説明

インドール化合物

式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体(式(I)ここで、X、R1、R2およびR3は、本明細書で定義したとおりである)、かかる化合物の製造方法、かかる化合物を含む医薬組成物および医薬におけるかかる化合物の使用。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インドール化合物、それらの製造方法、それらを含有する医薬組成物、および医薬におけるそれらの使用、特に、EP1受容体でのPGE2の作用により媒介される状態の治療におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
EP1受容体は、7回膜貫通型受容体であり、その天然リガンドは、プロスタグランジンPGE2である。PGE2は他のEP受容体(EP2型、EP3型およびEP4型)に対しても親和性を有する。EP1受容体は、平滑筋収縮、疼痛(特に、炎症性、神経因性および内臓性)、炎症、アレルギー活性、腎臓制御および胃粘液分泌または腸管粘液分泌に関与している。本発明者らは、この度、EP1受容体に対して高い親和性で結合する新規な化合物群を見出した。
【0003】
多くの論文が、プロスタノイド受容体の特徴付けおよび治療的関連性ならびに最も一般的に使用される選択的アゴニストおよびアンタゴニストについて記載している:非特許文献1および非特許文献2および非特許文献3。非特許文献4の論文は、プロスタグランジンE2(PGE2)が、マウスの脊髄において、EP1受容体サブタイプを介して異痛を発現し、EP2受容体およびEP3受容体を介して痛覚過敏を発現することを示唆している。さらにまた、非特許文献5の論文は、EP1ノックアウトマウスにおいて痛覚感受性反応が約50%減少することを示している。Anesthesia and Analgesiaからの2つの研究論文は、EP1受容体アンタゴニスト(ONO−8711)がラットの慢性狭窄損傷モデルにおいて痛覚過敏および異痛を減少させること(非特許文献6)、および同アンタゴニストが齧歯類の術後痛モデルにおいて機械的な痛覚過敏を阻害すること(非特許文献7)を示している。非特許文献8は、ヒトの過敏症モデルでの内臓痛の治療におけるEP1受容体アンタゴニストの効力を立証している。かくして、選択的プロスタグランジンリガンド、アゴニストまたはアンタゴニストに依存してプロスタグランジンE受容体サブタイプが考慮され、それらは、慣用の非ステロイド性抗炎症薬と同様の抗炎症性、抗発熱性および鎮痛性を有し、加えて、ホルモン誘発性子宮収縮を阻害し、抗癌効果を有する。これらの化合物は、広範囲なシクロオキシゲナーゼ阻害剤であるNSAIDの機序に基づく副作用のいくつかを誘発する能力を低下させる。特に、該化合物は、胃腸毒性を低下させる能力、腎副作用を減少させる能力、出血時間を減少させる効果およびアスピリン感受性喘息患者における喘息発作誘発を低下させる能力を有する。さらにまた、潜在的に有益なプロスタグランジン経路を割愛することにより、これらの剤は、NSAIDSおよび/またはCOX−2阻害剤よりも増強された効果を有することができる。
【0004】
非特許文献9における研究は、ラットにおけるPGE2誘発性の体温上昇が主にEP1受容体を介して媒介されることを示唆している。
【0005】
特許文献1(1996年3月7日)、特許文献2(1996年4月25日)、特許文献3(1997年1月8日)、特許文献4(2001年3月22日)、特許文献5(2003年10月16日)、特許文献6(2003年12月11日)、特許文献7(2004年5月13日)、特許文献8(2004年9月30日)、特許文献9(2005年4月28日)、特許文献10(2005年4月28日)、特許文献11(2005年4月28日)、特許文献12(2005年5月6日)、特許文献13(2005年6月16日)、特許文献14(2005年11月17日)、特許文献15(2006年6月29日)、特許文献16(2006年11月2日)、特許文献17(2006年11月2日)、特許文献18(2006年11月2日)には、プロスタグランジン媒介疾患の治療に有用な化合物が開示されている。
【0006】
非特許文献10には、ヒトEP1プロスタノイド受容体に対するリガンドとしての2,3−ジアリールチオフェン類が開示されている。非特許文献11には、EP1受容体アンタゴニストとしての2,3−ジアリールチオフェン類が開示されている。非特許文献12にはまた、選択的EP1受容体アンタゴニストとしての2,3−ジアリールチオフェンが開示されている。
【0007】
非特許文献13、非特許文献14、非特許文献15、非特許文献16、非特許文献17、非特許文献18、非特許文献19、非特許文献20は、EP1受容体アンタゴニスト化合物に関するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第96/06822号
【特許文献2】国際公開第96/11902号
【特許文献3】欧州特許出願公開第752421号明細書
【特許文献4】国際公開第01/19814号
【特許文献5】国際公開第03/084917号
【特許文献6】国際公開第03/101959号
【特許文献7】国際公開第2004/039753号
【特許文献8】国際公開第2004/083185号
【特許文献9】国際公開第2005/037786号
【特許文献10】国際公開第2005/037793号
【特許文献11】国際公開第2005/037794号
【特許文献12】国際公開第2005/040128号
【特許文献13】国際公開第2005/054191号
【特許文献14】国際公開第2005/108369号
【特許文献15】国際公開第2006/066968号
【特許文献16】国際公開第2006/114272号
【特許文献17】国際公開第2006/114274号
【特許文献18】国際公開第2006/114313号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Eicosanoids; From Biotechnology to Therapeutic Applications, Folco, Samuelsson, Maclouf, and Velo eds, Plenum Press, New York, 1996, chap. 14, 137-154
【非特許文献2】Journal of Lipid Mediators and Cell Signalling, 1996, 14, 83-87
【非特許文献3】Prostanoid Receptors, Structure, Properties and Function, S Narumiya et al, Physiological Reviews 1999, 79(4), 1193-126
【非特許文献4】The British Journal of Pharmacology, 1994, 112, 735-740
【非特許文献5】The Journal of Clinical Investigation, 2001, 107(3), 325
【非特許文献6】Anesthesia and Analgesia, 2001, 93, 1012-7
【非特許文献7】Anesthesia and Analgesia, 2001, 92, 233-238
【非特許文献8】S. Sarkar et al in Gastroenterology, 2003, 124(1), 18-25
【非特許文献9】The American Physiological Society (1994, 267, R289-R-294)
【非特許文献10】P. Lacombe et al (220th National Meeting of The American Chemical Society, Washington D.C., USA, 20-24 August, 2000)
【非特許文献11】Y. Ducharme et al (18th International Symposium on Medicinal Chemistry; Copenhagen, Denmark and Malmo, Sweden; 15th-19th August 2004)
【非特許文献12】Y. Ducharme et al, Biorg. Med. Chem. Lett., 2005, 15(4): 1155
【非特許文献13】S.C.McKeown et al, Bioorg. Med. Chem. Lett., 2007, 17, 1750
【非特許文献14】A. Hall et al, Bioorg. Med. Chem. Lett., 2007, 17, 1200
【非特許文献15】A. Hall et al, Bioorg. Med. Chem. Lett., 2007, 17, 916
【非特許文献16】A. Hall et al, Bioorg. Med. Chem. Lett., 2007, 17, 732
【非特許文献17】G.M.P. Giblin et al, Bioorg. Med. Chem. Lett., 2007, 17, 385-389
【非特許文献18】S.C.McKeown et al, Bioorg. Med. Chem. Lett., 2006, 16(18), 4767-4771
【非特許文献19】A. Hall et al, Bioorg. Med Chem. Lett., 2006, 16(14), 3657-3662
【非特許文献20】A. Hall et al, Bioorg. Med. Chem. Lett., 2006, 16(10), 2666-2671
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この度、新規なインドールおよびインダゾール誘導体群がEP1受容体でのPGE2の作用により媒介される状態の治療に有用であることを示すことが示唆される。かかる状態としては、疼痛、または炎症性障害、免疫障害、骨障害、神経変性性障害もしくは腎障害が挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
したがって、本発明は、式(I):
【化1】

[式中、
1は、−CF3、塩素または臭素を表し;
2は、イソプロピル、イソブチルまたは−(CH2)2−t−ブチルを表し;
Xは、CHまたはNを表し;
3は、式(i)〜(iv):
【化2】

で示される基を表し;
4は、−CO−NH−R5、−NH−CO−R6、−CO−ピロリジニルまたは式(v)〜(viii):
【化3】

で示される基を表し;
4aは、水素、−CH2OHまたは−CH2−NRabを表し;
4cは、水素またはメチルを表し;
4dは、水素、−CH2OHまたは置換されていてもよいフェニルを表し;
5は、水素、−(CH2)3−OH、ピリジル、または置換されていてもよいフェニルを表し;
6は、t−ブチル、シクロペンチル、NRab、ピリジルまたは置換されていてもよいフェニルもしくはベンジルを表し;
aおよびRbは、独立して、水素またはC1-3アルキルを表すか、または、RaおよびRbは、それらが結合している窒素と一緒になって、N−ピロリジニル、N−ピペリジニルまたはN−モルホリニル環を形成し;
YおよびZの一方は、CHを表し、他方はNを表す;
ただし、R2が−(CH2)2−t−ブチルを表す場合、R3は、式(iii)または(iv)で示される基を表し、R2がイソプロピルを表す場合、R3は、式(ii)で示される基を表し、R4は、−CO−NH−R5を表し、R5は、2−アミノフェニルを表す]
で示される化合物から選択される1種類またはそれ以上の化学物質またはそれらの誘導体を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
4dおよびR6におけるフェニルについての任意の置換基は、置換されていてもよいC1-6アルキル(例えば、メチル)、C1-6アルコキシ(例えば、メトキシ)、シアノ、アミノ、置換されていてもよいC1-6アルキルアミノ、ヒドロキシ、HOC1-4アルキル(例えば、HOCH2)、−CH2−O−CO−CH3およびハロゲン(例えば、フッ素)から選択される。
【0013】
5におけるフェニルについての任意の置換基は、置換されていてもよいC1-6アルキル(例えば、メチル)、シアノ、アミノ、置換されていてもよいC1-6アルキルアミノ、ヒドロキシ、HOC1-4アルキル(例えば、HOCH2)、−CH2−O−CO−CH3およびハロゲン(例えば、フッ素)から選択される。
【0014】
好適には、R1は臭素または塩素を表す。さらなる実施態様では、R1は塩素を表す。
【0015】
好適には、R2は、イソブチルを表す。
【0016】
好適には、R3は、式(ii):
【化4】

