説明

HCV阻害剤

本願はヒトの疾患の処置、予防および/または改善に有用である有機化合物を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
C型肝炎ウイルス(HCV)は、非A型非B型肝炎(NANBH)、とりわけ血液関連NANBH(BB−NANBH)の主たる原因ウイルスとして理解されている(+)センス1本鎖RNAウイルスである。NANBHは、A型肝炎ウイルス(HAV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、デルタ肝炎ウイルス(HDV)、サイトメガロウイルス(CMV)およびEpstein-Barrウイルス(EBV)のような他のタイプのウイルス誘導性肝臓疾患、ならびに他の形態の肝臓疾患、例えばアルコール依存症および原発性胆汁性肝硬変とは区別されている。
【背景技術】
【0002】
近年、ポリペプチドプロセッシングおよびウイルス複製に必要なHCVプロテアーゼが同定され、クローン化され、発現された(例えば、米国特許第5,712,145号参照)。この約3000アミノ酸ポリタンパク質は、アミノ末端からカルボキシ末端まで、ヌクレオカプシドタンパク質(C)、エンベロープタンパク質(E1およびE2)および様々な非構造タンパク質(NS1、2、3、4a、5aおよび5b)を含む。NS3は、約68kdaのタンパク質であり、HCVゲノムの約1893ヌクレオチドによってコード化され、2個の異なるドメイン:(a)約200個のN−末端アミノ酸から成るセリンプロテアーゼドメイン;および(b)プロテアーゼのC末端にRNA依存性ATPアーゼドメインを有する。NS3プロテアーゼは、タンパク質配列、全体の3次元構造および触媒機構の類似性のため、キモトリプシンファミリーのメンバーと考えられている。HCV NS3セリンプロテアーゼは、NS3/NS4a、NS4a/NS4b、NS4b/NS5aおよびNS5a/NS5b結合でポリペプチド(ポリタンパク質)のタンパク質分解に関与し、したがってウイルス複製中に4種のウイルスタンパク質生成に関与する。これは、HCV NS3セリンプロテアーゼを抗ウイルス化学療法の魅力的な標的にしてきた。
【0003】
約6kdaのポリペプチドであるNS4aタンパク質は、NS3のセリンプロテアーゼ活性のコファクターであると決定されている。NS3/NS4aセリンプロテアーゼによるNS3/NS4a結合の自己切断は分子内で(すなわち、シス)起こるが、他の切断部位は分子間で(すなわち、トランス)処理される。
【0004】
HCVは、肝硬変および肝細胞癌腫の誘導に関与している。HCV感染を有する患者の予後は、現在不良である。HCV感染は、HCV感染に関連する免疫または寛解の欠如のため、他の形態の肝炎よりも処置が困難である。現在のデータは、肝硬変診断後4年で50%未満の生存率を示している。切除可能な限局性肝細胞癌腫と診断された患者は、10〜30%の5年生存率を有するが、切除不可能な限局性肝細胞癌腫では、1%未満の生存率を有する。
【0005】
現在のC型肝炎処置には、インターフェロン−α(INFα)およびリバビリンとインターフェロンの組合せ療法が含まれる。例えば、Beremguer et al. (1998) Proc. Assoc. Am. Physicians 110(2):98-112参照。これらの治療は低持続応答率および頻繁な副作用を有する。例えば、Hoofnagle et al. (1997) N. Engl. J. Med. 336:347参照。現在、HCV感染のワクチンは入手できない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明の要約
HCV感染およびHCV関連障害の新規処置および治療が必要である。HCVの1個以上の症状の処置または予防または改善に有用な化合物、およびHCVの1個以上の症状の処置または予防または改善法も必要である。さらに、本発明で提供される化合物を用いた、HCVセリンプロテアーゼ、とりわけHCV NS3/NS4aセリンプロテアーゼの調節法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの局面において、本発明は式I
【化1】

の化合物ならびにその薬学的に許容される塩および立体異性体を提供する。
【0008】
1つの態様において、本発明は、HCV関連障害の処置法であって、それを必要とする対象に薬学的許容量の本発明の化合物を投与してHCV関連障害を処置することを含んで成る方法を提供する。
【0009】
他の態様において、本発明は、HIV感染の処置法であって、それを必要とする対象に、薬学的許容量の本発明の化合物を投与することを含んで成る方法を提供する。
【0010】
さらに他の態様において、本発明は、必要とする対象におけるHCVの活性の処置、阻害または予防法であって、かかる対象に薬学的許容量の本発明の化合物を投与することを含んで成る方法を提供する。1つの態様において、本発明の化合物は、NS2プロテアーゼ、NS3プロテアーゼ、NS3ヘリカーゼ、NS5aタンパク質、および/またはNS5bポリメラーゼの活性を阻害する。他の態様において、NS3プロテアーゼとNS4Aコファクターの間の相互作用を阻害する。さらに他の態様において、本発明の化合物は、HCVのNS4A−NS4B、NS4B−NS5AおよびNS5A−NS5B結合の1個以上の切断を防止または変更する。他の態様において、本発明は、セリンプロテアーゼ活性の阻害法であって、当該セリンプロテアーゼを本発明の化合物と接触させることを含んで成る方法を提供する。他の態様において、本発明は、必要とする対象におけるHCV活性の処置、阻害または予防法であって、かかる対象に薬学的許容量の、HCVライフサイクルのいずれかの標的と相互作用する本発明の化合物を投与することを含んで成る方法を提供する。1つの態様において、HCVライフサイクルの標的は、NS2プロテアーゼ、NS3プロテアーゼ、NS3ヘリカーゼ、NS5aタンパク質およびNS5bポリメラーゼから成る群から選択される。
【0011】
他の態様において、本発明は、必要とする対象におけるHCV RNA負荷の減少法であって、かかる対象に薬学的許容量の本発明の化合物を投与することを含んでなる方法を提供する。
【0012】
他の態様において、本発明の化合物はHCVプロテアーゼ活性を示す。1つの態様において、化合物はHCV NS3−4Aプロテアーゼ阻害剤である。
【0013】
他の態様において、本発明は対象におけるHCV関連障害の処置法であって、それを必要とする対象に、薬学的許容量の本発明の化合物と薬学的に許容される担体を投与してHCV関連障害を処置することを含んで成る方法を提供する。
【0014】
さらに他の態様において、本発明は、HCV関連障害の処置法であって、それを必要とする対象に薬学的許容量の本発明の化合物を、薬学的有効量の他のHCV調節化合物、例えばインターフェロンもしくはインターフェロン誘導体、またはシトクロームP450モノオキシゲナーゼ阻害剤との組合せで投与することを含んで成る方法を提供する。1つの態様において、さらなるHCV調節化合物は、Sch 503034およびVX−950から成る群から選択される。
【0015】
他の態様において、本発明は、細胞におけるC型肝炎ウイルス複製の阻害法であって、当該細胞を本発明の化合物と接触させることを含んで成る方法を提供する。
【0016】
さらに他の態様において、本発明は、本発明のHCV調節化合物を含み、有効量のHCV調節化合物をHCV関連疾患の処置に使用するための指示書とパッケージされたHCV関連障害処置パッケージを提供する。
【0017】
ある態様において、HCV関連障害は、HCV感染、肝硬変、慢性肝臓疾患、肝細胞癌腫、クリオグロブリン貧血、非ホジキンリンパ腫および先天性細胞内免疫応答抑制から成る群から選択される。
【0018】
他の態様において、本発明は、対象におけるHCV感染、肝硬変、慢性肝臓疾患、肝細胞癌腫、クリオグロブリン貧血、非ホジキンリンパ腫および/または先天性細胞内免疫応答抑制の処置法であって、かかる対象に薬学的許容量の本発明の化合物を投与することを含んで成る方法を提供する。
【0019】
1つの態様において、処置するHCVは、あらゆるHCV遺伝子型から選択される。他の態様において、HCVは、HCV遺伝子型1、2および/または3から選択される。
【発明の効果】
【0020】
発明の詳細な説明
本発明は、化合物、例えばペプチド化合物およびその中間体、ならびにHCV感染の処置に用いるための当該化合物を含む医薬組成物に関する。本発明はまた、プロテアーゼ阻害剤としての、とりわけセリンプロテアーゼ阻害剤としての、さらにとりわけ、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤としての本発明の化合物またはその組成物に関する。化合物はとりわけ、C型肝炎ウイルスのライフサイクルへの干渉、およびhCV感染またはそれに関連する生理的状態の処置または予防に有用である。本発明はまた、細胞におけるHCV複製の阻害のための、または患者のHCV感染の処置または予防のための、本発明の化合物または医薬組成物、またはそのキットを用いた組合せ治療法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
1つの局面において、本発明は、式I
【化2】

〔式中、
xは0または1であり;
yは0または1であり;
、R、R、R、R、W、R13およびVは各々独立して、水素からまたはアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール−ヘテロアリール、アルキル−ヘテロアリール、シクロアルキル、アルキルオキシ、アラルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、シクロアルキルオキシ、アミノ、モノ−およびジ−アルキルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、ヘテロアリールアミノ、シクロアルキルアミノ、カルボキシアルキルアミノ、アリール(arlyl)アルキルオキシおよびヘテロシクリルアミノから成る群から選択され;これらは各々さらに独立して、XおよびXで1個以上置換されていてもよく;式中、Xはアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アリールヘテロアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルアミノ、アルキルヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであり;式中、Xは独立して、同一もしくは異なっていてもよくそして独立して選択される1個以上のXで置換されていてもよく;式中、Xはヒドロキシ、アルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、カルボキシ、カルボアルコキシ、カルボキサミド、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルウレイド、アリールウレイド、ハロゲン、シアノ、ケト、エステルまたはニトロであり;式中、前記アルキル、アルコキシおよびアリールは各々、非置換であるか、または所望により独立して、同一または異なっていてもよくそして独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アリールヘテロアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルアミノ、アルキルヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルから選択される1個以上の基で置換されていてもよく;
【0022】
Wは、C(O)OH、C(O)OR24、C(O)−アミン、C(O)−C(O)OH、C(=N−O−R24)−C(O)−アミン、C(O)N(H)S(O)24、C(O)−C(O)−アミン、CON(H)SO−アミンならびにC(O)−[C(O)]−ヘテロ環(式中、ヘテロ環は置換または非置換であり得て、aは0または1であり、各R24は独立して、H、ハロゲン、ヒドロキシ、COOH、アミノ、C(O)NH、C1−4−アルキル、C3−6−シクロアルキルC0−4アルキル、C3−6−シクロアルキルC0−4アルコキシ、モノ−およびジC1−4アルキルアミノ、アリール、アリールオキシ、アラルキル、アラルキルオキシ、ヘテロ環C0−4アルキルおよびヘテロ環C0−4アルコキシから成る群から選択される)から成る群からも選択され;
Vは、−Q−Q{式中、Qは存在しないか、C(O)、N(H)、N(C1−4−アルキル)、C=N(CN)、C=N(SOCH)またはC=N−COHであり、そしてQはHであるか、またはC1−4−アルキル、O−C1−4−アルキル、NH、N(H)−C1−4−アルキル、N(C1−4−アルキル)、SO−アリール、SO−C1−4−アルキル、C3−6−シクロアルキル−C0−4−アルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロ環(これらは各々独立して、ハロゲン原子、C1−4−アルキル、1個以上のハロゲン原子で置換されたC1−4−アルキルまたはC3−6−シクロアルキルで1個以上置換されていてもよい)である}から成る群からも選択され;
、R、R、R10、R11およびR13は各々独立して、H、C1−4−アルキルおよびC3−6シクロアルキルC0−4アルキルから成る群から選択され;そして
12は、H、C1−4−アルキル、C3−6シクロアルキルC0−4アルキルおよびアリールから成る群から選択されるか;
【0023】
またはRとRは一体となって、芳香族性または非芳香族性であり、1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよく、さらに1個以上置換されていてもよい3、4、5、6または7−員環を形成してもよいか;
またはR11とVは一体となって、芳香族性または非芳香族性であり、1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよく、さらに1個以上置換されていてもよい3、4、5、6または7−員環を形成してもよいか;
またはxとyが0であるとき、RとVが一体となって、芳香族性または非芳香族性であり、1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよく、さらに1個以上置換されていてもよい3、4、5、6または7−員環を形成してもよい〕
の化合物ならびにその薬学的に許容される塩および立体異性体を提供する。
【0024】
式Iの1つの態様において、yが0または1であり;
がHおよびC1−4−アルキルから成る群から選択され;
がC1−4−アルキル、C(O)C1−4−アルキル、C(O)OC1−4−アルキル、およびC3−6シクロアルキルC0−4アルキルから成る群から選択されるか;
またはRとRが一体となって、芳香族性または非芳香族性であり、1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよく、さらに1個以上置換されていてもよい3、4、5、6または7−員環を形成してもよく;
WがC(O)OH、C(O)OR24、C(O)−アミン、C(O)−C(O)OH、C(=N−O−R24)−C(O)−アミン、C(O)N(H)S(O)24、C(O)−C(O)−アミン、CON(H)SO−アミンおよびC(O)−[C(O)]−ヘテロ環(式中、ヘテロ環は置換または非置換であり得て、aは0または1であり、各R24は独立して、H、ハロゲン、ヒドロキシ、COOH、アミノ、C(O)NH、C1−4−アルキル、C3−6−シクロアルキルC0−4アルキル、C3−6−シクロアルキルC0−4アルコキシ、モノ−およびジC1−4アルキルアミノ、アリール、アリールオキシ、アラルキル、アラルキルオキシ、ヘテロ環C0−4アルキルおよびヘテロ環C0−4アルコキシから成る群から選択される)から成る群からも選択され;
がHおよびC1−4−アルキルから成る群から選択され;
およびRが各々独立して、H、C1−4−アルキル、C3−6−シクロアルキル、C3−6シクロアルキルC0−4アルキル、アリール、アラルキルおよびヘテロ環(これらは各々独立して1個以上置換されていてもよい)から成る群から選択され;
がHであり;
、R10およびR11が各々独立して、HおよびC1−4−アルキルから成る群から選択され;
13がHであり;
がH、C1−4−アルキルおよびC3−6−シクロアルキルから成る群から選択され;
12がH、C1−4−アルキル、C3−6−シクロアルキルおよびアリールから成る群から選択され;そして
Vが−Q−Q{式中、Qは存在しないか、C(O)、S(O)、N(H)、N(C1−4−アルキル)、C=N(CN)、C=N(SOCH)、C=N−COHまたはC=N−COC1−4アルキルであり、そしてQはHであるか、またはC1−4−アルキル、O−C1−4−アルキル、NH、N(H)−C1−4−アルキル、N(C1−4−アルキル)、SO−アリール、SO−C1−4−アルキル、C3−6−シクロアルキル−C0−4−アルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロ環(これらは各々独立して、ハロゲン原子、C1−4−アルキル、1個以上のハロゲン原子で置換されたC1−4−アルキルまたはC3−6−シクロアルキルで1個以上置換されていてもよい)である}から成る群から選択されるか;
またはR11とVがさらに置換されていてもよい下記
【化3】

5−員環を形成する。
【0025】
式Iの他の態様において、R11とVが下記構造
【化4】

を形成する。
【0026】
式Iのさらに他の態様において、R10がC(O)C1−4−アルキルである。式Iのさらに他の態様において、R12
【化5】

である。
【0027】
式Iの他の態様において、RがH、シクロペンチルメチル、シクロプロピルメチル、シクロペンチル、シクロプロピルおよびベンジルから成る群から選択される。他の態様において、R12がt−ブチルおよびシクロヘキシルから成る群から選択される。さらに他の態様において、RがHおよびt−ブチルから成る群から選択される。
【0028】
他の態様において、式Iが、式
【化6】

〔式中、R、R、R、R、R、R、WおよびVは式Iで記載の意味を有する〕
の化合物である。
【0029】
式IIの1つの態様において、RおよびRがHである。式IIの他の態様において、Vが−C(O)CHまたは
【化7】

である。
【0030】
式IIの他の態様において、RがCH−シクロペンチルまたはCH−ナフチルである。他の態様において、RとVが一体となって、下記6−員環
【化8】

を形成する。
【0031】
式IIの他の態様において、RがペンチルおよびCH−シクロブチルから成る群から選択される。
【0032】
本発明の化合物の1つの態様において、Rがプロピルおよび2−シクロブチル−エチルから成る群から選択される。他の態様において、R11がHであり、そしてR12がC3−6−シクロアルキルである。
【0033】
本発明の化合物の他の態様において、W、RおよびRが下記式
【化9】

〔式中、R33はH、フェニル、メチル、CF、tBu、NO、Cl、CN、NH、OH、NHCH、NHCHCH、NHCH(CH、OCH、NHPh、OPh、NHCOCH、NHCOPh、OCH2Ph、COCH、COEt、COCH、CONHPhおよびCONHCHから成る群から選択されるか、またはR33は、フェニル環と組み合わさってナフチル環系またはインドリル環系を形成する縮合環であってもよい〕
の置換基を形成する。
【0034】
本発明の化合物のさらに他の態様において、W、RおよびRが、
【化10】

【化11】

【化12】

から成る群から選択される置換基を形成する。
【0035】
本発明の化合物の他の態様において、ヘテロ環基のいずれかが独立して、アクリジニル、カルバゾリル、シノリニル、キノキサリニル、ピラゾリル、インドリル、ベンゾトリアゾリル、フラニル、チエニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、テトラヒドロキノリン、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、カルバゾリル、カルボリニル、シノリニル、フラニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、インドラジニル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ナフトピリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、オキサゾリン、イソキサゾリン、オキセタニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドピリジニル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、テトラヒドロピラニル、テトラゾリル、テトラゾロピリジル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、アゼチジニル、1,4−ジオキサニル、ヘキサヒドロアゼピニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピリジン−2−オニル、ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロフラニル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロイソチアゾリル、ジヒドロオキサジアゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロテトラゾリル、ジヒドロチアジアゾリル、ジヒドロチアゾリル、ジヒドロチエニル、ジヒドロトリアゾリル、ジヒドロアゼチジニル、メチレンジオキシベンゾイル、テトラヒドロフラニルおよびテトラヒドロチエニル、ならびにそのN−オキシド(これらは各々独立して、ハロゲン原子、C1−4−アルキル、1個以上のハロゲン原子で置換されたC1−4−アルキルまたはC3−6−シクロアルキルで1個以上置換されていてもよい)から成る群から選択される。
【0036】
本発明の化合物の他の態様において、WがC(O)−C(O)−N(H)−シクロプロピルである。本発明の化合物のさらに他の態様において、VがC(O)R24、C(O)N(H)R24およびC(O)OR24(式中、各R24は独立して、H、ハロゲン、ヒドロキシ、COOH、アミノ、C(O)NH、C1−4−アルキル、C3−6−シクロアルキルC0−4アルキル、C3−6−シクロアルキルC0−4アルコキシ、モノ−およびジC1−4アルキルアミノ、アリール、アリールオキシ、アラルキル、アラルキルオキシ、ヘテロ環C0−4アルキルおよびヘテロ環C0−4アルコキシから成る群から選択される)から成る群から選択される。
【0037】
本発明の化合物のさらに他の態様において、Vがベンジル、置換ベンジル、ナフチル、C1−4−アルキルおよび
【化13】

から成る群から選択される。
【0038】
本発明の化合物の他の態様において、C3−6−シクロアルキル基のいずれかが、独立してハロゲン原子、アリール、トリハロメチルまたはC1−4−アルキルで1個以上置換されていてもよい。他の態様において、WがC(O)−C(O)N(R23{式中、R23は独立して、水素からまたはC1−4−アルキル、C3−6−シクロアルキルC0−4アルキル、アリールおよびヘテロ環(これらは各々独立して、ハロゲン原子またはC1−4−アルキルで1個以上置換されていてもよい)から成る群から選択される}から成る群から選択される。さらに他の態様において、Wが、C(O)−C(O)NH、C(O)−C(O)N(H)−シクロプロピル、C(O)−ベンゾチアゾール、C(O)−ベンゾイミダゾール、C(O)−オキサゾール、C(O)−イミダゾールおよびC(O)−オキサジアゾール(式中、前記ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、オキサゾールおよびオキサジアゾール基は独立して、ハロゲン原子、アリール、トリハロメチル、C3−6−シクロアルキルC0−4アルキルまたはC1−4−アルキルで1個以上置換されていてもよい)から成る群から選択される。
【0039】
本発明の化合物の他の態様において、Wが
【化14】

〔式中、R19は水素、ハロゲン原子、アリール、トリハロメチルおよびC1−4−アルキルから成る群から選択される〕
から成る群から選択される。
【0040】
本発明の化合物の他の態様において、Rが2,2−ジフルオロエチル、プロピル、シクロブチル−メチルおよび2−シクロブチル−エチルから成る群から選択される。他の態様において、R11がHであり、そしてR12がC3−6−シクロアルキルである。さらに他の態様において、R12がシクロヘキシルである。
【0041】
本発明の化合物のさらに他の態様において、VがC(O)−N(H)−t−ブチルである。他の態様において、VがC(O)−R20{式中、R20はC3−6−シクロアルキル、フェニル、ピラジン、ベンゾオキサゾール、4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−オキサゾール、ベンゾイミダゾール、ピリミジン、ベンゾチアゾール1,1−ジオキシドおよびキナゾリン(これらは各々独立して、ハロゲン原子、CF、C1−4−アルキルまたはC3−6−シクロアルキルでさらに置換されていてもよい)から成る群から選択される}である。他の態様において、VがC(O)−R20(式中、R20
【化15】

〔式中、R18は水素、ハロゲン原子、アリール、トリハロメチルおよびC1−4−アルキルから成る群から選択される〕
から成る群から選択される)
である。さらに他の態様において、VがC(O)−R20(式中、R20
【化16】

〔式中、R18は水素、ハロゲン原子、アリール、トリハロメチルおよびC1−4−アルキルから成る群から選択される〕
から成る群から選択される)
である。
【0042】
本発明の化合物の他の態様において、VがC3−6−シクロアルキル、フェニル、ピラジン、ベンゾオキサゾール、4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−オキサゾール、ベンゾイミダゾール、ピリミジン、ベンゾチアゾール 1,1−ジオキシドおよびキナゾリン(これらは各々独立して、ハロゲン原子、CF、C1−4−アルキルまたはC3−6−シクロアルキルでさらに置換されていてもよい)から成る群から選択される。他の態様において、Vが
【化17】

〔式中、R18は水素、ハロゲン原子、アリール、トリハロメチルおよびC1−4−アルキルから成る群から選択される〕
から成る群から選択される)
である。
【0043】
本発明の化合物の他の態様において、Vが
【化18】

〔式中、R18は水素、ハロゲン原子、アリール、トリハロメチルおよびC1−4−アルキルから成る群から選択される〕
から成る群から選択される)
である。
【0044】
本発明の化合物のさらに他の態様において、WがC(O)−C(O)−アミノである。本発明の化合物のさらに他の態様において、R13がHであり、そしてVがC=N(H)NH、C=N(CN)NHおよびC(O)NHから成る群から選択される。他の態様において、WがC(O)N(H)S(O)24{式中、R24はH、C1−4−アルキル、(CH0−4−C3−6−シクロアルキル、置換もしくは非置換アリールおよび置換もしくは非置換ヘテロ環(これらは各々独立して、ハロゲン原子またはC1−4−アルキルで1個以上置換されていてもよい)から成る群から選択される}である。さらに他の態様において、WがCOOHであり、RがHであり、そしてRがプロピル、2,2−ジフルオロエチルおよびCH−シクロブチルから成る群から選択されるか、またはRとRが一体となって、ビニル基でさらに置換されていてもよいシクロプロピル基を形成する。
【0045】
本発明の化合物の他の態様において、RとRが、下記式:
【化19】

