説明

ガラスロール

【課題】ガラスフィルムの表面品位が良好であるにもかかわらず、ガラスフィルムを順次引き出す際に、剥離による帯電が生じ難いガラスロールを創案することにより、可撓性デバイスの表示特性や生産性等を高めること。
【解決手段】本発明のガラスロールは、フィルム厚200μm以下のガラスフィルムをロール状に巻き取ったガラスロールであって、ガラスフィルムの誘電率が7以下であり、且つ平均表面粗さRaが10Å以下であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性(フレキシブル性)を有するデバイス(以下、可撓性デバイス)の作製に好適なガラスロールに関し、具体的には液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等のディスプレイ用基板、チップサイズパッケージ(CSP)、電荷結合素子(CCD)、等倍近接型固体撮像素子(CIS)等のイメージセンサー用基板、有機EL照明等の照明デバイス用基板、太陽電池用基板、太陽電池用カバーガラスおよび配線基板の作製に好適なガラスロールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、有機ELディスプレイ等のデバイスは、小型化、薄型化、軽量化が進んでいる。また、これらのデバイスは、携帯電話、ノートPC、TV等に搭載されており、今後、消費電力を更に低下させることが望まれている。しかもこれらのデバイスは、平面状態のみで使用する用途だけでなく、曲面状に湾曲させて使用する用途もあり、例えばフレキシブルな腕時計の表示部、湾曲した壁や柱の一部に設置する表示部、自動車の車体表面に設置する表示部に用いるケースも増えつつある。
【0003】
現在、有機ELディスプレイ等には、0.5〜0.7mm厚のガラス基板が用いられており、このガラス基板は、可撓性に乏しいため、可撓性デバイスに適用できない。しかし、ガラス基板の板厚を小さくすれば、具体的にはガラス基板の板厚を200μm以下にすれば、ガラス基板の可撓性が高まり、可撓性デバイスに適用可能になる。
【0004】
また、肉厚の小さいガラスフィルム(或いはガラスフィルムとプラスチックフィルムの複合フィルム)をロール状に巻き取り、ガラスロールにすると、可撓性デバイスの作製に際し、ロール・ツー・ロールプロセスを採用することができ、結果として、可撓性デバイスの連続生産が可能になり、可撓性デバイスの生産性が飛躍的に高まる。また、ガラスフィルムをロール状に巻き取り、ガラスロールにすると、ガラスフィルムの梱包効率や搬送効率も向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−305557号公報
【特許文献2】特開2009−70759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
有機ELディスプレイ等は、基板上にITO等の透明電極が形成される。しかし、ガラスフィルムの平均表面粗さRaが大きいと、具体的にはガラスフィルムの平均表面粗さRaが10Åより大きいと、ガラスフィルム上に形成される電極膜の表面品位が低下し、結果として、電極膜の凹凸形状に起因して、電界分布にムラが発生し、表示不良を引き起こす場合がある。
【0007】
一方、ガラスフィルムの平均表面粗さRaが小さいと、具体的にはガラスフィルムの平均表面粗さRaが10Å以下であると、ガラスロールからガラスフィルムを順次引き出す際、継続的にガラスフィルム−ガラスフィルム(或いはガラスフィルム−プラスチックフィルム)間で引き剥がし部分が発生するため、その部分で剥離による帯電が発生し、雰囲気中の異物がガラスフィルムに吸着したり、その後の工程でガラスフィルムが帯電破壊を起こすといった不具合が生じやすくなる。また、有機ELディスプレイの製造工程の場合、金属製のステージ上にガラスフィルムを載置し、ガラスフィルムの表面に成膜した後、次の工程へ搬送する際、ガラスフィルムをリフトピンで持ち上げると、ガラスフィルムが帯電し、ガラスフィルムが帯電破壊を起こすといった不具合も生じやすくなる。
【0008】
このように帯電破壊は、ガラスフィルムの平均表面粗さRaと関係があり、ガラスフィルムの平均表面粗さRaがAFMによる測定で10Åより大きくなると、帯電破壊が起こり難くなる。このため、エッチング等により、ガラスフィルムの表面を粗面化すれば、帯電破壊が起こり難くなるが、上記電極膜の凹凸形状に起因した表示不良が生じやすくなるとともに、ガラスフィルムの製造コストが高騰してしまう。
【0009】
