説明

エポキシ樹脂のためのハードナー組成物

a)エポキシ樹脂およびb)i)エチレン性不飽和無水物とii)ビニル化合物のコポリマーを含むハードナーを含み、ビニル化合物がスチレンまたはスチレン誘導体であり、コポリマーの無水物含有率が、コポリマーの総重量を基準にして15重量%未満である、ハロゲン含有化合物から調製される組成物、ならびにその使用が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エポキシ樹脂を硬化するための架橋剤として有用な組成物に関する。より具体的には、本発明は、エポキシ樹脂を硬化するための架橋剤として有用なハードナー(hardener)組成物に関する。さらには、エポキシ樹脂は、例えば電気積層板(electrical laminate)用途に使用される。
【背景技術】
【0002】
繊維強化材およびエポキシ含有マトリックス樹脂から電気積層板および他の複合材料を作製することが知られている。適切なプロセスの例は、通常、以下のステップを含む。
(1)エポキシ含有配合物を、圧延、浸漬、噴霧、他の既知の技法および/またはこれらの組合せによって、基材に塗布または含浸させる。基材は、典型的には、ガラス繊維もしくは紙を含有する、例えば織り繊維製のマットまたは不織繊維マットである。
(2)含浸させた基材は、エポキシ含有配合物中の溶媒を取り除くのに十分な温度で加熱する、および任意選択でエポキシ含有配合物を部分的に硬化させるのに十分な温度で加熱することにより「Bステージ化」され、その結果、含浸させた基材は容易に取り扱いができる。「Bステージ化」ステップは、通常、90℃から210℃の温度で、1分間から15分間行われる。Bステージ化から得られた含浸させた基材は、「プリプレグ」と呼ばれる。温度は、複合材料では100℃、電気積層板では130℃から200℃が最も一般的である。
(3)1つまたは複数のプリプレグのシートを、電気積層板が所望される場合、銅箔などの導電材料の1つまたは複数のシートを用いて、交互に重なった層に積み重ねるまたは張り合わせる。
(4)張り合わせたシートを、樹脂を硬化しかつ積層板を形成するのに十分な時間、高温および高圧で加圧する。この積層ステップの温度は、通常、100℃から230℃の間であり、ほとんどの場合165℃から200℃の間である。積層ステップは、また、100℃から150℃の間の第1段階および165℃から190℃の間の第2段階などの、2段階以上で行ってもよい。圧力は、通常、50N/cmから500N/cmの間である。積層ステップは、通常、1分間から200分間行われ、ほとんどの場合、45分間から90分間行われる。任意選択で、(連続積層プロセスなどにおける)積層ステップを、より高温でより短時間行ってもよく、または(低エネルギーの加圧工程では)、より低温でより長時間行ってもよい。
【0003】
任意選択で、得られた積層板、例えば銅被覆積層板を、高温および周囲圧力においてしばらく加熱して後処理してもよい。後処理の温度は、通常、120℃から250℃の間である。後処理時間は、通常、30分間から12時間の間である。
【0004】
エポキシ含有積層板の調製では、熱硬化樹脂を形成するためにエポキシ組成物を架橋結合させるために、エポキシ樹脂組成物にハードナー(「硬化剤」または「架橋剤」とも呼ばれる)を組み入れることは、従来行われている。エポキシ樹脂のための種々のハードナーが一般に知られており、アミン、フェノール系誘導体、無水物、カルボン酸、メルカプタンおよびイソシアネートが挙げられる。エポキシ樹脂は、また、求核種および求電子種と反応して単独重合することもできる。
【0005】
電気積層板産業の最近の傾向では、より低い誘電率(Dk)および誘電正接(Df(dissipation factor))を含む向上した誘電特性;高いガラス転移温度(Tg)および熱分解温度(Td)を含む優れた熱的特性;ならびに十分な加工性を有する材料が必要とされている。積層板の特性を向上させるための1つの既知の手法は、難燃性のエポキシ樹脂を、スチレン−無水マレイン酸コポリマー(SMA)などの無水物ハードナーで硬化することから成る。既知のSMAのハードナーで作られるプリプレグ粉末は、ガラスウェブ(glass web)などの基板から容易く取れ、プリプレグを取り扱う時に多量の塵を発生するので(いわゆる「マッシュルーム(mushroom)」効果)、既知のSMAのハードナーシステムは加工性が悪い。SMAのハードナーについて知られている別の不利益は、コポリマー中のポリスチレンの存在による燃焼性制御の難しさ、特にワニスの総スチレン量を増加させた中での燃焼性制御の難しさである。加えて、スチレン含量が高いシステムは、スチレン高含量のハードナー中のポリスチレンの体積分率が高いため、ガラス転移温度が低下する傾向がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、これらの不利益がないエポキシ樹脂のためのハードナーシステムを提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態では、a)エポキシ樹脂、およびb)i)エチレン性不飽和無水物(ethylenically unsaturated anhydride)とii)ビニル化合物のコポリマーを含むハードナーであって、ビニル化合物が、スチレンまたはスチレン誘導体であり、コポリマーの無水物含有率が、前記コポリマーの総重量を基準にして15重量パーセント未満であるハードナーを含む、から成る、またはから本質的に成り、ハロゲン含有化合物から調製される組成物が開示される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施形態では、a)エポキシ樹脂、およびb)i)エチレン性不飽和無水物とii)ビニル化合物のコポリマーを含むハードナーであって、ビニル化合物が、スチレンまたはスチレン誘導体であり、コポリマーの無水物含有率が、前記コポリマーの総重量を基準にして15重量パーセント未満であるハードナーを含む、から成る、またはから本質的に成り、ハロゲン含有化合物から調製される組成物が開示される。
【0009】
エチレン性不飽和無水物とビニル化合物とのコポリマーとしては、例えば、スチレン−無水マレイン酸コポリマー(SMA)が挙げられ、他では、例えば参照により本明細書に組み込まれる、WO 95/06075に記載されているコポリマーが挙げられる。
【0010】
一実施形態では、スチレンと無水マレイン酸のコポリマーは、10,000から50,000の範囲にある分子量(Mw)を有することが可能であり、無水物の含有率が15重量パーセント未満であり得る。これらのコポリマー材料の市販例としては、これらだけに限定されないが、スチレン−無水マレイン酸の比がそれぞれ6:1および8:1であり、平均分子量が11,000から15,000の範囲にある、SMA EF60およびSMA EF80が挙げられ、The Sartomer Companyから商業的に入手可能である。
【0011】
ハードナー組成物は、溶媒または溶媒のブレンドに溶解し得る。適切な溶媒の例としては、とりわけ、ケトン、エーテル、アセテート、芳香族炭化水素、ジメチルホルムアミドおよびシクロヘキサノンが挙げられる。一実施形態では、溶媒は2−ブタノンである。
【0012】
本発明のハードナー組成物は、上記で検討したハードナー構成成分に加えて、複数の成分を含有してもよい。例えば、ハードナー組成物は、他の異なる架橋剤、すなわち、アミン、フェノール系誘導体、無水物、カルボン酸、メルカプタンおよびイソシアネートを含む、エポキシ樹脂のためのその他の既知のハードナーから選択されるものなどの共架橋剤を含有してもよい。
