圧ステップの異なる2つ以上の値が入力され、前記積分器の前記出力信号にもとづいて前記電圧ステップの値が選択され、選択された前記電圧ステップの値を前記電圧制御回路に出力する第2の選択手段とを具備するCDR回路。
【0092】
(付記5) 入力データ信号及び復元クロック信号が入力され、前記入力データ信号の遷移エッジを検出して前記復元クロック信号のデータに対する位置関係をアーリィ/レートの2値を決め、復元データ信号、第1のアーリィ信号、及び第1のレート信号を生成する位相検出器と、前記復元データ信号、前記第1のアーリィ信号、及び前記第1のレート信号が入力され、前記復元データ信号、前記第1のアーリィ信号、及び前記第1のレート信号をシリアル/パラレル変換を行うシリアル−パラレル変換器と、シリアル/パラレル変換された第2のアーリィ信号及び第2のレート信号が入力され、所定の時間間隔で前記第2のアーリィ信号と前記第2のレート信号のパルス数差分を比較し、差分の合計値が一定以上の値になった場合第3のアーリィ信号又は第3のレート信号を出力し、かつ所定の時間間隔で前記第2のアーリィ信号から前記第2のレート信号のパルス数を引いた値の符号信号を出力するデジタルフィルタと、前記デジタルフィルタから出力される前記第3のアーリィ信号及び前記第3のレート信号が入力され、位相ステップを決定する位相ステップ信号を生成する位相制御器と、前記位相ステップ信号が入力され、前記位相ステップ信号にもとづいて、前記復元クロック信号を生成するDLL回路と、前記第2のアーリィ信号と前記第2のレート信号とが入力され、前記第2のアーリィ信号及び前記第2のレート信号を一定期間モニターして周波数ジッタとして積分し、出力信号として出力する積分器と、前記デジタルフィルタの値の異なる2つ以上の閾値が入力され、前記積分器の前記出力信号にもとづいて前記デジタルフィルタの閾値が選択され、選択された前記デジタルフィルタの閾値を前記デジタルフィルタに出力する第1の選択手段と、位相ステップの異なる2つ以上の値が入力され、前記積分器の前記出力信号にもとづいて前記位相ステップの値が選択され、選択された前記位相ステップの値を前記位相制御回路に出力する第2の選択手段とを具備するCDR回路。
【0093】
(付記6) 前記選択手段は、マルチプレクサである付記1乃至5のいずれかに記載のCDR回路。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の実施例1に係るCDR回路の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例1に係る積分器の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の実施例1に係るジッタ周波数とジッタ許容値の関係を示す図、図中の実線(a)は本実施例の特性を示す図、破線(b)は従来のカットオフ周波数が低い場合の特性を示す図、破線(c)は従来のカットオフ周波数が高い場合の特性を示す図。
【図4】本発明の実施例2に係る1.5/(M*クロックサイクル)付近の周波数ジッタが入力された場合を示す図。
【図5】本発明の実施例2に係る積分器を示すブロック図。
【図6】本発明の実施例2に係るジッタ周波数とジッタ許容値の関係を示す図、図中の実線(a)は本実施例の特性を示す図、破線(b)は実施例1の特性を示す図。
【図7】本発明の実施例3に係るCDR回路の構成を示すブロック図。
【図8】本発明の実施例3に係る積分器を示すブロック図。
【図9】本発明の実施例3に係るオフセットパターン発生器を示すブロック図。
【図10】本発明の実施例3に係るFSM回路の動作を示す図。
【図11】本発明の実施例3に係るCDR回路の動作を示すフローチャート。
【図12】本発明の実施例4に係るCDR回路の構成を示すブロック図。
【図13】本発明の実施例5に係るCDR回路の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0095】
1 位相検出器
2 シリアル−パラレル変換器
3 デジタルフィルタ
4 位相制御回路
5 位相補間器
6、6a、9、21、31 積分器
7、8 マルチプレクサ
10 FSM回路
11a、11b、11c、11k、11aa、11ka、11ab、11bb、11kb、11c 遅延要素
12a、12b、12k−1、12k、12aa、12(k−1)a、12ka、12ab、12(k−1)b 加算器
13a、13b、13c、13d、13e 比較器