の置換基を形成する。
【0046】
本発明の化合物の他の態様において、W、RおよびRが下記式:
【化20】

の置換基を形成する。
【0047】
本発明の化合物のさらに他の態様において、W、RおよびRが下記式:
【化21】

〔式中、各24は独立して、H、置換もしくは非置換−C1−4−アルキル、置換もしくは非置換−C3−6−シクロアルキルC0−4アルキル、置換もしくは非置換−アリールまたは置換もしくは非置換−ヘテロ環である〕
の置換基を形成する。
【0048】
本発明の化合物の他の態様において、R24
【化22】

から成る群から選択される。
【0049】
本発明の化合物のさらに他の態様において、W、RおよびR
【化23】

から成る群から選択される置換基を形成する。
【0050】
本発明の化合物のさらに他の態様において、Vが、アシル、SO−R24、C(O)N(R24、C(O)O(R24およびN(H)R24{式中、各R24は水素であるか、または独立して、アミノ、C1−4−アルキル、モノ−およびジ−C1−4アルキルアミノ、C3−6−シクロアルキルC0−4アルキル、アリール、アリールオキシおよびヘテロ環(これらは各々独立して、ハロゲン原子またはC1−4−アルキルで1個以上置換されていてもよい)から成る群から選択される}から成る群から選択される。
【0051】
本発明の化合物の好ましい態様(その薬学的に許容される塩、ならびにそのエナンチオマー、立体異性体、回転異性体、互変異性体、ジアステレオマーまたはラセミ化合物を含む)を、下記表A、表Bおよび表Cに示し、そして「本発明の化合物」であると理解される。
【0052】
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【0053】
【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【表15】

