説明

インクジェットヘッドの吐出検査方法、インクジェットヘッドの吐出検査装置、およびこれを備えた液滴吐出装置

【課題】インクジェットヘッドの吐出不良を精度良く検査できるインクジェットヘッドの吐出検査方法、吐出検査装置、およびこれを備えた液滴吐出装置を提供することを課題とする。
【解決手段】インクジェットヘッドに対し検査ターゲットを相対的に移動させて、インクジェットヘッドから液滴を吐出・着弾させる検査吐出工程(S01)と、検査ターゲットに吐出・着弾した着弾ドットを画像認識するドット認識工程(S02)と、画像認識した着弾ドットを画像処理して検査ドット画像を生成する検査ドット画像生成工程(S03)と、生成した検査ドット画像から真円度を算出する真円度算出工程(S04)と、算出した検査ドット画像の真円度が所定の閾値を越えたときに、インクジェットヘッドを吐出不良と判定する判定工程(S05)と、を備えたインクジェットヘッドの吐出検査方法、吐出検査装置、およびこれを備えた液滴吐出装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットヘッドから検査ターゲットに液滴を吐出・着弾させて、インクジェットヘッドの吐出不良を検査するインクジェットヘッドの吐出検査方法、インクジェットヘッドの吐出検査装置、およびこれを備えた液滴吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、吐出ヘッド(インクジェットヘッド)のノズルから複数の液滴を吐出し、検査ワーク(検査ターゲット)上に液滴が着弾して得られたドット列の電子画像を取り込み、ドット列の基準直線からの各ドットのずれ量を取得することによって、着弾ドットの位置ずれを検出するドットずれ検出方法が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−284406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、インクジェットヘッドの吐出ノズルから吐出される液滴は、尾を引くように紡錘形になってノズル面から離れ、飛行中に球形になって着弾する。しかし、ノズル面の撥水性、液滴の表面張力(粘度)、相対移動速度、ペーパーギャップ等により、吐出ノズルから吐出される液滴が長く尾を引き、球形になる前に着弾することがある。かかる場合には、インクジェットヘッドに対して相対的に移動する描画対象に液滴を吐出すると、液滴の本体から相対移動方向と逆方向に伸びたインク尾の先端に形成されたインク玉が、本体の着弾ドットの外端からはみ出て着弾する場合がある。このはみ出した部分を、以下「サテライト」と称呼するが、サテライトは、着弾精度を損なうだけでなく混色の原因ともなる。
上記の従来の検査方法では、このようにサテライトの生じた不良ドットは、正常ドットとは異なる形状をしているにもかかわらず、着弾位置が正しい場合、検出することができない。すなわち、上記の方法は、着弾ドットの位置レベルでしか不良ドットを判断できず、インクジェットヘッドの吐出不良を精度よく検査することができない。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑み、インクジェットヘッドの吐出不良を精度良く検査することのできるインクジェットヘッドの吐出検査方法、インクジェットヘッドの吐出検査装置、およびこれを備えた液滴吐出装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のインクジェットヘッドの吐出検査方法は、インクジェットヘッドに対し検査ターゲットを相対的に移動させながら、インクジェットヘッドから液滴を吐出・着弾させる検査吐出工程と、検査ターゲットに吐出・着弾した着弾ドットを画像認識するドット認識工程と、画像認識した着弾ドットを画像処理して検査ドット画像を生成する検査ドット画像生成工程と、生成した検査ドット画像から真円度を算出する真円度算出工程と、算出した検査ドット画像の真円度が所定の閾値を越えたときに、インクジェットヘッドを吐出不良と判定する判定工程と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明のインクジェットヘッドの吐出検査装置は、インクジェットヘッドの検査吐出を受ける検査ターゲットと、インクジェットヘッドに対し検査ターゲットを相対的に移動させながら、インクジェットヘッドから液滴を吐出・着弾させる検査吐出手段と、検査ターゲットに吐出・着弾した着弾ドットを画像認識するドット認識手段と、画像認識した着弾ドットを画像処理して検査ドット画像を生成する検査ドット画像生成手段と、生成した検査ドット画像から真円度を算出する真円度算出手段と、算出した検査ドット画像の真円度が所定の閾値を越えたときに、インクジェットヘッドを吐出不良と判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
上記の構成によれば、真円度算出工程および真円度算出手段において、検査ドット画像(着弾ドット)の真円度を算出するため、インクジェットヘッドから検査ターゲットに吐出・着弾した着弾ドットの形状の異常、主にサテライトの発生を厳密に判定することができる。よって、着弾ドットの位置ずれやドット抜け等の重大な吐出不良が発生する前に、インクジェットの吐出不良を検出することができるため、精度のよい吐出検査を行うことができる。
