説明

MEMS系空間安全赤外線センサ装置及びガス又は蒸気の検出方法

【課題】ガス又は蒸気を含む侵入を検出するため視野(FOV)を含む空間の体積モニターする空間安全装置を提供する。
【解決手段】FOVから集められた赤外線(IR)エネルギー光線を反射するためのミラーアレイ状のミラー要素を有する微小電気機械システム(MEMS)及びMEMSアレイで反射されたIRエネルギーを検出しかつIRエネルギーを出力信号に変換するIRエネルギー検出器を備えるように構成する。プロセッサーは、制御された信号を変化させることによって又は一から他の合焦要素へ切り替えることによってMEMSミラーアレイの要素の角度を調整する。方法は、IR検出器の活性要素にIR信号を反射するようにMEMSミラーアレイを位置決めすること、及びFOVのiTH部分からIRエネルギーを集めることによって空間の体積における検出をすることを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、赤外線信号検出に基づく生物、無生物、又はガス状物質用の侵入検出システムの分野に関し、さらに詳しくは、微小電気機械システム(MEMS)ミラーアレイを組み込んだ空間安全赤外線信号侵入検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
受動赤外線(IR)センサは、視野(FOV)内を動く侵入者を、侵入者によって引き起こされた温度勾配を測定することによって検出する。このセンサのFOVは、固定されるとともにレンズ又はミラーシステムの光学的性質によって決定される。このFOVは、静電的活性及び不活性ゾーンに細分化され、活性から不活性ゾーンへの侵入者の動きがアラームとして検出される。それぞれの活性ゾーンからのIRエネルギーがIR検出器上に合焦し、IR検出器は、どの活性ゾーンがエネルギーを集めているかを決定することはできない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この構成の問題は、ゾーン内のIRエネルギーの他の源がアラーム信号として同様に検出されることである。例としては、検出器のゾーン内で、周期的にオン・オフする空間ヒーター又は微風で動く日に照らされた日除けを挙げることができる。ノイズの他の源としては、ペット、例えば、小型犬を挙げることができる。また、不活性ゾーンは、侵入者が検出されないで横切ることができる通路を提供する。このような問題を解決するために他者によって以下の試みがなされた。1つの製品はゾーン内の繰り返しの動きを検出するとともにこの信号を無視するように検出器の感度を減じるアルゴリズムを有する。これは同様に侵入者に対するセンサの感度を減じることにもなる。他のアプローチは保護空間をモニターするCCDカメラを用いるとともに動きを検出するためにビデオ処理アルゴリズムを採用する。このアプローチの問題は動きを検出するためには保護空間は光を照射される必要があることである。他のアプローチは不活性ゾーンを最小化するために第2のレンズシステムを用いるが、このアプローチは他の欠点からなお免れることはできない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述の及び他の課題を処理するため、本発明は、視野を含む空間の体積をモニターする空間安全装置に係り、この装置は、空間の体積内の侵入者を検出するための空間安全装置であり、FOVから集められた赤外線(IR)エネルギー光線を反射するためのミラーアレイ状にミラー要素を有する微小電気機械システム(MEMS)を備え、また、MEMSミラーアレイによって反射されたIRエネルギーを検出するとともにIRエネルギーを出力信号に変換するIRエネルギー検出器を備える。本発明は、また、多軸MEMSミラーアレイによって侵入者からの保護空間又は体積のFOV内のIRゾーンを動かす方法に係る。このIRゾーンの動きは、保護空間又は体積のIR形跡を効率的にスキャンする。侵入は空間の体積内の生物又は無生物、例えば、ロボット的な乗り物又はガス又は蒸気、の存在によって引き起こされる結果として認識される。
【0005】
本発明の特別な態様において、本発明の第1の実施の形態は、空間の体積における侵入者を検出する空間安全装置に係り、この装置は、空間の体積から集められた赤外線(IR)エネルギー光線を合焦するための合焦要素と、空間の体積から集められた赤外線(IR)エネルギー光線にフィルタをかけるフィルタ要素と、IRエネルギーを反射するためのミラーアレイにおけるミラー要素を有する微小電気機械システム(MEMS)と、前記MEMSミラーアレイによって反射されたIRエネルギーを検出するとともにIRエネルギーを出力信号に変換するIRエネルギー検出器と、出力信号を増幅する増幅器と、出力信号をアナログからデジタルに変換するアナログ−デジタル変換器と、出力信号、出力信号を保管するメモリーストレージを処理するプロセッサーと、前記MEMSミラーアレイの少なくとも1つの要素の角度を調整するコントローラーと、IRエネルギー光線の振幅における変化に対応して出力信号の振幅における変化に由来する侵入者の検出を知らせるアラームとを備えている。出力信号は、電圧、磁気圧力、光圧、音圧、空圧、及び水圧のうちの1つであることができる。コントローラーは、前記MEMSミラーアレイの前記少なくとも1つの要素に対する制御信号を変化させることによって角度を調整することができる。制御信号は、電圧、磁気圧力、光圧、音圧、空圧、及び水圧のうちの1つであることができる。コントローラーは、FOV及びIRレファレンスの間で前記MEMSミラーアレイを切り替えることでレファレンス信号を得ることができる。前記MEMSミラーアレイに対する電気的制御信号を変化させることは、前記MEMSミラーアレイの少なくとも1つのミラー要素を動かすことができ、この動きは熱膨張及び静電気力の少なくとも1つによるものである。コントローラーは、FOVをノン−チョッピングモードで、増分重複ステップで又は離散有限ステップのいずれかで横切らせることによって、前記MEMSミラーアレイがIR検出装置のFOVを横切るように作動させることができる。
【0006】
コントローラーは、FOVをチョッピングモードで、増分重複ステップで又は離散有限ステップのいずれかで横切らせることによって、前記MEMSミラーアレイがIR検出装置のFOVを横切るように作動させることができる。この空間安全装置は、前記空間安全装置の改竄及び劣化のうちの少なくとも1つを検出するためのレファレンス値を提供するIR源をさらに備えることができる。MEMSミラーアレイは、カーブミラーの有限要素表示をシミュレートするためにそれぞれ回転が可能なミラー要素から構成されることができ、又はミラー要素はフラットミラーの有限要素表示をシミュレートするために形成されることができる。
【0007】
第1の実施の形態の検出器アセンブリーは、前記フィルタ要素と、セラミック基板上に配置される前記MEMSミラーアレイと、前記MEMSアレイによって反射されたIRエネルギーを検出するために配置される前記IRエネルギー検出器と、を備えることができる。この検出器アセンブリーは、少なくとも前記フィルタ要素を囲む検出器アセンブリー筐体と、セラミック基板上に配置される前記MEMSミラーアレイと、前記MEMSアレイによって反射されたIRエネルギーを検出するために配置される前記IRエネルギー検出器と、前記検出器アセンブリー筐体に合体する検出器アセンブリー筐体ベースとをさらに備えることができる。検出器アセンブリー筐体ベースは、プリント基板に合体する少なくとも4本のピンをさらに備えることができ、前記ピンの少なくとも1本は電力を受け、前記ピンの1本はグランドであり、前記ピンの1本は信号を送信し、及び前記ピンの1本はMEMS制御信号を提供する。検出器アセンブリーは、プリント基板に合体される。プリント基板は、前記増幅器と、前記アナログ−デジタル変換器と、前記プロセッサーと、前記メモリーストレージと、前記MEMSミラーアレイの少なくとも1つのミラー要素の角度を調整する前記コントローラーと、侵入の検出を知らせるアラームと、を備えることができる。プリント基板及び前記検出器アセンブリーは、囲い筐体内に配置されるとともに前記囲い筐体に合体する囲いベース上に配置され、前記検出器アセンブリー内の前記MEMSミラーアレイが前記囲い筐体内のウインドーを介して前記IRエネルギーを受信することができる。ウインドーは、IRエネルギーを合焦させる合焦要素から構成される。検出器アセンブリーは、前記検出器アセンブリー内の前記MEMSミラーアレイが前記プリント基板に平行となり、かつ前記プリント基板が前記囲いベースに対して10°の角度で配置されるように、前記プリント基板上に配置される。囲い筐体は、前記ウインドーの近傍に配置されるIR源をさらに備え、前記MEMSミラーアレイが前記IRエネルギーを前記IR源から受けるとともに前記IR検出器要素に反射することができ、IR源は、前記空間安全装置の改竄及び劣化のうちの少なくとも1つを検出するためのレファレンス値を提供する。
【0008】
本発明の他の態様において、本発明の第2の実施の形態は、空間の体積における侵入者を検出する空間安全装置に係り、この装置は、空間の体積内から集められた赤外線(IR)エネルギーを合焦させる複数の合焦要素と、空間の体積内から集められたIRエネルギーにフィルタをかけるフィルタ要素と、IRエネルギーを反射する微小電気機械システム(MEMS)ミラーアレイと、前記MEMSアレイで反射された前記IRエネルギーを検出し、かつ前記IRエネルギーを出力信号に変換するIRエネルギー検出器と、出力信号を増幅する増幅器と、出力信号をアナログからデジタルに変換するアナログ−デジタル変換器と、出力信号を処理するプロセッサーと、出力信号を保存するメモリーストレージと、複数の合焦要素の一から他に切り替えることで前記MEMSアレイを調整するコントローラーと、IRエネルギー光線の振幅の変化に対応した出力信号の振幅における変化から、侵入の検出を知らせるアラームと、を備える。出力信号は、電圧、磁気圧力、光圧、音圧、空圧、及び水圧のうちの1つであることができる。コントローラーは、FOV及びIRレファレンスの間で前記MEMSミラーアレイを切り替えることでレファレンス信号を得ることを可能にする。複数の合焦要素は、(a)レンズ要素及び(b)ミラー合焦要素の少なくとも1つであることができる。コントローラーは、MEMSミラーアレイを、前記複数の合焦要素の一から他へ切り替えることによって、増分重複ステップで又は離散有限ステップのいずれかでFOVを横切らせることによって、調整することができる。
【0009】
コントローラーは、MEMSミラーアレイを、チョッピングモードで、増分重複ステップで又は離散有限ステップのいずれかでFOVを横切ることで、前記IR検出器のFOVを横切るように作動させることができる。空間安全装置は、前記空間安全装置の改竄及び劣化のうちの少なくとも1つを検出するためのレファレンス値を提供するIR源をさらに備えることができる。MEMSミラーアレイは、カーブミラーの有限要素表示をシミュレートするためにそれぞれ回転が可能なミラー要素から構成されることができ、又はミラー要素はフラットミラーの有限要素表示をシミュレートするために形成されることができる。
【0010】
第2の実施の形態の検出器アセンブリーは、前記フィルタ要素と、前記複数の合焦要素と、セラミック基板上に配置されるMEMSミラーアレイと、前記MEMSアレイによって反射された受動IR光線を検出するために配置されるぜIRエネルギー光線検出器と、を備えることができる。この検出器アセンブリーは、少なくとも前記複数の合焦要素を囲む検出器アセンブリー筐体と、前記フィルタ要素と、セラミック基板上に配置される前記MEMSミラーアレイと、前記MEMSアレイによって反射されたIRエネルギーを検出するために配置される前記IRエネルギー検出器と、前記検出器アセンブリー筐体に合体する検出器アセンブリー筐体ベースとをさらに備えることができる。検出器アセンブリー筐体ベースは、プリント基板に合体する少なくとも4本のピンをさらに備えることができ、前記ピンの少なくとも1本は電力を受け、前記ピンの1本はグランドであり、前記ピンの1本は信号を送信し、及び前記ピンの1本はMEMS制御信号を提供する。検出器アセンブリーは、プリント基板に合体される。プリント基板は、前記増幅器と、前記アナログ−デジタル変換器と、前記プロセッサーと、前記メモリーストレージと、前記MEMSミラーアレイを調整する前記コントローラーと、侵入の検出を知らせる前記アラームと、を備えることができる。プリント基板及び前記検出器アセンブリーは、囲い筐体内に配置されるとともに前記囲い筐体に合体する囲いベース上に配置され、前記検出器アセンブリー内の前記MEMSミラーアレイが前記囲い筐体内のウインドーを介して前記IRエネルギー光線を受信することができる。ウインドーは、IRエネルギーを合焦させる合焦要素から構成される。検出器アセンブリーは、前記検出器アセンブリー内の前記MEMSミラーアレイが前記プリント基板に平行となり、かつ前記プリント基板が前記囲いベースに対しておよそ10°の角度で配置されるように、前記プリント基板上に配置される。囲い筐体は、前記ウインドーの近傍に配置されるIR源をさらに備え、前記MEMSミラーアレイが前記IRエネルギーを前記IR源から受けるとともに前記IR検出器要素に反射することができ、IR源は、前記空間安全装置の改竄及び劣化のうちの少なくとも1つを検出するためのレファレンス値を提供する。
【0011】
本発明のさらに他の態様において、本発明の第3の実施の形態は、空間の体積における侵入者を検出する空間安全装置に係り、ここで、この空間安全装置はFOVを含む空間の体積内の侵入を検出するためのものであり、侵入はFOVを含む空間の体積におけるガス又は蒸気であり、FOVは、IRエネルギー光線を発光する赤外線(IR)エネルギーレファレンス源と、検出されるべきポテンシャルガス又は蒸気の試料を提供し、かつ前記IRエネルギー光線がそれを経由して通過する前記空間の体積からの空気路と、前記IRエネルギーレファレンス源で発光された前記IRエネルギー光線を平行化するための、前記IRエネルギーレファレンス源及び前記空気路の間の平行化レンズと、前記空気路からの前記平行化されたIRエネルギー光線を合焦させるための合焦要素と、を有し、この空間安全装置は、さらに、前記平行化されたIRエネルギー光線にフィルタをかけるための狭帯域バンドパスフィルタ要素(前記IRエネルギー光線は前記狭帯域バンドパスフィルタ要素を通過する前に前記空気路を通過する)と、前記狭帯域バンドパスフィルタ要素からの前記狭帯域IRエネルギー光線を反射するための微小電気機械システム(MEMS)ミラーアレイと、前記MEMSアレイで反射された前記狭帯域IRエネルギー光線の変化を検出し、かつ前記狭帯域IRエネルギー光線を出力信号に変換するためのIRエネルギー検出器と、前記狭帯域検出器からの前記出力信号を増幅するための増幅器と、前記狭帯域検出器からの前記出力信号をアナログからデジタルに変換するためのアナログ−デジタル変換器と、前記狭帯域検出器からの前記出力信号を処理するためのプロセッサーと、前記狭帯域検出器からの前記出力信号を保存するためのメモリーストレージと、前記平行化されたIRエネルギー光線にフィルタをかけるための広帯域バンドパスフィルタ要素(前記IRエネルギー光線は前記広帯域バンドパスフィルタ要素を通過する前に前記空気路を通過する)と、前記広帯域バンドパスフィルタ要素からの前記広帯域IRエネルギー光線を反射するための微小電気機械システム(MEMS)ミラーアレイと、前記MEMSアレイで反射された前記広帯域IRエネルギー光線を検出し、かつ前記広帯域IRエネルギー光線を出力信号に変換するためのIRエネルギー検出器と、前記広帯域検出器からの前記出力信号を増幅するための増幅器と、前記広帯域検出器からの前記出力信号をアナログからデジタルに変換するためのアナログ−デジタル変換器と、前記広帯域検出器からの前記出力信号を処理するためのプロセッサーと、前記広帯域検出器からの前記出力信号を保存するためのメモリーストレージと、前記IR源及びこのIRレファレンスの間で前記MEMSミラーアレイを切り替えることでレファレンス信号が得られることを可能にするIRレファレンスと、前記MEMSミラーアレイの少なくとも1つのミラー要素の角度を調整するコントローラーと、前記狭帯域検出器から受けたIRエネルギー光線の比率の変化に対応した出力信号における変化に応答して、ガス又は蒸気の検出を知らせるアラームと、を備える。出力信号は、電圧、磁気圧力、光圧、音圧、空圧、及び水圧のうちの1つであることができる。コントローラーは、前記MEMSミラーアレイの前記少なくとも1つの要素に対する制御信号を変化させることによって角度を調整することができる。前記MEMSミラーアレイに対する制御信号を変化させることは、前記MEMSミラーアレイの少なくとも1つのミラー要素を動かすことができ、電気的制御信号を変化させることは、熱膨張及び静電気力の少なくとも1つによって動きを引き起こす。コントローラーは、FOVをノン−チョッピングモードで、増分重複ステップで又は離散有限ステップのいずれかで横切らせることによって、前記MEMSミラーアレイがIR検出装置のFOVを横切るように作動させることができる。コントローラーは、前記MEMSミラーアレイがIR検出装置のFOVを横切るように作動させることができ、FOVをチョッピングモードで横切ることは、FOVを増分重複ステップで又は離散有限ステップのいずれかで横切ることによって達成される。ガス又は蒸気を検出するための空間安全装置は、前記空間安全装置の改竄及び劣化のうちの少なくとも1つを検出するためのレファレンス値を提供するIR源をさらに備えることができる。MEMSミラーアレイは、カーブミラーの有限要素表示をシミュレートするためにそれぞれ回転が可能なミラー要素から、又はフラットミラーの有限要素表示をシミュレートするために形成されたミラー要素から構成されることができる。
【0012】
