説明

PGD2受容体拮抗作用を有する化合物

【課題】CRTH2受容体拮抗作用を有する新規化合物の提供。
【解決手段】式(I):


(式中、


(式中、Zは=N−または=C(−R)−;R、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素、ハロゲン等;Rはカルボキシ、アルキルオキシカルボニル等;Zは−N=または−C(−R)=;Rは水素、アルキル等;R15は水素またはアルキル基))で示される化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CRTH2受容体拮抗作用を有する新規化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
プロスタグランジンD(PGD)は、アラキドン酸からPGG、PGHを経て産生される代謝産物であり、種々の強力な生理作用を有していることが知られている。例えば、中枢神経系においては睡眠、ホルモン分泌などに関与し、末梢においては血小板凝集阻害作用、気管支平滑筋の収縮、血管の拡張または収縮などに関与していることが知られている(Pharmacol. Rev. (1994) 46, 205-229)。さらに、PGDは肥満細胞から産生される主要なアラキドン酸代謝産物であり、強力な気管支収縮作用、血管透過性の亢進や好酸球などの炎症細胞の遊走を惹起する事から、気管支喘息などのアレルギー性疾患の病態形成に深く関与していると考えられている。
PGDの受容体としては、従来DP受容体のみが知られており、その受容体拮抗剤がWO98/25915号、WO01/66520号、WO01/79169等に記載されている。
しかし、DP受容体の選択的作動薬であるBW−245Cは、PGDによる好酸球浸潤作用などを再現できないことから、PGDにはDP受容体とは別の受容体が存在することが以前より示唆されていた(J. Immunol. (1992) 148, 3536-3542; Invest. Ophthalmol. Vis. Sci. (1990) 31, 138-146、Br. J. Pharmacol. (1985) 85, 367-375; J. Pharmacol. Exp. Ther. (1995) 275, 611-617等)。最近になり、CRTH2受容体がPGDの第2の受容体であり、PGDはこの受容体を介して好酸球、好塩基球の遊走を惹起することが報告された(J. Exp. Med. (2001) 193, 255-261)。
本発明化合物に類似した構造を有するトロンボキサンA(TXA)受容体拮抗剤および血小板凝集抑制剤が特開昭61-249960、特開昭62-198659、特開昭62-249969、特開平2-193965、特開平3-151360、特開平4-230363、特開平4-234846、特開平4-257578、特開平8-157471、特開平8-245587、DE3909600、Eur. J. Med. Chem., (1991) 26(8), 821-827に記載されているが、PGD拮抗活性については全く記載されていない。
3-(4-クロロフェニルスルホニルアミノ)-9-(2-カルボキシメチル)-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾールおよびそのエチルエステルが、TXA拮抗作用およびTXA合成酵素阻害作用を有することが特開平3-151360に開示されているが、具体的な活性値は記載されていない。
3-(4-クロロフェニルスルホニルアミノエチル)インドール-1-アセティックアシッドおよび3-(4-クロロフェニルスルホニルアミノプロピル)インドール-1-アセティックアシッドが、TXA/PGH受容体拮抗作用を有することがEur. J. Med. Chem., 1991, 26(8), 821-827に記載されている。
また3-(4-フルオロフェニルスルホンアミド)-1,2,3,4-テトラヒドロ-9-カルバゾールプロピオン酸が、アレルギー性皮膚炎、遅延型アレルギー反応を介する皮膚炎、および乾癬の治療剤として有用であることが特開平7-175991、WO97/44031、特開平11-106337、および特開平11-116477に、ケモカイン産生抑制作用を有することが特開平11-322600に記載されている。さらに、該化合物がPGD誘発気管支収縮に対し抑制効果を示すことから、DP受容体を介してPGD拮抗作用を有する可能性のあることがJ. Allergy Clin. Immunol. (1992) 89, 1119-1126に記載されている。しかし、現在では、1)PGDが高濃度域(1μM以上)においてトロンボキサン受容体にも結合すること(Eur. J. Pharmacol. (1992) 226, 149-156; Br. J. Pharmacol. (1991) 103, 1883-1888 etc.)、2)DP受容体に対する親和性の弱い他のトロンボキサン受容体拮抗化合物も同様の抑制作用を示すこと(Int. Arch. Allergy Immunol. 1992, 98, 239-246)、3)選択的DP受容体拮抗化合物はPGD誘発気管支収縮を抑制しないこと(Br. J. Pharmacol. (1989) 96, 291-300)が知られており、上記の抑制作用はトロンボキサン受容体を介した反応を抑制したものであり、該化合物が直接的なDP受容体拮抗作用を有するものではないと考えられている(Br. J. Pharmacol. (1989) 96, 291-300)。
また、DP受容体と比較して選択的にCRTH2受容体に結合する4種の化合物がEP 1170594に開示されている。しかし、本発明化合物とは構造が非類似であり、結合活性等の詳細についても記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO98/25915号
【特許文献2】WO01/66520号
【特許文献3】WO01/79169号
【特許文献4】特開昭61-249960
【特許文献5】特開昭62-198659
【特許文献6】特開昭62-249969
【特許文献7】特開平2-193965
【特許文献8】特開平3-151360
【特許文献9】特開平4-230363
【特許文献10】特開平4-234846
【特許文献11】特開平4-257578
【特許文献12】特開平8-157471
【特許文献13】特開平8-245587
【特許文献14】DE3909600
【特許文献15】特開平7-175991
【特許文献16】WO97/44031
【特許文献17】特開平11-106337
【特許文献18】特開平11-116477
【特許文献19】特開平11-322600
【特許文献20】EP 1170594
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Pharmacol. Rev. (1994) 46, 205-229
【非特許文献2】J. Immunol. (1992) 148, 3536-3542
【非特許文献3】Invest. Ophthalmol. Vis. Sci. (1990) 31, 138-146
【非特許文献4】Br. J. Pharmacol. (1985) 85, 367-375
【非特許文献5】J. Pharmacol. Exp. Ther. (1995) 275, 611-617
【非特許文献6】J. Exp. Med. (2001) 193, 255-261
【非特許文献7】Eur. J. Med. Chem., (1991) 26(8), 821-827
【非特許文献8】J. Allergy Clin. Immunol. (1992) 89, 1119-1126
【非特許文献9】Eur. J. Pharmacol. (1992) 226, 149-156
【非特許文献10】Br. J. Pharmacol. (1991) 103, 1883-1888
【非特許文献11】Int. Arch. Allergy Immunol. 1992, 98, 239-246
【非特許文献12】Br. J. Pharmacol. (1989) 96, 291-300
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、新規なCRTH2受容体拮抗作用を有する化合物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、TXA受容体拮抗作用を有さない選択的なCRTH2受容体拮抗作用を有する新規化合物を見出した。
【発明の効果】
【0007】
本発明医薬組成物および本発明化合物は、優れたCRTH2受容体拮抗作用を示し、アレルギー性疾患の治療または予防剤等として有効に機能し得る。
【発明を実施するための形態】
【0008】
すなわち、本発明は、
I)式(I):
【化1】


(式中、
式:
【化2】


で示される基は式:
【化3】


(式中、Zは=N−または=C(−R)−;R、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、ハロアルキル、カルボキシ、アルキルオキシカルボニル、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいアラルキル、式:−S(O)(式中、pは0〜2の整数;およびRはアルキルまたは置換されていてもよいアリール)で示される基、式:−NR10(式中、RおよびR10はそれぞれ独立して水素、アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアラルキルまたはアシル)で示される基、式:−OR11(式中、R11は水素、アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアラルキル、アルカンスルホニル、置換されていてもよいアリールスルホニル、置換されていてもよいアラルキルスルホニル、ハロアルキル)で示される基)で示される基;
はカルボキシ、アルキルオキシカルボニル、置換されていてもよいアミノカルボニルまたはテトラゾリル;
はーN=またはーC(−R)=;
は水素、アルキルまたはハロゲン;
15は水素またはアルキル;
は式:−(CH−N(−Y)−SO−Ar(式中、nは1〜3の整数;Yは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアラルキル、置換されていてもよいヘテロアリールアルキルまたは置換されていてもよいアリールアルケニル;およびArは置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリール)で示される基、式:
【化4】


(式中、rは0〜2の整数;xは0〜3の整数;mは1〜3の整数;破線は結合の存在または不存在を表わし;Eは置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、アルキル、置換されていてもよいアラルキルまたは置換されていてもよいアリールアルケニル)で示される基、
式:
【化5】


(式中、xは0〜3の整数;mは1〜3の整数;破線は結合の存在または不存在を表わし;Eは置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、アルキル、置換されていてもよいアラルキルまたは置換されていてもよいアリールアルケニル)で示される基、
式:−CR2324−CR2526−(CH−N(−Y)−SO−Ar(式中、ArおよびYは前記と同意義;yは0または1;R23およびR24の一方はアルキル、他方は水素、アルキルまたはアリール;またはR23およびR24は一緒になって式:−(CH)t−(式中、tは2〜5の整数)で示される基;R25およびR26はそれぞれ独立して水素またはアルキルオキシアルキル)で示される基、
式:
【化6】


