説明

カラー画像形成装置

【課題】 間接転写縦搬送パス方式の画像形成装置にフィニッシャーを設けても、プリント後の記録材を収容する積載部の収容量を減じることなく、装置全体をデスク上に置いて使用できる程の小型にすること。
【解決手段】 間接転写縦搬送パス方式のカラー画像形成装置において、フィニッシャー(11)を装置本体(10)の一側面に配設し、画像が定着された記録材を第1の搬送経路(P1)の途中から作像部(6)と積載部(5)との間を通過してフィニッシャーへ搬送する第2の搬送経路(P2)と、第1の搬送経路と第2の搬送経路とを切り換える切換手段(16)とを設けると共に、重畳トナー画像を中間転写体(40)から記録材に一括転写すると同時に同一ニップで熱と圧力を加えて定着する転写定着手段(4)を設けて、前記切換手段が積載部(5)の最下点より下側に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機や、それらの複合機などの電子写真方式のカラー画像形成装置に関し、より詳しくは、フィニッシャーが設けられた間接転写縦搬送パス方式のカラー画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真方式の画像形成装置は、カラープリンタやカラー複写機等のようなフルカラー画像形成装置が要望され、その要望に応えるように多くのフルカラーの機器が出回っている。しかし、このフルカラー画像形成装置は、モノクロ画像形成装置と比べてその構造上、装置が大型化し、更に画像形成速度も低速になることが避けられないものであった。そのため、フルカラー画像形成装置においてもモノクロのプリンタの如くテーブルの上に載せて使用できる程度に小型化されたもので、かつ、画像形成速度が高速なものが望まれている。
【0003】
このようなフルカラー画像形成装置において採用されているカラー記録方式は、1ドラム型とタンデム型に大別される。1ドラム型は、1つの感光体ドラムの回りに複数の現像手段が備えられ、それらの現像手段で各色のトナーを付着させて感光体ドラム上にフルカラーの合成トナー画像を形成し、そのトナー画像を転写してコピー用紙などの記録材(以下、単に用紙という)にカラー画像を記録する方式のものであり、タンデム型は、所定色毎に並べて設けられた複数の感光体ドラムにそれぞれ単色のトナー画像を形成し、それらの単色トナー画像を用紙や中間転写ベルトなどの転写材に順次転写して重畳してゆき、最終的に用紙上にフルカラーの画像を記録する方式のものである。
【0004】
1ドラム型とタンデム型の画像形成装置を比較すると、1ドラム型は、感光体ドラムが1つであるから、タンデム型と比べて作像部を小型化することができ、低コストであるという利点がある。しかし、一方で1つの感光体ドラムを用いて複数回(通常4回)画像形成を繰り返して1つのフルカラー画像を形成するものであるから画像形成の高速化に難がある。これに対し、タンデム型は、小型化やコストの面で1ドラム型より劣るものの、画像形成の高速化が容易であるという利点がある。そのため、カラー画像形成装置においは、画像形成速度の点からモノクロ並みのスピードが得られるタンデム型が要望され、近年非常に注目されている。
【0005】
図4は、タンデム型の直接転写方式の画像形成装置を説明する説明図であり、図5は、タンデム型の間接転写方式の画像形成装置を説明する説明図である。
タンデム型の画像形成装置には、図4に示すように、各感光体ドラムD上に形成した各色のトナー画像を転写手段Tにより、搬送ベルトBにより搬送されてくる用紙上に順次直接転写してフルカラー画像を得る直接転写方式のものと、図5に示すように、各感光体D’上に形成した各色のトナー画像を1次転写手段T1により、一旦中間転写ベルトB’上に転写して重畳してゆき、その中間転写ベルトB’上に形成したフルカラーのトナー画像を2次転写装置T2により用紙に一括転写する間接転写方式のものとがある。
【0006】
直接転写方式のものと、間接転写方式のものとを比較すると、前者は、用紙に感光体ドラムDから直接転写するので、作像部Gの上流側に給紙部を、下流側に定着部を配置しなければならず、用紙の搬送方向に長くなって大型化する欠点がある。これに対し、後者は、2次転写位置を比較的自由に設定することができるので、用紙の搬送経路を短くすることができる。そのため、装置全体の小型化が可能であるという利点がある。要するに、フルカラー画像形成装置は、画像形成速度の高速化を考慮すると、記録方式がタンデム型で、そして小型化を考慮すると間接転写方式が好ましいと言える。
【0007】
ところで、従来から、画像形成装置において、用紙を給紙口から排紙口までの搬送経路が最短となるように下方から上方へ縦搬送パス方式を採用したものが提案されている(例えば特許文献1)。このような縦搬送パス方式の画像形成装置は、用紙の搬送距離が短い分、最終的なプリントアウトまでの時間が短縮でき、しかもジャム等も起こりにくいという利点があるからである。次に、縦搬送パス方式が採用されたタンデム型の間接転写方式のカラー画像形成装置を考察する。図6は、タンデム型の間接転写縦搬送パス方式の画像形成装置を説明する説明図である。同図に示すように、タンデム型の間接転写方式の画像形成装置において、縦搬送パス方式を採用した場合、当然中間転写ベルトも用紙を上方へ搬送できるよう回転しなければならないので、2次転写位置が中間転写ベルトのどちらか一方の端部(図中では右端、画像形成装置が図と鏡面対称の場合では左端、要するに、中間転写ベルトが張架された張架ローラの周面側のどちらか一方の端)になることは必然である。そして、図に示すように、中間転写ベルトの上面(つまり、2次転写位置を基点に中間転写ベルトの回転方向下流側にあるベルト面)に各色の4つの感光体ドラムを配置すると、中間転写ベルト上に形成される画像は、最終のBK(ブラック)色の1次転写ニップを通過してから、約半周回らないと2次転写位置に到達しない、そのため、その分ファーストコピーの時間が長くなってしまうという問題がある。
【0008】
そこで、このような問題を解決するために、縦搬送パス方式が採用されたタンデム型の間接転写方式の画像形成装置において、中間転写ベルトの下面(つまり、2次転写位置を基点に中間転写ベルトの回転方向上流側にあるベルト面)が、各色の4つの感光体ドラムが対向する画像形成面となったものが提案されている(例えば特許文献2)。図7は、従来例に係る画像形成装置を説明する説明図である。同図に示す従来例は、特許文献2に記載の画像形成装置と同様の構成の画像形成装置を表したものであり、このように、中間転写ベルトB”の下面を各色の4つの感光体ドラムY,C,M,Bkが対向する画像形成面とすることにより、用紙の搬送経路も略最短となり、しかも、ファーストコピーの時間を短縮することができる。何故なら、それぞれの感光体ドラムY,C,M,Bkから転写されて中間転写ベルトB”上にトナー像が重畳されてゆき、中間転写ベルトB”の回転方向において最下流に配置された感光体ドラムBkの1次転写位置を通過した直後にフルカラーの重畳トナー画像が2次転写位置に到達するようになるからである。
【0009】
上記したことをまとめると、フルカラーの画像形成装置において、テーブル上に載置して使用できる程の大きさに小型化することができ、しかも高速の画像形成を実現するには、記録方式がタンデム型で間接転写方式のカラー画像形成装置であり、且つ、縦搬送パス方式を採用したものが好ましいと言える。そして、更に小型化を図るには、感光体ドラム上に1回転でトナー画像を多色重ねする方式で感光体ドラムの数を1つあるいは2つに減らした構成が最も好ましいと言える。
【0010】
ところで、電子写真方式の画像形成装置においては、用紙上に転写されて担持されている未定着画像を加熱定着することにより最終的に複写物や記録物を得ることが一般的である。定着に際しては、未定着画像を担持している用紙を挟持搬送しながらその画像を加熱することにより、該画像中に含まれる現像剤、特にトナーの溶融軟化及び用紙への浸透を行わせることにより用紙にトナーを定着している。そのため、転写位置から定着位置までの距離は使用する用紙サイズ等から定まるある程度の長さが必要となっている。
