説明

ねじれ剛性、断熱性を有し、芯ずれを許容する多自由度を有するシャフトカップリング

バタフライバルブに連続的に変更可能な回転出力を有する電動アクチュエータを回転方向において連結するとともに、バタフライバルブから断熱するカップリング装置を提供する。バルブは、エンジンのターボチャージャを流れる高温の排気ガスの流れを調整するために使用されてもよい。アクチュエータはバルブを連続的に変更して制御を行う。カップリング装置は、アクチュエータとバルブとの間の熱伝達を減少する熱的な障害物および振動に対する絶縁物を提供する。カップリング装置は、典型的に、ねじりばね機構によりその対向する端において入力シャフトおよび出力シャフトに回転方向において連結されるカップリングシャフトを含む。ねじりばね機構は、カップリングシャフトを入力シャフトおよび出力シャフトに回転方向において固定するヨークを含む。ねじりばね機構は、カップリングシャフトと入力シャフトおよび出力シャフトとの間で制限された範囲の軸方向における移動および枢動を許容し、バルブの回転方向におけるヒステリシスを防止するために予荷重を加える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に流れの制御バルブに関し、特にエンジンに適用する連続的に変更可能なバタフライバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
迅速かつ正確な流体の流れの制御が必要とされる多くの高温用途(高温の環境で用いられるバルブの用途)が存在する。一の大変重要な用途の例としては、ターボチャージャにより供給される過給圧力の制御が挙げられる。ターボチャージャは、ディーゼルおよび天然ガスエンジンを含む現代の内燃機関のシリンダ内での燃焼における空燃比(A/F比)に影響を与える。ターボチャージャは、空気を圧縮するコンプレッサおよびコンプレッサを駆動するタービンを含む。このタービンはエンジンから流出する排気流れにより作動する。最も効率的なエンジン性能を実現するためには、シリンダ内に供給される空気の過給圧力は正確に制御されなくてはならない。
【0003】
コンプレッサによる過給圧力の良好な制御を得る一の方法は、タービンを流れる排気の量を制御することである。これは制御されたウェイストゲートバルブを設けることにより実現することができ、ウェイストゲートバルブはタービンを流れる排気の量を細かく調節または調整する。制御されるウェイストゲートバルブの設計については、このバルブが作動する過酷な環境を考慮に入れなければならない。ウェイストゲートバルブは華氏1400度までの排気温度に曝されることがある。燃焼室の近傍に位置するため、ウェイストゲートバルブはエンジンブロックから伝達される振動および熱にも対応しなくてはならない。
【0004】
空気圧により制御される流れの制御バルブを用いてターボチャージャのタービンを流れる排気の流れを調節する、先行する試みが知られている。典型的な先行する試みでは、スイングバルブまたはポペットバルブの位置を制御する空気圧アクチュエータが使用されている。スイングバルブまたはポペットバルブは、エンジンのターボチャージャ内において排気バイパスを流れる排気の流れを調節する。空気圧アクチュエータは高温の環境に耐えるように構成されうるが、バルブと空気圧アクチュエータとの間の圧力差により生じる多大な回転ヒステリシス(回転方向におけるヒステリシス)を伴い、反応が遅い。さらに、スイングバルブおよびポペットバルブは高いゲイン特性を有しており、精密な制御の実現が困難である。これらの要因がターボ過給圧力の不完全な制御の原因となる。この結果、エンジン・ターボチャージャの非効率な制御および内燃エンジン(内燃機関)の効率低下を生じる。
【0005】
エンジンへの大気温度の空気の流れを絞る(スロットリングをおこなう)場合などの低温用途においては、電動のバタフライバルブが知られている。このような電動のバタフライバルブは通常、電動アクチュエータの回転出力をバタフライバルブに伝達する単一の中実シャフトを有している。これらの電動アクチュエータは応答性が高く、バタフライバルブおよびバタフライバルブを流れる低温のガスの迅速で正確な制御が行える。しかしながら、シャフトは熱および振動の優れた導体であるため、例えば、ターボチャージャへの排気の流れを調節するウェイストゲート流れの制御バルブ等の高温用途に適用された場合、電動アクチュエータのオーバーヒート(過熱)および/または故障を招くことがある。
【0006】
排気ブレーキ用の電動のバタフライバルブを設ける試みも知られている。例えば、Welgeに発行された米国特許第2,753,147号は、車両が急勾配を下って走行する際に、エンジンのピストンに対して背圧を発生させて車両を減速する電動のオン/オフ型のバタフライバルブを示している。しかしながら、Welgeのエンジンブレーキ・バルブはエンジンのターボ過給圧力を制御するためには適していない。Welgeは連続的に変更することができないオン/オフ型のバルブを開示している。このようなオン/オフ型のバルブでは、ターボ過給圧力の望ましい制御に必要な制御性、応答性、または正確性を得られない。さらに、電動アクチュエータの出力シャフトは、バタフライバルブの入力シャフトと平行に離間される別個の軸線上に沿って配設される。回転は、ばね、ローラおよびトラック機構により出力シャフトから入力シャフトへ伝達され、この機構は入力シャフトと出力シャフトとを反対方向に回転させる。入力シャフトと出力シャフトとの間のこの接続によりバルブの複雑性が増すとともに、シャフト間の回転方向における遊びを許容することとなり、バタフライバルブの応答性および制御性を低下させる。
【0007】
Welgeの発明のさらに別の問題点は、エンジンのターボチャージャを流れる排気の流れを制御するために必要なより過酷な環境への適合性が見られないことである。Welgeの発明においては、バタフライバルブは、排気マニホールドの出口と排気ラインの入口との間の取り付けに適合されており、エンジンのターボチャージャ内におけるバイパスの標準的な位置に比べて、エンジンの燃焼室からさらに下流に取り付けることもできる。この下流の位置は、標準的なターボチャージャのバイパスと比べて、温度と振動に関して過酷さの度合いの低い環境である。従って、本発明が扱う問題を含むものではない。
