説明

ばら積みプラスチック容器の乱雑さを解消し整列させる装置及び方法

瓶詰めの分野に適用され、ばら積みプラスチック容器(2)の乱雑さを解消し整列させる装置(1)。装置は、実質的に円形の収集ホッパー(6)と、ホッパー(6)の外側にある同心円状の円形リング(7a)に配置され、外側保持壁(5)によって画定された複数の容器クレードルポケット(7)とからなる。複数のピックアップ手段(3)が半径方向へ容器を取り出すため、少なくとも1つの開口部(5a)が上記壁(5)に形成されている。1台以上の検査機器(11)が容器の向きを判定し、これをピックアップ手段(3)へ通信し、ピックアップ手段は、容器を回転し、容器を解放する前に容器の首を上に向ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ばら積み容器(bulk container)の乱雑さを解消し整列させる装置及び方法に関係する。
【背景技術】
【0002】
このような装置は、瓶詰め分野で使用され、より正確には、ライン、例えば、送り込みホッパーへ、ランダムに、すなわち、乱雑さを解消された形で供給される容器の乱雑さを解消し整列させることが可能であるため、プラスチック瓶又は容器取り扱いラインから上流側で使用される。
【0003】
これらは産業用装置であるため、より高い生産速度を提供することが求められ、すなわち、中断なしに多数の乱雑さ解消された容器を生産しなければならない。
【0004】
様々なタイプの装置が上記の問題を解決するために技術的に開発されている。
【0005】
典型的な装置は、(クレードルポケットに寝かされていると都合がよい)容器を正しく直す重力クレードル又はホッパーのような機械的手段を利用する。
【0006】
米国特許第5,439,093号は、瓶(又は容器)が積載され、昇降舵によってプリオリエンティングホッパーに運ばれ、プリオリエンティングホッパーが、コンベヤベルトによって上記ホッパーから容器ピックアップ及び位置検査ステーションへ運ばれるように、(首が一方の方向又はもう一方の方向へ向けられた)2つの可能な配置で瓶を並べ乱雑さを解消するという機能をもつ装置を開示する。
【0007】
上記ピックアップ手段のうちの1つによって取り上げられた後、容器は、検査手段によってその位置が検査され、ピックアップ回転台が回転するのに伴って、容器は整列され乱雑さが解消された瓶のためのベルトコンベヤに到達するときに最適配置まで適当に回転させられる。
【0008】
本発明は、容器が適当なピックアップ手段を用いて、トレイのクレードルポケットのリングの上に配置された容器の円形アレンジメントに関して実質的に半径方向へ取り出される点で、米国特許第5,439,093号に開示された発明と異なる。
【0009】
一旦容器が取り上げられると、容器は、出力ベルト上で解放されるのに最適位置まで適当に回転させられる。
【0010】
別の相違点は、アンスクランブル回転台の位置であり、上記特許では、アンスクランブル回転台は各容器のピックアップ及び回転軸と平行な軸を有するが、本特許では、ピックアップ手段は、各容器回転手段の回転軸と軸が垂直になるよう設置されたタレットに搭載されている。
【0011】
クレードルポケットのリングの外側保持壁に形成された適当な円周上の開口部を通して行われる半径方向のピックアップは、吸引ピックアップ手段によって行われるのが有利である。
【0012】
したがって、瓶フック手段のタイプに起因して、ピックアップが実質的に対称性のある形状、又は、十分に規則的な形状を有する瓶に制限されている上記の特許とは異なり、任意の形状の容器が取り上げられる。
【0013】
本発明では、ピックアップ手段のレイアウトは、好ましくは、数個のタレットの位置を見つけることにより設定されるので、これにより、生産速度が得られ、すなわち、乱雑さが解消され整列させられた瓶の日常の生産高がより高められる。
【0014】
同様に、2台の検査手段がアンスクランブルステーションに設けられた上記の特許とは異なり、本発明では、各ステーションは、好ましくは、1台の検査手段を有し、検査手段は、好ましくは、回転ユニットではなくホッパーに設置されているので、取り出し手段は使用される回転方向が先に通知されることがある。
【0015】
このことは、信号到着前に待機時間を短縮するために好都合であり、これにより、より高い回転、ピックアップ及び整列速度が得られる。
【特許文献1】米国特許第5,439,093号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、新しい放射状の瓶ピックアップアレンジメントによって乱雑さを解消する速度をかなり増加させる、整列及び乱雑さ解消装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
これらの目的及び効果は、どちらも本発明に従って、特許請求の範囲に記載されているように特徴付けられた、ばら積み容器の乱雑さを解消し整列させる装置及びそれによって得られる方法によって達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
これらの特長及びその他の特長は、典型例として、制限なく添付図面に示されている、以下の数件の実施形態の説明から明白になるであろう。
【0019】
図1を参照すると、容器2を収集する実質的に円形のホッパー6と、ホッパーの外側にありホッパーと同心円状である、円形リング7aを形成するように配置された、容器2のための複数台のクレードルポケット7とを備え、ばら積み容器2の乱雑さを解消し整列させる装置が参照符号1によって全般的に示されている。