第3の実施の形態の検出器アセンブリーは、前記狭帯域フィルタ要素及び前記広帯域フィルタ要素の少なくとも1つと、セラミック基板上に配置される前記狭帯域及び前記広帯域MEMSミラーアレイの少なくとも1つと、前記MEMSアレイによって反射された前記IRエネルギー光線を検出するために配置される前記IRエネルギー光線検出器と、を備えることができる。検出器アセンブリーは、前記狭帯域IRフィルタ要素及び前記広帯域IRフィルタ要素の少なくとも1つを囲む検出器アセンブリー筐体と、セラミック基板上に配置される前記狭帯域及び前記広帯域MEMSミラーアレイの少なくとも1つと、前記MEMSアレイによって反射された前記IRエネルギー光線を検出するために配置される前記狭帯域IRエネルギー光線検出器及び前記広帯域IRエネルギー光線検出器の少なくとも1つと、前記検出器アセンブリー筐体に合体する検出器アセンブリー筐体ベースと、をさらに備えることができる。この検出器アセンブリーは、前記狭帯域IRエネルギー光線検出器及び前記広帯域IRエネルギー光線検出器の両方を備えることができ、かつ仕切りが、前記狭帯域IRエネルギー光線検出器を前記広帯域IRエネルギー光線検出器から分離することができ、あるいはこの検出器アセンブリーは、前記狭帯域MEMSミラーアレイ及び前記広帯域MEMSミラーアレイの両方を備えることができ、かつ仕切りが、前記狭帯域MEMSミラーアレイを前記広帯域MEMSミラーアレイから分離することができる。検出器アセンブリー筐体ベースは、プリント基板に合体する少なくとも5本のピンをさらに備えることができ、前記ピンの1本は電力を受け、前記ピンの1本はグランドであり、前記ピンの1本は前記狭帯域IR検出器からの信号を送信し、前記ピンの1本は前記広帯域IR検出器からの信号を送信し、及び前記ピンの1本はMEMS制御信号を提供する。前記検出器アセンブリーは、プリント基板に合体されることができ、プリント基板は、少なくとも1つの前記増幅器と、少なくとも1つの前記アナログ−デジタル変換器と、前記プロセッサーと、前記メモリーストレージと、前記コントローラーと、狭帯域及び広帯域検出器からの出力信号の比率の変化に応答してガス又は蒸気の検出を知らせるアラームと、を備えることができる。プリント基板及び前記検出器アセンブリーは、囲い筐体内に配置されるとともに前記囲い筐体に合体する囲いベース上に配置され、前記検出器アセンブリー内の前記少なくとも1つのMEMSミラーアレイが前記囲い筐体内のウインドーを介して前記IRエネルギー光線を受信することができる。検出器アセンブリーは、前記検出器アセンブリー内の前記少なくとも1つのMEMSミラーアレイが前記プリント基板に平行となり、かつ前記プリント基板が前記囲いベースに対しておよそ30°〜45°の角度で配置されるように、前記プリント基板上に配置される。ウインドーは、前記IRエネルギー光線を合焦させる合焦要素から構成される。囲い筐体は、前記ウインドーの近傍に配置されるIR源をさらに備え、前記MEMSミラーアレイが前記IRエネルギーを前記IR源から受けるとともに前記IR検出器要素に反射することができる。IR源は、前記空間安全装置の改竄及び劣化のうちの少なくとも1つを検出するためのレファレンス値を提供することができる。狭帯域フィルタでフィルタをかけられた出力信号は複数のピーク値を有することができる。狭帯域検出器の広帯域検出器に対する比率が1未満である場合は、空気路内にガス又は蒸気が存在することを示す。その比率が単位に接近している場合は、IR源の出力電力の変化又は周囲の照明の変化を示す。
【0013】
本発明のさらに他の態様において、本発明の第4の実施の形態は、FOVを含む空間の体積内の侵入を検出するための空間安全装置に係り、ここで、侵入はFOVを含む空間の体積におけるガス又は蒸気であり、FOVは、IRエネルギー光線を発光する赤外線(IR)エネルギーレファレンス源と、検出されるべきポテンシャルガス又は蒸気の試料を提供し、かつIRエネルギー光線がそれを経由して通過する空間の体積からの空気路と、前記IRエネルギーレファレンス源で発光されたIRエネルギー光線を平行化するための、前記IRエネルギー源及び前記空気路の間の平行化レンズと、前記空気路からの前記平行化されたIRエネルギー光線を合焦させるための合焦要素と、を有し、この空間安全装置は、さらに、平行化されたIRエネルギー光線にフィルタをかけるための狭帯域バンドパスフィルタ要素(前記IRエネルギー光線は前記狭帯域バンドパスフィルタ要素を通過する前に前記空気路を通過する)と、前記狭帯域バンドパスフィルタからの狭帯域IRエネルギー光線を反射するための微小電気機械システム(MEMS)ミラーアレイと、前記MEMSアレイで反射された前記狭帯域IRエネルギー光線の減少を検出し、かつ前記狭帯域IRエネルギー光線を出力信号に変換するためのIRエネルギー検出器と、前記狭帯域検出器からの前記出力信号を増幅するための増幅器と、前記狭帯域検出器からの前記出力信号をアナログからデジタルに変換するためのアナログ−デジタル変換器と、前記狭帯域検出器からの前記出力信号を処理するためのプロセッサーと、前記狭帯域検出器からの前記出力信号を保存するためのメモリーストレージと、前記平行化されたIRエネルギー光線にフィルタをかけるための広帯域バンドパスフィルタ要素(前記IRエネルギー光線は前記広帯域バンドパスフィルタ要素を通過する前に前記空気路を通過する)と、前記広帯域バンドパスフィルタ要素からの前記広帯域IRエネルギー光線を反射するための微小電気機械システム(MEMS)ミラーアレイと、前記MEMSアレイで反射された前記広帯域IRエネルギー光線を検出し、かつ広帯域IRエネルギー光線を出力信号に変換するためのIRエネルギー検出器と、前記広帯域検出器からの前記出力信号を増幅するための増幅器と、前記広帯域検出器からの前記出力信号をアナログからデジタルに変換するためのアナログ−デジタル変換器と、前記広帯域検出器からの前記出力信号を処理するためのプロセッサーと、前記広帯域検出器からの前記出力信号を保存するためのメモリーストレージと、前記IR源及びこのIRレファレンスの間で前記MEMSミラーアレイを切り替えることでレファレンス信号が得られることを可能にするIRレファレンスと、前記IR源及び前記IRレファレンスの間を交互に切り替えるチョッピングモードで合焦要素間を切り替えることによって前記MEMSミラーアレイを調整するコントローラーと、前記狭帯域検出器から受けたIRエネルギー光線の比率の変化に対応した出力信号における変化に応答して、ガス又は蒸気の検出を知らせるアラームと、を備える。出力信号は、電圧、磁気圧力、光圧、音圧、空圧、及び水圧のうちの1つであることができる。合焦要素は、(a)レンズ要素及び(b)ミラー合焦要素の少なくとも1つであることができる。コントローラーは、前記MEMSミラーアレイが合焦要素の間をチョッピングモードで、増分重複ステップで又は離散有限ステップで切り替わるように作動させることができる。ガス又は蒸気を検出する空間安全装置は、前記空間安全装置の改竄及び劣化のうちの少なくとも1つを検出するためのレファレンス値を提供するIR源をさらに備えることができる。MEMSミラーアレイは、カーブミラーの有限要素表示をシミュレートするためにそれぞれ回転が可能なミラー要素から、又はフラットミラーの有限要素表示をシミュレートするために形成されたミラー要素から構成されることができる。
【0014】
第4の実施の形態の検出器アセンブリーは、前記狭帯域フィルタ要素及び前記広帯域フィルタ要素の少なくとも1つと、セラミック基板上に配置される前記狭帯域及び前記広帯域MEMSミラーアレイの少なくとも1つと、前記MEMSアレイによって反射された前記IRエネルギー光線を検出するために配置される前記IRエネルギー光線検出器と、を備えることができる。検出器アセンブリーは、前記狭帯域IRフィルタ要素及び前記広帯域IRフィルタ要素の少なくとも1つを囲む検出器アセンブリー筐体と、セラミック基板上に配置される前記狭帯域及び前記広帯域MEMSミラーアレイの少なくとも1つと、前記MEMSアレイによって反射された前記IRエネルギー光線を検出するために配置される前記狭帯域IRエネルギー光線検出器及び前記広帯域IRエネルギー光線検出器の少なくとも1つと、前記検出器アセンブリー筐体に合体する検出器アセンブリー筐体ベースと、をさらに備えることができる。この検出器アセンブリーは、前記狭帯域及び前記広帯域IRエネルギー光線検出器の両方を備えることができ、かつ仕切りが、前記狭帯域IRエネルギー光線検出器を前記広帯域IRエネルギー光線検出器から分離することができ、あるいはこの検出器アセンブリーは、前記狭帯域及び前記広帯域MEMSミラーアレイの両方を備えることができ、かつ仕切りが、前記狭帯域MEMSミラーアレイを前記広帯域MEMSミラーアレイから分離することができ、あるいはこの検出器アセンブリーは、前記狭帯域及び前記広帯域フィルタ要素の両方を備えることができ、かつ仕切りが、前記狭帯域フィルタ要素を前記広帯域フィルタ要素から分離することができる。検出器アセンブリー筐体ベースは、プリント基板に合体する少なくとも5本のピンをさらに備えることができ、前記ピンの1本は電力を受け、前記ピンの1本はグランドであり、前記ピンの1本は前記狭帯域IR検出器からの信号を送信し、前記ピンの1本は前記広帯域IR検出器からの信号を送信する。前記検出器アセンブリーは、プリント基板に合体されることができ、プリント基板は、少なくとも1つの前記増幅器と、少なくとも1つの前記アナログ−デジタル変換器と、前記プロセッサーと、前記メモリーストレージと、前記コントローラーと、出力信号に応答して侵入の検出を知らせるアラームと、を備えることができる。プリント基板及び前記検出器アセンブリーは、囲い筐体内に配置されるとともに前記囲い筐体に合体する囲いベース上に配置され、前記検出器アセンブリー内の前記少なくとも1つのMEMSミラーアレイが前記囲い筐体内のウインドーを介して前記IRエネルギー光線を受信することができる。検出器アセンブリーは、前記検出器アセンブリー内の前記少なくとも1つのMEMSミラーアレイが前記プリント基板に平行となり、かつ前記プリント基板が前記囲いベースに対しておよそ30°〜45°の角度で配置されるように、前記プリント基板上に配置される。ウインドーは、前記IRエネルギー光線を合焦させる合焦要素から構成される。囲い筐体は、前記ウインドーの近傍に配置されるIR源をさらに備え、前記MEMSミラーアレイが前記IRエネルギーを前記IR源から受けるとともに前記IR検出器要素に反射することができる。IR源は、前記空間安全装置の改竄及び劣化のうちの少なくとも1つを検出するためのレファレンス値を提供することができる。
【0015】
第3の及び第4の実施の形態の両方において、プロセッサーは、所定時間、前記狭帯域IR検出器の前記出力信号の瞬時ピーク値の前記広帯域IR検出器の前記出力信号の瞬時ピーク値に対する比率を算出する。プロセッサーは、また、所定時間、前記狭帯域IR検出器の前記出力信号の瞬時ピーク値の平均の前記広帯域IR検出器の前記出力信号の瞬時ピーク値の平均に対する比率を算出する。プロセッサーは、さらにまた、所定時間、前記狭帯域IR検出器の前記出力信号の瞬時ピーク値の前記広帯域IR検出器の前記出力信号の瞬時ピーク値に対する比率を平均化する。全ての場合、所定時間、1より著しく小さい値を有する前記ピーク値の比率の発生は、前記空気路内のガス又は蒸気の存在を示し、また、所定時間、1に接近した値を有する前記ピーク値の比率の発生は、前記狭帯域及び広帯域IR検出器の自己較正を可能とする、IR出力及び周辺光の少なくとも1つのシフトを示す。算出された比率の大きさは、存在するガス又は蒸気の濃度に比例する。信号ドロップの比率の大きさは存在するガスのパーセンテージを示す。
【0016】
視野(FOV)を含む空間の体積内への侵入を検出する方法において、この方法は、a)FOVに対応するIR検出器の活性要素に対し赤外線(IR)エネルギー光線を反射するためのミラー要素の行及び列からなる微小電気機械システム(MEMS)ミラーアレイを位置決めするステップと、b)所定のスキャン比率でFOVのiTH部分からのIRエネルギーを集めるステップを含む。ステップ(b)の所定のスキャン比率でFOVのiTH部分からのIRエネルギーを集めるステップは、(b’1)IRエネルギー光線を合焦させるステップと、(b’2)IRエネルギー光線をフィルタにかけるステップと、(b’3)IRエネルギー光線をMEMSミラーアレイによって検出器に反射させるステップと、(b,4)検出器によってIRエネルギー光線を検出するステップと、(b,5)IRエネルギー光線を出力信号に変換するステップと、(b’6)出力信号を増幅するステップと、(b’7)出力信号をアナログからデジタルに変換ステップと、(b’8)出力信号を、検出を知らせる前にプロセッサーによって処理するステップと、を含むことができる。出力信号は、電圧、磁気圧力、光圧、音圧、空圧、及び水圧のうちの1つであることができる。この方法は、ステップ(b’9)のMEMSミラーアレイがスキャンニングによって全てのFOVに対応する全てのミラーアレイ要素を測定するように制御するステップ、をさらに含むことができる。この侵入を検出する方法は、(c)全てのミラーアレイ要素が測定されたか否かを決定するステップと、d1)ノーの場合、ステップ(b)を繰り返すステップと、d2)イエスの場合、ミラーアレイ要素のスキャンを保存するステップと、e)スキャンの結果を処理するステップと、f)IRエネルギー光線レベルの変化を検出することによってスキャンの結果に基づいて侵入が検出されたか否かを決定するステップと、g1)イエスの場合、アラームを知らせるステップと、g2)タブン(メイビー)の場合、ステップ(b)の侵入が検出されると思われる限定された空間の体積を再スキャンすることでFOVのiTH部分からのIRエネルギーを集めるステップに戻るステップと、g3)ノーの場合、ステップ(b)に戻るステップとをさらに含むことができる。ステップ(b)のFOVのiTH部分からのIRエネルギーを集めるステップは、ステップ(b1’)のMEMSミラーアレイがFOVを横切るように作動させるステップ、及びステップ(b1”)のMEMSミラーアレイが合焦要素の一から他へ切り替わるように調整するように信号コントローラーに命令するステップ、の少なくとも1つのステップを含むことができる。ステップ(b1’)のMEMSミラーアレイがFOVを横切るように作動させるステップ、及びステップ(b1”)のMEMSミラーアレイが合焦要素の一から他へ切り替わるように調整するように信号コントローラーに命令するステップ、の少なくとも1つのステップは、ステップ(b2)のFOVをノン−チョッピングモードで横切るステップ、及びステップ(b3)のFOVをチョッピングモードで横切るステップの少なくとも1つのステップを含むことができる。ステップ(b2)のFOVをノン−チョッピングモードで横切るステップは、ステップ(b2’)の増分重複ステップでFOVを横切るステップ、及びステップ(b2”)の離散有限ステップでFOVを横切るステップの少なくとも1つのステップを含むことができる。ステップ(b3)のFOVをチョッピングモードで横切るステップは、ステップ(b3’)の増分重複ステップでFOVを横切るステップ、及びステップ(b3”)の離散有限ステップでFOVを横切るステップの少なくとも1つのステップを含むことができる。ステップ(b)のFOVのiTH部分からのIRエネルギーを集めるステップは、ステップ(b4)の前記MEMSミラーアレイの少なくとも1つのミラー要素の角度を調整するステップを含むことができ、ステップ(b4)の角度を調整するステップは、ステップ(b5)のMEMSミラーアレイの前記少なくとも1つの要素に対する制御信号を変化させるステップを含む。制御信号は、電圧、磁気圧力、光圧、音圧、空圧、及び水圧のうちの1つであることができる。ステップ(b5)の前記MEMSミラーアレイの少なくとも1つの要素に対する制御信号を変化させるステップは、前記MEMSミラーアレイの少なくとも1つのミラー要素の動きを起こさせることができ、ステップ(b5)の制御信号を変化させるステップは、熱膨張及び静電気力の少なくとも1つによって動きを引き起こすことができる。合焦要素は、(a)レンズ要素、及び(b)ミラー合焦要素のうちの少なくとも1つから構成される。ステップ(g2)の侵入が検出されると思われる限定された空間の体積を再スキャンするステップは、ステップ(g2’)の所定のスキャン比率で再スキャンするステップ、及びステップ(g2”)の異なるスキャン比率で再スキャンするステップ、のうちの少なくとも1つのステップを含むことができる。ステップ(b2)のFOVをノン−チョッピングモードで横切るステップは、ピーク値を有する出力信号を生み出すことができ、そのピーク値のシフトはFOV内の熱源の動きを示す。ステップ(b3)のFOVをチョッピングモードで横切るステップは、複数のピーク値を有する出力信号を生み出すことができ、複数のピーク値の少なくとも1つの振幅のシフトはFOV内の熱源の動きを示す。
【0017】
FOVを含む空間の体積内への侵入を検出する方法において、前記侵入はFOV内を含む空間の体積内のガス又は蒸気であり、この方法は、ステップ(a)のIR検出器の活性要素に対し平行化された赤外線(IR)エネルギー光線を反射するための微小電気機械システム(MEMS)ミラーアレイ、狭IR帯域バンドパスフィルタによってフィルタをかけられ平行化された光線の一部、広IR帯域バンドパスフィルタによってフィルタをかけられ平行化された光線の一部、前記MEMSミラーアレイに対し前記空気路の末端に配置されるIRエネルギー源を位置決めするステップと、ステップ(b)の前記狭IR帯域バンドパスフィルタ及び狭IR帯域検出器を介して前記空気路の末端における前記IR熱源のIRエネルギーを所定のスキャンレートで測定するステップと、ステップ(c)の前記狭IR帯域バンドパスフィルタ及び狭IR帯域検出器を介して前記MEMSミラーアレイにおける既知のレファレンス温度のポイントの温度を所定のスキャンレートで測定するステップと、ステップ(d)の前記広IR帯域バンドパスフィルタ及び広IR帯域検出器を介して前記空気路の末端における前記IR熱源のIRエネルギーを所定のスキャンレートで測定するステップと、ステップ(e)の前記広IR帯域バンドパスフィルタ及び広IR帯域検出器を介して前記MEMSミラーアレイにおける既知のレファレンス温度のポイントの温度を所定のスキャンレートで測定するステップと、ステップ(f)の前記広帯域フィルタを有する検出器によって受信されたIRエネルギー光線を測定するステップと、を含む。ステップ(c)の前記狭IR帯域バンドパスフィルタ及び狭IR帯域検出器を介して前記MEMSミラーアレイにおける既知のレファレンス温度のポイントの温度を所定のスキャンレートで測定するステップ、及びステップ(d)の前記広IR帯域バンドパスフィルタ及び広IR帯域検出器を介して前記空気路における前記IR熱源のIRエネルギーを所定のスキャンレートで測定するステップは、それぞれ、ステップ(b1)