【0008】
本発明は現在の技術水準に対する改善を提供する。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、個別に特許を受け得るおよび/または一以上の実施の形態において共に特許を受け得るいくつかの態様および特徴を有している。
【0010】
従って、高温用途において流体の流れを正確に制御する電動の流れの制御バルブを提供することが本発明の実施の形態の特徴である。この特徴によれば、電動アクチュエータは、この電動アクチュエータに適用される電気信号と比例関係にある回転位置を有する出力シャフトを含む。流れの制御バルブは、流体通路を流れる流体の流れを調節する可動バルブ部材に連結される入力シャフトを含む。入力シャフトおよび出力シャフトは、好ましくは、あるいは実質的には、電動アクチュエータから流れの制御バルブへ回転運動を直接伝達するカップリングチューブにより同軸に揃えられるとともに、回転方向において連結される。カップリングチューブは、入力シャフトと出力シャフトとの間の熱的な障害物として働く。カップリング手段は、カップリングチューブをそれぞれの入力シャフトおよび出力シャフトに結合し、入力シャフトおよび出力シャフトを通って伝達する熱を制限する。
【0011】
本発明の他の実施の形態においては、入力シャフトと出力シャフトとの間の接続は、それらの間の角度方向および軸方向における移動(変位)を許容する。これにより、電動アクチュエータとバタフライバルブとの間の角度方向および軸方向における小さな変位および芯ずれ(ミスアラインメント)が許容される。これらは、組立ての際の芯ずれに加え、バタフライバルブと電動アクチュエータとの間での熱膨張または熱収縮および振動により生じうる。
【0012】
本発明の他の実施の形態においては、ねじりばね機構は、中間カップリングチューブを入力シャフトおよび出力シャフトに回転方向において連結する。ねじりばね機構は、軸方向および角度方向に可撓性を有し、角度方向および軸方向における移動(変位)を許容する。特定の実施の形態によれば、ねじりばね機構は、電動アクチュエータまたはバタフライバルブが通常作動する際に作用する力より大きい回転ばね力またはトルクを発生するように予荷重を与えられて、入力シャフトと出力シャフトとの間の実質的に全ての回転方向におけるヒステリシスおよびバックラッシュを排除する。さらなる実施の形態においては、ねじりばね機構は、カップリングチューブと角度方向において連結するヨークを含む。これらの実施の形態の実現(実施例)においては、タングおよびカップリングチューブは、ヨークとカップリングチューブとの間でトルクを伝達するための連結スロットおよびタングの構成を含んでもよい。
【0013】
本発明のさらなる実施の形態では、アクチュエータ装置からバルブ部材へ回転運動を伝達する駆動装置が提供される。駆動装置は入力シャフト並びに出力シャフト、第1および第2のヨークおよびカップリングシャフトを含む。入力シャフトは第1の端部を有する。出力シャフトは第2の端部を有する。第1のヨークは第1の端部にねじり方向において固定された軸方向に延在する第1のタングを含む。第2のヨークは第2の端部にねじり方向において固定された軸方向に延在する第2のタングを含む。カップリングシャフトは、カップリングシャフトを第1のヨークにねじり方向において連結する第1のタングを摺動可能に受容する第1の端に形成される第1のスロットを含む。カップリングシャフトは、カップリングシャフトを第2のヨークにねじり方向において連結する第2のタングを摺動可能に受容する第2の端に形成される第2のスロットを含む。
【0014】
上述の実施の形態の好ましい実現(実施例)においては、第1および第2の端部には丸みが形成されて、接触する領域をカップリングシャフトの内面と第1および第2の端部の外面との間の線接触にまで減少させる。
【0015】
本発明のさらなる実施の形態では、アクチュエータを流れの制御バルブに連結し、それらの間に熱障壁を提供するカップリング装置が提供される。カップリング装置はヨークとカップリングシャフトとを含む。ヨークは、ヘッド部分から軸方向に延在し、ヘッド部分により互いに角度方向において連結される第1および第2の軸方向に延在するタングを含む。カップリングシャフトは軸方向において揃えられ、角度方向において離間される第1および第2のスロットを含む。第1のスロットは第1のタングを摺動可能に受容し、第2のスロットは第2のタングを摺動可能に受容する。カップリングシャフトはヨークに対する回転方向における移動の度合いおよび軸方向における移動の度合いを有する。
【0016】
本発明のこれらおよび他の目的並びに利点は、添付図面を併せ見れば、以下の詳細な説明によりさらに明らかになるであろう。
【0017】
本明細書に組み入れられ、本明細書の一部分を形成する添付図面は、本発明の複数の態様を例示し、記述とともに、本発明の原理の説明に資する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施の形態による電気的に制御されたバタフライバルブの斜視図である。
【0019】
【図2】図2は、図1に示す電気的に制御されたバタフライバルブの2−2線に沿った断面図である。
【0020】
【図3】図3は、図1に示す電気的に制御されたバタフライバルブから外部ハウジングチューブを取り除いた斜視図である。
【0021】
【図4】図4は、図2に示す駆動装置アセンブリの分解略図である。
【0022】
【図5】図5は、図4に示す駆動装置の組立図である。
【0023】
【図6】図6は、図5に示す駆動装置の断面図である。
【0024】
【図7】図7は、図4に示す駆動装置のヨークの平面図である。
【0025】
【図8】図8は、図7に示すヨークを端より見る図である。
【0026】
【図9】図9は、図7に示すヨークの側面図(断面図)である。
【0027】
【図10】図10は、図4の駆動装置において示す出力シャフトのスパッドアダプタを用いる実施の形態の側面図である。
【0028】
【図11】図11は、図4に示す駆動装置の入力シャフトの平面図である。
【0029】
【図12】図12は、図4に示す駆動装置に使用するカップリングシャフトの実施の形態の斜視図である。
【0030】