【0009】
本発明の他のインクジェットヘッドの吐出検査方法は、インクジェットヘッドに対し検査ターゲットを相対的に移動させながら、インクジェットヘッドから液滴を吐出・着弾させる検査吐出工程と、検査ターゲットに吐出・着弾した着弾ドットを画像認識するドット認識工程と、画像認識した着弾ドットを画像処理して検査ドット画像を生成する検査ドット画像生成工程と、生成した検査ドット画像を囲む最小矩形の短辺および長辺の比を算出する最小矩形辺比算出工程と、算出した検査ドット画像の最小矩形辺比が所定の閾値を越えたときに、インクジェットヘッドを吐出不良と判定する判定工程と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明の他のインクジェットヘッドの吐出検査装置は、インクジェットヘッドの検査吐出を受ける検査ターゲットと、インクジェットヘッドに対し検査ターゲットを相対的に移動させながら、インクジェットヘッドから液滴を吐出・着弾させる検査吐出手段と、検査ターゲットに吐出・着弾した着弾ドットを画像認識するドット認識手段と、画像認識した着弾ドットを画像処理して検査ドット画像を生成する検査ドット画像生成手段と、生成した前記検査ドット画像を囲む最小矩形の短辺および長辺の比を算出する最小矩形辺比算出手段と、算出した検査ドット画像の最小矩形辺比が所定の閾値を越えたときに、インクジェットヘッドを吐出不良と判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
上記の構成によれば、最小矩形辺比算出工程および最小矩形辺比算出手段において、検査ドット画像(着弾ドット)を囲む最小矩形の短辺および長辺の比を算出するため、インクジェットヘッドから検査ターゲットに吐出・着弾した着弾ドットの形状の異常、主にサテライトの発生を厳密に判定することができる。よって、着弾ドットの位置ずれやドット抜け等の重大な吐出不良が発生する前に、インクジェットの吐出不良を検出することができるため、精度のよい吐出検査を行うことができる。
【0012】
本発明のさらに他のインクジェットヘッドの吐出検査方法は、インクジェットヘッドに対し検査ターゲットを相対的に移動させながら、インクジェットヘッドから液滴を吐出・着弾させる検査吐出工程と、検査ターゲットに吐出・着弾した着弾ドットを画像認識するドット認識工程と、画像認識した着弾ドットを画像処理して検査ドット画像を生成する検査ドット画像生成工程と、生成した前記検査ドット画像に、独立した2つのドットが近接して存在するか否かを検出する検出工程と、2つのドットが近接して存在する場合に、インクジェットヘッドを吐出不良と判定する判定工程と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明のさらに他のインクジェットヘッドの吐出検査装置は、インクジェットヘッドの検査吐出を受ける検査ターゲットと、インクジェットヘッドに対し記検査ターゲットを相対的に移動させながら、インクジェットヘッドから液滴を吐出・着弾させる検査吐出手段と、検査ターゲットに吐出・着弾した着弾ドットを画像認識するドット認識手段と、画像認識した着弾ドットを画像処理して検査ドット画像を生成する検査ドット画像生成手段と、生成した前記検査ドット画像に、独立した2つのドットが近接して存在するか否かを検出する検出手段と、2つのドットが近接して存在する場合に、インクジェットヘッドを吐出不良と判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
上記の構成によれば、検出工程および検出手段において、着弾ドットを基にした検査ドット画像に、独立した2つのドットが近接して存在するか否かを検出するため、同ノズルから吐出されたと推定される2つのドットを検出することができる。すなわち、形状・位置が吐出不良と判定されない着弾ドットであっても、近接した他のドットを検出することで、同ノズルから複数の着弾ドットが異なる位置に形成される吐出不良(主にサテライトの発生)を検出することができ、精度の良い吐出検査を行うことができる。
【0015】
この場合、検出工程と判定工程との間に、2つのドットの面積を算出する面積算出工程と、基準着弾位置に近い一方のドットS1が、正常ドットの最小面積<S1<正常ドットの最大面積となる第1面積範囲にあるか否か、および基準着弾位置から離れた他方のドットS2が、塵埃の想定最大面積<S2<正常ドットの最小面積となる第2面積範囲にあるか否か、を判定するプレ判定工程と、を更に備え、判定工程では、2つのドットが近接して存在する場合であって、且つ各ドットが第1面積範囲および第2面積範囲内にある場合に、インクジェットヘッドを吐出不良と判定することが好ましい。
【0016】
上記の構成によれば、面積算出工程およびプレ判定工程において、検出工程で検出された独立且つ近接した2つのドットが存在する検査ドット画像のうち、検査ターゲットに付着した塵埃が画像認識されたものを排除することができる。このため、同ノズルから複数の着弾ドットが異なる位置に形成される吐出不良(サテライト)を確実に検出することができる。
【0017】
これら場合、判定工程後に、判定工程において吐出不良と判定されたインクジェットヘッドのクリーニングを指令するクリーニング指令工程を、さらに備えていることが好ましい。
【0018】