の前記IRエネルギー光線を合焦させるステップと、ステップ(b2)のIRエネルギー光線をフィルタにかけるステップと、ステップ(b3)のIRエネルギー光線を前記MEMSミラーアレイによって検出器に反射させるステップと、ステップ(b4)の検出器によって前記IRエネルギー光線を検出するステップと、ステップ(b5)のIRエネルギー光線を出力信号に変換するステップと、ステップ(b6)の出力信号を増幅するステップと、ステップ(b7)の出力信号をアナログからデジタルに変換ステップと、ステップ(b8)の出力信号を、検出を知らせる前にプロセッサーによって処理するステップと、を含むことができる。出力信号は、電圧、磁気圧力、光圧、音圧、空圧、及び水圧のうちの1つであることができる。この方法は、ステップ(b9)の前記MEMSミラーアレイがスキャンニングによって全てのミラーアレイ要素を測定するように制御するステップ、をさらに含むことができる。この方法は、ステップ(g)の全てのミラーアレイ要素が測定されたか否かを決定するステップと、ステップ(h1)のノーの場合、ステップ(b)〜(f)を繰り返すステップと、ステップ(h2)のイエスの場合、前記視野のスキャンを保存するステップと、ステップ(i)のスキャンの結果を処理するステップと、ステップ(j)の狭帯域フィルタを有する検出器によって受信された前記IRエネルギー光線の広帯域フィルタを有する検出器によって受信された前記IRエネルギー光線に対する比率の変化を所定時間検出することによって、スキャンの結果に基づきガス又は蒸気が検出されたか否かを決定するステップと、ステップ(k1)のイエスの場合、アラームを知らせるステップと、ステップ(k2)のタブン(メイビー)の場合、ステップ(b)〜ステップ(f)のガス又は蒸気が検出されると思われる空気路を再スキャンすることで温度を測定するステップに戻るステップと、ステップ(k3)のノーの場合、ステップ(b)〜(f)に戻るステップと、をさらに含むことができる。ステップ(j)は、ステップ(j’)の所定時間、前記狭帯域IR検出器の前記出力信号の瞬時ピーク値の前記広帯域IR検出器の前記出力信号の瞬時ピーク値に対する比率を算出することによって行われることができる。ステップ(j)は、ステップ(j”)の所定時間、前記狭帯域IR検出器の前記出力信号の瞬時ピーク値の平均の前記広帯域IR検出器の前記出力信号の瞬時ピーク値の平均に対する比率を算出するステップによって行われることができる。ステップ(j)は、ステップ(j”’)の所定時間、前記狭帯域IR検出器の前記出力信号の瞬時ピーク値の前記広帯域IR検出器の前記出力信号の瞬時ピーク値に対する比率を平均化するステップによって行われることができる。全ての場合、所定時間、1より著しく小さい値を有する前記ピーク値の比率の発生は、前記空気路内のガス又は蒸気の濃度を示し、また、所定時間、1に接近した値を有する前記ピーク値の比率は、前記狭帯域及び広帯域IR検出器の自己較正を可能とする、IR出力及び周辺光の少なくとも1つのシフトを示す。算出された比率の大きさは、存在するガス又は蒸気の濃度に比例する。ステップ(b)〜(f)の前記IRエネルギー及び温度を測定するステップは、ステップ(b1’)の前記MEMSミラーアレイの少なくとも1つのミラーの角度を調整するように信号コントローラーに命令するステップ、及びステップ(b1”)の前記IR源のエネルギー及び前記IRレファレンスの温度の測定に続き前記MEMSミラーアレイがチョッピングモードで一から他の合焦要素に切り替わるように調整することを信号コントローラーに命令するステップ、の少なくとも1つのステップを含むことができる。ステップ(b1’)の信号コントローラーに少なくとも1つのミラー要素の角度を調整するように命令するステップは、その角度位置を切り替えることによって行われることができる。ステップ(b3)の角度を調整するステップは、ステップ(b4)の前記MEMSミラーアレイの少なくとも1つの要素に対する制御信号を変化させるステップを含むことができる。ステップ(b2)の前記MEMSミラーアレイの少なくとも1つの要素に対する制御信号を変化させるステップは、前記MEMSミラーアレイの少なくとも1つのミラー要素の動きを起こさせ、制御信号は、電圧、磁気圧力、光圧、音圧、空圧、及び水圧のうちの1つであることができ、ステップ(b2)の前記MEMSミラーアレイに対する電気的制御信号を変化させることは、熱膨張及び静電気力の少なくとも1つによって動きを引き起こす。合焦要素は、(a)レンズ要素、及び(b)ミラー合焦要素のうちの少なくとも1つから構成される。ステップ(k2)のガス又は蒸気が検出されると思われる空気路を再スキャンするステップは、ステップ(k2’)の所定のスキャン比率で再スキャンするステップ、及びステップ(k2”)の異なるスキャン比率で再スキャンするステップ、のうちの少なくとも1つのステップを含むことができる。
【0018】
代わりの形状において、本発明は、第1の及び第2の実施の形態の空間安全装置において検出器アセンブリーが検出器アセンブリー内に配置された観察口及び前記MEMSミラーアレイの前記ミラー要素をさらに備える装置に係る。ミラー要素は、列及び行に形成されたスタート及びエンド位置ミラー要素である。前記スタート及びエンド位置ミラー要素の全ての列及び行は全ての前記ミラー要素が前記検出器アセンブリー筐体の内部を視認するようにスタート及びエンド位置に方向付けられることができる。あるいは、前記スタート及びエンド位置ミラー要素の少なくとも前記列及び行の部分は、少なくともミラー要素の部分が前記検出器アセンブリー筐体の外部を視認するようにスタート及びエンド位置に方向付けられることができる。
【0019】
空間の体積内の侵入を検出する方法は、検出器アセンブリー筐体の外部を視認するためのIRフィルタウインドーを有する検出器アセンブリー筐体内に配置されるスタート及びエンド位置ミラー要素であるミラー要素をさらに含むことができる。前記方法は、前記検出器アセンブリー筐体の内部を視認するようにスタート及びエンド位置において前記ミラー要素の前記列及び行の少なくとも一部を方向付けるステップを含む。あるいは、空間の体積内の侵入を検出する方法は、前記検出器アセンブリー筐体の外部を視認するようにスタート及びエンド位置において前記ミラー要素の前記列及び行の少なくとも一部を方向付けるステップを含む。
【0020】
本発明の、これらの及び他の特徴、利点、効果は以下の明細書及び図面を参照することによって明らかになるが、参照の際、図面を通して類似した構造には同様の参照符号を付けている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明は、視野を含む空間の体積をモニターする空間安全装置に係る。本発明は、保護空間の視野内の光線のIRエネルギーの方向を変えるため多軸MEMSアレイを用いる。これはその場所のIR形跡を効率的にスキャンする。スキャンされたIR形跡はメモリーに保管され、IR形跡の変化に対する引き続くスキャンに比較される。処理アルゴリズムは、スキャンされたIR形跡の変化が侵入の動きの形跡として適切であるか否か決定する。形跡の適切な変化が検出された場合、アラームが知らされる。このことは、センサがFOV内のどこでIRエネルギーが変化しているか決定することができ、またそのためセンサがFOV内のIRエネルギーのウインドーをモニターすることができるため、上述の問題を解決する。誤認アラームの源は出力信号の大きさ及び広さをモニターし、変化の源のサイズ及び形状を決定することによってフィルタにかけることができる。誤認アラームを引き起こした領域はスキャンから除外されるか又は処理アルゴリズムにおいて重要度を下げられる。
【0022】
加えるに、保護空間はこのシステムの運転のために照明されることを必要としない。侵入は空間の体積内の生物又は無生物、例えば、ロボット的な乗り物又は液体又はガス又は蒸気、の存在によって引き起こされる結果として認識される。このため、このシステムは、あらゆるガス又は蒸気を検出するためにも用いられ、例えば、有害、有毒、爆発性、又は可燃性の蒸気又はガス、例えば、一酸化炭素(CO)、揮発性有機化合物(VOCs)、水素(H)、炭化水素ガス、例えば、メタン(CH)、及びプロパン(C)に限定されることはなく、又は他の有益な若しくは非毒性のガス、例えば、酸素(O)又は二酸化炭素(CO)を挙げることができる。この検出は、特定のガスのIR吸収の周波数を中心とした狭帯域IRバンドパスフィルタに光学経路を加えることによって、またFOVのIR吸収をレファレンス信号と比較することによって成し遂げられる。このレファレンス信号は、FOV及びIRレファレンスの間に切り替わるIRチョッパーとしてのMEMSアレイを用いることによって得ることができる。広帯域フィルタを有する第2の検出器、例えば、動き検出のための検出器が、システムの自己較正のために用いられることができる。
【0023】
図1Aは、検出器筐体ベース102の底部を示す従来技術の赤外線センサ検出器アセンブリー100の平面図を示し、このアセンブリーは、典型的には、3本の結合ピン1、2、及び3を備えている。光ビーム106は、センサ100に向けられる。当業者は、図1Aでは単一の要素検出器を示すが、2つ、又は4つの要素検出器もまた同様に用いられることがわかる。
【0024】
図1Bは、図1Aの従来の赤外線センサ検出器アセンブリー100の1B−1B線の断面図を示す。検出器筐体ベース102は、数の上では3本が典型的である結合ピン1、2、及び3で形成されている。光ビーム106は、検出器筐体カバー110内の赤外線フィルタウインドー108を貫通する。光ビーム106は、熱隔離のためスペーサ116上に設置され、電気的にセラミック基板114に合体された検出器要素112によって感知される。光ビーム106から集められたIRエネルギーは、検出器要素によって、電界効果トランジスタ(FET)及びセラミック基板114上の他のコンポーネントによって条件付けられた電気的信号に変換される。
【0025】
図1Cは、図1Aの従来の赤外線センサ検出器アセンブリー100の1C−1C線の断面図を示す。本質的に、図1Bに示されたものと同じコンポーネントが示されるが、運転のため設置される形状により厳密に対応して方向付けられている。
【0026】
図2は、図1A−1Cの従来の赤外線センサ検出器アセンブリー100の等角図である。切り欠き図は、検出器要素112によって受信された光ビーム106を示す。同様に、本質的に、図1Bに示されたものと同じコンポーネントが示される。
【0027】
図3は、囲い200内に設置された図1A−1Cの従来の赤外線センサ検出器アセンブリー100を示す立面断面図である。囲い200は、囲いカバー204と対になって囲い200を形成する囲いベース202から構成される。囲いカバー204は合焦要素206を含む。検出器アセンブリー100は、プリント基板(PCB)アセンブリー220上に設置され、合焦要素206を介して光信号ビーム106を受信するための角度で囲い200内に位置決めされる。図3は、レンズ又は小型レンズ光学システムを示す。当業者は、ミラー光学システムが代替アプローチとして用いられることがわかる。
【0028】
図4Aは、図1A−1Cの従来の赤外線センサ検出器アセンブリー100のIR光線露出パターンを示す平面図である。図4Bは、図1A−1Cの従来の赤外線センサ検出器アセンブリー100のIR光線露出パターンを示す立面図又は側面図である。検出器アセンブリー100を有する囲い200は、部屋の壁410上及び床又はグラウンド420の上方か、又は外部領域に設置され、壁410及び床又はグラウンド420で形成される空間の体積における侵入を検出する。それぞれの活性ゾーンからのIRエネルギーは、グラウンド420の上方に、ビームB1からビームB2、B3、B4、B5を通し、ビームB6で終わる第1の列が同時にそこで受信される静電的パターンとしてIR検出器要素112上に合焦させられる。ビームB7、B8、及びB9を受信して侵入430を検出するためグラウンド上にビームの第2の列が同時に着地する。この例では、2列で合計9ビーム:6の長いビーム及び3の短いビームがある。ビームB1〜B9の合計が視野(FOV)440を形成する。このFOV440は、外部境界線、この例では、ビームB1〜B9によって境界付けられる。
【0029】
図5は、検出システムに配置された従来のIRセンサ検出器アセンブリー100のブロックダイアグラムである。フィルタ要素108は、図1A−1C及び2の検出器アセンブリー100内に含まれる。合焦要素206は、図3の囲い200内に含まれる。FOVからのIR光ビーム106は、合焦要素206及びフィルタ要素108(ここでビームがIR光線エネルギーを電気的信号に変換する検出器要素112によって受信される)を貫通する。電気的信号は、増幅器502によって条件付け及び増幅され、十分な解像度を有するA/D変換器504によってアナログからデジタルに変換される。信号は、プロセッサー506に送られ、そこで信号はメモリー508に保管され、検出アルゴリズム閾値が適用される。適当な場合、アラーム510を作動させる信号が発せられる。受動赤外線(IR)センサ検出器アセンブリー100は、前述のように、侵入者によって引き起こされた温度勾配を測定することによって視野(FOV)440内を動く侵入者を検出する。このセンサのFOV440は、固定されるとともにレンズシステムの光学的性質によって決定される。このFOV440は、静電的活性及び不活性ゾーンに細分化され、活性から不活性ゾーンへの侵入者の動きがアラームとして検出される。それぞれの活性ゾーンからのIRエネルギーがIR検出器上に合焦し、IR検出器は、どの活性ゾーンがエネルギーを集めているかを決定することはできない。この構成の少なくとも1つの問題は、ゾーン内の他の熱源がアラーム信号として同様に検出されることである。
【0030】
図6Aは、検出器筐体ベース102の底部を示す本発明のMEMS系赤外線センサ検出器アセンブリー600の平面図を示し、このアセンブリーは、典型的には、3本の結合ピン1、2、及び3を備えている。光ビーム106は、センサアセンブリー600に向けられる。
【0031】
図6Bは、図6AのMEMS系赤外線センサ検出器アセンブリー600の6B−6B線の断面図である。図6Cは、図6AのMEMS系赤外線センサ検出器アセンブリー600の6C−6C線の断面図である。検出器筐体ベース102は、数の上では4本が典型的である結合ピン1、2、3、及び4で形成され、1本は電力用、1本はグランド用、1本は検出器出力信号用、1本はMEMS制御信号用である。ここでは出力信号及び制御信号を電圧信号として示すが、これらの信号は一般に電磁気的圧力、すなわち電圧又は磁気圧力、又は光圧であることができ、又は他のタイプ、例えば、限定されないが、音圧、気圧、及び水圧であることができる。電力は典型的には一般のセキュリティシステム(その内部にMEMS系赤外線センサ検出器アセンブリー600が典型的に含まれる)から供給される。光ビーム106は、検出器筐体カバー110内の赤外線フィルタウインドー108を貫通する。光ビーム106は、セラミック基板614上に設置されるとともにそれに電気的に合体した検出器要素112によって感知される前に、MEMSミラーアレイ604によって最初に反射される。光ビーム106によって提供された検出信号情報は、セラミック基板614によって処理するために検出器要素112によって伝達される。光ビーム106によって集められたIRエネルギーは、検出器要素112によって、セラミック基板614上のFET及び他のコンポーネントによって条件付け及び増幅された電気的な信号に変換される。このMEMSミラーアレイ604が小型なので、典型的には別体の電力供給を必要としない。出力信号を電圧信号として示すが、この信号は一般に電磁気圧、すなわち電圧又は磁気圧力、又は光圧であることができ、又は他の機械的圧力タイプ、例えば、音圧、又は流体的圧力、例えば、気圧、及び水圧であることができる。気圧は空気には限定されずあらゆる適したガス、例えば、窒素を挙げることができる。水圧は水には限定されずオイル又は他の液体を挙げることができる。
【0032】
図6Cは、本質的に、図6Bに示されたものと同じコンポーネントが示されるが、運転のため設置される形状により厳密に対応して方向付けられている。加えるに、光ビーム106は、検出器要素112に向けられた光ビーム606としてMEMSミラーアレイ604から反射するように示される。検出器要素112は、サポート616によってセラミック基板614上に設置されるとともにそれに電気的に合体されている。
【0033】
図7は、図6A−6Cの赤外線センサ検出器アセンブリー600を示す等角図である。切り欠き図は、反射された光ビーム606として検出器要素112に感知される前の、最初にMEMSミラーアレイ604で反射された光ビーム106を示す。また、本質的に、図6Bに示されたものと同じコンポーネントが示される。
【0034】
図8は、囲い700内に設置された図6A−6Cの赤外線センサ検出器アセンブリー600を示す立面断面図である。囲い700は、囲いカバー704と対になって囲い700を形成する囲いベース702から構成される。囲いカバー704は合焦要素706を位置決めするための観察口705を含む。検出器アセンブリー600は、プリント基板(PCB)アセンブリー720上に設置され、MEMSミラーアレイ604が合焦要素706を介して光信号ビーム106を最初に受信する角度で囲い700内に位置決めされる。光信号ビームは、ビーム606として検出器要素112に反射される。
