説明

エンドポイントモニタ及びプラズマ処理方法

【課題】プラズマ処理が停止した場合であっても、確実なエンドポイントの検出をする。
【解決手段】発光検出部31は、プラズマ処理の発光強度を検出する。波形記憶部33は、検出された発光強度の時間変化である発光波形を記憶する。判定部35は、発光波形が、ある値に設定された発光閾値以下の場合、且つ、前記時間変化が、ある値に設定された設定時間を越えた場合、エンドポイントであると判定する。出力部36は、プラズマ処理がエンドポイントに至ったことをエッチング装置10の高周波電源12に出力する。モニタ30は、設定時間に至る前にプラズマ処理が停止し、その後再処理をした場合、波形記憶部33に記憶されている発光波形とこの再処理の発光波形とを波形結合部34で結合する。判定部35は、結合された波形により、エンドポイントを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板に対してプラズマ処理を行う半導体製造装置のエンドポイントモニタ及びそれを用いた半導体製造装置のプラズマ処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、半導体処理装置を用いてウエハに対してプラズマ処置を行う場合に、エンドポイントモニタが使用されている。このエンドポイントモニタは、プラズマ処理におけるエンドポイントを検出する。エンドポイントとはプラズマ処理の終了時点を言い、例えば、プラズマ処理によるエッチングが進むことより酸化膜などの薄膜がなくなり、シリコン基板などの薄膜が露出された状態に達することである。
【0003】
例えば、特許文献1において、エッチングのエンドポイントを、タイマにより設定された時間(以下、設定時間という)の経過後に検出する技術が開示されている。その理由は、プラズマ処理が終了していないにもかかわらず、プラズマの不安定、外部ノイズなどの誤動作によりプラズマの発光強度が減少し、その発光強度がエンドポイントとして誤検出することを防止するためである。
【0004】
この従来の技術について図3を用いて説明する。この図の横軸は時間であり、縦軸は発光強度である。これらの図に示す発光波形は、酸化膜をエッチングした場合に発光する、例えば、波長313nmのCO結合の発光の変化を、エンドポイントモニタにより検出して記録したものである。この図で示す発光強度は、電圧に変換されたもので表されている。エンドポイントと判定する閾値は、3Vに設定されており、設定時間は60秒に設定されている。
【0005】
図3に示すように、プラズマ処理開始(放電開始)から65秒後に発光強度が減少し、およそ75秒で安定領域になっている。設定時間60秒を経過し、発光強度が3Vになっており、エンドポイントに達している。例えば、設定時間60秒に至る前に誤動作により、発光強度は3V以下となる場合がある。しかし、この場合はエンドポイントとは判定されず、この誤動作による不良処理の発生は避けられる。一方、設定時間60秒後であれば、たとえ誤動作による発光強度の低下であっても、エンドポイントとして判定する。この誤判定は、実際のエンドポイントに至る時間と大きな差がなく、不良処理となる可能性は低いといえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−190504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の発明では、圧力異常やガス流量異常などの装置異常が原因でプラズマ処理が停止した場合、連続的にエンドポイントモニタを使用してプラズマ処理を再開することは困難である。すなわち、この再開において、エンドポイントモニタのタイマは経過時間を0秒にリセットされ、エンドポイントの測定が開始される。
【0008】
この再開について、図4、図5を用いて説明する。これらの図は、図3と同様に発光波形を示す図である。図4は装置に異常が発生し、プラズマ処理が停止し、その後プラズマ処理を再開しなかった場合の発光波形を示している。プラズマ処理開始からおよそ30秒後に装置異常で放電停止をしており、発光強度は0Vになっているが、この時点では、タイマの当初の設定時間60秒を経過していないため、エンドポイントモニタはエンドポイントと判定しない。
【0009】
図5は、図4に示す装置の停止後、装置異常を取り除いてプラズマ処理を再開した場合の発光波形を示している。この再処理後およそ47秒後に、実際のエンドポイントに達している。しかし、装置異常の発生に伴いタイマが0秒にリセットされているため、タイマのカウント再開後設定時間60秒を経過していないため、これをエンドポイントとは判定しない。このような場合、実際のエンドポイントに達していたとしても、タイマの設定時間に至っていないことから、エッチングが継続して行われ、不良処理となってしまう可能性がある。