(式中、YおよびArは前記と同意義)で示される基、または
式:
【化7】


(式中、YおよびArは前記と同意義;uは1または2)で示される基;
または式:
【化8】

で示される基が式:
【化9】


(yは1〜3の整数;m、p、YおよびArは前記と同意義)で示される基、
式:
【化10】


(m、yおよびArは前記と同意義)で示される基、
または式:
【化11】


(YおよびArは前記と同意義;R20は水素またはアルキル;R21は水素またはハロゲン)で示される基である。(但し、3-(4-クロロフェニルスルホニルアミノ)-9-(2-カルボキシメチル)-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール、そのエチルエステル、3-(4-クロロフェニルスルホニルアミノエチル)インドール-1-アセティックアシッド、および3-(4-クロロフェニルスルホニルアミノプロピル)インドール-1-アセティックアシッドを除く);
またはR13が水素、アルキル、アラルキル、アシルまたは式:−OR16(式中、R16は水素またはアルキル)で示される基であり、R14が水素またはアルキルであるか、または式:
【化12】


で示される基が式:
【化13】


(式中、qは0〜3の整数;R17は水素またはアルキル;Zは−CH−、−C(=O)―、−C(=NOH)−又は−C(=NOMe)−;Zは式:−S(=O)−(式中、sは0〜2の整数)で示される基、式:−N(−R22)−(式中、R22は水素、アルキル、アルキルオキシカルボニルまたはアシル)で示される基または式:−CR1819−(式中、R18およびR19はそれぞれ独立して水素、アルキルまたはアリール;またはR18およびR19は一緒になって式:−(CH−(式中、tは2〜5の整数)で示される基である)で示される基である)で示される基であり;
およびR15は前記と同意義であり;
式:
【化14】


で示される基が式:
【化15】


(Y、E、R20およびR21は前記と同意義)で示される基である化合物、そのプロドラッグ、それらの製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
II)式:
【化16】


で示される基が式:
【化17】


(式中、Zは=C(−R)−であり;R、R、RおよびRはI)と同意義)で示される基であり;ZがーC(−R)=であり;RはI)と同意義であり;R15が水素であり;
が式:−(CH−N(−Y)−SO−Ar(式中、nは1〜3の整数;Yは水素、アルキル、アルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアラルキル、または置換されていてもよいヘテロアリールアルキル;およびArは置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリール)で示される基、式:
【化18】


(式中、rは0〜2の整数;xは0〜3の整数;mは1〜3の整数;破線は結合の存在または不存在を表わし;Eは置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリール)で示される基;
または式:
【化19】


で示される基が式:
【化20】


(yは1〜3の整数;m、p、YおよびArは前記と同意義)で示される基、
式:
【化21】


(m、yおよびArは前記と同意義)で示される基、
または式:
【化22】


(YおよびArはI)と同意義であり;R20およびR21は水素である)で示される基であるI)項記載の化合物、そのプロドラッグ、それらの製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
III)Yがアルキル、アルケニル、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいアラルキルであるI)またはII)記載の化合物、そのプロドラッグ、それらの製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
IV)Rが式:−(CH−N(−Y)−SO−Ar(式中、nは2または3;Yは水素、アルキル、アルケニル、またはアラルキル;およびArはI)と同意義)で示される基であるII)記載の化合物、そのプロドラッグ、それらの製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
V)Rが式:
【化23】


(式中、mは1;rは0;xは2;破線は結合の不存在を表わし;およびEはII)と同意義)で示される基であるII)に記載の化合物、そのプロドラッグ、それらの製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
VI)式:
【化24】


で示される基が式:
【化25】


(mは2;pは0;yは1;Yは水素、アルキル、アルケニルまたはアラルキル;およびArはI)と同意義)で示される基であるII)に記載の化合物、そのプロドラッグ、それらの製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
VII)式:
【化26】


で示される基が式:
【化27】


(mは1または2;yは1または2;およびArはII)と同意義)で示される基であるII)に記載の化合物、そのプロドラッグ、それらの製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
VIII)式:
【化28】


で示される基が式:
【化29】


(Yは水素、アルキル、アルケニルまたはアラルキル;およびR20、R21
よびArはI)と同意義)で示される基であるII)記載の化合物、そのプロドラッグ、それらの製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
IX) RがカルボキシであるI)〜VIII)のいずれかに記載の化合物、そのプロドラッグ、それらの製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
X) R、R、RおよびRがそれぞれ独立して水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいアラルキルであるI)〜IX)のいずれかに記載の化合物、そのプロドラッグ、それらの製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
XI)Rが水素またはアルキルであるI)〜X)のいずれかに記載の化合物、そのプロドラッグ、それらの製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
XII)I)〜XI)のいずれかに記載の化合物、そのプロドラッグ、それらの製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物を有効成分として含有する医薬組成物。
XIII)CRTH2受容体拮抗剤として使用するXII)記載の医薬組成物。
XIV)I)に記載の化合物を投与することを特徴とするCRTH2受容体に関する疾患の治療方法。
XV)CRTH2受容体に関する疾患の治療剤を製造するための、I)に記載の化合物の使用。

