説明

n−ドーパントの前駆物質の、有機半導体材料をドーピングするための使用、前駆物質ならびに電子素子または光電子素子

電子素子または光電子素子におけるブロッキング層、電荷注入層、電極材料、記憶材料、または半導体層自体としての、n−ドーパントの前駆物質の、有機半導体材料をドーピングするための使用。ここで、上記前駆物質は以下の化学式1〜3c:
【化1】


から選択される。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、電子素子または光電子素子におけるブロッキング層、電荷注入層、電極材料、記憶材料、または半導体層自体として、有機半導体材料をドーピングするためのn−ドーパント前駆物質を使用することに関する。また、本発明は、それらに対応する前駆物質、有機半導体材料ならびに電子素子または光電子素子に関する。
【0002】
シリコン半導体などの無機半導体と同様に、有機半導体材料についても、それらの電気特性、特に導電性を変化させるためにドーピングを用いることは周知である。ここで、使用されるドーパントの種類に依存する、当初は非常に低い導電性の増大、つまり半導体材料のフェルミ準位の変化は、基質材料に荷電粒子を生じさせることによって実現される。この場合、ドーピングは、電荷トランスポート層の導電性を増大させて抵抗損の低下を生じ、そして、各コンタクト部位と有機層との間における荷電粒子の移動度が向上する。導電性の観点におけるドーピングは、ドーパントから近傍の基質分子への電荷移動(n−ドーピング、電子導電性の増大)、または基質分子から近傍のドーパントへの電子移動(p−ドーピング、正孔伝導性の増大)を特徴とする。電荷移動は、不完全または完全な程度に生じ得、例えばFTIR測定(フーリエ変換赤外分光)の振動バンドを観察することによって測定され得る。
【0003】
アルカリもしくはアルカリ土類金属(例えば、セシウム)、またはルイス酸(例えば、FeCl)などの、これまで使用されている無機ドーピング剤は、それらの高い拡散係数に起因して、電子素子の機能および安定性に悪影響を及ぼすので、有機基質材料には一般的に不都合である。また、これらの無機ドーパントは、室温において高い蒸気圧を有しており、真空処理において製造システムを汚染し得るので、製造が困難である。特にアルカリまたはアルカリ土類金属は、大気との反応性が高いので、それらの使用がより困難であるというさらなる欠点を有する。これらの周知の欠点は、分子n−ドーパントを用いることによって回避される。
【0004】
強い分子ドーパントは、直接に作用するドーパント(すなわち、アルカリ金属のように、任意のさらなる活性化処置なしでそれらの効果を直接的に生じるもの;上記を参照)であり得る。これらの例としては、テトラチアフルバレンまたはデカメチルコバルトセンが挙げられる(WO03/088271A)。しかし、これらの物質の大きな欠点は、大気中の物質(酸素および水)に対しての感度が極めて高いため、使用にあたって特別な処置(例えば、不活性ガス雰囲気など)をとる必要があることである。
【0005】
これらに代わるものとして、例えば光による励起などによって、適切に活性化されると活性種を放出する適切な前駆化合物の使用が挙げられる。これらの例として、ジフェニルメチルラジカル(H. Yokoi et al., Chem. Lett. 1999, 241-242)またはロイコクリスタルバイオレット(DE10307125A1)の二量体が挙げられる。しかし、この場合、実際のドーピング効果は相対的に低い。特に、認識されるアクセプタのみが、ジフェニルメチルラジカルを用いてドープされ得る。特に効果的な種類の二量体は、ビピリジニルであり、特に、ビイミダゾリルである(J. Ludvik, F. Pragst et al., J. Elelctroanal. Chem. Interfac. Electrochem. 1984, 180(1-2), 141-156)。しかしこの場合、これらの材料は電気化学の専門技術を要するため、これらを合成によって得るのは困難である。また、溶融塩電解などの顕著な例外を除いて、電解法は精製化学製品にほとんど用いられないので、この特定の技術は工業的な生産を大きく制限する要因となる。
【0006】
E. Hasegawa et al. J. Org. Chem. 2005, 70, 9632-9635には、イミダゾリン、より詳細には2H−イミダゾリンのドーピングが原理的に可能であることが記載されている。ここで、光による励起後の電子移動が、一連の複合的な反応における第一ステップとして要求される。しかし、これは、n−ドーパントに関して、これらの逐次反応を可能な限り抑制することによって、ドーピング効果を持続的に維持する構造を見つける必要があることを意味する。
【0007】
本発明の目的は、従来技術の欠点を克服し、高い供与性(効果的なドーピング強度)を有する容易に改質可能な有機半導体材料用のn−ドーパントを、単純かつ効率的な手法によって入手可能にすることである。さらに、n−ドーパントの対応する前駆物質に適した新規化合物を提供する。さらに、有機半導体材料、ならびに電子素子および光電子素子を提供する。
【0008】
第一の目的は、請求項1に係るn−ドーパントの前駆物質の使用によって達成される。そして、さらなる目的は、独立請求項9、10および12によって達成される。好ましい実施形態は、当該従属請求項から明らかになる。
【0009】
驚くべきことに、有機半導体材料のドーピングおよび請求項1に記載の他の目的に、n−ドーパント前駆物質を用いる場合、従来技術の欠点を克服できることがわかった。これらの前駆物質において、不安定な結合は、適切な励起(通常は光学的励起)によって不可逆的に切断される。本発明に基づいて使用される化合物において、置換基Lは、励起によって中性ラジカル(離脱基)として放出される。その結果、実際のドーパントである中間ラジカルが放出される。中間ラジカルは、その7πの電子構造に起因する極めて効率的な還元剤である。中間ラジカルを放出する目的は、その余剰電子を放出して、安定性の高い芳香族カチオンを形成することである。放出された電子の受容体は、好ましくは弱いアクセプタ(例えば周囲の母材料(以下、基質と記載))である。これは、アクセプタが還元され、つまり電気的にドーピングされて、ラジカルアニオンが形成されることを意味する。
【0010】
本発明に係る使用において、正しいドーピング処理の最終段階に、少なくとも以下の構成要素:高い安定性のカチオン、酸化還元反応に対して構造的に不活性なラジカル、および周囲の基質のラジカルアニオンが生成され得る。この場合、酸化還元反応に不活性なラジカルは、そのままの状態に維持し得るか、必要に応じて溶液において二量体化されて、閉殻した電子殻を有する次の分子間生成物を形成し得るか、または特定の場合(1,2−ジラジカル)に、分子内において飽和してアルケンを形成し得る。
【0011】
基本的には、複数の反応経路のいずれかを介してドーピングが行われ得、当該反応経路は使用される材料の電気的な条件および立体構造の条件に依存する。当該反応経路は以下の通りである。
1.(好ましくは)光学励起後における、2つのラジカルへのホモリシス(上記参照)。すなわち、周囲に電子を放出する中性ラジカル、および酸化還元反応に不活性な安定なラジカルへの分解。
2.(好ましくは)光学励起による完全な前駆物質からの電子移動、ならびにこれに続くカチオンおよび酸化還元反応に不活性な安定性ラジカルへの、中間ラジカルカチオンの分解。
3.(好ましくは)光学励起後における、カチオンおよびアニオンへのヘテロリシス。ここで、後者のアニオンは、電子を放出して酸化還元反応に不活性な安定なラジカルに変換される。この切断は、ヒドリド異種(すなわち、L=H)の場合に起こり得る。
【0012】
電子移動の効率性(すなわち、ドーパントの強度)は、以下の(1)〜(3)のパラメータによって基本的に決定される。
(1)カチオンの還元電位(好ましくは、フェロセン/フェロセンに対して−2.3V未満、特に好ましくは−2.6V未満、最も好ましくは−2.8V未満)
(2)離脱基がラジカルを形成する傾向
例えば、R=Cの場合にはむしろ切断が起こらないように、上記傾向はアリール基の場合に極めて低い。逆に、ベンジル(すなわち、R=CH)は、切断される傾向が強いので、効率的に安定化されるラジカルである。
(3)C−L結合の強度
これは、立体構造の状態および電気的な状態に依存する。
【0013】
従来技術と比較すると、本発明に係る概念は、以下に記載のような多くの利点:良好な合成法;改質が容易であること;高いドーパントの強度;広い適用範囲を提供する。
【0014】
さらに、上記前駆物質は、(特にデカメチルコバルトセンなどのドーパントと比較して)酸素および大気中の水分に対して高い安定性を有しているので、使用時に特別な保護手段(不活性ガス雰囲気)をとる必要がない。
【0015】
<選択された化合物の合成>
様々な合成経路を介して化合物を入手可能ある。
【0016】
G. W. H. Cheeseman, J. Chem. Soc. 1955, 3308-3310には、アルデヒドまたはケトンと適切な1,2−ジアミノベンゾールの反応、および当該反応にしたがって水の凝縮によって形成される対応するイミダゾリンが挙げられている。
【0017】
しかし、本発明によれば、強い求核試薬としての適切なアニオンとイミダゾリウムイオンを反応させて、中性化合物としてのドーパントを生成させることがより好ましい。従来技術と比べて、この経路は、短い合成手順および非常に緩やかな反応条件という利点を有している。
【0018】
好ましい合成方法:
【0019】
【化1】