上記の構成によれば、クリーニング指令工程により、インクジェットヘッドの吐出不良を早期に解消し、良好な吐出を保つことができる。また、吐出不良と判定されたインクジェットヘッドのみをクリーニングするよう指令するため、効率のよいクリーニングを行うことができる。
【0019】
これらの場合、判定工程後に、判定工程において吐出不良と判定されたインクジェットヘッドの該当吐出ノズルを不使用吐出ノズルとする旨、指令する不使用ノズル指令工程を、さらに備えていることが好ましい。
【0020】
上記の構成によれば、不使用ノズル指令工程により、不良吐出を直ちに解消することができるため、不良吐出による不良品の製造を最小限に抑えることができる。
【0021】
本発明の液滴吐出装置は、描画データに基づいてインクジェットヘッドを吐出駆動し、ワークに描画を行なう液滴吐出装置であって、上記のインクジェットヘッドの吐出検査装置を備えたことを特徴とする。
【0022】
上記の構成によれば、精度の良いインクジェットヘッドの吐出検査を行うことにより、インクジェットヘッドの吐出を良好に保ち、高品位な描画を行うことのできる液滴吐出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】液滴吐出装置の平面模式図である。
【図2】インクジェットヘッドの外観斜視図である。
【図3】検査吐出された着弾ドット列の一部を模式的に表した図である。
【図4】サテライトを有した着弾ドットの一例を模式的に表した図である。
【図5】第1および第2の吐出検査方法のフローチャートである。
【図6】第3の吐出検査方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態に係る液滴吐出装置について説明する。この液滴吐出装置は、フラットパネルディスプレイの製造ラインに組み込まれており、例えば、特殊なインクや発光性の樹脂液である機能液を導入したインクジェットヘッドを用い、液晶表示装置のカラーフィルタや有機EL装置の各画素となる発光素子等を形成(描画)するものである。さらに、液滴吐出装置は、この描画(本吐出)の前後に検査吐出を行い、インクジェットヘッドの吐出性能を検査する。具体的には、吐出・着弾された着弾ドットの不良を判定し、インクジェットヘッドの吐出不良を検査する。
【0025】
図1に示すように、液滴吐出装置1は、描画時において主走査方向となるX軸方向に延在して、ワークWをX軸方向に移動させるX軸テーブル2と、X軸テーブル2を跨ぐように架け渡され、描画時において副走査方向となるY軸方向に延在するY軸テーブル3と、Y軸テーブル3に移動自在に吊設され、複数(12個)のインクジェットヘッド8がそれぞれ搭載された複数のキャリッジユニット4と、を備えている。液滴吐出装置1は、X軸テーブル2およびY軸テーブル3の駆動と同期して、インクジェットヘッド8を選択的に吐出駆動させることにより、ワークWに所定の描画を実施する。なお、キャリッジユニット4は、各図において4つのみ図示しており、また、インクジェットヘッド8は、各図において1つのキャリッジユニット4につき1つのみ図示している。
【0026】
また、液滴吐出装置1は、吸引ユニット15、ワイピングユニット16およびフラッシングユニット17を有し、インクジェットヘッド8をメンテナンスするメンテナンス装置5と、検査吐出のターゲットとなるロール紙ユニット18および画像認識ユニット(ドット認識手段)19を有し、インクジェットヘッド8の吐出検査を行う吐出検査装置6と、を備えている。吸引ユニット15およびワイピングユニット16は、後述するメンテナンスエリア12に配設され、フラッシングユニット17およびロール紙ユニット18は、描画エリア11と後述する検査エリア13との間で移動自在に配設され、さらに画像認識ユニット19は、検査エリア13に配設されている。
【0027】
さらに、液滴吐出装置1は、これら構成装置を統括制御する制御装置(図示省略)を備えると共に、これら構成装置を収容するチャンバ7を備えている。チャンバ7は、プレハブ形式のグリーンブースの形態を有し、その内部は、常時換気を行って、内部雰囲気を一定の温度等に雰囲気調和されている。なお、制御装置は、後述するインクジェットヘッド8の吐出検査も統括的に制御する。
【0028】
X軸テーブル2およびY軸テーブル3の交差領域には、ワークWに描画処理を行う描画エリア11が設定され、描画エリア11からY軸方向に外れたY軸テーブル3の移動領域には、吸引ユニット15およびワイピングユニット16を配設したメンテナンスエリア12が設定されている。また、描画エリア11からX軸方向に外れたX軸テーブル2の一方の移動領域には、上記の吐出検査装置6を配設した検査エリア13が設定され、他方の移動領域には、ワークWを除給するための除給材エリア14が設定されている。
【0029】
X軸テーブル2は、X軸方向に延在する一対のX軸ガイドレール(移動軸)21,21と、一対のX軸ガイドレール21,21に搭載され、ワークWを吸着セットするセットテーブル22と、セットテーブル22をX軸ガイドレール21に沿って移動させるセットテーブル移動機構23と、フラッシングユニット17をX軸ガイドレール21に沿って移動させるフラッシング移動機構24と、ロール紙ユニット18をX軸ガイドレール21に沿って移動させるロール紙ユニット移動機構25と、を有している。
【0030】