式(I)で示される化合物には、以下の化合物が包含される。
【化30】


(上記構造式中、各用語はI)と同意義である。)
以下に本発明を詳細に説明する。
本明細書中、「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を意味する。ハロゲンとしては、フッ素、塩素、および臭素が好ましい。
【0009】
本明細書中、単独でもしくは他の用語と組み合わせて用いられる「アルキル」とは、炭素原子数1〜8の直鎖または分枝鎖の1価の炭化水素基を包含する。例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、neo−ペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル等が挙げられる。好ましくは、C1〜C6アルキルが挙げられる。さらに好ましくは、C1〜C3アルキルが挙げられる。
【0010】
本明細書中、単独でもしくは他の用語と組み合わせて用いられる「シクロアルキル」とは、炭素原子数が3〜8個であるシクロアルキルを包含する。例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルが挙げられる。好ましくはC3〜C6シクロアルキルが挙げられる。
【0011】
本明細書中、単独でもしくは他の用語と組み合わせて用いられる「アルケニル」とは、炭素原子数が2〜8個であり、1個もしくは2個以上の二重結合を有する、直鎖または分枝鎖の1価の炭化水素基を包含する。例えば、ビニル、アリル、1−プロペニル、2−プロペニル、クロトニル、イソペンテニル、種々のブテニル異性体等が挙げられる。好ましくは、C2〜C6アルケニルが挙げられる。さらに好ましくは、C2〜C4アルケニルが挙げられる。
【0012】
本明細書中、単独でもしくは他の用語と組み合わせて用いられる「アルキニル」とは、炭素原子数が2〜8個であり、1個もしくは2個以上の三重結合を有する、直鎖または分枝鎖の1価の炭化水素基を包含する。例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル等が挙げられる。好ましくは、C2〜C6アルキニルが挙げられる。さらに好ましくは、C2〜C4アルキニルが挙げられる。
【0013】
本明細書中、単独でもしくは他の用語と組み合わせて用いられる「アリール」とは、単環状もしくは縮合環状芳香族炭化水素を包含する。例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、アントリル等が挙げられる。好ましくは、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチルが挙げられる。さらに好ましくは、フェニルが挙げられる。
【0014】
本明細書中、単独でもしくは他の用語と組み合わせて用いられる「アラルキル」とは、前記「アルキル」に前記「アリ−ル」が1または2以上置換したものを包含し、これらは可能な全ての位置で置換しうる。例えば、ベンジル、フェニルエチル(例えば、2−フェニルエチル等)、フェニルプロピル(例えば、3−フェニルプロピル等)、ナフチルメチル(例えば、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル等)、アントリルメチル(例えば、9−アントリルメチル等)等が挙げられる。好ましくは、ベンジル、2−フェニルエチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチルが挙げられる。さらに好ましくはベンジル、2−フェニルエチルが挙げられる。
【0015】
本明細書中、「アラルキル」とは、前記「アルキル」に前記「アリ−ル」が1または2以上置換したものを包含し、これらは可能な全ての位置で置換しうる。例えば、ベンジル、フェニルエチル(例えば、2−フェニルエチル等)、フェニルプロピル(例えば、3−フェニルプロピル等)、ナフチルメチル(例えば、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル等)、アントリルメチル(例えば、9−アントリルメチル等)等が挙げられる。好ましくは、ベンジル、2−フェニルエチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチルが挙げられる。さらに好ましくはベンジル、2−フェニルエチルが挙げられる。
【0016】
本明細書中、「アリールアルケニル」とは、前記「アルケニル」に前記「アリ−ル」が1または2以上置換したものを包含し、これらは可能な全ての位置で置換しうる。例えば、フェニルアリル、ナフチルアリル等が挙げられる。
本明細書中、「非芳香族複素環基」なる用語は、任意に選ばれる、酸素原子、硫黄原子または窒素原子を環内に1個以上含む非芳香族の5〜7員環またはそれらが2個以上縮合した環を包含する。例えば、ピロリジニル(例えば、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル)、ピロリニル(例えば、3−ピロリニル)、イミダゾリジニル(例えば、2−イミダゾリジニル)、イミダゾリニル(例えば、イミダゾリニル)、ピラゾリジニル(例えば、1−ピラゾリジニル、2−ピラゾリジニル)、ピラゾリニル(例えば、ピラゾリニル)、ピペリジル(例えば、ピペリジノ、2−ピペリジル)、ピペラジニル(例えば、1−ピペラジニル)、インドリニル(例えば、1−インドリニル)、イソインドリニル(例えば、イソインドリニル)、モルホリニル(例えば、モルホリノ、3−モルホリニル)等が挙げられる。
【0017】
本明細書中、単独でもしくは他の用語と組み合わせて用いられる「ヘテロアリール」とは、任意に選ばれる、酸素原子、硫黄原子または窒素原子を環内に1個以上含む5〜6員の芳香環を包含する。これは前記「シクロアルキル」、前記「アリール」、前記「非芳香族複素環基」、もしくは他のヘテロアリールと可能な全ての位置で縮合していてもよい。ヘテロアリールが単環および縮合環のいずれである場合も、すべての可能な位置で結合しうる。例えば、ピロリル(例えば、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル)、フリル(例えば、2−フリル、3−フリル)、チエニル(例えば、2−チエニル、3−チエニル)、イミダゾリル(例えば、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル)、ピラゾリル(例えば、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル)、イソチアゾリル(例えば、3−イソチアゾリル)、イソキサゾリル(例えば、3−イソキサゾリル)、オキサゾリル(例えば、2−オキサゾリル)、チアゾリル(例えば、2−チアゾリル)、ピリジル(例えば、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)、ピラジニル(例えば、2−ピラジニル)、ピリミジニル(例えば、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル)、ピリダジニル(例えば、3−ピリダジニル)、テトラゾリル(例えば、1H−テトラゾリル)、オキサジアゾリル(例えば、1,3,4−オキサジアゾリル)、チアジアゾリル(例えば、1,3,4−チアジアゾリル)、インドリジニル(例えば、2−インドリジニル、6−インドリジニル)、イソインドリル(例えば、2−イソインドリル)、インドリル(例えば、1−インドリル、2−インドリル、3−インドリル)、インダゾリル(例えば、3−インダゾリル)、プリニル(例えば、8−プリニル)、キノリジニル(例えば、2−キノリジニル)、イソキノリル(例えば、3−イソキノリル)、キノリル(例えば、2−キノリル、5−キノリル)、フタラジニル(例えば、1−フタラジニル)、ナフチリジニル(例えば、2−ナフチリジニル)、キノラニル(例えば、2−キノラニル)、キナゾリニル(例えば、2−キナゾリニル)、シンノリニル(例えば、3−シンノリニル)、プテリジニル(例えば、2−プテリジニル)、カルバゾリル(例えば、2−カルバゾリル、4−カルバゾリル)、フェナントリジニル(例えば、2−フェナントリジニル、3−フェナントリジニル)、アクリジニル(例えば、1−アクリニジル、2−アクリニジル)、ジベンゾフラニル(例えば、1−ジベンゾフラニル、2−ジベンゾフラニル)、ベンゾイミダゾリル(例えば、2−ベンゾイミダゾリル)、ベンゾイソキサゾリル(例えば、3−ベンゾイソキサゾリル)、ベンゾオキサゾリル(例えば、2−ベンゾオキサゾリル)、ベンゾオキサジアゾリル(例えば、4−ベンゾオキサジアゾリル)、ベンゾイソチアゾリル(例えば、3−ベンゾイソチアゾリル)、ベンゾチアゾリル(例えば、2−ベンゾチアゾリル)、ベンゾフリル(例えば、3−ベンゾフリル)、ベンゾチエニル(例えば、2−ベンゾチエニル)、ジベンゾチエニル(例えば、2−ジベンゾチエニル)、ベンゾジオキソリル(例えば、1,3−ベンゾジオキソリル)等が挙げられる。
Arにおける「ヘテロアリール」としては、チエニル、ベンゾチエニル、ジベンゾチエニル、ベンゾジオキソリル、オキサゾリル等が好ましい。
【0018】
本明細書中、「ヘテロアリールアルキル」とは、前記「アルキル」の任意の位置に前記「ヘテロアリ−ル」が1または2以上置換したものを包含し、これらは可能な全ての位置で置換しうる。チエニルアルキル、フリルアルキル、ピロリルアルキル、イミダゾリルアルキル、ピラゾリルアルキル、チアゾリルアルキル、イソチアゾリルアルキル、イソキサゾリルアルキル、オキサゾリルアルキル、ピリジルアルキル等が例示される。例えば、チエニルメチル(例えば、2−チエニルメチル)、チエニルエチル(例えば、2−(チオフェン−2−イル)エチル)、フリルメチル(例えば、2−フリルメチル)、フリルエチル(例えば2−(フラン−2−イル)エチル)、ピロリルメチル(例えば、2−ピロリルメチル)、ピロリルエチル(例えば、2−(ピロール−2−イル)エチル)、イミダゾリルメチル(例えば、2−イミダゾリルメチル、4−イミダゾリルメチル)、イミダゾリルエチル(例えば、2−(イミダゾール−2−イル)エチル)、ピラゾリルメチル(例えば、3−ピラゾリルメチル)、ピラゾリルエチル(例えば、2−(ピラゾール−3−イル)エチル)、チアゾリルメチル(例えば、2−チアゾリルメチル)、チアゾリルエチル(例えば、2−(チアゾール−2−イル)エチル)、イソチアゾリルメチル(例えば、3−イソチアゾリルメチル)、イソキサゾリルメチル(例えば、3−イソキサゾリルメチル)、オキサゾリルメチル(例えば、2−オキサゾリルメチル)、オキサゾリルエチル(例えば、2−(オキサゾール−2−イル)エチル)、ピリジルメチル(例えば、2−ピリジルメチル、3−ピリジルメチル、4−ピリジルメチル)、ピリジルエチル(例えば、2−ピリジルエチル)等が挙げられる。
Yにおける「ヘテロアリール」としては、チエニルメチル等が好ましい。
【0019】
本明細書中、「アルキルオキシ」としては、メチルオキシ、エチルオキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、sec−ブチルオキシ、tert−ブチルオキシ等が挙げられる。好ましくは、メチルオキシ、エチルオキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n−ブチルオキシが挙げられる。特に好ましくは、C1〜C3アルキルオキシが挙げられる。
【0020】
本明細書中、「アルキルチオ」としては、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ等が挙げられる。好ましくは、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオが挙げられる。特に好ましくは、C1〜C3アルキルチオが挙げられる
【0021】
本明細書中、「アリールオキシ」としては、フェニルオキシ、ナフチルオキシ等が挙げられる。
【0022】
本明細書中、「アリールチオ」としては、フェニルチオ、ナフチルチオ等が挙げられる。
【0023】
本明細書中、「アリールアゾ」としては、フェニルアゾ、ナフチルアゾ等が挙げられる。
【0024】
本明細書中、「アルキルオキシカルボニル」としては、メチルオキシカルボニル、エチルオキシカルボニル、n−プロピルオキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、n−ブチルオキシカルボニル、tert−ブチルオキシカルボニル、n−ペンチルオキシカルボニル等が挙げられる。好ましくは、メチルオキシカルボニル、エチルオキシカルボニルが挙げられる。特に好ましくは、C1〜C3アルキルオキシカルボニルが挙げられる
【0025】
本明細書中、単独でもしくは他の用語と組み合わせて用いられる「アシル」なる用語は、アルキル部分が前記「アルキル」であるアルキルカルボニルまたはアリール部分が前記「アリール」であるアリールカルボニルを包含する。「アルキル」および「アリール」はそれぞれ後述の「置換されていてもよいアルキル」および「置換されていてもよいアリール」において例示された置換基によって置換されていてもよい。例えば、アセチル、プロピオニル、ブチロイル、ベンゾイル等が挙げられる。
【0026】
本明細書中、単独でもしくは他の用語と組み合わせて用いられる「ハロアルキル」なる用語は、前記「ハロゲン」によって1〜8ヶ所、好ましくは1〜5ヶ所置換された前記「アルキル」を包含する。例えば、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ジフルオロエチル、トリフルオロエチル、ジクロロエチル、トリクロロエチル、クロロメチル等が挙げられる。好ましくは、トリフルオロメチルが挙げられる。
【0027】
本明細書中、「アシルオキシ」としては、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ベンゾイルオキシ等が挙げられる。
【0028】
本明細書中、「アルカンスルホニル」としては、メタンスルホニル、エタンスルホニル、n−プロパンスルホニル、イソプロパンスルホニル、n−ブタンスルホニル、イソブタンスルホニル、sec−ブタンスルホニル、tert−ブタンスルホニル等が挙げられる。好ましくは、メタンスルホニル、エタンスルホニルが挙げられる。
【0029】
本明細書中、「アリールスルホニル」としては、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル等が挙げられる。
【0030】
本明細書中、「アラルキルスルホニル」としては、ベンジルスルホニル、フェニルエチルスルホニル等が挙げられる。
【0031】
本明細書中、「ヘテロアリールスルホニル」としては、ピロリルスルホニル等が挙げられる。
【0032】
本明細書中、単独でもしくは他の用語と組み合わせて用いられる「置換されていてもよいアミノ」なる用語は、前記「アルキル」、前記「アリール」、前記「アラルキル」、前記「ヘテロアリール」、前記「ヘテロアリールアルキル」、前記「アシル」、前記「アルキルオキシカルボニル」および/または前記「アルカンスルホニル」で1または2個所置換されいてもよいアミノを包含する。例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルメチルアミノ、ジエチルアミノ、エチルメチルアミノ、ベンジルアミノ、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、メチルオキシカルボニルアミノ、メタンスルホニルアミノ等が挙げられる。好ましくはアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルメチルアミノ、ジエチルアミノ、アセチルアミノ、メタンスルホニルアミノが挙げられる。
【0033】
本明細書中、「置換されていてもよいアミノカルボニル」としては、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、エチルメチルアミノカルボニル、ジエチルアミノカルボニル、ベンジルアミノ、アセチルアミノ、メタンスルホニルアミノカルボニル等が挙げられる。好ましくは、アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、メタンスルホニルアミノカルボニルが挙げられる。
【0034】
本明細書中、「置換されていてもよいウレイド」なる用語は、前記「アルキル」、前記「アリール」、前記「アラルキル」、前記「ヘテロアリール」、前記「ヘテロアリールアルキル」、または前記「アシル」で1または2ヶ所以上置換されていてもよいウレイドを包含する。
【0035】
本明細書中、「置換されていてもよいアルキル」における置換基としては、シクロアルキル、アルケニル、アルキリデン、ヒドロキシ、アルキルオキシ、メルカプト、アルキルチオ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルキルオキシカルボニル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアミノカルボニル、アシル、アシルオキシ、置換されていてもよい非芳香族複素環基、アリールオキシ(例えば、フェニルオキシ)、アラルキルオキシ(例えば、ベンジルオキシ)、アルカンスルホニル、グアニジノ、アゾ基等が挙げられる。これらは、全ての可能な位置で1個以上置換しうる。
【0036】
、R、R、およびRにおける「置換されていてもよいアルキル」の置換基としては、アルキルオキシ、ヒドロキシ、置換されていてもよいアミノ、アリールオキシ等が好ましい。
【0037】
本明細書中、「置換されていてもよいシクロアルキル」における置換基としては、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキリデン、ヒドロキシ、アルキルオキシ、メルカプト、アルキルチオ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルキルオキシカルボニル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアミノカルボニル、アシル、アシルオキシ、アリールオキシ(例えば、フェニルオキシ)、アラルキルオキシ(例えば、ベンジルオキシ)、アルカンスルホニル、グアニジノ、アゾ基等が挙げられる。これらは、全ての可能な位置で1個以上置換しうる。
【0038】
、R、R、およびRにおける「置換されていてもよいシクロアルキル」の置換基としては、アルキル、ハロゲン等が好ましい。
【0039】
本明細書中、「置換されていてもよいアルケニル」における置換基としては、アルキル、シクロアルキル、アルキリデン、ヒドロキシ、アルキルオキシ、メルカプト、アルキルチオ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルキルオキシカルボニル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアミノカルボニル、アシル、アシルオキシ、アリール、アリールオキシ(例えば、フェニルオキシ)、アラルキル、アラルキルオキシ(例えば、ベンジルオキシ)、アルカンスルホニル、グアニジノ、アゾ基等が挙げられる。これらは、全ての可能な位置で1個以上置換しうる。
【0040】
、R、R、およびRにおける「置換されていてもよいアルケニル」の置換基としては、ハロゲン、アリール等が好ましい。
【0041】
本明細書中、「置換されていてもよいアリール」、「置換されていてもよいアラルキル」、「置換されていてもよいヘテロアリール」、「置換されていてもよいアリールスルホニル」、「置換されていてもよいアラルキルスルホニル」、および「置換されていてもよい非芳香族複素環基」における置換基としては、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシ、アルキルオキシ、ハロアルキルオキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、メルカプト、アルキルチオ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルキルオキシカルボニル、アシル、アシルオキシ、アルカンスルホニル、グアニジノ、アゾ基、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアミノカルボニル、置換基群Cによって1または2ヶ所以上置換されていてもよいアリール、置換基群Cによって1または2ヶ所以上置換されていてもよいヘテロアリ−ル、置換基群Cによって1または2ヶ所以上置換されていてもよい非芳香族複素環基、置換基群Cによって1または2ヶ所以上置換されていてもよいアラルキル、または置換されていてもよいウレイド等が挙げられる。これらは、全ての可能な位置で1個以上置換しうる(置換基群C:アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシ、アルキルオキシ、ハロアルキルオキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、メルカプト、アルキルチオ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルキルオキシカルボニル、アシル、アシルオキシ、アルカンスルホニル、グアニジノ、アゾ基、置換されていてもよいアミノ、および置換されていてもよいアミノカルボニル)。
【0042】
、R、R、およびRにおける「置換されていてもよいアリール」の置換基としては、アルキル、アルキルオキシ、ハロゲン等が好ましい。
【0043】
における「置換されていてもよいアリール」の置換基としては、アルキル、アルキルオキシ、ハロゲン等が好ましい。
【0044】
およびR10における「置換されていてもよいアリール」の置換基としては、アルキル、アルキルオキシ、ハロゲン等が好ましい。
【0045】
11における「置換されていてもよいアリール」の置換基としては、アルキル、アルキルオキシ、ハロゲン等が好ましい。
【0046】
Yにおける「置換されていてもよいアリール」の置換基としては、アルキル、アルキルオキシ、ハロゲン等が好ましい。
【0047】
Arにおける「置換されていてもよいアリール」の置換基としては、アルキル、アルキルオキシ、アリールオキシ、ハロゲン、ベンジル、置換基群Bで置換されていてもよいフェニル等が好ましい(置換基群B:アルキル、アルキルオキシ、アリールオキシ、ハロゲン、およびベンジル)。
【0048】
、R、R、およびRにおける「置換されていてもよいアラルキル」の置換基としては、アルキル、ハロゲン等が好ましい。
【0049】
およびR10における「置換されていてもよいアラルキル」の置換基としては、アルキル、ハロゲン等が好ましい。
【0050】
11における「置換されていてもよいアラルキル」の置換基としては、アルキル、ハロゲン等が好ましい。
【0051】
Yにおける「置換されていてもよいアラルキル」の置換基としては、アルキル、アルキルオキシ、ニトロ、ハロゲン等が好ましい。
【0052】
Arにおける「置換されていてもよいヘテロアリール」の置換基としては、アルキル、アルキルオキシ、アリールオキシ、ハロゲン、ベンジル、置換基群Bで置換されていてもよいフェニル等が好ましい(置換基群B:アルキル、アルキルオキシ、アリールオキシ、ハロゲン、およびベンジル)。
【0053】
11における「置換されていてもよいアリールスルホニル」の置換基としては、アルキル等が好ましい。
【0054】
11における「置換されていてもよいアラルキルスルホニル」の置換基としては、アルキル等が好ましい。
【0055】
式(I)で表される本発明化合物は、以下の式(IIa)〜(IIk):
【化31】