【0020】
<通常の手順:2−アミノベンズイミダゾール>
(2−アミノベンズイミダゾール誘導体)
適切な芳香族ジアミンからの2−アミノベンズイミダゾール誘導体を、W. Ried et al., J. Prakt. Chem. 1959, 8, 132-149に記載のように合成する。
【0021】
<イミダゾリウムイオン>
(通常の手順:多環式のグアニジン塩)
グアニジン誘導体に対する架橋は、すべての誘導体について同じ方法によって行われる。10mmol(2.0g)の1,3−ジブロモプロパンおよび15mmol(1.9g)のKCOのDMF溶液を、対応する5mmolの2−アミノベンズイミダゾールに加える。混合物を60℃において5時間にわたって、それから90℃において6時間にわたって、最後に135℃において6時間わたって、攪拌しながら加熱する。不溶性の画分をろ過によって除去し、ろ液を濃縮する。生成物が臭化物塩として沈殿し、臭化物塩は真空中において乾燥される。
【0022】
<シリルアニオン>
(通常の手順:反応成分としてのアルカリ金属トリオルガニルシリル)
A. G. Brook et al., J. Am. Chem. Soc. 1954, 76, 2333-2338に記載のように合成する。
【0023】
さらなる有機金属は、(有機リチウム化合物、または有機マグネシウム化合物として)市販されているか、または標準的な方法(例えばブチルリチウムのジエチルエーテル溶液を用いた脱プロトン化)を用いてそのままで得られる。
【0024】
<ドーパント合成>
(A:L=Hであるドーパントにとっての通常の手順)
R. W. Alder et al., J. Chem. Soc. Chem. Commun. 1992, 507-508に記載のように合成する。
【0025】
(B:通常の手順:2,2−ジアルキルイミダゾリンまたはオルトカルボン酸アミドならびに誘導体)
対応するカチオン(例えば、グアニジン塩)をTHFに懸濁し、室温において攪拌しながら有機金属結合パートナを加える。不溶性の塩が溶け、乳白色の溶液が最終的に得られることによって、転換されたことが分かる。当該溶液に水を加え、ジエチルエーテルを用いて抽出する。エーテル相を硫酸マグネシウムに通して乾燥し、ろ過し、濃縮する。生成物は無色の固体として得られる。
【0026】
<化合物11>
(手順Bにしたがった合成)
【0027】
【化2】