で示される基を表す。
【0017】
式(I)で示される化合物としては、実施例1〜56の化合物およびそれらの誘導体が挙げられる。
【0018】
式(I)で示される特定の化合物としては、実施例36、38、41、42、43および45の化合物が挙げられる。
【0019】
実施例の一の化合物には、実施例19がある。
【0020】
実施例の化合物には、EP3に対するよりもEP1に対する方が選択的であるものがある。実施例の化合物には、30倍よりも大きい選択性を有するものがある。
【0021】
式(I)で示される化合物の誘導体としては、式(I)で示される化合物の塩、溶媒和物(水和物を含む)、塩の溶媒和物(水和物を含む)、エステルおよび多形体が挙げられる。式(I)で示される化合物の誘導体は、医薬上許容される誘導体を包含する。
【0022】
本発明は、式(I)の全ての異性体およびそれらの医薬上許容される誘導体を包含し、全ての幾何異性体、互変異性体および光学異性体ならびにそれらの混合物(例えば、ラセミ混合物)を包含する。式(I)で示される化合物にさらなるキラル中心が存在する場合、本発明は、その範囲内に、全ての起こり得るジアステレオ異性体(それらの混合物を包含する)を包含する。異なる異性体形態は、慣用の方法により1つのものを他のものから分離または分割することができるか、または、慣用の合成法または立体特異的合成法もしくは不斉合成法により所定の異性体を得ることができる。
【0023】
本発明はまた、1個またはそれ以上の原子が、自然界にて通常見られる原子量または質量数とは異なる原子量または質量数を有する原子と置き換えられたこと以外は式(I)で示される化合物と同一である同位体標識化合物を含む。本発明の化合物に取り込まれ得る同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、ヨウ素および塩素の同位体が挙げられ、例えば、2H、3H、11C、14C、18F、35S、123Iおよび125Iが挙げられる。
【0024】
上記同位体および/または他の原子の他の同位体を含有する本発明の化合物および該化合物の医薬上許容される誘導体(例えば、塩)は本発明の範囲内である。本発明の同位体標識化合物、例えば、3Hおよび/または14Cのような放射性同位体が取り込まれているものは、薬物および/または基質組織分布アッセイに有用である。3Hおよび14Cは、それらの製造の容易さおよび検出能のために有用であると考えられる。11Cおよび18F同位体は、PET(陽電子放射型断層撮影)に有用であると考えられ、125I同位体は、SPECT(単一光子放射型コンピューター断層撮影)に有用であると考えられ、全て、脳画像診断に有用である。さらに、2Hのようなより重い同位体での置換は、大きい代謝安定性によりもたらされるある種の治療的利点、例えば、インビボ半減期の増加または必要用量の減少をもたらすことができ、故に、状況によっては有用であると考えられる。本発明の式(I)の同位体標識化合物は、一般に、同位体標識されていない試薬の代わりに容易に入手可能な同位体標識試薬を用いることによって下記スキームおよび/または下記実施例に記載されている方法を行うことにより製造され得る。
【0025】
他に指摘しない限り、本明細書では以下の定義を使用する。
【0026】
「医薬上許容される誘導体」なる用語は、式(I)で示される化合物の医薬上許容される塩、溶媒和物、エステル、または塩もしくはエステルの溶媒和物、または、受容者への投与後に(直接または間接的に)式(I)で示される化合物となり得る他の化合物を意味する。一の態様では、「医薬上許容される誘導体」なる用語は、医薬上許容される塩、溶媒和物、または塩の溶媒和物を意味する。別の態様では、「医薬上許容される誘導体」なる用語は、医薬上許容される塩を意味する。
【0027】
当然のことながら、医薬用途について、上記誘導体は、医薬上許容される誘導体であるが、他の誘導体は、例えば式(I)で示される化合物およびその医薬上許容される誘導体の製造における使用を見出すことができる。
【0028】
医薬上許容される塩としては、Berge, Bighley and Monkhouse, J. Pharm. Sci., 1977, 66, 1-19によって記載されているものが挙げられる。「医薬上許容される塩」なる用語は、無機塩基および有機塩基を包含する医薬上許容される塩基から製造される塩をいう。無機塩基から誘導される塩としては、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン塩、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛および同類のものが挙げられる。医薬上許容される有機塩基から誘導される塩としては、第一、第二および第三アミン;天然の置換アミンを包含する置換アミン;ならびに環状アミンの塩が挙げられる。特定の医薬上許容される有機塩基としては、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N'−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチル−モルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン(hydrabamine)、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS、トロメタモール)および同類のものが挙げられる。塩はまた、塩基性イオン交換樹脂、例えばポリアミン樹脂から形成することもできる。本発明の化合物が塩基性である場合、塩は、無機酸および有機酸を含む医薬上許容される酸から製造され得る。かかる酸としては、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、パモン酸、パントテン酸、リン酸、プロピオン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、および同類のものが挙げられる。
【0029】
式(I)で示される化合物は、結晶形態または非結晶形態で製造することができ、水和化または溶媒和化されていてもよい。本発明は、その範囲に、化学量論的水和物、および可変量の水を含有する化合物を含む。
【0030】
好適な溶媒和物としては、水和物のような医薬上許容される溶媒和物が挙げられる。
【0031】
溶媒和物は、化学量論的溶媒和物および非化学量論的溶媒和物を含む。
【0032】
式(I)で示される化合物は、下記スキームおよび実施例に記載するように製造することができる。以下の方法は、本発明の別の態様を成す。
【0033】
XがCHを表し、R2がイソブチルまたは−(CH2)2−t−ブチルを表し、R3が式(ii)で示される基を表し、R4が−CO−NH−R5を表す式(I)で示される化合物は、下記スキーム1に示される一般的な経路によって製造することができる:
【0034】
【化5】

ここで、R1は、上記定義と同じであり、Rは、イソプロピルまたは−CH2−t−ブチルを表し、L1は、ハロゲン原子(例えば、塩素)のような好適な脱離基を表し、L2は、ハロゲン原子(例えば、臭素)のような好適な脱離基を表す。
【0035】
工程(i)は、典型的には、臭化メチルマグネシウムおよび塩化亜鉛のような好適な試薬の存在下における式(II)で示される化合物と式L1−CO−Rで示される化合物との反応を含む。
【0036】
工程(ii)は、典型的には、好適な還元剤(例えば、水素化アルミニウムリチウムまたは水素化ホウ素ナトリウム)の存在下における還元反応を含む。
【0037】
工程(iii)は、典型的には、好適な溶媒(例えば、トルエン)の存在下での好適な触媒(例えば、ヨウ化銅(I))および好適な塩基(例えば、リン酸カリウム)および好適なアミンの存在下における式(IV)で示される化合物と式(V)で示される化合物とのBuchwaldカップリング反応を含む。
【0038】
工程(iv)は、典型的には、式(VI)で示される化合物の水酸化ナトリウムによる処理を含む。
【0039】
工程(v)は、典型的には、式(VII)で示される化合物を塩化オキサリルで処理し、次いで、式NH2−R5で示される化合物で処理することを含む。別法としては、工程(v)はまた、EDAC、HOBtおよび式NH2−R5で示される化合物の存在下で行うこともできる。
【0040】
XがCHを表し、R2がイソプロピルを表し、R3が式(ii)で示される基を表し、R4が−CO−NH−R5を表す式(I)で示される化合物は、下記スキーム2に示される一般的な経路によって製造することができる:
【0041】
【化6】

ここで、R1、R5およびL2は、上記定義と同じである。
【0042】
工程(i)は、典型的には、好適な塩基(例えば、リチウムジイソプロピルアミド)の存在下における式(VIII)で示される化合物と好適なアルキル化剤(例えば、1−ブロモ−3−メチルブタ−2−エン)との反応を含む。
【0043】
工程(ii)は、典型的には、好適な溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド)中での好適な触媒(例えば、酢酸パラジウム)の存在下における分子内Heckカップリング反応を含む。
【0044】
工程(iii)、(iv)および(v)は、スキーム1の工程(iii)、(iv)および(v)と類似の方法で行うことができる。
【0045】
当然のことながら、R4が−CO−ピロリジニルを表す式(I)で示される化合物は、R4が−CO−NH−R5を表す化合物についてのスキーム1および2に記載した方法と類似の方法で製造され得る。
【0046】
XがCHを表し、R2がイソブチルまたは−(CH2)2−t−ブチルを表し、R3が式(ii)で示される基を表し、R4が−NH−CO−R6を表す式(I)で示される化合物は、下記スキーム3に示される一般的な経路によって製造することができる:
【0047】
【化7】

ここで、R1、RおよびL1は、上記定義と同じであり、P1は、好適な保護基(例えば、Boc)を表す。
【0048】
工程(i)は、典型的には、好適な塩基(例えば、トリエチルアミン)および好適な溶媒(例えば、t−ブチルアルコール)の存在下、式(VII)で示される化合物をジフェニルホスホリルアジドで処理することを含む。
【0049】
工程(ii)は、典型的には、保護基P1の除去(例えば、P1がBocである場合には、保護基P1を除去するために好適な酸(例えば、塩酸)を使用する)、次いで、式L3−CO−R6(ここで、L3は、好適な脱離基(例えば、ハロゲン原子(例えば、塩素))を表し、R6は、上記定義と同じである)で示される化合物との反応を含む。
【0050】
XがCHを表し、R2がイソブチルまたは−(CH2)2−t−ブチルを表し、R3が式(ii)で示される基を表し、R4が式(v)で示される基を表す式(I)で示される化合物は、下記スキーム4に示される一般的な経路によって製造することができる:
【0051】
【化8】

ここで、R1、RおよびL1は上記定義と同じである。
【0052】
工程(i)は、典型的には、式(IA)aで示される化合物を酢酸およびプロピオン酸の混合物で処理することを含む。
【0053】
工程(ii)は、典型的には、好適な還元剤(例えば、水素化アルミニウムリチウム)の存在下での還元反応を含む。
【0054】
工程(iii)は、典型的には、好適な抗酸化剤(例えば、Dess Martin Periodinane)を使用する酸化反応を含む。
【0055】
工程(iv)は、典型的には、好適な溶媒(例えば、ジクロロメタン)中、好適な還元剤(例えば、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム)および好適な酸(例えば、酢酸)の存在下での式(XV)で示される化合物と式NHRab(ここで、RaおよびRbは、上記定義と同じである)で示される化合物との反応を含む。
【0056】
当然のことであるが、R4が式(vi)で示される基を表す式(I)で示される化合物は、R4が式(v)で示される基を表す化合物についてのスキーム4に記載の方法と類似の方法で製造することができる。
【0057】
XがCHを表し、R2がイソブチルまたは−(CH2)2−t−ブチルを表し、R3が式(ii)で示される基を表し、R4が式(viii)で示される基を表し、R4dが−CH2OHを表す式(I)で示される化合物は、下記スキーム5に示される一般的な経路によって製造することができる:
【0058】
【化9】

ここで、R1およびRは、上記定義と同じである。
【0059】
工程(i)は、典型的には、式(IA)bで示される化合物を好適な脱水剤(例えば、塩化ホスホリル)で処理することを含む。
【0060】
工程(ii)は、典型的には、好適な溶媒(例えば、メタノール)中、塩基(例えば、重炭酸ナトリウム)の存在下で式(XVI)で示される化合物をヒドロキシルアミン・塩酸塩で処理することを含む。
【0061】
工程(iii)は、典型的には、高温で好適な溶媒(例えば、メタノール)の存在下にて式(XVII)で示される化合物を式(XVIII)で示される化合物と反応させることを含む。
【0062】
工程(iv)は、典型的には、好適な還元剤(例えば、水素化アルミニウムリチウム)の存在下での還元反応を含む。
【0063】
XがCHを表し、R2がイソブチルまたは−(CH2)2−t−ブチルを表し、R3が式(ii)で示される基を表し、R4が式(vii)で示される基を表す式(I)で示される化合物は、下記スキーム6に示される一般的な経路によって製造することができる:
【0064】
【化10】

ここで、R1、RおよびR4cは、上記定義と同じである。
【0065】
工程(i)は、典型的には、高温で式(IA)bで示される化合物を式(XX)で示される化合物と反応させることを含む。
【0066】
工程(ii)は、典型的には、高温で、好適な溶媒(例えば、酢酸)中にて、式(XXI)で示される化合物をヒドラジン・水和物と反応させることを含む。
【0067】
当然のことながら、R3が式(i)で示される基を表す式(I)で示される化合物は、R3が式(ii)で示される基を表す化合物についてのスキーム1〜6に記載の方法と類似の方法で製造することができる。
【0068】
XがCHを表し、R2がイソブチルまたは−(CH2)2−t−ブチルを表し、R3が式(iv)で示される基を表す式(I)で示される化合物は、下記スキーム7に示される一般的な経路によって製造することができる:
【0069】
【化11】

ここで、R1およびRは、上記定義と同じであり、L3は、好適な脱離基(例えば、ハロゲン原子(例えば、臭素))を表す。
【0070】
工程(i)は、典型的には、好適な溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド)中、好適な塩基(例えば、水素化ナトリウム)の存在下で、式(IV)で示される化合物を式(XXII)で示される化合物と反応させることを含む。
【0071】
工程(ii)は、典型的には、アルコール溶媒(例えば、メタノールまたはエタノール)中で式(XXIII)で示される化合物を水酸化ナトリウム水溶液で処理することを含む。
【0072】
工程(iii)は、典型的には、塩化オキサリルでのカルボン酸の活性化、次いで、好適な溶媒(例えば、ジクロロメタン)中でのアンモニアとの反応を含む。
【0073】
XがCHを表し、R2がイソブチルまたは−(CH2)2−t−ブチルを表し、R3が式(iii)で示される基を表す式(I)で示される化合物は、下記スキーム8に示される一般的な経路によって製造することができる:
【化12】