セットテーブル移動機構23、フラッシング移動機構24およびロール紙ユニット移動機構25は、これら機構に対応する3つのスライダを有するリニアモーターで構成されており、セットテーブル22、フラッシングユニット17およびロール紙ユニット18は、X軸ガイドレール21上を個別に移動可能に構成されている。また、一対のX軸ガイドレール21は、除給材エリア14、描画エリア11および検査エリア13を縦断するように延在している。また、セットテーブル22およびフラッシングユニット17を、単一のスライダにより一体として移動させるようにしてもよい(図示省略)。
【0031】
Y軸テーブル3は、X軸テーブル2を跨いでY軸方向に延在する一対のY軸ガイドレール26,26と、一対のX軸ガイドレール21,21に掛け渡すように搭載され、各キャリッジユニット4をそれぞれ吊設した複数のブリッジプレート(図示省略)と、各ブリッジプレートを介して複数のキャリッジユニット4をY軸ガイドレール26に沿って移動させるキャリッジ移動機構27と、を有している。キャリッジ移動機構27は、複数のキャリッジユニット4(複数のブリッジプレート)に対応する複数のスライダを有するリニアモーターで構成されており、各キャリッジユニット4を個別に移動可能に構成されている(複数のキャリッジユニット4を一体として移動させることも可能)。また、一対のY軸ガイドレール26,26は、描画エリア11を横断してメンテナンスエリア12まで延びており、Y軸テーブル3は、描画時にインクジェットヘッド8(キャリッジユニット4)を副走査するほか、メンテナンス時にキャリッジユニット4をメンテナンスエリア12に臨ませる。
【0032】
各キャリッジユニット4は、R・G・B・C・M・Yの6色、各2個(計12個)のインクジェットヘッド8と、12個のインクジェットヘッド8を6個ずつ2群に分けて支持するヘッドプレートと、から成るヘッドユニット(図示省略)を備えている。なお、ヘッドユニットには、12個のインクジェットヘッド8が、後述のノズル列39がY軸方向と平行方向になるように配設されている。また、各キャリッジユニット4は、ヘッドユニットをθ回転可能に支持するθ回転機構と、θ回転機構を介して、ヘッドユニットをブリッジプレートに支持させる吊設部材(いずれも図示省略)と、を備えている。なお、キャリッジユニット4の個数および各キャリッジユニット4に搭載されるインクジェットヘッド8の個数は任意である。
【0033】
図2に示すように、インクジェットヘッド8は、2連の接続針34を有する機能液導入部31と、機能液導入部31に連なるヘッド基板32と、ヘッド基板32に連なり機能液を吐出するヘッド本体33と、を備えている。機能液導入部31は、図外の機能液供給装置から機能液の供給を受ける。また、ヘッド本体33は、ピエゾ素子等で構成される2連のポンプ部35と、複数の吐出ノズル37が形成されたノズル面38を有するノズルプレート36と、を有している。ノズルプレート36に形成された複数の吐出ノズル37は、等間隔に並べられており、ノズル列39を2列形成している。そして、2列のノズル列39は、相互に平行且つ半ノズルピッチ位置ズレして列設されている。インクジェットヘッド8は、制御装置(図示省略)から送られる描画データに基づいた駆動波形が、ヘッド基板32を介して各ポンプ部35(圧電素子)に印加されることで、各吐出ノズル37から選択的に機能液を吐出する。
【0034】
図1に示すように、メンテナンスエリア12に配設した吸引ユニット15は、複数のキャリッジユニット4と同数の個別吸引ユニット48から構成されている。各個別吸引ユニット48は、12個のインクジェットヘッド8に対応する12個のヘッドキャップを有するキャップユニットと、キャップユニットに連なる吸引機構と、キャップユニットを昇降させる昇降機構(いずれも図示省略)と、を備えている。個別吸引ユニット48は、保管用・機能液吸引用の密接位置と、フラッシング用の離間位置と、ヘッドユニットの交換やキャップユニットの消耗品交換用の交換位置と、の間でキャップユニットを3段階に昇降させる。
【0035】
ワイピングユニット16は、描画エリア11および吸引ユニット15間に配設されており、ワイピングシートをロール状に巻回した繰出しリールと、繰出しリールから繰出されたワイピングシートを巻取る巻取りリールと、両リール間に掛け渡されたワイピングシートをインクジェットヘッド8に押し付ける押圧ローラー(いずれも図示省略)と、を有している。ワイピングユニット16は、押圧ローラーを介してインクジェットヘッド8にワイピングシートを押し付けながら、ワイピングシートを走行させ、さらに全体をX軸方向に移動させて、各キャリッジユニット4のインクジェットヘッド8のノズル面38を払拭する。
【0036】
フラッシングユニット17は、セットテーブル22に対して検査エリア13側に配設されており、フラッシング移動機構24によりX軸ガイドレール21に対してスライド自在に支持されている。フラッシングユニット17は、インクジェットヘッド8から吐出された機能液を受けるフラッシングボックスと、フラッシングボックス内に溜まった機能液を吸引して排出する吸引排出機構(共に図示省略)と、を備えている。フラッシングユニット17は、ワークWの除給時に、インクジェットヘッド8からの捨て吐出(フラッシング)を受けて、インクジェットヘッド8の機能液吐出を安定させる。
【0037】
なお、図示では省略したが、セットテーブル22のX軸方向両端部には、一対の描画前フラッシングユニットが配設されており、往動および復動の描画動作に移行した移動中のインクジェットヘッド8からフラッシングを受けるようになっている。