【0054】
下記実施例項目に記載されているHCV NS3−4Aプロテアーゼおよびルシフェラーゼ−HCV複製アッセイを用いて、本発明の化合物(上記表Aの化合物を含む)が10〜100μM以上、または5.0〜30μM、例えば2.0〜10μM未満の範囲のHCV阻害のIC50値を示すことを見出す。
【0055】
ある態様において、本発明の化合物はさらに、哺乳類HCV、とりわけヒトHCVを含むHCVの調節剤として特徴付けられる。好ましい態様において、本発明の化合物はHCV阻害剤である。
【0056】
ある態様において、本発明の化合物は、VX−950またはSch 503034(例えば、Curr. Med. Chem., 2005, 12, 2317-2342;およびAntimicrob Agents Chemother. 2006 Mar;50(3):1013-20参照、これらのいずれもを参照によりその全体において本明細書の一部とする)ではない。
【0057】
他の態様において、本発明の化合物は、国際特許出願番号WO 2005/058821、WO/2005/021584、WO/01/18369、WO/03/062265、WO/02/18369、WO/2003/087092および米国特許出願第2002/0032175号に記載のものではない。
【0058】
「HCV関連状態」または「HCV関連障害」なる用語には、HCVの活性が関与する障害および状態(例えば疾患状態)、例えば対象におけるHCV感染が含まれる。HCV関連状態には、HCV−感染、肝硬変、慢性肝臓疾患、肝細胞癌腫、クリオグロブリン貧血、非ホジキンリンパ腫および先天性細胞内免疫応答抑制が含まれる。
【0059】
HCV関連状態は、しばしばHCVのNS3セリンプロテアーゼが関与し、これはHCVタンパク質の小機能的タンパク質へのプロセッシングにおける様々な工程に関与している。NS3プロテアーゼは、酵素活性を上昇させ、HCVを小胞体に係留するのを補助すると考えられているNS4Aタンパク質と、ヘテロダイマー複合体を形成する。NS3は、第1にNS3−NS4A結合の加水分解を自己触媒し、次にNS4A−NS4B、NS4B−NS5AおよびNS5A−NS5B接点でHCVポリタンパク質を分子間で切断する。このプロセスは、対象におけるHCVの複製と関係する。NS3、NS4A、NS4B、NS5AおよびNS5Bタンパク質の1個以上の活性の阻害または調節は、対象におけるHCVの複製を阻害または調節し、それによってHCV関連状態を予防または処置する。具体的な態様において、HCV関連状態は、NS3プロテアーゼの活性と関連する。他の具体的な態様において、HCV関連状態は、NS3−NS4Aヘテロダイマー複合体の活性と関連する。
【0060】
1つの態様において、本発明の化合物は、NS3/NS4Aプロテアーゼ阻害剤である。他の態様において、本発明の化合物は、NS2/NS3プロテアーゼ阻害剤である。
【0061】
理論に縛られないが、上記タンパク質−タンパク質相互作用の本発明の化合物による阻害は、NS3プロテアーゼによるウイルスポリタンパク質プロセッシング、したがってウイルス複製に干渉すると考えられる。
【0062】
HCV関連障害にはまた、HCV依存性疾患が含まれる。HVC依存性疾患には、例えば少なくとも1種のHCV種の活性または非制御に依存または関連するあらゆる疾患または状態が含まれる。
【0063】
本発明には、上記HCV関連疾患の処置が含まれるが、本発明は、化合物が疾患の処置に意図された機能遂行する態様に限定されることを意図するものではない。本発明は、例えばHCV感染の処置が行なわれるあらゆる態様における、本明細書記載の疾病の処置を含む。
【0064】
関連する態様において、本発明の化合物は、HIVに関連する疾患、ならびにHIV感染およびAIDS(後天性免疫不全症候群)の処置に有用であり得る。
【0065】
ある態様において、本発明は、いずれかの本発明の化合物の医薬組成物を提供する。関連する態様において、本発明は、いずれかの本発明の化合物と、いずれかのこれらの化合物の薬学的に許容される担体または希釈剤の医薬組成物を提供する。ある態様において、本発明は、新規化学物質としての化合物を含む。
【0066】
1つの態様において、本発明は、HCV関連障害処置パッケージを提供する。処置パッケージには、本発明の化合物を、意図する使用のために有効量の本発明の化合物を使用するための指示書とパッケージされて含む。
【0067】
本発明の化合物は、HCV関連障害を処置するためにとりわけ有効である医薬組成物における活性薬剤として適している。様々な態様において、医薬組成物は薬学的有効量の本活性薬剤を、他の薬学的に許容される賦形剤、担体、増量剤、希釈剤等と共に有する。「薬学的有効量」なる句は、本明細書において使用するとき、宿主に、または宿主の細胞、組織もしくは臓器に、治療的結果、とりわけ抗HCV効果、例えばHCVウイルス増殖の、またはあらゆる他のHCV関連疾患の阻害を得るために投与することが必要な量を意味する。
【0068】
1つの態様において、本発明の化合物によって処置する疾患には、例えばHCV感染、肝硬変、慢性肝臓疾患、肝細胞癌腫、クリオグロブリン貧血、非ホジキンリンパ腫および先天性細胞内免疫応答抑制が含まれる。
【0069】
他の態様において、本発明は、HCV活性の阻害法を提供する。当該方法は、細胞をいずれかの本発明の化合物と接触させることを含む。関連する態様において、当該方法はさらに、化合物がNS3、NS4A、NS4B、NS5AおよびNS5Bタンパク質の1種以上の活性を選択的に阻害するのに有効な量で存在することを提供する。他の関連する態様において、化合物が対象のHCV RNA負荷を減少するのに有効な量で存在することを提供する。
【0070】
他の態様において、本発明は、対象におけるHCV感染の処置用医薬の製造のための、本発明の化合物のいずれかの使用を提供する。
【0071】
他の態様において、本発明は、対象の処置のための本発明の化合物のいずれかを製剤することを含む、医薬の製造法を提供する。
【0072】
定義
「処置する」、「処置される」、「処置し」または「処置」なる用語は、処置する状態、障害または疾患と関連するまたはそれによって引き起こされる少なくとも1個の症状を、減少または軽減することを含む。ある態様において、処置は、HCV阻害状態の誘導、そして処置する状態、障害または疾患と関連するまたはそれによって引き起こされる少なくとも1個の症状を、減少または軽減するHCV調節化合物を活性化することを含む。例えば、処置は、障害の1種以上の症状の減少または障害の完全な撲滅であり得る。
【0073】
「対象」なる用語は、HCV関連状態を有するまたは患う可能性がある生物、例えば原核生物および真核生物を含むことを意図する。対象の例には、哺乳類、例えばヒト、イヌ、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、マウス、ウサギ、ラットおよびトランスジェニック非ヒト動物が含まれる。ある態様において、対象はヒト、例えばHCV関連障害、および本明細書に記載の疾患または状態、例えばHCV感染を有する、有する危険のある、または潜在的に有し得るヒトである。他の態様において、対象は細胞である。
【0074】
「HCV調節化合物」、「HCV調節剤」または「HCV阻害剤」なる用語は、HCVの活性を調節、例えば阻害または変更する化合物を意味する。同様に、「NS3/NS4Aプロテアーゼ阻害剤」または「NS2/NS3プロテアーゼ阻害剤」は、これらのプロテアーゼの相互作用を互いに調節、例えば阻害または変更する化合物を意味する。HCV調節化合物の例には、式Iならびに表Aおよび表Bの化合物(その薬学的に許容される塩、ならびにそのエナンチオマー、立体異性体、回転異性体、互変異性体、ジアステレオマー、またはラセミ化合物を含む)が含まれる。
【0075】
さらに、方法には、対象に有効量の本発明のHCV調節化合物、例えば式Iならびに表Aおよび表Bの化合物(その薬学的に許容される塩、ならびにそのエナンチオマー、立体異性体、回転異性体、互変異性体、ジアステレオマー、またはラセミ化合物を含む)のHCV調節化合物を投与することを含む。
【0076】
「アルキル」なる用語は、飽和脂肪族基、例えば直鎖アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等)、分枝鎖アルキル基(イソプロピル、tert−ブチル、イソブチル等)、シクロアルキル(脂環式)基(シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル)、アルキル置換シクロアルキル基、およびシクロアルキル置換アルキル基を含む。「アルキル」なる用語はまた、アルケニル基およびアルキニル基を含む。さらに、xが1−5であり、yが2−10である「C−C−アルキル」なる表現は、特定の範囲の炭素の具体的なアルキル基(直鎖または分枝鎖)を意味する。例えば、C−C−アルキルなる表現には、これらに限定されないが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、tert−ブチルおよびイソブチルが含まれる。さらに、C3−6−シクロアルキルなる用語には、これらに限定されないが、シクロプロピル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが含まれる。下記の通り、これらのアルキル基およびシクロアルキル基は、さらに置換されていてもよい。
【0077】
アルキルなる用語はさらに、炭化水素骨格の1個以上の炭素に代えて、酸素、窒素、硫黄またはリン原子をさらに含んでいてもよいアルキル基を含む。1つの態様において、直鎖または分枝鎖アルキルは、その骨格に10個以下の炭素原子(例えば、直鎖についてはC−C10、分枝鎖についてはC−C10)、およびより好ましくは6個以下の炭素を有する。同様に、好ましいシクロアルキルは、4−7個の炭素原子をその環構造に、より好ましくは5または6個の炭素をその環構造に有している。
【0078】
さらに、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等)には、「非置換アルキル」および「置換アルキル」のいずれもを含み、後者は炭化水素骨格の1個以上の炭素での水素を置換する置換基を有する、分子が意図する機能を発揮し得るアルキル基を意味する。
【0079】
「置換された」なる用語は、分子の1個以上の原子、例えばC、OまたはNの水素を置換する置換基を有する記載の基を意図する。かかる置換基は、例えばアルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルホヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、モルホリノ、フェノール、ベンジル、フェニル、ピペリジン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ピリジン、5H−テトラゾール、トリアゾール、ピペリジン、または芳香族性もしくはヘテロ芳香族性基を含み得る。
【0080】
さらなる本発明の置換基の例は、これらに限定することを意図しないが、直鎖もしくは分枝鎖アルキル(好ましくはC−C)、シクロアルキル(好ましくはC−C)、アルコキシ(好ましくはC−C)、チオアルキル(好ましくはC−C)、アルケニル(好ましくはC−C)、アルキニル(好ましくはC−C)、ヘテロ環式、炭素環式、アリール(例えば、フェニル)、アリールオキシ(例えば、フェノキシ)、アラルキル(例えば、ベンジル)、アリールオキシアルキル(例えば、フェニルオキシアルキル)、アリールアセトアミジル、アルキルアリール、ヘテロアラルキル、アルキルカルボニルおよびアリールカルボニル、または他のかかるアシル基、ヘテロアリールカルボニル、またはヘテロアリール基、(CR’R”)0−3NR’R”(例えば、−NH)、(CR’R”)0−3CN(例えば、−CN)、NO、ハロゲン(例えば、−F、−Cl、−Brまたは−I)、(CR’R”)0−3C(ハロゲン)(例えば、−CF)、(CR’R”)0−3CH(ハロゲン)、(CR’R”)0−3CH(ハロゲン)、(CR’R”)0−3CONR’R”、(CR’R”)0−3(CNH)NR’R”、(CR’R”)0−3S(O)1−2NR’R”、(CR’R”)0−3CHO、(CR’R”)0−3O(CR’R”)0−3H、(CR’R”)0−3S(O)0−3R’(例えば、−SOH、−OSOH)、(CR’R”)0−3O(CR’R”)0−3H(例えば、−CHOCHおよび−OCH)、(CR’R”)0−3S(CR’R”)0−3H(例えば、−SHおよび−SCH)、(CR’R”)0−3OH(例えば、−OH)、(CR’R”)0−3COR’、(CR’R”)0−3(置換または非置換フェニル)、(CR’R”)0−3(C−Cシクロアルキル)、(CR’R”)0−3COR’(例えば、−COH)、または(CR’R”)0−3OR’基、またはあらゆる天然発生アミノ酸の側鎖から選択される基を含み;ここで、R’およびR”は各々独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニルまたはアリール基である。かかる置換基には、例えばハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、オキシム、スルホヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、または芳香族性もしくはヘテロ芳香族性基を含み得る。ある態様において、カルボニル基(C=O)はさらに、オキシム基で誘導されていてもよく、例えばアルデヒド基がそのオキシム(−C=N−OH)アナログとして誘導され得る。炭化水素鎖で置換された基は、それら自体、適当であるとき置換されていてもよいことが当業者には理解される。シクロアルキルは、例えば上記置換基でさらに置換されていてもよい。「アラルキル」基は、アリールで置換されたアルキル(例えば、フェニルメチル(すなわちベンジル))である。
【0081】
「アルケニル」なる用語は、長さおよび可能性のある置換基の点で上記アルキルと類似するが、少なくとも1個の二重結合を有する不飽和脂肪族基である。
【0082】
例えば、「アルケニル」なる用語は、直鎖アルケニル基(例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル等)、分枝鎖アルケニル基、シクロアルケニル(脂環式)基(シクロプロペニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル)、アルキルもしくはアルケニル置換シクロアルケニル基、およびシクロアルキルもしくはシクロアルケニル置換アルケニル基を含む。アルケニルなる用語は、さらに、炭化水素骨格の1個以上の炭素に代えて、酸素、窒素、硫黄またはリン原子を含んでいるアルケニル基をさらに含む。ある態様において、直鎖または分枝鎖アルケニル基は、その骨格に6個以下の炭素原子(例えば、直鎖についてはC−C、分枝鎖についてはC−C)を有する。同様に、シクロアルケニル基は、3−8個の炭素原子をその環構造に、より好ましくは5または6個の炭素をその環構造に有している。C−Cなる用語は、2〜6個の炭素原子を含むアルケニル基を含む。
【0083】
さらに、アルケニルなる用語は、「非置換アルケニル」および「置換アルケニル」のいずれもを含み、後者は、炭化水素骨格の1個以上の炭素の水素を置換する置換基を有するアルケニル基を意味する。かかる置換基には、例えば、アルキル基、アルキニル基、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルホヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族性もしくはヘテロ芳香族性基が含まれる。
【0084】
「アルキニル」なる用語は、長さおよび可能性のある置換基の点で上記アルキルと類似するが、少なくとも1個の三重結合を有する不飽和脂肪族基を含む。
【0085】
例えば、「アルキニル」には、直鎖アルキニル基(例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、デシニル等)、分枝鎖アルキル基、およびシクロアルキルまたはシクロアルケニル置換アルキニル基が含まれる。アルキニルは、炭化水素骨格の1個以上の炭素に代えて、酸素、窒素、硫黄またはリン原子を含んでいるアルキニル基をさらに含む。ある態様において、直鎖または分枝鎖アルキニル基は、その骨格に6個以下の炭素原子(例えば、直鎖についてはC−C、分枝鎖についてはC−C)を有する。C−Cなる用語は、2〜6個の炭素原子を含むアルキニル基を含む。
【0086】
さらに、アルキニルなる用語には、「非置換アルキニル」および「置換アルキニル」のいずれもを含み、後者は炭化水素骨格の1個以上の炭素での水素を置換する置換基を有するアルキニル基を意味する。かかる置換基には、例えば、アルキル基、アルキニル基、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルホヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族性もしくはヘテロ芳香族性基が含まれる。
【0087】
「アミン」または「アミノ」なる用語は、当業者に一般的に理解されるとおり、分子、または基もしくは官能基のいずれもに広く適用されるように理解されるべきであり、1級、2級または3級であり得る。「アミン」または「アミノ」なる用語には、窒素原子が少なくとも1個の炭素、水素またはヘテロ原子と共有結合している化合物が含まれる。当該用語には、例えば、これらに限定されないが、「アルキルアミノ」、「アリールアミノ」、「ジアリールアミノ」、「アルキルアリールアミノ」、「アルキルアミノアリール」、「アリールアミノアルキル」、「アルコアミノアルキル」、「アミド」、「アミド」および「アミノカルボニル」が含まれる。「アルキルアミノ」なる用語は、窒素が少なくとも1個のさらなるアルキル基と結合している基および化合物を含む。「ジアルキルアミノ」なる用語は、窒素原子が少なくとも2個のさらなるアルキル基と結合している基を含む。「アリールアミノ」および「ジアリールアミノ」なる用語は、窒素が少なくとも1または2個のアリール基と結合している化合物を、それぞれ含む。「アルキルアリールアミノ,」、「アルキルアミノアリール」または「アリールアミノアルキル」なる用語は、少なくとも1個のアルキル基および少なくとも1個のアリール基と結合しているアミノ基を意味する。「アルコアミノアルキル」なる用語は、アルキル基とも結合している窒素原子と結合しているアルキル、アルケニルまたはアルキニル基を意味する。
【0088】
「アミド」、「アミド」または「アミノカルボニル」なる用語は、カルボニルまたはチオカルボニル基の炭素と結合している窒素原子を含む化合物または基を含む。当該用語は、カルボニル基と結合しているアミノ基と結合しているアルキル、アルケニル、アリールまたはアルキニル基を含む「アルコアミノカルボニル」または「アルキルアミノカルボニル」基を含む。これは、カルボニルまたはチオカルボニル基の炭素と結合しているアミノ基と結合したアリールまたはヘテロアリール基を含むアリールアミノカルボニルおよびアリールカルボニルアミノ基を含む。「アルキルアミノカルボニル」、「アルケニルアミノカルボニル」、「アルキニルアミノカルボニル」、「アリールアミノカルボニル」、「アルキルカルボニルアミノ」、「アルケニルカルボニルアミノ」、「アルキニルカルボニルアミノ」および「アリールカルボニルアミノ」は、「アミド」なる用語の中に含まれる。アミドはまた、ウレア基(アミノカルボニルアミノ)およびカルバメート(オキシカルボニルアミノ)を含み得る。
【0089】
「アリール」なる用語には、0〜4個のヘテロ原子を含んでいてもよい5および6員単環芳香族性基を含んでいる基、例えばフェニル、ピロール、フラン、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジンおよびピリミジン等が含まれる。さらに、「アリール」なる用語には、複数環式アリール基、例えば、三環式、二環式、例えば、ナフタレン、ベンゾオキサゾール、ベンゾジオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチオフェン、メチレンジオキシフェニル、キノリン、イソキノリン、アントリル、フェナントリル、ナフトリジン、インドール、ベンゾフラン、プリン、ベンゾフラン、ジアザプリンまたはインドリジンが含まれる。環構造中にヘテロ原子を有するアリール基はまた、「アリールヘテロ環」、「ヘテロ環」、「ヘテロアリール」、「ヘテロ芳香族性」を意味し得る。芳香環は、1個以上の環位置で、上記置換基、例えばアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アラルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルホヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族性もしくはヘテロ芳香族性基で置換されていてもよい。アリール基はまた、芳香族性ではない脂環式またはヘテロ環式環と縮合または架橋して多環(例えば、テトラリン)を形成することができる。
【0090】
ヘテロアリールなる用語は、本明細書において使用するとき、少なくとも1個の環が芳香族性であり、O、NおよびSから成る群から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む、各環に7個以下の原子の安定単環式または二環式環を意味する。この定義の範囲に含まれるヘテロアリール基には、これらに限定されないが:アクリジニル、カルバゾリル、シノリニル、キノキサリニル、ピラゾリル、インドリル、ベンゾトリアゾリル、フラニル、チエニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、テトラヒドロキノリンが含まれる。下記ヘテロ環の定義の通り、「ヘテロアリール」はまた、いずれかの窒素含有ヘテロアリールのN−オキシド誘導体が含まれると理解される。ヘテロアリール置換基が二環式であり、1個の環が非芳香族性であるかまたは、ヘテロ原子を含まない場合、これは結合が芳香環またはヘテロ原子含有環をそれぞれ介していると理解される。
【0091】
「ヘテロ環」または「ヘテロシクリル」なる用語は、本明細書において使用するとき、O、NおよびSから成る群から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む5〜10員芳香族性または非芳香族性ヘテロ環を意味することを意図し、二環式基を含む。「ヘテロシクリル」は、したがって、上記ヘテロアリール、ならびにそのジヒドロおよびテトラヒドロアナログを含む。さらなる「ヘテロシクリル」の例には、これらに限定されないが:ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、カルバゾリル、カルボリニル、シノリニル、フラニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、インドラジニル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ナフトピリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、オキサゾリン、イソキサゾリン、オキセタニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドピリジニル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、テトラヒドロピラニル、テトラゾリル、テトラゾロピリジル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、アゼチジニル、1,4−ジオキサニル、ヘキサヒドロアゼピニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピリジン−2−オニル、ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロフラニル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロイソチアゾリル、ジヒドロオキサジアゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロテトラゾリル、ジヒドロチアジアゾリル、ジヒドロチアゾリル、ジヒドロチエニル、ジヒドロトリアゾリル、ジヒドロアゼチジニル、メチレンジオキシベンゾイル、テトラヒドロフラニルおよびテトラヒドロチエニル、ならびにそのN−オキシドが含まれる。ヘテロシクリル置換基の結合は、炭素原子またはヘテロ原子を介して起こり得る。
【0092】
「アシル」なる用語には、アシル基(CHCO−)またはカルボニル基を含む化合物および基が含まれる。「置換アシル」なる用語は、1個以上の水素原子が、例えば、アルキル基、アルキニル基、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルホヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族性もしくはヘテロ芳香族性基によって置換されているアシル基を含む
【0093】
「アシルアミノ」なる用語には、アシル基がアミノ基と結合している基が含まれる。例えば、当該用語には、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイド基が含まれる。
【0094】
「アルコキシ」なる用語には、酸素原子と共有結合した置換および非置換アルキル、アルケニルおよびアルキニル基が含まれる。アルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、プロポキシ、ブトキシおよびペントキシ基が含まれ、そしてシクロペントキシのような環式基が含まれ得る。置換アルコキシ基の例は、ハロゲン化アルコキシ基を含む。アルコキシ基は、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルホヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族性もしくはヘテロ芳香族性基のような基で置換されていてもよい。ハロゲン置換アルコキシ基の例には、これらに限定されないが、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメトキシ等が含まれる。
【0095】
「カルボニル」または「カルボキシ」なる用語には、酸素原子と二重結合で結合した炭素を含む化合物および基、ならびにその互変異性体が含まれる。カルボニルを含む基の例には、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、アミド、エステル、無水物等が含まれる。「カルボキシ基」または「カルボニル基」なる用語は、アルキル基がカルボニル基と共有結合している「アルキルカルボニル」基、アルケニル基がカルボニル基と共有結合している「アルケニルカルボニル」基、アルキニル基がカルボニル基と共有結合している「アルキニルカルボニル」基、アリール基がカルボニル基と共有結合している「アリールカルボニル」基のような基を意味する。さらに、当該用語はまた、1個以上のヘテロ原子がカルボニル基と共有結合している基を意味する。例えば、当該用語は、例えば、アミノカルボニル基(窒素原子はカルボニル基の炭素と結合している、例えばアミド)、アミノカルボニルオキシ基(酸素および窒素原子は、いずれもカルボニル基の炭素原子と結合している、例えば「カルバメート」とも呼ばれる)のような基を含む。さらに、アミノカルボニルアミノ基(例えば、ウレア)はまた、ヘテロ原子(例えば、窒素、酸素、硫黄等ならびに炭素原子)と結合しているカルボニル基の他の組合せを含み得る。さらに、ヘテロ原子はさらに、1個以上のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アシル基等で置換されていてもよい。
【0096】
「チオカルボニル」または「チオカルボキシ」なる用語は、硫黄原子と二重結合で結合した炭素を含む化合物および基を含む。「チオカルボニル基」なる用語には、カルボニル基と類似する基が含まれる。例えば、「チオカルボニル」基は、アミノ基がチオカルボニル基の炭素原子と結合しているアミノチオカルボニルを含み、さらに他のチオカルボニル基には、オキシチオカルボニル(酸素が炭素原子と結合している)、アミノチオカルボニルアミノ基等が含まれる。
【0097】
「エーテル」なる用語は、2個の異なる炭素原子またはヘテロ原子と結合した酸素を含む化合物または基を含む。例えば、当該用語は、他のアルキル基と共有結合している酸素原子と共有結合したアルキル、アルケニルまたはアルキニル基を意味する「アルコキシアルキル」を含む。
【0098】
「エステル」なる用語には、カルボニル基の炭素と結合している酸素原子と結合した炭素またはヘテ論原子を含む化合物および基が含まれる。「エステル」なる用語には、アルコキシカルボキシ基、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル等が含まれる。アルキル、アルケニルまたはアルキニル基は、上記定義の通りである。
【0099】
「チオエーテル」なる用語は、2個の異なる炭素またはヘテロ原子と結合した硫黄原子を含む化合物および基を含む。チオエーテルの例には、これらに限定されないが、アルコチオアルキル、アルコチオアルケニル、およびアルコチオアルキニルが含まれる。「アルコチオアルキル」なる用語には、アルキル基と結合している硫黄原子と結合したアルキル、アルケニルまたはアルキニル基を有する化合物が含まれる。同様に、「アルコチオアルケニルおよびアルコチオアルキニル」なる用語は、アルキル、アルケニルまたはアルキニル基がアルキニル基と共有結合している硫黄原子と結合している化合物を意味する。
【0100】
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」なる用語は、−OHまたは−Oを有する基を含む。
【0101】
「ハロゲン」なる用語は、フッ素、臭素、塩素、ヨウ素等を含む。「過ハロゲン化」なる用語は、一般的に、全ての水素がハロゲン原子で置換されている基を意味する。
【0102】
「多環」または「多環式基」なる用語は、2個以上の環(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリールおよび/またはヘテロシクリル)を有する基であって、2個以上の炭素が2個の結合環と共通であり、例えば環が「縮合環」である基を含む。非隣接原子を介して結合している環は、「架橋」環と称される。多環の各環は、上記置換基、例えばハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルアミノaカルボニル、アラルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルホヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキル、アルキルアリール、または芳香族性もしくはヘテロ芳香族性基で置換されていてもよい。
【0103】
「ヘテロ原子」なる用語は、炭素または水素以外のあらゆる元素の原子を含む。好ましいヘテロ原子は、窒素、酸素、硫黄およびリンである。
【0104】
さらに、「そのいずれかの組合せ」なる用語は、記載の官能基および分子のいくつかが組み合わさって大型分子構造を形成することを意味する。例えば、「フェニル」、「カルボニル」(または「=O」)、「−O−」、「−OH」およびC1−6(すなわち、−CHおよび−CHCHCH−)なる用語は、組み合わさって、3−メトキシ−4−プロポキシ安息香酸置換基を形成し得る。組合せ官能基および分子が大型分子を形成するとき、各原子の原子価を満足するために必要なように、水素を除去または添加することができることは、理解される。
【0105】
上記全ての本発明の化合物は、各原子の原子価を満足するために必要なように、隣接原子および/または水素の間の結合をさらに含むことが理解される。すなわち、結合および/または水素原子が、下記原子のタイプによる各総結合数を提供するために加えられる:炭素:4結合;窒素:3結合;酸素:2結合;および硫黄:2結合。
【0106】
本発明の化合物のいくつかの構造は、不斉炭素原子を含むことに気づくであろう。したがって、かかる非対称性からもたらされる異性体(例えば、全てのエナンチオマー、立体異性体、回転異性体、互変異性体、ジアステレオマー、またはラセミ化合物)が本発明の範囲に含まれると理解される。かかる異性体を、実質的に純粋な形態で、伝統的な分離技術および立体化学的に制御された合成によって、得ることができる。さらに、本明細書に記載の構造ならびに他の化合物および基はまた、その全ての互変異性体を含む。本明細書に記載の化合物を、当該技術分野の合成戦略によって得ることができる。
【0107】
本発明の化合物のいくつかの置換基が、異性体環式構造を含むことに気づくであろう。したがって、特に記載が無い限り、特定の置換基の構造異性体が本発明の範囲に含まれると理解される。例えば「テトラゾール」なる用語には、テトラゾール、2H−テトラゾール、3H−テトラゾール、4H−テトラゾールおよび5H−テトラゾールが含まれる。
【0108】
HCV関連障害における使用
本発明の化合物は、有用な薬理学的特性を有し、疾患の処置に有用である。ある態様において、本発明の化合物は、HCV関連障害の処置に、例えばHCV感染を処置する薬剤として有用である。
【0109】
「使用」なる用語は、本発明の下記態様のいずれか1個以上を、適当かつ便宜であるとき、特に記載が無い限り、それぞれ含む:HCV関連障害の処置における使用;これらの疾患の処置用医薬の製造のための、例えば医薬の製造における使用;これらの疾患の処置における本発明の化合物の使用法;これらの疾患の処置のための本発明の化合物を有する医薬製剤;および、これらの疾患の処置において使用するための本発明の化合物。とりわけ、処置され、したがって本発明の化合物の使用のために好ましい疾患は、HCV感染に対応するものを含むHCV関連障害、ならびにNS3、NS4A、NS4B、NS5AおよびNS5Bタンパク質、またはNS3−NS4A、NS4A−NS4B、NS4B−NS5AもしくはNS5A−NS5B複合体の1種以上の活性に依存する疾患から選択される。「使用」なる用語はさらに、HCVタンパク質と結合してトレーサーまたはラベルとして十分に機能し、蛍光体(fluor)もしくはタグと結合するかまたは放射活性なることによって、研究用試薬として、または診断薬もしくは造影剤として用いることができるようになる、本発明の組成物の態様を含む。
【0110】
ある態様において、本発明の化合物を、HCV関連疾患の処置のために、および1種以上のHCVのいずれかの阻害剤としての本発明の化合物の使用のために、用いることができる。使用はHCVの1種以上の株の阻害処置であり得ることが理解される。
【0111】
アッセイ
HCV活性の阻害を、当該技術分野において利用可能な様々なアッセイを用いて測定することができる。かかるアッセイの例を、Anal Biochem. 1996 240(1): 60-7(参照によりその全体を本明細書の一部とする)において見出すことができる。HCV活性の測定のためのアッセイはまた、下記実施例の項に記載されている。
【0112】
医薬組成物
化合物の「有効量」なる用語は、HCV関連障害の処置または予防に、例えば様々なHCV関連障害の形態学的および身体的症状、および/または本明細書に記載の疾患もしくは状態の予防に必要または十分な量である。例えば、HCV調節化合物の有効量は、対象においてHCV感染を処置するのに十分な量である。他の例において、HCV調節化合物の有効量は、対象におけるHCV感染、肝硬変、慢性肝臓疾患、肝細胞癌腫、クリオグロブリン貧血、非ホジキンリンパ腫および先天性細胞内免疫応答抑制の処置に十分な量である。有効量は、対象の大きさおよび体重、病気のタイプ、または具体的な本発明の化合物のような要因に依存して変化し得る。例えば、本発明の化合物の選択は、「有効量」の構成に影響し得る。当業者は、それに含まれる要因を研究し、過度の実験を行うことなく本発明の化合物の有効量を決定することができる。
【0113】
投与レジメンは、有効量の構成に影響し得る。本発明の化合物を、対象に、HCV関連状態の発症前または後に投与することができる。さらに、複数分割投与量、ならびに個別投与量を、毎日、または逐次的に投与することができ、あるいは用量を持続的に注入することができ、またはボーラス注射することができる。さらに、本発明の化合物の投与量は、治療または予防状況の緊急性が示すとおりに、比例的に増加または減少することができる。
【0114】
本発明の化合物を、本明細書に記載の状態、障害または疾患の処置において、またはこれらの疾患の処置用医薬組成物の製造のために、使用することができる。これらの疾患の処置における本発明の化合物の使用法、またはこれらの疾患の処置のための本発明の化合物を含む医薬製剤。