ここで、R1およびRは、上記定義と同じである。
【0074】
工程(i)は、典型的には、好適な溶媒(例えば、ジクロロメタン)中にてEDACおよびHOBtの存在下で式(XXIV)で示される化合物と式(XXV)で示される化合物を反応させてアミド中間体を得、これを例えば酢酸中で加熱することによって脱水することができ、式(IJ)で示される化合物を得ることを含む。
【0075】
XがNを表し、R2がイソブチルまたは−(CH2)2−t−ブチルを表し、R3が式(ii)で示される基を表し、R4が−CO−NH−R5を表す式(I)で示される化合物は、下記スキーム9に示される一般的な経路によって製造することができる:
【0076】
【化13】

【0077】
工程(i)は、好適な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)中での式(XXVI)で示され化合物と式(XXVII)で示される化合物との反応を含む。
【0078】
工程(ii)は、好適な溶媒(例えば、エタノール)中での式(XXVIII)で示される化合物とヒドラジン・水和物との反応を含む。
【0079】
工程(iii)は、高温で好適な溶媒(例えば、エチレングリコール)中での分子内環化を含む。
【0080】
工程(iv)、(v)および(vi)は、スキーム1および2の工程(iii)、(iv)および(v)と類似の方法で行うことができる。
【0081】
反応中間体および式(I)で示される化合物における置換基には、当業者に公知の慣用的な方法によって他の置換基に変換することができるものがある。かかる変換の例としては、エステルの加水分解およびカルボン酸のエステル化が挙げられる。かかる変換は、当業者に周知であり、例えば、Richard Larock, Comprehensive Organic Transformations, 2nd edition, Wiley-VCH, ISBN 0-471-19031-4に記載されている。
【0082】
当業者にとっては当然のことながら、上記工程には、その工程中にある種の反応性置換基を保護することを必要とするものがある。当業者は、保護基が必要な場合を認識するであろう。Greene T.W. ‘Protective groups in organic synthesis’, New York, Wiley (1981)に記載されるもののような標準的な保護および脱保護技術を使用することができる。例えば、カルボン酸基は、エステルとして保護することができる。かかる基の脱保護は、当該技術分野で知られている慣用的な方法を使用して行われる。当然のことながら、保護基は、慣用的な手段によって相互変換することができる。
【0083】
式(II)、(V)、(VIII)、(XVIII)、(XX)、(XXII)、(XXV)、(XXVI)および(XXVII)で示される化合物は、商業的に入手可能であるか、または、公知の方法によって製造することができる。
【0084】
本発明の化合物は、EP1受容体と結合し、この受容体のアンタゴニストである。したがって、それらは、EP1受容体でのPGE2の作用によって媒介される状態の治療に有用であると考えられる。
【0085】
EP1受容体でのPGE2の作用によって媒介される一の状態は疼痛であり、急性痛、慢性痛、慢性関節痛、筋骨格痛、神経因性疼痛、炎症性疼痛、内臓痛、癌に伴う疼痛、片頭痛、緊張型頭痛および群発性頭痛に伴う疼痛、腸機能障害に伴う疼痛、腰部頸部痛、捻挫および筋挫傷に伴う疼痛、交感神経依存性疼痛;筋炎、インフルエンザまたは感冒のような他のウイルス感染症に伴う疼痛、リウマチ熱に伴う疼痛、心筋虚血に伴う疼痛、術後痛、頭痛、歯痛ならびに月経困難症が挙げられる。
【0086】
慢性関節痛状態としては、関節リウマチ、変形性関節症、リウマチ様脊椎炎、痛風性関節炎および若年性関節炎が挙げられる。
【0087】
腸機能障害に伴う疼痛としては、非潰瘍性ディスペプシア、非心臓性胸痛および過敏性腸症候群が挙げられる。
【0088】
神経因性疼痛症候群としては、糖尿病性神経障害、坐骨神経痛、非特異的腰痛、多発性硬化症痛、線維筋痛症、HIV関連神経障害、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛、および身体的外傷、切断、癌、トキシンまたは慢性炎症状態に起因する疼痛が挙げられる。加えて、神経因性疼痛状態としては、「しびれてピリピリとする感覚(pins and needles)」のような通常は無痛の感覚に伴う疼痛(知覚異常および異常感覚)、接触に対する感受性の増大(知覚過敏)、非侵害性刺激後の痛みの感覚(動的異痛症、静的異痛症、温熱性異痛症または冷感異痛症)、侵害性刺激に対する感受性の増大(温熱性痛覚過敏、冷感痛覚過敏、機械的痛覚過敏)、刺激除去後の断続的な痛みの感覚(痛感過敏)、または選択的感覚経路の欠如もしくは消失(痛覚鈍麻)が挙げられる。
【0089】
EP1受容体でのPGE2の作用によって媒介される他の状態としては、発熱、炎症、免疫疾患、血小板機能異常疾患(例えば、閉塞性血管疾患)、インポテンスまたは勃起不全;異常な骨代謝または骨吸収を特徴とする骨疾患;非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)およびシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤の血行力学的副作用、心血管疾患;神経変性性疾患および神経変性、外傷後神経変性、耳鳴、オピオイド(例えば、モルヒネ)、CNS抑制薬(例えば、エタノール)、覚醒剤(例えば、コカイン)およびニコチンのような依存症誘発性薬剤による依存症;I型糖尿病の合併症、腎機能障害、肝機能障害(例えば、肝炎、肝硬変)、胃腸機能障害(例えば、下痢)、大腸癌、過活動性膀胱および切迫性尿失禁が挙げられる。
【0090】
炎症状態としては、皮膚状態(例えば、日焼け、火傷、湿疹、皮膚炎、乾癬)、眼病、例えば、緑内障、網膜炎、網膜症、ブドウ膜炎、および眼組織への急性損傷(例えば、結膜炎)、炎症性肺障害(例えば、喘息、気管支炎、肺気腫、アレルギー性鼻炎、呼吸窮迫症候群、ハト愛好家病、農夫肺、慢性閉塞性肺疾患(COPD));胃腸管障害(例えば、アフタ性潰瘍、クローン病、アトピー性胃炎、疣状胃炎(gastritis varialoforme)、潰瘍性大腸炎、セリアック病、限局性回腸炎、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、胃腸逆流症);臓器移植、ならびに血管疾患、片頭痛、結節性動脈周囲炎、甲状腺炎、再生不良性貧血、ホジキン病、強皮症、重症無筋力症、多発性硬化症、サルコイドーシス、ネフローゼ症候群、ベーチェット症候群、歯肉炎、心筋虚血、発熱、全身性紅斑性狼瘡、多発性筋炎、腱炎、滑液包炎およびシェーグレン症候群のような炎症性要素を有する他の症状が挙げられる。
【0091】
免疫疾患としては、自己免疫疾患、免疫不全疾患または臓器移植が挙げられる。式(I)で示される化合物はまた、HIV感染症の潜伏期を延長するのに効果的である。
【0092】
異常な骨代謝または骨吸収を特徴とする骨疾患としては、骨粗鬆症(特に、閉経後骨粗鬆症)、高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進、骨パジェット病、骨溶解症、骨転移を伴うか伴わない悪性高カルシウム血症、関節リウマチ、歯周炎、変形性関節症、骨痛、骨減少症、癌性悪液質、結石症(calculosis)、結石症(lithiasis)(特に、尿路結石症)、固形癌、痛風および強直性脊椎炎、腱炎および滑液包炎が挙げられる。
【0093】
心血管疾患としては、高血圧または心筋虚血;機能性または器質性静脈不全;静脈瘤療法;痔;および動脈圧の著しい低下に伴うショック状態(例えば、敗血症性ショック)が挙げられる。
【0094】
神経変性性疾患としては、認知症、特に、変性認知症(老人性認知症、アルツハイマー病、ピック病、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病およびクロイツフェルト・ヤコブ病、ALS、運動ニューロン疾患を含む);血管性認知症(多発脳梗塞性認知症を含む);ならびに、頭蓋内占拠性病変、外傷、感染症および関連状態(HIV感染症を含む)、代謝、トキシン、無酸素症およびビタミン欠乏症に伴う認知症;ならびに加齢に伴う軽度認知機能障害、特に加齢に伴う記憶障害が挙げられる。
【0095】
式(I)で示される化合物はまた、神経保護の治療、ならびに、脳卒中、心停止、肺バイパス、外傷性脳障害、脊髄損傷または同類のもののような外傷後の神経変性の治療に有用であると考えられる。
【0096】
1型糖尿病の合併症としては、糖尿病性微小血管症、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、黄斑変性症、緑内障、ネフローゼ症候群、再生不良性貧血、ブドウ膜炎、川崎病およびサルコイドーシスが挙げられる。
【0097】
腎機能障害としては、腎炎、特に、メサンギウム増殖性糸球体腎炎および腎炎症候群が挙げられる。
【0098】
式(I)で示される化合物はまた、利尿作用を有する薬物の調製に有用であると考えられる。
【0099】
治療への言及は、他に明示的に記載しない限り、確立された症状の治療および予防的治療の両方を包含すると解されるべきである。
【0100】
本発明のさらなる態様によると、本発明は、ヒトまたは獣医学において使用するための式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を提供する。
【0101】
本発明の別の態様によると、本発明は、EP1受容体でのPGE2の作用によって媒介される状態の治療に使用するための式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を提供する。
【0102】
本発明のさらなる態様によると、本発明は、EP1受容体でのPGE2の作用によって媒介される状態に苦しんでいるヒトまたは動物対象体を治療する方法であって、該対象体に式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体の有効量を投与することを含む方法を提供する。
【0103】
本発明のさらなる態様によると、本発明は、疼痛、炎症障害、免疫障害、骨障害、神経変性性障害または腎障害に苦しんでいるヒトまたは動物対象体を治療する方法であって、該対象体に式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体の有効量を投与することを含む方法を提供する。
【0104】
本発明のさらなる態様によると、本発明は、炎症性疼痛、神経因性疼痛または内臓痛に苦しむヒトまたは動物対象体を治療する方法であって、該対象体に式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体の有効量を投与することを含む方法を提供する。
【0105】
本発明の別の態様によると、本発明は、EP1受容体でのPGE2の作用によって媒介される状態の治療のための薬剤の製造のための式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体の使用を提供する。
【0106】
本発明の別の態様によると、本発明は、疼痛、炎症性障害、免疫障害、骨障害、神経変性性障害または腎障害のような状態の治療または予防のための薬剤の製造のための式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体の使用を提供する。
【0107】
本発明の別の態様によると、本発明は、炎症性疼痛、神経因性疼痛または内蔵痛のような状態の治療または予防のための薬剤の製造のための式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体の使用を提供する。
【0108】
式(I)で示される化合物およびそれらの医薬上許容される誘導体は、好都合には、医薬組成物の形態で投与される。かかる組成物は、好都合には、1種類またはそれ以上の生理学的に許容される担体または賦形剤と混合して慣用の方法で使用するために提供され得る。
【0109】
かくして、本発明の別の態様では、本発明は、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を含む医薬組成物を提供する。
【0110】
式(I)で示される化合物またはそれらの医薬上許容される誘導体のヒトの治療のために提案される日用量は、1日あたり体重1kgにつき0.01〜80mg、特に、1日あたり体重1kgにつき0.01〜30mg、例えば、1日あたり体重1kgにつき0.1〜10mgであり、単回投与または分割投与として投与することができ、例えば、1日1〜4回投与することができる。成人のための投与量範囲は、一般に、8〜4000mg/日、特に、8〜2000mg/日、例えば、20〜1000mg/日、例えば、35〜200mg/日である。
【0111】
宿主(特に、ヒト患者)に投与される式(I)で示される化合物の正確な量は、主治医の責務であろう。しかしながら、使用される用量は、患者の年齢および性別、処置される正確な状態およびその重篤度ならびに投与経路を包含する多数のファクターに依存するであろう。
【0112】
式(I)で示される化合物およびそれらの医薬上許容される誘導体は、好適な方法での投与のために製剤化され得る。それらは、吸入による投与、または経口投与、局所投与、経皮投与もしくは非経口投与のために製剤化され得る。医薬組成物は、式(I)で示される化合物およびそれらの医薬上許容される誘導体の制御放出を行うことができるような形態であり得る。
【0113】
経口投与のためには、医薬組成物は、例えば、許容される賦形剤を用いて慣用の手段によって調製される、錠剤(舌下錠を含む)、カプセル剤、散剤、液剤、シロップ剤または懸濁剤の剤形をとり得る。
【0114】
経皮投与のためには、医薬組成物は、イオントフォレーシス経皮パッチ剤のような経皮パッチ剤の剤形で提供され得る。
【0115】
非経口投与のためには、医薬組成物は、注射または持続点滴(例えば、静脈内、血管内または皮下)として提供され得る。該組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液またはエマルションのような形態をとり得、懸濁化剤、安定剤および/または分散剤のような処方剤を含有することができる。注射による投与のためには、これらは、単位投与形態または複数投与形態(好ましくは、保存剤を添加)をとり得る。別法として、非経口投与については、活性成分は、適当なビヒクルによる復元用の粉末形態であり得る。
【0116】
本発明の化合物はまた、デポー製剤としても製剤化され得る。かかる長期作用性製剤は、埋め込み(例えば、皮下または筋肉内)または筋肉注射により投与され得る。かくして、例えば、本発明の化合物は、好適な高分子材料もしくは疎水性材料(例えば、許容される油中のエマルションとして)またはイオン交換樹脂を用いて、または難溶性誘導体として、例えば、難溶性塩として、製剤化され得る。
【0117】
本発明で用いるためのEP1受容体化合物は、他の治療薬、例えば、COX−2(シクロオキシゲナーゼ−2)阻害剤、例えば、セレコキシブ、デラコキシブ(deracoxib)、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、COX−189または2−(4−エトキシ−フェニル)−3−(4−メタンスルホニル−フェニル)−ピラゾロ[1,5−b]ピリダジン(WO99/012930);5−リポキシゲナーゼ阻害剤;NSAID(非ステロイド性抗炎症薬)、例えば、ジクロフェナク、インドメタシン、ナブメトンまたはイブプロフェン;ロイコトリエン受容体アンタゴニスト;DMARD(疾患修飾性抗リウマチ薬)、例えば、メトトレキサート;アデノシンA1受容体アゴニスト;ナトリウムチャネル遮断剤、例えば、ラモトリジン;NMDA(N−メチル−D−アスパルテート)受容体モジュレーター、例えば、グリシン受容体アンタゴニスト;電位依存性カルシウムチャネルのα2δ−サブユニットに対するリガンド、例えば、ガバペンチンおよびプレガバリン;三環系抗うつ剤、例えば、アミトリプチリン;ニューロン安定化抗癲癇薬;モノアミン作動性取り込み阻害剤、例えば、ベンラファキシン;オピオイド鎮痛剤;局所麻酔薬;5HT1アゴニスト、例えば、トリプタン、例えば、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、フロバトリプタン、アルモトリプタンまたはリザトリプタン;ニコチン性アセチルコリン(nACh)受容体モジュレーター;グルタミン酸受容体モジュレーター、例えば、NR2Bサブタイプのモジュレーター;EP4受容体リガンド;EP2受容体リガンド;EP3受容体リガンド;EP4アゴニストおよびEP2アゴニスト;EP4アンタゴニスト;EP2アンタゴニストおよびEP3アンタゴニスト;カンナビノイド受容体リガンド;ブラジキニン受容体リガンド;バニロイド受容体リガンド;およびプリン受容体リガンド(P2X3、P2X2/3、P2X4、P2X7またはP2X4/7でのアンタゴニストを含む)と組み合わせて使用してもよい。該化合物を他の治療薬と組み合わせて使用する場合、化合物は、好都合な経路によって連続的または同時に投与すればよい。
【0118】
さらなるCOX−2阻害剤は、米国特許第5,474,995号、米国特許第5,633,272号;米国特許第5,466,823号、米国特許第6,310,099号および米国特許第6,291,523号;ならびにWO96/25405、WO97/38986、WO98/03484、WO97/14691、WO99/12930、WO00/26216、WO00/52008、WO00/38311、WO01/58881およびWO02/18374に開示されている。
【0119】
かくして、本発明は、さらなる態様において、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体をさらなる治療薬と一緒に含む組合せを提供する
【0120】
上記組合せは、好都合には、医薬製剤の形態で使用するために提供され得、かくして、上記定義の組合せを医薬上許容される担体または賦形剤と一緒に含む医薬製剤は、本発明のさらなる態様を構成する。かかる組合せの個々の成分は、別々のまたは合わせた医薬製剤で連続的にまたは同時に投与することができる。
【0121】
式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を同じ病態に対して活性な別の治療薬と組み合わせて使用する場合には、個々の化合物の投与量は、該化合物が単独で使用される場合の投与量とは異なることがある。適当な投与量は、当業者にとって容易に理解されるであろう。
【0122】
本発明の化合物についての非毒物学的効果は、現在のところ観察されていない。
【0123】
本明細書にて引用した特許および特許出願を包含するがこれらに限定されない全ての刊行物は、個々の刊行物が十分に開示されているかの如く具体的かつ個別的に出典明示により本明細書の一部とすることが明示されているかのように出典明示により本明細書の一部とする。
【0124】
以下の非限定的な実施例は、本発明の医薬的に活性な化合物の製造を例示する。
【実施例】
【0125】
略語
固相抽出法(SPE);液体クロマトグラフィー/質量分析(LCMS、LC/MSおよびLC−MS);MDAP(Mass Directed Auto Preparation);NMR(核磁気共鳴);s、d、t、dd、m、b(一重線、二重線、三重線、二重の二重線、多重線、幅広);Ph、Me、Et、Pr、Bu、Bn(フェニル、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ベンジル)、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、h(時間)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−1−エチルカルボジイミド・塩酸塩(EDCおよびEDAC)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBtおよびHOBT)、紫外線(UV)、室温(RT)、保持時間(Rt)、分(min)、EtOAc(酢酸エチル)、Et2O(ジエチルエーテル)、MeCN(アセトニトリル)。
【0126】
反応生成物の精製
実施例の反応物の後処理および生成物の精製のために本明細書では慣用的な技術を使用することができる。
【0127】
有機層または有機相の乾燥に関する下記実施例における言及は、硫酸マグネシウムまたは硫酸ナトリウムにより溶液を乾燥させ、慣用的な技術に従って乾燥剤を濾去することをいう。生成物は、一般に、減圧下での蒸発によって溶媒を除去することによって得ることができる。
【0128】
実施例の精製は、クロマトグラフィーおよび/または適当な溶媒を使用する再結晶のような慣用的な方法によって行うことができる。クロマトグラフィー方法は、当業者に公知であり、例えば、カラムクロマトグラフィー、フラッシュクロマトグラフィー、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)、およびMDAP(質量依存型自動調製、質量依存型LCMS精製とも称される)が挙げられる。MDAPは、例えば、W. Goetzinger et al, Int. J. Mass Spectrom., 2004, 238, 153-162に記載されている。
【0129】
本明細書で使用する場合、「Biotage(登録商標)」および「Flashmaster II(登録商標)」なる用語は、プレパックシリカゲルカートリッジを使用する商業的に入手可能な自動精製システムをいう。
【0130】
LCMS
実施例の製造の間、以下のLCMS条件を使用した。
ソフトウェア
Waters MassLynx version 4.0 SP2
カラム
使用したカラムは、Waters Atlantisであり、その寸法は、4.6mm×50mmである。固定相粒径は3mである。
溶媒
A: 水性溶媒=水+0.05%ギ酸
B: 有機溶媒=アセトニトリル+0.05%ギ酸
方法
使用した一般的な方法は5分の実行時間を有する。
【表1】