そこで、本発明は、ガラスフィルムの表面品位が良好であるにもかかわらず、ガラスフィルムを順次引き出す際に、剥離による帯電が生じ難いガラスロールを創案することにより、可撓性デバイスの表示特性や生産性等を高めることを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、種々の実験を繰り返した結果、ガラスフィルムの表面品位を高めつつ、誘電率を低下させて、更にこのガラスフィルムをロール状に巻き取りガラスロールにすることにより、上記技術的課題を解決できることを見出し、本発明として、提案するものである。すなわち、本発明のガラスロールは、フィルム厚200μm以下のガラスフィルムをロール状に巻き取ったガラスロールであって、ガラスフィルムの誘電率が7以下であり、且つ平均表面粗さRaが10Å以下であることを特徴とする。ここで、「ガラスロール」には、ガラスフィルム単体をロール状に巻き取ったものだけでなく、ガラスフィルムとプラスチックフィルムの複合フィルムをロール状に巻き取ったものも含まれる。また、「誘電率」は、周波数1MHz、25℃においてASTM D150に記載の方法に基づいて測定した値を指す。さらに、「平均表面粗さRa」は、JIS B0601:2001に記載の方法に基づいて測定した値を指し、例えばAFM等で測定することができる。なお、本発明のガラスロールにおいて、ガラスフィルムの平均表面粗さRaは、少なくとも一方の表面(端面を除く)が上記範囲内であればよく、両表面(端面を除く)が上記範囲であると好ましい。
【0011】
本発明のガラスロールにおいて、ガラスフィルムの誘電率を7以下にすれば、ガラスロールからガラスフィルムを順次引き出す際、ガラスフィルムの表面品位が高くても、ガラスフィルム−ガラスフィルム間の引き剥がし部分で剥離による帯電が発生し難くなるため、雰囲気中の異物がガラスフィルムに吸着したり、その後の工程でガラスフィルムが帯電破壊を起こすといった不具合が生じ難くなる。また、本発明のガラスロールにおいて、ガラスフィルムの誘電率を7以下にすれば、ガラスフィルムの表面品位が高くても、有機ELディスプレイの製造工程でガラスフィルムが帯電破壊し難くなる。
【0012】
本発明のガラスロールにおいて、ガラスフィルムの平均表面粗さRaを10Å以下にすれば、ガラスフィルム上にITO等の透明電極を表面品位が向上するため、有機ELディスプレイ等において電界分布にムラが発生し難くなり、表示不良を引き起こし難くなる。
【0013】
第二に、本発明のガラスロールは、ガラスフィルムのフィルム厚が100μm以下であることを特徴とする。
【0014】
第三に、本発明のガラスロールは、ガラスフィルムの誘電正接が0.5以下であることを特徴とする。ここで、「誘電正接」は、周波数1MHz、25℃においてASTM D150に記載の方法に基づいて測定した値を指す。
【0015】
第四に、本発明のガラスロールは、ガラスフィルムが、ガラス組成として、質量%で、SiO 40〜80%、Al 0〜20%、B 0〜30%、MgO 0〜15%、CaO 0〜15%、SrO 0〜15%、BaO 0〜15%、LiO+NaO+KO(LiO、NaO、KOの合量) 0〜10%未満含有することを特徴とする。
【0016】
第五に、本発明のガラスロールは、ガラスフィルムが、ガラス組成として、質量%で、SiO 55〜78%、Al 10〜20%、B 10〜30%、MgO 0〜4%、CaO 1〜10%、SrO 0〜5%、BaO 0〜5%、LiO+NaO+KO 0〜6%含有することを特徴とする。
【0017】
第六に、本発明のガラスロールは、ガラスフィルムが、ガラス組成として、質量%で、SiO 55〜70%、Al 10〜20%、B 13〜20%、MgO 0〜2%、CaO 6〜10%、SrO 0〜3%、BaO 0〜3%、MgO+CaO+SrO+BaO(MgO、CaO、SrO、BaOの合量) 6.5〜10%、LiO+NaO+KO 0〜0.1%含有することを特徴とする。
【0018】
第七に、本発明のガラスロールは、ガラスフィルムの液相粘度が104.0dPa・s以上であることを特徴とする。ここで、「液相粘度」は、液相温度におけるガラスの粘度を白金球引き上げ法で測定した値を指す。また、「液相温度」は、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れ、温度勾配炉中に24時間保持して、結晶が析出する温度を測定した値を指す。なお、液相粘度が高く、液相温度が低い程、耐失透性や成形性に優れている。
【0019】
第八に、本発明のガラスロールは、ガラスフィルムが、オーバーフローダウンドロー法で成形されてなることを特徴とする。ここで、「オーバーフローダウンドロー法」は、フュージョン法とも称されており、溶融ガラスを耐熱性の樋状構造物の両側から溢れさせて、溢れた溶融ガラスを樋状構造物の下端で合流させながら、下方に延伸成形してガラスフィルムを製造する方法である。
【0020】
