説明

カルボキサミド化合物およびカルパイン阻害剤としてのこれらの使用

本発明は、新規カルボキサミド化合物および医薬品製造のためのこれらの使用に関する。カルボキサミド化合物は、カルパイン(カルシウム依存性システインプロテアーゼ)の阻害剤である。したがって本発明はまた、高いカルパイン活性を伴う疾患を治療するための、これらのカルボキサミド化合物の使用に関する。カルボキサミド化合物は、一般式(I)


(R、R、R3a、R3b、W、YおよびXは、特許請求の範囲および説明において言及される意味を有する。特に、該化合物、それらの互変異性体およびそれらの医薬として適切な塩は、一般式I−A.a’およびI−A.a”を有し、式中、m、E、R、R3a、R3b、R、R、RおよびRw6*は、特許請求の範囲に言及される意味を有し、nは、0、1または2である。)の化合物、これらの互変異性体およびこれらの医薬として適切な塩である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iのカルボキサミド化合物ならびにこれの互変異性体、これのプロドラッグおよびこれの医薬として適切な塩。
【化16】

[式中、
は、水素、C−C10−アルキル、C−C10−アルケニル、C−C10−アルキニル(列挙した最後の3個の基は、部分的にもしくは完全にハロゲン化されていてもよくおよび/または1、2もしくは3個の置換基R1aを有することができる。)、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル(列挙した最後の2個の基のシクロアルキル部分のCH基は、O、NHもしくはSで置換されていてもよくまたは2個の隣接するC原子は二重結合を形成することができる(シクロアルキル部分は、1、2、3または4個の基R1bをさらに有することができる。)。)、アリール、ヘタリール、アリール−C−C−アルキル、アリール−C−C−アルケニル、ヘタリール−C−C−アルキルまたはヘタリール−C−C−アルケニル(列挙した最後の6個の基のアリールおよびヘタリールは、非置換であってよくまたは1、2、3もしくは4個の同一であるもしくは異なる基R1cを担持することができる。)であり、
1aは、OH、SH、COOH、CN、OCHCOOH、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ(halolkoxy)、C−C−シクロアルキルオキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−ハロアルキルチオ、COORa1、CONRa2a3、SONRa2a3、−NRa2−SO−Ra4、NRa2−CO−Ra5、SO−Ra4、NRa6a7から互いに独立に選択され、
1bは、OH、SH、COOH、CN、OCHCOOH、ハロゲン、1、2もしくは3個の置換基R1dを場合によって有するフェニル、またはC−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルチオ(列挙した最後の3個の置換基のアルキル部分は、部分的にもしくは完全にハロゲン化されていてもよくおよび/または1、2もしくは3個の置換基R1aを有することができる。)、COORb1、CONRb2b3、SONRb2b3、NRb2−SO−Rb4、NRb2−CO−Rb5、SO−Rb4、NRb6b7から互いに独立に選択され、
さらに2個のR1b基は、一緒になってC−C−アルキレン基を形成することができ、またはシクロアルキルの隣接C原子に結合した2個のR1b基は、これらが結合している炭素原子と一緒になって、ベンゼン環を形成することもでき、
1cは、OH、SH、ハロゲン、NO、NH、CN、CF、CHF、CHF、O−CF、O−CHF、O−CHF、COOH、OCHCOOH、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルキルチオ(列挙した最後の4個の置換基のアルキル部分は、部分的にもしくは完全にハロゲン化されていてもよくおよび/または1、2もしくは3個の置換基R1aを有することができる。)、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキルオキシ(列挙した最後の3個の基のシクロアルキル部分は、1、2、3または4個のR1b基を有することができる。)、アリール、ヘタリール、O−アリール、O−CH−アリール(列挙した最後の3個の基は、アリール部分において非置換でありまたは1、2、3もしくは4個のR1d基を担持することができる。)、COORc1、CONRc2c3、SONRc2c3、NRc2−SO−Rc4、NRc2−CO−Rc5、SO−Rc4、p=0、1、2、3、4、5または6である−(CH−NRc6c7ならびにq=2、3、4、5または6であるO−(CH−NRc6c7から互いに独立に選択され、
