説明

インビボ循環細胞、存在物およびナノボットの検出並びに分析のためのシステム並びに方法

光を発生させ、標的細胞の存在、非存在、濃度または数を測定するためにインビボ部位にこの光を伝達するための改善された循環細胞計数器であって、レーザーダイオード(121)および集積光学素子(153)などの光源が、インビボ標的領域(165)、例えば生体組織内を流れる細胞を含む毛細血管床に発信されるビームを生じる前記改善された循環細胞計数器。この領域を出入りする細胞の運動に基づいて、標的細胞の存在、非存在、濃度または数の測定を可能にする循環細胞数(192)が生成される。光、磁気またはナノボット造影剤の使用および使用方法もまた記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インビボ(in vivo)での、細胞、存在物、および/またはキセノグラフ(xenograph)ナノボットの高度に特異的な細胞分析を提供するための検出システムおよび方法であって、旧来のエクスビボ(ex vivo)測定が生体組織測定に置き換えられている前記検出システムおよび方法に関する。より具体的には、本発明は、標的光色素を用いて染色した、毛細血管循環中の細胞を照射し、それからの光を集光するように構成された照射光学素子を用い、それによりインビボかつリアルタイムでの細胞の検出および/または計数を可能にし、血液の採取および調製を必要とせずに血液成分のオンラインリアルタイム分析を可能にするシステムおよび方法に関する。
【0002】
米国政府の権利
米国立癌研究所によりSpectros Corporation社に交付された米国公衆衛生局契約CA105653およびCA107908により、米国政府は本発明に一定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
血球分析(例えば、白血球数、細菌数、T細胞数または循環腫瘍細胞数)には、現在、血液の採取とそれに続く実験室での顕微鏡検査、細胞計数、フローソーティングまたは化学的/DNA/RNA/タンパク質分析を必要とする。採取された体液は、多くの場合、スライド上で染色され細胞計数器にかけられるか、あるいは抗原および染色剤を用いて調べられる(例えば、1999P NAS)。時には、細胞自体が分離され、計数される場合もある。当然、これらすべてのシステムは血液試料の取得を必要とする。このために、これらの方法は、ほぼ例外なくエクスビボ使用に限定される。
【0004】
採血は、すべてのタイプの細胞分析に適しているとは言えない。例えば、乳癌患者においては、循環乳房組織細胞はほとんど存在しない。乳癌においては、これは循環血液1mL(1cc)当たり細胞約1〜5個である(同じ血液1mL(1cc)における数十億個の赤血球と比較される)。分析用に10,000個の腫瘍細胞を集めるためには、何リットルもの血液を採取する必要があることになる。このような大量の採血では、この方法は、ルーチンの乳癌診断や治療に対する反応を評価するための連続検査には受け入れられない。米国特許第5,972,721号および米国特許出願公開第2006/024824号に記載されているように、計数の前にこれらの希少細胞を強調することを可能にする、磁気選別、小さな磁性ビーズ上の抗原を用いてこの問題に取り組んだものもあるが、これらの方法もやはり、検査が行われるたびに血液試料を採取することを必要とする。
【0005】
採血を必要とする他の例には、感染症のリアルタイム分析がある。例えば、集中治療室における患者は、しばしば、よく知られた細菌感染症である敗血症と呼ばれる疾患にかかっている。敗血症は高い死亡率を有する。敗血症は、希少循環細菌細胞に加えて、特定のマーカー、例えば、白血球数上昇、特定の白血球型の分画の上昇およびIL-6、C反応性タンパク質などの特定の因子のレベル上昇を有する。経時的に絶えず血液の感染症をモニターするためには、やはり何リットルもの血液を必要とする可能性がある。米国特許第5,356,815号に記載されているように、身体から血液が採取され、ガラス製培養瓶に入れられた後に、この血液は細菌培養チャンバー内で経時的に培養される。
【0006】
上記システムは、いずれも細胞計数は行わないか、あるいは循環細胞計数を行うためには血液または組織採取を必要とし、さらには、このような血液採取を行わずに生体組織において信頼性のあるリアルタイム分析を行うようには設計されておらず、かつ行うことはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記システムのいずれも、インビボでの血中レベルの分析のための方法およびシステムを示唆または教示していない。我々の知る限りでは、このようなインビボ分析は商品化に成功していない。よって、さらなる開発が大変望ましく、それは当該技術分野での重要な進歩となると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、インビボ細胞計数を達成するために必要な、生理学および特定の設計要件の知識に依存する。
本発明の一特徴は、細胞はインビボで移動し、例えば血流を有する毛細血管においては、分析できる信号を出すことである。