次に、その理由を簡単に説明する。
【0011】
図8は、転写位置と定着位置との距離について説明する説明図である。
同図において、2次転写位置での線速をa[mm/sec],定着位置での線速をb[mm/sec]とすると、両者の線速はa=bが理想である。しかし、現実問題としてa=bに設定しても誤差等からa=bになることはほとんど不可能であり、もし転写位置での線速よりも定着位置での線速が速くなってしまうと、つまり、a<bになってしまうと、転写ニップと定着ニップとに跨って用紙が搬送されるとき、転写中の用紙が定着部の送り動作によって引っ張られて転写ズレを発生させてしまう。そこで、通常では、転写位置での線速と定着位置での線速との関係は予めa>bとして上記した転写ズレを防止するように設定されている。しかし、このようにa>bに設定すると、転写ニップと定着ニップとに跨って搬送される用紙に大きく側方へずれる「たるみ」が生じ、この「たるみ」によって未定着トナー画像が画像形成装置(筐体)の一部に触れて画像を乱すという問題が発生する。したがって、転写位置から定着位置までの距離hは、大きく側方へずれる「たるみ」を緩和させるためにも、使用する用紙のサイズに応じたある程度の長さが必要となっていた。
【0012】
一方、近年では、高速画像形成が可能で小型のタンデム型の画像形成装置に対して、画像形成後の用紙の大量積載性能が求められるようになっている。しかし、使い勝手の良さから装置本体の上部を積載部とした画像形成装置の場合、積載部の用紙積載枚数は積載部の最下面から排出口までの高さで規制されてしまう。何故なら、積載部に積載された用紙の高さが排出口よりも高くなると、排出される用紙の排出が、積載されている用紙によって妨げられてしまうからである。つまり、大量の用紙を積載するためには、積載部の最下面と排出口との間隔を広くすればよく、そのためには、排出口の位置を高くするか、積載部の最下面を低くすることが考えられる。
【0013】
また、画像形成速度の高速化が進むと複数部数の画像形成を行う場合が多くなり、ソート、パンチング、ステープルなどの後処理が求められるようになっている。そのため、このような後処理を行うフィニッシャーが画像形成装置に備え付けられる場合が多くなっている。ところで、フィニッシャーを画像形成装置に備え付けた場合、用紙の搬送経路をフィニッシャーへ通じる搬送経路に切り換えるには、用紙が定着位置を通過して画像が用紙に定着された後に行わなければならないのは勿論である。しかし、図7で示したような画像形成装置では、定着位置が積載部の最下点より高くなっており、用紙の搬送経路の切換を行う切換手段が設けられている位置も必然的に積載部の最下点より高くなってしまう。そのため、両面印刷のための搬送経路や手差トレイの位置などを考慮して、図7で示した画像形成装置において、図中の装置本体の左側面にフィニッシャーを配置すると、フィニッシャーへ通ずる搬送経路と積載部が干渉してしまうという問題がある。それを避けるためには、積載部の用紙積載量を減らして積載部の最下点の高さを上げるか、最下点を上げると共に排紙口の高さも同時に上げることが考えられる。しかし、そうすると今度は、積載部の用紙積載量が減るか、装置が大きくなってしまうという問題が発生する。
【特許文献1】特開2003−54820号公報
【特許文献2】特開2004−317884号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
そこでこの発明は、前記従来のものの問題を解決し、従来の画像形成装置における定着手段に代わり、用紙への画像の転写と定着を同時に行う転写定着方式の定着手段を採用することにより、転写位置から定着位置までの距離をとる必要がなく、そのため、装置高さを低く抑えられると共に、転写定着方式の特徴である、用紙搬送性の信頼性が高く、低温定着が可能でウォームアップ時間が短く、省エネルギー性に優れ、高画質、熱効率などの利点を活かしつつ、フィニッシャーを備えた画像形成装置においても、装置上部にスタックされる用紙の積載量を多くとることができると共に、装置本体を小型化することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、装置本体と、この装置本体の内部に配置されて、潜像担持体とその廻りに設けられた複数の作像手段とにより中間転写体上に複数色の重畳トナー画像を形成する作像部と、前記装置本体の下部に配置されて、記録材を供給する供給部と、前記装置本体の上部に配置されて、記録材をスタックする積載部と、を備え、且つ、前記供給部から積載部に記録材を縦方向上向きに搬送する第1の搬送経路が設けられたカラー画像形成装置において、第1の搬送経路の途中から前記作像部と積載部との高さ方向の中間を通過して装置本体の一側面に配置されたフィニッシャーへ記録材を搬送する第2の搬送経路と、この第2の搬送経路と第1の搬送経路とを切り換える切換手段とが設けられると共に、前記重畳トナー画像を中間転写体から記録材に一括転写すると同時に同一ニップで熱と圧力を加えて定着する転写定着手段が設けられており、前記切換手段が積載部の最下点より下側となるように配置されていることを特徴とする。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、積載部は、装置本体の上面外部に形成され、記録材の排出口側が低い傾斜面からなる載置面を有し、第2の搬送経路は、装置本体の内側に、前記載置面に沿った形状に形成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、装置本体内のフィニッシャーが設けられた反対側の側面に沿って、記録材の表裏を反転させる両面印刷用の第3の搬送経路が設けられていることを特徴とする。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかにおいて、作像部は、潜像担持体が複数の感光体ドラムであり、各感光体ドラムとそれと対応する作像手段が所定色毎に複数設けられたタンデム型に構成され、中間転写体は、無端ベルト状の中間転写ベルトと転写定着ベルトとを有し、作像手段により各感光体ドラムの外周面上に形成された単一色のトナー画像を前記中間転写ベルトに転写する1次転写手段と、前記作像部により前記中間転写ベルト上に形成された複数色の重畳トナー画像を前記転写定着ベルトへ転写する2次転写手段と、が設けられ、転写定着手段は、前記重畳トナー画像を前記転写定着ベルトから記録材に一括転写するよう構成されていることを特徴とする。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかにおいて、作像部は、潜像担持体が2つの感光体ドラムであり、そのうちの少なくとも1つの感光体ドラムが、該感光体ドラムの廻りに作像手段が複数設けられたカラー用となっている2ドラム型に構成され、中間転写体は、無端ベルト状の中間転写ベルトと転写定着ベルトとを有し、該中間転写ベルトは、前記感光体ドラムと対向する画像形成面が傾斜するよう設置され、作像手段により各感光体ドラムの外周面上に形成された単一色のトナー画像又は複数色の重畳トナー画像を前記中間転写ベルトに転写する1次転写手段と、前記作像部により前記中間転写ベルト上に形成された複数色の重畳トナー画像を前記転写定着ベルトへ転写する2次転写手段と、が設けられ、転写定着手段は、前記重畳トナー画像を前記転写定着ベルトから記録材に一括転写するよう構成されていることを特徴とする。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5において、感光体ドラムは、2次転写位置を基準に中間転写ベルトの回転方向上流側の面に対向して設けられていることを特徴とする。