全ての保持時間は分で測定する。
【0131】
記載例1
1−(6−クロロ−1H−インドール−3−イル)−2−メチル−1−プロパノン(D1)
【化14】

エーテル中3Mの臭化メチルマグネシウム(1.7ml、5.1mmol)をアルゴン下での6−クロロインドール(758mg、5mmol)の乾燥エーテル(10ml)中撹拌溶液に添加して、二相混合物が得られ、ガスが発生した。15分間撹拌した後、エーテル中1M塩化亜鉛(5ml)を添加し、該混合物を30分間撹拌した後、強く撹拌しながら塩化イソブチリル(533mg、5mmol)を迅速に添加した。該混合物を30分間撹拌し、塩化アンモニウム飽和溶液の添加によりクエンチし、次いで、酢酸エチルで希釈した。有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、エーテルと一緒に粉砕し、濾過して、ピンク色の固体として標記化合物(710mg)を得た。
LCMS: Rt=2.89分、[MH+]222.18、224.17。
【0132】
記載例2〜4
インドールまたは6−置換インドールおよび適当な塩化物を使用してD1について記載した方法と類似の方法で下記化合物を製造した:
【0133】
【表2−1】

【表2−2】

【0134】
記載例5
6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール(D5)
【化15】

THF中1Mの水素化アルミニウムリチウム(7ml、7mmol)を1−(6−クロロ−1H−インドール−3−イル)−2−メチル−1−プロパノン(705mg、3.21mmol;D1の記載に従って製造することができる)のTHF(15ml)中撹拌溶液に添加し、55℃で4時間加熱した。該溶液を冷却し、2M水酸化ナトリウムおよびエーテルを注意深く添加することによりクエンチした。有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、Biotageカラムで精製して酢酸エチル/ヘキサン(1:9)で溶離して、無色の油状物として標記化合物を得、スクラッチ後に結晶化した(663mg)。
LCMS:Rt=3.66分、[MH+]208.22、210.24。
【0135】
記載例6
6−クロロ−3−(3,3−ジメチルブチル)−1H−インドール(D6)
【化16】

D5に記載した方法と類似の方法を使用して適当なケトンの還元によりD6を製造した。
LCMS Rt=3.98分、[MH+]236.26、238.26。
【0136】
記載例7
3−イソブチル−6−(トリフルオロメチル)−1H−インドール(D7)
【化17】

2−メチル−1−[6−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−3−イル]−1−プロパノン(2.3g、9mmol;D4の記載に従って製造することができる)を無水THF(30ml)に溶解し、0℃に冷却し、0℃にてTHF中1Mボラン(21ml、21mmol)で滴下処理した。該混合物を室温で1時間撹拌し、氷冷し、1.5M塩酸(15ml)で滴下処理し、酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させて、緑色の固体として標記化合物を得た(1.52g)。
【0137】
記載例8
6−ブロモ−3−イソブチル−1H−インドール(D8)
【化18】

D7に記載した方法と類似の方法でD8を製造した。
【0138】
記載例9
(5−クロロ−2−ヨードフェニル)(3−メチル−2−ブテン−1−イル)アミン(D9)
【化19】

ヘプタン/THF/エチルベンゼン中2Mリチウムジイソプロピルアミド(4.16ml、8.32mmol)をアルゴン下にて−78℃での5−クロロ−2−ヨードアニリンの乾燥THF(35ml)中撹拌溶液に添加し、次いで、0℃に加温した後、−78℃に冷却し、1−ブロモ−3−メチルブタ−2−エン(1.364g、9.15mmol)を添加した。得られた溶液を−78℃で10分間撹拌し、次いで、室温に加温し、1時間撹拌した後、水/エーテルでクエンチした。有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、Biotageカラムで精製してヘキサンで溶離して、淡い色の油状物として標記化合物を得た(2.11g)。
LCMS: Rt=4.16分。
【0139】
記載例10
6−クロロ−3−イソプロピル−1H−インドール(D10)
【化20】