[式中、Rはアルキルオキシカルボニル;他の記号はI)の定義と同意義]
で表される化合物またはその塩を、1〜5当量のAr−SO−XまたはE−SO−Xで表される化合物[式中Ar及びEはI)の定義と同意義;Xはハロゲン]と、不活性溶媒中、0℃から室温下、5分から数時間反応させることにより製造することができる。1当量から5当量の塩基の存在下に反応を行ってもよい。塩基としては、トリエチルアミン、ピリジン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどが好ましい。不活性溶媒としては、ピリジン、アセトニトリル、塩化メチレン、テトラヒドロフラン(THF)などが好ましく、これらを単独あるいは水との混合溶媒として用いることができる。
上記反応によって得られた化合物のYが水素である場合は、THF、エーテル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、アセトン、トルエン等の不活性溶媒中、水素化ナトリウム、水素化カリウム、t−ブトキシカリウム、炭酸カリウム等の塩基存在下、Y−X(Xはハロゲン、置換されていてもよいアルカンスルホニルオキシまたは置換されていてもよいアリールスルホニルオキシ)と、0℃から80℃、30分から数時間反応させ、Yがアルキル、アルケニル、置換されていてもよいアリール又は置換されていてもよいアラルキルである化合物を合成することができる。また、式(IIa)、(IIb)および(IIe)で表されるYが水素である化合物を、対応するアルデヒドまたはケトンと、THF、塩化メチレン等の溶媒中、1当量〜5当量の水素化ホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウムまたは水素化トリアセトキシホウ素ナトリウムを用いて、0℃から80℃、30分から数時間還元的アミノ化反応を行なうことによっても、Yがアルキル、アルケニル、または置換されていてもよいアラルキル等である化合物を合成することができる。0.1当量〜5当量の塩酸、酢酸、パラトルエンスルホン酸等の酸触媒存在下で反応を行ってもよい。その後上記スルホニル化反応を行ない、式(I)で表される化合物に変換することも可能である。
【0056】
式(I)で表される化合物において、Rがカルボキシである化合物は、上記反応後、通常の加水分解反応の条件にしたがってエステルを酸加水分解あるいはアルカリ加水分解することにより得ることができる。
上記の式(IIe)で表される化合物は、特開平8−169879等に記載の方法に従って合成することができる。
【0057】
また、上記の式(IIa)〜(IIk)で表される化合物は、以下に示す式(IIIa)〜(IIIk)で表される化合物のいずれかを出発原料として製造することができる。
【化32】