【0021】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかにおいて、作像部は、潜像担持体が1つの感光体ドラムであり、その1つの感光体ドラムの廻りに作像手段が複数設けられた1ドラム型に構成され、中間転写体は、無端ベルト状の転写定着ベルトであり、作像手段により前記感光体ドラムの外周面上に形成された複数色の重畳トナー画像を前記転写定着ベルトに転写する1次転写手段が設けられ、転写定着手段は、前記重畳トナー画像を前記転写定着ベルトから記録材に一括転写するよう構成されていることを特徴とする。
【0022】
請求項8に記載の発明は、請求項7において、フィニッシャーは、装置本体内の供給部の上方に配設されていることを特徴とする。
【0023】
請求項9に記載の発明は、請求項7又は8において、感光体ドラムは、転写定着位置を基準に転写定着ベルトの回転方向上流側の面に対向して設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
この発明は、前記のようであって、請求項1に記載の発明によれば、装置本体と、この装置本体の内部に配置されて、潜像担持体とその廻りに設けられた複数の作像手段とにより中間転写体上に複数色の重畳トナー画像を形成する作像部と、前記装置本体の下部に配置されて、記録材を供給する供給部と、前記装置本体の上部に配置されて、記録材をスタックする積載部と、を備え、且つ、前記供給部から積載部に記録材を縦方向上向きに搬送する第1の搬送経路が設けられたカラー画像形成装置において、第1の搬送経路の途中から前記作像部と積載部との高さ方向の中間を通過して装置本体の一側面に配置されたフィニッシャーへ記録材を搬送する第2の搬送経路と、この第2の搬送経路と第1の搬送経路とを切り換える切換手段とが設けられると共に、前記重畳トナー画像を中間転写体から記録材に一括転写すると同時に同一ニップで熱と圧力を加えて定着する転写定着手段が設けられており、前記切換手段が積載部の最下点より下側となるように配置されているので、
記録材の搬送経路が短く、画像形成速度や紙詰りなどに有利な間接転写縦搬送パス方式の画像形成装置にフィニッシャーを設けても、用紙搬送性の信頼性が高く、低温定着が可能でウォームアップ時間が短く、省エネルギー性に優れ、高画質、熱効率などの利点がある転写定着方式の定着手段を採用することで、転写位置と定着位置との従来必要であった間隔をなくすことができ、フィニッシャーへの搬送経路を作像部や積載部などの他の部分と干渉することなく確保することができる。そのため、プリント後の記録材をスタックして収容する積載部の収容量を減じることなく、装置全体をデスク上に置いて使用できる程の小型にすることができ、且つ、その高さを低く抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
この発明の実施の形態を、添付した図1〜3を参照して説明する。
先ず、第1の実施の形態について説明する。
【0026】
[実施例1]
図1は、第1の実施の形態に係る4連タンデム型の間接転写縦搬送パス方式のカラー画像形成装置の全体の概略構成を示す構成図である。
図中の符号1は、4連タンデム型の間接転写縦搬送パス方式のカラー画像形成装置の一例として示すカラーレーザプリンタである。このカラーレーザプリンタ1は、筐体状の装置本体10と、その装置本体10の内側の下部に配置されて、コピー用紙などの記録材(以下、単に用紙という)を供給する供給部としての給紙部2と、この給紙部2の上方に配置されて、画像を形成する画像形成部3と、この画像形成部3で形成された画像を転写定着する転写定着部4と、この転写定着部4で画像が転写・定着された用紙をスタックして収容する積載部としての排紙部5と、が装備されている。
【0027】
画像形成部3には、単層あるいは多層構造のゴム又は樹脂などの可撓性を有する無端ベルトからなる中間転写体としての中間転写ベルト30と、この中間転写ベルト30の上方に配置され、各所定色(イエロー:Y、シアン:C、マゼンダ:M、ブラック:Bk)毎に設けられた潜像担持体としての複数の感光体ドラムY,C,M,Bkと、これらの各感光体ドラムの廻りに各々設けられた作像手段とにより、中間転写ベルト30の外面上に複数色の重畳トナー画像を形成する作像部6と、この作像部6の上方に配置され、一様に帯電された各感光体ドラムの外周面を選択的に露光して静電潜像を形成する潜像形成手段としての光書き込みユニット7と、が備えられている。
【0028】
この中間転写ベルト30は、複数の張架ローラ31,32,33に張架され、その1つのローラ31が、駆動手段(図示せず)に連結されており、中間転写ベルト30を図の矢印方向に回転させる駆動ローラとなっている。また、その他の張架ローラ32,33は、従動回転する従動ローラとなっている。勿論、張架ローラ31,32,33のいずれか1つが駆動ローラとなっており、その他が従動ローラであれば、どのローラが駆動ローラであっても構わない。
【0029】
作像部6は、所定色である前記の4つの色毎にそれぞれ感光体ドラムと作像手段を有しており、それぞれの色毎に1つの作像ユニットが形成されている。つまり、作像部6は、、4つの作像ユニット6Y,6C,6M,6Bkから構成されたタンデム型となっている。これらのうちイエロー用の作像ユニット6Yを例に挙げて説明すると、この作像ユニット6Yは、感光体ドラムYの廻りに、この感光体ドラムYの外周面を一様に帯電させる帯電手段8Yと、帯電させたイエロー色のトナーで感光体ドラム上の潜像を現像して可視化する現像手段9Yと、感光体ドラムYの表面上に転写後も残留している残トナーをクリーニングするクリーニング手段60Yとが設けられている。本実施の形態においては、現像手段は、2本のスクリューによりキャリアーとトナーからなる現像剤を攪拌し、マグネットとスリーブなどから構成された現像ローラに供給し、この現像ローラが感光体ドラム表面の静電潜像に接触してトナー像に可視化する2成分現像方式となっている。
また、その他の作像ユニット6C,6M,6Bkも同様に構成されている。
【0030】
光書き込みユニット7は、所定色に色分解された画像情報を基に、変調・偏光されたレーザ光を前記感光体ドラムY(C,M,Bk)の帯電手段8Y(8C,8M,8Bk)と現像手段9Y(9C,9M,9Bk)の間の外周面に照射して露光させ、静電潜像を書き込むようになっている。この光書き込みユニット7は、作像ユニット毎に個別に設けてもよいが、図のように、共通の書き込みユニットとすることにより、共通の機構等を色毎に設ける必要がなく、コストの面で有利である。
【0031】
そして、中間転写ベルト30の無端ベルトの内側であって、各感光体ドラムY,C,M,Bkと中間転写ベルト30を挟んで対向する位置に、それぞれ1次転写手段である転写ローラ4Y,4C,4M,4Bkが配設されている。この転写ローラ4Y,4C,4M,4Bkは、揺動ブラケットなどの接離機構(図示せず)により中間転写ベルト30の内側に接離可能に構成されており、この接離機構により各転写ローラが中間転写ベルト30の内側から当接して、中間転写ベルトを押し広げ、各感光体ドラムと中間転写ベルトとを所定面積当接させて1次転写ニップを形成し、この1次転写ニップにバイアス電源(図示せず)に接続された当該転写ローラを介して転写バイアスを印加することにより、各感光体ドラム上のトナー像と逆極性の電界を形成して、静電引力により該トナー像を中間転写ベルト30上に転写するように構成されている。
尚、接離機構は、必ずしも必要なものではなく、特に、転写ローラ4Bkには設けられていなくても構わない。しかし、この接離機構が設けられていると、使用しない感光体ドラムを中間転写ベルトから離間することができるので、感光体ドラムなどの耐久性が向上する。
【0032】
