説明

OFDM受信装置

【課題】本発明は、受信信号から伝送路情報をより正確に取り出すことができるOFDM受信装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るOFDM受信装置100は、FFT部1、除算部2、IFFT部7、およびLPF部8を備えている。FFT部1は、外部から受信した受信信号をフーリエ変換する。除算部2は、FFT部1からの出力信号に含まれるパイロット信号を、規定のパイロット信号で除して、周波数領域の伝送路伝達関数を生成する。IFFT部7は、周波数領域の伝送路伝達関数を逆フーリエ変換し、時間領域の伝送路インパルス応答を生成する。LPF部8は、IFFT部7で生成された時間領域の伝送路インパルス応答に対して、フィルタリング処理を施す。当該OFDM受信装置100は、LPF部8からの出力信号を基に、OFDM信号の復調処理を実施する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、OFDM受信装置に係る発明であり、特に、受信信号から伝送路情報をより正確に取り出すことができるOFDM受信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
日本の地上波デジタルテレビ放送では、伝送方式として、OFDM(直交周波数分割多重;Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式が採用されている。OFDM方式は、送信信号を複数の搬送波に分割して送信するマルチキャリア伝送方式の1つである。当該OFDM方式は、マルチパス伝送路の周波数選択性フェージングに強い、各サブチャネルのスペクトルが密に配置できる、周波数利用効率が高い、などの利点がある。
【0003】
また、携帯機器向けの地上波デジタルテレビ放送(1セグ放送)が開始されている。デジタルテレビ放送の受信が可能な携帯電話機(またはカード型デジタルテレビ受信機など)を設計する場合には、常に小型化と低消費電力化を考慮しなければならない。ここで、携帯機器は一般的に、移動しながら放送信号を受信する。したがって、伝送路情報は、OFDM受信装置における復調処理制御の際には、欠かすことができない重要な情報である。当該伝送路情報は、OFDM受信装置が外部から受信した受信信号から取り出すことができる。
【0004】
同期復調(Coherent Demodulation)方式が適用されたOFDM変調システムにおいては、伝送路情報は同期復調制御の際だけでなく、FFT(高速フーリエ変換;Fast Fourier Transform)窓位置制御、クロック同期、伝送路推定等の際にも使用される。
【0005】
当該伝送路情報は、周波数領域の伝送路伝達関数および時間領域の伝送路インパルス応答から取り出すことができる。復調処理制御等の各制御の際に主に用いられるのは、時間領域の伝送路インパルス応答の方である。当該時間領域の伝送路インパルス応答からは、伝送路における直接波と反射波との相対関係情報(遅延、振幅比)、FFT窓位置のオフセット情報、およびFFT窓位置のシフト情報などの情報が得られる。そして、OFDM受信装置は、時間領域の伝送路インパルス応答から得られた情報を基に、上記受信信号に含まれるOFDM信号の復調処理等を制御する。
【0006】
なお、周波数領域の伝送路伝達関数および時間領域の伝送路インパルス応答に関する技術は、たとえば特許文献1に開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開2006−253915号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記伝送路情報を含む受信信号は、外部ノイズやフェージング等の外乱により乱れることがある。特に、ドップラーシフトの高いレイリーフェージングの伝送路の場合には、上記時間領域の伝送路インパルス応答がかなり乱れる。つまり、時間領域の伝送路インパルス応答波形に偽反射信号となる大きなノイズが多数含まれてしまい、逆に反射波が時間領域の伝送路インパルス応答波形から検出されなくなったりする。
【0009】
当該乱れた時間領域の伝送路インパルス応答からは、正確な伝送路情報を得ることができず、正確なOFDM信号の復調ができなくなる。最悪な場合には、同期がはずれて、OFDM信号の受信不能に陥ることもある。
【0010】