a1、Rb1およびRc1は、互いに独立に、H、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、1、2もしくは3個の置換基R1aを有するC−C−アルキル、またはC−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−ヘテロシクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、アリール、アリール−C−C−アルキル、ヘタリールまたはヘタリール−C−C−アルキル(列挙した最後の4個の基のアリールおよびヘタリールは、非置換でありまたは1、2もしくは3個の置換基R1dを有している。)であり、
a2、Rb2およびRc2は、互いに独立に、H、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、1、2もしくは3個の置換基R1aを有するC−C−アルキル、またはC−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−ヘテロシクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、アリール、アリール−C−C−アルキル、ヘタリールまたはヘタリール−C−C−アルキル(列挙した最後の4個の基のアリールおよびヘタリールは、非置換でありまたは1、2もしくは3個の置換基R1dを有している。)であり、
a3、Rb3およびRc3は、互いに独立に、H、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、1、2もしくは3個の置換基R1aを有するC−C−アルキル、またはC−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−ヘテロシクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、アリール、アリール−C−C−アルキル、ヘタリールまたはヘタリール−C−C−アルキル(列挙した最後の4個の基のアリールおよびヘタリールは、非置換でありまたは1、2もしくは3個の置換基R1dを有している。)であり、または
2個の基Ra2およびRa3またはRb2およびRb3またはRc2およびRc3は、N原子と一緒になって、3から7員の、場合によって置換されている窒素複素環を形成し、この窒素複素環は、環員として、O、N、Sの群からの1、2または3個のさらなる異なるまたは同一であるヘテロ原子を場合によって有していてもよく、
a4、Rb4およびRc4は、互いに独立に、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、1、2もしくは3個の置換基R1aを有するC−C−アルキル、またはC−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−ヘテロシクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、アリール、アリール−C−C−アルキル、ヘタリールまたはヘタリール−C−C−アルキル(列挙した最後の4個の基のアリールおよびヘタリールは、非置換でありまたは1、2もしくは3個の置換基R1dを有している。)であり、
a5、Rb5およびRc5は、互いに独立に、Ra1、Rb1およびRc1について言及した意味の1つを有し、
a6、Rb6およびRc6は、互いに独立に、H、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルキル、1、2もしくは3個の置換基R1aを有するC−C−アルキル、またはC−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−ヘテロシクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、CO−C−C−アルキル、CO−O−C−C−アルキル、SO−C−C−アルキル、アリール、ヘタリール、O−アリール、OCH−アリール、アリール−C−C−アルキル、ヘタリール−C−C−アルキル、CO−アリール、CO−ヘタリール、CO−(アリール−C−C−アルキル)、CO−(ヘタリール−C−C−アルキル)、CO−O−アリール、CO−O−ヘタリール、CO−O−(アリール−C−C−アルキル)、CO−O−(ヘタリール−C−C−アルキル)、SO−アリール、SO−ヘタリール、SO−(アリール−C−C−アルキル)またはSO−(ヘタリール−C−C−アルキル)(列挙した最後の18個の基のアリールおよびヘタリールは、非置換でありまたは1、2もしくは3個の置換基R1dを有している。)であり、