【0035】
レンズ管理を成し遂げるため、すなわち囲い700又は検出器アセンブリー600の不当な改竄又は劣化を検出するため、IR源802が、合焦要素706及び検出器アセンブリー600を含む囲い700が正常な構成にある場合に既知のレファレンス信号を提供するように、囲いカバー704の外部の適切な場所に配置されることができる。図8は、レンズ又は小型レンズ光学システムを示す。図示されないが、当業者は、ミラー光学システムが代替アプローチとして用いられることがわかる。
【0036】
図9は、MEMSミラーアレイ604のMEMSミラー部分の要素900の一タイプを示す。このミラー要素900は、典型的には活性ミラー領域902から構成される。活性ミラー領域902は、1つの回転軸を提供する回転スプリング904及び第2の回転軸を提供する他の回転スプリング906のセットによってサポート構造908に合体される。このような構成において、ミラー要素900は、図示された、非作動又はスタート位置、また、作動又はエンド位置(図示せず)(そこで活性ミラー領域902が回転スプリング904及び906によって許容される角度制限まで回転される)を有すると考えられる。このようなスタート及びストップMEMSミラーアレイは、MEMSミラーアレイを製造するために安上がりな手段を提供する。より複雑な種類においては、活性ミラー領域902は、回転スプリング904及び906によって許容される角度回転のあらゆる中間位置まで回転されることができる。
【0037】
検出器要素112にとって、活性要素は、IR吸収を許容するために黒くされた検出器材料の表面上の領域である。MEMSミラーアレイ要素900上、活性ミラー領域902はIR反射表面になるように選択的にめっきされた領域である。ミラーアレイ要素の周りの残りの領域(これはサポート構造908、、回転スプリング904又は906又は動きを許容する他の機構、及び制御機構用である)は、不活性領域又は非IR反射表面である。
【0038】
図10Aは、MEMSミラーアレイ604を用いるカーブミラーの有限要素等価物の二次元的表現を示す。この例においては、ミラー要素は中心要素1000及び4つの隣接要素1000A、1000B、1000C及び1000Dとして示される。接近した画像平面が、中心要素1000の光学軸を横断して生じる。中心要素1000及び隣接要素1000A、1000B、1000C及び1000Dを有する多軸MEMSミラーアレイ604は、IR検出器112の活性要素に近接近して配置される。作動要素は、回転するか又は他に位置を変えるミラー要素であり、すなわち、隣接要素1000A、1000B、1000C及び1000Dは活性要素であり、一方ミラー要素1000は静止し、それゆえ非作動である。ミラーアレイ604は、ミラー要素1000、1004及び1004A〜1004DのFOVの遠いところにあるIR源からIRエネルギー606Fを集める。遠くにあるIR源からのIRエネルギー606Fは、IRフィルタ108によってフィルタをかけられる。図10Aにおいて、遠くにあるIR源からのIRエネルギー606Fは、IRエネルギー606Fが中心要素1000、及び4つの隣接要素1000A、1000B、1000C及び1000DによってスポットサイズScを有するIR検出器112の活性要素のスポット620Cに反射されるような位置からもたらされる。中心要素1000、及び隣接要素1000A、1000B、1000C及び1000Dは、要素の組み合わせの焦点622がIR検出器112を超えるがIRフィルタ108の手前に生じるように位置決めされる(IRフィルタの手前に示されるが他の側に生じてもよい)。焦点622は、中心要素1000、及び4つの隣接要素1000A、1000B、1000C及び1000Dに垂直な(ノーマル)線624の交点によって決定される。カーブミラー要素の焦点距離Lは、IR源606が事実上無限の距離である、すなわち、典型的には2.4メーター(8フィート)の距離あるいはさらに離れた遠いところであるのに対し、30mm以下のオーダーである。MEMSミラーアレイ要素604の光学軸及びセンシング検出器要素112の光学軸の間の、角度φ、φ、φ及びφは、FOV内のゾーンの配置を規定する。ミラーアレイ604におけるフラット要素1000A、1000B、1000C及び1000Dのそれぞれの、角度α、α、α及びαを変化させることによって、カーブミラーの有限要素等価物が、中心要素1000、及び4つの隣接要素1000A、1000B、1000C及び1000DのFOVの幅の変更を示す、事実上はゾーンサイズの変更を示す、ように創り出されることができる。中心要素1000、及び4つの隣接要素1000A、1000B、1000C及び1000Dは、実際上、2次元的N×Mアレイの部分である。
【0039】
図10Bは、ミラー要素1000及び4つの隣接要素1000A、1000B、1000C及び1000Dから構成された、シミュレートされたカーブミラーの側面図である。一例として、4つの回転要素1000A〜1000Dは、中心要素1000及び回転要素1000A〜1000Dから反射された光ビーム606Fを、検出器112の活性要素のスポット620Cに光ビーム606Rとして合焦させるように異なった角度β〜βで回転する。市販のあるタイプのMEMSミラーにおいては、全ての要素が一致して回転することが可能である。要素は、光ビーム606Rを検出器要素112に反射するため、それぞれ同じ角度βで又は異なった角度で回転することができる。市販の他のタイプのMEMSミラーにおいては、例えば、2×2アレイの1/4のみにおいて、要素の全てが一致して動く。図10A及び10Bにおいては、2次元的N×Mアレイが、一例として、5×1アレイで示される。当業者は、意図する用途によって、あらゆる異なったアレイ次元が適用されることがわかる。
【0040】
図10Cは、フラットミラーの有限要素シミュレーションを示す平面図である。同様に、中心要素1000、及び隣接要素1000A、1000B、1000C及び1000Dは、遠くのIR源からのIRエネルギー606Fを反射するように、位置決めされる。しかしながら、この構成においては、IRエネルギー606Fは、中心要素1000及び隣接要素1000A〜1000Dのフラット形状によってスポットサイズSを有する分配されたスポット620Fを備えた検出器112に向かって反射される。図10Dは、図10Cのフラットミラーの有限要素シミュレーションを示す側面図である。図10C及び10Dの両方のフラットミラー形状においては、予想されるように、焦点はない。
【0041】
図11Aは、検出システムに配置されたMEMS系IRセンサ検出アセンブリー600のブロックダイアグラムである。フィルタ要素108は、図6A〜6C及び7の検出器アセンブリー600内に含まれる。合焦要素706は、図8の囲い700内に含まれる。MEMSミラーアレイ604は、合焦要素706を介して光信号ビーム106を最初に受信する。光信号ビームは、光ビーム606としてIRエネルギーを電気信号に変換する検出器要素112に反射される。その電気信号は50マイクロアンプの範囲内に過ぎないから、高解像度のA/D変換器又は増幅器1102が必要である。信号は、A/D変換器1104によってアナログからデジタルに変換される。それから信号は、そこで信号がメモリー1108に保管されるとともにアルゴリズムが適用されるプロセッサー1106に伝達される。プロセッサー1106による処理に続いて、メモリー1108から、信号が、コントローラー1110によってMEMSミラーアレイ要素900の方向性を調整してコントローラー1110による異なるモードの運転のために生み出される。適当な場合、作動アラーム1112に対する信号が生み出されることができる。増幅器1102、A/D変換器1104、プロセッサー1106、メモリー1108及びコントローラー1110は典型的にはプリント基板又は回路アセンブリー720の一部である。
【0042】
特に、マイクロプロセッサー1106は、MEMSミラーアレイ604の要素に対する電圧Vを変化させるため信号をコントローラー1110に送る。この電圧Vの変化は、電気的抵抗加熱を生み出し、この加熱は、例えば、熱膨張又は静電気力によってミラーアレイ要素900を動かす。コントローラー1110は、いくつかの異なるモードの運転を行うことができる。IRレファレンス源1114が無視されるとともにIRエネルギー検出がただFOV440だけに制限されるノン−チョッピングモードには、2つのサブモードが可能である。第1のサブモードにおいては、電圧変化は、ミラー要素900の方向性をFOV440内で増分重複ステップで変化させる。要素900は、光ビーム106を、FOV440を増分・段階的に連続スキャンで横切ることによって受信する。角度α、α、α及びαは変化し、対応してミラーアレイ604及びIR検出器要素112の間の角度φ、φ、φ及びφも変化する。第1のサブモードは、図11A−1に模式的に示され、そこではFOV440内のIRゾーン1150が増分ステップ、連続的方法でスキャンされる。第1のサブモードにおいては、IRフィルタ108によって形作られるFOV440内の標的の渦巻きとして電気的出力信号が作り出される。
【0043】
ノン−チョッピングファーストモード運転における第2のサブモードにおいては、図11A−2に示すように、要素900は、光ビーム106を、すなわち、IRエネルギーとして、FOV440を離散、非連続的ステップで横切ることによって受信する。同様に、IRフィルタ108によって形作られるFOV440内の標的の渦巻きとして電気的出力信号が作り出される。
【0044】
ミラーアレイ要素を動かす他の手段としては、例えば、線型に又は非線形に要素を動かす静電気力の適用による変形を挙げることができる。
【0045】
再び図11Aを参照すると、第2のモードの運転においては、レファレンス信号Srは、FOV440及びIRレファレンス1114の間を切り替えるIRチョッパーとしてMEMSアレイ604を用いることによって得ることができる。そういうものとして、マイクロプロセッサー又はプロセスコントローラー1106及びコントローラー1110はFOV内のIRゾーンを動かすことができ、また標的温度を計算するためレファレンスを用いることができる。
【0046】
コントローラー1110に信号を提供するために、マイクロプロセッサー1106は、ミラーアレイ604に対する電圧Vに段差をつけ、ゾーン内のIRエネルギーを記録し、FOV440内のゾーンを増分量動かすために電圧Vに段差をつける。IR検出器112によって生み出された電気信号は、DCバイアスを有するAC信号である。
【0047】
前述のように、図11A−1に模式的に示された第1のサブモードは、チョッピングモード運転に適用されることができ、IRゾーン1150が増分ステップ、連続的方法でスキャンされる。第1のサブモードにおいては、電気的出力信号は、DCバイアスを有するAC信号として生み出される。
【0048】
同様に、第2のサブモードは、チョッピングモード運転に適用されることができ、図11Bに示されるように、要素900は、光ビーム106を、すなわち、IRエネルギーとして、FOV440内のIRゾーン1150を離散、非連続的ステップで横切ることによって受信する。同様に、電気的出力信号は、DCバイアスを有するAC信号として生み出される。
【0049】
図11Aの実施の形態の第1の及び第2の両方のモード運転のため、プロセスは、全てのFOVがスキャンされるまで、左右に、上下に、繰り返される。全てのFOVがスキャンされると、プロセスは繰り返されるとともに新しいIRスキャンが以前のスキャンと比較される。IRスキャンは大きさ及び位置の変化を分析される。侵入者の動きに一致した変化はアラーム信号を知らせる。
【0050】
同様に、前に述べたように、レンズ管理は、検出器アセンブリー600の改竄又は劣化を検出するため、IR源802からプロセッサー1106までレファレンス信号を検証することによって成し遂げることができる。
【0051】
図11−Bは、本発明のMEMS系IRセンサ検出システムの第2の実施の態様のブロックダイアグラムである。この第2の態様は、コントローラー1110がコントローラー1116によって置換されたこと以外は、図11Aに示す第1の実施の形態と本質的に同一である。当業者は、コントローラー1110及び1116は単一のコントローラーで実行されるように結合されることができることがわかる。
【0052】
第1のモード運転、これはノン−チョッピングモード運転である、においては、コントローラー1110の手段で電圧変化によって角度の調整をする代わりに、MEMSミラーアレイがIRエネルギー光線をFOV440内の関係のあるゾーンを示す複数の合焦要素706の1つに向ける。コントローラー1106は、コントローラー1116に、MEMSミラーアレイ604が複数の合焦要素706の他方に離散有限ステップで切り替わるように調整するように信号を送る。合焦要素706は、レンズ要素、例えば、小型レンズ、又はミラー合焦要素から構成されることができる。
【0053】
前述のように、ノン−チョッピングサブモード運転が実行されることができ、そこではFOV440内のIRゾーン1150が、図11A−1に示すように、増分ステップ、連続的方法でスキャンされる。このサブモードにおいては、同様に、電気的出力信号は、IRフィルタ108によって形作られるFOV440内の標的の渦巻きである。
【0054】
ノン−チョッピングモード運転の第2のサブモードにおいては、図11A−2に示すように、要素900は、光ビーム106を、すなわち、IRエネルギーとして、FOV440内のIRゾーン1150を離散、非連続的ステップで横切ることによって受信する。同様に、電気的出力信号は、IRフィルタ108によって形作られるFOV440内の標的の渦巻きである。
【0055】
第2のモード運転、これはチョッピングモード運転である、においては、コントローラー1110の手段で電圧変化によって角度の調整をする代わりに、プロセッサー1106は、コントローラー1116に、MEMSミラーアレイ604が複数の合焦要素706の1つから他の合焦要素706の間に切り替わるように調整するように信号を送る。合焦要素706は、レンズ要素、例えば、小型レンズ、又はミラー合焦要素から構成されることができる。コントローラー1116は、MEMSミラーアレイ604が複数の合焦要素706の1つから他の合焦要素の間に離散限定ステップで切り替わるように調整する。
【0056】
第2のモード運転がチョッピングモード運転の場合、同様に、レファレンス信号Sは、FOV440及びIRレファレンス1114の間に切り替わるIRチョッパーとしてのMEMSアレイ604を用いることによって得ることができる。そのようなものとして、マイクロプロセッサー又はプロセスコントローラー1106及びコントローラー1116は、FOV440内のIRゾーンに段差をつけることができる。
【0057】
図11A又は図11Bのどちらかの実施の形態の、第1の及び第2の両方のモード運転においては、プロセスは、全てのFOVがスキャンされるまで、左右に、上下に、繰り返される。全てのFOVがスキャンされると、プロセスは繰り返されるとともに侵入者の存在を決定するため新しいIRスキャンが以前のスキャンと比較される。IRスキャンは大きさ及び位置の変化を分析される。侵入者の動きに一致した変化はアラーム信号を知らせる。例えば、ノン−チョッピング若しくはチョッピング、又はスキャン比率の変更等の運転モードを切り替える能力は、誤報に対する耐性をさらに改善することができる。
【0058】
また、前に述べたように、レンズ管理は、検出器アセンブリー600の改竄又は劣化を検出するため、囲い802の外部のIR源からプロセッサー1106までレファレンス信号を検証することによって成し遂げることができる。
【0059】
図12は、図6A〜6Cの検出器アセンブリー600のIRビーム露出パターンを示す立面又は側面図である。検出器アセンブリー600は、囲い700内の回路アセンブリー720上に設置されて示される。囲い700は、床420によって境界付けられた空間の体積から出射する光ビーム106のIRエネルギーを受信するように、壁410上に設置される。検出器アセンブリー600を有する囲い700は、壁410及び床又はグラウンド420によって形成される空間の体積内の侵入者を検出するため、壁410上及び部屋若しくは屋外領域の床若しくはグラウンド420上に設置される。ビーム106からのIRエネルギーは、全体のFOV440がカバーされるようにFOV440をスイープする。
【0060】
検出器アセンブリー600を有する囲い700は、壁410及び床又はグラウンド420によって形成される空間の体積内の侵入者430を検出するため、図4Bの、壁410上及び部屋若しくは屋外領域の床若しくはグラウンド420上に設置される。スキャン信号106は、侵入者430を検出するため角度γだけ分離される。垂直線及び回路アセンブリーの間の角度シータ(θ)は、通常約30°〜45°である。
【0061】
図13は、本発明のMEMS系受動IRセンサ検出アセンブリー600の運転のステップを示す方法ダイアグラムである。特に、ステップ1300は、IR検出器アセンブリー600の活性要素に対してMEMSミラー604を位置決めするように命令する。ステップ1302は、所定のスキャン比率で視野(FOV)のiTH部分からIRエネルギーを集めるように命令する。ステップ1302は、図13A及び13Bに示されたステップS1302A又はS1302Bの何れかをそれぞれ実行することによって成し遂げられる。ステップS1302Aは、IR検出器アセンブリー600のFOV440を横切るように本発明の第1の実施の形態のMEMSミラー604を作動させるように命令する。ステップ1302Aは、ステップS1302A1又はS1302A2を実行することによって成し遂げられる。当業者は、IRエネルギーを集めるステップS1302Aが、本質的に、IRエネルギー光線を合焦させるステップと、IRエネルギー光線をフィルタにかけるステップと、IRエネルギー光線をMEMSミラーアレイによって検出器に反射させるステップと、検出器によってIRエネルギー光線を検出するステップと、IRエネルギー光線を出力信号に変換するステップと、出力信号を増幅するステップと、出力信号をアナログからデジタルに変換ステップと、出力信号を、検出を知らせる前にプロセッサーによって処理するステップと、その結果をメモリーに保存するステップと、を含むことがわかる。この方法は、MEMSミラーアレイが視野440をスキャンするか又は横切るようにコントロールするステップをさらに含むことができる。前述の全ての方法ステップは、図11A〜11Bに示した装置機能に類似している。
