説明

JNKのジヒドロキノン及びジヒドロナフチリジン阻害剤

式Iの化合物又はその薬学的に許容しうる塩は、JNKの効果的なモジュレーターである:(式中、X、Y、Z、R、R、R及びRは、本明細書で定義したとおりである)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、医薬品化学及び炎症性障害の処置の分野に関する。より詳細には、本発明は、JNKの低分子阻害剤、JNKを阻害し、JNK媒介障害を処置する方法及び配合物などに関する。
【0002】
c−JunN末端キナーゼ(JNK)は、p38及び細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)と共に、マイトジェン活性化プロテインキナーゼファミリーのメンバーである。10個のスプライス変異体をコードする3個の異なる遺伝子(jnk1、jnk2及びjnk3)が同定されている(Ip and Davis, Curr. Opin. Cell Biol. (1998) 10:205-19)。JNK1及びJNK2は多種多様な組織中で発現するのに対し、JNK3は主にニューロン中で、また多くはないが心臓及び精巣中で発現する(Yang et al., Nature (1997) 389:865-70)。JNKファミリーのメンバーは、腫瘍壊死要素α(TNF−α)及びインターロイキン−1β(IL−1β)などの前炎症性サイトカイン、ならびに環境ストレスにより活性化される。JNKの活性化は、Thr−183及びTyr−185の二重リン酸化により、上流キナーゼ、MKK4及びMKK7により媒介される(Derijard et al., Cell (1994) 76:1025-37)。MKK4及びMKK7は、外的刺激及び細胞の状況に応じて、MEKK1及びMEKK4を含む多様な上流キナーゼにより活性化されうることが示されている(Boyle et al., Arthritis Rheum (2003) 48:2450-24)。JNKシグナル伝達の特異性は、JNK相互作用タンパク質と呼ばれる足場タンパク質を使用して、キナーゼカスケードの多成分を含むJNK特異的シグナル伝達複合体を形成することにより達成される(Yasuda et al., Mol. Cell. Biol. (1999) 19:7245-54)。JNKは、アクチベータータンパク質1(AP1)ファミリーの成分であるc−Jun及びATF2などの転写因子、ならびにIRS−1及びBcl−2などの非転写因子を含む特定の基質をリン酸化することにより、炎症、T細胞機能、アポトーシス及び細胞生存において重要な役割を果たすことが示されている(Manning and Davis, Nat. Rev. Drug Discov. (2003) 2:554-65)。JNKの過剰活性は、自己免疫性、炎症性、代謝性、神経性疾患ならびに癌における重要な機序であると考えられている。
【0003】
関節リウマチ(RA)は、関節の慢性炎症を特徴とする全身性自己免疫性疾患である。炎症過程により引き起こされる関節の腫れ及び疼痛に加えて、大部分のRA患者は、最終的には弱体化した関節の損傷及び変形が進行する。細胞及び動物モデルにおける一連のいくつかの有力な薬理学的及び遺伝学的証拠が、RAの発生における活性化JNKの関連性と重要さを強く示唆している。第一に、JNKの異常活性化が、RA患者からのヒト関節炎の関節(Schett et al., Arthritis Rheum (2000) 43:2501-12)及び関節炎の動物モデルからのげっ歯類関節炎の関節(Han et al., J. Clin. Invest. (2001) 108:73-81)の両方に検出された。加えて、選択的JNK阻害剤によるJNK活性化の阻害が、ヒト滑膜細胞、マクロファージ及びリンパ球における前炎症性サイトカイン及びMMPの生成を妨げた(上記Han et al., (2001))。重要なことには、アジュバント関節炎のラット(上記Han et al., (2001))又はコラーゲン誘導関節炎のマウス(Gaillard et al., J Med Chem. (2005) 14:4596-607)における選択的JNK阻害剤の投与が、サイトカイン及びコラゲナーゼの発現を阻害することにより、効果的に関節の破壊を防ぎ、足の腫大を著しく減少させた。
【0004】
喘息は、細胞の炎症過程の存在及び気道の構造的変化に関連する気管支の反応亢進を特徴とする気道の慢性炎症性疾患である(Bradley et al., J. Allergy Clin. Immunol. (1991) 88:661-74)。この障害は、気道における多くの細胞型、例えば、Tリンパ球、好酸球、マスト細胞、好中球及び上皮細胞により亢進されることが示されている(Bousquet et al., Am. J. Respir. Crit. Care Med. (2000) 161:1720-45)。最近の概念実証研究に基づいて、JNKは、喘息についての有望な治療標的として浮上しており、JNK阻害剤が、活性化ヒト気道平滑筋細胞におけるRANTES生成を著しく妨げることが示されている(Kujime et al., J. Immunol. (2000) 164:3222-28)。より重要なことには、慢性ラット及びマウスモデルの、細胞浸潤、炎症、反応亢進、平滑筋増殖、及びIgE生成を減少させるその能力において、JNK阻害剤は良好な効力を示した(Nath et al., Eur. J. Pharmacol. (2005) 506:273-83; Eynott et al., Br. J. Pharmacol. (2003) 140:1373-80)。これらの観察は、アレルギー性炎症、反応亢進に関連する気道再形成過程におけるJNKの重要な役割を示唆する。したがって、JNK活性の遮断が、喘息の処置に有益であることが期待される。
【0005】
2型糖尿病は、慢性的な低レベルの炎症及び酸化ストレスに関連する脂質代謝異常の結果としてのインスリン抵抗性及びインスリン分泌低下を特徴とする最も深刻で広く行き渡った代謝性疾患である。肥満及び糖尿病条件下の種々の糖尿病標的組織において、JNK活性が異常に上昇することが報告されている(Hirosumi et al., Nature (2002) 420:333-36; Kaneto, Expert. Opin. Ther. Targets (2005) 9:581-92)。前炎症性サイトカイン及び酸化ストレスによるJNK経路の活性化が、インスリン受容体基質1(IRS−1)のSer307でのリン酸化により、インスリンシグナル伝達をマイナスに制御し、その結果インスリン抵抗性及び耐糖能を引き起こす(上記Hirosumi et al., Nature (2002); Lee et al., J. Biol. Chem. (2003) 278:2896-902; Nakatani et al., J. Biol. Chem. (2004) 279:45803-09)。遺伝的(ob/ob)肥満マウス又は食餌性肥満マウスのいずれかと掛け合わせたJNK−/−マウスを使用する明解な動物モデルから、有望な遺伝的証拠が得られた。JNK2(JNK2−/−)ではなくJNK1(JNK1−/−)の機能の損失が、肥満マウスの体重の増加を防ぎ、血糖値の恒常性を増大させ、血漿インスリン値を減少させる(上記Hirosumi et al., Nature (2002))。これらの研究は、肥満/2型糖尿病の処置におけるJNK阻害剤の潜在的な有用性を実証した。
【0006】
アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)及び脳卒中などの神経変性疾患は、シナプスの損失、ニューロンの萎縮及び死亡を特徴とするCNS疾患である。c−Jun活性化に至るJNK経路は、様々な刺激の誘導の際、単離された初期胚ニューロン及び多数の神経細胞系のアポトーシスに因果的役割を果たすことが示されている(Bozyczko-Coyne et al., Curr. Drug Targets CNS Neurol. Disord. (2002) 1:31-49)。JNKの過剰活性化は、AD患者のヒトの脳(Pei et al., J. Alzheimers Dis. (2001) 3:41-48)又は神経変性疾患の動物モデルに由来するげっ歯類の脳切片(Saporito et al., J. Neurochem. (2000) 75:1200-08)において認められた。例えば、AD患者の死後の脳において、ホスホ−JNKの増加が検出された。β−アミロイドペプチドの投与により誘導されたADのげっ歯類モデルにおけるJNK阻害ペプチド(JIP−1ペプチド)の投与が、シナプス可塑性障害を妨げた。PDの動物モデル(MPTPモデル)において、ホスホ−MKK4及びホスホ−JNKの上昇が、神経細胞死に付随して認められた。JNK阻害ペプチド(JIP−1ペプチド)のアデノウィルス遺伝子のマウスの線条体への導入は、MPTP媒介JNK、c−Jun及びカスパーゼ活性化を阻害することにより、行動障害を弱め、その結果黒質における神経細胞死を妨げた(Xia et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA. (2001) 98:10433-38)。加えて、グルタミン酸興奮毒性により誘導される虚血性脳卒中の動物モデルにおいて、JNK1又はJNK2ではなくJNK3が欠乏したマウスは、カイニン酸(グルタミン酸受容体アゴニスト)媒介発作又は神経細胞死に対して耐性であった(Yang et al., Nature (1997) 389:865-70)。これらのデータは、JNK3が、虚血状態の重要な構成要素であるグルタミン酸興奮毒性の主要な原因であったことを示唆する。総合すると、JNKが、神経細胞死に関連する多数のCNS疾患についての興味深い標的であることを示唆するデータが現れている。
【0007】
制御されない細胞成長、増殖及び移動は、無秩序な血管形成と共に、悪性腫瘍の形成に至る。JNKシグナル伝達経路はアポトーシスにおいて排他的に作用するのではなく、AP1の活性化に至る維持されたJNK活性化が、神経膠腫及びBCL−ABL形質転換Bリンパ芽球などの特定の癌型の細胞生存の一因となることが最近示唆されている(Antonyak et al., Oncogene (2002) 21:5038-46; Hess et al., Nat. Genet. (2002) 32:201-05)。神経腫瘍の場合、JNK/AP1活性の向上が、原発性脳腫瘍サンプルの大部分に見られる。形質転換Bリンパ芽球については、BCL−ABLは、次に抗アポトーシスbcl−2遺伝子の発現を上方制御するJNK経路を活性化することが示された。興味深いことに、治療抵抗性のAML患者に見られる多剤耐性及び過剰増殖が、これらのAMLサンプルに存在する維持されたJNK活性と因果的に関連している(Cripe et al., Leukemia (2002) 16:799-812)。白血病細胞におけるJNKの活性化は、多剤耐性の原因であるmdr1及びMRP1などの排出ポンプの発現を誘導する結果となった。また、グルタチオン−S−トランスフェラーゼπ及びγ−グルタミルシステインシンターゼを含む、酸化ストレスに対応する生存利益を有する遺伝子もまた、活性化されたJNK経路により上方制御された。したがって、JNKモジュレーターは、多種多様な疾患及び/又は状態を治療する上で有用である。
【発明の概要】
【0008】
本発明の一つの態様は、式I:
【0009】
【化1】


[式中、
Xは、CR11又はNであり;
Yは、−C(O)R、5員ヘテロアリール、又は5員ヘテロシクリルであり;
Zは、フェニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル又はヘテロアリールであり、かつR及びRで置換されており;
及びRは、それぞれ独立して、H、ハロ、CN、低級アルキル、又は−Y−Y−Y−Rであるか、あるいはR及びRは一緒に、−O(CHnO−(ここで、nは、1又は2である)を形成し;
は、−O−、−C(O)−、−C(O)O−、−C(O)NR−、−NRC(O)−、−S−、−SO−、又は結合であり;
は、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、低級アルキレン又は結合であり;
は、−O−、−C(O)−、−C(O)O−、−C(O)NR−、−NRC(O)−、−SO−、又は結合であり;
は、H、低級アルキル、低級アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、又は−NR10(ここで、H以外のRは、低級アルキル、ハロ、−CF、又は−OHで場合により置換されている)であり;
及びR10は、それぞれ独立して、H又は低級アルキルであり;
は、OH、低級アルキル、低級アルコキシ、(低級アルコキシ)−低級アルコキシ、又は−NR10であり;
は、低級アルキル、フェニル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、又はヘテロアリールであり、かつ低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ハロ、ニトロ、アミノ、シアノ、又はハロ−低級アルキルで場合により置換されており;
及びRは、それぞれ独立して、H、ハロ、シアノ、低級アルキル、−CF、低級アルコキシ、−OCHF、−NO、又は−NR10であり;
は、H、F、Cl、メチル、又はOHであり;
11は、H、低級アルキル、低級シクロアルキル、又はフェニルである]で示される化合物、又はその薬学的に許容しうる塩である。
【0010】
本発明の別の態様は、式Iの化合物及び薬学的に許容しうる賦形剤を含む医薬組成物である。
【0011】
本発明の別の態様は、JNKを発現する細胞を式Iの化合物と接触させることを含む、JNK活性を調節する方法である。
【0012】
本発明の別の態様は、それを必要とする被検体に式Iの化合物の有効量を投与することを含む、炎症を処置するための方法である。
【0013】
この開示に引用される全ての出版物は、参照としてその全体が本明細書に援用される。
【0014】
他に特に記載しない限り、明細書及び特許請求の範囲を含む本願において使用される以下の用語は、下記の定義を有する。明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形の「a」、「an」及び「the」は、文脈が明確に他のことを示していない限り、複数形の指示対象を含むことに留意しなければならない。
【0015】
「アルキル」は、炭素及び水素原子のみからなり、1〜12個の炭素原子を有する、一価の直鎖又は分岐鎖状飽和炭化水素部分を意味する。「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子のアルキル基、すなわちC−Cアルキルを表す。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、n−ヘキシル、オクチル、ドデシルなどが含まれるが、これらに限定されない。「分岐鎖状アルキル」は、少なくとも1個の分岐鎖を有するアルキル部分、例えば、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチルなどを表す。同様に、「低級アルコキシ」は、式−ORの部分を表し、「アシル」は、式−C(O)Rの部分を表し、ここで、Rは低級アルキルである。
【0016】
「アルキレン」は、1〜6個の炭素原子の直鎖状飽和二価炭化水素部分、又は3〜6個の炭素原子の分岐鎖状飽和二価炭化水素基、例えば、メチレン、エチレン、2,2−ジメチルエチレン、プロピレン、2−メチルプロピレン、ブチレン、ペンチレンなどを意味する。「シクロアルキレン」は、炭素環を含む、3個から8個の炭素原子の二価炭化水素部分を意味する。例示的なシクロアルキレン部分には、非限定的に、以下:
【0017】
【化2】


などが含まれる。「ヘテロシクロアルキレン」は、1、2、又は3個の炭素原子がヘテロ原子(O、N、又はS)で置き換えられているシクロアルキレン部分を意味し、ここでヘテロシクロアルキレン部分は、依然として少なくとも2個の炭素原子を含む。例示的なヘテロシクロアルキレン部分には、非限定的に、以下:
【0018】
【化3】