【0115】
「医薬組成物」なる用語は、哺乳類、例えばヒトへの投与に適した製剤を含む。本発明の化合物を哺乳類、例えばヒトに医薬として投与するとき、それらはそれ自体、または例えば、0.1〜99.5%(より好ましくは、0.5〜90%)の有効成分を薬学的に許容される担体との組合せで含む医薬組成物として投与され得る。
【0116】
「薬学的に許容される担体」なる用語は、当業者に理解され、そして本発明の化合物を哺乳類に投与するのに適した薬学的に許容される物質、組成物またはビークルが含まれる。担体には、対象薬剤をある臓器または体の一部から、他の臓器または体の一部に運搬または移動する液体もしくは固体増量剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、カプセル物質が含まれる。各担体は、製剤の他の成分と適合性であり、そして患者を傷つけないという意味で「許容」されなければならない。薬学的に許容される担体として使用され得る物質の例には:糖、例えばラクトース、グルコースおよびショ糖;デンプン、例えばコーンスターチおよびポテトスターチ;セルロースおよびその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよびセルロースアセテート;粉末トラガカント;モルト;ゼラチン;タルク;賦形剤、例えばココアバターおよび座薬ワックス;油、例えばピーナッツ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油および大豆油;グリコール、例えばプロピレングリコール;ポリオール、例えばグリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール;エステル、例えばエチルオレエート、およびエチルラウレート;寒天;緩衝化剤、例えばマグネシウムヒドロキシドおよびアルミニウムヒドロキシド;アルギニン酸;無発熱源水;生理食塩水;リンガー溶液;エチルアルコール;ホスフェートバッファー溶液;および医薬製剤において使用される他の非毒性適合性物質が含まれる。
【0117】
湿潤剤、乳化剤、および滑沢剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム、ならびに着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、芳香剤、保存剤および抗酸化剤も、組成物中に存在し得る。
【0118】
薬学的に許容される抗酸化剤の例には:水溶性抗酸化剤、例えばアスコルビン酸、塩酸システイン、重硫酸ナトリウム、メタ重硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等;油溶性抗酸化剤、例えばアスコルビルパルミチン酸塩、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、プロピルガラート、アルファ−トコフェロール等;および金属キレート剤、例えばクエン酸、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸等が含まれる。
【0119】
本発明の製剤には、経口、経鼻、局所、経皮、頬側、舌下、直腸、経膣および/または非経腸投与に適したものが含まれる。製剤は、簡便には単位投与形態で存在してよく、医薬の分野で周知の方法によって製造することができる。単剤形態を製造するための担体物質と組み合わせることができる有効成分の量は、一般的に、治療効果を生み出す化合物の量である。一般的に、100%中、この量は約1%〜約99%の有効成分、好ましくは約5%〜約70%、最も好ましくは約10%〜約30%の範囲である。
【0120】
これらの製剤または組成物の製造法には、本発明の過誤部鬱を担体、そして所望により1種以上の修飾成分と混合する工程を含む。一般に、製剤を、本発明の化合物と液体担体、または最終的に分離される固体担体と、またはそのいずれもと均一かつ密接に混合し、所望により生成物を成形することによって製造する。
【0121】
経口投与に適した本発明の製剤は、カプセル剤、カプセル、ピル、錠剤、トローチ(芳香基材、通常ショ糖およびアカシアゴムまたはトラガカントを用いる)、粉末、顆粒の形態で、または水性もしくは非水性液体中溶液または懸濁液として、または水中油もしくは油中水型液体エマルジョンとして、またはエリキシル剤もしくはシロップとして、またはトローチ(不活性基材、例えばゼラチンおよびグリセリン、またはショ糖およびアカシアゴムを用いる)として、および/またはうがい薬としてであり得て、各々所与の量の本発明の化合物を有効成分として含む。本発明の化合物は、ボーラス、舐剤またはペーストとしても投与することができる。
【0122】
本発明の経口投与用固体投与形態(カプセル剤、錠剤、ピル、糖衣錠、粉末、顆粒等)において、有効成分を1種以上の薬学的に許容される担体、例えばクエン酸ナトリウムまたはジカルシウムホスフェート、および/または下記のいずれかと混合する:増量剤または体質顔料、例えばデンプン、ラクトース、ショ糖、グルコース、マンニトール、および/またはケイ酸;結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖および/またはアカシアゴム;保湿剤、例えばグリセロール;崩壊剤、例えば寒天−寒天、炭酸カルシウム、ポテトデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のシリケートおよび炭酸ナトリウム;溶解抑制剤、例えばパラフィン;吸収促進剤、例えば4級アンモニウム化合物;湿潤剤、例えばセチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロール;吸収剤、例えばカオリンおよびベントナイト粘土;滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体のポリエチレングリコール、ラウリルスルフェートナトリウム、およびそれらの混合物;ならびに着色剤。カプセル剤、錠剤およびピルの場合、医薬組成物はまた、緩衝化剤を含む。同じタイプの固体組成物はまた、ラクトースまたはミルク糖、ならびに高分子量ポリエチレングリコール等のような賦形剤を使用する軟および硬ゼラチンカプセル剤における増量剤として用いることができる。
【0123】
錠剤を、所望により1種以上の修飾成分と共に圧縮または成形することで製造することができる。圧縮錠剤を、結合剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコレートナトリウムまたは架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、界面活性剤または分散剤を用いて製造することができる。成形錠剤を、適当な機械中で不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を成形して製造することができる。
【0124】
錠剤、および本発明の医薬組成物の他の固体投与形態、例えば糖衣錠、カプセル剤、ピルおよび顆粒は、所望により、コーティングおよびシェルで、例えば腸溶コーティングおよび医薬製剤の分野で周知の他のコーティングで入手または製造することができる。それらはまた、有効成分の遅延または制御放出を達成するように、例えば所望の放出プロファイルを提供するための比が変化する、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリクス、リポソームおよび/またはマイクロスフェアを用いて、製剤することができる。それらは、例えば菌保持フィルターで濾過することによって、または滅菌水または他の滅菌注射用媒体に使用の直前に溶解することができる滅菌固体組成物の形態で滅菌薬剤を組み込んで、滅菌することができる。これらの組成物はまた、所望により、乳白剤を含んでいてもよく、それらが有効成分を胃腸管の特定の部位のみ、またはそれに選択的に放出する、所望により遅延方法の、組成物であり得る。使用することができる包埋組成物の例は、ポリマー物質およびワックスを含む。有効成分はまた、所望により1種以上の上記賦形剤を含むマイクロカプセル化形態であり得る。
【0125】
本発明の化合物の経口投与用液体投与形態は、薬学的に許容されるエマルジョン、ミクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシル剤を含む。有効成分に加えて、液体投与形態は当該技術分野において通常使用される不活性希釈剤、例えば水および他の溶媒、溶解剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカルボネート、酢酸エチル、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(とりわけ綿実油、ラッカセイ油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびごま油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタン脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物を含み得る。
【0126】
不活性希釈剤に加えて、経口組成物はまた、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味剤、芳香剤、着色剤、香料および保存剤のようなアジュバントを含み得る。
【0127】
懸濁液は、有効成分に加えて、懸濁剤、例えばエトキシル化イソステアリールアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天−寒天およびトラガカント、ならびにそれらの混合物を含み得る。
【0128】
直腸または経膣投与のための本発明の医薬組成物の製剤には、1種以上の本発明の化合物を1種以上の非刺激性賦形剤または担体、例えばココアバター、ポリエチレングリコール、座薬ワックスまたはサリチル酸と混合して製造することができ、そして室温では固体であるが、体温では液体であり、したがって直腸または膣内で融解して有効成分を放出する座薬として製造することができる。
【0129】
経膣投与のために適している本発明の製剤はまた、適当であると当該技術分野において知られている、前記担体を含むペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡またはスプレー製剤を含む。
【0130】
本発明の化合物の局所または経皮投与のための投与形態には、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチおよび吸入剤が含まれる。活性化合物を滅菌条件下で、薬学的に許容される担体と、任意の保存剤、バッファー、または要求され得る推進剤と共に混合し得る。
【0131】
軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、本発明の有効成分に加えて、賦形剤、例えば動物油および植物脂質、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛、またはそれらの混合物を含み得る。
【0132】
粉末およびスプレーは、本発明の化合物に加えて、賦形剤、例えばラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、カルシウムシリケートおよびポリアミド粉末、またはそれらの混合物を含み得る。スプレーはさらに、常套の推進剤、例えばクロロフルオロ炭化水素および揮発性非置換炭化水素、例えばブタンおよびプロパンを含み得る。
【0133】
経皮パッチは本発明の化合物の体への制御送達の提供にさらなる利点を有する。かかる投与形態は、適当な媒体中に化合物を溶解または分散することによって製造することができる。吸収促進剤はまた、皮膚を通じた化合物の流入を増加するために用いることができる。かかる流入速度は、速度制御膜を提供するか、またはポリマーマトリックスまたはゲル中に活性化合物を分散することによって、制御することができる。
【0134】
眼用製剤、眼軟膏、粉末、溶液等はまた、本発明の範囲内であると理解される。
【0135】
非経腸投与に適した本発明の医薬組成物は、1種以上の本発明の化合物を、1種以上の薬学的に許容される滅菌等張水溶液もしくは非水溶液、分散剤、懸濁液またはエマルジョンとの組合せで含み、使用の直前に滅菌注射溶液または分散剤に再構成することができ、抗酸化剤、バッファー、静菌剤、製剤を意図する受容者の血液と等張にする溶質、または懸濁剤もしくは増粘剤を含み得る滅菌粉末であり得る。
【0136】
本発明の医薬組成物において使用することができる適当な水性および非水性担体は、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)、およびそれらの適当な混合物、植物油、例えばオリーブ油および注射用有機エステル、例えばオレイン酸エチルを含む。適当な流動性を、例えばコーティング物質、例えばレシチンを用いて、分散剤の場合には適当な粒度を維持して、そして界面活性剤の使用によって、維持することができる。
【0137】
これらの組成物はまた、アジュバント、例えば保存剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤を含み得る。微生物の作用の予防は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸等の添加によって保証され得る。等張剤、例えば糖、塩化ナトリウム等を組成物に含むのが望ましい。さらに、注射用医薬製剤の延長吸収は、吸収遅延剤、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの添加によってもたらされ得る。
【0138】
いくつかの場合、薬剤の効果を延長するため、薬剤の皮下または筋肉内注射からの吸収を遅延させることが望ましい。これは、水溶性に乏しい結晶またはアモルファス物質を用いて達成することができる。薬剤の吸収速度は、結晶サイズおよび結晶形に依存し得る溶解速度に依存する。あるいは、非経腸投与薬剤の遅延吸収は、薬剤を油性ビークルに溶解または懸濁することによって達成される。
【0139】
注射用デポー形態は、生分解性ポリマー、例えばポリ酪酸−ポリグリコリドに対象化合物のマイクロカプセル化マトリクスを形成することによって製造する。薬剤対ポリマー比、および使用する具体的なポリマーの性質に依存して、薬剤放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例には、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が含まれる。デポー注射用製剤はまた、薬剤を体組織に適合性であるリポソームまたはミクロエマルジョンにトラップして製造する。
【0140】
本発明の製剤は、経口的に、非経腸的に、局所的に、または経直腸的に投与することができる。それらは当然、各投与経路に適した形態で投与することができる。例えば、それらは錠剤またはカプセル剤の形態で、注射、吸入、眼ローション、軟膏、座薬等を注射、輸液または吸入で;ローションまたは軟膏で局所的に;そして座薬で経直腸的に投与することができる。経口投与が好ましい。
【0141】
「非経腸投与」および「非経腸的に投与する」なる用語は、本明細書において使用するとき、経腸および局所以外の投与形態であり、通常注射を意味し、これらに限定されないが、静脈内、筋肉内、動脈内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮膚内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、髄腔内および胸骨内注射および輸液を含む。
【0142】
「全身性投与」、「全身的に投与する」、「末梢投与」および「末梢的に投与する」なる用語は、本明細書において使用するとき、化合物、薬剤または他の物質を、中枢神経系に直接以外に投与して、患者の全身に入り、代謝または他のプロセスを受けることを意味し、例えば皮下投与である。
【0143】
これらの化合物は、ヒトまたは他の動物に、任意の適当な投与経路によって、例えばスプレーで例えば経口的、経鼻的に、直腸的に、膣内的に、非経腸的に、嚢内に、および局所的に、粉末、軟膏またはドロップによって、例えば頬側的および舌下的に投与することができる。
【0144】
選択した投与経路にかかわらず、適当な水和物形態で使用し得る本発明の化合物、および/または本発明の医薬組成物を、薬学的に許容される投与形態に、当業者に既知の常套の方法で製剤することができる。
【0145】
本発明の医薬組成物の有効成分の実際の投与レベルは、具体的な患者、組成物および投与形態に応じて、患者に毒性を示すことなく所望の治療応答を達成するのに有効である有効成分の量を得るために、変化し得る。
【0146】
選択された投与レベルは、使用する具体的な本発明の化合物またはそのエステル、塩もしくはアミドの活性、投与経路、投与時間、使用する具体的な化合物の排出速度、処置期間、使用する具体的な化合物共に組み合わせて用いられる他の薬剤、化合物および/または物質、処置する患者の年齢、性別、体重、状態、一般的健康および薬歴、ならびに医薬分野で周知の要因を含む様々な要因に依存する。
【0147】
通常の技術を有する医師または獣医は、必要な医薬組成物の有効量を決定および予測することが容易にできる。例えば、医師または獣医は、医薬組成物で使用される本発明の化合物の用量を、所望の治療効果を得るために必要とされるよりも低いレベルで開始し、所望の効果が達成されるまで徐々に投与量を増加する。
【0148】
一般的に、本発明の化合物の適当な1日投与量は、治療効果を生み出すための最も低い投与量である化合物の量であり得る。かかる有効量は、一般的に、上記要因にいぞnする。一般的に、本発明の化合物の患者への静脈内および皮下投与は、適用される鎮痛効果のために使用するとき、1日あたり、体重のキログラムあたり約0.0001〜約100mg、より好ましくは1日あたりkgあたり約0.01〜約50mg、より好ましくは1日あたりkgあたり1.0〜約100mgの範囲である。有効量は、HCV関連障害を処置する量である。
【0149】
所望により、活性化合物の有効1日用量を、1日間で、単位投与形態で、適当な時間間隔で個別に、2、3、4、5、6またはそれ以上のサブ用量で投与することができる。
【0150】
本発明の化合物を単独で投与することが可能であるが、医薬組成物として投与することが好ましい。
【0151】
合成法
本発明の化合物を、一般的に入手可能な化合物から、これらに限定されないが下記条件の1個以上を含む当業者に既知の方法を用いて、製造する:
この文脈の範囲において、文脈がそうでないことを示していない限り、本発明の化合物の具体的な所望の最終生成物を構成する容易に除去可能な基のみを、「保護基」とする。かかる保護基による官能基の保護、保護基それ自体、およびそれらの切断反応は、例えば、例えば標準的な参考文献、例えば、Science of Synthesis: Houben-Weyl Methods of Molecular Transformation. Georg Thieme Verlag, Stuttgart, Germany. 2005. 41627 pp. (URL: http://www.science-of-synthesis.com (Electronic Version, 48 Volumes)); J. F. W. McOmie, “Protective Groups in Organic Chemistry”, Plenum Press, London and New York 1973, in T. W. Greene and P. G. M. Wuts, “Protective Groups in Organic Synthesis”, Third edition, Wiley, New York 1999, in “The Peptides”; Volume 3 (編者: E. Gross and J. Meienhofer), Academic Press, London and New York 1981, in “Methoden der organischen Chemie” (Methods of Organic Chemistry), Houben Weyl, 4th edition, Volume 15/I, Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974, in H.-D. Jakubke and H. Jeschkeit, “Aminosaeuren, Peptide, Proteine” (Amino acids, Peptides, Proteins), Verlag Chemie, Weinheim, Deerfield Beach, and Basel 1982、およびJochen Lehmannの、“Chemie der Kohlenhydrate: Monosaccharide und Derivate” (Chemistry of Carbohydrates: Monosaccharides and derivatives), Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974に記載されている。保護基の特徴は、それらが容易に(すなわち、望ましくない副反応が発生せずに)、例えば加溶媒分解、還元、光分解または他の方法で、生理的条件下で(例えば、酵素切断によて)除去し得ることである。
【0152】
少なくとも1個の塩形成基を有する本発明の化合物の塩を、自体公知の方法で製造することができる。例えば、酸性基を有する本発明の化合物の塩を、例えば金属化合物と、例えば適当な有機カルボン酸のアルカリ金属塩、例えば2−エチルヘキサン酸のナトリウム塩、有機アルカリ金属またはアルカリ土類金属化合物と、例えば対応するヒドロキシド、カルボネート、または炭化水素、例えば水酸化ナトリウムまたは水酸化カルシウム、カルボネートまたは炭化水素と、対応するカルシウム化合物とまたはアンモニアまたは適当な有機アミンと、化合物を、好ましくは使用される化学量論的量またはわずかに過剰の塩形成剤で処理することによって形成させることができる。本発明の化合物の酸付加塩を、常套の方法、例えば化合物と酸または適当なアニオン交換試薬との反応によって得る。酸および塩基形成基、例えば遊離カルボキシ基および遊離紙の基を含む本発明の化合物の分子内塩を、例えば塩、例えば酸付加塩の等電点での、例えば弱塩基によるかまたはイオン交換剤での処置による中和によって、形成することができる。
【0153】
塩を、常套の方法で遊離化合物に変換することができる;金属およびアンモニウム塩を、例えば適当な酸で処理することによって、そして酸付加塩を例えば適当な塩基性薬剤で処理することによって、変換することができる。
【0154】
本発明のよって得られる異性体の混合物を、自体公知の方法で、個々の異性体に分割することができる;ジアステレオマーを、例えば多相溶媒混合物での分配、再結晶化および/または例えばシリカゲルのクロマトグラフ分離で、または例えば逆相カラムの中圧液体クロマトグラフィーで分割することができ、そしてラセミ化合物を、例えば光学的に純粋な塩形成試薬で塩を形成させることにより分割することができ、かくして得られたジアステレオマーの混合物の分割を、例えば分画結晶化、または光学活性カラム物質でのクロマトグラフィーによって行うことができる。
【0155】
中間体および最終生成物を、標準的な方法で、例えばクロマトグラフ法、分配法、(再)結晶化等を用いて後処理および/または精製することができる。
【0156】
一般的なプロセス条件
下記は、一般的に、本明細書全体に記載の全ての方法に適用される。
【0157】
本発明の化合物の合成の方法工程を、具体的に記載のものも含む自体公知の反応条件下で、例えば使用する試薬に不活性でありそれらに溶解する溶媒または希釈剤なし、または通常は有りで、触媒、縮合剤または中和剤、例えばイオン交換剤、例えばカチオン交換剤、例えばH形態のものなし、または有りで、反応および/または反応物の性質に依存して、低温、常温または高温で、例えば約−100℃〜約190℃で、例えば約−80℃〜約150℃で、例えば−80〜−60℃、室温、−20〜40℃、または還流温度で、大気圧下または加圧下が適当なとき密封容器中で、および/または不活性雰囲気下で、例えばアルゴンまたは窒素雰囲気下で、行うことができる。
【0158】
反応の全ての段階で、形成された異性体の混合物を、個々の異性体、例えばジアステレオマーまたはエナンチオマーに、またはあらゆる異性体の所望の混合物、例えばラセミ化合物またはジアステレオマーの混合物に、例えばScience of Synthesis: Houben-Weyl Methods of Molecular Transformation. Georg Thieme Verlag, Stuttgart, Germany. 2005に記載の方法と同様に、分割することができる。
【0159】
あらゆる具体的な反応に適当である溶媒を選択することができる溶媒には、具体的に記載のもの、例えば水、エステル、例えば低級アルキル−低級アルカノエート、例えば酢酸エチル、エーテル、例えば脂肪族エーテル、例えばジエチルエーテル、または環状エーテル、例えばテトラヒドロフランまたはジオキサン、液体芳香族性炭化水素、例えばベンゼンまたはトルエン、アルコール、例えばメタノール、エタノールまたは1−もしくは2−プロパノール、ニトリル、例えばアセトニトリル、ハロゲン化炭化水素、例えば塩化メチレンまたはクロロホルム、酸アミド、例えばジメチルホルムアミドまたはジメチルアセトアミド、塩基、例えばヘテロ環式窒素塩基、例えばピリジンもしくはN−メチルピロリジン−2−オン、カルボン酸無水物、例えば低級アルカン酸無水物、例えば無水酢酸、環状、直鎖または分枝鎖炭化水素、例えばシクロヘキサン、ヘキサンまたはイソペンタン、またはそれらの溶媒の混合物、例えば水溶液が、方法の説明に具体的に記載されていない限り、含まれる。かかる溶媒混合物はまた、後処理で、例えばクロマトグラフィーまたは分配で使用し得る。
【0160】
塩を含む化合物は、水和物の形態で得ることができ、またはそれらの結晶形は、例えば結晶化に用いた溶媒を含み得る。異なる結晶形が存在し得る。
【0161】
本発明は、方法のいずれかの段階で中間体として得られる化合物を出発物質として用いて残りの工程を行うか、出発物質を反応条件下で形成するかまたは誘導体、例えば保護形もしくは塩形の形態で用いるか、あるいは本発明の方法で得られる化合物を方法条件下で製造し、さらにインサイチュで処理する方法の形態にも関する。
【0162】
プロドラッグ
本発明はまた、インビボで本発明の化合物に変換される本発明の化合物のプロドラッグに関する。したがって、本発明の化合物についてのあらゆる言及は、適当かつ便宜であるとき、本発明の化合物の対応するプロドラッグにも関係すると理解される。
【0163】
組み合わせ
本発明の化合物はまた、他の薬剤、例えば式IのものであってもなくてもよいさらなるHCV調節化合物との組み合わせにおける、対象のHCV関連障害の処置のために、使用され得る。
【0164】
「組合せ剤」なる用語は、1個の投与単位形態での固定組合せ剤、または本発明の化合物と組合せパートナーを独立して、同じ時点でまたは別個に、とりわけ組合せパートナーが共同的、例えば相乗効果を示すことができる時間間隔内に投与することができるパーツのキット、またはそのいずれかの組合せを意味する。
【0165】
例えば、WO 2005/042020(出典明示によりその全体を本明細書の一部とする)は、様々なHCV阻害剤とシトクロームP450(「CYP」)阻害剤の組合せ剤について記載している。NS3/4Aプロテアーゼの薬物動力学を改善するあらゆるCYP阻害剤を、本発明の化合物との組合せで用いることができる。これらのCYP阻害剤には、これらに限定されないが、リトナビル(WO 94/14436、出典明示によりその全体を本明細書の一部とする)、ケトコナゾール、トロレアンドマイシン、4−メチルピラゾール、シクロスポリン、クロムチアゾール、シメチジン、イトラコナゾール、フルコナゾール、ミコナゾール、フルボキサミン、フルオキセチン、ネファゾロン、セルトラリン、インジナビル、ネルフィナビル、アムプレナビル、フォサムプレナビル、サクイナビル、ロピナビル、デラビルジン、エリスロマイシン、VX−944、およびVX−497が含まれる。好ましいCYP阻害剤には、リトナビル、ケトコナゾール、トロレアンドマイシン、4−メチルピラゾール、シクロスポリン、およびクロムチアゾールが含まれる。
【0166】
CYP活性を阻害する化合物の能力を測定するための方法は、既知である(例えばUS 6,037,157およびYun, et al. Drug Metabolism & Disposition, vol. 21, pp. 403-407 (1993)参照;参照により本明細書の一部とする)。例えば、評価される化合物を0.1、0.5、および1.0mgタンパク質/ml、または他の適当な濃度のヒト肝ミクロソーム(例えば、商業的に入手可能な、集積され品質分析された肝ミクロソーム)と、0、5、10、20および30分間、または他の適当な時間、NADPH生産系の存在下でインキュベートすることができる。対照インキュベーションを、肝ミクロソームなしで0および30分間(3連)行うことができる。サンプルを化合物の存在について分析する。化合物代謝が直線速度になるインキュベーション条件をさらなる試験のためのガイドとして用いる。既知の実験を用いて、化合物代謝の動力学(KおよびVmax)を測定することができる。化合物消失速度を測定し、データをMichaelis-Menten動力学によって、Lineweaver-Burk、Eadie-Hofstee、または非線形回帰分析を用いて分析する。
【0167】
代謝阻害実験を行うことができる。例えば、化合物(ある濃度、<K)をプールヒト肝ミクロソームと、CYP阻害剤(例えばリトナビル)の存在下または非存在下で、上で決定した条件下で、インキュベートすることができる。理解されるとおり、対照インキュベーションは、CYP阻害剤とのインキュベーションと同じ濃度の有機溶媒を含まなければならない。サンプル中の化合物の濃度を定量し、親化合物の消失速度を測定することができ、当該速度は対照活性の割合として表現される。
【0168】
本発明の化合物とCYP阻害剤の共投与の対象における影響を評価する方法も既知である(例えば、US2004/0028755参照;出典明示により本明細書の一部とする)。かかる方法のいずれかを、本発明との関係において、組合せの薬物動力学的影響を測定するために用いることができる。本発明の処置から利益を得る対象を選択し得る。
【0169】
したがって、本発明の1つの態様は、CYP3A4の阻害剤と本発明の化合物を投与する方法を提供する。本発明の他の態様は、アイソザイム3A4(「CYP3A4」)、アイソザイム2C19(「CYP2C19」)、アイソザイム2D6(「CYP2D6」)、アイソザイム1A2(「CYP1A2」)、アイソザイム2C9(「CYP2C9」)、またはアイソザイム2E1(「CYP2E1」)の阻害剤を投与する方法を提供する。プロテアーゼ阻害剤がVX−950(またはその立体異性体)である態様において、CYP阻害剤は好ましくは、CYP3A4を阻害する。
【0170】
理解されるとおり、CYP3A4活性はヒトにおいて広く観察される。したがって、アイソザイム3A4の阻害を含む本発明の態様は、広範な患者に適用可能であると予期される。
【0171】
したがって、本発明は、CYP阻害剤を本発明の化合物と、同じ投与形態でまたは別個の投与形態で、共に投与する方法を提供する。
【0172】
本発明の化合物(例えば、式Iまたはその下位式の化合物)を、単独の有効成分として、または他の抗ウイルス剤、とりわけHCVに対して活性な薬剤との組合せで投与し得る。組合せ療法において、有効量の2種以上の薬剤を共に投与するが、交互または逐次段階療法において、各薬剤の有効量を連続的に、または逐次的に投与する。一般的に、組合せ療法は典型的に、複数の刺激ストレスをウイルスに与えるため、交互療法よりも好ましい。投与量は、薬剤の吸収、不活性化および排出速度、ならびに他の要因に依存する。投与値はまた、緩解しようとする状態の重症度で変化することが理解される。さらに、具体的な対象について、具体的な投与レジメンおよびスケジュールを、個々の要求および投与人間または投与を監督する者の専門的判断によって調節されるべきであるとこが理解される。ウイルス感染に対する薬剤の効果を、薬剤抵抗性ウイルスにおいて元の薬剤によって引き起こされるものとは異なる遺伝子変異を誘導する第2、そして第3の抗ウイルス化合物との組合せまたは交代によって、延長、拡大または回復することができる。あるいは、薬物動力学、生体内分布または他の薬剤のパラメーターを、かかる組合せまたは交互療法によって変化させることができる。
【0173】
本発明の方法の実施に必要な1日用量は、例えば、使用する本発明の化合物、宿主、投与形態、処置する状態の重症度に依存して変化する。好ましい1日用量範囲は、1日あたり1回投与または分割用量で、1〜50mg/kgである。患者にとって適当な1日用量は、例えば1〜20mg/kg p.oまたはi.v.程度である。経口投与に適した単位投与形態は、約0.25〜10mg/kgの有効成分、例えば式Iもしくはそのいずれかの下位式の化合物を、1種以上の薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含む。投与形態の共薬剤の量は、例えば、0.00001〜1000mg/kgの有効成分と、大きく変化し得る。
【0174】
使用する共薬剤の1日用量は、例えば、使用する化合物、宿主、投与形態および処置する状態の重症度に依存して変化する。例えば、ラミブジンを、100mgの1日用量で投与し得る。ペグ化インターフェロンを、非経腸的に、1週間に1〜3回、好ましくは1週間に1回、合計週間用量2000000〜10000000IU、より好ましい5000000〜10000000IU、最も好ましくは、8000000〜10000000IUの範囲で投与し得る。使用し得る共薬剤が様々なタイプであるため、量は大きく、例えば1日あたり.0001〜5,000mg/kgと大きく変化し得る。
【0175】
C型肝炎を処置するための標準的な治療は、ペグ化インターフェロンアルファとリバビリンの組合せであり、その推奨される投与量は、1.5μg/kg/wkのペグ化インターフェロンアルファ−2bまたは180μg/wkのペグ化インターフェロンアルファ−2aと、1日1,000〜1,200mgのリバビリンを、遺伝子型I患者については48週間、または1日800mgのリバビリンを、遺伝子型2/3患者については24週間である。
【0176】
本発明の化合物(例えば、式Iまたはその下位式の化合物)および本発明の共薬剤を、あらゆる常套の経路で、とりわけ経腸、例えば経口的に、例えば飲用液、錠剤またはカプセル剤の形態で、または非経腸的に、例えば注射用溶液または懸濁剤の形態で投与することができる。ある好ましい医薬組成物は、例えばUK 2,222,770 Aに記載のミクロエマルジョンを利用したものであり得る。
【0177】
本発明の化合物(例えば、式Iまたはその下位式の化合物)を、他の薬剤(共薬剤)、
例えば抗ウイルス性活性、とりわけ抗−Flaviviridae活性、最もとりわけ抗−HCV活性を有する薬剤、例えばインターフェロン、例えばインターフェロン−α−2aまたはインターフェロン−α−2b、例えばIntron A、Roferon、Avonex、RebifもしくはBetaferon、または水溶性ポリマーもしくはヒトアルブミンと結合したインターフェロン、例えばアルブフェロン、抗ウイルス剤、例えばリバビリン、ラミブジン、米国特許第6,812,219号およびWO 2004/002422 A2(出典明示によりそれらの全体を本明細書の一部とする)に記載の化合物、HCVもしくは他のFlaviviridaeウイルスコード化因子の阻害剤、例えばNS3/4Aプロテアーゼ、ヘリカーゼもしくはRNAポリメラーゼ、またはかかる阻害剤のプロドラッグ、抗線維症薬剤、例えばN−フェニル−2−ピリミジン−アミン誘導体、例えばイマチニブ、免疫調節剤、例えばミコフェノール酸、その塩もしくはプロドラッグ、例えばミコフェノール酸ナトリウムもしくはミコフェノール酸モフェチル、またはS1P受容体アゴニスト、例えばFTY720もしくは所望によりリン酸化されたそのアナログ、例えばEP627406A1、EP778263A1、EP1002792A1、WO02/18395、WO02/76995、WO 02/06268、JP2002316985、WO03/29184、WO03/29205、WO03/62252およびWO03/62248(出典明示によりそれらの全体を本明細書の一部とする)に記載のものと共に投与する。
【0178】