【0010】
また、装置が停止した場合にウエハを回収し、その後、回収したウエハに対して停止した時間からエンドポイントに至る予想時間までを、新たな時間としてタイマにセットして(例えば図3の30秒で事故が発生した場合に、新たな設定時間として25〜30秒をタイマにセットする)、ウエハに対する追加の処理を行う方法がある。
【0011】
この方法は、この停止中にウエハを処理室内に減圧状態で置いている場合と異なり、ウエハを装置の外部に取り出している。したがって、ウエハは減圧下から大気圧下に晒された状態で変質し、たとえ追加処理したとしても不良処理となる可能性は高い。
【0012】
本発明は、前記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたもので、半導体製造装置がプラズマ処理中に、装置異常が原因でプラズマ処理が停止した場合においても、確実にエンドポイントを検出することができるエンドポイントモニタ及びこれを用いたプラズマ処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のエンドポイントモニタ及びプラズマ処理方法は、次のような特徴を有する。
(1) 半導体製造装置においてプラズマ処理が施されている半導体基板に対して、その処理過程でエンドポイントを検出し処理するエンドポイントモニタである。
(2)前記プラズマ処理の発光強度を検出する発光検出部と、前記検出された発光強度の時間変化である発光波形を記憶する波形記憶部と、前記発光波形がある値に設定された発光閾値以下の場合、且つ、前記時間変化がある値に設定された設定時間を越えた場合、エンドポイントであると判定する判定部とを備える。
(3)前記設定時間に至る前に前記プラズマ処理が停止し、その後再処理をした場合、前記波形記憶部に記憶されている停止前の発光波形とこの再処理の発光波形とを波形結合部で結合して、前記判定部でエンドポイントを判定する。
(4)この様なエンドポイントモニタを使用するプラズマ処理方法も本発明の一態様である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、エンドポイントモニタ及びプラズマ処理方法は、プラズマ処理が停止しその後処理を再開した場合であっても、半導体基板を減圧下から大気圧下に晒すことなく、確実にエンドポイントを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態のエンドポイントモニタ及びエッチング装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態のエンドポイントモニタの発光波形の結合を示す波形図である。
【図3】プラズマ処理が正常に行われた場合の発光波形を示す波形図である。
【図4】プラズマ処理が停止した場合の発光波形を示す波形図である。
【図5】プラズマ処理が再処理をした場合の従来のエンドポイントモニタの発光波形を示す波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[実施形態の構成]
図1は本発明の半導体製造装置の一例である本実施形態のエッチング装置10を示すものである。このドライエッチング装置は、反応性ガスによる低温プラズマ中の活性化原子と試料の化学反応により揮発性化合物を作り試料を加工する。真空処理室11は、ウエハ20に対して減圧状態でプラズマ処理を行う箇所である。
【0017】
高周波電源12は、電極13に高周波電圧を印加する。電極13は、印加された高周波電圧でプラズマを発生させる。ガス導入口14には、真空処理室11が接続され、プラズマを発生させるガス、例えばCF4ガスとO2ガスを導入する。真空処理室11には、圧力調整器16に接続された排気口15が接続されており、圧力調整器16は、排気口15からの排気により真空処理室11内の圧力を制御し、室内を真空状態に保持する。ウエハ20は電極13上に保持され、真空処理室11内で発生したプラズマで電離されたガスによって一定の処理がされる。
【0018】
モニタ30は、真空処理室11に設けられた、例えば石英窓からプラズマ発光を検出する。モニタ30は、分光器などでプラズマ発光強度(以下、発光強度という)を検出する発光検出部31と発光処理部32とを有する。このうち発光処理部32は、本実施例の中核をなすもので、プラズマ処理期間中の発光波形の形状を記憶する波形記憶部33、事故前と再開後の発光波形を結合する波形結合部34、エンドポイントに達したか否かを判定する判定部35及びその結果を出力する出力部36とからなる。
【0019】