本発明の他の特徴は、狭い開口を有する光ファイバまたは共焦点装置のような検出の限定領域を通過する細胞は、単一の検出器における検出・計数可能な“ブリップ”またはイメージングアレイにおける分析可能な画像を生じさせることができ、これにより、本発明の実施態様による細胞計数および/または分析が可能になることである。
【0009】
他の特徴は、従来のシステムは、エクスビボでの細胞の標識を必要とするが、本発明の実施態様は、注射、摂取または他の手段によりインビボで細胞およびマーカーを標識でき、これによりインビボ細胞計数および/または分析の特異性の増強を可能にすることである。
よって、一側面において、本発明はインビボ非侵襲的細胞計数および分析/またはシステムを提供する。
本発明の他の側面は、特異性改善のための、造影剤の注射または摂取による特異的細胞標識を提供することである。
【0010】
ある実施態様において、本発明は、標的光色素を用いて染色した毛細血管循環内の細胞を照射し、そこから集光するように取り付けられた狭い開口を有する光ファイバーまたはフィルタを連結し、それにより、インビボかつリアルタイムでの細胞計数を可能にし、かつ血液の採取および調製を必要とせずに血液成分のオンラインリアルタイム分析を可能にすることに関する。
本発明の種々の実施態様は、多数の利点を示す。
例えば、1つの利点は、大量の血液を必要とするスクリーニング法(例えば希少細胞スクリーニング)には、長いモニタリング時間を用いて実施でき、従って、特異性を改善でき、大量の採血を排除できることである。
【0011】
本発明の実施態様は、さらに、インビボ循環細胞計数はリアルタイム、連続モニタリングを可能にし、従って、疾患の早い段階で、治療へのフィードバックを可能にし、あるいは出現するプロセスの検出を可能にするという他の利点を提供する。
さらにまた、例えば細菌性敗血症のリスク患者においては、循環細胞を連続してモニターすることができ、これにより感染症が治療困難になる前の早期の警告システムが提供される。
さらに、本発明の実施態様は、白血球数、示差細胞数などを含む多数のアッセイの融通のきく試験用プラットフォームを提供する。
【0012】
特定の細胞染色または化学染色を用いて、生きている動物にインビボ循環細胞計数を行うのに使用する検出器が提供される。1例において、イメージングシステムは、特定の組織面での光収集のための共焦点レンズシステムおよび空間フィルタリング、ならびに注入される標的色素を用い、該色素は、ランダムでない“ブリップ”強度の存在によりアッセイされ得、分析領域への標識細胞の通過を示す。効率的な検出により、この装置を研究室、臨床検査室または集中治療室に配備することが可能である。医学的使用法が記載されている。磁性ビーズおよび磁気センシングを用いる他の構成もまた記載されている。
【0013】
一側面において、本発明の実施態様は、非侵襲的インビボ循環細胞計数システムであって、標的領域に機能的に連結され、生命体内の信号を検出するように配置された検出器を含む前記システムを提供する。信号は標的細胞に存在する造影剤を表す。標的細胞が検出器の視野を通過するときに測定する計数器が提供される。標的細胞の通過は、前記生命体内の細胞運動により引き起こされる。計数器は、標的細胞に関連する多くのパラメータを測定するように構成されることができる。例えば、計数器は、循環標的細胞の推定値、寸法、数、存在、非存在、程度またはレベルを測定するように構成されることができる。
【0014】
他の側面において、生命体内の標的細胞型のインビボでの存在、非存在、数または濃度に関連するパラメータをモニタリングする方法が提供される。電磁放射は、生命体の標的領域に放出され、放出される放射線は、生命体に存在しかつ前記領域を通過するレポーター剤および/または標的細胞と相互作用するように選択される。領域から戻ってくる標的信号は経時的または空間的に検出され、領域内の標的信号の一時的な変化または分布に基づき、生命体内を循環中の標的細胞の存在、非存在または濃度が経時的に測定される。
【0015】
さらに、本発明のある実施態様では、インビボ循環細胞計数システムであって、標的領域に機能的に連結され、生命体内のコントラスト信号を検出するように配置された検出器を含む前記システムが提供される。コントラスト信号は、1以上の活性化ナノボットに存在する造影剤を表す。生命体内を循環するとき、活性化ナノボットが検出器の視野を通過するときに測定するように構成された計数器が提供される。計数器は、さらに、活性化ナノボットの推定値、寸法、数、存在、非存在、程度またはレベルを測定するように構成され得る。
本発明の使用および利点の広さは、現在モデル系および動物において試験中である構成された装置の実施の実施例および詳細な説明によって十分理解される。添付図面、実施例および詳細な説明を考慮に入れれば、本発明のこれらおよび他の利点は明らかになるであろう。
【0016】
本発明の利点および実施態様は、以下の詳細な説明を読み、以下の図面を参照することにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明のある実施態様によって構成されたシステムの概略図である。
【図2】図1のシステムからのモデルデータである。
【図3】図2のデータからの結果のディスプレイである。
【図4】市販の共焦点内視鏡に基づき、本発明の他の実施態様によって構成されたシステムである。
【図5】本発明のある実施態様による、細菌との結合により蛍光性となる循環ナノボットである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