(5−クロロ−2−ヨードフェニル)(3−メチル−2−ブテン−1−イル)アミン(2.15g、6.7mmol;D9の記載に従って製造することができる)、酢酸パラジウム(30mg、0.134mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド(2.157g、6.7mmol)およびトリエチルアミン(1.69g、16.73mmol)のジメチルホルムアミド(12ml)中混合物を撹拌し、アルゴン下にて80℃で1時間加熱した。得られた混合物を冷却し、エーテル/水で希釈し、有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、Biotageカラムで精製して酢酸エチル/ヘキサン(1:99)で溶離し、次いで、ヘキサンから再結晶して、白色固体として標記化合物を得た(710mg)。
LCMS: Rt=3.52分、[MH+]194.21、196.18。
【0140】
記載例11
1−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−3−メチル−1−ブタノン(D11)
【化21】

THF(20ml)中の4−クロロ−2−フルオロ−N−メチル−N−(メチルオキシ)ベンズアミド(6.1g、28.05mmol)を臭化イソブチルマグネシウム(THF 50ml中にてマグネシウム800mg、32.92mmolおよび臭化イソブチル4.11g、30mmolから製造した)に10分間にわたって添加した。室温で30分間撹拌し、次いで、60℃で4時間加熱した。該溶液を冷却し、2M塩酸/エーテルで希釈し、有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、Biotageカラムで精製して酢酸エチル/ヘキサン(5:195)で溶離して、無色の油状物として標記化合物を得た(806mg)。
LCMS: Rt=3.58分。
【0141】
記載例12
1−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−3−メチル−1−ブタノンヒドラゾン(D12)
【化22】

ヒドラジン・水和物(400mg、8mmol)を1−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−3−メチル−1−ブタノン(800mg、3.73mmol;D11の記載に従って製造することができる)のエタノール(10ml)中溶液に添加し、室温で一夜放置した。得られた溶液を蒸発させ、酢酸エチル/水に溶解し、有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、Biotageカラムで精製して酢酸エチル/ヘキサン(15:85)で溶離して、無色の油状物として標記化合物を得た(585mg)。
LCMS: Rt=2.90、2.97分、[MH+]229.22、231.21。
【0142】
記載例13
6−クロロ−3−イソブチル−1H−インダゾール(D13)
【化23】

エチレングリコール(5ml)中の1−(4−クロロ−2−フルオロフェニル)−3−メチル−1−ブタノンヒドラゾン(580mg;D12の記載に従って製造することができる)を撹拌し、165℃で3時間加熱した。該溶液を冷却し、エーテル/水で希釈し、有機相を水で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、Biotageカラムで精製して酢酸エチル/ヘキサン(1:7)で溶離して、白色固体として標記化合物を得た(170mg)。
LCMS: Rt=3.10分、[MH+]209.24、211.23。
【0143】
記載例14
2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸エチル(D14)
【化24】

6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール(660mg、3.18mmol;D5の記載に従って製造することができる)、2−ブロモ−4−チアゾールカルボン酸エチル(750mg、3.18mmol)、リン酸カリウム(1.416g、6.68mmol)、ヨウ化銅(I)(30mg、0.16mmol)および(1R.2R)−N,N'−ジメチル−1,2−シクロヘキサンジアミン(53mg、0.37mmol)のトルエン(4ml)中混合物を撹拌し、アルゴン下で110℃にて48時間加熱した後、さらなるヨウ化銅(I)(30mg、0.16mmol)および(1R,2R)−N,N'−ジメチル−1,2−シクロヘキサンジアミン(53mg、0.37mmol)を添加した。さらに24時間加熱した後、混合物を冷却し、エーテル/水で希釈し、有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、Biotageカラムで精製して酢酸エチル/ヘキサン(8:92)で溶離して、白色固体として標記化合物を得た(380mg)。
LCMS: Rt=4.14分、[MH+]363.24、363.23。
【0144】
記載例15〜19(D15〜D19)
適当なインドールまたはインダゾールおよびブロモ複素環またはブロモベンゼンを使用して、D14に記載の方法と類似の方法により下記化合物を製造した。2−ブロモ−1,3−オキサゾール−4−カルボン酸エチルは、Organic Letters 4(17), 2905-2907 (2002)の記載に従って製造した。
【0145】
【表3−1】

【表3−2】

【0146】
記載例20
2−[3−イソブチル−6−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸エチル(D20)
【化25】

3−イソブチル−6−(トリフルオロメチル)−1H−インドール(480mg、2mmol;D7の記載に従って製造することができる)、2−ブロモ−4−チアゾールカルボン酸エチル(472mg、2mmol)、リン酸カリウム(850mg、4mmol)、ヨウ化銅(I)(19mg、0.1mmol)および(1R,2R)−N,N'−ジメチル−1,2−シクロヘキサンジアミン(33mg、0.23ml)のトルエン(10ml)中混合物を撹拌し、110℃で一夜加熱した。さらなるヨウ化銅(19mg)および(1R,2R)−N,N'−ジメチル−1,2−シクロヘキサンジアミン(33mg)を添加した。さらに5時間加熱した後、該混合物を重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、有機相を乾燥させ、蒸発させ、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して1〜19%酢酸エチル/ヘキサンで溶離し、次いで、ヘキサンと一緒に粉砕して、白色固体として標記化合物を得た(35mg)。
LCMS: Rt=4.19分、[MH+]397.3。
【0147】
記載例21
2−{[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]メチル}−1,3−チアゾール−4−カルボン酸エチル(D21)
【化26】

60%水素化ナトリウム(100mg、2.5mmol)をアルゴン下での6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール(519mg、2.5mmol;D5の記載に従って製造することができる)のジメチルホルムアミド(8ml)中撹拌溶液に添加し、10分間撹拌した後、2−(ブロモメチル)−1,3−チアゾール−4−カルボン酸エチル(625mg、2.5mmol)を添加した。該溶液を室温で1時間撹拌し、次いで、エーテル/水で希釈した。有機相を水で3回洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、Biotageカラムで精製して酢酸エチル/ヘキサン(20:80)で溶離し、次いで、ヘキサンと一緒に粉砕して、白色固体として標記化合物を得た(388mg)。
LCMS: Rt=3.83分、[MH+]377.19、379.18。
【0148】
記載例22
2−[6−クロロ−3−(3,3−ジメチルブチル)−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸(D22)
【化27】

2−[6−クロロ−3−(3,3−ジメチルブチル)−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸エチル(280mg、0.72mmol;D15の記載に従って製造することができる)をエタノール(10ml)に溶解し、2M水酸化ナトリウム(2ml)を添加し、室温で2時間放置した。該溶液を蒸発乾固させ、酢酸エチル/2M塩酸に溶解し、有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、エーテル/ヘキサンと一緒に粉砕して、オフホワイト色の固体として標記化合物を得た(158mg)。
LCMS: Rt=4.03分、[MH+]363.18、365.23。
【0149】
記載例23〜28(D23〜D28)
D22に記載した方法と類似の方法を使用して、適当なエステルを水酸化ナトリウムで処理することにより下記化合物を製造した。
【0150】
【表4】

【0151】
記載例29
2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸(D29)
【化28】

2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸エチル(2.6g、きれいではない;D14の記載に従って製造することができる)をエタノール(20ml)に溶解し、2M水酸化ナトリウム(10ml)を添加し、50℃で1時間撹拌した。該溶液を冷却し、蒸発乾固させ、水で希釈し、ジエチルエーテル(×3)で抽出した。次いで、水性相を2M塩酸で酸性化し、酢酸エチル(×3)で抽出し、有機相を乾燥させ(MgSO4)、蒸発させて、薄黄色の固体として標記化合物を得た(1.5g)。
LCMS: Rt=3.67分、[MH+]335.1、337.1、[MH]333.2、335.1。
【0152】
記載例30
{2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}カルバミン酸1,1−ジメチルエチル(D30)
【化29】

2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸(1g、2.99mmol;D29の記載に従って製造することができる)、Et3N(498μl、3.59mmol)、ジフェニルホスホニルアジド(713μl、3.28mmol)のtert−ブタノール(25ml)中混合物を4時間還流させた。該溶液を冷却し、蒸発させ、ヘキサン中8%酢酸エチルを使用してFlash Master IIで精製して、標記化合物を得た(1g)。
LCMS: Rt=4.39分、[MH+]406.2、408.2、[MH]404.2、406.15。
【0153】
記載例31
2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−アミン・塩酸塩(D31)
【化30】

{2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}カルバミン酸1,1−ジメチルエチル(1g、2.46mmol;D30の記載に従って製造することができる)をジオキサンに溶解し、ジオキサン中4M HCl(8ml)を添加した。該混合物を室温で2時間撹拌し、次いで、週末にかけて冷蔵庫中に放置した。溶媒を蒸発させ、残留物をエーテルと一緒に粉砕して、黄色固体として標記化合物を得た(600mg)。
LCMS: Rt=2.83分、[MH+]306.1、308.1、309.1。
【0154】
記載例32
4−({[2−(6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]アミノ}カルボニル)ベンジルアセテート(D32)(実施例56)
【化31】

塩化オキサリル(0.029ml)を4−アセトキシメチル安息香酸(43mg、0.22mmol)のジクロロメタン(3ml)およびジメチルホルムアミド(1滴)中溶液に添加し、室温で30分間撹拌し、蒸発乾固させた。残留物をジクロロメタン(3ml)に溶解し、2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−アミン・塩酸塩(68mg、0.2mmol;D31の記載に従って製造することができる)のジクロロメタン(2ml)およびトリエチルアミン(0.061ml、0.44mmol)中溶液に添加した。該溶液を室温で1時間撹拌し、2M塩酸、重炭酸ナトリウム飽和溶液で洗浄し、乾燥させ、蒸発させ、シリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して酢酸エチル/ヘキサン(1:5)で溶離して、黄色固体として標記化合物を得た(45mg)。
LCMS: Rt=4.33分、[M+H]482.2。
【0155】
記載例33
2−{2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}−1H−ベンゾイミダゾール−4−カルボン酸メチル(D33)
【化32】

2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸(483mg、1.31mmol;D29の記載に従って製造することができる)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(224mg、1.66mmol)、EDAC(318mg、1.66mmol)および2,3−ジアミノ安息香酸メチル(269mg、1.62mmol)のジクロロメタン(8ml)中混合物を室温で4時間撹拌した。得られた溶液をDCMで希釈し、飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、水で洗浄し、次いで、乾燥させ、蒸発させ、ヘキサン/エーテルと一緒に粉砕した。得られたオフホワイト色の固体をCH3COOH(5ml)中にて110℃で2時間加熱し、該溶液を冷却し、DCMで希釈し、飽和重炭酸ナトリウムで3回洗浄した。有機相を乾燥させ、蒸発させ、ジエチルエーテルと一緒に粉砕して、オフホワイト色の固体として標記化合物を得た。
LCMS: Rt=4.52分、[MH+]465.1、467.1、[MH]463.3、465.2。
【0156】
記載例34
{2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}メタノール(D34)
【化33】

1M水素化アルミニウムリチウム(1.5ml)をアルゴン下での2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸エチル(363mg、1mmol;D14の記載に従って製造することができる)の乾燥THF(10ml)中溶液に添加し、30分間撹拌した。2M水酸化ナトリウムを注意深く添加し、次いで、エーテルを添加し、有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、Biotageカラムで精製して酢酸エチル/ヘキサン(1:4)で溶離して、無色の油状物として標記化合物を得た(286mg)
LCMS: Rt=3.83分、[MH+]321.19、323.18。
【0157】
記載例35
2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−カルボアルデヒド(D35)
【化34】

Dess−Martinペルヨージナン(318mg、0.75mmol)をアルゴン下での{2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}メタノール(241mg、0.75mmol;D34の記載に従って製造することができる)のジクロロメタン(5ml)中撹拌溶液に添加し、30分間撹拌した。得られた溶液をチオ硫酸ナトリウム(1.5g)の飽和重炭酸ナトリウム(10ml)中溶液で洗浄し、次いで、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、Biotageカラムで精製して酢酸エチル/ヘキサン(1:4)で溶離して、白色固体として標記化合物を得た(191mg)。
LCMS: Rt=4.05分、[MH+]319.20、321.19。
【0158】
記載例36
2−{2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボアルデヒド(D36)
【化35】