a7、Rb7およびRc7は、互いに独立に、H、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、1、2もしくは3個の置換基R1aを有するC−C−アルキル、またはC−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−ヘテロシクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、アリール、アリール−C−C−アルキル、ヘタリールまたはヘタリール−C−C−アルキル(列挙した最後の4個の基のアリールおよびヘタリールは、非置換でありまたは1、2もしくは3個の置換基R1dを有している。)であり、または
2個の基Ra6およびRa7またはRb6およびRb7またはRc6およびRc7は、N原子と一緒になって、3から7員の、場合によって置換されている窒素複素環を形成し、この窒素複素環は、環員として、O、NおよびSの群からの1、2または3個のさらなる異なるまたは同一であるヘテロ原子を場合によって有していてもよく、
または隣接するC原子と結合している2個の基R1bおよびR1cは、これらが結合しているC原子と一緒になって、4、5、6もしくは7員の場合によって置換されている炭素環、または環員として、O、NおよびSの群からの1、2もしくは3個の異なるもしくは同一であるヘテロ原子を有する、場合によって置換されている複素環を形成し、
1dは、ハロゲン、OH、SH、NO、COOH、C(O)NH、CHO、CN、NH、OCHCOOH、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−ハロアルキルチオ、CO−C−C−アルキル、CO−O−C−C−アルキル、NH−C−C−アルキル、NHCHO、NH−C(O)C−C−アルキルおよびSO−C−C−アルキルから選択され、
は、水素、C−C10−アルキル、C−C10−アルコキシ、C−C10−アルケニル、C−C10−アルキニル(列挙した最後の4個の基は、部分的にもしくは完全にハロゲン化されていてもよくおよび/または1、2もしくは3個の置換基R2aを有することができる。)、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル(列挙した最後の2個の基のシクロアルキル部分のCH基は、O、NHもしくはSで置換されていてもよくまたは2個の隣接するC原子は、二重結合を形成することができる(シクロアルキル部分は、1、2、3または4個の基R2bをさらに有することができる。)。)、アリール、O−アリール、O−CH−アリール、ヘタリール、アリール−C−C−アルキル、アリール−C−C−アルケニル、ヘタリール−C−C−アルキルまたはヘタリール−C−C−アルケニル(列挙した最後の8個の基のアリールおよびヘタリールは、非置換であってよくまたは1、2、3もしくは4個の同一であるもしくは異なる基R2c基を担持することができる。)であり、
2aは、R1aについて示される意味の1つを有し、
2bは、R1bについて示される意味の1つを有し、
2cは、R1cについて示される意味の1つを有し、
3aおよびR3bは、互いに独立に、ヒドロキシもしくはC−C−アルコキシであり、またはこれらが結合している炭素原子と一緒になってC=Oとなり、
Xは、水素または式C(=O)−O−Rx1、C(=O)−NRx2x3、C(=O)−N(Rx4)−(C−C−アルキレン)−NRx2x3もしくはC(=O)−N(Rx4)NRx2x3の基であり、
x1は、水素、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、1、2もしくは3個の置換基Rxaを有するC−C−アルキル、またはC−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−ヘテロシクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル(列挙した最後の6個の基のアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルは、非置換でありまたは1、2もしくは3個の置換基Rxaを有する。)、またはアリール、アリール−C−C−アルキル、ヘタリールもしくはヘタリール−C−C−アルキル(列挙した最後の4個の基のアリールおよびヘタリールは、非置換でありまたは1、2もしくは3個の置換基Rxdを有する。)であり、