【図13】図13は、本発明の好ましい実施の形態によるエンジン環境に組み込まれた電気的に制御されるバタフライバルブの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は、種々の変更および代替の構成をおこなうことが可能である一方で、特定の例示的実施の形態が図面において既に示され、以下に詳細に説明される。しかしながら、本発明を開示する特定の形態に限定することを意図するものではなく、反対に、添付の特許請求の範囲に定義する本発明の精神と通用範囲内における全ての変更、代替の構成、および均等物をカバーすることを意図していることを理解されたい。
【0032】
本発明は、ある好ましい実施の形態と関連付けて説明されるが、それら実施の形態に限定する意図はない。反対に、意図するところは、全ての代替物、変形、および均等物を、特許請求の範囲に定義されているように本発明の精神と範囲の内に含まれるものとして、カバーすることである。
【0033】
説明並びに図1の参照のために、本発明の好ましい実施の形態は、高温用途のための電気的に制御されるバタフライバルブ装置20として記述される。この好ましい実施の形態は、約華氏1400度までの温度の排気の流れを制御するために特に適合するように説明するが、好ましい実施の形態は、他の高温のエンジンにおける用途および/またはバルブと電動アクチュエータとの間の断熱を必要とする他の用途との関連において流体の流れを制御するために適用してもよいことを最初に理解されたい。これらのより広い態様は本発明の一部と見なされ、本明細書に添付するより広い特許請求の範囲のいずれかにより包含される。
【0034】
高温用途においてより良好な流体の流れの制御を実現するために、本発明の好ましい実施の形態は、一般に、バタフライバルブ24の回転位置を変化させる連続的な可変出力を有する電動アクチュエータ22、または他の適切な流れの制御バルブを含む。バタフライバルブ24は、略円筒状のバルブ本体26を含み、このバルブ本体26はステンレス鋼または他の適切な材料であってもよく、円筒状の流体通路28または高温の排気ガスを通過させる他の適切な環状(形状)の通路を画成(define)する。本発明で用いられる際に、環状という用語は、楕円形、長円形(卵形を含む)、円形、および他の受容可能な全ての曲線形状を含む意味で用いられる。ここで図2を参照すると、バルブ本体26は、流体通路28に対して略垂直に延在する駆動力受容/取り付け部30を含む。バルブ本体26を横断するとともに駆動力受容部を通って延在しているのは円筒状のボア32であり、流体通路28を垂直に横断して延在して、直径方向において対向する対向部分32a、32bを含んでいる。
【0035】
中実の入力シャフト34は、バルブ本体26に対して回転するようにボア32内に取り付けられる。入力シャフト34は直径方向において対向するボアの対向部分32a、32bの両方を通って延在するとともに、電動アクチュエータ22からの連続的に変更可能な回転出力を受容するように駆動力受容/取り付け部30から外へ突出する。入力シャフト34は、バルブ本体26に対して自由に回転するように1対の耐熱カーボンベアリング36の間に軸支される。楕円形バルブプレート38または他の適切な環状(形状)の板は、1対の固締具40により入力シャフト34に堅く固定されるとともに、流体通路28を流れる排気ガスの流れを調節するために流体通路28に緊密に嵌合される。図1〜図3において全閉位置で示すように、環状バルブプレート38は流体通路28と略同心に揃えられる。
【0036】
電動アクチュエータ22は、バタフライバルブ24を迅速、正確かつ精密に制御することにより流体通路28を流れる排気ガスの流れを制御するため、入力シャフト34に直接的に連結される連続的に変更可能な出力を生成する。電動アクチュエータは、一般に、電気信号を受信するための電気入力ライン42、および電気入力信号と比例関係にある回転位置へと駆動される出力シャフト44を含む。好ましい実施の形態においては、電動アクチュエータ22を、4〜20mAの入力電流を比例関係にある出力シャフト44の回転出力位置に変換する限定角度トルカ(LAT)として説明する。図示するように、電動アクチュエータ22は、内部ステータアセンブリ48を収容する外部ケーシング46、および電気入力ライン42に接続されるコイルアセンブリ50を有する。出力シャフト44は、コイル50に印加される電流に応答する永久磁石電機子(アマチュア)52を含む。また、電動アクチュエータ22はステータ48に締結されるベアリングハウジング54を含む。出力シャフト44は、ベアリングハウジング54内で1対のスチールボールベアリングセット56に軸支されるとともに、このベアリングハウジング54から外へ突出する。本発明の具体的な態様によれば、入力シャフト34と出力シャフト44とは同軸に揃えられて(芯出しされて)いる。
【0037】
説明する実施の形態においては、出力シャフト44は、メインシャフトの端部に接続されるスパッドアダプタ57(図2参照)を含む。しかしながら、本明細書で用いるように、出力シャフトは単一の部品であってもよく、すなわち、スパッドアダプタ57の特徴がシャフト44または図2に示すような複数の構成要素に一体的に形成されるならば、出力シャフトにはスパッドアダプタ57は不要である。以下、これら2つの構成は総称して「出力シャフト44」と呼び、いずれかの構成を含む。
【0038】
正確にバタフライバルブの位置を制御するために、入力シャフト34と出力シャフト44とは回転方向において連結されて電動アクチュエータ22の連続的に変更可能な出力をバタフライバルブ24に直接的に伝達する。好ましい実施の形態においては、出力シャフト44の回転位置の変化は同時かつ対応して(回転位置が一致して)入力シャフト34の回転位置を修正し、従ってバルブプレート38の回転位置を修正する。従って、中間カップリングチューブ58の形態をとるカップリングシャフトは入力シャフト34および出力シャフト44を結合する。カップリングチューブ58は、出力シャフト44および入力シャフト34それぞれの、好ましくは同軸において対向するシャフトの端部63、64を容易に受容する開口端60、61を提供する。
【0039】
