説明

皮膚外用剤

【課題】リノール酸を安定に幅広い製剤に配合し、安全性、使用感に優れ、美白効果に優れた皮膚外用剤を提供すること。
【解決手段】
グリセリルに1モルのリノール酸がエステル結合したモノリノール酸グリセリルを、美白剤として配合する皮膚外用剤を提供すること。また、該モノリノール酸グリセリルを有効成分とする皮膚の美白方法を提供すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、美白剤として、モノリノール酸グリセリルを配合したことを特徴とする皮膚外用剤及びモノリノール酸グリセリルを有効成分とする皮膚の美白方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から薬効剤、特に美白剤を含む化粧料が多く知られており、その一つとしてリノール酸、その塩、一価又は二価アルコールとのエステルを美白剤とする化粧料が開示されている(特許文献1または2参照)。
【特許文献1】特開昭63−284109号公報(第1頁−第4頁)
【特許文献2】特開平05−194176
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に開示されているリノール酸やリノール酸塩、リノール酸と一価又は二価アルコールのエステルは、皮膚外用剤に配合した場合、経時で変臭・変色を起こしやすく、保存安定性が問題となっていた。
【0004】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、水系剤型や乳化剤型等、剤型を選ばずに幅広く皮膚外用剤に配合でき、かつリノール酸と同様の優れた美白効果を有する皮膚外用剤を提供することを課題とした。更には、製剤中での安定性に優れ、経時で美白効果が減弱しない皮膚外用剤を提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
リノール酸の美白効果を保持したまま上記問題点を解決する化合物の探索を行った結果、グリセリンと1モルのリノール酸がエステル結合したモノグリセライドには優れた美白効果が認められ、更には該モノリノール酸グリセリルを配合する皮膚外用剤は製剤の保存安定性に優れていることを見出し、本発明を完成させた。
【0006】
また、モノグリセライドは化粧料用途において、感触調整剤や乳化剤としては汎用原料であるが、本発明品のようなリノール酸を含有するモノグリセライドはほとんど使われていなかった。さらに、その美白効果については全く知られておらず、本発明は該モノリノール酸グリセリルを有効成分とした皮膚の美白方法をも見出した。
【0007】
すなわち本発明は、美白剤として、モノリノール酸グリセリルを配合したことを特徴とする皮膚外用剤を提供するものである。また、更に他の美白剤、特にはアスコルビン酸誘導体、コウジ酸、アルブチン、エラグ酸を配合したことを特徴とする皮膚外用剤を提供するものである。
【0008】
また、本発明はモノリノール酸グリセリルを有効成分とする皮膚の美白方法を提供するものである。また、モノリノール酸グリセリル及びアスコルビン酸誘導体、コウジ酸、アルブチン、エラグ酸から選ばれる1種または2種以上を有効成分とする皮膚の美白方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明のモノリノール酸グリセリルは優れた美白効果を示すことから、化粧品、医薬部外品、医薬品等の皮膚外用剤の美白成分として有用であるばかりでなく、保存安定性に優れているため、長期に渡りその美白効果が発揮される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の皮膚外用剤に用いられるモノリノール酸グリセリルは、化粧料に一般に使用できるものであればよい。モノリノール酸グリセリルは通常グリセリンのα位に1モルのリノール酸をエステル結合させることにより合成される。リノール酸を植物から精製した場合、時にリノール酸以外の不飽和脂肪酸が混在することがある。本発明においては、使用されるモノリノール酸グリセリルを含む合成物が、美白効果の観点から、ヨウ素価が少なくとも100以上であることが好ましい。ヨウ素価とは、脂肪酸中の不飽和脂肪酸を示す尺度であり、化粧品原料基準第二版注解2に記載されている測定方法で測定できる。
【0011】
本発明において、モノリノール酸グリセリルを美白剤として製剤中に配合すると、美白効果、特にメラニン生成抑制効果に特に優れる皮膚外用剤を得ることができる。本発明において「美白」とは、肌を白くする積極的効果のみならず、肌の黒化を抑制する消極的効果も含む意味で用いるものとする。例えば、しみ、そばかす等の色素沈着を改善する効果のみならず、色素沈着を抑制する効果も含むものとする。