インターフェロンと水溶性ポリマーの結合体は、とりわけポリアルキレンオキシドホモポリマー、例えばポリエチレングリコール(PEG)またはポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオール、そのコポリマーおよびそのブロックコポリマーとの結合体を含む。ポリアルキレンオキシドベースのポリマーに代えて、デキストラン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、炭水化物ベースのポリマー等のような非抗原性物質を、効果的に用いることができる。かかるインターフェロン−ポリマー結合体は、米国特許第4,766,106号、第4,917,888号、欧州特許出願第0 236 987号、欧州特許出願第0 510 356号および国際公開番号第WO 95/13090号に開示されており、出典明示によりそれらの全体を本明細書の一部とする。ポリマー修飾が抗原応答を十分に減少するため、外来インターフェロンが完全に自己である必要はない。ポリマー結合体を製造するために使用されるインターフェロンを、哺乳類抽出物、例えばヒト、反すう動物またはウシインターフェロン、または組換え生成物から製造することができる。ペグ化インターフェロンとしても知られているインターフェロンとポリエチレングリコールの結合体が好ましい。
【0179】
とりわけ好ましいインターフェロン結合体は、ペグ化アルファ−インターフェロン、例えばペグ化インターフェロン−α−2a、ペグ化インターフェロン−α−2b;ペグ化コンセンサスインターフェロンまたはペグ化精製インターフェロン−α生成物である。ペグ化インターフェロン−α−2aは、例えば欧州特許593,868(出典明示によりその全体を本明細書の一部とする)に記載されており、例えばPEGASYS(登録商標)(Hoffmann-La Roche)の商品名で商業的に入手可能である。ペグ化インターフェロン−α−2bは、例えば欧州特許975,369(出典明示によりその全体を本明細書の一部とする)に記載されており、例えばPEG−INTRON A(登録商標)(Schering Plough)の商品名で商業的に入手可能である。ペグ化コンセンサスインターフェロンは、WO 96/11953(出典明示によりその全体を本明細書の一部とする)に記載されている。好ましいペグ化α−インターフェロンは、ペグ化インターフェロン−α−2aおよびペグ化インターフェロン−α−2bである。ペグ化コンセンサスインターフェロンも好ましい。
【0180】
他の好ましい共薬剤は、インターフェロンの融合タンパク質、例えばインターフェロン−α−2a、インターフェロン−α−2b;コンセンサスインターフェロンまたは精製インターフェロン−α生成物の融合タンパク質であり、これらは各々他のタンパク質と融合している。好ましい融合タンパク質は、米国特許6,973,322および国際公開公報WO02/60071、WO05/003296およびWO05/077042(Human Genome Sciences)のようにインターフェロン(例えば、インターフェロン−α−2b)とアルブミンを含む。好ましいヒトアルブミンと結合したインターフェロンは、Albuferon(Human Genome Sciences)である。
【0181】
シクロフィリンと強く結合するが免疫抑制性ではないシクロスポリンには、米国特許5,767,069および5,981,479(出典明示により本明細書の一部とする)に記載のシクロスポリンが含まれる。MeIle−シクロスポリンが好ましい非免疫抑制性シクロスポリンである。他のシクロスポリン誘導体は、WO2006039668(Scynexis)およびWO2006038088(Debiopharm SA)に記載されており、出典明示により本明細書の一部とする。シクロスポリンは、混合リンパ球反応(MLR)においてシクロスポリンAの5%以下、好ましくは2%以下の活性を有するとき、非免疫抑制性であると考えられる。混合リンパ球反応は、T. Meoの“Immunological Methods”, L. Lefkovits and B. Peris, Eds., Academic Press, N.Y. pp. 227 - 239 (1979)に記載されている。Balb/cマウス(メス、8−10週齢)由来の脾臓細胞(0.5×10)を5日間、0.5×10個の放射性(2000rad)またはミトマイシンC処置CBAマウス(メス、8−10週齢)由来の脾臓細胞と共にインキュベートする。放射性同種細胞は、Balb c脾臓細胞において増殖性応答を誘導し、これはDNAに標識化前駆体導入することによって測定することができる。刺激細胞が放射性(またはミトマイシンC処置)であるので、それらはBalb/c細胞に増殖で応答しないが、それらの抗原性は保持される。MLRにおいて試験化合物のIC50を、シクロスポリンのものと平行実験で比較する。さらに、非免疫抑制性シクロスポリンはCNおよび下流NF−AT経路の阻害能を欠く。[MeIle]−シクロスポリンは、本発明に使用するために好ましい非免疫抑制性シクロフィリン結合性シクロスポリンである。
【0182】
リバビリン(1−β−D−リボフラノシル−1−1,2,4−トリアゾール−3−カロキサミド)は、合成非インターフェロン誘導性、広スペクトル抗ウイルスヌクレオチドアナログであり、Virazoleの商品名で売られている(The Merk Index, 11th版、編者: Budavar, S, Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, p1304,1989)。米国特許第3,798,209号およびRE29,835号(出典明示によりそれらの全体を本明細書の一部とする)は、リバビリンを開示およびクレームしている。リバビリンは、グアノシンと構造的に類似しており、Flaviviridaeを含む様々なDNAおよびRNAウイルスに対してインビトロ活性を有する(Gary L. Davis, Gastroenterology 118:S104-S114, 2000)。
【0183】
リバビリンは、血清アミノトランスフェラーゼレベルを40%の患者で正常に減少するが、HCV−RNAの血清レベルを低下させない(Gary L. Davis, Gastroenterology 118:S104-S114, 2000)。したがって、リバビリン単独では、ウイルス性RNAレベル減少に効果を有しない。さらに、リバビリンは顕著な毒性を有し、貧血を誘導することが知られている。リバビリンはHCVの単独療法としては許可されておらず;HCVの処置としてはインターフェロンアルファ−2aまたはインターフェロンアルファ−2bとの組合せで許可されている。
【0184】
さらに好ましい組合せは、本発明の化合物(例えば、式Iまたはその下位式の化合物)と、非免疫抑制性シクロフィリン結合シクロスポリン、ミコフェノール酸、その塩もしくはプロドラッグ、および/またはS1P受容体アゴニスト、例えばFTY720との組合せ剤である。
【0185】
組合せまたは交互処置に使用することができる化合物のさらなる例は、下記のものを含む:
(1)インターフェロンアルファ2aまたは2b、およびペグ化(PEG)インターフェロンアルファ2aまたは2bを含むインターフェロン、例えば:
(a)Intron−A(登録商標)、インターフェロンアルファ−2b(Schering Corporation, Kenilworth, NJ);
(b)PEG−Intron(登録商標)、ペグ化インターフェロンアルファ−2b(Schering Corporation, Kenilworth, NJ);
(c)Roferon(登録商標)、組換えインターフェロンアルファ−2a(Hoffmann-La Roche, Nutley, NJ);
(d)Pegasys(登録商標)、ペグ化インターフェロンアルファ−2a(Hoffmann-La Roche, Nutley, NJ);
(e)Berefor(登録商標)、インターフェロンアルファ2(Boehringer Ingelheim Pharmaceutical, Inc., Ridgefield, CT);
(f)Sumiferon(登録商標)、精製品質の天然アルファインターフェロン(Sumitomo, Japan)
(g)Wellferon(登録商標)、リンパ芽球インターフェロンアルファ n1(GlaxoSmithKline);
(h)Infergen(登録商標)、コンセンサスアルファインターフェロン(InterMune Pharmaceuticals, Inc., Brisbane, CA);
(i)Alferon(登録商標)、天然アルファインターフェロン混合物(Interferon Sciences, and Purdue Frederick Co., CT);
(j)Viraferon(登録商標);
(k)Amgen, Inc., Newbury Park, CAのコンセンサスアルファインターフェロン;
【0186】
他の形態のインターフェロンは:インターフェロンベータ、ガンマ、タウおよびオメガ、例えばSeronoのRebif(インターフェロンベータ 1a)、ViragenのOmniferon(天然インターフェロン)、Ares-SeronoのREBIF(インターフェロンベータ−1a)、BioMedicinesオメガインターフェロン;Amarillo Biosciencesの経口インターフェロンアルファ;水溶性ポリマーまたはヒトアルブミンと結合したインターフェロン、例えばAlbuferon(Human Genome Sciences)、抗ウイルス性薬剤、コンセンサスインターフェロン、ヒツジまたはウシインターフェロン−タウを含む。
【0187】
水溶性ポリマーとインターフェロンの結合体は、とりわけポリアルキレンオキシドホモポリマー、例えばポリエチレングリコール(PEG)またはポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオール、そのコポリマーおよびそのブロックコポリマーとの結合体を含むことを意味する。ポリアルキレンオキシドベースのポリマーに代えて、デキストラン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、炭水化物ベースのポリマー等のような非抗原性物質を、効果的に用いることができる。ポリマー修飾が抗原応答を十分に減少するため、外来インターフェロンが完全に自己である必要はない。ポリマー結合体を製造するために使用されるインターフェロンを、哺乳類抽出物、例えばヒト、反すう動物またはウシインターフェロン、または組換え生成物から製造することができる。ペグ化インターフェロンとしても知られているインターフェロンとポリエチレングリコールの結合体が好ましい。
【0188】
(2)リバビリン、例えば、Valeant Pharmaceuticals, Inc., Costa Mesa, CAのリバビリン(1−ベータ−D−リボフラノシル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボキサミド);Schering Corporation, Kenilworth, NJのRebetol(登録商標)、およびHoffmann-La Roche, Nutley, NJのCopegus(登録商標);および開発中の新規リバビリンアナログ、例えばValeantのLevovirinおよびViramidine、
【0189】
(3)逆相HPLCアッセイでNS3/4A融合タンパク質およびNS5A/5B基質と相対的阻害を示すチアゾリジン誘導体(Sudo K. et al., Antiviral Research, 1996, 32, 9-18)、とりわけ長アルキル鎖で置換された縮合シンナモイル基を有する化合物RD−1−6250、RD4 6205およびRD4 6193;
【0190】
(4)Kakiuchi N. et al. J. FEBS Letters 421, 217-220; Takeshita N. et al. Analytical Biochemistry, 1997, 247, 242-246で同定されているチアゾリジンおよびベンズアニリド;
【0191】
(5)SDS−PAGEおよびオートラジオグラフィーアッセイにおいてプロテアーゼに対する活性を有し、Streptomyces sp.の発酵培養液から単離したフェナントレンキノン、Sch 68631(Chu M. et al., Tetrahedron Letters, 1996, 37, 7229-7232)、および真菌Penicillium griseofulvumから単離した、シンチレーション近接アッセイで活性を示すSch 351633(Chu M. et al, Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters 9, 1949-1952);
【0192】
(6)プロテアーゼ阻害剤.
例には、基質ベースのNS3プロテアーゼ阻害剤(Attwood et al., Antiviral peptide derivatives, PCT WO 98/22496, 1998; Attwood et al., Antiviral Chemistry and Chemotherapy 1999, 10, 259-273; Attwood et al, Preparation and use of amino acid derivatives as anti-viral agents, 独国特許公報DE 19914474; Tung et al. Inhibitors of serine proteases、とりわけC型肝炎ウイルスNS3プロテアーゼ;PCT WO 98/17679)、例えばアルファケトアミドおよびヒドラジノウレアが含まれ、そして求電子試薬、例えばボロン酸またはホスホン酸で終了する阻害剤(Llinas-Brunet et al. hepatitis C inhibitor peptide analogues、PCT WO 99/07734)を調査する。
【0193】
非基質ベースのNS3プロテアーゼ阻害剤、例えば2,4,6−トリヒドロキシ−3−ニトロ−ベンズアミド誘導体(Sudo K. et al., Biochemiscal and Biophysical Research Communications, 1997, 238 643-647; Sudo K. et al. Antiviral Chemistry and Chemotherapy, 1998, 9, 186)、例えばRD3−4082およびRD3−4078(前者はアミドで14炭素鎖で置換されており、後者はパラ−フェノキシフェニル基を処理する)も調査する。
【0194】
フェナントレンキノンであるSch 68631はHCVプロテアーゼ阻害剤である(Chu M et al., Tetrahedron Letters 37:7229-7232, 1996)。同じ著者の他の例において、真菌Penicillium grieofulvumから単離されるSch 351633を、プロテアーゼ阻害剤として同定した(Chu M. et al., Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters 9:1949-1952)。HCV NS3プロテアーゼ酵素に対するナノモル能力を、巨大分子eglin cを利用した選択的阻害剤の設計によって得られる。ヒルから単離されたEglin cは、様々なセリンプロテアーゼ、例えばS. griseusプロテアーゼAおよびB、∀−キモトリプシン、チマーゼおよびサブチリジンの強力な阻害剤である。Qasim M.A. et al., Biochemistry 36:1598-1607, 1997。
【0195】
HCVの処置のためのプロテアーゼ阻害剤について開示している米国特許は、例えば、HCVエンドペプチダーゼ2を阻害するためのシステインプロテアーゼ阻害剤を開示しているSpruce et alの米国特許第6,004,933号(出典明示によりその全体を本明細書の一部とする);C型肝炎ウイルスNS3プロテアーゼの合成阻害剤を開示しているZhang et al.の米国特許第5,990,276号(出典明示によりその全体を本明細書の一部とする);Reyes et al.の米国特許第5,538,865号(出典明示によりその全体を本明細書の一部とする)。HCVのNS3セリンプロテアーゼ阻害剤としてのペプチドは、Corvas International, Inc.のWO 02/008251、ならびにSchering CorporationのWO 02/08187およびWO 02/008256に記載されている(出典明示によりそれらの全体を本明細書の一部とする)。HCV阻害剤トリペプチドは、Boehringer Ingelheimの米国特許第6,534,523号、第6,410,531号および第6,420,380号、ならびにBristol Myers SquibbのWO 02/060926に記載されている(出典明示によりそれらの全体を本明細書の一部とする)。HCVのNS3セリンプロテアーゼ阻害剤としてのジアリールペプチドは、Schering CorporationのWO 02/48172に記載されている(出典明示により本明細書の一部とする)。HCVのNS3セリンプロテアーゼ阻害剤としてのイミダゾリジノンは、Schering CorporationのWO 02/18198およびBristol Myers SquibbのWO 02/48157に記載されている(出典明示によりそれらの全体を本明細書の一部とする)。Vertex PharmaceuticalsのWO 98/17679およびBristol Myers SquibbのWO 02/48116も、HCVプロテアーゼ阻害剤を開示している(出典明示によりそれらの全体を本明細書の一部とする)。
【0196】
Boehringer IngelheimのBILN 2061、VertexVX−950、Schering-PloughのSCH 6/7、および現在前臨床開発中の他の化合物を含むHCV NS3−4Aセリンプロテアーゼ阻害剤;
基質ベースのNS3プロテアーゼ阻害剤、例えばアルファケトアミドおよびヒドラジノウレア、ならびに求電子試薬、例えばボロン酸またはホスホン酸を終了させる阻害剤;非基質ベースのNS3プロテアーゼ阻害剤、例えば2,4,6−トリヒドロキシ−3−ニトロ−ベンズアミド誘導体、例えばRD3−4082およびRD3−4078(前者はアミドで14炭素鎖で置換されており、後者はパラ−フェノキシフェニル基を処理する);ならびにSch68631、フェナントレンキノン、HCVプロテアーゼ阻害剤。
【0197】
真菌Penicillium griseofulvumから単離したSch 351633を、プロテアーゼ阻害剤として同定した。ヒルから単離したEglin cは、S. griseusプロテアーゼAおよびB、a−キモトリプシン、チマーゼおよびスブチリジンのような様々なセリンプロテアーゼの強力な阻害剤である。
【0198】
米国特許第6004933号(出典明示によりその全体を本明細書の一部とする)は、HCVエンドペプチダーゼ2を阻害するシステインプロテアーゼ阻害剤のクラス;HCV NS3プロテアーゼの合成阻害剤(pat)、HCV阻害剤トリペプチド(pat)、ジアリールペプチド、例えばHCVのNS3セリンプロテアーゼ阻害剤(pat)、HCVのNS3セリンプロテアーゼ阻害剤としてのImidazolidindiones(pat)を開示している。
【0199】
チアゾリジンおよびベンズアニリド(ref)。逆相HPLCアッセイでNS3/4A融合タンパク質およびNS5A/5B基質と相対的阻害を示すチアゾリジン誘導体、とりわけ長アルキル鎖で置換された縮合シンナモイル基を有する化合物RD−16250、RD4 6205およびRD4 6193。
【0200】
SDS−PAGEおよびオートラジオグラフィーアッセイにおいてプロテアーゼに対する活性を有し、Streptomyces sp.の発酵培養液から単離したフェナントレンキノン、Sch 68631、および真菌Penicillium griseofulvumから単離した、シンチレーション近接アッセイで活性を示すSch 351633。
【0201】
(7)WO 2004/002422 A2(出典明示によりその全体を本明細書の一部とする)に記載のHCV NS5B RNA依存性RNAポリメラーゼのヌクレオシドまたは非ヌクレオシド阻害剤、例えば2’−C−メチル−3’−O−L−バリンエステルリボフラノシルシチジン(Idenix)、R803(Rigel)、JTK−003(Japan Tabacco)、HCV−086(ViroPharma/Wyeth)および現在前臨床開発中の他の化合物;
【0202】
グリオトキシン(ref)および天然生成物セルレニン;
2’−フルオロヌクレオシド;
【0203】
WO 02/057287 A2、WO 02/057425 A2、WO 01/90121、WO 01/92282、および米国特許第6,812,219号(出典明示によりそれらの全体を本明細書の一部とする)に記載の他のヌクレオシドアナログ。
【0204】
Idenix Pharmaceuticalsは、フラビウイルス(HCVを含む)およびペスチウイルスの処置における分枝鎖ヌクレオシドの使用を、国際公開番号第WO 01/90121号および第WO 01/92282号(出典明示によりそれらの全体を本明細書の一部とする)において開示している。具体的には、ヒトおよび他の宿主動物におけるC型肝炎(およびフラビウイルスおよびペスチウイルス)感染の処置法をIdenix公報で開示しており、これは有効量の生物学的に活性な1’、2’、3’または4’−分枝鎖B−DまたはB−Lヌクレオシドまたはその薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグを、単独で、または他の抗ウイルス剤との組合せで、所望により薬学的に許容される担体と投与することを開示している。Telbivudineを含む好ましい生物学的に活性な1’、2’、3’、または4’分枝鎖B−DまたはB−Lヌクレオシドは、米国特許6,395,716および6,875,751(これらは各々、出典明示により本明細書の一部とする)に記載されている。
【0205】
C型肝炎ウイルスを処置するためのヌクレオシドアナログの使用を開示している他の特許出願には、下記のものが含まれる:BioChem Pharma, Inc.(現在はShire Biochem, Inc.)が出願したPCTCA00/01316(WO 01/32153;2000年11月3日出願)およびPCT/CA01/00197(WO 01/60315;2001年2月19日出願);Merck & Co., Inc.が出願したPCT/US02/01531(WO 02/057425;2002年1月18日出願)およびPCT/US02/03086(WO 02/057287;2002年1月18日出願)、Rocheが出願したPCT/EP01/09633(WO 02/18404;2001年8月21日公開)、ならびにPharmasset, Ltd.が出願したPCT公開番号第WO 01/79246号(2001年4月13日出願)、WO 02/32920(2001年10月18日出願)およびWO 02/48165(出典明示によりそれらの全体を本明細書の一部とする)。
【0206】
Emory UniversityのPCT公開番号第WO 99/43691号(出典明示によりその全体を本明細書の一部とする)、表題「2’−フルオロヌクレオシド」は、HCV処置のための2’−フルオロヌクレオシドの使用を開示している。
【0207】
Eldrup et al.(Oral Session V, Hepatitis C Virus, Flaviviridae; 16th International Conference on Antiviral Research(2003年4月27日、Savannah, GA))は、HCVの阻害のための2’−修飾ヌクレオシドの構造活性関係性を説明した。
【0208】
Bhat et al. (Oral Session V, Hepatitis C Virus, Flaviviridae; 16th International Conference on Antiviral Research(2003年4月27日、Savannah, GA); p A75)は、HCV RNA複製の可能性のある阻害剤としてのヌクレオシドアナログの合成および薬物動力学的特性を開示している。著者らは、2’−修飾ヌクレオシドは細胞ベースのレプリコンアッセイにおいて強力な阻害活性を示すことを報告している。
【0209】
Olsen et al. (Oral Session V, Hepatitis C Virus, Flaviviridae; 16th International Conference on Antiviral Research(2003年4月27日、Savannah, GA); p A76)はまた、2’−修飾ヌクレオシドのHCV RNA複製に対する効果を開示した。
【0210】
(8)ヌクレオチドポリメラーゼ阻害剤およびグリオトキシン(Ferrari R. et al. Journal of Virology, 1999, 73, 1649-1654)、ならびに天然生成物セルレニン(Lohmann V. et al. Virology, 1998, 249, 108-118);
【0211】
(9)HCV NS3ヘリカーゼ阻害剤、例えばViroPhamaのVP−50406およびVertexの化合物。他のヘリカーゼ阻害剤(Diana G.D. et al., Compounds, compositions and methods for treatment of hepatitis C, 米国特許第5,633,358号(出典明示によりその全体を本明細書の一部とする); Diana G.D. et al., Piperidine derivatives, Pharmaceutical compositions thereof and their use in the treatment of hepatitis C, PCT WO 97/36554);
【0212】
(10)ウイルスの5’非コーディング領域(NCR)の配列ストレッチと相補的なアンチセンスホスホロチオエートオリゴデオキシヌクレオチド(S−ODN)(Alt M. et al., Hepatology, 1995, 22, 707-717)、またはNCRの3’末端を含むヌクレオチド326−348、およびHCV RNAの核コーディング領域に位置するヌクレオチド371−388(Alt M. et al., Archives of Virology, 1997, 142, 589-599; Galderisi U. et al., Journal of Cellular Physiology, 199, 181, 251-257);例えばIsis Pharm/ElanのISIS 14803、Hybridonのアンチセンス、AVI bioPharmaのアンチセンス、
【0213】
(11)IRES−依存翻訳の阻害剤(Ikeda N et al., Agent for the prevention and treatment of hepatitis C、日本国特許公開JP−08268890; Kai Y et al. Prevention and treatment of viral diseases、日本国特許公開JP−10101591);例えばIsis Pharm/ElanのISIS 14803、AnadysのIRES阻害剤、ImmusolのIRES阻害剤、PTC Therapeuticsの標的RNA化学
【0214】
(12)リボザイム、例えばヌクレアーゼ抵抗性リボザイム(Maccjak, D.J. et al., Hepatology 1999, 30, abstract 995)、およびBarber et al.の米国特許第6,043,077号ならびにDraper et al.の米国特許第5,869,253号および第5,610,054号(出典明示によりそれらの全体を本明細書の一部とする)に記載のもの、例えばRPIのHEPTAZYME
(13)HCVゲノムに指向するsiRNA
【0215】
(14)あらゆる他の機構のHCV複製阻害剤、例えばVP50406ViroPharama/Wyeth、Achillion, Arrowの阻害剤
(15)ウイルスの侵入、集合および成熟を含むHCVライフサイクルの他の標的の阻害剤
(16)免疫調節剤、例えばIMPDH阻害剤、ミコフェノール酸、その塩またはプロドラッグ、ミコフェノール酸ナトリウムまたはミコフェノール酸モフェチル、またはMerimebodib(VX−497);チモシンアルファ−1(SciCloneのZadaxin);またはS1P受容体アゴニスト、例えばFTY720またはその所望によりリン酸化されたアナログ
【0216】
(17)抗線維症薬剤、例えばN−フェニル−2−ピリミジン−アミン誘導体、イマチニブ(Gleevac)、IndevusのIP−501、およびInterMuneのインターフェロンガンマ1b
(18)Intercell、Epimmune/Genecor、Merix、Tripepの治療ワクチン(Chron-VacC)、Avantの免疫療法(Therapore)、CellExSysのT細胞療法、STLのモノクローナル抗体XTL−002、AnadysのANA246およびANA246、
【0217】
(19)1−アミノ−アルキルシクロヘキサン(Gold et al.の米国特許第6,034,134号)、アルキル脂質(Chojkier et al.の米国特許第5,922,757号)、ビタミンEおよび他の抗酸化剤(Chojkier et al.の米国特許第5,922,757号)、アマンタジン、胆汁酸(Ozeki et al.の米国特許第5,846,99964号)、N−(ホスホノアセチル)−L−アスパラギン酸(Diana et al.の米国特許第5,830,905号)、ベンゼンジカルボキサミド(Diane et al.の米国特許第5,633,388号)、ポリアデニル酸誘導体(Wang et al.の米国特許第5,496,546号)、2’3’−ジデオキシイノシン(Yarchoan et al.の米国特許第5,026,687号)、ベンゾイミダゾール(Colacino et al.の米国特許第5,891,874号)、植物抽出物(Tsai et al.の米国特許第5,837,257号、Omer et al.の米国特許第5,725,859号、および米国特許第6,056,961号)およびピペリジン(Diana et al.の米国特許第5,830,905号)を含む他の様々な化合物;出典明示によりそれらの全体を本明細書の一部とする。また、スクアレン、テルビブジン、N−(ホスホノアセチル)−L−アスパラギン酸、ベンゼンジカルボキサミド、ポリアデニル酸誘導体、糖化阻害剤、およびウイルス感染によって引き起こされる細胞損傷を遮断する非特異的細胞保護剤。
【0218】
(20)HCVの処置のための現在前臨床または臨床開発中のあらゆる他の化合物、例えばInterleukin−10(Schering-Plough)、Endo Labs SolvayのAMANTADINE(Symmetrel)、Idun Pharmaのカスパーゼ阻害剤IDN−6556、ChironのHCV/MF59、NABIのCIVACIR(C型肝炎免疫グロブリン)、MaximのCEPLENE(ヒスタミンジクロライド)、Idun PHARMのIDN−6556、T67、Tularikのベータチューブリン阻害剤、InnogeneticsのE2に指向する治療ワクチン、Fujisawa HelathcareのFK788、IdB1016(Siliphos、経口シリビン−ホスファチジルコリンフィトソーム)、Trimerisの誘導阻害剤、Aethlon Medicalの血液清浄剤、United TherapeuticsのUT231B。
【0219】
(21)Anadysによって開発されたプリンヌクレオシドアナログアンタゴニストTlR7(トール様レセプター)、例えば、欧州出願EP348446およびEP636372、国際公報WO03/045968、WO05/121162およびWO05/25583、ならびに米国特許6/973322(これらは各々、出典明示により本明細書の一部とする)に記載されているIsotorabine(ANA245)およびそのプロドラッグ(ANA975)。
【0220】
(21)Genelabsに開発され、国際公報WO2004/108687、WO2005/12288およびWO2006/076529(これらは各々、出典明示により本明細書の一部とする)に記載の非ヌクレオシド阻害剤
(22)本発明との組合せにおいて使用することができる他の共薬剤(例えば、非免疫調節または免疫調節化合物)には、これらに限定されないが、WO 02/18369(出典明示により本明細書の一部とする)に記載のものが含まれる。
【0221】
本発明の方法はまた、免疫調節剤;抗ウイルス剤、HCVプロテアーゼ阻害剤;HCVライフサイクルの他の標的の阻害剤;CYP阻害剤;またはそれらの組合せの投与を含み得る。
【0222】
したがって、他の態様において、本発明は、本発明の化合物と他の抗ウイルス剤、好ましくは抗HCV剤を投与することを含む方法を提供する。かかる抗ウイルス剤には、これらに限定されないが、免疫調節剤、例えばα、βおよびδインターフェロン、ペグ化誘導化インターフェロン−a化合物、およびチモシン;他の抗ウイルス剤、例えばリバビリン、アマンタジン、およびテルビブジン;他のC型肝炎プロテアーゼ阻害剤(NS2−NS3阻害剤およびNS3−NS4A阻害剤);HCVライフサイクルの他の標的の阻害剤、例えばヘリカーゼ阻害剤、ポリメラーゼ阻害剤およびメタロプロテアーゼ阻害剤;内部リボソーム侵入の阻害剤;広スペクトルウイルス阻害剤、例えばIMPDH阻害剤(例えば、米国特許5,807、876,6、498,178、6,344、465,6、054,472、WO 97/40028、WO 98/40381、WO 00/56331の化合物、ならびにミコフェノール酸およびその誘導体、およびこれらに限定されないが、例えばVX−497、VX−148および/またはVX−944);または上記のいずれかの組合せが含まれる。
【0223】
上記のとおり、本発明は、さらなる局面において下記のものを提供する:
・a)本発明の化合物、例えば式Iまたはその下位式の化合物である、第1の薬剤、およびb)共薬剤、例えば上記定義の第2の薬剤を含む、医薬組合せ剤。
・治療上有効量の本発明の化合物、例えば式Iまたはその下位式の化合物と、共薬剤、例えば上記定義の第2の薬剤を、例えば同時に、または連続的に、共投与することを含む、上記定義の方法。
【0224】
「共投与」または「組合せ投与」等の用語は、本明細書において使用されるとき、選択した治療薬剤を1人の患者に投与することを含む意味であり、そして薬剤を必ずしも同じ投与経路でまたは同時に投与する必要のない処置レジメンを含むことを意図する。固定組合せ剤はまた、本発明の範囲内である。本発明の医薬組合せ剤の投与は、その薬学的有効成分の1種のみを適用する単独療法と比較して、有利な効果、例えば相乗効果をもたらす。
【0225】
本発明の組合せ剤の各成分を、個別に、一緒に、またはそのいずれかの組合せで、投与することができる。当業者に理解されるとおり、インターフェロンの用量は、典型的には、IUで測定される(例えば、約4000000IU〜約12000000IU)。
【0226】
さらなる薬剤が他のCYP阻害剤から選択されるとき、したがって、かかる方法は、2種以上のCYP阻害剤を用いる。各成分を1個以上の投与形態で投与することができる。各投与形態を、任意の順序で患者に投与することができる。
【0227】
本発明の化合物およびあらゆるさらなる薬剤を、別個の投与形態に製剤することができる。あるいは、患者に投与する投与形態の数を減ずるため、本発明の化合物とあらゆるさらなる薬剤をあらゆる組合せにおいて一体に製剤することができる。例えば、本発明の阻害剤化合物を1個の投与形態に製剤し、さらなる薬剤を他の投与形態に一体として製剤することができる。あらゆる個別投与形態を、同時または異なる時点で投与することができる。
【0228】
あるいは、本発明の組成物は、本明細書に記載のさらなる薬剤を含む。各成分が別個の組成物、組合せ組成物、または1個の組成物で存在し得る。
【実施例】
【0229】
発明の例示
本発明を、下記実施例によってさらに説明するが、これはさらなる限定を構成するべきではない。実施例で用いたアッセイは許容される。これらのアッセイでの効果の実証は、対象における効果の予測である。
【0230】
一般的な合成法
本発明の化合物の合成に用いた全ての出発物質、構成要素、試薬、酸、塩基、脱水剤、溶媒および触媒は、商業的に入手可能であるか、または当業者に既知の有機合成法によって製造することができる(Houben-Weyl 4th Ed. 1952, Methods of Organic Synthesis, Thieme, Volume 21)。さらに、本発明の化合物を、下記実施例に示すとおり、当業者に既知の有機合成法によって製造することができる。
【0231】
略語の表
【表16】