ここで図2および図5〜図6を参照すると、入力シャフト34と出力シャフト44とを回転方向において結合するために、中間カップリングチューブ58は、66および68で全体として示す1対のねじりばね機構により入力シャフト34、出力シャフト44に接続される。実施の形態においては、各ねじりばね機構は、ヨーク69、ロールピン70、または他の径方向に延在する剛性部材、およびねじりばね72を含む。ロールピン70はヨーク69をシャフト34、44に固定するとともに、ヨーク69に形成される対応する穴73、およびシャフト34、44それぞれの端部63、64に形成される穴74にプレス圧入される。ロールピン70は、ヨーク69がシャフト34、44に対して回転するのを防止する。しかしながら、回転を防止するキー(楔止)機構等の、ヨーク69をシャフト34、44に固定する他の手段を用いてもよく、軸方向において構成要素をまとめて固定するためにねじを使用してもよい。
【0040】
図7〜図9を参照すると、各ヨーク69は、環状のヘッド76から軸方向に延在する1対のタング75を含む。環状のヘッド76はヨーク69をシャフト33、34に取り付ける際にシャフト34、44の端部63、64が貫通する穴77を画成する。タング75は、角度方向において離間され、それらの間に軸方向に延在する隙間(スロット)を形成する。説明する実施の形態では、タング75は穴77の直径よりも小さい内径を画成する。
【0041】
図2および図4〜図6を参照すると、タング75は、ヨーク69とカップリングチューブ58とを角度方向において連結するカップリングチューブ58の開口端60、61に形成される、軸方向に延在するスロット78内を軸方向に摺動する。この摺動の構成により、ヨーク69とカップリングシャフト58との間の軸方向における自由度が得られる。さらに、ヨーク69とカップリングシャフト58との間に限定的な回転方向における自由度を設ける形で、スロット78とタング75との間に角度方向における隙間を持たせて設置(組立て)をより容易にするように、タング75はスロット78よりも細く設けられるのが好ましい。
【0042】
図2および図4〜図6に戻って、一の実施の形態では、ロールピン70は、ヨーク69およびシャフト34、44の端部63、64に形成される穴73、74内にすべり嵌めされ、それらの間の隙間および隙間に起因する動きを防止する。この構成は、構成要素の、特にロールピン70の摩耗を防止する。また、これにより、ロールピン70とヨーク69とシャフト34、44との間の接触領域(面接触)が得られる。
【0043】
ヨーク69とカップリングチューブ58との連結の構成により接触領域(面接触)が得られる。より詳細には、スロット78を形成する側面部の一方は、タング75の側面部と接触する。この構成においては、カップリングチューブ58が直接的にロールピン70に係合する構成の場合の線接触の代わりに、2つの構成要素の大きな接触領域が、他方と相互に作用する。
【0044】
好ましい実施の形態においては、シャフト34、44の端部63、64には丸みが形成され、より好ましくは略球形に設けられる(例えば、図10および図11参照)。カップリングチューブ58の協働する開口端60、61の内径は、開口端60、61が球形の端部63、64の外径上に位置するように設計することが好ましい。開口端60、61の内径は、球形の端部63、64の外径より5%大きい寸法以下とすることが好ましい。より好ましくは、開口端60、61の内径は、球形の端部63、64の外径より約1%から2%まで大きいものとする。ヨーク69のタング75の内側の表面の間に形成される内径は、開口端60、61の内径に等しいことが好ましく、従ってシャフトの端部63、64の外径と比較して同一の相対的な直径の寸法を有する。
【0045】
シャフトの端部63、64の穴74は、球形の端部63、64の直径に中心を合わせることが好ましい。このようにして、ロールピン70はシャフトの端部63、64の球形部分の中心を貫通する。この構成においては、ヨーク69、および対応するカップリングチューブ58は、ロールピン70が画成する中心軸の周りを、シャフトの端部63、64に対して制限された角度の自由度の範囲内で枢動できる。このようにして、端部63、64の球形状は、ヨーク69、カップリングチューブ58およびシャフト34、44の枢動の支点として作用する。これにより、ヨーク69とこれが軸方向において固定されるシャフトの端部63、64との間の枢動の自由度が得られる。
【0046】
図10および図11に示すように、端部63、64は、シャフト34、44の本体の残部から球形部分を分離する延長部分81を含む。この延長部分81は、球形部分に比べて小さな直径を有し、ヨーク69がロールピン70の周りをシャフトの端部63、64に対して枢動する際に、ヨーク69のヘッド76がそこに入り込むか、またはそこに入り込んでもよい逃げ領域を提供する。この枢動は、熱膨張または組立ての際の入力シャフト34と出力シャフト44との軽度の芯ずれのために生じることがある。
【0047】
好ましい実施の形態において、端部63、64の球形部分は、シャフト34、44に直接的に機械加工されて設けられる。代替的な実施の形態において、球形部分は、延長部分81に取り付けられる別個の構成要素であってもよい。より詳細には、球形部分は、シャフト34、44の延長部分81が通って延在する、穴74に対して横断方向に設けられた中央ボアを有して、球形部分の延長部分81への取り付けを許容するように設けてもよい。
【0048】
シャフトの端部63、64が互いに同軸となることが好ましいと上述したが、ヨーク69および結果的にカップリングチューブ58はシャフトの端部63、64に対して枢動でき、カップリングチューブ58がシャフトの端部63、64に対して軸方向に移動して軽度の芯ずれを吸収できることは本発明の利点である。
【0049】
ねじりばね機構66、68の組立ての際、各ねじりばね72は、カップリングチューブ58およびヨーク69の連結部分を覆うように嵌合するとともに、接線方向における接触点または線を介してロールピン70を抱持および係合する、軸方向において外側に延在する外方端80を有する。また、各ねじりばね72は、カップリングチューブ58に係合する内方端82を含み、この場合、この内方端82は、カップリングチューブ58の軸方向に延在するスロット78内に曲げられるとともに嵌合される。ねじりばね機構66、68は、入力シャフト34と出力シャフト44との間の回転方向におけるバックラッシュ(弛み、遊び)を防止する。これを実現するために、各ヨーク69は、ねじりばねの外方端80と軸方向に延在するスロット78の一端との間で荷重を掛けられている。