【0028】
1H-NMR (500MHz, THF-d8): δ = 7.47, m, 4H; 7.05-7.25, m, 6H; 6.34, m, 2H; 6.23, m, 2H; 5.31, s, 1H; 3.24, m, 4H; 2.92, m, 2H; 2.54, m, 2H; 1.84, m, 2H; 1.21, m, 2H。
【0029】
<化合物12>
(手順Bにしたがった合成)
【0030】
【化3】

【0031】
1H-NMR (500MHz, THF-d8): δ = 7.26, m, 2H; 7.10, m, 2H; 7.05, m, 1H; 6.06, s, 2H; 3.52, m, 2H; 3.46, s, 2H; 3.36, m, 2H; 2.98, m, 2H; 2.46, m, 2H; 2.04, s, 6H; 1.95, m, 2H; 1.32, m, 2H。
【0032】
<化合物13>
(手順Bにしたがった合成)
【0033】
【化4】

【0034】
1H-NMR (500MHz, THF-d8): δ = 7.78, m, 6H; 7.35, m, 3H; 7.28, m, 6H; 6.51, m, 2H; 6.34, m, 2H; 3.34, m, 2H; 3.04, m, 2H; 2.83, m, 4H; 1.83, m, 2H; 1.17, m, 2H。
【0035】
<化合物14>
(手順Aにしたがった合成)
【0036】
【化5】

【0037】
1H-NMR (500MHz, CDCl3): δ = 6.15, s, 2H; 4.47, s, 1H; 3.66, m, 2H; 3.15, m, 2H; 2.54, m, 2H; 2.25, m, 2H; 2.16, s, 6H; 1.80, m, 2H; 1.30, m, 2H。
【0038】
<化合物15>
(手順Aにしたがった合成)
【0039】
【化6】

【0040】
1H-NMR (500MHz, CDCl3): δ = 7.22, m, 2H; 7.09, m, 2H; 6.56, m, 2H; 4.58, s, 1H; 4.17, m, 2H; 3.05, m, 2H; 2.93, m, 2H; 2.38, m, 2H; 2.25, m, 2H; 1.39, m, 2H。
【0041】
<化合物16>
(手順Aにしたがった合成)
【0042】
【化7】

【0043】
1H-NMR (500MHz, CDCl3): δ = 7.52, m, 2H; 7.15, m, 2H; 6.65, s, 2H; 4.63, s, 1H; 3.87, m, 2H; 3.29, m, 2H; 2.69, m, 2H; 2.36, m, 2H; 1.97, m, 2H; 1.47, m, 2H。
【0044】
<化合物17(タイプ3bに基づく)>
【0045】
【化8】