などが含まれる。
【0019】
「アルキレンジオキシ」は、式−O−R−O−(式中、Rは、本明細書で定義したとおりのアルキレンである)で表される二価部分を意味する。
【0020】
「アリール」は、単環、二環又は三環式芳香環からなる一価環状芳香族炭化水素部分を意味する。アリール基は、本明細書で定義されるように、場合により置換されることができる。アリール部分の例には、場合により置換されているフェニル、ナフチル、フェナントリル、フルオレニル、インデニル、ペンタレニル、アズレニル、オキシジフェニル、ビフェニル、メチレンジフェニル、アミノジフェニル、ジフェニルスルフィジル、ジフェニルスルホニル、ジフェニルイソプロピリデニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾフラニル、ベンゾジオキシリル、ベンゾピラニル、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサジノニル、ベンゾピペラジニル、ベンゾピペラジニル、ベンゾピロリジニル、ベンゾモルホリニル、メチレンジオキシフェニル、エチレンジオキシフェニルなど(その部分水素化誘導体を含む)が含まれるが、これらに限定されない。
【0021】
「シクロアルキル」は、単環式又は二環式環からなる一価の飽和炭素環式部分を意味する。シクロアルキルは、1個以上の置換基(ここで、各置換基は、他に特に示さない限り、独立して、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、又はジアルキルアミノである)で場合により置換されることができる。シクロアルキル部分の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなど(その部分不飽和誘導体を含む)が含まれるが、これらに限定されない。
【0022】
「シクロアルキルアルキル」は、式−R−R(ここで、Rはアルキレンであり、Rは本明細書で定義されたシクロアルキルである)で表される部分を意味する。
【0023】
「ヘテロアルキル」は、ヘテロアルキル基の結合点が炭素原子を介するという理解のもとで、1、2又は3個の水素原子が、−OR、−NR、及び−S(O)n(ここで、nは、0〜2の整数である)からなる群より独立して選択される置換基で置き換えられている、分岐鎖状C−C−アルキルを含む、本明細書で定義されたアルキル部分を意味する(ここで、Rは、水素、アシル、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルであり;R及びRは、互いに独立して、水素、アシル、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルであり;nが0である場合、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルであり;nが1である場合、Rは、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルであり;nが2である場合、Rは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アミノ、アシルアミノ、モノアルキルアミノ、又はジアルキルアミノである)。代表的な例には、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチルエチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシメチルエチル、3−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシブチル、2−ヒドロキシ−1−メチルプロピル、2−アミノエチル、3−アミノプロピル、2−メチルスルホニルエチル、アミノスルホニルメチル、アミノスルホニルエチル、アミノスルホニルプロピル、メチルアミノスルホニルメチル、メチルアミノスルホニルエチル、メチルアミノスルホニルプロピルなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0024】
「ヘテロアリール」は、ヘテロアリール基の結合点が芳香環上にあるという理解のもとで、N、O、又はSより選択された1、2、又は3個の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子がCである、少なくとも1個の芳香環を有する5〜12個の環原子の単環式又は二環式部分を意味する。ヘテロアリール環は、本明細書において定義されるように、場合により置換されうる。ヘテロアリール部分の例には、場合により置換されているイミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピラジニル、チエニル、チオフェニル、フラニル、ピラニル、ピリジニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリミジル、ピリダジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾピラニル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、トリアゾリル、トリアジニル、キノキサリニル、プリニル、キナゾリニル、キノリジニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アゼピニル、ジアゼピニル、アクリジニルなど(その部分水素化誘導体を含む)が含まれるが、これらに限定されない。
【0025】
本明細書において交換可能に使用されうる用語「ハロ」、「ハロゲン」及び「ハロゲン化物」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードを表す。
【0026】
「ハロアルキル」は、1個以上の水素が、同一の又は異なるハロゲンで置き換えられている、本明細書で定義されたアルキルを意味する。例示的なハロアルキルには、−CHCl、−CHCF、−CHCCl、パーフルオロアルキル(例えば、−CF)などが含まれる。
【0027】
「ヘテロシクリル」は、1、2、3又は4個のヘテロ原子(窒素、酸素、又は硫黄より選択される)を含む、1〜2個の環からなる一価の飽和部分を意味する。ヘテロシクリル環は、本明細書で定義されるように、場合により置換されうる。ヘテロシクリル部分の例には、場合により置換されているピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、アゼピニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、キヌクリジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、チアジアゾリリジニル、ベンゾチアゾリジニル、ベンゾアゾリリジニル、ジヒドロフリル、テトラヒドロフリル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、ジヒドロキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0028】
「場合により置換されている」は、低級アルキル、ハロ、OH、シアノ、アミノ、ニトロ、低級アルコキシ、又はハロ−低級アルキルより選択される0〜3個の置換基で独立して置換されている置換基を意味する。
【0029】
「脱離基」は、有機合成化学において、従来からそれと関連づけられている意味を有する基、すなわち、置換反応条件下で置き換え可能な原子又は基を意味する。脱離基の例には、ハロゲン、アルカン−又はアリーレンスルホニルオキシ、例えば、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、チオメチル、ベンゼンスルホニルオキシ、トシルオキシ、及びチエニルオキシ、ジハロホスフィノイルオキシ、場合により置換されているベンジルオキシ、イソプロピルオキシ、アシルオキシなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0030】
「任意の」又は「場合により」は、その後に記述された事象又は状況が存在してもよいが、存在しなくてもよく、その記述が、事象又は状況が存在する場合と、存在しない場合とを含んでいることを意味する。
【0031】
「疾患」及び「疾患状態」は、あらゆる疾患、状態、症状、障害又は適応症を意味する。
【0032】
「不活性有機溶媒」又は「不活性溶媒」は、溶媒が、それに関連して記述された反応条件の下で不活性であることを意味し、例えば、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、クロロホルム、塩化メチレンつまりジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、ジオキサン、ピリジンなどが含まれる。特記しない限り、本発明の反応において使用される溶媒は、不活性溶媒である。
【0033】
「薬学的に許容しうる」は、一般に安全で、非毒性であり、生物学的にも他の面でも有害でない、医薬組成物の調製において有用なものを意味し、獣医学的ならびにヒトにおける薬学的使用に許容されるものを含む。
【0034】
化合物の「薬学的に許容しうる塩」は、本明細書で定義されるとおりに薬学的に許容され、かつ親化合物の所望の薬理学的活性を有する塩を意味する。そのような塩には、以下のものが含まれる:
無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などで形成されるか;又は有機酸、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシナフトエ酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコン酸、2−ナフタレンスルホン酸、プロピオン酸、サリチル酸、コハク酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、トリメチル酢酸などで形成された酸付加塩;あるいは親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、もしくはアルミニウムイオンにより置き換えられるか;又は有機もしくは無機塩基と配位した場合に形成される塩。許容しうる有機塩基には、ジエタノールアミン、エタノールアミン、N−メチルグルカミン、トリエタノールアミン、トロメタミンなどが含まれる。許容しうる無機塩基には、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどが含まれる。
【0035】
好ましい薬学的に許容しうる塩は、酢酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、マレイン酸、リン酸、酒石酸、クエン酸、ナトリウム、カリウム、カルシウム、亜鉛、及びマグネシウムから形成される塩である。
【0036】
「保護基(Protective group)」又は「保護基(protecting group)」は、合成化学において従来からそれと関連づけられている意味において、多官能化合物における1つの反応部位を選択的にブロックして、もう一つの保護されていない反応部位において化学反応が選択的に実施されることができるようにする基を意味する。本発明の特定の方法は、反応物中に存在する反応性の窒素及び/又は酸素原子をブロックする保護基に依存する。例えば、用語「アミノ保護基」及び「窒素保護基」は、本明細書において交換可能に使用され、合成手順中の望ましくない反応から窒素原子を保護することを目的とする有機基を表す。例示的な窒素保護基には、トリフルオロアセチル、アセトアミド、ベンジル(Bn)、ベンジルオキシカルボニル(カルボベンジルオキシ、CBZ)、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル(BOC)などが含まれるが、これらに限定されない。当業者は、除去の容易性及び後続の反応に耐える能力について、基をどのように選択するかを知るであろう。
【0037】
「被検体」は、哺乳動物及び非哺乳動物を意味する。哺乳動物は、ヒト;チンパンジーとその他の類人猿及びサル類などの非ヒト霊長類;ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、及びブタなどの家畜;ウサギ、イヌ、及びネコなどの家庭動物;ラット、マウス、及びモルモットなどのげっ歯類を含む実験動物などを含む(が、これらに限定されない)、哺乳類のあらゆる構成員を意味する。非哺乳動物の例には、トリなどが含まれるが、これらに限定されない。用語「被検体」は、特定の年齢又は性別を示さない。
【0038】
「治療有効量」は、疾患状態を処置するために被検体に投与する場合、疾患状態のそのような処置を行うのに十分な化合物の量を意味する。「治療有効量」は、化合物、処置される疾患状態、重篤度又は処置される疾患、被検体の年齢及び相対的な健康状態、投与の経路及び形態、従事する医師又は獣医の判断、ならびに他の要素に応じて変化する。
【0039】
疾患状態を「処置すること」又は疾患状態の「処置」には、以下のものが含まれる:
(i)疾患状態の予防、すなわち疾患状態に暴露され又は罹患しうるが、まだ疾患状態の症状を経験又は示していない被検体において、疾患状態の臨床症状を進展させないこと、
(ii)疾患状態の阻害、すなわち疾患状態又はその臨床症状の進展を制止すること、あるいは
(iii)疾患状態の緩和、すなわち疾患状態又はその臨床症状を一時的又は永久的に後退させること。
【0040】
用語「処置する」、「接触させる」、及び「反応させる」は、化学反応を表す場合、2つ以上の試薬を、適切な条件下で加えるか又は混合して、表示の及び/又は所望の生成物を製造することを意味する。表示の及び/又は所望の生成物を製造する反応が、必ずしも最初に加えられた2つの試薬を組み合わせることにより直接得られる必要はないこと、すなわち混合物中に製造された1つ以上の中間体が存在し、最終的にそれが表示の及び/又は所望の生成物の形成につながればよいことが理解されるべきである。
【0041】
「JNK媒介障害」は、JNKの増大した活性又は発現により引き起こされ、かつJNK活性を阻害することにより緩和されうる疾患状態を表す。JNK媒介障害の例には、関節リウマチ、喘息、2型糖尿病、アルツハイマー病、パーキンソン病、細胞過剰増殖などが含まれる。
【0042】
本発明は、炎症性障害を処置するための化合物及び組成物、ならびにJNKにより媒介される障害を処置する方法を提供する。
【0043】
本発明の現在好ましい化合物において、R及びRは、それぞれHである。他の好ましい本発明の化合物において、R11もHである。
【0044】
本発明のいくつかの現在好ましい化合物において、Rは、ハロ、低級アルキル、又はトリフルオロメチルである。
【0045】
本発明のいくつかの現在好ましい化合物において、Rは、フェニル又はヘテロアリールである。いくつかの現在好ましい化合物において、Yは、−C(O)R(ここで、Rは低級アルコキシである)である。
【0046】
本発明の一群の現在好ましい化合物において、Zはフェニルであり、RはHである。いくつかの現在好ましい化合物において、Rは、−Y−Y−Y−R(ここで、Yはスルホニルである)である。この群のいくつかの現在好ましい化合物において、Yはヘテロシクロアルキレンであり、Yは−O−である。他の現在好ましい化合物において、Yは低級アルキレンであり、Yは結合である。他の好ましい化合物において、Yは−C(O)NH−である。
【0047】
本発明の別の群の現在好ましい化合物において、Zは、ヘテロシクリルである。
【0048】
別の実施態様において、本発明は、Yが−C(O)Rであり、Rがメトキシである、式Iの化合物を提供する。更に別の実施態様において、本発明は、Yが−C(O)Rであり、Rがメトキシであり、RがHである、式Iの化合物を提供する。更に別の実施態様において、本発明は、Yが−C(O)Rであり、Rがメトキシであり、RがHであり、Zがフェニルであり、RがHである、式Iの化合物を提供する。更に別の実施態様において、本発明は、Yが−C(O)Rであり、Rがメトキシであり、RがHであり、Zがフェニルであり、RがHであり、RがHである、式Iの化合物を提供する。更に別の実施態様において、本発明は、Yが−C(O)Rであり、Rがメトキシであり、RがHであり、Zがフェニルであり、RがHであり、RがHであり、RがH、F、Cl、Me、及びCFからなる群より選択される、式Iの化合物を提供する。更に別の実施態様において、本発明は、Yが−C(O)Rであり、Rがメトキシであり、RがHであり、Zがフェニルであり、RがHであり、RがHであり、RがH、F、Cl、Me、及びCFからなる群より選択され、XがCH又はNである、式Iの化合物を提供する。更に別の実施態様において、本発明は、Yが−C(O)Rであり、Rがメトキシであり、RがHであり、Zがフェニルであり、RがHであり、RがHであり、RがH、F、Cl、Me、及びCFからなる群より選択され、XがCH又はNであり、Rが−Y−Y−Y−R(ここで、YはSOである)である、式Iの化合物を提供する。更に別の実施態様において、本発明は、Yが−C(O)Rであり、Rがメトキシであり、RがHであり、Zがフェニルであり、RがHであり、RがHであり、RがH、F、Cl、Me、及びCFからなる群より選択され、XがCH又はNであり、Rが−Y−Y−Y−R(ここで、YはSOであり、Yは結合であり、Yは結合であり、Rは低級アルキル、もしくはヒドロキシにより置換されている低級アルキル、ヒドロキシにより置換されている低級アルコキシ、ヒドロキシにより置換されているシクロアルキル、ヒドロキシにより置換されているヘテロシクロアルキル、又はヒドロキシにより置換されている−NR10である)である、式Iの化合物を提供する。
【0049】
更に別の実施態様において、本発明は、Yが−C(O)Rであり、Rがメトキシであり、RがHであり、Zがピペリジル、ピロリジル、シクロプロピル、ピラゾリル、ピペラジニル、モルホリノ、及びピリミジニルからなる群より選択される、式Iの化合物を提供する。
【0050】
本発明の別の態様は、式Iの化合物を薬学的に許容しうる賦形剤と組み合わせて含む、医薬組成物である。
【0051】
本発明の別の態様は、式Iの化合物の有効量を、それを必要とする被検体に投与することを含む、JNK媒介疾患を処置する方法である。本発明の現在好ましい方法は、関節リウマチ及びクローン病からなる群より選択されるJNK媒介疾患を処置する方法である。
【0052】
本発明の別の態様は、JNKの活性を阻害する方法であって、前記JNKを式Iの化合物の有効量と接触させることを含む方法である。
【0053】
合成反応スキームの出発物質及び中間体は、所望であれば、従来の技術、例えば、濾過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィーなど(ただし、これらに限定されない)を用いて単離及び精製することができる。そのような物質は、従来の手段、例えば物理定数及びスペクトルデータを用いて特徴付けることができる。
【0054】
特記しない限り、本明細書に記載された反応は、好ましくは、約−78℃〜約180℃の反応温度範囲で、最も好ましくかつ好都合には室温(又は周囲温度)、例えば約20℃にて、大気圧で、不活性雰囲気下に実施される。
【0055】
本発明の化合物は、下記のスキームに従い、実施例に記載の手順を用いて調製する。以下のスキームでは、本発明の目的化合物に至るいくつかの可能な合成経路が記載されている。基、R、R、R、R、R、及びRは、他に特に示さない限り、上記と同義である。
【0056】
【化4】

【0057】
工程Aでは、置換ベンズアルデヒドを、NaOHなどの無機塩基の存在下、メタノール/水混合物などの極性プロトン性溶媒中で、置換2−ニトロアセトフェノンとアルドール縮合させて、対応する式(I)のα,β−不飽和ケトンを得る。次に、この生成物を、工程Bに記載のとおり、酸化白金(IV)などの触媒の存在下、メタノール又はテトラヒドロフランなどの極性溶媒あるいは上記の混合物中で、水素化により、対応する飽和アニリン(II)に還元することができる。アニリン(II)を、工程Cに記載のとおり、銅(0)、ヨウ化カリウム及び炭酸カリウムの存在下、ブチルエーテルなどの極性溶媒中で、160℃にて加熱することにより、ヨードベンゼンとカップリングさせることができる。工程Dでは、式(IV)のアニリンを、塩化メチルオキサリルなどの塩化アシルの存在下、トルエンなどの非極性溶媒中で、加熱還流することによりアシル化することができる。アミド(IV)を、工程Eに記載のとおり、メタノールなどの極性プロトン性溶媒中で、炭酸カリウムなどの無機塩基の存在下、加熱還流することにより環化して、対応する1,4−ジヒドロキノリンを得ることができる。
【0058】
【化5】

【0059】
工程Aでは、置換ベンズアルデヒドを、NaOHなどの無機塩基の存在下、MeOHなどの極性プロトン性溶媒中で、置換アセトフェノン又は1−ピリジン−3−イル−エタノン(V)と縮合させて、対応する式(VI)のα,β−不飽和ケトンを得る。この生成物を、工程Bに記載のとおり、酸化白金(IV)などの触媒の存在下、エタノール及びEtOAcなどの極性溶媒の混合物中で、水素化により、対応する飽和ケトンに還元することができる。R又はRがクロロのとき、この部分を、酸化白金(IV)の代わりにパラジウム担持炭を触媒として使用して同時に還元することができる。工程Cでは、アニリン(VII)を、塩化メチルオキサリルなどの塩化アシルの存在下、トルエンなどの非極性溶媒中で、加熱還流することによりアシル化することができる。アミド(VIII)を、工程Dに記載のとおり、メタノールなどの極性プロトン性溶媒中で、炭酸カリウムなどの無機塩基の存在下、加熱還流することにより環化して、対応する1,4−ジヒドロキノリンを得ることができる。カップリング工程Aにおいて、Rがカルボン酸エステル部分である場合、エステル及び対応するカルボン酸の両方を加水分解により形成することができ、次に酸を、EDCI及びBOPなどのカップリング剤及びジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基の存在下、テトラヒドロフランなどの極性溶媒中で、アミンNHR10とカップリングさせることができる。一般式(IX)のアミドを、上記B〜Dと同じ工程に付して、対応する1,4−ジヒドロキノリンを得ることができる。
【0060】
【化6】

【0061】
がエステル部分のとき、一般式(X)の1,4−ジヒドロキノリンを、工程Aに記載のとおり、水酸化リチウムなどの無機塩基の存在下、メタノールなどの極性プロトン性溶媒中で、対応するカルボン酸(XI)に加水分解することができる。カルボン酸(XI)を、工程Bに記載のとおり、BOPなどのカップリング剤及びジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基の存在下、テトラヒドロフランなどの極性溶媒中で、アミンNHR10とカップリングさせて、対応するアミドを得ることができる。Rがメルカプトアルキル部分であるとき、式(IX)の1,4−ジヒドロキノリンを、工程Cに記載のとおり、テトラヒドロフラン、メタノール及び水などの極性溶媒の混合物中で、酸化剤としてOXONE(商標)を使用して、対応するスルホンに酸化することができる。
【0062】
以下の表は、本発明の代表的な化合物を示す。
【0063】
【表1】















