[式中、各記号はI)の定義と同意義;Qは水素]
すなわち、以下の1)〜3)の工程を行うことにより、式(IIa)〜(IIk)で表される化合物あるいは塩酸、硫酸等の無機酸、または酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸との塩として製造することができる;1)Qが水素である式(IIIa)〜(IIIk)で表される化合物のアミノ基を、PROTECTIVE GROUP IN ORGANIC SYNTHSIS、JOHN WILEY & SONS,INC.等に記載の方法によりt−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル等のアミノ基の保護基で保護する、2)得られた化合物を、1〜5当量のX−CHCO12(式中、Xはハロゲン;R12はアルキル)で表される化合物と、ピリジン、アセトニトリル、塩化メチレン、THF、DMF、DMSO、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどの不活性溶媒中、1当量から5当量の水素化ナトリウム、水素化カリウム、t−ブトキシカリウム、炭酸カリウム等の塩基存在下、0℃から100℃、1時間から20時間反応することにより、インドールの窒素をアルキルオキシカルボニルメチル化する[0.1当量から1当量の相関移動触媒、例えば、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化ベンジルトリブチルアンモニウム等を加えてもよい]、3)通常の脱保護条件下、アミノ基の保護基であるQを除去する。
【0058】
式(IIIc)ならびに(IIId)で表される化合物、およびYが水素ではない式(IIIa)、(IIIb)、ならびに(IIIe)で表される化合物を、アミノ基を保護することなく、上記スルホニル化を行なった後、インドール窒素をアルキルオキシカルボニルメチル化し、式(I)で表される化合物へと導くことも可能である。
【0059】
式(I)で表される化合物は、TXA2受容体拮抗活性を有さない選択的CRTH2受容体拮抗化合物である。そのような化合物として、特に以下に示す式(Ia)〜式(Ie)で表される化合物が好ましい。
式(Ia):
【化33】


[式中、Rはカルボキシまたは置換されていてもよいアミノカルボニル;
は水素またはアルキル;
、RおよびRはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、アルキル、または式:−OR11(式中、R11はアルキル)で示される基;
Yは水素、アルキル、アルケニル、フェニル、置換基群Aにより1または2ヶ所以上置換されていてもよいフェニルアルキル、置換基群Aにより1または2ヶ所以上置換されていてもよいナフチルアルキル、または置換基群Aにより1または2ヶ所以上置換されていてもよいチエニルアルキル(置換基群A:アルキル、アルキルオキシ、およびニトロ);
Arは置換基群Bにより1または2ヶ所以上置換されていてもよいフェニル、置換基群Bにより1または2ヶ所以上置換されていてもよいビフェニル、置換基群Bにより1または2ヶ所以上置換されていてもよいチエニル、または置換基群Bにより1または2ヶ所以上置換されていてもよいジベンゾチエニル(置換基群B:アルキル、アルキルオキシ、アリールオキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、およびベンジル);および
nは1、2、または3]で示される化合物、そのプロドラッグ、それらの製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【0060】
式(Ib):
【化34】


[式中、Rはカルボキシまたは置換されていてもよいアミノカルボニル;
、RおよびRはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、アルキル、または式:−OR11(式中、R11はアルキル)で示される基;
Yは水素、アルキル、アルケニル、フェニル、置換基群Aにより1または2ヶ所以上置換されていてもよいフェニルアルキル、置換基群Aにより1または2ヶ所以上置換されていてもよいナフチルアルキル、または置換基群Aにより1または2ヶ所以上置換されていてもよいチエニルアルキル(置換基群A:アルキル、アルキルオキシ、およびニトロ);
Arは置換基群Aにより1または2ヶ所以上置換されていてもよいフェニル、置換基群Aにより1または2ヶ所以上置換されていてもよいビフェニル、置換基群Aにより1または2ヶ所以上置換されていてもよいチエニル、または置換基群Aにより1または2ヶ所以上置換されていてもよいジベンゾチエニル(置換基群A:ハロゲン、アルキル、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヒドロキシ、およびベンジル);
mは1または2;
pは0または1;および
yは0、1または2]で示される化合物、そのプロドラッグ、それらの製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【0061】
式(Ic):
【化35】


[式中、Rはカルボキシまたは置換されていてもよいアミノカルボニル;
は水素またはアルキル;
、RおよびRはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、アルキル、または式:−OR11(式中、R11はアルキル)で示される基;
Arは置換基群Bにより1または2ヶ所以上置換されていてもよいフェニル、置換基群Bにより1または2ヶ所以上置換されていてもよいビフェニル、置換基群Bにより1または2ヶ所以上置換されていてもよいチエニル、または置換基群Bにより1または2ヶ所以上置換されていてもよいジベンゾチエニル(置換基群B:アルキル、アルキルオキシ、アリールオキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、およびベンジル);
mは1、2または3;
rは0または1;および
xは0、1または2]で示される化合物、そのプロドラッグ、それらの製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【0062】
式(Id):
【化36】


[式中、Rはカルボキシまたは置換されていてもよいアミノカルボニル;
、RおよびRはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、アルキル、または式:−OR11(式中、R11はアルキル)で示される基;
Arは置換基群Bにより1または2ヶ所以上置換されていてもよいフェニル、置換基群Bにより1または2ヶ所以上置換されていてもよいビフェニル、置換基群Bにより1または2ヶ所以上置換されていてもよいチエニル、または置換基群Bにより1または2ヶ所以上置換されていてもよいジベンゾチエニル(置換基群B:アルキル、アルキルオキシ、アリールオキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、およびベンジル);
mは1または2;および
yは1または2]で示される化合物、そのプロドラッグ、それらの製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【0063】
式(Ie):
【化37】


[式中、Rはカルボキシまたは置換されていてもよいアミノカルボニル;
、RおよびRはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、アルキル、または式:−OR11(式中、R11はアルキル)で示される基;
Yは水素、アルキル、アルケニル、フェニル、置換基群Aにより1または2ヶ所以上置換されていてもよいフェニルアルキル、置換基群Aにより1または2ヶ所以上置換されていてもよいナフチルアルキル、または置換基群Aにより1または2ヶ所以上置換されていてもよいチエニルアルキル(置換基群A:アルキル、アルキルオキシ、およびニトロ);および
Arは置換基群Bにより1または2ヶ所以上置換されていてもよいフェニル、置換基群Bにより1または2ヶ所以上置換されていてもよいビフェニル、置換基群Bにより1または2ヶ所以上置換されていてもよいチエニル、または置換基群Bにより1または2ヶ所以上置換されていてもよいジベンゾチエニル(置換基群B:アルキル、アルキルオキシ、アリールオキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、およびベンジル)]で示される化合物、そのプロドラッグ、それらの製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【0064】
本明細書中、「溶媒和物」とは、例えば有機溶媒との溶媒和物、水和物等を包含する。有機溶媒との溶媒和物を形成する時は、任意の数の有機溶媒分子と配位していてもよい。水和物を形成する時は、任意の数の水分子と配位していてもよい。水和物が好ましい。
【0065】
「本発明化合物」という場合には、製薬上許容される塩、またはその溶媒和物も包含される。例えば、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等)、アンモニウム、有機塩基およびアミノ酸との塩、または無機酸(塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸等)、および有機酸(酢酸、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等)との塩が挙げられる。これらの塩は、通常行われる方法によって形成させることができる。
【0066】
プロドラッグは、化学的または代謝的に分解できる基を有する本発明化合物の誘導体であり、加溶媒分解によりまたは生理学的条件下でインビボにおいて薬学的に活性な本発明化合物となる化合物である。適当なプロドラッグ誘導体を選択する方法および製造する方法は、例えばDesign of Prodrugs,Elsevier,Amsterdam 1985に記載されている。本発明化合物がカルボキシル基を有する場合は、もとになる酸性化合物と適当なアルコールを反応させることによって製造されるエステル誘導体、またはもとになる酸性化合物と適当なアミンを反応させることによって製造されるアミド誘導体のようなプロドラッグが例示される。プロドラッグとして特に好ましいエステルとしては、メチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、イソプロピルエステル、n−ブチルエステル、イソブチルエステル、tert−ブチルエステル、モルホリノエチルエステル、N,N−ジエチルグリコールアミドエステル等が挙げられる。本発明化合物がヒドロキシル基を有する場合は、例えばヒドロキシル基を有する化合物と適当なアシルハライドまたは適当な酸無水物とを反応させることに製造されるアシルオキシ誘導体のようなプロドラッグが例示される。プロドラッグとして特に好ましいアシルオキシとしては、−OCOC、−OCO(t−Bu)、−OCOC1531、−OCO(m−COONa−Ph)、−OCOCHCHCOONa、−OCOCH(NH)CH、−OCOCHN(CH等が挙げられる。本発明化合物がアミノ基を有する場合は、アミノ基を有する化合物と適当な酸ハロゲン化物または適当な混合酸無水物とを反応させることにより製造されるアミド誘導体のようなプロドラッグが例示される。プロドラッグとして特に好ましいアミドとしては、−NHCO(CH20CH、−NHCOCH(NH)CH等が挙げられる。
【0067】
また、本発明化合物は特定の異性体に限定するものではなく、全ての可能な異性体やラセミ体を含むものである。
【0068】
本発明化合物は後述する実験例の記載の通り、優れたCRTH2受容体拮抗作用を示す。したがって、本発明医薬組成物は、好酸球が関与していると考えられるアレルギー性疾患、例えば喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性皮膚炎、丘疹性皮膚炎(糸状虫症など)、脈管炎、多発性動脈炎、皮膚好酸性肉芽腫、自己免疫疾患(例えば多発性硬化症、移植片拒絶など)、好酸球性肺症、組織球増殖症(Histiocytosis)、肺炎、肺払子菌(アスペルギルス)症、胸膜炎、サルコイドーシス、特発性肺線維症、好酸球増多症、フィラリア症、住血吸虫症、旋毛虫症、コクシジオイデス症、結核、気管支癌、リンパ腫、ホジキン病等の疾患の予防および/または治療剤として使用しうる。
【0069】
本発明化合物を、上記の疾患の治療を目的としてヒトに投与する場合は、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、液剤等として経口的に、または注射剤、坐剤、経皮吸収剤、吸入剤等として非経口的に投与することができる。また、本化合物の有効量にその剤型に適した賦形剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、滑沢剤等の医薬用添加剤を必要に応じて混合し、医薬製剤とすることができる。注射剤の場合には、適当な担体と共に滅菌処理を行って製剤とする。
【0070】
投与量は疾患の状態、投与ルート、患者の年齢、または体重によっても異なるが、成人に経口で投与する場合、通常0.1〜100mg/kg/日であり、好ましくは1〜20mg/kg/日である。
【0071】
実施例
以下に実施例および試験例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
実施例中、以下の略号を使用する。
Me:メチル
Et:エチル
iPr:イソプロピル
Ph:フェニル
Boc:t−ブトキシカルボニル
THF:テトラヒドロフラン
MeOH:メタノール
naphthyl:ナフチル
Benzyl:ベンジル
Thienyl:チエニル
Biphenyl:ビフェニル
Dibenzothiophene:ジベンゾチオフェン
【0072】
実施例1 化合物Ia−9、化合物Ia−51
【化38】