【0046】
R. W. Alder et al, J. Chem. Soc. Chem. Commun. 1992, 507に記載の手順を用いて、開始化合物(三環式のグアニジウムカチオン)を合成した。当該開始化合物は、標準的な手順Bにしたがって所望の生成物に転換され得る。この代わりに、タイプ3bに基づく化合物は、R.D. Kohn, G. Seifert et al, Chem. Ber. 1996, 129(19), 21-24にしたがって生成され得る。
1H-NMR (500MHz, DMSO-d6): δ = 7.43, d, 2H; 7.14, t, 2H; 7.06, t, 1H; 3.25, s, 2H; 2.7-2.85, m, 12H; 1.87, m, 3H; 1.21, m, 3H。
【0047】
<化合物18(タイプ2aに基づく)>
【0048】
【化9】

【0049】
A. I. Khalaf et al., Tetrahedron 2000, 56, 8567に記載の手順を用いて、開始化合物(二環式の2−アミノ−ベンザオキサドール)を合成した。当該開始化合物は、標準的な手順Aにしたがって所望の生成物に転換される。
1H-NMR (500MHz, DMSO-d6): δ = 6.55, m, 1H; 6.38, m 2H; 6.29, m, 1H; 4.45, s, 1H, 2.94, t, 2H; 2.12, t, 2H; 2.09, s, 3H; 1.51-1.38, m, 4H。
<化合物19(タイプ2aに基づく)>
【0050】
【化10】

【0051】
WO2005/086251A2に記載の方法を用いて2,3,4,10−テトラヒドロピリミド[1,2−a]ベンズイミダゾールの中間体をまず合成し、それから加熱しならがらDMF中においてアルキル化し、ヨウ化メチルの存在下において還流して、イミダゾリウムイオンを形成することによって、開始化合物を得た。続いて、当該開始化合物は、手順Aにしたがって所望の生成物に転換される。
1H-NMR (500MHz, DMSO-d6): δ = 6.55, m, 2H; 6.41, m, 2H; 4.64, s, 1H; 3.10, s, 3H; 3.03, t, 2H; 2.41, t, 2H; 2.21, s, 3H; 1.745, m, 2H。
【0052】
<タイプIに基づく化合物>
【0053】
【化11】

【0054】
例えば、N.I. Korotkikh, O.V: Knishevitskii et al., Ukr. Khim. Zhur. 2006, 72(7-8), 32-38. W. Kanthlener, Science of Synthesis 2005, 22, 795-841には、L=H;およびX、Y、Z=Nであるこのタイプに基づく化合物が開示されている。
【0055】
(変種)
例えば、S. Csihony, D. Culkin et al., J. Am. Chem. Soc. 2005, 127(25), 9079-9084. P. Bazinet, T.-G. Ong, et al., Organometallics 2007, 26(11), 2885-2895. A. Furstner, L. Ackermann, et al., Chem. Eur. J. 2001, 7(15), 3236-3253には、L=H;X、Y=NR;およびZ=ORである標準的なタイプIに基づく化合物が開示されている。
【0056】
例えば、A. Malik, N. Afza, S. Siddiqui, Z. Naturforsch. B 1982, 37B(4), 512-18には、L=H;X=NR;Y=O;およびZ=NRである標準的なタイプIに基づく化合物が開示されている。
【0057】
例えば、S. Eid, M. Guerro, et al., Org. Lett. 2006, 8(11), 2377-2380、M. Bssaibis, A. Robert, A.A. Souizi, J. Chem. Soc. Perkin 1 1994, 1469-72、およびM. Murayama, et al., Jpn. Kokai Tokkyo Koho 1973, JP 48075582 19731011には、L=H;X=S、NR;Y=S;およびZ=NRである標準的なタイプIに基づく化合物が開示されている。
【0058】
<タイプ3cに係る化合物>
【0059】
【化12】