【0013】
米国特許第4,042,550号および3,789,038号に記載されているようなよく知られた共架橋剤の任意のものを、本発明で使用してもよい。例示として、本発明で使用され得る既知の共架橋剤としては、例えば、シュウ酸、フタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸およびコハク酸などのカルボン酸、ならびに無水フタル酸、無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ナド酸無水物、イタコン酸無水物、無水マレイン酸、オキシジフタル酸無水物および無水トリメリット酸などの無水物が挙げられる。
【0014】
ハードナー組成物に存在する共架橋剤の量は、SMA対共架橋剤の重量比が約99:1から約50:50の範囲にあるような量とすることができる。一実施形態では、当該重量比は、約95:5から約75:25の範囲にある。
【0015】
本発明のハードナー組成物は、ハードナーとエポキシ樹脂のエポキシ部分との間に架橋を与え、熱硬化性樹脂を形成する。本明細書に開示した実施形態で使用されたエポキシ樹脂は、従来の商業的に入手可能なエポキシ樹脂を含め様々であり、数ある中でも、例えば、ノボラック樹脂およびイソシアネート変性エポキシ樹脂を含め、単独でまたは2つ以上の組合せで使用できる。本明細書で開示された組成物のためにエポキシ樹脂を選択する際には、最終製品の特性を考慮に入れるだけではなく、粘度および樹脂組成物の加工に影響し得る他の特性もまた考えなければならない。
【0016】
エポキシ樹脂構成成分は、本明細書で「エポキシ基」または「エポキシ官能性」として参照される、1つまたは複数の反応性のオキシラン基を含有する任意の材料を含む、成型組成物に有用な任意のタイプのエポキシ樹脂とすることができる。本明細書に開示された実施形態で有用なエポキシ樹脂としては、単官能性エポキシ樹脂、複官能性または多官能性エポキシ樹脂およびこれらの組合せが挙げられる。モノマーおよびポリマーのエポキシ樹脂は、脂肪族、環状脂肪族、芳香族または複素環エポキシ樹脂とすることができる。ポリマーのエポキシ化合物としては、末端にエポキシ基を有する線状ポリマー(例えば、ポリオキシアルキレングリコールのジグリシジルエーテル)、ポリマー骨格のオキシラン単位(例えば、ポリブタジエンポリエポキシド)およびエポキシ側基を有するポリマー(例えば、メタクリル酸グリシジルのポリマーまたはコポリマーなど)が挙げられる。エポキシ化合物は、純粋な化合物としてもよいが、一般に、1分子当たり1個、2個または複数のエポキシ基を含有する混合物または化合物である。一実施形態では、エポキシ樹脂は、ハロゲン含有化合物から調製される。典型的には、ハロゲンは臭素である。いくつかの実施形態では、エポキシ樹脂は反応性OH基をまた含むことができ、これは、無水物、有機酸、アミノ樹脂、フェノール樹脂、または(触媒される場合)エポキシ基と高温で反応して、その結果さらなる架橋をもたらすことができる。一実施形態では、エポキシ樹脂は、グリシジルエーテルを、例えば、ビスフェノールAまたはテトラブロモビスフェノールAなどのビスフェノール化合物と接触反応させ、エポキシ末端のオリゴマーを形成することにより生成される。別の実施形態では、エポキシ樹脂は、イソシアネートとの反応により改良されて、オキサゾリジノンを形成することができる。適切なオキサゾリジノンとしては、トルエンジイソシアネートおよびメチレンジイソシアネート(MDIまたはメチレンビス(フェニレンイソシアネート))が挙げられる。別の実施形態では、ハードナーとの配合前に、ブロム化フェノールをエポキシ樹脂に改良し得る。
【0017】
本発明の組成物は、また、他の熱硬化性物質および熱可塑性物質を添加して変性させることもできる。他の熱硬化性物質の例としては、これらだけに限定されないが、シアネート、トリアジン、マレイミド、ベンゾキサジン、アリル化フェノールおよびアセチレン化合物が挙げられる。熱可塑性物質の例としては、ポリフェニレンオキシドなどのポリ(アリールエーテル)、ポリ(エーテルスルフォン)、ポリ(エーテルイミド)および関連する物質が挙げられる。
【0018】
いくつかの実施形態では、エポキシ樹脂として、グリシジルエーテルタイプ、グリシジルエステルタイプ、脂環式タイプ、複素環タイプおよびハロゲン化エポキシ樹脂などを挙げることができる。適切なエポキシ樹脂の非制限的な例として、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールおよびアルキル化ビスフェノール系エポキシ樹脂、ナフタレンジオールエポキシ樹脂、ヒドロキノンエポキシ樹脂、スチルベンエポキシ樹脂ならびにこれらの混合物および組合せを挙げることができる。
【0019】
他の有用なエポキシ樹脂としては、レソルシノールジグリシジルエーテル(1,3−ビス−(2,3−エポキシプロポキシ)ベンゼン)、ビスフェノールA(2,2−ビス(p−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)プロパン)のジグリシジルエーテル、トリグリシジルp−アミノフェノール(4−(2,3−エポキシプロポキシ)−N,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)アニリン)、ブロモビスフェノールA(2,2−ビス(4−(2,3−エポキシプロポキシ)3−ブロモ−フェニル)プロパン)のジグリシジルエーテル、ビスフェノールF(2,2−ビス(p−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)メタン)のジグリジシルエテール、メタ−および/またはパラ−アミノフェノール(3−(2,3−エポキシプロポキシ)N,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)アニリン)、およびテトラグリシジルメチレンジアニリン(N,N,N’,N’−テトラ(2,3−エポキシプロピル)4,4’−ジアミノジフェニルメタン)のトリグリシジルエーテル、および2つ以上のポリエポキシ化合物の混合物を挙げることができる。判明した有用なエポキシ樹脂のより包括的な一覧表は、Lee、H.およびNeville、K.、IIndbook of Epoxy Resin、McGraw−IIill Book Company、1982年再発行に見出すことができる。
【0020】
他の適切なエポキシ樹脂としては、N,N’−ジグリシジル−アニリン;N,N’−ジメチル−N,N’−ジグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン;N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン;N−ジグリシジル−4−アミノフェニルグリシジルエ−テル;およびN,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−プロピレンビス−4−アミノベンゾエートなどの、芳香族アミンおよびエピクロルヒドリンを基本とするポリエポキシ化合物が挙げられる。また、エポキシ樹脂として、芳香族ジアミン、芳香族第1級モノアミン、アミノフェノール、多価フェノール、多価アルコール、ポリカルボン酸の1つまたは複数のグリシジル誘導体も挙げることができる。
【0021】