定義
本明細書には以下の定義を用いる。これらの定義は、単に例示を目的とするものであり、なんら本発明の範囲または添付の特許請求の範囲を限定するものではない。
リアルタイム:
継続的に、あるいは数分以内に実施される測定。内科使用または外科手術使用においては、測定結果に基づいて、このようなリアルタイム測定の手順または治療計画を変更することが可能である。
インビボ:
生きている動物、植物、ウイルスまたは細菌の表面または内部の細胞に実施する測定。生きている動物は、ヒトを含むすべての哺乳動物を含む。
組織:
哺乳動物、特にヒトに重点を置く、生きている動物、植物、ウイルスまたは細菌対象由来の試料物質。
標的細胞:
分析が望まれる細胞型(単数または複数)。
標的領域:
分析される試料または組織が置かれる物理的領域。光システムにおける標的領域は、検出器により照射されモニターされる領域である。
標的信号:
標的細胞に特異的な光信号。この信号は、造影剤の使用により増強し得る。散乱、吸光度、燐光、蛍光、ラマン効果または他の既知の分光法技術によりこの信号を生じさせ得る。
【0019】
レポーターまたは造影剤:
検出可能信号を生じる分子または物質(例えば、鉄フェライトビーズ、色素、量子ドットまたは光散乱体)。この信号は、それが、例えば密接に関連し、プロテアーゼ部位に連結したシアニン色素のタンパク質分解中の光クエンチングのアンブロッキングなど標的細胞(または標的部位内、付近もしくは周辺の物質)と相互作用するとき、あるいはpHに応答した色シフト色素により作り出され得るか、あるいは変化させられ得る。この光信号は、限定するものではないが、多く場合、光照射に応答する光検出器により検出される。実際には、照射は非光学的手段を用いることができ、例えば、電波もしくは磁場、または細胞レベルで消費されるエネルギーに応答して光を発生させるルシフェラーゼベースの分子を使用し得る。
ナノボット:
循環し、機能を発揮できる、小さな内蔵型の細胞様物体。機能の1つに、例えば生命体内の疾患または実体に応じて、その蛍光、分極、磁性、光散乱またはラマン断面積を変化させる報告機能をあげることができる。次いで、これらの疾患を、ナノボットの信号を検出する外部検出器により、推定、計数、検出または測定することができる。さらにまた、ナノボットは、疾患が検出されたりまたは場所の特定がなされるとすぐに、内部もしくは外部信号または動力源に応答して治療機能を発揮するように構成され得る。いくつかの実施態様において、ナノボットはナノマシンと定義できるが、ナナイト(nanite)と呼ばれる場合もあり、物理的次元または重要な機能成分の次元(例えば、操作された光受容体)がナノメートルで測定される機械装置または電子機械装置である。
【0020】
散乱物質:
試料を通過する光子輸送の顕著な特徴として光を分散する物質。大部分の組織は、インビボで散乱物質である。
光:
紫外から赤外の、すなわち波長10nm〜100ミクロンの電磁放射。特に波長200nm〜2ミクロン、より具体的には波長450〜650nmの電磁放射。
光源:
光子を照射する供給源。光源は、単純な電球、レーザー、フラッシュランプ、LED、白色LEDもしくは他の光源または供給源の組み合わせから構成されてもよく、あるいは、電球または発光ダイオードなどの光エミッター、1以上のフィルタ素子、集積型光ファイバなどの伝達素子、反射プリズムまたは内部レンズなどのガイド素子および、研究中の組織または試料への供給源からの光の光結合を増強させることを目的とした他の素子を含む複合形であってもよい。電気入力(例えばLEDを用いて)、光入力(例えば光を受けたファイバー中の蛍光色素)、または供給源内部または外部のいずれかの他のエネルギー供給源を用いて、光を生じさせてもよい。光源は、常時通電、パルス状であってもよく、時間、周波数または空間分解光源としても分析され得る。光エミッターは、単数または複数の発光素子、例えば光のスペクトルを生じる種々の発光ダイオードの組み合わせからなってもよい。供給源からの光が色素に到達する場合、光レポーターは光源に光学的に連結される。他の電磁源、例えばフェライトベース造影剤の検出に使用する磁石を使用してもよい。
光検出器:
検出器に入射する光に応じて測定可能な信号を生成する検出器。本システムにおいて、検出器は、光検出器またはCCDイメージングチップのいずれでもよいが、当業者は他の検出器を代用することもできる。色素により影響または相互作用を受けた光を検出器が受信する場合、光レポーターは検出器に光学的に連結される。光を検出しない他の検出器、例えば磁場検出器(例えばSQUID)を使用してもよい。
光結合:
第1素子から出た光が、少なくとも一部分において第2光学素子と相互作用するような2つの素子の配置。これは、空気または空間を介した自由空間(助けを受けない)伝達の場合もあり、あるいは、介在光学素子、例えばレンズ、フィルタ、溶融ファイバエキスパンダ、コリメータ、集光装置、コレクター、光ファイバー、プリズム、鏡または鏡面の使用を必要とする場合もある。例えば、照明装置からの光が色素に到達する場合、色素は照明装置に光学的に連結され、検出器が色素による影響または相互作用を受けた光を受信する場合、色素は検出器に光学的に連結される。
【0021】