【0038】
上記したように、吐出検査装置6は、描画エリア11からX軸方向に外れたX軸テーブル2の一方の領域に設定された検査エリア13に配設されており、ロール紙ユニット18および画像認識ユニット19から構成されている。吐出検査に際し、ロール紙ユニット18は、キャリッジユニット4(インクジェットヘッド8)の直下に移動して、インクジェットヘッド8(検査吐出手段)から検査吐出を受けた後、画像認識ユニット19の直下に移動して画像認識に供される。
【0039】
ロール紙ユニット18は、フラッシングユニット17に対して検査エリア13側に配設されており、ロール紙ユニット移動機構25によりX軸ガイドレール21に対してスライド自在に支持されている。ロール紙ユニット18は、ロール状に巻回した検査シート44を吸着載置する検査ステージ41と、検査ステージ41に検査シート44(検査ターゲット)を繰出す繰出し機構42と、検査後の検査シート44を巻取る巻取り機構43と、を備えている。ロール紙ユニット18は、繰出し機構42により繰出された検査シート44を、検査ステージ41に吸着させた状態で、インクジェットヘッド8からの検査吐出を受ける。そして、ロール紙ユニット18は、巻取り機構43により、検査後の検査シート44を巻取ると共に、新たな検査シート44を検査ステージ41に繰出す。
【0040】
画像認識ユニット19は、ロール紙ユニット18に上方から臨むカメラ51と、カメラ51を支持するカメラ台52と、X軸テーブル2を跨ぐように架け渡され、カメラ台52をY軸方向にスライド自在に支持するカメラフレーム53と、カメラ台52を介してカメラ51をカメラフレーム53に沿ってY軸方向に移動させるカメラ移動機構と、を有している。カメラフレーム53は、X軸テーブル2の両側方に配設された複数本の支柱54と、支柱54に支持され、Y軸方向に延在する一対のカメラガイド55,55と、から構成されており、全体として門型に形成されている。画像認識ユニット19は、カメラ台52を介してカメラ51をY軸方向に移動させながら、検査シート44に検査吐出された着弾ドットDを数ドットずつ連続して画像認識する。なお、カメラ51は、複数台設けられていてもよく、係る場合には、画像認識時間を短縮することができる。
【0041】
さらに、制御装置(検査ドット画像生成手段・判定手段)は、画像認識ユニット19により画像認識した着弾ドットDを、画像処理し、不良判定を行う(詳しくは後述する)。
なお、請求項にいう吐出検査装置は、吐出検査装置6(ロール紙ユニット18および画像認識ユニット19)および制御装置に相当する。
【0042】
続いて、吐出検査を含めた液滴吐出装置1における一連の動作について説明する。セットテーブル22を除給材エリア14に移動し、ワークWを交換すると共に新しいワークWを位置決めセットしている間に、インクジェットヘッド8の直下において、先ずフラッシングユニット17が移動し、インクジェットヘッド8からの捨て吐出を受け、続いてロール紙ユニット18が移動し、インクジェットヘッド8による検査吐出が行われる。なお、この検査吐出では、描画時のワークWと同様に、ロール紙ユニット18(検査シート44)を主走査方向(X軸方向)に移動させながら、インクジェットヘッド8の全吐出ノズル37から吐出が行われる。
【0043】
ワークWのセットおよび検査吐出が終了したら、ロール紙ユニット18、フラッシングユニット17およびセットテーブル22をX軸方向(検査エリア13側)に移動させ、ロール紙ユニット18は検査エリア13に、セットテーブル22は描画エリア11に、それぞれ送り込まれる。そして、フラッシングユニット17がキャリッジユニット4の直下を通過し、セットテーブル22の端部がキャリッジユニット4の直下に達したら、インクジェットヘッド8によりワークWへの描画(本吐出)を開始する。
【0044】
一方、検査吐出後のロール紙ユニット18が画像認識ユニット19の直下に達したら、ロール紙ユニット18の移動を停止させる。続いて、画像認識ユニット19を駆動して検査吐出により吐出・着弾した着弾ドットDを画像認識して、吐出不良を検査する(詳しくは後述する)。また、描画エリア11では、ワークWを主走査方向(X軸方向)に往復動させると共に、キャリッジユニット4を適宜、副走査方向(Y軸方向)に移動させ、ワークWに対して所定の描画が行われる。すなわち、描画エリア11において、ワークWへの描画を実施している間に、検査エリア13において、着弾ドットDの吐出検査が実施される。
【0045】
ワークWへの描画が終了すると、セットテーブル22は除給材エリア14に移動し、同時に、フラッシングユニット17がキャリッジユニット4の直下に移動する。ここで、新旧ワークWの除給材が実施されると共に、給材されたワークWのアライメントが実施される。またこれと並行して、キャリッジユニット4からフラッシングユニット17にフラッシングが行われ、インクジェットヘッド8のメニスカスが良好に維持される。さらに、この間に吐出検査終了後のロール紙ユニット18が、再び描画エリア11に移動し、次の検査吐出に備える。以上の動作を繰り返すことで、ワークWへの描画中およびワークWの除給材中に、インクジェットヘッド8の吐出検査が行われる。
【0046】