【0064】
本発明の化合物は、JNKモジュレーターであり、そのような化合物は広範囲のJNK媒介障害の処置に有効であることが期待されている。例示的なJNK媒介障害には、自己免疫障害、炎症性障害、代謝性障害、神経性疾患、及び癌が含まれるが、これらに限定されない。したがって、本発明の化合物は、一つ以上のそのような障害を処置するために使用することができる。いくつかの実施態様において、本発明の化合物は、JNK媒介障害、例えば、関節リウマチ、喘息、2型糖尿病,アルツハイマー病、パーキンソン病又は脳卒中を処置するために使用することができる。
【0065】
本発明は、少なくとも1つの本発明の化合物、又は個々の異性体、異性体のラセミもしくは非ラセミ混合物、あるいはその薬学的に許容しうる塩もしくは溶媒和物を、少なくとも1つの薬学的に許容しうる担体、ならびに場合により他の治療用及び/又は予防用成分と一緒に含む医薬組成物を包含する。
【0066】
一般に、本発明の化合物は、類似した有用性をもたらす薬剤の許容されるあらゆる投与方法により、治療有効量で投与される。適切な投薬量範囲は、処置される疾患の重篤度、被検体の年齢及び相対的な健康状態、使用する化合物の効力、投与経路及び形態、投与が目的とする適応症、ならびに関与する医師の選択及び経験などの多数の要因に依って、典型的には1日あたり1〜500mg、好ましくは1日あたり1〜100mg、最も好ましくは1日あたり1〜30mgである。そのような疾患を処置する当業者は、過度の実験を行うことなく、かつ個人の知見及び本願の開示に依拠して、所与の疾患に対する本発明の化合物の治療有効量を確定することが可能となるであろう。
【0067】
本発明の化合物は、経口(口腔及び舌下を含む)、直腸、鼻、局所、肺、膣、又は非経口(筋肉内、動脈内、くも膜下腔内、皮下、及び静脈内を含む)投与に適したものを含む医薬配合物として、あるいは吸入もしくは通気による投与に適した形態で投与されうる。好ましい投与の方法は、一般に、苦痛の程度に従って調整することができる、好都合な1日投薬量レジメンを使用する経口である。
【0068】
1個又は複数の本発明の化合物は、1つ以上の従来の佐剤、担体、又は希釈剤と一緒に、医薬組成物及び単位投薬量の形態にしうる。医薬組成物及び単位投薬形態は、追加の活性化合物もしくは成分と共に、又はそれらなしで、従来の成分を従来の割合で含むことができ、単位投薬形態は、使用を目的とする1日の投薬量の範囲に相応する活性成分のあらゆる適切な有効量を含有しうる。医薬組成物は、経口使用のための錠剤もしくは充填カプセル剤などの固体、半固体、粉末、徐放性配合物、又は液剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤、もしくは充填カプセル剤などの液体として;あるいは直腸もしくは膣内投与のための坐剤の形態で;あるいは非経口使用のための注射用滅菌液剤の形態で使用しうる。
【0069】
したがって、1錠あたり約1mg、又はより広く約0.01〜約100mgの活性成分を含有する配合物が、適切で代表的な単位投薬形態である。
【0070】
本発明の化合物は、多種多様な経口投与投薬形態で配合しうる。医薬組成物及び投薬形態は、活性成分として、1個又は複数の本発明の化合物又はその薬学的に許容しうる塩を含みうる。薬学的に許容しうる担体は、固体又は液体であってよい。固形製剤には、粉末、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、及び分散性顆粒剤が含まれる。固体担体は、希釈剤、風味剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁剤、結合剤、防腐剤、錠剤崩壊剤、又はカプセル材料としても機能しうる1種以上の物質であってよい。粉末において、担体は、一般に、微粉化した活性成分との混合物である微粉化した固体である。錠剤において、活性成分は、一般に、必要な結合能力を有する担体と適切な割合で混合され、所望の形状及びサイズに圧縮される。粉末及び錠剤は、好ましくは、約1〜約70パーセントの活性化合物を含有する。適切な担体には、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、乳糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ロウ、ココアバターなどが含まれるが、これらに限定されない。「製剤」という用語には、担体を有する又は有しない活性成分が、それと関連する担体により包囲されているカプセルを提供する、担体としてのカプセル材料と活性化合物との配合物が含まれることを意図する。同様に、カシェ剤及びトローチ剤が含まれる。錠剤、粉末、カプセル剤、丸剤、カシェ剤、及びトローチ剤は、経口投与に適した固体の形態であってよい。
【0071】
経口投与に適した他の形態には、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤、水性液剤、水性懸濁剤を含む液状製剤、又は使用直前に液状製剤に変換することを意図した固形製剤が含まれる。乳剤は、溶液中、例えばプロピレングリコール水溶液中で調製してもよく、あるいは例えばレシチン、ソルビタンモノオレアート、又はアカシアなどの乳化剤を含有してもよい。水性液剤は、活性成分を水に溶解し、適切な着色剤、風味剤、安定剤、及び増粘剤を添加することにより調製することができる。水性懸濁剤は、天然又は合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び他の周知の懸濁剤などの粘性材料と共に、微粉化した活性成分を水に分散させることにより調製することができる。固形製剤には、液剤、懸濁剤、及び乳剤が含まれ、活性成分に加え、着色剤、風味剤、安定剤、緩衝剤、人工及び天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含有してもよい。
【0072】
本発明の化合物は、非経口投与(例えば、注射、例としては、ボーラス注射又は連続注入による)用に配合してもよく、防腐剤を添加した、アンプル、充填済注射器、小量注入容器又は多用量容器に単位用量形態で存在しうる。組成物は、油性又は水性のビヒクル中の懸濁剤、液剤、又は乳剤、例えば、水性ポリエチレングリコール液剤などの形態をとりうる。油性又は非水性の担体、希釈剤、溶媒、又はビヒクルの例には、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油)、及び注射用有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)が含まれ、保存剤、湿潤剤、乳化剤又は懸濁剤、安定剤、及び/又は分散剤などの配合剤を含有してもよい。代替的には、活性成分は、滅菌固体の無菌分離によるか、又は適切なビヒクル、例えば滅菌した、発熱物質を含まない水を用いて、使用前の構成用溶液から凍結乾燥することにより得られる粉末形態であってもよい。
【0073】
本発明の化合物は、軟膏、クリームもしくはローションとして、又は経皮パッチとして、表皮への局所投与用に配合しうる。軟膏及びクリームは、例えば、適切な増粘剤及び/又はゲル化剤が添加された水性又は油性の基剤と共に配合されうる。ローションは、水性又は油性の基剤と共に配合してもよく、一般に、1種以上の乳化剤、安定剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤、又は着色剤をも含有する。口内への局所投与に適した製剤には、風味付けした基剤、通常、ショ糖及びアカシア又はトラガカント中に活性薬剤を含むトローチ剤;ゼラチン及びグリセリン又はショ糖及びアカシアなどの不活性基剤中に活性成分を含むパステル剤;ならびに適切な液体担体中に活性成分を含む洗口液が含まれる。
【0074】
本発明の化合物はまた、坐剤としての投与用に配合しうる。脂肪酸グリセリドの混合物又はココアバターなどの低融点ロウを最初に溶融し、活性成分を、例えば攪拌により均質に分散させる。次に、溶融した均質な混合物を、好都合な大きさの鋳型に注入し、冷却し、凝固させる。
【0075】
本発明の化合物は、膣投与用に配合しうる。活性成分に加えて、そのような担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム又はスプレーが適切であることは、当該分野で既知である。
【0076】
対象化合物は、経鼻投与用に配合しうる。液剤又は懸濁剤を、従来の手段、例えば、滴瓶、ピペット又はスプレーを用いて、鼻腔に直接適用する。その配合物は、単一用量形態又は多用量形態で提供しうる。後者の滴瓶又はピペットの場合、これは、患者が、適切な所定の容量の液剤又は懸濁剤を投与することにより達成しうる。スプレーの場合、これは、例えば、計量噴霧スプレーポンプにより達成しうる。
【0077】
本発明の化合物は、鼻腔内投与を含む、特に気道へのエアロゾル投与用に配合しうる。化合物は、一般に、例えば、5ミクロン以下のオーダーの小さな粒径を有する。そのような粒径は、当該分野で既知の手段、例えば微粒子化により得られる。活性成分は、クロロフルオロカーボン(CFC)、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、もしくはジクロロテトラフルオロエタン、又は二酸化炭素、あるいは他の適切なガスなどの適切な噴射剤を含む加圧パック中で提供される。エアロゾルはまた、好都合には、レシチンなどの界面活性剤を含有しうる。薬物の用量は、計量弁により制御しうる。代替的には、活性成分は、乾燥粉末の形態、例えば、乳糖、デンプン、デンプン誘導体、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリビニルピロリジン(PVP)などの適切な粉末基剤中の化合物の粉末混合物の形態で提供しうる。粉末担体は、鼻腔内でゲルを形成する。粉末組成物は、例えばゼラチンのカプセル又はカートリッジ、あるいはブリスターパックなどの単位用量形態で存在してよく、これから粉末を吸入器により投与してもよい。
【0078】
所望であれば、配合物は、活性成分の徐放投与又は制御放出投与に適合するように、腸溶コーティングを用いて調製することができる。例えば本発明の化合物は、経皮又は皮下薬剤送達デバイスに配合することができる。これらの送達システムは、化合物の徐放が必要であり、かつ治療計画に対する患者の薬剤服用順守が重要である場合に有利である。経皮送達系における化合物はしばしば、皮膚接着性の固体支持体に結合される。対象となる化合物はまた、浸透促進剤、例えばアゾン(1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン)と組み合わせることができる。徐放送達系は、手術又は注入により皮下層に皮下的に挿入される。皮下インプラントは、化合物を、脂溶性膜、例えばシリコンゴム、又は、生分解性ポリマー、例えばポリ乳酸中に封入する。
【0079】
医薬製剤は、好ましくは、単位投薬形態である。そのような形態において、製剤は、適切な量の活性成分を含有する単位用量に再分割される。単位投薬形態は、パッケージ製剤であることができ、そのパッケージは、パケット錠剤、カプセル剤、及びバイアル又はアンプル中の粉末などの製剤の個々の分量を含有する。また、単位投薬形態は、カプセル剤、錠剤、カシェ剤、又はトローチ剤自体であることができるか、あるいはこれらのいずれかが適切な数のパッケージ形態であることができる。
【0080】
他の適切な医薬担体及びそれらの配合物は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 1995, edited by Martin, Mack Publishing Company, 19th edition, Easton, Pennsylvaniaに記載されている。本発明の化合物を含有する代表的な医薬配合物を、以下に記載する。
【0081】
本発明の更なる目的、利点、及び新規な特徴は、以下の本発明の実施例(限定することを意図しない)を検討することにより、当業者に明らかとなるであろう。
【実施例】
【0082】
実施例
下記の調製例及び実施例は、当業者が本発明をより明確に理解し、実施できるために示されている。これらは、本発明の範囲を制限すると考えられるべきではなく、本発明の例示及び代表例としてのみ考えられるべきである。
【0083】
AcOH:酢酸; BINAP:2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル; BOP:ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート; BuO:ジブチルエーテル; DCM:ジクロロメタン/塩化メチレン; DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン; DMF:N,N−ジメチルホルムアミド; EDCI:1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロクロリド; EtO:ジエチルエーテル; EtOH:エタノール/エチルアルコール; EtOAc:酢酸エチル; HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール; MeOH:メタノール/メチルアルコール; MW:マイクロ波; NMP:1−メチル−2−ピロリジノン; RT:室温; NaHCO:重炭酸ナトリウム; TEA:トリエチルアミン; THF:テトラヒドロフラン; TLC:薄層クロマトグラフィー
【0084】
調製例1: 1−(2−アミノ−4−クロロフェニル)−エタノンの合成
1−(2−アミノ−4−クロロフェニル)−エタノンの合成を、下記のスキーム1で示した方法に従って実施した。
【0085】
【化7】

【0086】
工程A: 1−(4−クロロ−2−ニトロ−フェニル)−エタノンの合成: THF(400mL)中の4−クロロ−2−ニトロ安息香酸(30.0g、0.15mol)の溶液に、塩化オキサリル(26mL、0.3mol)を0℃で加え、続いてDMF(2滴)を加えた。0℃で10分間撹拌した後、氷浴を取り外し、反応混合物を3時間加熱還流した。次に得られた混合物を冷却し、減圧下で蒸発させた。第2の1L丸底フラスコにマロン酸ジエチル(22.8mL、0.15mol)及びTHF(150mL)を装填した:次に水素化ナトリウム(鉱油中60%分散、7.2g、0.18mol)を30分間かけて少量ずつ0℃で加えた。次に氷浴を取り外し、混合物を3時間加熱還流した。2つに分けたTHFに溶解した塩化アシルを加え、得られた混合物を3時間加熱還流して、次に室温で一晩撹拌した。反応混合物を水とEtOAcに分配した;有機層を分離し、水層をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、減圧下で蒸発させた。氷AcOH(50mL)と硫酸(水中20%、50mL)の混合物を残渣に加え、得られた混合物を6時間加熱還流し、次に80℃で一晩撹拌した。反応混合物を、NaOH(水溶液)を加えることによりpH10に塩基性化し、次にEtOAcで3回抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、減圧下で蒸発させた。粗残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、1−(4−クロロ−2−ニトロ−フェニル)−エタノン7.1gを得た。
【0087】
調製例2: 4−(4−メチル−ピペラジン−1−スルホニル)−ベンズアルデヒドの合成
4−(4−メチル−ピペラジン−1−スルホニル)−ベンズアルデヒドの合成を、スキーム2で示した方法に従って実施した。
【0088】
【化8】

【0089】
DCM(10mL)中の4−ホルミルベンゼンスルホニルクロリド(1.0g)の溶液にNaHCO(飽和水溶液、10mL)を、続いて1−メチル−ピペラジン(0.6mL)を加えた。反応混合物を1時間激しく撹拌し、有機層を分離して、水層をDCM(2×20mL)で抽出した。合わせた有機抽出層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させ、更に精製しないで4−(4−メチル−ピペラジン−1−スルホニル)−ベンズアルデヒド(1.28g)を得た。
【0090】
同様に、適切な出発物質を使用して、下記の化合物を調製した:
N−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメチル)−4−ホルミル−ベンゼンスルホンアミド;
4−(モルホリン−4−スルホニル)−ベンズアルデヒド;
4−ホルミル−N−メチル−ベンゼンスルホンアミド;
4−ホルミル−N,N−ジメチルベンゼンスルホンアミド;
4−ホルミル−N−(2−ヒドロキシ−エチル)−N−メチル−ベンゼンスルホンアミド;及び
N−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エチル]−4−ホルミル−ベンゼンスルホンアミド(アミン合成に関してBioorg. & Med. Chem. (2005) 13(11): 3801-39を参照);及び
4−(4−ホルミル−ベンゼンスルホニル)−ピペラジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル。
【0091】
調製例3: 1−(4−クロロ−2−フェニルアミノ−フェニル)−エタノンの合成
1−(4−クロロ−2−フェニルアミノ−フェニル)−エタノンの合成を、スキーム3で示した方法に従って実施した。
【0092】
【化9】

【0093】
ジブチルエーテル(40mL)中の1−(2−アミノ−4−クロロフェニル)−エタノン(1.85g)、銅粉末(140mg)、KI(360mg)、KCO(3.06g)及びヨードベンゼン(4.8mL)の混合物を、160℃(油浴温度)で一晩加熱した。さらに銅粉末(140mg)、KI(360mg)、KCO(3.06g)及びヨードベンゼン(4.8mL)を加え、反応混合物を一晩加熱還流した。次に得られた混合物を冷却し、減圧下で濃縮した。残渣を水と酢酸エチルに分配し、有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、減圧下で蒸発させた。粗残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、1−(4−クロロ−2−フェニルアミノ−フェニル)−エタノン 2.2gを得た。
【0094】
上述の手順及び適切な出発物質に従って、下記の化合物を調製した:
1−(2−フェニルアミノ−フェニル)−エタノン;
1−(4−メトキシ−2−フェニルアミノ−フェニル)−エタノン;
1−(5−クロロ−2−フェニルアミノ−フェニル)−エタノン;
1−(5−メトキシ−2−フェニルアミノ−フェニル)−エタノン;
1−(2−フェニルアミノ−ピリジン−3−イル)−エタノン;MS=213[M+H];及び
1−(6−メチル−2−フェニルアミノ−ピリジン−3−イル)−エタノン。
【0095】
調製例4: 4−(2−ヒドロキシ−エチルスルファニル)−ベンズアルデヒドの合成
4−(2−ヒドロキシ−エチルスルファニル)−ベンズアルデヒドの合成を、スキーム4で示した方法に従って実施した。
【0096】
【化10】

【0097】
4−ヨードベンズアルデヒド(1.0g)と銅(0)粉末(2.34g)の混合物にDMF(10mL)を加え、得られた混合物をアルゴン下、140℃で3時間加熱した。2−ヒドロキシエチルジスルフィド(0.82mL)を加え、得られた混合物をアルゴン下、140℃で一晩撹拌した。反応混合物を冷却し、ガラス繊維濾紙を通して濾過した。濾液を高真空下で蒸発させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、4−(2−ヒドロキシ−エチルスルファニル)−ベンズアルデヒド(0.784g、定量的収率)を得た。
【0098】
調製例5: 3−アミノ−3,N,N−トリメチル−ブチルアミドの合成
3−アミノ−3,N,N−トリメチル−ブチルアミドの合成を、スキーム5で示した方法に従って実施した。
【0099】
【化11】

【0100】
工程A: 3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−メチル−酪酸の合成。3−アミノ−3−メチル酪酸(2.40g、20.49mmol)をNaOH(2M水溶液、35mL)に溶解し、得られた混合物を0℃に冷却して、クロロギ酸ベンジル(5.77mL、40.97mmol)を加えた。反応混合物を0℃で1時間、かつ室温で3時間激しく撹拌した。次にEtO(50mL)を加え、層を分離した。有機層を廃棄した。水層をpH2に酸性化させ、ブラインを加えて、得られた混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させ、更に精製しないで3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−メチル−酪酸(2.33g、収率46%)を得た。
【0101】
工程B: (2−ジメチルカルバモイル−1,1−ジメチルエチル)−カルバミン酸ベンジルエステルの合成。HOBt(1.242g、9.193mmol)及びEDCI(2.35g、12.26mmol)を、DCM(45mL)中の3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−メチル−酪酸(1.54g、6.129mmol)の溶液に0℃で加えた。得られた混合物を0℃で30分間撹拌し、MeNH(THF中2M、12.26mL、24.51mmol)の溶液を加えた。反応混合物を室温に温め、一晩撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をEtOAcと水、ブライン及びNaHCO(飽和水溶液)の混合物に分配した。有機層を分離し、HCl(1M)で洗浄し、無水MgSOで乾燥させ、濾過して、減圧下で蒸発させた。粗残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、(2−ジメチルカルバモイル−1,1−ジメチル−エチル)−カルバミン酸ベンジルエステル(1.14g、収率67%)を得た。
【0102】
工程C: 3−アミノ−3,N,N−トリメチル−ブチルアミドの合成。(2−ジメチルカルバモイル−1,1−ジメチルエチル)−カルバミン酸ベンジルエステル(1.14g)とPd/C(10%、114mg)の混合物を、H(バルーン圧)下、室温で18時間撹拌した。反応混合物をCELITE(商標)パッドを通して濾過し、濾液を減圧下で蒸発させて、3−アミノ−3,N,N−トリメチル−ブチルアミド(366mg、収率62%)を得た。
【0103】
調製例6: 1−[2−((1R,2R)−2−ヒドロキシ−シクロペンチルアミノ)−6−メチル−ピリジン−3−イル]−エタノンの合成
1−[2−((1R,2R)−2−ヒドロキシ−シクロペンチルアミノ)−6−メチル−ピリジン−3−イル]−エタノンの合成を、スキーム6で示した方法に従って実施した。
【0104】
【化12】

【0105】
工程A: 2−クロロ−N−メトキシ−6,N−ジメチル−ニコチンアミドの合成。DCM(100mL)中の2−クロロ−6−メチル−ニコチン酸(2g、12mmol)、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(1.14g、12mmol)、EDCI(2.68g、14mmol)、HOBt(81mg、16mmol)及びDIPEA(1mL)の混合物を、室温で一晩撹拌した。次に反応混合物を水とDCMに分配し、有機層を分離し、無水NaSOで乾燥させ、濾過して、減圧下で蒸発させた。粗残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、25分で0〜25%の勾配)により精製して、2−クロロ−N−メトキシ−6,N−ジメチル−ニコチンアミド2.4gを白色の固体として得た。
【0106】
工程B: 1−(2−クロロ−6−メチル−ピリジン−3−イル)−エタノンの合成。メチルマグネシウムクロリド(THF中3M、10mL)の溶液を、THF(100mL)中の2−クロロ−N−メトキシ−6,N−ジメチル−ニコチンアミド(2.4g)の溶液に0℃でゆっくり加えた。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、次に水でクエンチした。得られた混合物をEtOAcで抽出し、合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過して、減圧下で蒸発させた。粗残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、25分で0〜25%の勾配)により精製して、1−(2−クロロ−6−メチルピリジン−3−イル)−エタノン(0.85g)を褐色の油状物として得た。
【0107】
工程C: 1−[2−((1R,2R)−2−ヒドロキシ−シクロペンチルアミノ)−6−メチル−ピリジン−3−イル]−エタノンの合成。(1R,2R)−2−アミノ−シクロペンタノールHCl塩(1.0g)をKCO(飽和水溶液)で処理し、混合物をEtOAcで3回抽出した。合わせた有機抽出層を無水NaSOで乾燥させ、濾過して、減圧下で蒸発させた。生成物を1−(2−クロロ−6−メチル−ピリジン−3−イル)−エタノン(0.4g)及び1−メチル−2−ピロリジノン(1mL)と合わせ、混合物をマイクロ波反応器中で180℃に2時間加熱した。次に反応混合物を水とEtOAcに分配し、有機層を分離し、水で3回洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過して、減圧下で蒸発させた。粗残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン、20分で0〜25%の勾配)により精製して、1−[2−((1R,2R)−2−ヒドロキシ−シクロペンチルアミノ)−6−メチルピリジン−3−イル]−エタノン(507mg、収率92%)を得た。MS=235[M+H]
【0108】
上述の手順及び適切な出発物質を使用して、下記の化合物を調製した:
1−[2−(3−ヒドロキシ−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−ピリジン−3−イル]−エタノン;
1−(2−シクロペンチルアミノ−6−メチル−ピリジン−3−イル)−エタノン;
1−[6−メチル−2−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルアミノ)−ピリジン−3−イル]−エタノン;
1−[2−((1R,3R)−3−ヒドロキシ−シクロペンチルアミノ)−6−メチル−ピリジン−3−イル]−エタノン(AFID Therapeutics製の市販の(1R,3R)−3−アミノ−シクロペンタノールを使用);
1−(2−イソプロピルアミノ−6−メチル−ピリジン−3−イル)−エタノン;
1−[2−(1,1−ジオキソ−テトラヒドロ−1λ−チオフェン−3−イルアミノ)−6−メチル−ピリジン−3−イル]−エタノン;
1−(2−シクロプロピルアミノ−6−メチル−ピリジン−3−イル)−エタノン;
1−[2−(2−メトキシ−1−メチルエチルアミノ)−6−メチルピリジン−3−イル]−エタノン;
1−(2−メチルアミノフェニル)−エタノン;
1−(2−シクロブチルアミノ−6−メチル−ピリジン−3−イル)−エタノン;
1−[2−((1R,3S)−3−ヒドロキシ−シクロペンチルアミノ)−6−メチル−ピリジン−3−イル]−エタノン;
1−[2−((1S,3S)−3−ヒドロキシ−シクロペンチルアミノ)−6−メチル−ピリジン−3−イル]−エタノン;及び
1−[2−((1R,3R)−3−ヒドロキシメチル−シクロペンチルアミノ)−6−メチル−ピリジン−3−イル]−エタノン。
【0109】
調製例7: 4−ホルミル−ベンゼンスルホンアミドの合成
4−ホルミル−ベンゼンスルホンアミドの合成を、スキーム7で示した方法に従って実施した。
【0110】
【化13】