ここで、本装置の一実施態様を説明する。本装置は、米国政府の支援を受けて、実験試験研究室において設計され、数値的に評価された。このような試験からのデータは、本システムの一実施態様の初めの説明に続く実施例の一部に含まれている。
【0022】
図1に示すシステムに、インビボ循環細胞を分析するための典型的なシステムの構成部品が図示されている。ある実施態様において、一般に、本システムは、広く光エミッター、光検出器および細胞計数器で構成されている。光エミッターは、照射光線123を生成するレーザーダイオード121で構成され得る。この場合は、検出は磁気的というよりは光学的である。光線123はビーム拡大器131に入り、拡大ビーム133が生成される。ビーム133は、ダイクロイック素子145を有するダイクロイックビームスプリッタ141に入る。ビーム133は、スプリッタ141およびダイクロイック145には影響を受けず、ビーム147として出てくる。ダイクロイック素子145の使用は、それが後に他の方向から戻ってくる光を偏光させるときに初めて重要になるが、それは以下で説明する。ある実施態様において、ビーム147は、集光レンズ151、ピンホール153および拡大レンズ155のトリプレットに入るが、これらすべてはリターンパス上の面外光をカットするための空間フィルタ156を構成し、従って、標的部位165に焦点を合わされたビーム157として出てくる照射光に実質的に影響を与えない。生体内の循環細胞、存在物またはナノボットを測定、検出または計数するために用いられる場合、非共焦点設計を含む他のフィルタ装置は本発明の精神の範囲内である。
【0023】
この例において、標的部位165は、生命体(生命体は図示せず)における組織161の表面下に位置する。しかしながら、組織161ばかりでなく生命体もまた、本発明の構成部分ではないことに注意することが重要である。従って、本発明の一部ではないことを示すために、組織161は破線の外枠で示されている。組織161は装置の使用を例示するためだけに示されている。標的部位165は、光の焦点が合わされる場所である焦点面167上に存在する。この光の一部が、標的部位165に位置する色素を含む細胞などの標的領域と相互作用する。
標的領域165を通過する光は、近くの光散乱組織161、標的領域165における標的細胞、および標的領域165またはその近傍に存在し得るいずれかの標的細胞(図示せず)と関連する場合も、しない場合もあるいずれかの造影剤(図示せず)と相互作用する。
【0024】
領域165と相互作用した光は、次いで、多くの方向へ分配される(分散される、伝わる、蛍光を発する、生成される、または別なふうに領域165から移動する)。この光の一部(あらゆる方向に伝わる散乱光球の表面の部分領域と考えられるランダムプロセスにおける光であり得る)は、ビーム157と同一経路に沿って、今度は反対方向に戻ってくる。この光は、標的領域165から発せられた光のようにふるまい、レンズ155および151ならびにピンホール153から構成される空間フィルタを通過する。ビーム147と同じ経路に沿って逆行を続け、戻り光(returning light)はダイクロイック素子145に到達する。この場合、蛍光、波長シフト、量子ドットとの相互作用または他のプロセスのいずれによるものであっても、戻り光は放出光とは異なる波長を有するため、戻り光はダイクロイック素子145を通過せず、かわりに逆エキスパンダー171に反射される。エキスパンダー171は、照射光が通らない新しい経路であるビーム173として戻り光をノッチフィルタ182に集束させる。ノッチ182は、最初の照射からの残留光を除去し、戻り光を検出器186に通過させる。検出器186は、いずれかの適切な検出器、例えば限定するものではないが、アバランシェフォトダイオードまたは光電子増倍管などの単一素子、波長分解CCDで構成されてもよいし、あるいは標的領域165からの平面画像戻り光を作成するイメージング装置であってもよい。
【0025】
次いで、検出器186からの信号に基づき、細胞計数器192は標的細胞の存在、非存在、速度、濃度または他の特徴を測定する。例えば、細胞計数器192は、測定される毛細血管量を推定するために、観察されたヘモグロビン総量を用い、次いで血液1mL(1cc)当たりの腫瘍細胞濃度を推定するために、経時的に観察された腫瘍細胞数を用い得る。また、細胞計数器192は、それぞれの存在に関する信号を得るために、グラム陽性細菌とグラム陰性細菌を識別する複数の色素レポーターを用い得る。この分析において、切迫したまたは既存の敗血症などの診断を行うために閾値を用い得る。最後に、複数の色素、TおよびB白血球亜型レベル、または循環血液中の活性化マクロファージの存在を用いて、複数の特徴をより複雑な診断を行うために用い得る。このような計数器のプログラミングは当業者の通常の技能に含まれ、エクスビボで流れる細胞のベンチトップ型装置に使用することが当該技術分野で公知である。
【0026】
場合により、領域165のスポットサイズの相対サイズおよび深さは、前述にようにレンズ/ピンホール空間フィルタなどのレンズを用いて調節され得る。
領域165における物質との相互作用後に焦点から戻ってくる戻り光は、時間的(例えば出現する/消失する流れる細胞からの信号)情報もしくは空間的(例えば毛細血管内で撮像された細胞由来の移動する点の画像)情報またはその両方を伝達することもできる。