【0012】
本発明の皮膚外用剤におけるモノリノール酸グリセリルの配合量は、好ましくは0.1〜5質量%(以下、単に「%」とする)であり、より好ましくは0.2〜3%である。この範囲内であれば、皮膚外用剤の保存安定性が良好で、かつ高い美白効果を発揮することができる。
【0013】
本発明において、モノリノール酸グリセリルとその他の美白剤を併用して、皮膚外用剤に配合すると、相乗的に美白効果が得られる。その他の美白剤としては、アスコルビン酸誘導体、コウジ酸、アルブチン、エラグ酸、リノール酸、ビタミンE及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体、トラネキサム酸、胎盤抽出物、カミツレ抽出物、カンゾウ抽出物、エイジツ抽出物、オウゴン抽出物、海藻抽出物、クジン抽出物、ケイケットウ抽出物、ゴカヒ抽出物、コメヌカ抽出物、小麦胚芽抽出物、サイシン抽出物、サンザシ抽出物、サンペンズ抽出物、シラユリ抽出物、シャクヤク抽出物、センプクカ抽出物、大豆抽出物、茶抽出物、糖蜜抽出物、ビャクレン抽出物、ブドウ抽出物、ホップ抽出物、マイカイカ抽出物、モッカ抽出物、ユキノシタ抽出物、ヨクイニン抽出物等が挙げられる。中でも、アスコルビン酸誘導体、コウジ酸、アルブチン、エラグ酸は、モノリノール酸グリセリルと併用して、皮膚外用剤に配合すると、美白効果が顕著に良好となるので、特に好ましい。このようなアスコルビン酸誘導体としては、具体的にはL−アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸カリウム、L−アスコルビン酸マグネシウム等のL−アスコルビン酸塩、L−アスコルビン酸リン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸リン酸カリウム、L−アスコルビン酸リン酸マグネシウム、L−アスコルビン酸リン酸カルシウム等のL−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸硫酸ナトリウム、L−アスコルビン酸硫酸マグネシウム、L−アスコルビン酸硫酸カルシウム等のL−アスコルビン酸硫酸エステル塩、L−アスコルビン酸グルコシドが例示される。
【0014】
本発明の皮膚外用剤におけるモノリノール酸グリセリルと併用され得るその他の美白剤の配合量は、好ましくは0.1〜5%であり、更に好ましくは、0.5〜3.5%である。この範囲で、モノリノール酸グリセリルと併用すると、美白効果が著しく良好となる。
【0015】
本発明に美白剤として使用されるモノリノール酸グリセリルは、幅広く皮膚外用剤に安定に配合することが可能である。例えば、水系、水中油型乳化系、油中水型乳化系、油系、粉末等いずれの剤型であっても、また液状、乳液状、クリーム状、固形、粉末等いずれの形状であっても安定に配合できる。
【0016】
本発明の皮膚外用剤への配合形態は特に限定されることはなく、例えば乳液、クリーム、化粧水、美容液、パック、洗浄料、メーキャップ化粧料、分散液、軟膏、液剤、エアゾール、貼付剤、パップ剤、リニメント剤等、いずれの形態の化粧料であっても外用医薬品等であってもよい。
【0017】
本発明の皮膚外用剤には、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、通常、化粧料や医薬部外品、外用医薬品等の製剤に使用される成分、すなわち、水(精製水、温泉水、深層水等)、アルコール、油剤、界面活性剤、金属石鹸、ゲル化剤、粉体、アルコール類、水溶性高分子、皮膜形成剤、樹脂、紫外線防御剤、包接化合物、防腐剤、抗菌剤、香料、消臭剤、塩類、pH調整剤、清涼剤、動物・微生物由来抽出物、植物抽出物、血行促進剤、収斂剤、抗脂漏剤、美白剤、抗炎症剤、活性酸素消去剤、細胞賦活剤、保湿剤、キレート剤、角質溶解剤、酵素、ホルモン類、ビタミン類等を加えることができる。
【0018】
アルコールとしては、溶解、清涼感、防腐、保湿等の目的で、エタノール等の低級アルコール、グリセリル、ジグリセリル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ−ル、1,3-ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール等を用いることができる。
【0019】