他の有用なエポキシ樹脂としては、例えば、エチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサンジオール、グリセロール、および2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンなどの多価ポリオールのポリグリシジルエーテル;例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸および二量化リノール酸などの脂肪族および芳香族ポリカルボン酸のポリグリシジルエーテル;例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)イソブタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタンおよび1,5−ジヒドロキシナフタレンなどのポリフェノールのポリグリシジルエーテル;アクリレートまたはウレタン部分を有する変性エポキシ樹脂;グリシジルアミンエポキシ樹脂ならびにノボラック型樹脂が挙げられる。
【0022】
エポキシ化合物は、環状脂肪族または脂環式エポキシドであり得る。環状脂肪族エポキシドの例としては、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)オキサレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジパート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジパート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)ピメレートなどのジカルボン酸の環状脂肪族エステルのジエポキシド;ビニルシクロヘキセンジエポキシド;リモネンジエポキシド;ジシクロペンタジエンジエポキシド;およびこれらに類するものが挙げられる。他の適切なジカルボン酸の環状脂肪族エステルのジエポキシドは、例えば米国特許第2,750,395号に記載されている。
【0023】
他の環状脂肪族エポキシドとしては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート;3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシル−メチル−3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキサンカルボキシレート;6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメチル−6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート;3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−2−メチルシクロヘキサンカルボキシレート;3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシル−メチル−3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレート;3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシル−メチル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレートなどの3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート;およびこれらに類するものが挙げられる。他の適切な3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートは、例えば、米国特許第2,890,194号に記載されている。
【0024】
さらなる有用なエポキシ含有材料としては、グリシジルエーテルのモノマーを基本とするものが挙げられる。例は、ビスフェノール化合物などの多価フェノールを、エピクロロヒドリンなどのクロロヒドリンの過剰量と反応させて得られる、多価フェノールのジまたはポリグリシジルエーテルである。このような多価フェノールとしては、レゾルシノール、(ビスフェノールFとして知られる)ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、(ビスフェノールAとして知られる)2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジブロモフェニル)プロパン、1,1,2,2−テトラキス(4’−ヒドロキシ−フェニル)エタン、またはノボラック型フェノールおよびノボラック型クレゾールなどの、酸性条件下で得られるフェノールのホルムアルデヒドとの縮合物が挙げられる。このタイプのエポキシ樹脂の例は、米国特許第3,018,262号に記載されている。他の例としては、1,4−ブタンジオールなどの多価アルコールまたはポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコールのジもしくはポリグリシジルエーテル、および2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンなどの環状脂肪族ポリオールのジまたはポリグリシジルエーテルが挙げられる。他の例は、クレシルグリシジルエーテルまたはブチルグリシジルエーテルなどの単官能性樹脂である。
【0025】
エポキシ化合物の別の種類は、フタル酸、テレフタル酸、テロラヒドロフタル酸またはヘキサヒドロフタル酸などの、多価のカルボン酸のポリグリシジルエステルおよびポリ(β−メチルグリシジル)エステルである。エポキシ化合物のさらなる種類は、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン、N、N,N’,N’−テトラグリシジルビス(4−アミノフェニル)メタン、トリグリシジルイソシアヌレート、N,N’−ジグリシジルエチル尿素、N,N’−ジグリシジル−5,5−ジメチルヒダントインおよびN,N’−ジグリシジル−5−イソプロピルヒダントインなどの、アミン、アミドおよび含窒素複素環塩基のN−グリシジル誘導体である。
【0026】
さらなる他のエポキシ含有材料は、グリシジルアクリレートおよびグリシジルメタクリレートなどの、グリシドールのアクリル酸エステルの、1つまたは複数の共重合性ビニル化合物とのコポリマーである。このようなコポリマーの例は、1:1のスチレン−グリシジルメタクリレート、1:1のメチルメタクリレート−グリシジルアクリレート、および62.5:24:13.5のメチルメタクリレート−エチルアクリレート−グリシジルメタアクリレートである。
【0027】