x2は、H、OH、CN、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、1、2もしくは3個の置換基Rxaを有するC−C−アルキル、またはC−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−ヘテロシクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、CO−C−C−アルキル、CO−O−C−C−アルキル、SO−C−C−アルキル、O−C−C−アルキル(列挙した最後の10個の基のアルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルは、非置換でありまたは1、2もしくは3個の置換基Rxaを有する。)、アリール、O−アリール、O−CH−アリール、ヘタリール、O−CH−ヘタリール、アリール−C−C−アルキル、ヘタリール−C−C−アルキル、CO−アリール、CO−ヘタリール、CO−(アリール−C−C−アルキル)、CO−(ヘタリール−C−C−アルキル)、CO−O−アリール、CO−O−ヘタリール、CO−O−(アリール−C−C−アルキル)、CO−O−(ヘタリール−C−C−アルキル)、SO−アリール、SO−ヘタリール、SO−(アリール−C−C−アルキル)またはSO−(ヘタリール−C−C−アルキル)(列挙した最後の19個のアリールおよびヘタリールは、非置換でありまたは1、2もしくは3個の置換基Rxdを有する。)であり、
x3は、H、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、1、2もしくは3個の置換基Rxaを有するC−C−アルキル、またはC−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−ヘテロシクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル(列挙した最後の6個の基のアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルは、非置換でありまたは1、2もしくは3個の置換基Rxaを有する。)、アリール、アリール−C−C−アルキル、ヘタリールまたはヘタリール−C−C−アルキル(列挙した最後の4個の基のアリールおよびヘタリールは、非置換でありまたは1、2もしくは3個の置換基Rxdを有する。)であり、または
2個の基Rx2およびRx3は、N原子と一緒になって、3から7員の窒素複素環を形成し、この窒素複素環は、環員として、O、N、Sの群からの1、2または3個のさらなる異なるまたは同一であるヘテロ原子を場合によって有していてもよく、1、2または3個の置換基Rxbを有していてもよく、
x4は、H、OH、CN、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、1、2もしくは3個の置換基Rxaを有するC−C−アルキル、またはC−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−ヘテロシクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、CO−C−C−アルキル、CO−O−C−C−アルキル、SO−C−C−アルキル(列挙した最後の9個の基のアルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルは、非置換でありまたは1、2もしくは3個の置換基Rxaを有する。)、アリール、O−アリール、O−CH−アリール、ヘタリール、アリール−C−C−アルキル、ヘタリール−C−C−アルキル、CO−アリール、CO−ヘタリール、CO−(アリール−C−C−アルキル)、CO−(ヘタリール−C−C−アルキル)、CO−O−アリール、CO−O−ヘタリール、CO−O−(アリール−C−C−アルキル)、CO−O−(ヘタリール−C−C−アルキル)、SO−アリール、SO−ヘタリール、SO−(アリール−C−C−アルキル)またはSO−(ヘタリール−C−C−アルキル)(列挙した最後の18個の基のアリールおよびヘタリールは、非置換でありまたは1、2もしくは3個の置換基Rxdを有する。)であり、
xaは、R1aについて示される意味の1つを有し、Rxbは、R1bについて示される意味の1つを有し、Rxdは、R1dについて示される意味の1つを有し、
Yは、環員として1または2個の窒素原子を有し、1または2個の同一であるまたは異なる置換基Rを場合によって有する二価の芳香族または6員の複素環式芳香族基であり、
は、OH、SH、ハロゲン、NO、NH、CN、CF、CHF、CHF、O−CF、O−CHF、O−CHF、COOH、OCHCOOH、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルキルチオ(列挙した最後の4個の基は、部分的にもしくは完全にハロゲン化されていてもよくおよび/または1、2もしくは3個の置換基Ryaを有することができる。)、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル−O(列挙した最後の3個の基のシクロアルキル部分は、1、2、3または4個のRyb基を有することができる。)、アリール、O−アリール、CH−アリール、O−CH−アリール(列挙した最後の4個の基は、アリール部分において非置換であり、または1、2、3もしくは4個の基Rydを担持することができる。)、COORy1、CONRy2y3、SONRy2y3、−NH−SO−Ry4、NH−CO−Ry5、SO−Ry4、p=0、1、2、3、4、5または6である−(CH−NRy6y7およびq=2、3、4、5または6であるO−(CH−NRy6y7から互いに独立に選択され、