【0060】
例えば、W. Kantlehner, E. Haug et al, Z. naturforsch. B 2002, 57(4), 399-419、およびW. Kantlehner, Science of Synthesis 2005, 22, 795-841には、このタイプの化合物が開示されている。
【0061】
(変種)
例えば、H.U. Blank, H. Kraus, et al., Eur. Pat. Appl. 1993, EP 525536 A2 19930203、およびI. Wawer, J. Osek, J. Chem. Soc. Perkin 2 1985, 1669-1671には、L=H;X、Y=NR;およびZ=ORである標準的なタイプIに基づく化合物が開示されている。
【0062】
<改質性>
(ドーパントの強度)
(a)イミダゾリウムイオンまたは誘導体の還元電位、ならびに(b)離脱基Lがラジカルを形成する傾向またはC−L結合の強度、という2つの方法によって有効なドーパントの強度が決定される。
【0063】
ベンゾフェノンを用いた試験において、L=CHPhがこの材料をドーピングする(ベンゾフェノンのラジカルアニオンの形成によって青く発色する)ことがわかった。これに対して、L=CHPhを用いて不可視の反応が起こるが、適切な基質においてドーピング効果が達成されていることがわかった(下記を参照)。特に不安定化されたラジカルとしてL=フェニルを用いる場合、任意の明らかな効果はほとんど得られない(強いアクセプタに対する直接ドーパントとして使用する場合を除く)。
【0064】
同じ構造であるが異なる還元電位を有するイミダゾールイオンまたは誘導体を用いる場合、化合物15(約−2.6V)を用いるよりも、化合物16(CV:フェロセンに対して約−2.7V)を用いる方が強い効果が得られる(ドーピング実験を参照)。
【0065】
(揮発性)
本発明にしたがって使用される化合物の昇華傾向は、種々の方法において容易に適合させられ得る。
【0066】
化合物14は超高真空下の室温においてすでに昇華しており、化合物16における活性部分および化合物12における酸化還元反応に不活性な部分を改質した(わずかな合成の労力によって導入された重ベンジル基の使用)。化合物16および12の両者は、超高真空下において化合物14よりもはるかに高い温度(約70℃)において昇華する。
【0067】
(無機離脱基L)
酸化還元反応に不活性な部分Lは有機成分に限定されない。化合物13を用いて証明されるように、無機L基または有機金属L基はわずかな労力によって導入され得る。当然のことながら、この原理は、シリコンに対して限定されず、他のフラグメントに適用され得る。
【0068】
したがって、本発明によれば、基本的にL=ORおよびNRである化合物(W. Kantlehner et al., J. Prakt. Chem. 2000, 342, 256-268)を用いることもできる。
【0069】
(加工性)
離脱基Lの変更による比較的容易な改質性によって、様々な処理およびプロセスパラメータに適応可能である。また、この方法を用いて昇華温度に加えて溶解度を調節可能である。
【0070】
<ドーピング実験の説明>
一般的に、n−ドーパントの還元電位は、以下の(1)〜(3)に示す特定の要件を満たす必要がある。
(1)3.3eV未満(好ましくは2.8eV未満、より好ましくは2.6eV未満)のHOMOレベルを有する分子および/または中性ラジカル。酸化電位のシクロボルタンメトリー測定から、供与体のHOMOを決定し得る。また、供与体カチオンの還元電位を供与体の塩において決定し得る。供与体は、対のFc/Fc+(フェロセン/フェロセニウムのレドックス対)が約−1.5V以下、好ましくは約−2.0V以下、より好ましくは約−2.2以下である酸化電位を有する必要がある。
(2)100〜2000g/molの範囲内、好ましくは200〜1000g/molの範囲内である供与体のモル質量。
(3)1:1000(アクセプタ分子:基質分子)〜1:2の範囲内、好ましくは1:100〜1:5の範囲内、より好ましくは1:100〜1:10の範囲内のドーピングモル濃度。個々の場合では、例えば非常に高い導電性を必要とするときに、1:2を上回る濃度においてドーピング分子を使用するようなドーピング比率が、考慮され得る。
【0071】
層生成処理または続く層生成処理の間に、前駆物質から供与体が形成され得る(DE103 07 125.3を参照)。上述において特定した供与体のHOMOレベルは、生成する種と関連する。
【0072】
本発明にしたがって使用される材料の活性な部分(すなわちイミダゾリウムイオンまたは誘導体)は、シクロボルタンメトリー測定において、−2.6V〜2.9V(内部標準としてのフェロセンに対して)の範囲内の還元を示す。
【0073】
これは、本発明にしたがって使用されるドーパント(すなわち、実際には前駆物質)が、比較概念に基づく旧来の方法よりもはるかに優れたドーピング性能を示すことを意味する。
【0074】
<ZnPcにおける化合物15のドーピング実験>
1:10の比率において、ZnPcとともに化合物15を共蒸着させる。真空の系において、水銀灯の光が、石英ガラスの窓を介して5分間にわたって試料に照射される。照射後に、基板を1時間にわたって静置し、それから導電性を測定する。
【0075】
導電性は2×10−8S/cmである。
【0076】
<ZnPcにおける化合物16のドーピング実験>
1:10の比率において、ZnPcとともに化合物16を共蒸着させる。真空の系において、水銀灯の光が、石英ガラスの窓を介して5分間にわたって試料に照射される。照射後に、基板を1時間にわたって静置し、それから導電性を測定する。
【0077】