【0062】
ステップS1302A1は、増分重複ステップでFOVのIRゾーン1150を横切るように命令するステップS1302A1’又は離散有限ステップでFOV440のIRゾーン1150を横切るように命令するステップS1302A1”のいずれかを実行することによってノン−チョッピングモードでFOV440を横切るように命令する。
【0063】
代わりに、ステップS1302A2は、増分重複ステップでFOVのIRゾーン1150を横切るように命令するステップS1302A2’又は離散有限ステップでFOV440のIRゾーン1150を横切るように命令するステップS1302A2”のいずれかを実行することによってチョッピングモードでFOV440を横切るように命令する。
【0064】
図13Bにおいて、本発明の第2の実施の形態の代わりのステップS1302Bは、信号コントローラー1116に、MEMSミラー604がIR検出器アセンブリー600のFOV440を横切るように他の合焦要素706に切り替わるように、調整するように命令する。ステップS1302Bは、ステップS1302B1又はステップS1302B2のいずれかを実行することによって実行される。
【0065】
S1302B1は、増分重複ステップでFOV440のIRゾーン1150を横切るように命令するステップS1302B1’又は離散有限ステップでFOV440のIRゾーン1150を横切るように命令するステップS1302B1”のいずれかを実行することによってノン−チョッピングモードでFOV440の横切りの間に他の焦点要素に切り替えるように命令する。
【0066】
代わりに、S1302B2は、増分重複ステップでFOV440のIRゾーン1150を横切るように命令するステップS1302B2’又は離散有限ステップでFOV440のIRゾーン1150を横切るように命令するステップS1302B2”のいずれかを実行することによってチョッピングモードでFOV440の横切りの間に他の焦点要素に切り替えるように命令する。チョッピングモードは、FOV440の部分及びレファレンス1114の間にビーム106を交互に向ける。
【0067】
ステップS1302が、ステップS1302A又はステップS1302Bをバラバラに又は一緒に実行することによって完了すると、ステップS1304が、FOV440内の全てのIRゾーン1150が測定されたか否か決定するように命令する。ノーの場合、プロセスはステップS1302に戻る。イエスの場合、ステップS1306がスキャンを保管するように命令する。S1308は、その結果を処理して、侵入者430が検出されたか否かを決定するように命令する。ノーの場合、プロセスはステップS1302に戻る。イエスの場合、ステップS1310がアラームを知らせるように命令する。メイビーの場合、ステップS1310’が侵入者が疑われる部屋の限定された領域を再スキャンするように命令するとともに侵入者が実際に検出されたか否かを決定するように命令する。イエスの場合、ステップS1310のアラームを知らせるステップが実行される。ステップS1310’の再スキャニングプロセスは、ステップS1310’Aの所定の比率で再スキャンするステップ又は誤アラームの発生を最小限化するためステップS1310’Bの異なる比率で再スキャンするステップのいずれかによって実行されることができる。
【0068】
前述のように、侵入者として小さな生き物、例えば、ペットや子供を排除することが一般に意図されるが、このシステム及び方法は、それらの安全が危険に曝される場所において、このような「侵入者」を検出するために用いられることができる。屋内の場所における、そのような場所として、炉部屋又はストーブ若しくは他のそのような器具に囲まれた台所領域を挙げることができる。このシステム及び方法は、屋外の場所、例えば、スイミングプールのような場所にも適用されることができる。加えて、このシステム及び方法は、自動車周りの盲点、例えば、スポーツタイプの実用車(SUVs)、ミニバン、トラック、バス(特に、スクールバス)又は建設用機器の後部又は前部において、子供、ペット及び動物を検出するために用いられることができる。
【0069】
上述のように、このシステムは、IR吸収特性を有するあらゆるガス又は蒸気を検出するためにも用いられ、例えば、有害、有毒、爆発性、又は可燃性の蒸気又はガス、例えば、一酸化炭素(CO)、揮発性有機化合物(VOCs)、水素(H)、炭化水素ガス、例えば、メタン(CH)、及びプロパン(C)に限定されることはなく、又は他の有益な若しくは非毒性のガス、例えば、酸素(O)又は二酸化炭素(CO)を挙げることができる。また、火炎を検出するためにも用いることができる。
【0070】
図14は、IR検出器アセンブリー1400がガス又は蒸気を検出するように配置された本発明の第3の実施例を示す。第3の実施例は、可能性のあるガス又は蒸気のサンプルを提供する周囲空気路又はIR吸収路1410が平行化レンズ1414と合焦要素又はレンズ1416の間に位置し、IRすなわち熱エネルギーレファレンス源1412が平行化レンズ1414の後ろに配置されている点を除き、図11Aに示された実施例と同一である。平行化レンズ1414は、空気路1410を通過する前に、IRレファレンス源1412から出射されたIRエネルギー光線1420を平行化する。IR検出器アセンブリー1400は、広IR帯域通過フィルタ要素108Wに加えて狭IR帯域通過フィルタ要素1408Nが設けられている点を除き、図6A〜6C、図7及び図8で既に示された検出器アセンブリー600と同一である。狭IR帯域通過フィルタ要素1408N及び広IR帯域通過フィルタ要素108Wは並列に配置される。
【0071】
動作中、IRエネルギー源1412からのIRエネルギーは、狭IR帯域通過フィルタ要素1408Nと広IR帯域通過フィルタ要素108Wの一方又はその両方に向かう。狭IR帯域通過フィルタ要素1408Nから出射されると、IRエネルギー源1412からのIRエネルギー光線は、MEMSミラーアレイ604N、IR検出器要素112N、増幅器1102N及びA/D変換器1104N、及び、最後にプロセッサー1106/メモリー1108に連続して向かう。同様に、広IR帯域通過フィルタ要素1408Wから出射されると、IRエネルギー源1412からのIRエネルギー光線は、MEMSミラーアレイ604W、IR検出器要素112W、増幅器1102W及びA/D変換器1104W、及び、最後にプロセッサー1106/メモリー1108に連続して向かう。
【0072】
前記の通り、A/D変換器1104から出力された信号はプロセッサー1106/メモリー1108によってアルゴリズム処理され、MEMSミラー604N及び604Wの一方又は両方を調整するために、フィードバック信号がコントローラー1110を通じて供給される。動作の1つの方法において、コントローラー1110はMEMSミラーアレイ604N及び604Wの一方又は両方の少なくとも一つのミラー要素900の角度を調整する。動作の他の方法において、コントローラー1110はMEMSミラーアレイ604N及び604Wの一方又は両方の角度位置を切り替える。ミラー要素900への電圧を変化させることにより、熱膨張及び静電力のうち少なくとも一方による運動が生じる。動作の更に別の方法において、コントローラー1110はMEMSミラーアレイ604N及び604Wの一方又は両方を駆動し、チョッピングモードで合焦レンズ1416によって合焦されたIRレファレンス源1412とIRレファレンス1114の間の切り替えをする。IRレファレンス1114は、平行化レンズ1414、空気吸収路1410及び合焦レンズ1416を迂回して、広IR帯域フィルタ108W及び狭IR帯域フィルタ1408Nに基準信号Sを直接供給する。検出器アセンブリー1400によって検出された光路に追加された狭帯域通過フィルタ要素1408Nを備えることで、基準信号SとFOV440内に存在するあらゆるガス又は蒸気のIR吸収特性を比較することで、IRチョッピングモードでの検出が達成される。基準信号Sは、FOV440とIRレファレンス1114の間の切り替えをするIRチョッパーとしてMEMSミラーアレイ1400を用いることにより生成される。上記の通り、IR源1412は、広帯域信号を発する。狭帯域IRフィルタ1408Nは、スペクトルを所定のガスに関係する部分に制限する。
【0073】
図15Aは、ガス又は蒸気の検出のために設計された囲い1500内に取り付けられた、赤外線センサ検出器アセンブリー1400の正面断面図を示す。囲い1500は、周囲空気路1410をIR(熱)エネルギー源1412と狭帯域フィルタ要素1408の間に配置できるようにするために、好ましくは「C」字型の形状を有する。筐体1500は好ましくは「C」字型の形状を有するので、2本の対向する脚1502及び1504が存在する。脚1502は、脚1504の表面1504aに対向する表面1502aを有する。IR源1412は、1502として示される脚のうちの一方の内部の領域に取り付けられる。MEMS系IR検出器1400は、対向する脚1504の内部の領域に取り付けられていることが示されている。合焦レンズ1416は表面1504aを貫通するように配置される一方で、平行化レンズ1414は表面1502aを貫通するように配置される。したがって、IR源1412は非平行光線1420を発し、この光線はレンズ1414によって平行にされ、平行光線1422としてレンズ1414から出射する。周囲空気吸収路1410には、検出される可能性があるあらゆるガス又は蒸気のサンプルを備える。平行光線1422は、周囲空気吸収路1410の中を通過し、すべての可能性があるガス又は蒸気のサンプルの中を通過する。平行光線1422は、それから合焦レンズ1416を透過して、MEMS系IR検出器アセンブリー1400の狭帯域通過フィルタ1408Nを通過し、そこでMEMSミラーアレイによって反射され、検出器アセンブリー600に関して既に述べたのと同様に、検出器要素上に反射する。検出器アセンブリー1400はプリント基板1520に実装され、プリント基板1520は、論理回路、及び検出器アセンブリー1400によって検出される問題のガス又は蒸気のIRスペクトル吸収特性に関するデータのメモリーストレージを備える。システムは、例えばIR源の強度及び周囲の照明等の偏差を補償するために、第1の実施例において使用されているような広帯域IRフィルタを備えた第2の検出器を用いて自己較正される。この場合、FOVは平行光線1422によって画定されるIRゾーンに限定される。
【0074】
IR熱源1412は光路1524及びIR空気(吸収)路1410の末端1524Aに位置し、IR熱源1412の温度はIR熱源1412及び側壁1502の近傍で測定される。光路1524は、平行化レンズ1414、空気(吸収)路1410、合焦レンズ1416、フィルタ・ウィンドウ108W及び1408N、MEMSミラーアレイ604N及び604W、及び検出器要素112N及び112Wを含む。既知の温度のポイントの温度は、光路1524の末端1524Bで測定される。光路1524の近端部は、検出器筐体1500の側壁1504、MEMSミラーアレイ604N及び604W、及び検出器要素112N及び112Wを含む。
【0075】
問題のガス又は蒸気の存在を示す、広帯域SWB検出信号対狭帯域SNB検出信号の比SNB/SWBの減少が検出された場合には、誤アラームの発生を最小にするために連続した測定値をとることができる。いったん、問題のガス又は蒸気の確実な確認が行われた際には、侵入者の検出と同様のアラーム1112が報知される。
【0076】
実際には、ガス検出用にFOVを横切ることは一般化である。FOVの1つのポイントのみに注目すればよい。FOVを横切るには、1つの大きなIR源又は多数のIR源を必要とする。このような場合、筐体1500は2つの部分に分けられる、すなわち、検出器1412用の部分と、IR1412用の部分である。
【0077】
図15Bは、本発明の第3の実施例の変形例の正面断面図であって、広帯域要素、すなわち広帯域IRフィルタ108W、MEMSミラー604W、IR検出器112W、増幅器1102W、及びA/D変換器1104Wがそれぞれ離散的広帯域MEMS系IR検出器1400Wに内包又は結合され、一方で、狭帯域要素、すなわち狭帯域IRフィルタ108N、MEMSミラー604N、IR検出器112N、増幅器1102N、及びA/D変換器1104Nがそれぞれ離散的広帯域MEMS系IR検出器1400Nに内包又は結合されている。2つの検出器1400W,1400Nは、平行IR光線が合焦されるべき領域を低減するために最小化された距離dにより離隔されている。代替的アプローチは、2つの検出器1400Wと1400Nの間の反射及び/又は漏話を最小限にするために、狭IR帯域要素及び広IR帯域要素の両方を含む1つの検出器筐体を形成し、中間の仕切りでそれらを分離することである。
【0078】
図16は、ガス検出用の狭帯域検出器及び広帯域検出器の両方を収容するMEMS系IR検出器アセンブリー1600の平面図を示す。図16Aは、線16A−16Aに沿った断面図である。図16Bは線16B−16Bに沿った断面図である。図16Cは線16C−16Cに沿った断面図である。検出器アセンブリー1600は、5本のピン1,2,3,4及び5を含み、それらのうち1本は電力用、1本はグランド用、1本は狭帯域検出器部1602Nからの信号用、1本は広帯域検出器部1602Wからの信号用、及び1本はMEMSコントロール信号用である。図16Dは、検出器アセンブリー1600の斜視図である。図16Eは、検出器アセンブリー1600の切欠図である。仕切り1604は、狭帯域検出器1602Nと広帯域検出器1602Wを1つの検出器筐体1610内に合体するために使用することができる。仕切り1604は、広帯域要素、すなわち広IR帯域フィルタ108W、MEMSミラー604W、IR検出器112W、増幅器1102W、及びA/D変換器1104Wを、狭帯域要素、すなわち狭IR帯域フィルタ1408N、MEMSミラー604N、IR検出器112N、増幅器1102N、及びA/D変換器1104Nから分離するために、検出器アセンブリー1600に含まれる。仕切りの目的は、検出器1400の2つの部分の間での反射及び/又は漏話を低減することである。一般的に、図16Eに示されるように、検出器1400は広帯域フィルタ108Wで封止され、狭帯域フィルタ1408Nは広帯域フィルタ108Wの上又は下の一方に配置される。当業者は筐体1610の直径又は周囲長が図6A〜6C及び図7に示す実施例より一般に大きく、検出器の狭帯域部分及び広帯域部分の光学的及び物理的な寸法に依存することを認識する。
【0079】
図16A1は、図13AのステップS1302A1に対応するノン−チョッピングモードでFOV440を横切ることによって侵入者を検出するためのスキャン出力の一例を示す。x軸は秒単位の時間を表す。y軸は、図4Aのミラーφの角度αを示す。図4Aに示された平面図は従来技術のための平面図と同一の本発明の平面図である点に留意する必要がある。焦電検出器600は、変化率検出器又は二次検出器である。したがって、温度変化が検出されたときに信号が生成される。常温の空間では電気的信号を生じない。水晶が正に偏光している場合には、3つの温度「0」、「+1」、「−1」に分けられた場所では、0と+1の間の遷移で正の信号を生成し、+1と−1の間では2倍の大きさの負の信号を生成する。生成される信号の幅は、検出器の感度、スキャン率又は光線のシステム及び形状に依存する。図16A1はシステムの指向角度α及び秒単位の経過時間tを示す。実際の電気的信号は、実行されるスキャンのタイプ及び空間のIR特性に依存する。同様の議論は、以下の図16A2、図16B1及び図16B2にもあてはまる。図16A1、図16A2、図16B1及び図16B2が水平運動の平面表現である点に留意する必要がある。複数の、一般的には3つの、垂直段がある。
【0080】
図16A2は、図13AのステップS1302A2に対応するチョッピングモードでFOVを横切ることによって侵入者を検出するためのスキャン出力の一例を示す。x軸は秒単位の時間を表す。y軸は、図4AのFOVφ内の角度αを示す。
【0081】
図16B1は、図13BのステップS1302B1に対応するノン−チョッピングモードでレンズ要素のオン・オフ切替によって、侵入者を検出するためのスキャン出力の一例を示す。x軸は秒単位の時間を表す。左側のy軸は、図4AのFOVφ内の角度αを示す。具体的には、右側のy軸は、複数の焦点要素A...Aを表し、本例においてはN =7であり、各々がFOVの角度αの角度範囲に対応する。複数の焦点要素は、図8の焦点要素706に対応する。
【0082】
図16B2は、図13BのステップS1302B2に対応するチョッピングモードで一方のレンズ要素から他方のレンズ要素への切替によって、侵入者を検出するためのスキャン出力の一例を示す。x軸は秒単位の時間を表す。左側のy軸は、図4AのFOVφ内の角度αを示す。具体的には、前記と同様に、右側のy軸は、複数の焦点要素A...Aを表す。図16B2’は、一方のレンズ要素から他方のレンズ要素に切り替える図16B2に対応するチョッピングモードの拡大詳細図である。滞留時間Tの後に遷移時間Tが存在する。
【0083】