有限視野を得るために、種々の方法を用い得る。この例においては、空間フィルタおよび共焦点配置は空間フィルタとして役立つが、これは、単に、用いられる波長によって決定される、有限深さの視野のファイバーとレンズ151および155ならびにフィルタ153を交換した細径光ファイバーであり得る。
場合により、このシステムを治療可能にするために、場合により、熱、吸光度または他の特性に基づいて細胞を破壊するための破壊素子、例えばレーザー121を増幅し、あるいは別のレーザーを加え得る。
【0027】
本発明の教示に従ってこの機能を実行するように適合させることができ、それとともに、静止した動いていないバックグラウンドから、流れる細胞を拾い出すための画像分析が可能になる多くの装置、例えば共焦点内視鏡またはCCDアタッチメント付き共焦点撮像装置がある。市販の共焦点顕微鏡/内視鏡、例えばMauna Kea社(マサチューセッツ州ケンブリッジ)製のものが知られており、これらのそれぞれの改変は当業者にとって実施可能であり、従ってこれらは参照により本開示に組み込まれる。
【0028】
次に、本装置の操作方法を説明する。
標的色素の注入後、色素は不均一な分布の造影剤信号をもたらす。このことは、例えば色素が単に細胞に結合するだけでなく、その一部がすでに循環に入っているかまたは循環に入るだろうことを意味する。次に、細胞上への十分な色素の集合により、これらの標識細胞が検出視野を通過するとき、コントラストの大きな“ブリップ”が生じる。ここで、バックグラウンドよりも高い濃度の色素で標識された細胞は、検出強度の信号で“ブリップ”を生じる。各ブリップは数と見なされる。この場合、血液量が測定されれば、総ヘモグロビンの分光光度分析を用いて、この血液量に対してこの信号が補正され、ブリップの長さを用いて通過時間が補正される。
【0029】
しかしながら、色素は単に循環細胞を標識することを必要とするだけではない。この反応は、他の細胞、タンパク質、pHまたは他の周囲信号と接触する活性化ステップを色素含有細胞が受けることを必要とする場合がある。さらにまた、標的細胞の存在により“活性化”される色素を含有するミセルを注入し、それにより検出器を通過中に検出されるコントラスト・ミセルを生じさせることができる。このことは、流れる間の色素による細胞の標識ばかりでなく、いつかある時間に検出器を通過する可能性のある細胞または物体の標識であることをはっきりさせる必要がある。多くの細胞型(白血球、幹細胞)は、その生涯のほんの小部分だけを実際に循環するのに使うので、この事は重要である。検出器を流れる注入細胞試料からのデータを図2に示す。この場合、試料212に対する光子数を、時間214に対してプロットする。細胞がシステムを通過または流れるとき、高いピークの、寿命が短いブリップ、例えばブリップ221、223および225が観察される。細胞の検出中、バックグラウンド234は心拍動、組織と連結する共焦点の変化およびランダムばらつきによって変化する。
【0030】
検出された細胞の濃度を図3に示す。組織161について測定するとき、数値はディスプレイ343に表示される。再び、組織161それ自体は本発明の一部とはみなされず、例示目的のみで示されている。むしろ、部位165は、生体内の血流が、細胞計数を可能にする光信号の時間的および空間的変化を生じる部位に位置することのみを必要とする。
注意すべきは、非侵襲的または侵襲的システムからの光が組織を貫通するとき、光源と光検出器の間を伝わる光子は広範囲の経路をたどることである。散乱は平均関数およびボリュームサンプリング関数を与えるので、本装置はこの効果を利用する。光子が放出され、次いで検出される時間の間、組織を通っている実質的に非平行の多数の経路にわたって、組織を介して照射が伝搬した後に検出される照射が測定されるとき、放出および検出の間の狭帯域の組織のみでなく、組織の多くの領域をサンプリングできる。このことにより、プローブ自体が爪の外表面に置かれていても、指の爪の毛細血管床の毛細血管層の表面下をサンプリングする能力などの、小さいが重要な特徴が可能になる。
【0031】
図4に、システムが共焦点イメージング装置を用いる、本発明の他の実施態様を示す。共焦点イメージング装置は市販されている。ある実施態様において、例えば図4について言えば、共焦点内視鏡443はファイバー445を介して光源121に連結され、光検出器186および細胞計数器192はアイピース447に直接接続されている。
この実施態様において、光源はレーザーダイオード121である。また、光源は、本明細書に開示されたシステムの技術要件を満たしている限り、広帯域LED、狭帯域LED、白熱電球、電力の影響下で光を放出するポリマープラスチックで構成されてもよく、また、蛍光色素などを含侵させた入力ファイバーにより周波数帯を広げたレーザーであってもよい。
【実施例】
【0032】
本発明の使用の広さは実施例により最もよく理解されるが、そのうち7つを以下に示す。これらの実施例は、本装置のすべての使用および応用を限定することを意図するものではなく、単に、当業者がそれにより本装置の使用方法および範囲をよりよく理解できる事例研究として役立つことを意図したものに過ぎない。
【実施例1】
【0033】
細胞検出の予想下限値
検出可能な最小細胞数を推定した。