または隣接するC原子と結合している2個の基R基は、これらが結合しているC原子と一緒になって、4、5、6もしくは7員の場合によって置換されている炭素環、または環員として、O、N、Sの群からの1、2もしくは3個の異なるもしくは同一であるヘテロ原子を有する、場合によって置換されている複素環を形成し、
yaは、R1aについて示される意味の1つを有し、
ybは、R1bについて示される意味の1つを有し、
ydは、R1dについて示される意味の1つを有し、
y1は、Rc1について示される意味の1つを有し、
y2は、Rc2について示される意味の1つを有し、
y3は、Rc3について示される意味の1つを有し、
y4は、Rc4について示される意味の1つを有し、
y5は、Rc5について示される意味の1つを有し、
y6は、Rc6について示される意味の1つを有し、
y7は、Rc7について示される意味の1つを有し、
Wは、窒素を介して結合している式W1またはW2の基であり、
【化17】

式中、
は、Yとの結合を意味し、#は、Rとの結合を意味し、
mは、0、1または2であり、
は、OH、SH、ハロゲン、NO、NH、CN、CF、CHF、CHF、O−CF、O−CHF、O−CHF、COOH、OCHCOOH、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、C−C−アルキルチオ(列挙した最後の4個の基は、部分的にもしくは完全にハロゲン化されていてもよくおよび/または1、2もしくは3個の置換基Rwaを有することができる。)、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキルオキシ(列挙した最後の3個の基のシクロアルキル部分は、1、2、3または4個の基Rwbを有することができる。)、アリール、O−アリール、O−CH−アリール、ヘタリール(列挙した最後の4個の基は、アリール部分において非置換であり、または1、2、3もしくは4個の基Rwdを担持することができる。)、COORw1、CONRw2w3、SONRw2w3、NRw2−SO−Rw4、NRw2−CO−Rw5、SO−Rw4、p=0、1、2、3、4、5または6である−(CH−NRw6w7およびq=2、3、4、5または6であるO−(CH−NRw6w7から選択され、
または隣接するC原子と結合している2個のR基は、これらが結合しているC原子と一緒になって、4、5、6もしくは7員の場合によって置換されている炭素環、または環員として、O、N、Sの群からの1、2もしくは3個の異なるもしくは同一であるヘテロ原子を有する、場合によって置換されている複素環を形成し、
waは、R1aについて示される意味の1つを有し、
wbは、R1bについて示される意味の1つを有し、
wdは、R1dについて示される意味の1つを有し、
w1は、Rc1について示される意味の1つを有し、
w2は、Rc2について示される意味の1つを有し、
w3は、Rc3について示される意味の1つを有し、
w4は、Rc4について示される意味の1つを有し、
w5は、Rc5について示される意味の1つを有し、
w6は、Rc6について示される意味の1つを有し、
w7は、Rc7について示される意味の1つを有し、
または
Wは、Rと一緒になって、窒素を介して結合している、式W3、W4、W5、W6、W7またはW8の二環式または三環式基を形成し、
【化18】

式中、
は、Yとの結合を意味し、
mは、0、1または2であり、
w3*、Rw4*、Rw5*、Rw6*、Rw7*およびRw8*は、互いに独立に、Rについて示される意味の1つを有し、
Eは、以下の意味:−CR−、−CHR−CHR、CH−CH−CH−、−CO−、−CO−NR−、−NR−CO−、−O−、−CH−O−、−O−CH−、−S−、−S−CH−、−CH−S−、−SO−、CH−SO−、−SO−CH−、−SO−、−CH−SO−、−SO−CH−、−NR−、−NR−CH−、−CH−NR、−SO−NR−、−NR−SO−、−CO−O−、−O−CO−、−C(=CR)−、−CR=CR−の1つを有し、