この発光処理部32には、発光処理部32に設けられた波形記憶部33や波形結合部34などの制御を行う制御部39が設けられている。この制御部39には、エッチング装置10の制御部(図示せず)や真空処理室11などに設けられた事故検出部37と、プラズマ処理の時間をカウントするタイマ38が接続されている。
【0020】
波形記憶部33は、発光検出部31で検出された発光強度とその時間変化、すなわちプラズマ処理の開始時から終了時までの発光波形を記憶する。判定部35は、次の条件を同時に満たす場合に、エンドポイントであると判定する。
(1)発光強度が、ある値に設定された発光閾値以下の場合。
(2)プラズマ処理が開始されてからの時間である時間変化が、ある値に設定された設定時間を越えた場合。
【0021】
発光閾値は、例えばエッチングにより薄膜が剥離され、その薄膜の下地薄膜がエッチングされる状態となり発光強度は低くなるが、このときの発光強度の値に基づいて設定される。設定時間は、プラズマ処理の開始からエンドポイントに至るまでの時間に基づいて設定される。本実施例では、前記従来技術と同様に、60秒とする。
【0022】
判定部35は、設定時間に至る前に前記プラズマ処理が停止し、その後再処理をした場合、波形記憶部に記憶されている停止前の発光波形と再処理の発光波形とを波形結合部34で結合した値でエンドポイントを判定する。つまり、処理停止前に経過した時間と処理停止後に経過した時間を結合した時間が設定時間を超えた場合、且つ発光強度が閾値を超えた場合に判定部35はエンドポイントに至ったことを判定する。波形結合部34は、波形記憶部33に記憶されている発光波形と実際に計測されている発光波形を結合する。出力部36は、プラズマ処理がエンドポイントに至ったことを、エッチング装置10の制御部(図示せず)に出力し、その制御部がプラズマ処理を停止させる。
【0023】
前記事故検出部37は、プラズマ処理時に事故が発生してプラズマ処理が停止されたこと、及び事故発生時にプラズマ処理が再開されたことを検出して、前記制御部39に検出結果を送信する。事故検出部37は、エッチング装置10内のパラメータをモニタし、事前に設定したエラーリミットをパラメータが超えると異常を検出する検出機構が考えられる。例えば真空処理室11内の圧力やガス導入口14のガス流量をモニタし、設定したエラーリミットを超えると異常を検出する。
【0024】
[実施形態の作用]
図2を用いて、モニタ30の作用について説明する。この図は、従来の技術の説明に用いた図3〜図5と同様に、プラズマ処理期間中の発光波形を示している。
【0025】
本実施形態において、図2の0秒時間でプラズマ処理が開始されると、制御部39からの指令によりタイマ38がカウントを開始すると共に、波形記憶部33は、発光検出部31で検出された発光強度とその時間変化を発光波形として刻々と記録していく。この状態で、例えば、開始後30秒の時点でプラズマ処理に事故が発生しプラズマ処理が停止すると、真空処理室11に設けられた事故検出部37がこれを検出する。
【0026】
事故検出部37からの事故検出信号は制御部39に送信され、制御部39からの信号により発光処理部32の波形記録部33は、処理の開始時点から事故発生時までの発光波形を事故前波形として波形記憶部33に記憶する。なお、発光波形の記憶は、処理開始時点から刻々と波形データ(経過時間とその時の発光量)を記憶しておいても良いし、経過時間ごとの発光波形そのものを図形データとして記憶しておいても良い。
【0027】
事故が検出された場合、制御部39はタイマ38のカウントを停止させる。これにより、事故発生によるプラズマ処理の停止から、プラズマ処理の再開までの空白期間をタイマ38がカウントすることがなく、プラズマ処理の実処理時間のみをタイマがカウントする。
【0028】
この状態で、事故検出部37からプラズマ処理の再開が制御部39に送信されると、制御部39からの信号により、発光処理部32に設けられた波形結合部34は、波形記憶部33に記憶されている図3に示すプラズマ処理開始から停止までの発光波形(事故前波形)を呼び出すと共に、制御部39はタイマ38にカウント再開の指令を出力する。その結果、波形記憶部33は、呼び出された事故前波形に連続して、プラズマ処理再開後の発光波形の記録を行う。
【0029】
このようにして、波形結合部34によって図3の事故前の波形図4に示す再処理後の発光波形が結合された状態で、タイマ38のカウントが継続する。すなわち、タイマ38は、事故前のプラズマ処理時間とプラズマ処理再開後の処理時間との実処理時間(空白期間を除く)を通算して、カウントを行うことになる。判定部35は、この結合された波形およびタイマ38の通算カウント時間に基づいてエンドポイントを判定し、判定結果を出力部36に出力する。この例では、判定部35は、設定時間60秒の経過後、閾値3Vに至ったおよそ77秒後にエンドポイントであると判定している。