容易に入手可能なエポキシ化合物としては、酸化オクタデシレン;グリシジルメタクリレート;ビスフェノールAのジグリシジルエーテル;The Dow Chemical Company、Midland、Michiganから入手可能なD.E.R.(商標)331(ビスフェノールA液体エポキシ樹脂)およびD.E.R.(商標)332(ビスフェノールAのジグリシジルエーテル);ビニルシクロヘキセンジオキシド;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート;3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−メチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート;ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジパート;ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル;ポリプロピレングリコールで変性した脂肪族エポキシ;二酸化ジペンテン;エポキシ化ポリブタジエン;エポキシ官能性を含有するシリコーン樹脂;(D.E.R.(商標)530、538、539、560、592および593の商品名でThe Dow Chemical Company、Midland、Michiganから入手可能な、ブロモ化ビスフェノールタイプのエポキシ樹脂などの)難燃性エポキシ樹脂;(D.E.N.(商標)431およびD.E.N.(商標)438の商品名で、The Dow Chemical Company、Midland、Michiganから入手可能なものなどの)ノボラック型フェノールホルムアルデヒドのポリグリシジルエーテル;ならびにレゾルシノールジグリシジルエーテルが挙げられる。具体的には言及しないが、The Dow Chemical Company、Midland、Michiganから入手可能な、商品名の名称がD.E.R.(商標)およびD.E.N.(商標)である他のエポキシ樹脂も、また使用することができる。
【0028】
一実施形態では、エポキシ樹脂は、グリシジルエーテルを、ビスフェノール化合物およびトルエンジイソシアネートまたは「メチレンジイソシアネート」(メチレンジアニリンのジイソシアネート)などのポリイソシアネートと接触反応させて、オキサゾリジノン部分を形成することにより、生成することができる。これらの樹脂は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,112,932号に概説された方法を用いて調製できる。
【0029】
他の適切なエポキシ樹脂は、例えば、米国特許第7,163,973号、6,632,893号、6,242,083号、7,037,958号、6,572,971号、6,153,719号および5,405,688号、ならびに米国特許仮出願第20060293172号および20050171237号などに開示されている。
【0030】
エポキシドではないフェノール樹脂、ベンゾキサジン樹脂、アリールシアネート樹脂、アリールトリアジン樹脂およびマレイミド樹脂などの他の熱硬化性樹脂の少量を、配合物に添加してもよい。
【0031】
上記に列挙した任意の樹脂の混合物もまた、もちろん使用してもよい。
【0032】
米国特許第4,925,901号に記載されている、よく知られた触媒の任意のものを、本発明において使用してもよい。例示として、本発明で使用され得る既知の触媒の例としては、例えば、エチルトリフェニルホスホニウムアセテート、エチルトリフェニルホスホニウムアセテート−酢酸錯体、トリフェニルホスフィン、トリエチルアミン、メチルジエタノールアミン、ベンジルジメチルアミンなどの、適切なオニウム化合物またはアミン化合物、ならびに2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールおよびベンズイミダゾールなどの、イミダゾール化合物が挙げられる。一実施形態では、2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MI)が使用される。
【0033】
触媒は、存在する場合、ある種の架橋でエポキシ樹脂の実質的に完全な硬化をもたらすのに十分な量で使用される。例えば、触媒は、樹脂100部当たり約0.01から約5部の量で使用することができ、樹脂100部当たり約0.01から約1.0部が好ましく、樹脂100部当たり約0.02から約0.5部がより好ましい。
【0034】
エポキシ樹脂組成物に添加できる別の任意選択の構成成分は、強化剤である。任意の適切な強化剤が使用できる。適切な強化剤の例としては、これらだけに限定されないが、Dow PC−GRC、Dow GRC−310、Latex DL−995、Latex DL−6010、Kaneka Kane Ace(登録商標)MX−210およびKumhoから入手できるコアシェルゴムが挙げられる。この実施形態では、強化剤は、エポキシ樹脂組成物中に、エポキシ樹脂組成物の全重量を基準として約2重量%から約10重量%の範囲で存在し得る。
【0035】
本発明のエポキシ樹脂組成物中で有用な別の任意選択の構成成分は、反応抑制剤である。反応抑制剤としては、ホウ酸、およびホウ酸アルキル、アルキルボラン、トリメトキシボロキシンなどのホウ素を含有するルイス酸、過塩素酸、テトラフルオロホウ酸などの弱い求核性アニオンを有する酸、ならびにサリチル酸、シュウ酸およびマレイン酸などのpKaが1から3の有機酸を挙げることができる。本明細書で用いられるホウ酸とは、ホウ酸およびその誘導体を示し、メタホウ酸および無水ホウ酸、ならびにルイス酸の、ホウ酸アルキルまたはトリメトキシボロキシンなどのホウ素塩との組合せが挙げられる。本発明で抑制剤が使用される場合、ホウ酸が好ましく使用される。抑制剤および触媒は、別々に任意の順序で、本発明のエポキシ樹脂組成物に添加してもよく、または錯体として添加してもよい。ホウ酸の使用に関する説明は、例として本明細書に組み込まれる、US 5,169,473、US 5,308,895、US 5,314,720およびUS 5,721,323に記載されている。
【0036】
本発明のエポキシ樹脂組成物における触媒に対して存在する抑制剤の量は、エポキシ樹脂組成物のゲル化時間を調整するために加減できる。一定レベルの触媒で、抑制剤の量を増加させると、対応したゲル化時間の増加をもたらす。ゲル化時間を減少させるために、所望の触媒レベルにおいて抑制剤の相対量を減らすことができる。ゲル化時間を増加させるために、触媒レベルを変えることなく抑制剤の量を増加させることができる。
【0037】
触媒に対する抑制剤(または異なる抑制剤の混合物)のモル比は、ゲル化時間の増加により示されるポリエポキシドの反応を、抑制剤を含んでいない同様な組成物と比較して著しく抑制するのに十分な比である。簡単な実験により、ゲル化時間を増加させるが高温での完全な硬化を依然として可能にする、抑制剤または混合物の特定のレベルを決定することができる。例えば、触媒に対する抑制剤の好ましいモル比の範囲は、最大約5.0phrのホウ酸が使用される場合、約0.1:1.0から約10.0:1.0であり、より好ましい範囲は、約0.4:1.0から約7.0:1.0である。
【0038】
本発明のエポキシ樹脂組成物に添加され得る、別の任意選択の構成成分は、溶媒または溶媒のブレンドである。エポキシ樹脂組成物で使用される溶媒は、混和性のものが好ましい。加えて、本発明のハードナー組成物を含有するエポキシ/ハードナーのワニスは、組成物に使用される任意選択の溶媒に応じて、透明な溶液または安定な分散液である。本発明で使用用される適切な溶媒の例としては、例えば、ケトン、アルコール、エーテル、エーテルアルコール、アセテート、芳香族炭化水素、シクロヘキサン、ジメチルホルムアミド、Dowanol(商標)PMAおよびこれらの組合せが挙げられる。
【0039】