【0050】
電動アクチュエータ22とバタフライバルブ24との間におけるバックラッシュおよび回転方向におけるヒステリシスを伴うことなく直接的な応答を得るために、ねじりばね72には予荷重が加えられて、電動アクチュエータ22およびバタフライバルブ24が通常に作動する際にカップリングチューブ58に作用するトルクよりも大きい回転方向におけるバイアス(偏荷重)を加える。これにより、バタフライバルブ24における回転方向のヒステリシスを防止するとともに、バタフライバルブプレート38における正確な応答が得られ、ひいては流体通路28を流れる排気流れのより良好な制御が行える。また、この予荷重により、予加重を加える前においては認識される、スロット78とタング75との間の角度/ねじれ方向における初期的な隙間を埋めることができる。
【0051】
本発明の特徴によれば、また、図1および図2を参照すれば、電動アクチュエータ22およびバタフライバルブ24は単一の一体アセンブリに組み込まれる。従って、外部ハウジングチューブ86は、バルブ本体26を電動アクチュエータ22のベアリングハウジング54に固定し、それらの間の回転を防止する。好ましい実施の形態においては、外部ハウジングチューブ86は、中間カップリングチューブ58と、入力シャフト34および出力シャフト44の突出する端部63、64とを収容する。外部ハウジングチューブ86は、電動アクチュエータ22とバルブ本体26との間に、ソケットヘッドキャップボルト88または他のかかる適切な固締具により締結される。また、ハウジングチューブ86は、バルブ本体26の駆動力受容/取り付け部分30に近接する複数のアクセス用の開口部89を含み、これらのアクセス用の開口部89はねじりばね機構68を分離および接続するためのアクセス(接触)を可能とする。好ましい実施の形態においては外部ハウジングチューブ86が設けられているが、バタフライバルブ24および電動アクチュエータが外部の構成要素に剛に固定されていれば、外部ハウジング86は(図3に示すように)取り外して設けることができる。
【0052】
オペレーション(作動)においては、高温の排気ガスまたは他の流体が連続的に流体通路28を流れることができる。電気入力ライン42を通じて電動アクチュエータ22に送電される電流は、バルブプレート38が所望の通りに選択的に位置決めされるように制御される。好ましい実施の形態においては、電動アクチュエータ22は連続的に変更可能に設けられ、バルブプレート38は全開から全閉の間で選択的に位置決めされ、任意の位置を選択的に保持するように設けてもよい。バルブプレート38の位置は、バルブプレート38が流れを調整するように所望の通りにアップデート(更新)できる。流れが調整される速度は、バタフライバルブ24の個別の適用、および電動アクチュエータ22が電気入力信号に反応する速度に依存する。
【0053】
好ましい実施の形態においては、バタフライバルブ24は、約華氏1400度までの温度を有する排気ガスまたは他の高温の流体を通過させるように設けられているが、電動アクチュエータ22が故障または機能不良に陥る上限の温度は約華氏212度である。本発明によれば、電動アクチュエータは、制御および取り付け機構(構造)に沿って伝達する熱を制限することにより、この有害な環境から保護される。本明細書に示すように、電動アクチュエータ22からバタフライバルブ24に連続的に変更可能な回転出力を伝達する駆動装置(カップリング装置とも称される)は、別体の断熱された駆動シャフト(入力シャフト34および出力シャフト44)、カップリングチューブ58、ヨーク69、および/または他の断熱された構成要素(ねじりばね等)に分解される。カップリングチューブ58と駆動シャフト34、44との間の接触領域はヨーク69により制限されるか、または隔離されて、特定の熱流体用途における電動アクチュエータ22への熱によるダメージを防止するのに十分な、カップリングチューブ58と駆動シャフト34、44との間の熱伝達を制限する少なくとも一および好ましくはいくつかの熱障壁を提供する。好ましい実施の形態においては、カップリングチューブ58の開口端の内径は、入力シャフト34および出力シャフト44それぞれの外径より十分に大きな寸法(例えば、5%大きい寸法まで)として、カップリングチューブ58と入力シャフト34および出力シャフト44との間の隔離間隙を提供するとともに接触を最小化する。チューブ58とシャフト34、44との間の各隔離間隙は、電動アクチュエータのオーバーヒート(過熱)を防止する一次的な(主要な)熱障壁を提供する。さらに、入力シャフト34および出力シャフト44は、カップリングチューブ58に摺動可能に嵌合される小さな端部のみを有しており、それらの間の熱伝達を制限する。説明する実施の形態においては、球形または丸みが形成された端部63、64の使用により、カップリングシャフト58と端部63、64との間の接触を、端部63、64が円筒状に設けられたとした場合の面接触とは対照的な線接触のみにまで減少する。
【0054】
熱制限および熱障壁は、ねじりばね機構66、68またはカップリングチューブ58を入力シャフト34および出力シャフト44に結合する他の類似の適切なカップリング手段によっても得られる。ねじりばね機構66、68または他のカップリング手段は、入力シャフトと出力シャフトとの間の金属による接触点および/または金属部の断面積を最小化する。
【0055】
また、一の実施の形態においては、低伝熱性の金属材料または耐久性を有する他の材料を使用してさらに熱伝達を減少させる。従って、中間カップリングチューブ58、入力シャフト34、および外部ハウジングチューブ86に使用されるこれらの材料は、ステンレス鋼材料、または他の低伝熱性の剛性材料からなることが好ましい。バルブプレート38は、耐熱性を有するインコネル(登録商標)型の鋼から形成してもよい。
【0056】