【0030】
なお、事故検出の後、タイマ38のカウントが予め定めた一定時間を経過しても、事故検出部37からプラズマ処理の再開が制御部39に通知されない場合、すなわちプラズマ処理の再開がなされない場合には、制御部39は現在処理中のウエハについてはプラズマ処理が停止されたとして、タイマ38をリセットし、波形記憶部33に記憶された波形を破棄する。
【0031】
[実施形態の効果]
本実施形態のモニタ30及びウエハ20の製造方法は、次のような効果を奏する。
【0032】
(1)モニタ30は、プラズマ処理が停止した場合でも、波形記憶部33に記憶されている発光波形を再処理後の発光波形に結合することができることにより、判定部35は確実なエンドポイントを検出することができる。すなわち、図5に示すように、この結合処理がされていない場合には、再開後47秒後に実際のエンドポイントに達しているにもかかわらず、タイマがリセットされてエンドポイントが再開後60秒に設定されているため、エンドポイントでないと誤判定される。
【0033】
一方、本実施形態の場合は、図2に示すように、タイマ38は事故前とプラスチックズ処理再開後の実処理時間を通算してカウントを行い、発光波形も事故前波形と再開後の波形との結合処理がされているため、再開後47秒経過した後に到来するエンドポイントを示す発光量の低下は、タイマのカウント開始後77秒の時点になる。この時点は、エンドポイントの検出時間60秒を経過しているため、判定部35はエンドポイントであると認識することができる。
【0034】
(2)本実施形態の半導体の製造方法は、プラズマ処理が停止した後再開した場合でも、エンドポイントを確実に判定できるので、ウエハ20に対して確実なプラズマ処理を行うことができ、高い歩留まりを維持することができる。
【0035】
(3)波形記憶部33に事故前波形を記憶しておき、これを波形結合部34によりプラズマ処理再開後の波形と結合するため、事故前と再開後の波形を一連の波形としてモニタに表示することができる。特に、再開までの空白期間の長さにかかわらず、実処理時間の波形のみを表示できるので、異常が起きた時点、停止から回復までの発光量と時間を用いて、ウエハの不良解析を容易に行うことができる。
【0036】
[他の実施形態]
本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、以下のような他の実施形態も含有する。
【0037】
(1)前記実施形態の半導体基板はウエハ20であるが、これに限定されない。例えば、液晶用の半導体基板でも良い。
【0038】
(2)前記実施形態においては、装置異常による停止からプラズマ処理の再開までに空白期間が存在することを考慮して、タイマ38のカウントを中断すると共に、波形記憶部33に対する発光波形の記憶も中断した。そのため、波形結合部34が必要である。しかし、空白期間の間もタイマ38のカウントや発光波形の記憶を中断しない構成とすることも可能である。
【0039】
その場合には、波形結合部34を設けることなく、波形記憶部33においてプラズマ処理開始から中断時、再開時を通じて発光波形を記憶しておく。同時に、制御部39がタイマ38を使用して事故発生時からプラズマ処理再開時までの空白期間をカウントする。その後、プラズマ処理が再開された時点で、制御部39は予め定めた許容時間(図示の実施例では60秒)に、カウントした空白期間を加算して新たな許容時間を発光処理部32の判定部35にセットする。これにより、判定部35は空白期間を考慮した新たな許容時間に従いエンドポイントの検出が可能となる。
【0040】
(3)また、本発明において、波形記憶部、波形結合部を設けずしてエンドポイントを検出することが可能である。すなわち、プラズマ処理の停止と再開前後の発光波形そのものの比較や分析を実施しない場合には、発光検出部31、前記タイマ38、制御部39のみで、エンドポイントの検出、非検出を制御してもよい。例えば、異常停止が起こった時、タイマのカウントを中断し、処理再開後タイマのカウントを再開させて発光検出部31によって検出した発光強度が閾値以下の場合、且つタイマ38の通算カウントが設定時間を超えるとき、エンドポイントを検出する。
【符号の説明】
【0041】
10…エッチング装置、11…真空処理室、12…高周波電源、13…電極、14…ガス導入口、15…排気口、16…圧力調整機、20…ウエハ、30…モニタ、31…発光検出部、32…発光処理部、33…波形記憶部、34…波形結合部、35…判定部、36…出力部、37…事故検出部、38…タイマ、39…制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板に対するプラズマ処理の過程でエンドポイントを検出するエンドポイントモニタであって、
