DCブラシレスモータ駆動制御装置および画像形成装置
【課題】小さな回生電流で、かつ、短時間にモータの回転を止めることのできるDCブラシレスモータ駆動制御装置およびこの駆動制御装置を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】回転速度を指示するクロック信号に応じて回転速度が制御されるDCブラシレスモータ駆動制御装置であって、前記DCブラシレスモータ回転停止の際に、先ず、前記クロック信号を停止して(S3)前記DCブラシレスモータの回転速度が所定の回転速度まで低下するのを待ち(S6)、前記所定の回転速度に達したときにショートブレーキを開始して(S7)回転を停止するように制御する制御手段を備えたDCブラシレスモータ駆動制御装置により前記課題を解決する。
【解決手段】回転速度を指示するクロック信号に応じて回転速度が制御されるDCブラシレスモータ駆動制御装置であって、前記DCブラシレスモータ回転停止の際に、先ず、前記クロック信号を停止して(S3)前記DCブラシレスモータの回転速度が所定の回転速度まで低下するのを待ち(S6)、前記所定の回転速度に達したときにショートブレーキを開始して(S7)回転を停止するように制御する制御手段を備えたDCブラシレスモータ駆動制御装置により前記課題を解決する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、複合機、レーザープリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置のみならず、DCブラシレスモータを搭載した機器に関し、特に、DCブラシレスモータの回転を停止する際に生じる回生電流の抑制に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、DCブラシレスモータの回転を短時間で止める制御としてショートブレーキがある(例えば、特許文献1参照)。図11にDCブラシレスモータのショートブレーキ動作を行った際の立ち下がりの相電流値403及びモータの回転速度の変化404を示す。図11に示すように、DCブラシレスモータを回転中にショートブレーキ動作を行った場合、相電流値403は401の点でモータドライバの電流リミット値402を超えてしまう。従来は、このようなことがないように、この回生電流に耐え得る定格を持ち、かつ、それに応じた熱的損失耐性を有するモータドライバを備える必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−39197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような回生電流に耐え得るモータドライバは、DCブラシレスモータを回転駆動するのに必要な電流に耐え得るモータドライバよりもその分コスト高となっていた。
【0005】
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、小さな回生電流で、かつ、短時間にモータの回転を止めることのできるDCブラシレスモータ駆動制御装置およびこの駆動制御装置を備えた画像形成装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明では、DCブラシレスモータ駆動制御装置を次の(1)、(2)のとおりに構成し、画像形成装置を次の(3)のとおりに構成する。
【0007】
(1)回転速度を指示するクロック信号に応じて回転速度が制御されるDCブラシレスモータ駆動制御装置であって、
前記DCブラシレスモータの回転停止の際に、先ず、前記クロック信号を停止して前記DCブラシレスモータの回転速度が所定の回転速度まで低下するのを待ち、前記所定の回転速度に達したときにショートブレーキを開始して回転を停止するように制御する制御手段を備えたDCブラシレスモータ駆動制御装置。
【0008】
(2)回転速度を指示するクロック信号に応じて回転速度が制御されるDCブラシレスモータ駆動制御装置であって、
前記DCブラシレスモータの回転停止の際に、先ず、前記クロック信号を停止して前記DCブラシレスモータの回転速度が所定の第一の回転速度まで低下するのを待ち、前記所定の第一の回転速度に達したときに逆転ブレーキを開始して前記DCブラシレスモータの回転速度が所定の第2の回転速度まで低下するのを待ち、前記所定の第2の回転速度に達したときにショートブレーキを開始して回転を停止するように制御する制御手段を備えたDCブラシレスモータ駆動制御装置。
【0009】
(3)前記(1)または(2)に記載のDCブラシレスモータ駆動制御装置を備えた画像形成装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、小さな回生電流で、かつ、短時間にモータの回転を止めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1におけるモータ停止動作を示すフローチャート
【図2】実施例1の構成を示すブロック図
【図3】実施例1におけるモータ回転速度と相電流の推移を示す図
【図4】図2のDRIVER部の詳細図
【図5】出力制御部の詳細図
【図6】出力制御部のシーケンス図
【図7】モータ回転速度と相電流の推移を示す図
【図8】実施例1の変形におけるモータ回転速度と相電流の推移を示す図
【図9】実施例1の変形におけるモータ停止動作を示すフローチャート
【図10】実施例2の構成を示す断面図
【図11】従来例におけるショートブレーキ時のモータ回転速度と相電流の推移を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、DCブラシレスモータ駆動制御装置および画像形成装置の実施例により詳しく説明する。
【実施例1】
【0013】
