説明

ガス遮断装置

【課題】地震発生時に、警報器の検出感度を高く変更して異常発生の早期検出により安産性の高いガス遮断装置を提供することを目的とする。
【解決手段】検出手段41と、検出手段41の検出感度を変更する感度変更手段43と、ガスメータ30と通信を行う警報器通信手段42とを備えた警報器40と、ガスの供給と遮断を行う遮断手段31と、地震を含む振動を検知する感震器33と、警報器40との通信を行うガスメータ通信手段34と、遮断手段31にガス供給の遮断指示と感震器33の信号により地震の発生を検知するガスメータ制御手段32とを備えたガスメータ30とを含み、ガスメータ制御手段32が地震を検知した場合、感度変更手段43は検出手段41の検出感度を高くすることにより、地震検知時にガスメータ30により警報器40の検出感度を高くすることで早期に異常を検出することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス漏れ警報器等の警報器とガスメータとの間で情報の送受信が可能な構成としたガス遮断装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のガス遮断装置としては、ガスを検出する検出手段9と複数の検出閾値を備えるとともに検出レベルがそれぞれの閾値以上あるいは閾値未満になるとレベルに応じた信号を出力する検出信号送信手段とを備えた複数の警報器7と、ガスの供給や遮断を行う遮断手段3と、警報器7からの信号を入力する検出信号受信手段5と、検出信号受信手段5からの出力信号を処理する制御手段2と流量を検出する流量検出手段4とで構成されたガス遮断装置1を備え、ガス遮断装置1の制御手段2は複数の警報器7からの出力信号がそれぞれ遮断信号でない場合においても、複数の警報器7からの検出レベルの組み合わせに応じて、遮断手段3に信号を出力しガスを遮断するようにしたものである。
【0003】
すなわち、複数の警報器からの検出レベルの組み合わせに応じてガス遮断を判定するようにしたもので、個々の警報器の警報レベルに至るまでの低濃度の状態でも、複数箇所で同時にガスの濃度が上がった場合には、ガスを遮断するものである(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図9は、特許文献1に記載された従来のガス遮断装置を示すものである。図9に示すように、ガス遮断装置1は、制御手段2と、遮断手段3と、流量検出手段4と、検出信号受信手段とを備え、警報器7は、警報器制御手段6と、検出信号送信手段8と、検出手段9と、警報器出力手段10とを備えた構成である。
【0005】
また、別のガス遮断装置は、複数の警報器17とガス遮断装置11との間の情報の送受信において、新しいガス器具の使用を検出し、器具判別手段21から新器具検出信号を出力し、その信号を警報器制御手段16に入力すると、警報器制御手段16は判定値変更信号に応じて警報器17のガス漏洩判定値を下げる方向に変更するようにしたものであり、ガスメータが有する流量情報を用いた器具判別機能によって、新しいガス器具の使用を検出すると、警報器のガス漏れ判定値を下げる方向に検出感度を高め、新しい器具の追加時に発生し易いガス漏れ等の危険を迅速に検出可能とすることで、安全性を確保するものである(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
図10は、特許文献2に記載された従来のガス遮断装置を示すものである。図10に示すように、ガス遮断装置11は、制御手段12と、遮断手段13と、流量検出手段14と、ガスメータ送受信手段15と、判定値変更手段15aと警報信号受信手段を有する警報器制御手段と器具判別手段21を備えており、警報器17は、判定値変更信号受信手段18aと警報信号送信手段18bを有する警報器送信手段18と、検出手段19と、警報器出力手段20を備えており、また、ガス遮断装置11は外部から器具情報が入力可能な器具情報入力手段22に接続されている。
【0007】
また、別のガス漏れ警報器を備えたセキュリティーシステムにおいて、顧客宅の周囲の状況に応じてセキュリティーレベルを高めることで、誤検出の確立を少なく適切なセキュリティーレベルで危険を監視するものがある(例えば、特許文献3参照)。
【0008】
図11は、特許文献3に記載された従来のガス漏れ警報器を備えたセキュリティーシステムを示すものである。図11に示すように、セキュリティーシステムを構成する監視セ
ンタ23は、公衆電話回線24により通信装置25と接続し、通信装置25はガス漏れ警報器26を含む警報器27と通信する。監視センタ23は、火災や犯罪などの異常情報に応じて警報器26の感度等のセキュリティーレベルを変更できるようにしたものである。