油剤としては、基剤の構成成分又は使用性、使用感を良くするものとして、通常の化粧料に使用されるものであれば、天然系油であるか、合成油であるか、或いは、固体、半固体、液体であるか等の性状は問わず、炭化水素類、ロウ類、脂肪酸類、高級アルコール類、エステル油、シリコーン油類、フッ素系油類等を使用することができる。例えば、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン等の炭化水素類、トリ2−エチルヘキサン酸セチル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット等の合成エステル油、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油、杏仁油、パーシック油、サフラワー油、ヒマワリ油、アボガド油、メドゥホーム油、ツバキ油、アーモンド油、エゴマ油、ゴマ油、ボラージ油、シア脂等の植物や動物由来の油脂、ミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ゲイロウ等のロウ類等が挙げられる。
【0020】
紫外線防御剤としては、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸ナトリウム、4−ブチル−4‘−メトキシジベンゾイルメタン、2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられる。
【0021】
水溶性高分子は、系の安定化や使用性、使用感を良くするために用いられ、又保湿効果を得るためにも用いられる。水溶性高分子の具体例として、カラギーナン、ペクチン、寒天、ローカストビーンガム等の植物系高分子、キサンタンガム、ヒアルロン酸等の糖系高分子、ゼラチン等の動物系高分子、デンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム等のアルギン酸系高分子、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー等のアクリル酸系高分子等が挙げられる。
【0022】
防腐剤、抗菌剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル、塩化ベンザルコニウム、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノール等が挙げられる。
【0023】
抗炎症剤は、日焼け後の皮膚のほてりや紅斑等の炎症を抑制する目的で用いられ、イオウ及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体、アロエ抽出物、アルテア抽出物、アシタバ抽出物、アルニカ抽出物、インチンコウ抽出物、イラクサ抽出物、オウバク抽出物、オトギリソウ抽出物、カミツレ抽出物、キンギンカ抽出物、クレソン抽出物、コンフリー抽出物、サルビア抽出物、シコン抽出物、シソ抽出物、シラカバ抽出物、ゲンチアナ抽出物等が挙げられる。
【0024】
細胞賦活剤は、肌荒れの改善等の目的で用いられ、カフェイン、鶏冠抽出物、貝殻抽出物、貝肉抽出物、ローヤルゼリー、シルクプロテイン及びその分解物又はそれらの誘導体、ラクトフェリン又はその分解物、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸等のムコ多糖類またはそれらの塩、コラーゲン、酵母抽出物、乳酸菌抽出物、ビフィズス菌抽出物、醗酵代謝抽出物、イチョウ抽出物、オオムギ抽出物、センブリ抽出物、タイソウ抽出物、ニンジン抽出物、ローズマリー抽出物、グリコール酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸等の有機酸及びそれらの誘導体等が挙げられる。
【0025】
活性酸素除去剤は、過酸化脂質生成抑制等の酸化障害抑制の目的で用いられ、スーパーオキサイドディスムターゼ、マンニトール、クエルセチン、カテキン及びその誘導体、ルチン及びその誘導体、ボタンピ抽出物、ヤシャジツ抽出物、メリッサ抽出物、羅漢果抽出物、レチノール及びその誘導体、カロチノイド等のビタミンA類、チアミンおよびその誘導体、リボフラビンおよびその誘導体、ピリドキシンおよびその誘導体、ニコチン酸およびその誘導体等のビタミンB類、トコフェロール及びその誘導体等のビタミンE類、ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
【0026】