【0111】
アンモニア(1,4−ジオキサン中0.5M、5mL)の溶液を4−ホルミルベンゼンスルホニルクロリド(0.5g)に、続いてDCM(10mL)に加えた。反応混合物を室温で3時間激しく撹拌し、次に減圧下で濃縮した。粗残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、4−ホルミル−ベンゼンスルホンアミドを得た。MS=183.9[M−H]
【0112】
実施例1: 7−クロロ−3−[4−(4−メチルピペラジン−1−スルホニル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステルの合成
7−クロロ−3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−スルホニル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物30)の合成を、スキーム8で示した方法に従って実施した:
【0113】
【化14】

【0114】
工程A: MeOH(50mL)中の4−(4−メチルピペラジン−1−スルホニル)ベンズアルデヒド(1.23g)及び1−(4−クロロ−2−ニトロフェニル)エタノン(0.938g)の溶液にNaOH(2M水溶液、4.3mL)を加え、得られた混合物を15分間撹拌した。溶液から粉砕された明褐色の固体を、濾過により回収し、水で洗浄した。固体物質をMeOHに取り、混合物を減圧下で蒸発させて共沸的に残留水を除去した。固体残渣を減圧下で乾燥させて、(E)−1−(4−クロロ−2−ニトロ−フェニル)−3−[4−(4−メチルピペラジン−1−スルホニル)フェニル]プロペノン(1.20g)を更に精製しないで得た。
【0115】
工程B: EtOHとTHF(10/1、110mL)の混合物中の(E)−1−(4−クロロ−2−ニトロフェニル)−3−[4−(4−メチルピペラジン−1−スルホニル)−フェニル]−プロペノン(1.167g)と酸化白金(IV)(50mg)の混合物を、H(バルーン圧)下で一晩撹拌した。次に反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で蒸発させて、1−(2−アミノ−4−クロロフェニル)−3−[4−(4−メチルピペラジン−1−スルホニル)−フェニル]−プロパン−1−オン(1.28g)を黄色の固体として得た。
【0116】
工程C: ジブチルエーテル(25mL)中の1−(2−アミノ−4−クロロフェニル)−3−[4−(4−メチルピペラジン−1−スルホニル)−フェニル]−プロパン−1−オン(1.268g)、銅粉末(38mg)、KI(99mg)、KCO(829mg)及びヨードベンゼン(1.35mL)の混合物を、160℃(油浴温度)に一晩加熱した。さらなる銅粉末(38mg)、KI(99mg)、KCO(829mg)及びヨードベンゼン(1.35mL)を加え、得られた混合物を160℃で一晩再び撹拌した。次に反応混合物を冷却し、減圧下で濃縮した。残渣を水とEtOAcに分配し、有機層を分離し、水層をEtOAc(50mL)で2回抽出した。合わせた有機抽出層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過して、減圧下で蒸発させた。粗残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH、100/0 5分、98/2 8〜20分)により精製して、1−(4−クロロ−2−フェニルアミノフェニル)−3−[4−(4−メチルピペラジン−1−スルホニル)−フェニル]−プロパン−1−オン(1.02g;収率68%)を得た。MS=498.0[M+H]
【0117】
工程D: 塩化メチルオキサリル(1.6mL)を、トルエン(40mL)中の1−(4−クロロ−2−フェニルアミノ−フェニル)−3−[4−(4−メチルピペラジン−1−スルホニル)−フェニル]−プロパン−1−オン(0.563g、1.1mmol)の溶液に加えた。反応混合物を一晩加熱還流し、次に減圧下で蒸発させ、更に精製しないでN−(5−クロロ−2−{3−[4−(4−メチルピペラジン−1−スルホニル)−フェニル]−プロピオニル}−フェニル)−N−フェニル−オキサミン酸メチルエステルを得た。
【0118】
工程E: MeOH(60mL)中のN−(5−クロロ−2−{3−[4−(4−メチルピペラジン−1−スルホニル)−フェニル]−プロピオニル}−フェニル)−N−フェニル−オキサミン酸メチルエステル(1.1mmol)とKCO(282mg)の混合物を、1時間加熱還流した。次に反応混合物を冷却し、減圧下で蒸発させた。残渣を水とEtOAcに分配し、有機層を分離し、水層をEtOAc(2×25mL)で抽出した。合わせた有機抽出層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、橙褐色の油状物を得た。粗残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により2回精製して、7−クロロ−3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−スルホニル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステルを明褐色の固体として得た。MS=566[M+H];融点=223.3〜226.6℃。
【0119】
上述の手順を使用し、適切な出発物質を置換して、下記の化合物を調製した:
7−クロロ−3−[4−(モルホリン−4−スルホニル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(オフホワイト色の粉末)、MS=553.0[M+H];融点=237.9〜238.8℃(化合物31);及び
7−クロロ−3−(4−ジメチルスルファモイル−ベンジル)−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(明褐色の粉末)(化合物32)、MS=511.0[M+H];融点=218.1〜219.5℃。
【0120】
実施例2: 7−クロロ−3−[4−(2,3−ジヒドロキシ−プロピルスルファモイル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステルの合成
7−クロロ−3−[4−(2,3−ジヒドロキシ−プロピルスルファモイル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物46)の合成を、スキーム9で示した方法に従って実施した。
【0121】
【化15】

【0122】
工程A: NaOH(2M水溶液、0.91mL、1.8mmol)を、MeOH(10mL)中のN−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメチル)−4−ホルミル−ベンゼンスルホンアミド(305mg、1mmol)及び1−(4−クロロ−2−フェニルアミノ−フェニル)−エタノン(250mg、1mmol)の溶液に加え、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。NaOH(2M水溶液、0.1mL)の第2のアリコートを加え、反応混合物を室温で一晩再び撹拌した。得られた混合物を減圧下で蒸発させ、粗残渣を水とEtOAcに分配した。有機層を分離し、水層をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機抽出層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、油状物を得た。粗残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により2回精製して、4−[(E)−3−(4−クロロ−2−フェニルアミノ−フェニル)−3−オキソ−プロペニル]−N−(2,2−ジメチル[1,3]ジオキソラン−4−イルメチル)−ベンゼンスルホンアミド(70mg)を得た。
【0123】
工程B: 酸化白金(IV)(50mg)を、EtOHとEtOAc(1:1、50mL)の混合物中の4−[(E)−3−(4−クロロ−2−フェニルアミノフェニル)−3−オキソプロペニル]−N−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメチル)−ベンゼンスルホンアミド(66mg)に加え、得られた混合物をH(バルーン圧)下で1.5時間撹拌した。次に反応混合物を、ブフナー漏斗でガラス繊維濾紙を通して濾過した。濾液を減圧下で蒸発させて、非保護ジオール:4−[3−(4−クロロ−2−フェニルアミノフェニル)−3−オキソプロピル]−N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−ベンゼンスルホンアミド、及び保護化合物− 4−[3−(4−クロロ−2−フェニルアミノフェニル)−3−オキソプロピル]−N−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメチル)−ベンゼンスルホンアミドの2:1混合物(NMRによる)52mgを得た。
【0124】
工程C: 塩化メチルオキサリル(80μL)を、トルエン(5mL)中の4−[3−(4−クロロ−2−フェニルアミノフェニル)−3−オキソプロピル]−N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−ベンゼンスルホンアミド及び4−[3−(4−クロロ−2−フェニルアミノ−フェニル)−3−オキソ−プロピル]−N−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメチル)−ベンゼンスルホンアミド(25mg)の2:1混合物に加え、得られた混合物を120℃に1.5時間加熱した。反応混合物を減圧下で蒸発させて、N−(5−クロロ−2−{3−[4−(2,3−ジヒドロキシ−プロピルスルファモイル)−フェニル]−プロピオニル}−フェニル)−N−フェニル−オキサミン酸メチルエステル及び保護化合物、N−(5−クロロ−2−{3−[4−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメチルスルファモイル)−フェニル]−プロピオニル}−フェニル)−N−フェニル−オキサミン酸メチルエステルを得、それを更に精製しないで使用した。
【0125】
工程D: KCO(12mg)を、MeOH(5mL)中のN−(5−クロロ−2−{3−[4−(2,3−ジヒドロキシプロピルスルファモイル)−フェニル]−プロピオニル}−フェニル)−N−フェニル−オキサミン酸メチルエステルとN−(5−クロロ−2−{3−[4−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イルメチルスルファモイル)−フェニル]−プロピオニル}−フェニル)−N−フェニル−オキサミン酸メチルエステル(0.05mmol)の混合物に加え、得られた混合物を80℃で1.5時間撹拌した。次に反応混合物を冷却し、減圧下で蒸発させた。残渣を水とEtOAcに分配し、有機層を分離し、水層をEtOAc(2×25mL)で抽出した。合わせた有機抽出層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過して、減圧下で蒸発させた。粗残渣を分取TLC(DCM/MeOH、9:1)、次に(DCM/MeOH、95:5)により2回精製して、7−クロロ−3−[4−(2,3−ジヒドロキシ−プロピルスルファモイル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステルを明褐色の粉末として得た。MS=556.8[M+H]及び554.9[M−H]
【0126】
上記で示した手順を使用し、適切な出発物質を置換して、下記の化合物を調製した:
7−クロロ−3−[4−(2−ヒドロキシエチルスルファニル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(明黄色の粉末);MS=479.8[M+H];融点=204.0〜205.0℃(化合物55);
7−クロロ−3−(4−メチルスルファモイル−ベンジル)−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(明黄色の粉末);MS=497[M+H](化合物44);
7−クロロ−3−(4−メトキシカルボニル−ベンジル)−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(オフホワイト色の固体);MS=462[M+H];融点=194.7〜195.2℃(化合物10);
7−クロロ−3−(3−メトキシカルボニル−ベンジル)−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(白色の粉末);MS=462[M+H];融点=183〜185℃(化合物23);
7−クロロ−3−(4−メトキシ−ベンジル)−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(オフホワイト色の粉末);MS=434[M+H];融点=198〜200℃(化合物19);
3−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(明黄色の粉末);MS=414[M+H](化合物2);
3−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(オフホワイト色の粉末);MS=448[M+H](化合物4);
7−クロロ−3−(3,4−ジメトキシ−ベンジル)−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(明褐色の固体);MS=464[M+H];融点=153.0〜154.5℃(化合物21);
7−クロロ−3−(3−メトキシ−ベンジル)−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(白色の粉末);MS=434[M+H];融点=178.5〜180.9℃(化合物20);
7−クロロ−3−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(白色の固体);MS=482[M+H];融点=215.5〜219.0℃(化合物9);
3−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル−7−メトキシ−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(オフホワイト色の粉末);MS=444[M+H];融点=171.0〜172.1℃(化合物6);
3−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル−6−クロロ−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(オフホワイト色の粉末);MS=448[M+H];融点=172.2〜177.7℃(化合物7);
3−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル−6−メトキシ−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(褐色の固体);MS=444[M+H];融点=171.9〜173.5℃(化合物5);
1−((1R,2R)−2−ヒドロキシ−シクロペンチル)−3−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−7−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(黄色の固体);MS=471[M+H];融点=200.2〜204.6℃(化合物48);
3−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(オフホワイト色の固体);MS=449[M+H];融点=235〜237℃(化合物11);
3−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(黄色の固体);MS=463[M+H];融点=202〜204℃(化合物35);
1−(3−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−3−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−7−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(褐色の固体);MS=485[M+H];融点=196.6〜198℃(化合物51);
1−シクロペンチル−3−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−7−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(オフホワイト色の泡状物);MS=455[M+H];融点=75.0〜77.2℃(化合物28);
3−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−7−メチル−4−オキソ−1−(テトラヒドロピラン−4−イル)−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(黄色の泡状物);MS=471[M+H];融点=207.2〜209.2℃(化合物50);
1−((1R,3R)−3−ヒドロキシ−シクロペンチル)−3−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−7−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(黄色の固体);MS=471[M+H];融点=195.1〜197.8℃(化合物54);
1−イソプロピル−3−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−7−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(明黄色の固体); MS=429[M+H];融点=73.0〜75.5℃(化合物34);
1−(1,1−ジオキソ−テトラヒドロチオフェン−3−イル)−3−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−7−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(明黄色の泡状物);MS=505[M+H];融点=121.1〜123.3℃(化合物36);
1−シクロプロピル−3−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−7−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(明褐色の泡状物);MS=427[M+H];融点=73.9〜78.8℃(化合物33);
3−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−1−(1−メトキシ−プロパ−2−イル)−7−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(黄色の固体);MS=459[M+H];融点=125.2〜126.6℃(化合物53);
3−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル−1−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(白色の粉末);MS=352[M+H](化合物3);
3−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−1−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸エチルエステル(黄色の粉末);MS=400[M+H](化合物1);
3−(4−アセチルアミノベンジル)−7−クロロ−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(白色の粉末);MS=461[M+H];融点=157〜159℃(化合物22);
ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル−7−クロロ−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(オフホワイト色の粉末);MS=448[M+H];融点=228.8〜230.1℃(化合物8);
7−クロロ−3−{4−[(2−ヒドロキシエチル)−メチル−スルファモイル]−ベンジル}−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(オフホワイト色の粉末);MS=541[M+H];融点=95.2〜100.2℃;M+H 541(化合物59);
3−{4−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エチルスルファモイル]−ベンジル}−7−クロロ−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル;MS=641[M+H](化合物60);
7−クロロ−3−[4−(メトキシオキサリル−スルファモイル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(黄色の粉末);MS=569[M+H];融点=151.0〜154.0℃(化合物64);
3−[4−(4−tert−ブトキシカルボニル−ピペラジン−1−スルホニル)−ベンジル]−7−クロロ−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(オフホワイト色の粉末);MS=652[M+H](化合物63);
1−((1R,3S)−3−ヒドロキシ−シクロペンチル)−3−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−7−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(オフホワイト色の泡状物);MS=471[M+H];融点=183.3〜187.5℃(化合物62);
1−シクロブチル−3−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−7−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(明黄色の泡状物);MS=441[M+H];融点=90.9〜93.3℃(化合物58);
1−((1S,3S)−3−ヒドロキシ−シクロペンチル)−3−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−7−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(明黄色の泡状物);MS=471[M+H];融点=118.3〜119.7℃(化合物71);
1−((1R,3R)−3−ヒドロキシメチル−シクロペンチル)−3−(4−メタンスルホニル−ベンジル)−7−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(明褐色の固体);MS=485[M+H];融点=161.8〜164.7℃(化合物57);
1−(3−ヒドロキシシクロペンチル)−3−(r−メタンスルホニルベンジル)−7−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物61);
3−[4−(2−ヒドロキシ−エチルカルバモイル)−ベンジル]−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(オフホワイト色の泡状物);MS=472[M+H];融点=191.7〜192.8℃(化合物68);
3−(4−メトキシカルボニル−ベンジル)−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物73);
1−(4−フルオロフェニル)−3−(4−メタンスルホニルベンジル)−7−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物74);
3−(4−メトキシカルボニル−ベンジル)−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸(化合物75);
3−[4−(4−ヒドロキシシクロヘキシルカルバモイル)ベンジル]−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物76);
1−(3,4−ジフルオロフェニル)−3−(4−メタンスルホニルベンジル)−7−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物77);
3−(4−アセチルベンジル)−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフトリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物79);
7−クロロ−3−[4−(4−メチルピペラジン−1−スルホニル)ベンジル]−1−フェニル−2−プロピオニル−1H−キノリン−4−オン(化合物80)融点=>300℃;M+H 564;
1−(3−フルオロフェニル)−3−(4−メタンスルホニルベンジル)−7−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物81);
7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−3−ピリミジン−5−イルメチル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物82);
3−ベンジル−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物91);
3−[4−(2−ヒドロキシエタンスルホニル)ベンジル]−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物93);及び
3−[4−(4−t−ブトキシカルボニルピペラジン−1−スルホニル)ベンジル]−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物96)。
【0127】
実施例3: 7−クロロ−3−[4−(2−ヒドロキシエタンスルホニル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステルの合成
7−クロロ−3−[4−(2−ヒドロキシエタンスルホニル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物56)の合成を、スキーム10で示した方法に従って実施した。
【0128】
【化16】

【0129】
THFとMeOH(1:5、12mL)の混合物中の7−クロロ−3−[4−(2−ヒドロキシ−エチルスルファニル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(100mg)に、水(3mL)中のOXONE(商標)(294mg)の溶液を0℃で加えた。反応混合物を1.5時間撹拌し、NaHCO(飽和水溶液、20mL)を加えた。得られた混合物をEtOAc(3×25mL)で抽出した。合わせた有機抽出層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、黄褐色の油状物を得た。粗残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、7−クロロ−3−[4−(2−ヒドロキシエタンスルホニル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ−キノリン−2−カルボン酸メチルエステル(23.6mg)をオフホワイト色の粉末として得た。MS=512[M+H];融点=172.2〜173.5℃。
【0130】
実施例4: 3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−スルホニル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステルの合成
3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−スルホニル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物29)の合成を、スキーム11で示した方法に従って実施した。
【0131】
【化17】