【0009】
また、一般的にガスメータは、マイコンメータ、感震器により感震機能を搭載し、地震発生後にガス流量を検出した場合はガスメータの遮断弁を閉じガスメータに異常表示し、ガスを遮断する仕様となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2008−234540号公報
【特許文献2】特開2009−168591号公報
【特許文献3】特開2001−283353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、ガスの使用がなくガス流量がない需要家宅でも、近隣のガス配管等からのガス漏れがあった場合には、ガス警報器の検出感度を高く変更せずにガス漏れ等の異常発生の早期検出ができないという課題があった。あるいは、実現できたとしてもシステム全体のコストが高く一般家庭に普及しにくいという課題があった。
【0012】
本発明は前記従来の課題を解決するもので、複数の検出閾値を有する警報器と感震機能を有するガスメータとを組み合わせて、ガスメータの感震器により地震を検出した場合には、警報器の検出感度を高め、異常検出時にはガスを遮断する。また、監視センタがなくても宅内でのシステム構築が可能で、安全性を高めるとともに、安価にガス遮断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記従来の課題を解決するために、本発明のガス遮断装置は、検出手段と、検出手段の検出感度を変更する感度変更手段と、ガスメータと通信を行う警報器通信手段とを備えた警報器と、ガスの供給と遮断を行う遮断手段と、地震を含む振動を検知する感震器と、警報器との通信を行うガスメータ通信手段と、遮断手段にガス供給の遮断指示と感震器の信号により地震の発生を検知するガスメータ制御手段とを備えたガスメータとを含み、ガスメータ制御手段が地震を検知した場合、感度変更手段は検出手段の検出感度を高くすることを特徴としたガス遮断装置である。
【0014】
これによって、地震検知時にガスメータにより警報器の検出感度を高くすることで早期に異常を検出するとともに、宅内のみでシステムの構築が可能なため安価に精度の高いガス遮断装置を提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のガス遮断装置によると、地震発生後ガスの使用がなくガス流量がない場合、近隣のガス配管等からのガス漏れがあった場合には、ガス警報器の検出感度を高くしガス漏れ等の異常発生を早期検出することが可能である。また、監視センタを必要とせず宅内(スタンドアローン)のみでシステムの構築が可能なため安価にガス遮断装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態1におけるガス遮断装置のブロック図
【図2】本発明の実施の形態1におけるガスメータ制御手段のフローチャート
【図3】本発明の実施の形態1における感度変更手段のフローチャート
【図4】本発明の実施の形態2におけるガス遮断装置のブロック図
【図5】本発明の実施の形態2におけるガスメータ制御手段のフローチャート
【図6】本発明の実施の形態3におけるガス遮断装置のブロック図
【図7】本発明の実施の形態3におけるガスメータ制御手段のフローチャート
【図8】本発明の実施の形態4におけるガス遮断装置のブロック図
【図9】従来のガス遮断装置のブロック図
【図10】別の従来のガス遮断装置のブロック図
【図11】従来のガス遮断装置を備えたセキュリティーシステムのブロック図
【発明を実施するための形態】
【0017】
第1の発明は、検出手段と、前記検出手段の検出感度を変更する感度変更手段と、ガスメータと通信を行う警報器通信手段とを備えた警報器と、ガスの供給と遮断を行う遮断手段と、地震を含む振動を検知する感震器と、前記警報器との通信を行うガスメータ通信手段と、前記遮断手段にガス供給の遮断指示と前記感震器の信号により地震の発生を検知するガスメータ制御手段とを備えたガスメータと、を含み、前記ガスメータ制御手段が地震を検知した場合、前記感度変更手段は前記検出手段の検出感度を高くすることを特徴としたガス遮断装置である。
【0018】
これによって、地震検知時に前記ガスメータにより前記警報器の検出感度を高くすることで早期に異常を検出するとともに、システムを安価に提供することが可能となる。
【0019】
第2の発明は、特に第1の発明において、前記検出手段は、ガスを検出するガス検出手段としたものである。 これによって、地震検知時に前記ガスメータにより前記警報器のガス検出感度を高くすることで早期にガス漏れを検出するとともにシステムを安価に提供することが可能となる。