実施例1である“DCブラシレスモータ駆動制御装置”について説明する。図2は、本実施例のDCブラシレスモータ駆動制御装置の構成を示すブロック図であり、図3は、本実施例装置の挙動を示す図である。図2、図3により本実施例を詳しく説明する。
図3には、本実施例のDCブラシレスモータ駆動制御装置の挙動として、本実施例における、図2のクロック発生部104でのクロック信号212の電圧レベルの変化を止めて単一電圧となった際の時間−モータ回転速度412をプロットして示す。同時に、比較例として、ターゲット回転速度に対応するクロック信号212を供給することによりモータ回転速度までダウンさせた後にショートブレーキをかけた時の時間−モータ回転速度406をプロットし、相電流の違いについてもプロットし示している。
【0014】
比較例の場合、モータの回転速度をターゲット回転速度408に制御した後にショートブレーキをかける。これにより回生電流を小さくことができるが、ターゲット回転速度に対応するクロック信号212を供給し始めてからターゲット回転速度になるまでのモータ個々のバラツキを考慮する必要がある。そのため、ターゲット回転速度に対応するクロック信号212を供給し始めてからショートブレーキをかけるまでの時間的マージンを長くとる必要があり、その結果モータの回転を止めるための時間が期間407の分長くなる。
本実施例では、モータの回転停止の際に、先ず、クロック信号212を停止することによりモータの回転速度を減速させる。そして、モータ回転速度検知部101の検知結果がターゲット回転速度408になったことに応じて、ショートブレーキを開始してモータの回転を停止させる。これにより、回生電流を小さくするとともに、短時間でモータの回転を停止させることができる。
【0015】
図2の530は、クロック発生部104に対してCPU200よりクロックを停止するための信号を表している。501はCPU200からのショートブレーキを開始させるための信号を表している。
【0016】
図4はドライバ部224の内部を示している。予め設定された電流リミット制御部377の出力とPWM制御部378の出力とがコンパレータ部372で比較されるが、この時点ではPWM制御部378からの影響を受け、コンパレータ部372からの出力信号371は、PRI DRIVER部358のモータ巻線への出力線WH125、VH124、UH123、WL126、VL127、UL128の動作をさせてしまい、モータに回生電流を流しかねない。
【0017】
このためクロック信号212がストップしたことを検知し、出力線WH125、VH124、UH123、WL126、VL127、UL128をすべてOFFするための出力抑制部380を設け対処している。
【0018】
図4の出力抑制部380の詳細回路例を図5へ、その動作シーケンスを図6に示した。図5では図2のクロック発生部104の出力のクロック信号212がコンデンサ418でカップリングされており、積分回路部420に入力されている。積分回路部420の出力信号429は、クロック信号212部のエッジ部を積分するため、図6の時点438のクロック信号停止までは図6の429のような波形になる。更にその信号は抵抗424と微分回路421へ入力され微分回路出力430を経て、ピーク検知部422へ入力される。
【0019】
ピーク検知部422内のバッファーの出力435は、図6の時点438のクロック信号停止までは図6の435の波形となる。図5の出力435はピーク検知前の信号でダイオード432により逆流阻止される電荷がコンデンサ433に移動しチャージアップする。この時の図5の信号ライン425の電圧波形を図6の425に示した。図5の信号ライン425には前述のコンデンサ433とパラレルに接続された放電抵抗437があり、この放電抵抗437の抵抗値によってコンデンサ433の放電用の時定数を決定できる。図6の時点438でコンデンサ433の電圧が5Vであったと仮定すると、下記式の初期電圧V0を5.0に代入下記式のRは放電抵抗437の抵抗値を代入、下記式Cはコンデンサ433の容量値を代入する。
V=V0×exp(−t/R×C)
逆に上の式のVを図5のコンパレータ434のREF信号436とすると、放電時間Tは、T=R×C/V0−Vで求めることができる。この放電時間内にクロック信号212から入力された信号により信号ライン425上に充電パルスが得られないと、図6の信号ライン425の電圧がT時間後の時点439でコンパレータ434のREF信号436以下となり、コンパレータの出力信号381が反転することになる。つまりこのクロック信号212の発振が予め決めた時間より止まっていることの判断ができる。
【0020】
たとえばコンパレータ434の出力部をオープンコレクタやオープンドレイン型で構成する場合は、図4に示す出力抑制部380の出力信号381をコンパレータ部372の出力とワイヤードORすることで変化させないように制御できる。その結果、図4のPWM制御部378の影響を排除することが可能である。この時の図4のコンパレータ部372の出力もオープンコレクタやオープンドレイン出力などにし、出力抑制部380の出力信号381と衝突し、中間的な電位にならないようにする。
【0021】
図3の409から411の期間では前述したように図2のクロック発生部104のクロック信号212の発振停止に伴ないドライバ部224のUH123の出力とVH124の出力とWH125の出力とWL126の出力とVL127の出力とUL128の出力がすべてTR1 106とTR2 107とTR3 108とTR4 109とTR5 110とTR6 111がOFFされる方向に働く。
【0022】