第九に、本発明のガラスロールは、最小曲率半径が500mm以下の状態で巻き取られていることを特徴とする。最小曲率半径が500mm以下の状態でガラスフィルムを巻き取ると、ガラスフィルムの梱包効率や搬送効率が向上する。なお、「最小曲率半径」は、通常、巻き取られたガラスフィルムの内、最も内側の部分の曲率半径に相当する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明のガラスロールにおいて、ガラスフィルムのフィルム厚は200μm以下であり、100μm以下、80μm以下、50μm以下、特に30μm以下が好ましい。フィルム厚が小さい程、ガラスフィルムの可撓性が向上するため、ガラスロールの最小曲率半径を小さくすることができ、結果として、ガラスフィルムの梱包効率や搬送効率を高めやすくなるとともに、デバイスの可撓性も高めやすくなる。また、フィルム厚が小さい程、ガラスロールを軽量化することができ、結果として、デバイスも軽量化することができる。
【0022】
本発明のガラスロールにおいて、ガラスフィルムの誘電率は7以下であり、6.5以下、6以下、5.3以下、5以下、4.9以下、特に4.8以下が好ましい。誘電率が高くなると、ガラスフィルムが帯電しやすくなり、帯電破壊を引き起こしやすくなる。また、誘電率が高くなると、有機EL等のデバイスにおいて、画素電極に電圧が印加された際に、誘起される電荷が高くなり、消費電力が高くなる傾向にある。また、誘電率×フィルム厚の値は1400μm以下、1200μm以下、1000μm以下、800μm以下、500μm以下、300μm以下、200μm以下が好ましい。誘電率×フィルム厚の値が小さくなる程、ガラスフィルムの可撓性が高まり、且つ帯電が生じ難いガラスロールを作製しやすくなり、更にはガラスロールの軽量化を図りやすくなる。
【0023】
本発明のガラスロールにおいて、ガラスフィルムの平均表面粗さRaは10Å以下であり、8Å以下、5Å以下、4Å以下、3Å以下、特に2Å以下が好ましい。平均表面粗さRaが大きくなると、有機EL等のデバイスにおいて、ガラスフィルム上に形成される膜の凹凸により、表示ムラが発生しやすくなる。
【0024】
本発明のガラスロールにおいて、ガラスフィルムの誘電正接は0.5以下、0.1以下、0.01以下、0.005以下、0.001以下、特に0.0005以下が好ましい。誘電正接が高くなると、デバイスの動作時に、ガラスフィルムが発熱しやすくなり、デバイスの動作特性に悪影響を及ぼすおそれが生じる。
【0025】
本発明のガラスロールにおいて、ガラスフィルムの密度は2.6g/cm以下、2.5g/cm以下、2.45g/cm以下、2.42g/cm以下、2.40g/cm以下、2.38g/cm以下、2.35g/cm以下、特に2.34g/cm以下が好ましい。密度が2.6g/cmより大きいと、ガラスを軽量化し難くなる。ここで、「密度」は、周知のアルキメデス法で測定した値を指す。
【0026】
本発明のガラスロールにおいて、ガラスフィルムの熱膨張係数は25〜50×10−7/℃、29〜45×10−7/℃、31〜39×10−7/℃、32〜38×10−7/℃、33〜37×10−7/℃、特に33〜35×10−7/℃が好ましい。熱膨張係数が上記範囲外となると、ガラスフィルムが、TFT等の膜との熱膨張係数差に起因して、反りやすくなる。なお、フィルム厚が小さい程、ガラスフィルムが反りやすくなる。このため、フィルム厚が小さい程、熱膨張係数を上記範囲内に規制する必要性が高くなる。
【0027】
本発明のガラスロールにおいて、ガラスフィルムの歪点は500℃以上、550℃以上、620℃以上、630℃以上、640℃以上、650℃以上、特に660℃以上が好ましい。歪点が低いと、有機ELディスプレイ用基板に使用する場合に、ガラスフィルムがp−Si・TFTの製造工程で熱収縮しやすくなる。
【0028】
高温溶融は、ガラス溶融窯の負担を増加させる。ガラス溶融窯に使用されるアルミナやジルコニア等の耐火物は、高温になる程、溶融ガラスに激しく浸食される。耐火物の浸食量が多くなると、ガラス溶融窯のライフサイクルが短くなり、結果として、ガラスフィルムの製造コストが高騰する。また、高温溶融を行う場合、ガラス溶融窯の構成部材に高耐熱性の構成部材を使用する必要があるため、ガラス溶融窯の構成部材が割高になり、結果として、溶融コストが高騰する。さらに、高温溶融は、ガラス溶融窯の内部を高温に保持する必要があるため、低温溶融に比べて、ランニングコストが高騰する。したがって、本発明のガラスロールにおいて、ガラスフィルムの102.5dPa・sにおける温度は1590℃以下、1580℃以下、1570℃以下、1560℃以下、特に1550℃以下が好ましい。102.5dPa・sにおける温度が1590℃より高いと、低温溶融が困難になり、また泡品位が低下しやすくなり、結果として、ガラスフィルムの製造コストが高騰しやすくなる。ここで、「102.5dPa・sにおける温度」は、溶融温度に相当し、白金球引き上げ法で測定した値を指す。
【0029】
本発明のガラスロールにおいて、ガラスフィルムの液相温度は1180℃以下、1150℃以下、1110℃以下、1070℃以下が好ましい。このようにすれば、ガラスに失透結晶が発生し難くなるため、オーバーフローダウンドロー法等でガラスフィルムを成形しやすくなる。このため、ガラスフィルムの表面品位を向上しつつ、ガラスフィルムの製造コストを低廉化することができる。なお、液相温度は、耐失透性の指標であり、液相温度が低い程、耐失透性に優れる。