触媒および抑制剤のための好ましい溶媒は、極性溶媒である。極性溶媒は、ホウ酸またはホウ素から誘導されたルイス酸の抑制剤を溶解するのに特に有用である。極性溶媒が水酸基を含有する場合、利用可能なカルボン酸無水物では、溶媒の水酸基部分とオキシラン環の開環に際して形成される第二級水酸基との間の潜在的競合が存在する。したがって、例えば、N,−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドおよびテトラヒドロフランなどの、水酸基部分を含有していない極性溶媒は、有用である。さらに有用なものは、2つもしくは3つの水酸基を有するエーテル部分またはグリコールエーテルを任意選択で含有する、ジヒドロキシおよびトリヒドロキシ炭化水素である。とりわけ有用なものは、C2〜4のジまたはトリヒドロキシ化合物であり、例えば、1,2−プロパンジオール、エチレングリコールおよびグリセリンである。溶媒の多官能性(polyhydroxy functionality)は、共架橋剤に関して以前に記載した考えられるメカニズムに従う、鎖延長剤または共架橋剤としての溶媒の働きを促進する。
【0040】
エポキシ樹脂組成物に使用される溶媒の総量は、一般に、約20から約60重量%の間、好ましくは約30から約50重量%の間、および最も好ましくは約35から約45重量%の間とすることができる。
【0041】
本明細書による硬化性のエポキシ樹脂組成物は、増量剤、染料、顔料、チキソトロープ剤、界面活性剤、流動制御剤、安定剤、加工を補助する希釈剤、接着促進剤、可塑性付与剤、強化剤および難燃剤などの、通常の添加剤を含有してもよい。
【0042】
本発明の硬化性のエポキシ樹脂組成物は、組成物の全ての構成成分を任意の順序で一緒に混合して生成することができる。あるいは、本発明の硬化性のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂構成成分を含む第1の組成物を調製し、ハードナー組成物構成成分を含む第2の組成物を調製して、生成することができる。エポキシ樹脂組成物を作る際に有用な他の全ての構成成分は、同じ組成物中に存在してもよく、またはいくつかは第1の組成物中に存在し、いくつかの構成成分は第2の組成物中に存在してもよい。次に、第1の組成物を第2の組成物と混合して、硬化性のエポキシ樹脂組成物を形成する。次に、エポキシ樹脂組成物の混合物を硬化し、エポキシ樹脂の熱硬化性材料を生成する。好ましくは、硬化性のエポキシ樹脂組成物は、組成物の構成成分が溶媒中に溶解している溶液の形態にある。そのような溶液またはワニスは、コーティング物品を製造するために使用される。
【0043】
本発明の硬化性のエポキシ樹脂組成物は、コーティングが所望される任意の物品を被覆するために使用し得る。物品は、例えば、粉体塗装、吹き付け塗装および物品を組成物を含有する槽に接触させることを含む当業者に既知の任意の方法を用いて、本発明の組成物で被覆し得る。そのような物品は、エポキシ樹脂組成物で被覆することができ、コーティングは、部分硬化するまたは完全硬化することができる。コーティングを部分硬化する当該実施形態では、部分硬化樹脂を最終的に硬化し得るように、物品をさらに加工することが可能である。被覆される物品は、任意の基材、例えば金属、セメントおよび補強材であり得る。1つの実施形態では、物品は、複合材料、プリプレグまたは積層板用の繊維強化材である。
【0044】
本発明によるエポキシ樹脂組成物から作られるワニスは、とりわけ、電子機器、建築物、航空機産業、代替エネルギー(すなわち、風力発電機のブレード)および自動車産業向けの複合材料を作るために使用することができる。作ることができる品目としては、これらだけに限定されないが、電気積層板、注型品(casting)、プリント回路板および風力発電機のブレードが挙げられる。強化材に溶融樹脂もしくは溶解樹脂を含浸させる技術、または樹脂トランスファー成形、フィラメントワインディング、引抜成形(pultrusion)もしくはRIM(反応射出成形)および他の成形、封入もしくはコーティング技術などの、当業界でよく知られた技術で複合材料を作るために、本発明の硬化性のエポキシ樹脂組成物を使用することが可能である。さらに、本発明による硬化性のエポキシ樹脂組成物は、接着剤、コーティング、成形用樹脂、包埋樹脂、封止樹脂、シート成形化合物またはバルク成形化合物などの、従来のエポキシ樹脂が使われるどのようなところでも、使用することができる。
【0045】
本発明のエポキシ樹脂組成物で作られるワニスは、例えばプリント配線板用のBステージ化されたプリプレグおよび積層板を、当業界でよく知られた技術で作るために、特に有用である。本発明は、本発明のエポキシ樹脂組成物を取り入れるエレクトロニクス産業向け用途の積層板を、好ましくは対象とする。樹脂組成物が簡単な二官能性エポキシ化合物を基本とする場合でも、本発明による樹脂構成成分の組合せにより、エレクトロニクス産業における適用のために、優れた特性が付与されることが分かった。
【0046】
一般に、エレクトロニクス産業における用途、特にプリント配線板のための積層板は、支持材または強化材に本発明のエポキシ樹脂組成物を含浸させ、続いて樹脂を全体または一部硬化することで製造される。部分硬化した樹脂を含浸させた強化材は、通常、本明細書で「プリプレグ」として参照される。プリプレグからプリント配線板を作るためには、1つまたは複数のプリプレグの層を、例えば、銅などの金属材料の1つまたは複数の層と重ね合わせる。
【0047】
本発明のエポキシ樹脂組成物を含浸させ得る強化材としては、複合材料、プリプレグおよび積層板の形成における当業者により使用されると考えられる、任意の材料が挙げられる。そのような強化材の形態の例は、織布、布地、メッシュ生地、織物もしくは繊維または一方向に配列した平行フィラメントのクロスプライ積層板(cross-ply laminate)の形態である。一般に、そのような強化材は、ガラス繊維、紙、芳香族ポリアミドなどのプラスチック、グラファイト、ガラス、石英、炭素、ホウ素繊維および例えばアラミド、テフロン(登録商標)などの有機繊維などの様々な材料から作られ、より具体的にはプリント配線板用の積層板を作るためである。1つの好ましい実施形態では、強化材として、布地形態もしくは織物形態のガラスまたはガラス繊維が挙げられる。本発明の例示として、本発明によるエポキシ樹脂組成物は、例えばガラス繊維織物を含浸させるために非常にふさわしい。
【0048】
本発明の1つの実施形態では、強化材を、槽内に入っているワニスと一緒になった本発明のエポキシ樹脂組成物に接触させる。好ましくは、ワニスは、約40から約90%の固体を含有する。そのようなワニスでは、エポキシ樹脂組成物の種々の構成成分が溶媒中に溶解または懸濁している。単一の溶媒または溶媒ブレンドをワニスに使用してもよいが、多くの適用では、混合物に添加される各構成成分に別々の溶媒が使用される。使用される種々の溶媒は、互いに混和性であることが好ましい。そのような溶媒または希釈剤としては、揮発性で硬化前に組成物から消失するものが挙げられる。エポキシ樹脂に好ましい溶媒はケトンであり、アセトン、メチルエチルケトンを含む。ハードナー組成物に好ましい溶媒は、弱極性溶媒であり、アミド(例えばジメチルホルムアミド)、エーテルアルコール(例えば、エチレングリコールのメチル、エチル、プロピルまたはブチルエーテル)、メチル、エチル、プロピルまたはブチルのケトン、シクロヘキサン、ジプロピレングリコール、エチレングリコールのモノメチルエーテル、1メトキシ−2−プロパノール、トルエン、キシレンメトキシプロピルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、Dowanol(登録商標)PMAおよび溶媒の混合物である。触媒および抑制剤は、例えば、極性溶媒、特にアルコール、好ましくは低級アルカノール、最も好ましくはメタノールに溶解するものが好ましい。抑制剤が液体であるまたは非極性溶媒中で溶解性が高い場合、ケトンを使用してもよい。