他の実施の形態の態様においては、図1において最も分かりやすいように、外部ハウジングチューブ86に径方向において画成されるコンプライアンススロット90を使用する。コンプライアンススロット90は、互いに位相をずらした配置により形成される隣接する列92A、92B、92Cに並べられる。図から分かるように、複数の列92A、92B、92Cのコンプライアンススロット90が形成され、各列92A、92B、92Cは、120°または隣接する列92A、92B、92Cに対して適切な他の角度で幾何学的に回転されて形成される。外部ハウジングチューブ86の(熱伝導がおこなわれる)断面積は大きく減少する一方で、外部ハウジングチューブ86の熱伝導がおこなわれる実効長さは増加するため、これらのコンプライアンススロット90は熱抵抗を提供する。アクセス用のオリフィス89も外部ハウジングチューブ86の熱抵抗を増大させる。
【0057】
実施の形態の実現(実施例)においては、電動アクチュエータはブラケット(不図示)内に取り付けられるように適用される一方で、バタフライバルブ24は配管用の導管に取り付けられる。バタフライバルブ24および電動アクチュエータの設置(組立て)は室温で行われるのが好ましい。しかしながら、電気的に制御されたバタフライバルブ装置20の作動の際、電動アクチュエータ22とバタフライバルブ24との間には大幅な温度差が生じる。かかる温度差は、軸方向および角度方向における熱による変位、ならびにバタフライバルブ24と電動アクチュエータ22との間における芯ずれ(ミスアラインメント)を引き起こす。さらに、電気的に制御されたバタフライバルブ装置20はエンジン環境(図13に示す)に適するように設けられ、エンジンの振動が軸方向および角度方向における熱による変位に付加的な応力を加えることがある。
【0058】
バタフライバルブ内の熱膨張を許容する目的によれば、一の実施の形態では、入力シャフト34の出力シャフト44に対する軸方向および角度方向における移動の範囲を制限する。なお、本明細書では、角度方向における移動(好ましい実施の形態が排除する回転方向におけるバックラッシュと混同しないこと)とは、入力シャフト34の中心軸と出力シャフト44の中心軸との間の芯ずれ(ミスアラインメント)のことである。一の実施の形態は、カップリングチューブ58の開口端およびスロット78は、ヨーク69のタング75に対して、入力シャフト34と出力シャフト44との間の約2°の角度の角度方向における芯ずれ(ミスアラインメント)を許容するに十分な大きさに設けられる。また、入力シャフト34が軸方向における応力を発生させずに開口端61内の位置の範囲内で軸方向において移動できるように、タング75は軸方向に延在するスロット78に沿って軸方向において支持される。ねじりばね72の弾性のため、中間カップリングチューブ58とシャフト34、44との間の接続ジョイントは、軸方向および角度方向における移動の両方を許容する可撓性の範囲を有する。また、位相をずらして配置されて設けられたコンプライアンススロット90は、外部ハウジングチューブ86に限定量の可撓性(弾性)コンプライアンスを与えて、電動アクチュエータとバタフライバルブ24との間に小さな角度方向および軸方向における変位が生じる場合に応力を減少させる。
【0059】
図13を参照すると、本発明の例示的であるとともに大変重要な適用例が概略的に示されている。エンジンのターボチャージャの制御を改善する目的によれば、電動のバタフライバルブ装置20は、内燃機関202のターボチャージャ200に流体連通するウェイストゲートとして構成される。この内燃機関は、エンジン202の燃焼室および排出のための排気ガス出口コンジット(排気パイプ)206に通じる圧縮空気入口コンジット(吸気パイプ)204を有する。ターボチャージャ200は、入口コンジット(吸気パイプ)204へと空気を圧縮するコンプレッサ208およびこのコンプレッサ208に動力を与えるタービン210を含む。タービン210は、出口コンジット(排気パイプ)206を流れる排気ガスにより駆動される。タービン210の動力を制御し、それによりエンジン202の燃焼室内の空燃比を制御するために、図1〜図2に示す電気的に制御されるバタフライバルブ装置20により制御された排気ガスのバイパスライン212が設けられる。バイパス212は、出口コンジット(排気パイプ)206と並列する流路として設けられ、タービン210へと流れる排気ガスを逸らす。これがコンプレッサ208の作動速度を制御し、それによりターボチャージャ200によってエンジン202に供給される過給圧力が制御される。特定の種類のエンジンでは、バイパス212を流れる排気ガスは約華氏1400度までの温度になることがある。
【0060】
図13に高温用途の一を示したが、本発明は、電動アクチュエータ22の断熱が必要とされるか、または電動アクチュエータ22とバタフライバルブ24との間に大きな範囲の角度方向および軸方向における変位が生じる場合の多くの用途に使用することができると理解されたい。単一のシャフトのみを有する電動アクチュエータ22がオーバーヒート(過熱)する可能性が非常に大きな場合には、制御される流体が電動アクチュエータ22の温度限界より高い任意の用途、特にバタフライバルブを流れる流体の温度が電動アクチュエータの温度限界(上述のように、約華氏212度が限度である)よりも華氏100度高い温度にまで近付く任意の用途において、電気的に制御されたバタフライバルブ装置20は熱的な利点を有する。例えば、このバルブは、内燃機関202における、コンプレッサ208のバイパス制御および/またはタービン210の流出作動制御にも使用することができる。コンプレッサ208のバイパス制御等の用途において、圧縮空気は周囲の空気より温度が高いが、華氏1400度よりずっと低い。このような比較的低い温度の高温用途においては、入力シャフト34および出力シャフト44は一のねじりばね機構または他の回転連結器により直接的に連結されてもよく、それにより中間カップリングチューブを取り除いてもよいことは当業者に理解されるであろう。電気的に制御されたバタフライバルブ装置20は、ガスタービンエンジン用途(内燃機関のターボチャージャと混同しないこと)に用いられ、その流体の流れの調整、または、おそらくは正確かつ応答性の高いバルブが高温の流体と作動することが望ましい他の類似の状況のために用いられてもよい。
【0061】
本明細書中で引用する公報、特許出願および特許を含むすべての文献は、各文献を個々に、具体的に示し、引用して組み込むかのように、また、その全体を本明細書に記載するかのように、引用して組み込まれる。
【0062】