は、H、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、1、2もしくは3個の置換基R1aを有するC−C−アルキル、またはC−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−ヘテロシクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、CO−C−C−アルキル、CO−O−C−C−アルキル、SO−C−C−アルキル、アリール、ヘタリール、アリール−C−C−アルキル、ヘタリール−C−C−アルキル、CO−アリール、CO−ヘタリール、CO−(アリール−C−C−アルキル)、CO−(ヘタリール−C−C−アルキル)、CO−O−アリール、CO−O−ヘタリール、CO−O−(アリール−C−C−アルキル)、CO−O−(ヘタリール−C−C−アルキル)、SO−アリール、SO−ヘタリール、SO−(アリール−C−C−アルキル)またはSO−(ヘタリール−C−C−アルキル)(列挙した最後の16個の基のアリールおよびヘタリールは、非置換でありまたは1、2もしくは3個の置換基R1dを有する。)であり、
、Rは、互いに独立に、水素、C−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル(列挙した最後の4個の基は、部分的にもしくは完全にハロゲン化されていてもよくおよび/または1、2もしくは3個の置換基R1aを有することができる。)、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル−O(列挙した最後の3個の基のシクロアルキル部分のCH基は、O、NHもしくはSで置換されていてもよくまたは2個の隣接するC原子は、二重結合を形成することができる(シクロアルキル部分は、1、2、3または4個のR1b基をさらに有することができる。)。)、アリール、ヘタリール、アリール−C−C−アルキルまたはヘタリール−C−C−アルキル(列挙した最後の4個の基のアリールおよびヘタリールは、非置換であってよくまたは1、2、3もしくは4個の同一であるもしくは異なる基R1dを担持することができる。)から選択され、
1aは、R1aについて示される意味の1つを有し、R1bは、R1bについて示される意味の1つを有し、R1dは、R1dについて示される意味の1つを有する。]
【請求項2】
Wが、式W1もしくはW2の基であり、または基W−RがW6である、請求項1に記載のカルボキサミド化合物。
【請求項3】
mが0または1であり、m=1の場合、Rが、OH、F、Cl、CN、CF、非置換でありまたは1、2もしくは3個の置換基Rwaを有することができるC−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシおよびC−C−シクロアルキルから選択される、請求項2に記載のカルボキサミド化合物。
【請求項4】
式IのXがC(=O)−NRx2x3基であり、Rx2およびRx3が、前述の意味の1つを有する、請求項1から3のいずれかに記載のカルボキサミド化合物。
【請求項5】
x2が、H、OH、CN、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、1、2もしくは3個の置換基Rxaを有するC−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルキニル、C−C−シクロアルキル、C−C−シクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−ヘテロシクロアルキル−C−C−アルキル、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、アリール、ヘタリール、アリール−C−C−アルキルまたはヘタリール−C−C−アルキルであり、列挙した最後の4個の基のアリールおよびヘタリールが、非置換でありまたは1、2もしくは3個の置換基Rxdを有し、
x3が、H、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキルまたは1、2もしくは3個の置換基Rxaを有するC−C−アルキルであり、または
NRx2x3が、次式の窒素複素環である
【化19】

(式中、Rx5は水素であり、またはRxbについて請求項1で示される意味を有する。)、
請求項4に記載のカルボキサミド化合物。
【請求項6】
XがC(O)−NHである、請求項5に記載のカルボキサミド化合物。
【請求項7】
が、
部分的にもしくは完全にハロゲン化されていてもよいおよび/または1、2もしくは3個の置換基R1aを有することができるC−C10−アルキル、
シクロアルキル部分が1、2、3、もしくは4個の基R1bを有することができるC−C−シクロアルキル−C−C−アルキル、
フェニル−C−C−アルキルおよびヘタリール−C−C−アルキル(列挙した最後の2個の基のフェニルおよびヘタリールは、非置換であってよくまたは1、2、3もしくは4個の同一であるもしくは異なる基R1cを担持することができる。)
から選択される、
請求項1から6のいずれかに記載のカルボキサミド化合物。