多くの場合(すべての場合ではないが)、検出される細胞は、細胞計数信号を生成するのに必要な流れを提供する血管コンパートメントに存在する。血管量(例えば、血管コンパートメント内にあると測定された組織量)を推定し、次いで実験により実証した。推定値として、ヒト組織は、平均血液量約2%を有するが、毛細血管リッチ床を画像化する場合、この推定値は10%以上にもなりうる。視野1mm、焦点深度1mmの場合、組織測定量は1uLになり、血管量は0.1uL以下になる。この血管接触のレベルは臨床検査において確認されており、太いファイバープローブの場合、100uLほどの量であり、最も細いプローブの場合、1uL未満の量である。
【0034】
次に、標的細胞の濃度および数を推定した。通常の血液成分の細胞数は既知である。白血球(WBC's)に関しては、通常濃度は4,000〜10,000細胞/uLであり、感染症において見られる“杆状核球(band form)”に関しては、一般的にはWBC'sの1〜3%であるが、感染症の間には、25%以上に上昇する場合がある。前述のプローブの量においては、これは、いずれかの瞬間において、1視野当たり通常1未満から125を超える細胞数に相当する。
【0035】
単に測定量を増やすか必要回数を増やすことによって、固形腫瘍から循環する乳癌細胞などのより希少な細胞の濃度を推定することができる。例えば癌を有さない正常人においては、血液1リットル当たり800細胞が上皮由来であるが、癌においては、これは1リットル当たり6,100に上昇する。測定量1uLのプローブに関しては、3分毎に10細胞/ccの腫瘍細胞が観察される。従って、統計的に有意な測定を行うために、30分間の測定時間が必要と考えられる。最大測定量に関しては、これは1視野当たり0.7癌細胞に相当すると考えられ、各細胞が検出器を通過するのに6秒を必要とする(1〜2mm/秒の細胞通過時間)。最小測定量に関しては、これは1視野当たり6x10-6細胞に相当すると考えられ、平均通過時間は0.1秒であり、細胞間の時間は16,000秒である。これに基づけば、理想的なサンプリング量は約2uLであり、平均して20秒当たり1細胞に相当する。
【0036】
前述のように、より広い面積の測定の使用(測定量の増加により減少する信号雑音比によってのみ限定される)または並列センサ(例えば同時に100か所で測定すれば測定時間が100倍短縮される)により、このような時間は短縮できる。
流速を増加させる方法もある。例えば、指先を温めることもできるし、あるいは、圧迫および解放により血液量を除去および回復させ、毛細血管再充満中に局所的により迅速な流れを得て、それにより低頻度の細胞より迅速な検出のために大きく変化させることができる。
さらなる情報を得るために、他の流れ測定法を付け加えることができることは、当業者に明らかであろう。例えば、局所流速をモニターし、局所流速によって細胞数を調節するために超音波を使用し得る。
【0037】
次に、単一細胞により生成される信号レベルを推定する。1W/cm2の照射により、1秒あたり各細胞に約650,000光子が衝突する。各色素分子の電界効果領域を100nmと仮定すれば、各色素分子に1秒当たり65光子が衝突することになる。各細胞の表面で100,000色素分子が検出され、量子効率が0.2である場合、各細胞からは160万光子/秒が生じる。もちろん、このような細胞は照射中退色するが、各細胞は1回のみ測定されると考えられる。2ミリメートル離して測定し、200ミクロンファイバーを用いて光を捕捉すると仮定すれば、1秒当たり8,000光子が観察され、これに対してバックグラウンドは1秒当たり20光子が観察されることになる。これは、十分に、腫瘍細胞または細菌の検出可能範囲内である。細胞標識は数時間循環するが、凝集または自己会合しないと仮定している。
場合により、両方のマーカーが同時に増減する場合にのみ細胞が計測されるように、複数の色素を同時に使用することができる。
【実施例2】
【0038】
組織モデルでの検出
実施例1に示したモデルを用いて作成したデータの妥当性を試験するために、作業システムを構成し、これを組織の流体モデルで試験した。
インビボ循環細胞計数は可能であることが示された。このような改善されたレンズシステムは、独立型装置として使用されてもよいし、診断または治療システムに組み込まれてもよい。
【0039】
インビボで作動する改善された循環細胞計数器を見出した。光ファイバーシステムを光収集に用い、戻り光における“ブリップ”を検出および定量するために光検出器を用いたファイバーベース照射および検出システムを構成し、試験した。改善された装置および医療上の使用方法を含む医療システムが記載されている。モデル、動物におけるいくつかの配置において本装置を作製し、試験し、ヒトに備えた。本装置は、医療および産業におけるいくつかの重要な問題に直接の応用を有し、従って当該技術分野での重要な進歩を構成する。
【実施例3】
【0040】
循環前立腺腫瘍の検出
前立腺の管組織における細胞膜上に見出される分子であるPSMAの細胞外ドメインを標的とするリガンドを調製することにより、前立腺細胞の表面のみに見出され、より低い程度で新生血管(血管新生)上に見出される結合標的が入手される。この結合部位は、循環腫瘍細胞、例えば前立腺癌における循環腫瘍細胞上にも見出される。