更に、中間転写ベルト30の無端ベルトの外側から当接するように設置され、2次転写後も中間転写ベルト30上に付着して残留している残トナーをクリーニングするクリーニング手段34と、後述する冷却ローラ35とが設けられている。このクリーニング手段34は、中間転写ベルト30の外周面に接離可能で、残トナーを掻き取るブレードと、残トナーを廃トナーボトル(図示せず)に搬送する搬送スクリューなどから構成されている。
また、前記のように、中間転写ベルト30の画像形成面、即ち、感光体ドラムと当接して1次転写ニップを形成する走行面は、図のように上面となっている。つまり、2次転写位置を基準に中間転写ベルト30の回転方向において上流側が画像形成面となっている。このため、1次転写後すぐに(中間転写ベルト30が半回転するのを待たずに)2次転写位置となるため、無駄な待ち時間がなく、画像形成のスピードが速くなる。
【0033】
転写定着部4には、転写定着手段として、単層あるいは多層構造のゴム又は樹脂などの可撓性を有する無端ベルトからなる中間転写体としての転写定着ベルト40が備えられている。また、この転写定着ベルト40は、2次転写ローラ41と、加熱ローラ42と、定着ローラ43とに張架され、図の矢印方向に駆動手段(図示せず)により駆動回転される。この2次転写ローラ41は、バイアス電源(図示せず)に接続されており、その外周面上で転写定着ベルト40及び中間転写ベルト30を介して前記ローラ31と所定面積当接し、2次転写ニップを形成している。この2次転写ニップに2次転写ローラ41を介して転写バイアスを印加することにより、中間転写ベルト30上のトナー像と逆極性の電界を形成して、静電引力により該トナー像を転写定着ベルト40上に転写するように構成されている。
【0034】
更に、加熱ローラ42と転写定着ベルト40を挟んで対向する位置に、加熱手段としての誘導加熱コイル44が設けられ、加熱ローラ42を加熱することにより転写定着ベルト及びその外面上の重畳トナー像を加熱するよう構成されている。
そして、定着ローラ43と転写定着ベルト40を挟んで対向する位置に、加圧レバーなどの加圧手段(図示せず)により押圧されて、定着ローラ43の外周面上の転写定着ベルト40と所定面積当接し、転写定着ニップを形成する加圧ローラ45が設けられている。この転写定着ニップにおいて、転写定着ベルト40上の重畳トナー像と搬送されてくる用紙に熱と圧力を加えて、該トナー像を用紙に転写すると同時に定着する。
このとき、転写されずに転写定着ベルト40上に残留したトナーをクリーニングするためのクリーニングローラ46が、転写定着ベルト40回転方向における転写ニップの通過直後の下流側に、転写定着ベルト40に当接して設けられている。
【0035】
また、前記のように、冷却ローラ35が、中間転写ベルト30の無端ベルトの外側から当接するように設けられている。これは、転写定着部4で発生する熱が、2次転写ニップにおいて中間転写ベルト30にも伝播して、更には感光体ドラムが昇温して特性変化し、フィルミングなど画像劣化を引き起こす可能性が高くなるからである。この冷却ローラ35は、金属ローラやヒートパイプなどから構成するとよい。また、本実施の形態では、冷却ローラ35が、2次転写位置の下流側の中間転写ベルト30の外表面に接触して中間転写ベルト30の走行面を内側に屈曲させるよう設けられている。こうすることにより、冷却ローラ35と中間転写ベルト30との接触面積を増やして冷却効果を高めると共に、2次転写位置の下方のスペースを大きくとることができる。このため、装置全体の小型化を図ることができるだけでなく、大きな収容スペースを要する誘導加熱コイル44の設置が可能となり、省エネルギーで、装置の起動が速いものとすることができる。
【0036】
給紙部2は、装置本体10の前部から引き出し可能に構成され、所定の大きさの用紙を収容している給紙カセット20と、この給紙カセット20に収容されている用紙を1枚づつ給紙する給紙ローラ21などから構成されており、排紙部5は、装置本体10の上面外部に形成され、用紙の排出口側が低く、且つ、傾斜が徐々に緩やかとなる傾斜面からなる載置面50を有し、この載置面50上に画像が転写定着された用紙をスタック(積層)して収容するようになっている。
【0037】
このカラーレーザプリンタ1には、更に、前記装置本体10の外側に、その装置本体の一側面に沿ってソート、パンチング、ステープル作業などの後処理を行うフィニッシャー11が設けられている。また、このフィニッシャー11は、上下に可動の排紙トレイ11aを有している。そして、このフィニッシャーが配置された反対側の装置側面に沿って給紙部2から排紙部5へ縦方向上向きに搬送する第1の搬送経路である搬送パスP1と、この搬送パスP1の途中から画像形成部3の光書き込みユニット7と排紙部5の載置面50との間を通ってフィニッシャー11へ搬送する第2の搬送経路である搬送パスP2と、搬送パスP1の上部と下部とに接続して用紙を反転させる両面印刷用の第3の搬送経路である搬送パスP3と、手差し用の搬送経路である搬送パスP4と、が設けられている。この搬送パスP1は、フィニッシャー11と反対側の側面に沿って略垂直に形成され、搬送パスP2は、排紙部5の載置面に沿ったなだらかに曲がった形状に形成され、搬送パスP3は、装置本体10の内側であって搬送パスP1の外側に、縦方向略垂直に形成されている。搬送パスP4には、手差し用の給紙ローラ22が設けられている。
【0038】
また、搬送パスP1,P2,P3には、搬送する用紙の大きさに応じた所定間隔をおいて、それぞれ複数の搬送ローラ対12,13,14が設けられている。搬送パスP1の排紙部5側の端部には、排紙ローラ対15が設けられ、この排紙ローラ対15により用紙を排出口から排紙部5へ排出する。この排紙ローラ対15は、一対のローラ15aと15bとからなる。そして、搬送パスP1とP2との接続部には、切換手段である切換爪16が、搬送パスP2とP3との上部の接続部には、切換爪17が、搬送パスP3の上部には、用紙の表裏反転を切り換える切換爪18とが、それぞれ支軸を中心に揺動可能に設けられている。
【0039】
次に、このカラーレーザプリンタ1の画像形成動作について説明する。
カラーレーザプリンタ1は、先ず、パソコンやスキャナなどから画像信号が入力され、該信号入力後所定のタイミングで、駆動手段(図示せず)で感光体ドラムY,C,M,K及び中間転写ベルト30を回転させる。この感光体ドラムY,C,M,Kの駆動開始と同時に、感光体クリーニング手段60Y,60C,60M,60Kによる予備クリーニング動作が行われ、その後、帯電手段8Y,8C,8M,8Kにより、各感光体ドラムY,C,M,Kの表面が所定の極性に一様に帯電される。そして、光書き込みユニット7の露光動作により、帯電された感光体ドラムY,C,M,Kの表面には、所望のフルカラー画像の色分解された単色の画像情報に基づいて、変調・偏光されたレーザ光が照射され、これによって感光体ドラムY,C,M,Kのそれぞれの表面に静電潜像が形成される。その後、現像手段9Y,9C,9M,9Kにより各色のトナーで現像され、各感光体ドラム上に単色のトナー像が可視化される。このようにして、それぞれの作像ユニット6Y,6C,6M,6Kで各感光体ドラムY,C,M,K上に形成した各色毎の単一色のトナー画像は、それぞれ所定のタイミングで1次転写手段である転写ローラ4Y,4C,4M,4Bkにより中間転写ベルト30上に順次1次転写されて行き、所望の複数色のトナー画像が形成される。そして、その際に、中間転写ベルト30上に転写しきれずに感光体ドラムY,C,M,K上に残留した残トナーは、それぞれ感光体クリーニング手段60Y,60M,60C,60Kによりクリーニングされて、次の転写に備えられる。
【0040】
中間転写ベルト30上の複数色の重畳トナー像(又は、単色のトナー像)は、2次転写ニップで、2次転写手段である2次転写ローラ41により転写バイアスが印加され、中間転写ベルト30から転写定着ベルト40上に転写される。