【請求項8】
が水素とは異なる、請求項1から7のいずれかに記載のカルボキサミド化合物。
【請求項9】
が、部分的にもしくは完全にハロゲン化されていてもよいおよび/または1、2もしくは3個の置換基R2aを有することができるC−C10−アルキル、アリール、ヘタリール、アリール−C−C−アルキル、アリール−C−C−アルケニルおよびヘタリール−C−C−アルキルから選択され、列挙した最後の5個の基のアリールおよびヘタリールは、非置換であってよくまたは1、2、3もしくは4個の同一であるもしくは異なる基R2cを担持することができる、請求項8に記載のカルボキサミド化合物。
【請求項10】
が、非置換であってよいまたは1、2、3もしくは4個の同一であるもしくは異なる基R2cを担持することができるアリールおよびヘタリールから選択される、請求項9に記載のカルボキサミド化合物。
【請求項11】
式IのYが、ピリジンジイルおよびピリミジンジイルから選択され、1または2個の同一であるまたは異なる置換基Rを場合によって有する二価の複素環式芳香族基である、請求項1から10のいずれかに記載のカルボキサミド化合物。
【請求項12】
が、OH、F、Cl、NH、CN、CF、−CHF、O−CF、O−CHF、O−CHF、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルキルアミノ、C−C−ジアルキルアミノ、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、イミダゾリル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシ−C−C−アルキル、CONRy2y3、SONRy2y3、−NH−SO−Ry4、−(CH−NRy6y7、NH−CO−Ry5から選択され、pは1、2、3、4または5であり、Ry2、Ry3、Ry4、Ry5、Ry6、Ry7は、HまたはC−C−アルキル、フェニル、ベンジルおよびO−ベンジルであり、列挙した最後の3個の基のフェニル環は、ハロゲン、OH、SH、NO、COOH、C(O)NH、CHO、CN、NH、OCHCOOH、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−ハロアルキルチオ、CO−C−C−アルキル、CO−O−C−C−アルキル、NH−C−C−アルキル、NHCHO、NH−C(O)C−C−アルキルおよびSO−C−C−アルキルから選択される1、2または3個の置換基を有することができる、請求項1から11のいずれかに記載のカルボキサミド化合物。
【請求項13】
Wが、カルボニル基に連結しているYのC原子に対してオルト位に位置しているYのC原子に結合している、請求項1から12のいずれかに記載のカルボキサミド化合物。
【請求項14】
式I−Aに対応する、請求項1から13のいずれかに記載のカルボキサミド化合物、これの互変異性体、これのプロドラッグおよびこれの医薬として適切な塩。
【化20】

(式中、X、W、R、R、R3a、R3b、Rは、前述の意味を有し、nは、0、1または2であり、変数Y、Y、YおよびYの1つは窒素原子であり、残りの変数Y、Y、YまたはYはCHである。)
【請求項15】
式I−A’またはI−A”に対応する、請求項1から14のいずれかに記載のカルボキサミド化合物、これの互変異性体、これのプロドラッグおよびこれの医薬として適切な塩。
【化21】


(式中、m、E、X、R、R、R3a、R3b、R、RおよびRw6*は、前述の意味を有し、nは、0、1または2であり、変数Y、Y、YおよびYの1つは窒素原子であり、残りの変数Y、Y、YおよびYはCHである。)
【請求項16】
式I−A.aに対応する、請求項1から15のいずれかに記載のカルボキサミド化合物、これの互変異性体、これのプロドラッグおよびこれの医薬として適切な塩。
【化22】

(式中、X、W、R、R、R3a、R3b、Rは、前述の意味を有し、nは、0、1または2である。)
【請求項17】
式I−A.a’またはI−A.a”に対応する、請求項16に記載のカルボキサミド化合物、これの互変異性体、これのプロドラッグおよびこれの医薬として適切な塩。
【化23】

(式中、m、E、R、R3a、R3b、R、R、RおよびRw6*は、前述の意味を有し、nは、0、1または2である。)
【請求項18】
基Rを担持する炭素原子でS配置を有する、請求項1から17のいずれかに記載のカルボキサミド化合物。
【請求項19】
カルパインの阻害に関してインビトロでKi≦100nMを有する、請求項1から18のいずれかに記載のカルボキサミド化合物。
【請求項20】
カテプシンBの阻害に関してインビトロで>10の選択性を有する(カテプシンBに関するKi対カルパインに関するKiの比)、請求項1から19のいずれかに記載のカルボキサミド化合物。
【請求項21】