Cornell UniversityのBanderらにより開発されたhj-591抗体を用いてリガンドを調製し、Vanderbilt UniversityのDarryl Bornhopの指導の下で、化学経路を用いてこれをCyDye(Amersham Health,General Electric社、イングランド)に連結した。この研究は、米国政府の助成を受けて実施した(PHS助成金CA107908、研究代表者:David Benaron)。
この色素は前立腺細胞に結合するため、実施例1および2に記載された方法およびシステムを用いて循環腫瘍細胞を検出し得る。
【実施例4】
【0041】
循環卵巣癌細胞の検出
多くの細胞の膜上に見出されるが、癌細胞において400倍上方制御されている分子である、卵巣癌細胞の葉酸受容体を標的とするリガンドを調製することにより、同様に、循環血液中の卵巣腫瘍細胞の表面上にのみ存在し、より低い程度で活性化循環マクロファージ上に見出される結合標的が入手される。
米国政府の助成を受けて実施した研究(PHS助成金CA105653、申請:2002-2003、研究代表者:David Benaron)に基づいて、このために葉酸受容体(FR)剤を開発した。我々のグループ他による本研究の外延は、Lowらにより発表される予定である。
【実施例5】
【0042】
色素またはナノボットを用いる循環細菌の検出
循環細菌は、循環感染(いわゆる菌血症または血液中の細菌)が臨床的に有意になるかなり前に患者に存在している。ひとたび感染が十分に発症したら、患者は損傷または死を被る危険性が大きく、敗血症は依然として主な死因である。アメリカ合衆国においては、1年に1,000,000名の人間が敗血症で死ぬと推定されている。
【0043】
細菌の表面上に存在する特定の物質に対して結合剤を開発することは可能である。このような物質には、特定の細菌に特異的なものもあり、他には、細菌の群または科に特異的なものもある。色素が注射され、かつ細菌が存在する場合、この色素は細菌の表面上に集積し、これにより、循環腫瘍細胞が検出可能になるのと同様に、細菌も検出可能となる。
表面タンパク質、細胞内タンパク質およびmRNAばかりでなく、DNA鎖に特異的な核酸結合物質(原始細胞型である原核生物の一部において、核または核膜が存在しないので、細胞内でDNAは遊離している)に結合する物質を含む結合剤の数は桁はずれに増加していることは注目に値する。これらの物質は、結合により活性化し、蛍光性になる場合もあり、あるいは特定のタンパク質または分子の存在により分解したり、または波長が変化したりする場合もある。これらの結合および信号伝達プロセスのすべては当業者の技術の範囲内であり、本開示に組み込まれる。
さらにまた、種々の分子は、蛍光、ルミネセンス、燐光、光散乱、旋光度、分極および他の光信号伝達手段により信号伝達を行い得る。同様に、これらのそれぞれは本発明の精神の範囲内である。
【0044】
ある実施態様において、ナノボットと呼ばれる、循環し、機能(単数または複数)を発揮できる、小さな内蔵型の細胞様物体もまた、細菌または他の疾患の存在に応じて信号を生成するために使用するのも理にかなっている。図5について言えば、典型的な実施態様において、ナノボット503(ナナイト)は、小さな異種植皮(生きている宿主に挿入された異種組織)である。ナノボット503は、細菌514(または腫瘍細胞、またはいずれかの他の物質、化合物、分子もしくは存在物)の存在に対して結合部位512で感受性を有するように構成されている。例えば、細菌514が部位512に結合するとき、ナノボットはトラップケージ524に含有される蛍光分子を放出する機械を含み、ナノボット503の内部にそれを解放することができる。新たに放出された蛍光分子541、543および545ならびにはるかに拡散した放出分子555および557が示されている。ケージ524内の分子は接近して保持されており、蛍光を大幅に低下または除去させるクエンチングとして知られる現象を生じる。しかしながら、ひとたび分子541、543、545、555、557および数千の他の放出分子(明確にするために図示せず)がナノボットに拡散すれば、これらの分子は蛍光性となり、それと共に、計数される標的細胞と推定される対象とする細菌である黄色ブドウ球菌(Staph. aureus)の結合に応じて、非遺伝的化学プロセスによりナノボット503の外表面に蛍光を発する。これは、単一の結合事象がより大きな信号を生じる増幅である。また、完全に本発明の精神の範囲内であるが、ナノボットは、生命体内の疾患または存在物に対する分極、磁性、光散乱、ラマン断面積またはいずれかの他の外部から計数可能または測定可能な反応の変化により信号を生じ得る。
【0045】
ひとたび信号が発せられれば、ナノボットの信号を検出する外部検出器により、活性化ナノボットを推定、計数、検出または測定し得る。さらにまた、ひとたび疾患が検出されるか位置が推定されれば、内部もしくは外部信号または動力源に応答して治療機能を発揮するようにナノボットを構成し得る。
特定の実施態様に関して本発明を説明してきたが、前述の説明および教示を考慮に入れると、多くの変更、置換、選択肢および修飾が当業者に理解できることは明らかである。よって、本説明は、これらのすべての変更、置換、選択肢および修飾を特許請求の範囲の精神の範囲内に含むものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非侵襲的インビボ循環細胞計数システムであって、