【0049】
本発明の1つの実施形態では、溶媒中のポリエポキシド;溶媒中のポリエポキシドのための本発明のハードナー組成物;任意選択で、極性溶媒中のホウ酸などの抑制剤;任意選択で、ポリエポキシドの硬化をハードナーと共に触媒する、極性溶媒中の化合物;任意選択で、タルク、シリカ、酸化アルミニウムなどの増量剤;任意選択で、三水酸化アルミニウム、リン酸のアルミニウム塩およびアルキルエステルなどの追加の難燃剤;任意選択で、グラフト化ゴム、コアシェルゴムおよびコポリマーなどの強化剤;任意選択で、流動補助、消泡剤、湿潤剤などの個別の特性を向上することを目的とする添加剤およびこれらに類するもの、を含むエポキシ樹脂組成物の密に混合したワニスに、始めに強化材を接触させることを含むプロセスにより、プリプレグが本発明のエポキシ樹脂組成物および強化材から調製される。強化材に、槽内でエポキシ樹脂組成物を含浸させる。その後、樹脂を含浸させた強化材を、組成物中の溶媒を気化させるのに十分な温度であるが、加熱区域の滞留時間中にポリエポキシドが完全硬化する温度を下回る温度で、加熱区域を通過させる。
【0050】
樹脂を含浸させた強化材の加熱区域における滞留時間は、約0.5分から約15分、より好ましくは約1分から約10分であり、最も好ましくは約1.5分から約5分である。加熱区域の温度は、エポキシ樹脂組成物中に残留構成成分の完全硬化をもたらすほどには、まだ高くない温度である。そのような加熱区域の好ましい温度は、約80℃から約230℃、より好ましくは約100℃から約200℃であり、最も好ましくは約150℃から約190℃である。(可能性としてオーブンである)加熱区域を通して空気を送ることによる、またはオーブンでわずかな真空を導くことによるいずれかで揮発性溶媒を除去するある手段が、加熱区域にあるのが好ましい。他の実施形態では、含浸させた強化材を、温度を上昇させた区域に曝露させることができる。例えば、最初の区域を、溶媒を気化させ溶媒を除去できるように設計し、後続の区域を、ポリエポキシドの部分硬化をもたらして(すなわち、換言すればBステージ化して)プリプレグを形成するように設計してもよい。
【0051】
本発明の1つの実施形態では、積層板は、プリプレグ材料の複数の層、区分または部分を互いに接触させることで、上記で調製されるプリプレグ材料から製作される。その後、樹脂が隣接する層、区分または部分で反応して、繊維強化材の間またはこの周りに連続したエポキシ樹脂のマトリックスを形成して積層板を形成するように、接触させた層、区分または部分を、樹脂組成物中のエポキシ樹脂構成成分を完全硬化するのに十分な高圧および高温に曝露させる。硬化する前に、プリプレグ材料の一部を切断し、所望の形状および厚みに積み重ねる、または折りたたみ積み重ねることが可能である。
【0052】
積層板を調製するための加圧手段において、プリプレグを加圧するために用いられる圧力は、約10と約2000ニュートン/cmの間のいずれかにしてよく、約100と約1000ニュートン/cmの間のいずれかであるのが好ましい。プリプレグ材料を硬化して積層板を形成するために用いられる温度は、具体的な滞留時間、用いられる圧力および使用されるエポキシ樹脂組成物の組成によって決まる。一般に、用いられ得る硬化温度は、約100℃と約240℃の間のいずれか、好ましくは、約120℃と約210℃の間のいずれかとすることができ、より好ましくは約170℃と約200℃の間のいずれかとすることができる。プレス器におけるプリプレグ材料の滞留時間は、約30分と約300分の間のいずれか、好ましくは約45分と約200分の間のいずれかとすることができ、より好ましくは約60分と約120分の間のいずれかとすることができる。
【0053】
積層板を作るプロセスの1つの実施形態は、連続法であり得る。そのような連続法では、強化材をオーブンから取り出し、所望の形状および厚みに適正に配置し、非常に高い温度、とりわけ約180℃から約250℃、より好ましくは約190℃から約210℃のような高温で、約1分から約10分の間、短時間加圧する。
【0054】
本発明の代替の実施形態では、積層板または最終製品を、加圧を除く後硬化ステップにかけることが所望され得る。この後硬化ステップは、硬化反応を完了するために立案される。後硬化ステップは、通常、約130℃から約220℃で約20分から約200分間実施される。この後硬化ステップは、揮発し得る任意の構成成分を除去するために、真空中で実施される。
【0055】
本発明の硬化性のエポキシ樹脂組成物から調製される、最終的に完全硬化した積層板は、Tgが本発明の範囲内ではない組成物から調製された積層板よりも高いことが、しばしば実証される。一般に、積層板のTgは約150℃から約220℃であり、好ましくは約150℃から約180℃である。通常、本発明の積層板に対するTgは、標準的なFR4積層板よりも高い。積層板のTgは、強化剤が使用される場合、減少する可能性があることが知られている。
【0056】
本発明のエポキシ樹脂組成物を使用して調製される積層板は、例えば高い耐熱性などの、その優れた温度特性もまた維持する。例えば、Tdは、一般に約300℃から約400℃、好ましくは約320℃から約380℃であり、より好ましくは約350℃を超える。
【0057】
本発明のハードナー組成物を使用する場合、積層板の誘電特性、特に誘電率(Dk)もまた向上する。標準的なFR4と比較する場合、本発明の積層板は、常に優れている。Dkは、約4.0より著しく低い。一実施形態では、Dkは約3.8未満であり、別の実施形態では、Dkは約3.6未満である。これらのDkの範囲は、積層板の特定の構成、樹脂含量および周波数範囲の文脈の中で割り当てられる。誘電正接Dfは、一般に、試験周波数1GHzにおいて約0.015未満、好ましくは約0.010未満であり、より好ましくは約0.007未満である。
【0058】
加えて、本発明のエポキシ/ハードナー組成物から作られる、部分硬化したBステージ化したプリプレグは、向上した外見を有し、取り扱い中に発生する塵がより少ない。一般に、プリプレグの塵は、約0.15g/m未満、好ましくは約0.10g/m未満であり、より好ましくは約0.08g/m未満である。
【0059】
さらに、本発明のエポキシ/ハードナー組成物から作られる、完全硬化したCステージ化した積層板は、向上した靭性を示し、層間剥離する傾向がより低いことが分かる。概して、本発明の積層板は、標準樹脂から作られる積層板よりも、少なくとも10%の向上および最大10倍の向上を示す。例えば、本発明の積層板の層間剥離値は、約1.0J以上、最大約3.0Jであり得る。
【実施例】
【0060】
以下の実施例で用いられる材料に対する種々の用語および記号は、次のように説明される。
【0061】
Dowanol(商標)PMAは、The Dow Chemical Companyにより販売されている、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである。
【0062】
SMAは、スチレン無水マレイン酸コポリマーを表す。
【0063】
EF−60は、SartomerのEF−60SMAコポリマーを表す。
【0064】
EF−80は、SartomerのEF−80SMAコポリマーを表す。
【0065】
D.E.N.(商標)438は、The Dow Chemical Companyで販売されている、エポキシが180当量の多官能ノボラック型エポキシである。
【0066】