そこで、本発明は、受信信号から伝送路情報をより正確に取り出すことができるOFDM受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載のOFDM受信装置は、外部から受信した受信信号をフーリエ変換するFFT部と、前記FFT部からの出力信号に含まれるパイロット信号を、規定のパイロット信号で除して、周波数領域の伝送路伝達関数を生成する除算部と、前記周波数領域の伝送路伝達関数を逆フーリエ変換し、時間領域の伝送路インパルス応答を生成するIFFT部と、前記IFFT部で生成された前記時間領域の伝送路インパルス応答に対して、フィルタリング処理を施すローパスフィルタ部とを、備えており、前記ローパスフィルタ部からの出力信号を基に、前記受信信号に含まれるOFDM信号の復調処理を実施する。
【0012】
また、本発明に係る請求項2に記載のOFDM受信装置は、請求項1に記載のOFDM受信装置であって、前記ローパスフィルタ部は、前記時間領域の伝送路インパルス応答に対して、シンボル方向にフィルタ処理を施している。
【0013】
また、本発明に係る請求項3に記載のOFDM受信装置は、請求項1に記載のOFDM受信装置であって、前記ローパスフィルタ部は、前記時間領域の伝送路インパルス応答に対してスムージング処理を行うIIRフィルタである。
【0014】
また、本発明に係る請求項4に記載のOFDM受信装置は、請求項1に記載のOFDM受信装置であって、前記除算部で生成された前記周波数領域の伝送路伝達関数を時間方向に補間する時間補間部を、さらに備えており、前記IFFT部は、前記時間補間部からの出力信号に対して、逆フーリエ変換処理を施す。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1に記載のOFDM受信装置は、IFFT部で生成された時間領域の伝送路インパルス応答に対してフィルタリング処理を施すローパスフィルタ部を、備えている。そして、ローパスフィルタ部からの出力信号を基に、受信信号に含まれるOFDM信号の復調処理を実施する。
【0016】
したがって、たとえ外部ノイズやフェージング等の外乱により時間領域の伝送路インパルス応答が乱れたとしても、ローパスフィルタ部において、IFFT部から出力された時間領域の伝送路インパルス応答に含まれるノイズ部分をスムージングすることができる。つまり、直接波のピークと反射波のピークとが明確になった時間領域の伝送路インパルス応答を生成することができる。よって、当該OFDM受信装置は、フィルタリング後の時間領域の伝送路インパルス応答から、正確な伝送路情報を抽出することができる。したがって、当該OFDM装置は、受信した受信信号に含まれるOFDM信号をより精度良く復調することができる。
【0017】
また、本発明の請求項2に記載のOFDM受信装置では、ローパスフィルタ部は、時間領域の伝送路インパルス応答に対して、シンボル方向にフィルタ処理を施している。
【0018】
したがって、外乱ノイズの時間方向の出現位相のランダム性と、直接波(あるいは反射波)の時間方向の出現位相の確定性を利用したフィルタリング処理が実施される。よって、当該ローパスフィルタ部により、出現位相がランダムに変化する外乱ノイズのみが有効的にスムージングされる。つまり、ローパスフィルタ部からの出力信号に、時間方向の出現位相が確定的である、直接波と反射波だけを残すことができる。
【0019】
また、本発明の請求項3に記載のOFDM受信装置では、ローパスフィルタ部は、時間領域の伝送路インパルス応答に対してスムージング処理を行うIIRフィルタである。
【0020】
したがって、ローパスフィルタ部を追加したとしても、OFDM受信装置における回路規模の拡大を抑制することができ、かつ簡易な設計変更で済む。
【0021】
また、本発明の請求項4に記載のOFDM受信装置は、除算部で生成された前記周波数領域の伝送路伝達関数を時間方向に補間する時間補間部を、さらに備えている。さらに、IFFT部は、時間補間部からの出力信号に対して逆フーリエ変換処理を施す。
【0022】
したがって、IFFT部では、より情報量の多い推定伝送路応答(周波数領域の伝送路伝達関数)に対して、逆フーリエ変換処理を施すことができる。つまり、IFFT部は、より精度の良い時間領域の伝送路インパルス応答を生成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
【0024】
<実施の形態>
図1は、本実施の形態に係るOFDM受信装置100の要部構成を示すブロック図である。当該OFDM受信装置100は、携帯電話機、携帯型デジタルテレビなどに搭載される。
【0025】