【0020】
第3の発明は、特に第1の発明において、前記検出手段は、熱および煙により火災を検出する火災検出手段としたものである。
【0021】
これによって、地震検知時に前記ガスメータにより前記警報器の火災検出感度を高くすることで早期に火災発生を検出するとともにシステムを安価に提供することが可能となる。
【0022】
第4の発明は、特に第1の発明において、前記検出手段は、一酸化炭素を検出する一酸化炭素検出手段としたものである。 これによって、地震検知時に前記ガスメータにより前記警報器の一酸化炭素検出感度を高くすることで早期に一酸化炭素発生を検出するとともにシステムを安価に提供することが可能となる。
【0023】
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明において、前記ガスメータ通信手段は、電話回線およびインターネット網の少なくとも一方を通じて監視センタに通信するセンタ報知手段を備えたものである。
【0024】
これによって、地震検知時に前記ガスメータにより前記警報器の異常検出感度を高くし、異常検出した際に早期に監視センサへ異常情報を送り重大事故を防止することが可能となる。
【0025】
以下に図面を参照しながら説明し、本発明を実施するための形態の説明とする。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、各実施の形態の説明において、同一構成並びに同一作用効果を奏するところには、同一符号を付して重複した説明
を行わないものとする。
【0026】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1におけるガス遮断装置のブロック図、 図2は、実施の形態1におけるガスメータ制御手段のフローチャート、図3は、実施の形態1における感度変更手段のフローチャートである。
【0027】
図1において、ガスメータ30は、遮断手段31と、ガスメータ制御手段32と、地震等の振動を検知する感震器33と、ガスメータ通信手段34と、ガス流量検出手段35を備えたものである。また、本実施の形態における警報器であるガス漏れ警報器40は、ガス検出手段41と、警報器通信手段42と、感度変更手段43とを備えたものである。
【0028】
遮断手段31は、遮断弁を備え宅内にガスの供給を遮断する手段である。感震器33は、地震等の振動を検出する手段である。ガスメータ制御手段32は、感震器33が検知した振動の信号を地震かどうか判定する手段である。また、ガスメータ通信手段34より受信したガス漏れ警報器40のガス漏れ検出に応じて遮断手段31により宅内にガスの供給を遮断する。ガスメータ通信手段34は、ガス漏れ警報器40と地震発生情報等の送信やガス漏れ検出信号等を受信する。
【0029】
警報器通信手段42は、ガスメータ30にガス漏れ検出信号等の送信やガスメータ30から地震発生情報等の受信をする。感度変更手段43は、ガス漏れ検出判定値を任意に変更しガス漏れ検出感度を変更する。ガス検出手段41は、周囲のガス濃度を検出するとともに前記感度変更手段43で設定したガス漏れ検出判定値によりガス漏れ判断する。ガス流量検出手段35は、ガスメータ30内を通過するガス量を検出する。
【0030】
以上のように構成されたガス遮断装置についてその動作について説明する。
【0031】
まず、ガス漏れ警報器40は、ガス検出手段41により空気中のガスの濃度を測定する。空気中のガス濃度が所定値以上を検出した場合、警報器通信手段42は、ガスメータ通信手段34にガス漏れ情報を送信する。
【0032】
ガスメータ通信手段34はガス漏れ情報を受信し、ガス漏れ情報をガスメータ制御手段32に伝え、ガスメータ制御手段32は所定時間にガス流量検出手段35によりガス流量を検出した場合、遮断手段31によりガスを遮断する。また、地震発生時には、感震器33が振動を検出すると、ガスメータ制御手段32は地震発生かどうかを判定し、地震が発生したと判定すると、ガスメータ通信手段34により警報器通信手段42に地震発生情報を送信する。
【0033】
警報器通信手段42は、感度変更手段43に地震発生情報を伝える。感度変更手段43は、地震発生情報を受信すると、ガス検出手段41にガス検出感度を高める指示を出す。ガス検出手段41は、空気中のガス濃度の検出感度を高ためた所定値以上を検出した場合、警報器通信手段42は、ガスメータ通信手段34にガス漏れ情報を送信する。
【0034】
ガスメータ通信手段34はガス漏れ情報を受信し、ガス漏れ情報をガスメータ制御手段32に伝え、ガスメータ制御手段32は所定時間以内にガス流量検出手段35によりガス流量を検出した場合、遮断手段31によりガスを遮断する。