D.E.R.(商標)560は、The Dow Chemical Companyで販売されている、エポキシが450当量のブロム化エポキシ樹脂である。
【0067】
XZ−97103は、The Dow Chemical Companyで販売されている、エポキシが290当量の、オキサゾリドン変性された実験用エポキシ樹脂(oxazolidone modified experimental epoxy resin)である。
【0068】
2E4MIは、2−エチル−4−メチルイミダゾール溶液(不揮発分20%)を表す。
【0069】
TBBAは、テトラブロモビスフェノールAを表す。
【0070】
次の実施例における様々な測定に用いられた、種々の実験的試験および分析法は、以下のとおりである。
【0071】
DSCは、示差走査熱分析を表す。
【0072】
Tgは、カラス転移温度を表し、無定形の固体が、硬質のガラス様状態からゴム様状態に達する温度である。Tgは、フィルムに対しては10℃/分の加熱速度、積層板に対しては、20℃/分の加熱速度における、DSCによる中間点Tgで測定される。用いられた方法は、IPC−TM−650−#2.4.25Cであった。
【0073】
T−288は、熱機械分析(TMA)で測定される、300℃における層間解離までの時間を表す。用いられた方法は、IPC−TM−650−#2.4.24:1であった。
【0074】
CTEは、TMAで測定される熱膨張係数を表す。
【0075】
Tdは、熱重量分析(TGA)で測定される熱分解の温度を表す。Tdは、5wt%損失における温度である。
【0076】
銅の剥離強度を、IPC−TM−650−#2.4.8Cに記載されている方法を用いて測定した。
【0077】
<実施例1>
無水マレイン酸に対するスチレンの比が6:1のSMAハードナーを使用したサンプル配合
積層板用ワニスを、D.E.R.(商標)560 71.42グラム、D.E.N.(商標)438の2−ブタノン中75wt%溶液38.45グラム、SMA(EF−60、Sartomer**から入手)144.4グラム、TBBA 22.05グラム、およびDowanol(商標)−PMA9部およびエタノール1部を含有する2−フェニルイミダゾール10wt%溶液2グラムから調製した。この組成物は、臭素が18.3wt%、スチレンが46wt%である。
【0078】
<実施例2>
無水マレイン酸に対するスチレンの比が6:1のSMAハードナーを使用したサンプル配合
積層板用ワニスを、D.E.R.(商標)560 50.01グラム、D.E.N.(商標)438の2−ブタノン中75wt%溶液66.67グラム、SMA(EF−60、Sartomer**から入手)127.21グラム、TBBAの42.33グラム、2−ブタノンを含有する2−エチル−4メチルイミダゾール10wt%溶液0.5グラムおよびTPP−k 0.10グラムから調製した。この組成物は、臭素が18.5wt%、スチレンが41wt%である。
【0079】
<実施例3>
無水マレイン酸に対するスチレンの比が6:1のSMAハードナーを使用したサンプル配合
積層板用ワニスを、D.E.R.(商標)560 50.01グラム、D.E.N.(商標)438の2−ブタノン中75wt%溶液66.67グラム、SMA(EF−60、Sartomer**から入手)127.21グラム、TBBA 42.33グラムおよび2−ブタノンを含有する2−エチル−4メチルイミダゾール10wt%溶液0.5グラムから調製した。この組成物は、臭素が18.5wt%、スチレンが41wt%である。
【0080】
<実施例4>
無水マレイン酸に対するスチレンの比が6:1のSMAハードナーを使用したサンプル配合
積層板用ワニスを、D.E.R.(商標)560 75.00グラム、Dowの実験用製品XZ−97103の77wt%溶液60.36グラム、SMA(EF−60、Sartomer**から入手)123.00グラム、TBBA 43.20グラムおよび2−ブタノンを含有する2−エチル−4メチルイミダゾール10wt%溶液1.2グラムから調製した。この組成物は、臭素が21.9wt%、スチレンが37wt%である。
【0081】
<実施例5>
SMAを使用したサンプル配合(無水マレイン酸に対するスチレンの比が8:1)
積層板用ワニスを、D.E.R.(商標)560 56.83グラム、D.E.N.(商標)438の2−ブタノン中85wt%溶液55.54グラム、SMA(EF−80、Sartomer**から入手)248.76グラム、TBBA 45.00グラム、ホウ酸のメタノール中20wt%溶液3.12グラムおよび2−エチル−4−メチルイミダゾールの2−ブタノン中1wt%溶液33.92グラムから調製した。この組成物は、臭素が18.3wt%、スチレンが45wt%である。
【0082】
<実施例6>
SMAを使用したサンプル配合(無水マレイン酸に対するスチレンの比が8:1)
積層板用ワニスを、D.E.R.(商標)560 56.20グラム、D.E.N.(商標)438の2−ブタノン中85wt%溶液20.94グラム、D.E.R.(商標)330 11.87グラム、SMA(EF−80、Sartomer**から入手)148.58グラム、TBBA 38.14グラムおよび2−メチルイミダゾールの2−ブタノン中1wt%溶液1.01グラムから調製した。この組成物は、臭素が18.3wt%、スチレンが45wt%である。
【0083】
<実施例7>
SMAを使用したサンプル配合(無水マレイン酸に対するスチレンの比が8:1)
積層板用ワニスを、D.E.R.(商標)560の 47.36グラム、D.E.N.(商標)438の2−ブタノン中85wt%溶液47.06グラム、SMA(EF−80、Sartomer**から入手)210.08グラム、TBBA 37.50グラムおよび2−メチルイミダゾールの2−ブタノン中1wt%溶液1.42グラムから調製した。この組成物は、臭素が18.3wt%、スチレンが45wt%である。
【0084】
<実施例8>
SMAを使用したサンプル配合(無水マレイン酸に対するスチレンの比が8:1)
積層板用ワニスを、D.E.R.(商標)560 143.77グラム、D.E.R.(商標)330 37.33グラム、SMA(EF−80、Sartomer**から入手)201.68グラムおよび2−メチルイミダゾールの2−ブタノン中1wt%溶液1.37グラムから調製した。この組成物は、臭素が18.0wt%、スチレンが45wt%である。
【0085】
<実施例9>
SMAを使用したサンプル配合(無水マレイン酸に対するスチレンの比が8:1)
積層板用ワニスを、D.E.R.(商標)560 14.20グラム、D.E.N.(商標)438の2−ブタノン中85wt%溶液24.00グラム、TBBA 11.25グラムおよび2−エチル−4−メチルイミダゾールの2−ブタノン中5wt%溶液0.85グラムから調製した。この組成物は、臭素が18.3wt%、スチレンが45wt%である。
【0086】
<実施例10>
SMAを使用したサンプル配合(無水マレイン酸に対するスチレンの比が8:1)
積層板用ワニスを、D.E.R.(商標)560 14.21グラム、D.E.N.(商標)438の2−ブタノン中85wt%溶液24.00グラム、SMA(EF−80、Sartomer**から入手)62.87グラム、TBBA 10.88グラムおよび2−エチル−4−メチルイミダゾールの2−ブタノン中5wt%溶液0.85グラムから調製した。この組成物は、臭素が18.0wt%、スチレンが45wt%である。
【0087】
<実施例11>
SMAを使用したサンプル配合(無水マレイン酸に対するスチレンの比が8:1)