当該OFDM受信装置100は、FFT(高速フーリエ変換;Fast Fourier Transform)部1、除算部2、パイロットパターン部3、時間補間部4、周波数補間部5、等化部6、IFFT(逆高速フーリエ変換:Inverse FFT)7部、およびローパスフィルタ(LPF)部8を備えている。
【0026】
OFDM受信装置100は、図示していないアンテナを介して受信信号(=OFDM信号+伝送路関数)を受信する。当該受信信号は、A/D変換等の所定の処理が施された後(つまり、時間領域のOFDMシンボル受信信号の生成後)、当該時間領域のOFDMシンボル受信信号はFFT部1に入力される。
【0027】
FFT部1では、外部から受信した上記受信信号(より具体的には、前記時間領域のOFDMシンボル受信信号)をフーリエ変換する。つまり、FFT部1は、時間領域のOFDMシンボル信号を、周波数領域のOFDMシンボル信号に変換することができる。
【0028】
当該FFT部1からの出力信号(周波数領域のOFDMシンボル信号)は、等化部6に対して送信される。さらに、当該周波数領域のOFDMシンボル信号に埋め込まれたパイロット信号は、除算部2に対して送信される。ここで、当該パイロット信号は、図示しないパイロット信号抽出部によって抽出される信号であり、サブキャリア位置、振幅、および位相が既知のPRBS(Pseudo Random Binary Series)信号である。
【0029】
等化部6では、周波数領域のOFDMシンボル信号の等化処理を実行する。つまり、推定伝送路応答を用いて、受信信号に含まれる伝送路関数を除算することにより、OFDM信号を抽出する。ここで、後述するように前記推定伝送路応答は、振幅と位相が既知のパイロット信号を用いて周波数領域のOFDMシンボル信号から周波数領域の伝送路伝達関数を算出し、当該周波数領域の伝送路伝達関数をシンボル方向およびキャリア方向に補間処理されたものである。
【0030】
そして、等化部6は、補間された推定伝送路応答を用いて、周波数領域のOFDMシンボル信号の等化処理を実行する。等化処理後のOFDM信号は、復調処理のために、図示しないデマッピング部、FEC(forward error coding)等に出力される。
【0031】
一方、パイロットパターン部3は、上述した図示しないパイロット抽出部に同期して、その振幅と位相が既知である規定のパイロット信号を発生するもので、その出力は除算部2に供給される。上述から分かるように、除算部2には、当該周波数領域のOFDMシンボル信号から抽出されたパイロット信号(受信パイロット信号)と、パイロットパターン部3で生成された規定のパイロット信号(規定パイロット信号)とが入力される。
【0032】
除算部2では、受信パイロット信号を規定パイロット信号で除算することにより、周波数領域の伝送路伝達関数を算出する。当該周波数領域の伝送路伝達関数は、時間補間部4に供給される。
【0033】
時間補間部4では、当該周波数領域の伝送路伝達関数を時間軸方向に補間する。当該補間後の周波数領域の伝送路伝達関数は、周波数補間部5およびIFFT部7に供給される。
【0034】
周波数補間部5は、時間軸方向に補間された周波数領域の伝送路伝達関数を、周波数軸方向に補間する。当該各補間が施されることにより生成された推定伝送路応答は、等化部6に入力される。等化部6における当該推定伝送路応答を用いた等化処理は、上述の通りである。
【0035】
さて、上述したように図1に示す構成では、時間補間された周波数領域の伝送路伝達関数は、IFFT部7にも供給される。IFFT部7では、時間補間された周波数領域の伝送路伝達関数が高速逆フーリエ変換され、時間領域の信号に変換される。つまり、IFFT部7では、周波数領域の伝送路伝達関数が、時間領域の伝送路インパルス応答に変換される。
【0036】
ところで、「発明が解決しようとする課題」において述べたように、外部から受信した受信信号は、外部ノイズやフェージング等の外乱により乱れることがある。特に、ドップラーシフトの高いレイリーフェージングの伝送路の場合には、上記時間領域の伝送路インパルス応答がかなり乱れる。
【0037】
図2は、ノイズと偽反射がない時間領域の伝送路インパルス応答を示す図である。しかし、受信信号に外部ノイズが混入されると、図3に示すように、直接波および反射波とノイズ(ホワイトノイズおよびドップラーシフトによる偽反射)との区別が、明確でなくなる。当該乱れた時間領域の伝送路インパルス応答からは、正確な伝送路情報を得ることができず、正確なOFDM信号の復調ができなくなる。ここで、図2,3の縦軸は信号強度であり、横軸は時間を示している。
【0038】