【表17】

【0232】
HPLC(方法A):
装置: アジレントシステム
カラム: Macherey-Nagel Nucleosil 100-3 C18 HD、粒度3.5μm、孔径100Å、長さ70mm、内径4mm、流速1.0ml/min
溶媒: CHCN(0.1% CFCOH);HO(0.1% CFCOH)
グラジエント: 0−6min:20−100% CHCN、1.5min:100% CHCN、0.5min、100−20% CHCN
【0233】
HPLC(方法B):
装置: アジレントシステム
カラム: 水対称C18、3.5μm、2.1×50mm、流速0.6ml/min
溶媒: CHCN(0.1% CFCOH);HO(0.1% CFCOH)
グラジエント:0−3.5min:20−95% CHCN、3.5−5min:95% CHCN、5.5−5.55min 95%〜20% CHCN
【0234】
分取HPLC(方法C):
装置: ジルソン
カラム: Sun-Fire prep C18 OBD 5μm、カラム19×50mm(流速20mL/min)または
カラム 30×100mm(流速40mL/min)
溶媒:CHCN(0.1% CFCOH)およびHO(0.1% CFCOH)
グラジエント: 0−20min:5−100% CHCN
【0235】
分取HPLC(方法D):
装置: ジルソンシステム
カラム: 水C18 ODB、5μm、50×19mm
溶媒: CHCN(0.1% HCOH);HO(0.1% HCOH)
【0236】
MS(方法E):
装置: アジレント1100シリーズ
検出装置: API−ES、ポジティブ/ネガティブ
【0237】
LC−MS(方法F):
装置: アジレントシステム
カラム: 水対称、3.5μm、50×2.1mm、5min、20%〜95% CHCN
溶媒: CHCN(0.1% HCOH);HO(0.1% HCOH)
グラジエント: 0−3.5min:20−95% CHCN、3.5−5min:95% CHCN、5.5−5.55min 95%〜20% CHCN
【0238】
実施例1
{[(1R,2S)−1−(3−ベンジルオキシ−ベンゼンスルホニルアミノカルボニル)−2−ビニル−シクロプロピルカルバモイル]−メチル}−シクロペンチルメチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化24】

DMF(3mL)中(tert−ブトキシカルボニル−シクロペンチルメチル−アミノ)−酢酸(38mg、0.15mmol)、N−((1R,2S)−1−アミノ−2−ビニル−シクロプロパンカルボニル)−3−ベンジルオキシ−ベンゼンスルホンアミド(61mg、0.15mmol)およびDIPEA(0.13mL、0.74mmol)を含む10mL丸底フラスコに、0℃でHBTU(68mg、0.18mmol)を加える。一晩RTで攪拌した後、反応混合物を分取RP HPLC(方法C)で直接精製して、生成物を得る(45mg、0.07mmol)。
HPLC(方法A)t=5.89
MS(方法E)=610[M−H]
TLC(CHCl/MeOH:19:1)Rf=0.43
【0239】
tert−ブトキシカルボニル−シクロペンチルメチル−アミノ)−酢酸の製造
工程1−1
(シクロペンチルメチル−アミノ)−酢酸メチルエステル
【化25】

MeOH(250mL)および2gのモレキュラー・シーブ(4Å)を含む500mL丸底フラスコに、シクロペンタンカルボキシアルデヒド(9g、89mmol)、グリシン−メチルエステル(HCl塩)(11.3g、89mmol)およびNEt(18mL、116mmol)を加える。30min後、NaBH(4.5g、116mmol)を0℃で5回で加える。2時間RTで撹拌後、反応をNaHCO(飽和、50mL)、飽和ビカルボネートの添加によってクエンチする。溶媒を真空下で除去し、水(100mL)に溶解し、CHCl(3×100mL)で抽出する。有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で除去しる。残渣をFCC(ヘキサン/EtOAc 1:1)で精製して、生成物を得る(5.9g、34mmol)。
MS(方法E)=172[M+H]
TLC(ヘキサン/EtOAc:1:1)Rf=0.55
【0240】
工程1−2
(tert−ブトキシカルボニル−シクロペンチルメチル−アミノ)−酢酸メチルエステル
【化26】

CHCl(60mL)中(シクロペンチルメチル−アミノ)−酢酸メチルエステル(1g、6.2mmol)を含む250mL丸底フラスコに、0℃でNEt(1.7mL、12.4mmol)を、次に(BOC)2O(2.0g、9.3mmol)を加える。15min後、混合物をRTに温め、2h攪拌する。NaHCO(飽和、50mL)を加えて反応をクエンチし、CHCl(3×50mL)で抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で除去する。残渣をFCC(ヘキサン/EtOAc 1:1)で精製して、生成物を得る(1.3g、4.8mmol)。
MS(方法E)=216[M−55]
TLC(ヘキサン/EtOAc:1:1)Rf=0.86
【0241】
工程1−3
(tert−ブトキシカルボニル−シクロペンチルメチル−アミノ)−酢酸
【化27】

40mL THF/MeOH/HO(2:1:1)中(tert−ブトキシカルボニル−シクロペンチルメチル−アミノ)−酢酸メチルエステル(1.22g、4.5mmol)を含む50mL丸底フラスコに、LiOH(0.56g、13.5mmol)をRTで加え、混合物を一晩攪拌する。溶媒を真空下で除去し、残渣を4N HClで酸性にし、EtOAc(3×50mL)で抽出し、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で除去する。残渣をFCC(CHCl/MeOH:19:1)で精製して、生成物を得る(1.20g、4.5mmol)。
MS(方法E)=256[M−H]
TLC(CHCl/MeOH:19:1)Rf=0.34
【0242】
N−((1R,2S)−1−アミノ−2−ビニル−シクロプロパンカルボニル)−3−ベンジルオキシ−ベンゼンスルホンアミドの製造
工程1−4
1−ベンジルオキシ−3−ブロモ−ベンゼン
【化28】

アセトン(200mL)中3−ブロモフェノール(19g)および臭化ベンジル(15.7mL)を炭酸カリウム(60.1g)で処理し、反応混合物をRTで72時間攪拌する。反応物を濾過し、濾過ケーキをアセトンで洗浄する。濾液を濃縮させ、SiOゲルのクロマトグラフィー(溶離剤ヘキサン/EtOAc 96:4)で精製して、1−ベンジルオキシ−3−ブロモベンゼンを白色固体として得る。
【0243】
工程1−5
3−ベンジルオキシ−ベンゼンスルホンアミド
【化29】

1−ベンジルオキシ−3−ブロモベンゼン(28.3g)のEtO(375mL)溶液を−70℃に冷却し、TMEDA(19.2mL)およびヘキサン中n−BuLi(1.6M、79mL)で処理する。溶液を−70℃で1h攪拌し、SO(54.4g)のEtO(375mL)冷温(−70℃)溶液に移す。混合物を−70℃に15分間保ち、次にRTに1時間にわたって温めさせる。溶媒を蒸発させ、残渣をリン酸ナトリウム水溶液(1M、750mL、pH6)に懸濁する。EtOAc(500mL)を加え、溶液を0℃に冷却する。N−クロロスクシンイミド(43.5g)をゆっくりと加え、pHをpH6に、NaPOを加えて調節する。反応混合物を激しく1h攪拌する。相を分離させ、水相をEtOAcで2回抽出する。合併した有機相をHOおよび塩水で洗浄し、乾燥させ、濃縮させて、黄色油状物を得る。残渣をジオキサン(400mL)に取り、HO中NH(28%、200mL)を加える。反応混合物を12h攪拌し、濃縮乾固させる。残渣をSiOゲルクロマトグラフィー(溶離剤ヘキサン/EtOAc 4:1〜3:7)に供して、3−ベンジルオキシ−ベンゼンスルホンアミドを白色粉末として得る。
API−MS:M−1=262.
【0244】
工程1−6
[(1R,2S)−1−(3−ベンジルオキシ−ベンゼンスルホニルアミノカルボニル)−2−ビニル−シクロプロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化30】

0.7gの(1R,2S)−1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ビニル−シクロプロパン−カルボン酸(Journal of Organic Chemistry, 2005, 5869-5879に記載の通りに製造)のTHF(10mL)溶液を、カルボニルジイミダゾール(0.789g)で処理し、反応混合物を65℃で30min攪拌する。混合物をRTに冷却させ、3−ベンジルオキシ−ベンゼンスルホンアミド(1.05g)およびDBU(0.697ml)を加える。溶液をRTで12h攪拌する。反応混合物をEtOAcに取り、0.1N HCl水溶液、NaHCO水溶液および塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮させる。残渣をSiOゲルのクロマトグラフィー(溶離剤ヘキサン/EtOAc 7:3〜EtOAc、次にEtOAc/MeOH 9:1)に供して、[(1R,2S)−1−(3−ベンジルオキシ−ベンゼンスルホニルアミノカルボニル)−2−ビニル−シクロプロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルを得る。
API−MS:M+1=473.
【0245】
工程1−7
N−((1R,2S)−1−アミノ−2−ビニル−シクロプロパンカルボニル)−3−ベンジルオキシ−ベンゼンスルホンアミド
【化31】

[(1R,2S)−1−(3−ベンジルオキシ−ベンゼンスルホニルアミノカルボニル)−2−ビニル−シクロプロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.85g)のジオキサン(5mL)溶液をジオキサン中HCl(4N、10mL)で処理し、RTで4h攪拌する。反応混合物を蒸発させて、N−((1R、2S)−1−アミノ−2−ビニル−シクロプロパンカルボニル)−3−ベンジルオキシ−ベンゼンスルホンアミドヒドロクロライドを得る。
API−MS:M+1=373.
【0246】
実施例2
[(S)−1−({[(1R,2S)−1−(3−ベンジルオキシ−ベンゼンスルホニルアミノカルボニル)−2−ビニル−シクロプロピルカルバモイル]−メチル}−シクロペンチルメチル−カルバモイル)−2−メチル−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化32】

DMF(2mL)中[((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−シクロペンチルメチル−アミノ]−酢酸(54mg、0.15mmol)、N−((1R,2S)−1−アミノ−2−ビニル−シクロプロパンカルボニル)−3−ベンジルオキシ−ベンゼンスルホンアミド(50mg、0.12mmol)およびDIPEA(0.10mL、0.61mmol)を含む10mL丸底フラスコに、0℃でHBTU(55mg、0.15mmol)を加える。一晩RTで攪拌した後、反応混合物を分取RP HPLC(方法C)で直接精製して、生成物を得る(59mg、0.08mmol)。
HPLC(方法A)t=6.06
MS(方法E)=709[M−H]
TLC(CHCl/MeOH:19:1)Rf=0.49
【0247】
[((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−シクロペンチルメチル−アミノ]−酢酸の製造
工程2−1
[((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−シクロペンチルメチル−アミノ]−酢酸メチルエステル
【化33】

CHCl(60mL)中(シクロペンチルメチル−アミノ)−酢酸メチルエステル(1g、6.2mmol)を含む250mL丸底フラスコに、RTでN−BOC−L−バリン(1.3g、5.8mmol)およびDIPEA(4.0mL、23.4mmol)を加える。混合物を0℃に冷却し、HBTU(2.8g、5.8mmol)を加える。60min後、混合物をRTに温め、一晩攪拌する。NaHCO(飽和、50mL)を加えて反応をクエンチし、水(2×30mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で除去する。残渣をFCC(ヘキサン/EtOAc 9:1)で精製して、生成物を得る(1.93g、5.2mmol)。
MS(方法E)=371[M+H]
TLC(ヘキサン/EtOAc:1:1)Rf=0.66
【0248】
工程2−2
[((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−シクロペンチルメチル−アミノ]−酢酸
【化34】

40mL THF/MeOH/HO(2:1:1)中(tert−ブトキシカルボニル−シクロペンチルメチル−アミノ)−酢酸メチルエステル(1.9g、5.2mmol)を含む50mL丸底フラスコに、LiOH(0.66g、15.6mmol)をRTで加え、混合物を一晩攪拌する。溶媒を真空下で除去し、残渣を4N HClで酸性にし、EtOAc(3×50mL)で抽出し、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で除去する。残渣をFCC(CHCl/MeOH:19:1)で精製して、生成物を得る(1.60g、4.5mmol)。
MS(方法E)=357[M+H]
TLC(CHCl/MeOH: 19:1)Rf=0.30
【0249】
実施例3
[(S)−1−(シクロペンチルメチル−{[(1R,2S)−1−(2−メチルアミノ−ベンゼンスルホニルアミノカルボニル)−2−ビニル−シクロプロピルカルバモイル]−メチル}−カルバモイル)−2−メチル−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化35】

DMF(2mL)中[((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−シクロペンチルメチル−アミノ]−酢酸(75mg、0.20mmol)、N−((1R,2S)−1−アミノ−2−ビニル−シクロプロパンカルボニル)−2−メチルアミノ−ベンゼンスルホンアミド(50mg、0.17mmol)およびDIPEA(0.15mL、0.95mmol)を含む10mL丸底フラスコに、0℃でHBTU(77mg、0.20mmol)を加える。一晩RTで攪拌した後、反応混合物を分取RP HPLC(方法C)で直接精製して、生成物を得る(53mg、0.10mmol)。
HPLC(方法A)t=5.59min
MS(方法E)=634[M+H]
TLC(CHCl/MeOH:19:1)Rf=0.52
【0250】
N−((1R,2S)−1−アミノ−2−ビニル−シクロプロパンカルボニル)−2−メチルアミノ−ベンゼンスルホンアミドの製造
工程3−1
[(1R,2S)−1−(2−アミノ−ベンゼンスルホニルアミノカルボニル)−2−ビニル−シクロプロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化36】

6.3g(28mmol)の(1R,2S)−1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ビニル−シクロプロパン−カルボン酸(WO 2000009558 A1の通りに製造する)の90mLの無水THF溶液に、6.95g(42mmol)のCDIを加え、混合物を2h還流する。rtに冷却後、5.1g(29mmol)の2−アミノベンゼンスルホンアミドおよび6.5g(42mmol)のDBUを加え、攪拌を45min継続する。反応混合物を250mL EtOAcで希釈し、100mL 0.5N HClおよび塩水で洗浄する。有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を真空下で除去する。残渣をシリカのFC(溶離剤:CHCl/MeOH 98:2)で精製して、表題化合物を無色固体として得る。
HPLC(方法A)t=3.99min
MS(方法E)=382[M+H]
TLC、Rf(CHCl/MeOH 19:1)=0.35
【0251】
工程3−2
[(1R,2S)−1−(2−メチルアミノ−ベンゼンスルホニルアミノカルボニル)−2−ビニル−シクロプロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化37】

ヨウ化メチル(0.18mL、2.83mmol)を、[(1R,2S)−1−(2−アミノ−ベンゼンスルホニルアミノカルボニル)−2−ビニル−シクロプロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.08g、2.83mmol)およびKCO(435mg、3.11mmol)のDMF(30mL)混合物に加える。1時間撹拌後、反応混合物を真空下で濃縮させ、残渣を分取逆相HPLC(方法D)でクロマトグラフィーに供して、[(1R,2S)−1−(2−メチルアミノ−ベンゼンスルホニルアミノ−カルボニル)−2−ビニル−シクロプロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルを白色固体として得る。
LC−MS(方法F)t=4.03;[M+H]=396.0
【0252】
N−((1R,2S)−1−アミノ−2−ビニル−シクロプロパンカルボニル)−2−メチルアミノ−ベンゼンスルホンアミドヒドロクロライド
【化38】

[(1R,2S)−1−(2−メチルアミノ−ベンゼンスルホニル−アミノカルボニル)−2−ビニル−シクロプロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(558mg、1.41mmol)の3.5ml HCl(ジオキサン中4M)および3.5ml ジオキサン混合物を、室温で2時間攪拌する。溶媒を蒸発させてN−((1R,2S)−1−アミノ−2−ビニル−シクロプロパンカルボニル)−2−メチルアミノ−ベンゼンスルホンアミドヒドロクロライドを黄色固体として得る。
HPLC(方法B)t=0.95min
LC−MS(方法F)t=0.87;[M+H]=296.0
【0253】
実施例4
[(S)−1−(シクロペンチルメチル−{[(1R,2S)−1−(2−メチルアミノ−ベンゼンスルホニルアミノカルボニル)−2−ビニル−シクロプロピルカルバモイル]−メチル}−カルバモイル)−2−メチル−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化39】

表題化合物を、実施例3の記載と同様に、DMF(2mL)中[((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−シクロヘキシルメチル−アミノ]−酢酸(75mg、0.20mmol)、N−((1R,2S)−1−アミノ−2−ビニル−シクロプロパンカルボニル)−2−メチルアミノ−ベンゼン−スルホンアミド(50mg、0.17mmol)、DIPEA(0.15mL、0.85mmol)およびHBTU(77mg、0.20mmol)を用いて製造する。
HPLC(方法A)t=5.86min
MS(方法E)=648[M+H]
TLC(CHCl/MeOH:1:1)Rf=0.49
【0254】
工程4−1
(シクロヘキシルメチル−アミノ)−酢酸メチルエステル
【化40】

表題化合物を、実施例1(工程1)の記載と同様に、MeOH(300mL)中シクロヘキサンカルボキシアルデヒド(11.2g、100mmol)、グリシン−メチルエステル(HCl塩)(12.5g、100mmol)、NEt(18mL、130mmol)およびNaBH(5.2g、130mmol)を用いて製造する。
MS(方法E)=186[M+H]
TLC(ヘキサン/EtOAc:1:1)Rf=0.37
【0255】
工程4−2
[((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−シクロヘキシルメチル−アミノ]−酢酸メチルエステル
【化41】

表題化合物を、実施例2(工程1)の記載と同様に、CHCl(100mL)中(シクロヘキシルメチル−アミノ)−酢酸メチルエステル(1.85、10mmol)、N−BOC−L−バリン(2.2g、10mmol)、DIPEA(6.8mL、40mmol)およびHBTU(4.7g、12.5mmol)を用いて製造する。
MS(方法E)=385[M+H]
TLC(ヘキサン/EtOAc:1:1)Rf=0.80
【0256】
工程4−3
[((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−シクロヘキシルメチル−アミノ]−酢酸
【化42】

表題化合物を、実施例2(工程2)の記載と同様に、100mL THF/MeOH/HO(2:1:1)中[((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−シクロヘキシルメチル−アミノ]−酢酸メチルエステル(3.61g、9.4mmol)およびLiOH(1.2g、28mmol)を用いて製造する。
MS(方法E)=370[M−H]
TLC(ヘキサン/EtOAc:1:1)Rf=0.26
【0257】
実施例5
[(S)−1−(シクロペンチルメチル−{[(1R,2S)−1−(2−メチルアミノ−ベンゼンスルホニルアミノカルボニル)−2−ビニル−シクロプロピルカルバモイル]−メチル}−カルバモイル)−2−メチル−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化43】

表題化合物を、実施例3の記載と同様に、DCM(10mL)中[((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−シクロヘキシルメチル−アミノ]−酢酸(74mg、0.20mmol)、N−((1R,2S)−1−アミノ−2−ビニル−シクロプロパンカルボニル)−2−イソプロピルアミノ−ベンゼンスルホンアミド(HCl塩)(79mg、0.17mmol)、DIPEA(0.10mL、0.6mmol)およびHATU(114mg、0.30mmol)を用いて製造する。
HPLC(方法A)t=6.22min
MS(方法E)=676[M]
TLC(DCM/MeOH:19:1)Rf=0.20
【0258】
工程5−1
2−イソプロピルアミノ−ベンゼンスルホンアミド
【化44】

10mLのマイクロウェーブバイアルを2−フルオロベンゼンスルホンアミド(1.1g、6.3mmol)およびイソプロピルアミン(1.8g、31.4mmol)で満たす。バイアルを密封し、3h、130℃でマイクロウェーブ(Personal Chemistry, Emmys Optimizer)中で加熱する。溶媒を真空下で除去し、残渣をFCC(DCM/MeOH 98:2→95:5)で精製して、生成物を得る(1.1g、5.1mmol)。
HPLC(方法A)t=3.24min
MS(方法E)=215[M+H]
TLC(DCM/MeOH:19:1)Rf=0.49
【0259】
工程5−2
[(1R,2S)−1−(2−イソプロピルアミノ−ベンゼンスルホニルアミノカルボニル)−2−ビニル−シクロプロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化45】

(1R,2S)−1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ビニル−シクロプロパンカルボン酸(0.68g、3.0mmol)およびCDI(0.73g、4.5mmol)のTHF(20mL)溶液を、2h環流させる。外界温度に冷却させた後、2−イソプロピルアミノ−ベンゼンスルホンアミド(0.67g、3.1mmol)およびDBU(0.68g、4.5mmol)を加え、攪拌をRTで一晩継続する。反応混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、0.5N aq.HCl(30mL)および塩水(30mL)で洗浄する。溶媒を真空下で除去し、残渣をFCC(DCM/MeOH 98:2→95:5)で精製して、生成物を得る(0.85g、2.0mmol)。
HPLC(方法A)t=5.01min
MS(方法E)=424[M+H]
TLC(DCM/MeOH: 19:1)Rf=0.45
【0260】
工程5−3
N−((1R,2S)−1−アミノ−2−ビニル−シクロプロパンカルボニル)−2−イソプロピルアミノ−ベンゼンスルホンアミド
【化46】

[(1R,2S)−1−(2−イソプロピルアミノ−ベンゼンスルホニルアミノカルボニル)−2−ビニル−シクロプロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.80g、1.9mmol)の1,4−ジオキサン(2mL)溶液に、HCl(1,4−ジオキサン中4N、4mL)を加える。一晩RTで攪拌した後、溶媒を真空下で除去し、残渣をさらに精製することなく用いる。
HPLC(方法A)t=1.96min
MS(方法E)=324[M+H]
【0261】
実施例6
[(S)−1−(シクロヘキシルメチル−{[(1S,2R)−2−(1H−インドール−7−スルホニルアミノカルボニル)−ビシクロプロピル−2−イルカルバモイル]−メチル}−カルバモイル)−2−メチル−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化47】