モータ巻線U 116とモータ巻線V 117とモータ巻線W 118には電流が殆ど流れなくなる。図3の409と411間での図3の相電流413の波形上にその様子を記載した。その後、クロック数をダウンする従来例のモータ回転速度406の波形では、期間407でターゲット回転速度408にモータの回転速度が収束する時間を考慮していた。しかし、クロック数409ダウンの際にクロック数を0とすることにより、図3では412に示すようにショートブレーキタイミング405の時点でターゲットの回転速度以下にモータ回転速度が下がっている。総じて413のようにショートブレーキタイミング405の時点の回生電流は比較的少なくなり、モータ回転速度412のように従来と比較してモータの停止時間が短くなる。
【0023】
図7を使って説明すると、図7の411で図2のクロック発生部104の出力のクロック信号212の発振信号を停止した際のモータ回転速度406、412と相電流413は前述の図3の説明と同様である。図2のモータ回転速度検知部101は、FGパターンおよびその周辺回路から構成される。そして、モータの回転速度が図7のターゲット回転速度408になったことを検出した際に、図2のモータ回転速度検知部101の出力制御信号100によりクロック発生部104のクロック信号出力ライン129にクロック信号を出力するように指示する。これによりショートブレーキの制御のため、出力抑制部380の出力信号381を解除できる。ターゲット回転速度408でショートブレーキを掛けることにより、図3で説明のショートブレーキタイミング405に比べて、図7の407の期間早い415のタイミングでショートブレーキを掛けることができる。このため、モータの停止時間をより少なくすることが可能となる。
【0024】
但し、図7におけるターゲット回転速度408は、ショートブレーキ時の際に相電流の電流リミット値402を超えないように、図7のピーク値414を予め決めておく。
【0025】
図8は本実施例の変形の動作を示す図である。図示のように、モータ回転速度が予め決められた第一の回転速度440になった時点442でUVWのモータ巻線の駆動方向を逆にしてショートブレーキより更に制動力を増す逆転ブレーキを掛けた際のモータ回転速度―時間の推移445をプロットして示した。図8の第二の回転速度441になるタイミング443でショートブレーキを掛けることで図7に記載のモータ回転速度の推移416より更にモータの停止時間が短くなっている。その際の相電流の推移は図8の444である。前述してきた相電流はU相、V相、W相のどのモータ巻線116、117、118でも同様となる。
前述したトランジタ106〜111は、バイポーラ、CMOS、FETなどが使用できる。
【0026】
本実施例では、DCブラシレスモータとして記載の三相ブラシレスモータにより説明を加えたが、三相以外のDCブラシレスモータでも同様の制御が可能となる。
また、ショートブレーキでは、図2のモータ電源105に接続されている上側トランジスタ106、108、110をOFF状態とし、GNDに接続されている下側トランジスタ107、109、111をON状態とすることにより下側トランジスタ107、109、111に回生電流を発生/消費させることによる制動動作を行っている。
【0027】
図4の下部にPRI DRIVER部358におけるショートブレーキ回路の構成例を記載した。WH125、VH124、UH123、WL126、VL127、UL128を駆動する信号502、503、504、505、506、507に対して制御ロジック510〜515を設ける。ショートブレーキ信号501がHIレベルとなった場合、NOTゲート508により制御ロジックの510〜512のS入力がセットされ出力線WH125、VH124、UH123はすべてHI出力し、また、R入力513〜515がリセットされ、出力線WL126、VL127、UL128はすべてLOWレベルとなる。この結果、図2のモータ電源105に接続されている上側トランジスタ106、108、110をOFF状態とし、GNDに接続されている下側トランジスタ107、109、111をON状態とすることにより下側トランジスタ107、109、111にショートブレーキとしての回生電流を流すことが可能である。
【0028】
また、図4の出力抑制部380からの出力信号381は、PRI DRIVER部358内部のNOTロジック500で制御ロジック510〜515のR入力で出力をリセットし、WH125、VH124、UH123、WL126、VL127、UL128を駆動する信号502、503、504、505、506、507をすべてLOW状態とし回生電流が流れないように制御できる。
【0029】
図1は、本実施例におけるモータ停止の際のCPU200の処理を示すフローチャートである。図示のように、本実施例装置は、先ず、クロック信号212を停止して(S2,S3)モータの回転速度を減速させる。そして、DCブラシレスモータの回転速度が所定の回転速度まで低下するのを待ち、モータ回転速度検知部101の検知結果が第一の回転速度(ターゲット回転速度408)になったことに応じて(S6)、ショートブレーキを開始してモータの回転を停止させる(S7,S8)。
【0030】
図9は本実施例の変形におけるモータ停止の際のCPU200の処理を示すフローチャートである。図示のように、変形装置は、先ず、前記クロック信号を停止して(S12,S13)モータの回転速度を減速させる。そして、DCブラシレスモータの回転速度が所定の第一の回転速度まで低下するのを待つ(S16)。モータ回転速度検知部101の検知結果が所定の第一の回転速度になったことに応じて逆転ブレーキを開始して(S17)、DCブラシレスモータの回転速度が所定の第2の回転速度まで低下するのを待つ(S18)。モータ回転速度検知部101の検知結果が所定の第2の回転速度になったことに応じてショートブレーキを開始して回転を停止する(S19,S20)。
【0031】
以上説明したように、本実施例およびその変形によればDCブラシレスモータ駆動用のクロック供給を止めることによってモータ巻線に相電流が流れないように出力ドライバを制御し、モータ巻線に電流を流すために使用しているトランジスタやFETなどの半導体のストレスを低減できる。更にモータ停止の際のショートブレーキ時などにおける回生電流などによる熱許容損失での半導体パッケージを大きくするなどの考慮の必要がなくなり、コストダウンが図れる。