第1工程
トリプタミン(1)(20g、0.125mol)のジオキサン(160mL)−水(80mL)溶液に、氷冷下、炭酸ナトリウム(39.7g、0.374mol)と二炭酸ジ−tert−ブチル(31.5mL、0.137mol)のジオキサン(20mL)溶液を加え、2.5時間攪拌した。反応混合物に2mol/L塩酸を加えた後、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄、乾燥、濃縮し、42.49gの残渣を得た。このうち7.0gをメチルエチルケトン(150mL)に溶解し、炭酸カリウム(11.15g、80.7mmol)、ブロモ酢酸メチル(10.2mL、0.108mol)を加え、48時間加熱還流した。酢酸エチルで希釈し、希塩酸、炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄、乾燥、濃縮後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル、2:1)で精製し、化合物(2)(4.57g;収率51%)を得た。
第2工程
化合物(2)(1.5g、4.5mmol)の塩化メチレン(10mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(10mL)を加え、室温で10分間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮した後、2mol/L炭酸ナトリウム水溶液で中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、乾燥、濃縮し、983mgの残渣を得た。このうち120mgを塩化メチレン(3mL)溶液に溶解し、トリエチルアミン(0.108mL、0.775mmol)、塩化4−フルオロベンゼンスルホニル(121mg、0.622mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。酢酸エチルで希釈し、希塩酸、炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄、乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル、3:2)で精製し、化合物(3)(99mg;収率46%)を得た。
第3工程
化合物(3)(99mg、0.254mmol)のMeOH(1.5mL)−THF(1.5mL)溶液に2mol/L水酸化ナトリウム溶液(0.76mL、1.52mmol)を加え、室温で5.5時間攪拌した。希塩酸を加え酸性とした後、酢酸エチルで抽出し、有機層を水および飽和食塩水で洗浄、乾燥、濃縮し、化合物Ia−9(79mg;収率83%)を得た。物理恒数は表12に示す。
第4工程
化合物(3)(132mg、0.339mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(2ml)溶液に、臭化ベンジル(48μL、0.407mmol)、炭酸カリウム(70mg、0.509mmol)を加え、50℃で21.5時間攪拌した。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出、有機層を飽和食塩水で洗浄、乾燥、濃縮した。残渣をMeOH(2mL)−THF(2mL)に溶解し、2mol/L水酸化ナトリウム溶液(1.1mL、2.2mmol)を加え、室温で5時間攪拌した。水で希釈し、エーテルで洗浄した後、水層に希塩酸を加え酸性とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄、乾燥、濃縮し、化合物Ia−51(175mg;収率99%)を得た。物理恒数は以下の表に示す。
【0073】
実施例2 化合物Ib−20、化合物Ib−29
【化39】


第1工程
特開昭62−198659に記載されている(3R)−3−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロカルバゾール(4)(3.33g、17.9mmol)の1,4−ジオキサン(33mL)溶液に二炭酸ジ−tert−ブチル(4.1g、18.8mmol)を加え室温で2時間攪拌した。減圧濃縮し得られた残渣をメチルエチルケトン(52mL)に溶解し、炭酸カリウム(4.52g、32.7mmol)、塩化ベンジルトチエチルアンモニウム(0.74g、3.26mmol)、ブロモ酢酸メチル(5.00g、32.7mmol)を加え4時間加熱還流した。不溶物を濾過し減圧濃縮、残渣を酢酸エチルで希釈し水洗、乾燥、濃縮した。残渣をヘキサン−エーテルから結晶化し、化合物(5)(4.36g;収率68%、融点127−130℃)を得た。
第2工程
化合物(5)(4.25g、11.9mmol)の酢酸エチル(12mL)溶液に4mol/L塩酸−酢酸エチル溶液(12mL、48.0mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。析出した結晶を濾過、酢酸エチルで洗浄し化合物(6)(3.44g、収率98%)を得た。
第3工程
化合物(6)(295mg、1.0mmol)のTHF(6mL)溶液にトリエチルアミン(0.30g、3.0mmol)、塩化2−チオフェンスルホニル(296mg、1.62mmol)を加え、室温で16時間攪拌した。反応液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出、有機層を希塩酸、水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル、1:1)で精製し、化合物(7)(379mg;収率94%)を得た。
第4工程
化合物(7)(371mg、0.917mmol)のMeOH(1.2mL)−THF(1.2mL)溶液に、4mol/L水酸化ナトリウム水溶液(0.6mL、2.4mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。反応液を水で希釈し、希塩酸を加え酸性とした後、酢酸エチルで抽出し、抽出液を水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮し、化合物(+)−Ib−20(343mg;収率91%)を得た。
第5工程
化合物(7)(243mg、0.622mmol)のジメチルホルムアミド(2mL)溶液に、炭酸カリウム(0.26g、1.87mmol)、ヨウ化メチル(0.27g、1.90mmol)を加え、室温で2.5時間攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄、乾燥、減圧濃縮した後、MeOH(1mL)−THF(1mL)に溶解した。4mol/L水酸化ナトリウム水溶液(0.4mL、1.6mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。反応液を水で希釈し、希塩酸を加え酸性とした後、酢酸エチルで抽出、抽出液を水で洗浄、乾燥、濃縮した。得られた残渣をヘキサン−酢酸エチルから結晶化し、化合物(+)−Ib−29(217mg;収率88%)を得た。物理恒数は以下の表に示す。
【0074】
実施例3 化合物Ic−14
【化40】


第1工程
化合物(8)(610mg、3.28mmol、シンセシス,443(1997)に記載)のTHF(6mL)溶液にトリエチルアミン(0.50g、4.92mmol)、塩化4−フルオロベンゼンスルホニル(0.70g、3.60mmol)を加え、室温で1.5時間攪拌した。反応液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出、有機層を希塩酸、水で順次洗浄、乾燥、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(トルエン−酢酸エチル、5:1)で精製し、化合物(9)(856mg;収率76%)を得た。
第2工程
化合物(9)(800mg、2.32mmol)のメチルエチルケトン(8mL)溶液に、炭酸カリウム(0.96g、6.96mmol)、塩化ベンジルトチエチルアンモニウム(106mg、0.464mmol)、ブロモ酢酸メチル(1.06g、6.96mmol)を加え2.5時間加熱還流した。反応液を水で希釈し、トルエンで抽出、抽出液を水で洗浄、乾燥、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(トルエン−酢酸エチル、5:1)で精製した。生成物をMeOH(2.8ml)−THF(1.4ml)に溶解した。4mol/L水酸化ナトリウム水溶液(1.4mL、5.6mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。反応液を水で希釈し希塩酸を加え酸性とした後、酢酸エチルで抽出し、抽出液を水で洗浄、乾燥、濃縮した。残渣をヘキサン−酢酸エチルから結晶化し、化合物Ic−14(717mg;収率79%)を得た。物理恒数は以下の表に示す。
【0075】
実施例4 化合物Id−2
【化41】