【0132】
工程A: EtOHとTHF(10:1、250mL)の混合物中の(E)−1−(4−クロロ−2−ニトロ−フェニル)−3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−スルホニル)−フェニル]−プロペノン(1.13g)とパラジウム(0)担持炭(10%、100mg)の混合物を、H(バルーン圧)下で一晩撹拌した。次にガラス繊維濾紙を通して反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で蒸発させて、1−(2−アミノ−フェニル)−3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−スルホニル)−フェニル]−プロパン−1−オン(1.18g)を白色の固体として得た。
【0133】
工程B: ジブチルエーテル(25mL)中の1−(2−アミノフェニル)−3−[4−(4−メチルピペラジン−1−スルホニル)−フェニル]−プロパン−1−オン(1.16g)、銅粉末(90mg)、KI(19.7mg)、KCO(495mg)及びヨードベンゼン(1.3mL)の混合物を、160℃(油浴温度)で一晩加熱した。KI(19.7mg)の第2のアリコート、KCO(495mg)及びヨードベンゼン(1.30mL)を加え、得られた混合物を160℃で一晩再び加熱した。次に反応混合物を冷却し、減圧下で濃縮した。残渣を水(50mL)とEtOAc(50mL)に分配し、有機層を分離し、水層をEtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過して、減圧下で蒸発させた。粗残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH、98:2で5分間、95:5で10〜15分間)により精製して、3−[4−(4−メチルピペラジン−1−スルホニル)−フェニル]−1−(2−フェニルアミノフェニル)−プロパン−1−オン(258mg)を得た。MS=464.0[M+H]
【0134】
工程C: 塩化メチルオキサリル(0.8mL)を、トルエン(20mL)中の3−[4−(4−メチルピペラジン−1−スルホニル)−フェニル]−1−(2−フェニルアミノフェニル)−プロパン−1−オン(0.237g、0.5mmol)の溶液に加えた。反応混合物を一晩加熱還流し、次に減圧下で蒸発させて、N−(2−{3−[4−(4−メチルピペラジン−1−スルホニル)−フェニル]−プロピオニル}−フェニル)−N−フェニル−オキサミン酸メチルエステルを得、それを更に精製しないで使用した。MS=550.0[M+H]
【0135】
工程D: MeOH(30mL)中のN−(2−{3−[4−(4−メチルピペラジン−1−スルホニル)−フェニル]−プロピオニル}−フェニル)−N−フェニル−オキサミン酸メチルエステル(約0.5mmol)とKCO(128mg)の混合物を、1時間加熱還流した。次に反応混合物を冷却し、減圧下で蒸発させた。残渣を水(25mL)とEtOAc(25mL)に分配し、有機層を分離し、水層をEtOAc(2×25mL)で抽出した。合わせた有機抽出層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮した。粗残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により2回、そして分取TLC(DCM/MeOH、95:5)により1回精製して、3−[4−(4−メチルピペラジン−1−スルホニル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステルを明褐色の固体として得た。MS=532.0[M+H]。融点=210.0〜212.0℃。
【0136】
実施例5: 3−(4−カルボキシ−ベンジル)−7−クロロ−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステルの合成
3−(4−カルボキシ−ベンジル)−7−クロロ−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物12)の合成を、スキーム12で示したように実施した。
【0137】
【化18】

【0138】
MeOH(10mL)中の7−クロロ−3−(4−メトキシカルボニル−ベンジル)−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物10、31mg)とLiOH(1M水溶液、1mL)の混合物を、室温で一晩撹拌した。次に反応混合物を50℃で3時間撹拌し、次にEtOAcで抽出した。有機層を分離し、AcOH(水溶液)を加えることにより水層を酸性化し、得られた混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出層をNaSOで乾燥させ、濾過して、減圧下で蒸発させた。粗残渣を、分取TLC(ヘキサン/アセトン、70:30+1% AcOH)により精製して、3−(4−カルボキシベンジル)−7−クロロ−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル11mgをオフホワイト色の固体として得た。MS=447;融点=258.0〜261.0℃。
【0139】
実施例6: 7−クロロ−3−[4−(2−ジメチルカルバモイル−1,1−ジメチルエチルカルバモイル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステルの合成
7−クロロ−3−[4−(2−ジメチルカルバモイル−1,1−ジメチルエチルカルバモイル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物38)の合成を、スキーム13で示した方法に従って実施した。
【0140】
【化19】

【0141】
THF(15mL)中の3−(4−カルボキシ−ベンジル)−7−クロロ−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(75mg、0.17mmol)、3−アミノ−3,N,N−トリメチル−ブチルアミド(24mg、0.17mmol)、BOP(150mg、0.34mmol)及びDIPEA(1mL)の混合物を、室温で一晩撹拌した。反応混合物を水とEtOAcに分配し、有機層を分離し、水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過して、減圧下で蒸発させた。粗残渣を、分取TLC(EtOAc/ヘキサン、75:25)により精製して、7−クロロ−3−[4−(2−ジメチルカルバモイル−1,1−ジメチル−エチルカルバモイル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ−キノリン−2−カルボン酸メチルエステル(71mg)を明褐色の泡状物として得た。MS=574[M+H];融点=84.1〜95.5℃。
【0142】
上述の手順及び適切な出発物質を使用して、下記の化合物を調製した:
7−クロロ−4−オキソ−1−フェニル−3−{4−[((S)−1−ピロリジン−2−イルメチル)−カルバモイル]−ベンジル}−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(明褐色の泡状物)、MS=530[M+H];融点=124〜138℃(化合物39);
3−[4−(2−アミノ−2−メチル−プロピルカルバモイル)−ベンジル]−7−クロロ−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(明褐色の固体)、MS=518[M+H];融点=210.6〜212.7℃(化合物52);
7−クロロ−4−オキソ−1−フェニル−3−[4−(ピロリジン−3−イルカルバモイル)−ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(明黄色の泡状物)、MS=516[M+H];融点=98.0〜105.0℃(化合物43);
7−クロロ−4−オキソ−1−フェニル−3−[4−(ピペリジン−4−イルカルバモイル)−ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(褐色の固体)、MS=530[M+H];融点=221.5〜234.3℃(化合物47);
7−クロロ−3−[4−(2−ジメチルアミノエチルカルバモイル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ−キノリン−2−カルボン酸メチルエステル(明黄色、泡状物)、MS=518[M+H];融点=218.0〜223.0℃(化合物41);及び
7−クロロ−4−オキソ−1−フェニル−3−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エチルカルバモイル)−ベンジル]−1,4−ジヒドロ−キノリン−2−カルボン酸メチルエステル(明黄色、泡状物)、MS=544[M+H];融点=186.0〜196.0℃(化合物42)。
【0143】
実施例7: 7−クロロ−3−[4−(2−ヒドロキシエチルカルバモイル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物18)の合成
7−クロロ−3−[4−(2−ヒドロキシエチルカルバモイル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物18)の合成を、スキーム14で示した方法に従って実施した。
【0144】
【化20】

【0145】
DCM(10mL)及びDMF(0.4mL)中の3−(4−カルボキシベンジル)−7−クロロ−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(167mg、0.37mmol)、2−アミノエタノール(34mg、0.56mmol)、HOBt(50mg)、EDCI(142mg、0.74mmol)及びDIPEA(0.5mL)の混合物を、室温で2時間撹拌した。次に反応混合物を水とEtOAcに分配した。有機層を分離し、水で2回洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過して、減圧下で蒸発させた。粗残渣を、フラッシュクロマトグラフィーにより2回精製して、7−クロロ−3−[4−(2−ヒドロキシエチルカルバモイル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(99mg)をオフホワイト色の粉末として得た。MS=491[M+H];融点=162〜163.5℃。
【0146】
同様に、適切な出発物質を使用して、下記の化合物を調製した:
7−クロロ−3−[4−(1,3−ジヒドロキシ−プロパ−2−イルカルバモイル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(明褐色の固体)、MS=521[M+H];融点=110〜112℃(化合物24);
7−クロロ−3−[4−(2−モルホリン−4−イル−エチルカルバモイル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(明褐色の固体)、MS=560[M+H];融点=102〜106℃(化合物26);
7−クロロ−3−[4−(2,3−ジヒドロキシ−プロピルカルバモイル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(明黄色の粉末)、MS=521[M+H];融点=98.0〜103.9℃(化合物25);
7−クロロ−3−(4−N,N−ジメチルカルバモイル−ベンジル)−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(明黄色の粉末)、MS=475[M+H];融点=227.3〜228.1℃(化合物16);
7−クロロ−4−オキソ−1−フェニル−3−[4−(ピペラジン−1−カルボニル)−ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル塩酸塩(化合物17)(黄色の粉末)(EtO中HClの溶液をEtOAc中の7−クロロ−4−オキソ−1−フェニル−3−[4−(ピペラジン−1−カルボニル)−ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステルの溶液に加えることにより、塩が生じた)、MS=516[M+H];融点=161〜164℃;
7−クロロ−3−[4−(2−ヒドロキシ−エチルカルバモイル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ−キノリン−2−カルボン酸(化合物49);
3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルカルバモイル)−ベンジル]−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物78);及び
3−[4−(2−アセトキシエチルカルバモイル)ベンジル]−7−クロロ−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物95)。
【0147】
実施例8: 7−クロロ−3−[4−(4−ヒドロキシシクロヘキシルカルバモイル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステルの合成
7−クロロ−3−[4−(4−ヒドロキシシクロヘキシルカルバモイル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物37)の合成を、スキーム15で示した方法に従って実施した。
【0148】
【化21】

【0149】
工程A: MeOH(30mL)中の1−(4−クロロ−2−フェニルアミノフェニル)−エタノン(1.7g、6.9mmol)、4−ホルミル−安息香酸メチルエステル(1.14g、6.9mmol)及びNaOH(2M水溶液、2mL)の混合物を、室温で一晩撹拌した。形成された沈殿物を濾過により回収し、真空オーブンで乾燥させて、4−[(E)−3−(4−クロロ−2−フェニルアミノ−フェニル)−3−オキソ−プロペニル]−安息香酸メチルエステル0.7gを橙色の固体として得た。母液を、氷HOAc(99%)を加えることによりpH5に酸性化し、得られた混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、4−[(E)−3−(4−クロロ−2−フェニルアミノ−フェニル)−3−オキソ−プロペニル]−安息香酸(350mg)を得た。
【0150】
工程B: THF(50mL)中の4−[(E)−3−(4−クロロ−2−フェニルアミノ−フェニル)−3−オキソ−プロペニル]−安息香酸(0.2g、0.53mmol)、4−アミノ−シクロヘキサノール(61mg、0.53mmol)、EDCI(152mg、0.8mmol)、HOBt(25mg)、DIPEA(1mL)の混合物を、室温で一晩撹拌した。得られた混合物を減圧下で蒸発させ、残渣を水とEtOAcに分配した。得られた沈殿物を濾過により回収し、真空オーブンで乾燥させ、濾液を分離し、有機層をNaSOで乾燥させ、濾過して、減圧下で蒸発させた。残渣を分取TLC(EtOAc/ヘキサン、75:25)により精製し、回収した固体と合わせて、4−[(E)−3−(4−クロロ−2−フェニルアミノ−フェニル)−3−オキソ−プロペニル]−N−(4−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−ベンズアミド(197mg)を得た。MS=475[M+H]
【0151】
工程C: EtOH、THF及びアセトン(100/50/100mL)の混合物中の4−[(E)−3−(4−クロロ−2−フェニルアミノ−フェニル)−3−オキソ−プロペニル]−N−(4−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−ベンズアミド(197mg)と酸化白金(V)(50mg)の混合物を、H(バルーン圧)下、室温で1時間撹拌した。得られた混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、4−[3−(4−クロロ−2−フェニルアミノ−フェニル)−3−オキソ−プロピル]−N−(4−ヒドロキシ−シクロヘキシル)−ベンズアミド(190mg)を得た。
【0152】
工程D: トルエン(40mL)中の4−[3−(4−クロロ−2−フェニルアミノ−フェニル)−3−オキソ−プロピル]−N−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−ベンズアミド(190mg)と塩化メチルオキサリル(0.4mL)の混合物を一晩加熱還流し、次に減圧下で濃縮した。残渣をMeOH(30mL)に溶解し、KCO(100mg)を加えて、得られた混合物を10分間加熱還流した。次に反応混合物を冷却し、濾過して、濾液を減圧下で蒸発させた。粗残渣を分取TLC(EtOAc)により精製して、7−クロロ−3−[4−(4−ヒドロキシ−シクロヘキシルカルバモイル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物37)(63mg)をオフホワイト色の固体として得た。MS=545[M+H];融点=150.6〜152.5℃。
【0153】
上述の手順及び適切な出発物質を使用して、下記の化合物を調製した:
7−クロロ−4−オキソ−1−フェニル−3−[4−(テトラヒドロピラン−4−イルカルバモイル)−ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(黄色の固体);MS=531[M+H];融点=209〜213℃(化合物45);
7−クロロ−3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルカルバモイル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(明褐色の固体);MS=519[M+H];融点=282〜286℃(化合物40);
7−クロロ−3−(4−エチルカルバモイル−ベンジル)−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(明褐色の固体);MS=475[M+H];融点=209.0〜212.0℃(化合物15);
7−クロロ−3−(4−メチルカルバモイル−ベンジル)−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(明褐色の固体);MS=461[M+H];融点=203.3〜205.5℃(化合物14);
7−クロロ−3−[3−(2−ヒドロキシエチルカルバモイル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(明褐色の固体);MS=491[M+H];融点=216〜218℃(化合物27);及び
3−(4−メチルカルバモイル−ベンジル)−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(褐色の粉末)(化合物13);MS=427[M+H];融点=199.3〜200.3℃。
【0154】
実施例9: 7−クロロ−3−[4−(2−ヒドロキシ−エチルスルファモイル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ−キノリン−2−カルボン酸メチルエステルの合成
7−クロロ−3−[4−(2−ヒドロキシ−エチルスルファモイル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ−キノリン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物65)の合成を、スキーム16で示した方法に従って実施した。
【0155】
【化22】

【0156】
フッ化テトラブチルアンモニウム(THF中1M、0.26mL)の溶液を、THF(5mL)中の3−{4−[2−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−エチルスルファモイル]−ベンジル}−7−クロロ−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(113mg)の溶液に加え、得られた混合物を1時間撹拌した。反応混合物をEtOAcと水に分配し、有機層を分離し、水層をEtOAc(2×25mL)で抽出した。合わせた有機抽出層をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過して、減圧下で蒸発させた。黄色の固体残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH、90/10)により精製して、7−クロロ−3−[4−(2−ヒドロキシ−エチルスルファモイル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ−キノリン−2−カルボン酸メチルエステルをオフホワイト色の粉末として得た。MS=527[M+H];融点=191.5〜193.1℃。
【0157】
実施例10: 7−クロロ−4−オキソ−1−フェニル−3−[4−(ピペラジン−1−スルホニル)−ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステルトリフルオロアセタートの合成
7−クロロ−4−オキソ−1−フェニル−3−[4−(ピペラジン−1−スルホニル)−ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステルトリフルオロアセタート(化合物66)の合成を、スキーム17で示した方法に従って実施した。
【0158】
【化23】

【0159】
TFAとDCM(1:4、5mL)の混合物を、3−[4−(4−t−ブトキシカルボニル−ピペラジン−1−スルホニル)−ベンジル]−7−クロロ−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(48mg、0.07mmol)に加え、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸発させ、油性の固体残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH、100:0〜90:10)により精製して、7−クロロ−4−オキソ−1−フェニル−3−[4−(ピペラジン−1−スルホニル)−ベンジル]−1,4−ジヒドロ−キノリン−2−カルボン酸メチルエステルトリフルオロアセタートをオフホワイト色の粉末として得た。MS=552[M+H];融点=203.0〜205.0℃。
【0160】
DCM中のTFAの代わりに1,4−ジオキサン中のHClを利用して、7−クロロ−4−オキソ−1−フェニル−3−[4−(ピペラジン−1−スルホニル)−ベンジル]−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステルビスヒドロクロリド(オフホワイト色の粉末)(化合物67)を調製することができる。MS=552[M+H];融点=214.0〜215.5℃。
【0161】
同様に、上述のような手順で、そして適切な試薬を置換して、化合物7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−3−[4−(ピペラジン−1−スルホニル)ベンジル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物97)を調製した。
【0162】
実施例11: 3−[4−(2−ブロモアセチル)−ベンジル]−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステルの合成
3−[4−(2−ブロモアセチル)−ベンジル]−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物89)の合成を、スキーム18で示した方法に従って実施した。
【0163】
【化24】

【0164】
テトラブチルアンモニウムトリブロミド(72mg、0.15mmol)を、MeOH(8mL)中の3−(4−アセチルベンジル)−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(53mg、0.12mmol)の溶液に加え、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、粗残渣を分取TLC(EtOAc/ヘキサン、10/90)により精製して、3−[4−(2−ブロモアセチル)−ベンジル]−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル 23をオフホワイト色の粉末として得た。MS=507[M+H];融点=189.0〜191.1℃。
【0165】
実施例12: 3−[4−(2−ヒドロキシアセチル)−ベンジル]−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステルの合成
3−[4−(2−ヒドロキシアセチル)−ベンジル]−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物90)の合成を、スキーム19で示したように実施した。
【0166】
【化25】

【0167】
EtOH(15mL)中の3−[4−(2−ブロモ−アセチル)−ベンジル]−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(38mg、0.075mmol)とギ酸ナトリウム(25.5mg、5当量)の混合物を、80℃で一晩加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、濾過した。粗残渣を分取TLC(EtOAc/ヘキサン、60/40)により精製して、3−[4−(2−ヒドロキシ−アセチル)−ベンジル]−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル14mgをオフホワイト色の粉末として得た。MS=443[M+H];融点=189.9〜192.9℃。
【0168】
実施例13: 3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルスルホンアモイル)ベンジル]−4−オキソ−7−クロロ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステルの合成
3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルスルホンアモイル)ベンジル]−4−オキソ−7−クロロ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物85)を、スキーム20で示したように調製した。
【0169】
【化26】

【0170】
工程A: MeOH中の4−ホルミル−ベンゼンスルホニルクロリド(1.0g)の溶液にNaHCO3(0.425g)を、続いて1−アミノ−2−メチルプロパン−2−オール(0.566g)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次にセライトを通して濾過し、溶媒を減圧下で除去して、4−ホルミル−N−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−ベンゼンスルホンアミドを得た。
【0171】
工程B: MeOH(10mL)中の1−(4−クロロ−2−フェニルアミノフェニル)エタノン(0.401g)と4−ホルミル−N−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−ベンゼンスルホンアミド(0.420g)の混合物に、NaOH(1.35mL、2N、水溶液)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。生成物を減圧下で濃縮し、EtOAc、HO及びブラインで洗浄し、次にNaSOで乾燥させた。部分的に精製した生成物を無水シリカのクロマトグラフィー(DCMで0〜10分間、次にMeOH/DCMで11〜30分間)に付して、4−[3−(4−クロロ−2−フェニルアミノフェニル)−3−オキソ−プロペニル]−N−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−ベンゼンスルホンアミド(0.540g)を得た。
【0172】
工程C: EtOAc(100mL)及びEtOH(50mL)中の4−[3−(4−クロロ−2−フェニルアミノフェニル)−3−オキソ−プロペニル]−N−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−ベンゼンスルホンアミド(0.535g)の溶液にPt(IV)Oを加え、混合物をH下で1.5時間撹拌した。生成物を濾過し、減圧下で濃縮して、4−[3−(4−クロロ−2−フェニルアミノフェニル)−3−オキソ−プロピル]−N−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−ベンゼンスルホンアミドを黄色で油性の固体として得た。
【0173】
工程D: 4−[3−(4−クロロ−2−フェニルアミノフェニル)−3−オキソ−プロピル]−N−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−ベンゼンスルホンアミド(0.150g)にトルエン(15mL)を、続いて塩化メチルオキサリル(0.6mL)を加え、混合物を80℃で3時間加熱して、N−(5−クロロ−2−{3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルスルファモイル)−フェニル]−プロピオニル}−フェニル)−N−フェニル−オキサミン酸メチルエステルを得た。生成物を更に精製しないで使用した。
【0174】
工程E: トルエン中N−(5−クロロ−2−{3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルスルファモイル)−フェニル]−プロピオニル}−フェニル)−N−フェニル−オキサミン酸メチルエステルの溶液に、MeOH(10mL)中のKCO(0.073g)を加え、混合物を80℃で2時間撹拌した。生成物をEtOAc、HO及びブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、3% MeOH/DCMを用いる無水シリカのクロマトグラフィーに付した。最後に生成物を、5% MeOH/DCMを用いる無水シリカで精製して、3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルスルホンアモイル)ベンジル]−4−オキソ−7−クロロ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物85)を得た。(M+H 555.1;融点=240.0〜242.6℃)。
【0175】
実施例14: 3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルスルホンアモイル)ベンジル]−4−オキソ−7−クロロ−1−フェニル−2−アセチル−1,4−ジヒドロキノリンの合成
3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルスルホンアモイル)ベンジル]−4−オキソ−7−クロロ−1−フェニル−2−アセチル−1,4−ジヒドロキノリン(化合物88)の合成を、スキーム21で示したように実施した。
【0176】
【化27】