【0032】
加えて、モータの回転をストップさせる際に、モータの回転速度を従来回路であるFGパターンからのFG検出回路で補うことにより検出し、予め決められたモータ回転速度に達した時点でショートブレーキや逆転ブレーキをかけることにより従来より早くモータを止めることができる。このため、モータ駆動時間が短くなるための低騒音がなくなる一方、モータの停止段階(電気制御できないメカニカルな惰性回転)における遷移時間も短くできるために次動作への移行時間が短くできるメリットもある。
【実施例2】
【0033】
実施例2である“画像形成装置”について説明する。
図10は、本実施例の画像形成装置(プリンタ)の概略構成を示す断面図である。
図10は、画像形成装置の本体600とその本体基板ユニット602および紙搬送用カセット601を表している。本体基板ユニット602には電流検知手段が実装されている。
【0034】
画像形成装置に接続されたパソコンもしくは複写動作を行うべき操作部(不図示)などから画像形成開始信号が発せられると、選択されたカセットもしくは手差しトレイから給紙動作を開始する。たとえばカセットから給紙された場合について説明すると、先ずピックアップローラにより、カセットから転写材Pが一枚ずつ送り出される。そして記録媒体Pが給紙ガイド18の間を案内されてレジストローラ19まで搬送される。その時レジストローラ19は停止されており、紙先端はニップ部に突き当たる。その後、画像形成部が画像の形成を開始するタイミング信号に基づいてレジストローラ19は回転を始める。この回転時期は、記録媒体Pと画像形成部より中間転写ベルト8上に一次転写されたトナー画像とが二次転写領域においてちょうど一致するようにそのタイミングが設定されている。一方、画像形成部では画像形成動作開始信号が発せられると、各色のドラム上に静電潜像が形成される。副走査方向の画像形成タイミングは中間転写ベルト8の回転方向において一番上流にある感光ドラム(本実施例の場合はY)から順に各画像形成部間の距離に応じて決定され、制御される。また各ドラムの主走査方向の書き出しタイミングについては図示しない回路動作により1つのBDセンサ信号(本実施例ではBKに配置されている)を用いて、擬似BDセンサ信号を生成し制御する。
【0035】
形成された静電潜像は、現像される。感光ドラム32a,32b,32c,32dを駆動するためのドラムモータはDCブラシレスモータであり、更に、三相ブラシレスモータでもあり、実施例1におけるDCブラシレスモータや図2、図4、図5記載の回路がその対象となる。感光ドラムにはクリーニングブレードが当接された状態で、感光ドラム回転中から停止する際にクリーニングブレードの当接部の摩擦によって停止直前に異音を発生する場合がある。そのため、停止直前の停止時間を実施例1により短くすることにより異音の発生時間を短くすることができ、人間が不快に感じる音の抑制が可能となる。
【0036】
そして一番上流にある感光ドラム32a上に形成されたトナー画像が、高電圧が印加された一次転写用帯電器5aによって一次転写領域において中間転写ベルト8に一次転写される。一次転写されたトナー像は次の一次転写領域5bまで搬送される。そこでは前記したタイミング信号により、各画像形成部間をトナー像が搬送される時間だけ遅延して画像形成が行われており、前画像の上にレジストを合わせて次のトナー像が転写されることになる。以下も同様の工程が繰り返され、結局4色のトナー像が中間転写ベルト8上において一次転写される。
【0037】
その後、記録媒体Pが二次転写領域(二次転写ローラ12)に進入し中間転写ベルト8に接触すると、記録媒体Pの通過タイミングに合わせて二次転写ローラ12に、高電圧を印加させる。そして前述したプロセスにより中間転写ベルト8上に形成された4色のトナー画像が記録媒体Pの表面に転写される。二次転写後、記録媒体Pは搬送ガイド34によって定着ローラニップ部まで正確に案内される。そして定着フィルム16a,加圧ローラ16bの熱およびニップの圧力によってトナー画像が記録媒体表面に定着される。その後、外排紙ローラ21により搬送され、記録媒体Pは機外に排出されて一連の画像形成動作を終了する。
【0038】
本実施例では、上流側からイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に配置したが、これは装置の特性で決定されるものでこの限りではない。
【0039】
本実施例での詳細動作と前述したDCブラシレスモータの回転停止制御は実施例1と同様であり説明は省略する。
【符号の説明】
【0040】
101 モータ回転速度検知部
104 クロック発生部
224 ドライバ部
501 CPU200からのショートブレーキを開始させるための信号
530 クロックを停止するための入力信号
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、複合機、レーザープリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置のみならず、DCブラシレスモータを搭載した機器に関し、特に、DCブラシレスモータの回転を停止する際に生じる回生電流の抑制に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、DCブラシレスモータの回転を短時間で止める制御としてショートブレーキがある(例えば、特許文献1参照)。図11にDCブラシレスモータのショートブレーキ動作を行った際の立ち下がりの相電流値403及びモータの回転速度の変化404を示す。図11に示すように、DCブラシレスモータを回転中にショートブレーキ動作を行った場合、相電流値403は401の点でモータドライバの電流リミット値402を超えてしまう。従来は、このようなことがないように、この回生電流に耐え得る定格を持ち、かつ、それに応じた熱的損失耐性を有するモータドライバを備える必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−39197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような回生電流に耐え得るモータドライバは、DCブラシレスモータを回転駆動するのに必要な電流に耐え得るモータドライバよりもその分コスト高となっていた。