図17は、FOVとしての空気吸収路をチョッピングモードでスキャンすることにより、ガス又は蒸気を検出するためのスキャン出力の一例を示すものであり、図13A2のステップS1302A2のチョッピングモードにおける図14及び15のガス検出器装置の使用に対応する。x軸は、秒単位の時間を表す。y軸は、システムのFOVを表す。空気又は吸収路1410は、IR熱源1412を指向し、及び熱源であるIRレファレンス1114の視野外の位置を指向しており、IR源1412と室温を交互に繰り返すことにより輻射のコントラストをもたらす。
【0084】
換言すれば、ガス検出スキームは、2つのポイントでIRエネルギーを測定することである。すなわち、空気(吸収)路1410の他方の側にあるIR熱源1412のIRエネルギーと、既知の温度のポイント、すなわちMEMS系IR検出器1400の側壁のIRレファレンス1114のIRエネルギーである。図17はFOVのIRエネルギーレベルを示し、検出器1400の出力は図19に示されており、これは後述する。具体的には、本例のFOVは、IR源1412及びIRレファレンス1112間の切替によって実現される。問題のガスが存在する場合、狭帯域検出器の出力はおよそ30〜40%減少し、問題のガスが存在する場合、広帯域検出器の出力は1〜4%減少するため、広帯域信号対狭帯域信号の比率がノイズ(周囲の照明、IR源の偏差)の変動によって影響されることははるかに少なくなり、空気路1410内で問題のガス又は蒸気が存在することのより確実な証拠を示す。
【0085】
本発明の第3の実施例のガス又は蒸気検出システムの動作方法は、ステップS1302A2又はS1302B2のチョッピングモードの実行ステップS1302A又はS1302Bにそれぞれ類似する。当業者は、IRエネルギーを集めるステップS1302A又はS1302Bが本質的に、IRエネルギー光線を合焦させるステップと、IRエネルギー光線をフィルタにかけるステップと、IRエネルギー光線をMEMSミラーアレイによって検出器に反射させるステップと、検出器によってIRエネルギー光線を検出するステップと、IRエネルギー光線を電気的信号に変換するステップと、電気的信号を増幅するステップと、電気的信号をアナログからデジタルに変換するステップと、電気的信号を、検出を知らせる前にプロセッサーによって処理するステップとを含むことを認識する。更に、方法はMEMSミラーアレイを制御するステップを含んでもよい。前記の方法の全てのステップは、図14に示される装置の機能に類似する。
【0086】
しかし、ガス検出方法はFOVをスキャンするステップを含まない。むしろ、方法は空気(吸収)路1410の他方の側にあるIR熱源1412のIRエネルギーを測定するステップと、既知の温度のポイント、すなわちMEMS系IR検出器1400の側壁のIRレファレンス1114のIRエネルギーを測定するステップを含む。各々のIRエネルギーは、狭IR帯域フィルタ1408及び狭IR帯域検出器112Nの両方を介して、及び広IR帯域フィルタ108及び広IR帯域検出器112Wを介して測定される。
ガス検出ステップは、狭帯域フィルタ112Nを備えた検出器で受信したIRエネルギー光線の減少を測定することによって開始する。更に、検出器システムを較正するステップは、広帯域フィルタ112Wを備えた検出器で受信したIRエネルギー光線を測定することによって開始する。
【0087】
図18−1は、図16A1又は図16B1の一方に対応する侵入検出システムのためのノン−チョッピングモードにおける2つのスキャン1及び2の比較としての、FOV対検出器出力の一例を示す。スキャン1とスキャン2の比較は、電気的信号のピークPがFOV内で左から右にシフトしたことを示す。信号ピークPのシフトは部屋の中での熱源の移動を示し、アラーム信号の報知の根拠となる可能性がある。
【0088】
図18−2は、図16A2又は図16B2の一方に対応する侵入検出システムのためのチョッピングモードにおける2つのスキャン1及び2の比較としての、FOV対、ミリボルト(mv)単位の電気的信号出力の一例を示す。電気的信号の振幅±ΔAにおける差は、ピーク信号+P〜+P及びP〜+Pを生じさせる。スキャン1とスキャン2の比較において、ピーク±Pからピーク±Pの同一振幅±ΔAの検出は、空間内に熱源が存在することを示すが熱源の移動は示さない。ピーク±Pからピーク±Pの振幅の変化は空間内で熱源が移動することを示し、アラーム信号の報知の根拠となる可能性がある。カーブの形状はおおよそのものである。実際の出力は、チョッピング比率及び検出器の応答速度に依存する。応答速度は、検出器の時間定数の規準となる。
【0089】
図19は、図17に対応するガス検出システムのためのチョッピングモードにおける2つのスキャン1及び2の比較として、FOVすなわち空気路対検出器出力の一例を示す。スキャン1は、狭帯域検出器スキャン出力1N及び広帯域検出器スキャン出力1Wを含む。同様に、スキャン2は、狭帯域検出器スキャン出力2N及び広帯域検出器スキャン出力2wの両方を含む。狭帯域スキャン1N及び2Nは各々ピーク±P10からピーク±P30を含み、一方、広帯域スキャン1W及び2Wは各々ピーク±P100からピーク±P300を含む。
【0090】
狭帯域スキャン1N及び2Nの電気的信号のピーク±P10からピーク±P30における振幅±ΔAの大きな差は、問題のガス又は蒸気の存在を示す。振幅の差の大きさは、存在するガス又は蒸気のパーセントを示す。これと対応して、問題のガス又は蒸気の存在により、広帯域スキャン1W及び2Wの電気的信号のピーク±P100からピーク±P300における振幅±ΔAには小さな差のみが生ずる。
【0091】
図20は、図19のガス検出用の問題のガスの典型的なIR吸収スペクトルを示す。問題のガス又は蒸気の検出の結果、狭帯域フィルタ限界Lの範囲内で吸収ピークPN1が観察される。これと対応して、広帯域フィルタ限界Lの範囲内で、一つ又は複数の吸収ピークPN1及びPN2が観察される。図は、2つのピークを示す。吸収ピークPN1及びPN2は、スペクトルの範囲内で相殺される。ガスの存在がIR源で生成される信号に大きく影響しないように、広帯域フィルタの帯域幅は選択される。
【0092】
図20Aは、ガスが存在する場合に狭帯域IR検出器112N及び広帯域IR検出器112Wによりそれぞれ生成された出力信号を示すグラフである。x軸は、存在するガスのパーセント濃度Cを示す。y軸は、広帯域検出器112Wにより生成された出力信号SWBのパーセントを示す。狭帯域検出器112Nにより生成された出力信号SNBは、広帯域検出器112Wにより生成された信号SWBの50%として示される。実際には、狭帯域フィルタ・ウィンドウ1408NによってIRエネルギーが大量に吸収されるので、SNBは100分の1近くまで小さくなるだろう。IRエネルギー吸収におけるこの減少は、狭帯域信号SNBの増幅回路の追加利得によって補償される。本例では、空気路のガス濃度Cが20%である場合、狭帯域からの出力信号SNBはほぼ40%減少し、その一方で、広帯域からの出力信号SWBはほぼ4%減少する。問題となる実効値は、広帯域出力信号対狭帯域出力信号の比、SNB/SWBである。SNB/SWBは空気路に存在するガス又は蒸気の濃度に正比例する。
【0093】
広帯域出力信号対狭帯域出力信号の比SNB/SWBは、いくつかの方法によりプロセッサー1106によって算出することができる。一般的に、この比SNB/SWBは、所定の時間内の瞬時広帯域ピーク値の平均と瞬時狭帯域ピーク値の平均を比較することによって算出することができる。あるいは、この比SNB/SWBは、所定の時間内の瞬時広帯域ピーク値に対する瞬時狭帯域ピーク値に基づく比SNB/SWBを平均することで算出することができる。また、比SNB/SWBは、非平均的な瞬時ピーク値に基づいて算出することができる。比率を算出する異なる方法が、特定のアプリケーションのために必要な応答速度に依存して考慮される。例えば、ガスの存在に対する応答速度を高めることが、工業的環境とは対照的に家庭的環境におけるアプリケーションでは要求されるかもしれない。
【0094】
標準化信号比SNB/SWBが示され、データの全てを1つのチャートに表すことができる。一般的に、信号比SNB/SWBは1または複数の閾値によって特徴づけられる。信号比SNB/SWBが1より著しく小さい場合には、ガス又は蒸気の存在を示している。警戒閾値(TALERT)は問題が起こる可能性を示し、アラーム閾値(TALARM)は非常事態を示す。例えば、メタンガスのLEL(爆発下限界)は、ほぼ4%、すなわち爆発を引き起こすのに必要なガスのパーセントTLELである。低いパーセンテージは炎を生じさせるのみである。したがって、警戒閾値(TALERT)をLELの20%あるいはC=0.8%のガスとし、アラーム閾値(TALARM)をLELの50%あるいはC=2%のガスとすることが合理的であろう。閾値の実効値は、アプリケーションの必要条件に依存する。同様に、一酸化炭素の場合には、危険レベルはガスのPPM(100万分の1単位)で決定される。また、限界はアプリケーションに依存する。ここで、商業的環境の許容レベルは住居環境あるいは教育的環境において許容されるレベルより高くなるだろう。
【0095】
図20Bは、IRエネルギー源1412からの出力の変化に影響を受けた、ガスが存在する場合に狭帯域IR検出器112Nおよび広帯域IR検出器112Wによりそれぞれ生成された出力信号SNBおよびSWBを表すグラフである。比SNB/SWBを算出するための基礎は、図20Aに関して前述したのと同様である。プロセッサー1106は、IR源1412または周囲の照明の強度の変化によって生じた、フィルタウィンドウ108Wおよび1408Nの上面に達するIRエネルギーの変化に関して自己較正を行うための比SNB/SWBを算出する。例えば、IR源1412の出力における10%の減少は、狭帯域検出器112Nおよび広帯域検出器112Wからの信号SNBおよびSWBをそれぞれ10%低下させることになる。しかし、2つの検出器からの信号比SNB/SWBは、大きく変化しない。したがって、比SNB/SWBがどの程度1に接近したかを観察することにより、プロセッサー1106は狭帯域検出器112N及び広帯域検出器112Wをそれぞれモニタし、自己較正することができる。
【0096】
図21Aは、列2112と行2214に配置された個々のミラー要素2110からなるMEMSミラーアレイ2100の平面図を示す。ここに示した例では、要素2110の3×3配置が、グループ2118の5×5アレイ内で3×3グループ2116を構成する。したがって、MEMSミラーアレイ2100は、15×15アレイである。
【0097】
図9に関して前述した通り、一般的にMEMSミラーは2つの異なるモードで動作する。第1のモードにおいて、機械的リレーの動作方法と同様の動作方法で開始位置と終了位置の間で動作するミラー要素2110で、MEMSミラーアレイ2100は動作する。すなわち、第1のモードにおいて、開始位置および終了位置は固定され、MEMSミラーアレイ2100は非作動モードあるいは作動モードのいずれかである。いったん、コントロール信号が印加されると、MEMSミラー活性要素は終了位置あるいは最終位置まで急速に移動する。第2のモードにおいて、MEMSミラー2100は角度調整の全体に亘って滑らかな遷移で作動し、あるいは、連続した角度ステップを実行することもできる。また、運動の範囲は、特定の角度、すなわち+20〜0度に限定される。この運動の範囲は、40度の視野(FOV440)を提供する。
【0098】
図21B−1は、非作動の個々のMEMSミラー要素2110の活性領域に達したIR光線2120が、どのようにして光角度ηで光線2122として反射されるかを示す。ここに示された例では、非作動位置又は初期位置のηi=40°である。
【0099】
図21B−2は、作動中の個々のMEMSミラー要素2110の活性領域に達したIR光線2120が、どのようにして光角度ηで光線2122として反射されるかを示し、ここに示された例では、作動位置又は最終位置のη=80°である。すなわち、図21B−1の非作動位置から図21B−2の作動位置までの要素2110の角運動(η−ηi)の2倍となる。すなわち、MEMSミラー要素の20度の角運動は、初期角度ηi=40°から最終角度η=80°までの40度の反射光線運動をもたらす。
【0100】
図21Cは、各々、開始位置と終了位置の間のみで動作することができる要素からなるMEMSミラー装置用のIR光線の光跡を示す。常に開始および終了ミラーアレイ2100の一部を操作するだけで、開始位置と終了位置の間でのみ作動できるミラー要素2102a〜2102fからなるMEMSミラー装置で離散的なステップを創造することができる。検出器アセンブリー600の実際の指向は、図12に示す指向と同じである。例(a)において、活性要素2102a及び2102bの列は+20°の位置にあり、4列の要素2102c〜2102fは0°の位置にあり、ポート705を介して検出器筐体カバー110の外部で視認できる要素は無い。例(e)において、要素2102cから入射し、通常位置から検出器筐体カバー110まで14°の指向性の光線に関して、3列のミラー要素2102a〜2102cは+20°の位置に移動し、それにより、IRフィルタウィンドウ108を介して検出器筐体カバー110の外部で視認できる。IRフィルタウィンドウ108のための検出器アセンブリー600の開口部は、実際は光学的視野絞りである。例(f)において、要素列2102dから入射し、通常位置から検出器筐体カバー110まで19°の指向性の光線に関して、第3の列2102cは0°の位置に戻され、第4の列2102dは+20°の位置に移動する。明瞭化のため、IRフィルタ108は検出器筐体カバー110内には図示されていない。
【0101】
図22は、図16A1において示される本発明の受動性IRセンサのノンチョッピング(又はシミュレーションされたスウィーピング)スキャンのモックアップ・シミュレーションによる実際の電気出力を示す。
【0102】
上記の議論で評価できたように、運動検出のための4つの動作モードがある。
(1)スイープあるいはノンチョッピング・スキャンをシミュレーションするMEMSミラーアレイの多数のステップあるいは連続動作、
(2)個々のレンズ要素を一つずつ評価する有限数の離散的ステップ、
(3)MEMSミラーアレイの多数のステップあるいは連続動作によるチョッピングスキャン、
(4)有限数の離散的ステップによるチョッピングスキャン。
【0103】
したがって、図22は第1の動作モードによるスキャン出力を示す。
【0104】
本発明は、本願明細書において特定の典型的な実施例に関して記載されたものである。本発明の範囲を逸脱しない変更および改良は当業者にとって自明である。本発明の典型的な実施例は例示であり、それは添付の請求の範囲によって定義される本発明の範囲を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1A】従来の赤外線センサの底部から見た平面図である。
【図1B】図1Aの従来の赤外線センサの1B−1B線の断面図である。
【図1C】図1Aの従来の赤外線センサの1C−1C線の断面図である。
【図2】図1A−1Cの従来の赤外線センサの等角図である。
【図3】囲い内に設置された図1A−1Cの従来の赤外線センサを示す立面断面図である。
【図4A】図1A−1Cの従来の赤外線センサ及び本発明のIR光線露出パターンを示す平面図である。
【図4B】図1A−1Cの従来の赤外線センサのIR光線露出パターンを示す立面図である。
【図5】従来のIRセンサ検出システムのブロックダイアグラムである。
【図6A】本発明のMEMS系赤外線センサを示す平面図である。
【図6B】図6AのMEMS系赤外線センサの6B−6B線の断面図である。
【図6C】図6AのMEMS系赤外線センサの6C−6C線の断面図である。
【図7】図6A−6Cの従来の赤外線センサを示す等角図である。
【図8】囲い内に設置された図6A−6CのMEMS系赤外線センサを示す立面断面図である。
【図9】本発明のMEMSミラーセンサ要素の一タイプを示す。
【図10A】本発明のカーブミラーの有限要素等価物の二次元的表現の平面図である。
【図10B】本発明のカーブミラーの有限要素等価物の二次元的表現の側面図である。
【図10C】フラットミラーの有限要素シミュレーションを示す平面図である。
【図10D】図10Cのフラットミラーの有限要素シミュレーションを示す側面図である。
【図11A】本発明のMEMS系IRセンサ検出システムの一態様のブロックダイアグラムである。
【図11A−1】FOV内のIRゾーンの増分スキャニングを示す。
【図11A−2】FOV内のIRゾーンの離散有限スキャニングを示す。
【図11−B】本発明のMEMS系IRセンサ検出システムの第2の態様のブロックダイアグラムである。
【図12】本発明のMEMS系IRセンサ検出システムの領域カバーパターンを示す側立面図である。
【図13−1】本発明のMEMS系IRセンサ検出システムの運転のステップを示す方法ダイアグラムである。
【図13−2】本発明のMEMS系IRセンサ検出システムの運転のステップを示す方法ダイアグラムである。
【図13−3】本発明のMEMS系IRセンサ検出システムの運転のステップを示す方法ダイアグラムである。
【図13A】本発明のMEMS系IRセンサ検出システムの運転の第1の代替方法を示す方法ダイアグラムである。
【図13B】本発明のMEMS系IRセンサ検出システムの運転の第2の代替方法を示す方法ダイアグラムである。
【図14】MEMS系IR検出器アセンブリーがガス又は蒸気を検出するように配置された本発明の第3の態様を示す。
【図15A】ガス又は蒸気の検出用にデザインされた図14の赤外線センサ検出器アセンブリーの立面断面図である。
【図15B】ガス又は蒸気の検出用にデザインされた図15Aの赤外線センサ検出器アセンブリーの変形例の立面断面図である。
【図16】ガス検出のため狭帯域及び広帯域検出器の両方を収納したMEMS系IR検出器アセンブリーを示す平面図である。
【図16A】図16の16A−16A線の断面図である。
【図16B】図16の16B−16B線の断面図である。
【図16C】図16の16C−16C線の断面図である。
【図16D】図16の検出器アセンブリーの斜視図である。
【図16E】図16Dの検出器アセンブリーの切り欠き図である。