表題化合物を、実施例3の記載と同様に、DCM(5mL)中[((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−シクロヘキシルメチル−アミノ]−酢酸(80mg、0.22mmol)、1H−インドール−7−スルホン酸((1S,2R)−2−アミノ−ビシクロプロピル−2−カルボニル)−アミド(HCl塩)(77mg、0.22mmol)、DIPEA(0.11mL、0.65mmol)およびHATU(123mg、0.32mmol)を用いて製造する。
HPLC(方法A)t=5.94min
MS(方法E)=670[M−H]
【0262】
工程6−1
(1S,2R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ビシクロプロピル−2−カルボン酸メチルエステル
【化48】

40% aq.KOH(40mL)および40mL ジエチルエーテルを含む250mL三角フラスコを、氷バスで冷却する。N−ニトロソ−N−メチルウレア(1.00g、9.95mmol)を1回で、激しく攪拌しながら加える。15min撹拌後、相を分離させ、ジアゾメタン溶液(40mL、〜0.25M EtO中CH)をRTで(1R,2S)−1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ビニル−シクロプロパンカルボン酸メチルエステル(0.48g、2.0mmol)およびPd(OAc)(45mg、0.2mmol)のEtOAc(50mL)溶液に加える。一晩RTで攪拌した後溶媒を真空下で除去し、残渣をFCC(ヘキサン/EtOAc 4:1)で精製して、生成物を得る(0.43g、1.7mmol)。
HPLC(方法A)t=4.10min
MS(方法E)=156[M−BOC]
TLC(ヘキサン/EtOAc 4:1)Rf=0.50
【0263】
工程6−2
(1S,2R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ビシクロプロピル−2−カルボン酸
【化49】

表題化合物を、実施例2(工程2)の記載と同様に、10mL THF/MeOH/HO(2:1:1)中(1S,2R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ビシクロプロピル−2−カルボン酸メチルエステル(0.42g、1.6mmol)およびLiOH(98mg、4.1mmol)を用いて製造する。
MS(方法E)=142[M−BOC]
TLC(DCM/MeOH 9:1)Rf=0.5
【0264】
工程6−3
[(1S,2R)−2−(1H−インドール−7−スルホニルアミノカルボニル)−ビシクロプロピル−2−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化50】

(1S,2R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ビシクロプロピル−2−カルボン酸(0.40g、1.6mmol)およびCDI(0.40g、2.5mmol)のTHF(20mL)溶液を、2h環流する。外界温度に冷却させた後、1H−インドール−7−スルホン酸アミド(0.34g、1.7mmol、US 468300、1987年7月に記載の通りに製造する)およびDBU(0.38g、2.5mmol)を加え、攪拌をRTで一晩継続する。反応混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、0.5N aq.HCl(30mL)および塩水(30mL)で洗浄する。溶媒を真空下で除去し、残渣をFCC(DCM/MeOH 98:2→95:5)で精製して、生成物を得る(0.47g、1.1mmol)。
HPLC(方法A)t=4.59min
MS(方法E)=418[M−H]
TLC(DCM/MeOH:19:1)Rf=0.37
【0265】
工程6−4
1H−インドール−7−スルホン酸((1S,2R)−2−アミノ−ビシクロプロピル−2−カルボニル)−アミド
【化51】

[(1S,2R)−2−(1H−インドール−7−スルホニルアミノカルボニル)−ビシクロプロピル−2−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.40g、0.9mmol)の1,4−ジオキサン(2mL)溶液に、HCl(1,4−ジオキサン中4N、5mL)を加える。一晩RTで攪拌した後、溶媒を真空下で除去し、残渣をさらに精製することなく用いる。
HPLC(方法A)t=2.60min
MS(方法E)=318[M−H]
【0266】
実施例7
[(S)−1−(シクロペンチルメチル−{[(1R,2S)−1−(1H−インドール−7−スルホニルアミノカルボニル)−2−ビニル−シクロプロピルカルバモイル]−メチル}−カルバモイル)−2−メチル−プロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化52】

表題化合物を、実施例3の記載と同様に、DMF(2mL)中[((S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−メチル−ブチリル)−シクロペンチルメチル−アミノ]−酢酸(73mg、0.16mmol)、1H−インドール−7−スルホン酸((1R,2S)−1−アミノ−2−ビニル−シクロプロパン−カルボニル)−アミド(HCl塩)(50mg、0.16mmol)、DIPEA(0.14mL、0.82mmol)およびHBTU(75mg、0.20mmol)を用いて製造する。
HPLC(方法A)t=5.69min
MS(方法E)=642[M−H]
TLC(DCM/MeOH:19:1)Rf=0.54
【0267】
1H−インドール−7−スルホン酸((1R,2S)−1−アミノ−2−ビニル−シクロプロパン−カルボニル)−アミドの製造
工程7−1
[(1R,2S)−1−(1H−インドール−7−スルホニルアミノカルボニル)−2−ビニル−シクロプロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【化53】

8.3g(37mmol)(1R,2S)−1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−ビニル−シクロプロパン−カルボン酸および9.0g(55mmol)CDIの200mL THF混合物を、1h還流し、8.6g(44mmol)1H−インドール−7−スルホン酸アミド(US 468300、1987年7月に記載の通りに製造する)および8.3mL(55mmol)DBUを加える。混合物をRTで一晩攪拌し、EtOAcで希釈し、aq.NaHCO溶液で3回洗浄する。合併した水層をEtOAcで抽出し、合併した有機層をNaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮させる。残渣をFCC(シリカゲル、溶離剤:DCM/MeOH 19:1)で精製して、表題化合物を得る。
LC−MS(方法F):tR=3.803、M+H=404.2
TLC(ヘキサン/EtOAc:1:1):Rf=0.52
【0268】
工程7−2
[(1R,2S)−1−(1H−インドール−7−スルホニルアミノカルボニル)−2−ビニル−シクロプロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(ヒドロクロライド)
【化54】

8.2g(20mmol)[(1R,2S)−1−(1H−インドール−7−スルホニルアミノカルボニル)−2−ビニル−シクロプロピル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルおよび38mL HCl(ジオキサン中4M)の38mL ジオキサン混合物を、RTで1.5h攪拌する。混合物を減圧下で濃縮させ、DCMと共沸させて表題化合物を得る。
LC−MS(方法F):t=1.025、M+H=304.1
【0269】
実施例8
【化55】

【0270】
工程8−1:化合物8−cの合成
【化56】

2−ピラジンカルボン酸(8−a 1.44g、11.6mmol)のTHF(30mL)溶液に、RTでEDC(2.23g、11.6mmol)、HOBt(1.57g、11.6mmol)を加え、溶液を20min攪拌する。シクロヘキシルグリシンメチルエステル(8−b、2.0g、9.6mmol、Cat# 12003, Chummier)、ジイソプロピルアミン(2.5g、19.3mmol)を加え、反応物を一晩攪拌する。サンプルを濃縮させ、EtOAc(100mL)に溶解させ、NHCl(50mL)、NaHCO(飽和、50mL)、NaCl(飽和、50mL)で洗浄し、次にMgSOで乾燥させ、濃縮させて黄色油状物を得る。サンプルをFCCで精製して、白色固体(2.6g、9.4mmol)を得る。
ES−MS:[M+H]=278.2
【0271】
工程8−2:化合物8−dの合成
【化57】

MeOH(12mL)中エステル(8−c 416mg、1.5mmol)にNaOH(2N、1.9mL、3.75mmol)を加え、溶液を一晩RTで攪拌させる。反応混合物を樹脂(IR−120H)で酸性にする。固体を濾取し、濾液を濃縮させて固体(395mg、1.50mmol)を得る。この酸を次の工程で直接用いる。
ES−MS:[M+H]=264.0.
【0272】
工程8−3:化合物8−fの合成
【化58】

酸(8−d、249mg、0.90mmol)のTHF(2.8mL)溶液に、RTでEDC(172mg、0.90mmol)、HOBt(121mg、0.90mmol)を加え、溶液を20min攪拌する。アミン(8−e、274mg、0.90mmol)のDMF溶液:THF(0.2mL:0.8mL)、ジイソプロピルアミン(231mg、1.80mmol)を加え、反応物をRTで一晩攪拌する。サンプルを濃縮させ、EtOAc(50mL)に溶解し、NHCl(20mL)、NaHCO(飽和、20mL)、NaCl(飽和、20mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮させて黄色油状物を得る。サンプルをFCC(EtOAc:ヘキサン 1:1)で精製して、生成物を得る(406g、0.78mmol)。
ES−MS:[M+H]=516.1
【0273】
工程8−4:化合物8−gの合成
【化59】

0℃に冷却したエチルエステル(8−f、495mg、0.97mmol)のTHF:H2O(3:1、3.9:1.3mL)溶液に、LiOH(1.3mL、1.3mmol、1.3M溶液)を10min間隔で滴下する。溶液をRTに温めさせ、一晩攪拌する。反応混合物を樹脂(IR−120H)で酸性にする。固体を濾取し、濾液を濃縮させて固体(472mg、0.97mmol)を得る。ES−MS:[M+H]=488.1。
【0274】
工程8−5:化合物8−iの合成
【化60】

酸(8−g、474mg、0.98mmol)をCHCl:DMF(1:1 20mL)に溶解させ、溶液を0℃に冷却し、HATU(525mg、1.38mmol)で処理する。アミン(8−h、218mg、1.17mmol)を少量ずつ加え、その後NMM(397mg、3.92mmol)を滴下する。反応混合物をRTに温めさせ、一晩攪拌する。サンプルを濃縮し、EtOAc(50mL)に溶解させ、クエン酸(20mL、10%)、NaHCO(飽和、20mL)、NaCl(飽和、20mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、白色固体にまで濃縮させる。サンプルをFCC(アセトン:ヘプタン 1:1)で精製して、生成物を得る(614mg、0.91mmol)。
ES−MS:[M+H]=656.4.
【0275】
工程8−6:化合物8−jの合成
【化61】

アルコール(8−i、740mg、1.13mmol)のDCM(24mL)溶液に、DMP試薬を加え、混合物をRTで1h攪拌する。混合物をセライトパッドで濾過する。セライトをさらなるDCM(2×20mL)で洗浄し、合併した濾液をNaSO(15mL、1M溶液)、NaHCO(飽和、15mL)、NaCl(飽和、15mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、そして蒸発乾固させる。FCC(アセトン:ヘプタン 1:1)によって、白色固体(309mg、0.47mmol)を得る。
ES−MS:[M+H]=654.3.
【0276】
工程8−7:実施例8の中間体8−eの製造
【化62】

工程8−7−1:化合物8e−iiの合成
【化63】

CHCl(40mL)を含む250mL丸底フラスコに、シクロプロパンメチルアミン(10g、138mmol)、MgSO(6g、44mmol)を加え、混合物を窒素下で5min攪拌する。エチルグリオキサレート(8e−i、27.6g、138mmol)をゆっくりと、10minにわたって加える。反応物をRTで2h攪拌する。スラリーを濾過し、濾液を濃縮させて8e−iiを橙色固体(22g、138mmol)として得る。
【0277】
工程8−7−2:化合物8e−iiiの合成
【化64】

イミン(8e−ii、20.3g、128mmol)をEtOAc(45mL)に溶解し、Nでパージする。パラジウム(活性炭素上10%、8.18g、76.9mmol)を加え、反応物をNで再びパージする。溶液をH下でパージし、反応物を一晩RTで攪拌する。反応混合物をセライトパッドで濾過し、濾液を濃縮させ、FCCで精製して黄色油状物、8e−iii(15g、95mmol)を得る。生成物をFCCで精製して黄色油状物を得る。
【0278】
工程8−7−3:化合物8e−ivの合成
【化65】

酸、Boc−L−tert−ロイシン(270mg、1.72mmol)をCHCl(7mL)の混合物に溶解させる。DCC(390mg、1.89mmol)、次にHOBt(255mg、1.89mmol)を加え、反応物を30min攪拌する。この溶液にシクロプロピルメチルアミングリシンメチルエステル(8e−iii、438mg、1.89mmol、3.5mL THF中に溶解)を加え、反応物を一晩RTで攪拌させる。混合物を焼結ガラス漏斗(微細)で濾過し、濾過ケーキをCHCl(2×10mL)で洗浄する。濾液を濃縮させて生成物8e−ivを得て、これをFCC(EtOAc:ヘキサン、1:5)で精製する(210mg、0.58mmol)。
ES−MS:[M+H]=371.1.
【0279】
工程8−7−4:化合物8−eの合成
【化66】

エチルエステル(8e−iv、188mg、0.51mmol)の溶液をジオキサン(1.2mL)に溶解させ、溶液を℃に冷却する。4N HClのジオキサン(1.3mL、5.09mmol)溶液を加え、混合物をRTで一晩攪拌する。混合物を蒸発させて、白色固体8e(155mg、0.51mmol)を得て、これをさらに精製することなく用いる。
ES−MS:[M+H]=271.1.
【0280】
実施例9
(S)−2−(3−tert−ブチル−ウレイド)−N−[(2−カルバモイル−1−シクロブチルメチル−2−オキソ−エチルカルバモイル)−メチル]−3,3−ジメチル−N−(1−フェニル−シクロプロピルメチル)−ブチルアミド
【化67】

工程9−A
【化68】

カルボニルジイミダゾール(2g、12.3mmol)を1−フェニルシクロプロパンカルボン酸(9−a、2.0g、12.3mmol)のTHF(20mL)溶液に加え、混合物を室温で10分間攪拌する。水素化ホウ素ナトリウム(744mg、19.7mmol)の水(8mL)溶液を加え、混合物を室温で一晩攪拌する。HCl(1M)を加えてクエンチし、生成物を酢酸エチル(2×100mL)に抽出する。合併した有機抽出物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液および塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮させて、無色液体(1.49g)として生成物を得る。
1H NMR (CDCl3): δ 7.4-7.2 (m, 5H), 3.7 (s, 2H), 0.9 (m, 2H), 0.85 (m, 2H).
【0281】
工程9−B
【化69】

9−b(1.49g、10mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液を1回で、ピリミジニウムクロロクロメート(3.26g、15mmol)およびセライトの無水ジクロロメタン(15mL)懸濁液に加える。得られた混合物を室温で窒素下で2時間攪拌する。固体を濾過して取り除き、さらにジクロロメタンで洗浄する。濾液を蒸発乾固させ、残渣をシリカのクロマトグラフィーで、酢酸エチルおよびシクロヘキサン(1:1)の混合物で溶離させて精製して、生成物9−cを淡黄色液体(1.1g)として得る。
1H NMR (CDCl3): δ 9.3 (s, 1H), 7.4-7.25 (m, 5H), 1.6 (m, 2H), 1.4 (m, 2H).
【0282】
工程9−C
【化70】

トリエチルアミン(1.36mL、990mg、9.8mmol)およびグリシンメチルエステルヒドロクロライド(9−d、1.04g、8.3mmol)を、9−c(1.1g、7.5mmol)のメタノール(10mL)溶液に加え、分子をふるいにかける(4A)。得られた混合物を室温で一晩攪拌し、0℃に冷却する。水素化ホウ素ナトリウム(371mg、9.8mmol)を数回で加え、混合物を室温で2時間攪拌する。水を加え、混合物をジクロロメタンで抽出し、塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過する。濾液を蒸発乾固させて、生成物9−eを無色液体(1.33g)として得る。
実測m/z ES+=220.
【0283】
工程9−D
【化71】

9−f(935mg、3.4mmol)のジクロロメタン(7mL)およびN,N−ジメチルホルムアミド(7mL)混合物攪拌溶液を、窒素下で0℃に冷却し、HATU(1.87g、4.9mmol)で処理する。9−e(900mg、4.1mmol)を数回で加え、その後N−メチルモルホリン(1.81mL、1.65g、16.4mmol)を滴下する。混合物を室温に温めさせ、6時間攪拌する。真空下で濃縮させ、残渣を酢酸エチルに溶解させ、クエン酸水溶液(10%)、重炭酸ナトリウム飽和水溶液および塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させる。濾過し、濾液を蒸発乾固させる。残渣をシリカのクロマトグラフィー(グラジエント:酢酸エチルおよびシクロヘキサン 1:95〜1:4)で精製して、生成物10−gを白色泡状物(803mg)として得る。
実測m/z ES+=432.
【0284】
工程9−E
【化72】

9−g(804mg、1.9mmol)をTHF(4mL)と水(1.3mL)の混合物に溶解し、溶液を0℃に冷却する。リチウムヒドロキシドの水溶液(1.3M、1.8mL、2.4mmol)をゆっくりと加える。得られた混合物を室温に温めさせ、2時間攪拌する。混合物を塩酸(1M)で処理し、酢酸エチルで抽出し、塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過する。濾液を蒸発乾固させて、生成物9−hを白色固体(726mg)として得る。
実測m/z ES+=418.
【0285】
工程9−F
【化73】

9−i(195mg、0.931mmol)をジクロロメタン(4mL)とN,N−ジメチルホルムアミド(4mL)の混合物に懸濁し、混合物を0℃に冷却する。HATU(532mg、1.4mmol)、次に9−h(324mg、0.776mmol)、そして最後にN−メチルモルホリン(0.32mL、293mg、2.91mmol)を加える。得られた混合物を室温で7時間攪拌する。真空下で濃縮させ、残渣を酢酸エチルに溶解させ、クエン酸水溶液(10%)、重炭酸ナトリウム飽和水溶液および塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過する。濾液を蒸発乾固させ、残渣をシリカのクロマトグラフィー(グラジエント:アセトンおよびペンタン 1:4〜1:1)でせいせいsいて、生成物9−jを白色固体(380mg)として得る。
実測m/z ES+=572およびES−570.
【0286】
工程9−G
【化74】

硫黄トリオキシド−ピリジン複合体(64mg、0.4mmol)の無水DMSO(1mL)溶液を、9−j(114mg、0.2mmol)とN,N−ジ−イソプロピルN−エチルアミン(0.141mL、105mg、0.8mmol)の無水DMSO(1mL)溶液に加え、混合物を室温で一晩攪拌する。さらに硫黄トリオキシド−ピリジン複合体(100mg、0.63mmol)を加え、混合物を5時間攪拌する。さらにN,N−ジ−イソプロピルN−エチルアミン(0.15mL、111mg、0.86mmol)および硫黄トリオキシド−ピリジン複合体(60mg、0.38mmol)を加え、混合物を室温で一晩攪拌する。塩化アンモニウム水溶液を加え、塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過する。濾液を蒸発乾固させ、残渣をシリカのクロマトグラフィー(グラジエント:アセトンおよびペンタン 1:4〜1:1)で精製して、生成物9−kを白色固体(40mg)として得る。
実測m/z ES+=570.
【0287】
実施例10
(S)−2−(3−tert−ブチル−ウレイド)−N−[(2−カルバモイル−1−シクロブチルメチル−2−オキソ−エチルカルバモイル)−メチル]−3,3−ジメチル−N−(1−フェニルシクロペンチルメチル)−ブチルアミドの合成
【化75】

工程10−A
【化76】

10−bを10−aから、9−bの製造(工程9−A)で用いたのと同様の方法で進めて製造する。
1H NMR (CDCl3): δ 7.35-7.1 (m, 5H), 3.45 (s, 2H), 1.95 (m, 2H), 1.8 (m, 2H), 1.65 (m, 4H).
【0288】
工程10−B
【化77】

10−cを10−bから、9−cの製造(工程9−B)で用いたのと同様の方法で進めて製造する。
1H NMR (CDCl3): δ 9.4 (s, 1H), 7.4-7.2 (m, 5H), 2.55 (m, 2H), 1.9 (m, 2H), 1.75 (m, 2H), 1.65 (m, 2H).
【0289】
工程10−C
【化78】

10−dを10−cから、9−eの製造(工程9−C)で用いたのと同様の方法で進めて製造する。
1H NMR (CDCl3): δ 7.3 (m, 4H), 7.2 (m, 1H), 3.65 (s, 3H), 3.25 (s, 2H), 2.7 (s, 2H), 2.0 (m, 2H), 1.9 (m, 2H), 1.7 (m, 4H).
【0290】
工程10−D
【化79】

11−eを11−dおよび10−fから、9−gの製造(工程9−D)で用いたのと同様の方法で進めて製造する。
実測m/z ES+=460.
【0291】
工程10−E
【化80】

10−fを10−eから、9−hの製造(工程9−E)で用いたのと同様の方法で進めて製造する。
実測m/z ES+=446.
【0292】
工程10−F
【化81】

10−gを10−fおよび9−iから、9−jの製造(工程9−F)で用いたのと同様の方法で進めて製造する。
実測m/z ES+=400.
【0293】
工程10−G
【化82】

硫黄トリオキシド−ピリジン複合体(281mg、1.76mmol)の無水DMSO(1.5mL)溶液を、10−g(151mg、0.25mmol)とN,N−ジ−イソプロピルN−エチルアミン(0.37mL、275mg、2.12mmol)の無水DMSO(1.5mL)溶液に、窒素雰囲気下で加える。混合物を室温で、窒素下で2時間攪拌する。塩化アンモニウムを加え、混合物を酢酸エチルで抽出し、塩水で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過する。濾液を蒸発乾固させ、残渣をシリカのクロマトグラフィー(グラジエント:アセトンおよびヘプタン 1:95〜3:7)で精製する。得られた生成物をジクロロメタンに溶解し、石油エーテルの添加によって生成物を沈殿させて精製し、生成物10−hを白色固体(20mg)として得る。
実測m/z ES+=598.
【0294】
生物学的活性
実施例11:HCV NS3−4Aプロテアーゼアッセイ
表Aの化合物のHCV NS3−4Aセリンプロテアーゼに対する阻害活性を、ホモジーニアスアッセイにおいて、全長NS3−4Aタンパク質(遺伝子型1a、HCV−1株)および商業的に入手可能な内部クエンチした蛍光ペプチド基質を用いて、Taliani, M., et al. 1996 Anal. Biochem. 240:60-67(参照によりその全体を本明細書の一部とする)に記載の通りに測定する。
【0295】
実施例12:ルシフェラーゼ利用HCVレプリコンアッセイ
表Aの化合物の抗ウイルス活性および細胞毒性を、発現がHCV RNA複製および翻訳の制御下にあるルシフェラーゼレポーター遺伝子を含むサブゲノム遺伝子型1b HCVレプリコン細胞株(Huh−Luc/neo−ET)を用いて測定する。簡単に説明すると、5,000個のレプリコン細胞を96ウェル組織培養プレートの各ウェルに播種し、G418なしで完全培養培地に一晩接触させる。翌日、培養培地を、10% FBSおよび0.5% DMSOを含む表Aの化合物の連続希釈含有培地で置換する。48h表Aの化合物で処理した後、細胞の残存ルシフェラーゼ活性を、BriteLite試薬(Perkin Elmer, Wellesley, Massachusetts)を用いて、LMaxIIプレートリーダー(Molecular Probe, Invitrogen)で測定する。各データ点は、細胞培養物における4つの複製物の平均を意味する。IC50は、レプリコン細胞のルシフェラーゼ活性が50%に減少する濃度である。表Aの化合物の細胞毒性を、MTS利用細胞生存能力アッセイを用いて評価する。
【0296】
上記表Aの化合物を、実施例11のプロテアーゼアッセイまたは実施例12のレプリコンアッセイの少なくとも1つにおいて試験したところ、約10μM未満のIC50を、実施例11および12に記載の少なくとも1つのアッセイにおいて示す。
【0297】
均等
当業者は、本明細書の具体的な態様および方法の多くの均等物を、通常の実験のみを用いて理解するかまたは究明することができる。かかる均等物は、請求項の技術的範囲に含まれることを意図している。
【0298】
参考文献
本明細書に記載の全ての特許、公開された特許出願および他の文献の全ての内容を、その全体について参照により明示的に本明細書の一部とする。同時係属出願中の米国仮出願U.S.S.N.60/791,611、U.S.S.N.60/791,318、およびU.S.S.N.60/791,320(これらは各々2006年4月11日に出願した)、およびU.S.S.N.60/866,874(2006年11月22日に出願した)およびそれらから権利を主張する非仮特許出願の全内容を、本発明の化合物に適用されるように、それらの全体について、参照により明示的に本明細書の一部とする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