【0005】
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、小さな回生電流で、かつ、短時間にモータの回転を止めることのできるDCブラシレスモータ駆動制御装置およびこの駆動制御装置を備えた画像形成装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明では、DCブラシレスモータ駆動制御装置を次の(1)、(2)のとおりに構成し、画像形成装置を次の(3)のとおりに構成する。
【0007】
(1)回転速度を指示するクロック信号に応じて回転速度が制御されるDCブラシレスモータ駆動制御装置であって、
前記DCブラシレスモータの回転停止の際に、先ず、前記クロック信号を停止して前記DCブラシレスモータの回転速度が所定の回転速度まで低下するのを待ち、前記所定の回転速度に達したときにショートブレーキを開始して回転を停止するように制御する制御手段を備えたDCブラシレスモータ駆動制御装置。
【0008】
(2)回転速度を指示するクロック信号に応じて回転速度が制御されるDCブラシレスモータ駆動制御装置であって、
前記DCブラシレスモータの回転停止の際に、先ず、前記クロック信号を停止して前記DCブラシレスモータの回転速度が所定の第一の回転速度まで低下するのを待ち、前記所定の第一の回転速度に達したときに逆転ブレーキを開始して前記DCブラシレスモータの回転速度が所定の第2の回転速度まで低下するのを待ち、前記所定の第2の回転速度に達したときにショートブレーキを開始して回転を停止するように制御する制御手段を備えたDCブラシレスモータ駆動制御装置。
【0009】
(3)前記(1)または(2)に記載のDCブラシレスモータ駆動制御装置を備えた画像形成装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、小さな回生電流で、かつ、短時間にモータの回転を止めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1におけるモータ停止動作を示すフローチャート
【図2】実施例1の構成を示すブロック図
【図3】実施例1におけるモータ回転速度と相電流の推移を示す図
【図4】図2のDRIVER部の詳細図
【図5】出力制御部の詳細図
【図6】出力制御部のシーケンス図
【図7】モータ回転速度と相電流の推移を示す図
【図8】実施例1の変形におけるモータ回転速度と相電流の推移を示す図
【図9】実施例1の変形におけるモータ停止動作を示すフローチャート
【図10】実施例2の構成を示す断面図
【図11】従来例におけるショートブレーキ時のモータ回転速度と相電流の推移を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、DCブラシレスモータ駆動制御装置および画像形成装置の実施例により詳しく説明する。
【実施例1】
【0013】
実施例1である“DCブラシレスモータ駆動制御装置”について説明する。図2は、本実施例のDCブラシレスモータ駆動制御装置の構成を示すブロック図であり、図3は、本実施例装置の挙動を示す図である。図2、図3により本実施例を詳しく説明する。
図3には、本実施例のDCブラシレスモータ駆動制御装置の挙動として、本実施例における、図2のクロック発生部104でのクロック信号212の電圧レベルの変化を止めて単一電圧となった際の時間−モータ回転速度412をプロットして示す。同時に、比較例として、ターゲット回転速度に対応するクロック信号212を供給することによりモータ回転速度までダウンさせた後にショートブレーキをかけた時の時間−モータ回転速度406をプロットし、相電流の違いについてもプロットし示している。
【0014】
比較例の場合、モータの回転速度をターゲット回転速度408に制御した後にショートブレーキをかける。これにより回生電流を小さくことができるが、ターゲット回転速度に対応するクロック信号212を供給し始めてからターゲット回転速度になるまでのモータ個々のバラツキを考慮する必要がある。そのため、ターゲット回転速度に対応するクロック信号212を供給し始めてからショートブレーキをかけるまでの時間的マージンを長くとる必要があり、その結果モータの回転を止めるための時間が期間407の分長くなる。
本実施例では、モータの回転停止の際に、先ず、クロック信号212を停止することによりモータの回転速度を減速させる。そして、モータ回転速度検知部101の検知結果がターゲット回転速度408になったことに応じて、ショートブレーキを開始してモータの回転を停止させる。これにより、回生電流を小さくするとともに、短時間でモータの回転を停止させることができる。
【0015】
図2の530は、クロック発生部104に対してCPU200よりクロックを停止するための信号を表している。501はCPU200からのショートブレーキを開始させるための信号を表している。
【0016】
図4はドライバ部224の内部を示している。予め設定された電流リミット制御部377の出力とPWM制御部378の出力とがコンパレータ部372で比較されるが、この時点ではPWM制御部378からの影響を受け、コンパレータ部372からの出力信号371は、PRI DRIVER部358のモータ巻線への出力線WH125、VH124、UH123、WL126、VL127、UL128の動作をさせてしまい、モータに回生電流を流しかねない。