Dess−Martinペルヨージナン(1.24g、3mmol)をアルゴン下での(2−{2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}−1H−ベンゾイミダゾール−5−イル)メタノール(750mg、1.72mmol;E45の記載に従って製造することができる)のジクロロメタン(20ml)中撹拌溶液に添加し、30分間撹拌した。得られた溶液をチオ硫酸ナトリウム(1.5g)の飽和重炭酸ナトリウム(10ml)中溶液で洗浄し、次いで、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、Biotageカラムで精製して酢酸エチル/ヘキサン(3:2)で溶離した。該生成物をエーテルと一緒に粉砕して、白色固体として標記化合物を得た(715mg)。
LCMS: Rt=4.09分、[MH+]435.19、437.19。
【0159】
記載例37
2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−カルボニトリル(D37)
【化36】

塩化リン(5ml)中の2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−カルボキシアミド(915mg、2.74mmol;E30の記載に従って製造することができる)を撹拌し、60℃で3時間加熱した。該溶液を冷却し、氷上に注ぎ、酢酸エチルで希釈し、有機相を飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、エーテル/ヘキサン(1:1)と一緒に粉砕して、白色固体として標記化合物を得た(810mg)。
LCMS: Rt=4.20分、[MH+]316.17、318.14。
【0160】
記載例38
2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−カルボキシイミド酸メチル・塩酸塩(D38)
【化37】

60%水素化ナトリウム(25mg、0.63mmol)を2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−カルボニトリル(770mg、2.44mmol;D37の記載に従って製造することができる)のメタノール(20ml)中溶液に添加し、週末にかけて放置した。得られた溶液を蒸発させ、残留物をジクロロメタンに溶解し、エーテル中1M塩化水素で酸性化した。濾過後、濾液を蒸発させて、オフホワイト色の固体として標記化合物を得た(825mg)。
LCMS: Rt=3.59分、[MH+]348.23、350.22。
【0161】
記載例39
2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−カルボキシイミドアミド(D39)
【化38】

2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−カルボキシイミド酸メチル・塩酸塩(760mg、1.98mmol;D38の記載に従って製造することができる)をTHF/7Mメタノール性アンモニア(1:1、50ml)に溶解し、次いで、さらなる7Mメタノール性アンモニア60mlを添加した。該混合物を室温で7日間撹拌し、次いで、蒸発乾固させた。残留物をジクロロメタンおよび1M水酸化ナトリウムで処理し、固体を濾取した。ジクロロメタン溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発させて、白色固体を得、ジクロロメタンと一緒に粉砕し、濾過し、上記で単離した固体と合わせて、標記化合物を得た(410mg)。
LCMS: Rt=2.34分、[MH+]333.22、335.21。
【0162】
記載例40
2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−N−ヒドロキシ−1,3−チアゾール−4−カルボキシイミドアミド(D40)
【化39】

2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−カルボニトリル(890mg、2.82mmol;D37の記載に従って製造することができる)、重炭酸ナトリウム(286mg、3.4mmol)およびヒドロキシルアミン・塩酸塩(236mg、3.4mmol)のメタノール(10ml)中混合物を撹拌し、4時間還流させた。該混合物を冷却し、蒸発させ、ジクロロメタン/水に溶解し、有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、エーテルと一緒に粉砕して、白色固体として標記化合物を得た(980mg)。
LCMS: Rt=3.46分、[MH+]349.1、351.1。
【0163】
記載例41
2−{2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}−1H−イミダゾール−4−カルボン酸メチル(D41)
【化40】

2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−N−ヒドロキシ−1,3−チアゾール−4−カルボキシイミドアミド(980mg、2.81mmol;D40の記載に従って製造することができる)およびプロピオール酸メチル(236mg、2.81mmol)のメタノール(10ml)中混合物を撹拌し、16時間還流した。該溶液を冷却し、蒸発させ、残留物をジフェニルエーテル(4ml)に溶解し、撹拌し、190℃で2時間加熱した。該溶液を冷却し、ヘキサン中に注ぎ、溶媒をデカントした。残留物をBiotageカラムで精製して酢酸エチル/ヘキサン(1:1)で溶離し、エーテルと一緒に粉砕して、薄茶色の固体として標記化合物を得た(401mg)。
LCMS: Rt=3.76分、[MH+]415.19、417.18。
【0164】
記載例42
2−(6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル)−N−[(1E)−(ジメチルアミノ)メチレン]−1,3−チアゾール−4−カルボキシアミド(D42)
【化41】

2−(6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル)−1,3−チアゾール−4−カルボキシアミド(190mg、0.57mmol;E30の記載に従って製造することができる)およびジメチルホルムアミドジメチルアセタール(2ml)を120℃で3時間加熱した;加熱後に溶液が形成された。溶媒を蒸発させ、残留物をエーテルと一緒に粉砕して、黄色固体として標記化合物を得た(160mg)。
LCMS: Rt=3.37分、[M+H]389.2。
【0165】
記載例43
2−(6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル)−N−[(1E)−1−(ジメチルアミノ)エチリデン]−1,3−チアゾール−4−カルボキシアミド(D43)
【化42】

ジメチルアセトアミドジメチルアセタール(5ml)に溶解した2−(6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル)−1,3−チアゾール−4−カルボキシアミド(333mg、1mmol;E30の記載に従って製造することができる)を還流下にて2時間加熱した。溶媒を蒸発させ、残留物をシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して1%メタノール/ジクロロメタンで溶離して、標記化合物を得た(260mg)。
LCMS: Rt=3.02分、[M+H]403.1。
【0166】
実施例1
N−{2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}−2−フェニルアセトアミド(E1)
【化43】

2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−アミン・塩酸塩(88mg、0.26mmol;D31の記載に従って製造することができる)をDCM(5ml)に溶解し、Et3N(43μl、0.313mmol)およびフェニルアセチルクロリド(37.6μl、0.286mmol)を添加した。反応混合物を室温で一夜撹拌し、水で希釈し、DCM(×3)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO4)、蒸発させた。残留物を、ヘキサン中10%酢酸エチルを使用してクロマトグラフィー処理して、黄色固体として標記化合物を得た(51mg)。
LCMS: Rt=4.34分、[MH+]424.2、426.2、[MH+]422.2、424.4。
【0167】
実施例2〜4(E2〜E4)
E1に記載の方法と類似の方法を使用して下記化合物を製造した:
【0168】
【表5】

【0169】
実施例5
N−[2−(6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]−2,6−ジフルオロベンズアミド(E5)
【化44】

塩化オキサリル(0.016ml)を2,6−ジフルオロ安息香酸(22mg、0.14mmol)のジクロロメタン(3ml)およびジメチルホルムアミド(1滴)中溶液に添加し、室温で30分間撹拌し、蒸発乾固させた。残留物をジクロロメタン(3ml)に溶解し、2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−アミン・塩酸塩(40mg、0.12mmol;D31の記載に従って製造することができる)のジクロロメタン(2ml)およびトリエチルアミン(0.033ml、0.24mmol)中溶液に添加した。該溶液を室温で1時間撹拌し、2M塩酸、重炭酸ナトリウム飽和溶液で洗浄し、乾燥させ、蒸発させ、MDAPにより精製して、白色固体として標記化合物を得た(4mg)。
LCMS: Rt=4.22分、[M+H]446.2。
【0170】
実施例6
N−[2−(6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]ニコチンアミド(E6)
【化45】

2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−アミン・塩酸塩(50mg、0.15mmol;D31の記載に従って製造することができる)のジクロロメタン(3ml)中溶液をトリエチルアミン(0.021ml、0.15mmol)および塩化ニコチノイル・塩酸塩(27mg、0.15mmol)で処理し、室温で1時間撹拌した。該溶液を重炭酸ナトリウム飽和溶液で洗浄し、乾燥させ、蒸発させ、MDAPにより精製して、黄色固体として標記化合物(6mg)を得た。
LCMS: Rt=4.05分、[M+H]411.2。
【0171】
実施例7〜8(E7〜E8)
E6に記載の方法と類似の方法によって下記実施例化合物を製造した:
【0172】
【表6】

【0173】
実施例9
N−[2−(6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]−4−(ヒドロキシメチル)ベンズアミド(E9)
【化46】

4−({[2−(6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]アミノ}カルボニル)ベンジルアセテート(20mg、0.04mmol;D32の記載に従って製造することができる)をエタノール(1ml)に溶解し、2M水酸化ナトリウム溶液で処理し、室温で1時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物を2M塩酸に溶解し、ジクロロメタンで抽出し、乾燥させ、蒸発させ、酢酸エチル/ヘキサンと一緒に粉砕して、黄色固体として標記化合物を得た(14mg)。
LC/MS: Rt=3.98分、[M+H]440.1。
【0174】
実施例10
N−[2−(6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]−N'−プロピル尿素(E10)
【化47】

ジクロロメタン(3ml)に溶解した2−(6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル)−1,3−チアゾール−4−アミン・塩酸塩(50mg、0.15mmol;D31の記載に従って製造することができる)をトリエチルアミン(0.021ml、0.15mmol)およびイソシアン酸n−プロピル(0.014ml、0.15mmol)で処理し、室温で1時間撹拌した。該溶液を重炭酸ナトリウム飽和溶液で洗浄し、乾燥させ、蒸発させ、MDAPにより精製して、標記化合物を得た(6mg)。
LCMS: Rt=4.1分、[M+H]391.2。
【0175】
実施例11
6−クロロ−3−イソブチル−1−[4−(1−ピロリジニルカルボニル)−1,3−チアゾール−2−イル]−1H−インドール(E11)
【化48】

2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸(50mg、0.15mmol;D29の記載に従って製造することができる)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(31mg、0.2mmol)、EDAC(38mg、0.2mmol)およびピロリジン(0.2mmol)のジクロロメタン(3ml)中混合物を室温で20時間撹拌した。得られた溶液をエーテルで希釈し、2M塩酸および飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、次いで、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、ヘキサンと一緒に粉砕して、白色固体として標記化合物を得た。
LCMS: Rt=4.00分、[MH+]388.26、390.23。
【0176】
実施例12〜29(E12〜E29)
E11に記載の方法と類似の方法を使用して酸と適当なアミンとをカップリングし、必要に応じてヘキサン、エーテルもしくはヘキサンとエーテルの混合物と一緒に粉砕するかまたはMDAPで精製して、下記化合物を製造した:
【0177】
【表7−1】

【表7−2】

【表7−3】

【表7−4】

【0178】
実施例30
2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−カルボキシアミド(E30)
【化49】

製造法A
2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸(50mg、0.15mmol;D29の記載に従って製造することができる)、ヒドロキシベンゾトリアゾールアンモニウム塩(28mg、0.18mmol)、EDAC(38mg、0.2mmol)およびトリエチルアミン(40mg、0.4mmol)のジクロロメタン(3ml)中混合物を室温で24時間撹拌した。得られた溶液を酢酸エチルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、エーテルと一緒に粉砕して、白色固体として標記化合物を得た(31mg)。
LCMS: Rt=3.42分、[MH+]334.21、336.20。
【0179】
製造法B
2−(6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル)−1,3−チアゾール−4−カルボン酸(1g、3mmol;D29の記載に従って製造することができる)、HOBtアンモニウム塩(608mg、6mmol)、EDAC(690mg、3.6mmol)およびN−メチルモルホリン(0.66ml、6mmol)をジクロロメタン(5ml)に溶解し、室温で週末にかけて撹拌した。該溶液を重炭酸ナトリウム飽和溶液で洗浄し、乾燥させ、蒸発させ、ヘキサンと一緒に粉砕して、標記化合物を得た(580mg)。
LCMS: Rt=3.63分、[M+H]334.1。
【0180】
実施例31〜32(E31〜E32)
E30に記載した方法と類似の方法で下記化合物を製造した:
【0181】
【表8】

【0182】
実施例33
2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−N−(2,6−ジフルオロフェニル)−1,3−チアゾール−4−カルボキシアミド(E33)
【化50】