【0020】
クレードルポケット7は、今度は、クレードルポケット7と同心円状の外壁5によって画定されている。
【0021】
少なくとも1つの開口部5aが外壁5に沿って形成され、容器2が開口部5aと向かい合うときに複数台のピックアップ手段3が容器2を取り出すことを可能にさせる。
【0022】
上述のように、数台のピックアップ手段3が1台以上のタレット4に搭載され、タレットは壁5の周囲に沿って、各開口5aに位置している。
【0023】
装置2は、容器2の姿勢の向きを検査する1台以上の機器11を有し、本実施例では、検査機器11は、ポケット7内の瓶が一方の方向又はもう一方の方向へ向けられているかどうかを判定し、容器が取り上げられる開口部5aより前のポケット7の上方に設置されているカメラである。
【0024】
上述のように、ピックアップ手段3は、対応する開口部5aと向かい合う容器2を、クレードルポケット7から取り出し、このような取り出しは実質的に半径方向に行われる。
【0025】
ピックアップ手段3は、例えば、負圧が既知の空気圧源から発生され、回転タレットの中空支柱の中を通って動力が供給される吸盤3aである。
【0026】
ピックアップ手段を形成する吸盤は、後述されるように、装置の実施形態に応じて、固有の水平軸周りに90°又は180°回転してもよい。
【0027】
機械的ピックアップ手段、例えば、グリッパが吸盤の代わりに使用されることがある。
【0028】
ホッパー6は、容器2が上記ホッパーの周囲に押し付けられ、クレードルポケット7へ移動させられるように、垂直軸8の周りに回転させられる。
【0029】
ホッパー6は、好ましくは、容器2がポケット7へ落ちるように、円錐状内面を有するが、これに制限されることはない。
【0030】
ポケット7のリング7aは、ホッパー6の回転と反対向き、又は、ホッパーと同じ向きに回転する。
【0031】
この場合、すなわち、両者が同じ回転方向を有するならば、リングとポケットは同期して回転し、同じ回転数、又は、異なる回転数を生み出す。
【0032】
開口部5aは、少なくとも、クレードルポケット7、及び/又は、取り出されるべき容器2と同じ幅である。
【0033】
クレードル又はポケット7は、様々な容器の形式を受け入れるために、装置に汎用性を加える高速交換システムを有するならば有利である。
【0034】
ピックアップ手段3は、好ましくは、吸引駆動型機器であるが、可能な変形実施形態では、図示されていないが、ピックアップ手段3は容器2を把持する掴み機器でもよい。
【0035】
別の実施形態では、図示されていないが、検査機器11は、ポケット7のリングの外側に配置され、この場合、位置読み取りは、ピックアップ手段3が容器2を取り出し済みであるときに限り行われる。
【0036】
図2を参照すると、ポケットは、首を上に向けるか、又は、首を下に向けるかの何れかで立っている姿勢で瓶を受け取るため、垂直方向に延在している。
【0037】
この場合、瓶は、適切に方向が合わされ、ピックアップ手段によるさらなる回転を必要としないか、又は、首を下に向けられているので、ピックアップ手段は容器を180°だけ回転させるべきである。
【0038】
図3を参照すると、固有の水平軸の周りに回転する複数個の吸盤が装着され、コンベヤベルト20として実施されたピックアップ手段のさらなる実施形態が今度は記載されている。
【0039】
要約すれば、本発明の方法において、装置1は、最初に、ホッパー6と同心円状に、リング7aに配置されたクレードルポケット7に容器2を収納し、数台のピックアップ手段3からなるピックアップユニット4によって、クレードルポケット7内の容器2の配置及び回転方向に関して実質的に半径方向へ容器2を取り出す。
【0040】
取り出し後、ピックアップ手段3は、手段3の回転軸10に従って、容器2を回転させ、適当に向きを合わせる。
【0041】
このような回転は、タレット4が(ベルト、空気、又は、その他の同様のアレンジメントを用いて)取り出し位置から解放位置へ手段3を運ぶ時間内に行われ、タレット4は固有の軸9と相対的に回転する。
【0042】
したがって、容器の回転は、容器2が方向監視機器11によって姿勢を検査されたときに限り判定される。
【0043】
ポケット7は、容器の形状及びサイズに応じて、固定式でもよく、交換式でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明による一般的な容器の乱雑さを解消し整列させる装置の平面斜視図である。
【図2】第2の実施形態による装置の平面斜視図である。
【図3】さらなる実施形態による発明の装置のやはり同様の平面斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ばら積みプラスチック容器(2)の乱雑さを解消し整列させる装置であって、
a.外壁(5)及び平坦又は円錐状の底からなり、前記容器(2)を収集する実質的に円形状のホッパー(6)と、
b.前記底と前記外壁(5)との間で前記ホッパー(6)の内側にあり前記ホッパー(6)と同心円状である円形リング(7a)に配置されている、容器(2)のための複数台のポケット(7)と、
c.前記外壁(5)に形成されている少なくとも1つの開口部(5a)と、
d.各開口部(5a)に設置された1台以上の回転又は並進運搬機器(4)に搭載されている複数台の容器ピックアップ手段(3)と、
e.前記容器(2)の回転を検査する1台以上の機器(11)と、
を備え、