前記プラズマ処理の発光強度を検出する発光検出部と、
前記プラズマ処理の間、検出された発光強度の時間変化である発光波形を記憶する波形記憶部と、
前記発光強度がある値に設定された発光閾値以下の場合、且つ、前記時間変化がある値に設定された設定時間を越えた場合に、エンドポイントであると判定する判定部と、
前記設定時間に至る前に前記プラズマ処理が停止し、その後再処理をした場合、前記波形記憶部に記憶されている発光波形とこの再処理の発光波形とを結合する波形結合部を備え、この結合された波形に基づいて前記判定部でエンドポイントを判定する、
ことを特徴とするエンドポイントモニタ。
【請求項2】
プラズマ処理の停止と再開を検出する事故検出部と、前記発光波形の時間変化の基準となるタイマと、前記事故検出部およびタイマからの情報に基づいて、前記波形記憶部、波形結合部および判定部を制御する制御部を備え、
前記制御部が、
(1) プラズマ処理の開始時にタイマのカウントを開始させ、
(2) 前記事故検出部からの事故検出の情報を受信したときに、前記タイマのカウントおよび波形記憶部による発光波形の記憶を中断させ、
(3) プラズマ処理の再開時に、タイマのカウントを再開させると共に、波形記憶部に記憶されている事故前の波形とプラズマ処理再開後に検出した再開後の波形とを、前記波形結合部により結合して波形記憶部に記憶させるものであることを特徴とする請求項1に記載のエンドポイントモニタ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のエンドポイントモニタを用いたプラズマ処理方法であって、
プラズマ処理の発光強度を検出する工程と、
前記検出された発光強度の時間変化である発光波形を記憶する工程と、
前記発光波形がある値に設定された発光閾値以下の場合、且つ、前記時間変化がある値に設定された設定時間を越えた場合、エンドポイントであると判定する工程とを含み、
前記設定時間に至る前に前記プラズマ処理が停止し、その後再処理をした場合、前記波形記憶部に記憶されている発光波形とこの再処理の発光波形とを結合して、この波形に基づいてエンドポイントを判定する、
ことを特徴とするプラズマ処理方法。
【請求項4】
半導体基板に対するプラズマ処理の過程でエンドポイントを検出するエンドポイントモニタであって、
前記プラズマ処理の発光強度を検出する発光検出部と、
前記プラズマ処理の間、検出された発光強度の時間変化である発光波形を記憶する波形記憶部と、
前記発光強度がある値に設定された発光閾値以下の場合、且つ、前記時間変化がある値に設定された設定時間を越えた場合に、エンドポイントであると判定する判定部と、
プラズマ処理の停止と再開を検出する事故検出部と、前記発光波形の時間変化の基準となるタイマと、前記事故検出部およびタイマからの情報に基づいて、前記波形記憶部、波形結合部および判定部を制御する制御部を備え、
前記制御部が、
(1) プラズマ処理の開始時にタイマのカウントを開始させ、
(2) プラズマ処理の事故発生時から再開時までの空白期間を前記タイマによって検出し、
(3) プラズマ処理の再開時に、前記タイマによって検出した空白期間を前記設定時間に加算して、新たな設定時間を設定し、この新たな設定時間に基づいて、前記判定部がエンドポイントの判定を行うことを特徴とするエンドポイントモニタ。
【請求項5】
半導体基板に対するプラズマ処理の過程でエンドポイントを検出するエンドポイントモニタであって、
前記プラズマ処理の発光強度を検出する発光検出部と、
前記発光強度がある値に設定された発光閾値以下の場合、且つ、前記時間変化がある値に設定された設定時間を越えた場合に、エンドポイントであると判定する判定部と、
プラズマ処理の停止と再開を検出する事故検出部と、前記発光波形の時間変化の基準となるタイマを制御する制御部を備え、
前記制御部が、
(1) プラズマ処理の開始時にタイマのカウントを開始させ、
(2) プラズマ処理の事故発生時に前記タイマのカウントを停止し、
(3) プラズマ処理の再開時に、前記タイマのカウントを再開させるものであることを特徴とするエンドポイントモニタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−79878(P2012−79878A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−222957(P2010−222957)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000002428)芝浦メカトロニクス株式会社 (907)
【Fターム(参考)】