【0017】
このためクロック信号212がストップしたことを検知し、出力線WH125、VH124、UH123、WL126、VL127、UL128をすべてOFFするための出力抑制部380を設け対処している。
【0018】
図4の出力抑制部380の詳細回路例を図5へ、その動作シーケンスを図6に示した。図5では図2のクロック発生部104の出力のクロック信号212がコンデンサ418でカップリングされており、積分回路部420に入力されている。積分回路部420の出力信号429は、クロック信号212部のエッジ部を積分するため、図6の時点438のクロック信号停止までは図6の429のような波形になる。更にその信号は抵抗424と微分回路421へ入力され微分回路出力430を経て、ピーク検知部422へ入力される。
【0019】
ピーク検知部422内のバッファーの出力435は、図6の時点438のクロック信号停止までは図6の435の波形となる。図5の出力435はピーク検知前の信号でダイオード432により逆流阻止される電荷がコンデンサ433に移動しチャージアップする。この時の図5の信号ライン425の電圧波形を図6の425に示した。図5の信号ライン425には前述のコンデンサ433とパラレルに接続された放電抵抗437があり、この放電抵抗437の抵抗値によってコンデンサ433の放電用の時定数を決定できる。図6の時点438でコンデンサ433の電圧が5Vであったと仮定すると、下記式の初期電圧V0を5.0に代入下記式のRは放電抵抗437の抵抗値を代入、下記式Cはコンデンサ433の容量値を代入する。
V=V0×exp(−t/R×C)
逆に上の式のVを図5のコンパレータ434のREF信号436とすると、放電時間Tは、T=R×C/V0−Vで求めることができる。この放電時間内にクロック信号212から入力された信号により信号ライン425上に充電パルスが得られないと、図6の信号ライン425の電圧がT時間後の時点439でコンパレータ434のREF信号436以下となり、コンパレータの出力信号381が反転することになる。つまりこのクロック信号212の発振が予め決めた時間より止まっていることの判断ができる。
【0020】
たとえばコンパレータ434の出力部をオープンコレクタやオープンドレイン型で構成する場合は、図4に示す出力抑制部380の出力信号381をコンパレータ部372の出力とワイヤードORすることで変化させないように制御できる。その結果、図4のPWM制御部378の影響を排除することが可能である。この時の図4のコンパレータ部372の出力もオープンコレクタやオープンドレイン出力などにし、出力抑制部380の出力信号381と衝突し、中間的な電位にならないようにする。
【0021】
図3の409から411の期間では前述したように図2のクロック発生部104のクロック信号212の発振停止に伴ないドライバ部224のUH123の出力とVH124の出力とWH125の出力とWL126の出力とVL127の出力とUL128の出力がすべてTR1 106とTR2 107とTR3 108とTR4 109とTR5 110とTR6 111がOFFされる方向に働く。
【0022】
モータ巻線U 116とモータ巻線V 117とモータ巻線W 118には電流が殆ど流れなくなる。図3の409と411間での図3の相電流413の波形上にその様子を記載した。その後、クロック数をダウンする従来例のモータ回転速度406の波形では、期間407でターゲット回転速度408にモータの回転速度が収束する時間を考慮していた。しかし、クロック数409ダウンの際にクロック数を0とすることにより、図3では412に示すようにショートブレーキタイミング405の時点でターゲットの回転速度以下にモータ回転速度が下がっている。総じて413のようにショートブレーキタイミング405の時点の回生電流は比較的少なくなり、モータ回転速度412のように従来と比較してモータの停止時間が短くなる。
【0023】
図7を使って説明すると、図7の411で図2のクロック発生部104の出力のクロック信号212の発振信号を停止した際のモータ回転速度406、412と相電流413は前述の図3の説明と同様である。図2のモータ回転速度検知部101は、FGパターンおよびその周辺回路から構成される。そして、モータの回転速度が図7のターゲット回転速度408になったことを検出した際に、図2のモータ回転速度検知部101の出力制御信号100によりクロック発生部104のクロック信号出力ライン129にクロック信号を出力するように指示する。これによりショートブレーキの制御のため、出力抑制部380の出力信号381を解除できる。ターゲット回転速度408でショートブレーキを掛けることにより、図3で説明のショートブレーキタイミング405に比べて、図7の407の期間早い415のタイミングでショートブレーキを掛けることができる。このため、モータの停止時間をより少なくすることが可能となる。
【0024】
但し、図7におけるターゲット回転速度408は、ショートブレーキ時の際に相電流の電流リミット値402を超えないように、図7のピーク値414を予め決めておく。
【0025】
図8は本実施例の変形の動作を示す図である。図示のように、モータ回転速度が予め決められた第一の回転速度440になった時点442でUVWのモータ巻線の駆動方向を逆にしてショートブレーキより更に制動力を増す逆転ブレーキを掛けた際のモータ回転速度―時間の推移445をプロットして示した。図8の第二の回転速度441になるタイミング443でショートブレーキを掛けることで図7に記載のモータ回転速度の推移416より更にモータの停止時間が短くなっている。その際の相電流の推移は図8の444である。前述してきた相電流はU相、V相、W相のどのモータ巻線116、117、118でも同様となる。
前述したトランジタ106〜111は、バイポーラ、CMOS、FETなどが使用できる。