第1工程
ジャーナル オブ オーガニックケミストリー 62 2676(1997)に記載の方法に準じて調製した化合物(10)(1.25g、4.59mmol)のメチルエチルケトン(20mL)溶液に、炭酸カリウム(1.9g、13.77mmol)、ブロモ酢酸メチル(1.74mL、18.36mmol)、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(209mg、0.92mmol)を加え、20時間加熱還流した。酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で順次洗浄、乾燥、濃縮後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル、3:1)で精製し、化合物(11)(1.18g;収率75%)を得た。
第2工程
化合物(11)(355mg、1.03mmol)のエーテル(0.5mL)溶液に、4mol/L塩酸−酢酸エチル溶液(2.06mL,8.24mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。析出した塩酸塩をろ過、エーテルで洗浄し、THF(3mL)に溶解した。この溶液にトリエチルアミン(0.37mL、2.66mmol)、塩化4−フルオロベンゼンスルホニル(365mg、1.88mmol)を加え、室温で16時間攪拌した。酢酸エチルで希釈し、希塩酸、炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄、乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル、2:1)で精製した。生成物をMeOH(8mL)−THF(4mL)に溶解した。1mol/L水酸化ナトリウム溶液(1.8mL、1.8mmol)を加え、室温で16時間攪拌した。反応混合物を水で希釈し、エーテルで洗浄した。水層に希塩酸を加え、析出した結晶をろ過、水洗、乾燥し、化合物Id−2(192mg;収率48%)を得た。物理恒数は以下の表に示す。
【0076】
実施例5 化合物Ie−2、化合物Ie−5
【化42】


第1工程
特開平8−169879に記載の方法に準じて調製した化合物(12)(509mg、2mmol)のTHF(10mL)溶液に、トリエチルアミン(0.84mL、6mmol)、塩化4−フルオロベンゼンスルホニル(506mg、2.6mmol)を加え、室温で19時間攪拌した。酢酸エチルで希釈し、希塩酸、炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄、乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(トルエン−酢酸エチル、4:1)で精製し、化合物(13)(725mg;収率88%)を得た。
第2工程
化合物(13)(309mg、0.75mmol)のMeOH(6mL)−THF(3mL)溶液に1mol/L水酸化ナトリウム溶液(1.9mL、1.9mmol)を加え、室温で21時間攪拌した。希塩酸を加え酸性とした後、酢酸エチルで抽出し、有機層を水および飽和食塩水で洗浄、乾燥、濃縮した。残渣を酢酸エチル−ヘキサンより結晶化し、化合物Ie−2(287mg;収率96%)を得た。物理恒数は以下の表に示す。
第3工程
化合物(13)(363mg、0.88mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(3.6ml)溶液に、ヨウ化メチル(250mg、1.76mmol)、炭酸カリウム(182mg、1.32mmol)を加え、室温で19時間攪拌した。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチル−ヘキサン(1:2)で抽出、有機層を飽和食塩水で洗浄、乾燥、濃縮した。残渣をMeOH−THF(2:1)に溶解し、1mol/L水酸化ナトリウム溶液(1.8mL、1.8mmol)を加え、室温で26時間攪拌した。水で希釈し、エーテルで洗浄した後、水層に希塩酸を加え酸性とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄、乾燥、濃縮した後,残渣をヘキサンより結晶化し、化合物Ie−5(293mg;収率84%)を得た。物理恒数は以下の表に示す。
【0077】
実施例6 化合物Ih−1
【化43】


第1工程
パラニトロフェニルヒドラジン(12)(15.0g、97.9mmol)とシクロヘキサノン(10.15ml、97.9mmol)の酢酸(45ml)混合液を60℃で20分加熱攪拌した。次に、反応混合物に濃塩酸を15ml加え、さらに、1時間30分加熱還流した。反応混合物に水を50ml加え、10分間加熱還流して、室温まで冷却した。析出した結晶をろ過、水でよく洗浄後、エタノール−水から再結晶し6−ニトロテトラヒドロカルバゾール(13)を17.0g(収率80%)を得た。

第2工程
化合物(13)(6.80g、31.44mmol)、ブロモ酢酸メチル(8.93ml、94.32mmol)、炭酸カリウム(13g、94mmol)、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム(1.43g、6.28mmol)のメチルエチルケトン(100ml)の混合液を1時間加熱還流した。減圧濃縮し得られた残渣を酢酸エチルで希釈し水洗、乾燥、濃縮した。残渣を酢酸エチル−ヘキサンから再結晶し、化合物(14)(7.93g;収率87%)を得た。

第3工程
化合物(14)(7.92g、27.47mmol)、水酸化パラジウム(20%wt、1.0g)のTHF(70ml)及びMeOH(14ml)の混合液を水素雰囲気下に、7時間攪拌した。触媒を除いた後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル、1:1)で精製し、化合物(15)(5.89g;収率83%)を得た。

第4工程
化合物(15)(3.89g、15.0mmol)のTHF(30ml)溶液にトリエチルアミン(4.18ml、30mmol)、塩化4−フルオロベンゼンスルフォニル(3.07g、15.8mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液に希塩酸を加え、酢酸エチルで抽出、有機層を水洗、乾燥、濃縮した。得られた残渣を酢酸エチル−ヘキサンから結晶化し、化合物(16)(5.93g;収率95%)を得た。

第5工程
化合物(16)(350mg、0.84mmol)、MeOH(4ml)−THF(2ml)溶液に2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(1mL、2mmol)を加え、室温で15時間攪拌した。反応液に希塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗、乾燥、濃縮した。得られた残渣を酢酸エチル−ヘキサンから結晶化し、化合物Ih−1(268mg;収率79%)を得た。物理恒数は以下の表に示す。

実施例1〜6に記載の方法に従って、以下の表に示す化合物を合成することができる。
【0078】
【表1】


【表2】


【表3】


【表4】


【表5】


【表6】


【表7】


【表8】


【表9】


【表10】


【表11】


【表12】

【表13】


【表14】


【表15】


【表16】


【表17】


【表18】


【表19】


【表20】


【表21】


【表22】


【表23】


【表24】


【表25】


【表26】


【表27】


【表28】


【表29】


【表30】

【0079】
【表31】


【表32】


【表33】


【表34】


【表35】


【表36】


【表37】


【表38】


【表39】


【表40】


【表41】


【表42】


【表43】


【表44】


【表45】


【表46】


【表47】


【表48】


【表49】


【表50】


【表51】


【表52】


【表53】


【表54】


【表55】


【表56】


【表57】

【0080】
【表58】


【表59】


【表60】


【表61】


【表62】


【表63】


【表64】


【表65】


【表66】


【表67】


【表68】


【表69】


【表70】


【表71】


【表72】


【表73】


【表74】


【表75】


【表76】


【表77】


【表78】


【表79】


【表80】


【表81】


【表82】


【表83】


【表84】


【表85】


【表86】


【表87】


【表88】


【表89】

【0081】
試験例1 CRTH2受容体結合試験
ヒトCRTH2受容体を発現したK562細胞から細胞膜画分を調製し、結合実験に供した。結合反応液(50 mM Tris/HCl, pH 7.4,10 mM MgCl2)に膜画分(0.06 mg)および3 nM H−PGD (172 Ci/mmol)を加えて0.1 mlとし、室温で60分間反応させた。反応終了後速やかにガラス繊維濾紙を用いて濾過し、冷生理食塩水で数回洗浄し、濾紙に残った放射活性を測定した。特異的結合は全結合量から非特異的結合量(10 μM PGD存在下で同様にして求めた放射活性量)を差し引いて算出した。各化合物の結合阻害活性は、化合物非存在下での特異的結合量を100%とし、各化合物存在下での特異的結合量(%)を求めて置換曲線を作成することにより、50%抑制濃度(IC50値)を算出した。結果を以下の表に示す。
【表90】


【表91】


【表92】

【0082】
試験例2 CRTH2受容体に対する拮抗活性試験
CRTH2受容体に対する拮抗活性を、化合物のPGD2刺激によるCRTH2受容体を介した細胞内カルシウム濃度上昇に対する抑制作用を検討することによって行った。
ヒトCRTH2受容体を発現したK562細胞を2 x 106 cells/mlに調製し,細胞懸濁液(10 mM HEPES buffer, pH 7.4, 0.1% Bovine serum albumin)にFura-2 AM(2μM)を加えて室温で60分間インキュベートした。洗浄後,再度細胞懸濁液に懸濁させ37度に加温後,種々の濃度に希釈した化合物を添加し,その2分後にPGD2(50 nM)を添加して反応を惹起させ,細胞内カルシウム濃度の上昇を細胞内イオン測定装置(CAF-110)を用いて測定した。各化合物の拮抗活性は,化合物非存在下での細胞内カルシウム濃度上昇量に対する各化合物存在下(1μM)での抑制率を算出して評価した。結果を以下の表に示す。
【0083】
【表93】


上記の表に示した結果から、本発明化合物が優れたCRTH2受容体拮抗活性を有することがわかる。
【0084】
製剤例
製剤例1
以下の成分を含有する顆粒剤を製造する。
成分 式(I)で表わされる化合物 10 mg
乳糖 700 mg
コーンスターチ 274 mg
HPC-L 16 mg
1000 mg
式(I)で表わされる化合物と乳糖を60メッシュのふるいに通す。コーンスターチを120メッシュのふるいに通す。これらをV型混合機にて混合する。混合末にHPC−L(低粘度ヒドロキシプロピルセルロース)水溶液を添加し、練合、造粒(押し出し造粒 孔径0.5〜1mm)したのち、乾燥する。得られた乾燥顆粒を振動ふるい(12/60メッシュ)で櫛過し顆粒剤を得る。
製剤例2
以下の成分を含有するカプセル充填用散剤を製造する。
成分 式(I)で表わされる化合物 10 mg
乳糖 79 mg
コーンスターチ 10 mg
ステアリン酸マグネシウム 1 mg
100 mg
式(I)で表わされる化合物、乳糖を60メッシュのふるいに通す。コーンスターチは120メッシュのふるいに通す。これらとステアリン酸マグネシウムをV型混合機にて混合する。10倍散100mgを5号硬ゼラチンカプセルに充填する。