そこで、本発明に係るOFDM受信装置100では、図1に示すように、IFFT部7の後段にLPF部8が接続されている。つまり、当該OFDM受信装置100では、LPF8において、時間領域の伝送路インパルス応答に対して、フィルタリング処理が施される。
【0039】
より具体的には、LPF部8は、時間領域の伝送路インパルス応答に対して、シンボル方向にフィルタ処理を施している。当該LPF部8として、たとえば、フィルタのロールオフ特性から考えると、デジタルフィルタであるIIR(Infinite-duration Impulse Response)フィルタを採用することが適切である。当該IIRフィルタは、時間領域の伝送路インパルス応答に対してスムージング処理を行う。
【0040】
図4は、図3に示した信号がLPF部8で処理され、当該LPF部8から出力される信号のシミュレーション結果を示す図である。図4に示すように、ノイズがスムージングされ、直接波Dwのピークおよび反射波Rwのピークが明確となる。
【0041】
LPF部8でフィルタリング処理が施された時間領域の伝送路インパルス応答は、図示しない制御部に供給される。制御部では、LPF部8からの出力信号を基に、OFDM信号の復調処理を制御する。つまり、制御部では、当該フィルタリング処理が施された時間領域の伝送路インパルス応答から、各伝送路情報を抽出する。そして、当該制御部は、当該抽出した各伝送路情報を用いて、等化部6で等化処理が施された信号に対する復調処理を制御する。
【0042】
以上のように、本実施の形態に係るOFDM受信装置100では、逆フーリエ変換されることにより生成された時間領域の伝送路インパルス応答に対してローパスフィルタ処理を施すLPF部8を備えている。
【0043】
したがって、たとえ外部ノイズやフェージング等の外乱により時間領域の伝送路インパルス応答が乱れたとしても、IFFT部7から出力された時間領域の伝送路インパルス応答に含まれるノイズ部分をスムージングすることができる。つまり、直接波のピークと反射波のピークとが明確になった、時間領域の伝送路インパルス応答を生成することができる。よって、本発明に係るOFDM受信装置100は、フィルタリング後の時間領域の伝送路インパルス応答から、正確な伝送路情報を抽出することができる。したがって、当該OFDM受信装置100は、受信信号に含まれるOFDM信号をより精度良く復調することができる。
【0044】
ここで、レイリーフェージングのある場合、時間領域の伝送路インパルス応答(つまりIFFT部7からの出力)は、シンボル毎に波形が異なる。ただし、当該時間領域の伝送路インパルス応答内の直接波と反射波は、確定信号である。したがって、当該直接波および反射波は、シンボル毎に時間方向の同じ位置のデータの位相変化は小さい。一方、IFFT部7からの出力信号に含まれるノイズ部分(偽反射も含む)は、シンボル毎に時間方向の同じ位置のデータの位相変化はランダムで大きい(つまり、ノイズが出現する位相は、シンボル毎にランダムである)。
【0045】
そこで、本実施の形態に係るOFDM受信装置100では、LPF部8は、サブキャリア毎に、時間領域の伝送路インパルス応答に対してシンボル(時間)方向にフィルタ処理を施す。
【0046】
このように、外乱ノイズの出現位相のランダム性と直接波(あるいは反射波)の出現位相の確定性を利用したフィルタリング処理が実施される。したがって、出現位相がランダムに変化する外乱ノイズのみが有効的にスムージングされる。つまり、LPF部8からの出力信号には、出現位相が確定的である直接波と反射波だけを残すことができる。
【0047】
また、本実施の形態に係るOFDM受信装置100では、LPF部8として、IIRフィルタを採用することができる。当該IIRフィルタは回路規模が小さく、設計も容易である。
【0048】
したがって、IIRフィルタを追加したとしても、OFDM受信装置100における回路規模の拡大を抑制することができ、かつ簡易な設計変更で済む。
【0049】
なお、図1の構成において、除算部2からの信号に対して時間補間処理を施さずに、当該除算部2からの信号をIFFT部7に直接入力しても良い(ケース1)。しかし、上記で説明では、IFFT部7には、時間補間処理後の信号が入力されている(ケース2)。
【0050】
本発明では当該ケース2を採用しているので、IFFT部7では、より情報量の多い周波数領域の伝送路伝達関数に対して、(高速)逆フーリエ変換処理を施すことができる。つまり、IFFT部7は、より精度の良い時間領域の伝送路インパルス応答を生成することができる。
【0051】