取り出し方向が前記ポケット(7)の前記リング(7a)内での前記容器(2)の配置に関して実質的に半径方向であるように、前記ピックアップ手段(3)は、対応している開口部(5a)で前記ポケット(7)から前記容器(2)を取り出し、首が上の向きに前記容器を向けるために前記容器を回転させることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記容器(2)が前記ホッパーの周囲、すなわち、前記クレードルポケットに押し付けられるように、前記ホッパー(6)の前記底と前記ポケットがこれらの垂直軸(8)の周りに回転させられることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ホッパーの前記底が固定され、前記ポケットが円形経路内を移動することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ホッパー(6)は前記容器(2)が前記ホッパー(6)の周囲に接触して落ちるように円錐状内面を有することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ポケット(7)の前記円形リング(7a)は前記ホッパー(6)の向きと逆向きに回転することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記円形リング(7a)は前記ホッパー(6)と同じ向きに回転することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記円形リング(7a)及び前記ホッパー(6)は同期して回転し、同じ回転数を生み出すことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記円形リング(7a)及び前記ホッパー(6)は同期して回転し、異なる回転数を生み出すことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記ポケットは、前記容器を横になっている姿勢又は立っている姿勢に保つために、水平方向又は垂直方向のいずれかの拡張部を有することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記開口部(5a)は、前記クレードルポケット(7)及び/又は取り出されるべき前記容器(2)と少なくとも同じ幅であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記ピックアップ手段(3)は容器(2)吸引機器であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記ピックアップ手段(3)は機械的又は空気圧容器(2)把持機器であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記検査機器(11)は、好ましくは、形状読み出しカメラ又はフォトセルであることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記検査機器(11)は前記クレードルポケット(7)の前記リング(7a)の上方に設置されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記検査機器(11)は、前記リング(7a)の外側に設置され、前記ピックアップ手段(3)が取り出しステップを完了したときに前記容器(2)の位置を読み出すことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記ポケット(3)は前記容器の形状及びサイズに応じて交換可能であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
容器(2)が乱雑に落とされるホッパー(6)の内側にあり、かつ、前記ホッパーと同心円状である円形リング(7a)に配置されている複数個のポケット(7)内での位置に関して実質的に半径方向へ前記容器(2)が取り出される、前記ホッパー内のばら積み容器(2)の乱雑さを解消し整列させる方法であって、
前記容器(2)は前記ポケット(7)から取り出された後に回転させられ、適当に位置合わせされることを特徴とする方法。
【請求項18】
前記容器(2)は、前記リング(7a)の回転中に、前記容器が前記リング(7a)の外側にあり、かつ、前記リングと同心円状である壁に沿って形成されている開口部(5a)の前に位置するときに、取り上げられることを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
取り出し手段(3)は、対応する検査装置(11)によって送信された信号に応じて必要な回転方向へ前記容器(2)を回転させることを特徴とする、請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−528400(P2008−528400A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−551552(P2007−551552)
【出願日】平成17年11月21日(2005.11.21)
【国際出願番号】PCT/EP2005/012434
【国際公開番号】WO2006/076939
【国際公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(505253891)ランフランキ、エス.アール.エル (4)
【Fターム(参考)】