保湿剤としては、エラスチン、ケラチン等のタンパク質またはそれらの誘導体、加水分解物並びにそれらの塩、グリシン、セリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、テアニン等のアミノ酸及びそれらの誘導体、ソルビトール、エリスリトール、トレハロース、イノシトール、グルコース、蔗糖およびその誘導体、デキストリン及びその誘導体、ハチミツ等の糖類、D−パンテノール及びその誘導体、尿素、リン脂質、セラミド、オウレン抽出物、ショウブ抽出物、ジオウ抽出物、センキュウ抽出物、ゼニアオイ抽出物、タチジャコウソウ抽出物、ドクダミ抽出物、ハマメリス抽出物、ボダイジュ抽出物、マロニエ抽出物、マルメロ抽出物等が挙げられる。
【0027】
以下に試験例、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の試験例、実施例に限定されることはない。
【0028】
(試験例1)
培養色素細胞に対するメラニン生成抑制試験を行なった。
【0029】
(培養細胞によるメラニン生成抑制試験)
培養細胞はマウス由来B−16メラノーマ細胞を用いて行った。モノリノール酸グリセリルをエチルアルコールに溶解したエチルアルコール溶液および対照としてエチルアルコールのみを、培地中に添加した。途中培地交換を行い、5日間培養後、細胞を回収した。対照のエチルアルコールのみを加えた時の細胞数を100%として、各試料の細胞数から細胞生育率(%)を算出した。細胞生育率が70%以上である試料を安全性に優れていると判断し、、細胞の白化度を目視により評価した試料のかわりにエチルアルコールを加えた時の細胞数を100%として、各試料濃度の細胞数を数値化し、細胞生育率(%)とした。細胞生育率が70%以上である試料濃度における細胞の白化度を、以下の基準により目視により評価した。
【0030】
(判定基準)
<判定> <内容>
〇 対照に対してきわめて白色である。
△ 対照に対してやや白色である。
× 対照と同じ黒色である。
【0031】
また、比較例比較として、一般的にその美白作用が知られているリノール酸を用いて、試験例1と同様の試験を行った。さらに、比較例2として、一般的にその美白作用が知られているアルブチンを用いて、実施例2と同様の試験を行った。試験例1の結果を表1に示した。なお、試験例1では、細胞生育率がモノリノール酸グリセリル93%、リノール酸93%の試料濃度のものの細胞白化度を評価した。
【0032】
【表1】

【0033】
表1よりモノリノール酸グリセリルは、リノール酸と同様、 優れた美白効果を有することが明らかとなった。
【0034】
(実施例1〜5、及び比較例1〜3)
表2に示す組成及び下記製法によりクリームを調製し、くすみ改善効果と保存安定性を評価した。
【0035】
(実施例1〜5、及び比較例1〜3の製法)
A.成分(1)〜(10)を加熱混合し、70℃に保った。
B.70℃に加熱した成分(19)の一部で(13)を膨潤する。
C.成分(11)、(12)、(18)、(19)を加熱混合し、70℃に保った。
D.CにAを加えて均一に混合し、乳化する。
E.Dを冷却後、B、(15)〜(17)を加え均一に混合後、クリームを得た。
【0036】
くすみ改善効果試験
実施例1〜5及び比較例1〜3の各クリームに関して、1品につき35〜59才の女性10名をパネルとし、毎日朝と夜の2回、12週間にわたって洗顔後に被験クリームの適量を顔面に塗布してもらった。塗布によるくすみ改善効果を以下のそれぞれの基準によって評価した。各評価基準に該当する人数を表2に示す。
【0037】
(評価基準)
<評価> <内容>
有 効 肌のくすみが目立たなくなった。
やや有効 肌のくすみがあまり目立たなくなった。
無 効 使用前と変化がなかった。
<判定>
◎:有効及びやや有効が9名以上
○:有効及びやや有効が6名以上
△:有効及びやや有効が3名以上
×:有効及びやや有効が2名以下
【0038】
保存安定性試験(変臭、変色)
5℃及び40℃の恒温槽に、それぞれ3ヶ月間保存した後、両サンプルの経日による臭いと色の変化を比較した。評価は、5℃保存のサンプルを基準とし、これに対して40℃保存のサンプルを比較し、下記の評価基準により評価した。
【0039】
(評価基準)
◎:基準品と変化(変臭、変色)がない。
○:基準品と比べわずかに変化(変臭、変色)がみられるが、問題のないレベルである。
△:基準品と比べ変化(変臭、変色)があり、やや問題となる。
×:基準品と比べ明らかに変化(変臭、変色)があり、問題である。
【0040】
【表2】

【0041】
表2に示した結果から明らかなように、実施例1〜5は、比較例1〜3と比べて肌のくすみ等の防止および改善効果が見られ、また優れた保存安定性を発揮した。また、美白剤であるアスコルビン酸グルコシド、アルブチンと組み合わせることで、相乗的に美白効果を発揮することが明らかとなった。