【図16A−1】図13及び13Aの方法におけるFOVを横切るノン−チョッピングスキャンを示す。
【図16A−2】図13及び13Aの方法におけるFOVを横切るチョッピングスキャンを示す。
【図16B−1】図13及び13Bの方法におけるレンズ要素のオンオフ切り替えのノン−チョッピングスキャンを示す。
【図16B−2】図13及び13Bの方法におけるレンズ要素のオンオフ切り替えのチョッピングスキャンを示す。
【図16B2.】図16B2の詳細を示す。
【図17】図13及び13Bのガス検出方法におけるチョッピングスキャンを示す。
【図18−1】図16A1及び16B1のノン−チョッピングスキャンにおける電気的信号出力を示す。
【図18−2】図16A1及び16B1のチョッピングスキャンにおける電気的信号出力を示す。
【図19】図17のガス検出チョッピングスキャンにおける電気的信号出力を示す。
【図20】図19のガス検出チョッピングスキャンにおけるIR吸収ピークを示す。
【図20A】ガスの存在下、狭帯域及び広帯域検出器の両方によって検出された信号レベル及び狭帯域信号レベルの広帯域信号レベルに対する比率を示す。
【図20B】IR源出力又は周囲のIRノイズレベルの変化に基づき狭帯域及び広帯域検出器の両方によって検出された信号レベルを示す。
【図21A】図9のMEMSミラーを組み込んだMEMSミラーアレイを示す平面図である。
【図21B−1】非作動位置のMEMSミラー要素を示す。
【図21B−2】作動位置のMEMSミラー要素を示す。
【図21C】スタート及びエンド位置だけを有するMEMS装置のIR光線跡を示す。
【図22】図16A1の受動IRセンサのノン−チョッピング(スイーピング)モードのモックアップシミュレーションからの実際の電気的出力を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
視野(FOV)を含む空間の体積内への侵入を検出するための空間安全装置であって、前記侵入は前記FOVを含む前記空間の体積におけるガス又は蒸気であり、前記FOVは、
IRエネルギー光線を発光する赤外線(IR)エネルギーレファレンス源と、
検出されるべきポテンシャルガス又は蒸気の試料を提供し、かつ前記IRエネルギー光線がそれを経由して通過する前記空間の体積からの空気路と、
前記IRエネルギーレファレンス源で発光された前記IRエネルギー光線を平行化するための、前記IRエネルギー源及び前記空気路の間の平行化レンズと、
前記空気路からの前記平行化されたIRエネルギー光線を合焦させるための合焦要素と、を有し、
前記空間安全装置は、さらに、
前記平行化されたIRエネルギー光線にフィルタをかけるための狭帯域バンドパスフィルタ要素(前記IRエネルギー光線は前記狭帯域バンドパスフィルタ要素を通過する前に前記空気路を通過する)と、
前記狭帯域バンドパスフィルタからの前記狭帯域IRエネルギー光線を反射するための微小電気機械システム(MEMS)ミラーアレイと、
前記MEMSアレイで反射された前記狭帯域IRエネルギー光線の変化を検出し、かつ前記狭帯域IRエネルギー光線を出力信号に変換するためのIRエネルギー検出器と、
前記狭帯域検出器からの前記出力信号を増幅するための増幅器と、
前記狭帯域検出器からの前記出力信号をアナログからデジタルに変換するためのアナログ−デジタル変換器と、
前記狭帯域検出器からの前記出力信号を処理するためのプロセッサーと、
前記狭帯域検出器からの前記出力信号を保存するためのメモリーストレージと、
前記平行化されたIRエネルギー光線にフィルタをかけるための広帯域バンドパスフィルタ要素(前記IRエネルギー光線は前記広帯域バンドパスフィルタ要素を通過する前に前記空気路を通過する)と、
前記広帯域バンドパスフィルタからの前記広帯域IRエネルギー光線を反射するための微小電気機械システム(MEMS)ミラーアレイと、
前記MEMSアレイで反射された前記広帯域IRエネルギー光線を検出し、かつ前記広帯域IRエネルギー光線を出力信号に変換するためのIRエネルギー検出器と、
前記広帯域検出器からの前記出力信号を増幅するための増幅器と、
前記広帯域検出器からの前記出力信号をアナログからデジタルに変換するためのアナログ−デジタル変換器と、
前記広帯域検出器からの前記出力信号を処理するためのプロセッサーと、
前記広帯域検出器からの前記出力信号を保存するためのメモリーストレージと、
前記IR源及びこのIRレファレンスの間で前記MEMSミラーアレイを切り替えることでレファレンス信号が得られることを可能にするIRレファレンスと、
前記MEMSミラーアレイの少なくとも1つのミラー要素の角度を調整するコントローラーと、
前記狭帯域検出器から受けた前記IRエネルギー光線における変化に対応した出力信号における変化に応答して、ガス又は蒸気の検出を知らせるアラームと、を備える空間安全装置。
【請求項2】
前記出力信号は、電圧、磁気圧力、光圧、音圧、気圧、及び水圧のうちの1つである請求項1に記載の空間安全装置。
【請求項3】
前記コントローラーは、前記MEMSミラーアレイの前記少なくとも1つのミラー要素に対する制御信号を変化させることによって角度を調整する請求項1に記載の空間安全装置。
【請求項4】
前記出力信号は、電圧、磁気圧力、光圧、音圧、気圧、及び水圧のうちの1つである請求項3に記載の空間安全装置。
【請求項5】
前記制御信号は、電気であり、かつ前記コントローラーは、前記MEMSミラーアレイに対する電圧又は電流を変化させて、前記MEMSミラーアレイの少なくとも1つのミラー要素の動きを引き起こす請求項3に記載の空間安全装置。
【請求項6】
前記電圧又は電流の変化は、熱膨張及び静電気力の少なくとも1つによって動きを引き起こす請求項5に記載の空間安全装置。
【請求項7】
前記コントローラーは、前記MEMSミラーアレイを、チョッピングモードで前記FOVを横切ることで、前記IR検出器の前記FOVを横切るように作動させる請求項1に記載の空間安全装置。
【請求項8】
前記チョッピングモードで前記FOVを横切ることは、増分重複ステップで前記FOVを横切ることによって成し遂げられる請求項7に記載の空間安全装置。
【請求項9】
前記チョッピングモードで前記FOVを横切ることは、離散有限ステップで前記FOVを横切ることによって成し遂げられる請求項7に記載の空間安全装置。
【請求項10】
前記空間安全装置の改竄及び劣化のうちの少なくとも1つを検出するためのレファレンス値を提供するIR源をさらに備える請求項7に記載の空間安全装置。
【請求項11】
前記MEMSミラーアレイは、カーブミラーの有限要素表示をシミュレートするためにそれぞれ回転が可能なミラー要素から構成される請求項1に記載の空間安全装置。
【請求項12】
前記MEMSミラーアレイは、フラットミラーの有限要素表示をシミュレートするために形成されたミラー要素から構成される請求項1に記載の空間安全装置。
【請求項13】
検出器アセンブリーは、
前記狭帯域フィルタ要素及び前記広帯域フィルタ要素の少なくとも1つと、
セラミック基板上に配置される前記狭帯域MEMSミラーアレイ及び前記広帯域MEMSミラーアレイの少なくとも1つと、
前記MEMSアレイによって反射された前記IRエネルギー光線を検出するために配置される前記狭帯域IRエネルギー光線検出器及び前記広帯域IRエネルギー光線検出器の少なくとも1つと、を備える請求項1に記載の空間安全装置。
【請求項14】
前記検出器アセンブリーは、前記狭帯域フィルタ要素及び前記広帯域フィルタ要素の両方を備え、及び
仕切りが、前記狭帯域フィルタ要素を前記広帯域フィルタ要素から分離する請求項13に記載の空間安全装置。
【請求項15】
前記検出器アセンブリーは、前記狭帯域MEMSミラーアレイ及び前記広帯域MEMSミラーアレイの両方を備え、及び
仕切りが、前記狭帯域MEMSミラーアレイを前記広帯域MEMSミラーアレイから分離する請求項13に記載の空間安全装置。
【請求項16】
前記検出器アセンブリーは、前記狭帯域IRエネルギー光線検出器及び前記広帯域IRエネルギー光線検出器の両方を備え、及び
仕切りが、前記狭帯域IRエネルギー光線検出器を前記広帯域IRエネルギー光線検出器から分離する請求項13に記載の空間安全装置。
【請求項17】
前記狭帯域IRフィルタ要素及び前記広帯域IRフィルタ要素の少なくとも1つを囲む検出器アセンブリー筐体と、
セラミック基板上に配置される前記狭帯域MEMSミラーアレイ及び前記広帯域MEMSミラーアレイの少なくとも1つと、
前記MEMSアレイによって反射された前記IRエネルギー光線を検出するために配置される前記狭帯域IRエネルギー光線検出器及び前記広帯域IRエネルギー光線検出器の少なくとも1つと、
前記検出器アセンブリー筐体に合体する検出器アセンブリー筐体ベースと、をさらに備える請求項13に記載の空間安全装置。
【請求項18】
前記検出器アセンブリー筐体ベースは、プリント基板に合体する少なくとも5本のピンをさらに備える請求項17に記載の空間安全装置。
【請求項19】
前記ピンの1本は電力を受け、前記ピンの1本はグランドであり、前記ピンの1本は前記狭帯域IR検出器からの信号を送信し、前記ピンの1本は前記広帯域IR検出器からの信号を送信し、及び前記ピンの1本はMEMS制御信号を提供する請求項18に記載の空間安全装置。
【請求項20】
前記検出器アセンブリーは、プリント基板に合体される請求項13に記載の空間安全装置。
【請求項21】
前記プリント基板は、
前記出力信号を増幅する少なくとも1つの前記増幅器と、
前記検出器からの前記出力信号を変換する少なくとも1つの前記アナログ−デジタル変換器と、
前記出力信号を処理する前記プロセッサーと、
前記出力信号を保存する前記メモリーストレージと、
少なくとも1つの前記MEMSミラーアレイの少なくとも1つのミラー要素の角度を調整する前記コントローラーと、
ガス又は蒸気の検出を知らせるアラームと、を備える請求項20に記載の空間安全装置。
【請求項22】
前記プリント基板及び前記検出器アセンブリーは、囲い筐体内に配置されるとともに前記囲い筐体に合体する囲いベース上に配置され、前記検出器アセンブリー内の前記少なくとも1つのMEMSミラーアレイが前記囲い筐体内のウインドーを介して前記IRエネルギー光線を受信することができる請求項21に記載の空間安全装置。
【請求項23】
前記検出器アセンブリーは、前記検出器アセンブリー内の前記少なくとも1つのMEMSミラーアレイが前記プリント基板に平行となり、かつ前記プリント基板が前記囲いベースに対しておよそ30°〜45°の角度で配置されるように、前記プリント基板上に配置される請求項21に記載の空間安全装置。
【請求項24】
前記ウインドーは、前記IRエネルギー光線を合焦させる合焦要素から構成される請求項22に記載の空間安全装置。
【請求項25】
前記囲い筐体は、前記ウインドーの近傍に配置されるIR源をさらに備え、前記MEMSミラーアレイが前記IRエネルギーを前記IR源から受けるとともに前記IR検出器要素に反射する請求項22に記載の空間安全装置。
【請求項26】
前記IR源は、前記空間安全装置の改竄及び劣化のうちの少なくとも1つを検出するためのレファレンス値を提供する請求項25に記載の空間安全装置。
【請求項27】
前記狭帯域フィルタでフィルタをかけられた前記出力信号が複数のピーク値を有し、前記複数の狭帯域ピーク値の少なくとも1つがIR吸収を示す前記空気路内のガス又は蒸気濃度を示すこと、及び
前記広帯域フィルタでフィルタをかけられた前記出力信号が複数のピーク値を有し、前記複数の広帯域ピーク値の少なくとも1つの振幅のシフトが前記IR源の前記出力電力のシフトを示すこと、のうちの少なくとも1つから構成される請求項1に記載の空間安全装置。
【請求項28】
前記プロセッサーは、所定時間、前記狭帯域IR検出器の前記出力信号の瞬時ピーク値の前記広帯域IR検出器の前記出力信号の瞬時ピーク値に対する比率を算出する請求項27に記載の空間安全装置。
【請求項29】
所定時間、1より著しく小さい値を有する前記ピーク値の比率の発生は、前記空気路内のガス又は蒸気の濃度を示し、また、所定時間、1に接近した値を有する前記ピーク値の比率は、前記狭帯域及び広帯域IR検出器の自己較正を可能とする、IR出力及び周辺光の少なくとも1つのシフトを示す請求項28に記載の空間安全装置。
【請求項30】
前記プロセッサーは、所定時間、前記狭帯域IR検出器の前記出力信号の瞬時ピーク値の平均の前記広帯域IR検出器の前記出力信号の瞬時ピーク値の平均に対する比率を算出する請求項27に記載の空間安全装置。
【請求項31】
所定時間、1より著しく小さい値を有する前記瞬時ピーク値の平均の前記比率の発生は、前記空気路内のガス又は蒸気の濃度を示し、また、所定時間、1に接近した値を有する前記ピーク値の平均の前記比率は、前記狭帯域及び広帯域IR検出器の自己較正を可能とする、IR出力及び周辺光の少なくとも1つのシフトを示す請求項30に記載の空間安全装置。
【請求項32】
前記プロセッサーは、所定時間、前記狭帯域IR検出器の前記出力信号の瞬時ピーク値の前記広帯域IR検出器の前記出力信号の瞬時ピーク値に対する比率を平均化する請求項27に記載の空間安全装置。
【請求項33】
所定時間、1より著しく小さい値を有する平均比率の発生は、前記空気路内のガス又は蒸気の濃度を示し、また、所定時間、1に接近した値を有する前記平均比率は、前記狭帯域及び広帯域IR検出器の自己較正を可能とする、IR出力及び周辺光の少なくとも1つのシフトを示す請求項32に記載の空間安全装置。
【請求項34】
前記MEMSミラーアレイの少なくとも1つのミラー要素の角度を調整する前記コントローラーは、前記少なくとも1つのミラー要素の角度位置を切り替える請求項1に記載の空間安全装置。
【請求項35】
視野(FOV)を含む空間の体積内への侵入を検出する空間安全装置であって、前記侵入は前記FOVを含む前記空間の体積におけるガス又は蒸気であり、前記FOVは、
IRエネルギー光線を発光する赤外線(IR)エネルギーレファレンス源と、
検出されるべきポテンシャルガス又は蒸気の試料を提供し、かつ前記IRエネルギー光線がそれを経由して通過する前記空間の体積からの空気路と、
前記IRエネルギーレファレンス源で発光された前記IRエネルギー光線を平行化する、前記IRエネルギー源及び前記空気路の間の平行化レンズと、
前記空気路からの前記平行化されたIRエネルギー光線を合焦させる複数の合焦要素と、を有し、
前記空間安全装置は、さらに、
前記平行化されたIRエネルギー光線にフィルタをかける狭帯域バンドパスフィルタ要素(前記IRエネルギー光線は前記狭帯域バンドパスフィルタ要素を通過する前に前記空気路を通過する)と、
前記狭帯域バンドパスフィルタからの前記狭帯域IRエネルギー光線を反射する微小電気機械システム(MEMS)ミラーアレイと、
前記MEMSアレイで反射された前記狭帯域IRエネルギー光線における低下を検出し、かつ前記狭帯域IRエネルギー光線を出力信号に変換するIRエネルギー検出器と、
前記狭帯域検出器からの前記出力信号を増幅する増幅器と、
前記狭帯域検出器からの前記出力信号をアナログからデジタルに変換するアナログ−デジタル変換器と、
前記狭帯域検出器からの前記出力信号を処理するプロセッサーと、
前記狭帯域検出器からの前記出力信号を保存するメモリーストレージと、
前記平行化されたIRエネルギー光線にフィルタをかける広帯域バンドパスフィルタ要素(前記IRエネルギー光線は前記広帯域バンドパスフィルタ要素を通過する前に前記空気路を通過する)と、
前記広帯域バンドパスフィルタからの前記広帯域IRエネルギー光線を反射する微小電気機械システム(MEMS)ミラーアレイと、
前記MEMSアレイで反射された前記広帯域IRエネルギー光線を検出し、かつ前記広帯域IRエネルギー光線を出力信号に変換するIRエネルギー検出器と、
前記広帯域検出器からの前記出力信号を増幅する増幅器と、
前記広帯域検出器からの前記出力信号をアナログからデジタルに変換するアナログ−デジタル変換器と、
前記広帯域検出器からの前記出力信号を処理するプロセッサーと、
前記広帯域検出器からの前記出力信号を保存するメモリーストレージと、
前記IR源及びこのIRレファレンスの間で前記MEMSミラーアレイを切り替えることでレファレンス信号が得られることを可能にするIRレファレンスと、
前記IR源及び前記IRレファレンスの間を交互に切り替えるチョッピングモードで合焦要素間を切り替えることによって前記MEMSミラーアレイを調整するコントローラーと、
前記狭帯域検出器から受けた出力信号における変化に応答して、ガス又は蒸気の検出を知らせるアラームと、を備える空間安全装置。
【請求項36】
前記合焦要素は、(a)レンズ要素及び(b)ミラー合焦要素の少なくとも1つである請求項35に記載の空間安全装置。
【請求項37】
前記出力信号は、電圧、磁気圧力、光圧、音圧、気圧、及び水圧のうちの1つである請求項36に記載の空間安全装置。
【請求項38】
前記コントローラーは、前記MEMSミラーアレイを、チョッピングモードで前記FOVを横切ることで、前記IR検出器の前記FOVを横切るように作動させる請求項37に記載の空間安全装置。
【請求項39】
前記コントローラーは、前記MEMSミラーアレイが合焦要素間を増分重複ステップで切り替わるように制御する請求項38に記載の空間安全装置。
【請求項40】
前記コントローラーは、前記MEMSミラーアレイが合焦要素間を離散有限ステップで切り替わるように制御する請求項38に記載の空間安全装置。
【請求項41】
前記空間安全システムの改竄及び劣化のうちの少なくとも1つを検出するためのレファレンス値を提供するIR源をさらに備える請求項35に記載の空間安全装置。
【請求項42】
前記MEMSミラーアレイは、カーブミラーの有限要素表示をシミュレートするためにそれぞれ回転が可能なミラー要素から構成される請求項35に記載の空間安全装置。
【請求項43】
前記MEMSミラーアレイは、フラットミラーの有限要素表示をシミュレートするために形成されたミラー要素から構成される請求項35に記載の空間安全装置。
【請求項44】
検出器アセンブリーは、
前記フィルタ要素と、
セラミック基板上に配置されるMEMSミラーアレイと、