【0177】
工程A: ピルビン酸(12.2g)に、メチル−α,α−ジクロロメチルエーテル(12.3mL)を20分間かけてゆっくり加えた。次に反応混合物を50℃に30分間加熱し、一晩室温に冷ました。メチル−α,α−ジクロロメチルエーテル(4mL)のさらなるアリコートをゆっくり加え、混合物を50℃に2時間加熱し、次に20℃に冷却した。未反応出発物質を減圧下で蒸発させて除去し、2−オキソプロピオニルクロリドを得た。
【0178】
トルエン(10mL)中の4−[3−(4−クロロ−2−フェニルアミノフェニル)−3−オキソ−プロピル]−N−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ベンゼンスルホンアミド(0.138g)に、2−オキソプロピオニルクロリド(0.3mL)を加え、混合物を120℃で3時間加熱し、N−(5−クロロ−2−{3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルスルファモイル)−フェニル]−プロピオニル}−フェニル)−2−オキソ−N−フェニル−プロピオンアミドを形成して、それを更に精製しないで使用した。
【0179】
工程B: MeOH中のN−(5−クロロ−2−{3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルスルファモイル)−フェニル]−プロピオニル}−フェニル)−2−オキソ−N−フェニル−プロピオンアミドにKCO(0.067g)を加え、反応混合物を80℃に2時間加熱した。KCO(1g)のさらなるアリコートを加え、混合物をさらに2時間加熱した。生成物を室温に放冷し、次にEtOAc/HOに取り、EtOAc、ブラインで3回洗浄して、NaSOで乾燥させた。次に粗生成物を分取シリカのクロマトグラフィー(5% MeOH/DCM)に付して、3−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルスルホンアモイル)ベンジル]−4−オキソ−7−クロロ−1−フェニル−2−アセチル−1,4−ジヒドロキノリン(化合物88)を得た。MS=539[M+H]
【0180】
同様に、前述のような手順で、そして適切な試薬を置換して、化合物4−(7−クロロ−4−オキソ−1−フェニル−2−プロピオニル−1,4−ジヒドロキノリン−3−イルメチル)−N−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−ベンゼンスルホンアミド(化合物86、M+H 553)を調製した。
【0181】
実施例15: 7−クロロ−3−[4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−スルホニル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物69)の合成
工程A: DCM(10mL)中の4−ホルミル−ベンゼンスルホニルクロリド(1.0g)に、4−ヒドロキシピペリジン(0.984g)を、続いてNaHCO(10mL、飽和水溶液)を加えて、混合物を室温で2時間撹拌した。水層をDCM(2×25mL)で洗浄し、合わせた有機部分をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去して、4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−スルホニル)ベンズアルデヒドを得た。生成物を無水シリカ(10% MeOH/DCM)で精製した。M+H 269.9
【0182】
工程B: MeOH(10mL)中の1−(4−クロロ−2−フェニルアミノ−フェニル)エタノン(0.500g)及び4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−スルホニル)ベンズアルデヒド(0.548g)に、NaOH(1.65mL、2N水溶液)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。溶液から生成物を粉砕し、焼結ガラス漏斗で回収し、水ですすいで、MeOHに取った。水及びMeOHを減圧下で除去して、1−(4−クロロ−2−フェニルアミノ−フェニル)−3−[4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−スルホニル)−フェニル]プロペノンを得た。生成物を実施例13、工程Cに記載のように還元して、1−(4−クロロ−2−フェニルアミノ−フェニル)−3−[4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−スルホニル)−フェニル]プロパン−1−オンを得た。
【0183】
工程C: トルエン(20mL)中の1−(4−クロロ−2−フェニルアミノ−フェニル)−3−[4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−スルホニル)−フェニル]プロパン−1−オン(0.200g)に、塩化メチルオキサリル(0.64mL)を加えた。混合物を120℃で3時間加熱し、次に室温で一晩撹拌した。生成物、N−(5−クロロ−2−{3−[4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−スルホニル)−フェニル]−プロピオニル}−フェニル)−N−フェニル−オキサミン酸メチルエステルを更に精製しないで使用した。
【0184】
工程D: MeOH(15mL)中のN−(5−クロロ−2−{3−[4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−スルホニル)−フェニル]−プロピオニル}−フェニル)−N−フェニル−オキサミン酸メチルエステル(0.40g)にKCO(0.096g)を加え、混合物を80℃で1.5時間加熱し、次に濃縮した。残渣をEtOAc/HOに取り、水層をEtOAc(2×25mL)で洗浄した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。残渣を無水シリカのクロマトグラフィー(20% EtOAc/ヘキサン類 0〜5分間;60% EtOAc/ヘキサン類 6〜10分間;100% EtOAc 11〜40分間)に付して、7−クロロ−3−[4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−スルホニル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物69)を得た。M+H 567;融点=170.0〜171.0℃。
【0185】
同様に、適切な試薬で置換して上述のような手順で、化合物3−[4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−スルホニル)ベンジル]−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物99)を調製した。
【0186】
実施例16: 7−クロロ−3−[4−(3−ヒドロキシピロリジン−1−スルホニル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物87)の合成
工程A: MeOH(10mL)中の4−ホルミルベンゼンスルホニルクロリド(1.0g)にNaHCO(0.425g、s)を、続いてS−(−)−3−ヒドロキシピロリジン(0.533g)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。セライトを通して生成物を濾過し、濃縮して油状物を得、シリカのクロマトグラフィー(3% MeOH/DCM)に付して、4−(3−ヒドロキシピロリジン−1−スルホニル)−ベンズアルデヒド(1.14g)を得た。
【0187】
工程B: MeOH(10mL)中の1−(4−クロロ−2−フェニルアミノ−フェニル)エタノン(0.500g)及び4−(3−ヒドロキシピロリジン−1−スルホニル)−ベンズアルデヒド(0.519g)に、NaOH(1.68mL、2N水溶液)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。赤橙色の生成物を溶液から粉砕し、焼結ガラス漏斗で回収し、水ですすいで、MeOHに取った。生成物を濃縮し、次に無水シリカのクロマトグラフィー(100% DCM 0〜10分;2% MeOH/DCM 11〜30分)に付して、1−(4−クロロ−2−フェニルアミノ−フェニル)−3−[4−(3−ヒドロキシピロリジン−1−スルホニル)−フェニル]−プロペノン(0.588g)を得た。
【0188】
工程C: 実施例13、工程Cに記載のような手順で、1−(4−クロロ−2−フェニルアミノ−フェニル)−3−[4−(3−ヒドロキシピロリジン−1−スルホニル)−フェニル]−プロペノンを水素化して、1−(4−クロロ−2−フェニルアミノ−フェニル)−3−[4−(3−ヒドロキシピロリジン−1−スルホニル)フェニル]−プロパン−1−オンを黄色で油性の固体として得た。
【0189】
工程D: トルエン中の1−(4−クロロ−2−フェニルアミノ−フェニル)−3−[4−(3−ヒドロキシピロリジン−1−スルホニル)フェニル]−プロパン−1−オン(0.150g)に、塩化メチルオキサリル(0.6mL)を加えた。反応混合物を80℃に3時間加熱し、次に室温で一晩撹拌して、N−(5−クロロ−2−{3−[4−(2−ヒドロキシピロリジン−1−スルホニル)フェニル]プロピオニル}−フェニル)−N−フェニル−オキサミン酸メチルエステルを得、それを更に精製しないで使用した。
【0190】
工程E: 実施例14、工程Bで示される手順に従って、N−(5−クロロ−2−{3−[4−(2−ヒドロキシピロリジン−1−スルホニル)フェニル]プロピオニル}−フェニル)−N−フェニル−オキサミン酸メチルエステルを環化して、7−クロロ−3−[4−(3−ヒドロキシピロリジン−1−スルホニル)−ベンジル]−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物87)を形成した。生成物を無水シリカのクロマトグラフィー(3% MeOH/DCM 0〜10分;10% MeOH/DCM 11〜20分)に付し、次に5% MeOH/DCMを用いる純粋なシリカのクロマトグラフィーに再び付した。M+H 553;融点=135.0〜136.0℃。
【0191】
実施例17: 2−アセチル−7−クロロ−3−[4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−スルホニル)−ベンジル]−1−フェニル−1H−キノリン−4−オン(化合物70)の合成
工程A: トルエン(20mL)中の1−(4−クロロ−2−フェニルアミノ−フェニル)−3−[4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−スルホニル)−フェニル]プロパン−1−オン(0.200g)に、2−オキソプロパノイルクロリド(0.427g)を加えた。反応混合物を120℃で3時間加熱し、次に室温で一晩撹拌し、N−(5−クロロ−2−{3−[4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−スルホニル)−フェニル]−プロピオニル}−フェニル)−2−オキソ−N−フェニル−プロピオンアミドを生成して、それを更に精製しないで使用した。
【0192】
工程B: MeOH中のN−(5−クロロ−2−{3−[4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−スルホニル)−フェニル]−プロピオニル}−フェニル)−2−オキソ−N−フェニル−プロピオンアミドに、KCO(0.096g)を加え、混合物を80℃で1.5時間加熱し、次に濃縮した。残渣をEtOAc/HOに取り、水層をEtOAc(2×25mL)で洗浄した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。残渣を無水シリカのクロマトグラフィー(20% EtOAc/ヘキサン類 0〜5分;60% EtOAc/ヘキサン類 15〜20分;100% EtOAc 22〜35分)に付して、2−アセチル−7−クロロ−3−[4−(4−ヒドロキシピペリジン−1−スルホニル)−ベンジル]−1−フェニル−1H−キノリン−4−オン(化合物70)を得た。融点=145.5〜147.2℃;M+H 551。
【0193】
同様に、上記に示されたような手順で、そして適切な試薬を置換して、化合物2−アセチル−7−クロロ−3−[4−(4−メチルピペラジン−1−スルホニル)−ベンジル]−1−フェニル−1H−キノリン−4−オン(化合物72、融点=206.3〜208.0℃;M+H 550)を調製した。
【0194】
実施例18: 3−(6−クロロ−ピリジン−3−イルメチル)−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物83)の合成
【0195】
工程A: 1,4−ジオキサン(60mL)中の2−クロロ−3−アセチル−6−メチルピリジン(6.0g)の溶液をカンファースルホン酸(20.7g)と合わせ、密閉管中で均質になるまで撹拌した。混合物を70℃に加熱し、アニリン(5.0g)を加え、すべての沈殿している固体が再溶解するまで加熱を続けた。反応の進行を、EtOAc/NaHCO(飽和水溶液)を用いて試料をクエンチすることにより、及びTLC(1:2 EtOAc/ヘキサン)により調べることにより観察した。1.5時間後反応が完了し、EtOAc/NaHCO(飽和水溶液)でクエンチし、ガスの発生が停止するまで撹拌した。有機層をNaHCO(飽和水溶液)で洗浄し、濾過し、濃縮し、シリカのクロマトグラフィー(1:4 EtOAc/ヘキサン)に付して、2−フェニルアミノ−3−アセチル−6−ピリジン(6.2g)を黄色の固体として得た。M+H=227。
【0196】
工程B: 2−フェニルアミノ−3−アセチル−6−ピリジン(1.0g)を、ソニケーターを使用してMeOH(20mL)に溶解し、続いて2−クロロ−5−ホルミルピリジン(1.1g)及びNaOH(2M、3.5mL)を溶解した。混合物を室温で撹拌し、赤色の沈殿物を形成した。生成物を濾過し、MeOH/HO(2:1、10mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させて、1−(6−メチル−2−フェニルアミノピリジン−3−イル)−3−(6−クロロピリジン−3−イル)−プロペノン(1.45g)を橙色/赤色の固体として得た。M+H=350。
【0197】
工程C: 温EtOAc(40mL)中の1−(6−メチル−2−フェニルアミノピリジン−3−イル)−3−(6−クロロピリジン−3−イル)−プロペノン(1.15g)の溶液にPtO(0.04g)を加え、その後、容器を排気し、バルーン圧でH(2×)を用いて充填した。反応混合物を60℃で2.5時間加熱し、次に室温に冷まし、セライトを通して濾過し、THF/EtOHで洗浄し、濃縮し、シリカのクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 1:1)に付して、1−(6−メチル−2−フェニルアミノピリジン−3−イル)−3−(6−クロロピリジン−3−イル)−プロパン−1−オン(1.0g)を黄色の固体として得た。M+H=352。
【0198】
工程D: トルエン(5mL)及びTHF(10mL)中の1−(6−メチル−2−フェニルアミノピリジン−3−イル)−3−(6−クロロピリジン−3−イル)−プロパン−1−オン(0.9g)の溶液に塩化メチルオキサリル(0.56g)を加え、混合物を80℃に2.5時間加熱した。生成物をトルエン中のN−{−3−[3−(6−クロロピリジン−3−イル)−プロピオニル]−6−メチル−ピリジン−2−イル}−N−フェニル−オキサミン酸メチルエステルの暗赤色の溶液に濃縮して、それを更に精製しないで使用した。
【0199】
工程E: トルエン中のN−{−3−[3−(6−クロロピリジン−3−イル)−プロピオニル]−6−メチル−ピリジン−2−イル}−N−フェニル−オキサミン酸メチルエステルの溶液にMeOHを加え、混合物を80℃で予備加熱した熱浴中に入れた。KCO(0.9g)を加えると、すぐに変色を生じた。混合物を室温に冷まし、EtOAcで希釈し、LiCl(0.3重量%水溶液、2×)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過して、濃縮した。生成物を熱EtOAcに溶解し、室温に放冷した。得られた沈殿物を濾過し、EtOAcで洗浄して、3−(6−クロロ−ピリジン−3−イルメチル)−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物83)(0.14g)を黄褐色(tan)の固体として得た。M+H=420、融点=220.0〜220.5。
【0200】
実施例19: 3−(ピリジン−3−イルメチル)−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物84)の合成
工程A: 1−(6−メチル−2−フェニルアミノピリジン−3−イル)−3−(6−クロロピリジン−3−イル)−プロペノン(0.30g)をEtOH(3mL)に加え、続いてTHF(6mL)、トルエン(6mL)、さらなるEtOH(約2mL)、及びPd/C(10%、0.02g)を加えた。容器を排気し、次にH(2×)で再充填し、室温で1時間熟成させ、次に60℃で3時間熟成させた。混合物を室温に一晩放冷し、次にPd/C(10%、0.02g)のさらなるアリコートを加え、混合物75℃に8時間加熱し、次に室温に一晩放冷した。セライトを通して生成物を濾過し、EtOHで洗浄し、濃縮し、シリカのクロマトグラフィー(1:1 EtOAc/hex〜5% MeOH/EtOAc/hex)に付して、1−(6−メチル−2−フェニルアミノ−ピリジン−3−イル)−3−ピリジン−3−イルプロパン−1−オン(0.14g)を黄色の油状物として得た。M+H=318。
【0201】
工程B: 実施例18、工程D及びEで説明したような手順で、化合物3−(ピリジン−3−イルメチル)−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物84)(28mg)を調製した。M+H=386。
【0202】
実施例20: 3−(6−メトキシカルボニル−ピリジン−3−イルメチル)−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物100)の合成
工程A: 1−(6−メチル−2−フェニルアミノピリジン−3−イル)−3−(6−クロロピリジン−3−イル)−プロパン−1−オン(1.9g)、EtN(1.0mL)、MeOH(30mL)、及び(R−BINAP)PdCl(43mg)の混合物をボンベ中に入れた。次にボンベから大気をパージし、一酸化炭素で50psiに加圧して、100℃に3.25時間加熱した。次にボンベを50℃まで冷却し、開き、室温に放冷した。固体の生成物をDCMに取り、DCM/MeOHから結晶化して、5−[3−(6−メチル−2−フェニルアミノ−ピリジン−3−イル)−3−オキソ−プロピル]−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(1.7g)を黄色の固体として得た。M+H=376。
【0203】
工程B: 5−[3−(6−メチル−2−フェニルアミノ−ピリジン−3−イル)−3−オキソ−プロピル]−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(1.7g)を、トルエン(15mL)及びTHF(30mL)にN下で80℃にて溶解した。モノ塩化メチルオキサリル(2.2g)を加え、混合物を80℃で3.5時間加熱すると、暗赤/黒の色に変わった。混合物を室温に冷まし、固体に濃縮し、次にMeOHに溶解して、80℃に再び加熱した。KCO(0.8g)を加え、混合物を80℃で30分間加熱し、KCOのさらなる部分(0.8g)を加え、混合物をさらに1時間加熱した。生成物をEtOAc及びHOに取り、有機相をHO(1×)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカのクロマトグラフィー(2:3 EtOAc/ヘキサン〜100% EtOAc)に付して、3−(6−メトキシカルボニル−ピリジン−3−イルメチル)−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物100)(0.38g)を黄色の固体として得た。M+H=444、融点=177.0〜178.0℃。
【0204】
実施例21: 3−(6−メタンスルホニル−ピリジン−3−イルメチル)−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物92)の合成
工程A: 1−(6−メチル−2−フェニルアミノピリジン−3−イル)−3−(6−クロロピリジン−3−イル)−プロパン−1−オン(0.42g)をNMP(3mL)に溶解し、NaSMe(0.34g)を加え、混合物をマイクロ波で150℃にて1時間加熱した。生成物をEtOAc/HOに取り、有機層をLiCl(2×、0.3重量%水溶液)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、赤色の油状物に濃縮して、3−(6−メルカプトピリジン−3−イル)−1−(6−メチル−2−フェニルアミノピリジン−3−イル)−プロパン−1−オン(0.4g)を得た。
【0205】
工程B: 3−(6−メルカプトピリジン−3−イル)−1−(6−メチル−2−フェニルアミノピリジン−3−イル)−プロパン−1−オン(0.4g)をDMF(5mL)に溶解し、ヨウ化メチル(0.05mL)を加え、続いてKCO(0.138g)を加えた。反応混合物を室温で2.5時間放置し、次にEtOAc/HOで処理した。有機層をLiCl(2×、0.3重量%水溶液)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカのクロマトグラフィー(12g、1:2 EtOAc/ヘキサン)に付して、1−(6−メチル−2−フェニルアミノ−ピリジン−3−イル)−3−(6−メチルスルファニル−ピリジン−3−イル)−プロパン−1−オン(0.23g)を得た。M+H=264。
【0206】
工程C: 1−(6−メチル−2−フェニルアミノ−ピリジン−3−イル)−3−(6−メチルスルファニル−ピリジン−3−イル)−プロパン−1−オン(0.23g)をDMF(5mL)に溶解し、オキソン(0.32g)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。さらなる少量のオキソンを加え、混合物をさらに3時間撹拌し、次にEtOAc/HOで処理し、有機層をLiCl(2×、0.3重量%水溶液)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮して、1−(6−メチル−2−フェニルアミノ−ピリジン−3−イル)−3−(6−メチルスルホニル−ピリジン−3−イル)−プロパン−1−オンと1−(6−メチル−2−フェニルアミノ−ピリジン−3−イル)−3−(6−メチルスルフィニル−ピリジン−3−イル)−プロパン−1−オン(0.22g)の2:1混合物を赤橙色の油状物として得、それを分離しないで使用した。M+H=396(スルホニル)及び380(スルフィニル)。
【0207】
工程D: 1−(6−メチル−2−フェニルアミノ−ピリジン−3−イル)−3−(6−メチルスルホニル−ピリジン−3−イル)−プロパン−1−オンと1−(6−メチル−2−フェニルアミノ−ピリジン−3−イル)−3−(6−メチルスルフィニル−ピリジン−3−イル)−プロパン−1−オン(0.22g)の2:1混合物を、THF(3mL)及びトルエン(1.5mL)に溶解し、モノ塩化メチルオキサリル(0.27g)を加えた。混合物を80℃に2.5時間加熱し、半固体に濃縮し、MeOHに取って、KCO(0.22g)を加えた。この混合物を80℃に15分間加熱し、次に室温に冷ました。生成物をEtOAc/HOで処理し、有機層をLiCl(2×、0.3重量%水溶液)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、分取TLC(1:1 EtOAc/ヘキサン)により精製して、3−(6−メタンスルホニル−ピリジン−3−イルメチル)−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物92)(8mg)を黄色の固体として得た。M+H=464、融点=217〜218℃。
【0208】
実施例22: 3−(6−メタンスルファニル−ピリジン−3−イルメチル)−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物94)の合成
工程A: 実施例21、工程Dに記載されている手順で、1−(6−メチル−2−フェニルアミノ−ピリジン−3−イル)−3−(6−メチルスルファニル−ピリジン−3−イル)−プロパン−1−オン(0.2g)を、トルエン(2mL)及びTHF(4mL)中の塩化メチルオキサリル(0.27g)及びKCO(0.2g)と反応させて、3−(6−メタンスルファニル−ピリジン−3−イルメチル)−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物94)(0.12g)を形成した。M+H=432、融点=185.0〜186.5℃。
【0209】
実施例23: 3−(6−メタンスルフィニルピリジン−3−イルメチル)−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物98)の合成
工程A: 化合物94(0.12g)をDMF(5mL)に溶解し、オキソン(0.14g)を加え、混合物を30分間撹拌した。生成物をEtOAcとHOに分離し、有機層をLiCl(2×、0.3重量%水溶液)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、分取TLC(1:1 EtOAc/ヘキサン)により精製して、3−(6−メタンスルフィニル−ピリジン−3−イルメチル)−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物98)(5mg)を黄色の固体として得た。M+H=448。
【0210】
実施例24: 3−(6−ジメチルカルバモイル−ピリジン−3−イルメチル)−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物103)の合成
工程A: THF(10mL)中の3−(6−メトキシカルボニル−ピリジン−3−イルメチル)−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物100)(0.2g)にLiOH×HO(0.06g)及びHO(2mL)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。生成物をEtOAcに取り、HO及びHCl(2M、2mL)で洗浄し、濾過し、EtOAc及びHOで処理した。有機層をMgSOで乾燥させ、黄色の油状物に濃縮した。油状物をEtOAcに取り、HOで洗浄し、MgSOで乾燥させ、黄色の固体に濃縮して、3−(6−カルボキシ−ピリジン−3−イルメチル)−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(0.11g)を得た。M+H=430。