カテプシンKの阻害に関してインビトロで>10の選択性を有する(カテプシンKに関するKi対カルパインに関するKiの比)、請求項1から20のいずれかに記載のカルボキサミド化合物。
【請求項22】
カテプシンLの阻害に関してインビトロで>30の選択性を有する(カテプシンLに関するKi対カルパインに関するKiの比)、請求項1から21のいずれかに記載のカルボキサミド化合物。
【請求項23】
カテプシンSの阻害に関してインビトロで>50の選択性を有する(カテプシンSに関するKi対カルパインに関するKiの比)、請求項1から22のいずれかに記載のカルボキサミド化合物。
【請求項24】
請求項1から23のいずれかに記載のカルボキサミド化合物、これらの互変異性体、これらのプロドラッグおよびこれらの医薬として適切な塩の、医薬品製造のための使用。
【請求項25】
請求項1から23のいずれかに記載の少なくとも1つのカルボキサミド化合物、これの互変異性体、プロドラッグまたは医薬として適切な塩を含む医薬品。
【請求項26】
高いカルパイン活性を伴う疾患、障害または状態の治療のための、請求項1から23のいずれかに記載のカルボキサミド化合物、これらの互変異性体、これらのプロドラッグおよびこれらの医薬として適切な塩の使用。
【請求項27】
神経変性疾患または障害の治療のための、請求項1から23のいずれかに記載のカルボキサミド化合物、これらの互変異性体、これらのプロドラッグおよびこれらの医薬として適切な塩の使用。
【請求項28】
脳への慢性的な供給欠陥、虚血または外傷の結果として生じる神経変性疾患が関与する、請求項27に記載の使用。
【請求項29】
アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症またはハンチントン病の治療のための、請求項27に記載の使用。
【請求項30】
多発性硬化症および神経系への随伴性損傷の治療のための、請求項27に記載の使用。
【請求項31】
てんかんの治療のための、請求項1から23のいずれかに記載のカルボキサミド化合物、これらの互変異性体、これらのプロドラッグおよびこれらの医薬として適切な塩の使用。
【請求項32】
疼痛の治療のための、請求項1から23のいずれかに記載のカルボキサミド化合物、これらの互変異性体、これらのプロドラッグおよびこれらの医薬として適切な塩の使用。
【請求項33】
心虚血後の心臓への損傷、腎虚血後の腎臓への損傷、骨格筋損傷、筋ジストロフィー、平滑筋細胞の増殖により生じる損傷、冠痙縮性狭心症、脳血管痙縮、黄斑変性、目の白内障または血管形成後の血管の再狭窄の治療のための、請求項1から23のいずれかに記載のカルボキサミド化合物、これらの互変異性体、これらのプロドラッグおよびこれらの医薬として適切な塩の使用。
【請求項34】
腫瘍およびその転移の化学療法のための、請求項1から23のいずれかに記載のカルボキサミド化合物、これらの互変異性体、これらのプロドラッグおよびこれらの医薬として適切な塩の使用。
【請求項35】
HIV患者の治療のための、請求項1から23のいずれかに記載のカルボキサミド化合物、これらの互変異性体、これらのプロドラッグおよびこれらの医薬として適切な塩の使用。
【請求項36】
高いインターロイキン−I、TNFまたはAβレベルを伴う疾患または障害の治療のための、請求項1から23のいずれかに記載のカルボキサミド化合物、これらの互変異性体、これらのプロドラッグおよびこれらの医薬として適切な塩の使用。
【請求項37】
請求項26から36のいずれかに記載の疾病、状態または障害の治療のために、請求項1から23のいずれかに記載の有効量の少なくとも1つの化合物を投与することによって、治療を必要とする哺乳動物を治療および/または予防処置する方法。
【請求項38】
治療に使用するための、請求項1から23のいずれかに記載のカルボキサミド化合物。
【請求項39】
高いカルパイン活性を伴う疾患、障害または状態の治療に使用するための、請求項1から23のいずれかに記載のカルボキサミド化合物。
【請求項40】
請求項26から36のいずれかに記載の疾患、障害または状態の治療に使用するための、請求項1から23のいずれかに記載のカルボキサミド化合物。

【公表番号】特表2010−514738(P2010−514738A)
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−543479(P2009−543479)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【国際出願番号】PCT/EP2007/064617
【国際公開番号】WO2008/080969
【国際公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(502104228)アボット ゲーエムベーハー ウント カンパニー カーゲー (89)
【Fターム(参考)】