14、14a 2入力OR回路
15 2入力AND回路
22 オフセットパターン発生器
23 電圧制御発振器
24 電圧制御器
25 DLL回路
40、40a、40b、40c CDR回路
M、Ma、S 一定期間
N、P、Na、Pa、L 閾値
SC1、SC2、SF、SPC、SX、Sc1a、SC2a、SX1、SX2、SC3、SQ、CVC 出力信号
S1、S2 位相補間器の位相ステップ
SS 位相補間器の位相ステップ信号
ST デジタルフィルタの閾値信号
SV 電圧制御発振器の電圧ステップ信号
T1、T2 デジタルフィルタの閾値
V1、V2 電圧制御発振器の電圧ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力データ信号及び復元クロック信号が入力され、前記入力データ信号の遷移エッジを検出して前記復元クロック信号のデータに対する位置関係をアーリィ/レートの2値を決め、復元データ信号、第1のアーリィ信号、及び第1のレート信号を生成する位相検出器と、
前記第1のアーリィ信号及び前記第1のレート信号が入力され、所定の時間間隔で前記第1のアーリィ信号と前記第1のレート信号のパルス数差分を比較し、差分の合計値が一定以上の値になった場合第2のアーリィ信号又は第2のレート信号を出力し、かつ所定の時間間隔で前記第1のアーリィ信号から前記第1のレート信号のパルス数を引いた値の符号信号を出力するデジタルフィルタと、
前記デジタルフィルタから出力される前記第2のアーリィ信号及び前記第2のレート信号が入力され、位相ステップを決定する位相ステップ信号を生成する位相制御器と、
前記符号信号が入力され、前記符号信号を一定期間モニターして周波数ジッタとして積分し、出力信号として出力する積分器と、
前記デジタルフィルタの値の異なる2つ以上の閾値が入力され、前記積分器の前記出力信号にもとづいて前記デジタルフィルタの閾値が選択され、選択された前記デジタルフィルタの閾値を前記デジタルフィルタに出力する第1の選択手段と、
位相ステップの異なる2つ以上の値が入力され、前記積分器の前記出力信号にもとづいて前記位相ステップの値が選択され、選択された前記位相ステップの値を前記位相制御回路に出力する第2の選択手段と、
を具備し、前記位相制御器から出力される前記位相ステップ信号にもとづいて、前記復元クロック信号が生成されて前記位相検出器に入力されることを特徴とするCDR回路。
【請求項2】
入力データ信号及び復元クロック信号が入力され、前記入力データ信号の遷移エッジを検出して前記復元クロック信号のデータに対する位置関係をアーリィ/レートの2値を決め、復元データ信号、第1のアーリィ信号、及び第1のレート信号を生成する位相検出器と、
前記第1のアーリィ信号及び前記第1のレート信号が入力され、所定の時間間隔で前記第1のアーリィ信号と前記第1のレート信号のパルス数差分を比較し、差分の合計値が一定以上の値になった場合第2のアーリィ信号又は第2のレート信号を出力し、かつ所定の時間間隔で前記第1のアーリィ信号から前記第1のレート信号のパルス数を引いた値の符号信号を出力するデジタルフィルタと、
前記デジタルフィルタから出力される前記第2のアーリィ信号及び前記第2のレート信号が入力され、位相ステップを決定する位相ステップ信号を生成する位相制御器と、
前記符号信号が入力され、前記符号信号を第1の一定期間モニターして周波数ジッタとして積分して第1の信号を生成し、前記符号信号を前記第1の一定期間とは異なる期間である第2の一定期間モニターして周波数ジッタとして積分して第2の信号を生成し、前記第1及び第2の信号のアンドをとり出力信号として出力する積分器と、
前記デジタルフィルタの値の異なる2つ以上の閾値が入力され、前記積分器の前記出力信号にもとづいて前記デジタルフィルタの閾値が選択され、選択された前記デジタルフィルタの閾値を前記デジタルフィルタに出力する第1の選択手段と、
位相ステップの異なる2つ以上の値が入力され、前記積分器の前記出力信号にもとづいて前記位相ステップの値が選択され、選択された前記位相ステップの値を前記位相制御回路に出力する第2の選択手段と、
を具備し、前記位相制御器から出力される前記位相ステップ信号にもとづいて、前記復元クロック信号が生成されて前記位相検出器に入力されることを特徴とするCDR回路。
【請求項3】
入力データ信号及び復元クロック信号が入力され、前記入力データ信号の遷移エッジを検出して前記復元クロック信号のデータに対する位置関係をアーリィ/レートの2値を決め、復元データ信号、第1のアーリィ信号、及び第1のレート信号を生成する位相検出器と、