ここで、図1の構成において、除算部2から出力された信号に対して時間補間および周波数補間を施し、当該各補間処理後の信号をIFFT部7に入力させても良い(ケース3)。
【0052】
しかし、時間補間に加えて周波数補間までもが施された周波数領域の伝送路伝達関数(推定伝送路応答)をIFFT部7に入力させたとしても、計算量が多くなるだけである。つまり、上記ケース2で生成される時間領域の伝送路インパルス応答の精度と比較して、当該ケース3で生成される時間領域の伝送路インパルス応答の精度は、当該計算量の多さに見合った分だけ向上することは無い。
【0053】
したがって、逆フーリエ変換の計算量および時間領域の伝送路インパルス応答の高精度の観点から、ケース2の構成が最も適切であると結論付けられる。
【0054】
なお、図1に示した構成でLPF部8が無い場合には、マルチパス特性(反射波の遅延耐性)とフェージング特性(ドップラーシフト耐性)とを同時に高精度とすることはできなかった。つまり、マルチパス特性はシンボルが長いほど良好である一方、フェージング特性はシンボルが短いほど良好であり、両特性はトレードオフの関係にあった。
【0055】
しかし、本実施の形態に係るOFDM受信装置100では、IFFT部7の後段に別途LPF部8を接続している。したがって、シンボルを長くすることによりマルチパス特性を向上させることができると共に、当該LPF部8の配設によりフェージング特性の向上も図ることができる。つまり、当該OFDM受信装置100は、マルチパス特性とフェージング特性とを同時に高精度とすることができる。
【0056】
当該OFDM受信装置100は、地デジワンセグOFDM受信装置および1/3セグOFDM受信装置等に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】実施の形態に係るOFDM受信装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】ノイズと偽反射を含まない時間領域の伝送路インパルス応答の波形を示す図である。
【図3】ノイズと偽反射が含まれている時間領域の伝送路インパルス応答の波形を示す図である。
【図4】時間領域の伝送路インパルス応答に対してフィルタリング処理をした結果を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
1 FFT部
2 除算部
3 パイロットパターン部
4 時間補間部
5 周波数補間部
6 等化部
7 IFFT部
8 LPF
100 OFDM受信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から受信した受信信号をフーリエ変換するFFT部と、
前記FFT部からの出力信号に含まれるパイロット信号を、規定のパイロット信号で除して、周波数領域の伝送路伝達関数を生成する除算部と、
前記周波数領域の伝送路伝達関数を逆フーリエ変換し、時間領域の伝送路インパルス応答を生成するIFFT部と、
前記IFFT部で生成された前記時間領域の伝送路インパルス応答に対して、フィルタリング処理を施すローパスフィルタ部とを、備えており、
前記ローパスフィルタ部からの出力信号を基に、前記受信信号に含まれるOFDM信号の復調処理を実施する、
ことを特徴とするOFDM受信装置。
【請求項2】
前記ローパスフィルタ部は、
前記時間領域の伝送路インパルス応答に対して、シンボル方向にフィルタ処理を施している、
ことを特徴とする請求項1に記載のOFDM受信装置。
【請求項3】
前記ローパスフィルタ部は、
前記時間領域の伝送路インパルス応答に対して、スムージング処理を行うIIRフィルタである、
ことを特徴とする請求項1に記載のOFDM受信装置。
【請求項4】
前記除算部で生成された前記周波数領域の伝送路伝達関数を時間方向に補間する時間補間部を、さらに備えており、
前記IFFT部は、
前記時間補間部からの出力信号に対して、逆フーリエ変換処理を施す、
ことを特徴とする請求項1に記載のOFDM受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−271018(P2008−271018A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−109258(P2007−109258)
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【出願人】(591128453)株式会社メガチップス (322)
【Fターム(参考)】