塩化オキサリル(0.1ml)を2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸(50mg、0.15mmol;D29の記載に従って製造することができる)およびジメチルホルムアミド(1滴)のジクロロメタン(5ml)中懸濁液に添加し、室温で2時間撹拌した。得られた溶液を蒸発させ、ジクロロメタン(1ml)に溶解し、2,6−ジフルオロアニリン(26mg、0.2mmol)のジクロロメタン/ピリジン(1:1)(2ml)中溶液に添加した。2時間放置し、次いで、酢酸エチルで希釈し、2M塩酸および飽和重炭酸ナトリウムで洗浄した。有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、Biotageカラムで精製して酢酸エチル/ヘキサン(1:4)で溶離した。該生成物をエーテル/ヘキサン(1:1)と一緒に粉砕して、白色固体として標記化合物を得た(44mg)。
LCMS: Rt=4.15分、[MH+]446.18、448.18。
【0183】
実施例34
2−{[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]メチル}−1,3−チアゾール−4−カルボキシアミド(E34)
【化51】

DMF(1滴)を含有するジクロロメタン(10ml)中の2−{[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]メチル}−1,3−チアゾール−4−カルボン酸(170mg、0.49mmol;D26の記載に従って製造することができる)を塩化オキサリル(0.4ml)で処理し、90分間撹拌した。該溶液を蒸発乾固させ、ジクロロメタン(6ml)に溶解し、該溶液2mlをピリジン(1ml)に添加し、次いで、撹拌しながら濃アンモニア水(0.5ml)に添加した。30分後、該混合物をジクロロメタンで希釈し、2M塩酸で洗浄し、次いで、硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発乾固させ、Biotageシリカカラムで精製して酢酸エチル/ヘキサン(1:1)で溶離し、ヘキサンと一緒に粉砕した後、固体として標記化合物を得た。
LCMS: Rt=3.31分、[MH+]348.23、350.22。
【0184】
実施例35
2−{2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}−1H−ベンゾイミダゾール・塩酸塩(E35)
【化52】

酢酸(5ml)中のN−(2−アミノフェニル)−2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−カルボキシアミド(101mg、0.24mmol;E14の記載に従って製造することができる)を撹拌し、1時間還流させ、次いで、冷却し、蒸発させた。残留物を酢酸エチルに溶解し、飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させた。残留物をジクロロメタンに溶解し、エーテル中1M塩化水素(1ml)を添加し、溶媒を蒸発させた。残留物をエーテルと一緒に粉砕して、薄いピンク色の固体として標記化合物を得た(66mg)。
LCMS: Rt=3.53分、[MH+]407.22、409.22。
【0185】
実施例36〜40(E36〜E40)
E35に記載の方法と類似の方法を使用して下記化合物を製造した:
【0186】
【表9−1】

【表9−2】

【0187】
実施例41
2−{2−[3−イソブチル−6−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}−1H−ベンゾイミダゾール(E41)
【化53】

酢酸(1ml)に溶解したN−(2−アミノフェニル)−2−[3−イソブチル−6−(トリフルオロメチル)−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−カルボキシアミド(30mg、0.0068mmol;E28の記載に従って製造することができる)を110℃で2時間加熱した。該溶液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、エーテル/ヘキサンと一緒に粉砕して、白色固体として標記化合物を得た(6mg)。
LCMS: Rt=3.82分、[MH]+441.1。
【0188】
実施例42
2−{2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン・塩酸塩(E42)
【化54】

2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸(134mg、0.4mmol;D29の記載に従って製造することができる)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(67mg、0.44mmol)、EDAC(115mg、0.6mmol)および2,3−ジアミノピリジン(55mg、0.5mmol)のジクロロメタン(3ml)およびジメチルホルムアミド(1ml)中混合物を室温で24時間撹拌した。得られた溶液を酢酸エチルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウムで2回洗浄し、水で2回洗浄し、次いで、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、エーテルと一緒に粉砕し、濾過した。得られたオフホワイト色の固体を撹拌し、プロピオン酸(3ml)中にて6時間還流させ、該溶液を冷却し、酢酸エチルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウムで3回洗浄した。有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、ジクロロメタンと一緒に粉砕し、固体を濾過した。それをジクロロメタン/メタノールに溶解し、エーテル中1M塩化水素(1ml)を添加した。溶媒を蒸発させた後、残留物をエーテルと一緒に粉砕して、オフホワイト色の固体として標記化合物を得た(30mg)。
LCMS: Rt=3.61分、[MH+]408.18、410.21。
【0189】
実施例43〜44(E43〜E44)
E42に記載の方法と類似の方法で下記化合物を製造した:
【0190】
【表10】

【0191】
実施例45
(2−{2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}−1H−ベンゾイミダゾール5−イル)メタノール・塩酸塩(E45)
【化55】

1M水素化アルミニウムリチウム(3ml)をアルゴン下での2−{2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}−1H−ベンゾイミダゾール5−カルボン酸メチル(1.08g、2.32mmol;E44の記載に従って製造することができる)の乾燥THF(20ml)中溶液に添加し、1時間撹拌した。2M水酸化ナトリウムを注意深く添加し、次いで、酢酸エチルを添加し、有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、エーテルと一緒に粉砕し、濾過して、オフホワイト色の固体を得た(810mg)。この固体45mgをジクロロメタンに溶解し、エーテル中1M塩化水素(1ml)を添加した。溶媒を蒸発させた後、残留物をエーテルと一緒に粉砕して、白色固体として標記化合物を得た(30mg)。
LCMS: Rt=3.16分、[MH+]437.18、439.18。
【0192】
実施例46
(2−{2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}−1H−ベンゾイミダゾール4−イル)メタノール(E46)
【化56】

1M水素化アルミニウムリチウム(1.3ml)をアルゴン下での2−{2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}−1H−ベンゾイミダゾール−4−カルボン酸メチル(550mg、1.18mmol;D33の記載に従って製造することができる)の乾燥THF(8ml)中溶液に−10℃で添加し、該溶液を室温で2時間撹拌した。さらなる1M水素化アルミニウムリチウム(0.3ml)を添加し、該混合物を1時間撹拌した。2M水酸化ナトリウムを注意深く添加し、次いで、酢酸エチルを添加し、有機相を乾燥させ、蒸発させた。残留物を、酢酸エチルを使用してシリカカラムで精製し、溶媒を蒸発させた後、残留物をエーテルと一緒に粉砕して、薄黄色の固体として標記化合物を得た(130mg)。
LCMS: Rt=3.33分、[MH+]437.1、439.1、[MH]435.2、437.1。
【0193】
実施例47
6−クロロ−1−[4−(1H−イミダゾール2−イル)−1,3−チアゾール−2−イル]−3−イソブチル−1H−インドール(E47)
【化57】

40%グリオキサール(0.18ml)を2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−カルボアルデヒド(128mg、0.4mmol;D35の記載に従って製造することができる)のTHF/エタノール(2:1)中撹拌溶液に添加し、次いで、濃アンモニア水(0.27ml)に添加した。該混合物を室温で20時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、水で2回洗浄した。有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、Biotageカラムで精製して酢酸エチル/ヘキサン(1:1)で溶離した。生成物をエーテルと一緒に粉砕して、白色固体として標記化合物を得た(34mg)。
LCMS: Rt=2.35分、[MH+]357.19、359.19。
【0194】
実施例48
[(2−{2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}−1H−ベンゾイミダゾール5−イル)メチル]メチルアミン・二塩酸塩(E48)
【化58】

トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(84mg、0.4mmol)を2−{2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}−1H−ベンゾイミダゾール5−カルボアルデヒド(87mg、0.2mmol;D36の記載に従って製造することができる)および33%エタノール性メチルアミン(0.037ml、0.4mmol)のTHF(4ml)中撹拌溶液に添加した。該混合物を18時間撹拌し、水素化ホウ素ナトリウム(15mg、0.4mmol)を添加し、さらに4時間撹拌した。該溶液をジクロロメタン/水で希釈し、有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、Biotageカラムで精製してメタノール/ジクロロメタンで溶離した。ジクロロメタンに溶解し、エーテル中1M塩化水素(1ml)を添加した。溶媒を蒸発させた後、残留物をエーテルと一緒に粉砕して、白色固体として標記化合物を得た(21mg)。
LCMS: Rt=2.21分、[MH+]448.19、450.20。
【0195】
実施例49〜51(E49〜E51)
水素化ホウ素ナトリウムを混合物に添加しないこと以外は、E48に記載した方法と類似の方法で下記化合物を製造した:
【0196】
【表11−1】

【表11−2】

【0197】
実施例52
6−クロロ−3−イソブチル−1−[4−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−1,3−チアゾール−2−イル]−1H−インドール(E52)
【化59】

1−ブロモ−3−フェニル−2−プロパノン(71mg、0.33mmol)のTHF(0.4ml)中溶液を2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−カルボキシイミドアミド(100mg、0.3mmol;D39の記載に従って製造することができる)および重炭酸カリウム(120mg、1.2mmol)のTHF/水(4:1、2ml)中還流溶液に添加した。得られた混合物を撹拌し、4時間還流し、次いで、冷却し、酢酸エチル/水で希釈し、有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、Biotageカラムで精製して酢酸エチル/ヘキサン(1:4)で溶離し、次いで、エーテルと一緒に粉砕して、固体として標記化合物を得た(15mg)。
LCMS: Rt=3.65分、[MH+]433.2、435.2。
【0198】
実施例53
(2−{2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}−1H−イミダゾール−4−イル)メタノール(E53)
【化60】

1M水素化アルミニウムリチウム(1.5ml)をアルゴン下での2−{2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}−1H−イミダゾール−4−カルボン酸メチル(395mg、0.95mmol;D41の記載に従って製造することができる)の乾燥THF(8ml)中溶液に添加し、1時間撹拌した。2M水酸化ナトリウムを注意深く添加し、次いで、酢酸エチルを添加し、有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させ、Biotageカラムで精製して酢酸エチルで溶離して不純物を除去し、メタノール/酢酸エチル(1:19)で溶離して白色固体として生成物を溶出させた(157mg)。
LCMS: Rt=2.58分、[MH+]387.22、389.29。
【0199】
実施例54
3−[2−(6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]−4H−1,2,4−トリアゾール(E54)
【化61】

2−(6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル)−N−[(1E)−(ジメチルアミノ)メチレン]−1,3−チアゾール−4−カルボキシアミド(D42の記載に従って製造することができる)を氷酢酸(4ml)に溶解し、ヒドラジン・水和物(0.021ml、0.44mmol)で処理し、100℃で30分間加熱した。溶媒を蒸発させ、トルエンと一緒に共沸し、エーテルと一緒に粉砕して、オフホワイト色の固体として標記化合物を得た(76mg)。
LCMS: Rt=3.56[M+H]358.2。
【0200】
実施例55
3−[2−(6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル)−1,3−チアゾール−4−イル]−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール(E55)
【化62】

2−(6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル)−N−[(1E)−1−(ジメチルアミノ)エチリデン]−1,3−チアゾール−4−カルボキシアミド(260mg、0.65mmol;D43の記載に従って製造することができる)を氷酢酸(3ml)に溶解し、ヒドラジン・水和物(0.034ml、0.7mmol)で処理し、100℃で30分間加熱した。溶媒を蒸発させ、残留物を酢酸エチル/ヘキサンと一緒に粉砕し、該固体をMDAPによりさらに精製して、白っぽい固体として標記化合物を得た(21mg)。
LCMS: Rt=3.62分、[M+H]372.1。
【0201】
実施例56
{4−[({2−[6−クロロ−3−(2−メチルプロピル)−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−イル}アミノ)カルボニル]フェニル}メチルアセテート(E56)(D32でもある)
【化63】