〔式中、
xは0または1であり;
yは0または1であり;
、R、R、R、R、W、R13およびVは各々独立して、水素からまたはアルキル、アラルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アリール−ヘテロアリール、アルキル−ヘテロアリール、シクロアルキル、アルキルオキシ、アラルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、シクロアルキルオキシ、アミノ、モノ−およびジ−アルキルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、ヘテロアリールアミノ、シクロアルキルアミノ、カルボキシアルキルアミノ、アリール(arlyl)アルキルオキシおよびヘテロシクリルアミノから成る群から選択され;これらは各々さらに独立して、XおよびXで1個以上置換されていてもよく;式中、Xはアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アリールヘテロアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルアミノ、アルキルヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルであり;式中、Xは独立して、同一もしくは異なっていてもよくそして独立して選択される1個以上のXで置換されていてもよく;式中、Xはヒドロキシ、アルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、カルボキシ、カルボアルコキシ、カルボキサミド、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アルキルウレイド、アリールウレイド、ハロゲン、シアノ、ケト、エステルまたはニトロであり;式中、前記アルキル、アルコキシおよびアリールは各々、非置換であるか、または所望により独立して、同一または異なっていてもよくそして独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキル−アルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アリールヘテロアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルアミノ、アルキルヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルから選択される1個以上の基で置換されていてもよく;
Wは、C(O)OH、C(O)OR24、C(O)−アミン、C(O)−C(O)OH、C(=N−O−R24)−C(O)−アミン、C(O)N(H)S(O)24、C(O)−C(O)−アミン、CON(H)SO−アミンならびにC(O)−[C(O)]−ヘテロ環(式中、ヘテロ環は置換または非置換であり得て、aは0または1であり、各R24は独立して、H、ハロゲン、ヒドロキシ、COOH、アミノ、C(O)NH、C1−4−アルキル、C3−6−シクロアルキルC0−4アルキル、C3−6−シクロアルキルC0−4アルコキシ、モノ−およびジC1−4アルキルアミノ、アリール、アリールオキシ、アラルキル、アラルキルオキシ、ヘテロ環C0−4アルキルおよびヘテロ環C0−4アルコキシから成る群から選択される)から成る群からも選択され;
Vは、−Q−Q{式中、Qは存在しないか、C(O)、N(H)、N(C1−4−アルキル)、C=N(CN)、C=N(SOCH)またはC=N−COHであり、そしてQはHであるか、またはC1−4−アルキル、O−C1−4−アルキル、NH、N(H)−C1−4−アルキル、N(C1−4−アルキル)、SO−アリール、SO−C1−4−アルキル、C3−6−シクロアルキル−C0−4−アルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロ環(これらは各々独立して、ハロゲン原子、C1−4−アルキル、1個以上のハロゲン原子で置換されたC1−4−アルキルまたはC3−6−シクロアルキルで1個以上置換されていてもよい)である}から成る群からも選択され;
、R、R、R10、R11およびR13は各々独立して、H、C1−4−アルキルおよびC3−6シクロアルキルC0−4アルキルから成る群から選択され;そして
12は、H、C1−4−アルキル、C3−6シクロアルキルC0−4アルキルおよびアリールから成る群から選択されるか;
またはRとRは一体となって、芳香族性または非芳香族性であり、1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよく、さらに1個以上置換されていてもよい3、4、5、6または7−員環を形成してもよいか;
またはR11とVは一体となって、芳香族性または非芳香族性であり、1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよく、さらに1個以上置換されていてもよい3、4、5、6または7−員環を形成してもよいか;
またはxとyが0であるとき、RとVが一体となって、芳香族性または非芳香族性であり、1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよく、さらに1個以上置換されていてもよい3、4、5、6または7−員環を形成してもよい〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体。
【請求項2】
yが0または1であり;
がHおよびC1−4−アルキルから成る群から選択され;
がC1−4−アルキル、C(O)C1−4−アルキル、C(O)OC1−4−アルキル、およびC3−6シクロアルキルC0−4アルキルから成る群から選択されるか;
またはRとRが一体となって、芳香族性または非芳香族性であり、1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよく、さらに1個以上置換されていてもよい3、4、5、6または7−員環を形成してもよく;
WがC(O)OH、C(O)OR24、C(O)−アミン、C(O)−C(O)OH、C(=N−O−R24)−C(O)−アミン、C(O)N(H)S(O)24、C(O)−C(O)−アミン、CON(H)SO−アミンおよびC(O)−[C(O)]−ヘテロ環(式中、ヘテロ環は置換または非置換であり得て、aは0または1であり、各R24は独立して、H、ハロゲン、ヒドロキシ、COOH、アミノ、C(O)NH、C1−4−アルキル、C3−6−シクロアルキルC0−4アルキル、C3−6−シクロアルキルC0−4アルコキシ、モノ−およびジC1−4アルキルアミノ、アリール、アリールオキシ、アラルキル、アラルキルオキシ、ヘテロ環C0−4アルキルおよびヘテロ環C0−4アルコキシから成る群から選択される)から成る群からも選択され;
がHおよびC1−4−アルキルから成る群から選択され;
およびRが各々独立して、H、C1−4−アルキル、C3−6−シクロアルキル、C3−6シクロアルキルC0−4アルキル、アリール、アラルキルおよびヘテロ環(これらは各々独立して1個以上置換されていてもよい)から成る群から選択され;
がHであり;
、R10およびR11が各々独立して、HおよびC1−4−アルキルから成る群から選択され;
13がHであり;
がH、C1−4−アルキルおよびC3−6−シクロアルキルから成る群から選択され;
12がH、C1−4−アルキル、C3−6−シクロアルキルおよびアリールから成る群から選択され;そして
Vが−Q−Q{式中、Qは存在しないか、C(O)、S(O)、N(H)、N(C1−4−アルキル)、C=N(CN)、C=N(SOCH)、C=N−COHまたはC=N−COC1−4アルキルであり、そしてQはHであるか、またはC1−4−アルキル、O−C1−4−アルキル、NH、N(H)−C1−4−アルキル、N(C1−4−アルキル)、SO−アリール、SO−C1−4−アルキル、C3−6−シクロアルキル−C0−4−アルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロ環(これらは各々独立して、ハロゲン原子、C1−4−アルキル、1個以上のハロゲン原子で置換されたC1−4−アルキルまたはC3−6−シクロアルキルで1個以上置換されていてもよい)である}から成る群から選択されるか;
またはR11とVがさらに置換されていてもよい下記
【化2】

5−員環を形成する;
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
11とVが下記構造
【化3】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
10がC(O)C1−4−アルキルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
12
【化4】

である、請求項2に記載の化合物。
【請求項6】
がH、CH−シクロペンチル、CH−シクロプロピル、シクロペンチル、シクロプロピルおよびベンジルから成る群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
12がt−ブチルおよびシクロヘキシルから成る群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
がHおよびt−ブチルから成る群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
式Iが、式II
【化5】

〔式中、R、R、R、R、R、R、WおよびVは式Iで記載の意味を有する〕
の化合物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
およびRがHである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
Vが−C(O)CHまたは
【化6】

である、請求項9に記載の化合物。
【請求項12】
がCH−シクロペンチルまたはCH−ナフチルである、請求項9に記載の化合物。
【請求項13】
とVが一体となって、下記6−員環
【化7】

を形成する、請求項9に記載の化合物。
【請求項14】
がペンチルおよびCH−シクロブチルから成る群から選択される、請求項1〜13のいずれかに記載の化合物。
【請求項15】
がプロピルおよび2−シクロブチル−エチルから成る群から選択される、請求項1〜14のいずれかに記載の化合物。
【請求項16】
11がHであり、そしてR12がC3−6−シクロアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
W、RおよびRが下記式
【化8】

〔式中、R33はH、フェニル、メチル、CF、tBu、NO、Cl、CN、NH、OH、NHCH、NHCHCH、NHCH(CH、OCH、NHPh、OPh、NHCOCH、NHCOPh、OCH2Ph、COCH、COEt、COCH、CONHPhおよびCONHCHから成る群から選択されるか、またはR33は、フェニル環と組み合わさってナフチル環系またはインドリル環系を形成する縮合環であってもよい〕
の置換基を形成する、請求項1〜16のいずれかに記載の化合物。
【請求項18】
W、RおよびRが、
【化9】

【化10】

【化11】

から成る群から選択される置換基を形成する、請求項1〜17のいずれかに記載の化合物。
【請求項19】
ヘテロ環基のいずれかが独立して、アクリジニル、カルバゾリル、シノリニル、キノキサリニル、ピラゾリル、インドリル、ベンゾトリアゾリル、フラニル、チエニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、テトラヒドロキノリン、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、カルバゾリル、カルボリニル、シノリニル、フラニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、インドラジニル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ナフトピリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、オキサゾリン、イソキサゾリン、オキセタニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドピリジニル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、テトラヒドロピラニル、テトラゾリル、テトラゾロピリジル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、アゼチジニル、1,4−ジオキサニル、ヘキサヒドロアゼピニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピリジン−2−オニル、ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロフラニル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロイソチアゾリル、ジヒドロオキサジアゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロテトラゾリル、ジヒドロチアジアゾリル、ジヒドロチアゾリル、ジヒドロチエニル、ジヒドロトリアゾリル、ジヒドロアゼチジニル、メチレンジオキシベンゾイル、テトラヒドロフラニルおよびテトラヒドロチエニル、ならびにそのN−オキシド(これらは各々独立して、ハロゲン原子、C1−4−アルキル、1個以上のハロゲン原子で置換されたC1−4−アルキルまたはC3−6−シクロアルキルで1個以上置換されていてもよい)から成る群から選択される、請求項1〜18のいずれかに記載の化合物。
【請求項20】
WがC(O)−C(O)−N(H)−シクロプロピルまたはC(O)−C(O)−N(H)−NHである、請求項1〜19のいずれかに記載の化合物。
【請求項21】
VがC(O)R24、C(O)N(H)R24およびC(O)OR24(式中、各R24は独立して、H、ハロゲン、ヒドロキシ、COOH、アミノ、C(O)NH、C1−4−アルキル、C3−6−シクロアルキルC0−4アルキル、C3−6−シクロアルキルC0−4アルコキシ、モノ−およびジC1−4アルキルアミノ、アリール、アリールオキシ、アラルキル、アラルキルオキシ、ヘテロ環C0−4アルキルおよびヘテロ環C0−4アルコキシから成る群から選択される)から成る群から選択される、請求項1〜20のいずれかに記載の化合物。
【請求項22】
Vがベンジル、置換ベンジル、ナフチル、C1−4−アルキルおよび
【化12】

から成る群から選択される、請求項1〜21のいずれかに記載の化合物。
【請求項23】
3−6−シクロアルキル基のいずれかが、独立してハロゲン原子、アリール、トリハロメチルまたはC1−4−アルキルで1個以上置換されていてもよい、請求項1〜22のいずれかに記載の化合物。
【請求項24】
WがC(O)−C(O)N(R23{式中、R23は独立して、水素からまたはC1−4−アルキル、C3−6−シクロアルキルC0−4アルキル、アリールおよびヘテロ環(これらは各々独立して、ハロゲン原子またはC1−4−アルキルで1個以上置換されていてもよい)から成る群から選択される}から成る群から選択される、請求項1〜23のいずれかに記載の化合物。
【請求項25】
Wが、C(O)−C(O)NH、C(O)−C(O)N(H)−シクロプロピル、C(O)−ベンゾチアゾール、C(O)−ベンゾイミダゾール、C(O)−オキサゾール、C(O)−イミダゾールおよびC(O)−オキサジアゾール(式中、前記ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、オキサゾールおよびオキサジアゾール基は独立して、ハロゲン原子、アリール、トリハロメチル、C3−6−シクロアルキルC0−4アルキルまたはC1−4−アルキルで1個以上置換されていてもよい)から成る群から選択される、請求項1〜24のいずれかに記載の化合物。
【請求項26】
Wが
【化13】

〔式中、R19は水素、ハロゲン原子、アリール、トリハロメチルおよびC1−4−アルキルから成る群から選択される〕
から成る群から選択される、請求項1〜25のいずれかに記載の化合物。
【請求項27】
が2,2−ジフルオロエチル、プロピル、シクロブチル−メチルおよび2−シクロブチル−エチルから成る群から選択される、請求項1〜26のいずれかに記載の化合物。
【請求項28】
11がHであり、そしてR12がC3−6−シクロアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項29】
12がシクロヘキシルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項30】
VがC(O)−N(H)−t−ブチルである、請求項1〜29のいずれかに記載の化合物。
【請求項31】
VがC(O)−R20{式中、R20はC3−6−シクロアルキル、フェニル、ピラジン、ベンゾオキサゾール、4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−オキサゾール、ベンゾイミダゾール、ピリミジン、ベンゾチアゾール 1,1−ジオキシドおよびキナゾリン(これらは各々独立して、ハロゲン原子、CF、C1−4−アルキルまたはC3−6−シクロアルキルでさらに置換されていてもよい)から成る群から選択される}である、請求項1〜30のいずれかに記載の化合物。
【請求項32】
VがC(O)−R20(式中、R20
【化14】

〔式中、R18は水素、ハロゲン原子、アリール、トリハロメチルおよびC1−4−アルキルから成る群から選択される〕
から成る群から選択される)
である、請求項1〜31のいずれかに記載の化合物。
【請求項33】
VがC(O)−R20(式中、R20
【化15】

〔式中、R18は水素、ハロゲン原子、アリール、トリハロメチルおよびC1−4−アルキルから成る群から選択される〕
から成る群から選択される)
である、請求項1〜32のいずれかに記載の化合物。
【請求項34】
VがC3−6−シクロアルキル、フェニル、ピラジン、ベンゾオキサゾール、4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−オキサゾール、ベンゾイミダゾール、ピリミジン、ベンゾチアゾール 1,1−ジオキシドおよびキナゾリン(これらは各々独立して、ハロゲン原子、CF、C1−4−アルキルまたはC3−6−シクロアルキルでさらに置換されていてもよい)から成る群から選択される、請求項1〜33のいずれかに記載の化合物。
【請求項35】
Vが
【化16】

〔式中、R18は水素、ハロゲン原子、アリール、トリハロメチルおよびC1−4−アルキルから成る群から選択される〕
から成る群から選択される)
である、請求項1〜34のいずれかに記載の化合物。
【請求項36】
Vが
【化17】

〔式中、R18は水素、ハロゲン原子、アリール、トリハロメチルおよびC1−4−アルキルから成る群から選択される〕
から成る群から選択される)
である、請求項1〜35のいずれかに記載の化合物。
【請求項37】
WがC(O)−C(O)−アミノである、請求項1〜36のいずれかに記載の化合物。
【請求項38】
13がHであり、そしてVがC=N(H)NH、C=N(CN)NHおよびC(O)NHから成る群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項39】
WがC(O)N(H)S(O)24{式中、R24はH、C1−4−アルキル、(CH0−4−C3−6−シクロアルキル、置換もしくは非置換アリールおよび置換もしくは非置換ヘテロ環(これらは各々独立して、ハロゲン原子またはC1−4−アルキルで1個以上置換されていてもよい)から成る群から選択される}である、請求項1〜38のいずれかに記載の化合物。
【請求項40】
WがCOOHであり、RがHであり、そしてRがプロピル、2,2−ジフルオロエチルおよびCH−シクロブチルから成る群から選択されるか、またはRとRが一体となって、ビニル基でさらに置換されていてもよいシクロプロピル基を形成する、請求項1〜39のいずれかに記載の化合物。
【請求項41】
とRが、下記式:
【化18】

の置換基を形成する、請求項1〜40のいずれかに記載の化合物。
【請求項42】
W、RおよびRが下記式:
【化19】

の置換基を形成する、請求項1〜41のいずれかに記載の化合物。
【請求項43】
W、RおよびRが下記式:
【化20】

〔式中、各24は独立して、H、置換もしくは非置換−C1−4−アルキル、置換もしくは非置換−C3−6−シクロアルキルC0−4アルキル、置換もしくは非置換−アリールまたは置換もしくは非置換−ヘテロ環である〕
の置換基を形成する、請求項1〜42のいずれかに記載の化合物。
【請求項44】
24
【化21】

から成る群から選択される、請求項1〜43のいずれかに記載の化合物。
【請求項45】
W、RおよびR
【化22】

から成る群から選択される置換基を形成する、請求項1〜44のいずれかに記載の化合物。
【請求項46】
Vが、アシル、SO−R24、C(O)N(R24、C(O)O(R24およびN(H)R24{式中、各R24は水素であるか、または独立して、アミノ、C1−4−アルキル、モノ−およびジ−C1−4アルキルアミノ、C3−6−シクロアルキルC0−4アルキル、アリール、アリールオキシおよびヘテロ環(これらは各々独立して、ハロゲン原子またはC1−4−アルキルで1個以上置換されていてもよい)から成る群から選択される}から成る群から選択される、請求項1〜45のいずれかに記載の化合物。
【請求項47】
HCV関連障害の処置法であって、それを必要とする対象に、薬学的許容量の式IまたはIIの化合物を投与してHCV関連障害を処置することを含んで成る方法。
【請求項48】
HCV関連障害がHCV感染、肝硬変、慢性肝臓疾患、肝細胞癌腫、クリオグロブリン貧血、非ホジキンリンパ腫、および先天性細胞内免疫応答抑制から成る群から選択される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
HIV感染の処置法であって、それを必要とする対象に薬学的許容量の式IまたはIIの化合物を投与することを含んで成る方法。
【請求項50】
対象におけるHCV活性の処置、阻害または予防法であって、当該対象に薬学的許容量の式IまたはIIの化合物を投与することを含んで成る方法。
【請求項51】
セリンプロテアーゼ活性の阻害法であって、当該セリンプロテアーゼを請求項50に記載の化合物と接触させることを含んで成る方法。
【請求項52】
NS2プロテアーゼの活性を阻害する、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
NS3プロテアーゼの活性を阻害する、請求項50に記載の方法。
【請求項54】
NS3ヘリカーゼの活性を阻害する、請求項50に記載の方法。
【請求項55】
NS5aタンパク質の活性を阻害する、請求項50に記載の方法。
【請求項56】
NS5bポリメラーゼの活性を阻害する、請求項50に記載の方法。
【請求項57】
NS3プロテアーゼとNS4Aコファクターの相互作用を阻害する、請求項50に記載の方法。
【請求項58】
CHVのNS4A−NS4B、NS4B−NS5AおよびNS5A−NS5Bの結合の1個以上の切断を防止または変更する、請求項50に記載の方法。
【請求項59】
必要とする対象においてHCV関連障害を処置する、請求項50〜56のいずれかに記載の方法。
【請求項60】
HCV関連障害がHCV感染、肝硬変、慢性肝臓疾患、肝細胞癌腫、クリオグロブリン貧血、非ホジキンリンパ腫および先天性細胞内免疫応答抑制から成る群から選択される、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
必要とする対象におけるHCVの活性の処置、阻害または予防法であって、対象に薬学的許容量の、HCVライフサイクルのいずれかの標的と相互作用する式IまたはIIの化合物を投与することを含んで成る方法。
【請求項62】
標的がNS2プロテアーゼ、NS3プロテアーゼ、NS3ヘリカーゼ、NS5aタンパク質およびNS5bポリメラーゼから成る群から選択される、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
必要とする対象におけるHCV RNA負荷の減少法であって、当該対象に薬学的許容量の式IまたはIIの化合物を投与して対象のHCV RNA負荷を減少することを含んで成る方法。
【請求項64】
HCVプロテアーゼ活性を示す、式IまたはIIの化合物。
【請求項65】
化合物がHCV NS3−4Aプロテアーゼ阻害剤である、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
対象におけるHCV関連障害の処置法であって、それを必要とする対象に、薬学的許容量の式IまたはIIの化合物と薬学的に許容される担体を投与してHCV関連障害を処置することを含んで成る方法。
【請求項67】
HCV関連障害の処置法であって、それを必要とする対象に薬学的有効量の式IまたはIIの化合物を、薬学的有効量のさらなるHCV調節化合物との組合せで投与してHCV関連障害を処置することを含んで成る方法。
【請求項68】
さらなるHCV調節化合物がSch 503034およびVX−950から成る群から選択される、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
さらなるHCV調節化合物が、インターフェロンまたはインターフェロン誘導体である、請求項67に記載の方法。
【請求項70】
インターフェロンがインターフェロンアルファ2B、ペグ化インターフェロンアルファ、コンセンサスインターフェロン、インターフェロンアルファ2A、リンパ芽球インターフェロンおよびインターフェロンタウから成る群から選択され;そして前記抗C型肝炎ウイルス活性を有する化合物が、インターロイキン2、インターロイキン6、インターロイキン12、タイプ1ヘルパーT細胞応答の発生を促進する化合物、二本鎖RNA、トブラマイシンと複合した二本鎖RNA、Imiquimod、リバビリン、イノシン5’−モノホスフェートデヒドロゲナーゼ阻害剤、アマンタジンおよびリマンタジンから成る群から選択される、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
さらなるHCV調節化合物がシトクロームP450モノオキシゲナーゼ阻害剤である、請求項67に記載の方法。
【請求項72】
シトクロームP450阻害剤がリトナビル、ケトコナゾール、トロレアンドマイシン、4−メチルピラゾール、シクロスポリンおよびクロメチアゾールから成る群から選択される、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
HCV関連障害がHCV感染、肝硬変、慢性肝臓疾患、肝細胞癌腫、クリオグロブリン貧血、非ホジキンリンパ腫および先天性細胞内免疫応答抑制から成る群から選択される、請求項66または67に記載の方法。
【請求項74】
細胞におけるC型肝炎ウイルス複製の阻害法であって、当該細胞に式IまたはIIの化合物を接触させることを含んで成る方法。
【請求項75】
式IまたはIIのHCV調節化合物を含み、有効量のHCV調節化合物をHCV関連疾患の処置に使用するための指示書とパッケージされたHCV関連障害処置パッケージ。
【請求項76】
HCV関連障害がHCV感染、肝硬変、慢性肝臓疾患、肝細胞癌腫、クリオグロブリン貧血、非ホジキンリンパ腫および先天性細胞内免疫応答抑制から成る群から選択される、請求項52に記載の処置。
【請求項77】
必要とする対象におけるHCV感染、肝硬変、慢性肝臓疾患、肝細胞癌腫、クリオグロブリン貧血、非ホジキンリンパ腫および/または先天性細胞内免疫応答抑制の処置法であって、対象に薬学的許容量の式IまたはIIの化合物を投与することを含んで成る方法。
【請求項78】
HCVがあらゆるHCV遺伝子型から選択される、請求項50に記載の方法。
【請求項79】
HCVがHCV遺伝子型1、2および/または3から選択される、請求項78に記載の方法。

【公表番号】特表2009−536158(P2009−536158A)
【公表日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−505556(P2009−505556)
【出願日】平成19年4月9日(2007.4.9)
【国際出願番号】PCT/US2007/066205
【国際公開番号】WO2007/121125
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】