前記MEMSアレイによって反射されたIR光線を検出するために配置される前記IRエネルギー光線検出器と、を備える請求項35に記載の空間安全装置。
【請求項45】
前記検出器アセンブリーは、
前記狭帯域IRフィルタ要素及び前記広帯域IRフィルタ要素の少なくとも1つを囲む検出器アセンブリー筐体と、
セラミック基板上に配置される前記狭帯域及び前記広帯域MEMSミラーアレイの少なくとも1つと、
前記MEMSアレイによって反射された前記IRエネルギー光線を検出するために配置される前記狭帯域IRエネルギー光線検出器及び前記広帯域IRエネルギー光線検出器の少なくとも1つと、
前記検出器アセンブリー筐体に合体する検出器アセンブリー筐体ベースと、
をさらに備える請求項44に記載の空間安全装置。
【請求項46】
前記検出器アセンブリーは、前記狭帯域IRフィルタ要素及び前記広帯域IRフィルタ要素の両方を備え、及び
仕切りが、前記狭帯域IRフィルタ要素を前記広帯域IRフィルタ要素から分離する請求項45に記載の空間安全装置。
【請求項47】
前記検出器アセンブリーは、前記狭帯域MEMSミラーアレイ及び前記広帯域MEMSミラーアレイの両方を備え、及び
仕切りが、前記狭帯域MEMSミラーアレイを前記広帯域MEMSミラーアレイから分離する請求項45に記載の空間安全装置。
【請求項48】
前記検出器アセンブリーは、前記狭帯域IRエネルギー光線検出器及び前記広帯域IRエネルギー光線検出器の両方を備え、及び
仕切りが、前記狭帯域IRエネルギー光線検出器を前記広帯域IRエネルギー光線検出器から分離する請求項45に記載の空間安全装置。
【請求項49】
前記検出器アセンブリー筐体ベースは、プリント基板に合体する少なくとも5本のピンをさらに備える請求項45に記載の空間安全装置。
【請求項50】
前記ピンの1本は電力を受け、前記ピンの1本はグランドであり、前記ピンの1本は前記狭帯域IR検出器からの信号を送信し、前記ピンの1本は前記広帯域IR検出器からの信号を送信し、及び前記ピンの1本はMEMS制御信号を提供する請求項49に記載の空間安全装置。
【請求項51】
前記検出器アセンブリーは、プリント基板に合体される請求項44に記載の空間安全装置。
【請求項52】
前記プリント基板は、
前記出力信号を増幅する少なくとも1つの前記増幅器と、
前記検出器からの前記出力信号を変換する少なくとも1つの前記アナログ−デジタル変換器と、
前記出力信号を処理する前記プロセッサーと、
前記出力信号を保存する前記メモリーストレージと、
前記IR源及び前記IRレファレンスの間を交互に切り替えるチョッピングモードで合焦要素間を切り替えることによって前記MEMSミラーアレイを調整する前記コントローラーと、
ガス又は蒸気の検出を知らせるアラームと、を備える請求項39に記載の空間安全装置。
【請求項53】
前記プリント基板及び前記検出器アセンブリーは、囲い筐体内に配置されるとともに前記囲い筐体に合体する囲いベース上に配置され、前記検出器アセンブリー内の前記少なくとも1つのMEMSミラーアレイが前記囲い筐体内のウインドーを介して前記IRエネルギー光線を受信することができる請求項52に記載の空間安全装置。
【請求項54】
前記検出器アセンブリーは、前記検出器アセンブリー内の前記少なくとも1つのMEMSミラーアレイが前記プリント基板に平行となり、かつ前記プリント基板が前記囲いベースに対しておよそ30°〜45°の角度で配置されるように、前記プリント基板上に配置される請求項53に記載の空間安全装置。
【請求項55】
前記ウインドーは、前記IRエネルギー光線を合焦させる合焦要素から構成される請求項53に記載の空間安全装置。
【請求項56】
前記囲い筐体は、前記ウインドーの近傍に配置されるIR源をさらに備え、前記少なくとも1つのMEMSミラーアレイが前記IRエネルギーを前記IR源から受けるとともに前記IR検出器要素に反射し、前記IR源は、前記空間安全装置の改竄及び劣化のうちの少なくとも1つを検出するためのレファレンス値を提供する請求項53に記載の空間安全装置。
【請求項57】
前記狭帯域フィルタでフィルタをかけられた前記出力信号が複数のピーク値を有し、前記複数の狭帯域ピーク値の少なくとも1つの振幅のシフトがIR吸収を示す前記空気路内のガス又は蒸気濃度の存在を示すこと、及び
前記広帯域フィルタでフィルタをかけられた前記出力信号が複数のピーク値を有し、前記複数の広帯域ピーク値の少なくとも1つの振幅のシフトが前記IR源の前記出力電力のシフトを示すこと、のうちの少なくとも1つから構成される請求項35に記載の空間安全装置。
【請求項58】
前記プロセッサーは、所定時間、前記狭帯域IR検出器の前記出力信号の瞬時ピーク値の前記広帯域IR検出器の前記出力信号の瞬時ピーク値に対する比率を算出する請求項57に記載の空間安全装置。
【請求項59】
所定時間、1より著しく小さい値を有する前記ピーク値の比率の発生は、前記空気路内のガス又は蒸気の存在を示し、また、所定時間、1に接近した値を有する前記ピーク値の比率は、前記狭帯域及び広帯域IR検出器の自己較正を可能とする、IR出力及び周辺光の少なくとも1つのシフトを示す請求項58に記載の空間安全装置。
【請求項60】
前記プロセッサーは、所定時間、前記狭帯域IR検出器の前記出力信号の瞬時ピーク値の平均の前記広帯域IR検出器の前記出力信号の瞬時ピーク値の平均に対する比率を算出する請求項57に記載の空間安全装置。
【請求項61】
所定時間、1より著しく小さい値を有する前記瞬時ピーク値の平均の前記比率の発生は、前記空気路内のガス又は蒸気の存在を示し、また、所定時間、1に接近した値を有する前記ピーク値の平均の前記比率は、前記狭帯域及び広帯域IR検出器の自己較正を可能とする、IR出力及び周辺光の少なくとも1つのシフトを示す請求項60に記載の空間安全装置。
【請求項62】
前記プロセッサーは、所定時間、前記狭帯域IR検出器の前記出力信号の瞬時ピーク値の前記広帯域IR検出器の前記出力信号の瞬時ピーク値に対する比率を平均化する請求項57に記載の空間安全装置。
【請求項63】
所定時間、1より著しく小さい値を有する平均比率の発生は、前記空気路内のガス又は蒸気の存在を示し、また、所定時間、1に接近した値を有する前記平均比率は、前記狭帯域及び広帯域IR検出器の自己較正を可能とする、IR出力及び周辺光の少なくとも1つのシフトを示す請求項62に記載の空間安全装置。
【請求項64】
視野(FOV)を含む空間の体積内への侵入を検出する方法であって、前記侵入は前記視野(FOV)内の空気路を含む前記空間の体積におけるガス又は蒸気であり、前記方法は、
a)IR検出器の活性要素に対し平行化された赤外線(IR)エネルギー光線を反射するための微小電気機械システム(MEMS)ミラーアレイ、狭IR帯域バンドパスフィルタによってフィルタをかけられ平行化された光線の一部、広IR帯域バンドパスフィルタによってフィルタをかけられ平行化された光線の一部、前記MEMSミラーアレイに対し前記空気路の末端に配置されるIRエネルギー源を位置決めするステップと、
b)前記狭IR帯域バンドパスフィルタ及び狭IR帯域検出器を介して前記空気路の末端における前記IR熱源のIRエネルギーを所定のスキャンレートで測定するステップと、
c)前記狭IR帯域バンドパスフィルタ及び狭IR帯域検出器を介して前記MEMSミラーアレイにおける既知のレファレンス温度のポイントの温度を所定のスキャンレートで測定するステップと、
d)前記広IR帯域バンドパスフィルタ及び広IR帯域検出器を介して前記空気路の末端における前記IR熱源のIRエネルギーを所定のスキャンレートで測定するステップと、
e)前記広IR帯域バンドパスフィルタ及び広IR帯域検出器を介して前記MEMSミラーアレイにおける既知のレファレンス温度のポイントの温度を所定のスキャンレートで測定するステップと、
f)前記広帯域フィルタを有する検出器によって受信されたIRエネルギー光線を測定することによって、検出器システムを較正するステップと、を含む侵入の検出方法。
【請求項65】
前記ステップ(c)の前記狭IR帯域バンドパスフィルタ及び狭IR帯域検出器を介して前記MEMSミラーアレイにおける既知のレファレンス温度のポイントの温度を所定のスキャンレートで測定するステップ及び前記ステップ(d)の前記広IR帯域バンドパスフィルタ及び広IR帯域検出器を介して前記空気路における前記IR熱源のIRエネルギーを所定のスキャンレートで測定するステップは、それぞれ
(b’1)前記IRエネルギー光線を合焦させるステップと、
(b’2)前記IRエネルギー光線をフィルタにかけるステップと、
(b’3)前記IRエネルギー光線を前記MEMSミラーアレイによって検出器に反射させるステップと、
(b’4)前記検出器によって前記IRエネルギー光線を検出するステップと、
(b’5)前記IRエネルギー光線を出力信号に変換するステップと、
(b’6)前記出力信号を増幅するステップと、
(b’7)前記出力信号をアナログからデジタルに変換ステップと、
(b’8)前記出力信号を、検出を知らせる前にプロセッサーによって処理するステップと、を含む請求項64に記載の侵入の検出方法。
【請求項66】
前記出力信号は、電圧、磁気圧力、光圧、音圧、気圧、及び水圧のうちの1つである請求項65に記載の侵入の検出方法。
【請求項67】
前記ステップ(c)及び(d)は、それぞれ
(b’9)前記MEMSミラーアレイがスキャンニングによって全てのミラーアレイ要素を測定するように制御するステップ、をさらに含む請求項65に記載の侵入の検出方法。
【請求項68】
g)全てのミラーアレイ要素が測定されたか否かを決定するステップと、
h1)ノーの場合、ステップ(b)〜(f)を繰り返すステップと、
h2)イエスの場合、前記視野のスキャンを保存するステップと、
i)スキャンの結果を処理するステップと、
j)狭帯域フィルタを有する検出器によって受信された前記IRエネルギー光線の広帯域フィルタを有する検出器によって受信された前記IRエネルギー光線に対する比率の変化を所定時間検出することによって、スキャンの結果に基づきガス又は蒸気が検出されたか否かを決定するステップと、
k1)イエスの場合、アラームを知らせるステップと、
k2)メイビー(タブン)の場合、ステップ(b)〜ステップ(f)のガス又は蒸気が検出されると思われる空気路を再スキャンすることで温度を測定するステップに戻るステップと、
k3)ノーの場合、ステップ(b)〜(f)に戻るステップと、をさらに含む請求項67に記載の侵入の検出方法。
【請求項69】
ステップ(j)は、所定時間、前記狭帯域IR検出器の前記出力信号の瞬時ピーク値の前記広帯域IR検出器の前記出力信号の瞬時ピーク値に対する比率を算出することによって行われる請求項68に記載の侵入の検出方法。
【請求項70】
所定時間、1より著しく小さい値を有する前記ピーク値の比率の発生は、前記空気路内のガス又は蒸気の濃度を示し、また、所定時間、1に接近した値を有する前記ピーク値の比率は、前記狭帯域及び広帯域IR検出器の自己較正を可能とする、IR出力及び周辺光の少なくとも1つのシフトを示す請求項69に記載の侵入の検出方法。
【請求項71】
ステップ(j)は、ステップ(j”)の所定時間、前記狭帯域IR検出器の前記出力信号の瞬時ピーク値の平均の前記広帯域IR検出器の前記出力信号の瞬時ピーク値の平均に対する比率を算出するステップによって行われる請求項68に記載の侵入の検出方法。
【請求項72】
所定時間、1より著しく小さい値を有する前記瞬時ピーク値の平均の前記比率の発生は、前記空気路内のガス又は蒸気の濃度を示し、また、所定時間、1に接近した値を有する前記ピーク値の平均の前記比率は、前記狭帯域及び広帯域IR検出器の自己較正を可能とする、IR出力及び周辺光の少なくとも1つのシフトを示す請求項71に記載の侵入の検出方法。
【請求項73】
ステップ(j)は、ステップ(j”’)の所定時間、前記狭帯域IR検出器の前記出力信号の瞬時ピーク値の前記広帯域IR検出器の前記出力信号の瞬時ピーク値に対する比率を平均化するステップによって行われる請求項68に記載の侵入の検出方法。
【請求項74】
所定時間、1より著しく小さい値を有する平均比率の発生は、前記空気路内のガス又は蒸気の濃度を示し、また、所定時間、1に接近した値を有する前記平均比率は、前記狭帯域及び広帯域IR検出器の自己較正を可能とする、IR出力及び周辺光の少なくとも1つのシフトを示す請求項73に記載の侵入の検出方法。
【請求項75】
ステップ(b)〜(f)の前記IRエネルギー及び温度を測定するステップは、
(b1’)前記MEMSミラーアレイの少なくとも1つのミラー要素の角度を調整するように信号コントローラーに命令するステップ、及び
(b1”)前記IR源のエネルギー及び前記IRレファレンスの温度の測定に続き前記MEMSミラーアレイがチョッピングモードで一から他の合焦要素に切り替わるように調整することを信号コントローラーに命令するステップ、の少なくとも1つのステップを含む請求項68に記載の侵入の検出方法。
【請求項76】
ステップ(b1’)の信号コントローラーに少なくとも1つのミラー要素の角度を調整するように命令するステップは、その角度位置を切り替えることによって行われる請求項75に記載の侵入の検出方法。
【請求項77】
ステップ(b1’)の角度を調整するステップは、
b2)前記MEMSミラーアレイの少なくとも1つの要素に対する制御信号を変化させるステップを含む請求項75に記載の侵入の検出方法。
【請求項78】
ステップ(b2)の前記MEMSミラーアレイの少なくとも1つの要素に対する制御信号を変化させるステップは、前記MEMSミラーアレイの少なくとも1つのミラー要素の動きを起こさせる請求項77に記載の侵入の検出方法。
【請求項79】
前記制御信号は、電圧、磁気圧力、光圧、音圧、気圧、及び水圧のうちの1つである請求項77に記載の空間安全装置。
【請求項80】
前記制御信号は、電気的であり、前記ステップ(b2)の制御信号を変化させるステップは、熱膨張及び静電気力の少なくとも1つによって動きを引き起こすための電圧又は電流を変化させることによって行われる請求項77に記載の侵入の検出方法。
【請求項81】
前記合焦要素は、(a)レンズ要素、及び(b)ミラー合焦要素のうちの少なくとも1つから構成される請求項75に記載の侵入の検出方法。
【請求項82】
ステップ(k2)のガス又は蒸気が検出されると思われる空気路を再スキャンするステップは、
k2’)所定のスキャン比率で再スキャンするステップ、及び
k2”)異なるスキャン比率で再スキャンするステップ、のうちの少なくとも1つのステップを含む請求項68に記載の侵入の検出方法。
【請求項83】
前記ミラー要素は、検出器アセンブリー筐体の外部を視認するためのIRフィルタウインドーを有する前記検出器アセンブリー筐体内に配置されるスタート及びエンド位置ミラー要素であり、前記方法は、
前記検出器アセンブリー筐体の外部を視認するようにスタート及びエンド位置において前記ミラー要素の前記列及び行の少なくとも一部を方向付けるステップを含む請求項64に記載の空間の体積内への侵入を検出する方法。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図6C】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図10C】
image rotate

【図10D】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図11A−1】
image rotate

【図11A−2】
image rotate

【図11−B】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13−1】
image rotate

【図13−2】
image rotate

【図13−3】
image rotate

【図13A】
image rotate

【図13B】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15A】
image rotate

【図15B】
image rotate

【図16】
image rotate

【図16A】
image rotate

【図16B】
image rotate

【図16C】
image rotate

【図16D】
image rotate

【図16E】
image rotate

【図16A−1】
image rotate

【図16A−2】
image rotate

【図16B−1】
image rotate

【図16B−2】
image rotate

【図16B2】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18−1】
image rotate

【図18−2】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図20A】
image rotate

【図20B】
image rotate

【図21A】
image rotate

【図21B−1】
image rotate

【図21B−2】
image rotate

【図21C】
image rotate

【図22】
image rotate


【公表番号】特表2008−510961(P2008−510961A)
【公表日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527856(P2007−527856)
【出願日】平成17年8月3日(2005.8.3)
【国際出願番号】PCT/US2005/027774
【国際公開番号】WO2006/023288
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(507053943)ハニウェル インターナショナル インコーポレーテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】HONEYWELL INTERNATIONAL, INC.
【Fターム(参考)】