一方、画像信号の入力後、所定のタイミングで、給紙カセット20から用紙が給紙ローラ21により、1枚づつ給紙され、レジストローラ対23に送られる。そして、転写定着ベルト40上のトナー画像の位置にタイミングを合わせてレジストローラ対23を回転させて、用紙が転写定着ニップに送り込まれる。
そして、転写定着手段により熱と圧力とを加えられて、転写定着ベルト40上の重畳トナー画像が用紙に転写されると同時に定着される。
このとき、用紙上に転写しきれずに転写定着ベルト40上に付着したまま残留した残トナーは、クリーニングローラ46で除去されてクリーニングされ、再度の画像形成に備えられる。
【0041】
以上の説明は、用紙上にフルカラーの画像を形成するときの画像形成動作であるが、作像ユニット6Y,6C,6M,6Kのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2色又は3色の画像を形成することができることは言うまでもない。
【0042】
次に、転写定着ニップ通過後の用紙の搬送について説明する。
カラーレーザプリンタ1の通常の用紙の搬送経路は、搬送パスP1であり、そのため、切換爪16及び17は、実線で示した位置を占め、搬送パスP1の転写定着ニップ直後の下流側に設けられた搬送ローラ対12により押し出された用紙は、切換爪16により案内されて矢印Aで示す上方に搬送される。そして、切換爪に17より案内されて矢印Bで示す方向に搬送され、排出ローラ対15で装置本体10の排出口から排出され、排紙部5にスタックされる。
また、図の波線で示す位置を占めるように切換爪16が切り換えられると、用紙は、切換爪16により矢印Cで示す方向に案内されて、搬送パスP2に搬送され、複数の搬送ローラ対13でフィニッシャー11に送り込まれる。フィニッシャー11では、例えば用紙を部数毎に仕分けするソートや、用紙の束を綴じるステープラ止め作業や、用紙に孔をあけるパンチングや、丁合などの後処理が行われた後、排紙トレイ11aにスタックされる。
【0043】
次に、両面印刷するときの用紙搬送について説明する。このときは、第3の搬送経路である搬送パスP3が利用される。前記のように、搬送パスP1により搬送経路Aに搬送されてきた用紙は、切換爪17が図の波線で示す位置に切り換えられて、切換爪17により案内されて矢印Dで示す方向に搬送される。更に用紙先端が切換爪18を通過して、排紙ローラ対15の上部ローラ15bと排紙ローラ19で搬送され、用紙後端が第3の切換爪を通過すると、第3切換爪が切り替わり、排紙ローラ対15の上部ローラ15bと排紙ローラ19が逆回転する。その後用紙は逆方向に搬送され、切換爪18により矢印Eで示す方向に送り込まれる。用紙は複数の搬送ローラ対14によって搬送されて、再びレジストローラ23へと送り込まれる。その後、用紙はトナー画像にタイミングを合わせて、レジストローラで転写定着ニップへと送り込まれて、用紙裏面に画像が転写定着される。このように、両面印刷された用紙は、排紙部5へ排出されるか、フィニッシャー11へ送り込まれて、後処理されることになる。
【0044】
[実施例2]
次に、この発明の第2の実施の形態について図2を用いて説明する。図2は、第2の実施の形態に係る2ドラム型の間接転写縦搬送パス方式のカラー画像形成装置の全体の概略構成を示す構成図である。図中の符号1’は、2ドラム型の間接転写縦搬送パス方式のカラー画像形成装置の一例として示すカラーレーザプリンタである。このカラーレーザプリンタ1’は、第1の実施の形態に係るカラーレーザプリンタ1と構成において相違する点は、装置本体の大きさと画像形成部だけであり、略同様に構成されている。そのため、同じ構成は同符号を用い、また、相違する点についてのみ説明する。同図に示すように、装置本体10’は、前記カラーレーザプリンタ1の装置本体10より高さ方向及び幅方向においても少し小さい筐体状に形成されている。
【0045】
カラーレーザプリンタ1’の画像形成装置3’には、カラーレーザプリンタ1と同様に、単層あるいは多層構造のゴム又は樹脂などの可撓性を有する無端ベルトからなる中間転写体としての中間転写ベルト30’が備えられている。しかし、画像形成装置3’の作像部6’には、この中間転写ベルト30’の上方に、潜像担持体としての2つの感光体ドラムCo’,Bk’が設けられており、作像部6’は、ブラック色用の作像ユニット6Bk’と、カラー(イエロー:Y、シアン:C、マゼンダ:M)用の作像ユニット6Co’とから構成された2ドラム型となっている。尚、所定色(イエロー:Y、シアン:C、マゼンダ:M、ブラック:Bk)を適当に2つに分けた2色重ねの作像ユニットを2つ設けても構わない。
【0046】
中間転写ベルト30’は、カラーレーザプリンタ1と同様に、複数の張架ローラ31’,32’,33’に張架され、その1つのローラ31’が、駆動手段(図示せず)に連結されており、中間転写ベルト30’を図の矢印方向に回転させる駆動ローラとなっている。また、カラーレーザプリンタ1と同様なクリーニング手段34’、冷却ローラ35’も設けられている。しかし、カラーレーザプリンタ1と相違する点は、ローラ31’の配設位置がローラ33’の配設位置より高くなっており、中間転写ベルト30’の感光体ドラムBk’,Co’と対向する画像形成面が傾斜している点である。つまり、画像形成面が、2次転写位置を基準に中間転写ベルト30’の回転方向において上流側に形成されていると共に、2次転写位置から図中の左側にスペースが形成される。このため、1次転写後すぐに(中間転写ベルト30’が半回転するのを待たずに)2次転写位置となるため、無駄な待ち時間がなく、画像形成のスピードが速くなると共に、作像部が大きくなっても収容でき、スペースを有効活用できる。
【0047】
作像ユニット6Bk’は、カラーレーザプリンタ1の作像ユニット6Bkと同様の構成であるが、作像ユニット6Co’は、感光体ドラムBk’より径の大きい感光体ドラムCo’と、その廻りに所定色(イエロー:Y、マゼンダ:M、シアン:C)の作像手段が3つ設けられた3色重ねの作像ユニットとなっている。つまり、作像ユニット6Co’は、各色毎の帯電手段8Y’,8M’,8C’と、現像手段9Y’,9M’,9C’と、1つのクリーニング手段60Co’とから構成されている。このクリーニング手段60Co’は、感光体ドラムCo’に接離可能で感光体ドラムCo’に1次転写後も残留する残トナーを掻き取るクリーニングブレードと、その残トナーを回収して廃トナーボトル(図示せず)へ搬送する搬送スクリューを有している。
【0048】
また、現像手段9Y’,9M’,9C’は、それぞれ装置ケースと供給ローラ、現像ローラ、ドクタブレードなどから構成され、装置ケースに補給されたトナーを供給ローラで現像ローラへ供給し、供給されたトナーはドクタブレードによって薄層化され、現像ローラへ印加される現像バイアスで感光体ドラム表面の静電潜像へ非接触で現像することができる1成分現像方式のものが採用されている。しかし、トナーをクラウド状にして非接触現像できる方式であれば、この現像方式に限定されるもではない。
尚、現像手段9Bk’は、カラーレーザプリンタ1の現像手段9Bkと同じで2成分現像方式が採用されている。そのため、ユーザー使用頻度の高いブラック色の単色画像の高速プリントに対応できるようになっている。
【0049】
画像形成装置3’の光書き込みユニット7’は、作像ユニット6Bk’と作像ユニット6Co’を取り囲むように断面逆L字状に形成されており、各色の作像手段の帯電手段8Y’,8M’,8C’,8Bk’と、現像手段9Y’,9M’,9C’,9Bk’との間からレーザビームを照射して感光体ドラムCo’,Bk’の外周面を露光するように全色1体化された1つのユニットに構成されている。この光書き込みユニット7’は、所定色毎に個別に設けてもよいが、図のように、共通の書き込みユニットとすることにより、共通の機構等を色毎に設ける必要がなく、コストの面で有利である。
【0050】