【0042】
実施例6 化粧水:
(処方) (%)
(1)グリセリン 2.0
(2)1,31,3−ブチレングリコール 6.0
(3)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 1.0
モノラウリン酸エステル
(4)エチルアルコール 5.0
(5)モノリノール酸グリセリル 0.2
(6)L−アスコルビン酸リン酸マグネシウム 3.0
(7)乳酸 0.05
(8)乳酸ナトリウム 0.1
(9)パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル 0.1
(10)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(11)香料 適量
(12)精製水 残量
【0043】
(製法)
A.成分(3)〜(5)、および(9)〜(11)を混合溶解した。
B.成分(1)、(2)、(6)、(7)、(8)及び(12)を混合溶解した。
C.AとBを混合して均一にし、化粧水を得た。
【0044】
上記製法により製造した実施例6の化粧水は、安定性、良好な保存安定性を有し、優れた美白効果を発揮する化粧水であった。
【0045】
実施例7 乳液:
(処方) (%)
(1)ポリオキシエチレン(10E.O.10E.O.)ソルビタン 1.0
モノステアレート
(2)ポリオキシエチレン(60E.O.60E.O.)ソルビット 0.5
テトラオレエート
(3)モノリノール酸グリセリル 1.0
(4)ステアリン酸 0.5
(5)ベヘニルアルコール 0.5
(6)スクワラン 8.0
(7)パルミチン酸レチノール 0.002
(8)グリチルリチン酸ジカリウム 0.3
(9)水添レシチン 3.0
(10)カンゾウ抽出物 0.1
(11)ヒアルロン酸 0.1
(12)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(13)カルボキシビニルポリマー 0.1
(14)トリエタノールアミン 0.1
(15)エチルアルコール 5.0
(16)精製水 残量
(17)香料 適量
【0046】
(製法)
A.成分(13)、(16)および(18)を加熱混合し、70℃に保った。
B.成分(11)〜(9)、(12)を加熱混合し、70℃に保った。
C.Aに(14)を加えて均一に混合する。
D.CにBを加えて均一に混合し、乳化する。
E.Dを冷却後(10),(11)、(15)、(17)を加え均一に混合して、乳液を得た。
【0047】
上記製法により製造した実施例7の乳液は、安定性、良好な保存安定性を有し、優れた美白効果を発揮する乳液であった。
【0048】
実施例8 パック
(成分) (%)
(1)ポリビニルアルコール 15.0
(2)無水ケイ酸 0.5
(3)ポリエチレングリコール 0.5
(4)ポリオキシプロピレン(10)メチルグルコシド 5.0
(5)精製水 残量
(6)モノリノール酸グリセリル 0.5
(7)エチルアルコール 10.0
(8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(9)アルブチン 3.0
【0049】
(製法)
A.成分(1)〜(4)を混合し、(5)、(9)を加えて、70℃に加熱し溶解する。
B.成分(6)〜(8)を混合溶解する。
C.BをAに加え、混合した後、冷却し、パックを得た。
【0050】
上記製法により製造した実施例8のパックは、安定性、良好な保存安定性を有し、優れた美白効果を発揮するパックであった。
【0051】
実施例9 リキッドファンデーション
(成分) (%)
(1)液状ラノリン 2.0
(2)流動パラフィン 5.0
(3)ステアリン酸 2.0
(4)セタノール 1.0
(5)自己乳化型モノステアリン酸グリセリル 1.0
(6)パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル 8.0
(7)4−tert−ブチル−4’−メトキシ
ジベンゾイルメタン 2.0
(8)モノリノール酸グリセリル 0.5
(9)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(10)グリセリル 5.0
(11)トリエタノールアミン 1.0
(12)カルボキシメチルセルロース 0.2
(13)ベントナイト 0.5
(14)エラグ酸 0.5
(15)精製水 残量
(16)酸化チタン 6.0
(17)微粒子酸化チタン 2.0
(18)微粒子酸化亜鉛 5.0
(19)マイカ 2.0