標的領域に機能的に連結され、さらに生命体内の信号を検出するように配置された検出器であって、前記コントラスト信号が標的細胞に存在する造影剤を表す前記検出器;および
標的細胞が前記検出器の視野を通過する際に、前記生命体内の細胞運動により引き起こされる前記標的細胞の通過を測定する計数器であって、標的細胞の推定値、寸法、数、存在、非存在、程度またはレベルを測定するための前記計数器
を含む前記システム。
【請求項2】
前記造影剤がフェライトビーズであり、前記検出器が磁場検出器で構成されている、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記造影剤が光造影剤であり、前記検出器が光検出器で構成され、前記システムが、さらに光源を含み、前記光源が、前記標的領域に光学的に連結された、請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記造影剤が循環細菌を標的にする、請求項1記載のシステム。
【請求項5】
前記造影剤が、葉酸受容体を利用して卵巣癌を標的にする、請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記造影剤が、PSMA細胞外膜タンパク質を利用して前立腺癌を標的にする、請求項1記載のシステム。
【請求項7】
前記造影剤が、注入された循環ミセル中に位置し、前記ミセルが前記標的細胞として作動し、さらに、選択された細胞型、タンパク質、pH、または他のトリガーと接触させることにより、前記コントラスト信号が前記ミセル中で誘導される、請求項1記載のシステム。
【請求項8】
生命体内の標的細胞型のインビボでの存在、非存在、数、または濃度に関連するパラメータを非侵襲的にモニタリングする方法であって、
前記生命体の標的領域に電磁放射を放出する工程であって、放出される該放射線が、前記生命体中に存在しかつ前記領域を移動するレポーター剤および/または標的細胞と相互作用するように選択される工程;
前記領域から戻ってくる標的信号を経時的または空間的に検出する工程;および
前記領域内の前記標的信号の一時的な変化または分布に基づき、前記生命体内を循環している前記標的細胞の存在、非存在、または濃度に関連するパラメータを経時的に測定する工程
を含む前記方法。
【請求項9】
非侵襲的インビボ循環細胞計数システムであって、
生命体内に位置する標的領域に光学的に連結された光エミッター;
前記標的領域に光学的に連結され、さらに、前記標的領域と相互作用した後前記エミッターからの光を検出するように配置された光検出器;および
標的細胞が前記検出器の視野を出入りする際に、前記生命体内の細胞運動により引き起こされる前記標的細胞の動きを測定するように構成された計数器
を含む前記システム。
【請求項10】
生命体内の標的細胞型のインビボでの存在、非存在、数、または濃度を非侵襲的にモニタリングする方法であって、
光造影レポーター剤を供給する工程;
前記レポーターが、前記生命体内で分布を達成し、かつ前記標的細胞型と相互作用するのに必要な時間放置する工程;
前記生命体の標的領域に光を放出する工程であって、前記光が前記領域を移動する前記レポーターおよび/または標的細胞と相互作用するように選択される工程;
前記放出光と前記造影剤の相互作用の結果として、前記標的領域から戻ってくる標的光信号を経時的または空間的に検出する工程;および
前記生命体の前記領域内を循環している前記標的信号の一時的な変化または分布に基づき、前記標的細胞の存在、非存在、または濃度を経時的に測定する工程
を含む前記方法。
【請求項11】
インビボ循環細胞計数システムであって、
標的領域に機能的に連結され、さらに生命体内のコントラスト信号を検出するように配置された検出器であって、前記コントラスト信号が、1以上の活性化ナノボット中に存在する造影剤を表す前記検出器;および
活性化ナノボットが前記検出器の視野を通過する際に、前記生命体内の細胞運動により引き起こされる前記ナノボットの通過を測定するように構成された計数器
を含む前記システム。
【請求項12】
前記計数器が、さらに活性化ナノボットの推定値、寸法、数、存在、非存在、程度またはレベルを測定するように構成された、請求項1記載のシステム。
【請求項13】
前記計数器が、さらに活性化ナノボットの推定値、寸法、数、存在、非存在、程度またはレベルを測定するように構成された、請求項9記載のシステム。
【請求項14】
前記計数器が、さらに活性化ナノボットの推定値、寸法、数、存在、非存在、程度またはレベルを測定するように構成された、請求項11記載のシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2010−522611(P2010−522611A)
【公表日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−501033(P2010−501033)
【出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【国際出願番号】PCT/US2008/054448
【国際公開番号】WO2008/118572
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(502453148)スペクトロス コーポレイション (8)
【Fターム(参考)】