【0030】
本発明のガラスロールにおいて、ガラスフィルムの液相粘度は104.5dPa・s以上、105.0dPa・s以上、105.5dPa・s以上、105.7dPa・s以上、特に105.8dPa・s以上が好ましい。このようにすれば、成形時に失透結晶が発生し難くなるため、オーバーフローダウンドロー法等でガラスフィルムを成形しやすくなり、ガラスフィルムの表面品位を向上しつつ、ガラスフィルムの製造コストを低廉化することができる。なお、液相粘度は、成形性の指標であり、液相粘度が高い程、成形性に優れる。
【0031】
本発明のガラスロールは、最小曲率半径が500mm以下(望ましくは300mm以下、150mm以下、100mm以下、70mm以下、50mm以下、特に30mm以下)の状態で巻き取られていることが好ましい。最小曲率半径が小さい状態で巻き取れば、ガラスフィルムの梱包効率や搬送効率が向上する。
【0032】
本発明のガラスロールは、巻芯に巻き取られていることが好ましい。このようにすれば、ガラスフィルムを巻き取る際に、ガラスフィルムを巻芯に固定できるため、ガラスロールに外圧が加わったとしても、巻芯によりガラスフィルムの変形が抑制されて、ガラスフィルムの破損を防止することができる。また、巻芯は、外的要因によりガラスフィルムの端面から破損に至る事態を防止するため、ガラスフィルムの幅より長いことが好ましい。なお、巻芯の材質は、特に限定されず、熱可塑性樹脂、紙管等が使用可能である。
【0033】
本発明のガラスロールは、耐衝撃性を高めるためにガラスフィルム−ガラスフィルム間に樹脂製または紙製の緩衝フィルム(合紙)を挿入してもよく、機械的強度を高めるためにガラスフィルムの端面に樹脂を被覆してもよい。
【0034】
本発明のガラスロールは、ガラスフィルムの幅方向の端部(耳部)をスクライブした後に巻き取る場合、スクライブラインが内側になるように巻き取られていることが好ましい。このようにすれば、ガラスフィルムの端面からクラックが発生し難くなる。逆に、スクライブラインが外側になるように巻き取ると、引っ張り応力により、スクライブラインの溝に生じている微細な傷をオリジンとして、ガラスフィルムが破損しやすくなる。なお、このような微細な傷は、ケミカルポリッシュやファイアポリッシュで低減することができる。
【0035】
本発明のガラスロールにおいて、ガラスフィルムの端部がレーザーで切断分離されてなることが好ましい。このようにすれば、ガラスフィルムの成形後に、ガラスフィルムの端部を連続的に切断分離することができるため、ガラスロールの生産効率が向上するとともに、ガラスフィルムの端面からクラックが発生し難くなる。レーザーとして、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー等が使用可能である。レーザーの出力は、レーザーによって進行するクラックの進展速度と、ガラスフィルムの板引き速度が整合するように調整することが好ましい。この場合、速度比=(レーザーによって進展するクラックの速度−板引き速度)/(板引き速度)×100の値は、±10%以下、±5%以下、±1%以下、±0.5%以下、±0.1%以下が好ましい。
【0036】
本発明のガラスロールにおいて、ガラスフィルムのガラス組成を上記範囲に限定した理由を下記に示す。
【0037】
SiOの含有量は40〜80%、好ましくは50〜78%、より好ましくは50〜70%、更に好ましくは55〜65%、特に好ましくは57〜63%、最も好ましくは58〜62%である。SiOの含有量が40%より少ないと、密度を低下させ難くなる。一方、SiOの含有量が80%より多いと、高温粘度が高くなり、溶融性が低下することに加えて、ガラス中に失透結晶(クリストバライト)等の欠陥が生じやすくなる。
【0038】
Alの含有量は0〜20%である。Alの含有量が少ないと、耐熱性を高め難くなったり、高温粘性が高くなり、溶融性が低下しやすくなる。よって、Alの好適な下限範囲は0.1%以上、3%以上、5%以上、10%以上、12%以上、14%以上、14.5%以上、15%以上、特に15.5%以上である。一方、Alの含有量が多いと、液相温度が高くなり、耐失透性が低下しやすくなる。よって、Alの好適な上限範囲は19%以下、18%以下、特に17%以下である。
【0039】
は、誘電率を低下させる成分である。また融剤として働き、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分であり、その含有量は0〜30%である。Bの含有量が少ないと、誘電率を低下させることが困難になり、また融剤としての働きが不十分になるため、高温粘性が高くなり、泡品位が低下しやすくなる。更には、ガラスを低密度化し難くなる。よって、Bの好適な下限範囲は0.1%以上、3%以上、5%以上、11%以上、11.5%以上、12%以上、13%以上、14%以上、15%以上、特に15.5%以上である。一方、Bの含有量が多いと、耐熱性や耐候性が低下しやすくなる。よって、Bの好適な上限範囲は25%以下、20%以下、19%以下、18%以下、特に17%以下である。