製剤例3
以下の成分を含有するカプセル充填用顆粒剤を製造する。
成分 式(I)で表わされる化合物 15 mg
乳糖 90 mg
コーンスターチ 42 mg
HPC-L 3 mg
150 mg
式(I)で表わされる化合物、乳糖を60メッシュのふるいに通す。コーンスターチを120メッシュのふるいに通す。これらを混合し、混合末にHPC−L溶液を添加して練合、造粒、乾燥する。得られた乾燥顆粒を整粒後、その150mgを4号硬ゼラチンカプセルに充填する。
製剤例4
以下の成分を含有する錠剤を製造する。
成分 式(I)で表わされる化合物 10 mg
乳糖 90 mg
微結晶セルロース 30 mg
CMC-Na 15 mg
ステアリン酸マグネシウム 5 mg
150 mg
式(I)で表わされる化合物、乳糖、微結晶セルロース、CMC−Na(カルボキシメチルセルロース ナトリウム塩)を60メッシュのふるいに通し、混合する。混合末にステアリン酸マグネシウム混合し、製錠用混合末を得る。本混合末を直打し、150mgの錠剤を得る。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明医薬組成物および本発明化合物は、優れたCRTH2受容体拮抗作用を示し、アレルギー性疾患の治療または予防剤等として有効に機能し得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】


(式中、
式:
【化2】


で示される基は式:
【化3】


(式中、Zは=N−または=C(−R)−;R、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素、ハロゲン、ハロアルキル、カルボキシ、アルキルオキシカルボニル、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいアラルキル、式:−S(O)(式中、pは0〜2の整数;およびRはアルキルまたは置換されていてもよいアリール)で示される基、式:−NR10(式中、RおよびR10はそれぞれ独立して水素、アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアラルキルまたはアシル)で示される基、式:−OR11(式中、R11は水素、アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアラルキル、アルカンスルホニル、置換されていてもよいアリールスルホニル、置換されていてもよいアラルキルスルホニル、ハロアルキル)で示される基)で示される基;
はカルボキシ、アルキルオキシカルボニル、置換されていてもよいアミノカルボニルまたはテトラゾリル;
はーN=またはーC(−R)=;
は水素、アルキルまたはハロゲン;
15は水素またはアルキル;
は式:−(CH−N(−Y)−SO−Ar(式中、nは1〜3の整数;Yは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアラルキル、置換されていてもよいヘテロアリールアルキルまたは置換されていてもよいアリールアルケニル;およびArは置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリール)で示される基、式:
【化4】


(式中、rは0〜2の整数;xは0〜3の整数;mは1〜3の整数;破線は結合の存在または不存在を表わし;Eは置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、アルキル、置換されていてもよいアラルキルまたは置換されていてもよいアリールアルケニル)で示される基、
式:
【化5】


(式中、xは0〜3の整数;mは1〜3の整数;破線は結合の存在または不存在を表わし;Eは置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、アルキル、置換されていてもよいアラルキルまたは置換されていてもよいアリールアルケニル)で示される基、
式:−CR2324−CR2526−(CH−N(−Y)−SO−Ar(式中、ArおよびYは前記と同意義;yは0または1;R23およびR24の一方はアルキル、他方は水素、アルキルまたはアリール;またはR23およびR24は一緒になって式:−(CH)t−(式中、tは2〜5の整数)で示される基;R25およびR26はそれぞれ独立して水素またはアルキルオキシアルキル)で示される基、
式:
【化6】


(式中、YおよびArは前記と同意義)で示される基、または
式:
【化7】


(式中、YおよびArは前記と同意義;uは1または2)で示される基;
または式:
【化8】


で示される基が式:
【化9】


(yは1〜3の整数;m、p、YおよびArは前記と同意義)で示される基、
式:
【化10】


(m、yおよびArは前記と同意義)で示される基、
または式:
【化11】


(YおよびArは前記と同意義;R20は水素またはアルキル;R21は水素またはハロゲン)で示される基である。(但し、3-(4-クロロフェニルスルホニルアミノ)-9-(2-カルボキシメチル)-1,2,3,4-テトラヒドロカルバゾール、そのエチルエステル、3-(4-クロロフェニルスルホニルアミノエチル)インドール-1-アセティックアシッド、および3-(4-クロロフェニルスルホニルアミノプロピル)インドール-1-アセティックアシッドを除く);
またはR13が水素、アルキル、アラルキル、アシルまたは式:−OR16(式中、R16は水素またはアルキル)で示される基であり、R14が水素またはアルキルであるか、または式:
【化12】


で示される基が式:
【化13】


(式中、qは0〜3の整数;R17は水素またはアルキル;Zは−CH−、−C(=O)―、−C(=NOH)−又は−C(=NOMe)−;Zは式:−S(=O)−(式中、sは0〜2の整数)で示される基、式:−N(−R22)−(式中、R22は水素、アルキル、アルキルオキシカルボニルまたはアシル)で示される基または式:−CR1819−(式中、R18およびR19はそれぞれ独立して水素、アルキルまたはアリール;またはR18およびR19は一緒になって式:−(CH−(式中、tは2〜5の整数)で示される基である)で示される基である)で示される基であり;
およびR15は前記と同意義であり;
式:
【化14】


で示される基が式:
【化15】


(Y、E、R20およびR21は前記と同意義)で示される基である化合物、そのプロドラッグ、それらの製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項2】
式:
【化16】


で示される基が式:
【化17】


(式中、Zは=C(−R)−であり;R、R、RおよびRは請求の範囲第1項と同意義)で示される基であり;ZがーC(−R)=であり;Rは請求の範囲第1項と同意義であり;R15が水素であり;
が式:−(CH−N(−Y)−SO−Ar(式中、nは1〜3の整数;Yは水素、アルキル、アルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアラルキル、または置換されていてもよいヘテロアリールアルキル;およびArは置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリール)で示される基、式:
【化18】


(式中、rは0〜2の整数;xは0〜3の整数;mは1〜3の整数;破線は結合の存在または不存在を表わし;Eは置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリール)で示される基;
または式:
【化19】


で示される基が式:
【化20】


(yは1〜3の整数;m、p、YおよびArは前記と同意義)で示される基、
式:
【化21】


(m、yおよびArは前記と同意義)で示される基、
または式:
【化22】


(YおよびArは請求の範囲第1項と同意義であり;R20およびR21は水素である)で示される基である請求の範囲第1項記載の化合物、そのプロドラッグ、それらの製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項3】
Yがアルキル、アルケニル、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいアラルキルである請求の範囲第1項または第2項記載の化合物、そのプロドラッグ、それらの製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項4】
が式:−(CH−N(−Y)−SO−Ar(式中、nは2または3;Yは水素、アルキル、アルケニル、またはアラルキル;およびArは請求の範囲第1項と同意義)で示される基である請求の範囲第2項記載の化合物、そのプロドラッグ、それらの製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項5】
が式:
【化23】


(式中、mは1;rは0;xは2;破線は結合の不存在を表わし;およびEは請求の範囲第2項と同意義)で示される基である請求の範囲第2項に記載の化合物、そのプロドラッグ、それらの製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項6】
式:
【化24】


で示される基が式:
【化25】


(mは2;pは0;yは1;Yは水素、アルキル、アルケニルまたはアラルキル;およびArは請求の範囲第1項と同意義)で示される基である請求の範囲第2項に記載の化合物、そのプロドラッグ、それらの製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項7】
式:
【化26】


で示される基が式:
【化27】


(mは1または2;yは1または2;およびArは請求の範囲第2項と同意義)で示される基である請求の範囲第2項に記載の化合物、そのプロドラッグ、それらの製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項8】
式:
【化28】


で示される基が式:
【化29】


(Yは水素、アルキル、アルケニルまたはアラルキル;およびR20、R21およびArは請求の範囲第1項と同意義)で示される基である請求の範囲第2項記載の化合物、そのプロドラッグ、それらの製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項9】
がカルボキシである請求の範囲第1項〜第8項のいずれかに記載の化合物、そのプロドラッグ、それらの製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項10】
、R、RおよびRがそれぞれ独立して水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいアラルキルである請求の範囲第1項〜第9項のいずれかに記載の化合物、そのプロドラッグ、それらの製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項11】
が水素またはアルキルである請求の範囲第1項〜第10項のいずれかに記載の化合物、そのプロドラッグ、それらの製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項12】
請求の範囲第1項〜第11項のいずれかに記載の化合物、そのプロドラッグ、それらの製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物を有効成分として含有する医薬組成物。
【請求項13】
CRTH2受容体拮抗剤として使用する請求の範囲第12項記載の医薬組成物。

【公開番号】特開2010−132680(P2010−132680A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−18499(P2010−18499)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【分割の表示】特願2004−505331(P2004−505331)の分割
【原出願日】平成15年5月15日(2003.5.15)
【出願人】(000001926)塩野義製薬株式会社 (229)
【Fターム(参考)】