なお、吐出検査の結果から、制御装置は、吐出不良と判定された吐出ノズル37の使用中止の指令や、吐出不良と判定されたインクジェットヘッド8をクリーニングする旨の指令を出し、次回の描画に反映させる。吐出不良の吐出ノズル37の使用中止指令(不使用ノズル指令工程)では、いわゆる描画データを一部補正し、吐出不良と判定された吐出ノズル37に替えて、他の吐出ノズル37を用いて描画を行う。一方、インクジェットヘッド8のクリーニング指令では(クリーニング指令工程)、インクジェットヘッド8を吸引ユニット15およびワイピングユニット16に臨ませ、インクジェットヘッド8からの機能液吸引およびノズル面38のワイピングを実施する。この場合には、これらのクリーニング後、再度検査吐出を実施して、インクジェットヘッド8の吐出が正常となったことを確認する。
【0047】
以下、画像認識された各着弾ドットDの不良を判定する方法を中心に吐出検査方法について詳細に説明する。先ず、吐出検査方法(判定方法)の説明に先立って、図3および図4を参照し、本吐出検査において不良と判定される着弾ドットDの一例について説明する。
【0048】
図3は、ロール紙ユニット18の検査シート44にインクジェットヘッド8の全吐出ノズル37から検査吐出が行われた着弾ドットDのドット列DLの一部を模式的に表している。描画時のワークWと同様に検査シート44を主走査方向(X軸方向)に移動させながら吐出検査を行うことにより、着弾ドットD1,D2に示すような不良ドットが発生したものとする。
図4(a)は、吐出ノズル37から吐出され飛行中の液滴60の拡大縦断面図であり、図4(b),(c)は、図3の着弾ドットD1,D2のそれぞれの拡大正面図である。
【0049】
図4(a)に示すように、吐出ノズル37から吐出された液滴60は、ノズル面38の撥水性、液滴の表面張力(粘度)、液滴の飛行速度等により、液滴本体61から吐出方向と逆方向にインク尾62を引き、インク尾62の先端には、液滴本体61よりも小型のインク玉63が形成される。この液滴60が球形になる前に検査シート44に着弾すると、キャリッジユニット4に対する検査シート44の主走査方向の移動およびペーパーギャップ等により、インク玉63が、液滴本体61が着弾した本体着弾ドット64の外端から、移動方向(主走査方向)と逆方向にはみ出て着弾し、サテライトドット65が形成される(同図(b)参照)。さらに、このサテライトドット65が、本体着弾ドット64の外端から離れて着弾する場合もある(同図(c)参照)。このようなサテライトドット65は、液滴60の着弾精度を損なうだけでなく、その他の着弾ドットDとの混色の原因ともなる。本吐出検査は、このようなサテライトドット65の発生を想定して、3種の判定方法により、着弾ドットDの不良を判定するものである。
【0050】
図5のフローチャートを参照し、第1の吐出検査方法について説明する。先ず、検査シート44に対して全吐出ノズル37から機能液を吐出・着弾させる(S01:検査吐出工程)。そして、画像認識ユニット19により吐出・着弾した複数の着弾ドットDを画像認識する(S02:ドット認識工程)。画像認識された各着弾ドットDは、制御装置にて画像処理され、検査ドット画像が生成される(S03:検査ドット画像生成工程)。そして、制御装置により検査ドット画像における各着弾ドットDの真円度Aがそれぞれ算出される(S04:真円度算出工程)。真円度Aは、具体的に、A=L2/4x2πS(L:境界線長、S:面積)により算出される。
【0051】
真円の着弾ドットDは真円度A=1であり、図4(b)および(c)に示すようなサテライトドット65を有する着弾ドットDは、真円度A>1となる。真円度算出工程の算出結果において、真円度Aが所定の閾値を超えた着弾ドットDは不良と判定され、この着弾ドットDを吐出した吐出ノズル37は吐出不良と判定される(S05:判定工程)。制御装置は、吐出不良と判定された吐出ノズル37があった場合(S05;YES)、該当吐出ノズル37について、不使用とする旨を指令し(S06:不使用ノズル指令工程)、描画データを補正する。さらに、吐出不良と判定された吐出ノズル37(不使用ノズル)の数が、1つのインクジェットヘッド8において所定数を越えた場合には(S07;YES)、制御装置は、吸引ユニット15およびワイピングユニット16により該当インクジェットヘッド8をクリーニング(機能回復)する旨を指令し(S08:クリーニング指令工程)、吐出検査を終了する。
一方、吐出不良と判定された吐出ノズル37がなかった場合(S05;NO)、或いは、吐出不良と判定された吐出ノズル37の数が、1つのインクジェットヘッド8において所定数を超えなかった場合は(S07;NO)、そのまま吐出検査が終了される。
【0052】
続いて、第2の吐出検査方法について説明する。この第2の吐出検査方法では、第1の吐出検査方法のS01において真円度算出工程に替わって、各着弾ドットDを囲む最小矩形の短辺の長さaと長辺の長さbとの比(最小矩形辺比B=b/a)を算出する(最小矩形辺比算出工程)。真円の着弾ドットDは最小矩形辺比B=1であり、図4(b)および(c)に示すようなサテライトドット65を有する着弾ドットDは、最小矩形辺比B>1となる。そして、判定工程においては、最小矩形辺比Bが所定の閾値を超えた着弾ドットDが不良と判定され、この着弾ドットDを吐出した吐出ノズル37は吐出不良と判定される。その他の工程は、第1の判定方法による吐出検査方法と同様の工程を経る。
【0053】