【0040】
MgOは、歪点を低下させずに、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分であり、またアルカリ土類金属酸化物の中では最も密度を下げる効果がある成分であり、その含有量は0〜15%、0〜10%、0〜6%、0〜2%、0〜1%、0〜0.5%、0〜0.1%が好ましい。しかし、MgOの含有量が多過ぎると、誘電率や誘電正接が高くなりやすい。また、MgOの含有量が多過ぎると、液相温度が上昇し、耐失透性が低下しやすくなり、更にはガラスが分相しやすくなり、透明性が損なわれるおそれがある。
【0041】
CaOの含有量は0〜15%である。CaOは、歪点を低下させずに、高温粘性を下げて、溶融性を顕著に高める成分であるとともに、本発明に係るガラス組成系において、失透を抑制する効果が大きい成分である。さらに、アルカリ土類金属酸化物の中で、その含有量を相対的に増加させると、ガラスを低密度化しやすくなる。よって、CaOの好適な下限範囲は0.1%以上、1%以上、2%以上、3%以上、6%以上、6.5%以上、特に7%以上である。一方、CaOの含有量が多いと、誘電率や誘電正接が高くなりやすく、また熱膨張係数や密度が高くなり過ぎたり、ガラス組成の成分バランスを損なわれて、耐失透性が低下しやすくなる。よって、CaOの好適な上限範囲は12%以下、9.5%以下、9%以下、特に8.5%以下である。
【0042】
SrOの含有量は0〜15%である。SrOは、歪点を低下させずに、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分であるが、SrOの含有量が多くなると、密度や熱膨張係数が上昇しやすくなり、誘電率や誘電正接も上昇しやすくなる。また、SrOの含有量が多くなると、TFT等の膜の熱膨張係数に整合させるために、相対的にCaOやMgOの含有量を低下しなければならず、その含有量の低下に起因して、耐失透性が低下したり、高温粘性が上昇する事態を招きやすくなる。よって、SrOの含有量は0〜10%、0〜8%、0〜5%、0〜2%、0〜1.5%、0〜1%、0〜0.5%、特に0〜0.1%が好ましい。
【0043】
BaOの含有量は0〜10%である。BaOは、歪点を低下させずに、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分であるが、BaOの含有量が多くなると、密度や熱膨張係数が上昇しやすくなり、誘電率や誘電正接も上昇しやすくなる。また、BaOの含有量が多くなると、TFT等の膜の熱膨張係数に整合させるためには、相対的にCaOやMgOの含有量を低下しなければならず、結果として、耐失透性が低下したり、高温粘性が上昇する事態を招きやすくなる。よって、BaOの含有量は0〜10%、0〜8%、0〜5%、0〜2%、0〜1.5%、0〜1%、0〜0.5%、特に0〜0.1%未満が好ましい。
【0044】
MgO+CaO+SrO+BaOは、液相温度を下げて、ガラス中に結晶異物を発生させ難くする成分であり、また溶融性や成形性を高める成分であり、その含有量は0〜25%、1〜20%、3〜15%、5〜10%、6.5〜9.5%、特に7〜9%が好ましい。MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が少ないと、融剤としての働きを十分に発揮できず、溶融性が低下することに加えて、熱膨張係数が低くなり過ぎ、TFT等の膜の熱膨張係数に整合し難くなる。一方、MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が多いと、密度が上昇し、ガラスを軽量化し難くなり、また比ヤング率が低下するとともに、熱膨張係数が高くなり過ぎる。
【0045】
LiO+NaO+KOの含有量が多くなると、熱膨張係数が高くなったり、歪点が低下したり、TFTの特性が劣化する。よって、LiO+NaO+KOの含有量は0〜10%未満、0〜6%、0〜5%未満、0〜3%、0〜1%、特に0〜0.1%が好ましく、理想的には実質的に含有しないことが望ましい。ここで、「実質的にLiO+NaO+KOを含有しない」とは、ガラス組成中のLiO+NaO+KOの含有量が0.1%未満の場合を指す。
【0046】
上記成分以外にも、他の成分を例えば25%まで、好ましくは15%までガラス組成中に添加することができる。
【0047】
清澄剤は、泡品位を高めるために用いる成分である。従来、清澄剤としては、As、Sbが使用されていた。しかし、As、Sbは、環境負荷物質であり、環境的観点から、これらの使用量を削減することが要求されている。そこで、清澄剤として、SnOを用いると、環境的要請に配慮しつつ、泡品位を高めることができる。