導電性は7×10−8S/cmである。
【0078】
<ZnPcにおける化合物12のドーピング実験>
1:10の比率において、ZnPcとともに化合物12を共蒸着させる。真空の系において、水銀灯の光が、石英ガラスの窓を介して5分間にわたって試料に照射される。照射後に、基板を1時間にわたって静置し、それから導電性を測定する。 導電性は9×10−8S/cmである。
【0079】
特定の利点により、ドーパントの強度は、ベンゾフェノンを含む溶液において示され得る。この化合物は、約−2.3V(内部基準:フェロセン)のみにおいて還元される。この値はほとんどの基質材料の還元電位と一致し、したがって当該化合物は有用なモデル化合物である。
【0080】
ベンゾフェノンの還元によるラジカルアニオンの形成(すなわち、「ドーピング」の成功)は、濃い青色の発色によって示される。
【0081】
<ドーピングの強度の実証:化合物11およびベンゾフェノンのTHF溶液>
アルゴンが充填されたグローブボックスにおいて、少量の化合物11の試料を、10倍重量のベンゾフェノンおよび約3mlの無水THFとともに、気密密閉可能なNMR管内に入れ、回転により撹拌し、市販の実験用UVランプ(366nm)下に約10分間にわたって保持する。溶液が持続的に青く発色することから、n−ドーパントから弱いアクセプタベンゾフェノンに首尾よく電子が移動したことがわかる。管を開き、溶液を注ぎだすと、溶液は空気との接触によって直ちに脱色される。
【0082】
<ドーピングの強度の実証:化合物13およびベンゾフェノンのTHF溶液>
アルゴンが充填されたグローブボックス内において、少量の化合物13の試料を、10倍重量のベンゾフェノンおよび約3mlの無水THFとともに、気密密封可能なNMR管内に入れ、回転により攪拌し、市販の実験用UVランプ(366nm)下に約10分間にわたって保持する。溶液が持続的に青く発色することから、n−ドーパントから弱いアクセプタのベンゾフェノンに首尾よく電子が移動したことがわかる。管を開き、溶液を注ぎだすと、溶液は空気との接触によって直ちに脱色される。
【0083】
<ドーピングの強度の実証:化合物14およびベンゾフェノンの粉砕>
アルゴンが充填されたグローブボックスにおいて、10倍重量のベンゾフェノンとともに、少量の化合物14の試料を、小型のめのうの乳鉢において細かく粉砕し、密閉可能なNMR管内に入れ、回転により攪拌し、市販の実験用UVランプ(366nm)下に約10分間にわたって保持する。固体混合物が持続的に青緑色に発色することから、n−ドーパントから弱いアクセプタのベンゾフェノンに首尾よく電子が移動したことがわかる。管を開いて中身を出すと、粉末は空気との接触によって直ちに脱色される。
【0084】
<処理過程>
(ドープ層の生成)
低分子層は、例えばVTE(真空熱蒸発)またはOVPD(有機気相成長法)などの真空方法を用いて典型的に蒸着される。また真空噴霧法が使用され得る。
【0085】
他のタイプの蒸着は、キャリア基質から実際の基質への、熱的または光学的に誘導される材料の転写を包含する(例えば、LITI:レーザー誘起サーマルイメージングを参照のこと)。
【0086】
ドープ層は、混合蒸着によって、(基質材料およびドーパントの)独立に制御された2つの供給源から真空中において典型的に生成される。また、当該ドープ層は、ドーパント層から、基盤となる基質材料層への相互拡散によって生成され得る。このため、2つの材料は真空中において続けて蒸着されている。相互拡散は、熱制御され得る。いくつかの状況下では、ドーパントは、生成過程の間に活性化され必要がある。すなわち、ドーパントは、適切な物理的および/または化学的な手段によって(例えば、光、磁界および/または電界の影響に基づいて)、ドープ層において活性化される必要がある。
【0087】
また、ドープ層を生成する代替的な方法としては、
まったく同じ供給源から得られる基質およびドーパントの混合物を混合蒸着する方法、
ドーパントの溶液による基質層のドーピングに続いて、特に熱処理によって、溶媒を蒸発させる方法、
基質材料層の表面にドーパント層を塗布することによって、基質材料を表面ドーピングする方法、
基質分子およびドーパントの溶液を生成し、従来の方法(例えば、溶媒の蒸発またはスピンコーティング)によって当該溶液から層を生成する方法、が挙げられる。
【0088】
(好適な基質材料)
電子伝達層のための基質材料として、例えば、フラーレン(例えばC60)、オキサジアゾール誘導体(例えば2−(4−ビフェニル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール)、キノリンに基づく化合物(例えばビス(フェニルキノキサリン))、もしくはオリゴチオフェン誘導体(例えばペリレンテトラカルボン酸ジアンヒドロ)、ペリレン誘導体、ナフタレン誘導体(例えばナフタレンカルボン酸ジアンヒドロ)、または他の電子移動材料(例えば、A.P. Kulkarni et al., Chem. Mater. 2004, 16, 4556に記載のような材料)を用い得る。
【0089】
また、電子移動層のための基質材料として、例えば、キノリネート錯体(例えばアルミニウムまたは他の主族金属)を用い得る。また、キノリネート配位子は、置換されていてもよい。特に基質材料は、トリス(8−ヒドロキシ−キノリネート)アルミニウムであり得る。Oおよび/またはNの供与体原子を有する他のアルミニウム錯体が必要に応じて使用され得る。キノリネート錯体は、1つ、2つまたは3つのキノリネート配位子を含み得、他の配位子は、中心原子上においてOおよび/またはNドナー原子と好ましく錯体を形成している。例えば、当該キノリネート錯体は以下のAl錯体である。
【0090】
【化13】