そして、中間転写ベルト30’の無端ベルトの内側であって、2つの感光体ドラムCo’,Bk’と中間転写ベルト30’を挟んで対向する位置に、それぞれ1次転写手段である転写ローラ4Co’,4Bk’が配設されている。各1次転写手段(転写ローラ4Co’,4Bk’)の構成は、カラープリンタ1と同様なので説明を省略する。
【0051】
次に、このカラーレーザプリンタ1’の画像形成動作についてカラーレーザプリンタ1との相違点を主に説明する。
画像記録のスタートにより、駆動手段(図示せず)を始動させ、それぞれの感光体ドラムCo’,Bk’を図の矢印方向へと回転させる。同時に帯電手段8Y’の帯電作用により感光体ドラムCo’に電位の付与が開始される。感光体ドラムCo’は電位を付与されたあと、露光手段である光書き込みユニット7’のレーザビーム(Y)によって、イエロー色の画像信号に対応する露光が開始され、ドラムの回転走査によってその表面の感光層に原稿画像などからのイエロー色に色分解された画像情報に対応する静電潜像が形成される。前記の潜像は現像手段9Y’により、トナーを非接触の状態で反転現像され感光体ドラムCo’の回転に応じイエロー色のトナー像が形成される。
次いで感光体ドラムCo’は前記イエロー色のトナー像の上に更に帯電手段8M’の帯電作用により電位を付与され、光書き込みユニット7’のレーザビーム(M)によるマゼンタ色の画像信号に対応する露光が行われ、現像手段9M’による非接触の反転現像によって前記イエロー色のトナー像の上にマゼンタ色のトナー像が重ね合わせて形成される。
【0052】
同様のプロセスによりシアン色のトナー像が重ね合わせて形成され、感光体ドラムCo’の一回転以内にその外周面上に3色カラーの重畳トナー像が形成される。この3色カラーの重畳トナー像は、1次転写手段(転写ローラ4Co’)で中間転写ベルト30’に転写され、中間転写ベルト30’に担持されてブラック色の1次転写ニップへと送られる。この転写画像にタイミングを合わせて、ブラック色の作像ユニット6Bk’で現像された画像が、ブラック色の1次転写手段(転写ローラ4Bk’)によって、前記重畳トナー像上に転写される。
尚、その後の2次転写手段の動作、用紙への転写定着手段の動作、用紙搬送の動作、はカラープリンタ1と同様なので説明を省略する。
【0053】
[実施例3]
次に、この発明の第3の実施の形態について図3を用いて説明する。図3は、第3の実施の形態に係る1ドラム型の間接転写縦搬送パス方式のカラー画像形成装置の全体の概略構成を示す構成図である。図中の符号1”は、1ドラム型の間接転写縦搬送パス方式のカラー画像形成装置の一例として示すカラーレーザプリンタである。このカラーレーザプリンタ1”は、第1の実施の形態に係るカラーレーザプリンタ1と構成において相違する点は、装置本体の大きさ、画像形成部、転写定着手段、フィニッシャーの配設位置であり、その他は、略同様に構成されている。そのため、同じ構成は同符号を用い、また、相違する点についてのみ説明する。同図に示すように、装置本体10”は、前記カラーレーザプリンタ1の装置本体10、更には前記カラーレーザプリンタ1’の装置本体10’より高さ方向及び幅方向のいずれにおいても小さく、デスク上に設置できる程の小型の筐体状に形成されており、フィニッシャー11”も内包されている。
【0054】
このカラーレーザプリンタ1”の画像形成装置3”には、中間転写体としてのカラーレーザプリンタ1の中間転写ベルト30のようなものは設けられておらず、中間転写体としての機能を後述の転写定着ベルト40”が兼用している。画像形成装置3”は、像担持体としての1つの感光体ドラムCo”の廻りに、所定色(イエロー:Y、マゼンダ:M、シアン:C、ブラック:Bk)毎に4つの作像手段が設けられた作像部6”が備えられた1ドラム型となっている。また、この作像部6”を下方から取り囲むように配置され、一様に帯電された感光体ドラムCo”の外周面を選択的に露光して静電潜像を形成する潜像形成手段としての光書き込みユニット7”が備えられている。
【0055】
作像部6”は、前記のように1つの作像ユニット6Co”からなり、作像ユニット6Co”は、図2で示した感光体ドラムCo’よりも径が大きい1つの感光体ドラムCo”と、その廻りに4色(イエロー:Y、マゼンダ:M、シアン:C、ブラック:Bk)の作像手段が4つ設けられた4色重ねの作像ユニットとなっている。つまり、作像ユニット6Co”は、各色毎の帯電手段8Y”,8M”,8C”,8Bk”と、現像手段9Y”,9M”,9C”,9Bk”と、1つのクリーニング手段60Co”とから構成されている。
【0056】
クリーニング手段60Co”は、感光体ドラムCo”に接離可能で感光体ドラムCo”に1次転写後も残留する残トナーを掻き取るクリーニングブレードと、その残トナーを回収して廃トナーボトル(図示せず)へ搬送する搬送スクリューとを有している。また、帯電手段8Y”,8M”,8C”,8Bk”は、スコロトロン式のものが採用され、感光体ドラムCo”の有機感光体層に対して、所定の電位に保持されたグリッドと放電ワイヤによるコロナ放電とによって帯電作用を行い、感光体ドラムCo”の表面に一様な電位を与えるように構成されている。そして、現像手段9Y”,9M”,9C”,9Bk”は、図2で示した現像手段9Y’,9M’,9C’と同様の1成分現像方式のものが採用されている。
【0057】
光書き込みユニット7”は、図3に示すように、作像ユニット6Co”を取り囲むように断面L字状に形成されており、各色の作像手段の帯電手段8Y”,8C”,8M”,8Bk”と、現像手段9Y”,9C”,9M”,9Bk”との間からレーザビームを照射して、感光体ドラムCo”に向けて放射状に入光するよう全色一体化された1つのユニットに構成されている。この光書き込みユニット7”は、所定色毎に個別に設けてもよいが、共通の書き込みユニットとすることにより、共通の機構等を色毎に設ける必要がなく、コストの面で有利である。また、LEDアレイから構成されていてもよい。
【0058】
そして、カラーレーザプリンタ1”の転写定着部4”は、図3に示すように、感光体ドラムCo”の上方に配置され、感光体ドラムCo”上に形成された未定着の重畳トナー像が転写される中間転写体としての無端ベルト状の転写定着ベルト40”が備えられている。転写定着ベルト40”は、50〜100μm程度のポリイミドの基材に、銅やアルミなどの金属層を設け、その上にシリコーンゴム等の弾性層、更に表層はPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)コート等の離型層がコーティングされていると好ましい。
【0059】
また、この転写定着ベルト40”は、転写ローラ41”と、定着ローラ42”とに張架され、駆動手段(図示せず)と接続された定着ローラ42”により図の矢印方向に駆動回転される。この転写ローラ41”は、バイアス電源(図示せず)に接続されており、ブラック色の作像手段の感光体ドラムCo”の回転方向下流側において、その外周面上で転写定着ベルト40”を介して感光体ドラムCo”と所定面積当接し、転写ニップを形成している。この転写ニップに転写ローラ41”を介して転写バイアスを印加することにより、感光体ドラムCo”上の重畳トナー像と逆極性の電界を形成して、静電引力によりトナー像を転写定着ベルト40”上に転写するよう構成されている。
【0060】
そして、定着ローラ42”と転写定着ベルト40”を挟んで対向する位置に、加圧レバーなどの加圧手段(図示せず)により押圧されて、定着ローラ42”の外周面上で転写定着ベルト40”と所定面積当接し、定着ローラ42”との間に転写定着ニップを形成する加圧ローラ43”が設けられている。更に、転写定着ベルト40”の無端ベルトの内側に、転写定着ベルト40”を加熱する加熱手段としての電磁誘導コイル44”が設けられ、転写定着ベルト40”の回転方向の転写定着ニップの下流側に、転写定着ベルト40”の外側から当接する冷却ローラ45”が設けられている。尚、加圧ローラ43”は、金属製の芯金とその周りに設けられたゴム等の弾性層とから構成され、冷却ローラ45”は、金属ローラやヒートパイプから構成されていると好ましい。