【0048】
SnOは、高温域で良好な清澄作用を発揮する成分であるとともに、高温粘性を低下させる成分であり、その含有量は0〜1%、0.001〜1%、0.01〜0.5%、特に0.05〜0.3%が好ましい。SnOの含有量が1%より多いと、SnOの失透結晶がガラス中に析出しやすくなる。なお、SnOの含有量が0.001%より少ないと、上記の効果を享受し難くなる。
【0049】
As、Sbも清澄剤として有効に作用し、本発明に係るガラスフィルムは、これらの成分の含有を完全に排除するものではないが、環境的観点から、これらの成分の含有量をそれぞれ0.1%未満、特に0.05%未満に規制することが好ましい。また、F、Cl等のハロゲンは、溶融温度を低温化するとともに、清澄剤の作用を促進させる効果があり、結果として、溶融コストを低廉化しつつ、ガラス製造窯の長寿命化を図ることができる。しかし、F、Clの含有量が多過ぎると、ガラスフィルム上に形成される金属の配線パターンを腐食させる場合がある。よって、F、Clの含有量はそれぞれ1%以下、0.5%以下、0.1%未満、0.05%以下、特に0.01%以下が好ましい。
【0050】
上記の通り、清澄剤として、SnOが好適であるが、ガラス特性を損なわない限り、CeO、SO、C、金属粉末(例えばAl、Si等)を5%まで添加することができる。
【0051】
ZnOは、溶融性を高める成分であるが、その含有量が多くなると、誘電率や誘電正接が高くなり、またガラスが失透しやすくなるとともに、歪点が低下する上、密度も上昇しやすくなる。よって、ZnOの含有量は0〜10%、0〜5%、0〜3%、0〜0.5%、特に0〜0.3%が好ましく、理想的には実質的に含有しないことが望ましい。ここで、「実質的にZnOを含有しない」とは、ガラス組成中のZnOの含有量が0.1%以下の場合を指す。
【0052】
ZrOは、耐候性を高める成分であるが、その含有量が多くなると、誘電率や誘電正接が高くなる。よって、ZrOの含有量は0〜5%、0〜3%、0〜0.5%、特に0〜0.2%が好ましく、理想的には実質的に含有しないことが望ましい。ここで、「実質的にZrOを含有しない」とは、ガラス組成中のZrOの含有量が0.01%以下の場合を指す。なお、耐候性を高めたい場合は、ZrOの含有量を0.01%以上にすることが好ましい。
【0053】
TiOは、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分であるとともに、ソラリゼーションを抑制する成分であるが、ガラス組成中に多く添加すると、誘電率や誘電正接が高くなり、またガラスが着色し、透過率が低下しやすくなる。よって、TiOの含有量は0〜5%、0〜3%、0〜1%、特に0〜0.02%が好ましい。
【0054】
は、耐失透性を高める成分であるが、ガラス組成中に多く添加すると、ガラス中に分相、乳白が生じることに加えて、耐水性が顕著に低下する。よって、Pの含有量は0〜5%、0〜1%、特に0〜0.5%が好ましい。
【0055】
、Nb、Laは、歪点を高める働きがあるが、これらの含有量が多いと、誘電率、誘電正接、密度が上昇しやすくなる。よって、これらの成分の含有量は、それぞれ0〜3%、0〜1%、特に0〜0.1%が好ましい。
【0056】
本発明に係るガラスフィルムは、ガラス組成範囲を以下のように規定すれば、誘電率が低下し、またTFT等の膜の熱膨張係数に整合しやすくなるとともに、高温粘度が低下し、しかも液相粘度が高くなりやすい。(1)ガラス組成として、質量%で、SiO 50〜70%、Al 0.1〜20%、B 11〜25%、MgO+CaO+SrO+BaO 5〜13%、MgO 0〜10%、CaO 0〜9%、SrO 0〜7%、BaO 0〜7%含有し、Asの含有量が0.5%未満、Sbの含有量が0.5%未満、Fの含有量が0.1%未満、Clの含有量が0.1%未満、アルカリ金属酸化物の含有量が10%未満、
(2)ガラス組成として、質量%で、SiO 55〜70%、Al 11〜18%、B 12〜22%、MgO+CaO+SrO+BaO 7〜11%、MgO 0〜9%、CaO 0.1〜9%、SrO 0〜6%、BaO 0〜6%含有し、Asの含有量が0.1%未満、Sbの含有量が0.1%未満、Fの含有量が0.1%未満、Clの含有量が0.1%未満、アルカリ金属酸化物の含有量が5%未満、
(3)ガラス組成として、質量%で、SiO 55〜70%、Al 12〜17%、B 12〜19%、MgO+CaO+SrO+BaO 7〜11%、MgO 0〜5%、CaO 2〜9%、SrO 0〜3%、BaO 0〜3%含有し、Asの含有量が0.1%未満、Sbの含有量が0.1%未満、Fの含有量が0.1%未満、Clの含有量が0.1%未満、アルカリ金属酸化物の含有量が1%未満、