【0035】
また、地震発生時には、ガス流量検出手段35によりガス流量を検出しなくとも以下のように遮断手段31によりガスを遮断してもよい。地震発生時に感震器33が振動を検出すると、ガスメータ制御手段32が地震発生かどうかを判定し、地震発生したと判定する
と、ガスメータ通信手段34により警報器通信手段42に地震発生情報を送信する。警報器通信手段42は、感度変更手段43に地震発生情報を伝える。感度変更手段43は、地震発生情報を受信すると、ガス検出手段41にガス検出感度を高める指示を出す。ガス検出手段41は、空気中のガス濃度の検出感度を高めた所定値以上を検出した場合、警報器通信手段42は、ガスメータ通信手段34にガス漏れ情報を送信する。ガスメータ通信手段34はガス漏れ情報を受信し、ガス漏れ情報をガスメータ制御手段32に伝え、ガスメータ制御手段32は遮断手段31によりガスを遮断する。
【0036】
次に、図2に示すガスメータ制御手段32の制御フローチャートを説明する。まず、ガスメータ30が地震検知したかどうか判断する(S1)。地震検知した場合は、警報器に地震発生情報を送信し警報器はガス検出感度「高」で判断(S3)する。地震検知していない場合は、警報器は警報器ガス検出感度「低」で判断(S2)する。地震発生状況により変更したガス検出感度でガス漏れ警報器40がガス漏れ検出したかどうか判定する(S4)。ガス漏れ検出した場合は、ガス流量を検出したかどうか判定する(S5)。ガス漏れ検出しかつガス流量を検出した場合は遮断信号を出力してガスを遮断する(S6)。また、(S5)の判定がない場合には、ガス漏れ検出した場合に遮断信号を出力してガスを遮断する(S6)。
【0037】
次に、図3に示すガス漏れ警報器40の感度変更手段43の制御フローチャートを説明する。警報器通信手段42よりガスメータ30が地震検知したかどうか判断する(S10)。ガスメータ30が地震検知している場合は、警報器検出感度「高」で判断(S11)する。ガスメータ30が地震検知していない場合は、警報器検出感度「低」で判断(S12)する。
【0038】
このように、ガスメータ30により地震を検出すると、ガス漏れ警報器40のガス検出感度を高くすることで早期にガス漏れを検出するとともに、ガス漏れ警報器40に感震器33を設けることなく実現できるので安価にガス遮断装置を提供することが可能となる。
【0039】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2におけるガス遮断装置のブロック図である。
【0040】
本実施の形態が実施の形態1と異なるのは、検出手段として雰囲気中の熱や煙のガス濃度により火災を検出する火災検出手段を備えた火災警報器を備えた点である。
【0041】
まず、火災警報器50は、火災検出手段51により検出する温度や空気中の煙の濃度が所定値以上を検出した場合、警報器通信手段52は、ガスメータ通信手段34に火災検知情報を送信する。ガスメータ通信手段34は火災検知情報を受信し、火災検知情報をガスメータ制御手段32に伝え、ガスメータ制御手段32は所定時間以内にガス流量検出手段35によりガス流量を検出した場合、遮断手段31によりガスを遮断する。
【0042】
また、地震発生時には、感震器33が振動を検出すると、ガスメータ制御手段32は地震発生かどうかを判定し、地震発生したと判定すると、ガスメータ通信手段34により警報器通信手段52に地震発生情報を送信する。
【0043】
警報器通信手段52は、感度変更手段53に地震発生情報を伝える。感度変更手段53は、地震発生情報を受信すると、火災検出手段51に火災検出感度を高める指示を出す。火災検出手段51は、火災検出感度を高めた所定値以上を検出した場合、警報器通信手段52は、ガスメータ通信手段34に火災検知情報を送信する。ガスメータ通信手段34は火災検知情報を受信し、火災検知情報をガスメータ制御手段32に伝え、ガスメータ制御手段32は所定時間以内にガス流量検出手段35によりガス流量を検出した場合、遮断手
段31によりガスを遮断する。
【0044】
また、地震発生時には、ガス流量検出手段135によりガス流量を検出しなくとも以下のように遮断手段31によりガスを遮断してもよい。地震発生時に感震器33が振動を検出すると、ガスメータ制御手段32が地震発生かどうかを判定し、地震発生したと判定すると、ガスメータ通信手段34により警報器通信手段52に地震発生情報を送信する。警報器通信手段52は、感度変更手段53に地震発生情報を伝える。感度変更手段53は、地震発生情報を受信すると、火災検出手段51に火災検出感度を高める指示を出す。火災検出手段51は、火災検出感度を高めた所定値以上を検出した場合、警報器通信手段52は、ガスメータ通信手段34に火災検知情報を送信する。ガスメータ通信手段34は火災検知情報を受信し、火災検知情報をガスメータ制御手段32に伝え、ガスメータ制御手段32は遮断手段31によりガスを遮断する。