積層板用ワニスを、D.E.R.(商標)560 14.21グラム、D.E.N.(商標)438の2−ブタノン中85wt%溶液24.00グラム、SMA(EF−80、Sartomer**から入手)63.50グラム、TBBA 10.50グラムおよび2−エチル−4−メチルイミダゾールの2−ブタノン中5wt%溶液0.85グラムから調製した。この組成物は、臭素が17.7wt%、スチレンが45wt%である。
【0088】
<実施例12>
SMAを使用したサンプル配合(無水マレイン酸に対するスチレンの比が8:1)
積層板用ワニスを、D.E.R.(商標)560 13.13グラム、D.E.N.(商標)438の2−ブタノン中85wt%溶液24.00グラム、SMA(EF−80、Sartomer**から入手)62.25グラム、TBBA 12.33グラムおよび2−エチル−4メチルイミダゾールの2−ブタノン中5wt%溶液0.85グラムから調製した。この組成物は、臭素が18.5wt%、スチレンが45wt%である。
【0089】
<実施例13>
SMAを使用したサンプル配合(無水マレイン酸に対するスチレンの比が8:1)
積層板用ワニスを、D.E.R.(商標)560 11.21グラム、D.E.N.(商標)438の2−ブタノン中85wt%溶液24.00グラム、SMA(EF−80、Sartomer**から入手)62.25グラム、TBBA 14.25グラムおよび2−エチル−4−メチルイミダゾールの2−ブタノン中5wt%溶液0.85グラムから調製した。この組成物は、臭素が18.7wt%、スチレンが45wt%である。
【0090】
<実施例14>
SMA EF−60を基本とする配合物からのワニスの調製
積層板用ワニスを、Dowanol(商標)−PMA中70wt%のD.E.R.(商標)560 1013.37グラム、D.E.N.(商標)438の2−ブタノン中85wt%溶液834.54g、SMA(EF−60、Sartomer**から入手)の2−ブタノン中60wt%溶液3012.60グラム、TBBAの2−ブタノン中70wt%溶液857.75グラムおよび2−エチル−4−メチルイミダゾールの2−ブタノン中10wt%溶液28.34グラムから調製した。2−ブタノン500グラムをさらに添加し、当該wt%の固形物を61wt%にした。この組成物は、固形物を基準として臭素が18.5wt%、スチレンが41wt%である。
【0091】
<実施例15>
SMA EF−80を基本とする配合物からのワニスの調製
積層板用ワニスを、Dowanol(商標)−PMA中70wt%のD.E.R.(商標)560 1082.46グラム、D.E.N.(商標)438の2−ブタノン中85wt%溶液740.52g、SMA(EF−80、Sartomer**から入手)の2−ブタノン中55wt%溶液3563.64グラム、TBBAの2−ブタノン中70wt%溶液914.29グラム、メタノール中20wt%のホウ酸41.46グラムおよび2−エチル−4−メチルイミダゾールの2−ブタノン中10wt%溶液28.34グラムから調製した。2−ブタノール400グラムをさらに添加し、当該wt%の固形物を60wt%にした。この組成物は、固形物を基準として臭素が18.9wt%、スチレンが44wt%である。
【0092】
<実施例16>
SMA EF−80およびSMA EF−60を基本とする配合物からのワニスの調製
積層板用ワニスを、Dowanol(商標)−PMA中70wt%のD.E.R.(商標)560 1924.0グラム、2−ブタノン中85wt%のD.E.N.(商標)438 1568.8g、2−ブタノン中65wt%のSMA(EF80:EF−60が90:10、Sartomer**から入手)4900.0グラム、2−ブタノン中70wt%のTBBA 1574.8グラム、メタノール中20wt%のホウ酸21.0グラムおよび2−ブタノン中10wt%の2−エチル−4−メチルイミダゾール11.40グラムから調製した。この組成物は、固形物を基準として臭素が18.9wt%、スチレンが44wt%である。
【0093】
表1.
実施例14および15から得た積層板および透明注型品の特性。ワニスの透明注型品に関する測定値であるDkおよびDfを除き、全ての特性は積層板に関するものである。積層板は、7628ガラスで作った。
【0094】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)エポキシ樹脂、および
b)i)エチレン性不飽和無水物とii)ビニル化合物のコポリマーを含むハードナーであって、前記ビニル化合物がスチレンまたはスチレン誘導体であり、前記コポリマーの無水物含有率が、前記コポリマーの総重量を基準にして15重量%未満であるハードナーを含み、
ハロゲン含有化合物から調製される組成物。
【請求項2】
前記コポリマーが、前記組成物の総重量を基準にして約10重量%から約90重量%の範囲の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物の総重量を基準にして30から60重量%の範囲の量の溶媒をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記ハロゲン含有化合物が、テトラブロモビスフェノール−A(TBBA)およびテトラブロモビスフェノールFから成る群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記エポキシ樹脂が、グリシジルエーテルをビスフェノール化合物と接触させて、オキサゾリジノン部分を形成することにより生成される、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記エポキシ樹脂が、グリシジルエーテルをビスフェノール化合物およびポリイソシアネートと接触させることにより生成される、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記エポキシ樹脂が、フェノール系エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ベンゾキサジン樹脂、アリールシアネート樹脂、アリールトリアジン樹脂、マレイミド樹脂およびそれらの任意の2つまたはそれ以上の組合せから成る群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
請求項1に記載の組成物から生成されるワニス。
【請求項9】
請求項8に記載のワニスから調製されるプリプレグ。
【請求項10】
請求項8に記載のワニスから調製される電気積層板。
【請求項11】
請求項8に記載のワニスから調製される回路基板。
【請求項12】
請求項8に記載のワニスから調製されるコーティング。
【請求項13】
請求項8に記載のワニスから調製される複合材料。
【請求項14】
請求項8に記載のワニスから調製される注型品。
【請求項15】
請求項8に記載のワニスから調製される接着剤。

【公表番号】特表2012−530807(P2012−530807A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516167(P2012−516167)
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【国際出願番号】PCT/US2010/038512
【国際公開番号】WO2011/005420
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】