4−アセトキシメチル安息香酸(43mg、0.22mmol)のDCM(5ml)中溶液を塩化オキサリル(29μL、0.33mmol)で処理し、次いで、DMF(1滴)で処理した。発泡した。室温で30分間撹拌した − LC/MSは、酸が残存していないことを示した(MeOHでクエンチした)。溶媒を蒸発させ、トルエンを用いて再蒸発させ、DCM(5mL)に溶解した。2−[6−クロロ−3−イソブチル−1H−インドール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−アミン・塩酸塩(68mg、0.2mmol;D31の記載に従って製造することができる)およびトリエチルアミン(61μL、0.44mmol)で処理した − 溶液は黄色になった。室温で1時間撹拌した。2M HCl、飽和NaHCO3で洗浄し、乾燥させ、蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィーにより精製してEtOAc/ヘキサン(1:5)で溶離して、黄色固体として標記化合物を得た(45mg)。
LCMS: Rt=4.33分、[M+H]482.2。
【0202】
本発明は、上記の特定のものおよび好ましいサブグループの全ての組合せに及ぶものと解すべきである。
【0203】
生物学的活性の測定のためのアッセイ
式(I)で示される化合物を、インビトロおよびインビボでそれらのプロスタノイドアンタゴニストまたはアゴニスト活性を示すためおよびそれらの選択性を示すために以下のアッセイを使用して試験することができる。研究することができるプロスタグランジン受容体は、DP、EP1、EP2、EP3、EP4、FP、IPおよびTPである。
【0204】
EP1およびEP3受容体での生物学的活性
化合物のEP1およびEP3受容体をアンタゴナイズする能力は、機能性カルシウム動員アッセイを使用して示すことができる。すなわち、化合物のアンタゴニスト特性は、それらの、天然アゴニストホルモンプロスタグランジンE2(PGE2)によるEP1またはEP3受容体の活性化に応答して細胞内カルシウム([Ca2+i)の動員を阻害する能力によって評価することができる。アンタゴニストの濃度の増大は、所定の濃度のPGE2が動員することができるカルシウムの量を減少させる。正味の効果は、PGE2濃度−効果曲線を高い濃度のPGE2にずらすことである。生産されたカルシウムの量は、カルシウム感受性蛍光染料、例えば、Fluo−4、AMおよび好適な装置、例えば、Fluorimetric Imaging Plate Reader(FLIPR)を使用して評価される。受容体活性化により生産される[Ca2+iの量の増加は、該染料により生産される蛍光の量が増加させ、シグナルの増加を引き起こす。該シグナルは、FLIPR装置を使用して検出することができ、得られたデータは、好適な曲線適合ソフトウェアを用いて解析することができる。
【0205】
ヒトEP1またはEP3カルシウム動員アッセイ(以下、「カルシウムアッセイ」という)は、EP1またはEP3のいずれかのcDNAを含有する安定な(pCIN;BioTechniques 20(1996): 102-110)ベクターが予めトランスフェクトされているチャイニーズ・ハムスター卵巣−K1(CHO−K1)細胞を利用する。10%v/vウシ胎仔血清、2mM L−グルタミン、0.25mg/mlゲネチシン、100μMフルルビプロフェンおよび10μg/mlプロマイシンを補足したDMEM:F−12のような培養培地を含有する適当なフラスコにて細胞を培養する。
【0206】
アッセイについては、Verseneのような細胞を取り出す独自に開発した試薬を用いて細胞を集める。384ウェルプレートへの導入のために細胞を適量の新鮮な培地に再び懸濁させる。37℃にて24時間インキュベートした後、該培地をFluo−4およびデタージェントであるプルロニックアシッド(pluronic acid)を含有する培地と置き換え、さらにインキュベーションを行う。次いで、濃度−効果曲線を作成するために、種々の濃度の化合物を該プレートに添加する。化合物のアゴニスト特性を評価するために、この操作をFLIPRで行ってもよい。次いで、化合物のアンタゴニスト特性を評価するために、種々の濃度のPGE2を該プレートに添加する。
【0207】
このようにして得られたデータをコンピュータ曲線適合ルーチンにより解析することができる。次いで、PGE2により誘発されるカルシウム動員の最大阻害の半分を惹起する化合物の濃度(pIC50)を推定することができる。
【0208】
ヒト・プロスタノイドEP1受容体についての結合アッセイ
3H]−PGE2を使用する競合アッセイ
放射性リガンド結合アッセイを使用して化合物の効力を決定する。このアッセイでは、化合物の効力を、それらの、ヒトEP1受容体への結合に関してトリチウム化プロスタグランジンE2([3H]−PGE2)と競合する能力により決定する。
【0209】
このアッセイは、EP1のcDNAを含有する安定なベクターが予めトランスフェクトされているチャイニーズ・ハムスター卵巣−K1(CHO−K1)細胞を利用する。10%v/vウシ胎仔血清、2mM L−グルタミン、0.25mg/mlゲネチシン、10μg/mlプロマイシンおよび10μMインドメタシンを補足したDMEM:F−12のような培養培地を含有する適当なフラスコにて細胞を培養する。
【0210】
1mMエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(Na2EDTA)および10μMインドメタシンを含有するカルシウムおよびマグネシウム不含リン酸緩衝生理食塩水中にて5分間インキュベートすることにより培養フラスコから細胞を剥離させる。250×gで5分間の遠心分離により細胞を単離し、50mM Tris、1mM Na2EDTA、140mM NaCl、10μMインドメタシン(pH7.4)のような氷冷バッファーに懸濁する。Polytron組織破壊器(フルセッティングで2×10sバースト)を使用して細胞をホモジナイズし、48,000×gで20分間遠心分離し、膜分画を含有するペレットを懸濁および48,000×gで20分間の遠心分離により3回(任意)洗浄する。最終膜ペレットを、10mM 2−[N−モルホリノ]エタンスルホン酸、1mM Na2EDTA、10mM MgCl2(pH6)のようなアッセイバッファーに懸濁する。必要となるまで、アリコートを−80℃で冷凍する。
【0211】
結合アッセイのために、細胞膜、競合化合物および[3H]−PGE2(最終アッセイ濃度3nM)を最終容量100μlで30℃にて30分間インキュベートする。全ての試薬は、アッセイバッファー中にて調製する。Brandellセル・ハーベスターを使用してGF/Bフィルターを用いる急速真空濾過により反応を停止させる。該フィルターを氷冷アッセイバッファーで洗浄し、乾燥させ、フィルター上に保持されている放射能を、Packard TopCountシンチレーションカウンターにおける液体シンチレーションカウンティングにより測定する。
【0212】
データは、特異的結合の50%阻害を生じる化合物の濃度(IC50)を決定するために非線形曲線適合法を使用して解析する。
【0213】
結果
ヒト・プロスタノイドEP1受容体についての結合アッセイで実施例1〜13、20〜27、29〜43および45〜56の化合物を試験した。結果は、pIC50値として表される。pIC50は、IC50の負の対数10である。得られた結果は、多数の実験の平均である。実施例1〜13、20〜27、29〜43および45〜56の化合物は、≧6のpIC50値を有した。さらに詳しくは、実施例3〜4、12〜13、20〜21、33、35〜45、47および55の化合物は、≧7のpIC50値を示した。
【0214】
ヒトEP1カルシウム動員アッセイで実施例1、3〜12、20〜27、29〜41、43および45〜56の化合物を試験した。結果は、機能的pKi値として表される。機能的pKiは、ヒトEP1カルシウム動員アッセイで決定されるアンタゴニスト解離定数の負の対数10である。得られた結果は、多数の実験の平均である。実施例1、3〜12、20〜27、29〜41、43および45〜56の化合物は、≧5.5の機能的pKi値を示した。さらに詳しくは、実施例5、11〜12、20、24、26〜27、29、30、32〜35、38、40〜41、43、46および52の化合物は、≧7.0の機能的pKi値を示した。
【0215】
ヒトEP3カルシウム動員アッセイで実施例1〜13、20、22、25〜28、30〜40、42、45〜56の化合物を試験した。結果は、機能的pKi値として表される。機能的pKiは、ヒトEP3カルシウム動員アッセイで決定されるアンタゴニスト解離定数の負の対数10である。得られた結果は、多数の実験の平均である。実施例6、9、10、25、33、36、45、46、54、55および56の化合物は、>5.5の機能的pKi値を示した。残りの被験化合物は、≦5.5の機能的pKi値を示したか、または賦活性であった。
【0216】
この説明および特許請求の範囲が一部を構成する本願は、いずれの後願についても優先権の基礎として使用することができる。このような後願の特許請求の範囲は、本明細書に記載されているいずれもの特徴または特徴の組合せを対象とすることができる。それらは、生成物、組成物、方法または使用の発明の形態を取ることができ、例えば、特許請求の範囲を含むことができるが、これに限定されるものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
1は、−CF3、塩素または臭素を表し;
2は、イソプロピル、イソブチルまたは−(CH2)2−t−ブチルを表し;
Xは、CHまたはNを表し;
3は、式(i)〜(iv):
【化2】

で示される基を表し;
4は、−CO−NH−R5、−NH−CO−R6、−CO−ピロリジニルまたは式(v)〜(viii):
【化3】

で示される基を表し;
4aは、水素、−CH2OHまたは−CH2−NRabを表し;
4cは、水素またはメチルを表し;
4dは、水素、−CH2OHまたは置換されていてもよいフェニルを表し;
5は、水素、−(CH2)3−OH、ピリジル、または置換されていてもよいフェニルを表し;
6は、t−ブチル、シクロペンチル、NRab、ピリジルまたは置換されていてもよいフェニルもしくはベンジルを表し;
aおよびRbは、独立して、水素またはC1-3アルキルを表すか、または、RaおよびRbは、それらが結合している窒素と一緒になって、N−ピロリジニル、N−ピペリジニルまたはN−モルホリニル環を形成し;
YおよびZの一方は、CHを表し、他方はNを表す;
ただし、R2が−(CH2)2−t−ブチルを表す場合、R3は、式(iii)または(iv)で示される基を表し、R2がイソプロピルを表す場合、R3は、式(ii)で示される基を表し、R4は、−CO−NH−R5を表し、R5は、2−アミノフェニルを表す]
で示される化合物またはその誘導体。
【請求項2】
実施例1〜55の化合物から選択される請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される誘導体。
【請求項3】
請求項1もしくは2記載の化合物またはその医薬上許容される誘導体を医薬担体および/または賦形剤と一緒に含む医薬組成物。
【請求項4】
活性な治療物質として使用するための請求項1もしくは2記載の化合物またはその医薬上許容される誘導体。
【請求項5】
EP1受容体でのPGE2の作用によって媒介される状態の治療に用いるための請求項1もしくは2記載の化合物またはその医薬上許容される誘導体。
【請求項6】
EP1受容体でのPGE2の作用によって媒介される状態に苦しんでいるヒトまたは動物対象体の治療方法であって、該対象体に請求項1もしくは2記載の化合物またはその医薬上許容される誘導体の有効量を投与することを含む方法。
【請求項7】
疼痛、または炎症性障害、免疫障害、骨障害、神経変性性障害もしくは腎障害に苦しんでいるヒトまたは動物対象体の治療方法であって、該対象体に請求項1もしくは2記載の化合物またはその医薬上許容される誘導体の有効量を投与することを含む方法。
【請求項8】
炎症性疼痛、神経因性疼痛または内臓痛に苦しんでいるヒトまたは動物対象体の治療方法であって、該対象体に請求項1もしくは2記載の化合物またはその医薬上許容される誘導体の有効量を投与することを含む方法。
【請求項9】
EP1受容体でのPGE2の作用によって媒介される状態の治療のための薬剤の製造のための請求項1もしくは2記載の化合物またはその医薬上許容される誘導体の使用。
【請求項10】
疼痛、または炎症性障害、免疫障害、骨障害、神経変性性障害もしくは腎障害のような状態の治療または予防のための薬剤の製造のための請求項1もしくは2記載の化合物またはその医薬上許容される誘導体の使用。
【請求項11】
炎症性疼痛、神経因性疼痛または内臓痛のような状態の治療または予防のための薬剤の製造のための請求項1もしくは2記載の化合物またはその医薬上許容される誘導体の使用。

【公表番号】特表2009−543836(P2009−543836A)
【公表日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−519920(P2009−519920)
【出願日】平成19年7月9日(2007.7.9)
【国際出願番号】PCT/EP2007/056942
【国際公開番号】WO2008/006793
【国際公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】