(20)タルク 4.0
(21)着色顔料 4.0
(22)香料 適量
【0052】
(製法)
A.成分(1)〜(8)を混合溶解する。
B.Aに成分(16)〜(21)を加え、均一に混合し、70℃に保つ。
C.成分(9)〜(15)を均一に溶解し、70℃に保つ。
D.CにBを添加して、均一に乳化する。
E.Dを冷却後、成分(22)を添加してリキッドファンデーションを得た。
【0053】
上記製法により製造した実施例9のリキッドファンデーションは、安定性、良好な保存安定性を有し、優れた美白効果を発揮するリキッドファンデーションであった。
【0054】
実施例10 日焼け止め乳液(油中水型)
(成分) (%)
(1)ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン*1 2.0
(2)ジメチルポリシロキサン 5.0
(3)オクタメチルシクロテトラシロキサン 20.0
(4)イソノナン酸イソトリデシル 5.0
(5)パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル 5.0
(6)モノリノール酸グリセリル 1.0
(7)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(8)シリコーン処理微粒子酸化チタン 10.0
(9)シリコーン処理微粒子酸化亜鉛 10.0
(10)ポリスチレン末 3.0
(11)トリメチルシロキシケイ酸 0.5
(12)ジプロピレングリコール 3.0
(13)エチルアルコール 10.0
(14)精製水 残量
(15)L−アスコルビン酸リン酸ナトリウム 2.0
(16)塩化ナトリウム 0.2
(17)サンザシ抽出物 1.0
(18)香料 適量
*1:ABIL EM−90(Degussa社製)
【0055】
(製法)
A.成分(1)〜(11)を混合する。
B.成分(12)〜(16)を混合する。
C.AにBを添加して、均一に乳化する。
D.Cに成分(17)、(18)を加えて日焼け止め乳液(油中水型)を得た。
【0056】
上記製法により製造した実施例10の日焼け止め乳液(油中水型)は、安定性、良好な保存安定性を有し、優れた美白効果を発揮する日焼け止め乳液であった。
【0057】
実施例11 美容液:
(処方) (%)
(1)水素添加大豆リン脂質 5.0
(2)コレステロール 0.5
(3)モノリノール酸グリセリン 1.0
(4)流動パラフィン 10.0
(5)シクロメチコン 5.0
(6)ヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油 2.0
(7)グリセリン 10.0
(8)ジプロピレングリコール 5.0
(9)エラグ酸 0.5
(10)フェノキシエタノール 0.1
(11)キサンタンガム 0.1
(12)カルボキシビニルポリマー 0.2
(13)トリエタノールアミン 0.1
(14)エチルアルコール 5.0
(15)精製水 残量
(16)香料 適量
【0058】
(製法)
A.成分(11)、(12)、(15)の一部を加熱混合し、70℃に保った。
B.成分(1)〜(10)を加熱混合し、70℃に保った。
C.Bに(15)を加えて均一に混合し、乳化する。
D.CにA、(13)を加えて均一に混合する。
E.Cを冷却後(14)、(16)を加え均一に混合して、美容液を得た。
【0059】
上記製法により製造した実施例11の美容液は、良好な保存安定性を有し、優れた美白効果を発揮する美容液であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
美白剤として、モノリノール酸グリセリルを配合したことを特徴とする皮膚外用剤。
【請求項2】
更に、他の美白剤を配合したことを特徴とする請求項1記載の皮膚外用剤。
【請求項3】
他の美白剤がアスコルビン酸誘導体、コウジ酸、アルブチン、エラグ酸から選ばれる1種または2種以上である請求項2記載の皮膚外用剤。
【請求項4】
モノリノール酸グリセリルを有効成分とする皮膚の美白方法。
【請求項5】
モノリノール酸グリセリル及びアスコルビン酸誘導体、コウジ酸、アルブチン、エラグ酸から選ばれる1種または2種以上を有効成分とする皮膚の美白方法。

【公開番号】特開2007−320851(P2007−320851A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−264579(P2004−264579)
【出願日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】