(4)ガラス組成として、質量%で、SiO 55〜65%、Al 13〜18%、B 13〜19%、MgO+CaO+SrO+BaO 7〜10%、MgO 0〜1%、CaO 6.5〜9%、SrO 0〜1%、BaO 0〜1%含有し、Asの含有量が0.05%未満、Sbの含有量が0.05%未満、Fの含有量が0.1%未満、Clの含有量が0.1%未満、アルカリ金属酸化物の含有量が0.1%未満、
(5)ガラス組成として、質量%で、SiO 57〜63%、Al 15〜17%、B 15〜18%、MgO+CaO+SrO+BaO 7〜9%、MgO 0〜1%、CaO 7〜9%、SrO 0〜0.5%、BaO 0〜0.5%、SnO 0.01〜0.6%含有し、Asの含有量が0.05%未満、Sbの含有量が0.05%未満、Fの含有量が0.1%未満、Clの含有量が0.1%未満、アルカリ金属酸化物の含有量が0.1%未満。
【0057】
ガラスフィルムの誘電率を低下させるためには、一般的に、ガラス組成中のSiOの含有量を増加させることが有効である。しかし、無アルカリガラスまたは低アルカリガラスの場合、SiOの含有量を増加させると、溶融性が著しく低下する場合がある。しかし、ガラス組成範囲を上記(3)〜(5)のように規制すれば、誘電率を低下させつつ、溶融性の低下を抑制することができる。
【0058】
本発明のガラスロールは、所定のガラス組成になるように調合したガラスバッチを連続式ガラス溶融窯に投入し、このガラスバッチを加熱溶融した後、得られた溶融ガラスを清澄し、成形装置に供給した上で薄板形状等に成形し、ロール状に巻き取ることにより作製することができる。
【0059】
本発明のガラスロールにおいて、ガラスフィルムは、オーバーフローダウンドロー法で成形されてなることが好ましい。このようにすれば、未研磨で表面品位が良好なガラスフィルムを作製することができる。その理由は、オーバーフローダウンドロー法の場合、ガラスフィルムの表面となるべき面は樋状耐火物に接触せず、自由表面の状態で成形されるからである。樋状構造物の構造や材質は、所望の寸法や表面品位を実現できるものであれば、特に限定されない。また、下方への延伸成形を行うために、ガラスフィルムに対して力を印加する方法は、所望の寸法や表面品位を実現できるものであれば、特に限定されない。例えば、充分に大きい幅を有する耐熱性ロールをガラスフィルムに接触させた状態で回転させて延伸する方法を採用してもよいし、複数の対になった耐熱性ロールをガラスフィルムの端面近傍のみに接触させて延伸する方法を採用してもよい。なお、液相温度が低く、液相粘度が高い程、オーバーフローダウンドロー法でガラスフィルムを成形しやすくなる。
【0060】
オーバーフローダウンドロー法以外にも、種々の成形方法を適用することができる。例えば、スロットダウンドロー法、リドロー法等を適用することができる。
【実施例1】
【0061】
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。
【0062】
表1は、本発明に係るガラス試料(試料No.1〜10)を示している。
【0063】
【表1】

【0064】
次のようにして、試料No.1〜10を作製した。まず表中のガラス組成になるように調合したガラスバッチを白金坩堝に入れ、1600℃で24時間溶融した後、カーボン板上に流し出して平板形状に成形した。次に、得られた各試料について、誘電率、誘電正接、密度、熱膨張係数α、歪点、徐冷点、軟化点、104.0dPa・sにおける温度、103.0dPa・sにおける温度、102.5dPa・sにおける温度、液相温度TL、液相粘度logηTLを評価した。
【0065】
誘電率、誘電正接は、周波数1MHz、25℃においてASTM D150に記載の方法に基づいて測定した値である。
【0066】
密度は、周知のアルキメデス法で測定した値である。
【0067】
熱膨張係数αは、ディラトメーターで測定した値であり、30〜380℃の温度範囲における平均値である。
【0068】
歪点、徐冷点および軟化点は、ASTM C336に記載の方法に基づいて測定した値である。
【0069】
104.0dPa・sにおける温度、103.0dPa・sにおける温度、102.5dPa・sにおける温度は、白金球引き上げ法で測定した値である。
【0070】
液相温度TLは、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れ、温度勾配炉中に24時間保持して、結晶の析出する温度を測定した値である。
【0071】
液相粘度logηTLは、液相温度TLにおけるガラスの粘度を白金引き上げ法で測定した値である。
【0072】
表1から明らかなように、試料No.1〜10は、ガラス組成が所定範囲に規制されているため、誘電率が4.93以下、誘電正接が0.0007以下、密度が2.39g/cm以下、熱膨張係数αが30〜35×10−7/℃、歪点が511℃以上、102.5dPa・sにおける温度が1548℃以下、液相温度TLが1190℃以下、液相粘度logηTLが4.0以上であった。なお、試料No.1〜10は、ガラス組成中にAs、Sbを含有していないが、泡品位が良好であった。