本発明の説明に関連して(特に以下の請求項に関連して)用いられる名詞及び同様な指示語の使用は、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、単数および複数の両方に及ぶものと解釈される。語句「備える」、「有する」、「含む」および「包含する」は、特に断りのない限り、オープンエンドターム(すなわち「〜を含むが限らない」という意味)として解釈される。本明細書中の数値範囲の具陳は、本明細書中で特に指摘しない限り、単にその範囲内に該当する各値を個々に言及するための略記法としての役割を果たすことだけを意図しており、各値は、本明細書中で個々に列挙されたかのように、明細書に組み込まれる。本明細書中で説明されるすべての方法は、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、あらゆる適切な順番で行うことができる。本明細書中で使用するあらゆる例または例示的な言い回し(例えば「など」)は、特に主張しない限り、単に本発明をよりよく説明することだけを意図し、本発明の範囲に対する制限を設けるものではない。明細書中のいかなる言い回しも、請求項に記載されていない要素を、本発明の実施に不可欠であるものとして示すものとは解釈されないものとする。
【0063】
本明細書中では、本発明を実施するため本発明者が知っている最良の形態を含め、本発明の好ましい実施の形態について説明している。当業者にとっては、上記説明を読めば、これらの好ましい実施の形態の変形が明らかとなろう。本発明者は、熟練者が適宜このような変形を適用することを期待しており、本明細書中で具体的に説明される以外の方法で本発明が実施されることを予定している。従って本発明は、準拠法で許されているように、本明細書に添付された請求項に記載の内容の修正および均等物をすべて含む。さらに、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、すべての変形における上記要素のいずれの組合せも本発明に包含される。
【符号の説明】
【0064】
20 バタフライバルブ装置(電気制御)
22 電動アクチュエータ
24 バタフライバルブ
26 バルブ本体
28 流体通路
30 駆動力受容/取り付け部
32 ボア
32a 対向部分(ボア)
32b 対向部分(ボア)
34 入力シャフト
36 耐熱カーボンベアリング
38 環状バルブプレート(楕円形バルブプレート)
40 固締具
42 電気入力ライン
44 出力シャフト
46 外部ケーシング(電動アクチュエータ)
48 内部ステータアセンブリ(電動アクチュエータ)
50 コイルアセンブリ
52 永久磁石電機子(アマチュア)
54 ベアリングハウジング
56 スチールボールベアリング
57 スパッドアダプタ
58 中間カップリングチューブ
60 開口端(カップリングチューブ)
61 開口端(カップリングチューブ)
63 端部(出力シャフト)
64 端部(入力シャフト)
66 ねじりばね機構
68 ねじりばね機構
69 ヨーク
70 ロールピン
72 ねじりばね
73 穴(ヨーク)
74 穴(シャフト)
75 タング(ヨーク)
76 ヘッド(ヨーク)
77 穴(ヨーク)
78 スロット(カップリングチューブ)
80 外方端(ねじりばね)
81 延長部分(シャフト)
82 内方端(ねじりばね)
86 外部ハウジングチューブ
88 ソケットヘッドキャップボルト
89 アクセス用開口部(ハウジングチューブ)
90 コンプライアンススロット(ハウジングチューブ)
200 ターボチャージャ
202 内燃機関(エンジン)
204 圧縮空気入口コンジット(吸気パイプ)
206 排気ガス出口コンジット(排気パイプ)
208 コンプレッサ
210 タービン
212 バイパスライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータ装置からバルブ部材へ回転運動を伝達する駆動装置であって:
第1の端部を有する入力シャフトと;
第2の端部を有する出力シャフトと;
前記第1の端部にねじり方向において固定された軸方向に延在する第1のタングを含む第1のヨークと;
前記第2の端部にねじり方向において固定された軸方向に延在する第2のタングを含む第2のヨークと;
カップリングシャフトであって、前記カップリングシャフトを前記第1のヨークにねじり方向において連結する前記第1のタングを摺動可能に受容する第1の端に形成される第1のスロットを含み、前記カップリングシャフトを前記第2のヨークにねじり方向において連結する前記第2のタングを摺動可能に受容する第2の端に形成される第2のスロットを含むカップリングシャフトとを備える;
駆動装置。
【請求項2】
前記カップリングシャフトは、前記第1および第2のヨークに対する軸方向および角度方向における移動の制限範囲を有する、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記第1のヨークおよび第1の端部はそれらの間に枢動を許容する一の自由度を有し、前記第2のヨークおよび第2の端部はそれらの間に枢動を許容する一の自由度を有する、請求項2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記第1および第2の端部には丸みが形成され、前記第1の端部は、前記丸みが形成された第1の端部を前記入力シャフトの残部から軸方向にオフセットし、前記第1の端部と前記入力シャフトの残部との間に環状の溝を形成し、前記ヨークが前記第1の端部に対して枢動するときに入り込むことができる逃げ領域を提供する第1の延長部分を含み、前記丸みが形成された第2の端部は、前記丸みが形成された第2の端部を前記出力シャフトの残部から軸方向にオフセットし、前記第2の端部と前記出力シャフトの残部との間に環状の溝を形成し、前記ヨークが前記第2の端部に対して枢動するときに入り込むことができる逃げ領域を提供する第2の延長部分を含む、請求項3に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記第1および第2の端部には丸みが形成され、前記各第1および第2のヨークは前記第1および第2の端部をそれぞれ受容する取り付け穴を含み、前記取り付け穴の内径は前記第1および第2の端部の外径より少なくとも1パーセント大きく、前記入力シャフトおよび出力シャフトと前記第1