また、この電磁誘導コイル44”は、商用電源から交流が通電されると転写定着ベルト40”の金属層を貫通する磁束を発生させ、転写定着ベルト40”の金属層に過電流を起させて発熱させる仕組みとなっている。
以上のように、転写定着手段は、転写定着ニップにおいて、転写定着ベルト40”上の重畳トナー像と搬送されてくる用紙に熱と圧力を加えて、該トナー像を用紙に転写すると同時に定着するよう構成されている。
【0061】
カラーレーザプリンタ1”は、以上のように構成されているので、即ち、感光体ドラムが1つであるため、画像形成部3”を非常にコンパクトな大きさにすることができる。そのため、用紙サイズ(例えばA3)で定まる給紙カセット20の幅(図3の左右方向)より装置全体の幅がかなり小さくなる。そこで、カラーレーザプリンタ1”は、給紙カセット20の上側の画像形成部3”の脇にできる空間に用紙の後処理を行うフィニッシャー11”を装置本体10”の内部ユニットとして設けており、そのため、給紙カセット20の上方のスペースを有効に活用することができ、装置全体を更に小型化することができる。また、装置本体10”にフィニッシャー11”を接続する手間も省けると共に、フィニッシャー11”と装置本体10”との接続部がなくなるので、用紙搬送性も向上する。
【0062】
次に、このカラーレーザプリンタ1”の画像形成動作についてカラーレーザプリンタ1との相違点を主に説明する。
画像記録のスタートにより駆動手段(図示せず)が始動して、それと接続された感光体ドラムCo”が図の矢印方向へと回転する、同時に帯電手段8Y”の帯電作用により感光体ドラムCo”に電位が付与され始め、感光体ドラムCo”の外周面が一様に帯電される。その後、光書き込みユニット7”のレーザビーム(Y)によって、イエロー色の画像信号に対応する露光が開始され、ドラムの回転走査によってその表面の感光層に、原稿画像から色分解されたイエロー色の画像に対応する静電潜像が形成される。そして、この潜像は、現像手段9Y”によりイエロー色のトナーが非接触の状態で反転現像され、イエロー色の単色のトナー像が感光体ドラムCo”上に形成される。
次いで感光体ドラムCo”は、イエロー色のトナー像の上に、更に、帯電手段8M”の帯電作用により電位が付与され、光書き込みユニット7”のレーザビーム(M)によって、マゼンタ色の画像信号に対応する露光が行われ、現像手段9M”の非接触の反転現像によって、イエロー色のトナー像の上にマゼンタ色のトナー像が重ね合わせて形成される。
【0063】
同様に、残りのシアン色、ブラック色の作像手段においても順次所定色のトナー像が順次重ね合わされて行き、感光体ドラムCo”の一回転以内にその外周面上に4色カラーの重畳トナー像が形成される。該重畳トナー像は、転写ニップにおいて転写ローラ41”により転写バイアスが印加され、転写定着ベルト40”に静電転写される。この転写されたトナーは、転写定着ベルト40”上で定着ニップまでの搬送中、電磁誘導コイル44”により加熱された転写定着ベルト40”の熱により軟化して行く。この軟化した重畳トナー画像は、転写定着ニップを通過するときに加圧ローラ43”により圧力が加えられ、レジストローラ対23から送られてきた用紙に転写定着される。
【0064】
そして、転写定着ニップ下流側では冷却ローラ45”によって加熱された転写定着ベルト40”を冷却し、転写定着ベルト40”から感光体ドラムCo”へ熱が伝播することを防止する。これによって、作像手段や感光体ドラムCo”が昇温することによる不具合を防止することができ、安定した高品質の画像を提供することができる。
尚、用紙への転写定着手段の動作、用紙搬送の動作は、カラープリンタ1と同様なので説明を省略する。
【0065】
以上のように、カラー画像形成装置として3つの実施の形態を示して説明したが、必ずしもそのようなものに限定されない。要するに、画像形成装置は、転写定着手段が設けられた間接転写縦搬送パス方式のカラー画像形成装置であれば他のカラー画像形成装置にも適用できることは勿論である。特に、帯電手段、現像手段、転写手段、転写定着手段などの手段は、他の従来技術と置換可能であり、その場合であっても同様の効果を奏することは明らかである。
尚、図面で示した構成各部材の形状や構造等は、あくまでも好ましい一例を示すものであり、その実施に際しては特許請求の範囲に記載した範囲内で、任意に設計変更・修正ができるものである。
【0066】
次に、特許請求の範囲の請求項2以下に記載した発明の特有な効果について説明する。請求項2に記載の発明によれば、前記効果に加え、積載部は、装置本体の上面外部に形成され、記録材の排出口側が低い傾斜面からなる載置面を有し、第2の搬送経路は、前記装置本体の内側に、前記載置面に沿った形状に形成されているので、装置本体内のスペースを効率よく使って積載部のスタック量を稼ぐと共に、フィニッシャーへの搬送経路を積載部や画像形成部などの他の部位に干渉することなく設けることができる。
【0067】
更に、請求項3に記載の発明によれば、前記効果に加え、装置本体内のフィニッシャーが設けられた反対側の側面に沿って、記録材の表裏を反転させる両面印刷用の第3の搬送経路が設けられているので、装置本体内のスペースを効率よく使って両面搬送経路を設けることができると共に、紙詰りなどのジャム処理を装置本体の側面から容易にすることができる。
【0068】
更に、請求項4に記載の発明によれば、前記効果に加え、作像部は、潜像担持体が複数の感光体ドラムであり、各感光体ドラムとそれと対応する前記作像手段が所定色毎に複数設けられたタンデム型に構成され、中間転写体は、無端ベルト状の中間転写ベルトと転写定着ベルトとを有し、作像手段により各感光体ドラムの外周面上に形成された単一色のトナー画像を前記中間転写ベルトに転写する1次転写手段と、前記作像部により前記中間転写ベルト上に形成された複数色の重畳トナー画像を前記転写定着ベルトへ転写する2次転写手段と、が設けられ、転写定着手段は、前記重畳トナー画像を前記転写定着ベルトから記録材に一括転写するよう構成されているので、つまり、用紙の搬送経路が短く、プリント速度、紙ジャムなどに有利な間接転写縦搬送パス方式の画像形成装置において、タンデム型の画像形成部を設けてあるので、フルカラー画像の画像形成速度を高速化することができる。
【0069】
更に、請求項5に記載の発明によれば、前記効果に加え、作像部は、潜像担持体が2つの感光体ドラムであり、そのうちの少なくとも1つの感光体ドラムが、該感光体ドラムの廻りに前記作像手段が複数設けられたカラー用となっている2ドラム型に構成され、中間転写体は、無端ベルト状の中間転写ベルトと転写定着ベルトとを有し、該中間転写ベルトは、前記感光体ドラムと対向する画像形成面が傾斜するよう設置され、作像手段により各感光体ドラムの外周面上に形成された単一色のトナー画像又は複数色の重畳トナー画像を前記中間転写ベルトに転写する1次転写手段と、前記作像部により前記中間転写ベルト上に形成された複数色の重畳トナー画像を前記転写定着ベルトへ転写する2次転写手段と、が設けられ、転写定着手段は、前記重畳トナー画像を前記転写定着ベルトから記録材に一括転写するよう構成されているので、つまり、用紙の搬送経路が短く、プリント速度、紙ジャムなどに有利な間接転写縦搬送パス方式の画像形成装置において、2ドラム型の画像形成部を設けて、且つ、中間転写ベルトの画像形成面を傾斜させて設置したので、画像形成部の幅や高さも小さくすることができ、装置全体を更に小型化することができる。
【0070】
更に、請求項6に記載の発明によれば、前記効果に加え、感光体ドラムは、2次転写位置を基準に中間転写ベルトの回転方向上流側の面に対向して設けられているので、中間転写ベルトが半回転する間の無駄な待ち時間を無くすことができ、画像形成速度を更に高速化することができる。
【0071】