【0091】
また、基質材料として、フェナントロリンを用い得る。当該フェナントロリンは、置換または非置換、特にアリール(例えばフェニルまたはナフチル)によって置換され得るか、または例えばバソキュプロイン(BCP)であり得る。特に、基質材料としてバソフェナントロリン(Bphen)を用い得る。
【0092】
【化14】

【0093】
また、基質材料としてヘテロ芳香族化合物を用い得る。例えば、ヘテロ芳香族化合物は、特にトリアゾール誘導体(必要に応じてピロール、イミダゾール、トリアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、キノキサリンおよびピラジノンキノキサリンなど)である。ヘテロ芳香族化合物は、好ましく置換されており、特にアリール(例えばフェニルまたはナフチル)によって置換されている。特に基質材料として以下のトリアゾールを用い得る。
【0094】
【化15】

【0095】
本発明を鑑みれば、上述の基質材料が、互いに混合して、または他の材料と混合して使用され得ることが理解される。また、使用が半導体特性を有する他の好適な有機基質材料の方法であり得ることが理解される。
【0096】
<意図される用途>
特に層または導電体路の形態に配置され得る有機半導体材料を、上述の化合物を用いて生成して、ドーピングされた有機半導体層を含んでいる様々な電子素子または電子装置を製造可能である。また、本発明に鑑みて、「電子素子」という用語は、光電子素子を包含する。上述した化合物を用いて、素子の電気的かつ機能的に活性な領域の電子特性(例えばその導電性または発光特性)が、有利に改質され得る。例えば、ドープ層の導電性が向上され得るか、および/またはコンタクトからドープ層への荷電粒子注入の向上が実現され得る。
【0097】
本発明は、特に有機発光ダイオード(OLED)、有機太陽電池、有機ダイオード(特に10〜10、好ましくは10〜10または10〜10といった高い整流比を有するこれら)、および本発明に基づいて製造される有機電界効果トランジスタを包含する。
【0098】
電子素子において、有機基質材料に基づくn−ドープ層が、例えば以下の(1)〜(4)の層構造、基材または基質材料(個々の層は、それぞれの場合に好ましくは有機物である)に存在し得る。
(1)M−i−n:金属−絶縁体−n−ドーピング半導体
層Mは、金属から構成されるコンタクトを形成しており、例えばITO、Au、Ag、Alなどである。カバーコンタクトは、n−ドープ層との抵抗コンタクトを形成し、例えばAlから構成され得る。層「i」は、非ドープ層である。
(2)n−i−M
上記M−i−n構造と同様のものが当てはまる、抵抗コンタクトが基板上に設けられる点が異なる。
(3)p−i−n:p型半導体−絶縁体−n‐型半導体
(4)n−i−p:n−型半導体−絶縁体−p−型半導体
「i」はこの場合も非ドープ層であり、「p」はp−ドープ層である。ここで、コンタクト材料は正孔注入であり、ITOまたは金を含むp側に設けられた層またはコンタクトであり得るか、またはコンタクト材料は電子注入であり、ITO、アルミニウムまたは銀を含むn側に設けられた層またはコンタクトであり得る。また、上述の構造において、必要に応じてi層を省いてもよく、結果としてp−nまたはn−p遷移を有する層配列が形成され得る。
【0099】
しかし、上述した化合物の使用は上述の実施形態の例に限定されない。特に、追加の好適な層の導入によって、層構造が補われ得るか、または変更され得る。
【0100】
本発明に係る化合物およびこれらの誘導体は、本発明にしたがって電子素子に使用され得るが、他の素子よりも優れている場合に、層、導電路またはスポットコンタクトなどに(例えば純粋な形態または実質的に純粋な形態における注入層として)も使用され得る。
【0101】
また、他の形態において、本発明に係るn−ドーパントを用いて、陰極からの注入を向上させ得る。このために、本発明は、陰極と電子伝達層との間に、実質的にドーパントからなる層の形成を可能にする。実質的にドーパントからなる層は、0.5nmを上回る、好ましくは0.5nm〜20nmの範囲内の、より好ましくは1nm〜10nmの範囲内の、さらに好ましくは1nm〜3nmの範囲内の厚さを有している。実質的にドーパントからなる層は、ドーパントのみからなる層として形成され得る。
【0102】
溶液からの加工する場合、溶液の状態の基質(必要に応じて半導体ポリマー)およびドーパントの最終調合物が提供され得る。
【0103】
また、モノマーおよびドーパントの調合物が想定され、放出されたラジカルがドーパントの活性後にモノマーの重合を開始させる。
【0104】
さらに、他の機能性(例えばドーパントを母材に結合させること)を容易に組合せ可能である。
【0105】
上述の記載および特許請求の範囲に開示されている本発明の特徴は、様々な実施形態における本発明を実施するために、個別にかつ任意の組合せにおいて必須であり得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子素子または光電子素子におけるブロッキング層、電荷注入層、電極材料、記憶材料または半導体層自体としての、n−ドーパントの前駆物質の、有機半導体材料をドーピングするための使用であって、
上記前駆物質は、以下の化学式1〜3c:
【化1】