および第2のヨークそれぞれとの間に一次的な熱障壁を提供する、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記第1のタングの一方の側面のみが前記第1のスロットを画成する前記カップリングシャフトの一方の側面と接触するように、前記第1のスロットの幅は前記第1のタングの幅より広く設けられた、請求項5に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記第1のタングを前記第1のスロットを画成する前記カップリングシャフトの前記一方の側面にねじりにより接触させ、前記第1のヨークと前記カップリングシャフトとの間の全ての回転方向におけるヒステリシスを防止するねじり機構をさらに含む、請求項5に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記カップリングシャフトは、前記第1および第2のヨークそれぞれを介する前記入力シャフトおよび出力シャフトに対する枢動の制限範囲を有する、請求項2に記載の駆動装置。
【請求項9】
前記出力シャフトは、メインシャフトおよび固定位置において前記メインシャフトに接続されるアダプタースパッドを含み、前記アダプタースパッドは前記第1の端部を含む、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項10】
前記カップリングシャフトはチューブ状に設けられた、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項11】
前記第1および第2の端部には丸みが形成され、前記第1のヨークおよび前記丸みが形成された第1の端部を貫通して径方向に延在し、前記第1のヨークを前記入力シャフトに軸方向および角度方向において固定する第1の剛性接続部材をさらに含み、前記第2のヨークおよび前記丸みが形成された第2の端部を貫通して径方向に延在し、前記第2のヨークを前記出力シャフトに軸方向および角度方向において固定する第2の剛性接続部材をさらに含む、請求項1に記載の駆動装置。
【請求項12】
前記第1のヨークが前記第1の剛性接続部材により画成される中心軸の周りを前記第1の端部に対して枢動するように、前記第1の剛性接続部材は前記第1の端部の直径に沿って設けられ、前記第2のヨークが前記第2の剛性接続部材により画成される中心軸の周りを前記第2の端部に対して枢動するように、前記第2の剛性接続部材は前記第2の端部の直径に沿って設けられる、請求項11に記載の駆動装置。
【請求項13】
前記第1のタングと同一に設けられ、前記第1のタングと角度方向において間隔を置いて配置され、軸方向において揃えられて配置される第3のタングと、前記第2のタングと同一に設けられ、角度方向において間隔を置いて配置され、軸方向において揃えられて配置される第4のタングと、前記第1のスロットと軸方向において揃えられて配置され、角度方向において間隔を置いて配置される、前記第3のタングを受容する第3のスロットと、前記第2のスロットと軸方向において揃えられて配置され、角度方向において間隔を置いて配置される、前記第4のタングを受容する第4のスロットとをさらに備え、前記第3のタングは前記第1のヨークの一部として設けられ、前記第4のタングは前記第2のヨークの一部として設けられ、前記第3および第4のスロットは前記カップリングシャフトの対向する端に形成される、請求項10に記載の駆動装置。
【請求項14】
アクチュエータを流れの制御バルブに連結し、それらの間に熱障壁を提供するカップリング装置であって:
ヘッド部分から軸方向に延在し、前記ヘッド部分により互いに角度方向において連結される第1および第2の軸方向に延在するタングを含むヨークと;
軸方向において揃えられ、角度方向において離間される第1および第2のスロットを含み、前記第1のスロットは前記第1のタングを摺動可能に受容し、前記第2のスロットは前記第2のタングを摺動可能に受容する、カップリングシャフトとを備え;
前記カップリングシャフトは前記ヨークに対する回転方向における移動の度合いおよび軸方向における移動の度合いを有する;
カップリング装置。
【請求項15】
前記カップリングシャフトと前記ヨークとの間の全ての回転方向におけるヒステリシスを排除しながら、前記ヨークを前記カップリングシャフトに回転方向において連結するねじり部材をさらに備える、請求項14に記載のカップリング装置。
【請求項16】
前記ヘッド部分は、第1の中心軸に沿ってシャフトの端部を軸方向に受容する取り付け穴を画成する環状部分として設けられた、請求項15に記載のカップリング装置。
【請求項17】
前記ヨークは、前記取り付け穴に対して横断する方向の向きを有し、前記取り付け穴と交差する第2の穴をさらに含む、請求項16に記載のカップリング装置。
【請求項18】
前記第2の穴を通って延在し、前記取り付け穴を径方向に貫通する剛性接続部材をさらに含む、請求項17に記載のカップリング装置。
【請求項19】
前記回転方向における移動の度合いの内において前記ヨークと係合するように、前記カップリングシャフトに所定のトルク量まで予荷重を加えるねじりばねをさらに含む、請求項18に記載のカップリング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2011−523992(P2011−523992A)
【公表日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−511668(P2011−511668)
【出願日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際出願番号】PCT/US2009/039237
【国際公開番号】WO2009/148694
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(503400008)ウッドワード,インコーポレーテッド (29)
【氏名又は名称原語表記】Woodward,Inc.
【住所又は居所原語表記】1000 E. Drake Road, P.O. Box 1519, Fort Collins, Colorado 80525, United States of America
【Fターム(参考)】