【0026】
本実施例では、DCブラシレスモータとして記載の三相ブラシレスモータにより説明を加えたが、三相以外のDCブラシレスモータでも同様の制御が可能となる。
また、ショートブレーキでは、図2のモータ電源105に接続されている上側トランジスタ106、108、110をOFF状態とし、GNDに接続されている下側トランジスタ107、109、111をON状態とすることにより下側トランジスタ107、109、111に回生電流を発生/消費させることによる制動動作を行っている。
【0027】
図4の下部にPRI DRIVER部358におけるショートブレーキ回路の構成例を記載した。WH125、VH124、UH123、WL126、VL127、UL128を駆動する信号502、503、504、505、506、507に対して制御ロジック510〜515を設ける。ショートブレーキ信号501がHIレベルとなった場合、NOTゲート508により制御ロジックの510〜512のS入力がセットされ出力線WH125、VH124、UH123はすべてHI出力し、また、R入力513〜515がリセットされ、出力線WL126、VL127、UL128はすべてLOWレベルとなる。この結果、図2のモータ電源105に接続されている上側トランジスタ106、108、110をOFF状態とし、GNDに接続されている下側トランジスタ107、109、111をON状態とすることにより下側トランジスタ107、109、111にショートブレーキとしての回生電流を流すことが可能である。
【0028】
また、図4の出力抑制部380からの出力信号381は、PRI DRIVER部358内部のNOTロジック500で制御ロジック510〜515のR入力で出力をリセットし、WH125、VH124、UH123、WL126、VL127、UL128を駆動する信号502、503、504、505、506、507をすべてLOW状態とし回生電流が流れないように制御できる。
【0029】
図1は、本実施例におけるモータ停止の際のCPU200の処理を示すフローチャートである。図示のように、本実施例装置は、先ず、クロック信号212を停止して(S2,S3)モータの回転速度を減速させる。そして、DCブラシレスモータの回転速度が所定の回転速度まで低下するのを待ち、モータ回転速度検知部101の検知結果が第一の回転速度(ターゲット回転速度408)になったことに応じて(S6)、ショートブレーキを開始してモータの回転を停止させる(S7,S8)。
【0030】
図9は本実施例の変形におけるモータ停止の際のCPU200の処理を示すフローチャートである。図示のように、変形装置は、先ず、前記クロック信号を停止して(S12,S13)モータの回転速度を減速させる。そして、DCブラシレスモータの回転速度が所定の第一の回転速度まで低下するのを待つ(S16)。モータ回転速度検知部101の検知結果が所定の第一の回転速度になったことに応じて逆転ブレーキを開始して(S17)、DCブラシレスモータの回転速度が所定の第2の回転速度まで低下するのを待つ(S18)。モータ回転速度検知部101の検知結果が所定の第2の回転速度になったことに応じてショートブレーキを開始して回転を停止する(S19,S20)。
【0031】
以上説明したように、本実施例およびその変形によればDCブラシレスモータ駆動用のクロック供給を止めることによってモータ巻線に相電流が流れないように出力ドライバを制御し、モータ巻線に電流を流すために使用しているトランジスタやFETなどの半導体のストレスを低減できる。更にモータ停止の際のショートブレーキ時などにおける回生電流などによる熱許容損失での半導体パッケージを大きくするなどの考慮の必要がなくなり、コストダウンが図れる。
【0032】
加えて、モータの回転をストップさせる際に、モータの回転速度を従来回路であるFGパターンからのFG検出回路で補うことにより検出し、予め決められたモータ回転速度に達した時点でショートブレーキや逆転ブレーキをかけることにより従来より早くモータを止めることができる。このため、モータ駆動時間が短くなるための低騒音がなくなる一方、モータの停止段階(電気制御できないメカニカルな惰性回転)における遷移時間も短くできるために次動作への移行時間が短くできるメリットもある。
【実施例2】
【0033】
実施例2である“画像形成装置”について説明する。
図10は、本実施例の画像形成装置(プリンタ)の概略構成を示す断面図である。
図10は、画像形成装置の本体600とその本体基板ユニット602および紙搬送用カセット601を表している。本体基板ユニット602には電流検知手段が実装されている。
【0034】
画像形成装置に接続されたパソコンもしくは複写動作を行うべき操作部(不図示)などから画像形成開始信号が発せられると、選択されたカセットもしくは手差しトレイから給紙動作を開始する。たとえばカセットから給紙された場合について説明すると、先ずピックアップローラにより、カセットから転写材Pが一枚ずつ送り出される。そして記録媒体Pが給紙ガイド18の間を案内されてレジストローラ19まで搬送される。その時レジストローラ19は停止されており、紙先端はニップ部に突き当たる。その後、画像形成部が画像の形成を開始するタイミング信号に基づいてレジストローラ19は回転を始める。この回転時期は、記録媒体Pと画像形成部より中間転写ベルト8上に一次転写されたトナー画像とが二次転写領域においてちょうど一致するようにそのタイミングが設定されている。一方、画像形成部では画像形成動作開始信号が発せられると、各色のドラム上に静電潜像が形成される。副走査方向の画像形成タイミングは中間転写ベルト8の回転方向において一番上流にある感光ドラム(本実施例の場合はY)から順に各画像形成部間の距離に応じて決定され、制御される。また各ドラムの主走査方向の書き出しタイミングについては図示しない回路動作により1つのBDセンサ信号(本実施例ではBKに配置されている)を用いて、擬似BDセンサ信号を生成し制御する。