上記の第1および第2の吐出検査方法によれば、画像処理された着弾ドットDの真円度A或いは最小矩形辺比Bを算出するため、インクジェットヘッド8から検査シート44に吐出・着弾した着弾ドットDの形状の異常、主にサテライトドット65の発生を厳密に判定することができる。よって、着弾ドットDの位置ずれやドット抜け等の重大な吐出不良が発生する前に、インクジェットヘッド8の吐出不良を検出することができるため、精度のよい吐出検査を行うことができる。
なお、これらの第1および第2の吐出検査方法は、サテライトドット65を有する着弾ドットDのみならず、機能液の吐出不足等の原因による異常形状の着弾ドットDの検出にも有効であることは言うまでもない。
【0054】
最後に、図6のフローチャートを参照し、第3の吐出検査方法について説明する。本吐出検査方法は、図4(c)に示すような、サテライトドット65が本体着弾ドット64の外端から離れて着弾した着弾ドットDの検出に有効である。
第1および第2の吐出検査方法と同様に、検査吐出工程(S01)、ドット認識工程(S02)および検査ドット画像生成工程(S03)を経た後、検査ドット画像における複数の着弾ドットDのうち、例えば、制御装置に記憶された、各着弾ドットDが着弾すべき基準着弾領域を示す基準着弾データと、検査ドット画像と、を照らし合わせることにより、1の基準着弾領域内に2つの独立した着弾ドットDが存在するか否かを検出する(S09:検出工程)。
【0055】
2つの独立した着弾ドットDが存在する場合(S09;YES)、検出された2つの着弾ドットd1,d2の面積Sをそれぞれ算出し(S10:面積算出工程)、この算出結果から、基準着弾位置(基準着弾領域の中心)に近い一方の着弾ドットd1(本体着弾ドット64と想定される)の面積S1が、正常ドットの最小面積<S1<正常ドットの最大面積となる第1面積範囲にあるか否か、基準着弾位置から離れた他方の着弾ドットd2(サテライトドット65と想定される)の面積S2が、塵埃の想定最大面積<S2<正常ドットの最小面積となる第2面積範囲にあるか否か、を判定する(S11:プレ判定工程)。プレ判定工において、面積S1,S2が、それぞれ第1面積範囲および第2面積範囲の範囲内にあると判定され(S11;YES)、2つの着弾ドットd1,d2の外端の最短距離が所定の閾値を越えない場合、2つの着弾ドットd1,d2は不良と判定される(S12:判定工程)。その後、第1および第2の吐出検査方法と同様の工程を経て吐出検査を終了する。
【0056】
一方、検出工程において、1の基準着弾領域内に2つの独立した着弾ドットd1,d2が検出されなかった場合(S09;NO)、プレ判定工程において、着弾ドットd1,d2が全て第1面積範囲および第2面積範囲の範囲外にあると判定された場合(S11;NO)、および不良ドット判定工程において、着弾ドットd1,d2の外端の最短距離が全て所定の閾値を越えた場合(S12;NO)、或いは、吐出不良と判定された吐出ノズル37の数が、1つのインクジェットヘッド8において所定数を超えなかった場合(S07;NO)、そのまま吐出検査が終了される。
【0057】
上記の第3の吐出検査方法によれば、同一の吐出ノズル37から吐出されたと推定される2つの着弾ドットd1,d2を検出することができる。すなわち、形状・位置が吐出不良と判定されない着弾ドットDであっても、近接した他の着弾ドットDを検出することで、サテライトドット65の発生を検出することができ、精度の良い吐出検査を行うことができる。また、特にサテライトドット65と推定される着弾ドットd2の面積を算出することにより、検査シート44に付着した塵埃が画像認識されたものを排除することができ、確実にサテライトドット65を検出することができる。
【0058】
上記の吐出検査装置6を搭載した液滴吐出装置1によれば、精度の良い吐出検査を行うことにより、インクジェットヘッド8の吐出を良好に保ち、高品位な描画を行うことができる。
【0059】
なお、上記の3種の吐出検査方法をそれぞれ組み合わせる、或いは、上記の吐出検査方法に、着弾ドットDの位置ずれ・ドット抜け等を検査する公知の吐出検査方法を組み合わせることで、より精度の良い吐出検査を実施することができる。
【符号の説明】
【0060】
1:液滴吐出装置 6:吐出検査装置 8:インクジェットヘッド 18:ロール紙ユニット 19:画像認識ユニット 44:検査シート 60:液滴 64:本体着弾ドット 65:サテライトドット D:着弾ドット A:真円度 B:最小矩形辺比

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェットヘッドに対し検査ターゲットを相対的に移動させながら、前記インクジェットヘッドから液滴を吐出・着弾させる検査吐出工程と、
前記検査ターゲットに吐出・着弾した着弾ドットを画像認識するドット認識工程と、
前記画像認識した着弾ドットを画像処理して検査ドット画像を生成する検査ドット画像生成工程と、
生成した前記検査ドット画像から真円度を算出する真円度算出工程と、
算出した前記検査ドット画像の真円度が所定の閾値を越えたときに、前記インクジェットヘッドを吐出不良と判定する判定工程と、
を備えたことを特徴とするインクジェットヘッドの吐出検査方法。
【請求項2】
インクジェットヘッドに対し検査ターゲットを相対的に移動させながら、前記インクジェットヘッドから液滴を吐出・着弾させる検査吐出工程と、
前記検査ターゲットに吐出・着弾した着弾ドットを画像認識するドット認識工程と、