【0211】
工程B: THF(6mL)中の3−(6−カルボキシ−ピリジン−3−イルメチル)−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(0.095g)にBOP(0.11g)を加え、続いてDMA(0.15mL、THF中2M)及びヒューニッヒ(Hunig)塩基(エチル−ジイソプロピルアミン)(0.042mL)を加えた。固体が沈殿し始めた:すべての固体が溶解するまでDCMを加え、均質な反応混合物を得た。混合物を室温で1時間撹拌し、次にBOPのさらなるアリコート、ヒューニッヒ塩基及びDMAを加え、混合物を室温で一晩撹拌した。生成物をEtOAc及びHOで処理し、NaHCO(水溶液)及びHOで洗浄し、MgSOで乾燥させた。生成物を濃縮し、EtOAcを用いるシリカゲルカラムに付し、EtOAc/MeOHで溶離し、濃縮して、3−(6−ジメチルカルバモイル−ピリジン−3−イルメチル)−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物103)(80mg)を淡黄色の固体として得た。M+H=457;融点=235.0〜236.0℃。
【0212】
実施例25: 3−(6−エチルカルバモイル−ピリジン−3−イルメチル)−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物101)の合成
DCM中の3−(6−カルボキシ−ピリジン−3−イルメチル)−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(0.11g)にBOP(0.14g)を加え、続いてエチルアミン(0.016g)及びヒューニッヒ塩基(0.06mL)を加えて、混合物を室温で一晩撹拌した。生成物をEtOAc及びHOに取り、NaHCO(水溶液)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、次に濾過し、濃縮し、100% EtOAcを使用する分取TLCにより精製して、3−(6−エチルカルバモイル−ピリジン−3−イルメチル)−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物101)をオフホワイト色の固体として得た。M+H=457。
【0213】
実施例26: 3−(6−メトキシピリジン−3−イルメチル)−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフトリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物102)の合成
工程A: MeOH(12mL)中の1−(6−メチル−2−フェニルアミノピリジン−3−イル)−エタノン(0.5g)に6−メトキシ−3−ピリジンカルボキシアルデヒド(0.5g)を、続いてNaOH(2M、1.75mL)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。沈殿した固体を濾過し、MeOHで洗浄し、減圧下で乾燥させて、3−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−1−(6−メチル−2−フェニルアミノ−ピリジン−3−イル)−プロペノン(0.71g)を明サフラン色−黄色の固体として得た。M+H=346。
【0214】
工程B: THF(20mL)及びEtOH(10mL)中の3−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−1−(6−メチル−2−フェニルアミノ−ピリジン−3−イル)−プロペノン(0.71g)に、少量のPd/Cを加えた。フラスコを排気し、Hで2回再充填し、室温で一晩撹拌した。セライトを通して生成物を濾過し、EtOHで洗浄し、濃縮して、30:70 EtOAc/ヘキサンを用いるシリカゲルカラムから溶離した。生成物含有画分を回収し、濃縮して、3−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−1−(6−メチル−2−フェニルアミノ−ピリジン−3−イル)−プロパン−1−オン(0.70g)を淡黄色の固体として得た。M+H=348。
【0215】
工程C: THF及びトルエン中の3−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−1−(6−メチル−2−フェニルアミノ−ピリジン−3−イル)−プロパン−1−オン(0.70g)に塩化メチルオキサリル(0.99g)を加え、続いてTEA(0.5mL)を加え、溶液から粉砕した固体を可溶化した。得られたスラリーを80℃で3時間加熱し、次に濃縮して、MeOHに再懸濁した。KCO(0.70g)を加え、混合物を80℃で30分間撹拌した。生成物をEtOAc及びHOで処理し、黄色の固体に濃縮した。固体をMeOHに取り、70℃に加熱し、KCO(0.70g)のさらなるアリコートを加え、混合物を90分間撹拌した。生成物をEtOAc及びHOで処理し、濃縮し、MgSOで乾燥させ、シリカゲルカラム(30:70 EtOAc/ヘキサン)から溶離し、濃縮して、3−(6−メトキシピリジン−3−イルメチル)−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフトリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物102)(140mg)を黄色の固体として得た。M+H=416;融点=176.0〜177.0℃。
【0216】
実施例27: 7−フルオロ−3−(4−メタンスルホニル−ピペリジン−1−イルメチル)−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ−キノリン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物126)の合成
工程A: 2−ブロモ−4−フルオロ安息香酸(20g)、アニリン(10.2g)、KCO(13.9g)、Cu(I)オキシド(Aldrich 20822、648mg)及びCu 粉末(3μ、560mg)をエトキシエタノール(30mL)に合わせ、N下で4時間加熱還流(130〜135℃)した。反応はLCMS及びTLCにより完了したと判断された。混合物を室温に冷まし、HO(30mL)で希釈し、濃HClでpH7に中和して、沈殿物を形成した。生成物を濾過し、HOで洗浄して、真空オーブン中で55℃にて3日間乾燥させて、4−フルオロ−2−フェニルアミノ−安息香酸(17.7g)を得た。
【0217】
工程B: 4−フルオロ−2−フェニルアミノ−安息香酸(17.7g)をDMF(100mL)に溶解し、1,1’−カルボニルジイミダゾール(14.91g)を用いてN下、60℃で30分間撹拌した。N,O−ジメチル−ヒドロキシルアミン塩酸塩(8.97g)を加え、撹拌を60℃で4時間続けた。次にDMFを高真空下で除去し、黒色の残渣をEtOAcとブラインに分配し、クロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)に付して、4−フルオロ−N−メトキシ−N−メチル−2−フェニルアミノ−ベンズアミド(11g)を得た。
【0218】
工程C: 4−フルオロ−N−メトキシ−N−メチル−2−フェニルアミノ−ベンズアミド(12.5g)をTHF(100mL)に0℃で溶解し、ビニル−MgBr(84mL、THF中1M)をゆっくり加えた。混合物を0℃で2時間撹拌し、次にHCl(0.5M、200mL)でクエンチした。生成物をEtOAcで抽出し、EtOAc/ヘキサン(10〜80%)を用いるクロマトグラフィーに付して、1−(4−フルオロ−2−フェニルアミノ−フェニル)−プロペノン(4.0g)を黄色の油状物として得た。
【0219】
工程D: EtOH(8mL)中の1−(4−フルオロ−2−フェニルアミノ−フェニル)−プロペノン(400mg)の溶液に、KCO(約150mg)及び4−メチルスルホニルピペリジン(326mg)を加えた。混合物を24時間撹拌し、EtOAcで希釈して、濾過した。生成物をクロマトグラフィー(0〜30% MeOH/DCM)により回収して、1−(4−フルオロ−2−フェニルアミノ−フェニル)−3−(4−メタンスルホニル−ピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オン(598mg)を黄色の固体として得た。
【0220】
工程E: THF(8mL)中の1−(4−フルオロ−2−フェニルアミノ−フェニル)−3−(4−メタンスルホニル−ピペリジン−1−イル)−プロパン−1−オン(500mg)の0℃溶液に、NaHMDS(3.1mL、THF中1M)をN下で加えた。5分後、クロロ−オキソ酢酸メチルエステル(0.28mL)を加え、混合物を0℃で2時間、次に室温で1時間撹拌した。反応混合物をNHCl(飽和水溶液)でクエンチし、EtOAcで抽出し、クロマトグラフィー(0〜20% MeOH/DCM)に付して、7−フルオロ−3−(4−メタンスルホニル−ピペリジン−1−イルメチル)−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ−キノリン−2−カルボン酸メチルエステル(301mg、化合物126)を得た。M+H=473;融点=190.0〜191.0℃。
【0221】
実施例28: 3−ベンジル−7−フルオロ−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ−キノリン−2−カルボン酸 2−メトキシエチルエステル(化合物130)の合成
工程A: THF(80mL)中の4−フルオロ−N−メトキシ−N−メチル−2−フェニルアミノ−ベンズアミド(10g)の0℃溶液に、フェネチル−MgBr(91.2mL、THF中1M)をゆっくり加え、混合物を0℃で30分間、続いて室温で1時間撹拌した。次に反応混合物をNHCl(飽和水溶液)でクエンチし、EtOAcで抽出し、クロマトグラフィー(0〜40% EtOAc/DCM)に付して、1−(4−フルオロ−2−フェニルアミノ−フェニル)−3−フェニル−プロパン−1−オン(11.34g)を黄色の固体として得た。
【0222】
工程B: THF(3mL)中の{[5−フルオロ−2−(3−フェニル−プロピオニル)−フェニル]−フェニル−アミノ}−オキソ−アセチルクロリド(540mg)の溶液に、2−メトキシエタノール(0.12mL)を、続いてEtN(0.22mL)を加えた。反応混合物は淡黄色のスラリーになった:さらなるTHF(2mL)を加え、混合物を1時間放置した。次に混合物をNHCl(飽和水溶液)でクエンチし、EtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、濃縮して、N−[5−フルオロ−2−(3−フェニル−プロピオニル)−フェニル]−N−フェニル−オキサミン酸2−メトキシ−エチルエステル(504mg)を油状物として得た。
【0223】
工程C: MeOH(10mL)中のN−[5−フルオロ−2−(3−フェニル−プロピオニル)−フェニル]−N−フェニル−オキサミン酸2−メトキシ−エチルエステル(500mg)の溶液にKCO(約150mg)を加え、反応混合物をN下で1.5時間加熱還流した。次に混合物を冷却し、塩を濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をクロマトグラフィー(0〜20% MeOH/DCM)に付して、3−ベンジル−7−フルオロ−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ−キノリン−2−カルボン酸 2−メトキシ−エチルエステル(化合物130)を得た。M+H=432;融点=168.0〜169.0℃。
【0224】
実施例29:3−ベンジル−7−クロロ−2−オキサゾール−2−イル−1−フェニル−1H−キノリン−4−オン(化合物140)の合成
工程A: オキサゾール−2−カルボン酸(0.5g)をDCM(15.mL)に懸濁し、DMF 2滴をN下で加えた。塩化オキサリル(674mg)をゆっくり加え、バブリングが止むまで反応混合物を撹拌した(約2時間)。溶媒を減圧下で除去し、残渣をトルエン(15mL)に取った。1−(4−クロロ−2−フェニルアミノ−フェニル)−3−フェニル−プロパン−1−オン(1.48g)を加え、混合物を20時間加熱還流した。生成物を冷却し、溶媒を減圧下で除去し、残渣をクロマトグラフィー(0〜20% MeOH:DCM)に付して、オキサゾール−2−カルボン酸[5−クロロ−2−(3−フェニル−プロピオニル)−フェニル]−フェニル−アミド(697mg)を淡黄色の粉末として得た。
【0225】
工程B: オキサゾール−2−カルボン酸[5−クロロ−2−(3−フェニル−プロピオニル)−フェニル]−フェニル−アミド(387mg)を乾燥MeOH(20mL)及びKCO(100mg)に溶解し、1.5時間加熱還流した。次に生成物を冷却し、溶媒を蒸発させ、残渣をクロマトグラフィー(0〜30% MeOH/DCM)に付して、3−ベンジル−7−クロロ−2−オキサゾール−2−イル−1−フェニル−1H−キノリン−4−オン(化合物140、233mg)を得た。融点=219.0〜220.0℃。
【0226】
実施例30: 3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イルメチル)−1−フェニル−7−トリフルオロメチル−1H−[1,8]ナフチリジン−4−オン(化合物129)の合成
工程A: 1−(2−フェニルアミノ−6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−エタノン(0.1g)をMeOH(10mL)中の1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルバルデヒド(39mg)及びNaNH(2N、2mL)と混合し、室温で一晩撹拌した。形成した明橙色の固体を濾過し、真空オーブン中で乾燥させて、3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1−(2−フェニルアミノ−6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−プロペノン(45mg)を得た。
【0227】
工程B: 3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1−(2−フェニルアミノ−6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−プロペノン(45mg)をEtOAc(25mL)に溶解し、Pd/C(10%、30mg)を加え、出発物質をH(バルーン)で1時間水素化した。生成物、3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1−(2−フェニルアミノ−6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−プロパン−1−オンを濾過し、濃縮して、更に精製しないで使用した。
【0228】
工程C: 3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1−(2−フェニルアミノ−6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−プロパン−1−オン(約45mg)を、クロロ−オキソ−酢酸メチルエステル(0.2mL)と共にトルエン(10mL)に溶解し、110℃で72時間加熱し、次に冷却した。生成物を減圧下で濃縮し、次にKCO(0.2g)と共にMeOH(10mL)に溶解し、50℃に15分間加熱した。生成物を冷却し、濾過し、濃縮して、3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イルメチル)−1−4−オキソ−フェニル−7−トリフルオロメチル−1H−[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物129)を得た。M+H=443。
【0229】
実施例31: 1−(3−アミノフェニル)−3−ベンジル−7−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物105)の合成
工程A: 1−(2−クロロ−6−メチル−ピリジン−3−イル)−エタノン(0.4g)を、トルエン(10mL)中、3−ニトロ−フェニルアミン(0.33g)、Pd(OAc)(16mg)、BINAP(45mg)、CaCO(0.25g)及びEtN(0.2mL)と混合し、100℃で4日間加熱した。次に生成物を濾過し、濃縮して、1−[6−メチル−2−(3−ニトロフェニルアミノ)−ピリジン−3−イル]−エタノン(0.2g)を得た。
【0230】
工程B: 1−[6−メチル−2−(3−ニトロフェニルアミノ)−ピリジン−3−イル]−エタノン(0.2g)を、MeOH(10mL)中、4−メタンスルホニル−ベンズアルデヒド(0.135g)及びNaNH(2N、2mL)と混合し、室温で一晩撹拌した。形成した黄色の固体を濾過して、3−(4−メタンスルホニル−フェニル)−1−[6−メチル−2−(3−ニトロフェニルアミノ)−ピリジン−3−イル]−プロペノン(0.33g)を得た。
【0231】
工程C: 3−(4−メタンスルホニル−フェニル)−1−[6−メチル−2−(3−ニトロフェニルアミノ)−ピリジン−3−イル]−プロペノン(125mg)を、トルエン(20mL)中、RhCl(PPh(30mg)と共にHを使用して66psi、60℃にて7時間水素化して、3−(4−メタンスルホニル−フェニル)−1−[6−メチル−2−(3−ニトロフェニルアミノ)−ピリジン−3−イル]−プロパン−1−オン(約100mg)を得た。
【0232】
工程D: 3−(4−メタンスルホニル−フェニル)−1−[6−メチル−2−(3−ニトロフェニルアミノ)−ピリジン−3−イル]−プロパン−1−オン(0.1g)をTHF(5mL)に溶解した。クロロ−オキソ−酢酸メチルエステル(0.1mL)を加え、混合物をマイクロ波により80℃で1時間加熱した。生成物を濃縮し、残渣をMeOH(5mL)に取り、KCO(0.1g)を加え、混合物を50℃で15分間加熱した。生成物を冷却し、濃縮し、分取TLC(50% EtOAc/ヘキサン)により精製して、3−ベンジル−7−メチル−1−(3−ニトロフェニル)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物104、約20mg)を得た。M+H=508。
【0233】
工程E: 化合物104(15mg)をPc/C(10%、5mg)を含むEtOAc(10mL)中に溶解し、H2(バルーン)を2時間使用して水素化した。生成物を濾過し、濃縮し、分取TLC(50/50 EtOAc/ヘキサン)、次に10% MeOH/DCMにより精製して、1−(3−アミノフェニル)−3−ベンジル−7−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物105、2.4mg)を得た。M+H=478。
【0234】
実施例32: 1−(6−アミノ−ピリジン−2−イル)−3−ベンジル−7−クロロ−2−オキサゾール−2−イル−1H−キノリン−4−オン(化合物141)の合成
工程A: エトキシエタノール(10mL)中の2−ブロモ−4−クロロ安息香酸(5g)、2,6−ジアミノピリジン(6.95g)、KCO(3.18g)、Cu粉末(0.13g)及びCu(I)オキシド(0.15g)の混合物を、反応が完了するまで(tlcにより確認しながら)130℃で2時間加熱した。混合物を室温に冷まし、水(70mL)及び活性炭を加え、混合物を3時間撹拌した。次に生成物を濾過し、pH7になるまでHCl(4M)を加えた。得られた褐色の沈殿物を濾過し、オーブン(50℃、圧=30mbar)中で一晩乾燥させて、2−(6−アミノ−ピリジン−2−イルアミノ)−4−クロロ安息香酸(2.4g)を得た。
【0235】
工程B: 2−(6−アミノ−ピリジン−2−イルアミノ)−4−クロロ安息香酸(2.4g)及び2,5−ヘキサンジオン(1.04g)のスラリー及びp−トルエンスルホン酸(0.15g)を、Dean-Starkトラップ装置で24時間加熱還流した。得られた混合物を室温に冷まし、濾過し、次にHO(50mL)で一晩撹拌し、濾過し、乾燥させて、4−クロロ−2−[6−(2,5−ジメチル−ピロール−1−イル)−ピリジン−2−イルアミノ]−安息香酸(2.4g)を得た。
【0236】
工程C: DMF(25mL)中の4−クロロ−2−[6−(2,5−ジメチル−ピロール−1−イル)−ピリジン−2−イルアミノ]−安息香酸(4.2g)とカルボニルジイミド(2.4g)の混合物を、60℃で30分間撹拌して、N−メトキシ−N−メチルアミン(1.41g)を加えた。混合物を80℃で16時間撹拌し、次に揮発物を蒸発させ、残渣をEtOAcとHOに、次にEtOAcとHCl(0.1N水溶液)に分配した。有機相をシリカゲルで吸着し、クロマトグラフィーに付した。ヘキサン/EtOAc(100:0〜50:50)に対してシリカ(80g)のクロマトグラフィーに付して、4−クロロ−2−[6−(2,5−ジメチル−ピロール−1−イル)−ピリジン−2−イルアミノ]−N−メトキシ−N−メチル−ベンズアミド(約1.6g)を得た。
【0237】
工程D: THF(20mL)中の4−クロロ−2−[6−(2,5−ジメチル−ピロール−1−イル)−ピリジン−2−イルアミノ]−N−メトキシ−N−メチル−ベンズアミド(1.59g)の溶液を氷浴中で冷却し、フェネチル−グリニヤール溶液(10mL、THF中1M)をシリンジを介して加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、NHCl(水溶液)でクエンチし、EtOAcで抽出して、シリカで吸着した。生成物をシリカ(80g)のクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 100:0〜50:50)(又はDCM/MeOHを使用して)に付して、1−{4−クロロ−2−[6−(2,5−ジメチル−ピロール−1−イル)−ピリジン−2−イルアミノ]−フェニル}−3−フェニル−プロパン−1−オンを得た。
【0238】
工程E: DCM(1mL)中のオキサゾール−2−カルボン酸(147mg)とDMF(2滴)の混合物を、塩化オキサリル(127μL)で処理した。ガスの発生は2時間後終了した。CHCl(2mL)を加え、揮発物を真空オーブン(40℃、200mbar)中で除去し、残留油状物をTHF(2mL)に溶解して、「溶液A」を形成した。THF(2mL)中の1−{4−クロロ−2−[6−(2,5−ジメチル−ピロール−1−イル)−ピリジン−2−イルアミノ]−フェニル}−3−フェニル−プロパン−1−オン(430mg)の混合物をDMF(2滴)で処理し、NaHMDS溶液(2.5mL、THF中1M)を滴下した。溶液A(2mL)を滴下し、混合物を室温で12時間撹拌した。生成物をEtOAc/HOで処理し、クロマトグラフィー(DCM/MeOH 100:0〜70:30)に付して、3−ベンジル−7−クロロ−1−[6−(2,5−ジメチル−ピロール−1−イル)−ピリジン−2−イル]−2−オキサゾール−2−イル−1H−キノリン−4−オンを得た。
【0239】
工程F: EtOH(3.5mL)及び水(1.3mL)中の3−ベンジル−7−クロロ−1−[6−(2,5−ジメチル−ピロール−1−イル)−ピリジン−2−イル]−2−オキサゾール−2−イル−1H−キノリン−4−オン(640mg)及びヒドロキシルアミン塩酸塩(450mg)の溶液を60℃で48時間撹拌した。揮発物を蒸発させた後、暗褐色の残渣をEtOAcとHOに分配し、有機相をシリカで吸着させて、1−(6−アミノ−ピリジン−2−イル)−3−ベンジル−7−クロロ−2−オキサゾール−2−イル−1H−キノリン−4−オン(化合物141)を得た。M+H=428;融点=279.3〜282.8℃。
【0240】
実施例33: 3−シクロプロピルメチル−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物142)の合成
工程A: 温MeOH(15mL)に溶解した1−(6−メチル−2−フェニルアミノ−ピリジン−3−イル)−エタノン(0.7g)に、シクロプロパンカルバルデヒド(0.4g)及びNaOH(2M、2.5mL)を加え、混合物を60℃に一晩加熱した。次に混合物を室温に冷まし、EtOAcとHOに分配し、有機層をLiCl(0.3重量%水溶液)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過して、濃縮した。生成物をカラムクロマトグラフィー(1:4 EtOAc:ヘキサン)により精製し、黄色の油状物に濃縮して、3−シクロプロピル−1−(t−メチル−2−フェニルアミノ−ピリジン−3−イル)−プロペノン(0.32g)を得た。
【0241】
工程B: 3−シクロプロピル−1−(t−メチル−2−フェニルアミノ−ピリジン−3−イル)−プロペノン(0.32g)をEtOH/THF/EtOAc(12mL)に溶解し、Pd/C(0.02g、10重量%)を加えた。フラスコを排気し、Hで2回再充填した。2時間後、セライトを通して混合物を濾過し、濃縮し、1:8 EtOAc/ヘキサンを使用するカラムにより精製して、3−シクロプロピル−1−(t−メチル−2−フェニルアミノ−ピリジン−3−イル)−プロパン−1−オン(0.34g)を黄色の固体として得た。
【0242】
工程C: 3−シクロプロピル−1−(t−メチル−2−フェニルアミノ−ピリジン−3−イル)−プロパン−1−オン(0.3g)をTHF及びトルエン(10mL)に溶解し、塩化オキサリル(0.3g)を加え、混合物を80℃で2.5時間加熱した。次に混合物を室温に一晩放冷し、次に80℃に2.5時間再び加熱し、室温に冷まして、N−[3−(3−シクロプロピル−プロピオニル)−6−メチル−ピリジン−2−イル]−N−フェニル−オキサミン酸メチルエステルを得た。
【0243】
工程D: トルエンに溶解したN−[3−(3−シクロプロピル−プロピオニル)−6−メチル−ピリジン−2−イル]−N−フェニル−オキサミン酸メチルエステル(約0.3g)に、MeOH(5mL)及びKCO(0.3g)を加えた。混合物を80℃に30分間加熱し、室温に冷まし、次にEtOAcに取り、LiCl(0.3重量%、水溶液)で2回洗浄した。生成物をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、次に分取TLC(1:4 EtOAc/ヘキサン)により精製して、3−シクロプロピルメチル−7−メチル−4−オキソ−1−フェニル−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−2−カルボン酸メチルエステル(化合物142)を得た。
【0244】
実施例34:配合物
種々の経路で送達される医薬製剤が以下の表で示されるように配合される。表中で使用される「活性成分」又は「活性化合物」は、式Iで表される化合物の1つ以上を意味する。
【0245】
【表2】