【0035】
形成された静電潜像は、現像される。感光ドラム32a,32b,32c,32dを駆動するためのドラムモータはDCブラシレスモータであり、更に、三相ブラシレスモータでもあり、実施例1におけるDCブラシレスモータや図2、図4、図5記載の回路がその対象となる。感光ドラムにはクリーニングブレードが当接された状態で、感光ドラム回転中から停止する際にクリーニングブレードの当接部の摩擦によって停止直前に異音を発生する場合がある。そのため、停止直前の停止時間を実施例1により短くすることにより異音の発生時間を短くすることができ、人間が不快に感じる音の抑制が可能となる。
【0036】
そして一番上流にある感光ドラム32a上に形成されたトナー画像が、高電圧が印加された一次転写用帯電器5aによって一次転写領域において中間転写ベルト8に一次転写される。一次転写されたトナー像は次の一次転写領域5bまで搬送される。そこでは前記したタイミング信号により、各画像形成部間をトナー像が搬送される時間だけ遅延して画像形成が行われており、前画像の上にレジストを合わせて次のトナー像が転写されることになる。以下も同様の工程が繰り返され、結局4色のトナー像が中間転写ベルト8上において一次転写される。
【0037】
その後、記録媒体Pが二次転写領域(二次転写ローラ12)に進入し中間転写ベルト8に接触すると、記録媒体Pの通過タイミングに合わせて二次転写ローラ12に、高電圧を印加させる。そして前述したプロセスにより中間転写ベルト8上に形成された4色のトナー画像が記録媒体Pの表面に転写される。二次転写後、記録媒体Pは搬送ガイド34によって定着ローラニップ部まで正確に案内される。そして定着フィルム16a,加圧ローラ16bの熱およびニップの圧力によってトナー画像が記録媒体表面に定着される。その後、外排紙ローラ21により搬送され、記録媒体Pは機外に排出されて一連の画像形成動作を終了する。
【0038】
本実施例では、上流側からイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に配置したが、これは装置の特性で決定されるものでこの限りではない。
【0039】
本実施例での詳細動作と前述したDCブラシレスモータの回転停止制御は実施例1と同様であり説明は省略する。
【符号の説明】
【0040】
101 モータ回転速度検知部
104 クロック発生部
224 ドライバ部
501 CPU200からのショートブレーキを開始させるための信号
530 クロックを停止するための入力信号
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転速度を指示するクロック信号に応じて回転速度が制御されるDCブラシレスモータ駆動制御装置であって、
前記DCブラシレスモータの回転停止の際に、先ず、前記クロック信号を停止して前記DCブラシレスモータの回転速度が所定の回転速度まで低下するのを待ち、前記所定の回転速度に達したときにショートブレーキを開始して回転を停止するように制御する制御手段を備えたことを特徴とするDCブラシレスモータ駆動制御装置。
【請求項2】
回転速度を指示するクロック信号に応じて回転速度が制御されるDCブラシレスモータ駆動制御装置であって、
前記DCブラシレスモータの回転停止の際に、先ず、前記クロック信号を停止して前記DCブラシレスモータの回転速度が所定の第一の回転速度まで低下するのを待ち、前記所定の第一の回転速度に達したときに逆転ブレーキを開始して前記DCブラシレスモータの回転速度が所定の第2の回転速度まで低下するのを待ち、前記所定の第2の回転速度に達したときにショートブレーキを開始して回転を停止するように制御する制御手段を備えたことを特徴とするDCブラシレスモータ駆動制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のDCブラシレスモータ駆動制御装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
回転速度を指示するクロック信号に応じて回転速度が制御されるDCブラシレスモータ駆動制御装置であって、
前記DCブラシレスモータの回転停止の際に、先ず、前記クロック信号を停止して前記DCブラシレスモータの回転速度が所定の回転速度まで低下するのを待ち、前記所定の回転速度に達したときにショートブレーキを開始して回転を停止するように制御する制御手段を備えたことを特徴とするDCブラシレスモータ駆動制御装置。
【請求項2】
回転速度を指示するクロック信号に応じて回転速度が制御されるDCブラシレスモータ駆動制御装置であって、
前記DCブラシレスモータの回転停止の際に、先ず、前記クロック信号を停止して前記DCブラシレスモータの回転速度が所定の第一の回転速度まで低下するのを待ち、前記所定の第一の回転速度に達したときに逆転ブレーキを開始して前記DCブラシレスモータの回転速度が所定の第2の回転速度まで低下するのを待ち、前記所定の第2の回転速度に達したときにショートブレーキを開始して回転を停止するように制御する制御手段を備えたことを特徴とするDCブラシレスモータ駆動制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のDCブラシレスモータ駆動制御装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−193648(P2010−193648A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−36508(P2009−36508)
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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