から選択され、
ここで、Lは、有機離脱基、無機離脱基または有機金属離脱基であって、H、CR、OR、NRおよびSiRから好ましく選択され、Rのそれぞれは独立して、H、アルキルおよびアリールから選択され、
A−B、C−DおよびE−Fは互いに独立して、1つ以上のsp−混成炭素原子またはsp−混成炭素原子にとっての代替物であり、
構造1において、XおよびYは互いに独立して、S、OまたはNRまたはPRであり、該RはC−C10−アルキルまたはC−C12−アリールであり、ZはNR、PR、ORまたはSRであり、
構造2および2aにおいて、XおよびZは互いに独立して、S、O、NRまたはPRであり、YはNまたはPであり、
構造3および3aにおいて、X、YおよびZは互いに独立して、NまたはPであり、
nは0〜2の整数であり、
mは0〜2の整数である、使用。
【請求項2】
Lは、H、sec−アルキル、tert−アルキル、CHAr、CHAr、SiAr、SiAr−アルキルおよびSiAr−アルキルから選択され、ここで、Arは、アリール、好ましくはフェニル、チエニル、フラニルであり;sec−アルキルは、シクロヘキシル、シクロペンテル、2−ブチル、2−プロピルであり;tert−アルキルは、tert−ブチル、アダマンチルであることを特徴とする請求項1に記載の使用。
【請求項3】
A−B、C−DおよびE−Fは互いに独立して、置換基を必要に応じて含んでいる縮合芳香族の一部、−(CHまたは−CH=CH−であり、ここでoは0〜3であることを特徴とする請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
A−B、C−DおよびE−Fは互いに独立して、1,2−ベンゾ骨格、1,8−ナフト骨格、2,3−ナフト骨格、2,3−チエノ骨格、2,3−フラノ骨格、2,3−ピロロ骨格、2,3−(1,4−ジオキサノ)骨格または2,3−(1,4−ジアジノ)骨格の一部であることを特徴とする請求項3に記載の使用。
【請求項5】
上記縮合芳香族は、特にメチルであるアルキル、特にメトキシであるアルコキシ、特にジメチルアミノであるジアルキルアミノ、および特にジフェニルアミノであるジアリールアミノから選択される置換基を1つ以上含んでいることを特徴とする請求項3または4に記載の使用。
【請求項6】
上記前駆物質が、以下の化学式:
【化2】

から選択され、
ここで、L、X、Y、Z、nおよびmは請求項1の記載と同様であり、
〜R10は互いに独立して、H、C−C10−アルキル、C−C12−アリール、C−C10−アルコシキおよびC−C10−ジアルキルアミノから選択されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
上記前駆物質は、電磁放射線を用いた活性化によってn−ドーパントに転換されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
上記電磁放射線が、可視光線、紫外線または赤外線であることを特徴とする請求項7に記載の使用。
【請求項9】
化学式1a〜3e:
【化3】

のうちの1つに基づく化合物であって、
ここで、L、X、Y、Z、nおよびmは請求項1の記載と同様であり、R〜R10は請求項6の記載と同様であり、
LがHであり、R−R10がHである場合の化合物1aおよび3eを除く、化合物。
【請求項10】
少なくとも1つの有機基質化合物、および1つのドーパントを含んでいる有機半導体材料であって、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物の少なくとも1つがドーパントとして使用されていることを特徴とする有機半導体材料。
【請求項11】
ドーパント対基質分子のドーピングモル比、またはドーパント対ポリマー基質分子のモノマー単位のドーピング比が、20:1〜1:100000、好ましくは10:1〜1:1000、特に好ましくは1:1〜1:100であることを特徴とする請求項10に記載の有機半導体材料。
【請求項12】
機能的かつ電気的に活性な領域を備えている電子素子または光電子素子であって、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物の少なくとも1つが、電気的に活性な上記領域に使用されていることを特徴とする電子素子または光電子素子。
【請求項13】
電気的に活性な上記領域が有機半導体基質材料を含んでおり、該有機半導体基質材料が請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物の少なくとも1つを用いて上記半導体基質材料の電気特性を改質するために、少なくとも1つのドーパントを用いてドープされていることを特徴とする請求項12に記載の電子素子または光電子素子。
【請求項14】
有機発光ダイオード、光電池、有機太陽電池素子、有機ダイオード、有機電界効果トランジスタ、または光記憶手段もしくは磁気記憶手段の形態であることを特徴とする請求項12または13に記載の電子素子または光電子素子。

【公表番号】特表2010−532555(P2010−532555A)
【公表日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−512510(P2010−512510)
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【国際出願番号】PCT/DE2008/000995
【国際公開番号】WO2009/000237
【国際公開日】平成20年12月31日(2008.12.31)
【出願人】(503180100)ノヴァレッド・アクチエンゲゼルシャフト (47)
【Fターム(参考)】