【0045】
次に、図5に示すガスメータ制御手段32の制御フローチャートを説明する。まず、ガスメータ30が地震検知したかどうか判断する(S13)。地震検知した場合は、火災警報器50に地震発生情報を送信し火災警報器50は火災検出感度「高」で判断(S15)する。地震検知していない場合は、火災警報器50は火災検出感度「低」で判断(S14)する。地震発生状況により変更した火災検出感度で火災警報器50が火災検知したかどうか判定する(S16)。火災検知した場合は、ガス流量を検出したかどうか判定する(S17)。火災検知し、かつガス流量を検出した場合は遮断信号を出力してガスを遮断する(S18)。また、(S17)の判定がない場合には、火災検知した場合に遮断信号を出力してガスを遮断する(S18)。
【0046】
このように、ガスメータ30により地震を検出すると、火災警報器50の火災検出感度を高くすることで早期に火災を検出するとともに、火災警報器50に感震器33を設けることなく実現できるので安価にガス遮断装置を提供することが可能となる。
【0047】
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3におけるガス遮断装置のブロック図である。
【0048】
本実施の形態が実施の形態1および実施の形態2と異なるのは、検出手段として雰囲気中の一酸化炭素(以降COと表記する)濃度を検出するCO検出手段を備えたCO警報器を備えた点である。
【0049】
まず、CO警報器60は、CO検出手段61により検出する温度や空気中の煙の濃度が所定値以上を検出した場合、警報器通信手段62は、ガスメータ通信手段34にCO検出情報を送信する。ガスメータ通信手段34はCO検出情報を受信し、CO検出情報をガスメータ制御手段32に伝え、ガスメータ制御手段32は所定時間以内にガス流量検出手段35によりガス流量を検出した場合、遮断手段31によりガスを遮断する。
【0050】
また、地震発生時には、感震器33が振動を検出すると、ガスメータ制御手段32は地震発生かどうかを判定し、地震発生したと判定すると、ガスメータ通信手段34により警報器通信手段62に地震発生情報を送信する。
【0051】
警報器通信手段62は、感度変更手段63に地震発生情報を伝える。感度変更手段63は、地震発生情報を受信すると、CO検出手段61にCO検出感度を高める指示を出す。CO検出手段61は、CO検出感度を高めた所定値以上を検出した場合、警報器通信手段62は、ガスメータ通信手段34にCO検知情報を送信する。ガスメータ通信手段34はCO検知情報を受信し、CO検出情報をガスメータ制御手段32に伝え、ガスメータ制御手段32は所定時間以内にガス流量検出手段35によりガス流量を検出した場合、遮断手
段31によりガスを遮断する。
【0052】
また、地震発生時には、ガス流量検出手段35によりガス流量を検出しなくとも以下のように遮断手段31によりガスを遮断してもよい。地震発生時には、感震器33が振動を検出すると、ガスメータ制御手段32は地震発生かどうかを判定し、地震発生したと判定すると、ガスメータ通信手段34により警報器通信手段62に地震発生情報を送信する。警報器通信手段62は、感度変更手段63に地震発生情報を伝える。感度変更手段63は、地震発生情報を受信すると、CO検出手段61にCO検出感度を高める指示を出す。CO検出手段61は、CO検出感度を高めた所定値以上を検出した場合、警報器通信手段62は、ガスメータ通信手段34にCO検知情報を送信する。ガスメータ通信手段34はCO検知情報を受信すると、CO検出情報をガスメータ制御手段32に伝え、ガスメータ制御手段32は遮断手段31によりガスを遮断する。
【0053】
次に、図7に示すガスメータ制御手段32の制御フローチャートを説明する。まず、ガスメータ30が地震検知したかどうか判断する(S20)。地震検知した場合は、CO警報器60に地震発生情報を送信しCO警報器60はCO検出感度「高」で判断(S22)する。地震検知していない場合は、CO警報器60はCO検出感度「低」で判断(S21)する。地震発生状況により変更したCO検出感度でCO警報器60がCO検知したかどうか判定する(S23)。CO検知した場合は、ガス流量を検出したかどうか判定する(S24)。CO検知し、かつガス流量を検出した場合は遮断信号を出力してガスを遮断する(S25)。また、(S24)の判定がない場合には、CO検知した場合に遮断信号を出力してガスを遮断する(S25)。
【0054】