前記画像認識した着弾ドットを画像処理して検査ドット画像を生成する検査ドット画像生成工程と、
生成した前記検査ドット画像を囲む最小矩形の短辺および長辺の比を算出する最小矩形辺比算出工程と、
算出した前記検査ドット画像の最小矩形辺比が所定の閾値を越えたときに、前記インクジェットヘッドを吐出不良と判定する判定工程と、
を備えたことを特徴とするインクジェットヘッドの吐出検査方法。
【請求項3】
インクジェットヘッドに対し検査ターゲットを相対的に移動させながら、前記インクジェットヘッドから液滴を吐出・着弾させる検査吐出工程と、
前記検査ターゲットに吐出・着弾した着弾ドットを画像認識するドット認識工程と、
前記画像認識した着弾ドットを画像処理して検査ドット画像を生成する検査ドット画像生成工程と、
生成した前記検査ドット画像に、独立した2つのドットが近接して存在するか否かを検出する検出工程と、
前記2つのドットが近接して存在する場合に、前記インクジェットヘッドを吐出不良と判定する判定工程と、
を備えたことを特徴とするインクジェットヘッドの吐出検査方法。
【請求項4】
前記検出工程と前記判定工程との間に、
前記2つのドットの面積を算出する面積算出工程と、
基準着弾位置に近い一方のドットS1が、正常ドットの最小面積<S1<正常ドットの最大面積となる第1面積範囲にあるか否か、および前記基準着弾位置から離れた他方のドットS2が、塵埃の想定最大面積<S2<正常ドットの最小面積となる第2面積範囲にあるか否か、を判定するプレ判定工程と、を更に備え、
前記判定工程では、前記2つのドットが近接して存在する場合であって、且つ前記各ドットが前記第1面積範囲および前記第2面積範囲内にある場合に、前記インクジェットヘッドを吐出不良と判定することを特徴とする請求項3に記載のインクジェットヘッドの吐出検査方法。
【請求項5】
前記判定工程後に、前記判定工程において吐出不良と判定された前記インクジェットヘッドのクリーニングを指令するクリーニング指令工程を、さらに備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のインクジェットヘッドの吐出検査方法。
【請求項6】
前記判定工程後に、前記判定工程において吐出不良と判定された前記インクジェットヘッドの該当吐出ノズルを不使用吐出ノズルとする旨、指令する不使用ノズル指令工程を、さらに備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のインクジェットヘッドの吐出検査方法。
【請求項7】
インクジェットヘッドの検査吐出を受ける検査ターゲットと、
前記インクジェットヘッドに対し前記検査ターゲットを相対的に移動させながら、前記インクジェットヘッドから液滴を吐出・着弾させる検査吐出手段と、
前記検査ターゲットに吐出・着弾した着弾ドットを画像認識するドット認識手段と、
前記画像認識した着弾ドットを画像処理して検査ドット画像を生成する検査ドット画像生成手段と、
生成した前記検査ドット画像から真円度を算出する真円度算出手段と、
算出した前記検査ドット画像の真円度が所定の閾値を越えたときに、前記インクジェットヘッドを吐出不良と判定する判定手段と、
を備えたことを特徴とするインクジェットヘッドの吐出検査装置。
【請求項8】
インクジェットヘッドの検査吐出を受ける検査ターゲットと、
前記インクジェットヘッドに対し前記検査ターゲットを相対的に移動させながら、前記インクジェットヘッドから液滴を吐出・着弾させる検査吐出手段と、
前記検査ターゲットに吐出・着弾した着弾ドットを画像認識するドット認識手段と、
前記画像認識した着弾ドットを画像処理して検査ドット画像を生成する検査ドット画像生成手段と、
生成した前記検査ドット画像を囲む最小矩形の短辺および長辺の比を算出する最小矩形辺比算出手段と、
算出した前記検査ドット画像の最小矩形辺比が所定の閾値を越えたときに、前記インクジェットヘッドを吐出不良と判定する判定手段と、
を備えたことを特徴とするインクジェットヘッドの吐出検査装置。
【請求項9】
インクジェットヘッドの検査吐出を受ける検査ターゲットと、
前記インクジェットヘッドに対し前記検査ターゲットを相対的に移動させながら、前記インクジェットヘッドから液滴を吐出・着弾させる検査吐出手段と、
前記検査ターゲットに吐出・着弾した着弾ドットを画像認識するドット認識手段と、
前記画像認識した着弾ドットを画像処理して検査ドット画像を生成する検査ドット画像生成手段と、
生成した前記検査ドット画像に、独立した2つのドットが近接して存在するか否かを検出する検出手段と、
前記2つのドットが近接して存在する場合に、前記インクジェットヘッドを吐出不良と判定する判定手段と、
を備えたことを特徴とするインクジェットヘッドの吐出検査装置。
【請求項10】
描画データに基づいてインクジェットヘッドを吐出駆動し、ワークに描画を行なう液滴吐出装置であって、
請求項7ないし9に記載のインクジェットヘッドの吐出検査装置を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−131483(P2011−131483A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−292663(P2009−292663)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】