【実施例2】
【0073】
試験溶融炉で表1に記載の試料No.1〜10を溶融し、オーバーフローダウンドロー法またはリドロー法により、フィルム厚が50μm、平均表面粗さRaが2Åのガラスフィルムを成形した後、ロール状に巻き取り、ガラスロールとした。成形に際し、引っ張りローラーの速度、冷却ローラーの速度、加熱装置の温度分布、溶融ガラスの温度、溶融ガラスの流量、板引き速度、攪拌スターラーの回転数等を適宜調整することで、ガラスフィルムの表面品位を調節した。なお、平均表面粗さRaは、JIS B0601:2001に記載の方法に基づいて測定した値である。
【実施例3】
【0074】
さらに、[実施例2]で得られたガラスフィルム(試料No.1)を300mm角に切り出し、ガラスフィルムの両面をエタノールで洗浄した後、イオナイザーで除電した。次に、ガラスフィルムを持ち上げるためのリフトピンを4隅に内蔵するアルミ基板上に、ガラスフィルムを載置して30秒間エアーで真空吸着した後、ガラスフィルムとアルミ基板を剥離した。アルミ基板と接触していない側のガラスフィルムの中央部において、剥離直後の最大帯電量と3分経過後の帯電量を表面電位計で測定したところ、剥離直後の最大帯電量が−200V、3分経過後の帯電量は−80Vであった。
【0075】
一方、[実施例2]の方法で得られたガラスフィルム(フィルム厚:50μm、誘電率:7.6、平均表面粗さRa:2Å、ガラス組成:SiO 55.8%、Al 7.0%、MgO 1.9%、CaO 2.0%、SrO 8.9%、BaO 8.5%、ZrO 4.6%、NaO 4.3%、KO 7.0%)について、同様の実験を行ったところ、剥離直後の最大帯電量は−350V、3分経過後の帯電量は−150Vであった。なお、測定時の温度は23℃、湿度は40%であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム厚200μm以下のガラスフィルムをロール状に巻き取ったガラスロールであって、
ガラスフィルムの誘電率が7以下であり、且つ平均表面粗さRaが10Å以下であることを特徴とするガラスロール。
【請求項2】
ガラスフィルムのフィルム厚が100μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のガラスロール。
【請求項3】
ガラスフィルムの誘電正接が0.5以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のガラスロール。
【請求項4】
ガラスフィルムが、ガラス組成として、質量%で、SiO 40〜80%、Al 0〜20%、B 0〜30%、MgO 0〜15%、CaO 0〜15%、SrO 0〜15%、BaO 0〜15%、LiO+NaO+KO 0〜10%未満含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガラスロール。
【請求項5】
ガラスフィルムが、ガラス組成として、質量%で、SiO 55〜78%、Al 10〜20%、B 10〜30%、MgO 0〜4%、CaO 1〜10%、SrO 0〜5%、BaO 0〜5%、LiO+NaO+KO 0〜6%含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガラスロール。
【請求項6】
ガラスフィルムが、ガラス組成として、質量%で、SiO 55〜70%、Al 10〜20%、B 13〜20%、MgO 0〜2%、CaO 6〜10%、SrO 0〜3%、BaO 0〜3%、MgO+CaO+SrO+BaO 6.5〜10%、LiO+NaO+KO 0〜0.1%含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガラスロール。
【請求項7】
ガラスフィルムの液相粘度が104.0dPa・s以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のガラスロール。
【請求項8】
ガラスフィルムが、オーバーフローダウンドロー法で成形されてなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のガラスロール。
【請求項9】
最小曲率半径が500mm以下の状態で巻き取られていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のガラスロール。

【公開番号】特開2011−42508(P2011−42508A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−189691(P2009−189691)
【出願日】平成21年8月19日(2009.8.19)
【出願人】(000232243)日本電気硝子株式会社 (1,447)
【Fターム(参考)】