【0246】
成分を混合し、それぞれ約100mgを含有するカプセルに調剤する。1カプセルが1日投薬量のほぼ全てとなる。
【0247】
【表3】

【0248】
成分を合わせ、メタノールなどの溶媒を使用して粒状にする。次に配合物を乾燥させ、適切な錠剤成形機を用いて錠剤(活性化合物約20mg含有)を形成する。
【0249】
【表4】

【0250】
成分を混合して、経口投与用の懸濁剤を形成する。
【0251】
非経口配合物
【0252】
【表5】

【0253】
活性成分を注射用の水の一部に溶解する。次に塩化ナトリウムの十分な量を撹拌しながら加えて、溶液を等張にする。注射用の水の残りで溶液の重量にして、0.2μ膜フィルタを通して濾過し、滅菌条件下で包装する。
【0254】
【表6】

【0255】
成分を一緒に溶融し、蒸気浴で混合し、全重量2.5gを含有する型に注ぐ。
【0256】
【表7】

【0257】
水以外の全ての成分を合わせ、撹拌しながら約60℃に加熱する。次に、十分な量の水を激しく撹拌しながら約60℃で加え、成分を乳化し、次に、約100gにするのに適量の水を加える。
【0258】
鼻腔スプレー配合物
活性化合物を約0.025〜0.5%含有するいくつかの水性懸濁液を、鼻腔スプレー配合物として調製する。配合物は、場合により例えば、微晶質セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストロースなどの不活性成分を含有する。塩酸を加えてpHを調整してもよい。鼻腔スプレー配合物は、典型的には1回の作動で配合物を約50〜100μL送達する鼻腔スプレー計量ポンプを介して、送達してもよい。一般的な投与スケジュールは、4〜12時間毎に2〜4回のスプレーである。
【0259】
実施例35:JNKインビトロアッセイ
JNK活性を、[g−33P]ATPを用いる、GST−ATF2(19-96)のリン酸化により測定した。酵素反応を、HEPES 25mM、pH7.5、ジチオスレイトール2mM、NaCl 150mM、MgCl 20mM、0.001%Tween(登録商標)20、0.1%BSA及び10% DMSOを含有する緩衝液中の40μlの最終容量で、基質及びATP及び基質濃度をKm値にして、実施した。ヒトJNK2α2アッセイは、酵素1nM、ATF2 1μM、1uCi[γ−33P]ATPを含むATP 8μMを含有する。ヒトJNK1α1アッセイは、2nM酵素、ATF2 1μM、1μCi[g−33P]ATPを含むATP 6μMを含有する。ヒトJNK3(Upstate Biotech #14-501M)アッセイは、酵素2nM、ATF2 1μM、1μCi[g−33P]ATPを含むATP 4μMを含有する。酵素アッセイを、いくつかの化合物濃度の存在下又は不存在下で実施した。JNK及び化合物を、10分間プレインキュベートし、続いてATP及び基質を加えることにより酵素反応を開始した。反応混合物を、30℃で30分間インキュベートした。インキュベーションの最後に、反応混合物25μlを、EDTA 135mMを含有する10%グルタチオン セファロース(登録商標)スラリー(Amersham # 27-4574-01)150μlに移して、反応を終了した。反応生成物を、親和性樹脂上で獲得して、リン酸緩衝食塩水を用い、濾過プレート(Millipore, MABVNOB50)上で6回洗浄して、遊離放射ヌクレオチドを除去した。33PのATF2への組み込みを、マイクロプレートシンチレーションカウンター(Packard Topcount)上で定量化した。JNKに対する化合物阻害能を、3パラメーターモデルに当てはめる10個の濃度阻害曲線から生成するIC50値により測定した:%阻害=最大値/(1+(IC50/[阻害剤]傾き)。データを、パラメーター推定について、Microsoft Excel上で分析した。結果を下記表2に示す。
【0260】
【表8】

【0261】
実施例36:ラット インビボTNFα誘導IL−6産生アッセイ
Charles River Laboratoriesから入手した雌Wistar-Hanラットを、使用前に、1週間順化させ、おおよそ101〜130gの体重にした。の30分前に、経口強制投与により、ラットに試験化合物(1化合物あたりN=8)を投与し、その30分後、0.5μgの組み換えラットTNF−α(Biosource)を腹腔内に攻撃接種した。TNF−αの攻撃の90分後、心臓穿刺により、血液を採取した。リチウムヘパリン分離管(BD microtainer)を使用して血漿を調製し、分析時まで−80℃で凍結した。ラット向けのIL-6 ELISAキット(Biosource)を使用して、IL−6濃度を測定した。パーセント阻害及びED50値(TNF−α産生が対照値の50%となる化合物の投与量として計算)を測定した。結果を下記表3に示す。
【0262】
【表9】

【0263】
実施例37:ラット インビボ TNFα誘導IL−6産生アッセイ
Charles River Laboratoriesから入手した雌Wistar-Hanラットを、使用前に、1週間順化させ、おおよそ114〜132gの体重にした。皮下投与により、ラットに化合物18(1投与あたりN=8)を投与し、その30分後、0.5μgの組み換えラットTNF−α(Biosource)を腹腔内に攻撃接種した。TNF−αの攻撃の90分後、心臓穿刺により、血液を回収した。リチウムヘパリン分離管(BD microtainer)を使用して血漿を調製し、分析時まで−80℃で凍結した。ラット向けのIL-6 ELISAキット(Biosource)を使用して、IL−6濃度を測定した。パーセント阻害及びED50値(TNF−α産生が対照値の50%となる化合物の投与量として計算)を測定した。結果を下記表4に示す。
【0264】
【表10】

【0265】
実施例38:げっ歯類コラーゲン誘導関節炎
Harlan Laboratoriesから入手した7〜8週齢の雌Lewisラットを、使用前に、1週間順化させ、おおよそ120〜140gの体重にする。研究0日目に、ラットを、不完全フロイントアジュバント(IFA;2〜3部位にて合計0.1ml)中のウシ2型コラーゲン(Chondrex)100μgのエマルションを用いて、背中のいくつかの部位で、皮内(i.d.)感作させる。関節炎誘導は一般に感作から12〜14日目に認められるが、7〜10日目頃に、コラーゲン/IFA 100μgのブースター注射を、尾の基部又は背中の代替部位に行って(i.d.、合計0.1mlまで)、疾患の誘導と同期させる。化合物投与は、予防的(ブースターの時点又は1〜2日前に開始)又は治療的(ブースターの後及び1〜2の最初の疾患スコアと同時に開始、下記の臨床スコアを参照)であることができる。動物を、次の21日間にわたって、疾患の発生及び進行について評価する。
【0266】
スコアリングシステム(下記)、各足にプレシスモメーターを使用する足の体積の測定を使用して、あるいはカリパスを用いて足又は関節の厚さを測定することにより、ラットを評価する。0日目に基準測定を行い、腫大の最初の兆候の際に再び開始し、実験が終わるまで1週間につき3回まで行う。スコアリングは、各足について、以下のとおり評価する。
1=足又は1本の指の腫大及び/又は発赤。
2=2つ以上の関節の腫大。
3=2つを超える関節が関与する足の著しい腫大。
4=足及び指全体の重篤な関節炎。
【0267】
各ラットの関節炎の指標は、個々の足について4つのスコアを加え、最大スコアを16にすることによって評価する。疾患の発症と進行を連続的に測定するために、後足の足の体積についても、プレシスモメーターを使用して測定する。
【0268】
研究の終わりに、後足(及び他の組織)を、重量測定、組織学、細胞及び/又は分子分析のために摘出する。加えて、血液を心臓穿刺により採取し、リチウムヘパリン分離管(BD microtainer)を使用して血漿を調製し、分析時まで−70℃で凍結した。ラット向けのELISAキット(R&D)を使用して、血漿又は均質化した関節組織の炎症性サイトカイン濃度(例えば、TNF−α、IL−1及びIL−6)を測定した。疾患の防御又は阻害の程度は、対照動物と比較した臨床スコア、足の体積及び組織病理の変化を総合して決定される。
【0269】
本発明は、その特定の実施態様を参照して記述されているが、当業者は、本発明の真の精神と範囲から逸することなく、種々の変更を行うことができ、均等物に置き換えうることを理解すべきである。更に、特定の状況、材料、組成物、製造法、製造工程を本発明の目的の精神と範囲に適合させるために、多数の改変を加えることができる。全てのこのような改変は、本明細書に添付される特許請求の範囲内にあることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化28】


[式中、
Xは、CR11又はNであり;
Yは、−C(O)R、5員ヘテロアリール、又は5員ヘテロシクリルであり;
Zは、フェニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル又はヘテロアリールであり、かつR及びRで置換されており;
及びRは、それぞれ独立して、H、ハロ、CN、低級アルキル、又は−Y−Y−Y−Rであるか、あるいはR及びRは一緒に、−O(CHnO−(ここで、nは、1又は2である)を形成し;
は、−O−、−C(O)−、−C(O)O−、−C(O)NR−、−NRC(O)−、−S−、−SO−、又は結合であり;
は、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、低級アルキレン又は結合であり;
は、−O−、−C(O)−、−C(O)O−、−C(O)NR−、−NRC(O)−、−SO−、又は結合であり;
は、H、低級アルキル、低級アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、又は−NR10(ここで、H以外のRは、低級アルキル、ハロ、−CF、又は−OHで場合により置換されている)であり;
及びR10は、それぞれ独立して、H又は低級アルキルであり;
は、OH、低級アルキル、低級アルコキシ、(低級アルコキシ)−低級アルコキシ、又は−NR10であり;
は、低級アルキル、フェニル、ヘテロシクリル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、又はヘテロアリールであり、かつ低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ハロ、ニトロ、アミノ、シアノ、又はハロ−低級アルキルで場合により置換されており;
及びRは、それぞれ独立して、H、ハロ、シアノ、低級アルキル、−CF、低級アルコキシ、−OCHF、−NO、又は−NR10であり;
は、H、F、Cl、メチル、又はOHであり;
11は、H、低級アルキル、低級シクロアルキル、又はフェニルである]で示される化合物、又はその薬学的に許容しうる塩。
【請求項2】
Yが−C(O)Rであり、Rがメトキシである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がHである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
Zがフェニルであり、RがHである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
がHである、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
がH、F、Cl、Me、及びCFからなる群より選択される、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
XがCH又はNである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
が−Y−Y−Y−R(ここで、YはSOである)である、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
JNK媒介障害を有する被検体におけるJNK媒介障害を処置する方法であって、それを必要とする被検体に、請求項1に記載の式Iの化合物の有効量を投与することを含む方法。
【請求項10】
請求項1に記載の式Iの化合物及び薬学的に許容しうる賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項11】
JNK媒介障害、例えば関節リウマチの処置用の医薬の製造のための、請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項12】
JNK媒介障害、例えば関節リウマチの処置用の請求項1に記載の化合物を含む医薬。

【公表番号】特表2010−527341(P2010−527341A)
【公表日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−507896(P2010−507896)
【出願日】平成20年5月13日(2008.5.13)
【国際出願番号】PCT/EP2008/055807
【国際公開番号】WO2008/138920
【国際公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】