前記第1のアーリィ信号及び前記第1のレート信号が入力され、所定の時間間隔で前記第1のアーリィ信号と前記第1のレート信号のパルス数差分を比較し、差分の合計値が一定以上の値になった場合第2のアーリィ信号又は第2のレート信号を出力し、かつ所定の時間間隔で前記第1のアーリィ信号から前記第1のレート信号のパルス数を引いた値の符号信号を出力するデジタルフィルタと、
前記デジタルフィルタから出力される前記第2のアーリィ信号及び前記第2のレート信号が入力され、位相ステップを決定する位相ステップ信号を生成する位相制御器と、
前記符号信号が入力され、前記符号信号を第1の一定期間モニターして周波数ジッタとして積分して第1の信号を生成し、前記第1の信号を第2の一定期間モニターして周波数オフセットとして積分して第2の信号を生成する積分器と、
前記デジタルフィルタの値の異なる2つ以上の閾値が入力され、前記積分器の前記第1の信号にもとづいて前記デジタルフィルタの閾値が選択され、選択された前記デジタルフィルタの閾値を前記デジタルフィルタに出力する第1の選択手段と、
位相ステップの異なる2つ以上の値が入力され、前記積分器の前記第1の信号にもとづいて前記位相ステップの値が選択され、選択された前記位相ステップの値を前記位相制御回路に出力する第2の選択手段と、
前記積分器から出力される信号にもとづいて、最適な周波数オフセット値を選択するオフセットパターン発生器と、
を具備し、前記位相制御器から出力される前記位相ステップ信号にもとづいて、前記復元クロック信号が生成されて前記位相検出器に入力され、前記オフセットパターン発生器で選択された前記最適な周波数オフセット値が前記位相制御回路に出力されることを特徴とするCDR回路。
【請求項4】
前記積分器は、その積分期間において、前記符号信号の積分結果における同一符号が占める割合が第一の閾値を越えた場合に低周波ジッタと判断し、超えない場合は高周波ジッタと判断することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のCDR回路。
【請求項5】
入力データ信号及び復元クロック信号が入力され、前記入力データ信号の遷移エッジを検出して前記復元クロック信号のデータに対する位置関係をアーリィ/レートの2値を決め、復元データ信号、第1のアーリィ信号、及び第1のレート信号を生成する位相検出器と、
前記復元データ信号、前記第1のアーリィ信号、及び前記第1のレート信号が入力され、前記復元データ信号、前記第1のアーリィ信号、及び前記第1のレート信号をシリアル/パラレル変換を行うシリアル−パラレル変換器と、
前記第2のアーリィ信号及び前記第2のレート信号が入力され、所定の時間間隔で前記第2のアーリィ信号と前記第2のレート信号のパルス数差分を比較し、差分の合計値が一定以上の値になった場合第3のアーリィ信号又は第3のレート信号を出力し、かつ所定の時間間隔で前記第2のアーリィ信号から前記第2のレート信号のパルス数を引いた値の符号信号を出力するデジタルフィルタと
前記デジタルフィルタから出力される前記第3のアーリィ信号及び前記第3のレート信号が入力され、位相ステップを決定する位相ステップ信号を生成する位相制御器と、
前記位相ステップ信号及び基準クロック信号が入力され、前記位相ステップ信号にもとづいて、前記復元クロック信号を生成する位相補間器と、
前記符号信号が入力され、前記符号信号を一定期間モニターして周波数ジッタとして積分し、出力信号として出力する積分器と、
前記デジタルフィルタの値の異なる2つ以上の閾値が入力され、前記積分器の前記出力信号にもとづいて前記デジタルフィルタの閾値が選択され、選択された前記デジタルフィルタの閾値を前記デジタルフィルタに出力する第1の選択手段と、
位相ステップの異なる2つ以上の値が入力され、前記積分器の前記出力信号にもとづいて前記位相ステップの値が選択され、選択された前記位相ステップの値を前記位相制御回路に出力する第2の選択手段と、
を具備することを特徴とするCDR回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−245134(P2008−245134A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−85776(P2007−85776)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】