更に、請求項7に記載の発明によれば、前記効果に加え、作像部は、潜像担持体が1つの感光体ドラムであり、その1つの感光体ドラムの廻りに前記作像手段が複数設けられた1ドラム型に構成され、中間転写体は、無端ベルト状の転写定着ベルトであり、作像手段により前記感光体ドラムの外周面上に形成された複数色の重畳トナー画像を前記転写定着ベルトに転写する1次転写手段が設けられ、転写定着手段は、前記重畳トナー画像を前記転写定着ベルトから記録材に一括転写するよう構成されているので、つまり、用紙の搬送経路が短く、プリント速度、紙ジャムなどに有利な間接転写縦搬送パス方式の画像形成装置において、1ドラム型の画像形成部を設けて、従来の中間転写ベルトの機能を転写定着ベルトで兼用したので、従来、中間転写ベルトから転写定着ベルトへ転写していた時間を省力することができると共に、画像形成部を更に小さくすることができる。よって、装置全体を更に小型化することができる。
【0072】
更に、請求項8に記載の発明によれば、前記効果に加え、フィニッシャーは、装置本体内の供給部の上方に配設されているので、つまり、前記のように画像形成部を小さくすることができる画像形成装置において、収容する記録材の大きさでその大きさが決まってしまう供給部の上方のスペースを有効に活用することができ、装置全体を更に小型化することができる。また、装置本体にフィニッシャー接続する手間も省けると共に、フィニッシャーと装置本体との接続部がなくなるので、用紙搬送性も向上する。
【0073】
更に、請求項9に記載の発明によれば、前記効果に加え、感光体ドラムは、転写定着位置を基準に転写定着ベルトの回転方向上流側の面に対向して設けられているので、転写定着ベルトが半回転する間の無駄な待ち時間を無くすことができ、画像形成速度を更に高速化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】第1の実施の形態に係る4連タンデム型の間接転写縦搬送パス方式のカラー画像形成装置の全体の概略構成を示す構成図である。
【図2】第2の実施の形態に係る2ドラム型の間接転写縦搬送パス方式のカラー画像形成装置の全体の概略構成を示す構成図である。
【図3】第3の実施の形態に係る1ドラム型の間接転写縦搬送パス方式のカラー画像形成装置の全体の概略構成を示す構成図である。
【図4】タンデム型の直接転写方式のカラー画像形成装置を説明する説明図である。
【図5】タンデム型の間接転写方式のカラー画像形成装置を説明する説明図である。
【図6】タンデム型の間接転写縦搬送パス方式の画像形成装置を説明する説明図である。
【図7】従来例に係る画像形成装置を説明する説明図である。
【図8】転写位置と定着位置との距離について説明する説明図である。
【符号の説明】
【0075】
1,1’,1” カラーレーザプリンタ(画像形成装置)
2 給紙部(供給部)
3,3’,3” 画像形成部
30,30’ 中間転写ベルト(中間転写体)
4,4” 転写定着部(転写定着手段)
40,40” 転写定着ベルト(中間転写体)
5 排紙部(積載部)
50 載置面
6,6’,6” 作像部
Y,M,C,Bk(Co’,Bk’)(Co”) 感光体ドラム(静電潜像担持体)
P1 搬送パス(第1の搬送経路)
P2 搬送パス(第2の搬送経路)
P3 搬送パス(第3の搬送経路)
10,10’,10” 装置本体
11,11” フィニッシャー
16,17,18 切換爪(切換手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
この装置本体の内部に配置されて、潜像担持体とその廻りに設けられた複数の作像手段とにより中間転写体上に複数色の重畳トナー画像を形成する作像部と、
前記装置本体の下部に配置されて、記録材を供給する供給部と、
前記装置本体の上部に配置されて、記録材をスタックする積載部と、を備え、
且つ、前記供給部から積載部に記録材を縦方向上向きに搬送する第1の搬送経路が設けられたカラー画像形成装置において、
第1の搬送経路の途中から前記作像部と積載部との高さ方向の中間を通過して装置本体の一側面に配置されたフィニッシャーへ記録材を搬送する第2の搬送経路と、この第2の搬送経路と第1の搬送経路とを切り換える切換手段とが設けられると共に、前記重畳トナー画像を中間転写体から記録材に一括転写すると同時に同一ニップで熱と圧力を加えて定着する転写定着手段が設けられており、前記切換手段が積載部の最下点より下側となるように配置されているカラー画像形成装置。
【請求項2】
前記積載部は、前記装置本体の上面外部に形成され、記録材の排出口側が低い傾斜面からなる載置面を有し、
第2の搬送経路は、前記装置本体の内側に、前記載置面に沿った形状に形成されている請求項1に記載のカラー画像形成装置。
【請求項3】
前記装置本体内の前記フィニッシャーが設けられた反対側の側面に沿って、記録材の表裏を反転させる両面印刷用の第3の搬送経路が設けられている請求項1又は2に記載のカラー画像形成装置。
【請求項4】
前記作像部は、潜像担持体が複数の感光体ドラムであり、各感光体ドラムとそれと対応する前記作像手段が所定色毎に複数設けられたタンデム型に構成され、中間転写体は、無端ベルト状の中間転写ベルトと転写定着ベルトとを有し、
前記作像手段により各感光体ドラムの外周面上に形成された単一色のトナー画像を前記中間転写ベルトに転写する1次転写手段と、前記作像部により前記中間転写ベルト上に形成された複数色の重畳トナー画像を前記転写定着ベルトへ転写する2次転写手段と、が設けられ、
前記転写定着手段は、前記重畳トナー画像を前記転写定着ベルトから記録材に一括転写するよう構成されている請求項1ないし3のいずれかに記載のカラー画像形成装置。
【請求項5】
前記作像部は、潜像担持体が2つの感光体ドラムであり、そのうちの少なくとも1つの感光体ドラムが、該感光体ドラムの廻りに前記作像手段が複数設けられたカラー用となっている2ドラム型に構成され、中間転写体は、無端ベルト状の中間転写ベルトと転写定着ベルトとを有し、該中間転写ベルトは、前記感光体ドラムと対向する画像形成面が傾斜するよう設置され、
前記作像手段により各感光体ドラムの外周面上に形成された単一色のトナー画像又は複数色の重畳トナー画像を前記中間転写ベルトに転写する1次転写手段と、前記作像部により前記中間転写ベルト上に形成された複数色の重畳トナー画像を前記転写定着ベルトへ転写する2次転写手段と、が設けられ、
前記転写定着手段は、前記重畳トナー画像を前記転写定着ベルトから記録材に一括転写するよう構成されている請求項1ないし3のいずれかに記載のカラー画像形成装置。
【請求項6】
前記感光体ドラムは、2次転写位置を基準に中間転写ベルトの回転方向上流側の面に対向して設けられている請求項4又は5に記載のカラー画像形成装置。
【請求項7】
前記作像部は、潜像担持体が1つの感光体ドラムであり、その1つの感光体ドラムの廻りに前記作像手段が複数設けられた1ドラム型に構成され、中間転写体は、無端ベルト状の転写定着ベルトであり、
前記作像手段により前記感光体ドラムの外周面上に形成された複数色の重畳トナー画像を前記転写定着ベルトに転写する1次転写手段が設けられ、
前記転写定着手段は、前記重畳トナー画像を前記転写定着ベルトから記録材に一括転写するよう構成されている請求項1ないし3のいずれかに記載のカラー画像形成装置。
【請求項8】
前記フィニッシャーは、前記装置本体内の前記供給部の上方に配設されている請求項7に記載のカラー画像形成装置。
【請求項9】
前記感光体ドラムは、転写定着位置を基準に転写定着ベルトの回転方向上流側の面に対向して設けられている請求項7又は8に記載のカラー画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−158188(P2008−158188A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−345923(P2006−345923)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】