このように、ガスメータ30により地震を検出すると、CO警報器60のCO検出感度を高くすることで早期にCOを検出するとともに、CO警報器60に感震器33を設けることなく実現できるので安価にガス遮断装置を提供することが可能となる。
【0055】
(実施の形態4)
図8は、本発明の実施の形態4におけるガス遮断装置のブロック図である。
【0056】
本実施の形態が実施の形態1〜実施の形態4と異なるのは、ガスメータ通信手段34がインターネット網70による監視センタ71との通信手段を備えている点である。
【0057】
ガスメータ通信手段34はガス漏れ警報器40のガス検出手段4よりガス漏れ情報を受信すると遮断手段31によりガスを遮断するとともに、インターネット網70を介して監視センタ71に警報情報を通報する。監視センタ71は、異常通報を受けるとその情報に応じて消防署等への通報をおこなう。
【0058】
このように、ガスメータ30により地震を検出すると、ガス漏れ警報器40検出感度を高くすることで早期に異常を検出するとともに、監視センタ71に通報し消防署等への通報をおこない安全性を高めることができ、安価にガス遮断装置を提供することが可能となる。
【0059】
なお、本実施の形態においては、警報器としてガス漏れ警報器を使用したが、実施の形態2および実施の形態3に記載の火災警報器およびCO警報器との連動も同様に行うことが可能であり、ガスメータ通信手段34が火災検知情報およびCO検知情報を受信すると遮断手段31によりガスを遮断するとともに、監視センタ71に通報し消防署等への通報をおこない安全性を高めることができ、同様の効果を得ることができる。
【0060】
また、本実施の形態においては、監視センタとの通信手段としてインターネット網を使
用したが、これに限るものではなく、公衆の電話回線等の通信手段を採用しても同様の効果を得ることができる。
【0061】
以上、本発明の各種実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態において示された事項に限定されず、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者がその変更・応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
以上のように、本発明にかかるガス遮断装置は、ガスメータ、警報器の各信号の伝達により実現できることから各信号を中継箇所に集中し制御する方式にも適用できる。
【符号の説明】
【0063】
30 ガスメータ
31 遮断手段
32 ガスメータ制御手段
33 感震器
34 ガスメータ通信手段
40 ガス漏れ警報器(警報器)
41 ガス検出手段(検出手段)
42、52、62 警報器通信手段
43、53、63 感度変更手段
50 火災警報器(警報器)
51 火災検出手段(検出手段)
60 CO警報器(警報器)
61 CO検出手段(検出手段)
70 インターネット網
71 監視センタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出手段と、前記検出手段の検出感度を変更する感度変更手段と、ガスメータと通信を行う警報器通信手段とを備えた警報器と、
ガスの供給と遮断を行う遮断手段と、地震を含む振動を検知する感震器と、前記警報器との通信を行うガスメータ通信手段と、前記遮断手段にガス供給の遮断指示と前記感震器の信号により地震の発生を検知するガスメータ制御手段とを備えたガスメータと、を含み、
前記ガスメータ制御手段が地震を検知した場合、前記感度変更手段は前記検出手段の検出感度を高くすることを特徴とした、
ガス遮断装置。
【請求項2】
前記検出手段は、ガスを検出するガス検出手段とした、
請求項1に記載のガス遮断装置。
【請求項3】
前記検出手段は、熱および煙により火災を検出する火災検出手段とした、
請求項1に記載のガス遮断装置。
【請求項4】
前記検出手段は、一酸化炭素を検出する一酸化炭素検出手段とした、
請求項1に記載のガス遮断装置。
【請求項5】
前記ガスメータ通信手段は、電話回線およびインターネット網の少なくとも一方を通じて監視センタに通信するセンタ報知手段を備えた、
請求項1〜4のいずれか1項に記載のガス遮断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−103937(P2012−103937A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252540(P2010−252540)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】